説明

分析装置

【課題】分析精度を高めた分析装置を提供すること。
【解決手段】光源180が発した光を反応容器内に収容された液体試料に照射して、この液体試料を分析する分析装置において、光源180が発した光を分岐する分岐機構181と、分岐機構181によって分岐された光をそれぞれ用いて少なくとも異なる測光を行う複数の測光光学系である比色測定ユニット18A、比濁測定ユニット18B、汚れ測定ユニット18Cおよび泡・液量測定ユニット18Dの複数の測光ユニットを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源が発した光を反応容器内に収容された液体試料に照射して検体を分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿等の液体に対して自動的かつ連続的に各種化学分析を行う分析装置が提案されている(特許文献1参照)。このような分析装置においては、回転テーブル上に複数の反応容器を環状に配置し、回転テーブルの回転によって反応容器を回転させることによって、回転テーブルに沿って配置された検体分注装置、試薬分注装置、攪拌装置、測光装置および洗浄装置のそれぞれに反応容器を搬送する。ここで、測光装置は光を発光する発光部と光を受光する受光部とを備え、発光部は反応容器に対して光を発し、受光部は反応容器内を透過した光を受光する。分析装置は、この受光量をもとに反応容器内の液体試料における所定物質の濃度分析などの化学分析処理を行う。
【0003】
【特許文献1】特開平5−164763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、同種の測光光学系を複数有し、異なる測光タイミングで各測光光学系に測光を行わせ、各測光光学系における各測光結果をもとに測光が行われた各液体試料の濃度分析を行う分析装置が提案されている。しかしながら、このような分析装置においては、濃度測定のために複数の測光光学系を用いて測定を行ったとしても、これらの測光光学系は同種の測光光学系であるため測定結果を別の観点から検証することができず、分析精度の限界があった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、分析精度を格段に高めることができる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明は、光源が発した光を反応容器内に収容された液体試料に照射して液体試料を分析する分析装置において、前記光源が発した光を分岐する分岐手段と、前記分岐手段によって分岐された光をそれぞれ用いて、少なくとも異種の測光を行う複数の測光光学系と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記測光光学系の一つは、前記反応容器側面に垂直な平行光を該反応容器側面の所定領域に照射し該反応容器を通過した光を測光して前記液体試料における懸濁度を検出することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記測光光学系の一つは、前記反応容器側面に対し傾斜する角度の光を入射し該反応容器における散光を測光して該反応容器の汚れを検出することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記測光光学系の一つは、前記分岐手段によって分岐された光を用いて前記反応容器側面を撮像し、該撮像結果をもとに該反応容器に収容された液体の容量および/または該反応容器に収容された液体における泡の有無を検出することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分岐手段は、ハーフミラーおよび/またはミラーであることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分岐手段は、前記光源が発した光を光ファイバーで受光し、該光ファイバーを前記測光光学系ごとに分岐して光を出射することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分岐手段は、各測光光学系ごとに設けられた複数の光ファイバーであることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記光ファイバーの両端部にはレンズドファイバーが設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、前記複数の測光光学系の少なくともいずれか一つは、同種の測光光学系を複数有することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析装置は、前記複数の測光光学系の少なくともいずれか一つの検出結果をもとに、他の前記測光光学系の検出結果に異常が含まれるおそれがあるか否かを判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる分析装置は、前記測光光学系における測光結果をもとに前記液体試料を分析する分析手段と、前記判定手段における判定結果および/または前記分析手段における分析結果を出力する出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる分析装置によれば、光源が発した光を分岐する分岐手段と分岐手段によって分岐された光をそれぞれ用いて少なくとも異種の測光を行う複数の測光光学系とを備え、異種の測光を行う複数の測光光学系の測光結果を用いることによって測光分析の精度を格段に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0019】
