説明

分泌されたタンパク質ZTNF9

新規腫瘍壊死因子リガンドポリペプチド、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びそれらの関連する組成物及び方法を開示される。ポリペプチドは、免疫応答に関連する方法において使用され得、そしてまた、免疫調節治療の開発にも使用され得る。リガンドポリペプチドの抗体、結合タンパク質、アゴニスト及びアンタゴニストもまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景:
免疫応答の間に生じる細胞相互作用は、細胞表面受容体及びそれらのそれぞれのリガンドのいくつかのファミリー、例えば腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのメンバーにより調節される。このファミリーのいくつかのメンバーは、異なった造血細胞系間の相互作用を調節する(Smith など., The TNF Receptor Superfamily of Cellular and Viral Proteins: Activation, Costimulation and Death, 76: 959-62,1994 ; Cosman, Stem Cells 12: 440-55,1994)。
【0002】
一般的に、TNFファミリーのメンバーは、異なった造血細胞間の相互作用、例えばT細胞/B細胞、T細胞/単球及びT細胞/T細胞相互作用を仲介する。この二元伝達の結果は、標的細胞又は活性化状態に依存して、刺激的であるか又は阻害性であり得る。TNFリガンドは、細胞増殖、活性化及び分化の調節、例えばアポプトシス又は細胞毒性による細胞生存性又は死の調節に関与する。TNF受容体(TNFR)分布、誘発の動力学及び誘発のための必要条件における差異は、T細胞−介在性免疫応答におけるTNFリガンドの個々についての定義された役割の概念を支持する。
【0003】
TNFリガンドファミリーは、多くのタイプII膜内在性糖タンパク質から構成される。神経成長因子(NGF)及びLT−αを除くこのファミリーのメンバーは、N−末端細胞質領域、単一トランスメンブラン領域、リンカー領域及び150〜170個のアミノ酸残基のC−末端受容体−結合ドメインを含む。前記C−末端受容体−結合ドメインは、β−サンドイッチであることが決定されている。NGFを除くのこのファミリーのメンバーは、この細胞外受容体−結合ドメイン内で約20%配列相同性を共有し、そしてリンカー、トランスメンブラン及び細胞質ドメイン内ではほとんどか又はまったく相同性は存在しない。このファミリー内のリガンドは、トリマー又はマルチマー複合体として生物学的に活性である。このグループは、TNF, LT-α, LT-β, CD27L, CD30L, CD40L, 4-1BBL, OX40L, FasL (Cosman, 前記; Lotz など. , J. Leukoc. Biol. 60: 1-7,1996), TRAIL 又はapo-2 リガンド (Wileyなど., Immunity 3 : 673-82,1995), 及び TNF γ (WO 96/14328号)を包含する。
【0004】
トランスメンブラン領域の存在は、リガンドが膜関連していることを示す。可溶性リガンド形が、TNF、LT−α及びFasLのために同定されている。特定のプロテアーゼが個々のリガンドを切断し、それを膜から開放するかどうか、又は1つのプロテアーゼがすべてのTNFリガンドファミリーメンバーに関して同じ機能を提供するかどうかは知られていない。TACE(TNF−α転換酵素)は、TNFを切断することが知られている(Moss など., Nature 385: 733-36,1997 ; Black など., Nature 385: 729-33, 1997)。他のそのような酵素は知られていない。
【0005】
TNFRファミリーは、タイプI膜内在性糖タンパク質、例えばp75 NGFR, p55 TNFR-I, p75 TNFR-II, TNFR-RP/TNFR-E, CD27, CD30, CD40, 4-1BB, OX40, FAS/APO-1 (Cosman, 前記; Lotz et al., 前記 ), HVEM (Montgomery など. , Cell 87: 427-36,1996), DR3 (Chinnaiyan など., Science 274: 990-92,1996)としても知れれているWSL-1 (Kitson など. , Nature 384: 372-75, 1996), DR4 (Pan など. , Science 276: 111-13,1997), WO 96/28546号に記載されているTNF 受容体タンパク質(現在オステオプロテゲリン(OPG, Simonet et al. , Cell 89: 309-19,1997)としても知れれている), CAR1 (ニワトリにおいて見出される (Brojatsch et al., Cell 87: 845-55,1996) )、及びTNFR-関連分子をコードするいくつかのウィルス性読み取り枠から構成されている。NGFR, TNFR-I, CD30, CD40, 4-1BB, DR3, DR4 及び OX40は主に、リンパ/造血系の細胞に制限される。
【0006】
TNFリガンドファミリーの1つのメンバー、すなわちTNF及びその受容体の相互作用は、広範囲の生物学的工程及び病理学的に必須であることが示されている。特に、受容体−リガンド対は、免疫調節の仲介、免疫刺激及び移植片拒絶の緩和を包含する種々の免疫調節性質を有する。関与はまた、炎症、腫瘍の壊死(Grayなど., Nature 312:721-24, 1984), 敗血性ショック(Tracyなど., Science 234: 470-74, 1986)及び細胞毒性においても示されている。TNFは、細胞増殖及び分化を促進し、そして調節する(Tartalgia など. , J. Immunol. 151: 4637-41, 1993)。さらに、TNF及びその受容体はまた、アポプトシスにも関与している。
【0007】
X−線結晶学的構造は、ヒトTNF(Jones など., Nature 388: 225-28,1989), LT-β (Eck など. , J. Biol. Chem. 267: 2119-22, 1992), 及び LT-β/TNFR 複合体 (Banner など., Cell 73: 431-35,1993))に関して解決されている。この複合体は、1つのLT−βトリマーに対して対照的に結合される3個の受容体分子を特徴とする。受容体オリゴマー化を通して結合するトリマーリガンドのモデルは、シグナルトランスダクション経路を開始することが提案されている。いくつかのTNFメンバーの生物学的活性の同定は、その対応する受容体に対して特異的なモノクローナル抗体の使用を通して促進されて来た。それらのモノクローナル抗体は、固定される場合、刺激的であり、そして可溶性で拮抗性である傾向がある。
【0008】
これは、受容体架橋が受容体及びリガンドファミリーの両者においてシグナルトランスダクションのための必要条件であるさらなる証拠である。重要なことには、マルチマーIg 融合タンパク質の形での受容体−特異的モノクローナル抗体又は可溶性受容体の使用は、いくつかのファミリーメンバーに関して、インビトロ及びインビボでの生物学的機能を決定することにおいて有用であった。可溶性受容体−Ig融合タンパク質は、CD40, CD30, CD27, 4-IBB及びFas受容体に対応する細胞表面リガンドのクローニングにおいて都合良く使用されて来た。
【0009】
骨再造形は、骨格質量及び構造が回復され、そして維持される力学的工程である。この回復及び維持は、骨再吸収と骨形成との間のバランスであり、そして破骨細胞及び骨芽細胞がこの再造形工程における2種のキー関与体として見なされる。破骨細胞は、骨における腔を再呼吸することによって再造形循環を開始せしめ、続いて前記腔は、骨芽細胞が新規骨マトリックスを合成し、そしてそれを窩中に沈着する場合、再充填される。破骨細胞及び骨芽細胞の活性は、全身性ホルモンと、活性再造形部位での成長因子及びサイトカインの局部生成との間の複離な相互作用を調節する。
【0010】
骨再造形における不均衡は、オステオポローシス、パジェット病及び上皮小体亢進症のような病状に関連している。骨格質量の低下により特徴づけられるオステオポローシスは、閉経後の女性の最も共通する疾病の1つであり、そしてしばしば、脊髄、股関節部及び手首の虚弱で且つ苦痛を伴った骨折の原因である。
【0011】
オステオポリーシスに関連する骨損失は、外因性エストロゲンの投与により阻止されて来た。効果的であるためには、エストロゲン療法は、閉経の開始の数年以内に開始すべきであり、そしてThomeycroft(Am. J. Obstef. Gynecol. 160: 1306-1310, 1989)によれば、10〜15年、続けるべきである。いくつかの異なったタイプのエストロゲンが存在するが、17−β−エストラジオールは、閉経前女性において通常存在することが見出されている主要エストロゲンであり、そしてしばしば、治療使用のための選択の化合物である。しかしながら、推薦される用量で、有意な副作用が存在し、大部分の障害は、子宮内膜及び乳癌とエストロゲン療法との十分な確立された相互関係である。癌の発生は、用量依存性及び期間依存性の両者である。
【0012】
それらのTNFリガンドファミリーメンバーの示されるインビボ活性は、他のTNFリガンド、リガンドアゴニスト及びアンタゴニスト、及びTNF受容体の莫大な臨床学的可能性及び必要性を示す。本発明は、新規TNFリガンド、及び関連する組成物及び方法を提供することによって、この必要性と取り組む。
【0013】
1つの観点においては、本発明は、配列番号2で示されるようなアミノ酸残基62〜アミノ酸残基82のアミノ酸残基の配列を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。1つの態様においては、単離されたポリペプチドは、a)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるポリペプチド;c)上記a)に対して少なくとも85%同一であるポリペプチド;d)上記a)に対して少なくとも90%同一であるポリペプチド;e)上記a)に対して少なくとも95%同一であるポリペプチド;f)上記a)に対して少なくとも99%同一であるポリペプチドから成る群から選択されたアミノ酸配列をさらに含んで成る。
【0014】
もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは、配列番号2で示されるようなアミノ酸20〜アミノ酸87のアミノ酸配列を含んで成る。もう1つの態様においては、配列番号2で示されるような残基62〜81が、腫瘍壊死因子受容体を結合する。もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、前記残基62〜81のN−末端に隣接するリンカー領域をさらに含んで成る。もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、前記リンカー領域により、残基62〜81から分離されたトランスメンブランドメインをさらに含んで成る。もう1つの態様においては、前記ポリペプチドは、前記トランスメンブランドメイン及びリンカー領域により、残基62〜81から分離された細胞質領域をさらに含んで成る。
【0015】
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基1〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるポリペプチド;c)上記a)に対して少なくとも85%同一であるポリペプチド;d)上記a)に対して少なくとも90%同一であるポリペプチド;e)上記a)に対して少なくとも95%同一であるポリペプチド;f)上記a)に対して少なくとも99%同一であるポリペプチドから成る群から選択されたアミノ酸配列をさらに含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは、親和性標識、毒素、放射性ヌクレオチド、酵素及び蛍光団から成る群から選択された成分に共有結合される。もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは、前記ポリペプチドと前記成分との間にタンパク質分解切断部位をさらに含んで成る。
【0016】
もう1つの観点においては、本発明は、第1部分、及びペプチド結合により連結される第2部分から実質的に成る融合タンパク質を提供し、ここで前記第1部分は、a)配列番号2で示されるようなアミノ酸20〜アミノ酸87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド、b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドから成る群から選択されたポリペプチドから実質的に成り、そして前記第2部分は第2ポリペプチドから実質的に成る。
【0017】
もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2のポリペプチドのエピトープに対して特異的に結合する抗体を提供する。もう1つの態様においては、前記抗体はモノクローナル抗体である。もう1つの態様においては、本発明は、次の段階:a)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基68〜82から成るポリペプチド;b)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜87から成るポリペプチド;及びc)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基1〜87から成るポリペプチド;からなる群から選択されたポリペプチドにより動物を接種し;ここで前記ポリペプチドが抗体を生成するために前記動物において免疫応答を誘発し;そして前記動物から抗体を単離する;ここで、前記抗体は、アミノ酸番号1〜アミノ酸番号87の配列番号2のアミノ酸配列に対して特異的に結合する;ことを含んで成る抗体の生成方法を提供する。
【0018】
もう1つの態様においては、本発明は、配列番号2のポリペプチドのエピトープに対して特異的に結合する結合タンパク質を提供する。
【0019】
もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2で示されるようなアミノ酸残基62〜アミノ酸残基81のアミノ酸配列をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。
もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードする。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号2で示されるようなアミノ酸残基1〜アミノ酸残基87をさらに含んで成るポリペプチドをコードする。
【0020】
もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、アミノ酸残基62〜81のN−末端に隣接するリンカー領域をさらに含んで成る。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、前記リンカー領域により、アミノ酸残基62〜81から分離されたトランスメンブランドメインをさらに含んで成る。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、トランスメンブランドメイン及びリンカー領域により、アミノ酸残基62〜81から分離された細胞質領域をさらに含んで成るポリヌクレオチドをコードする。
【0021】
もう1つの観点においては、本発明は、次の作用可能に結合された要素:転写ターミネーター;アミノ酸残基20〜87のポリペプチドをコードするDNAセグメント、ここで前記ポリペプチドは腫瘍壊死因子であり;及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供する。もう1つの態様においては、前記DNAセグメントは、親和性標識をさらに含んで成るポリペプチドをコードする。もう1つの態様においては、本発明は、前記発現ベクターが導入されている培養された細胞を提供する。もう1つの態様においては、前記細胞を培養し、それにより前記細胞は、前記DNAセグメントによりコードされる前記ポリペプチドを発現し;そして前記発現されたポリペプチドを回収することを含んで成る、ポリペプチドの生成方法が提供される。
【0022】
もう1つの観点においては、患者から遺伝子サンプルを獲得し;第1反応生成物を生成するために、前記遺伝子サンプルを、配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする条件下でインキュベートし;対照反応生成物に対して前記第1反応生成物を比較することを含んで成り、ここで前記第1反応性生物と前記対照生成物との間の差異が前記患者における遺伝子異常性の表示であることを特徴とする、患者における遺伝子異常性を検出するための方法が提供される。
【0023】
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号2のアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド、及びb)上記a)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドから成る群から選択された、医薬的に有効な量のポリペプチドを前記哺乳類に投与することを含んで成る、ZTNF9ポリペプチドを必要とする哺乳類の処理方法を提供する。
【0024】
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号2のアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸の配列を含んで成るポリペプチド、及びb)上記a)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドから成る群から選択された、医薬的に有効な量のポリペプチドのアンタゴニストを前記哺乳類に投与することを含んで成る、ZTNF9ポリペプチドのアンタゴニストを必要とする哺乳類の処理方法を提供する。
本発明を詳細に記載する前、次の用語を定義することで本発明の理解を助けることができる:
【0025】
親和性標識とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質への第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタンパク質が親和性標識として使用され得る。親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など., EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991), グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 1988), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1210, 1988)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメインを包含する。一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107, 1991を参照のこと。親和性標識をコードするDNAは、商品供給者(例えばPharmacia Biotech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New England Biolabs, Beverly, MA)から入手できる。
【0026】
対立遺伝子変異体は、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の遺伝子の二者択一形のいずれかを示す。対立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされたポリペプチドにおいて変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使用される。対立遺伝子変異のために対照アミノ酸配列とは異なる同じ種からの同じタンパク質もまた包含される。対立遺伝子変異は、所定のタンパク質をコードする遺伝子における個人間での天然において発生する差異を言及する。
【0027】
アミノ−末端”及びカルボキシル−末端は、ポリペプチド内の位置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それらの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末端側に位置する一定の配列は、その対象配列のカルボキシル末端に隣接して位置するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではない。
【0028】
相補体/抗−相補体対は、適切な条件下で、非共有的に会合される安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプテン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その相補体/抗−相補体対は好ましくは、<10-9Mの結合親和性を有する。
【0029】
ポリヌクレオチド分子の相補体は、相補的塩基配列、及び対照配列に比較して逆の配向を有するポリペプチド分子を示す。例えば、配列5’ ATGCACGGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。
【0030】
コンチグ(contig)は、他のポリヌクレオチドに対する一連の連続した同一の又は相補的な配列を有するポリヌクレオチドを示す。連続した配列とは、ポリヌクレオチドの全体において、又はその一部に沿って、一定の長さのポリヌクレオチド配列を“オーバーラップ”すると言われる。例えば、ポリヌクレオチド配列5’-ATGGCTTAGCTT-3’ に対する代表的なcontig とは、5’-TAGCTTgagtct-3’及び3’-gtcgacTACCGA-5’である。
【0031】
縮重ヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列、例えばプローブ又はプライマーに適用される場合、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオチドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAspをコードする)。
