説明

分析装置

【課題】多機能化に伴い、画面構成が複雑になった自動分析装置の設定や登録作業の操作ガイダンスを習熟度や使う人によらず、効率良く使用できる分析装置を実現する。
【解決手段】記憶部12に、操作ガイダンスファイル31と、操作ガイダンスファイル31内の手順ID、コード、及びボタン等と装置制御プログラム30の画面IDとの対応リストファイル32が格納される。表示された操作ガイダンスウィンドウ内の手順ID等を選択すると、上記対応リストファイル32から上記手順ID等に対応する画面IDを検索し、装置制御プログラムソフト30側の画面IDに対応した画面に遷移させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成分濃度や個数を分析あるいは計数する分析装置に係わり、特に複数の画面にわたり操作を行う分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の多くの分析装置は、専用の操作部を持ち、制御プログラムソフトが画面を含む入出力の制御を行っていた。近年は汎用のパーソナルコンピュータに分析部を制御する制御プログラムソフトを搭載する方法が主流となっている。この制御プログラムソフトは、分析装置の多機能化に伴い、操作する画面数が増えてきている。
【0003】
この制御プログラムソフトは、目的別に分けられた画面構成の場合には、操作する画面数が多いと、目的の画面に遷移するまでのステップ数が多く、習熟しているオペレータには煩わしく感じられるとともに、画面設定に時間がかかるという欠点がある。更に、一画面に表示できる情報が少なくなるため、全体が把握しにくくなるという欠点もある。
【0004】
一方、操作画面の全体がわかるような画面階層型の場合、初心者や一時的に使用するオペレータはどの画面から設定してよいか迷うことが多い。特に分析を行うための条件設定パラメータや情報を複数の画面に渡って入力する場合は、操作開始までの設定に時間がかかるという問題点がある。このように、複雑で多機能な分析装置には、表示内容が多いため、画面構成だけでは問題解決にならないことが多い。
【0005】
そこで、特許文献1には、上記の問題を解決するために操作メニューを表示してナビゲーションを行ったり、オペレータのレベルに応じて表示する内容を変更できる自動分析装置が開示されている。また、特許文献2には、習熟度に応じて操作ガイド画面の表示を変更する技術が開示され、特許文献3には、複数の画面の中からユーザーが操作画面を設定し構築できる技術が開示されている。
【0006】
しかし、特許文献1や2に開示された技術では、習熟度を判断するステップや画面を複数用意しなくてはならない。また、操作性をアップするために画面構成を複数持ったり、改善するときには、ソフトウェアの変更や検証に多大な時間がかかり、一度開発するとなかなか画面構成や操作性向上のための機能追加が行えない。
【0007】
最近は、全体が見渡せる階層型画面構成が多く採用されている。この場合には、操作ガイドを別な文書ファイル形式として同じコンピュータ内の記憶部に格納しておくか、またはCD−ROMに格納しておき、必要に応じてヘルプボタンから操作ガイダンスファイルを呼び出し、表示させる。操作ガイドを制御プログラムソフトとは別の分離した文書形式にすると、ソフトの変更時に長時間を要しないという利点があり、操作ガイドに検索機能がある場合には、目的の操作説明を呼び出すこともできる。
【0008】
また、紙のマニュアルを参照しながら操作を進めると操作が早くなることもある。紙のマニュアルは全体を見渡して目次や索引で検索できるため、目的の操作を見つけることが容易である。しかし、紙のマニュアルを使用する場合には、アプリケーションの画面と紙のマニュアルとを交互に見ながら作業を行う必要があり、視線の移動が多くなり、作業の効率が悪化する。
【0009】
このような紙のマニュアルの問題点を改善する技術として、特許文献4に記載されたものがある。特許文献4には、アプリケーション自身の画面上に、一定時間あるボタンを押すと、アプリケーションが表示されている画面に関する説明が表示される操作支援装置が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2000−266754号公報
【特許文献2】特開平5−88832号公報
【特許文献3】特開平6−148197号公報
【特許文献4】特開2000−112605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、操作ガイドを制御プログラムソフトとは別の分離した文書形式にした場合には、通常、操作ガイダンスを呼び出すのは、操作の途中でわからないことが発生した場合であるため、オペレータがヘルプウィンドウを見ながら制御プログラムソフトを操作するためには、2つのウィンドウを同時に表示させる必要がある。一般的には、アクティブになっているウィンドウが画面上最前面に出てくるようになっているものが多いため、ヘルプウィンドウを参照して、制御プログラムソフトを操作しようとすると、ヘルプ画面を閉じなければならない。ヘルプ画面を閉じたときに、操作する目的の画面が表示されていない場合は、その目的とする画面を探すところから始めなければならない。
