説明

分析装置

【課題】試薬ブランク分析に費やす時間を増大させることなく、分析項目ごとに最適なブランク試料を用いた試薬ブランク分析を行うことができる分析装置を提供すること。
【解決手段】
分析項目と、試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類との対応情報を記憶するブランク試料情報記憶部35aと、保持位置情報記憶部35b内の情報および容器有無検出部20の検出結果から、試料保持部12に保持した第2試料容器12a内のブランク試料の種類を取得する取得部36と、取得した種類に適合する分析項目を抽出する抽出部37と、抽出した分析項目と入力部32が受け付けた分析項目とを照合する照合部38と、照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を同種類のブランク試料を使用する分析が連続するように決定する決定部39と、決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行う制御部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料と、試料の分析項目に応じた種類の試薬とを混合し、試料および試薬の混合液の吸光度を測定することによって試料の分析を行う分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、試料および試薬の混合液の吸光度を測定することによって試料の分析を行う分析装置では、所定の期間ごとに試薬ブランク分析を行って、ブランク試料(試料中の目的成分濃度が0の場合の試料)および試薬の混合液の測定波長における吸光度(試薬ブランク値)を求め、この試薬ブランク値を補正値として試料および試薬の混合液の吸光度の算出に用いる検量線を設定することで試料の分析における分析精度を維持している。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、任意に決めた時間に自動で試薬ブランク分析を行う分析装置が記載されている。この分析装置では、1種類のブランク試料を用いることによって試薬ブランク分析を行っている。
【0004】
【特許文献1】特開昭59−182347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、試薬ブランク分析は、ブランク試料の種類によって異なる検量線が作成される場合がある。このような場合、分析項目においては、どのようなブランク試料を用いて試薬ブランク分析を行うかが重要である。例えば、アルブミン(ALB)の分析では、試薬ブランク分析に用いるブランク試料としてイオン交換水を用いるよりも、生理食塩水を用いるのがより適している。
【0006】
しかしながら、分析項目ごとに最適な種類のブランク試料を用いて試薬ブランク分析を行うには、複数の種類のブランク試料を用意し、分析項目ごとにブランク試料を変えながら分析を行わなければならないため、試薬ブランク分析に費やす時間が増大してしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、試薬ブランク分析に費やす時間を増大させることなく、分析項目ごとに最適なブランク試料を用いた試薬ブランク分析を行うことができる分析装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、試料と、該試料の分析項目に応じた種類の試薬とを混合し、前記試料および前記試薬の混合液の吸光度を測定することによって前記試料の分析を行う分析装置において、前記分析項目と、該分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶するブランク試料情報記憶手段と、試薬ブランク分析の対象となる分析項目を受け付ける受付手段と、前記ブランク試料が収容される複数の試料容器を保持する保持手段と、前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得する取得手段と、前記取得手段が取得したブランク試料の種類に適合する分析項目を前記ブランク試料情報に基づいて抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した分析項目と前記受付手段が受け付けた分析項目とを照合する照合手段と、前記照合手段の照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する決定手段と、前記決定手段が決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、試料と、該試料の分析項目に応じた種類の試薬とを混合し、前記試料および前記試薬の混合液の吸光度を測定することによって前記試料の分析を行う分析装置において、前記分析項目と、該分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶するブランク試料情報記憶手段と、試薬ブランク分析の対象となる分析項目を受け付ける受付手段と、前記ブランク試料が収容される複数の試料容器を保持する保持手段と、前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得する取得手段と、前記受付手段が受け付けた分析項目に適合するブランク試料の種類を前記ブランク試料情報に基づいて抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出したブランク試料の種類と前記取得手段が取得したブランク試料の種類とを照合する照合手段と、前記照合手段の照合によって合致したブランク試料の種類に適合する分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランクの分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する決定手段と、前記決定手段が決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、上記の発明において、前記取得手段は、前記ブランク試料の種類と該ブランク試料の種類ごとに定められる前記試料容器の保持位置とを対応付ける保持位置情報を記憶した保持位置情報記憶手段と、前記保持位置における前記試料容器の有無を検出する検出手段と、を備え、前記保持位置情報記憶手段が記憶する前記保持位置情報および前記検出手段によって検出