【0032】
発現ベクターは、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に連結される興味あるポリペプチドをコードするセグメントを含んで成る線状又は環状DNA分子を示すために使用される。そのような追加のセグメントは、プロモーター及びターミネーター配列及び任意には、複製の1又は複数の起点、1又は複数の選択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、及び同様のものを包含する。発現ベクターは一般的に、プラスミド又はウィルスDNAから誘導され、又は両者の要素を含むことができる。
【0033】
単離されたとは、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオチドがその天然の遺伝的環境から除去され、そして従って、他の無関係な又は所望しないコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在することを示す。そのような単離された分子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノム クローンを含む分子である。本発明の単離されたDNA分子は、通常関係しない他の遺伝子を含まないが、しかし天然において存在する5’及び3’ 未翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は、当業者に明らかであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774―78, 1985を参照のこと)。
【0034】
単離されたポリペプチド又はタンパク質は、その生来の環境以外の条件、例えば血液及び動物組織とは別の条件下で見出されるポリペプチド又はタンパク質である。好ましい形においては、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に含まない。高く精製された形、すなわち95%以上の純度、より好ましくは99%以上の純度でポリペプチドを供給することが好ましい。この情況下で使用される場合、用語“単離された”とは、他の物理的形、例えばダイマー形又は他のグリコシル化された又は誘導体化された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0035】
作用可能に連結されたとは、ヌクレオチドセグメントに適用される場合、DNAセグメントに適用される場合、前記セグメントが、それらの意図された目的のために協力して機能し、例えば転写がプロモーターにおいて開始し、そしてコードセグメントを通してターミネーターに進行するよう配列されることを示す。
【0036】
オルト体(orthology)とは、異なった種からのポリペプチド又はタンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。
パラ体(paralogs)とは、生物によって製造される、異なっているが,しかし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じると思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互いパラ体である。
【0037】
ポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端に読み取られるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーを示す。ポリヌクレオチドは、RNA及びDNAを包含し、そして天然源から単離され、インビトロで合成され、又は天然及び合成分子の組み合わせから調製され得る。ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(略語“bp”)、ヌクレオチド(“nt”)、又はキロ塩基(“kb”)として表される。ここで、後者の2つの用語は、一本鎖又は二本鎖であるポリヌクレオチドを記載する。この用語が二本鎖分子に適用される場合、それは全体の長さを示すために使用され、そして用語、“塩基対”に等しいことが理解されるであろう。二本鎖ポリヌクレオチドの二本の鎖は長さにおいてわずかに異なり、そしてその末端が酵素分解の結果として異なることは、当業者により理解されており;従って、二本鎖ポリヌクレオチド分子内のすべてのヌクレオチドは一対に成り得ない。そのような不対末端は一般的に20ntの長さを越えない。
【0038】
ポリペプチドは、本明細書において使用される場合、天然において生成されても又は合成的に生成されてもいずれにせよ、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約 10個以下のアミノ酸残基のポリペプチドが、通常“ポリペプチド”として言及される。
プロモーターは、RNA ポリメラーゼの結合及び転写の開始を提供するDNA配列を含む遺伝子の部分を示す。プロモーター配列は通常、遺伝子の5’ 非コード領域に見出されるが、しかし必ずしもそうではない。
【0039】
タンパク質は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子である。タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付加され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ酸主鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
【0040】
受容体は、生物活性分子(すなわち“リガンド”)に結合し、そして細胞上のリガンドの効果を仲介する、細胞関連タンパク質、又はそのようなタンパク質のポリペプチドサブユニットを示す。受容体へのリガンドの結合は、細胞におけるエフェクタードメインと他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体(及び多くの場合、受容体多重化、すなわち同一の又は異なった受容体サブユニットの会合)における変化をもたらす。それらの相互作用は、細胞の代謝の変更を誘導する。
【0041】
受容体−リガンド相互作用に連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、細胞増殖、AMP生成の上昇、細胞カルシュウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付着、イノシトール脂質の加水分解、及びリン脂質の加水分解を包含する。一般的に、受容体は、膜結合され、シトソール性又は核性であり;モノマー(例えば甲状腺刺激ホルモン受容体、β−アドレナリン性受容体)、又はマルチマー(例えばPDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL−3受容体、GM―CSF受容体、G−CSF受容体、エリトロポイエチン受容体及びIL―6受容体)であり得る。
【0042】
分泌シグナル配列は、それが合成される細胞の分泌路を通してより大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向ずけるポリペプチド(“分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポリペプチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常分解される。
【0043】
可溶性受容体又はリガンドは、細胞膜に結合されない受容体又はリガンドポリペプチドである。可溶性受容体は、最も通常には、トランスメンブラン及び細胞質ドメインを欠いているリガンド−結合受容体ポリペプチドである。可溶性リガンドは、最も通常には、トランスメンブラン及び細胞質ドメインを欠いている受容体−結合受容体ポリペプチドである。可溶性受容体又はリガンドは、追加のアミノ酸残基、例えばポリペプチドの精製を提供し、又は基質へのポリペプチドの結合のための部位、又は免疫グロブリン不変領域配列を提供する親和性標識を含んで成る。
【0044】
多くの細胞−表面受容体及びリガンドは、タンパク質加水分解により、又は交互にスプライシングされたmRNAから翻訳される天然に存在する可溶性相対物を有する。受容体及びリガンドポリペプチドは、それがそれぞれ、膜固定化又はシグナルトランスダクションを提供するために、それらのセグメントの十分な部分を欠いている場合、トランスメンブラン及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に有さないと言われる。
【0045】
スプライス変異体は、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライシング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写されるいくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使用される。
【0046】
不正確な分析方法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されるポリマーの分子量及び長さは、おおよその値であることが理解されるであろう。そのような値が“約”X又は“おおよそ”Xとして表される場合、その言及されたXの値は、正確には±10%であることが理解されるであろう。
【0047】
本明細書に引用されるすべての文献はそれらのすべてを引用により組み込まれる。
本発明は、腫瘍開始因子リガンドファミリーのメンバー、及び特にRANKLに対して相同性を有する、新規DNA配列(配列番号1)及び対応するポリペプチド配列(配列番号2)の発現に一部、基づかれる。この新規DNAに対応するmRNAの組織分布の分析は、リガンドが免疫応答の調節に関与することを示唆する。前記リガンドはZTNF9と命名されている。
【0048】
本発明の新規ZTNF9リガンド−コードのポリヌクレオチド及びポリペプチドは、RANKリガンド(TNFリガンドファミリーのメンバー)に対して相同な配列について、ヒトゲノムデータベースを調べることによって最初に同定された。この情報を用いて、新規2,601bpのヒトcDNAフラグメント(配列番号1)が同定された。ZTNF9ポリペプチドをコードするDNA(配列番号1)の分析は、シグナル配列、すなわち配列番号2の残基1〜19、及び受容体−結合ドメイン、すなわち配列番号2の残基20〜87を含んで成る87個のアミノ酸(配列番号2)をコードする読み取り枠を示した。当業者は、それらのドメイン境界は、近似であり、そして既知タンパク質との一列整列及びタンパク質折りたたみ予測に基づかれることを認識することであろう。
【0049】
TNFリガンドの受容体−結合ドメインは、2組の5個の逆平衡β−鎖を含むβ−サンドイッチから成る。ZTNF−9は、TNFリガンドの切断された形である。この切断はたぶん、いくつかのβ−鎖の単純シフトによる、典型的なドメインよりも小型の構造体の形成を引き起こすであろう。
【0050】
TNFファミリーのメンバーであるほとんどのタンパク質は、下記式:
[LIVMFY]-X- [LIVMFY]-X-X-X-G- [LIVMFY]- [FY] - [LIVMFY]- [LIVMFY] (配列番号4)
で表される保存された11個のアミノモチーフにより認識され得、ここでアミノ酸残基1,3,8,10及び11は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)又はチロシン(Y)から選択され;Xはいずれかのアミノ酸残基であり、そしてアミノ酸残基9は、フェニルアラニン(F)又はチロシン(Y)から選択される。このモチーフのアミノ酸残基1−3は、β−鎖“C”に属し、そして残基7−11は、β−鎖“D”に属する。この領域は、TNFβ−サンドイッチ構造の構造統合性に対して臨界であると思われる。位置1へのGlyの付加及び位置11へのArgの付加を包含するこのモチーフの修飾された形が、配列番号6として又示される、配列番号2のアミノ酸残基47〜57のZTNF9−ポリペプチドに存在する。
【0051】
APOZL及びDR5(PDB:1DU3におけるTNF及びTNF受容体)の結晶構造を用いて、APO2Lのペプチドは、TNF受容体と相互作用することが観察される。RANKLとAPO2Lとの間の相同性が与えられると、RNNKと相互作用するRANKLの3D構造が非常に類似することが推定され得る。さらに、ZTNF9とRANKLとの間の比較(配列の一列整列)は、ZTNF9の相同ペプチドループがTNF受容体と類似する態様で相互作用することを示唆する。このペプチドループは、配列番号2のアミノ酸62〜81(すなわち、配列番号4としても示されるアミノ酸配列:CSRHRVTSAGLTLQDLQLWC)のペプチドを含んで成る。前記ループは、ペプチドを強制し、そしてそれを、TNF受容体への結合と適合できるコンホメーションに強制するジスルフィド結合を形成することができる。TNF受容体と相互作用する特定の前記は、配列番号2の残基70〜78(すなわち、アミノ酸配列:AGLTLQDLQ)である。
【0052】
ZTNF9の組成分布の分析は、Haman Multiple Tissue及びMaster Dot Blotsを用いてのノザンブロット技法により行われ得る。そのようなブロットは、市販されており(Clontech, Palo Alto, CA)、そして当業者に知られている方法によりプローブされ得る。また、例えばWu W.など., Methods in Gene Biotechnology, CRC Press LLC, 1997を参照のこと。さらに、本発明のポリヌクレオチドの部分は、配列データベースを調べ、そして配列が由来する組織を同定することによって同定され得る。本発明のポリヌクレオチドの部分は、複数の精巣ライブラリーにおいて同定されている。
(配列番号1)により表されるようなZTNF9は、配列−標識化−部位(STS)を用いて、染色体2P25.1にマッピングされた。
【0053】
本発明はまた、ポリヌクレオチド分子、例えば本明細書に開示されるZTNF9ポリペプチドをコードするDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コードの縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能であることを容易に認識するであろう。配列番号3は、配列番号2のZTNF9ポリペプチドをコードするすべてのDNAを包含する縮重DNA配列である。当業者はまた、配列番号3の変性配列がU(ウラシル)とT(チミジン)とを置換することによって、配列番号2をコードするすべてのRNA配列も供給することを理解するであろう。従って、配列番号3のヌクレオチド1又は261を含んで成るZTNF9ポリペプチド−コードのポリヌクレオチド及びそれらのRNA相当物は、本発明により包含される。
【0054】
表1は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号3内に使用される1文字コードを示す。“解”は、コード文字により示されるヌクレオチドである。“相補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。例えば、コードYはC(シトシン)又はTのいずれかを示し、そしてその相補体RはA(アデニン)又はG(グアニジン)を示し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
【0055】
【表1】

【0056】
与えられたアミノ酸のためのすべての可能なコドンを包含する配列番号3に使用される縮重コドンが表2に示される。
【0057】
【表2】

【0058】
当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するであろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ酸配列への参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
【0059】
当業者はまた、異なった種が“選択的コドン使用法”を示すことも理解するであろう。一般的には、Grantham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980; Haas, など., Curr. Biol. 6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 13:355−64,1981;Grosjean and Fiera,Gene 18:199−209、1982;Holm,Nuc.Acids Res.14:3075−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97,1982を参照のこと。本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン使用法”又は“選択的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され、従って個々のアミノ酸をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタンパク質翻訳コドンを言及する技術的用語である(表2を参照のこと)。
【0060】
例えば、アミノ酸トレオニン(Thr)は、ACA、ACC、ACG、又はACTによりコードされるが、しかし哺乳類細胞においては、ACCが最も通常に使用されるコドンであり;他の種においては、例えば昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌においては、異なったThrコドンが好ましい。特定の種のための選択的コドンは、当業界において知られている種々の方法により、本発明のポリヌクレオチド中に導入され得る。例えば、組換えDNA中への選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は種内でタンパク質の翻訳により効果的にすることによって、そのタンパク質の生成を増強する。従って、配列番号3に開示される縮重コドン配列は、当業界において通常使用され、そして本明細書において開示される種々の細胞型及び種においてポリペプチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。選択コドンを含む配列は、種々の種における発現について試験され、そして本明細書に開示される官能性について試験され得る。
【0061】
本発明の好ましい態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号1の類似するサイズの領域に対して、又はそれに対して相補的な配列に対して、緊縮条件下でハイブリダイズするであろう。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度及びpHで、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くあるよう選択される。Tmは、標的配列の50%が好ましく適合されたプローブに対してハイブリダイズする温度(定義されたイオン強度及びpH下で)である。典型的な緊縮条件は、塩濃度がpH7で約0.03Mまでであり、そして温度が少なくとも約60℃であるそれらの条件である。前で示されたように、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、DNA及びRNAを包含する。DNA及びRNAを単離するための方法は、当業界において良く知られている。
【0062】
一般的には、RNAは、他の組織からのRNAを用いて調製され、そしてゲノムDNAとして単離されるが、精巣からRNAを単離することが好ましい。全RNAは、グアニジウム HCl抽出、続くCsClグラジエントにおける遠心分離による単離により調製され得る(Chirgwinなど.,Biochemistry 18:52−94, 1979)。ポリ(A)+ RNAは、Aviv and Leder (Proc.Natl. Acad. Sci.USA 69: 1408−1412, 1972 )の方法を用いて全RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は、既知の方法を用いて、ポリ(A)+ RNAから調製される。次に、ZTNF9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、例えばハイブリダイゼーション又はPCRにより同定され、そして単離される。
【0063】
当業者は、配列番号1に開示される配列がヒトZTNF9遺伝子の単一の対立遺伝子を表し、そして対立遺伝子変動及び交互のスプライシングが生じることが予測されることを認識するであろう。配列番号1に示されるDNA配列の対立遺伝子変異体、例えばサイレント突然変異を含むそれらの変異体及び突然変異がアミノ酸配列変更をもたらすそれらの変異体は、配列番号2の対立遺伝子変異体であるタンパク質と同じように、本発明の範囲内である。ZTNF9ポリペプチドの性質を保持する、もう1つのスプライスされたmRNAから生成されるcDNAは、そのようなcDNA及びmRNAによりコードされるポリペプチドと同じように、本発明の範囲内に包含される。それらの配列の対立遺伝子変異体及びスプライス変異体は、当業界において知られている標準の方法に従って、異なった個人又は組織からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによってクローン化され得る。
【0064】
本発明はさらに、他の種(“種オルト体”)からの相対リガンド及びポリヌクレオチドを提供する。それらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆虫及び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されない。特に興味あるものは、他の哺乳類種、ネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬、ネコ、馬及び他の霊長類リガンドからのZTNF9リガンドポリペプチドである。ヒトZTNF9の種オルト体は、従来のクローニング技法と組合して、本発明により供給される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。例えば、cDNAは、リガンドを発現する組織又は細胞型から得られるmRNAを用いてクローン化され得る。mRNAの適切な源は、本明細書に開示される配列から企画されたプローブによりノザン ブロットをプローブすることによって同定され得る。次に、ライブラリーが陽性の組織又は細胞系のmRNAから調製される。
【0065】
