説明

分析装置

【課題】分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供する。
【解決手段】複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、前記複数の攪拌手段を複数のグループに分けたときの各グループにおいて駆動すべき前記攪拌手段との電気的な接続をそれぞれ確立する複数の切替手段と、前記複数の切替手段の各々に接続され、各切替手段を介して接続される前記攪拌手段を駆動する複数の攪拌駆動手段と、前記複数の攪拌駆動手段を制御する制御手段と、少なくとも前記反応容器保持手段を移送する移送手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や体液等の検体の成分を分析する分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体の分析を自動的かつ連続的に行う分析装置において、分析対象の検体やその検体と反応させる試薬を分注した後の反応容器内の液体を攪拌する技術として、反応容器の外部に音波発生手段を設け、この音波発生手段から反応容器に向けて音波を発生させることによって液体を攪拌する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、反応容器と音波発生手段との間に液体の温度を一定に保つ恒温水が介在しており、液体の攪拌は、反応容器を保持して回転する反応ディスクが停止した状態で行われる。
【0003】
【特許文献1】特許第3168886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の分析装置では、反応ディスクが停止している間しか攪拌することができないため、一つのシーケンスの中で攪拌を行うタイミングが制限されてしまうという問題があった。
【0005】
また、音波発生手段によって発生した音波のエネルギーは、恒温水を介して空間的に離れた反応容器に到達するまでの間に減衰してしまうため、攪拌に要するエネルギーの伝送効率が必ずしも良くなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の反応容器にそれぞれ収容される液体の成分を分析する分析装置であって、前記複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、前記複数の攪拌手段を複数のグループに分けたときの各グループにおいて駆動すべき前記攪拌手段との電気的な接続をそれぞれ確立する複数の切替手段と、前記複数の切替手段の各々に接続され、各切替手段を介して接続される前記攪拌手段を駆動する複数の攪拌駆動手段と、前記複数の攪拌駆動手段を制御する制御手段と、少なくとも前記反応容器保持手段を移送する移送手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明における液体には、例えば血液や体液などのように、微量の固体成分を含有する液体も含まれるものとする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記反応容器保持手段は、前記複数の反応容器の開口面を一つの閉曲線に沿って並べて保持することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記複数のグループのうち同じグループに属する複数の前記攪拌手段の各々に対応する複数の前記反応容器は、前記閉曲線に沿って連続的に並べられたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記閉曲線上には、液体の攪拌を行うための複数の攪拌位置が定められ、前記複数の攪拌手段のうち一つのグループに属する攪拌手段の数は、前記閉曲線に沿って互いに隣接する攪拌位置の間で保持されている前記反応容器の数の最小値+1以下であることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記複数の攪拌駆動手段は、前記複数の攪拌位置のいずれかに静止した反応容器または前記複数の攪拌位置のいずれかに到達すべく移送されている反応容器に対応して設けられた前記攪拌手段を駆動することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記複数のグループの数は前記攪拌位置の数に等しいことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項記載の発明において、前記複数のグループの各々を構成する要素の数の最大値と最小値との差の絶対値は0または1であることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数のグループのうち同じグループに属する複数の前記攪拌手段は、当該グループに属する前記切替手段に対して並列に接続されて成ることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記切替手段は、当該切替手段に対して並列に接続された複数の前記攪拌手段のいずれか一つと、当該切替手段に接続された前記攪拌駆動手段とを電気的に接続することを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数の攪拌駆動手段は、互いに独立な駆動条件に基づいて前記複数の攪拌手段のいずれかを駆動することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