説明

分注装置、およびノズルチップ

【課題】極めて少量の液体を扱うことができ、適量の液体を正確に吐出でき、例えば、高価な液体を無駄なく使用できる分注装置を提供する。
【解決手段】出入口を有し、容積が可変できる容器、出入口の途中に設けられた弁を具備する分注器、および、前記容器の容積および前記弁を制御する制御器を備え、前記制御器は、薬液の吐出に関わるパラメータの設定を行う操作部と表示部を備え、前記弁を開放状態として、前記容器の容積を微少量だけ増大させ、前記弁を閉鎖状態として、前記容器の容積を所定量に減少させて容器の内圧を高め、前記弁を開放状態にして、前記容器内の媒体を前記出入口から放出することを特徴とする分注装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微量の液体を所望の量だけ分注することができる分注装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分注装置としては薬液を容器に収納しておき、容器を指で圧縮して所望の量の薬液を眼球に滴下するものが知られている。一例として、一滴分の点眼液定量部が点眼液吐出口に連接され、点眼液定量部の一滴分の点眼液を点眼液吐出口より直線的に液滴状態で吐出させる圧力を前記点眼液に付加する圧力付加機能及び前記点眼液の吐出作動初期圧を制御する吐出作動初期圧制御機能が具備された点眼器が知られている(特許文献1参照)。また、分与しようとする物質の容器と関連させたポンプを設けておき、小量の液滴を分与する装置がある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−319999号公報(第1頁、1図)
【特許文献2】特開平06-134021号公報(第1頁、1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、高価な薬液剤を極めて少量、特定の容器や位置に分注することにより、薬品の実験、生化学的実験、医薬品の製品の製造などが行われるようになってきているが、従来の分注装置では、一滴分の液体を扱うことが出来ても、極めて少量の液体を扱うことができず、また、ある程度の量の液体を分注装置の容器内に用意しておく必要があり、過大な量の液体を分注する欠点、分注装置に残留する液体が無駄になる欠点を解決することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明の分注装置は、以下のような手段および手順を採用する。
【0005】
(1)出入口を有し、容積が可変できる容器、出入口の途中に設けられた弁を有する分注器、および、前記容器の容積および前記弁の開閉を制御する制御器を備えた分注装置であって、前記制御器は、薬液の吐出に関わるパラメータの設定を行う操作部と設定された前記パラメータを表示する表示部を備え、前記弁を開放状態として、前記容器の容積を微少量だけ増大させ、前記弁を閉鎖状態として、前記容器の容積を所定量に減少させて容器の内圧を高め、前記弁を開放状態にして、前記容器内の媒体を前記出入口から吐出することを特徴とする分注装置。
(2)前記容器の容積を微少量だけ増大させることにより、微量(約100nL以下)の液体を前記出入口より吸引する(1)記載の分注装置。
(3)前記出入口に着脱可能なノズルチップを結合し、微量の液体を吸引する(1)記載の分注装置。
【0006】
(4)出入口を有し、容積が可変できる容器の前記出入口の途中に弁を設け、前記弁を開放状態として、前記容器の容積を微少量だけ増大させ、前記出入口より微量の液体を吸引するステップ、前記弁を閉鎖状態として、前記容器の容積を所定量に減少させて容器の内圧を高めるステップ、前記弁を開放状態にして、前記吸引した液体を前記出入口から吐出するステップ、を備えた分注方法。
【0007】
(5)シリンジ、ピストン、電磁弁、パイプ、ノズルチップ、および、ピストン駆動部を備え、前記シリンジと前記パイプの間に前記電磁弁を設け、前記パイプに前記ノズルチップを結合し、前記シリンジと前記ピストンが形成する容器の容積を、前記ピストン駆動部が制御する分注器と、薬液の吐出に関わるパラメータの設定を行う操作部と設定された前記パラメータを表示する表示部を備え、前記入力したパラメータ値に基づき前記ピストン駆動部を駆動し、前記電磁弁を駆動する制御器とを具備した
ことを特徴とする分注装置。
【0008】
(6)シリンジ、ピストン、電磁弁、パイプ、ノズルチップ、および、ピストン駆動部を備え、前記シリンジと前記パイプの間に前記電磁弁を設け、前記パイプに前記ノズルチップを結合し、前記シリンジと前記ピストンが形成する容器の容積を、前記ピストン駆動部が制御する分注装置であって、前記電磁弁が開放状態において、前記ピストン駆動部は、前記ピストンを引き出してシリンジ内に空気を満たし、次に、前記ピストン駆動部は、前記ピストンを微小距離引き出して、前記ノズルチップ先端に薬液を微少量吸引し、次に、前記電磁弁が閉鎖状態において、前記ピストン駆動部は、前記ピストンを押し込んで、前記シリンジ内の空気を圧縮し、次に、前記電磁弁が開放状態において、前記微少量の薬液を前記ノズルチップから吐出する動作を行う分注器と、薬液の吐出に関わるパラメータの設定を行う操作部と設定された前記パラメータを表示する表示部を備え、前記入力したパラメータ値に基づき前記ピストン駆動部を駆動し、前記電磁弁を駆動する制御器とを具備した
