説明

分注装置、分析装置および分注方法

【課題】吐出される液体の量のばらつきを抑制し、精度の高い分注処理を行うことができる分注装置、分析装置および分注方法を提供すること。
【解決手段】液体を保持するリザーバー11とリザーバー11と接続された流路13を介して毛細管力によってリザーバー11から搬送された液体を所定量計量し保持するノズル12を有する分注器14を備え、吐出対象容器43a,43bに所定量の液体を吐出する分注装置1において、ノズル12が保持する液体を吐出させる加圧部30と、吐出対象容器43a,43bに液体が吐出される前にノズル12から液体を吐出させるダミー吐出処理を加圧部30に行わせる加圧制御部63と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出対象に所定量の液体を吐出する分注装置、分析装置および分注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿等の液体を自動的かつ連続的に分析する分析装置において、分析対象である液体を複数の容器に分注する技術として、液体保持部に保持した液体のうち微量の液体を吐出するプレート状部材(以下、分注プレートと呼ぶ。)を用いて、液体を容器に分注する技術が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。特許文献1に記載の分注プレートは、液体保持部の底部に吐出口を有し、液体保持部に保持した液体の上面が加圧されることによって吐出口から微量の液体を吐出し、分注する。この場合、吐出される液体の量は、液体に加えられる圧力の大きさと加圧時間によって調節される。また、特許文献2に記載の分注装置は、液体保持部から所定の微量の液体を計量して保持する計量部を有し、この計量部に保持された液体の上面が加圧されることで、計量部の底部の吐出口から微量の液体を吐出し、分注する。この場合、毛細管力を利用して、液体保持部から計量部までの液体の移動が行われ、また、吐出する液体の量は、計量部の容積によって定められている。
【0003】
【特許文献1】特表2000−500567号公報
【特許文献2】独国特許発明第10102152号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分注装置では、上述した分注プレートを用いて分注処理を行う場合、容器への吐出処理を開始した初期において、吐出される液体の量にばらつきが発生し、精度の高い分注処理を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、吐出される液体の量のばらつきを抑制し、精度の高い分注処理を行うことができる分注装置、分析装置および分注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明は、液体を保持する液体保持部と前記液体保持部と接続された流路を介して毛細管力によって前記液体保持部から搬送された前記液体を所定量計量し保持する計量部とを有する分注手段を備え、吐出対象に所定量の液体を吐出する分注装置において、前記計量部が保持する液体を吐出させる吐出手段と、前記吐出対象に前記液体が吐出される前に前記計量部から前記液体を吐出させるダミー吐出処理を前記吐出手段に行わせる吐出制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分注装置は、前記ダミー吐出処理の回数を予め記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分注装置は、予め求めた前記液体の吐出回数と吐出量との関係をもとに前記ダミー吐出処理の回数を設定する回数設定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記予め求めた前記液体の吐出回数と吐出量との関係を記憶することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分注装置は、前記回数設定手段は、前記分注手段に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分注装置は、前記回数設定手段は、前記液体の物性に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分注装置は、前記液体の物性を計測する物性計測手段をさらに備え、前記回数設定手段は、前記物性計測手段によって計測された前記液体の物性に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分注装置は、前記計量部から吐出