説明

分析装置

【課題】洗浄水タンク内部およびサンプルに対する分析処理が行なわれる場合に洗浄水タンクから洗浄水が流れる流路を形成する洗浄水流路構成部材内部を簡易に洗浄できる分析装置を提供すること。
【解決手段】この発明にかかる分析装置1は、洗剤タンク323と洗浄水タンク321とを接続する接続管346を設け、接続管346に設けられた弁346aを開け、接続管346が接続する管345に設けられたポンプ345bに対し、接続管346を介して洗剤タンク323内の洗剤Lsを洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出させることによって、洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗剤Lsを用いて簡易に洗浄することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分析対象である検体または分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構を有する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、血液や尿などの多数のサンプルに対する分析処理を同時に行い、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫学検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。このような分析装置における分析対象となるサンプルは、患者の血液や尿などの生体液資料であり、この分析結果が疾病の診断や治療方針の決定のもととなるため、分析結果の高信頼性および分析結果取得の迅速性が求められている。このため、従来の分析装置においては、分析対象であるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構を分析装置内に設け、次の分析処理を迅速に行えるようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−403301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、洗浄水タンク内や洗浄水が流れる管内に水あかが蓄積した場合には分析データの制度を維持することができなくなるため、水あかが蓄積しないように洗浄水タンク内や洗浄水が流れる管内を洗剤で定期的に洗浄する必要がある。しかしながら、従来の分析装置においては、洗剤と洗浄水とが混ざらないように、洗剤タンクから洗剤が流れる管と、洗浄水タンクから洗浄水が流れる管とを完全に分けていた。したがって、従来、この洗浄水タンク内および洗浄水が流れる管内を洗浄するためには、分析装置の保守管理者自身が、複雑な配管構成を有する分析装置内部から洗浄水タンクおよび洗浄水が流れる管を取り外し、洗剤を用いて手作業で洗浄するという煩雑な処理を行なわなければならなかった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、洗浄水タンク内部およびサンプルに対する分析処理が行なわれる場合に洗浄水タンクから洗浄水が流れる流路を形成する洗浄水流路構成部材内部を簡易に洗浄できる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、分析対象である検体または分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構を有する分析装置において、洗剤を保持する洗剤タンクと、洗浄水を保持する洗浄水タンクと、前記洗剤タンクと前記洗浄水タンクとを接続する接続管と、前記接続管に設けられ、前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出するポンプと、前記接続管に設けられ、前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクへの前記洗剤の流入を調節する弁と、前記洗浄水タンク内部と前記検体に対する分析処理が行なわれる場合に前記洗浄水タンクから前記洗浄水が流れる流路を形成する部材である洗浄水流路構成部材内部とを洗浄するときに、前記弁を開け、前記ポンプに対して前記接続管を介して前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記洗浄水タンク内部と前記洗浄水流路構成部材内部との洗浄を指示する指示情報を入力する入力手段をさらに備え、前記制御手段は、前記入力手段から前記指示情報が入力された場合に、前記弁を開け、前記ポンプに対して前記接続管を介して前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出させることを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御手段は、前記洗浄水タンク内部と前記洗浄水流路構成部材内部とに対する前回洗浄時から所定期間経過した場合、当該分析装置における分析依頼数が所定数以下である場合、または、前記洗浄水タンク内部と前記洗浄水流路構成部材内部とに対する洗浄時間として予め設定された時間に到達した場合、前記弁を開け、前記ポンプに対して前記接続管を介して前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、洗剤タンクと洗浄水タンクとを接続する接続管を設け、