図1は、本実施の形態にかかる分析装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、分析装置1は、分析対象である検体および試薬を透明な反応容器20にそれぞれ分注し、反応容器20内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う。
【0020】
測定機構2は、大別して反応テーブル10、第1試薬庫11、第1試薬分注機構12、検体移送部13、検体分注機構14、第2試薬庫15、第2試薬分注機構16、攪拌部17、測光部18および洗浄部19を備える。また、制御機構3は、制御部31、入力部32、分析部33、判定部34、記憶部35、出力部36および送受信部37を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0021】
反応テーブル10は、反応容器20への検体や試薬の分注、反応容器20の攪拌、洗浄または測光を行うために反応容器20を所定の位置まで移送する。この反応テーブル10は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル10の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル10の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0022】
第1試薬庫11は、反応容器20内に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器11aを複数収納できる。第1試薬庫11には、複数の収納室が等間隔で配置されており、各収納室には第1試薬容器11aが着脱自在に収納される。第1試薬庫11は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、第1試薬庫11の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第1試薬容器11aを第1試薬分注機構12による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬庫11の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられている。また、第1試薬庫11の下方には、恒温槽が設けられている。このため、第1試薬庫11内に第1試薬容器11aが収納され、蓋が閉じられたときに、第1試薬容器11a内に収容された試薬を恒温状態に保ち、第1試薬容器11a内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0023】
第1試薬容器11aの側面部には、第1試薬容器11aに収容された試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。
【0024】
第1試薬庫11の外周部には、この記録媒体を光学的に読み取る第1試薬読取部11bが設けられている。第1試薬読取部11bは、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、第1試薬読取部11bは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。
【0025】
第1試薬分注機構12は、検体の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられたアーム12aを備える。アーム12aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。第1試薬分注機構12は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第1試薬分注機構12は、第1試薬庫11上の所定位置に移動された第1試薬容器11a内の試薬をプローブによって吸引し、アーム12aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル10上の所定位置に搬送された反応容器20に第1試薬を吐出して分注を行う。
【0026】
検体移送部13は、検体を収容した複数の検体容器13aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック13bを備える。検体は、血液や尿等の液体試料である。検体移送部13上の所定位置に移送された検体容器13a内の検体は、検体分注機構14によって、反応テーブル10上に配列して搬送される反応容器20に分注される。
【0027】
検体分注機構14は、第1試薬分注機構12と同様に、検体の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられたアーム14aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注機構14は、上述した検体移送部13上の所定位置に移送された検体容器13aの中からプローブによって検体を吸引し、アーム14aを図中反時計回りに旋回させ、反応容器20に検体を吐出して分注を行う。