ことを特徴とする分注装置。
(7)前記パイプを省き、前記電磁弁と前記ノズルチップが結合された(5)または(6)何れか記載の分注装置。
(8)前記ノズルチップは、着脱可能である(5)または(6)何れか記載の分注装置。
【0009】
(9)シリンジ、ピストン、電磁弁、パイプ、ノズルチップ、および、ピストン駆動部を備え、前記シリンジと前記パイプの間に前記電磁弁を設け、前記パイプに前記ノズルチップを結合し、前記シリンジと前記ピストンが形成する容器の容積を、前記ピストン駆動部が制御する分注方法であって、前記電磁弁を開放状態にしておいて、前記ピストンを引き出してシリンジ内に空気を満たすステップ、前記ピストンを微小距離引き出して、前記ノズルチップ先端に薬液を微少量吸引するステップ、前記電磁弁を閉鎖状態にしておいて、前記ピストンを押し込んで前記シリンジ内の空気を圧縮するステップ、および、前記電磁弁を開放状態にして、前記微少量の薬液を前記ノズルチップから吐出するステップ、よりなる分注方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、極めて少量の液体を扱うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の分注装置、の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
【0012】
まず、本発明の分注装置の基本的な構成について説明する。本発明の分注装置は、分注器1と制御器2を具備する。分注器1は、液体を出し入れする出入口を有し、容積が可変できる容器と、容器と出入口の間に設けられた弁を備える。容器の容積および弁は、制御器2により制御される。制御器2は、弁を開放状態として、前記容器の容積を微少量だけ増大させることができる。前記弁を閉鎖状態として、前記容器の容積を所定量に減少させて容器の内圧を高めることができる。前記弁を開放状態にして、前記容器内の媒体を前記出入口から放出することができる。具体的な例について次に説明する。
【0013】
図1は、本発明の分注装置の具体的な構成を示す図である。本発明の分注装置は、分注器1、制御器2を具備する。分注器1は、基板10、ピストン駆動部11、シリンジ12、ピストン13、電磁弁14、パイプ15、ノズルチップ16を有する。ピストン駆動部11は、パルスモータ111、駆動軸112、ばね113を具備する。制御器2は、操作部21、表示部22、MPU(マイクロプロセッサユニット)23、記憶部24、電磁弁駆動部25、および、モータ駆動部26を具備する。
まず、分注器1について詳述する。
【0014】
シリンジ12は、コ型の基板10の垂直部に固定されている。シリンジ内には、ピストン13が挿入されており、シリンジ12の軸方向に移動可能である。シリンジ12とピストン13は、小型の注射器や注入機のような構造で、空気を吸引したり排出したりできる出入口を有する容量可変の容器である。ピストン13の軸には、ばね固定軸114が設けられており、ばね固定軸114には、ばね113が装着されており、ばね113は、ピストン13をシリンジ12の外部に引き出すように引っ張っている。パルスモータ111は、基板10のもう一方(シリンジ12が固定されている方とは逆の方)の垂直部に固定されている。ばね113の一端も取り付け板(図1の基板10の垂直部)上に固定されている。パルスモータ111の回転によって、駆動軸112であるモータシャフトは、図面上で左右方向に移動可能になっている。駆動軸112の一端は、ピストン13の軸に当接している。駆動軸112が図の右方向に移動すると、ピストン13は、ばね113の引っ張り力に抗して空気排出方向に移動する。駆動軸112が左方向に移動すると、ピストン13は、ばね113に引っ張られて空気吸引方向に移動する。
【0015】
シリンジ12の右先端部は細いチューブ状であり、電磁弁14の一方の口が接続される。電磁弁14の他方の口には、パイプ15が接続される。パイプ15の先端は円錐状であり、ノズルチップ16が勘合できるようになっている。ノズルチップ16には、微細な直径の穴が設けられている。電磁弁14には、シリンジ12側とパイプ15側の空気の流通を遮断する弁が設けられており、この弁の開閉は、制御器2から供給される電気信号により行われる。電磁弁14が開放状態では、シリンジ12内部、電磁弁14内部、パイプ15内部、ノズルチップ16内部は、外部とつながっており、空気の流通が生じ得る。ピストン13をシリンジ12から引き出す方向に引っ張ることにより外部の空気をシリンジ12内に吸引することができる。電磁弁14が閉鎖状態では、シリンジ12内部の空気は外部から遮断される。電磁弁14が閉鎖状態の際に、ピストン13をシリンジ12内に挿入すると、シリンジ12内の空気は圧縮される。