洗浄水タンク内部と、検体に対する分析処理が行なわれる場合に洗浄水タンクから洗浄水が流れる流路を形成する部材である洗浄水流路構成部材内部とを洗浄するときに、接続管に設けられた弁を開け、接続管に設けられたポンプに接続管を介して洗剤タンク内の洗剤を洗剤タンクから洗浄水タンクに送出させることによって、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗剤を用いて簡易に洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血液などの液体検体をサンプルとして分析する分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかる分析装置1の内部構成の一例を示す概略斜視図である。この分析装置1は、免疫学的凝集反応を用いて被検血液の抗原抗体反応等の免疫学的検査を行う装置であり、サンプルラック搬送部11と、サンプル分注部15と、希釈サンプルラック搬送部17と、希釈液分注部21と、希釈サンプル分注部23と、プレート搬送部25と、試薬分注部29と、試薬格納部31と、測定部33と、プレート回収部35とを備える。
【0012】
サンプルラック搬送部11は、後述する制御部4の制御のもと、ラックフィーダ111に配列したサンプルラック13を搬送する。サンプルラック13には、サンプル(検体)を収容した複数のサンプル容器131が搭載されており、サンプルラック搬送部11は、サンプルラック13を順次移送してサンプル容器131を所定のサンプル吸引位置に搬送する。サンプル吸引位置に搬送されたサンプル容器131内のサンプルは、サンプル分注部15によって希釈サンプル容器191に分注される。
【0013】
サンプル分注部15は、サンプルの吸引および吐出を行うノズルを備える。このサンプル分注部15は、制御部4の制御のもと、サンプル吸引位置に搬送されたサンプル容器131内のサンプルをノズルによって吸引し、所定のサンプル吐出位置に移送する。このサンプル吐出位置には、複数の希釈サンプル容器191が搭載された希釈サンプルラック19が載置されており、サンプル分注部15は、各希釈サンプル容器191内に吸引したサンプルを順次吐出して分注を行う。
【0014】
希釈サンプルラック搬送部17は、制御部4の制御のもと、希釈サンプルラック19を所定の希釈液分注位置に搬送し、続いて所定の希釈サンプル吸引位置に搬送する。希釈液分注位置に搬送された希釈サンプルラック19上の各希釈サンプル容器191には、希釈液分注部21によってそれぞれ希釈液が分注される。そして、希釈サンプル吸引位置に搬送された希釈サンプルラック19上の各希釈サンプル容器191内の希釈サンプルは、希釈サンプル分注部23によって所定の希釈サンプル吐出位置に移送される。
【0015】
希釈液分注部21は、希釈液の吐出を行う複数のノズルを備える。この希釈液分注部21は、希釈液分注位置に搬送された希釈サンプルラック19上の各希釈サンプル容器191内に各ノズルによってそれぞれ所定量の希釈液を分注する。
【0016】
希釈サンプル分注部23は、希釈サンプルの吸引および吐出を行う複数のサンプルノズルを備える。この希釈サンプル分注部23は、制御部4の制御のもと、希釈サンプル吸引位置に搬送された希釈サンプルラック19上の各希釈サンプル容器191から各サンプルノズルによってそれぞれ希釈サンプルを吸引し、希釈サンプル吐出位置に移送する。この希釈サンプル吐出位置には、ウェルと呼ばれる複数の反応容器271がマトリクス状に配設されて構成されるマイクロプレート27が載置されており、希釈サンプル分注部23は、このマイクロプレート27の各反応容器271内に、各希釈サンプルを吐出して分注を行う。
【0017】
プレート搬送部25は、マイクロプレート27の各反応容器271内に希釈サンプルおよび試薬を分注し、各反応容器271内での希釈サンプルおよび試薬の混合液の測定を行うため、制御部4の制御のもと、希釈サンプル吐出位置のマイクロプレート27を移送して各反応容器271を試薬吐出位置に搬送し、続いて測定位置に搬送する。試薬吐出位置に搬送された反応容器271には、試薬分注部29によって試薬が分注される。
【0018】
試薬分注部29は、それぞれ試薬の吸引および吐出を行う試薬ノズルを備える。この試薬分注部29は、制御部4の制御のもと、試薬格納部31の各試薬容器311内の試薬を各試薬ノズルによってそれぞれ吸引して試薬吐出位置に移送し、プレート搬送部25によって試薬吐出位置に搬送されたマイクロプレート27の反応容器271内に吐出する。試薬格納部31には、サンプルと抗原抗体反応を起こす所定の試薬をそれぞれ収容した複数の試薬容器311が配列されて収納されている。
【0019】
マイクロプレート27は、希釈サンプル分注部23によって各反応容器271内に希釈サンプルが分注され、試薬分注部29によって各反応容器271内に試薬が分注され、必要な反応時間が経過して反応容器271内のサンプルの抗原抗体反応が完了した後、プレート搬送部25によって測定位置に搬送される。この抗原抗体反応によって、各反応容器271の底面に凝集反応パターンが形成される。
【0020】
測定部33は、測定位置の上方に設けられて測定位置に搬送されたマイクロプレート27を上方から撮像するCCDカメラ等の撮像部331と、測定位置に下方に設けられてマイクロプレート27の各反応容器271に照明光を照射する光源333とを備え、撮像部331は、各反応容器271を透過した光量を受光して各反応容器271の底面に形成された凝集反応パターンを撮像する。得られた測定結果(画像情報)は制御部4に出力される。なお、一般的に、陽性であるサンプルではサンプルと試薬との凝集が発生し、陰性であるサンプルではサンプルと試薬との凝集が発生しない。
