説明

分析装置において用いる分析ユニット

分析装置において使用する分析ユニットは、一体に組み立てられた複数の試薬容器(4)を備えた試薬用カートリッジ(3)であって、各容器は首部(6)を有し、各容器の首部には閉鎖デバイス(7)が設けられている、カートリッジ(3)と、カートリッジ(3)を受け取るためのキャリヤ(13)であって、上方に開き且つカートリッジを形成する試薬容器(4)の底部を受け取るように形成された座部(22)と、座部から所定の距離だけ離れた位置に配置された、試薬容器を所定の位置に保持する手段であって、試薬容器の底部が座部(22)内に受け取られると試薬容器の首部に係合するように構成された位置保持手段とを含むキャリヤとを備えたことを特徴とする分析ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置において用いる分析ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
文献EP0871894は、第1のタイプの分析ユニットを開示している。この分析ユニットは、試薬用のカートリッジを備えている。この文献によると、カートリッジは複数の試薬容器を備えており、これら複数の試薬容器は、試薬容器の横側面に設けられた接続スライドにより互いに固定されている。各容器は、プラスチック射出成型及び超音波溶接により2つの半外殻部材から形成された本体部と、半外殻部材により形成された開口部に超音波溶接で取り付けられた蓋部とから構成されている。さらに、各容器は、それぞれの半外殻部材と一体成型され且つそれぞれがその横側面に設けられた2つの相補形状のスライド部を備えており、各スライド部は、隣接する容器の相補スライド部に係合するように形成されている。
【特許文献1】欧州公開特許第0871894号
【特許文献2】欧州公開特許第1432516号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら容器の製造には、多数の部品を射出成型し、それらの部品を超音波溶接する必要がある。射出成型及び超音波溶接には非常に高価な器具が必要なので、容器の製造コスト、ひいてはカートリッジの製造コストが非常に高くなる。
【0004】
これら容器は容器の本体部と一体成型されたスライドにより組み合わされるので、半外殻部材の成型時に高い精度が要求され、そのような半外殻部材を製造するための高精度な射出成型技術が必要である。したがって、比較的コストの低い成型技術を用いてこれらの半外殻部材を製造することはできない。
【0005】
さらに、多数の部品を組み合わせるので、容器の漏れが起こるリスクがあり、したがって、いくつかの容器を廃棄することになり得る。
【0006】
さらに、そのような容器に形成され得る漏れ欠陥箇所を特定するために、非常にコストのかかる手段を容器製造ラインに設ける必要がある。
【0007】
その結果、文献EP0871894に記載されたようなカートリッジの製造及び組立は、非常に複雑であり且つコストがかかる。
【0008】
文献EP1432516は、第2のタイプの分析ユニットを開示している。この分析ユニットは、試薬カートリッジとこのカートリッジを受け取るように形成されたキャリヤとを備えている。
【0009】
この文献によると、カートリッジは、プラスチック製の試薬容器を複数備えており、これらの容器は一体に組み合わされている。文献EP0871894と同様に、各容器は、プラスチック射出成型及び超音波溶接により2つの半外殻部材から形成された本体部と、半外殻部材により形成された開口部に超音波溶接で取り付けられた蓋部とから構成されている。
【0010】
したがって、上述のとおり、これら容器は、多数の部品を射出成型し、それらの部品を超音波溶接することにより形成されるので、カートリッジの製造コストは非常に高い。
【0011】
文献EP1,432,516に開示されたキャリヤは、上方に開き且つカートリッジを形成する試薬容器の底部を受け取るように形成された座部と、容器を定位置に保持する手段とを備えている。これら複数の位置保持手段は、一方側に、キャリヤの前面壁に設けられ、容器の長手方向前面側に設けられた相補リブに係合するように形成されたスナップ嵌込形の溝を備え、他方側に、キャリヤの端部壁に設けられ、容器の長手方向背面に設けられた垂直フックに係合するように形成された垂直ノッチを備えている。
【0012】
容器本体と一体成型されたフック及びスナップ嵌込リブの形成は、容器本体を形成する半外殻部材の成型時に高い精度を要求し、結果的に、そのような半外殻部材を製造するための高精度な射出成型技術が必要である。したがって、別の比較的コストの低い成型技術を用いてこれらの半外殻部材を製造することはできない。
【0013】
その結果、文献EP1432516に記載されたような分析ユニットの製造は、非常に複雑であり且つコストがかかる。
【0014】
本発明は、上記の欠点を克服することである。
【0015】
したがって、本発明の基となる技術的課題は、単純な構成を有し且つ製造コストが大幅に低減された分析ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的のために、本発明は、分析装置において使用する分析ユニットに関する。該分析ユニットは、
