説明

分泌制御型プローブ

【課題】 細胞膜に存在する標的分子の挙動を簡便かつ正確に検出することのできる新しい手段を提供する。
【解決手段】 細胞膜に存在する標的分子に対する相互作用分子、分泌性タンパク質(およびレポーター)が一体化しており、標的分子が細胞膜に存在している場合に細胞外に分泌される分泌制御型プローブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞膜に存在する標的分子を高感度で検出することのできる分泌制御型プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願発明者らは、これまでに、細胞で機能する様々な生体イオン・分子を標的として、蛍光・発光プローブを開発し、細胞が生きたままの状態で標的分子を可視化検出することを可能としている(例えば、脂質セカンドメッセンジャーに関する特許文献1;オルガネラ局在タンパク質に関する特許文献2;cGMPに関する特許文献3;タンパク質−タンパク質相互作用に関する特許文献4、5;タンパク質のリン酸化・脱リン酸化に関する特許文献6、7;核内レセプターのアゴニスト・アンタゴニストに関する特許文献8;タンパク質の核内移行に関する特許文献9;イノシトール-1,4,5-三リン酸に関する特許文献10;一酸化窒素検出に関する特許文献11等)。
【0003】
しかしながら、これらのプローブにおいてレポーターとして使用される蛍光・発光は、生体組織を透過しにくいため、数mm以上の生体深部における検出は極めて困難である。従って、前記の各蛍光・発行プローブは、生体外に取り出した生細胞を対象として標的分子を検出するには極めて有効であるが、生体内細胞における標的分子の挙動を対象とする場合には、必ずしも有効でない場合があった。
【特許文献1】特開2004-325253号公報
【特許文献2】特開2004-108943号公報
【特許文献3】特開2002-017359号公報
【特許文献4】再表2004/104222号公報
【特許文献5】再表2002/008766号公報
【特許文献6】再表2005/019447号公報
【特許文献7】再表2002/077623号公報
【特許文献8】国際公開WO2005/078119号パンフレット
【特許文献9】国際公開WO2005/085439号パンフレット
【特許文献10】国際公開WO2005/113792号パンフレット
【特許文献11】国際公開WO2006/004217号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記のとおりの従来技術の問題点を解消し、生体内細胞の、特に細胞膜に存在する標的分子の挙動を簡便かつ正確に検出することのできる新しい手段を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための第1の発明は、細胞膜に存在する標的分子を検出するためのプローブであって、標的分子に対する相互作用分子および分泌性タンパク質が一体化していることを特徴とする分泌制御型プローブである。そしてその好ましい一つの態様において、分泌性タンパク質はGalectin-3ある。
【0006】
すなわち、Galectin-3のような細胞外分泌ドメインを有する分泌性タンパク質は、細胞膜との相互作用が弱く、必ずしも効率よく細胞外に分泌される訳ではない。本発明の分泌制御型プローブは、その相互作用分子が細胞膜に存在する標的分子に結合または接近することによって、分泌性タンパク質が細胞膜に近接し、プローブ自体が細胞外に分泌される。
【0007】
なお、「細胞膜に存在する標的分子」とは、細胞膜で生成するか、あるいは細胞膜に移行する性質を有するタンパク質や脂質等の分子、あるいはそのような分子を含む複合体を意味する。
「相互作用分子」とは、標的分子と結合または近接するようなタンパク質、標的分子に対するリガンド分子、標的分子に対してリガンド等を介して結合する分子、あるいは標的分子とともに複合体を構成する分子、またはこれら分子における相互作用のための必須ドメインを含む部分ペプチドである。
【0008】
「分泌性タンパク質」は、その全長タンパク質であってもよく、またその細胞外分泌ドメインを必須として含む部分ペプチドであってもよい。
【0009】
第2の発明は、細胞膜に存在する標的分子を検出するためのプローブであって、標的分子に対する相互作用分子、分泌性タンパク質およびレポーターが一体化していることを特徴とする分泌制御型プローブである。
【0010】
なお、「レポーター」は、それ自体が、あるいは多の補助因子等との相互作用によって検知可能なシグナルを発するタンパク質、ペプチド、化合物等である。
【0011】
第3の発明は、前記のプローブを生細胞で発現することのできる発現ベクターである。
【0012】
第4の発明は、前記第1発明のプローブを生細胞内に導入し、細胞外に分泌されたプローブを測定することによって標的分子を検出することを特徴とする標的分子検出方法である。
【0013】
第5の発明は、前記第2発明のプローブを生細胞に導入し、細胞外のプローブシグナルを測定することによって標的分子を検出することを特徴とする標的分子検出方法である。
【0014】
これら第4発明および第5発明における一つの好ましい態様は、生細胞が動物個体内の細胞であり、当該動物個体の体液中のプローブまたはレポーターシグナルを測定することである。また、前記第3発明の発現ベクターを生細胞内に導入することによってプローブを生細胞内に導入することを別の好ましい態様としている。
【0015】
なお、前記の第4発明および第5発明における「生細胞」とは、それ本来の機能の少なくとも一部を保持した状態で人工的な環境下に置かれた細胞(例えば培養細胞)、あるいは多細胞生物個体(例えば動物個体)を構成し、かつ本来の機能の少なくとも一部を保持している細胞を意味する。後者において、プローブが導入された生細胞は、多細胞生物個体の一部または全部を構成してもよい。また、「標的分子の検出」は、標的分子の有無、あるいは標的分子の量などを検出することを意味する。
【0016】
さらに本発明は、生細胞における様々な標的分子の検出に係る特許文献1―11の開示内容を含むものである。
【0017】