【0021】
プレート回収部35は、測定部33による測定が終了したマイクロプレート27を回収する。回収されたマイクロプレート27は、図示しない洗浄部で洗浄され、再利用される。具体的には、各反応容器271内の混合液が排出され、洗剤や洗浄水等の洗浄液の吐出および吸引によって洗浄される。なお、検査内容によっては1回の測定終了後にマイクロプレート27を破棄する場合もある。
【0022】
また、分析装置1は、装置を構成する各部への動作タイミングの指示やデータの転送等を行って各部の制御を行い、装置全体の動作を統括的に制御する制御部4を備える。制御部4は、分析結果の他、分析装置1の動作に必要な各種データを保持するメモリを内蔵したマイクロコンピュータ等で構成され、装置内の適所に収められる。この制御部4は、分析部41と接続されており、測定部33による測定結果を分析部41に出力する。分析部41は、測定部33による測定結果をもとに抗原抗体反応を分析し、分析結果を制御部4に出力する。例えば、分析部41は、測定部33によって得られた画像情報を画像処理し、各反応容器271の底面に形成された凝集反応パターンを検出・判定する。また、制御部4は、サンプル数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部43や、分析結果画面や警告画面、各種設定入力のための入力画面等を表示するLCDやELD等の表示装置で構成される表示部45と接続されている。
【0023】
つぎに、図2を参照して、分析対象であるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構について説明する。図2に示すように、図1に示す分析装置1は、洗浄機構として、洗浄水Lwを保持する洗浄水タンク321、洗剤の原液Loを保持する原液タンク322および所定濃度に希釈された洗剤Lsを保持する洗剤タンク323を有する。
【0024】
この洗浄水Lwは、イオン交換水、蒸留水、超ろ過水またはこれらの組み合わせにより精製された水である。洗浄水Lwは、制御部4の制御によって、管341に設けられた弁341aが開けられたときに、矢印Y11に示すように、管341を介して、洗浄水供給源から洗浄水タンク321内に供給される。
【0025】
洗浄水タンク321には洗浄水Lwが流れる管342が接続されており、この管342からは洗剤タンク323に接続する管343が分岐している。管342には、洗浄水タンク321内の洗浄水を洗浄水タンク321から送出するポンプ342bが設けられており、管343には、弁343aが設けられている。制御部4の制御によって、弁343aが開けられ、ポンプ342bが駆動した場合には、矢印Y12aおよび矢印Y12bに示すように、洗浄水タンク321内の洗浄水Lwが洗剤タンク323内に供給される。
【0026】
管342からは、試薬分注後の各試薬ノズル291を洗浄する試薬ノズル洗浄槽295に接続する管350が分岐する。制御部4の制御によって、弁343aが閉められ、ポンプ342bが駆動した場合には、矢印Y16に示すように、洗浄水タンク321内の洗浄水Lwが管350を介して試薬ノズル洗浄槽295に供給される。なお、試薬ノズル洗浄槽295内の洗浄水Lwは、排水管に接続する管296より排水される。
【0027】
また、管342からは、管349が分岐し、管349からは、さらに、試薬分注部29の各試薬ノズル291に接続する管351bと、希釈サンプル分注部23の各サンプルノズル231に接続する管351aとが分岐する。
【0028】
管351bは、試薬ノズル291に接続するとともに弁292およびシリンジポンプ293が設けられたチューブ294にそれぞれ接続する。制御部4の制御のもと、試薬分注が行なわれる場合には、弁292が開けられ、シリンジポンプ293が駆動する。この結果、たとえば矢印Y13,Y15に示すように、洗浄水タンク321から、管342,349,351bを介して洗浄水Lwが移動することによって、試薬ノズル291に試薬分注に要する圧力が伝達され、試薬ノズル291による試薬分注処理が行なわれる。また、管351aは、サンプルノズル231に接続するとともに弁232およびシリンジポンプ233が設けられたチューブ234にそれぞれ接続する。制御部4の制御のもと、サンプル分注が行なわれる場合には、弁232が開けられ、シリンジポンプ233が駆動する。この結果、たとえば矢印Y13,Y14に示すように、洗浄水タンク321から、管342,349,351aを介して洗浄水Lwが移動することによって、サンプルノズル231にサンプル分注に要する圧力が伝達され、サンプルノズル231によるサンプル分注処理が行なわれる。
【0029】
原液タンク322は、管344によって洗剤タンク323に接続されており、制御部4の制御によって、この管344に設けられた弁344aが開けられ、この管344に設けられたポンプ344bが駆動することによって、矢印Y21に示すように、原液タンク322から洗剤タンク323に洗剤の原液Loが供給される。制御部4は、弁343a,344aの開閉動作およびポンプ342b,344bの駆動を制御することによって、洗浄水タンク321から洗剤タンク323への洗浄水Lwの供給量と、原液タンク322から洗剤タンク323への原液Loの供給量とを制御して、洗剤タンク323内の洗剤Lsの濃度を洗浄対象に応じて所定濃度に調製する。