記駆動条件は、駆動の有無、駆動周波数、駆動振幅、駆動時間、および駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項10または11記載の発明において、前記攪拌駆動手段の数は、前記複数の攪拌手段のうち同時に駆動する攪拌手段の数以上であることを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記切替手段および/または前記攪拌駆動手段は、前記移送手段によって前記反応容器保持手段と連動して移送されることを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項記載の発明において、前記攪拌手段は、音波または超音波を発生する音波発生手段を有することを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の発明において、前記音波発生手段は、前記反応容器と一体に形成されたことを特徴とする。
【0023】
請求項16記載の発明は、請求項14または15記載の発明において、前記音波発生手段は、一対以上の櫛形電極を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、前記複数の攪拌手段を複数のグループに分けたときの各グループにおいて駆動すべき前記攪拌手段との電気的な接続をそれぞれ確立する複数の切替手段と、前記複数の切替手段の各々に接続され、各切替手段を介して接続される前記攪拌手段を駆動する複数の攪拌駆動手段と、前記複数の攪拌駆動手段を制御する制御手段と、少なくとも前記反応容器保持手段を移送する移送手段と、を備えることにより、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以後、実施の形態と称する)を説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る分析装置要部の構成を模式的に示す図である。同図に示す分析装置1は、分析対象の試料である検体および試薬を反応容器にそれぞれ分注し、その反応容器内で生じる反応を光学的に測定する測定機構11と、この測定機構11を含む分析装置1の制御を行うとともに測定機構11における測定結果の分析を行う制御分析機構21とを有し、これら二つの機構が連携することによって複数の検体の成分の生化学的、免疫学的、または遺伝学的な分析を自動的かつ連続的に行う。
【0026】
分析装置1の測定機構11は、血液や体液等の検体を収容する検体容器31が搭載された複数のラック32を収納して順次移送する検体移送部12、試薬容器41を保持する二つの試薬容器保持部13aおよび13b、ならびに検体と試薬とを収容して反応させる反応容器51を保持する反応容器保持部14を備える。また、測定機構11は、検体移送部12上の検体容器31に収容されている検体を反応容器51に分注する検体分注部15、試薬容器保持部13aおよび13b上の試薬容器41に収容されている試薬を反応容器51にそれぞれ分注する試薬分注部16aおよび16b、光源から照射されて反応容器51内を通過した光を受光して所定の成分の強度等を測定する測光部17、および反応容器51の洗浄を行う洗浄部18を備える。
【0027】
図1に示す場合、検体分注部15による検体分注位置P1、試薬分注部16aによる試薬分注位置P2、および試薬分注部16bによる試薬分注位置P3は、検体分注部15、ならびに試薬分注部16aおよび16bの配設位置に応じて予め決まっており、図示した検体分注位置P1または試薬分注位置P2およびP3以外の位置で反応容器51に検体や試薬を分注することはできない。なお、以後の説明においては、検体の分注、試薬の分注、分注後の攪拌、測光、および洗浄等のタイミングは、全ての分析項目で共通であるとする。これにより、分析装置1を用いた検査において、多様な検査項目を検査する際にも一定のスループットを得ることができる。
【0028】
測定機構11は、反応容器51に収容される液体(血液などのように、微量の固体成分を含有する「液体」も含まれるものとする)を攪拌する攪拌機構19をさらに備える。この攪拌機構19については、制御分析機構21の説明を行った後、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
制御分析機構21は、分析装置1内の各機能または各手段の制御を行うとともに測定機構11における測定結果を分析する演算を行うためにCPU(Central Processing Unit)等によって実現される装置制御部22、検体の分析に必要な情報および分析装置1の動作指示信号の入力を受ける入力部23、分析結果を含む情報を出力する出力部24、分析装置1の制御プログラムや分析装置1における分析結果を含む情報を記憶する記憶部25、および分析装置1の各部に対して駆動するための電源を供給する電源部26を備える。
【0030】
続いて、攪拌機構19について説明する。図2は、攪拌機構19の物理的な構成を模式的に示す図である。また、図3は、攪拌機構19の機能構成を示すブロック図である。これらの図に示す攪拌機構19は、電源部26から送出される直流の電源信号および装置制御部22から送出される交流の制御信号を伝送する信号伝送部191と、信号伝送部191から送出される制御信号に基づいて攪拌動作や反応容器保持部14の移送動作の駆動制御を行う駆動制御部192と、駆動制御部192から送出される制御信号に応じて反応容器51を攪拌するための駆動信号を各々送出する複数の攪拌駆動部193と、を有する。
【0031】