された結果を用いることにより、前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、上記の発明において、前記保持位置情報記憶手段が記憶する前記保持位置情報に基づいて、前記ブランク試料の種類と前記保持位置とを対応させた情報を出力する出力手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、上記の発明において、前記ブランク試料記憶手段は、前記ブランク試料情報として分析項目ごとのブランク試料の種類とともに該ブランク試料の使用量を記憶し、前記受付手段が受け付けた分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量を前記ブランク試料情報記憶手段が記憶する前記ブランク試料情報に基づいて算出する算出手段を備え、前記出力手段は、前記算出手段が算出した前記ブランク試料の種類ごとの使用量を出力することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、上記の発明において、前記取得手段は、前記試料容器に設けられ、該試料容器内の前記ブランク試料の種類を識別する識別情報を記録した記録手段から該識別情報を読み取ることによって前記ブランク試料の種類を取得することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、上記の発明において、前記ブランク試料記憶手段は、前記ブランク試料情報として分析項目ごとのブランク試料の種類とともに該ブランク試料の使用量を記憶し、前記受付手段が受け付けた分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量を前記ブランク試料情報記憶手段が記憶する前記ブランク試料情報に基づいて算出する算出手段と、前記算出手段が算出した前記ブランク試料の種類ごとの使用量を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、試料の分析項目と、該分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶するブランク試料情報記憶手段と、試薬ブランク分析の対象となる分析項目を受け付ける受付手段と、前記ブランク試料が収容される複数の試料容器を保持する保持手段とを備えた分析装置が、前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得し、取得したブランク試料の種類に適合する分析項目を前記ブランク試料情報に基づいて抽出し、抽出した分析項目と前記受付手段が受け付けた分析項目とを照合し、照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定し、決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行っているため、試薬ブランク分析に費やす時間を増大させることなく、分析項目ごとに最適なブランク試料を用いた試薬ブランク分析を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明にかかる分析装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。分析装置1は、図1に示すように、測定部10および制御装置30を有する。測定部10は、検体等の試料と試薬とを反応容器11c内にそれぞれ分注し、反応容器11cで生じる反応を光学的に測定する。制御装置30は、測定部10を含む分析装置1全体の制御を行うとともに測定部10における測定データの分析を行う。分析装置1は、これら各部が連携することによって複数の試料の生化学分析を順次自動的に行う。
【0018】
測定部10は、試料供給部11、試料保持部12、反応槽13、試薬庫14、試料分注機構15、試薬分注機構16、攪拌部17、測光部18、洗浄部19、および容器有無検出部20を有する。
【0019】
試料供給部11は、一般検体等の試料を収容した第1試料容器11aを保持したラック11bを搬送することによって、第1試料容器11aを試料吸引位置に搬送する。試料吸引位置に搬送された第1試料容器11a内の試料は、試料分注機構15によって、試料の分注位置に搬送された反応容器11c内に分注される。
【0020】
試料保持部12は、保持位置Pv(v=1,…,n,…,k)に一般検体以外の各種試料(ブランク試料、緊急検体等)を収容する第2試料容器12aを保持するための凹状の収容部を有する。試料保持部12は、制御装置30の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試料保持部12の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所定の第2試料容器12aを試料分注機構15による試料の吸引位置まで移送する。
【0021】
反応槽13は、図示しない保温部材と、ホイール13aとを有する。ホイール13aは、複数の反応容器11cを保持し、図示しない駆動機構によって回転して反応容器11cを周方向に移送する。反応槽13は、図示しない円盤状の蓋によって覆われており、ホイール13aの半径方向内側と外側とに配置される図示しない保温部材とともに、内部の温度を人間の体温程度に保温する保温槽を構成している。
【0022】
試薬庫14は、反応容器11c内に分注される試薬が収容された試薬容器14aを着脱自在に複数収納する。試薬庫14は、制御装置30の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試薬庫14の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所定の試薬容器14aを試薬分注機構16による試薬吸引位置まで移送する。
【0023】
試料分注機構15は、試料の吸引および吐出を行うノズル15aが先端部に取り付けられたアーム15bを有する。アーム15bは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。試料分注機構15は、吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を有する。試料分注機構15は、試料供給部11の試料吸引位置に移送された第1試料容器11a内からノズル15aによって試料を吸引し、アーム15bを図中反時計回りに旋回させ、反応槽13上の試料吐出位置に搬送された反応容器11cに、試料を吐出する。