【0030】
洗剤タンク323には、所定濃度に調製された洗剤Lsが流れる管345が接続されており、この管345からは、サンプル分注後の各サンプルノズル231外部を洗浄するサンプルノズル洗浄槽235に接続する管348、サンプルノズル内部洗浄用の洗剤Lsを供給する管347に接続されている。制御部4の制御によって、管348に設けられた弁348aが開けられ、管345に設けられたポンプ345bが駆動した場合には、矢印Y22,Y23に示しように、洗剤タンク323内の洗剤Lsが管348を介してサンプルノズル洗浄槽235に供給される。なお、サンプルノズル洗浄槽235内の洗剤Lsは、排水管に接続する管237より排水される。
【0031】
そして、管347からは、各チューブ234に接続するチューブ354がそれぞれ設けられている。制御部4の制御のもと、各チューブ234に設けられた弁232が閉められ、チューブ354に設けられた弁352が開けられ、ポンプ345bが駆動することによって、矢印Y22,Y24に示すように、洗剤タンク323から管345,347および各チューブ354,234内に洗剤Lsが供給され、サンプルノズル231内部が洗剤Lsによって洗浄される。
【0032】
そして、分析装置1においては、さらに、洗剤タンク323と洗浄水タンク321とを接続するように配管されている。具体的には、洗剤タンク323内の洗剤Lsが流れる管345から、洗浄水タンク321に接続する接続管346が分岐されている。そして、この接続管346には、洗剤タンク323から洗浄水タンク321への洗剤Lsの流入を調節する弁346aが設けられている。前述したポンプ345bは、洗剤タンク323と洗浄水タンク321とを接続する接続管に設けられ、洗剤タンク323内の洗剤Lsを洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出する機能を有する。
【0033】
制御部4の制御のもと、他の全ての弁が全て閉められた状態で弁346aが開けられ、管345に設けられたポンプ345bが駆動した場合には、管345および接続管346を介して、ポンプ345bによって洗剤タンク323内の洗剤Lsを洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出されることとなる。この場合、洗剤タンク323内から洗浄水タンク321内に供給された洗剤Lsによって、洗浄水タンク321内が洗浄される。
【0034】
そして、この状態において、制御部4の制御のもと、管342に設けられたポンプ342bが駆動することによって、洗浄水タンク321内に供給された洗剤Lsが、検体に対する分析処理が行なわれる場合に洗浄水タンク321から洗浄水Lwが流れる流路を形成する洗浄水流路構成部材である管342,349,350,351a,351b、試薬ノズル洗浄槽295、チューブ234,294、試薬ノズル291内に供給される。この結果、これらの洗浄水流路構成部材内部が洗浄される。
【0035】
つぎに、図3を参照して、図2における洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理について説明する。まず、図3に示すように、制御部4は、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0036】
たとえば、入力部43が洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄を指示する指示情報を入力し、入力部43からこの指示情報が入力された場合に、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであると判断する。また、制御部4は、洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部とに対する前回洗浄時から所定期間経過した場合、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであると判断する。また、制御部4は、分析装置1における分析依頼数が所定数以下である場合、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであると判断する。たとえば、分析装置1がスタンバイ状態である場合や、分析依頼数が少なく洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理を実行可能である時間を確保可能である場合などである。また、制御部4は、タイマーセットなどによって、洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部とに対する洗浄時間として予め設定された時間に到達した場合、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであると判断する。
【0037】
制御部4は、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであると判断するまでステップS2の判断処理を繰り返し、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理タイミングであると判断した場合(ステップS2:Yes)、洗浄水タンク321および洗浄水流路構成部材のうち洗浄水タンク321内部を洗浄するために、洗浄水タンク321への洗剤供給処理を行なう(ステップS4)。