次に、ZTNF9−コードのcDNAが種々の方法、例えば完全な又は部分的なヒトcDNAにより、又は前記開示される配列に基づく1又は複数の変性プローブにより、プローブすることによって単離され得る。cDNAはまた、本明細書に開示される配列から企画されたプライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)(Mullis, アメリカ特許第4,683,202号)を用いてもクローン化され得る。さらなる方法においては、cDNAライブラリーが宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトするために使用され、そして興味あるcDNAの発現がZTNF9に対する抗体により検出され得る。類似する技法がまた、ゲノムクローンの単離に適用され得る。
【0066】
ZTNF9の他の種ポリペプチドは、治療的に重要である。多くの場合、非生来のタンパク質、すなわち異なった種からのタンパク質の使用はその生来のタンパク質よりもより有能であり得ることが示されている。例えば、サケカルシトニンは、ヒトカルシトニン形よりも、骨再吸収の阻止において相当により効果的であることが示されている。サケカルシトニンがオステオポローシスの処理において、ヒトカルシトニンよりもより有能である理由についてのいくつかの仮説が存在する。それらの仮説は、1)サケカルシトニンが分解に対してより耐性であり;2)サケカルシトニンが遅い代謝クリアランス速度(MCR)を有し;そして3)サケカルシトニンが骨受容体部位のための高い親和性をもたらすわずかに異なったコンホメーションを有することを包含する。
【0067】
もう1つの例は、β−エンドロフィンファミリーにおいて見出される(Hoなど., Int. J. Peptide Protein Res. 29: 521-4, 1987)。研究は、ラクダ、馬、七面鳥及びダチョウβ−エンドロフィンの末梢オピオイド活性は、単離されたテンジュクネズミ回腸が電気刺激され、そして収縮が測定される場合、ヒトβ−エンドロフィンのその活性よりも高いことを示している。ラット、マウス及びウサギからの精管が同様にアッセイされた。ラット精管モデルにおいては、ラクダ及び馬β−エンドロフィンが、最高の相対的性能を示した。合成されたラットレラキシンは、マウス恥骨結合においてヒト及びブタレラキシンと同じほど活性的であった(Bullesbach and Schwabe, Eur. J. Biochem. 241: 533-7, 1996)。従って、本発明のマウスZTNF9分子は、ヒト細胞、組織及び受容体においてヒト内因性分子よりも高い能力を有する。
【0068】
本発明はまた、配列番号2のリガンドポリペプチドに対して実質的に相同である単離されたポリペプチド及びその種オルト体を提供する。“単離された”とは、その生来の環境以外の条件、例えば血液及び動物組織とは異なった条件下で見出されるタンパク質又はポリペプチドを意味する。好ましい形においては、単離されたタンパク質又はポリペプチドは、他のタンパク質又はポリペプチド、特に動物起源の他のタンパク質又はポリペプチドを実質的に有さない。より高く精製された形、すなわち95%以上の純度、より好ましくは99%以上の純度の形でタンパク質又はポリペプチドを提供することが好ましい。
【0069】
用語“実質的に相同である”とは、配列番号2で示される配列に対して、50%、好ましくは60%、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有するタンパク質又はポリペプチド、又はその種オルト体を示すために、本明細書において使用される。そのようなタンパク質又はポリペプチド、又はその種のオルト体又はパラ体は、より好ましくは、配列番号2に対して少なくとも90%、及び最も好ましくは95%又はそれ以上、同一であろう。%配列同一性は、従来の方法により決定される。
【0070】
例えば、Altschulなど., Bull. Math. Bio. 48 : 603−616, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. Acad. Sci. USA 89 :10915−10919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルティー、及び表3(アミノ酸は標準の1文字コードにより示される)に示されるようなHenikoff and Henikoff (前記)の“blosum 62”評点マトリックスを用いて、その整合評点を最適化するために整合される。次に、%同一性が次のようにして計算される:
【0071】
【数1】

【0072】
ポリヌクレオチド分子の配列同一性は、上記に開示されるような比率を用いて、類似する方法により決定される。
【0073】
【表3】

【0074】
実質的に相同のタンパク質及びポリペプチドは、1又は複数のアミノ酸置換、欠失又は付加を有するものとして特徴づけられる。それらの変化は、好ましくは、保存性アミノ酸置換(表4を参照のこと)及びタンパク質及びポリペプチドの折りたたみ又は活性に実質的に影響を及ぼさない他の置換;小さな欠失、典型的には1〜約30個のアミノ酸の欠失;及び小さなアミノ−又はカルボキシル−末端の延長、例えばアミノ−末端メチオニン残基、約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長、又は親和性標識の延長である。
【0075】
従って、本発明は、配列番号2のその対応する領域に対して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、及びより好ましくは90%、及びさらにより好ましくは95%又はそれ以上の同一性を有する配列を含んでなる、184〜1000個のアミノ酸残基のポリペプチドを包含する。親和性標識を含んで成るポリペプチドはさらに、ZTNF9ポリペプチドと親和性標識との間にタンパク質分解部位を含む。好ましいそのような部位は、トロンビン分解部位及び第Xa因子分解部位を含む。
【0076】
【表4】

【0077】
20個の標準アミノ酸の他に、非標準のアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリシン、2−アミノイソ酪酸、イソバリン及びα−メチルセリン)が、本発明のZTNF9ポリペプチドのアミノ酸残基の代わりに使用され得る。制限された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、ZTNF9ポリペプチドアミノ酸の代わりに使用され得る。本発明のタンパク質はまた、天然に存在しないアミノ酸残基も包含することができる。
【0078】
天然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタプロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方法が当業界において知られている。例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用され得る。
【0079】
アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。例えば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman など., Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 1993; 及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照のこと。第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノアミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271: 1991−98, 1996 )。
【0080】
第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定である天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導入される。Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。
【0081】
天然に存在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403, 1993)。
限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、ZTNF9アミノ酸により置換され得る。
【0082】
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発により同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085, 1989)。生物学的相互作用、例えばZTNF9ポリペプチド−システインプロテイナーゼインヒビター−酵素相互作用はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異に関連して、核磁気共鳴、結晶学、電気回折又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、構造体の物理的分析によっても決定され得る。例えば、de Vos など., Science 255: 306, 1992, Smithなど., J. Mol. Biol. 224: 899, 1992, 及びWlodaverなど., FEBS Lett. 309: 59, 1992 を参照のこと。必須アミノ酸の同一性はまた、関連するシステインファミリーメンバーとの相同性の分析からも推定され得る。
【0083】
複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばReidhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペプチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリーンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。使用され得る他の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
【0084】
開示されるZTNF9 DNA及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer, Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10747−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダムに導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いてのアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、前記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異なった種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の選択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が、有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択することによって、配列の急速な“進化”を提供する。
【0085】
複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばReidhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペプチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリーンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。使用され得る他の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
【0086】
上記に開示されるような突然変異誘発方法は、クローン化された突然変異誘発されたリガンドの活性を検出するために高処理量のスクリーニング方法と組み合わされ得る。活性リガンド又はその一部(例えば受容体−結合フラグメント)をコードする突然変異誘発されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装置を用いて配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプチドに適用され得る。
【0087】
上記に論じられる方法を用いて、当業者は、配列番号2の残基20〜87又は対立遺伝子変異体に対して実質的に相同であり、そして野生型タンパク質の受容体−結合性質を保持する種々のポリペプチドを同定し、そして/又は調製することができる。そのようなポリペプチドは、トランスメンブラン、リンカー及び/又は細胞質ドメインからの追加のアミノ酸;親和性標識;及び同様のものを包含することができる。そのようなポリペプチドはまた、一般的に上記に開示されるように、追加のポリペプチドセグメントも含むことができる。
【0088】
本発明のリガンドポリペプチド、例えば十分な長さのリガンドポリペプチド、リガンドフラグメント(例えば、受容体−結合フラグメント)及び融合ポリペプチドは、従来の技法に従って、遺伝的に構築された宿主細胞において生成され得る。適切な宿主細胞は、外因性DNAにより形質転換又はトランスフェクトされ得、そして培養において増殖され得るそれらの細胞型であり、そして細菌、菌類細胞、及び培養された高等真核細胞を包含する。真核細胞、特に多細胞生物の培養された細胞が好ましい。クローン化されたDNA分子を操作し、そして種々の宿主細胞中に外因性DNAを導入するための技法は次の文献に開示される:Sambrool など., Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989, 及びAusubel など., eds., Current Protocol in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Ins., NY, 1987。
【0089】
変異体及び融合タンパク質を包含するZTNF9ポリペプチドに関しては、当業者は、上記表1及び2に示される情報を用いて、その変異体をコードする十分に変性したポリヌクレオチドを容易に生成することができる。
【0090】
一般的に、本発明のZTNF9ポリペプチドをコードするDNA配列は、その発現のために必要とされる他の遺伝子的要素、例えば一般的に、発現ベクター内の転写プロモーター及びターミネーターに作用可能に連結される。ベクターはまた、通常、1又は複数の選択マーカー及び1又は複数の複製の起点を含むであろうが、しかし当業者は、一定のシステム内で、選択マーカーが別のベクター上に供給され得、そして外因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への組み込みにより供給され得ることを認識するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター及び要素の選択は、当業者のレベルの範囲内の通常のことである。多くのそのような要素は文献に記載されており、そして商業的供給者を通して入手できる。
【0091】
ZTNF9ポリペプチドを、宿主細胞の分泌路中に方向づけるためには、分泌シグナル配列(又は、シグナル配列、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている)が、発現ベクターに供給される。分泌シグナル配列は、もう1つの分泌されたタンパク質(例えばt−PA )に由来し、又は新たに合成され得る。分泌シグナル配列は、ZTNF9 DNA配列に正しく読み取り枠を整合して連結され、そして宿主細胞の分泌経路中に新しく合成されたポリペプチドを方向づけるように配置される。分泌シグナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコードするDNA配列の5’ 側に位置するが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あるDNA配列の他の場所に位置することもできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,743号;Hollandなど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
【0092】
TNFリガンド及びTNF受容体ファミリーのマルチマー複合体は生物学的に活性であることが知られているので、もう1つのTNFリガンドとZTNF9との融合タンパク質を調製することは有用である。例えば、1つのそのようなリガンドは、RANK-Lである。前記融合タンパク質は、RANK-Lのアミノ末端、続いてそのカルボキシル末端で、ZTNF9ポリヌクレオチド配列又はその一部により調製され得る。同様に、ztnf9ポリペプチド又はそのフラグメントは、RANK受容体を結合し、そして破骨細胞活性を刺激することによって、RANKL活性のアゴニストとして使用され得る(Li, J. など., P.N.A.S. 1566-1571, 2000を参照のこと)。他方では、それらのポリペプチドは、RANK受容体を結合するが、しかし細胞内シグナルをもたらさないことによって、RANK-L活性のインヒビターとして使用され得る。
【0093】
上記で論じられるように、ZTNF9ポリペプチドは、受容体結合を促進するためにトリマーを形成するであろう。しかしながら、トリマー複合体を形成するためにTNF受容体ポリペプチドを必要としないことは、注目すべきである。Bazzoni (Bazzoni, F. など., P. N. A. S. 92: 5376-5380, 1995)は、いくつかのTNF受容体に関して、二量体化(三量体化又はそれ以上の高次多量体化よりもむしろ)が十分であることを示している。従って、ZTNF9ポリペプチドは、ダイマー、トリマー又はその組合せとして有用であり得る。
【0094】
培養された哺乳類細胞または、本発明内の適切な宿主である。外因性DNAを 、哺乳類宿主細胞中に導入するための方法は、リン酸カルシュウム−仲介トランスフェクション(Wiglerなど., Cell 14 : 725, 1978; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7 :603, 1981; Graham など., Virology 52; 456, 1973),エレクトロポレーション( Neumann など., EMBO J. 1: 841−845, 1982 ); DEAE−デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel など., 前記)、及びリポソーム−仲介トランスフェクション(Hawley −Nelson など., Focus 15: 73, 1993; Ciccarone など.,Focus 15: 80, 1993 )を包含する。
【0095】
培養された哺乳類細胞における組換えポリペプチドの生成は、例えばlevinson など., アメリカ特許第4,713,339 号; Hagen など., アメリカ特許第4,784,950 号; Palmiter など., アメリカ特許第 4,579,821 号; 及びRingold, アメリカ特許第 4,656,134 号により開示される。培養された適切な哺乳類細胞は、COS−1(ATCC No. CRL 165)、COS−7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 1632)、BHK 570 (ATCC No. CRL 10314 )、293(ATCC No. CRL 1573 ; Graham など., J. Gen. Viro. 36: 59−72, 1977 )、及びチャイニーズ ハムスター卵巣(例えば CHO−K1; ATCC No. CCL61 )細胞系を包含する。
【0096】
追加の適切な細胞系は当業界において知られており、そして公的な寄託所、例えば American Type Culture Collection,Manassas,VAから入手できる。一般的に、強い転写プロモーター、例えばSV−40 又はサイトメガロウィルスからのプロモーターが好ましい。例えば、アメリカ特許第4,956,288 号を参照のこと。他の適切なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からのプロモーター(アメリカ特許 4,579,821 号及び第 4,601,978 号)、アデノウィルス主要後期プロモーターを包含する。
【0097】
薬物選択は一般的に、外来性DNAが挿入されている、培養された哺乳類細胞を選択するために使用される。そのような細胞は通常、“トランスフェクタント”として言及される。選択剤の存在下で培養され、そしてそれらの子孫に興味ある遺伝子を伝達することができる細胞は、“適切なトランスフェクタント”として言及される。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418又は同様のもの存在下で実施される。“増幅”として言及される方法である選択システムは、興味ある遺伝子の発現レベルを高めるためにも使用される。増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、そして次に、導入された遺伝子の生成物を高レベルで生成する細胞を選択するために選択剤の量を高めることによって実施される。
【0098】
好ましい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、複数薬物耐性、ピューロマイシン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、使用され得る。変更された表現型を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパク質、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼが、FACS分類又は磁気ビース分離技法のような手段により、トランスフェクトされていない細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類するために使用され得る。
【0099】