【0016】
パルスモータ111の構造の一例を図3(A)の断面図に示す。図3(A)において、パルスモータ111は、モータシャフト30、回転子31、固定子32、筐体33から成る。回転子31、固定子32は、周知のパルスモータやステッピングモータと同様の構造である。筐体33には、2つの軸受けが設けられる。一方の軸受けは、スラスト軸受けであり、シャフトは軸方向に自由に移動可能とする。他方の軸受けは、ねじ軸受け34であって、拡大図に示すように、モータシャフト30には雄ねじが切られており、筐体33の軸受け部に設けられた雌ねじ状の穴に挿入されている。回転子31が、ねじ軸受け34から見て時計方向に回転すると、モータシャフト30は、スラスト軸受け30の方向に移動する。回転子31が、ねじ軸受け34から見て反時計方向に回転すると、モータシャフト30は、ねじ軸受け34の方向に移動する。すなわち、回転子31の回転運動をモータシャフト30の直線運動に変換できる。モータシャフト30の移動に伴って回転子31も移動するので、回転子31のモータシャフト方向の厚さは、固定子32のモータシャフト方向の長さより小さくして、固定子32の磁界内に出ないように、かつ筐体に当たらないようにする。モータシャフト30に切る雄ねじ部分の長さは、ピストン13が必要な移動最大距離に若干の余裕を加えた長さでよい。
【0017】
ばね113の引っ張り力により、ピストン13の軸の端部は、駆動軸112であるモータシャフト30に当接しているので、パルスモータ111を、ピストン13の方向に向かって反時計方向に回転させると、ピストン13はシリンジ12から引き出される方向へ移動する。パルスモータ111をピストン13の方向に向かって時計方向に回転させると、ピストン13は、シリンジ12内部に押し込まれる。
【0018】
本発明では、ピストン13の位置、移動方向と電磁弁14の開閉とを制御することにより、薬液18の入った容器から薬液の微量サンプル17をノズルチップ16内に吸引し、サンプル17をノズルチップ16から実験用のシャーレなどに向けて吐出させる。本発明の分注装置の動作について、図2(A)〜(D)により説明する。なお、薬液18は、液体の一例であり、他の液体でも良い。
【0019】
まず、新しいノズルチップ16をパイプ15の先端に嵌め込む。図2(A)に示すように、パルスモータ111を反時計方向に回転させて、シリンジ12からピストン13を引き出し、ピストン13を所定位置P1まで移動させる。なお、位置P1は、シリンジ12の開口端(図1では左端)を基準としてピストン13の挿入方向に向けて計った距離とする。このときには、電磁弁14は、開放状態にしておく。シリンジ12内部には常圧空気が満たされる。
【0020】
次に、図2(B)において、ノズルチップ16の先端を薬液18容器内の薬液に浸けて、パルスモータ111を反時計方向に少しだけ回転させ、ピストン13を所定位置P2に少しだけ引き出す。電磁弁14は開放状態のままとする。シリンジ12の断面内法の円形面積Ssとピストン13の移動距離(P1〜P2)の積に相当する容量の薬液がサンプル17としてノズルチップ16の先端部に吸引される。
【0021】
次に、図2(C)に示すように、電磁弁14を閉鎖状態とし、パルスモータ111を時計方向に回転させて、ピストン13を、所定位置P3になるまでシリンジ12内部方向に押し込む。電磁弁14が閉鎖状態であるので、シリンジ12内の空気は圧縮され高圧になる。
【0022】
次に、分注器1を移動させて、ノズルチップ16の先端が実験用のシャーレなどの容器や実験器具の上に位置するようにして、図2(D)に示すように、電磁弁14を開放状態にする。シリンジ12内の圧縮空気は電磁弁14、パイプ15、ノズルチップ16を経て放出され、ノズルチップ16先端のサンプル17を吐出させる。極めて微量のサンプル17を正確に吐出できる。
【0023】
次に、制御器2について説明する。図1に示した制御器2は、分注器1の薬液の吸引量や、吐出の強さなどの使用条件のような吐出に関わるパラメータの設定や、吸引、吐出におけるピストン13や電磁弁14の制御を行う。制御器2において、操作部21は、薬液の吸引量、薬液の吐出の強さの設定、薬液の吸引操作、薬液の吐出操作などを操作指示する部分であって、典型的にはスイッチにより構成される。表示部22は、薬液の吸引量、薬液の吐出の強さなどの設定値を表示するディスプレイ装置であって、液晶パネルを用いた表示装置が適用できる。MPU23は、マイクロプロセッサであって、後述する各種処理を行う。記憶部24は、各種パラメータ項目名、単位名、薬液の吸引量、薬液の吐出の強さなどのパラメータ設定値、各種パラメータの算出式などの算出手順、および、MPU23が行う処理の手順のプログラムなどを記憶するメモリであって、不揮発性記憶装置が適している。電磁弁駆動部25は、前記電磁弁14の開閉駆動を行うドライバ回路である。モータ駆動部26は、前記パルスモータ111用に駆動パルス信号を生成し供給するドライバ回路である。特に図示しないが、制御器2には電源が設けられる。電源は、電池であってもよいし、交流電源を整流したものでもよい。記憶部24に揮発性メモリを使用する場合は、電池電源によって記憶保持を行うようにすればよい。