された前記液体の量を計測する吐出量計測手段をさらに備え、前記回数設定手段は、前記吐出量計測手段によって計測された前記液体の量に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分注装置は、前記吐出手段は、少なくとも前記計量部に加圧して前記計量部が保持する液体を吐出させることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、吐出対象である容器に分注された液体を分析する分析装置であって、請求項1〜8のいずれか一つに記載の分注装置と、複数の前記容器を所定の搬送経路で搬送する搬送手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分注方法は、液体を保持する液体保持部と前記液体保持部と接続された流路を介して毛細管力によって前記液体保持部から搬送された前記液体を所定量計量し保持する計量部を有する分注手段を使用して、吐出対象に所定量の液体を吐出する分注方法において、前記吐出対象に前記計量部が保持する液体を吐出させる吐出ステップと、前記吐出対象に前記液体が吐出される前に前記計量部から前記吐出対象とは異なる対象へ前記液体を吐出するダミー吐出ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる分注装置、分析装置および分注方法によれば、吐出対象に対して液体を吐出する前に計量部から液体を吐出させるダミー吐出処理を行うことによって、液体の量にばらつきが発生する吐出初期には液体を吐出対象に吐出せず、吐出量が安定してから吐出対象に対して液体の吐出処理を行うため、精度の高い分注処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる分注装置、分析装置および分注方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0018】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる分注装置について説明する。実施の形態1にかかる分注装置は、吐出対象である各容器に液体を吐出する前に吐出対象とは異なる対象、たとえば吐出対象以外の容器に液体を吐出するダミー吐出処理を所定回数行って、吐出量が安定してから吐出対象に対して液体の吐出処理を行う。
【0019】
図1は、本実施の形態1にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、分注装置1は、容器21に保持された分注対象である液体22を吐出対象容器43a,43bに分注する。分注装置1は、分注プレート10、供給部20、加圧部30、テーブル40、入力部50、制御部60、供給制御部62、加圧制御部63、搬送制御部64、記憶部70、出力部80を有する。制御部60は、分注装置1の各構成部位を制御する。
【0020】
分注プレート10は、液体22を所定量計量して分注する分注器14を備える。分注器14は、リザーバー11とノズル12と流路13とを有する。リザーバー11は、特許請求の範囲における液体保持部であり、分注対象である液体を複数回分まとめて保持する。ノズル12は、特許請求の範囲における計量部であり、リザーバー11と接続された流路13を介して毛細管力によって搬送される液体を所定量計量し保持する。このノズル12に保持された液体の上面を加圧することで、ノズル12の底部の吐出口からノズル12の容積によって計量された所定量の液体が吐出され、分注される。図2−1は、図1に示す分注器14を示す斜視図であり、図2−2は、図2−1におけるx−x断面を示す図である。図2−1および図2−2に示すように、リザーバー11は、液体の受容口として上部が開口された円筒状の容器として形成されている。リザーバー11は、ノズル12と比較し大きな容積に設定されている。ノズル12は、リザーバー11と比較し小さな口径で上部が開口された円筒状の容器部12aと、容器部12aよりも小さな口径である小径部12bとを有する。小径部12bの底部には、液体を吐出する吐出口12cが設けられている。容器部12aと小径部12bとの容積は、ノズル12において計量される液体が所定量となるように設計されている。流路13は、リザーバー11とノズル12とを上部開口で連結する、微細な幅および深さを有したU字型あるいは角型の溝状の断面形状を持つ流路として形成されている。
【0021】
