説明

分析装置

【課題】単位時間あたりの検体処理数を高めることができる分析装置を提供すること。
【解決手段】検体内の測定対象物と磁性粒子と標識粒子との複合体を集磁処理によって反応容器内で凝集させた状態で該凝集体の光学的特性を測定し、該測定結果をもとに検体を分析する分析装置であって、少なくとも二以上の反応容器20に集磁処理を行なって、各反応容器の検体内に凝集体を生成する集磁テーブル30と、集磁テーブル30によって集磁処理が行なわれた反応容器20内の凝集体の光学的特性を測定する測光部33と、集磁テーブル30によって集磁処理が行なわれた反応容器20を、集磁テーブルによる集磁位置から測光部33による測光位置に移送する第2容器移送部32と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応容器に収容された検体内に磁性物質と標識物質とを注入し、検体内の測定対象物と磁性物質と標識物質との複合体を集磁処理によって検体内で凝集させた状態で該凝集体の光学的特性を測定し、該測定結果をもとに検体を分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラマン分光分析は、検体にレーザ光を照射することにより発生するラマン散乱光を検出する分析法であり、検出対象物の分子構造に関する情報を得ることができるため、ウィルス、蛋白質等の生化学物質や環境化学物質の検出、バイオセンサ等に有効な分析方法として知られている。しかしながら、このラマン分光分析は、ラマン散乱光が極めて微弱であることから、微量分析には適さないという問題があった。
【0003】
ところで、原子レベルの粗さを持つ金、銀などの金属表面における吸着種のラマン散乱強度は、非吸着種に比較して10−10倍増強される場合があることが知られており、この現象は表面増強ラマン散乱(SERS)と呼ばれている。さらに、金属ナノ粒子を凝集させることによって、非吸着種と比較してラマン散乱強度を1014倍程度まで増強させることができることが発見された。そこで、近年、原子レベルの粗さを持つ金・銀などの金属ナノ粒子を標識物質として用い、さらに、この標識物質と検出対象物との複合体を凝集させてラマン散乱強度を増強させることによって、検出対象物を分析する分析方法が注目されている。
【0004】
具体的には、標識物質である金属ナノ粒子を含む試薬に加えて、検体内の検出対象物と反応する磁性粒子を含んだ試薬をさらに検体内に注入する分析装置が提案されている(特許文献1参照)。このような分析装置では、磁性粒子と、検出対象物と、標識物質との複合体を、磁力を与えることによって凝集させ、生成した凝集体にレーザ光を照射し、表面増強されたラマン散乱光を測定することによって検体内の検出対象物を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/116093号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、複合体を測光可能な程度に凝集させるには、測光処理時間と比べて格段に長い時間、集磁処理を行なう必要がある。しかしながら、従来の分析装置は、集磁機構と測光機構とをそれぞれ1組のみ有する構成であったため、集磁処理を終了しないと測光処理を行なうことができない上に、集磁機構は1組しかないことから、前の検体の集磁処理が終了しないと次の検体に対して集磁処理を行なうことができなかった。
【0007】
このため、従来の分析装置においては、単位時間あたりの検体処理数が、処理時間の長い集磁処理に依存してしまうため、単位時間あたりの検体処理数を高めることに限界があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、処理時間の長い集磁処理を行なう場合であっても、単位時間あたりの検体処理数を高めることができる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる分析装置は、反応容器に検体と磁性粒子と標識粒子とを注入し、前記検体内の測定対象物と前記磁性粒子と前記標識粒子との複合体を集磁処理によって反応容器内で凝集させた状態で該凝集体の光学的特性を測定し、該測定結果をもとに前記検体を分析する分析装置において、少なくとも二以上の前記反応容器に集磁処理を行なって、各反応容器の検体内に前記凝集体を生成する集磁手段と、前記集磁手段によって集磁処理が行なわれた反応容器における前記凝集体の光学的特性を測定する測光手段と、前記集磁手段によって集磁処理が行なわれた前記反応容器を、前記集磁手段による集磁位置から前記測光手段による測光位置に移送する移送手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記移送手段に対して、前記集磁手段が集磁処理を行なう前記二以上の反応容器のうち集磁処理が終了した反応容器を、前記集磁位置から前記測光位置に順次移送させる制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記測光手段は、表面増強されたラマン散乱光を測定することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記集磁手段は、前記反応容器の底面に磁極を近接または