【0024】
図4(A)に、操作部21と表示部22の一例を示す。図4(A)において、操作部21には、押ボタン状のパラメータ選択スイッチ41、数値を増減設定するために上下に傾けられるレバー状の数値選択スイッチ42、薬液の吸引を指示する押ボタン状のスイッチである吸引ボタン43、および、薬液の吐出を指示する押ボタン状のスイッチである吐出ボタン44が設けられている。これらのスイッチは、それぞれ、MPU23の割込み端子に接続され、MPU23は各スイッチやボタンの操作を検知したときに、MPU23において割り込みが発生するように構成される。表示部22には、吸引量(μL)、吐出距離(cm)、薬液の粘度(cP)の表示エリアが設けられ、吸引量:0.XX(μL)、吐出距離:YY(cm)、薬液の粘度:ZZ(cP)のように3つのパラメータ項目名、単位とパラメータ設定値の表示が可能である。3つの内の1つのパラメータ項目が選択され、その表示の回りには、選択されていることを示す枠が表示される。図4(A)の例では、「吐出距離」の欄に枠が表示されている。枠を表示する代りに数値を点滅させてもよい。
【0025】
図4(A)の例では、操作部21を操作することにより3つのパラメータを設定することが可能である。その操作手順および制御器2の動作について、図5(A)および図5(B)に示したフローチャートを用いて説明する。記憶部24には、あらかじめ、パラメータ項目名、単位名、および、デフォルト値をテーブルとして記憶しておき、このテーブルから読み出して表示に使用するものとする。一例としては、吸引量:1.00(μL)、吐出距離:5.0(cm)、薬液の粘度:1.0(cP)(=センチ・ポアズ)などである。また、各パラメータ項目に対応して、それらの設定値の記憶エリアも記憶部24に設けておく。
【0026】
制御器2の電源がONになると、MPU23において、メインルーチンが起動され、MPU23は、パラメータ項目名、単位名、デフォルト値を記憶部24から読み出し、表示部22に表示させる。枠表示は、最上段の「吸引量」の位置とする。この処理後に、MPU23は、割り込み待ちの状態になる。パラメータ選択スイッチ41がONになると、図5(A)の手順において、(S10)において割込み待ちが発生し、(S11)に進み、入力パラメータ項目を選択する。すなわち、表示部22において枠に囲まれて選択されているパラメータ項目を1つ下の項目に切り換える。図4(A)では、「吸引量」から「吐出距離」に切り替わった状態を示す。この後、MPU23は、(S10)の割り込み待ち状態に戻る。パラメータ選択スイッチ41をONにするたびに、選択されるパラメータ項目が「吸引量」、「吐出距離」、「粘度」の順に1つずつ循環的に切り替わる。MPU23は、選択されたパラメータ項目が何であるかを記憶部24に記憶しておく。使用者は、所望のパラメータ項目を選択の後、数値選択スイッチ42を操作してパラメータ値を入力する。数値選択スイッチ42のレバーを上に倒すと表示部22に表示されているYYの値をデフォルト値から増加させることができる。数値選択スイッチ42のレバーを下に倒すと表示部22に表示されているYYの値を減少させることができる。この動作は、図5(B)のフローチャートの手順により行える。MPU23は、(S20)において、数値選択スイッチ42からの割り込みを待っており、数値選択スイッチ42が操作されると割り込みが発生し、(S21)に進む。(S21)において、数値選択スイッチ42の操作に応じて、入力パラメータ項目にパラメータ値を入力する。すなわち、MPU23は、数値選択スイッチ42のレバーの操作が上方向か下方向かを検知し、上方向の場合、記憶部24内のパラメータ値欄の内、選択されているパラメータ項目に対応したメモリ内の数値を所定変化分だけ増加させ、その数値を設定値として表示部22に表示させる。下方向の場合、選択されているパラメータ項目に対応したパラメータ値欄の数値を所定値だけ減少させ、その数値を設定値として表示部22に表示させる。次に、(S22)に進み、入力されているパラメータ値、すなわち前記設定値に従い、ピストン位置P1、P2、P3を算出し(S20)に戻る。算出方法については後述する。(S20)に戻ったときに、まだ、数値選択スイッチ42が操作されていると、その操作に従って、再び割り込みが発生し、(S21)、(S22)が実行される。
【0027】