【0028】
第2試薬庫15は、反応容器20内に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器15aを複数収納できる。第2試薬庫15には、第1試薬庫11と同様に、第2試薬容器15aが着脱自在に収納される複数の収納室が設けられている。第2試薬庫15は、第1試薬庫11と同様に、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第2試薬容器15aを第2試薬分注機構16による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬庫11と同様に、第2試薬庫15の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられ、第2試薬庫15の下方には、恒温槽が設けられている。第2試薬容器15aの側面部には、第1試薬容器11aと同様に、第2試薬容器15aに収容された第2試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。また、第2試薬庫15の外周部には、第1試薬読取部11bと同様の機能を有し第2試薬容器15aに付された記録媒体を光学的に読み取る第2試薬読取部15bが設けられている。
【0029】
第2試薬分注機構16は、第1試薬分注機構12と同様に、第2試薬の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられたアーム16aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備え、第2試薬庫15上の所定位置に移動された第2試薬容器15a内の試薬をプローブによって吸引後、反応テーブル10上の所定位置に搬送された反応容器20に第2試薬を吐出して分注を行う。
【0030】
反応容器20には、濃度分析などの生化学的分析を行うため、測定項目に応じて第1試薬または第2試薬が分注される。たとえば、第1試薬および第2試薬は、後述する比色測定ユニット18Aによる濃度分析のために分注される試薬であって、検体中の被分析成分と反応する標識物質を含む試薬である。なお、第1試薬、第2試薬は、免疫学検査を指定された検体に対して後述する比濁測光ユニット18Bによる比濁測定のために分注される試薬であって、検体中の被分析成分と免疫反応を起こす磁性粒子を含む試薬であってもよい。
【0031】
攪拌部17は、反応容器20に分注された検体および各試薬の攪拌を行い、反応を促進させる。また、攪拌部17は、所定の検体が収容された反応容器20に対しては、反応容器20を振動させ、反応容器20内の液体を攪拌した後、所定の間、静置することによって反応容器20内の反応を促進させる。
【0032】
測光部18は、図2に示すように、所定波長の光を発する光源180と、光源180が発した光を各測光ユニットに分岐する分岐機構181と、分岐機構181によって分岐された光をそれぞれ用いて、少なくとも異なる測光を行う比色測定ユニット18A、比濁測定ユニット18B、汚れ測定ユニット18Cおよび泡・液量測定ユニット18Dの複数の測光ユニットを有した複数の測光光学系とを有する。各測光ユニットは、制御部31の指示に応じて測光処理を行う。
【0033】
比色測定ユニット18Aは、濃度分析などの生化学的分析を行うために、分岐機構181から分岐された光を反応容器の所定位置に集光し、液体試料を収容した反応容器20を通過した光を受光して分光強度測定を行う。
【0034】
比濁測定ユニット18Bは、反応容器20に収容された液体試料における懸濁度を検出するため、反応容器20側面に垂直な平行光を反応容器20側面の所定領域に照射し、反応容器20を通過した光を測光する。比濁測定ユニット18Bは、比色測定ユニット18Aと異なる光の焦点および光の光束として反応容器20に平行光を照射する。なお、比濁測定ユニット18Bは、後述する判定部34における判定のために比濁測定を行うほか、免疫学検査のために比濁測定を行ってもよい。この場合、反応容器20内には、検体中の被分析成分と免疫反応を起こす磁性粒子を含む試薬が分注される。
【0035】
汚れ測定ユニット18Cは、反応容器20の汚れを検出するため、反応容器20側面に対し傾斜する角度の光を入射し、この反応容器20における散光の光量を測定する。
【0036】
泡・液量測定ユニット18Dは、反応容器20に収容された液体の容量および/または反応容器20に収容された液体における泡の有無を検出するために、分岐機構181によって分岐された光を用いて反応容器20側面を撮像し、撮像結果である画像情報を出力する。
【0037】
洗浄部19は、図示しないノズルによって、測光部18による測定が終了した反応容器20内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行う。この洗浄した反応容器20は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器20を廃棄してもよい。
【0038】
つぎに、制御機構3について説明する。制御部31は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。入力部32は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。
【0039】