【0024】
試薬分注機構16は、試薬の吸引および吐出を行うノズル16aが先端部に取り付けられたアーム16bを有する。アーム16bは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。試薬分注機構16は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を有する。試薬分注機構16は、試薬庫14上の所定位置に移送された試薬容器14a内の試薬をノズル16aによって吸引し、アーム16bを図中時計回りに旋回させ、反応槽13上の所定位置に搬送された反応容器11cに、試薬を吐出する。
【0025】
攪拌部17は、反応容器11cに分注された試薬と試料の混合液の攪拌を行い、試料と試薬の反応を促進させる。
【0026】
測光部18は、所定の測定位置に移送された反応容器11cに光源18aから測定光を照射し、反応容器11c内の試料と試薬との混合液を透過した光を分光し、受光素子18bによる各波長光の強度測定を行うことによって、分析対象である試料と試薬との混合液に特有の波長の吸光度を測定する。
【0027】
洗浄部19は、図示しないノズルによって、測光部18による測定が終了した反応容器11c内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行う。
【0028】
容器有無検出部20は、試料保持部12の近傍に配置される。容器有無検出部20は、検出手段として、保持位置P1〜Pnにおける第2試料容器12aの有無を検出する。容器有無検出部20は、例えば、光学的に第2試料容器12aの有無を検出する光センサによって実現される。容器有無検出部20は、第2試料容器12aを検出すると、検出信号を制御装置30に出力する。
【0029】
制御装置30は、制御部31、入力部32、分析部33、出力部34、記憶部35、取得部36、抽出部37、照合部38、および決定部39を有する。制御部31は、CPU等によって実現され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0030】
入力部32は、キーボードやマウス等によって実現され、試料数あるいは分析項目等の各種情報の入力が可能である。また、入力部32は、受付手段として、試薬ブランク分析に対応する分析項目の入力を受け付ける。分析部33は、測光部18によって測定された測定結果をもとに、試料内における検出対象物の濃度を求め、試料の成分分析等を行う。出力部34は、ディスプレイパネルやプリンタ等によって実現され、出力手段として、試料の分析データや警報等の各種情報を出力する。また、出力部34は、入力部32による試薬ブランク分析に対応する分析項目の入力を補助する情報の出力が可能である。
【0031】
記憶部35は、ブランク試料情報記憶部35aおよび保持位置情報記憶部35bを有する。ブランク試料情報記憶部35aは、ブランク試料情報記憶手段として、試料の分析項目と、この分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶する。図2は、各分析項目Ai(i=1,…,m)に、分析項目Aiの試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類Bj(j=1,…,n)を対応させたブランク試料情報テーブル35a−1を示す図である。ブランク試料情報テーブル35a−1では、例えば、種類B1のブランク試料が、分析項目A1の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料として対応付けられていることを示す。
【0032】
保持位置情報記憶部35bは、保持位置情報記憶手段として、ブランク試料の種類と種類ごとに定められる第2試料容器12aの保持位置とを対応付ける保持位置情報を記憶する。図3は、保持位置P1〜Pnと、保持位置P1〜Pnに保持すべきブランク試料の種類B1〜Bnとを対応させた保持位置情報テーブル35b−1を示す図である。保持位置情報テーブル35b−1は、例えば、保持位置P1に種類B1のブランク試料を保持すべきことを示す。
【0033】
記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にこの処理にかかわる各種プログラムをハードディスクから読み出して電気的に記憶するメモリとを有する。記憶部35は、演算処理された吸光度等を含む試料の分析データを記憶する。
【0034】
取得部36は、取得手段として、試料保持部12によって保持された複数の第2試料容器12aの各々が収容するブランク試料の種類を取得する。取得部36は、保持位置情報記憶部35bが記憶する保持位置情報および容器有無検出部20によって検出された結果を用いることにより、試料保持部12によって保持された複数の第2試料容器12aの各々が収容するブランク試料の種類を取得する。
【0035】
抽出部37は、取得部36が取得したブランク試料の種類に適合する分析項目をブランク試料情報記憶部35aに記憶されたブランク試料情報に基づいて抽出する。
【0036】
照合部38は、抽出部37が抽出した分析項目と入力部32が受け付けた分析項目とを照合する。
【0037】
決定部39は、照合部38の照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する。
【0038】
以上のように構成された分析装置1では、順次搬送される複数の反応容器11cに対して、試薬分注機構16が、試薬容器14aから反応容器11cに試薬を分注し、試料分注機構15が、第1試料容器11aから反応容器11cに所定量の試料を分注する。続いて、攪拌部17が、反応容器11c内の試薬と試料とを攪拌して反応させた後、測光部18が、試薬と試料との混合液の吸光度測定を行う。その後、分析部33は、測光部18の測定結果を分析する演算を行い、試料の成分分析等を自動的に行う。また、洗浄部19が、測光部18による測定が終了した反応容器11cの洗浄・乾燥を行う。
【0039】
次に、図4に示したフローチャートを参照して、分析装置1が行う試薬ブランク分析処理について説明する。まず、分析装置1は、試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがあるか否かを判断する(ステップS101)。試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けは、例えば、出力部34が出力する受付メニュー画面を用いて入力部32を介して行われる。