使用者は、表示される数値を見て、希望の数値になったところで、レバーを離すと、そのときの記憶部24内の数値が、当該パラメータ項目での設定数値となる。MPU23は、そのときの設定値に従い(S22)を実行した後、(S20)の割り込み待ちに戻る。以上により1つのパラメータ項目のパラメータ値が設定される。使用者が、「吸引量」、「吐出距離」、「粘度」について、上記操作を行い、MPU23が、(S10)〜(S11)、(S20)〜(S22)を実行すれば、「吸引量」、「吐出距離」、「粘度」のそれぞれのパラメータ値の設定が済む。MPU23は、(S22)において、「吸引量」、「吐出距離」、「粘度」の最新の設定値に基づきピストン位置P1、P2、P3を算出することになる。
【0028】
薬液のノズルチップ16からの吐出距離YYは、薬液の吸引量XX、薬液の粘度ZZ、シリンジ内の圧縮空気の圧力Psによりおおむね決まる。これらの関係を表す近似式は、一般的な力学または流体力学の原理により求めることが可能である。近似式とその解法のプログラムを記憶部24に記憶しておき、MPU23が、プログラムを使用して、設定された吐出距離YY、薬液の吸引量XX、薬液の粘度ZZから、シリンジ内に必要な圧縮空気の圧力Psを求めればよい。
【0029】
また、実験により、吐出距離YY、薬液の吸引量XX、薬液の粘度ZZ、シリンジ内の圧縮空気の圧力Psの関係を求め、この実験結果を利用して圧力Psを算出することも可能である。たとえば、薬液の吸引量XX、薬液の粘度ZZ、シリンジ内の圧縮空気の圧力Psについて、それぞれ、例えば5通りの条件を選んで吐出実験を行い、吐出距離YYを求める。このようにして得られた5×5×5=125通りの(XX、YY、ZZ、Ps)のテーブルを記憶部24に記憶しておく。操作部21と表示部22を使用して設定された吐出距離YY、薬液の吸引量XX、薬液の粘度ZZを元に、125通りのテーブルの数値を使用した補間演算により、シリンジ内の圧縮空気の圧力Psを近似的に求めることができる。吐出距離YY、薬液の吸引量XX、薬液の粘度ZZによる3次元空間において、125点により形成される64個の立方体または直方体のエリアの内、設定値(XX、YY、ZZ)が属する直方体の頂点8点に対応する圧力Psの値の平均値を算出して使用してもよい。更に正確を期す場合は、(XX、YY、ZZ)と上記8点との距離に従って圧力Psの値の補間値を求める演算を3つの軸方向で順次行い、圧力Psを求めればよい。このような補間演算の演算過程をプログラム化して記憶部24に格納しておき、MPU23がプログラムを読み出しながら補間演算を行い、圧力Psを近似的に求めればよい。
【0030】
次に、薬液の吸引量XX、圧力Psよりピストンの位置P1、P2、P3を計算する。シリンジ12の内部の断面積をSsとすると、吸引量XX=Ss×(P1−P2)である。ピストン13がP1の位置にあるときのシリンジ内のピストン13から電磁弁14の弁までの容積をV1とすると、ピストン13がP2の位置にあるときのシリンジ内のピストン13から電磁弁14の弁までの容積V2は、V1+Ss×(P1−P2)である。P2からP3まで圧縮したとき、圧力Ps=V2/{V2−Ss×(P3−P2)}である。P1をピストンの基準位置としてあらかじめ決めておけば、P2とP3を計算で求めることができる。このための計算の手順をプログラムとして記憶部24に記憶しておき、MPU23がプログラムを読み出して計算を行い、P2とP3を求める。
【0031】
図1に示した制御器2は、上記P1、P2、P3の値を使用して、図2で説明したピストン13と電磁弁14の一連の制御を行う。図5(C)、図5(D)は、制御器2が行うパルスモータ111と電磁弁14の制御の手順を示すフローチャートである。吸引ボタン43がONになると、MPU23は、(S30)において割込み発生を検知し(S31)に進み、ピストンを位置P2に薬液容量分だけ引き出す。次に、(S32)に進み、電磁弁を閉鎖し、ピストンを位置P3に押し込む。以上で吐出の準備ができ、(S30)に戻る。(S31)は、図2(B)で説明した制御であり、(S32)は、図2(C)で説明した電磁弁14の制御と圧縮の制御である。吐出ボタン44がONになると、MPU23は、(S40)において割込み発生を検知し(S41)に進み、電磁弁を開放状態にする。次に、(S42)に進み、ピストンを位置P1に引き出す。以上で次の吸引の準備ができ、(S40)に戻る。(S41)は、図2(D)で説明した電磁弁14の開放の制御である。(S42)は、図2(A)で説明した制御である。なお、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0032】
パルスモータ111は、供給する複数のパルス信号の位相やパルス数により、回転角度を決めることができ、1パルスで0.5度程度回転させることも可能である。従って、ピストン13の位置を正確に設定するのが容易である。図3(A)の構造のパルスモータ111では、ねじ軸受け34により、回転子31の回転運動をモータシャフト30の微小移動に変換できるので、ピストン13の位置の分解能を細かく設定できる。制御器2は、位置(P3−P1)、(P1−P2)、(P2−P3)に応じた極性とパルス数の制御信号をパルスモータ111に供給する。このために、ピストン13をP1、P2、P3の位置に移動させるに必要なパルス数を計算するための係数値を記憶部24に格納しておき、MPU23はそれらの係数値とP1、P2、P3から必要なパルス数を計算するようにする。