各攪拌駆動部193には、電気的な接続状態の切替を行う切替手段である切替部194が接続されている。切替部194には、反応容器51に収容される液体を攪拌する攪拌手段であって、音波または超音波を発生する複数の音波発生部195が並列に接続されている。なお、各切替部194に接続される音波発生部195の数は全て同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0032】
攪拌機構19は、上記以外の構成として、信号伝送部191から送出される電源信号を受信し、攪拌機構19内の各部に適した電圧値に変換して各々出力する電源部196と、装置制御部22からの制御信号に基づいて反応容器保持部14を回転し、反応容器51を所望の位置に移送する移送手段として、ステッピングモータ等を用いて実現される移送部197と、を備える。
【0033】
なお、図2では、切替部194が音波発生部195と1対1に設けられるスイッチ194Sによって構成されている場合を図示している。以後の説明においては、スイッチ194Sによって切替部194が構成されている場合を主に説明するが、切替部194の構成がそのような場合に限定されるわけではない。
【0034】
信号伝送部191はスリップリングを用いて実現され、固定部191aおよび回転部191bを有している。回転部191bの回転軸は、反応容器保持部14の鉛直方向の中心軸と一致し、移送部197の動作によって攪拌機構19の連動部19C(反応容器保持部14、駆動制御部192、攪拌駆動部193、切替部194、および音波発生部195を含む)と連動して回転するように配設される。図3では、この連動部19Cを1点鎖線で包囲して表示している。このような信号伝送部191を用いることにより、攪拌機構19に対して電源信号および制御信号を常時伝送することができる。
【0035】
ところで、図2に示す場合には、電源部26に接続される2本のリード線を電源供給用とし、装置制御部22に接続される2本のリード線をシリアル通信による制御信号伝送用としている(それぞれ1本はグランド線用)。したがって、この図2に示す場合には、スリップリングの極数が少なくとも4であればよい。
【0036】
図4は、攪拌機構19の一部でもある反応容器保持部14の詳細な構成を示す図である。同図に示す反応容器保持部14には、一つの閉曲線である円の円周方向に沿って反応容器51を保持するための36個のポジションが設けられている。以下、このポジションに対して1〜36の数を固定的に割り当てることとし、特定のポジションを指すときには「ポジション10」などと表現することにする。図4に示す状態において、検体分注位置P1にはポジション36が、試薬分注位置P2にはポジション13が、試薬分注位置P3にはポジション20がそれぞれ静止している。
【0037】
この反応容器保持部14は、各分注位置において検体または試薬を分注した後、移送部197によって(1周+1ポジション)分だけ図4で時計回りに回転し、次の動作に移行する。その際、各分注位置で検体または試薬が分注された反応容器51は、回転後の静止位置で攪拌動作を受ける(以後、反応容器51が静止して攪拌動作を受ける位置のことを攪拌位置と呼ぶ)。すなわち、検体分注位置P1で検体の分注を受けた反応容器51は、回転によって攪拌位置M1に到達し、内部の液体が攪拌される。また、試薬分注位置P2およびP3でそれぞれ試薬の分注を受けた反応容器51は、攪拌位置M2およびM3において各々内部に収容する液体が攪拌される。なお、3つの攪拌位置M1〜M3で攪拌が開始されるタイミングは同じである。
【0038】
図4に示す場合、隣接する攪拌位置の間で保持される反応容器51の数は、攪拌位置M1−M2間が11個、攪拌位置M2−M3間が7個、攪拌位置M3−M1間が15個である。この場合、3つの攪拌位置における攪拌を異なる攪拌駆動部193の駆動によるものとするためには、36個のポジションを少なくとも3つのグループに分ける必要がある。
【0039】
この際のグループ分けについて説明する。なお、本実施の形態1においては、同じグループに属する反応容器51が一つの閉曲線である円周に沿って連続的に隣接するポジションに順次配置されるものとし、それらの反応容器51の間に他のグループに属する反応容器51が配置されることはないものとする。グループ分けを行う際には、隣接する攪拌位置の間で保持されている反応容器51の数の最小値に着目し、一つのグループの要素数を、その最小値を用いて(最小値+1)以下とする。このようにすれば、同じグループに属する二つの反応容器51が二つの攪拌位置に跨って同時に攪拌を受けることがなくなる。さらに、各グループの要素数の最大値と最小値との差を0または1とすれば、各グループの要素数のばらつきが少なく、最も均等化された状態を実現することができる。
【0040】
以上の考察により、図4に示す反応容器保持部14においては、36個のポジションを5つのグループに分割し、この5つのグループの要素数の組み合わせを(8、7、7、7、7)とするのが最適であることがわかる。図5は、かかるグループ分けの一例を示すものであり、具体的には、ポジション1〜8をグループG1、ポジション9〜15をグループG2、ポジション16〜22をグループG3、ポジション23〜29をグループG4、ポジション30〜36をグループG5とした場合を示している。このようなグループ分けを行うことにより、反応容器保持部14が回転した後、同一のグループに属するポジションに保持される反応容器51が複数の攪拌位置で静止することがなく、同一のグループ内で攪拌動作を受ける反応容器51は常に1つだけとなる。
【0041】