一体に組み立てられた複数の試薬容器を備えた試薬用カートリッジであって、該各容器は首部を有し、該各容器の該首部には閉鎖デバイスが設けられている、カートリッジと、
該カートリッジを受け取るためのキャリヤであって、上方に開き且つ該カートリッジを形成する試薬容器の底部を受け取るように形成された座部と、該座部から所定の距離だけ離れた位置に配置された、該試薬容器を所定の位置に保持する手段であって、該試薬容器の底部が該座部内に受け取られると該試薬容器の該首部に係合するように構成された位置保持手段とを含むキャリヤとを備えたことを特徴とする。
【0017】
したがって、カートリッジを形成する容器は、各容器の首部をキャリヤに設けられた位置保持手段に係合することにより、分析装置のキャリヤの所定の位置に保持される。その結果、容器に複雑な位置保持手段を直接設ける必要がない。したがって、容器の製造を簡略化できるので、カートリッジの製造コスト、ひいては分析ユニットの製造コストを低減できる。
【0018】
その結果、容器の製造コスト、ひいてはカートリッジの製造コストが、従来技術のカートリッジの製造コストと比較して大幅に低減される。
【0019】
本発明の実施形態によると、上記位置保持手段は、上記キャリヤに設けられた複数のノッチを含み、上記ノッチの各々は、試薬容器の底部が上記座部に受け取られると上記試薬容器の上記首部に係合するように形成されている。
【0020】
好適には、2つの隣接する首部の軸間の距離は、2つの隣接するノッチの間の距離の数倍である。
【0021】
このことにより、カートリッジをキャリヤに設置すると各容器の首部がキャリヤに設けられたそれぞれのノッチに正対することを確実にしつつ、異なる容量の容器を用いてカートリッジを形成することができる。
【0022】
好適には、上記キャリヤは略鉛直方向に延びる背部壁を有し、上記背部壁の上側長辺は、上記背部壁に対して略垂直の折り曲げフランジを有し、上記折り曲げフランジに上記ノッチが設けられている。
【0023】
好適には、上記折り曲げフランジは、その長手方向に均等な間隔で配置された一連のノッチを有している。
【0024】
本発明の別の特徴によると、上記背部壁の底側長辺は上記背部壁に対して略垂直の折り曲げフランジを有し、上記折り曲げフランジは上記背部壁に対して略平行である縁部を有し、上記縁部及び上記背部壁並びに上記折り曲げフランジは、上記試薬容器の底部を受け取るための上記座部を形成する。
【0025】
好適には、上記キャリヤは攪拌システムを有し、上記攪拌システムは管状の支持部材を備えており、上記管状支持部材は、その軸が鉛直方向と一致し且つ回転可能な様態で上記キャリヤに設置されており、上記支持部材はその外側表面に回転駆動手段を有する。
【0026】
好適には、上記回転駆動手段は、分析装置の駆動機構によって回転駆動されるように形成された歯車を含む。
【0027】
本発明の一実施形態によると、上記容器の各々は、単一の部材としてプラスチックで形成され、上記各容器の上記首部は、上記各容器の本体部と一体的にブロー成型されている。
【0028】
したがって、カートリッジの各容器は、プラスチックのブロー成型により単一の部材として直接形成される。
【0029】
このことにより、非常に高コストの射出成型手段及び超音波溶接手段を用いる必要がない。
【0030】
本発明の別の実施形態によると、上記各容器は、上記キャリヤに係合するように形成された2つの略平行な長手側面と、相補形状を有する2つの横側面とを有し、2つの隣接する容器の上記横側面は互いに向かい合い且つ互いに当接している。
【0031】
好適には、上記カートリッジは、異なる容量の容器を有する。したがって、異なる種類の試薬を異なる容量で用いることを要求する分析を行うことができる。
【0032】
本発明のある特徴によると、上記容器は、上記容器の外周に設けられた粘着性ストリップによって互いに固定されている。
【0033】
したがって、複数の容器を組み立てるために、複雑且つ高コストの機械的手段を設ける必要がない。したがって、カートリッジの製造コストをさらに低減できる。
【0034】
好適には、上記粘着性ラベルは、その外面に、上記カートリッジについての情報、具体的には、使用する試薬及び実施する分析についての説明を含むラベルを形成し、上記情報は例えばバーコードの形態で提供される。
【0035】
本発明の別の特徴によると、上記各容器の閉鎖デバイスはキャップにより形成され、上記キャップのスカート部は、その内側に、ねじ係合又はスナップ係合により上記容器の首部に固定するための手段を有し、少なくとも部分的に開口した底部に破断可能な膜を有する。
【0036】
本発明の別の特徴によると、上記分析ユニットは、上記管状支持部材内に設けられた管状コンテナをさらに備え、上記管状コンテナの軸は、上記管状支持部材の軸に対してずれている。
【0037】
このように管状コンテナの軸と管状支持部材の軸とがずれた構成とすることにより、分析装置の駆動機構によって支持歯車を回転駆動することで、コンテナ内に保持された溶液の揺動攪拌(orbital stirring)を行うことができる。したがって、溶液が分析しようとする検体を捕捉するための磁気粒子を含む場合、このコンテナの偏心回転動作により、磁気粒子がコンテナの内側表面上に凝集することが防止される。
【0038】