【0033】
薬液により、吸引量、吐出圧力を変更する場合もあるから、制御器2では、各手順におけるパルス数を変更設定できるようにするのが好ましい。このためには、吸引量や吐出圧力を設定するためのつまみやテンキーによる入力操作部を制御器2に設けて、パルス数を変更できるようにすればよい。ノズルチップ16の内径も、薬液18の粘度、混合物質、吸引量などにより変更できるように、複数種類のノズルチップ16を用意して、選択して使用するようにすればよい。
【0034】
上記分注器1は、小型のパルスモータ111、シリンジ12、電磁弁14などを用いることにより、太目のペンや万年筆程度の大きさに出来るので、たとえば、科学者や研究者が実験現場で手軽に使用することが出来る。制御器2と分注器1とを一体化すれば、片手で分注が行える。
【0035】
シリンジ12と電磁弁14の結合は、直接的でも間接的でもよい。間接的な場合とは、直線状、あるいは湾曲状のパイプを介して結合することになるが、シリンジ12と電磁弁14が結合されていることに変わりはない。電磁弁14とパイプ15の結合も、直接的でも間接的でもよい。間接的の場合、直線状、あるいは湾曲状のパイプを介して結合してもよい。図6(B)に湾曲したパイプ19により、シリンジ12と電磁弁14、電磁弁14とパイプ15が間接的に結合された例を示す。パイプ15自身が湾曲していてもよい。パイプ15は、ノズルチップ16を嵌め込む取り付け部の機能を果たす。電磁弁14の一方の口がノズルチップ16の取り付け部になる場合は、パイプ15は省略できる。
【0036】
なお、図1において、シリンジ12とピストン13が内容積可変の容器を形成し、パイプ15とノズルチップ16が容器の出入口を形成し、出入口の途中に電磁弁14が設けられていると見てもよい。図6(B)においても、シリンジ12が容器を形成し、パイプ19、パイプ15およびノズルチップ16が容器の出入口を形成し、出入口の途中に電磁弁14が設けられていると見てもよい。また、ノズルチップ16は、出入口の一部と見てもよいし、別部分と見てもよい。
【0037】
表示部22の数値選択スイッチ42のレバーを上下に加えて左右にも倒すことができるようにし、左右に倒すことにより、表示部22のパラメータ値表示の数値の桁を1桁だけ左右に移動選択できるようにし、1桁ずつレバーの上下操作により数値入力するようにしてもよい。2桁以上の数値を入力する場合、各桁毎に数値を入力でき、入力操作時間を少なくできる。
【0038】
図4(B)に示した表示部22aでは、吸引量:XX(μL)と吐出圧力:Ps(気圧)の2つのパラメータ値を入力、表示するようにした例である。この場合は、「吸引量」、「吐出距離」、「粘度」に対する吐出圧力値Psの数表を紙などに数表として印刷、作成しておき、使用者は、その数表を見て必要な吐出圧力値Psを探し、パラメータ選択スイッチ41と数値選択スイッチ42により、入力するようにする。
【0039】
操作部21を、スイッチに代えてマウスとし、表示部22をパソコンで使用するような液晶表示装置とし、マウスにより、ポインタのアイコンを移動させて、所望のパラメータ項目を選択し、数値を入力するようにしてもよい。数値はキーボードなどに設けられているようなテンキーを使用して入力するようにしてもよい。
【0040】
制御器2にメモリカードの読み取り器を設けておき、メモリカードにパラメータ設定値を記憶しておき、このメモリカードを読み取り器に挿入し、読み取り器がパラメータ設定値を読み出して記憶部24に格納し、MPU23がパラメータ設定値を使用するようにしてもよい。MPU23は記憶部24からパラメータ設定値を読み出して表示部22に表示させてもよい。
【0041】
上記、本実施の形態におけるパラメータ項目は一例であり、他の項目を追加してもよいし、別のパラメータ項目を使用してもよい。たとえば、ノズルチップ16の内径が異なるものを複数種類用意する場合、内径によって、粘度が及ぼす影響が異なるので、内径値をパラメータ項目に加えるとより正確な吐出距離の設定が可能になる。
(実施の形態2)
【0042】
上記実施の形態1では、ねじ軸受け34を有するパルスモータ111を使用したが、モータは、他の一般的なモータを使用してもよい。図3(B)では、普通のパルスモータ111aのモータシャフトにピニオン36を設け、回転動作をラック37により直線動作に変換して、ラック37がピストン13の軸を兼ねる構造としている。他の部分の構造は、図1と同様でよい。この場合は、ピストン13の軸を引っ張るばね113はなくともよい。