【0040】
図5は、出力部34が出力する試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けを行うための受付メニュー画面の表示例である。操作者が、入力部32を介して受付メニュー画面34a上の分析項目A1〜Amから所定の分析項目を選択し、登録することによって、試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けが行われる。例えば、分析項目A1,A3,およびA4を登録する場合、操作者が、マウス等を介して受付メニュー画面34a上の各分析項目ボタン34a−3,34a−4,34a−5を選択した後、登録ボタン34a−1を選択することによって分析項目A1,A3,A4が受け付けられる。なお、ここでは、出力部34が出力する受付メニュー画面34aを用いて分析項目の受け付けを行う場合を例示したが、キーボードを介して、分析項目ごとに割り当てられたコードを入力するようにしてもよい。
【0041】
ステップS101で試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがある場合(ステップS101:Yes)、出力部34は、保持位置情報画面を出力する(ステップS102)。図6は、保持位置情報記憶部35bが記憶する保持位置情報に基づいて、出力部34がディスプレイパネルに出力する保持位置情報画面の表示例である。同図に示す保持位置情報画面34bは、例えば、受付メニュー画面34a上の保持位置ボタン34a−2を選択することにより出力される。保持位置情報画面34bは、保持位置P1に、種類B1のブランク試料を保持すべきことを示す。なお、保持位置ごとに保持すべきブランク試料の種類は予め定められているため、保持位置情報画面34bを出力しなくてもよい。一方、ステップS101で試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けが行われなかった場合(ステップS101:No)、制御部31はこの判断処理を繰り返す。
【0042】
ステップS102で出力部34が保持位置情報画面を出力した後、制御部31は、所定時間内に試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了したか否かを判断する(ステップS103)。このステップS103における判断は、例えば、セット完了を示す信号が入力部32から制御装置30に出力されたか否かによって行われる。
【0043】
ステップS103で所定時間内に試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了した場合(ステップS103:Yes)、容器有無検出部20は、保持位置P1〜Pnにおける第2試料容器12aの有無を検出する(ステップS104)。この検出は、試料保持部12が試料保持部12の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに一周する間に行われる。一方、所定時間内に試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了していない場合(ステップS103:No)、出力部34は、試薬ブランク分析処理に異常があることを示す異常情報を出力する(ステップS105)。その後、分析装置1は、本処理を終了する。
【0044】
ステップS104で保持位置P1〜Pnにおける第2試料容器12aの有無を検出した後、取得部36は、試料保持部12に保持された第2試料容器12a内のブランク試料の種類を取得する(ステップS106)。具体的には、取得部36は、保持位置情報記憶部35bに記憶されたブランク試料の種類ごとに定められる第2試料容器12aの保持位置情報と、容器有無検出部20によって検出された結果を用いることにより、ブランク試料の種類を取得する。例えば、容器有無検出部20が保持位置P1に第2試料容器12aが有ることを検出した場合、保持位置P1に対応するブランク試料B1が第2試料容器12aに収容されているものとする。
【0045】
その後、抽出部37が、取得部36が取得したブランク試料の種類に適合する分析項目を抽出する(ステップS107)。この分析項目の抽出は、ブランク試料情報記憶部35aに記憶されたブランク試料情報に基づいて行う。図7は、抽出部37が抽出した分析項目の例を示す図である。図7は、取得部36がブランク試料の種類B1およびB2を取得した場合を示すものである。抽出部37は、種類B1のブランク試料に適合する分析項目として分析項目A1を抽出し、種類B2のブランク試料に適合する分析項目として分析項目A2〜A5を抽出する。
【0046】
その後、照合部38が、抽出部37が抽出した分析項目と入力部32が受け付けた分析項目(以下、受付分析項目と書く)とを照合する(ステップS108)。図8は、図7に示す抽出部37が抽出した分析項目A1〜A5の中で照合部38の照合によって合致した分析項目を示す図である。図8は、ステップS101で受付分析項目がA1,A3およびA4の場合を示しており、図7に示す分析項目A1〜A5の中で合致した分析項目A1,A3およびA4と、取得したブランク試料の種類との対応関係を示す。
【0047】
その後、制御部31は、受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能であるか否かを判断する(ステップS109)。この判断は、照合部38の照合によって合致した分析項目の試薬ブランク分析を行った場合に、受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能であるか否かによって判断される。
【0048】
受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能である場合(ステップS109:Yes)、決定部39は、照合部38の照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を決定する(ステップS110)。この分析順は、同一種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する。図8に示すように、種類B2のブランク試料を使用する分析項目がA3およびA4である場合、分析項目A3およびA4の試薬ブランク分析が連続するように分析順を決定する。一方、受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能でない場合(ステップS109:No)、出力部34は、試薬ブランク分析処理に異常があることを示す異常情報を出力する(ステップS105)。その後、分析装置1は、本処理を終了する。