磁気粒子は水よりも高濃度なので、コンテナ内に沈殿しやすい。この点について、分析中、磁気粒子を溶液中に懸濁した状態に維持することが非常に重要である。
【0039】
よって、分析の実施前に、オペレータは、管状支持部材からコンテナを取り外して、コンテナを揺動し、その後コンテナを管状支持部材内に再配置する。このような磁気粒子の懸濁状態を確保する動作は、文献EP1432516及びEP0871894に記載のカートリッジを用いて実行する動作よりも単純である。実際、これらの文献によると、コンテナはカートリッジの不可分な一部分を形成しており、つまり、コンテナ内に保持された磁気粒子の懸濁状態を確保するには、カートリッジ全体を揺動する必要がある。
【0040】
さらに、文献EP1432516及びEP0871894に記載のものとは異なり、コンテナを回転駆動する手段は、一回使用型のコンテナに直接設けられるのではなく、管状支持部材に設けられる。これにより、コンテナの製造コスト、ひいては分析ユニットの製造コストが最小化される。
【0041】
好適には、上記コンテナの内壁は、長手方向に延びたフィンを有している。このことにより、コンテナの回転駆動時における磁気粒子の攪拌が向上する。
【0042】
好適には、上記コンテナの外壁は長手方向に延びた溝を有し、この溝が上記管状支持部材の内壁に設けられた相補リブに係合することにより、上記コンテナが上記支持部材に確実に固定される。
【0043】
いずれにせよ、本発明は、本発明のカートリッジの一実施形態を非限定的に例示する添付の模式図を参照しつつ、以下の説明を助けとして、いっそう十分に理解されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図4は、分析装置において使用する分析ユニット2を示す。
【0045】
図1においてより具体的に示すように、分析ユニット2は、試薬用のカートリッジ3を備えており、カートリッジ3は5個の試薬容器4を備えている。各試薬容器4には、液体試薬が保持されている。
【0046】
各容器4は、単一の部材としてプラスチックで形成されており、ブロー成型により一体に形成された本体部5と首部6とを有する。各容器の本体部5は、略矩形の断面形状を有し、分析装置のキャリヤに係合するように形成された2つの略平行な長手側面と、相補形状を有する横側面とを有する。2つの隣接する容器の互いに向かい合った横側面は、互いに当接している。
【0047】
なお、各容器の首部6は閉鎖デバイス7を有しており、分析装置のキャリヤに設けられた相補形状を有するノッチに係合するように形成されている。各容器の閉鎖デバイスは、キャップ7により形成されている。キャップ7のスカート部は、その内側に、ねじ係合又はスナップ係合により容器の首部に固定するための手段を有し、少なくとも部分的に開口した底部に、破断可能な膜8を有する。破断可能な膜は複数のスリット9を有しており、このスリットにより、分析装置のプローブ又は針を容器内部に挿入・抜出することが簡単に行える。
【0048】
これらの独立した複数の容器4は、容器の外周に設けられた粘着性ラベル11により互いに固定される。粘着性ラベル11は、その外面に、カートリッジについての情報(具体的には、例えば、使用する試薬及び実施する分析についての説明)を含むバーコード12を有する。
【0049】
カートリッジ3は、3つの同一寸法の10ml容器と、1つの20ml容器と、1つの40ml容器とを備えている。この場合、実施する分析は、分析するサンプル中に目的の物質が存在するかどうかを判定するために、5種類の異なる試薬を異なる量にて使用することを必要としている。
【0050】
しかし、本分析装置によって実施され得る分析のさまざまな性質を考慮すると、容器の個数、大きさ及び位置は適宜変更され得る。
【0051】
図2にさらに具体的に示すように、分析ユニット2は、プラスチック製のキャリヤ13をさらに備えている。キャリヤ13は、略鉛直方向に延びた背部壁14を有し、背部壁14の上側長辺15は、背部壁14に対して略垂直であり且つ背部壁14の長辺全体に亘って延びた、長辺側折り曲げフランジ16を有する。折り曲げフランジ16は、フランジの長さ方向に沿って均等な間隔で形成された9個のノッチ17を有する。各ノッチ17は、カートリッジの試薬容器の首部に係合するように形成されている。
【0052】
背部壁の底側長辺18は、背部壁14に対して略垂直であり且つ背部壁14の長辺全体に亘って延びた、長辺側折り曲げフランジ19を有する。折り曲げフランジ19は、背部壁14に対して略平行であり且つ背部壁14の長辺全体に亘って延びた縁部21を有する。
【0053】
縁部21及び背部壁14並びに折り曲げフランジ19が、座部22を形成する。座部22は、上方に開いており且つ少なくとも1つの試薬容器の底部を受け取るように形成されている。
【0054】
なお、第1及び第2の折り曲げフランジは、それぞれキャリヤの頂部壁及び底部壁を形成する。
【0055】
背部壁の分析装置側の横側端部23は、背部壁に対して略垂直であり且つこの横側端部上を部分的に延びた、横側折り曲げフランジ24を有する。なお、これら3つの折り曲げフランジは略同じ厚さを有する。
【0056】
折り曲げフランジ24は、フランジ24に対して垂直外方に突き出た下側突起25及び上側突起26を有する。各突起は円形の貫通孔を有し、これら2つの貫通孔は同軸の関係に配置されている。