回転するモータ以外に、リニアモータや、超音波モータなど種々のモータを使用してもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の分注装置の他の実施の形態について説明する。本実施の形態では、別の容器を使用する。
【0043】
図6(A)は、このような実施の形態の一例である。シリンジ12の代りに、容積が可変の容器51を使用する。容器51には空気の出入口が設けられており、電磁弁14に接続されている。容器51は、やや硬めのゴムや柔軟性のあるプラスチック材料などで構成する。容器51は、加圧板52により挟んで押さえるとその容積が減少するが、押さえないと元の形状に復元するものとする。電磁弁14を閉鎖状態にして圧縮板52により容器51を押さえると容積の減少により内圧が高くなる。容器51をやや扁平、楕円の袋形状とし、2枚の加圧板52により挟む構造にすれば、容器52の内容積を大幅に減少させることが容易になる。
【0044】
電磁弁14を開放状態にして、加圧板52を少しだけ押さえておき、ノズルチップ16を薬液18に浸し、加圧板52の圧力を除くと、容器52の容積が元に戻り、微量の薬液をサンプル17として、ノズルチップ16先端に吸引できる。その後、電磁弁14を閉鎖状態にして、加圧板52を押さえて、容器51の体積を元の半分程度にし、その後、電磁弁14を開放すれば、約2気圧で、微小のサンプル17を吐出できる。加圧板52の位置の移動は、パルスモータとギアなどによる駆動機構により実現可能である。
(実施の形態4)
【0045】
図1において説明した、シリンジ12とピストン13を左右逆方向にしてもよい。ピストン13の軸をパイプ状にして、シリンジ12の代りに基盤0の垂直部に固定する。ピストン13の軸のパイプは電磁弁14に接続される。シリンジ12をピストン13にかぶせてパルスモータ111のモータシャフトにより、押さえるようにする。シリンジ12は、ばね113と同様の構造により、ピストン13と反対側に引っ張るようにしておく。
(実施の形態5)
【0046】
図6(C)に、ノズルチップ16の一変形例であるノズルチップ16aを示す。ノズルチップ16aにおいて、ノズル部を透明の部材、透明プラスチックなどで作る。薬液の吸引状態が眼で確認できるので、誤操作が防止できる。ノズルチップ16aの根元部分にフィルタ60を設ける。フィルタ60の材質としては、空気を透過し、液体の通過を遮断する性質の膜、または、栓になるものである。ウレタン樹脂や不織布などが使用できる。薬液の吸引がフィルタ60の位置で止まり、パイプ15まで吸引されないので、細菌や微生物が混じった液体などによる分注器の本体部分の汚染を防止できる。また、意図しない異なる薬液の混合が起きにくい。
(その他の実施の形態および補足)
【0047】
本発明の分注装置によれば、微量の液体の吸引、吐出が可能になる。例えば、100nLから20μLのような微量の液を扱うことも可能である。また、吐出距離としては、5mmから50mm程度が実現可能である。吸引量と吐出量がほぼ同じになるので、薬液の無駄がない。制御器2は小型にすることが可能であり、分注器1と一体化して万年筆大の大きさの小型軽量なハンドピース形状とすれば、片手操作が可能にもできる。分注精度は、1μLでCV値を5%以内とすることが可能である。
【0048】
シリンジは、上記説明したように注射器とよく似た構造でもよい。シリンジ12の材料には金属、プラスチックなどが適用できる。シリンジ12は、内径1.5mm、ピストン13の最大移動距離2mm程度が一例として挙げられるが、これには限らない。空気を圧縮するので、ピストン13とシリンジ12は機密性がよい構造が好ましいことは言うまでも無い。
【0049】
ノズルチップ16は、衛生面、薬液混合を避ける安全面から、容易に交換可能なディスポーザブルタイプのチップが好ましい。ノズルチップ16の穴の内径は0.4mm、長さ35mm程度の円錐状の外形のものが扱いやすいが、この寸法には限らない。滅菌されたチップを使用することが好ましいことは言うまでも無いので、交換用のノズルチップ16を1本ずつ密閉した袋に収納しておき、使用後は使い捨てにすることもできる。
【0050】
既に説明したように、シリンジ12内の圧縮空気の圧力は、ノズルの内径、液の量、液の粘度、混合物質などによって変更できることが好ましい。一例として、1μリットルの薬液を4気圧で吐出する分注装置を実現できる。
【0051】
なお、本実施の形態における分注装置が吐出する液体は、何でも良い。液体は、例えば、生物の血液や体液などである。本実施の形態における分注装置を使用すれば、例えば、貴重な生物体内の液体を有効に利用して、バイオテクノロジーの研究が促進できる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明にかかる分注装置は、種々の溶液を微量に分けて供給する分注の作業に活用可能である。遺伝子工学をはじめとして、微少液量を処理する分野などに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態による分注装置の構成図