接触させて、前記反応容器の底面に前記凝集体を生成することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記移送手段は、前記反応容器を把持する把持機構と、前記把持機構を所定方向へ移動自在に支持する上下動自在な昇降機構と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、前記移送手段は、複数の前記反応容器を周方向に沿って収納するとともに、回転することによって該反応容器を周方向に沿って移送する回転機構を備え、前記集磁手段は、前記回転機構による各反応容器の移送位置のうち、少なくとも二以上の前記反応容器の移送位置に応じて設けられ、前記測光手段は、前記回転機構による各反応容器の移送位置のうち、少なくとも一の前記反応容器の移送位置に応じて設けられ、前記回転機構は、回転することによって、各反応容器を前記集磁手段に対応する位置に順次移送するとともに、前記集磁手段によって集磁処理が行なわれた前記反応容器を前記測光手段に対応する位置に移送することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析装置は、前記標識粒子は、金または銀を含む粒子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる分析装置は、少なくとも二以上の反応容器に集磁処理を行なって、各反応容器の検体内に凝集体を生成する集磁手段と、集磁手段によって集磁処理が行なわれた反応容器内の凝集体の光学的特性を測定する測光手段と、集磁手段によって集磁処理が行なわれた反応容器を、集磁手段による集磁位置から測光手段による測光位置に移送する移送手段とを備えることから、処理時間の長い集磁処理を複数の反応容器に並行して行なうことができるため、単位時間あたりの検体処理数を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す集磁テーブル、第1容器移送部および第2容器移送部の概略図である。
【図3】図3は、検体内の測定対象物と、試薬中に含まれる磁性粒子および標識粒子との反応を説明する図である。
【図4】図4は、図1に示す集磁機構の構成を示す図である。
【図5】図5は、図1に示す測光部の構成を示す図である。
【図6】図6は、図1に示す分析装置が実施する各分析処理のタイミングチャートである。
【図7】図7は、従来技術にかかる分析装置が実施する各分析処理のタイミングチャートである。
【図8】図8は、実施の形態1にかかる分析装置の他の構成を示す模式図である。
【図9】図9は、実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図10】図10は、実施の形態2にかかる分析装置の他の構成を示す模式図である。
【図11】図11は、図1に示す測光部の他の構成を示す図である。
【図12】図12は、図4に示す反応容器の他の例を示す断面図である。
【図13】図13は、図4に示す反応容器の他の例を示す断面図である。
【図14】図14は、図4に示す反応容器の他の例を示す断面図である。
【図15】図15は、図4に示す反応容器の他の例を示す断面図である。
【図16】図16は、図4に示す反応容器の他の例を示す断面図である。
【図17】図17は、図4に示す集磁機構の他の例を示す断面図である。
【図18】図18は、図4に示す集磁機構の他の例を示す断面図である。
【図19】図19は、図4に示す集磁機構の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明にかかる実施の形態である分析装置について、血液、尿または唾液などの体液検体に対してSERS分光分析法を用いて分析を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0019】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、検体と標識物質との複合体の凝集体に対してレーザ光を発し、凝集体からの表面増強されたラマン散乱光を測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構4とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体に対する分析を自動的に行なう。
【0020】
測定機構2について説明する。測定機構2は、大別して、検体移送レーン21、検体分注部22、反応容器移送レーン23、第1試薬庫24、第1試薬分注部25、第2試薬庫26、第2試薬分注部27、第1容器移送部28、集磁テーブル30、第2容器移送部32および測光部33を備える。
【0021】
検体移送レーン21は、検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック21bを備える。検体容器21aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液、尿および唾液などの体液である。
【0022】