【0049】
ステップS110で受付分析項目の試薬ブランク分析の分析順を決定した後、制御部31は、決定部39が決定した分析順に従って受付分析項目の試薬ブランク分析を分析装置1に実行させる(ステップS111)。その後、分析装置1は、本処理を終了する。
【0050】
この発明の実施の形態1では、試料の分析項目と、分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶するブランク試料情報記憶部35aと、試薬ブランク分析の対象となる分析項目を受け付ける入力部32と、ブランク試料が収容される複数の第2試料容器12aを保持する試料保持部12とを備えた分析装置1が、試料保持部12によって保持された複数の第2試料容器12aの各々が収容するブランク試料の種類を取得し、取得したブランク試料の種類に適合する分析項目をブランク試料情報に基づいて抽出し、抽出した分析項目と入力部32が受け付けた分析項目とを照合し、照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定し、決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行っているため試薬ブランク分析に費やす時間を増大させることなく、分析項目ごとに最適なブランク試料を用いた試薬ブランク分析を行うことができる。
【0051】
また、実施の形態1では、出力部34が保持位置情報記憶部35bが記憶する保持位置情報に基づいて、ブランク試料の種類と保持位置とを対応させた情報を出力するようにしているため、操作者は、試料保持部12への種類ごとのブランク試料のセットを確実に行うことができる。
【0052】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2について説明する。図9は、この発明の実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図9に示す分析装置2は、測定部10および制御装置50を有する。なお、実施の形態1と同一構成部分には同一符号を付している。制御装置50は、抽出部53、照合部54、決定部55、算出部56およびブランク試料情報記憶部52aを有する。
【0053】
抽出部53は、入力部32が受け付けた分析項目(以下、受付分析項目と書く)に適合するブランク試料の種類を上述したブランク試料情報に基づいて抽出する。照合部54は、抽出部53が抽出したブランク試料の種類と取得部36が取得したブランク試料の種類とを照合する。決定部55は、照合部54の照合によって合致したブランク試料の種類に適合する分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランクの分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する。算出部56は、受付分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量をブランク試料情報記憶部52aが記憶するブランク試料情報に基づいて算出する。ブランク試料情報記憶部52aは、ブランク試料情報として分析項目ごとのブランク試料の種類とともにブランク試料の使用量を記憶する。
【0054】
次に、図10に示したフローチャートを参照して、分析装置2が行う試薬ブランク分析処理について説明する。まず、分析装置2は、試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがあるか否かを判断する(ステップS201)。試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けは、実施の形態1と同様に、例えば、出力部34がディスプレイパネルに出力する受付メニュー画面34aを用いて入力部32を介して行う。
【0055】
ステップS201で試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがある場合(ステップS201:Yes)、抽出部53が、入力部32が受け付けた分析項目(以下、受付分析項目と書く)に適合するブランク試料の種類をブランク試料情報記憶部52aに記憶されたブランク試料情報に基づいて抽出する(ステップS202)。図11は、抽出部53が抽出したブランク試料の種類を示す図である。図11に示す場合、抽出部53は、受付分析項目A1に適合するブランク試料の種類として種類B1を抽出し、受付分析項目A3およびA4に適合するブランク試料の種類として種類B2を抽出する。一方、ステップS201で試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがない場合(ステップS201:No)、制御部51はこの判断処理を繰り返す。
【0056】
ステップS202でブランク試料の種類が抽出された後、算出部56は、受付分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量を算出する(ステップS203)。この使用量の算出は、ブランク試料情報記憶部52aがブランク試料の種類とともに記憶するブランク試料の使用量に基づいて行う。その後、出力部34は、算出部56が算出したブランク試料の使用量を出力する(ステップS204)。図12は、ブランク試料の種類と保持位置P1〜Pnとを対応させた情報に、さらに算出部56が算出した使用量をブランク試料の種類に対応させた使用量表示画面54aである。使用量表示画面54aは、種類B1のブランク試料10μLを保持位置P1に保持すべきことを示し、種類B2のブランク試料20μLを保持位置P2に保持すべきことを示す。なお、保持位置ごとのブランク試料の種類は予め定められているため、出力部34は、使用量をブランク試料の種類に対応させた情報のみ出力してもよい。
【0057】
ステップS204で出力部34がブランク試料の使用量を出力した後、制御部51は、所定時間内に試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了したか否かを判断する(ステップS205)。この試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了したか否かの判断は、実施の形態1と同様に、例えば、セット完了を示す信号が入力部32から制御装置50に出力されたか否かによって行われる。