本発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。なお、用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。また発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995); Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995;日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人 (1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III(組換えDNA技術)」、東京化学同人 (1992); R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombinant DNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C), Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 153 (Recombinant DNA, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E) & 155 (Recombinant DNA, Part F), Academic Press, New York (1987)などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法またはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。また、本発明で使用する各種蛋白質やペプチド、あるいはそれらをコードするDNAについては、既存のデータベース(URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/等)から入手することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によって、生細胞内の細胞膜に存在する標的分子を、細胞外で検出することが可能となる。これによって、培養細胞を対象とするin vitro系の測定であっても、細胞外に分泌したプローブを対象として免疫測定法等の様々な簡易手段によって標的分子の検出が可能である。また、動物個体を対象とするin vivo系に測定においても、動物個体から単離した体液(血液、尿、唾液等)に分泌されたプローブや、プローブのシグナルを測定することが可能となる。特に、標的分子が疾患に関連するものである場合は、本発明のプローブは臨床検査分野において有効がツールとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
第1発明のプローブは、標的分子に対する相互作用分子および分泌性タンパク質が一体化しており、標的分子が細胞膜に存在する場合に、細胞外に分泌されることを特徴としている。
【0020】
分泌性タンパク質は、公知のデータベース(例えばGenBankデータベース等)において各種のものが知れており(例えば、ヒトGalectin-3はGenBank/NM_002306)、これらの配列情報に基づいて作成したオリゴヌクレオチドプローブやプライマーを用いてプローブハイブリダイゼーションやRT-PCR法により取得したそれぞれのコード配列を、in vitro転写翻訳や宿主−ベクター系において発現させる遺伝子組み換え技術によって取得することもできる。
【0021】
相互作用分子は、検出対象となる標的分子との関係で適宜に選択される。例えば、実施例に示したように、膜に局在する脂質メッセンジャーであるホスファチジルイノシトール4,5-三リン酸(PIP2)を標的分子とする場合には、相互作用分子としてホスホリパーゼCδ1(PLCδ1) 由来のプレクストリン相同ドメイン(PHD1)を採用することができる。同様に、他の脂質メッセンジャーであるホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)や、ホスファチジルイノシトール3,4-三リン酸(PI(3,4)P2)を標的分子として、それぞれに対する公知の結合ドメインを相互作用分子として採用することができる。あるいはまた、標的分子として膜局在タンパク質を対象とする場合には、その膜局在タンパク質と相互作用することが公知のタンパク質や、膜局在タンパク質に対する公知のリガンド分子等を相互作用分子として採用することができる。
【0022】
第2発明のプローブは、前記第1発明のプローブに、さらにレポーターが一体化している(図1参照。図1において、Aは標的分子、Bは相互作用分子である)。
【0023】
この場合のレポーターは、特許文献1−11の発明に使用されているような、各種の蛍光物質や発行物質を使用することができる。例えば、発光タンパク質(例えば、ホタルルシフェラーゼ、クリックビートルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼやそれらの変異体等)、蛍光タンパク質(例えば、GFP、CFP、YFP、RFPやそれらの変異体等)から適宜に選択して用いることができる。また、鉄貯蔵タンパク質フェリチンをレポーターとして用いた場合には、Magnetic resonance imaging(MRI)によって可視化することもできる。さらには、他の補助因子等を介してその存在が検出可能なエピトープタグ等をレポーターとして使用することもできる。
【0024】
この第2発明のプローブにおいて、各構成要素の連結順序は特に制限はなく、相互作用分子、Galectin-3およびプローブをいずれの順番で直鎖状に連結してもよい。
【0025】
以上のような第1発明および第2発明のプローブを作成する場合には、各構成要素を、例えば適当なリンカー配列を介してペプチド結合により連結させる。
【0026】
あるいは、これらのプローブは、第3発明の発現ベクターを用いて遺伝子工学的に作成してもよい。プローブを遺伝子工学的に作成するための発現ベクターは、プローブの発現形態等に応じて公知のベクターを適宜に選択して構築することができる。例えば、in vitro転写翻訳によりプローブを作成する場合には、RNAポリメラーゼプロモーターを含むpKA1、pCDM8、pT3/T718、pT7/319、pBluescriptIIなどを基に発現ベクターを構築できる。微生物(大腸菌等)を宿主とする場合には、pUC系、pBluescriptII、pETベクターシリーズ、pGEXベクターシリーズ等を使用する。真核細胞を宿主とする場合には、例えば、pKA1、pCDM8、pSVK3、pSVL、pBK-CMV、pBK-RSV、EBVベクター、pRS、pYE82などのベクターが使用可能である。