他の高等真核細胞、例えば植物細胞、昆虫細胞、及び鳥類細胞もまた、宿主として使用され得る。植物細胞において遺伝子を発現するためのベクターとしてのアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes )の使用は、Sinkarなど.、J. Biosci. ( Bangalore ) 11: 47−58, 1987 により再考されている。昆虫細胞の形質転換、及びそこにおける外来性ポリペプチドの生成は、Guarino など.,アメリカ特許第5,162,222号;及びWIPO公開WO94/06463号により公開される。昆虫細胞は、オートグラファ・カリホルニカ( Autographa californica )核多角体病ウィルス(AcNPV)に通常由来する組換えバキュロウィルスにより感染され得る。ZTNF9ポリペプチドをコードするDNAは、2種の方法の1つにより、AcNPVポリヘドリン遺伝子コード配列の代わりに、バキュロウィルスゲノム中に挿入される。前記第1の方法は、野生型AcNPVと、AcNPV配列を端に有するZTNF9を含むトランスファーベクターとの間での相同DNA組換えの従来の方法である。
【0100】
適切な昆虫細胞、例えばSF9細胞は、野生型AcNPVにより感染され、そしてAcNPVポリヘドリン遺伝子プロモーター、ターミネーター及びフランキング配列に作用可能に連結されるZTNF9ポリヌクレオチドを含んで成るトランスファーベクターによりトランスフェクトされる。King, L. A. and Possee, R.D., The Baculovirus Exprossion System: A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O’Reilly, D. R. ., Baculovirus Expression Vector: A Laboratory Manual, New York, Oxford University Press., 1994; 及びRichardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Protocols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照のこと。昆虫細胞内での天然の組み換えは、ポリペプチドプロモーターにより駆動されるZTNF9を含む組換えバキュロウィルスをもたらすであろう。組換えウィルスストックは、当業界において通常知られている方法により製造される。
【0101】
組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, VA, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに基づくシステムを利用する。このシステムは、Bac−to−BacTMキット(Life Technologies, Rockville, MD)として市販されている。このシステムは、“bacmid” と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに維持されるバキュロウィルスゲノム中に、ZTNF9ポリペプチドをコードするDNAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、pFastBacI TM (Life Technologies )を利用する。pFastBaclTM トランスファーベクターは、興味ある遺伝子、この場合、ZTNF9の発現を誘導するためにAcNPVポリヒドリンプロモーターを使用する。しかしながら、pFastBaclTMは相当の程度まで修飾され得る。
【0102】
前記ポリヒドリンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早めに発現され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であることが知られているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor, p6.9又はMPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロモーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。
【0103】
さらに、昆虫タンパク質に由来する分泌シグナル配列により天然のZTNF9分泌シグナル配列を置換しているトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロイド・グルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen, Carlsbad, CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)は、生来のZTNF9分泌シグナル配列を置換するために、構造体に使用され得る。さらに、トランスファーベクターは発現されたZTNF9ポリペプチドのC−又はN−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識(Grussenmeyer, T. など., Peoc. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)又はFLAG標識をコードするDNAとのイン−フレーム融合体を含むことができる。
【0104】
当業界において知られている技法を用いて、ZTNF9を含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換され、そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida についてスクリーンされる。組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が、通常の技法を用いて単離され、そしてスポドプテラ・フルギペルダ( Spodoptera frugiperda )細胞、例えばSf9 細胞をトランスフェクトするために使用される。ZTNF9を発現する組換えウィルスが結果的に生成される。組換えウィルス ストックは、当業者において通常使用される方法により製造される。
【0105】
組換えウィルスは、宿主細胞、典型的には、アワヨトウの幼虫、スポドプテラ・フルギペルダに由来する細胞系を感染せしめるために使用される。一般的には、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Application of Recombinant DNA, ASM Prss, Washington, D.C., 1994を参照のこと。もう1つの適切な細胞系は、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するHigh FiveOTM細胞系(Invitrogen)である(アメリカ特許第5,300,435号)。市販の血清フリー培地が、細胞を増殖し、そして維持するために使用される。適切な培地は、Sf9細胞のためには、SF900IITM (Life Technologies),又はEST 921TM(Expression Systems); 及びT. ni 細胞のためには、Ex−CellO405TM(JRH Biosciences, Lenza, KS)又はExpress FiveOTM(Life Technologies )である。
【0106】
細胞は、約2〜5×105個の細胞〜1〜2×106個の細胞の接種密度から増殖され、この時点で、組換えウィルスストックが、0.1〜10,より典型的にはほぼ3の感染の多重度(MCI)で添加される。組換えウィルス−感染された細胞は典型的には、12〜72時間の感染後で、組換えZTNF9を生成し、そしてそれを、種々の効率を伴って培地中に分泌する。培養物は通常、48時間の感染後、収穫される。遠心分離が、培地(上清液)から細胞を分離するために使用される。ZTNF9ポリペプチドを含む上清液は、通常0.45μmの孔サイズの微小孔フィルターを通して濾過される。使用される方法は一般的に、入手できる実験用マニュアルに記載されている(King, L. A. and Possee, R. D., 前記; O’Reilly, D. R. など., 前記;Richardson, C. D., 前記)。上清液からのZTNF9ポリペプチドの続く精製は、本明細書に記載される方法を用いて達成され得る。
【0107】
菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本発明内で使用され得る。これに関して、特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pichia methanolica) を包含する。外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,743号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物(例えばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選択される。
【0108】
サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシステムは、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT1ベクターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びターミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第4,977,092 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び第4,661,454号を参照のこと。
【0109】
他の酵素、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces pombe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermondii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システムは、当業界において知られている。例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCregg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。
【0110】
アスペルギラス細胞は、Mcknight など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,533号により開示される。
【0111】
組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、WIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される。P.メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好ましくは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.メタノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモーター及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコール利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。
【0112】
他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有するプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタノリカへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主細胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。メタノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、両メタノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用することが好ましい。
【0113】
分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーションが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kV/cm,好ましくは約3.75kV/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数(Ω)を有する、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレーションによりP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
【0114】
原核宿主細胞、例えば細菌E.コリ、バシラス及び他の属の菌株はまた、本発明において有用な宿主細胞である。それらの宿主を形質転換し、そしてそこにクローン化される外来性DNA配列を発現するための技法は、当業界において良く知られている(例えば、Sambrookなど., 前記を参照のこと)。細菌、例えばE.コリにおいてZTNF9ポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型的には不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周辺腔に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そして例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変性される。
【0115】
次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア、及び還元された及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収することによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変性及び再生のための必要性を回避することができる。
【0116】
形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞は、選択された宿主細胞の増殖のために必要とされる栄養物及び他の成分を含む培養培地において、従来の方法に従って培養される。種々の適切な培地、例えば定義された培地及び複合培地は、当業界において知られており、そして一般的には、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン及び鉱物を含む。培地はまた、必要とされる場合、成長因子又は血清のような成分も含むことができる。増殖培地は一般的に、外因的に付加されたDNAを含む細胞を、例えば発現ベクター上に担持される選択マーカーにより補足され、又は宿主細胞中に同時トランスフェクトされる必須栄養物における薬物選択又は栄養欠乏により選択するであろう。
【0117】
P.メタノリカ細胞は適切な炭素源、窒素源及び微量栄養物を含んでなる培地において、約25℃〜35℃の温度で培養される。液体培養物は、従来の手段、例えば小さなフラスコの振盪又は発酵器のスパージングにより十分なエアレーションを提供される。P.メタノリカのための好ましい培養培地は、YEPD(2%D−グルコース、2%のBactoTMペプトン(Difco Laboratories, Detroit, MI), 1%のBactoTM 酵母抽出物(Difco Laboratories), 0.004%のアデニン及び0.006%のL−ロイシン)である。
【0118】
発現された組換え体ZTNF9ポリペプチド(又はキメラZTNF9ポリペプチド)は、分別及び/又は従来の精製方法及び媒体を用いて精製され得る。硫酸アンモニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出は、サンプルの分別のために使用される。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体は、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特別なシリカ及び同様のものを包含する。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましく、そしてDEAE Fast-Flow Sepharose(Pharmacia, Piscataway, NJ)が特に、好ましい。
【0119】
典型的なクロマトグラフィー用媒体は、フェニル、ブチル又はオクチル基により誘導体化されたもの、例えばフェニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl ブチル650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharmacia)及び同様のもの;又はポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso Haas)及び同様のものを包含する。適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基材の樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋されたポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用される条件下で不溶性である同様のものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分によるタンパク質の結合を可能にする反応性基より変性され得る。
【0120】
カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及びカルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そして広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。支持媒体にリガンド又は受容体ポリペプチドを結合するための方法は当業界において良く知られている。特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の性質により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照のこと。
【0121】
本発明のポリペプチドは、それらの物性の開発より単離され得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、ヒスチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれらのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( E.Sulkowski, Trends in Biochem. 3: 1−7, 1985)。ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用される金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され、そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶出されるであろう。
【0122】
他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(Methods in Enzymol., Vol. 182, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, ( ed.), Acad. Press, San Diego, 1990, pp. 529−39)。本発明のさらなる態様においては、興味あるポリペプチド、及び親和性標識(例えばGlu-Gku、FLAG、マルトース−結合タンパク質、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を促進するために構成され得る。
【0123】
タンパク質折りたたみ(及び任意には、再酸化)方法が好都合には使用され得る。タンパク質を80%以上の純度、より好ましくは90%以上の純度、さらにより好ましくは95%以上の純度に精製することが好ましく、そして医薬的に純粋な態様、すなわち汚染性高分子、特に他のタンパク質及び核酸に関して、99.9%以上の純度が好ましく、そして感染性及び発熱性剤を有さないことが好ましい。好ましくは、精製されたタンパク質は、他のタンパク質、特に動物起源の他のタンパク質を実質的に有さない。
【0124】
ZTNF9ポリペプチド、又はそのフラグメントはまた、化学合成を通して調製され得る。ZTNF9ポリペプチドは、モノマー又はマルチマーであり得;グリコシル化されても又はグリコシル化されなくても良く;ペルギレ−ト化されても又はペルギレ−トされなくても良く;そして開始メチオニンアミノ酸残基を含んでも又は含まなくても良い。
【0125】
本発明はまた、可溶性ZTNF9リガンドも提供する。好ましくは、可溶性リガンドは、配列番号2のアミノ酸残基68〜81、又は非ヒトリガンドのその対応する領域を含んで成る。1つのそのような好ましい可溶性ZTNF9リガンドは、配列番号2のアミノ酸残基20〜87、配列番号1のヌクレオチド1203〜1407を含んで成る。そのような可溶性ポリペプチドは、ヒトIgとの融合タンパク質を形成するために、His−標識されたタンパク質として、又はN- 又はC−末端FLAGTM−標識されたタンパク質(Hoppなど., Biotechnology6:1204−10,1988)又はGlu−Glu標識されたタンパク質として使用され得る。好ましくは、細胞外受容体−結合ドメインポリペプチドは、トランスメンブラン及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に有さない形で調製される。
【0126】