【0012】
特に、分析を行うための条件設定パラメータや情報を複数の画面に渡って入力したりする場合や初心者や一時的に使用するオペレータでは操作開始までに時間がかかってしまう。また、複数の画面に渡って操作する場合は、ナビゲーションされないため、最終目的に達しないことがある。
【0013】
習熟度別に画面の構成を変更したり、特定の操作のときにナビゲーションを表示するなど、操作アプリケーションの画面表示や操作性を変更することも考えられるが、ソフト変更に多大な時間と労力を要してしまう。
【0014】
装置の項目などの設定は一度行うとあまり実施されないことが多い。しかし途中で変更になった場合、担当者も変わっていたりして、どの画面から操作していいか、何を設定すればいいかがわからなくなる。
【0015】
本発明の目的は、多機能化に伴い、画面構成が複雑になった自動分析装置の設定や登録作業の操作ガイダンスを習熟度や使う人によらず、効率良く使用できる分析装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、予め自動分析装置の制御プログラムソフトの画面IDと操作ガイダンスファイル内の手順ID、キー、コード、ボタン等を対応付けた対応リストを自動分析装置の記憶部に格納しておき、上記記憶部に独立して格納されている操作ガイダンスが自動分析装置の表示部に表示されている状態で、操作ガイダンス内の手順ID等が選択されることにより、上記対応リストの中から、対応する画面IDを検索し、操作ガイダンスのウィンドウを閉じた後、上記画面IDに対応する画面へ遷移することで達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作ガイダンス用の文書ファイルを分析側の制御プログラムと独立させることにより、分析側の制御プログラムの操作画面の構成を変えず、かつ目的の画面操作に間違いなく誘導し、また、紙のマニュアルを有効利用し、目的の画面操作に間違いなく誘導することにより、複雑な自動分析装置の設定、登録操作の効率を良くすることができる。
【0018】
また、過去の画面遷移プロセスを記憶し、必要に応じて、過去の画面遷移を呼び出すことにより、例えば、普段行わないような設定機能の操作性を効率向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の第1の実施形態を図1〜図5により説明する。
【0021】
図1は、本発明の適用対象である自動分析装置の概略構成図である。
【0022】
図1において、本発明の第1の実施形態による自動分析装置は、主として、サンプルディスク1と、試薬ディスク2と、反応ディスク3と、反応槽4と、サンプリング機構5と、ピペッティング機構6と、攪拌機構7と、測光機構8と、洗浄機構9と、表示部10と、入力部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0023】
サンプルディスク1には、採取したサンプルが入れられた複数の試料容器16が、円形ディスク17の円周上に固定され配置されている。そして、円形ディスク17は、図示しないモータや回転軸等から構成される駆動機構により、周方向に回転され、所定の位置に停止される。
【0024】
試薬ディスク2には、サンプルと混合して反応させるための試薬が入れられた複数の試薬ボトル18が、円形ディスク19の円周上に固定され配置されており、これらの試薬ボトル18の周囲は、温度制御された保冷庫20になっている。
【0025】
また、円形ディスク19は、図示しないモータや回転軸等から構成される駆動機構により、位置決め可能に周方向に回転される。
【0026】
反応ディスク3には、サンプルおよび試薬を入れるための反応容器21を保持した反応容器ホルダ22が複数取り付けられており、反応ディスク3は、駆動機構23により、周方向回転の開始と停止とを一定サイクルで繰り返し、反応容器21は間欠移送される。
【0027】
反応槽4は、反応容器21の移動軌跡に沿って設置され、サンプルと試薬との化学反応を促進するために、例えば温度制御された恒温水が、入れられた恒温槽である。反応容器21は、この反応槽4内を移動し反応容器21内の反応液が一定温度に制御される。
【0028】
また、サンプリング機構5は、支承軸25と、支承軸25に取り付けられたアーム26と、その先端に取り付けられたプローブ24と、支承軸25を回転中心にサンプルディスク1と反応ディスク3との間を往復移動させる図示しない駆動機構とを備えている。
【0029】
そして、サンプリング機構5は、予め定められたシーケンスに従い、サンプルディスク1の回転と共に定位置に移送されてくる試料容器16内のサンプルを、反応ディスク3上の反応容器21に供給する。