【0038】
図4を参照して、洗浄水タンク321への洗剤供給処理について具体的に説明する。この場合、図4に示すように、制御部4は、弁346a以外の全ての弁を閉めた状態で、接続管346に設けられた弁346aを開ける。また、制御部4は、ポンプ345b以外のポンプは駆動していない状態で、管345のポンプ345bを駆動させる。そして、弁346aが開きポンプ345bが駆動した結果、所定濃度に調整された洗剤タンク323内の洗剤Lsが、矢印Y31,Y32,Y33に示すように、管345、接続管346、弁346aを介して、洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出される。この結果、洗浄水タンク321内部は洗剤Lsで満たされ、洗浄水タンク321内部は、この洗剤Lsによって洗浄される。なお、制御部4は弁346aおよび弁341aの開時間を制御することによって、たとえば使用する洗剤の種別を切り替えた場合、分析装置において行なわれた分析項目が所定の項目であった場合、または、特定のサンプルを分析したため洗浄能力を高めたい場合など必要に応じて、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄に適した濃度の洗剤Lsを分析装置内部で調整すればよい。
【0039】
洗浄水タンク321への洗剤供給処理後、制御部4は、通常の分析処理時に洗浄水が流れる配管および洗浄水のみで洗浄されるノズルなどの洗浄水流路構成部材に対する洗浄処理を行なう(ステップS6)。
【0040】
図5を参照して、洗浄水流路構成部材に対する洗浄処理について具体的に説明する。この場合、図5に示すように、制御部4は、弁346a以外の全ての弁を閉めた状態で、弁346aを開ける。そして、制御部4は、ポンプ345bとともに管342のポンプ342bを駆動させる。そして、弁346aが開いた状態でポンプ342bが駆動した結果、洗剤タンク323から送出された洗浄水タンク321内の洗剤Lsが、矢印Y34に示すように、管342内に送出される。管342内に送出された洗剤Lsは、矢印Y35a,35bに示すように、管342から分岐した管350内に流れ、さらに試薬ノズル洗浄槽295内に流れ込む。また、管342内に送出された洗剤Lsは、矢印Y36に示すように、管342から分岐した管349内に流れ、矢印Y36a,36bに示すように、管349から分岐する管351a,351b内にも流れ込む。さらに、制御部4の制御のもと、希釈サンプル分注部23における弁232および試薬分注部29における弁292が開けられた場合には、矢印Y38,Y39に示すように、管351a,351bから洗剤Lsがチューブ234,294内に流れる。さらに、制御部4の制御のもと、試薬分注部29におけるシリンジポンプ293が吸引吐出を行なうように駆動することによって、試薬ノズル洗浄槽295内の洗剤Lsが試薬ノズル291内に吸引される。
【0041】
このように、洗浄水タンク321内部の洗剤Lsが、通常の分析処理時には洗浄水タンク321内の洗浄水Lwのみが流れる洗浄水流路構成部材である管342,349,350,351a,351b、試薬ノズル洗浄槽295、チューブ234,294および試薬ノズル291の内部に流れ込み、各洗浄水流路構成部材内部が洗剤Lsによって洗浄されることとなる。
【0042】
つぎに、制御部4は、洗剤Lsによって洗浄された洗浄水タンク321および各洗浄水流路構成部材の内部を洗浄水Lwですすぐすすぎ洗浄処理を行なう(ステップS8)。図6を参照して、すすぎ洗浄処理について具体的に説明する。
【0043】
図6に示すように、制御部4は、洗浄水タンク321および各洗浄水流路構成部材の内部に洗剤Lsが供給されないように、洗剤タンク323と洗浄水タンク321とを接続する接続管346の弁346aを閉めて、洗浄水タンク321内への洗剤供給を停止する。そして、制御部4は、洗浄水タンク321内を洗浄水Lwで洗浄するために、洗浄水供給源に接続する管341の弁341aを開ける。この結果、矢印Y41に示すように、洗浄水供給源から洗浄水Lwが供給され、洗浄水タンク321内がすすぎ洗浄される。
【0044】
そして、制御部4は、各線浄水流路構成部材内部をすすぎ洗浄するため、管342のポンプ342bを駆動させて、矢印Y44に示すように、洗浄水タンク321内の洗浄水Lwを管342内に流し込む。管342内に流れ込んだ洗浄水Lwは、矢印Y45a,Y45bに示すように、管350内に流れ込んだ後、試薬ノズル洗浄槽295内に流れ込んで、管350および試薬ノズル洗浄槽295の内部をすすぐこととなる。そして、管342内に流れ込んだ洗浄水Lwは、矢印Y46,Y46a,Y46bに示すように、管349,351a,351b内に流れ込み、さらに、制御部4の制御によって開かれた弁232,292を介して、矢印Y48,Y49に示すように、チューブ234,294内部を流れてすすぎ洗浄がおこなわれる。さらに、制御部4の制御のもと、試薬分注部29におけるシリンジポンプ293が吸引吐出を行なうように駆動することによって、試薬ノズル洗浄槽295内の洗浄水Lwが試薬ノズル291内に吸引され、すすぎ洗浄が行われる。このすすぎ洗浄処理は、洗剤Lsの種別、洗剤Lsの濃度および配管構成に応じて、所定回数行なわれ、たとえば分析装置1の場合には、3回または6回行なわれる。
【0045】