検体分注部22は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを備える。このアームの先端部には、検体の吸引および吐出を行う検体ノズルが取り付けられている。検体分注部22は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注部22は、上述した検体移送レーン21上の所定位置に移送された検体容器21aの中から検体ノズルによって検体を吸引し、アームを図中時計回りに旋回させ、反応容器移送レーン23上の反応容器20内に検体を吐出する。
【0023】
反応容器移送レーン23は、複数の反応容器20を保持し、各反応容器20を、図中の矢印方向に沿って、検体分注位置、第1試薬分注位置、第2試薬分注位置に順次移送する。
【0024】
第1試薬庫24は、第1試薬が収容された第1試薬容器24aを複数収納できる。第2試薬庫26は、第2試薬が収容された第2試薬容器26aを複数収納できる。この第1試薬容器24a内の第1試薬、および、第2試薬容器26a内の第2試薬は、反応容器移送レーン23が保持する反応容器20内にそれぞれ分注される。第1試薬庫24および第2試薬庫26は、図示しない駆動機構が駆動することによって、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器を第1試薬分注部25または第2試薬分注部27による試薬吸引位置まで移送する。ここで、検体内の測定対象物は、たとえば、抗体、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、細菌、DNA、RNA、細胞、ウィルスに加え、任意の抗原物質、ハプテン、抗体およびこれらの組み合わせなどがある。第1試薬は、分析対象である検体内の測定対象物と結合する反応物質、もしくは、分析対象である検体内の測定対象物またはそのアナログを固相した磁性粒子を含む試薬である。第2試薬は、検体内の測定対象物と結合する標識物質、もしくは、分析対象である検体内の測定対象物またはそのアナログを結合させた標識物質を含む試薬である。標識物質は、原子レベルの表面粗さを持つ金または銀を含む粒子であり、この金または銀を含む粒子の表面には、測定対象物と結合可能である反応物質、もしくは、分析対象である検体内の測定対象物またはそのアナログがコーティングされている。なお、第1試薬と第2試薬とは逆の試薬であってもよい。すなわち、第1試薬が検体内の測定対象物と結合する標識物質を含む試薬であって、第2試薬が分析対象である検体内の測定対象物と結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む試薬であってもよい。
【0025】
第1試薬分注部25は、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。第1試薬分注部25は、第1試薬庫24によって所定位置に移動された第1試薬容器24a内の試薬を、プローブによって吸引し、アームを旋回させ、反応容器移送レーン23によって第1試薬吐出位置に搬送された反応容器20に分注する。
【0026】
第2試薬分注部27は、第1試薬分注部25と同様の構成を有し、第2試薬庫26によって所定位置に移動された第2試薬容器26a内の試薬を、プローブによって吸引し、アームを旋回させ、反応容器移送レーン23によって第2試薬吐出位置に搬送された反応容器20に分注する。
【0027】
第1容器移送部28は、検体、第1試薬および第2試薬が分注された反応容器20を、所定タイミングで、反応容器移送レーン23から集磁テーブル30の所定位置(たとえば図2に示す位置P1)に移送する。第1容器移送部28は、たとえば図2に示すように、矢印Y1のように反応容器20を把持可能である把持装置28aを先端に有し、他端が支柱28cと接続するアーム28bを備える。支柱28cは、図示しない回転機構および昇降機構と接続する。このため、支柱28cが矢印Y2のように昇降することによって、アーム28bも昇降し、支柱28cが回転することによって、アーム28bも矢印Y3のように回転する。
【0028】
集磁テーブル30は、複数の反応容器20を周方向に沿って収納できるとともに、回転することによって反応容器20を周方向に沿って移送する。集磁テーブル30には、反応容器収納箇所にそれぞれ対応した位置に、複数の集磁機構31が設けられている。この集磁機構31は、図2に示すように、収納された各反応容器20の底面に近接または接触するように、各反応容器収納位置ごとにそれぞれ設けられている。したがって、集磁テーブル30は、二以上の集磁機構31を有し、二以上の反応容器20に対して並行して集磁処理を行なうことができる。
【0029】
ここで、図3を参照して、集磁テーブル30による集磁処理について説明する。まず、集磁テーブル30に移送される反応容器20内の状態について説明する。集磁テーブル30に移送される前に、各反応容器20には、反応容器移送レーン23において検体が注入されるとともに、図3(1)に示すように、磁性粒子51を含む第1試薬と標識物質である金粒子52を含む第2試薬が注入される。この磁性粒子51および金粒子52は、検体中の測定対象物50と反応し、この結果、図3(2)に示すように、磁性粒子51、金粒子52および測定対象物50が結合した複合体53が形成される。この複合体53が反応容器20内で形成された状態で、反応容器20は、集磁テーブル30に移送される。
【0030】