分析部33は、測光部18によって測定された測定結果をもとに反応容器20内の検体を分析する。分析部33は、比色測定ユニット18Aの測定結果をもとに吸光度等を演算し、検体の成分分析等を行う。なお、分析部33は、比濁測定ユニット18Bの測定結果をもとに、検体内に所定の被分析成分が含まれているか否かを判断する免疫学的な分析を行ってもよい。
【0040】
判定部34は、同じ反応容器20に対する比濁測定ユニット18B、汚れ測定ユニット18Cおよび泡・液量測定ユニット18Dの少なくともいずれか一つの測定結果をもとに、この反応容器20に収容された検体の分析結果であって比色測定ユニット18Aによる測定結果をもととした分析結果に異常が含まれるおそれがあるか否かを判定する。判定部34は、分析部33における分析結果に対して判定結果を対応づけた分析情報を生成する。
【0041】
判定部34は、比濁測定ユニット18Bによって測定された受光量をもとに反応容器20内の液体試料における懸濁度を取得し、取得した懸濁度が所定範囲であるか否かを判断する。この所定範囲は、検体および所定の試薬が正常に分注され、反応が正常に進行した場合における液体試料の懸濁度をもとに設定される。判定部34は、取得した懸濁度が所定範囲内であると判断した場合には、一般分析に対応する各処理が正常に行われたと判断し、正常判定を出力する。判定部34は、取得した懸濁度が所定範囲内でないと判断した場合には、一般分析に対応する各処理に異常があったおそれがあると判断し、異常判定を出力する。
【0042】
判定部34は、汚れ測定ユニット18Cによって測定された散光の光量をもとに、反応容器20における汚れの有無を判定する。反応容器20に汚れがあった場合、反応容器20側面に対し傾斜する角度で入射された光が反応容器20を通過する際、反応容器20を通過した光の進行方向が多くの方向に変わり散乱する。このため、この散光の光量をもとに、反応容器20における汚れの有無を判断することができる。判定部34は、散光の光量が所定範囲以下である場合には、反応容器20における汚れは、一般分析における分析に影響はないものと判断し、正常判定を出力する。一方、判定部34は、散光の光量が所定範囲を超える場合には、洗浄部19における洗浄処理の異常等によって発生した反応容器20の汚れが一般分析に影響して一般分析における精度の確保が困難であると判断し、異常判定を出力する。なお、この所定範囲は、反応容器20の状態などをもとに設定される。
【0043】
また、分析部33は、泡・液量測定ユニット18Dによって出力された画像情報をもとに、反応容器20に収容された液体の容量および/または反応容器20に収容された液体における泡の有無を判定する。判定部34は、画像情報を処理し、反応容器20に収容された液体の容量を取得する。判定部34は、反応容器20に収容された液体の容量が所定量である場合には、所定量の検体または試薬が正常に分注されていると判断し、正常判定を出力する。これに対し、判定部34は、反応容器20に収容された液体の容量が所定量でない場合には、所定量の検体または試薬が分注されておらず、一般分析において正確な分析が困難であると判断し、異常判定を出力する。また、判定部34は、画像情報を処理し、反応容器20内の泡が液体内に占める割合を取得する。判定部34は、反応容器20内の泡の割合が所定範囲内である場合には、比色測定ユニット18Aにおける受光量は泡の影響が少ない適切な値であると判断し、正常判定を出力する。これに対し、判定部34は、反応容器20内の泡の割合が所定範囲を超えている場合には、比色測定ユニット18Aにおける受光量に大きく誤差が含まれている可能性があるため、一般分析において正確な分析が困難であると判断し、異常判定を出力する。
【0044】
さらに、判定部34は、泡・液量測定ユニット18Dから出力された画像情報に対し所定の画像処理を行い、泡・液量測定ユニット18Dに供給される光量が設定された光量であるか否かを判断する。たとえば、判定部34は、画像情報に対し、撮像範囲内における明暗領域を判別する画像処理および各明暗領域における明度を取得する画像処理を行う。判定部34は、画像処理結果をもとに泡・液量測定ユニット18Dに供給される光量が設定された光量であると判断した場合、各測光ユニットに対しても測定に必要な量の光が供給されており各測定ユニットにおいて適切に測定が行われると判断し、正常判定を出力する。これに対し、判定部34は、泡・液量測定ユニット18Dに供給される光量が設定された光量でないと判断した場合、各測光ユニットに対し測定に必要な量の光が供給されていないおそれがあると判定し、異常判定を出力する。
【0045】
記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。記憶部35は、判定部34における判断基準となる各所定範囲を記憶する。これらの各所定範囲は、たとえば、分析方法の内容などに応じて測定機構2の各構成要素を実際に反応容器20に対し動作させることによって予め求められる。
【0046】
出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。また、出力部36は、判定部34における判定結果を出力する。送受信部37は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有する。