【0058】
ステップS205において所定時間内に試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了した場合(ステップS205:Yes)、容器有無検出部20は、保持位置P1〜Pnにおける第2試料容器12aの有無を検出する(ステップS206)。この検出は、試料保持部12が試料保持部12の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに一周する間に行われる。一方、所定時間内に試料保持部12への第2試料容器12aのセットが完了していない場合(ステップS205:No)、出力部34は、試薬ブランク分析処理に異常があることを示す異常情報を出力する(ステップS207)。その後、分析装置2は、本処理を終了する。
【0059】
ステップS206で保持位置P1〜Pnにおける第2試料容器12aの有無を検出した後、取得部36は、試料保持部12に保持された第2試料容器12a内のブランク試料の種類を取得する(ステップS208)。取得部36は、保持位置情報記憶部35bに記憶されたブランク試料の種類ごとに定められる第2試料容器12aの保持位置情報と、容器有無検出部20によって検出された結果とを用いて第2試料容器12a内のブランク試料の種類を取得する。
【0060】
その後、照合部54が、抽出部53が抽出したブランク試料の種類と取得部36が取得したブランク試料の種類とを照合する(ステップS209)。図13は、照合部54の照合によって合致したブランク試料の種類を示す図である。図13は、ステップS208で取得部36が種類B1のブランク試料のみ取得した場合を示すものであり、抽出部53が抽出した図11に示すブランク試料の種類B1,B2の中で合致したブランク試料の種類B1と、受付分析項目との対応関係を示す。
【0061】
その後、制御部51は、受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能であるか否かを判断する(ステップS210)。この判断は、照合部54の照合によって合致したブランク試料の種類に適合する分析項目の試薬ブランク分析を行った場合に、受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能であるか否かによって判断される。受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能である場合(ステップS210:Yes)、決定部55は、照合部54の照合によって合致したブランク試料の種類に適合する分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を決定する(ステップS211)。この分析順は、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する。一方、受付分析項目の試薬ブランク分析を全て行うことが可能でない場合(ステップS210:No)、出力部34は、試薬ブランク分析処理に異常があることを示す異常情報を出力する(ステップS207)。その後、分析装置2は、本処理を終了する。
【0062】
ステップS211で、受付分析項目の試薬ブランク分析の分析順を決定した後、制御部51は、決定部55が決定した分析順に従って受付分析項目の試薬ブランク分析を分析装置2に実行させる(ステップS212)。その後、分析装置2は、本処理を終了する。
【0063】
この発明の実施の形態2では、分析装置2が、試料保持部12によって保持された複数の第2試料容器12aの各々が収容するブランク試料の種類を取得し、入力部32が受け付けた分析項目に適合するブランク試料の種類をブランク試料情報に基づいて抽出し、抽出したブランク試料の種類と取得したブランク試料の種類とを照合し、照合によって合致したブランク試料の種類に適合する分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定し、決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行っているため、実施の形態1と同様に、試薬ブランク分析に費やす時間を増大させることなく、分析項目ごとに最適なブランク試料を用いた試薬ブランク分析を行うことができる。
【0064】
また、実施の形態2では、算出部56が、受付分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量をブランク試料情報記憶部52aが記憶するブランク試料情報に基づいて算出し、出力部34が、ブランク試料の種類と保持位置P1〜Pnとを対応させた情報に、さらに算出部56が算出した使用量をブランク試料の種類に対応させた情報を出力しているので、操作者は、試料保持部12への種類ごとのブランク試料のセットを確実に行うことができるとともに、使用量分だけのブランク試料をセットすることができる。
【0065】
なお、実施の形態1の分析装置1が算出部56を有し、照合部38が、抽出部37が抽出した分析項目と受付分析項目とを照合した後に、算出部56がブランク試料の試薬ブランク分析での使用量を算出し、出力部34が、算出部56が算出した使用量をブランク試料の種類に対応させて出力するようにしてもよい。
【0066】
(実施の形態3)
次に、この発明の実施の形態3について説明する。図14は、この発明の実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図14に示す分析装置3は、測定部60および制御装置70を有する。なお、実施の形態1と同一構成部分には同一符号を付している。測定部60は、試料容器識別ラベル読取部61を有し、制御装置70は、保持位置情報記憶部35bを有さない記憶部72および取得部73を有する。また、ブランク試料は、第2試料容器12aでなく、例えば、5つの保持位置p1〜p5を有するラック11bに保持した第1試料容器11aに収容される。
【0067】
試料容器識別ラベル読取部61は、試料供給部11の近傍に配置される。試料容器識別ラベル読取部61は、第1試料容器11aに設けられ、第1試料容器11a内のブランク試料の種類を識別する識別情報を記録した試料容器識別ラベル11fの識別情報を読み取り、読み取った識別情報を制御装置70に出力する。試料容器識別ラベル11fは、例えば、バーコード等によって実現される。試料容器識別ラベル読取部61は、例えば、第1試料容器11a内の検体の種類を識別するための情報が記録された情報記録媒体を読み取る装置を利用するとよい。