そして、集磁テーブル30の各反応容器収納位置には、図4に示すように、全体が磁石で形成された集磁機構31がそれぞれ設けられている。集磁機構31は、たとえば円柱上に一体として円錐が形成された形状である。集磁機構31においては、円錐部の頂点が磁極として機能する。そして、この集磁機構31の円錐部の頂点が反応容器20の底面に近接または接触するように設けられている。なお、集磁機構31は、円柱上に一体として円錐が形成された形状に限らず、角柱上に錐形状が一体として形成された形状であってもよい。
【0031】
反応容器20内で形成された複合体53は、磁性粒子を含むことから、集磁テーブル30に収納された場合には反応容器20の底面に近接または接触した集磁機構31の磁力に引き寄せられる。そして、複合体53は、図4のように、集磁機構31の円錐部の先端に近接するように反応容器20底面に徐々に凝集する。この結果、所定時間経過後、反応容器20内には凝集体54が形成される。このように、各集磁機構31は、反応容器20の底面に磁極を近接または接触させて、各反応容器20の底面にそれぞれ凝集体54を形成する。なお、集磁機構31の磁力は、ターゲットとなる凝集体径に対応させて設定される。この凝集体の径は、後述する測光部33におけるレーザ光のスポット径に応じて、たとえば、200μm以上2000μm以下、10μm以上1000μm以下、また、50μm以上500μm以下、または、100μm以上500μm以下に設定される。また、集磁機構31の円錐部先端の頂点角度θは、凝集体形成が円滑に進むよう、90°以下である必要があり、さらには、60°以下であることが望ましい。
【0032】
そして、第2容器移送部32は、集磁テーブル30によって集磁処理が行なわれ凝集体54が形成された反応容器20を、所定タイミングで、集磁テーブル30の取出位置(たとえば図2に示す位置P4)から測光部33による測光位置に移送する。図2に示すように、第2容器移送部32は、第1容器移送部28と同様の構成を有し、矢印Y6のように反応容器20を把持可能である把持装置32aを先端に有し、他端が支柱32cと接続するアーム32bを備える。支柱32cは、図示しない回転機構および昇降機構と接続しており、支柱32cが矢印Y7のように昇降することによって、アーム32bも昇降し、支柱32cが回転することによって、アーム32bも矢印Y8のように回転することから、アーム32b、支柱32cおよび図示しない回転機構および昇降機構は、特許請求の範囲における把持装置32aを所定方向へ移動自在に支持する上下動自在な昇降機能に対応する。
【0033】
測光部33は、集磁機構31によって集磁処理が行なわれた反応容器20であって第2容器移送部32によって移送された反応容器20における凝集体に対し測光処理を行なって、凝集体の光学的特性を測定する。測光部33は、磁性粒子、測定対象物および標識粒子の複合体を集磁処理によって反応容器20内で凝集させた状態で、この凝集体54の光学的特性を測定している。測光部33は、図5に示すように、レーザ光源33aと、レンズ33b,33d,33eと、ダイクロイックミラー33cと、ラマン分光計33fとを備える。レーザ光源33aから発せられたレーザ光は、光路L1に示すように、レンズ33bにおいて平行光に収束され、ダイクロイックミラー33cで反射した後に、レンズ33dで集光され凝集体54に入射する。そして、凝集体54で表面増強されたラマン散乱光は、光路L2に示すように、レンズ33dにおいて平行光に収束され、ダイクロイックミラー33cを透過した後、レンズ33eで集光され、ラマン分光計33fに入射する。ラマン分光計33fの測定結果は、制御部41に出力され、分析部43において分析される。なお、測光部33によって測光処理が終了した反応容器20は、図示しない移送機構によって測光部33から取り出され、廃棄される。
【0034】
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、制御部41、入力部42、分析部43、記憶部44および出力部45を備える。測定機構2および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。
【0035】
制御部41は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0036】
入力部42は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部43は、測光部33から取得したラマン分光分析結果に基づいて検体の分析を行う。
【0037】
記憶部44は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部44は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体から情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0038】
出力部45は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。出力部45は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報を外部装置に出力してもよい。
【0039】
上述したように、この分析装置1における集磁テーブル30は、各反応容器収納位置ごとに集磁機構31を備える。このため、集磁テーブル30では、各反応容器収納位置に反応容器20をそれぞれ収納することによって、収納された各反応容器20それぞれに集磁処理を並行して行なうことができる。すなわち、この分析装置1では、二以上の反応容器20に対して、並行して集磁処理を行なうことができる。言い換えると、分析装置1においては、前の反応容器に対する集磁処理が終了していなくとも、次の反応容器に対して集磁処理を行なうことができる。
【0040】
そして、制御部41は、第2容器移送部32に対して、集磁テーブル30が集磁処理を行なう二以上の反応容器20のうち、集磁処理が終了した反応容器20を、集磁テーブル30の取出位置から、測光部33による測光位置に順次移送させている。
【0041】
ここで、SERS分光分析法を用いた分析処理においては、集磁処理に要する処理時間は、測光部33によるラマン測定処理時間に比べて格段に長い。たとえば、図6のタイミングチャートのうちテスト1のタイミングチャートに示すように、ラマン測定処理がステップt10の1ステップで処理可能であるのに対し、集磁処理は、ステップt5からステップt8までの4ステップもの処理時間を必要とする。
【0042】
従来の分析装置においては、集磁機構と測光機構は、それぞれ一組しか設けられていなかったため、前の反応容器に対する集磁処理が終了していないと、次の反応容器に対して集磁処理を行なうことができなかった。
【0043】
具体的には、従来の分析装置においては、図7に示すように、テスト1の反応容器への集磁処理がステップt5からステップt8まで行なわれ、さらにステップt9においてラマン測定処理が行なわれる間、次のテスト2の反応容器に対する集磁処理およびラマン測定処理を行なうことができなかった。このため、テスト2の反応容器については、図7の矢印Y31に示すように、テスト1の反応容器に対するラマン測定処理が終了したステップt10に集磁機構へ移送し、ステップt11に集磁処理を開始せざるを得なかった。このように、従来では、前のテスト1の反応容器に対する集磁処理およびラマン測定処理が終了しないと、テスト2の反応容器に対する集磁処理を開始できなかった。このため、従来では、テスト1の反応容器への集磁処理が開始された後に続けて集磁処理を開始することができず、図7の期間Tの間、待機せざるを得なかった。同様に、テスト2の次のテストであるテスト3の反応容器についても、図7の矢印Y32に示すように、テスト2の反応容器に対するラマン測定処理が終了したステップt16に、集磁機構に移送し、ステップt17に集磁処理を開始せざるを得なかった。
【0044】
したがって、従来の分析装置においては、単位時間あたりの検体処理数が処理時間の長い集磁処理に依存してしまうため、単位時間あたりの検体処理数を高めることに限界があり、分析処理の処理能力を向上させることができなかった。
【0045】
これに対し、本実施の形態1にかかる分析装置1においては、複数の反応容器に対して並行して集磁処理を行なうことができるため、処理対象の検体を収容した反応容器に対する処理を集磁処理において停滞させることなく速やかに進めることができる。
【0046】
具体的には、図6のタイミングチャートに示すように、テスト1の反応容器への集磁処理がステップt5からステップt8まで行なわれた場合であっても、矢印Y11に示すように、ステップt6において、次のテスト2の反応容器に対する集磁処理を続けて開始することができる。同様に、テスト3の反応容器についても、テスト2の反応容器への集磁処理が継続している場合であっても、図6の矢印Y12に示すように、ステップt7において、集磁処理を続けて開始することができる。
【0047】
そして、テスト1の反応容器は、集磁処理が終了したステップ9において、第2容器移送部32によって測光部33に移送され、ステップt10においてラマン測定処理が行なわれ、分析処理を終了する。テスト2の反応容器についても、集磁処理が終了したステップt10において、第2容器移送部32によって測光部33に移送され、ステップt11においてラマン測定処理が行なわれる。
【0048】
したがって、分析装置1においては、前のテストの反応容器に対する集磁処理が継続している状態であっても、次のテストの反応容器に対して集磁処理を開始することができる。このため、分析装置1においては、図6の矢印Y21,Y22のように、各検体を長時間待機させることなく、分析処理を順次円滑に開始できる。
【0049】
このように、分析装置1においては、図6に示すように、ラマン測定処理と比較して長時間の処理を要する集磁処理を複数の反応容器に対して並行して行っているため、パイプライン的に各検体への分析処理を行なうことができる。この結果、分析装置1においては、処理時間の長い集磁処理に依存していた従来と比較し、単位時間あたりの検体処理数を格段に高めることができ、分析処理の処理能力を向上させることができる。具体的には、一般的な大規模装置においては、1時間あたりに50〜600テスト実行することが可能になり、また、一般的な中規模装置においては、1時間あたりに50〜300テスト実行することが可能になる。
【0050】