【0030】
上述したサンプリング機構5と同様に、ピペッティング機構6は、支承軸28と、支承軸28に取り付けられたアーム29と、その先端に取り付けられたプローブ27と、支承軸28を回転中心に試薬ディスク2と反応ディスク3との間を往復移動させる図示しない駆動機構とを備えている。
【0031】
そして、ピペッティング機構6は、予め定められたシーケンスに従って、試薬ディスク2の回転と共に定位置に移送されてくる試薬ボトル18内の試薬を、反応ディスク3上の反応容器21内に供給する。
【0032】
尚、試料容器16及び試薬ボトル18の各々には、異なる種類のサンプル及び試薬が入れられており、必要量が反応容器21に供給される。
【0033】
また、表示部10は、CRTディスプレイや液晶モニタなどが使用され、分析項目や分析結果等の各種画面表示を行う。また、入力部11は、分析項目等の各種情報の入力を行う。また、記憶部12は、操作部内のパーソナルコンピュータに設置され、各機構を制御するために予め定められたシーケンス(プログラム)および分析項目等の各種情報すなわち、装置制御プログラムソフト30と、操作ガイダンスファイル31と、画面IDと操作ガイダンスファイル31内の手順ID、コード、及びボタン等(以下手順ID等とする)との対応リストファイル32とを記憶している。
【0034】
尚、記憶部12は、装置内部の記憶装置と、操作部のパーソナルコンピュータ内の記憶装置の2種類を使用しても良い。この場合には、分析装置内にある記憶装置は、常に操作部の記憶装置と通信ケーブルにより接続され、情報の受け渡しを行う。
【0035】
本発明の第1の実施形態による自動分析装置は、図1に記載された装置の他に、シリンジやポンプ等を構成要素として備えており、それらも含め、全て記憶部12に記憶されているシーケンスに従って、制御部13により制御される。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の操作画面の一例を示す図である。
【0037】
図2において、表示画面には、ジョブメニュー42、サブジョブメニュー43のタブが常に表示されており、目的のタブを選択することによって、画面を遷移する構造になっている。
【0038】
また、表示画面には、装置の状態や日付等のステータス表示エリア41と、分析装置への測定開始、終了を命令するグローバルメニューエリア44と、各画面の設定・入力表示エリア45と、各画面からウィンドウ表示へ遷移するファンクションボタン46と、ヘルプファイルを表示するヘルプボタン(特定のキー)47とが表示される。表示画面は、装置の機能の全体を見渡すことができ、また、分析部の状態を管理できる構成となっている。
【0039】
図3は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の制御プログラムソフト30の画面IDと操作ガイダンスファイル31内の手順ID等との対応リストファイル32の一例を示す図である。制御プログラムソフト30の画面から操作ガイダンスウインドウ表示へ遷移するための対応ファイル32に画面個々のIDとそれぞれに対応するヘルプファイルIDとがある。
【0040】
図2に示す表示画面は階層状に構成され、大きなジョブメニュー(例:ルーチン操作)の下に、サブメニュー(例:項目選択、測定結果)があり、更にその下にウィンドウ(例:検体属性、一括登録等)がある。図2に示す表示画面には、ジョブとサブメニューのタブが常に表示されているが、ウィンドウは各メニュー画面のファンクションボタンとして存在し、ウィンドウの下に更なるウィンドウが存在する場合もある。
【0041】
図3において、対応リストファイル32は、各画面、ウィンドウ一つ一つに画面のIDを割付け、それに対応して表示する操作ガイダンスファイルのID(ヘルプファイルID)を関連付けた対応表である。
【0042】
例えば、ルーチン操作の項目選択画面で検体属性画面を表示しているときに、ヘルプボタン47が押されると、図3によれば、検体属性は画面IDがHD¥Work¥Demoであるので、ヘルプファイルA_1_1というファイルが表示部10に表示される命令が制御部13から出力される。
【0043】
尚、上記の関連付けは従来の操作ガイダンス画面表示においても行われている手法である。この実施形態においては、操作ガイダンスウィンドウから目的の装置制御プログラムソフト30の画面に遷移する方法を説明する。
【0044】
図4は、操作ガイダンスファイル31内の手順ID等と、装置制御プログラムソフト30の画面IDとの対応リストファイル32を示す図である。
【0045】
図4において、対応リストファイル32は、手順ID等の1つ1つに装置制御プログラムソフト30の画面IDが対応付けられ、記憶部12に格納される。操作ガイダンス表示中に手順ID等が選択されると、それに対応するアプリケーション画面IDが一時的に記憶部12に格納される。