【0047】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器20に対して、第1試薬分注機構12が第1試薬容器11a内の第1試薬を分注し、検体分注機構14が検体容器13a中の検体を分注し、第2試薬分注機構16が第2試薬容器15a中の試薬を分注した後、測光部18の各測定ユニットが分析内容に応じて測定を行い、この測定結果を分析部33が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、判定部34が測光部18における各測定ユニットにおける測定結果をもとに比色測定ユニット18Aに対応する分析結果に異常が含まれるおそれがあるか否かを判定する。また、洗浄部19が測光部18による測定が終了した後に搬送される反応容器20を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0048】
つぎに、分析装置1において分析情報が出力されるまでの処理手順について説明する。図3は、分析装置1において分析情報が出力されるまでの処理手順を示すフローチャートである。なお、分析装置1は、比色測定ユニット18Aによる測定が行われた反応容器20に対して、比濁測定、汚れ測定および泡・液量測定をそれぞれ行った後、判定を行っている。
【0049】
図3に示すように、分析装置1においては、制御部31の制御のもと、測定機構2および制御機構3の各構成部位の動作が開始し、第1試薬分注機構12、検体分注機構14および第2試薬分注機構16が検体および試薬を反応容器20内に分注する分注処理を行う(ステップS2)。その後、攪拌部17は、反応容器20内の液体の反応を促進する攪拌処理を行う(ステップS4)。
【0050】
そして、比色測定ユニット18Aは、制御部31の制御のもと、濃度分析などの生化学的分析を行うために反応容器20を通過した光に対する分光強度測定などの比色測定を行う(ステップS6)。
【0051】
つぎに、比濁測定ユニット18Bは、比色測定ユニット18Aが測光を行った反応容器20に対し、平行光を照射する比濁測定を行う(ステップS8)。そして、汚れ測定ユニット18Cは、比色測定ユニット18Aおよび比濁測定ユニット18Bが測光を行った反応容器20に対し、反応容器20における散光を測光する汚れ測定を行う(ステップS10)。そして、泡・液量測定ユニット18Cは、比色測定ユニット18A、比濁測定ユニット18Bおよび汚れ測定ユニット18Cが測光を行った反応容器20の側面を撮像する泡・液量測定を行う(ステップS12)。
【0052】
そして、判定部34は、比濁測定ユニット18B、汚れ測定ユニット18Cから出力された測定結果および泡・液量測定ユニット18Dから出力された画像情報をもとに、反応容器20における汚れ、泡の発生、収容された液体の容量に対する判定処理を行う(ステップS14)。
【0053】
そして、制御部31は、判定部34における判定結果が正常判定であるか異常判定であるかを判断する(ステップS16)。制御部31が判定部34における判定結果が異常判定であると判断した場合(ステップS16:異常)、出力部36に対して、この反応容器20における比色測定ユニット18Aによる分析結果に異常が含まれるおそれがあることを報知させる警告処理を行い(ステップS18)、出力部36は、制御部31の制御のもと、警告を出力する(ステップS19)。この警告は、この反応容器20に対する比色測定ユニット18Aによる分析結果に異常が含まれるおそれがある旨、反応容器20内の液体の懸濁度に異常がある旨、反応容器20が汚れている旨、所定量の検体または試薬が分注されていない旨、泡の発生により測定が適切に行われないおそれがある旨または各測光光学系に正常に光が分岐されていない旨を示す。分析装置1の操作者は、出力部36から出力された警告を確認することによって、比色測定ユニット18Aによる分析結果に異常が含まれるおそれがある旨とともに、第1試薬分注機構12、検体分注機構14、第2試薬分注機構16、攪拌部17、測光部18および洗浄部19のいずれかに異常が発生したおそれがあることを認識することができる。
【0054】
これに対し、制御部31は、判定部34における判定結果が正常判定であると判断した場合(ステップS16:正常)、この反応容器20に対する比色測定ユニット18Aによる分析結果が正常であり、第1試薬分注機構12、検体分注機構14、第2試薬分注機構16、攪拌部17、測光部18および洗浄部19の各部位が適切に動作しているものと判断する。そして、制御部31は、出力部36に対し、比色測定ユニット18Aによる分析結果が正常であり各構成部位が適切に動作していること報知する正常報知処理を行わせる(ステップS20)。
【0055】
つぎに、判定部34は、各分析結果に対して判定結果を対応づけた分析情報を生成し(ステップS22)、出力部36は、分析情報を出力する(ステップS24)。この分析情報は、出力部36によって出力されるほか、記憶部35において記憶されてもよく、また、送受信部37によって、図示しない通信ネットワークを介して外部装置に送信されてもよい。
【0056】
従来の分析装置においては、同種の測光光学系を複数有し、異なる測光タイミングで各測光光学系に測光を行わせ、各液体試料の濃度分析を行っていた。しかしながら、従来の分析装置においては、濃度測定のために複数の測光光学系を用いて測定を行ったとしても、これらの測光光学系は同種の測光光学系であるため測定結果を別の観点から検証することができず、分析精度の限界があった。
【0057】