このすすぎ洗浄処理が終了することによって、通常の分析処理時には洗浄水Lwのみを保持する洗浄水タンク321と、通常の分析処理時には洗浄水タンク321の洗浄水Lwのみが流れる洗浄水流路構成部材である管342,349,350,351a,351b、試薬ノズル洗浄槽295、チューブ234,294および試薬ノズル291との内部に対する洗浄処理が終了する。
【0046】
このように、実施の形態においては、洗剤タンク323と洗浄水タンク321とを接続する接続管346を設け、洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗浄するときに、接続管346に設けられた弁346aを開け、接続管346が接続する管345に設けられたポンプ345bを駆動させて、接続管346を介して洗剤タンク323内の洗剤Lsを洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出させている。このため、分析装置1においては、従来のように、洗浄水タンク内および洗浄水が流れる管内を洗浄するために、分析装置の保守管理者自身が、複雑な配管構成を有する分析装置内部から洗浄水タンクおよび洗浄水が流れる管を取り外し、洗剤を用いて手作業で洗浄するという煩雑な処理を行なう必要がない。したがって、分析装置1によれば、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗剤を用いて簡易に洗浄することができる。
【0047】
また、分析装置1においては、入力部43から洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄を指示する指示情報が入力された場合に、制御部4は、弁346aを開け、ポンプ345bに接続管346を介して洗剤タンク323内の洗剤Lsを洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出させて、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗浄している。このため、分析装置1によれば、分析装置1の保守管理者は、入力部43を操作して洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄を指示するという簡易な操作を行なうだけで、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄を行うことができることから、手作業で洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗浄していた従来と比較し、分析装置1の保守管理者の保守管理処理の負担を軽減することができる。
【0048】
また、分析装置1においては、洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部とに対する前回洗浄時から所定期間経過した場合、分析装置1における分析依頼数が所定数以下である場合、または、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部とに対する洗浄時間として予め設定された時間に到達した場合、制御部4は、弁346aを開け、ポンプ345bに接続管346を介して洗剤タンク323内の洗剤Lsを洗剤タンク323から洗浄水タンク321に送出させて、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部とを洗浄している。すなわち、分析装置1は、自動的に洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄を行うことができることから、分析装置1の保守管理者の保守管理処理の負担をさらに軽減することができる。
【0049】
なお、分析装置1においては、図7に示すように、洗浄水タンク321に、排水管に接続する管321aを接続して、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄処理において洗浄水タンク321に供給された洗浄後の洗剤Lsを、洗浄水タンク321からそのまま排出できるようにして、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄処理の迅速化を図ってもよい。制御部4の制御のもと、管321aに設けられた弁321bが開けられることによって、矢印Y51のように洗浄水タンク321内の洗浄後の洗剤Lsが排出される。なお、弁321bは、洗浄水タンク321内の洗剤Ls排出時以外においては、洗浄水タンク321内の液体が排出されないように、閉められている。
【0050】
また、実施の形態においては、原液タンク322を分析装置1内にセットして分析装置1内で所定濃度に洗剤Lsを調製する場合を例に示したが、図8に示すように、既に所定濃度に調製された洗剤Lsを保持する洗剤タンク323cをセットした場合も同様に適用可能である。
【0051】
この場合、図8に示すように、弁346aを開けた状態でポンプ345bが駆動することによって、矢印Y61bに示すように、洗剤タンク323c内の洗剤が洗浄水タンク321内に送出される。そして、さらにポンプ342bが駆動することによって、矢印Y64に示すように、洗浄水タンク321内の洗剤が各洗浄水流路構成部材内部に流れて洗浄処理が行われる。なお、図8に示す場合には、制御部4の制御のもと、弁346aとともに洗浄水供給源に接続する管341の弁341aを開けて洗浄水Lwを供給して、セットされた洗剤タンク323c内の洗剤Lsを洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄に適した濃度の洗剤Ls1に希釈することも可能である。この場合、制御部4は、弁346aおよび弁341aの開時間を制御することによって、たとえば、使用する洗剤の種別を切り替えた場合、分析装置において行なわれた分析項目が所定の項目であった場合、または、特定のサンプルを分析したため洗浄能力を高めたい場合など必要に応じて、洗浄水タンク内部と洗浄水流路構成部材内部との洗浄に適した濃度の洗剤Ls1を分析装置内部で調整すればよい。