例えば、受容体−結合ドメインのN−末端は、配列番号2のアミノ酸残基20で、又は対立遺伝子変異体又は非ヒトリガンドのその対応する領域で存在することができる。宿主細胞からの可溶性リガンドの輸送を方向づけるために、切断されたリガンドDNAは、分泌ペプチド、例えばt−PA分泌ペプチドをコードする第2DNAセグメントに連結される。分泌された可溶性リガンドの精製を促進するために、C−末端延長、例えばポリ−ヒスチジン標識、物質P、Flagペプチド(Hoppなど., 前記; Eastman Kodak Co. New Haven, CTから入手できる)、又は抗体又は他の特定の結合剤が利用できるもう1つのポリペプチド又はタンパク質が、N又はC末端のいずれかで、可溶性リガンドポリペプチドに融合され得る。
【0127】
他のアプローチにおいては、細胞外受容体−結合ドメインは、2種の不変領域ドメイン及びヒンジ領域を含むが、しかし可溶領域を欠いている、免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的にはFcフラグメントを有する融合体として発現され得る。そのような融合体は典型的には、マルチマー分子として分泌され、ここでFc部分は、お互いジスルフィド結合され、そして2種のリガンドポリペプチドは、お互い密接に接近して整列される。このタイプの融合体は、インビトロアッセイ手段として、溶液から同起源の受容体を親和性精製するために、そして内因性リガンドを特異的に滴定するか、又は阻止することによってシグナルをインビトロで阻止するために使用され得る。
【0128】
可溶性受容体を精製するためには、ZTNF9−Ig融合タンパク質(キメラ)が、受容体−リガンド結合を促進する条件(典型的には、生理温度に近い温度、pH及びイオン強度)下で、可溶性受容体を含むサンプルに添加される。次に、キメラ−受容体複合体が、固体支持体(例えば、不溶性樹脂ビーズ)上に固定されているプロテインAを用いて、前記混合物により分離される。次に、受容体が、従来の化学的技法、例えば塩又はpHグラジエントを用いて溶出される。他においては、キメラ自体が、上記のようにして行われる結合及び溶出を伴って、固体支持体に結合され得る。集められた画分は、所望する純度レベルに達するまで、再分別され得る。
【0129】
アッセイへの使用に関しては、キメラは、Fc領域を通して支持体に結合され、そしてELISAに使用される。逆に言えば、可溶性TNF受容体−Ig融合タンパク質は、リガンドが同定されなかったTNF受容体を用いて製造され得る。次に、可溶性ZTNF9は、受容体融合タンパク質と共に混合され、そして結合が上記のようにしてアッセイされる。キメラは、体液及び細胞免疫性における抗原の阻害のために、及び移植片及び器官移植片における免疫抑制のために、自己免疫工程の阻害において抗−炎症剤としてインビボで使用され得る。キメラはまた、例えば骨髄移植の間、及びいくつかの癌についての治療剤として、リンパ球細胞の成長を刺激するためにも使用され得る。
【0130】
リガンド−結合受容体(又は抗体、補体/抗補体対の1つのメンバー)、又はその結合フラグメント、及び市販のバイオセンサー装置(BIAcore, Pharmacia Biosensor, Piscataway, NJ)を用いるアッセイシステムが、好都合には、使用され得る。そのような受容体、抗体、補体/抗補体対のメンバー、又はフラグメントは、受容体チップの表面上に固定される。この装置の使用は、Karlsson, J. Immunol. Methods 145: 229−40, 1991 及びCunningham and Wells, J. Mol.Biol. 234: 554−63,1993により開示される。
【0131】
受容体、抗体、メンバー又はフラグメントは、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて、流動細胞内の金フィルムに結合されるデキストラン繊維に共有結合される。試験サンプルが細胞に通される。リガンド、エピトープ又は補体/抗補体対の反対のメンバーがサンプルに存在する場合、それは、それぞれ固定された受容体、抗体又はメンバーに結合し、金フィルムの表面のプラズモン共鳴の変化として検出される、媒体の屈折率の変化を引き起こす。このシステムは、オン−及びオフ−速度の決定を可能にし、これから、結合親和性が計算され、そして結合の化学量の評価が可能にされる。
【0132】
ZTNF9ポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドは、広範囲の種類のTNF受容体−担持の細胞、例えばT細胞、リンパ球細胞、末梢血液単核細胞、多形核白血球細胞、線維芽細胞、造血細胞及び精巣組織における種々の細胞の増殖及び刺激の調節のために使用され得る。他の腫瘍壊死因子、例えばgp39及びTNFβはまた、B細胞増殖も刺激する。ZTNF9ポリペプチドはまた、代謝又は生理学的工程をインビボで仲介することに使用されるであろう。増殖及び分化は、培養された細胞を用いて、インビトロで測定され得る。バイオアッセイ及びELISAは、ZTNF9に対する細胞応答を測定するために利用でき、特に、細胞応答の測定としてサイトカイン生成の変化を測定するそれらである(例えば、Current Protocols in Immunology ed. John E. Coliganなど., NIH, 1996を参照のこと)。アッセイは、他の細胞応答、例えば抗体イソタイプ、単球活性化、NK細胞形成、抗原提供細胞機能、アポプトシスを測定する。
【0133】
種々のアッセイがまた、骨形成及び再吸収を測定するために利用できる。それらのアッセイは、例えば血清カルシウムレベル、破骨細胞サイズ及び数、骨芽細胞サイズ及び数、エストロゲン欠損により誘発される骨減少症、遠位大腿骨(マウス)の癌性骨体積、軟骨性成長プレート及び軟骨細胞形成及び分化を測定する。本発明のztnf9ポリペプチドは、それらのアッセイ、及び本明細書に開示される追加のアッセイ、並びに当業者に容易に知られているアッセイのいずれかにより測定され得る。
【0134】
好ましい態様においては、細胞活性化は、3H−チミジン摂取を用いて、増殖を測定することによって決定される(Crowleyなど., J. Immunol. Meth 133:55-66, 1990)。他方では、細胞活性化は、サイトカイン、例えばIL-2の生成により、又は細胞特異的活性化マーカーの存在の決定により測定され得る。サイトカイン生成は、サイトカイン−依存性細胞の増殖を刺激する、ZTNF9及び細胞培養上清液の能力を試験することによってアッセイされる。細胞特異的活性化マーカーは、そのようなマーカーに対して特異的な抗体を用いて、検出され得る。
【0135】
ZTNF9に対するインビトロ及びインビボ応答はまた、培養された細胞を用いて、又は適切な動物モデルに本発明の分子を投与することによって測定され得る。例えば、ZTNF9トランスフェクトされた(同時−トランスフェクトされた)発現宿主細胞は、アルギン酸塩環境下で包埋され、そして受容体動物中に注入(移植)され得る。アルギネート−ポリ−L−リシン微小封入、透過性膜封入及び拡散チャンバーは、トランスフェクトされた哺乳類細胞又は一次哺乳類細胞を捕獲するための手段として記載されている。
【0136】
それらのタイプの非免疫原性“封入”又は微小環境は、微小環境への栄養物ノトランスファーを可能にしそして又は、捕獲された細胞により分泌され又は開放されるタンパク質及び他の高分子の環境バリアーを通して受容体動物への拡散を可能にする。最も重要なことには、カプセル又は微小環境は、受容体動物の免疫応答から外来性の包埋された細胞をマスクし、そして遮断する。そのような微小環境は、注入される細胞の寿命を、数時間又は数日(裸細胞)から数週間(包埋された細胞)まで拡張することができる。
【0137】
アルギン酸塩糸は、包埋された細胞を生成するための単純且つ迅速な手段を提供する。アルギン酸塩糸を生成するために必要とされる材料は、容易に手に入れることができそして比較的安価である。製造されると、そのアルギン酸塩糸は、インビトロで、及びその糸を用いて得られるデータに基づいて、インビボで、比較的強く且つ耐久性がある。そのアルギン酸塩糸は容易に操作でき、そしてその方法論は多くの調製のために評価できる。典型的な方法においては、3%のアルギン酸塩が、無菌水において調製され、そして滅菌濾過される。アルギン酸塩糸の調製の直前、アルギン酸塩溶液が再び濾過される。約50%の細胞懸濁液(1ml当たり約5×105個〜約5×107個の細胞を含む)が3%アルギン酸塩溶液と共に混合される。
【0138】
1mlのアルギン酸塩/細胞懸濁液が、約15分間にわたって、100mMの滅菌濾過されたCacl2 溶液中に押し出され、“糸(Thread)”が形成される。次に、押し出された糸は、50mMのCacl2の溶液に移され、そして次に25mMのCacl2の溶液に移される。次に、糸が、脱イオン水によりすすがれ、その後、ポリ−L−リシンの0.01%溶液においてインキュベートすることによって糸を被覆する。最後に、糸は乳酸塩化されたリンガー溶液によりすすがれ、そして注射器(針のない)中に溶液から抜き取られる。次に大きな孔の針がその注射器につけられ、そして糸が最少量の乳酸塩化されたリンガー溶液において受容体中の腹腔内注入される。
【0139】
本発明のタンパク質をアッセイするための別のインビボアプローチは、ウィルス供給システムを包含する。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV)を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種拡散の供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベクターである(T. C. Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and D.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。
【0140】
アデノウィルスシステムは次のいくつかの利点を付与する:( i )アデノウィルスは比較的大きなDNA挿入体を適応せしめることができ;( ii )高い力価に増殖され得;( iii )広範囲の哺乳類細胞型を感染せしめ;そして( iv )異なったプロモーターを含む多数の利用できるベクターと共に使用され得る。また、アデノウィルスは血流において安定しているので、それらは静脈内注射により投与され得る。アデノウィルス遺伝子供給に関連するいくつかの欠点(特に、遺伝子療法に関する)は、(i)宿主ゲノム中への非常に低い効率の組み込み;(ii)主にエピソーム形での存在;及び(iii) アデノウィルスベクターの再投与を除く、投与されたウィルスに対する宿主免疫応答を包含する。
【0141】
アデノウィルスゲノムの一部を欠失することによって、異種DNAのより大きな挿入体(7kbまでの)が適応され得る。それらの挿入体は、直接的な結合により又は同時トランスフェクトされたプラスミドとの相同組換えにより、ウィルスDNA中に組み込まれ得る。典型的なシステムにおいては、必須E1遺伝子がウィルスベクターから欠失され、そしてウィルスは、E1遺伝子が宿主細胞(ヒト293細胞系が典型である)により供給されなければ、複製しないであろう。損なわれていない動物に静脈内投与される場合、アデノウィルスは主に、肝臓を標的化する。アデノウィルス供給システムがE1遺伝子欠失を有する場合、ウィルスは宿主細胞において複製することができない。
【0142】
しかしながら、宿主の組織(例えば、肝臓)は、異種タンパク質を発現し、そしてプロセッシングするのであろう(そして、分泌シグナル配列が存在する場合、分泌する)。分泌されたタンパク質は高く血管化された肝臓において循環に入り、そして感染された動物に対する効果が決定され得る。
アデノウィルスシステムはまた、インビトロでのタンパク質生成のためにも使用され得る。アデノウィルス感染された非−293細胞を、その細胞が急速に分裂しないような条件下で培養することによって、前記細胞は長時間、タンパク質を生成することができる。例えば、BHK細胞は、細胞工場において集密性まで増殖され、次に興味ある分泌されたタンパク質をコードするアデノウィルスベクターに暴露される。
【0143】
次に、細胞が、有意な細胞分裂を伴わないで、感染された細胞の数週間の生存を可能にする血清フリー条件下で増殖せしめられる。他方では、アデノウィルスベクター感染された293S細胞が、有意な量のタンパク質を生成するために、比較的高い細胞密度で、懸濁培養において増殖せしめられ得る( Garnier など., Cytotechnol. 15: 145−55, 1994 を参照のこと)。いずれかのプロトコールにより、発現され、分泌された異種タンパク質が、細胞における発現されたタンパク質の素因に依存して、細胞培養物上清液から反復して単離され得る。感染された293S 細胞生成プロトコールにおいては、分泌されていないタンパク質が効果的に得られる。
【0144】
十分に確立された動物モデルは、一定の疾病状態についてのZTNF9ポリペプチドのインビボ効能を試験するために利用できる。特に、ZTNF9ポリペプチドは、自己免疫疾患の多くの動物モデル、例えばNODマウス、インスリン依存性糖尿病(IDDM)についての自発的モデルシステムにおいて、その動物モデルにおける非応答性の誘発を研究するためにインビボで試験され得る。疾病の開始の前又はその開始の後、ZTNF9ポリペプチドの投与は、NODマウスにおける尿グルコースレベルのアッセイによりモニターされ得る。他方では、自己免疫疾患、例えば実験的なアレルギー性脳炎(EAE)の誘発されたモデルは、ZTNF9ポリペプチドを投与され得る。予防又は介在性態様での投与に続いて、EAEの臨床学的兆候がモニターされ得る。
【0145】
ZTNF9ポリペプチドはまた、ZTNF9エピトープ、ペプチド又はポリペプチドに対して特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。ポリクローナル及びモノクローナル抗体を調製するための方法は、当業界において良く知られている。例えば、Current Protocols in Immunology, Cooligan, など., (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995; Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982 を参照のこと。当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えば馬、ウシ、ヤギ、羊、犬、鶏、ウサギ、マウス、及びラットを、zFGF12ポリペプチド又はそのフラグメントにより接種することにより生成され得る。
【0146】
ZTNF9ポリペプチドの免疫性は、アジュバント、例えばミヨウバン(水酸化アルミニュウム)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用により高められ得る。免疫化のために有用なポリペプチドはまた、免疫グロブリン ポリペプチド又はマルトース結合タンパク質との融合体ポリペプチド、例えばZTNF9又はその一部の融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部分は、免疫化のために、高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に都合良く連結又は結合され得る。
【0147】
本明細書で使用される場合、用語“抗体”とは、ポリクローナル抗体、親和性精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗原結合フラグメント、例えばF(ab’)2及びFabタンパク質分解性フラグメントを包含する。遺伝子的に構築された損なわれていない抗体又はフラグメント、例えばキメラ抗体、Fvフラグメント、一本鎖抗体及び同様のもの、並びに合成抗原結合ペプチド及びポリペプチドもまた包含される。非ヒト抗体は、ヒト骨格及び不変領域上に非ヒトCDRのみを移植することによって、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込むことによって(任意には、暴露された残基の置換によってヒト−様表面によりそれらのドメインを“おおう(cloaking)”ことによって;ここで結果物は“張り合わされた”抗体である)、ヒト適合され得る。多くの場合、ヒト適合された抗体は、正しい結合特性を増強するために、ヒト可変領域骨格ドメイン内に非ヒト残基を保持することができる。
【0148】
ヒト型化抗体を通して、生物学的半減期が高められ、そしてヒトへの投与に基づく有害な免疫反応の可能性が低められる。ZTNF9ポリペプチドに対して指図されたヒト適合されたモノクローナル抗体は、特に免疫療法剤としての使用のために、タンパク質治療剤として使用され得る。本明細書において有用な抗体を生成し又は選択するための他の技法は、ZTNF9タンパク質又はペプチドへの精巣組織のインビトロ暴露、及びファージ又は類似するベクターにおける抗原表示ライブラリーの選択(例えば、固定された又はラベルされたZTNF9タンパク質又はペプチドの作用を通して)を包含する。
【0149】
抗体は、それらが106M-1又はそれ以上、好ましくは107M-1又はそれ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは109M-1又はそれ以上の結合親和性(Ka)を有するzFGF12ポリペプチドに結合する場合、特異的に結合するものとして定義される。抗体の結合親和性は、当業者によって容易に決定され得る(例えばScatchard 分析による)。
【0150】
当業者に知られている種々のアッセイが、ZTNF9タンパク質又はペプチドに特異的に結合する抗体を検出するために使用され得る。典型的なアッセイは、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and lane (Eds.), Cold Speing Harbor Laboratory Press, 1988 に詳細に記載されている。そのようなアッセイの代表的な例は次のものを包含する:同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、ラジオイムノ沈殿、ELISA、ドットブロット又はウェスターンブロットアッセイ、阻害又は競争アッセイ、及びサンドイッチアッセイ。さらに、野生型対変異体のZTNF9タンパク質又はペプチドに結合する抗体がスクリーンされ得る。
【0151】
ZTNF9に対する抗体は、例えば診断アッセイへの使用のために、ヒトZTNF9を発現する細胞の免疫組織化学的標識のために;アフィニティー精製によりZTNF9を単離するために;発現ライブラリーをスクリーニングするために;抗-インディオタイプ抗体を生成するために;及びインビトロでZTNF9を阻止するための中和抗体又はアンタゴニスとして使用され得る。適切な直接的標識又はラベルは、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子及び同様のものを包含し;間接的な標識又はラベルは、中間体としてのビオチン−アビジン又は他の補体/抗−補体対の使用を特徴とする。本発明書における抗体及び結合タンパク質はまた、薬物、トキシン、放射性核種、及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体はインビボ診断又は治療用途のために使用され得る。
【0152】
可溶性ZTNF9ポリペプチドに対する抗体がまた調製され得る。好ましい可溶性ZTNF9ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基20〜87、又はアミノ酸ループ、すなわち配列番号2のアミノ酸残基62〜81、又は配列番号2のアミノ酸70〜78の相互作用領域を含んで成る。好ましくは、そのような可溶性ポリペプチドは、His, Glu-Glu又はFLAG標識される。他方では、そのようなポリペプチドは、ヒトIgと融合タンパク質を形成する。特に、His−、Glu−Glu−又はFLAG−標識された可溶性ZTNF9に対して指図された抗−ポリペプチド抗体を含む抗血清が、ヒト又は霊長類組織に対する免疫組織化学により、ZTNF9を結合する、ZTNF9又は受容体の組織分布の分析に使用され得る。
【0153】
それらの可溶性ZTNF9ポリペプチドはまた、可溶性ヒトZTNF9ポリペプチドに対するモノクローナル抗体を生成するために、マウスを免疫化するためにも使用され得る。可溶性ヒトZTNF9ポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、当業界において知られている方法、例えば三色蛍光免疫血球法を用いて、造血細胞分布を分析するために使用され得る。可溶性ヒトZTNF9ポリペプチドに対するモノクローナル抗体はまた、リガンド/受容体対の活性化又は不活性化をもたらす、リガンド/受容体カップリングを模倣するためにも使用され得る。
【0154】
例えば、架橋性抗−可溶性GP39モノクローナル抗体は、T細胞からB細胞へのシグナルを阻害する(Noelleなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 6650, 1992)。ZTNF9に対するモノクローナル抗体は、組織分布研究により同定される特定細胞系、特にT細胞系に対するZTNF9受容体/ ZTNF9リガンド対の分布、調節及び生物学的相互作用を決定するために使用され得る。ZTNF9に対する抗体はまた、生物学的サンプルにおける分泌された可溶性ZTNF9を検出するためにも使用され得る。
【0155】
抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは好ましくは、配列番号2の少なくとも4〜10個のアミノ酸、少なくとも10〜15個のアミノ酸、又は約15〜約30個のアミノ酸を含む。そのようなエピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるようにZTNF9ポリペプチドのフラグメント化又は化学的ペプチド合成により生成され得る。さらに、エピトープは、ランダムペプチドライブラリーのファージ表示により選択され得る(例えば、Lane and Stephen, Curr. Opin. Immunol. 5: 268, 1993, 及びCortese など., Curr. Opin. Biotechnol. 7: 616, 1996を参照のこと)。
【0156】
エピトープを含んで成る小さなペプチドからエピトープを同定し、そして抗体を生成するための標準の方法は、例えばMole, “Epitope Mapping,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.), Pages 105-16 (The Humana Press, Inc., 1992), Price, “Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), page 60-84 (Cambridge University Press 1995), 及びColigan など. (eds.), Current Protocols in Immunology, pages 9.3.1-9.3.5 and pages 9.4.1-9.4.11 (John Wiley & Sons, 1997)により記載される。