【0068】
取得部73は、試料容器識別ラベル読取部61によって制御装置70に出力された試料容器識別ラベル11fに記録された識別情報により、ラック11bによって保持された複数の第1試料容器11aの各々が収容するブランク試料の種類を取得する。
【0069】
次に、図15に示したフローチャートを参照して、分析装置3が行う試薬ブランク分析処理について説明する。まず、分析装置3は、試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがあるか否かを判断する(ステップS301)。試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けは、実施の形態1および2と同様に、例えば、出力部34がディスプレイパネルに出力する受付メニュー画面34aを用いて入力部32を介して行われる。
【0070】
ステップS301で試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けがある場合(ステップS301:Yes)、制御部71は、所定時間内に試料供給部11へのラック11bのセットが完了したか否かを判断する(ステップS302)。このステップS302における判断は、例えば、セット完了を示す信号が入力部32から制御装置70に出力されたか否かによって行われる。一方、ステップS301で試薬ブランク分析に対応する分析項目の受け付けが行なわれなかった場合(ステップS301:No)、制御部71はこの判断処理を繰り返す。
【0071】
ステップS302で所定時間内に試料供給部11へのラック11bのセットが完了した場合(ステップS302:Yes)、試料容器識別ラベル読取部61は、ラック11bの保持位置p1〜p5における第1試料容器11aに設けられた試料容器識別ラベル11fの識別情報を読み取る(ステップS303)。この読取は、試料供給部11によってラック11bが試料容器識別ラベル読取部61の近傍を搬送される間に行われる。一方、所定時間内に試料供給部11へのラック11bのセットが完了していない場合(ステップS302:No)、出力部34は、試薬ブランク分析処理に異常があることを示す異常情報を出力する(ステップS304)。その後、分析装置3は、本処理を終了する。
【0072】
ステップS303で保持位置p1〜p5における第1試料容器11aに設けられた試料容器識別ラベル11fの識別情報を読み取った後、取得部73は、ラック11bに保持された第1試料容器11a内のブランク試料の種類を取得する(ステップS305)。図16は、試料容器識別ラベル11fに記録される識別情報としてのコード番号とブランク試料の種類とを対応させた情報テーブル72−1を示す。取得部73は、記憶部72に記憶された情報テーブル72−1を用いて、試料容器識別ラベル読取部61が読み取ったコード番号から第1試料容器11a内のブランク試料の種類を取得する。
【0073】
その後、分析装置3は、分析装置1が行ったステップS107〜S111の処理と同様の処理を行う(ステップS306〜S310)。
【0074】
この発明の実施の形態3では、分析装置3が、ラック11bによって保持された複数の第1試料容器11aの各々が収容するブランク試料の種類を取得し、取得したブランク試料の種類に適合する分析項目をブランク試料情報に基づいて抽出し、抽出した分析項目と入力部32が受け付けた分析項目とを照合し、照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定し、決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行っているため、実施の形態1および2と同様に、試薬ブランク分析に費やす時間を増大させることなく、分析項目ごとに最適なブランク試料を用いた試薬ブランク分析を行うことができる効果を奏するとともに、試料容器識別ラベル読取部61が、第1試料容器11a内のブランク試料の種類を識別するコード番号を記録した試料容器識別ラベル11fを保持位置p1〜p5ごとに読み取るようにしているので、ラック11b内の任意の保持位置に第1試料容器11aを保持させたとしても、第1試料容器11a内のブランク試料の種類を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示したブランク試料情報記憶部に記憶されたブランク試料情報を示す図である。
【図3】図1に示した保持位置情報記憶部に記憶された保持位置情報を示す図である。
【図4】図1に示した分析装置による試薬ブランク分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した出力部が出力する受付メニュー画面を示す図である。
【図6】図1に示した出力部が出力する保持位置情報画面を示す図である。
【図7】図1に示した抽出部が抽出した分析項目を示す図である。
【図8】図1に示した照合部の照合によって合致した分析項目を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図10】図9に示した分析装置による試薬ブランク分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図9に示した抽出部が抽出したブランク試料の種類を示す図である。
【図12】図9に示した出力部が出力する使用量表示画面を示す図である。
【図13】図9に示した照合部の照合によって合致したブランク試料の種類を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図15】図14に示した分析装置による試薬ブランク分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図14に示した試料容器識別ラベルに記録されるコード番号とブランク試料の種類とを対応させた情報を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1,2,3 分析装置
10,60 測定部
11 試料供給部
11a 第1試料容器
11b ラック
11c 反応容器
11f ラベル
12 試料保持部
12a 第2試料容器
13 反応槽
13a ホイール
14 試薬庫