【0057】
キャリヤ13は、攪拌システムをさらに有する。攪拌システムは、折り曲げフランジ24上に回転可能に設置された管状の支持部材27を有する。この管状の支持部材は、円筒状の本体部28を有する。本体部28は、外側表面に歯車29を有する。この歯車29は、分析装置の駆動機構により回転駆動されるように形成されている。円筒状の本体部28は、第1円筒部分30及びさらに小径の第2円筒部分31へと連続して延びている。これら2つの円筒部分は、円筒状本体部28と同軸の関係に配置されている。第1円筒部分30は上側突起26の孔の内側に係合し、第2円筒部分31は下側突起25の孔の内側に係合している。
【0058】
なお、第2円筒部分31は、その自由端に、下側突起25の底部側表面に係合する留め部を有し、管状支持部材がキャリヤから脱落するのを防止している。
【0059】
キャリヤは、折り曲げフランジ16と一体のハンドル32をさらに有し、これにより、分析装置のカートリッジの挿入及び除去ができる。
【0060】
キャリヤ13にカートリッジ3を固定するには、まず各容器の底部をキャリヤの座部22の内側に係合し、次に各容器の首部を対応するノッチ17の内部に係合すればよい。なお、ノッチは、キャリヤに固定した容器の首部の軸方向に対して略垂直な平面を拡がるように設けられている。
【0061】
容器がキャリヤに確実に正しく固定されるように、各容器の上側と閉鎖キャップ7との間の距離は折り曲げフランジ16の厚さに略等しく、各ノッチ17の形状は各容器の首部の形状に対応した相補形状である。さらに、底部の折り曲げフランジ19と頂部の折り曲げフランジ16との距離を容器4の高さと略等しくしたことにより、容器がキャリヤに正しく固定される。
【0062】
なお、ノッチ17はさらに、容器がキャリヤ13に対して横方向にずれるのを防止する。
【0063】
図4に示すように、分析ユニットはさらに、管状支持部材27に脱着可能に取り付けられた管状コンテナ33を備えている。管状コンテナの軸は、管状支持部材の軸に対してずれている。好適には、管状コンテナは、その内壁に長手方向に延びたフィンを有し、分析する検体を捕捉するための磁気粒子を含む溶液を保持している。
【0064】
なお、コンテナの外壁には長手方向に延びた溝が形成されており、この溝が管状支持部材の内壁に形成された相補リブに係合することにより、コンテナが支持部材に確実に固定される。
【0065】
言うまでもないが、本発明は上記カートリッジの1つの実施形態のみに限定されるものではない。上記の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明はあらゆる変形例を含むものである。具体的には、上記とは異なる個数のノッチ及び/又は容器が設けられてもよい。さらに、キャリヤ13は金属製であってもよく、例えばステンレス鋼で形成されてもよい。この場合、容器中の試薬のレベルを検出するための熱伝導率及び電気伝導率が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明によるカートリッジの斜視図である。
【図2】図2は、本発明によるキャリヤの斜視図である。
【図3】図3は、本発明による分析ユニットの組立中の様子を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明による分析ユニットの組立てられた状態を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置において使用する分析ユニットにおいて、
一体に組み立てられた複数の試薬容器(4)を備えた試薬用カートリッジ(3)であって、前記各容器は首部(6)を有し、前記各容器の前記首部には閉鎖デバイス(7)が設けられている、カートリッジ(3)と、
前記カートリッジ(3)を受け取るためのキャリヤ(13)であって、上方に開き且つ前記カートリッジを形成する試薬容器(4)の底部を受け取るように形成された座部(22)と、前記座部から所定の距離だけ離れた位置に配置された、前記試薬容器を所定の位置に保持する手段であって、前記試薬容器の底部が前記座部(22)内に受け取られると前記試薬容器の前記首部に係合するように構成された位置保持手段とを含むキャリヤと
を備えたことを特徴とする分析ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の分析ユニットにおいて、
前記位置保持手段は、前記キャリヤ(13)に設けられた複数のノッチ(17)を含み、前記ノッチの各々は、試薬容器(4)の底部が前記座部(22)に受け取られると前記試薬容器(4)の前記首部(6)に係合するように形成されている
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
2つの隣接する首部(6)の軸間の距離は、2つの隣接するノッチ(17)の間の距離の数倍である
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項4】
請求項2及び3のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記キャリヤは、略鉛直方向に延びる背部壁(14)を有し、前記背部壁(14)の上側長辺(15)は、前記背部壁(14)に対して略垂直の折り曲げフランジ(16)を有し、前記折り曲げフランジ(16)に前記ノッチ(17)が設けられている