【0157】
ZTNF9ポリペプチドはまた、ZTNF9エピトープ、ペプチド又はポリペプチドに対して特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。ZTNF9ポリペプチド又はそのフラグメントは、動物を接種し、そして免疫応答を誘発するための抗原(免疫原)として作用する。当業者は、抗原性エピトープ−担持のポリペプチドがZTNF9ポリペプチド(例えば、配列番号2)の少なくとも6、少なくとも9及び少なくとも15〜約30個の連続したアミノ酸残基の配列を含むことを認識するであろう。ZTNF9ポリペプチドの大きな部分、すなわちアミノ酸配列の30〜10個の残基〜その全体の長さの配列を含んでなるポリペプチドが含まれる。抗原又は免疫原性エピトープはまた、本明細書に記載されるように、結合された標識、アジュバンド及びキャリヤーを含むことができる。適切な抗原は、配列番号2のアミノ酸番号1〜アミノ酸番号87によりコードされるZTNF9ポリペプチド、又は連続した9〜87個のそのアミノ酸フラグメントを含む。
【0158】
例示のように、ZTNF9における可能性ある抗原性部位は、LASERGENE(DNASTAR; Madison, WI)のPROTEANプログラム(バージョン3.14)により実行されるような、Jameson-Wolf Method, Jameson and Wolf, CABIOS4: 181, (1988)を用いて同定された。誤りのパラメーターがこの分析において使用された。
【0159】
適切な抗原は、配列番号2の残基20〜40;配列番号2の残基45〜51;及び配列番号2の残基57〜68を包含する。親水性ペプチド、例えば疎水性プロットから当業者により予測されるそれらのペプチドはまた、免疫原である。ZTNF9親水性ペプチドは、配列番号2の残基20〜39;及び配列番号2の残基42〜69から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んで成るペプチドを包含する。さらに、抗原は、折りたたまれたタンパク質の表面上にたぶん存在するポリペプチドの部分に対して生成され得る。それらの抗原は、配列番号2の残基21〜26;及び配列番号2の残基30〜35を包含する。
【0160】
それらの抗原による動物の接種により生成される免疫応答からの抗体は、本明細書に記載のようにして単離され、そして精製され得る。ポリクローナル及びモノクローナル抗体を調製し、そして単離するための方法は、当業界において良く知られている。例えば、Current Protocols in Immunology, Cooligan, など., (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995; Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982 を参照のこと。
【0161】
ZTNF9リガンドポリペプチド及び可溶性ZTNF9リガンドは、TNFRファミリーにおける受容体を同定し、そして特徴付けるために使用され得る。ZTNF9のための受容体はたぶん、まだ同定されていないTNFRであるが、しかしZTNF9はTNFRファミリーの1つの既知メンバー、例えばTNFを結合し、そしてリンフォトキシン−αはTNF受容体に結合する。本発明のタンパク質及びペプチドがカラム上に固定され、そして膜調製物がそのカラム上に通される(Immobilized Affinity Ligand Techniques, Hermanson など., eds., Academic Press, San Diego, CA, 1992, pp.195-202)。
【0162】
タンパク質及びペプチドはまた、放射性ラベルされ(Methods in Enzymol., vol. 182, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, ed., Acad. Press, San Diego, 1990, 721-737)、又は光親和性ラベルされ(Brunner など., Ann. Rev. Biochem. 62: 483-514, 1993及びFedan など., Biochem. Pharnacol. 33: 1176-1180, 1984)、そして特定の細胞−表面タンパク質が同定され得る。可溶性リガンドは、組織又は特定細胞系上での受容体の分布の研究において、及び受容体/リガンド生物学の研究において有用である。
【0163】
受容体−担持の標的細胞を破壊する機構として、それらの受容体に対するTNFリガンドの特異性がまた利用され得る。例えば、毒性化合物は、ZTNF9リガンド、特に可溶性リガンドにカップリングされ得る(Mesriなど., J. Biol. Chem. 268: 4853-62, 1993)。毒性化合物の例は、標的細胞を不活性化する放射性医薬;化学療法剤、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、メトトレキセート及びサイトキサン;トキシン、例えばリシン、ジフテリア、シュドモナス内毒素A及びアブリン;及び細胞毒性T−細胞表面分子に対する抗体を包含する。
【0164】
ZTNF9発現の組織特異性は、精子形成、すなわち血液細胞の成長に類似する工程(造血)において役割を示す。手短には、精原細胞は、造血幹細胞の分化に類似する成熟工程を受ける。ZTNF9について観察される組織特異性の観点においては、アゴニスト及びアンタゴニストは、インビトロ及びインビボ適用において莫大な可能性を有する。ZTNF9ポリペプチド、アゴニスト及びアンタゴニストはまた、精子形成の調節において有用であることがわかっており、そして従って、不妊症の克服を助ける。アンタゴニストは、リガンド−受容体相互作用の部位を特徴づけるための研究試薬として有用である。インビボにおいて、ZTNF9ポリペプチド、アゴニスト及びアンタゴニストは、男性不妊症の処理において、又は男性用避妊薬として使用され得る。
【0165】
本発明のZTNF9ポリペプチド、アンタゴニスト又はアゴニストはまた、精子受精獲得を調節することができる。卵母細胞又は卵に達し、そして卵−精子相互作用を開始する前、精子は活性化されるべきである。精子は、インビトロで3又は4時間、続く徐々の受精能獲得を受け、この間、精子頭部の形質膜、及びアクロソーム外膜が、アクロソーム酵素の開放を促進する小胞を形成するために融合する。アクロソーム膜は、精子頭部における核の前端に位置するアクロソーム又は先体を取り囲む。卵を受精する精子のためには、精子は卵母細胞を侵入すべきである。この工程を可能にするためには、精子は、アクロソーム反応としても知られているアクロソームエキソサイトーシスを受けるべきであり、そして卵母細胞の近くでのアクロソーム酵素を開放する。
【0166】
それらの酵素は種々の卵母細胞層(卵丘、放射冠及び透明帯)の精子による侵入を可能にする。開放されるアクロソーム酵素は、他の酵素、例えばプロテアーゼの他に、ヒアルロニダーゼ及びプロアクロシンを包含する。アクロソーム反応の間、プロアクロシンはアクロシンに転換され、この酵素の活性形は、結合する前、必要とされ、そして生存すべきであり、そして透明帯の侵入が可能である。アクロゾーム分解酵素及び精子尾運動の組合せが、卵母細胞層への精子の侵入を可能にする。多くの精子は卵に達し、そして卵が最終的に受精され得る前、アクロソーム酵素を開放する。1つの精子のみが、卵に都合よく結合し、侵入し、そして受精し、この後、透明帯が硬化し、その結果、他の精子は卵を侵入することができない(Zaneveld, Male Infertility Chapter 11, Comhaire (Ed.), Chapman & Hall, London, 1996)。
【0167】
ペプチドホルモン、例えばインスリン相同体は、精子活性化及び卵−精子相互作用に関連する。例えば、レラキシンと共にインキュベートされた、受精能獲得された精子は、高められた%の前進性運動精子、高められた透明帯侵入速度、及び高められた%の生存アクロソーム−反応精子を示す(Carrellなど., Endocr. Res. 21: 697-707, 1995)。精巣へのZTNF9の局在化は、本明細書に記載されるZTNF9ポリペプチドがそれらの及び他の生殖工程において役割を演じることを示唆する。
【0168】
従って、本発明のタンパク質は、ヒト及び動物における助力された生殖の間、受精能を増強することに適用され得る。そのような助力された生殖方法は、当業界において知られており、そして人工授精、インビトロ受精、胚トランスファー及び配偶子イントラファロピアントランスファーを包含する。そのような方法は、天然の受胎を妨げる生理学的又は代謝障害を有する男性及び女性を助力するために有用であるか、又はインビトロ受精を増強するために使用され得る。そのような方法はまた、動物繁殖プログラムに、例えば家畜繁殖のためにも使用され、そしてトランスジェニック動物の創造のための方法として使用され得る。本発明のタンパク質は、卵の受精の前、精子、卵又は卵−精子混合物と共に組み合わされ得る。
【0169】
いくつかの種においては、精子は、インビトロ受精工程の間、自発的に受精能獲得するが、しかし通常、精子は、インビボ及びインビトロの延長された時間にわたって受精能獲得する。そのような工程の間、成功した受精の傾向を増強するために、精子活性化を高かめることが好都合である。洗浄された精子、又はそのような助力された生殖方法に使用される精液血漿から除去された精子は、変更された生殖機能、特に低められた運動性及び透明帯相互作用を有することが示されている。助力された生殖方法の間、受精を増強するためには、精子は、外因的に添加される化合物を用いて、受精能を獲得される。
【0170】
正常な対象からの精液血漿における、又は精子を活性化することが知られている化合物、例えばカフェイン、ジブチル環状アデノシン一リン酸(dbcAMP)又はテオフィリンのカクテルを含む“受精能獲得媒体”における精子の懸濁は、精子の改良された生殖機能、特に精子運動性及び透明帯侵入をもたらした(Park など., Am. J. Obstet. Gvnecol. 158: 974-9, 1988; Vandevoortなど. , Mol. Repro. Develop. 37: 299-304,1993 ; Vandevoort and Overstreet, J. Androl. 16: 327-33, 1995)。インビボでの及び低温保存された精液に関連しての免疫反応性レラキシンの存在は、精子運動性を有意に高めることが示されている(Juang など. , Anim. Reprod. Sci. 20: 21-9,1989 ; Juang など. , Anim. Reprod. Sci. 22: 47-53,1990)。
【0171】
ブタレラクシンは、低温保存されたヒト精子における精子運動性を刺激し(Colon など., Fertil. Steril. 46: 1133-39,1986 ; Lessingなど. , Fertil. Steril. 44 : 406-9,1985)、そしてインビトロでの頸部粘液を侵入する、洗浄されたヒト精子の能力を保存した(Brenner など., Fertil. Steril. 42: 92-6,1984)。本発明のポリペプチドは、低温保存された精子の生存性を増強し、精子運動性を増強し、そして特に、助力された生殖方法と共に、受精能を増強するために、そのような方法に使用され得る。
【0172】
妊娠を望まない場合、ZTNF9ポリペプチド又はポリペプチドフラグメントは、ヒト及び動物における成功した生殖に対して決定的な工程を選択的に阻害するために、抗体及び/又は細胞介在性免疫性の形成を誘発するための“免疫妊娠”又は“抗受精”ワクチンにおける成分としての使用のための胚芽−細胞−特異的抗原として機能することができる。免疫避妊薬の開発における精子及び精巣抗原の使用は記載されている(O'Hern など. , Biol Reprod. 52: 311-39,1995 ; Diekman and Herr, Am. J. Reprod. Immunol. 37: 111-17,1997 ; Zhu and Naz, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4704-9, 1997)。ジフテリア又はテタヌスキャリヤーに連結されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)に基づくワクチンは、臨床学的試験に存在した(Talwar など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 8532- 36,1994)。
【0173】
1回の注射は、ウサギにおいて、ほぼ1年間、持続する高い力価の抗体の生成をもたらした(Stevens, Am. J. Reprod. Immunol. 29: 176-88, 1993)。ワクチンを用いるそのような免疫妊娠方法は、ZTNF9精巣−特異的タンパク質又はそのフラグメントを包含する。ZTNF9タンパク質又はフラグメントは、キャリヤータンパク質又はペプチド、例えばテタヌス又はジフテリアトキソイドに接合され得る。上記に記載されるアジュベントが包含され得、そして前記タンパク質又はフラグメントは、固有の免疫反応性を増強するために他の分子により非共有的に結合され得る。投与方法、及び投与の回数を決定するための方法は、当業界において知られている。そのような方法は、数週間にわたっての多くの一次注射、続いて、適切な抗体力価を維持するために、必要により追加免疫化注射を包含する。
【0174】
本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、核酸、そして/又は、抗体は、生殖腺の発達、思春期の変化、受胎力、生殖の現象に関連する神経痛、男性の性的な機能不全、不能症、精巣癌、および機能不全に関連している疾患の治療に使用され得る。本発明の分子類は、そのような種々の組織、例えば精巣における病理学的状態の進行を変調するか、処理するか、又は以前は予防するために使用され得る。特に、ある症候群又は疾病がそのような診断、治療又は予防に従順であるかもしれない。そのうえ、精子形成などの自然の機能は、発明の分子類により産児制限への使用のために抑圧されるか、又は制御され得る。
【0175】
卵巣において発現される分子、例えばZTNF9ポリペプチドは、生殖カスケードのホルモン、ホルモン受容体、成長因子、又は細胞−細胞相互作用を成長を変調することができ、又は精子形成又は精巣成長に包含され、生殖器官の癌のためのマーカーとして、及び腫瘍細胞のホルモン依存性成長及び/又は進行の阻害によるホルモン依存性癌のための治療剤として有用である。ヒト生殖システムの癌、例えば精巣及び前立腺癌は通常である。さらに、生殖カスケードに関与するステロイドホルモンのための受容体が、ヒト腫瘍及び腫瘍細胞系(乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、腎臓癌及び膵臓癌)に見出される(Kakarなど., Mol. Cell. Endocrinol. 106: 145-49, 1994; Kakar and Jennes, Cancer Letts., 98: 57-62, 1995)。従って、生殖組織におけるZTNF9の発現は、本発明のポリペプチドが生殖細胞癌の検出及びモニターのための診断方法において有用であることを示唆する。
【0176】
本発明の診断方法は、可能性ある生殖性癌、例えば精巣又は前立腺癌についての生殖機能又は評価の分析を受ける患者の血清又は組織生検におけるZTNF9ポリペプチドの検出を包含する。そのようなポリペプチドは、ZTNF9ポリペプチドエピトープを認識できる、本明細書に記載されるイムノアッセイ技法及び抗体を用いて検出され得る。
【0177】
より特定には、本発明は、
固体支持体に結合される抗体に、ZTNF9ポリペプチドを実質的に含む試験サンプルを暴露し、ここで前記抗体はZTNF9ポリペプチドの第1エピトープに結合し;
末結合の汚染物を除去するために、前記固定された抗体−ポリペプチドを洗浄し;
ZTNF9ポリペプチドの第2エピトープに向けられる第2抗体に、前記固定された抗体−ポリペプチドを暴露し、ここで前記第2抗体は検出できるラベルにより結合され;そして
前記検出できるラベルを検出することを含んで成る、ZTNF9ポリペプチドを検出するための方法を企画する。試験サンプル、例えば血清、精液、尿、汗、唾液、生検及び同様のものにおける変更されたレベルのZTNF9ポリペプチドが、正常対照に比較される場合、生殖機能又は生殖性癌又は疾患の徴候としてモニターされ得る。
【0178】
例えば、本明細書に開示されるヌクレオチド配列に起因するプローブ又はプライマーを用いての追加の方法はまた、患者サンプル、例えば血液、尿、精液、唾液、汗、生検、組織サンプル、又は同様のものにおけるZTNF9発現を検出するためにも使用され得る。例えば、プローブは、腫瘍組織にハイブリダイズされ得、そしてそのハイブリダイズされた複合体は、現場ハイブリダイゼーションにより検出され得る。ZTNF9配列はまた、鋳型としてサンプルmRNAの逆翻訳により生成されるcDNAを用いてPCR増幅により検出され得る(PCR Primer A Laboratory Manual, Dieffenbach and Dveksler, eds., Cold Spring Harbor Press, 1995)。正常な対照に比較される場合、対照の発現に対して、患者サンプルにおけるZTNF9発現の上昇又は下降がモニターされ、そして疾病のインジケーター又は診断剤として使用され得る。
【0179】
さらに、腫瘍進行及び転移に対するZTNF9の活性及び効果は、インビボで測定され得る。いくつかの同系マウスモデルが、腫瘍進行に対するポリペプチド、化合物又は他の処理の影響を研究するために開発された。それらのモデルにおいては、培養物において継代培養された腫瘍細胞が、腫瘍ドナーとして、同じ株のマウス中に移植される。細胞は受容体マウスにおいて類似する特徴を有する腫瘍中で増殖し、そして転移もまた、モデルのいくつかにおいて発生するであろう。腫瘍モデルは、中でも、Lewis肺癌(Atcc No. CRL−1642)及びB16黒色種(ATCC No. CRL−6323)を包含する。それらは両者とも、通常使用される腫瘍系であり、インビトロで容易に培養でき、そして操作される、C57BL6マウスに対して同系である。それらの細胞系のいずれかの移植に起因する腫瘍は、C57BL6マウスにおける肺に転移できる。
【0180】
Lewis肺癌モデルは最近、脈管形成のインヒビターを同定するためにマウスに使用されている(O’Reilly MS, など., Cell79: 315-328, 1994)。C57BL6/Jマウスは、組換えタンパク質、アゴニスト又はアンタゴニストの毎日1回の注入、又は組換えアデノウィルスの1回の注入を通して、実験剤により処理される。この処理の3日語、105〜106個の細胞が背面皮膚下に移植される。他方では、細胞自体が、移植の前、組換えアデノウィルス、例えばZTNF9を発現するアデノウィルスにより感染され、その結果、タンパク質が全身的によりも、腫瘍部位で又は細胞内的に合成される。マウスは通常、5日以内で、眼に見える腫瘍に増殖する。腫瘍は3週間、増殖せしめられ、この間、腫瘍は対照の処理されたグループにおいて1500〜1800mm3のサイズに達することができる。腫瘍サイズ及び重量は、実験を通して注意してモニターされる。
【0181】
殺す時点で、腫瘍は肺及び肝臓と共に除去され、そして計量される。肺の重量は、転移性腫瘍の重量と十分に相互関係することが示された。追加の測定として、肺表面転移が計数される。切除された腫瘍、肺及び肝臓が、当業界において知られており、そして本明細書に記載される方法を用いて、組織病理学的試験、免疫組織化学及び現場ハイブリダイゼーションのために調製される。血管形成を補充し、そして転移を受ける腫瘍の能力に対する、問題の発現されたポリペプチド、例えばZTNF9の影響が評価され得る。さらに、アデノウィルスを使用することとは別に、移植された細胞が、ZTNF9により一般的にトランスフェクトされ得る。
【0182】
さらに、精製されたZTNF9又はZTNF9−ならし培地が、このマウスモデルに直接的に注入され、そして従って、このシステムに使用され得る。安定したZTNF9トランスフェクトの使用、及びZTNF9発現をインビボで活性化するためへの誘発可能プロモーターの使用は、当業界において知られており、そして転移のZTNF9誘発を評価するためにこのシステムに使用され得る。一般的な文献については、O’Reilly MS. など., Cell 79: 315-328, 1994; 及びRusciano D, など., Murine Models of Liver Metastasis, Invasion Metostasis, 14: 349-361, 1995を参照のこと。
【0183】
本発明はまた、単離され、そして精製されたZTNF9ポリヌクレオチドプローブを提供する。そのようなポリヌクレオチド プローブは、RNA又はDNAである得る。DNAは、cDNA又はゲノムDNAのいずれかであり得る。ポリヌクレオチド プローブは一本鎖又は二本鎖DNAまたはRNA、一般的には合成オリゴヌクレオチドであるが、しかしクローン化されたcDNA又はゲノム配列から生成され得、そして一般的には、少なくとも16個のヌクレオチド、しばしば17個〜25個又はそれ以上のヌクレオチド、時々、40〜60個のヌクレオチド、及び多くの場合、実質的な部分、ドメイン又はさらに、完全なZTNF9遺伝子又はcDNAさえも含んで成る。本発明の合成オリゴヌクレオチドは、代表的なZTNF9 DNA配列(配列番号1)又はその補体に対して少なくとも80%の同一性を有する。
【0184】
プローブを構成する好ましい領域は、5’ 及び/又は3’ コード配列、受容体結合領域、細胞外、トランスメンブラン及び/又は細胞質ドメイン、シグナル配列及び同様のものを含む。ポリヌクレオチド プローブを開発するための技法及びハイブリダイゼーション技法は、当業界において知られており、たとえばAusubel など., eds., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Ins., NY, 1991 を参照のこと。プローブとしての使用のためには、分子は、検出できるシグナルを供給するために、たとえば酵素、ビオチン、放射性核種、蛍光団、化学発光体、常磁性粒子及び多くの源、たとえばMolecular Probes, Inc., Eugene, OR, 及びAmersham Corp., Arlington Heights, IL から市販されている同様のものにより、当業界において良く知られている技法を用いてラベルされ得る。
【0185】