【0052】
また、図2においては、管345から分岐した管347を設け、この管347に接続した各チューブ354を介して各チューブ234内に洗剤Lsを送出していたが、図9に示すように、洗浄水タンク321内に送出された洗剤Lsを利用して各チューブ234内を洗浄してもよい。
【0053】
具体的には、図9に示すように、制御部4は、弁346aを開け、ポンプ345bを駆動させることによって、矢印Y31〜Y33のように洗浄水タンク321内に洗剤タンク323内の洗剤Lsを送出する。そして、制御部4は、希釈サンプル分注部23における各弁232を開けた状態でポンプ342bを駆動させることによって、矢印Y34,Y36,Y36aのように、希釈サンプル分注部23まで洗浄水タンク321内の洗剤Lsを流し込み、さらにシリンジポンプ233を駆動させることによって、矢印Y79に示すように、各チューブ234全体に洗剤Lsを供給して、洗浄処理を行なう。このようにすることによって、図2のように各チューブ234を洗浄するために設けられていた管347、各弁352および各チューブ354を削除した構成とすることができる。
【0054】
また、実施の形態においては、免疫学的検査を行なう分析装置を例に説明したが、もちろんこれに限らず、生化学検査、輸血検査を行なう分析装置に適用してもよい。図10および図11を参照して、生化学検査を行なう分析装置に適用した場合について説明する。
【0055】
図10および図11に示すように、生化学検査を行なう分析装置201は、測定機構202として、血液や尿等の液体サンプルを収容した複数のサンプル容器211aを保持する複数のサンプルラック211bを図中の矢印方向に順次移送するサンプルラック搬送部211と、シリンジポンプ233と接続しサンプルを吸引および吐出するサンプルノズル231をアーム223a先端に備えたサンプル分注部223と、キュベット227へのサンプルや試薬の分注、キュベット227の攪拌、測光または洗浄を行うためにキュベット227を所定の位置まで移送する反応テーブル213と、キュベット227内に分注される試薬が収容された試薬容器215を内部に複数収納できる試薬庫214と、シリンジポンプ293と接続し試薬を吸引および吐出する試薬ノズル291をアーム229a先端に備えた試薬分注部229と、キュベット227に分注されたサンプルと試薬との攪拌を行なう攪拌部217と、キュベット227内の液体の光学的特性を測定する測光部218と、測光部218による測定が終了したキュベット227を洗浄する洗浄部219とを備える。
【0056】
分析装置201は、制御機構203として、分析装置201の各部の処理および動作を制御する制御部240と、入力部43と、測光部218の測定結果をもとにサンプルを分析する分析部241と、サンプルの分析結果等を含む諸情報を記憶する記憶部244と、表示部45とを備える。
【0057】
分析装置201においては、分析装置1と同様に、図3に示す各処理手順を行なって、洗浄水タンク321内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理を行なう。具体的には、制御部240は、図3に示す洗浄水タンク321への洗剤供給処理として(ステップS4)、図11に示す弁346aのみを開けた状態でポンプ345bを駆動させることによって、矢印Y231,232,233に示すように、洗剤タンク323内の洗剤Lsを、管345,346を介して洗浄水タンク321内に送出する。
【0058】
そして、図3に示す洗浄水流路構成部材洗浄処理として、制御部240は、弁346aが開いた状態でポンプ342bを駆動させることによって、矢印Y234に示すように、管342に洗浄水タンク321内の洗剤Lsを流し込む。洗浄水タンク321内の洗剤Lsは、矢印Y235a,Y235bに示すように、管350内部および試薬ノズル洗浄槽295内にも送出される。そして、洗浄水タンク321内の洗剤Lsは、矢印Y236,236a,236bに示すように、管342から管349,351a,351bに流れ、制御部4の制御のもと弁232,292が開けられた場合には、矢印Y238,239に示すように、チューブ294,234内にも流れる。次いで、制御部240は、図3に示すすすぎ洗浄処理と同様の処理動作を行うことによって、洗浄水タンク321および各洗浄水流路構成部材の内部を洗浄水Lwですすぎ、すすぎ洗浄処理を行なう。
【0059】
このように、生化学検査を行なう分析装置においても、洗剤タンク323と洗浄水タンク321とを接続する接続管346を設け、接続管346に設けられた弁346aを開け、接続管346が接続する管345に設けられたポンプ345bを駆動させることによって、洗浄水タンク321内部と洗浄水流路構成部材内部とを簡易に洗浄することができる。