図5に示す場合、グループG1、G2、およびG3では同じタイミングで攪拌が行われる一方、グループG4およびG5では攪拌が行われない。このような状況は、グループG1〜G3に属する攪拌駆動部193からは駆動信号が送出されるとともに、グループG4およびG5に属する攪拌駆動部193からは駆動信号が送出されないような制御を行うことによって実現される。
【0042】
以上説明したように、検体分注位置や試薬分注位置による制限がある場合には、隣接する攪拌位置の間に保持されている反応容器51の最小値に着目してグループ分けを行うことにより、同じグループ内で攪拌位置に静止する反応容器51が複数個存在しないようにすることができる。この結果、分注位置や反応容器保持部14の分注直後の回転角等の制限がある中、同じタイミングで動作する攪拌駆動部193の数を最小とし(図5の場合には5個)、コストを削減することが可能となる。
【0043】
ここまで説明してきた反応容器保持部14のポジション数(36)、攪拌位置の数(3)、および分注後の反応容器保持部14の回転角(1周+1ポジション)はあくまでも一例に過ぎず、それらが他の値であっても上記同様の議論によって最適なグループ分けを行うことができるのはいうまでもない。
【0044】
次に、攪拌駆動部193について説明する。攪拌駆動部193は、発振回路および増幅回路を備え、駆動制御部192から送られてきた制御信号に基づいて、閉成状態のスイッチ194Sを介して接続される音波発生部195に対して駆動信号を印加する。この駆動信号は、周波数が数十MHz(メガヘルツ)〜数百MHz程度の比較的高い周波数を有する交流信号である。このように比較的高い周波数を有する交流信号が伝送される高周波回路では、回路を構成する部位ごとの特性インピーダンスの差に応じて信号の伝送効率が低下する。かかる不具合を回避するため、攪拌駆動部193から音波発生部195に至る伝送線路の特性インピーダンスと音波発生部195内の負荷のインピーダンスとを予め整合しておく(例えば一定値50Ωに整合)。
【0045】
なお、インピーダンスの不整合は、伝送線路が長くなるほど顕在化することが知られている。この意味で、攪拌駆動部193とスイッチ194S、スイッチ194Sと音波発生部195とをそれぞれ結ぶ伝送線路の長さができるだけ短くなるように配置すればより好ましい。
【0046】
図6は、攪拌手段である音波発生部195の構成を示す図である。また、図7は、図6の矢視A方向の矢視図(側面図)である。これらの図に示す音波発生部195は、圧電体から成る基板195aの表面に一対の櫛形電極(IDT:Inter Digital Transducers)から成る振動子195bと、反応容器保持部14に設けられる電極であってスイッチ194Sに接続される電極(図示せず)と接触可能であり、振動子195bに印加する駆動信号を攪拌駆動部193から受信する端子195cと、振動子195bと端子195cとを電気的に接続する導線195dと、を有し、反応容器51の測光用の窓部51bが設けられている側壁51aに一体に取り付けられている。図6および図7に示す場合、音波発生部195は、側壁51aの下方に設けられた測光用の窓部51bを避けるようにして窓部51bの上方に配設されている。この音波発生部195の基板195aと反応容器51の側壁51aとの間には、両者の音響インピーダンスの整合を図るための音響整合層61が介在している。
【0047】
基板195aを形成する圧電体としては、圧電性単結晶や単結晶上に形成した圧電性薄膜などを用いることができる。また、音響整合層61としては、エポキシ樹脂、シェラック、またはジェル等を適用することができる。なお、振動子195bとして櫛形電極を適用する代わりに、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電性振動子を用いてもよい。
【0048】
以上の構成を有する音波発生部195は、厚さの薄い音響整合層61を介して反応容器51と一体に設けられるので、振動子195bから反応容器51内の液体までの距離が短い。これにより、攪拌に要するエネルギーが、攪拌対象の液体に到達するまでの間に減衰してしまうのを抑制することができる。加えて、音波発生部195が反応容器51と一体になっているため、恒温水を収容するための浴槽を設ける必要がなく、分析装置1の小型化を図る上で好適である。
【0049】
なお、音波発生部195の反応容器51への取付位置は、上述した側壁51aに限られるわけではなく、例えば反応容器51の底面または測光用の窓部51bが設けられていない側面に一体に取り付けても、上記同様の効果を得ることができる。
【0050】
次に、分析装置1における動作の概要を説明する。入力部23を介して分析装置1の外部(ユーザまたはホストコンピュータ)から分析要求が入力されると、装置制御部22は、その入力された分析要求に応じて、検査を行う検体や分析項目の順序等の情報を記憶部25が記憶するテーブルに割り付ける。このテーブルには、分析に必要な試薬の種類や分注量、測光する波長や攪拌条件などに関する分析パラメータが予め分析項目ごとに記録されている。装置制御部22はそのテーブルを参照し、攪拌条件に関する分析パラメータを記憶部25から読み出し、この読み出した分析パラメータを制御信号として攪拌機構19に送出する。
【0051】
攪拌機構19に送出される分析パラメータは、駆動の有無、駆動周波数、駆動振幅、駆動時間、および駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件などに関するものであり、本実施の形態1では音波発生部195の駆動条件に他ならない。以下、攪拌条件の設定例を説明する。