【0046】
例えば、再検ラックに再度測定する試料を登録する方法がわからず、ヘルプ画面上の手順名称の「再検ラック登録」を選択した場合には、記憶部12に格納された対応ファイルリスト32を検索し、図4に従い、再検ラック登録の手順IDであるRerun_Rack_registに対応する画面IDであるHD¥Work¥rerunが記憶部12に一時格納される。
【0047】
続いて、操作ガイダンスウィンドウが閉じられると、装置制御プログラムソフト30の画面に戻るが、そのときに一時格納された上記画面IDが呼び出され、この画面IDに対応する表示画面が表示部10に表示されるように制御される。
【0048】
尚、操作ガイダンスウィンドウが任意に閉じられた場合にも、一時格納されている画面IDがあるときには、格納されている画面IDに対応する表示画面が表示部10に表示される。
【0049】
図5は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の画面遷移の処理フロー図である。
【0050】
図5のステップS101おいて、まず分析装置を立上げ、アプリケーションプログラムが起動され、表示部10に操作ガイダンスファイル31の画面が起動される。このとき、ヘルプボタン47が押されない場合には装置制御プログラムソフト30の画面が表示される。
【0051】
ステップS101において、ヘルプボタン47が押されると、図3に示す画面IDに対応するヘルプファイルIDを対応リストファイル32から検索し、対応するヘルプファイルIDのウィンドウが表示される(ステップS102)。
【0052】
その後、操作ガイダンスの文書内においては、目次やキーワードを使って、実施したい操作手順の検索が行われ、表示される(ステップS103)。ここで、操作ガイダンスファイル31のウィンドウ内の手順IDを選択するかどうかが判定される(ステップS104)。手順IDを選択しないときには、そのままヘルプウィンドウが表示される。尚、選択される手順ID等は、目に見える画面中のキー、ID、コード、名称等のいずれでもよく、選択されたことが認識できればよい。さらに、操作ガイダンスファイル31に手順リスト表示機能があればさらに効率が良くなる。
【0053】
操作ガイダンスファイル31上の手順ID等が選択されると同時に、上記手順ID等に対応する装置制御プログラムソフト30の画面IDを対応リストファイル32から検索し、検索した画面IDを記憶部12に一時的に格納する(ステップS105)。
【0054】
次に、操作ガイダンスファイル31のウィンドウを閉じ(ステップS106)、同時に、格納していた上記画面IDに対応する装置制御プログラムソフト30の画面を表示する(ステップS107)。
【0055】
以上のように構成された本発明の第1の実施形態によれば、操作ガイダンス用の文書ファイルと分析側の制御プログラムとを独立させることにより、分析側の制御プログラムの操作画面の構成を変えることなく、つまり、操作者のレベルに応じた画面変更やナビゲーション表示等に対応する必要がなく、且つ、ヘルプ表示の機能を最大限活用しつつ、目的の画面操作に間違いなく誘導することができ、これにより、複雑な自動分析装置の設定、登録作業の作業効率を高くすることができる。
【0056】
次に、本発明の第2の実施形態を図6,図7により説明する。
【0057】
本発明の第2の実施形態による自動分析装置は、紙やシートマニュアルの利便性を利用した実施形態であり、記憶部12の操作ガイダンスファイル31の代わりに、紙やシートマニュアルが備えられている。その他の構成については、本発明の第1の実施形態による自動分析装置と同じである。
【0058】
図6は、本発明の第2の実施形態による自動分析装置のマニュアル52(52a,52b)と操作部全体との関係を示す図である。
【0059】
図6において、本発明の第2の実施形態による自動分析装置は、マニュアル52と、操作部と、制御部13とを備えている。操作部は、表示部10と、記憶部12と、入力部11とを備えている。操作部の記憶部12は、制御部13に接続され、制御部13は入力部11や表示部10を制御する。
【0060】
マニュアル52としては、操作等の装置取扱いを説明する紙マニュアルや簡略化したシートマニュアル52a、または装置の保守点検用のマニュアル52bが相当する。特に保守点検後に行うメンテナンスも手順化して記憶させておき、メンテナンス用のマニュアルからメンテナンス画面へ遷移できることが望ましい。
【0061】
マニュアル52は、通信手段51により記憶部12及び制御部13と接続されている。通信手段51としては、通信ケーブル接続やリモコンで使われている赤外線通信等が有用である。
【0062】
記憶部12には、装置制御プログラムソフト30と、マニュアル52とこのマニュアル52内の手順ID(識別キー)53と装置制御プログラムソフト30の画面IDとの対応リストファイル32が格納されている。この対応リストファイル32の例は、図4に示した通りである。