そのようなプローブはまた、サンプル中のZTNF9遺伝子又はmRNA転写体の存在を検出し、又はその量を定量化するためにハイブリダイゼーションにおいて使用され得る。ZTNF9ポリヌクレオチドプローブは、蛍光現場ハイブリダイゼーション(FISH)又は免疫組織化学のような技法を用いて、診断目的のためにDNA又はRNA標的物にハイブリダイズするために使用され得る。
ポリヌクレオチドプローブは、ZTNF9−様タンパク質をコードする遺伝子を同定するために使用され得る。たとえば、ZTNF9ポリヌクレオチドは、腫瘍壊死因子ファミリーの他の新規メンバーを同定するためにPCR反応においてプライマー及び/又は鋳型として使用され得る。
【0186】
そのようなプローブはまた、新規腫瘍壊死因子をコードする関連する配列のためのライブラリーをスクリーンするためにも使用され得る。そのようなスクリーニングは、プローブ配列に対して、実質的に相同であるが、しかし完全な相同性を必要としない配列の同定を可能にする低い緊縮条件下で実施される。そのような方法及び条件は、当業界において良く知られており、たとえば、Sambrook など., Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY,1989 を参照のこと。そのような低い緊縮条件は、42℃以下のハイブリダイゼーション温度、50%以下のホルムアルデヒド濃度、及び中位〜低い濃度の塩を包含する。ライブラリーは、ゲノムDNA又はDNAから製造され得る。
【0187】
ポリヌクレオチドプローブはまた、サザン、ノザン、又はスロット ブロット、コロニー及びプラーク ハイブリダイゼーション及び現場ハイブリダイゼーションのためにも有用である。スクリーニングシステムにおいては、感度、又は低コピー数の標的物の検出を高める、異なったZTNF9ポリペプチドプローブの混合物が調製され得る。
【0188】
ZTNF9ポリペプチドは、診断システムに使用され得る。ZTNF9に対して特異的に結合する抗体又は他の剤はまた、循環受容体又はリガンドポリペプチドの存在を検出するために使用され得る。そのような検出方法は、当業界において良く知られており、そして例えば、酵素結合された免疫吸着アッセイ(ELISA)及びラジオイムノアッセイを包含する。免疫組織科学的にラベルされた抗体が、組織サンプルにおけるZTNF9リガンドを検出するために使用され得る。ZTNF9レベルはまた、RT−PCRのような方法によりモニターされ得、ここでZTNF9 mRNAが検出され、そして定量化され得る。
【0189】
そのような方法は、受容体又はリガンドポリペプチドレベルをモニターし、そして定量化するための診断手段として使用され得る。そのような検出方法に由来する情報は、種々の疾病におけるZTNF9ポリペプチドの有意性の洞察力提供し、そして変更されたレベルのZTNF9が有意である疾病についての診断方法を提供する。変更されたレベルのZTNF9リガンドポリペプチドは、癌、自己免疫疾患、炎症及び免疫欠損を包含する病理学的状態の表示である得る。
【0190】
本明細書に開示されるZTNF9ポリヌクレオチド及び/又はポリペプチドは、治療剤として有用であり、ここでZTNF9アゴニスト及びアンタゴニストは、細胞、組織及び/又は生物学的流体における1又は複数の生物学的工程を変調することができる。TNFファミリーの多くのメンバーは、リンパ細胞上に発現され、そして異なった免疫細胞間の相互作用を仲介する。TNFとZTNF9との相同性は、ZTNF9が免疫応答の調節、特にリンパ球の活性化及び調節において役割を演じることを示唆する。ZTNF9ポリペプチド及びZTNF9アゴニストは、免疫欠損の処理のための治療剤として有用である。ZTNF9ポリペプチド、ZTNF9アゴニスト及びアンタゴニストは、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、クローン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)及び全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患の処理のための治療プロトコールに使用され得る。
【0191】
ZTNF9ポリペプチド及びZTNF9アゴニストは、感染を攻撃し、そしてアレルギー症状の軽減を提供するための処理において、抗−ウィルス応答を調節するために使用され得る。ZTNF9ポリペプチド及びZTNF9アゴニストはまた、細胞アポプトーシスのメディエイターとして作用することによって癌細胞成長を阻害するためにも使用され得る。ZTNF9ポリペプチド及びZTNF9アゴニストはまた、一定の癌、例えば肺癌、小細胞癌、鱗状細胞癌、大細胞癌及び腺癌の調節への使用のためにも企画される。
【0192】
ZTNF9ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、インビトロサイトカインアッセイシステムを検量するための標準として、又はそのようなアッセイシステム内の標準として使用され得る。さらに、ZTNF9ポリペプチドに対する抗体は、生活性の中和のためのアッセイ、ELISA及びELISPOTアッセイ、ウェスターンブロット分析及び免疫組織化学用途において使用され得る。種々の他のサイトカインタンパク質、抗体及びDNAは、そのような方法への使用のために、市販源、例えばR&D Systems, Minneapolis, MNから入手できる。
【0193】
本発明はまた、ZTNF9ポリペプチド、又は他方では、ZTNF9ポリペプチドが結合する受容体のいずれかに結合し、それによりZTNF9の機能を阻害するか又は排除するアンタゴニストも提供する。そのようなZTNF9アンタゴニストは、抗体;ZTNF9ポリペプチド又はその受容体のいずれかに結合するオリゴヌクレオチド;受容体を結合する能力を保持するが、しかしリガンド又は受容体シグナル化のいずれももたらさないZTNF9ポリペプチドの天然又は合成類似体を包含する。そのような類似体は、ペプチド又はペプチド様化合物であり得る。ZTNF9ポリペプチドの受容体に結合し、そしてシグナル化を妨げる天然又は合成の小分子がまた、アンタゴニストとして企画される。ZTNF9アンタゴニストは、ZTNF9リガンド又は受容体のいずれかからのブロッキングシグナルが有益である一定の障害を処理するための治療剤として有用である。
【0194】
アンタゴニストは、慢性炎症性疾患を処理するために、特に関節痛、腫脹、貧血及び他の関連する症状を低減するために、追加の治療価値を有する。アンタゴニストはまた、骨再吸収を妨げることにおいても有用である。それらは、リウマチ様関節炎及び全身性エリトマトーデスについての処理にも使用される。アンタゴニストはまた、敗血性ショックの処理にも使用される。
【0195】
ZTNF9ポリペプチド及びZTNF9ポリペプチドアンタゴニストは、Tリンパ球のエフェクター機能、特にTリンパ球活性化及び分化の研究においても使用され得る。また、Tヘルパーは、体液性又は細胞免疫性の仲介において機能する。ZTNF9ポリペプチド及びZTNF9ポリペプチドアンタゴニストはまた、リガンド−受容体相互作用を特徴づけるための有用な研究試薬としても企画される。
【0196】
本発明はまた、核酸−基材の治療処理も提供する。哺乳類が突然変異誘発されZTNF9遺伝子を有するか、又はそれを欠いている場合、ZTNF9遺伝子が哺乳類の細胞中に導入され得る。1つの態様においては、ZTNF9ポリペプチドをコードする遺伝子がウィルスベクターにおいてインビボで導入される。そのようなベクターは、弱毒化された又は欠陥DNAウィルス、例えばヘルペス単純ウィルス(HSV)、乳頭種ウィルス、エプスタイン−バールウィルス(EBV)、アデノウィルス、アデノ関連ウィルス(AAV)及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0197】
ウィルス遺伝子を完全に又はほとんど完全に欠いている欠陥ウィルスが好ましい。欠陥ウィルスは、細胞中への導入の後、感染性ではない。欠陥ウィルスベクターの使用は、ベクターが他の細胞を感染することを心配しないで、特定の局在化された領域における細胞への投与を可能にする。特定のベクターの例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:欠陥ヘルペスウィルス1(HSV1)ベクター(Kaplitt など., Molc. Cell. Neurosci. 2: 320-30, 1991)、弱毒化されたアデノウィルス ベクター、例えばStratford-Perricaudat など. (J. Clin. Invest. 90: 626-30, 1992) により記載されるベクター、及び欠陥アデノ−関連ウィルスベクター(Samulski など., J. Virol. 61: 3096-101, 1987; Samulski など., J. Virol. 63: 3822-28,1989)。
【0198】
もう1つの態様においては、前記遺伝子は、次の文献に記載のようにして、レトロウィルスベクターに導入され得る:Anderson など., アメリカ特許第5,399,346号;Mann など., Cell 33: 153, 1983; Temin など., アメリカ特許第4,650,764号;Temin など., アメリカ特許第4,980,289号;Markowitz など., J. Virol. 62: 1120, 1988; Temin など., アメリカ特許第5,124,263 号;Dougherty など., WIPO Publication WO95/07358 号;及びkuo など., Blood 82: 845-52, 1993。
【0199】
他方では、ベクターは、リポソームを用いてのインビボリポフェクションにより導入され得る。合成カチオン脂質が、マーカーをコードする遺伝子のインビボトランスフェクションのためのリポソームを調製するために使用され得る(Felgner など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-17, 1987; 及びMackey など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 8027-31, 1988)。インビボで特定の器官中に外因遺伝子を導入するためへのリポフェクションの使用は、一定の実際的な利点を有する。特定細胞へのリポソームの分子標的化は、1つの領域の利点を表す。
【0200】
特定細胞へのトランスフェクションの方向づけが1つの領域の利点を表すことは明白である。特定細胞型へのトランスフェクションの方向づけが、細胞異質性を有する組織、例えば膵臓、肝臓、腎臓及び脳において特に好都合であることは明白である。脂質は、標的化のために他の分子に科学的に得られる。標的化されたペプチド、例えばホルモン又は神経伝達物質、及びタンパク質、例えば抗体又は非ペプチド分子は、化学的にリポソームに結合され得る。
【0201】
身体から細胞を除去し、そして裸DNAプラスミドとしてベクターを導入し、そして次に、身体中に形質転換された細胞を再移植することは可能である。遺伝子治療のための裸DNAベクターは、所望する宿主細胞中に、当業界において知られている方法、例えばトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスダクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、遺伝子ガンの使用、又はDNAベクタートランスポーターの使用により導入され得る(例えば、Wu など., J. Biol. Chem. 267: 963-7, 1992; Wu など., J. Biol. Chem. 263: 14621-24, 1988)。
【0202】
ZTNF9ポリペプチドはまた、医薬使用のために企画される。医薬的有効量の本発明のZTNF9ポリペプチド、アゴニスト又はZTNF9アンタゴニストは、非経口、経口、鼻腔内、直腸、局所、経皮投与又は同様のもののために、医薬的に許容できるキャリヤーと共に配合され得る。配合物は、さらに、1又は複数の希釈剤、充填剤、乳化剤、保存剤、緩衝剤、腑形剤及び同様のものを含むことができ、そして液体、粉末、エマルジョン、坐剤、リポソーム、経皮用パッチ及び錠剤のような形で供給される。
【0203】
多くのバイオポリマー(生物学的基材システム)のいずれかを含む遅延又は延長された開放性システム、リポソームを用いるシステム、及びポリマー供給システムがまた、ZTNF9ポリペプチド又はアンタゴニストの連続した又は長期源を提供するために本明細書に記載される組成物と共に使用され得る。そのような遅延システムは、経口、局所及び非経口使用のために、配合物に適用でき得る。用語“医薬的に許容できるキャリヤー”とは、活性成分の生物学的活性の有効性を妨害せず、そして宿主又は患者に対して毒性ではないキャリヤー媒体を言及する。当業者は、本発明の化合物を、適切な態様で、及び許容された実施、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, Gennaro (ed.), Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990 に開示されるそれらの実施に従って配合することができる。
【0204】
本明細書において使用される場合、ZTNF9ポリペプチド、アゴニスト又はアンタゴニストの“医薬的に有効な量”は、所望する生物学的結果を誘導するのに十分な量である。その結果は、疾病の徴候、症状又は原因の解決、又は生物学的システムのいづれか他の所望する変異であり得る。たとえば、有効量のZTNF9ポリペプチド又はアンタゴニストは、臨床医又は他の資格のある観察者により示されるように、徴候の主観的軽減又は客観的に同定できる改良点のいずれかを提供する量のポリペプチドである。それはまた、骨再吸収のための処理に応答しての血清Ca2+レベルの低下又は破骨細胞サイズ及び数の阻害をもたらす量であり得る。
【0205】
他のそのような例は、アセチルコリン抗体レベルの低下、重症筋無力症についての処理の間、筋肉弱体化の低減、又は他の有益な効果を包含する。筋肉硬化症(MS)の処理への使用のための有効量のZTNF9は、筋力弱体化の低減、及び/又はMS再燃の頻度の低下をもたらすであろう。EAEマウスモデル測定においては、疾病の臨床学的徴候、例えば弱々しい尾又は麻痺の程度のEAE等級が作られる。リウマチ様関節炎に関しては、そのようなインジケーターは、炎症の低下及び苦痛又は硬直の緩和を包含し、動物モデルにおいては、徴候は関節、及び後足の腫脹の変化の肉眼による観察に起因する。
【0206】
ZTNF9ポリペプチドの有効量は、処理されるべき疾病又は病状に依存して広く変化することができる。本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド及び抗体、並びにそのフラグメントは、疾病、例えばオステオポローシス、パジェット病、上皮小体亢進症、関節炎、大理石骨病、骨減少症、骨格完全性及びカルシウム代謝に関連する疾病、及び不妊症の処理において有用であろう。同様に、本発明の分子は、避妊剤として、又は受精能及び精子形成を増強する方法に使用され得る。
【0207】
投与されるべきポリペプチドの量、及び配合物におけるその濃度は、選択されるビークル、投与の経路、特定のポリペプチドの能力、患者の臨床学的状態、副作用、及び配合物における化合物の安定性に依存する。従って、臨床医は、問題の患者又は類似する患者による臨床実験に依存して、配合物における適切な濃度、及び投与される配合物の量を包含する適切な調製物を用いるであろう。そのような量は、患者の処理される特定の状態、年齢、体重、及び一般的な健康、及び当業者に明らかな他の要因に一部、依存するであろう。
【0208】
典型的には、用量は、対象kg当たり0.1〜100mgの範囲であろう。特定の化合物のための用量は、実験動物に基づく研究と組み合わせて、インビトロ又はエクソビボ研究から決定され得る。インビトロ又はエクソビボで有効であることが見出されている化合物の濃度が動物研究のためのガイドを提供し、ここで用量が、作用の部位での類似する濃度を提供するよう計算される実験動物において効果的であると決定される用量は一般的に、1つの大きさの程度内でのヒトにおける用量の予測である。
【0209】
本発明を実施するために使用される本発明の化合物の投与量は、所望する効果をもたらすのに効果的な投与量を包含する。個々の患者のために効果的な適切な投与量の評価は、医者又は他の適切なヘルスケア-実施者の範囲内である。ガイドとして、臨床医は、Physician’s Desk Reference, 48th Edition, Medical Economics Data Production Co., Montvale, New Jersey 07645-1742 (1994) からの装置を、便利には、入手して使用することができる。
【0210】
好ましくは、本発明の組成物は、単位投与量形での投与のために提供される。用語“単位投与形”とは、ヒト対象及び動物のために単位投与されるのに適切な物理学的に別個の単位を言及し、個々の単位は必要とされる医薬的希釈剤、キャリヤー又はビークルと共に、所望する医薬的効果を生成するために計算された、予定された量の活性材料を含む。単位投与形の例は、バイアル、アンプル、錠剤、カプレット、ピル、粉末、顆粒、眼薬、経口又は眼内溶液又は懸濁液、眼内軟膏、及び水中油型エマルジョンを包含する。調製、配合及び投与の手段は、当業者に知られており、一般的には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Gennaro, ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed., 1995 を参照のこと。
本発明は、次の非限定的例により、さらに示される。
【実施例】
【0211】
例1DNA配列の同定
本発明の新規ZTNF9ポリペプチド−コードのポリヌクレオチドをまず、部分配列のデータベースに質問することによって同定した。その質問から同定されたcDNA配列は、十分な長さではなかった。従って、十分な長さのcDNA配列を、それぞれ、遺伝子の5’及び3’側の未翻訳領域に対して企画された、オリゴヌクレオチドプライマーZC40264(配列番号)及びZC40267(配列番号)を用いて、PCRにより同定した。前記遺伝子を、次の熱サイクラー条件を用いて、精巣cDNAプライマーから増幅した:94℃で4分(1サイクル);続いて、94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で2分(30サイクル)、続いて72℃で7分(1サイクル)、続いて4℃での維持。
【0212】
DNAフラグメントを、Gel Extraction Kit (Qiagen, Chatsworth, CA) を用いて精製し、そしてTOPO TA Cloning Kit for Sequencing (Invitrogen) を用いて、pCR-4-TOPO中にサブクローン化した。cDNAに対応する挿入体のポリヌクレオチド配列を配列決定し、配列番号1で示されるポリヌクレオチド配列をもたらした。前記挿入体の推定されるアミノ酸配列は、十分な配列であることが決定され、そして配列番号2で示される。このポリペプチド、及びそれをコードするポリヌクレオチドを、新規腫瘍壊死因子として同定した。
【0213】
例2PCRを用いての組織パネルにおけるヒトZtnf9の組織分布
ヒト組織からのcDNAのパネルを、PCRを用いて、znssp8発現についてスクリーンした。パネルは自家製造され、そして次の種々の正常及び癌性ヒト組織及び細胞系からのマラソンcDNA及びcDNAサンプルを包含した:副腎、骨髄、膀胱、胎児脳、小島、脳、前立腺、頚部、結腸、精巣、甲状腺、胎児心臓、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、胎児筋肉、胎児皮膚、前立腺平滑筋、心臓、腎臓、心臓、肝臓、脳下垂体、肺、胎盤、リンパ節、唾液腺、黒色腫、膵臓、直腸、骨格筋、小腸、脊髄、脾臓、胃、胸腺、気管、子宮、食道腫瘍、胃腫瘍、腎臓腫瘍、肝腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍、子宮腫瘍、RPMI#1788 (ATCC#CCL-156)、WI38、(ATCC#CCL-75)、ARIP(ATCC#CRL-1674-rat)、HaCat-ヒト角質細胞、HPV (ATCC#CRL-2221)、CD3+選択されたPBMC (刺激される)、K562、(ATCC#CCL-243)、HPVS (ATCC# CRL-2221) −選択された、HL60(ATCC#CCL-240)、血小板、腎臓糸球体間質、T細胞性、好中性、MPC、Hut-102(ATCC#TIB-162) 、内皮、HepG2(ATCC#HB-8065)、 繊維芽細胞及びE.Histo。
【0214】
前記cDNAは、自家ライブラリーから、又は自家調製されたRNAのマラソンcDNA調製物から、又は商業的供給者、例えばClontech(Palo Alto, CA)又はInvitrogen(Carlsbal, CA)からであった。マラソンcDNAは、マラソン−ReadyTM キット(Clontech, Palo Alto, CA)を用いて製造され、そして等量のcDNAが個々のウエル中に配置されることを確かめるために標準化された。
【0215】
パネルサンプルの性質を評価するために、品質管理(QC)についての次の3種の試験を行った:(1)ライブラリーのために使用されるRNA品質を評価するために、自家cDNAを、個々のcDNAライブラリーについてのベクター配列に対して特異的であるベクターオリゴによるPCRにより、平均挿入体について試験し;(2)パネルサンプルにおけるcDNAの濃度の標準化を、十分な長さのαチューブリン又はG3PDH cDNAを増幅するために、標準のPCR方法を用いて達成し;そして(3)サンプルを、可能なリボソーム又はミトコンドリアDNA汚染について調べるために配列決定に送った。
【0216】
パネルを、ヒトゲノムのDNA(Clontech, Palo, Alto, CA)陽性対照サンプルを含む96−ウェル形式において組みたてた。個々のウェルは約0.2〜100pg/μlのcDNAを含んだ。PCR反応を、オリゴZC23674 (配列番号) 及びZC24776 (配列番号)、 TaKaRa Ex TaqTM (TAKARA Shuzo Co LTD, Biomedicals Group, Japan), 及び Rediload 色素(Research Genetics, Inc. , Huntsville, AL)を用いて組みたてた。増幅を次の通りに行った:94℃で3分(1サイクル)、94℃で30秒、58℃で30秒及び72℃で30秒(35サイクル)、続いて72℃で5分(1サイクル)。約10μlのPCR反応性生物を、4%アガロースゲルを用いて、標準のアガロースゲル電気泳動にゆだねた。推定される正しいDNAフラグメントサイズを、精巣cDNAライブラリーにおいて観察した。
【0217】