これに対し、実施の形態にかかる分析装置1においては、分岐機構181によって分岐された光を用いて、それぞれ異なる測光を行う複数の測定ユニットを備える。そして、分析装置1は、比色測定ユニット18Aと異なる測光を行う測定ユニットの各測定結果を用いて、一般分析測定ユニット18Aの測定結果をもととした濃度分析結果に異常が含まれるおそれがあるか否かを判定する。このため、分析装置1は、比色測定ユニット18Aの測定結果をもととした濃度分析結果を、他の測定ユニットの測定結果をもとに別の観点から検証することができ、分析精度を高めることが可能になる。
【0058】
つぎに、測光部18の分岐機構および各測定ユニットについて具体的に説明する。図4は、測光部18の構成を説明する図である。図4に示すように、測光部18は、分岐機構181として、透過光および反射光を分割するハーフミラー181b、181cおよびミラー181dを備える。
【0059】
まず、分岐機構181について説明する。光源180が発した光の一部は、光線laに示すように、ハーフミラー181aを介して比色測定ユニット18Aに供給される。また、光源180が発した光lの一部はハーフミラー181aにより下方へ反射され、ハーフミラー181bに向かう。ハーフミラー181bに入射した光の所定量は、ハーフミラー181bによって反射され、光線lbに示すように比濁測定ユニット18Bに供給される。そして、光源180が発した光lのうちハーフミラー181bに入射した光の所定量は、ハーフミラー181bを透過しハーフミラー181cに入射する。ハーフミラー181cに入射した光の所定量は、ハーフミラー181cによって反射され、光線lcに示すように汚れ測定ユニット18cに供給される。ハーフミラー181cに入射した光の所定量は、ハーフミラー181cを透過し、ミラー181dに入射する。ミラー181dに入射した光は、ミラー181dによって反射され、光線ldに示すように泡・液量測定ユニット18Dに供給される。
【0060】
つぎに、図4に示す各測光ユニットについて説明する。図4に示すように、比色測定ユニット18Aは、光源180が発した光を反応容器20の所定位置に集光するレンズ182A、反応容器20を通過した光をグレーティング185Aに対して集光するレンズ183A,184A、入射光を分光し所定波長域の光をフォトダイオードアレイ(以下、「PDA」と称する。)186A上に反射出力するグレーティング185A、グレーティング185Aから反射された所定波長域の光を受光し所望波長光の受光量を測定するPDA186Aを有する。
【0061】
比濁測定ユニット18Bは、光源180が発した光の一部を反応容器20側面の所定領域に平行光として照射するレンズ182B、反応容器20を通過した光をグレーティング185Bに対して集光するレンズ183B,184B、入射光を分光し所定波長域の光をPDA186B上に反射出力するグレーティング185B、グレーティング185Bから反射された所定波長域の光を受光し所望波長光の受光量を測定するPDA186Bを有する。比濁測定ユニット18Bにおいては、レンズ182Bは光源180が発した光を比色測定ユニット18Aと異なる光の焦点および光の光束とするためにレンズ182Aと異なる形状および径を有し、レンズ183B,184Bは反応容器20を通過した光を適切に集光するためにレンズ183A,184Aと異なる径を有する。
【0062】
汚れ測定ユニット18Cは、ハーフミラー181bを透過した光をミラー187Cに集光するレンズ182C、レンズ182Cから入射された光をミラー188Cに反射するミラー187C、ミラー187Cから入射された光を反射し反応容器20側面に対し傾斜する角度の光を入射するミラー188C、反応容器20を通過し反応容器20表面で散乱もしくは偏光した散光のうち、図面上(イ)から(ロ)に向かう光に対して左方向に散乱した光lc2をグレーティング185Cに対して集光するレンズ183C,184C、入射光を分光し所定波長域の光をPDA186C上に反射出力するグレーティング185C、グレーティング185Cから反射された所定波長域の光を受光し所望波長光の受光量を測定するPDA186Cを有する。
【0063】
泡・液量測定ユニット18Dは、撮像範囲内に画像処理が可能な程度の明るさの光を集光するレンズ182D、反応容器20を側面から撮像するCCDカメラ189Dを有する。
【0064】
このように、図4に示す分岐機構181は、ハーフミラー181b,181cおよびミラー181dを光源180から発せられる光の照射経路および各測光ユニットの配置位置に対応させて配置することによって、光源180が発した光を分岐し各測光ユニットに供給する。また、分岐機構181は、ハーフミラー181b,181dにおける透過光および反射光の分割率を調整することによって、各測光ユニットに対して供給する光量を調整する。各測光ユニットは、光源180が発した光、および、ハーフミラー181b,181cおよびミラー181dによって分岐された光源180の光をもとに各測定を行う。
【0065】
また、図5に示すように、分岐機構181は、光源180が発した光を光ファイバー181fで受光し、この光ファイバー181fを測光ユニットごとに分岐して光を出射してもよい。光源180が発した光は、図5に示すように、レンズ181eによって光ファイバー181fの一端に集光される。光ファイバー181fの光源180の光が入射される端部には、一端が光ファイバー181fに接続し他端に入射した光を集光するレンズドファイバー(端面にレンズ特性を持たせたファイバー)181gが設けられている。さらに、光ファイバー181fの各測光ユニットに対応する位置に配置された端部には、一端が光ファイバー181fに接続し光ファイバー181fから供給された光を他端から各測光ユニットに出力するレンズドファイバー181hがそれぞれ設けられている。