14a 試薬容器
15 試料分注機構
15a,16a ノズル
15b,16b アーム
16 試薬分注機構
17 攪拌部
18 測光部
19 洗浄部
20 容器有無検出部
30,50,70 制御装置
31,51,71 制御部
32 入力部
33 分析部
34 出力部
35,52,72 記憶部
35a,52a ブランク試料情報記憶部
35b 保持位置情報記憶部
36,73 取得部
37,53 抽出部
38,54 照合部
39,55 決定部
56 算出部
1〜Pn,p1〜p5 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料と、該試料の分析項目に応じた種類の試薬とを混合し、前記試料および前記試薬の混合液の吸光度を測定することによって前記試料の分析を行う分析装置において、
前記分析項目と、該分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶するブランク試料情報記憶手段と、
試薬ブランク分析の対象となる分析項目を受け付ける受付手段と、
前記ブランク試料が収容される複数の試料容器を保持する保持手段と、
前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したブランク試料の種類に適合する分析項目を前記ブランク試料情報に基づいて抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した分析項目と前記受付手段が受け付けた分析項目とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合によって合致した分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランク分析の分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
試料と、該試料の分析項目に応じた種類の試薬とを混合し、前記試料および前記試薬の混合液の吸光度を測定することによって前記試料の分析を行う分析装置において、
前記分析項目と、該分析項目の試薬ブランク分析に用いるべきブランク試料の種類とを対応付けたブランク試料情報を記憶するブランク試料情報記憶手段と、
試薬ブランク分析の対象となる分析項目を受け付ける受付手段と、
前記ブランク試料が収容される複数の試料容器を保持する保持手段と、
前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得する取得手段と、
前記受付手段が受け付けた分析項目に適合するブランク試料の種類を前記ブランク試料情報に基づいて抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出したブランク試料の種類と前記取得手段が取得したブランク試料の種類とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合によって合致したブランク試料の種類に適合する分析項目に対し、各分析項目に応じた試薬ブランクの分析順を、少なくとも同種類のブランク試料を使用する分析項目が連続するように決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した分析順に従って試薬ブランク分析を実行する制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
前記ブランク試料の種類と該ブランク試料の種類ごとに定められる前記試料容器の保持位置とを対応付ける保持位置情報を記憶した保持位置情報記憶手段と、
前記保持位置における前記試料容器の有無を検出する検出手段と、
を備え、
前記保持位置情報記憶手段が記憶する前記保持位置情報および前記検出手段によって検出された結果を用いることにより、前記保持手段によって保持された前記複数の試料容器の各々が収容する前記ブランク試料の種類を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記保持位置情報記憶手段が記憶する前記保持位置情報に基づいて、前記ブランク試料の種類と前記保持位置とを対応させた情報を出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記ブランク試料記憶手段は、前記ブランク試料情報として分析項目ごとのブランク試料の種類とともに該ブランク試料の使用量を記憶し、
前記受付手段が受け付けた分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量を前記ブランク試料情報記憶手段が記憶する前記ブランク試料情報に基づいて算出する算出手段を備え、
前記出力手段は、前記算出手段が算出した前記ブランク試料の種類ごとの使用量を出力することを特徴とする請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
前記取得手段は、
前記試料容器に設けられ、該試料容器内の前記ブランク試料の種類を識別する識別情報を記録した記録手段から該識別情報を読み取ることによって前記ブランク試料の種類を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項7】
前記ブランク試料記憶手段は、前記ブランク試料情報として分析項目ごとのブランク試料の種類とともに該ブランク試料の使用量を記憶し、
前記受付手段が受け付けた分析項目に応じた試薬ブランク分析に必要なブランク試料の種類ごとの使用量を前記ブランク試料情報記憶手段が記憶する前記ブランク試料情報に基づいて算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記ブランク試料の種類ごとの使用量を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、または6のいずれか一つに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−160103(P2010−160103A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3641(P2009−3641)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(510005889)ベックマン・コールター・インコーポレーテッド (174)
【Fターム(参考)】