【図2】本発明の一実施形態による分注装置の動作と分注手順を示す図
【図3】本発明で使用するパルスモータの実施形態の図
【図4】本発明で使用する制御器の操作部と表示部の実施形態の図
【図5】本発明の分注方法の制御手順のフローチャート
【図6】本発明の他の一実施形態による分注装置の要部の構成図
【符号の説明】
【0054】
1 分注装置
2 制御器
10 基板
11 ピストン駆動部
111 パルスモータ
112 駆動軸
113 ばね
12 シリンジ
13 ピストン
14 電磁弁
15 パイプ
16 ノズルチップ
17 サンプル
18 薬液
21 操作部
22 表示部
23 MPU
24 記憶部
25 電磁弁駆動部
26 モータ駆動部
51 容器
52 圧縮板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を出し入れする出入口と、容積が可変できる容器と、前記容器と前記出入口の間に設けられた弁を具備する分注器と、
前記容器の容積および前記弁の開閉を制御する制御器を具備する分注装置であって、
前記制御器は、前記弁を開放状態として、前記容器の容積を増大させ、
前記弁を閉鎖状態として、前記容器の容積を所定量に減少させて容器の内圧を高め、
前記弁を開放状態にして、前記容器内の媒体である液体を前記出入口から吐出することを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記容器の容積を増大させることにより、前記液体を前記出入口より吸引する請求項1記載の分注装置。
【請求項3】
前記出入口に着脱可能なノズルチップを結合し、前記液体を吸引する請求項1記載の分注装置。
【請求項4】
前記制御器は、
液体の吐出に関わるパラメータの設定を行う操作部さらに具備する請求項1から請求項3いずれか記載の分注装置。
【請求項5】
前記制御器は、
前記パラメータを表示する表示部をさらに具備する請求項4記載の分注装置。
【請求項6】
シリンジ、ピストン、電磁弁、パイプ、ノズルチップ、および、前記ピストンを駆動するピストン駆動部を備え、
前記シリンジと前記パイプの間に前記電磁弁を設け、前記パイプに前記ノズルチップを結合し、前記シリンジと前記ピストンが形成する容器の容積を、前記ピストン駆動部が制御する分注器と、
前記ピストン駆動部を駆動し、前記電磁弁を駆動する制御器とを具備する分注装置。
【請求項7】
前記電磁弁が開放状態において、前記ピストン駆動部は、前記ピストンを引き出してシリンジ内に空気を満たし、次に、前記ピストン駆動部は、前記ピストンを所定の距離引き出して、前記ノズルチップ先端に薬液を吸引し、次に、前記電磁弁が閉鎖状態において、前記ピストン駆動部は、前記ピストンを押し込んで、前記シリンジ内の空気を圧縮し、次に、前記電磁弁が開放状態において、前記液体を前記ノズルチップから吐出する動作を行うことを特徴とする請求項6記載の分注装置。
【請求項8】
前記制御器は、
液体の吐出に関わるパラメータの設定を行う操作部と、
前記パラメータを表示する表示部をさらに具備し、
前記ラメータ値に基づき前記ピストン駆動部を駆動する請求項6または請求項7記載の分注装置。
【請求項9】
前記パイプを省き、前記電磁弁と前記ノズルチップが結合された請求項6から請求項8いずれか記載の分注装置。
【請求項10】
前記ノズルチップは、着脱可能である請求項6から請求項9いずれか記載の分注装置。
【請求項11】
前記出入口から吐出される液体は、約100nLから約20μLの微量の液体である請求項1から請求項10いずれか記載の分注装置。
【請求項12】
前記操作部は、吸引量、吐出距離、粘度、吐出圧力のいずれかのパラメータを設定する請求項8または請求項12記載の分注装置。
【請求項13】
前記ノズルチップは、少なくとも先端部が透明または半透明の部材よりなる請求項1から請求項12いずれか記載の分注装置。
【請求項14】
前記ノズルチップは、内部にフィルタを備えた請求項1から請求項13いずれか記載の分注装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14いずれか記載の分注装置を構成する分注器。
【請求項16】
請求項1から請求項14いずれか記載の分注装置を構成する制御器。
【請求項17】
請求項3から請求項14いずれか記載の分注装置を構成するノズルチップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−250832(P2006−250832A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70201(P2005−70201)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【出願人】(000113573)マイクロニクス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】