(1)第1試薬のみを分注し、第2試薬を分注しない検査項目については、第2試薬分注後の攪拌を行わないように設定する。
(2)粘性が高い液体や表面張力が高い液体を攪拌する場合には、振動子195bの駆動振幅を大きくしたり振動子195bの駆動時間を長くしたりする。
(3)液量が少ない液体や温度変化の影響を受けやすい液体を攪拌する場合には、振動子195bの駆動振幅を小さくするとともに振動子195bの駆動時間を短くする。
(4)攪拌対象の液体の液量や粘性などさまざまな条件を総合的に考慮して攪拌を行う場合には、駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件を最適な値に設定する。
【0052】
攪拌動作は、検体分注部15による検体の分注後、試薬分注部16aおよび16bによる試薬の分注後にそれぞれ行われることが多い。通常、分析装置1ではさまざまな分析項目が入り乱れた状態で分析が行われるので、分析パラメータによって規定される攪拌条件すなわち音波発生部195の駆動条件は、概ねランダムになる。したがって、さまざまな攪拌条件に対応して音波発生部195を駆動するためには、各攪拌駆動部193が互いに独立に動作可能であった方がよい。
【0053】
攪拌駆動部193が駆動信号を音波発生部195に印加する際には、一つの切替部194を構成する複数のスイッチ194Sのうち、常に1つのスイッチ194Sのみが閉成するような駆動制御が行われる。図8は、この駆動制御の具体例を示すため、一つの攪拌駆動部193に対して2個のスイッチ194Sが並列に接続されている場合の攪拌駆動部193から反応容器51までの構成を示すブロック図である。同図においては、二つのスイッチ194Sを便宜的に区別するため、二つのスイッチの符号をスイッチ194Saおよび194Sbとしている。
【0054】
図9は、スイッチ194Saおよび194Sbの開閉状態の時間変化を示す図であり、波形Saがスイッチ194Saの開閉状態を示し、波形Sbがスイッチ194Sbの開閉状態を示している。図9に示す場合、スイッチ194Saおよび194Sbは、短時間かつ等間隔で交互に閉成してON状態となる。
【0055】
より一般に、すなわち一つの攪拌駆動部193に対してn個(nは正の整数)のスイッチ194Sが並列に接続されている場合にも、各スイッチが閉成するタイミングが重ならないように順次閉成するような制御を行えばよい。この際、各スイッチ194Sの閉成時間を必ずしも等しくする必要はない。このようなスイッチ194Sとしては、高周波リレーや高周波半導体スイッチを適用することができる。
【0056】
以上説明したように、一つの攪拌駆動部193に並列に接続されている複数のスイッチ194Sのうち、ただ一つのスイッチ194Sのみが閉成してON状態となるような制御を行うことにより、比較的高い周波数を有する駆動信号を伝送する高周波回路のインピーダンス整合状態が保たれ、駆動信号の伝送効率の低下を抑制することができる。
【0057】
ここで、音波発生部195によって発生した音波または超音波による攪拌動作について説明する。対応するスイッチ194Sが閉成して攪拌駆動部193から送出された駆動信号が印加された音波発生部195では、その駆動信号によって振動子195bが振動し、基板195aが励振される。励振された基板195aでは、表面に振動エネルギーが集中し、その表面に沿って伝搬する表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)が発生する。反応容器51は、振動子195bと音響インピーダンスの整合が取られているため、基板195aの表面を伝搬する表面弾性波は、エネルギーの損失が少ないままで反応容器51内の液体L中へ縦波として漏出する。この結果、液体攪拌時の状態を模式的に示す図10(図7のB−B線断面図に相当)に示すように、液体Lの内部では、気液界面(上方)に旋回して上昇していく流れFaと、反応容器51の底面(下方)に旋回して下降していく流れFbとが生じ、これらの流れによって液体Lが攪拌される。
【0058】
この攪拌動作は、移送部197による反応容器保持部14の回転とは独立な動作なので、例えば反応容器保持部14が回転している最中に該当する音波発生部195を駆動して攪拌を行うこともできる。したがって、従来のように所定の攪拌ポジションに静止している反応容器のみを攪拌する場合に比べて分析時間を短縮し、効率のよい分析を実現することが可能となる。
【0059】
図10に示す液体Lが検体と試薬の混合液である場合、上述した攪拌動作によって反応が促進した反応容器51内の混合液は、反応容器保持部14の回転によって測光部17を通過する際に所定の光が照射され、その混合液を通過してきた光の強度が測定される。その後、測光部17から測定結果を受信した制御分析機構21は、装置制御部22が測定対象である検体の分析情報を記憶部25から読み出し、測定結果の分析演算を行う。この分析演算では、測光部17から送られてくる測定結果に基づいて反応液の吸光度を算出し、この算出結果に加えて標準検体から得られる検量線や分析パラメータ等を用いることにより、反応液の成分の濃度を定量的に求める。得られた分析結果は、出力部24から出力される一方、記憶部25に格納して記憶される。