供給部20は、分注器14のリザーバー11に分注対象である液体22を供給する。供給部20は、プローブ24が先端部に取り付けられたアーム23と、容器21中の所定量の液体22を吸引および注入するプローブ24とを有する。アーム23は、プローブ24が容器21中の液体22を吸引した後リザーバー11上にプローブ24を移動する。そして、プローブ24は、リザーバー11上に移動した後、吸引した液体22をリザーバー11に注入して、リザーバー11に液体を供給する。
【0022】
加圧部30は、少なくともノズル12に加圧してノズル12が保持する所定量の液体を吐出させる。加圧部30は、分注プレート10上に装着されるカバー31と、加圧空気が保持された空気源32と、カバー31と空気源32とを接続するパイプ33と、空気源32の加圧空気の排出を制御するバルブ34とを有する。加圧部30では、分注プレート10上にカバー31を装着し分注器14の上部に密閉空間を形成した後、バルブ34が所定の時間開状態となることによって、空気源32の加圧空気がパイプ33を介しカバー31内に排出される。この結果、分注器14のノズル12に保持された液体の上面が加圧され、ノズル12の底部の吐出口12cから所定量の液体が吐出される。
【0023】
テーブル40は、分注器14のノズル12から吐出される液体の吐出対象である吐出対象容器43a,43bを所定の搬送経路で搬送する。また、テーブル40は、吐出対象容器43a,43bに液体が吐出される前に液体が吐出されるダミー吐出用容器42を所定の搬送経路で搬送する。容器21内の液体22は、分注器14によって、テーブル40が搬送するダミー吐出用容器42および吐出対象容器43a,43bに吐出される。なお、図1では、説明の容易化のため、吐出対象容器43a,43bを吐出対象の例として示すが、これに限らず、吐出対象は、単数であってもよく、また、複数であってもよい。
【0024】
入力部50は、分注装置1の動作指示および分注装置1が行う処理の指示情報を制御部60に入力する。入力部50は、たとえば、分注装置1の電源のONおよびOFFや情報の取得も可能である。また、入力部50は、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスなどによって実現してもよい。
【0025】
制御部60は、CPU等を用いて構成され、入力部50、供給制御部62、加圧制御部63、搬送制御部64、記憶部70、出力部80の各処理または動作を制御する。制御部60は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部60は、回数設定部61を有する。
【0026】
回数設定部61は、吐出対象である各容器に液体が吐出される前に吐出対象以外の容器に液体を吐出させるダミー吐出処理の吐出回数を設定する。回数設定部61は、記憶部70に予め記憶されたダミー吐出処理の回数をもとにダミー吐出処理の回数を設定する。回数設定部61は、記憶部70によって記憶された情報のうち、予め求めた液体の吐出回数と吐出量との関係をもとにダミー吐出処理の回数を設定する。回数設定部61は、分注器14に応じてダミー吐出処理の回数を設定する。回数設定部61は、リザーバー11、ノズル12、流路13の寸法や形状、流路13の断面形状のばらつき度合い、分注器14表面の濡れ性など分注器14の部品情報に応じてダミー吐出処理の回数を設定する。また、回数設定部61は、分注対象である液体22の物性に応じてダミー吐出処理の回数を設定する。回数設定部61は、液体22の種別および液体22の粘性や表面張力などの液体の物性に応じてダミー吐出処理の回数を設定する。回数設定部61は、分注器14ごとに、種別、粘性および表面張力がそれぞれ異なる各液体を複数回吐出することによって、各分注器14および各液体に応じてそれぞれ求めた吐出回数と吐出量との関係を予め求め、記憶部70に記憶させる。そして、回数設定部61は、それぞれ求めた吐出回数と吐出量との関係から、吐出を開始してから吐出量が安定するまでの吐出回数をもとに各分注器14および各液体に応じてダミー吐出回数を設定する。
【0027】
供給制御部62は、供給部20におけるリザーバー11への液体22の供給処理を制御する。供給制御部62は、プローブ24が液体を吸引する吸引処理とプローブ24がリザーバー11へ液体を注入する注入処理とを制御するとともに、プローブ24を容器21上またはリザーバー11上を移動させるアーム23の移動処理についても制御する。
【0028】
加圧制御部63は、加圧部30におけるノズル12に対する加圧処理を制御する。加圧制御部63は、カバー31の分注プレート10への装着処理を制御するとともに、バルブ34のオン、オフを制御する。また、加圧制御部63は、吐出対象容器43a,43bに液体が吐出される前に、ノズル12から液体をダミー吐出用容器42に吐出させるダミー吐出処理を加圧部30に行わせる。
【0029】