【0063】
マニュアル52の内部の一部分には、手順ID53等が選択されたことを検知するIC等のセンサー54が、複数の操作ガイダンスのそれぞれに対応して予め設置される。上記センサー54が押された場合には、通信手段51を介して記憶部12にその旨が送信される。オペレータは、マニュアル52を参照し、索引や目次等から目的の手順ID53を選択したことを通信手段51を介して制御部13へ知らせる。
【0064】
マニュアル52の手順ID53等が選択されたことが通信手段51を介して記憶部12および制御部13へ送信されると、上記手順ID53に対応する装置制御プログラムソフト30の画面が表示される。
【0065】
図7は、本発明の第2の実施形態による自動分析装置の画面遷移の処理フロー図である。
【0066】
図7のステップS201において、まず装置を立上げ、装置制御プログラムソフト30が起動され、表示部10に画面が表示される。この状態でマニュアル52の手順ID53等が選択される。このとき、手順ID53等が押されない場合には、制御プログラムソフト30の画面が表示される。
【0067】
ステップS201において、手順ID53等が選択されると、同時に記憶部12に格納された対応リストファイル32の中から、対応する装置制御プログラムソフト30の画面IDが検索される(ステップS202)。尚、選択される手順ID53は、目に見える画面中のキー、ID、コード、名称等のいずれでもよく、選択されたことが認識できればよい。
【0068】
次に、検索された画面IDに対応する装置制御プログラムソフト30の画面に遷移し、表示される(ステップS203)。
【0069】
以上のように構成された本発明の第2の実施形態によれば、紙やシートマニュアルを有効利用し、分析側の制御プログラムの操作画面の構成を変えることなく、つまり、操作者のレベルに応じた画面変更やナビゲーション表示等に対応する必要がなく、且つ、目的の画面操作に間違いなく誘導することができ、これにより複雑な自動分析装置の設定、登録作業の作業効率を高くすることができる。
【0070】
次に本発明の第3の実施形態を図8,図9により説明する。
【0071】
図8は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置の画面IDと操作ガイダンスファイル31内の手順ID等の複数の手順をグループ化した対応リストファイルの一例を示す図である。
【0072】
本発明の第1及び第2の実施形態による自動分析装置において、目的の操作手順を複数の画面で行う場合がある。この場合、操作ガイダンスやマニュアルでの手順IDとの画面IDが1対1にならない。本発明の第3の実施形態においては、このような場合に、手順IDをグループ化して登録できるようにする。
【0073】
図8において、本発明の第1の実施形態における対応リストファイル32を示す図3,図4と同様に、手順IDと画面IDとのグループID同士の対応リスト32aが作成される。グループIDが選択されたときは、画面IDが複数存在することを認識できるようなIDの付け方にする。このとき、初めの画面表示はグループのうちの先頭の画面IDに対応する画面が表示され、記憶部12にはグループとして一時的に格納される。
【0074】
操作ガイダンスファイル31のウィンドウが閉じられるか、又は、マニュアル52の手順ID53等が選択されると、装置制御プログラムソフト30の画面が表示され、その表示は一時的に記憶部12に格納したグループIDの先頭の画面IDに対応する表示画面が呼び出されて表示部10に表示される。
【0075】
図9は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置の画面遷移プロセス表示画面の一例を示す図である。
【0076】
図9において、グループ化された画面遷移プロセスは、簡易表示ウィンドウ61を画面内に表示させる。簡易表示ウィンドウ61の中には画面遷移プロセスの順番と、現在実行中のプロセスが認識できるように表示される。図9の例では現在実行中のプロセスはアイコン表示色を反転させ、現在実行中のプロセスがわかるようにしている。プロセス上に示めされるプロセスボタン63を選択するか、または、画面終了時に、次のプロセスの画面に遷移する。プロセスボタン63は、現在の順番でなくても選択可能とする。詳細な情報を見たい場合は拡大表示ボタン62を押して、画面遷移プロセスウィンドウ64を表示する。
【0077】
画面遷移プロセスウィンドウ64には、画面遷移プロセスの名称、過去に実施した日付と、画面名称や目的などが表示される。プロセスボタン63を押すことにより、次の手順に進むことができる。これにより、目的やメモ等を入力することが可能であり、次に操作する人の作業効率が高くなる。
【0078】
簡易表示ウィンドウ61と同様に、プロセスボタン63、あるいは画面終了時に次のプロセス画面へ遷移する。プロセスボタン63を任意に選択することで、途中のプロセスをスキップすることも可能である。最後の画面表示終了により、画面遷移プロセスウィンドウ64の表示を消去する。