【0060】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、複数の反応容器を保持する反応容器保持部と、複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の音波発生部と、この複数の音波発生部を複数のグループに分けたときの各グループにおいて駆動すべき音波発生部との電気的な接続をそれぞれ確立する複数の切替部と、この複数の切替部の各々に接続され、各切替部を介して接続される音波発生部を駆動する複数の攪拌駆動部と、この複数の攪拌駆動部を制御する制御部(装置制御部および駆動制御部の少なくとも一部を含む)と、少なくとも反応容器保持を移送する移送部と、を備えることにより、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【0061】
また、本実施の形態1によれば、攪拌位置に関する制限がある中で、一つの攪拌駆動部によって同時に攪拌駆動される反応容器が複数個存在しないような最適なグループ分けを行うことにより、攪拌駆動部の数を可能な限り少なくし、コストを削減することが可能となる。
【0062】
さらに、本実施の形態1によれば、スイッチの開閉動作と反応容器保持部の回転動作とが独立に制御されるので、一つのシーケンスの中で攪拌時間を増やしたり、攪拌するタイミングに柔軟性を持たせたりすることができる。したがって、分析装置に加わる負荷を分散して装置の耐久性や動作安定性を向上させ、効率的かつ経済的な分析を実現することが可能となる。
【0063】
加えて、本実施の形態1によれば、上記特許文献1で開示されている分析装置のように、恒温水を収容する水槽が不要なので、装置の構成も単純でメンテナンスも容易となり、装置の小型化を図る上でも好適である。
【0064】
また、本実施の形態1によれば、各反応容器に音波発生部(攪拌手段の例)を設け、反応容器のグループ分けを行うことにより、スイッチおよび配線を減らすことができ、コストの削減と省スペース化を実現することができる。例えば、3個の攪拌駆動部と36個の音波発生部とを任意に接続するには、108(=3×36)個のスイッチおよび配線がそれぞれ必要になるが、1個の攪拌駆動部に対して12個の音波発生部から成るグループが3つある場合には、スイッチおよび配線の数がそれぞれ36で済み、グループ分けしない場合のスイッチおよび配線の数(108)の3分の1の数で済む。
【0065】
さらに、上記の如くグループ分けを行うことによって1個のグループを1個のモジュールとすることができるので、1つのスイッチが故障した場合に全てを取り替えるのではなく、1つのモジュールを交換するだけで済むという効果も得られる。
【0066】
加えて、本実施の形態1においては、反応容器に対応する音波発生部と音波発生部を駆動する攪拌駆動部とによってグループを構成しているので、一つの攪拌駆動部が故障した場合、その故障した攪拌駆動部が属するグループ内の反応容器を使用した分析は行うことができないが、それ以外に残ったグループを使用して分析を継続することができる。
【0067】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る分析装置は、攪拌位置の数のみが予め決まっている場合に攪拌駆動部を最小とする構成を有することを特徴とする。なお、本実施の形態2では、反応容器保持部上での攪拌位置および各グループの分け方を除く分析装置の構成および作用は上記実施の形態1と同じである。このため、変更がない部位については、上記実施の形態1で用いたのと同じ符号を付して説明を行う。
【0068】
本実施の形態2の場合、攪拌位置の数のみが予め決まっており、攪拌位置に関する制限がないので、隣接する攪拌位置の間隔(二つの攪拌位置の間に保持される反応容器の数+1)をできるだけ均等にすることができる。一例として、上記実施の形態1と同様に、ポジション数が36で攪拌位置の数が3の場合を考える。この場合、ポジション数36は攪拌位置の数3で割り切れて商が12なので、隣接する攪拌位置の間隔を12にすれば、グループの数を最小とすることができる。
【0069】
図11は、この実施の形態2に係る分析装置が具備する反応容器保持部71のグループ分けの例を示すものであり、3つの攪拌位置M11、M12、およびM13のうちで隣接する攪拌位置同士は、全て12ポジションずつ離れている。また、3つのグループG11(ポジション1〜12)、グループG12(ポジション13〜24)、およびグループG13(ポジション25〜36)は、要素の数(要素数)が全て12である。
【0070】
次に、ポジション数が36、攪拌位置の数が5である場合を説明する。この場合、同一のグループに属する反応容器51が同時に攪拌を受けない最小のグループ数は5である。したがって、36個のポジションを5個のグループに分ければよいが、36を5で割ると商が7で余りが1となるため、攪拌位置の数が3の場合のように全てのグループの要素数を同じにすることができない。そこで、要素数がなるべく均等になるように分けることになる。具体的には、各グループを構成する要素数の最大値と最小値との差の絶対値がたかだか1となるように、5個のグループのうち4個のグループの要素数を7とし、1個のグループの要素数を8とする。
【0071】
上記の如く攪拌位置が5個存在する場合の例としては、洗浄部18にも攪拌機構を適用する場合を挙げることができる。この場合には、一つの反応容器51に対して、上述した3回の攪拌動作(検体分注後、二つの試薬分注後)に加えて、洗浄部18で洗剤を投入した後の攪拌動作、および洗浄液を含む液体を排液した後に行うすすぎの際の攪拌動作の合計5回の攪拌動作が行われる。したがって、本実施の形態2に係る分析装置において、互いに独立に動作する攪拌駆動部193が少なくとも5つ具備されていればより好ましい。
【0072】