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の分析ユニットにおいて、
前記折り曲げフランジ(16)は、その長手方向に均等な間隔で配置された一連のノッチを有している
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項6】
請求項4及び5のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記背部壁(14)の底側長辺(18)は前記背部壁(14)に対して略垂直の折り曲げフランジ(19)を有し、前記折り曲げフランジ(19)は、前記背部壁に対して略平行である縁部(21)を有し、前記縁部及び前記背部壁並びに前記折り曲げフランジは、前記試薬容器の底部を受け取るための前記座部(22)を形成する。
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記キャリヤ(13)は攪拌システムを有し、前記攪拌システムは管状の支持部材(27)を備えており、前記管状支持部材(27)は、その軸が鉛直方向と一致し且つ回転可能な様態で前記キャリヤに設置されており、前記支持部材はその外側表面に回転駆動手段(29)を有する
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の分析ユニットにおいて、
前記回転駆動手段は、分析装置の駆動機構によって回転駆動されるように形成された歯車(29)を含む
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記容器(4)の各々は、単一の部材としてプラスチックで形成され、前記各容器(4)の前記首部(6)は、前記各容器の本体部(5)と一体的にブロー成型されている
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記各容器は、前記キャリヤ(13)に係合するように形成された2つの略平行な長手側面と、相補形状を有する2つの横側面とを有し、2つの隣接する容器の前記横側面は互いに向かい合い且つ互いに当接している、
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記カートリッジ(3)は、異なる容量の容器(4)を有する
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記容器(4)は、前記容器の外周に設けられた粘着性ストリップ(11)によって互いに固定されている
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の分析ユニットにおいて、
前記粘着性ラベル(11)は、その外面に、前記カートリッジについての情報、具体的には、使用する試薬及び実施する分析についての説明を含むラベルを形成し、前記情報は例えばバーコード(12)の形態で提供される
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記各容器の閉鎖デバイスはキャップ(7)により形成され、前記キャップのスカート部は、その内側に、ねじ係合又はスナップ係合により前記容器の首部に固定するための手段を有し、少なくとも部分的に開口した底部に破断可能な膜を有する
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項15】
請求項7〜14のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記分析ユニットは、前記管状支持部材(27)内に設けられた管状コンテナ(33)をさらに備え、
前記管状コンテナの軸は、前記管状支持部材の軸に対してずれている
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項16】
請求項15に記載の分析ユニットにおいて、
前記コンテナ(33)の内壁は、長手方向に延びたフィンを有している
ことを特徴とする分析ユニット。
【請求項17】
請求項15及び16のいずれか1つに記載の分析ユニットにおいて、
前記コンテナ(33)の外壁は長手方向に延びた溝を有し、この溝が前記管状支持部材(27)の内壁に設けられた相補リブに係合することにより、前記コンテナ(33)が前記支持部材(27)に確実に固定される
ことを特徴とする分析ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−544959(P2009−544959A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521290(P2009−521290)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001241
【国際公開番号】WO2008/009821
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(507023946)ビョコード イセル フランス ソシエテ アノニム (2)
【Fターム(参考)】