【0079】
以上のように構成された本発明の第3の実施形態によれば、目的の操作手順を複数の画面で行う場合であっても、目的の画面操作に間違いなく誘導することができ、これにより複雑な自動分析装置の設定、登録作業の作業効率を高くすることができる。
【0080】
次に、本発明の第4の実施形態を図10、図11により説明する。
【0081】
本発明の第4の実施形態による自動分析装置は、マニュアル52や操作ガイダンスファイル31に無い手順が発生した場合に、画面遷移プロセスを新たに装置制御プログラムソフト30に登録する機能を付加した場合の実施形態である。
【0082】
図10は、本発明の第4の実施形態による自動分析装置の画面遷移プロセス登録画面の一例を示す図である。
【0083】
図10において、操作者は、まず画面上の手順登録ボタン65を選択することにより、手順登録ウィンドウ65が表示される。
【0084】
手順登録ウィンドウ65には、手順の名称と、手順の目的と、手順の番号と、各画面では何をしたかのメモの入力欄が表示される。各入力欄に入力を行い、登録したい内容が画面に表示された状態で登録ボタン67を押すと、表示されている画面IDが制御プログラムソフト30から検索され、画面の名称を表示して、画面IDが登録される。この作業を順番に必要分行うことにより、画面遷移手順が登録される。
【0085】
図11は、本発明の第4の実施形態による自動分析装置の登録された画面遷移プロセスを表示する画面の一例を示す図である。
【0086】
図11において、操作者は、画面上の手順リストボタン66を選択することにより手順リストウィンドウが表示される。
【0087】
手順リストウィンドウには、ウィンドウ左側に手順リストが表示され、ウィンドウ右側には、ウィンドウ左の手順リストのうち選択された手順リストの詳細情報が表示される。また、ウィンドウ右下には画面表示ボタン68が表示され、ウィンドウ右側に詳細情報が表示された状態で、画面表示ボタン68を選択すると、選択した手順リストの画面に遷移する。この場合には、本発明の第3の実施形態の図9により説明した簡易ウィンドウ61が表示される。更に、図9と同様に、拡大表示ボタン62を押すことにより、画面遷移プロセスウィンドウ64を表示することができる。
【0088】
以上のように構成された本発明の第4の実施形態によれば、過去の画面遷移プロセスを記憶し、必要に応じて、過去の画面遷移を呼び出すことにより、普段行わないような設定機能の操作性を効率向上させることができる。
【0089】
なお、上述した例は、本発明を自動分析装置に適用した場合の例であるが、複雑な機能を有し、操作画面が複数存在する装置であり、パーソナルコンピュータを操作部として用いる装置であれば、自動分析装置に限らず、他の装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による自動分析装置の操作画面の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による自動分析装置の制御プログラムソフトの画面から操作ガイダンスウィンドウへ遷移するための対応リストファイルの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による自動分析装置の操作ガイダンスファイル内の手順IDから装置制御プログラムソフトの画面IDへ遷移するための対応リストファイルの一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による自動分析装置の画面遷移の処理フロー図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による自動分析装置のマニュアルと操作部全体との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における自動分析装置の画面遷移の処理フロー図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による自動分析装置の操作ガイダンスファイル内の手順IDから装置制御プログラムソフトの画面へ遷移するための対応リストファイルの一例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による自動分析装置の画面遷移プロセス表示画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態による自動分析装置の画面遷移プロセスの登録画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施形態による自動分析装置の登録された画面遷移プロセスを表示する画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 サンプルディスク