ここまでの議論は容易に一般化される。すなわち、ポジション数がNの反応容器保持部14に対してn(≦N)個の攪拌位置を設定する場合、Nをnで割ったときの商をM、余りをmとそれぞれおくと、最小かつ最も均等なグループ分けは、「グループの総数をnとし、そのうち(n−m)個のグループの要素数をM、m個のグループの要素数をM+1とする」ことによって実現される。ここで、N、n、およびMは正の整数であり、mは0または正の整数である。また、割り算の一般的な性質およびN≧nにより、N≧M、N>m、n>mであることは自明である。
【0073】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上述した本発明の実施の形態1と同様、分析の際に反応容器内の液体を攪拌するタイミングの制限を少なくすることができ、攪拌に要するエネルギーの伝送効率に優れた分析装置を提供することができる。
【0074】
また、本実施の形態2によれば、攪拌位置の数に応じて攪拌駆動部の数が最小となるようなグループ分けを行うことにより、一段とコストを低く押えることが可能となる。
【0075】
(その他の実施の形態)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施の形態1および2として詳述してきたが、本発明はそれら二つの実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
【0076】
例えば、反応容器保持部の構成は、上述したように反応容器を保持するポジションが一つの同心円上に配置されるものに限られるわけではない。図12は、反応容器保持部の別な構成例を示す図である。同図に示す反応容器保持部81は、換気扇の外縁の如き形状をなす閉曲線Cに沿って同じグループに属する反応容器52が順次連続的に保持されている。反応容器保持部81の中心部には、攪拌駆動部193および切替部194の機能を兼備した4つの駆動回路部82が設けられている。各駆動回路部82には、反応容器52に一体に取り付けられた音波発生部(図示せず)が9個ずつ接続されている。すなわち、この図12では、ポジション数が36で、これを9個ずつ要素から成る4つのグループG21、G22、G23、G24に分けた場合を示しており、4個の攪拌位置を設定する場合に好適な例を示している。
【0077】
図13は、反応容器保持部のさらに別な構成例を示す図である。同図に示す反応容器保持部91は、反応容器53が2本の平行なレールR上を図で反時計回りに移送される構成を有する。この反応容器保持部91は、42個の反応容器53を保持しており、これらの反応容器53を6個ずつの要素から成る7つのグループG31、G32、・・・、G37に分け、各グループの先頭部には攪拌駆動部193、切替部194、および移送部197の一部の機能を兼備する駆動回路部92が設けられている。この先頭部に後続する反応容器53には、駆動信号搬送線93を介して図示しない音波発生部を駆動するための駆動信号が伝送される。駆動信号搬送線93は、各グループの反応容器53を連結する機能も有している。この例では、電源部(図示せず)からの電源信号は、レールRを介して駆動回路部92に常時供給されている。なお、制御信号は、例えば無線によって駆動回路部92に伝送してもよい。
【0078】
ここまでの説明では、攪拌手段が音波発生部を備えた場合を説明してきたが、攪拌手段を別な構成とすることもできる。例えば、予め反応容器内に磁性微粒子を入れておき、それぞれの反応容器の底面または側面近傍に電磁石を配置して、磁性微粒子に適当な磁場を印加することによって攪拌を行ってもよいし、それぞれの反応容器に対して電動で振動を行う振動手段を配置して、各反応容器に対して適当な振動を加えることにより、その反応容器内部の液体を攪拌してもよい。
【0079】
なお、本発明に係る分析装置は、図1に示すような構成を有するものに限られるわけではない。すなわち、上述した攪拌機構は、従来知られているさまざまなタイプの分析装置に対して適用することが可能である。
【0080】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1に係る分析装置要部の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る分析装置が備える攪拌機構の物理的な構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る分析装置が備える攪拌機構の機能構成を示すブロック図である。
【図4】反応容器保持部の構成を示す図である。
【図5】図4に示す反応容器保持部のグループ分けの例を示す図である。
【図6】反応容器および音波発生部の構成を示す図である。
【図7】音波発生部の構成を示す図である。
【図8】一つの攪拌駆動部に対して二つのスイッチを並列に接続した場合の機能構成を示すブロック図である。
【図9】二つのスイッチを並列に接続した場合のスイッチの開閉状態を示す図である。
【図10】攪拌動作を模式的に示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る分析装置が備える反応容器保持部の構成を示す図である。
【図12】反応容器保持部の別な構成を示す図である。
【図13】反応容器保持部のさらに別な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 分析装置
11 測定機構
12 検体移送部
13a、13b 試薬容器保持部
14、71、81、91 反応容器保持部
15 検体分注部
16a、16b 試薬分注部
17 測光部
18 洗浄部
19 攪拌機構
19C 連動部
21 制御分析機構
22 装置制御部
23 入力部
24 出力部
25 記憶部
26、196 電源部
31 検体容器
32 ラック
41 試薬容器
51、52、53 反応容器
51a 側壁
51b 窓部
61 音響整合層
82、92 駆動回路部
93 駆動信号搬送線
191 信号伝送部
191a 固定部
191b 回転部
192 駆動制御部
193 攪拌駆動部
194 切替部
194S、194Sa、194Sb スイッチ
195 音波発生部
195a 基板
195b 振動子
195c 端子
195d 導線
197 移送部
C 閉曲線
1、G2、・・・、G5、G11、G12、G13、G21、G22、G23、G24、G31、G32、・・・、G37 グループ
1、M2、M3、M11、M12、M13 攪拌位置
1 検体分注位置
2、P3 試薬分注位置
R レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の反応容器にそれぞれ収容される液体の成分を分析する分析装置であって、
前記複数の反応容器を保持する反応容器保持手段と、
前記複数の反応容器の各々に対応して設けられ、各反応容器に収容される液体の攪拌を行う複数の攪拌手段と、
前記複数の攪拌手段を複数のグループに分けたときの各グループにおいて駆動すべき前記攪拌手段との電気的な接続をそれぞれ確立する複数の切替手段と、
前記複数の切替手段の各々に接続され、各切替手段を介して接続される前記攪拌手段を駆動する複数の攪拌駆動手段と、
前記複数の攪拌駆動手段を制御する制御手段と、
少なくとも前記反応容器保持手段を移送する移送手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記反応容器保持手段は、前記複数の反応容器の開口面を一つの閉曲線に沿って並べて保持することを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
前記複数のグループのうち同じグループに属する複数の前記攪拌手段の各々に対応する複数の前記反応容器は、前記閉曲線に沿って連続的に並べられたことを特徴とする請求項2記載の分析装置。
【請求項4】
前記閉曲線上には、液体の攪拌を行うための複数の攪拌位置が定められ、
前記複数の攪拌手段のうち一つのグループに属する攪拌手段の数は、前記閉曲線に沿って互いに隣接する攪拌位置の間で保持されている前記反応容器の数の最小値+1以下であることを特徴とする請求項3記載の分析装置。
【請求項5】
前記複数の攪拌駆動手段は、前記複数の攪拌位置のいずれかに静止した反応容器または前記複数の攪拌位置のいずれかに到達すべく移送されている反応容器に対応して設けられた前記攪拌手段を駆動することを特徴とする請求項4記載の分析装置。
【請求項6】
前記複数のグループの数は前記攪拌位置の数に等しいことを特徴とする請求項4記載の分析装置。
【請求項7】
前記複数のグループの各々を構成する要素の数の最大値と最小値との差の絶対値は0または1であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の分析装置。
【請求項8】
前記複数のグループのうち同じグループに属する複数の前記攪拌手段は、当該グループに属する前記切替手段に対して並列に接続されて成ることを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項9】
前記切替手段は、当該切替手段に対して並列に接続された複数の前記攪拌手段のいずれか一つと、当該切替手段に接続された前記攪拌駆動手段とを電気的に接続することを特徴とする請求項8記載の分析装置。
【請求項10】
前記複数の攪拌駆動手段は、互いに独立な駆動条件に基づいて前記複数の攪拌手段のいずれかを駆動することを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項11】
前記駆動条件は、駆動の有無、駆動周波数、駆動振幅、駆動時間、および駆動周波数または駆動振幅を変調するときの変調条件のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項10記載の分析装置。
【請求項12】
前記攪拌駆動手段の数は、前記複数の攪拌手段のうち同時に駆動する攪拌手段の数以上であることを特徴とする請求項10または11記載の分析装置。
【請求項13】
前記切替手段および/または前記攪拌駆動手段は、前記移送手段によって前記反応容器保持手段と連動して移送されることを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項14】
前記攪拌手段は、音波または超音波を発生する音波発生手段を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項記載の分析装置。
【請求項15】
前記音波発生手段は、前記反応容器と一体に形成されたことを特徴とする請求項14記載の分析装置。
【請求項16】
前記音波発生手段は、一対以上の櫛形電極を有することを特徴とする請求項14または15記載の分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2007−33413(P2007−33413A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221559(P2005−221559)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】