【0066】
また、図6に示すように、測光部18は、分岐機構181として、各測光ユニットに対応する位置に端部が配置され、各測光ユニットごとに設けられた複数の光ファイバー181A〜181Dを備えてもよい。光ファイバー181Aは比色測定ユニット18Aに光源180が発した光を分岐し、光ファイバー181Bは比濁測定ユニット18Bに光源180が発した光を分岐し、光ファイバー181Cは汚れ測定ユニット18Cに光源180が発した光を分岐し、光ファイバー181Dは泡・液量測定ユニット18Dに光源180が発した光を分岐する。各光ファイバー181A〜181Dの光源180の光が入射される端部には、一端が光ファイバー181A〜181Dに接続し他端に入射した光を集光するレンズドファイバー181gがそれぞれ設けられている。さらに、光ファイバー181fの各測光ユニットに対応する位置に配置された端部には、一端が光ファイバー181A〜181Dに接続し光ファイバー181A〜181Dから供給された光を他端から各測光ユニットに出力するレンズドファイバー181hがそれぞれ設けられている。
【0067】
なお、分析装置1は、分析対象である全ての反応容器20に対して一般分析とともに比濁測定、汚れ測定、泡・液量測定および判定処理を行ってもよい。また、分析装置1は、分析項目の変更に応じて、分析対象である検体の種別に応じて、または、所定期間ごとに、対応する反応容器20に対して比濁測定、汚れ測定、泡・液量測定および判定を行ってもよい。同様に、分析装置1は、分析項目または検体の種別に応じて、対応する反応容器20に対して比色測定と比濁測定を選択的に行うとともに、汚れ測定および/または泡・液量測定を行って判定するようにしてもよい。
【0068】
また、免疫学検査のために比濁測定ユニット18Bにおいて測光を行った場合、判定部34は、この比濁測定ユニット18Bにおける測定結果に対する判定を、汚れ測定ユニット18Cおよび泡・液量測定ユニット18Dの測定結果に加え比色測定ユニット18Aの測定結果をもとに行ってもよい。判定部34は、比色測定ユニット18Aの測定結果が、所定範囲を満たすと判断した場合、比濁測定ユニット18Bの測定結果に異常がないものと判断し、正常判定を出力する。一方、判定部34は、比色測定ユニット18Aの測定結果が所定範囲内でないと判断した場合、比濁測定ユニット18Bの測定結果に異常が含まれるおそれがあると判断し、異常判定を出力する。この所定範囲は、比濁測定ユニット18Bにおいて正常に測定が行われた場合における比色測定ユニット18Aの測定結果をもとに設定される。
【0069】
また、測光部18において、他に異なる種別の測光ユニットがある場合には、複数の測光ユニットのいずれか一つは同種の測光ユニットを複数有してもよい。たとえば、測光部18は、図7に示すように、4組の測光ユニットのうち比色測定ユニット18Aを2組備え、反応容器20に対する測定処理の速度を速めてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態で説明した分析装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。以下、上記実施の形態で説明した分析装置と同様の機能を有する分析プログラムを実行するコンピュータシステムについて説明する。
【0071】
図8は、上述した実施の形態を用いたコンピュータシステムの構成を示すシステム構成図である。図8に示すように、本実施の形態にかかるコンピュータシステム100は、測定機構2と接続する本体部101と、本体部101からの指示によって表示画面102aに画像などの情報を表示するためのディスプレイ102と、このコンピュータシステム100に種々の情報を入力するためのキーボード103と、ディスプレイ102の表示画面102a上の任意の位置を指定するためのマウス104とを備える。ディスプレイ102は、制御機構3における出力部36に対応し、キーボード103およびマウス104は、制御機構3における入力部32に対応する。本体部101は、制御機構3における制御部31、分析部33、判定部34、記憶部34および送受信部37に対応する。そして、このコンピュータシステム100は、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置1の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)108、CD−ROM109、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム100の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステム100によって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステム100は、図示しないネットワーク回線を介して接続した図示しない他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置1の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施の形態にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す測光部を説明する図である。