また、分析装置1においては、図4に示すように、反応容器20の底面に集磁機構31が近接または接触することによって凝集体54を形成している。ここで、反応容器の側面に凝集体を形成した場合には、反応容器移送処理時における昇降動作および回転動作によって、凝集体が底方向に沈み分散してしまう場合があり、十分に増強されたラマン散乱光を得ることができない場合があった。これに対し、分析装置1においては、反応容器20の底面に近接または接触するように集磁機構31を設け、反応容器20の底面そのものに凝集体54を形成するため、第2容器移送部32による昇降動作および回転動作が行われた場合であっても、凝集体54が沈みこむこともなく、凝集体54が分散することもない。このため、分析装置1においては、凝集体54は凝集した状態を保持したまま測光部33に移送可能であるため、十分に増強されたラマン散乱光を確実に得ることができる。
【0051】
また、実施の形態1にかかる分析装置として、反応容器20を周方向に沿って収納したテーブル状の集磁テーブル30を集磁手段として有する分析装置1について説明したが、もちろんこれに限らない。たとえば図8の分析装置1aの測定機構2aに示すように、複数の反応容器20を同一直線状に収納可能であり、各反応容器収納位置に対応させて複数の集磁機構31を設けた集磁レーン30aを集磁手段として有する構成であってもよい。集磁機構31は、図5に示す場合と同様に、収納された各反応容器20の底面に近接または接触するように、各反応容器収納位置ごとにそれぞれ設けられている。そして、集磁レーン30aは、制御機構4aにおける制御部41aの制御のもと、第1容器移送部28によって収納された各反応容器20を、所定の集磁処理時間の間、保持しながら、矢印方向に沿って各反応容器20を移送することによって、集磁処理が終了した反応容器20を第2容器移送部32による取出位置に順次移動させる。
【0052】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。集磁処理が終了した反応容器を集磁手段から測光手段に移送する移送手段として、実施の形態1では、先端に把持装置を備えたアーム状の移送機構である場合を例に説明したが、実施の形態2では、複数の反応容器を収納可能であるテーブル状の移送機構である場合について説明する。
【0053】
図9は、本実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図9に示すように、本実施の形態2にかかる分析装置201は、図1に示す第1容器移送部28、集磁テーブル30および第2容器移送部32に代えて、反応テーブル232を有する測定機構202を有する。また、分析装置201は、制御部41に代えて、制御部41と同様に各構成部位の動作処理の制御を行なう制御部241を有する制御機構204を備える。
【0054】
反応テーブル232は、円環状のテーブルを有し、該テーブルの周方向に沿って複数の反応容器20を収納可能である。そして、この反応テーブル232は、制御部241の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル232の中心を通る鉛直線を回転軸として回転自在である。反応テーブル232は、回転することによって、収納した複数の反応容器を、テーブルの周方向に沿って移送している。
【0055】
この反応テーブル232には、反応テーブル232が反応容器20を移送する各反応容器移送位置のうち、二以上の反応容器移送位置に対応した位置に集磁機構31がそれぞれ設けられている。各集磁機構31は、図5に示す場合と同様に、移送された反応容器20の底面に近接または接触するように設けられている。そして、この集磁機構31は、制御部241の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって昇降することが可能であり、必要時に反応容器から集磁機構31を遠ざけることにより、集磁処理を回避することができる。
【0056】
この反応テーブル232には、反応テーブル232が反応容器20を移送する各反応容器移送位置のうち、少なくとも一の反応容器移送位置に応じて測光部33が設けられている。測光部33は、所定の位置に移送された反応容器20の検体内の凝集体に対して、ラマン測定処理を行なう。反応テーブル232は、回転することによって、各反応容器20を集磁機構31に対応する位置に順次移送するとともに、集磁機構31によって集磁処理が行なわれた反応容器20を測光部33に対応する位置に移送している。
【0057】
このため、分析装置201では、実施の形態1と同様に、二以上の集磁機構31を有するため、集磁処理に要する処理時間を十分に確保しながら、二以上の反応容器20に対して並行して集磁処理を行なうことができる。したがって、分析装置201においては、実施の形態1と同様に、前の反応容器に対する集磁処理が終了していなくとも、次の反応容器に対して集磁処理を開始することができる。
【0058】
そして、制御部241は、反応テーブル232に対して、各集磁機構31が集磁処理を行なう二以上の反応容器20のうち、集磁処理が終了した反応容器20を、測光部33による測光位置に順次移送させている。
【0059】