精巣cDNAについてのDNAフラグメントを切除し、そしてGel Extraction Kit (Qiagen, Chatsworth, CA)を用いて、その製造業者の説明書に従って精製した。フラグメントを、それらが実際、ztnf9であったことを示すために、配列決定することによって確かめた。
【0218】
例3バキュロウィルス発現
発現ベクター、すなわちpzBV37L:sNFzTNF9を企画し、昆虫細胞においてFlagzTNF9を発現した。pzBV37L:sNFzTNF9は、上流のN−末端フラグエピトープ標識を含む。この構造体が、フラッグ−標識されたzTNF9ポリペプチドを発現するために使用された。
【0219】
A. pzBV37L:sNFzTNF9の構造
それぞれ、5’及び3’末端上にBspeI及びXbaI制限部位を含むFlagzTNF9の254bpフラグメントを、鋳型ベクター#101007を含むzTNF9 cDNAからの2回のPCR増幅により生成した。プライマー#ZC40918及び#ZC40920を最初の増幅に使用し、そしてプレイマー#ZC40919及び#ZC40920を次の増幅に使用した。最初のPCRに関しては、反応条件は次の通りであった:100μlの体積の反応に関しては、Expand High Fidelity PCR System (Boehringer Mannheim カタログ番号 1 732 641号)を使用した:94℃で4分(1サイクル);94℃で30秒、50℃で30秒及び72℃で45秒(30サイクル);72℃で4分(1サイクル);続いて4℃でのソーキング。5μlの第1回目の反応混合物を、ゲル電気泳動(1% Nusieve アガロース)により可視化した。
【0220】
正しいサイズのPCR生成物の存在が確認されると、第2回目のPCRを、鋳型として第1回目の反応体2μlを用いて組み立てた。第2反応の条件は、第1のものと同じであった。5μlの第2回目のPCRを、ゲル電気泳動(1% NuSieveアガロース)により可視化した。反応混合物の残りを、Qiagen PCR精製キットを通して、製造業者の説明書に従って精製し、そして30μlの水により溶出した。cDNAを、37℃で適切な緩衝液条件下でBspeI及びXbeI(New England Biolabs, Beverly, MA)を用いて、36μlの体積において消化した。消化されたPCR生成物バンドを、1%アガロースTAEゲルを通して進行せしめ、切除し、そしてQIAquickTM Gel Extraction Kit (Qiagen, カタログ番号28704号)を用いて抽出し、30μlの水に溶出した。消化されたFlagzTNF9 PCRを、BspeI及びXbaI部位でベクターpZBV37Lの多クローニング部位中に連結した。
【0221】
pZBV37LベクターpFastBac1TM (Life Technologies) の修飾体であり、ここで多面体プロモーターが除去され、そして後期−活性化基本タンパク質プロモーター、及びMCSの上流のEGT(エクジステロイドUDPグリコシルトランスフェラーゼ)リーダーシグナル配列により置換された。5μlのBspeI−XbaI消化されたFlagzTNF9 PCRフラグメント及び約50ngのその対応するpZBV37Lベクターを、適切な緩衝液条件下で20μlの体積において16℃で一晩、連結した。5μlの連結混合物を用いて、2mmのギャップエレクトロポレーションキュベット(BTX, モデル番号620)において、400オーム、2kV及び25μFでのエレクトロポレーションにより、50μlのElecto MAXTM DH12sTM 細胞(Life Technologies, カタログ番号18312−017号)を形質転換した。形質転換された細胞を、500μlのLB培地に希釈し、37℃で1時間、増殖し、そして20μlの希釈溶液を、100μg/mlのアンピシリンを含むLuma寒天プレート上にプレートした。
【0222】
クローンをPCRにより分析し、そして陽性クローンを選択し、プレートし、そして配列決定のために提出した。正しい配列が確認されると、25ngの陽性クローンDNAを用いて、70μlのDH10BacTM Max Efficiency(商標)コンピテント細胞(GIBCO-BRL カタログ番号 10361-012号)を、42℃の加熱ブロックにおいて45秒間の熱ショックにより形質転換した。形質転換されたDH10BacTM細胞を、600μlのSOC培地(2% BactoTM Tryptone, 0.5% BactoTM Yeast Extract, 10mlの1MのNaCl、1.5mMのKCl、10mMのMgCl2、10mMのMgSO4及び20mMのグルコース)に希釈し、37℃で1時間、増殖し、そしてその50μlを、50μg/mlのカナマイシン、7μg/mlのゲンタマイシン、10μg/mlのテトラサイクリン、40μg/mlのIPTG及200μg/mlのBLUO−GALを含むLuria寒天プレート上にプレートした。
【0223】
プレートを37℃で48時間インキュベートした。色彩選択を用いて、トランソポーズされたウィルスDNA(“bacmid”として言及される)を同定した。それらのコロニーを、分析のために採取した。白色陽性コロニー(所望のbacmidを含む)を、成長のために選択した。次に、bacmid DNAを単離し、そして精製した。このbacmid DNAを用いて、スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9)細胞をトランスフェクトした。
【0224】
B. トランスフェクション
Sf9細胞を、プレート当たり5×106個の細胞で6−ウエルに接種し、そして27℃で1時間、結合せしめた。約5μlのbacmid DNAを、100μlのSf−900II SFM (Life Technologies) により希釈した。15μlのLipofectamineTM試薬(Life Technologies、カタログ番号18324−012号)を、85μlのSf-900II SFMに希釈した。bacmid DNA及び脂質溶液を軽く混合し、そして室温で45分間インキュベートした。800μlのSf-900II SFMを、脂質−DNA混合物に添加した。培地をウエルから吸引し、そして1mlのDNA−脂質混合物を細胞に添加した。細胞を27℃(90%の湿度)で一晩インキュベートした。DNA−脂質混合物を吸引し、そして2mlのSf−900II培地を個々のプレートに添加した。プレートを27℃、90%温度で7日間インキュベート、その後、ウィルスを収穫した。
【0225】
C. 増幅
Sf9細胞を、2mlのSF−900IIを含む6−ウェルプレートに、ウェル当たり1×106個の細胞で接種した。トランスフェクションプレートからのウィルス500μlをウェルに配置し、そしてプレートを27℃、90%湿度で96時間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した(一次増幅)。
第2回目の増幅を次の通りに進行した:Sf9細胞を、2mlのSF−900IIを含む6−ウェルプレートし、そしてプレートを27℃、90%湿度で144時間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した(二次増幅)。
【0226】
追加の増幅を行った(三次増幅)。Sf細胞を、250mlの振盪フラスコにおける50mlのSf−900II SFMにおいて、ほぼ1×106個の細胞/mlの密度まで増殖した。次に、それらを、上記プレートからのウィルスストック1mlのにより感染し、そして27℃で4日間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した。
このウィルスストックを成長阻害曲線により滴定し、そして1のMOIを示す力価培養物を合計48時間、進行せしめた。上清液を、N−末端フラッグエピトープに対して特異的なネズミ一次モノクローナル抗体、及びHRP−接合されたヤギ抗−ネズミ二次抗体を用いて、ウェスターンブロットにより分析した。結果は、約9kDaのバンドを示した。上清液をまた、活性分析のために提供した。
【0227】
次に、多量のウィルスストックを次の方法により生成した:Sf9細胞を、280mlの振盪フラスコ中、1LのSf−900II SFMにおいて、1×106個の細胞/mlのおおよその密度まで増殖した。次に、それらを、第3回目の増幅からのウィルスストック10mlにより感染し、そして27℃で96時間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した。
大規模感染を完結し、下流の精製のための材料を供給した。
【0228】
例4マウス頸骨の分析
生後10週目のC57BL/6Jマウスを、ビークル又はztnf9タンパク質(1日当たり2度、50μgのi.p., 合計100μg/日/動物)により14日間、処理した。マウスを、最初に年齢及び体重に関して適合する。14日後、動物を殺害し、そして頸骨を取り出した。頸骨サンプルを、10%中性緩衝ホルマリンに固定し、5%蟻酸及び10%クエン酸ナトリウムにおいて脱カルシウム化し、水道水により洗浄し、一連の70%〜100%のエタノールにより脱水し、そしてグリコールメタクリレートに包埋する。頸骨の近位端(約5mmの長さ)を、前方から5μmで切断し、酒石酸塩−耐性酸性ホスホターゼ(TRAP)活性について染色し、そして骨細胞の同定のためにメチルグリーン及びチオニンにより対比染色する。
【0229】
骨芽細胞を、中央の負(透明)のゴルジ領域、偏寄性核、及びメチルグリーン及びチオニンの強い好塩基性対比染色により同定し、そして破骨細胞を、TRAP染色、多核形成及び非均等形状により同定する。次の骨パラメーターを、組織形成変化について評価する:
1)成長プレート活性:成長プレート活性を決定するために42倍率で、幅を50〜100μmごとに測定する。
2)内皮質(endocortical)骨芽細胞の数:212倍率で、内皮質表面の片側にそって測定される。
【0230】
3)内皮質骨芽細胞のサイズ:ビークル処理されたマウスにおいて計数されたすべての骨芽細胞又はztnf処理されたマウスにおいてランダムに選択された50個の骨芽細胞を用いて、424倍率で測定される。
4)骨内膜骨芽細胞の数:成長プレート側の0.62〜3.10mmの透明帯における骨幹端における癌性骨の骨内膜表面にそって212倍率で測定される。
【0231】
5)骨内膜破骨細胞の数:骨内膜破骨細胞計数が取られるのと同時に測定される。
6)癌性骨の百分率(骨体積/組織体積、BV/TV):対照組織領域当たりの癌性骨領域から計算され、そして骨内膜骨芽細胞及び破骨細胞計数が取られる同じ対照領域において測定される。
骨内膜破骨細胞の数の有意な変化は、骨再吸収レベルが変更されることを示唆する。
【0232】
例5頭蓋冠アッセイ
骨成長に対するztnf9ポリペプチドの効果を、生後10週目のCD−1雄マウスにおいて、そのマウスの頭蓋冠上の皮下組織中にztnf9タンパク質を注射することによって試験する。0.001〜5.0mg/マウスの範囲の用量が、5日間、1日当たり3度、与えられる。
14日後、マウスを殺害し、そして頭蓋冠骨成長を、組織形態計測により測定する。測定されるパラメーターは、例4に記載された通りである。
【0233】
例6卵巣摘出されたラットアッセイ
卵巣摘出されたラットを、ヒト閉経後オステオポローシスの動物モデルとして受け入れる。閉経後の女性に見られるエストロゲン欠失に類似するエストロゲン欠失に関連する急性骨損失の動物モデルにおける骨格組織に対するztnf9タンパク質の全身性投与の効果を評価するために、雌の正常ラットを、擬似手術するか又は手術的に卵巣摘出する。手術の7日後、ビークル、ztnf9タンパク質又はエストロゲン投与(160μg/kg, 皮下)する処理を始める。動物を殺害する前、テトラサイクリン、又はデメクロサイクリンの1回の用量を投与し、骨形成及び鉱物化を評価する。脛骨及び腰部脊椎を、例1に記載のようにして、取り出し、固定し、処理し、そして分析する。
【0234】
例7ztnf9処理されたマウスの組織形態計測試験
生後13週目のマウスを、体重−適合し、そしてビークル又はztnf9により28日間、処理する。
ビークル(PBS中、0.007mMのボレート)及びztnf9の両者を、i.p.注射により1日当たり2度、与える(ztnf9、50μg×2/日、合計100μg)。マウスは食物及び水を自由に与えられる。カルセイン注射(15mg/kg体重)を、殺害の9及び2日前に与え、力学的骨変化の評価のために新しく形成される骨をラベルする。
【0235】
すべての動物は、28日の最後で殺害される。頸部骨サンプルを、70%エタノールに固定し、そして脱カルシウムを行わないで、メチルメタクレートに包埋する。頸部骨の近位端(約5mmの長)を、5及び10μmで切断する。10μmの断片を、カルセインラベルの評価のために染色しないで固定し、そして5μmの断片を、酒石酸塩−耐性酸ホスファターゼ(TRAP)活性のために染色し、そして骨細胞の同定のためにメチルグリーン及びチオニンにより対比染色する。骨芽細胞を、中央の負(透明)のゴルジ領域、偏寄性核、及び強い好塩基性染色により同定し、そして破骨細胞を、TRAP染色多核形成及び非均等形状により同定する。
【0236】
次の骨部位を、組織形態測定変化について評価する:
A. 内表皮骨:
内表皮骨を、成長プレート下の3.7mm以内の前部及び後部領域で、90倍率で評価する。一般的に、骨形成活性は、骨内の種々の部位で有意に異なることができ、そして骨部位の前部領域よりも後部領域での高い活性が評価される。
【0237】
B. 骨幹端:
ztnf9処理に続く骨細胞活性の変化は、成長プレートの直接的な下部(一次海綿状体)及びさらに、成長プレートから離れた部分(二次海綿状体)での癌性骨において異なるので、組織形態計測骨変化を両部位で評価する。
前述から、本発明の特定の態様が例示目的のために本明細書に記載されてきたが、種々の修飾が本発明の範囲内で行われ得ることが理解されるであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲を除いて、限定されるものではない。
【配列表】








【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2で示されるようなアミノ酸残基62〜アミノ酸残基82のアミノ酸残基の配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドが、
a)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるポリペプチド;
c)上記a)に対して少なくとも85%同一であるポリペプチド;
d)上記a)に対して少なくとも90%同一であるポリペプチド;
e)上記a)に対して少なくとも95%同一であるポリペプチド;
f)上記a)に対して少なくとも99%同一であるポリペプチド;
から成る群から選択されたアミノ酸配列をさらに含んで成る請求項1記載の単離されたポリペプチド。
【請求項3】
前記ポリペプチドが、配列番号2で示されるようなアミノ酸20〜アミノ酸87のアミノ酸配列を含んで成る請求項2記載の単離されたポリペプチド。
【請求項4】
配列番号2で示されるような残基62〜81が、腫瘍壊死因子受容体を結合する請求項2記載の単離されたポリペプチド。
【請求項5】
前記ポリペプチドが、前記残基62〜81のN−末端に隣接するリンカー領域をさらに含んで成る請求項4記載の単離されたポリペプチド。
【請求項6】
前記ポリペプチドが、前記リンカー領域により、残基62〜81から分離されたトランスメンブランドメインをさらに含んで成る請求項5記載の単離されたポリペプチド。
【請求項7】
前記ポリペプチドが、前記トランスメンブランドメイン及びリンカー領域により、残基62〜81から分離された細胞質領域をさらに含んで成る請求項6記載の単離されたポリペプチド。
【請求項8】
前記ポリペプチドが、
a)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるポリペプチド;
c)上記a)に対して少なくとも85%同一であるポリペプチド;
d)上記a)に対して少なくとも90%同一であるポリペプチド;
e)上記a)に対して少なくとも95%同一であるポリペプチド;
f)上記a)に対して少なくとも99%同一であるポリペプチド;
から成る群から選択されたアミノ酸配列をさらに含んで成る請求項1記載の単離されたポリペプチド。
【請求項9】
親和性標識、毒素、放射性ヌクレオチド、酵素及び蛍光団から成る群から選択された成分に共有結合される請求項2記載の単離されたポリペプチド。
【請求項10】
前記ポリペプチドと前記成分との間にタンパク質分解切断部位をさらに含んで成る請求項9記載の単離されたポリペプチド。
【請求項11】
第1部分、及びペプチド結合により連結される第2部分から実質的に成る融合タンパク質であって、前記第1部分が、
a)請求項3記載のポリペプチド、
b)a)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドから成る群から選択されたポリペプチドから実質的に成り、そして
前記第2部分が第2ポリペプチドから実質的に成ることを特徴とする融合タンパク質。
【請求項12】
配列番号2のポリペプチドのエピトープに対して特異的に結合する抗体。
【請求項13】
前記抗体がモノクローナル抗体である請求項12記載の抗体。
【請求項14】
次の段階:
a)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基68〜82から成るポリペプチド;
b)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜87から成るポリペプチド;及び
c)配列番号2で示されるようなアミノ酸残基1〜87から成るポリペプチド;
からなる群から選択されたポリペプチドを動物に接種し;ここで前記ポリペプチドが抗体を生成するために前記動物において免疫応答を誘発し;そして
前記動物から抗体を単離する;ここで、前記抗体は、アミノ酸番号1〜アミノ酸番号87の配列番号2のアミノ酸配列に対して特異的に結合する;ことを含んで成る抗体の生成方法。
【請求項15】
請求項3記載のポリペプチドのエピトープに対して特異的に結合する結合タンパク質。
【請求項16】
配列番号2で示されるようなアミノ酸残基62〜アミノ酸残基81のアミノ酸配列をコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項17】
前記ポリペプチドが、配列番号2で示されるようなアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のポリペプチドをさらに含んで成る請求項16記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項18】
前記ポリペプチドが、配列番号2で示されるようなアミノ酸残基1〜アミノ酸残基87のポリペプチドをさらに含んで成る請求項17記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項19】
前記ポリペプチドが、アミノ酸残基62〜81のN−末端に隣接するリンカー領域をさらに含んで成る請求項16記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項20】
前記ポリペプチドが、前記リンカー領域により、アミノ酸残基62〜81から分離されたトランスメンブランドメインをさらに含んで成る請求項19記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項21】
前記ポリペプチドが、トランスメンブランドメイン及びリンカー領域により、アミノ酸残基62〜81から分離された細胞質領域をさらに含んで成る請求項20記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項22】
次の作用可能に結合された要素:
転写ターミネーター;
請求項2記載のポリペプチドをコードするDNAセグメント、ここで前記ポリペプチドは腫瘍壊死因子であり;及び
転写ターミネーター;
を含んで成る発現ベクター。
【請求項23】
前記DNAセグメントが、親和性標識をさらに含んで成るポリペプチドをコードする請求項22記載の発現ベクター。
【請求項24】
請求項23記載の発現ベクターが導入されている培養された細胞。
【請求項25】
ポリペプチドの生成方法であって、
請求項24記載の細胞を培養し、それにより前記細胞は、前記DNAセグメントによりコードされる前記ポリペプチドを発現し;そして
前記発現されたポリペプチドを回収する;
ことを含んで成る方法。
【請求項26】
患者における遺伝子異常性を検出するための方法であって、
患者から遺伝子サンプルを獲得し;
第1反応生成物を生成するために、前記遺伝子サンプルを、配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする条件下でインキュベートし;
対照反応生成物に対して前記第1反応生成物を比較する;
ことを含んで成り、ここで前記第1反応性生物と前記対照生成物との間の差異が前記患者における遺伝子異常性の表示であることを特徴とする方法。
【請求項27】
ZTNF9ポリペプチドを必要とする哺乳類の処理方法であって、
a)配列番号2のアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド、及び
b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を有するポリペプチド;
から成る群から選択された、医薬的に有効な量のポリペプチドを前記哺乳類に投与することを含んで成る方法。
【請求項28】
前記処理が骨再造形、受精能障害又は関節炎における異常性のためである請求項27記載の方法。
【請求項29】
ZTNF9ポリペプチドのアンタゴニストを必要とする哺乳類の処理方法であって、
a)配列番号2のアミノ酸残基20〜アミノ酸残基87のアミノ酸の配列を含んで成るポリペプチド、及び
b)上記a)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を有するポリペプチド;
から成る群から選択された、医薬的に有効な量のポリペプチドのアンタゴニストを前記哺乳類に投与することを含んで成る方法。
【請求項30】
前記哺乳類が、骨再造形、受精能障害又は関節炎における異常性について処理される請求項29記載の方法。

【公表番号】特表2006−504391(P2006−504391A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−536395(P2003−536395)
【出願日】平成14年10月16日(2002.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2002/033164
【国際公開番号】WO2003/033665
【国際公開日】平成15年4月24日(2003.4.24)
【出願人】(500049831)ザイモジェネティクス,インコーポレイティド (37)
【Fターム(参考)】