【0027】
発現ベクターを宿主細胞に導入するには、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポゾーム法、DEAEデキストラン法など公知の方法を用いることができる。また、宿主細胞で発現させたプローブは、公知の分離操作を組み合わせて単離精製することができる。例えば、尿素などの変性剤や界面活性剤による処理、超音波処理、酵素消化、塩析や溶媒沈殿法、透析、遠心分離、限外濾過、ゲル濾過、SDS−PAGE,等電点電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー(タグ配列を利用した方法など)である。
【0028】
またこの発現ベクターには、プローブの各要素のコード配列が所定の順番で組込まれているが、これらのコード配列は、リンカーペプチドをコードするヌクレオチド鎖によって連結されてもよい。このようなリンカーヌクレオチド鎖は、例えば文献(Carruthers(1982)Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 47:411-418; Adams(1983)J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov(1997)Nucleic Acid Res. 25:3440-3444; Frenkel(1995)Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers(1994)Biochemistry 33:7886-7896; Narang(1979)Meth. Enzymol. 68:90; Brown(1979)Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage(1981)Tetra. Lett. 22:1859; 米国特許第4,458,066号)に記載されているような周知の化学合成技術により、in vitroにおいて合成することができる。
【0029】
第3発明の発現ベクターは、またプローブを生細胞内に導入するためのウイルスベクターとして構築することができる。例えば、哺乳動物細胞や哺乳動物個体への遺伝子導入に適したレトロウイルスベクター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)をベースとするベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクターなどである(例えば、Miller et al. BioTechniques 7:980-990, 1992; Anderson et al., Nature 392:25-30 Suppl., 1998; Verma and Somia, Nature 389:239-242, 1997;Wilson, New Engl. J. Med. 334:1185-1187, 1996等を参照)。
【0030】
第4発明の方法は、前記第1発明のプローブを生細胞内に導入し、細胞外に分泌されたプローブを測定することによって標的分子を検出することを特徴とする。すなわち、生細胞内の細胞膜に標的分子が存在する場合には、プローブの相互作用分子が標的分子に結合または近接し、これによってGalectin-3等の分泌性タンパク質が細胞膜に接近してプローブ自体が細胞外に分泌される。従って、例えば、培養細胞を対象とする場合(in vitro系)では、培養培地に分泌されたプローブを、例えばプローブの構成要素である相互作用分子または分泌性タンパク質に対する標識抗体を用いた免疫測定等により測定することによって、生細胞内の標的分子を検出することができる。
【0031】
また、動物個体内の細胞における標的分子を対象とする場合(in vivo系)では、細胞内に標的分子が存在すればプローブは動物の体液(血液、尿、唾液等)に分泌されるため、これらの体液中のプローブの存否を測定すれば、動物個体内の細胞における標的分子を検出することができる。
【0032】
第5発明は、前記第2発明のプローブを生細胞に導入し、細胞外のプローブシグナルを測定することによって標的分子を検出することを特徴とする標的分子検出方法である。すなわち、培養培地中(in vitro系)または動物個体の体液中(in vivo系)に分泌されたプローブからのシグナルを測定することによって、標的タンパク質を検出することができる。
【0033】
前記第4発明および第5発明の方法において、プローブを生細胞内に導入するためには、例えば、脂質(BioPORTER(Gene Therapy Systems社、米国)、Chariot(Active Motif社、米国)等)による細胞内導入法を採用することができる。あるいはまた、前記第3発明の発現ベクターを生細胞内にトランスフェクトすることによってインディケーターを生細胞内に導入することもできる。例えば、発現ベクターをマイクロインジェクション法によって生細胞に導入する方法や、生体認識分子を提示した中空ナノ粒子に発現ベクターを封入して生細胞に発現ベクターを導入することもできる。あるいは、ウイルス性発現ベクターを有するウイルスを動物個体内の細胞に感染させることによって、プローブを動物個体内の細胞内で発現させることができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例1
図1に例示した構成を有する分泌制御型プローブを発現する発現ベクターを構築した。このプローブ(Secr-PHD1)はPIP2を標的分子(A)とするプローブであり、相互作用分子(B)として、PIP2を認識するホスホリパーゼCδ1(PLCδ1)由来のプレクストリン相同ドメイン(PHD1)を用い、Galectin-3の分泌ドメインおよびレポーター(黄色蛍光タンパク質:YFP)をPHD1に順次に連結した。また、PIP2認識能を欠損させたPHD1変異体(PHD1-RL)を相互採用分子(B)とするコントロールプローブ(Secr-PHD1-RL)の発現ベクターを作製した。
【0035】
これらの発現ベクターをそれぞれチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1細胞)に導入し、各プローブを発現させた.