したがって、分析装置201においては、実施の形態1と同様に、ラマン測定処理と比較して長時間の処理時間を要する集磁処理を複数の反応容器に対して並行して同時に行っているため、パイプライン的に各検体への分析処理を行なうことができ、単位時間あたりの検体処理数を格段に高めることができ、分析処理の処理能力を向上させることができる。
【0060】
なお、この反応テーブル232の外周には、検体移送レーン21、第1試薬庫24および第2試薬庫26が配置されている。検体分注部22は、検体移送レーン21と反応テーブル232との間に設けられ、検体移送レーン21上の所定位置に移送された検体容器21aの中から検体を吸引し、反応テーブル232上の所定位置に移送された反応容器20内に検体を吐出する。第1試薬分注部25は、第1試薬庫24と反応テーブル232との間に設けられ、第1試薬庫24の所定位置に移送された第1試薬容器24aの中から第1試薬を吸引し、反応テーブル232上の所定位置に移送された反応容器20内に第1試薬を吐出する。第2試薬分注部27は、第2試薬庫26と反応テーブル232との間に設けられ、第2試薬庫26の所定位置に移送された第2試薬容器26aの中から第2試薬を吸引し、反応テーブル232上の所定位置に移送された反応容器20内に第2試薬を吐出する。そして、攪拌部238は、図9に示すように、反応テーブル232の外周に配置され、例えば、攪拌へらを試薬と検体の混合液中に浸漬して攪拌させ、あるいは音波(表面弾性波)によって反応容器20に分注された試薬および検体の混合液を非接触で攪拌させる。したがって、分析装置201においては、検体分注処理、試薬分注処理、攪拌処理、集磁処理およびラマン測定処理の一連の処理の処理タイミングに合わせて、反応テーブル232が各反応容器20を回転移送している。
【0061】
また、図10の分析装置301の測定機構302に示すように、反応テーブル332の外周部に吸光度測定部333を加え、吸光度測定をさらに測定できるようにしてもよい。この場合、制御機構304における制御部341は、吸光度測定部333についても制御処理を行ない、分析部343は、測光部33の測定結果をもとに検体を分析するほか、吸光度測定部333の吸光度測定結果をもとに検体を分析する。さらに、反応テーブル332の外周に、反応容器20を洗浄する洗浄部340を設け、反応容器20を再度、新たな分析処理に利用できるようにしてもよい。この洗浄部340は、反応容器20から液体や洗浄液を排出する排出手段と、洗浄液の分注手段とを有している。
【0062】
また、測光部33は、図5に示す構成のほか、図11に示すように、反応容器20の底面に対し斜め方向からレーザ光を入射する構成としてもよい。この場合、光路L12に示すように、レーザ光源33aから照射されたレーザ光は、レンズ33aによって平行光に収束された後、レンズ331dによって集光されて、反応容器20の底面に対し斜め方向から入射する。そして、凝集体54で増強されたラマン散乱光は、光路L22に示すように、レンズ332dによって平行光に収束され、レンズ33eで集光された後、ラマン分光計33fに入射する。
【0063】
また、反応容器20は、円柱状であってもよく、角柱状であってもよい。さらに、マイクロ流体チップを反応容器として用いてもよい。また、反応容器20の底面は、必ずしも平面状である必要はなく、図12に示す反応容器20aのように、丸底状であってもよい。この場合、集磁処理によって形成された凝集体54は、反応容器20が移送された場合であっても底部の最深部に位置した状態を保持できるため、測光部33において、凝集体54にポイント的にレーザ光を照射でき、ラマン測定処理を正確に行なうことができる。また、図13に示す反応容器20bのように、反応容器20の底面に凹部20pを設けて、この凹部20pに凝集体54を保持できるようにしてもよい。また、図14に示す反応容器20cのように、底部に凹凸を設けて、凹部のいずれかに凝集体54を保持できるようにしてもよい。
【0064】
また、反応容器の底面に限らず、図15の反応容器20dに示すように、反応容器の側面に段差を設けて、この段差部分に凝集体54を保持できるようにしてもよい。この場合、図15に示すように、各集磁機構31の磁極は、反応容器20dの段差部分に近接または接触するように設けられる。そして、図16に示すように、反応容器20dの段差部分にレーザ光を照射できるように測光部33の各構成部位が配置される。具体的には、図16の光路L13に示すように、レーザ光源33aから照射されたレーザ光は、レンズ33aによって平行光に収束された後、レンズ331dによって集光されて、反応容器20の側面の段差部分に対し斜め方向から入射する。そして、凝集体54で増強されたラマン散乱光は、光路L23に示すように、レンズ332dによって平行光に収束され、レンズ33eで集光された後、ラマン分光計33fに入射する。
【0065】
また、集磁機構31として、図4に示す円柱上に一体として円錐が形成された形状の集磁機構を例として説明した。集磁機構31は、この形状であるときに、集磁処理を複数回繰り返して行なった場合であっても、いずれの反応容器20においても凝集体54が所望の形状で精度よく形成されることが分かっている。また、集磁機構31は、図4に示す形状のほか、図17に示すように、円柱形状の磁石31bの上面に針状の磁性体31cを形成した形状であってもよい。集磁機構31が図17に示す形状である場合にも、図4に示す形状と同様に、繰り返し行なった集磁処理のいずれにおいても凝集体54が所望の形状で精度よく形成されることが分かっている。また、集磁機構31は、図18に示すように磁石31bの上面に円錐状の磁性体31dが設けられた形状であってもよい。なお、図17および図18の磁石31bの形状は、円柱に限らず角柱であってもよい。また、図18に示す磁性体31dは、円錐に限らず角錐であってもよい。また、集磁機構31は、図19の磁石31eに示すように錐形状としてもよい。なお、いずれについても錐形状の頂点角度θは、90°以下である必要があり、さらには、60°以下であることが望ましい。また、本実施の形態にかかる分析装置においては、検体、第1試薬および第2試薬の反応容器20への分注順序は、特に問わず、いずれの順で分注されてもよい。また、分析装置1,1a,201,301のレイアウトは一例であり、このレイアウトによって分注順序が拘束されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1,1a,201,301 分析装置
2,2a,202,302 測定機構
4,4a,204,304 制御機構
20,20a,20b,20d 反応容器
21 検体移送レーン
21a 検体容器
21b 検体ラック
22 検体分注部
23 反応容器移送レーン
24 第1試薬庫
24a 第1試薬容器
25 第1試薬分注部
26 第2試薬庫
26a 第2試薬容器
27 第2試薬分注部
28 第1容器移送部
28a,32a 把持装置
28b,32b アーム
28c,32c 支柱
30 集磁テーブル
30a 集磁レーン
31 集磁機構
31b,31e 磁石
31c,31d 磁性体
32 第2容器移送部
33 測光部
33a レーザ光源
33b,33d,33e,331d,332d レンズ
33c ダイクロイックミラー
33f ラマン分光計
41,41a,241,341 制御部
42 入力部
43 分析部
44 記憶部
45 出力部
50 測定対象物
51 磁性粒子
52 金粒子
53 複合体
54 凝集体
232,332 反応テーブル
238 攪拌部
333 吸光度測定部
340 洗浄部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器に検体と磁性粒子と標識粒子とを注入し、前記検体内の測定対象物と前記磁性粒子と前記標識粒子との複合体を集磁処理によって反応容器内で凝集させた状態で該凝集体の光学的特性を測定し、該測定結果をもとに前記検体を分析する分析装置において、
少なくとも二以上の前記反応容器に集磁処理を行なって、各反応容器の検体内に前記凝集体を生成する集磁手段と、
前記集磁手段によって集磁処理が行なわれた反応容器における前記凝集体の光学的特性を測定する測光手段と、
前記集磁手段によって集磁処理が行なわれた前記反応容器を、前記集磁手段による集磁位置から前記測光手段による測光位置に移送する移送手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記移送手段に対して、前記集磁手段が集磁処理を行なう前記二以上の反応容器のうち集磁処理が終了した反応容器を、前記集磁位置から前記測光位置に順次移送させる制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記測光手段は、表面増強されたラマン散乱光を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記集磁手段は、前記反応容器の底面に磁極を近接または接触させて、前記反応容器の底面に前記凝集体を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項5】
前記移送手段は、
前記反応容器を把持する把持機構と、
前記把持機構を所定方向へ移動自在に支持する上下動自在な昇降機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項6】
前記移送手段は、複数の前記反応容器を周方向に沿って収納するとともに、回転することによって前記反応容器を周方向に沿って移送する回転機構を備え、
前記集磁手段は、前記回転機構による各反応容器の移送位置のうち、少なくとも二以上の前記反応容器の移送位置に応じて設けられ、
前記測光手段は、前記回転機構による各反応容器の移送位置のうち、少なくとも一の前記反応容器の移送位置に応じて設けられ、
前記回転機構は、回転することによって、各反応容器を前記集磁手段に対応する位置に順次移送するとともに、前記集磁手段によって集磁処理が行なわれた前記反応容器を前記測光手段に対応する位置に移送することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
前記標識粒子は、金または銀を含む粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−33371(P2011−33371A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177322(P2009−177322)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】