【図3】図1に示す分析装置において分析情報が出力されるまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す測光部の構成を説明する図である。
【図5】図1に示す測光部の構成の他の例を説明する図である。
【図6】図1に示す測光部の構成の他の例を説明する図である。
【図7】図1に示す測光部の構成の他の例を説明する図である。
【図8】実施の形態を用いたコンピュータシステムの構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0073】
1 分析装置
2 測定機構
3 制御機構
10 反応テーブル
11 第1試薬庫
11a 第1試薬容器
11b 第1試薬読取部
12 第1試薬分注機構
12a,14a,16a アーム
13 検体移送部
13a 検体容器
13b 検体ラック
14 検体分注機構
15 第2試薬庫
15a 第2試薬容器
15b 第2試薬読取部
16 第2試薬分注機構
17 攪拌部
18 測光部
18A 比色測定ユニット
18B 比濁測定ユニット
18C 汚れ測定ユニット
18D 泡・液量測定ユニット
180 光源
181a,181b,181c ハーフミラー
181d,187C,188C ミラー
181e,182A,183A,184A,182B,183B,184B,182C,183C,184C,182D レンズ
185A,185B,185C グレーティング
186A,186B,186C PDA
181f,181A,181B,181C,181D 光ファイバー
181g,181h レンズドファイバー
189D CCDカメラ
19 洗浄部
20 反応容器
31 制御部
32 入力部
33 分析部
34 判定部
35 記憶部
36 出力部
37 送受信部
100 コンピュータシステム
101 本体部
102 ディスプレイ
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
108 フレキシブルディスク(FD)
109 CD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が発した光を反応容器内に収容された液体試料に照射して該液体試料を分析する分析装置において、
前記光源が発した光を分岐する分岐手段と、
前記分岐手段によって分岐された光をそれぞれ用いて、少なくとも異種の測光を行う複数の測光光学系と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記測光光学系の一つは、前記反応容器側面に垂直な平行光を該反応容器側面の所定領域に照射し該反応容器を通過した光を測光して前記液体試料における懸濁度を検出することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記測光光学系の一つは、前記反応容器側面に対し傾斜する角度の光を入射し該反応容器における散光を測光して該反応容器の汚れを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記測光光学系の一つは、前記分岐手段によって分岐された光を用いて前記反応容器側面を撮像し、該撮像結果をもとに該反応容器に収容された液体の容量および/または該反応容器に収容された液体における泡の有無を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項5】
前記分岐手段は、ハーフミラーおよび/またはミラーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項6】
前記分岐手段は、前記光源が発した光を光ファイバーで受光し、該光ファイバーを前記測光光学系ごとに分岐して光を出射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
前記分岐手段は、各測光光学系ごとに設けられた複数の光ファイバーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項8】
前記光ファイバーの両端部にはレンズドファイバーが設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記複数の測光光学系の少なくともいずれか一つは、同種の測光光学系を複数有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項10】
前記複数の測光光学系の少なくともいずれか一つの検出結果をもとに、他の前記測光光学系の検出結果に異常が含まれるおそれがあるか否かを判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項11】
前記測光光学系における測光結果をもとに前記液体試料を分析する分析手段と、
前記判定手段における判定結果および/または前記分析手段における分析結果を出力する出力手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−322324(P2007−322324A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154873(P2006−154873)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】