Secr-PHD1とSecr-PHD1-RLの細胞内局在を、共焦点顕微鏡を用いて観察した。その結果、Secr-PHD1は細胞膜への局在が確認されたが、PIP2と結合しないSecr-PHD1-RLは細胞内に一様に存在していることが観察された(図2)。PIP2は細胞膜等の細胞内の膜系に恒常的に産生されていることが知られており、この結果は、本発明の分泌制御型プローブがPIP2を正しく認識し、細胞膜に局在化していることを示している。
実施例2
実施例1でプローブを発現させた細胞の細胞外液をサンプリングし、それをウエスタンブロット分析し、細胞内から培地中へと分泌された分泌制御型プローブの量を経時的(0時間、2時間、4時間)に評価した。
【0036】
結果は図3に示したとおりである。PIP2と結合し細胞膜に局在化しているSecr-PHD1は、経時的に細胞外に分泌されるが、PIP2と結合せず細胞膜に効率よく局在化しないSecr-PHD1-RLはほとんど細胞外に分泌されなかった。
【0037】
以上の結果から、本発明の分泌制御型プローブがPIP2の認識に基づき、細胞外へと分泌されえることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の分泌制御型プローブの構成例を示した模式図である。
【図2】実施例1において、本発明のプローブ(Secr-PHD1)とコントロールプローブ(Secr-PHD1-RL)をそれぞれ発現しているCHO-K1細胞の顕微鏡像である。
【図3】実施例2において、本発明のプローブ(Secr-PHD1)とコントロールプローブ(Secr-PHD1-RL)をそれぞれ発現しているCHO-K1細胞の細胞外液をウエスタンブロット分析した結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞膜に存在する標的分子を検出するためのプローブであって、標的分子に対する相互作用分子および分泌性タンパク質が一体化していることを特徴とする分泌制御型プローブ。
【請求項2】
分泌性タンパク質がGalectin-3である請求項1の分泌制御型プローブ。
【請求項3】
細胞膜に存在する標的分子を検出するためのプローブであって、標的分子に対する相互作用分子、分泌性タンパク質およびレポーターが一体化していることを特徴とする分泌制御型プローブ。
【請求項4】
分泌性タンパク質がGalectin-3である請求項3の分泌制御型プローブ。
【請求項5】
請求項1から4記載のいずれかのプローブを生細胞で発現することのできる発現ベクター。
【請求項6】
請求項1または2記載のプローブを生細胞内に導入し、細胞外に分泌されたプローブを測定することによって標的分子を検出することを特徴とする標的分子検出方法。
【請求項7】
請求項3または4記載のプローブを生細胞に導入し、細胞外のプローブシグナルを測定することによって標的分子を検出することを特徴とする標的分子検出方法。
【請求項8】
生細胞が動物個体内の細胞であり、当該動物個体の体液中のプローブまたはレポーターシグナルを測定する請求項6または7の標的分子検出方法。
【請求項9】
請求項5記載の発現ベクターを生細胞内に導入することによってプローブを生細胞内に導入する請求項6から8のいずれかの標的分子検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−220212(P2008−220212A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60230(P2007−60230)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人科学技術振興機構、大学発ベンチャー創出推進事業 研究開発課題「独自の非侵襲可視化技術を用いた生体内シグナルの動態解析試薬等の開発」に関する受託研究開発、産業再生法第30条の適用をうけるもの
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】