2 試薬ディスク
3 反応ディスク
4 反応槽
5 サンプリング機構
6 ピペッティング機構
7 攪拌機構
8 測光機構
9 洗浄機構
10 表示部
11 入力部
12 記憶部
13 制御部
16 試料容器
17 円形ディスク
18 試薬ボトル
19 円形ディスク
20 保冷庫
21 反応容器
22 反応容器ホルダ
23 駆動機構
24 プローブ
25 支承軸
26 アーム
27 プローブ
28 支承軸
29 アーム
30 装置制御プログラムソフト
31 操作ガイダンスファイル
32 手順ID等と画面IDの対応リストファイル
41 ステータスエリア
42 ジョブメニュー
43 サブメニュー
44 グローバルメニューエリア
45 各画面の設定・入力エリア
46 ファンクションボタン
47 ヘルプボタン
51 通信手段
52 マニュアル
53 手順ID
54 センサー
61 簡易表示ウィンドウ
62 拡大表示ボタン
63 プロセスボタン
64 画面遷移プロセスウィンドウ
65 手順登録ボタンおよびそのウィンドウ
66 手順リストボタンおよびそのウィンドウ
67 登録ボタン
68 画面表示ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を分析する分析部と、この分析部の複数の装置制御プログラム情報及び複数の操作ガイド情報を記憶する記憶部と、上記動作制御プログラム情報、複数の操作ガイド情報を表示する表示部と、上記分析部、記憶部及び表示部の動作を制御する制御部とを備える分析装置において、
上記記憶部に記憶された複数の装置制御プログラム情報は、それぞれ識別記号が定められ、これら識別記号と対応して操作ガイド情報が上記記憶部に記憶され、
上記制御部は、上記複数の装置制御プログラム情報のうちの操作者に選択された装置制御プログラム情報を特定のキーと共に上記表示部に表示させ、表示された上記特定のキーが、操作者により操作されたときは、上記選択された装置制御プログラム情報の識別記号を上記記憶部に格納させ、この識別記号に対応する操作ガイダンス情報を上記表示部に表示させ、
操作者が操作ガイダンス情報の表示終了を操作したときには、上記制御部は、上記記憶部に格納された識別記号の動作制御プログラム情報を上記表示部に表示させることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
被検体を分析する分析部と、この分析部の複数の装置制御プログラム情報を記憶する記憶部と、上記装置制御プログラム情報を表示する表示部と、上記分析部、記憶部及び表示部の動作を制御する制御部とを有する分析装置において、
操作ガイド情報等が記載され、複数の操作説明等に対応して、それぞれの識別キーが設けられたマニュアル手段を備え、
上記記憶部に記憶された複数の装置制御プログラム情報は、上記マニュアル手段の上記識別キーと対応して上記記憶部に記憶され、
上記マニュアルの操作ガイド情報のそれぞれには、上記識別キーが操作されたことを検知するセンサーを有し、
上記マニュアルに設けられた上記識別キーが操作されたことが上記センサーにより検知されることにより、上記制御部は、上記記憶部に格納された識別記号の動作制御プログラム情報を上記表示部に表示させることを特徴とする分析装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の分析装置において、
上記操作ガイド情報は、複数の操作ガイド情報をグループ化したグループ情報であるものとし、
上記記憶部に記憶された複数の装置制御プログラム情報は、それぞれ識別記号が定められ、これら識別記号と対応してグループ化したグループ情報が上記記憶部に記憶され、
操作者が操作ガイダンス情報の表示終了を操作したときには、上記制御部は、上記記憶部に格納されたグループ化したグループ情報に対応した識別記号の動作制御プログラム情報を上記表示部に表示させることを特徴とする分析装置。
【請求項4】
請求項3記載の分析装置において、
上記グループ化したグループ情報の画面遷移プロセスを認識できるウィンドウを装置制御プログラムの操作画面上に表示し、現在実行中のプロセスを認識でき、プロセスを任意に選択できることを特徴とする分析装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の分析装置において、上記制御部は、
上記画面遷移プロセスを実施した日時、名称、目的等の付属情報を付加して格納でき、必要に応じて、過去の画面遷移を再現できることを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−40922(P2007−40922A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227771(P2005−227771)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】