【0060】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,201は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施の形態にかかる分析装置1の内部構成の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す分析装置におけるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構を説明する図である。
【図3】図2に示す洗浄水タンク内部および洗浄水流路構成部材内部に対する洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す洗浄水タンクへの洗剤供給処理を説明する図である。
【図5】図3に示す洗浄水流路構成部材に対する洗浄処理を説明する図である。
【図6】図3に示すすすぎ洗浄処理を説明する図である。
【図7】図1に示す分析装置におけるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構の他の例を説明する図である。
【図8】図1に示す分析装置におけるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構の他の例を説明する図である。
【図9】図1に示す分析装置におけるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構の他の例を説明する図である。
【図10】実施の形態にかかる分析装置の他の構成を示す模式図である。
【図11】図10に示す分析装置におけるサンプルまたは分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構を説明する図である。
【符号の説明】
【0062】
1,201 分析装置
4 制御部
11,211 サンプルラック搬送部
11a サンプル容器
15 サンプル分注部
17 希釈サンプルラック搬送部
19 希釈サンプルラック
21 希釈液分注部
23 希釈サンプル分注部
25 プレート搬送部
27 マイクロプレート
29 試薬分注部
31 試薬格納部
33 測定部
35 プレート回収部
41 分析部
43 入力部
45 表示部
111 ラックフィーダ
131 サンプル容器
191 希釈サンプル容器
213 反応テーブル
202 測定機構
203 制御機構
214 試薬庫
215 試薬容器
217 攪拌部
218 測光部
219 洗浄部
223 サンプル分注部
223a,229a アーム
227 キュベット
229 試薬分注部
231 サンプルノズル
232,292,321b,341a,343a,344a,346a,348a,352 弁
233,293 シリンジポンプ
234,294,354,353 チューブ
235 サンプルノズル洗浄槽
237,296,321a,341,342,343,344,345,347,348,349,350,351a,351b 管
240 制御部
241 分析部
244 記憶部
271 反応容器
291 試薬ノズル
311 試薬容器
321 洗浄水タンク
322 原液タンク
323,323c 洗剤タンク
331 撮像部
333 光源
342b,344b,345b ポンプ
346 接続管
Ls,Ls1 洗剤
Lw 洗浄水
Lo 原液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象である検体または分析処理に使用される液体と接触した部材を装置内で洗浄する洗浄機構を有する分析装置において、
洗剤を保持する洗剤タンクと、
洗浄水を保持する洗浄水タンクと、
前記洗剤タンクと前記洗浄水タンクとを接続する接続管と、
前記接続管に設けられ、前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出するポンプと、
前記接続管に設けられ、前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクへの前記洗剤の流入を調節する弁と、
前記洗浄水タンク内部と前記検体に対する分析処理が行なわれる場合に前記洗浄水タンクから前記洗浄水が流れる流路を形成する部材である洗浄水流路構成部材内部とを洗浄するときに、前記弁を開け、前記ポンプに対して前記接続管を介して前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記洗浄水タンク内部と前記洗浄水流路構成部材内部との洗浄を指示する指示情報を入力する入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記入力手段から前記指示情報が入力された場合に、前記弁を開け、前記ポンプに対して前記接続管を介して前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出させることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記洗浄水タンク内部と前記洗浄水流路構成部材内部とに対する前回洗浄時から所定期間経過した場合、当該分析装置における分析依頼数が所定数以下である場合、または、前記洗浄水タンク内部と前記洗浄水流路構成部材内部とに対する洗浄時間として予め設定された時間に到達した場合、前記弁を開け、前記ポンプに対して前記接続管を介して前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗剤タンクから前記洗浄水タンクに送出させることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate