説明

分析装置

【課題】 視覚に頼ることなく適切に測定を行うことが可能な分析装置を提供すること。
【解決手段】 本体200と、測定時に本体200から突出した状態となるセンサ片500が挿通される挿入口210と、y方向において挿入口210を挟んで離間配置されており、かつそれぞれがx方向外方に突出しているとともに、z方向において挿入口210と重なる高さを有する1対の突起220と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば血糖値の測定に用いられる分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば糖尿病患者が、自ら血糖値を測定するために用いられる分析装置が提案されている。図18は、従来の分析装置の一例を示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示す分析装置900は、挿入口902が形成された本体901を有する。挿入口902には、センサ片910が挿入される。分析装置900の測定時には、挿入口902からセンサ片910をx方向に突出させた状態で、センサ片910に検体としての血液を点着させる。本体901には、V字状のガイド903が取り付けられている。ガイド903は、センサ片910を挿入口902へと導くことを目的として設けられている。
【0003】
たとえば糖尿病患者は、糖尿病網膜症を患うことにより、いわゆる弱視となる可能性が比較的高い。このような弱視の使用者は、分析装置900の存在はかろうじて認識できるが、その細かい形状などは視認しきれない場合が多い。このため、分析装置900を持つ手でガイド903を模索し、他方の手でセンサ片910を挿入しようとしても、挿入口902の位置を正確に把握することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表01/061341公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、視覚に頼ることなく適切に測定を行うことが可能な分析装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される分析装置は、本体と、測定時に上記本体から突出した状態となるセンサ片を支持するためのセンサ片用開口と、上記センサ片の突出方向に対して直角である幅方向において上記センサ片用開口を挟んで離間配置されており、かつそれぞれが上記突出方向外方に突出しているとともに、上記突出方向および上記幅方向のいずれに対しても直角である高さ方向において上記センサ片用開口と重なる高さを有する1対の突起と、を備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサ片用開口には、上記センサ片が挿入される。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサ片用開口に隣接し、かつ上記センサ片用開口から上記突出方向に延出するガイド面を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサ片用開口は、上記高さ方向において上記ガイド面が形成されている側に偏った位置に設けられている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサ片用開口に隣接しているとともに上記センサ片用開口を挟んで離間配置されており、かつ上記突出方向において上記センサ片用開口から離間するほど互いに離間する向きに傾斜した1対以上の傾斜面を有する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記各突起は、高さ方向に膨出する隆起部を有する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記隆起部は、上記突出方向において上記センサ片用開口よりも外方に位置する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の突起は、上記幅方向において移動可能である。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の突起は、上記センサ片用開口中央を挟んで対称移動する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサ片用開口から挿入された上記センサ片に対して、測定を行う測定位置よりも上記突出方向外方にある抵抗付与位置において、抵抗力を付与する抵抗付与手段を備えており、上記各突起の上記突出方向先端と測定時における上記センサ片の上記突出方向先端との上記突出方向における距離は、上記測定位置と上記抵抗付与位置との距離よりも小である。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗付与手段は、上記センサ片に接触する電極、または上記センサ片の存在を検出する検出レバーを含む。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記突起の材質は、上記本体のうち上記突起以外の部位の材質よりも柔らかい。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記本体に着脱可能とされたアタッチメントを備えており、上記1対の突起は、上記アタッチメントに形成されている。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記アタッチメントは、音声ガイド機能を有する。
【0020】
このような構成によれば、たとえば使用者が親指と人差し指で上記1対の突起を上記高さ方向において挟むように上記分析装置を保持することができる。このように保持すると、上記センサ片用開口は、使用者の親指および人差し指と上記1対の突起とに囲まれた空間の上記突出方向内方に自然と位置する。これにより、上記センサ片用開口をことさらに視認しなくとも、手探りで上記センサ片用開口に上記センサ片を挿入することが可能である。また、上記センサ片用開口に支持されたセンサ片に対して、使用者が手探りで検体となるたとえば血液を点着させることができる。したがって、視覚に頼ることなく適切に測定を行うことができる。
【0021】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に基づく分析装置を示す斜視図である。
【図2】図1の分析装置を示す平面図である。
【図3】図1の分析装置を示す正面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】センサ片が抵抗付与位置にある状態を示す要部断面図である。
【図6】センサ片が測定位置にある状態を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に基づく分析装置を示す要部断面図である。
【図8】センサ片が抵抗付与位置にある状態を示す要部断面図である。
【図9】センサ片が測定位置にある状態を示す要部断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に基づく分析装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に基づく分析装置を示す平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に基づく分析装置を示す分解斜視図である。
【図13】図9の分析装置を示す斜視図である。
【図14】本発明の第6実施形態に基づく分析装置を示す底面図である。
【図15】本発明の第7実施形態に基づく分析装置を示す分解斜視図である。
【図16】図15の分析装置を示す斜視図である。
【図17】本発明の第8実施形態に基づく分析装置を示す斜視図である。
【図18】従来の分析装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0024】
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置101は、本体200を有している。本体200には、挿入口210、1対の突起220、ガイド面231、表示部240、電源ボタン250が設けられている。分析装置101は、たとえば糖尿病患者が自ら血糖値を測定するために用いられるものであり、測定時にはセンサ片500が取り付けられる。
【0025】
本体200は、たとえば樹脂製の箱状部材である。挿入口210は、本体200のx方向(本発明でいう突出方向)端面に形成されており、断面形状がy方向(本発明でいう幅方向)を長手方向とする長矩形状とされている。挿入口210には、帯状のセンサ片500が挿入される。分析装置101の測定時には、挿入口210からセンサ片500が突出した状態とされる。これにより、挿入口210は、本発明でいうセンサ片用開口の一例となっている。なお、本実施形態と異なり、センサ片500を外部から挿入する構成ではなく、本体200内に収容されたセンサ片500が本発明でいうセンサ片用開口から突出してくる構成であってもよい。
【0026】
ガイド面231は、挿入口210に対してz方向(本発明でいう高さ方向)下側に隣接した位置から、x方向外方に延びている。挿入口210のz方向上側は、z方向に沿って切り立った面とされている。このため、挿入口201に対してz方向下側にあるガイド面231がx方向に出っ張った構成となっている。図3および図4に示すように、挿入口210は、z方向においてガイド面231が設けられた下側に偏った位置に設けられている。
【0027】
図1〜図3に示すように、1対の突起220は、挿入口210を挟んでy方向において離間配置されている。各突起220は、挿入口210よりもx方向に外方に突出している。各突起220は、z方向寸法が本体200のその他の部位とほぼ同一とされている。これにより、各突起220は、z方向において挿入口210と重なる高さを有する。本実施形態においては、各突起220は、全体として直方体形状とされている。各突起220には、隆起部221が形成されている。隆起部221は、突起220のz方向上面に形成されており、図4〜図6に示すように、zx平面における断面形状が扁平な三角山形とされている。隆起部221は、挿入口210よりもx方向外方に位置している。なお、突起220は、本体200の他の部位と一体成型されていてもよいし、突起220以外の部位とは異なる材質によって形成したものが接合された構造であってもよい。この場合、突起220を比較的やわらかいたとえばシリコーン樹脂によって形成し、本体200の突起220以外の部位を一般的な硬質プラスチックによって形成してもよい。あるいは、突起220以外の部分の表面を平滑な性状とする一方、突起220の表面を微細な凸凹を有する性状としてもよい。このように表面の性状を異ならせることにより、弱視である使用者であっても、手触りによって突起220を速やかに認識することができる。
【0028】
図1に示すように、表示部240は、本体200のz方向上面に設けられている。表示部240は、たとえば液晶ディスプレイであり、分析装置101の状態表示や、測定結果の表示などに用いられる。電源ボタン250は、表示部240の近傍に設けられており、分析装置101の電源ON/OFF切り替えに用いられる。なお、分析装置101の電源は、センサ片500の挿入によりONとなり、センサ片500の抜き取りによりOFFとなる構成であってもよい。この場合、電源ボタン250は、不要である。
【0029】
次に、分析装置101の使用方法について以下に説明する。
【0030】
図1に示すように、分析装置101を用いてたとえば血糖値を測定する場合、分析装置101にセンサ片500を装填する。センサ片500は、検体としての血液を点着させる部分、分析装置101に導通する電極部分などが作りこまれている。まず、図2および図3に示すように、使用者は、一方の手600によって分析装置101を保持する。このとき、親指601と人差し指602とで、1対の突起220をz方向において挟む。親指601は、突起220の隆起部221に対してx方向内方から添えておく。このように分析装置101を保持することにより、挿入口210は、z方向において親指601と人差し指602との間に位置することとなる。次いで、他方の手600によってセンサ片500を保持する。そして、保持したセンサ片500を、1対の突起220および親指601、人差し指602によって囲まれた空間に挿通させ、挿入口210へと挿入する。
【0031】
図4に示すように挿入口210の内方には、電極261およびストッパ270が設けられている。電極261は、上述したセンサ片500の電極と導通する部分であり、y方向に延びる軸周りに回動可能とされている。センサ片500は、図4に示す状態において左端が下方に押し付けられるように弾性力が付与されている。電極261は、本発明でいう抵抗付与手段の一例に相当する。ストッパ270は、電極261に対してさらにx方向内方にあり、センサ片500の測定位置を規定するためのものである。
【0032】
センサ片500をさらにx方向内方に挿入させると、図5に示すようにセンサ片500の右端が電極261に接触する。この位置よりもx方向内方にセンサ片500を挿入しようとすると、センサ片500によって電極261を持ち上げる格好となる。この持ち上げに対する反力として、センサ片500には、電極261によって抵抗力が付与される。この状態のセンサ片500の位置が、本発明でいう抵抗付与位置である。
【0033】
この抵抗力に抗しながらセンサ片500をさらに挿入すると、図6に示すようにセンサ片500の右端がストッパ270に突き当たる。このため、センサ片500をこれ以上挿入させることは不可となる。分析装置101は、この位置を検出したことを、ブザーや音声を発することにより、使用者に知らせることができる。この状態のセンサ片500の位置が、本発明でいう測定位置である。測定位置にあるセンサ片500の左端の位置と突起220の左端とのx方向における距離d1は、上述した抵抗付与位置と測定位置との距離d2よりも小である。距離d1は、0であることが好ましい。
【0034】
こののちは、センサ片500への血液の点着をはじめ所定の操作を行うことにより、血糖値の測定を行うことができる。
【0035】
次に、分析装置101の作用について説明する。
【0036】
本実施形態によれば、図2および図3に示すように使用者の親指601と人差し指602とによって1対の突起220を挟むことにより、挿入口210は、親指601および人差し指602と1対の突起220とに囲まれた空間のx方向内方に自然と位置する。これにより、挿入口210をことさらに視認しなくとも、手探りで挿入口210にセンサ片500を挿入することが可能である。したがって、視覚に頼ることなく適切に測定を行うことができる。
【0037】
突起220に隆起部221が形成されていることにより、分析装置101のz方向における向きを触覚によって容易に認識することができる。また、隆起部221に対してx方向内方側から親指601を添えることにより、挿入口210がx方向においてどの辺りに存在しているかの見当をつけることができる。ガイド面231が設けられていることにより、挿入口210の手前においてセンサ片500をx方向上側から下側に移動させると、センサ片500がガイド面231に当接する。この状態からセンサ片500をx方向内方に向けて押し込むと、挿入口210に適切に挿入することができる。突起220を比較的やわらかい材質によって形成すれば、手600による保持がしやすい。
【0038】
図5に示すように、センサ片500を挿入すると、抵抗付与位置において抵抗力を受ける。弱視の使用者がこの手ごたえを感じたことをもってセンサ片500が測定位置に到達したと思い込んでしまうと適切な測定ができない。本実施形態においては、図6に示すように距離d1が距離d2よりも小とされている。これにより、抵抗付与位置においては、センサ片500が突起220から大きく突出した状態となる。使用者は、この突出を手探りで認識することにより、センサ片500がいまだ測定位置に到達していないことを即座に把握することが可能であり、センサ片500の挿入不足を回避することができる。このような効果を確実に奏するためには、距離d1は、0であることが好ましい。
【0039】
図7〜図16は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0040】
図7〜図9は、本発明の第2実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置102は、抵抗付与手段として検出レバー262を備えている。検出レバー262は、センサ片500の挿入を検出するためのものであり、図示しないセンサに連結されている。検出レバー262は、z方向に延びる軸周りに回動可能であり、図7に示す状態で、左端が図中下方に押し付けられるような弾性力が付与されている。
【0041】
図8に示すように、センサ片500を挿入すると、センサ片500の右端が検出レバー262に当接する。これにより、検出レバー262はセンサ片500によって回動される格好となる。このとき、センサ片500には、x方向外方向きの抵抗力が検出レバーから付与される。本図に示す状態が、分析装置102における抵抗付与位置である。
【0042】
図9は、分析装置102における測定位置を示している。本実施形態においても、距離d1は、距離d2よりも小とされている。このような実施形態によっても、センサ片500の挿入不足を回避することができる。なお、抵抗付与手段として、電極261および検出レバー262の両方を備える構成であってもよい。
【0043】
図10は、本発明の第3実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置103は、2対の傾斜面232を備える点が上述した実施形態と異なっている。2対の傾斜面232は、挿入口210を囲んでいる。一方の対の傾斜面232は、挿入口210を挟んでz方向において離間配置されており、他方の対の傾斜面232は、挿入口210を挟んでy方向において離間配置されている。各対の傾斜面232は、挿入口210からx方向外方に向かうほど互いの距離が大となる傾斜とされている。
【0044】
本実施形態によれば、挿入口210に対してy方向またはz方向においてずれた位置にセンサ片500が挿入されてきても、2対の傾斜面232によってセンサ片500を挿入口210へとスムーズに導くことができる。
【0045】
図11は、本発明の第4実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置104は、1対の突起220に傾斜した内側面222が設けられている点が、上述した実施形態と異なっている。各内側面222は、突起220のうち挿入口210側にある面である。分析装置104は、挿入口210を挟んでy方向に離間配置された1対の内側面222を有していることになる。1対の内側面222は、x方向において挿入口210から外方に向かうほど互いの距離が大となるように傾斜している。このような実施形態によれば、センサ片500を挿入するときに、1対の内側面222がセンサ片500をセンタリングする機能を発揮する。したがって、センサ片500の挿入をより容易に行うことができる。
【0046】
図12および図13は、本発明の第5実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置103は、本体200とアタッチメント300とを備える点が上述した実施形態と異なっている。図12に示すように、本体200には、本発明でいう突起は形成されていない。この本体200のみであっても、弱視である使用者の使い勝手を除けば、一通りの測定作業を行うことができる。アタッチメント300は、本体100に取り付け可能とされており、1対の突起320が形成されている。1対の突起320は、上述した突起220と同様のサイズであり、隆起部221と同様の隆起部321が形成されている。
【0047】
図13に示すように、アタッチメント300を本体200に取り付けると、1対の突起320が挿入口210を挟んでy方向において離間配置される位置関係となる。挿入口210と1対の突起320との位置関係は、上述した実施形態における挿入口210と1対の突起220との位置関係と同様である。
【0048】
このような実施形態によっても、視覚に頼ることなくセンサ片500を分析装置104に適切に装填することができる。また、1対の突起320の大きさや、離間距離が異なる複数のアタッチメント300を用意することにより、使用者の指の大きさに適した分析装置104を構成することができる。
【0049】
図14は、本発明の第6実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置105は、アタッチメント300の構成が、上述した分析装置104と異なっている。本実施形態においては、アタッチメント300は、スライド機構330を備えている。スライド機構330は、1対の突起320どうしの距離を自在に変更するためのものであり、ピニオン331および1対のラック332からなる。各ラック332は、各突起320に連結されており、y方向に延びている。ピニオン331は、1対のラック332に挟まれており、それぞれと螺合している。
【0050】
本実施形態によれば、使用者の指の大きさに応じて、1対の突起320どうしの距離を適切に調節することができる。スライド機構330としてピニオン331および1対のラック332を備えることにより、1対の突起320は、本体200のy方向中央を挟んでy方向において対称に移動する。これにより、挿入口210を1対の突起320のちょうど真ん中に常に位置させることができる。これは、使用者がセンサ片500を挿入口210に挿入しやすいという利点がある。
【0051】
図15および図16は、本発明の第7実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置107は、本体200および音声ガイド付きアタッチメント400を備える点が上述した実施形態と異なっている。
【0052】
音声ガイド付きアタッチメント400は、本体200に取り付け可能であり、図15に示すように1対の突起420、スピーカ430、および端子440を有している。1対の突起420は上述した分析装置104の1対の突起320と同様であり、隆起部421が形成されている。端子440は、本体200とのインターフェースとなる部位であり、本体200の端子(図示略)と接触する。スピーカ430は、音声ガイドを発する部位である。音声ガイド付きアタッチメント400には、図示しない制御部、記憶部、電源部などが設けられている。本体200の状態を示す信号が端子440を介して音声ガイド付きアタッチメント400に入力されると、上記制御部の制御により、本体200の状態に応じた音声がスピーカ430から発せられる。
【0053】
このような実施形態によっても、視覚に頼ることなく測定操作を適切に行うことができる。
【0054】
図17は、本発明の第8実施形態に基づく分析装置を示している。本実施形態の分析装置108は、挿入口210の周囲部分に識別用の彩色が施されている点を除き、上述した分析装置101と同様の構成とされている。
【0055】
分析装置108においては、挿入口210の周囲に位置するガイド面231や、挿入口210の図中上側に隣接する領域に、彩色が施されている。たとえば、分析装置108の全体が白色とされている場合、上記彩色には、赤色などの白色に対して目立つ色が採用される。このような実施形態によれば、弱視である使用者であっても、挿入口210の位置を判別しやすいという利点がある。このような効果を奏するには、分析装置108全体に施された色と、上述した部分的な彩色に用いられる色とを、たとえば互いに補色の関係である色などとすることが好ましい。また、このような彩色は、分析装置102〜107に適宜適用できる。
【0056】
本発明に係る分析装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る分析装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0057】
本発明に係る分析装置は、いわゆる作用極および対極を備えるバイオセンサに限らず、比色により体液の分析を行なうように構成されたバイオセンサにも適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
101〜108 分析装置
200 本体
210 挿入口(センサ片用開口)
220 突起
221 隆起部
222 内側面
231 ガイド面
232 傾斜面
240 表示部
250 電源ボタン
261 電極(抵抗付与手段)
262 検出レバー(抵抗付与手段)
270 ストッパ
300 アタッチメント
320 突起
321 隆起部
330 スライド機構
331 ピニオン
332 ラック
400 音声ガイド付きアタッチメント
420 突起
421 隆起部
430 スピーカ
440 端子
500 センサ片
600 手
601 親指
602 人差し指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
測定時に上記本体から突出した状態となるセンサ片を支持するためのセンサ片用開口と、
上記センサ片の突出方向に対して直角である幅方向において上記センサ片用開口を挟んで離間配置されており、かつそれぞれが上記突出方向外方に突出しているとともに、上記突出方向および上記幅方向のいずれに対しても直角である高さ方向において上記センサ片用開口と重なる高さを有する1対の突起と、を備える、分析装置。
【請求項2】
上記センサ片用開口には、上記センサ片が挿入される、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
上記センサ片用開口に隣接し、かつ上記センサ片用開口から上記突出方向に延出するガイド面を有する、請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
上記センサ片用開口は、上記高さ方向において上記ガイド面が形成されている側に偏った位置に設けられている、請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
上記センサ片用開口に隣接しているとともに上記センサ片用開口を挟んで離間配置されており、かつ上記突出方向において上記センサ片用開口から離間するほど互いに離間する向きに傾斜した1対以上の傾斜面を有する、請求項2に記載の分析装置。
【請求項6】
上記各突起は、高さ方向に膨出する隆起部を有する、請求項2ないし5のいずれかに記載の分析装置。
【請求項7】
上記隆起部は、上記突出方向において上記センサ片用開口よりも外方に位置する、請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
上記1対の突起は、上記幅方向において移動可能である、請求項2ないし7のいずれかに記載の分析装置。
【請求項9】
上記1対の突起は、上記センサ片用開口中央を挟んで対称移動する、請求項8に記載の分析装置。
【請求項10】
上記センサ片用開口から挿入された上記センサ片に対して、測定を行う測定位置よりも上記突出方向外方にある抵抗付与位置において、抵抗力を付与する抵抗付与手段を備えており、
上記各突起の上記突出方向先端と測定時における上記センサ片の上記突出方向先端との上記突出方向における距離は、上記測定位置と上記抵抗付与位置との距離よりも小である、請求項2ないし9のいずれかに記載の分析装置。
【請求項11】
上記抵抗付与手段は、上記センサ片に接触する電極、または上記センサ片の存在を検出する検出レバーを含む、請求項10に記載の分析装置。
【請求項12】
上記突起の材質は、上記本体のうち上記突起以外の部位の材質よりも柔らかい、請求項2ないし11のいずれかに記載の分析装置。
【請求項13】
上記本体に着脱可能とされたアタッチメントを備えており、
上記1対の突起は、上記アタッチメントに形成されている、請求項2ないし12のいずれかに記載の分析装置。
【請求項14】
上記アタッチメントは、音声ガイド機能を有する、請求項13に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−177677(P2012−177677A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270850(P2011−270850)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】