搬送制御部64は、ダミー吐出用容器42と吐出対象容器43a,43bとを搬送するテーブル40の搬送処理を制御する。搬送制御部64は、ダミー吐出処理が開始し終了するまでの間、分注器14のノズル12の下方にダミー吐出用容器42を位置させてダミー吐出処理において吐出される液体をダミー吐出用容器42によって回収できるようにテーブル40の搬送処理を制御する。搬送制御部64は、ダミー吐出処理の終了後、吐出対象容器43aをノズル12の下方に位置させるようテーブル40の搬送処理を制御する。搬送制御部64は、吐出処理ごとに、吐出対象容器43a,43bなどの吐出対象容器が順次分注器14のノズル12下に位置するようにテーブル40の搬送処理を制御する。なお、加圧制御部63と搬送制御部64とは、ダミー吐出用容器42、吐出対象容器43a,43bに順次液体が吐出されるように連動して加圧処理および搬送処理の制御を行う。
【0030】
記憶部70は、ROMおよびRAM等を用いて構成され、各構成部位の処理動作に要する各種情報およびプログラムを記憶する。記憶部70は、ダミー吐出処理の回数を予め記憶する。記憶部70は、予め求めた液体の吐出回数と吐出量との関係を記憶する。記憶部70は、分注器14および液体22に応じたダミー吐出処理の回数を予め記憶する。
【0031】
出力部80は、制御部60の制御にしたがって所定の情報を出力する。出力部80は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display : LCD)、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、電流が供給される間発光を継続する発光ダイオード(Light emitting diode : LED)を用いて実現され、表示を出力してもよい。また、出力部80は、マイクロフォンおよびスピーカーを用いて実現され、音声を出力してもよい。また、出力部80は、外部通信用インターフェースを用いて実現され、分注処理の管理を行う図示しない外部の管理装置などに対する情報通信を行ってもよい。
【0032】
つぎに、図1に示す分注器14による分注手順を、図3−1〜図3−6を参照して説明する。なお、図3−1〜図3−6では、分注器14の断面図を示している。まず、図3−1に示すように、プローブ24は、分注プレート10における分注器14のリザーバー11に液体を注入し、仮分注する。このとき、プローブ24は、ノズル12の容積以上、かつリザーバー11の容積以下の容量の液体を、リザーバー11に充填する。充填する液体の量は、リザーバー11ごとに定められた等量または非等量の量であってもよく、仮分注を行うごとに異なる量であってもよい。
【0033】
前記プローブ24を介してリザーバー11に受容された各液体の一部は、図3−2の矢印に示すように、流路13に生じる毛細管力によってノズル12に移動し、これによってノズル12は、図3−3に示すように液体で満たされる。ノズル12は、ノズル12からの吐出量が安定している場合には、容積に等しい所定量の液体を計量して保持することとなる。
【0034】
その後、分注プレート10には、加圧制御部63の制御のもと、分注プレート10の上面部にカバー31が装着される。加圧制御部63は、図3−4および図3−5に時系列的に示すように、分注器14に保持された各液体の上面に加圧空気を印加して均一に加圧し、ノズル12に保持された液体をノズル12底部の吐出口から吐出させる。
【0035】
流路13が狭隘なため、流路13内にある液体の流動抵抗はリザーバー11およびノズル12内にある液体の流動抵抗よりも大きく、流路13内にある液体は、加圧部30および加圧制御部63によって液体の上面に加圧空気が印加されてもほとんど流動しない。このため、ノズル12に保持された所定量の液体のみが外部に吐出され、分注されることとなる。
【0036】
加圧部30および加圧制御部63による加圧空気の印加が終了し、液体の上面にかかる圧力が大気圧にもどると、リザーバー11に残された液体の一部は、流路13に生じる毛細管力によってノズル12に移動する。これによって、ノズル12は、図3−6に示すように再び液体で満たされ、所定量の液体を吐出可能な状態となる。つまり、分注器14では、リザーバー11に液体が受容されている間、毛細管力による液体の移動と、加圧部30および加圧制御部63による加圧空気の印加とを繰り返すことで、所定量の液体の分注を繰り返し行うことができる。
【0037】
つぎに、分注装置1の動作処理について説明する。図4は、図1に示す分注装置1の動作処理を説明するフローチャートである。図4に示すように、まず、回数設定部61は、分注器14の固体情報を取得する部品情報取得処理を行う(ステップS102)。分注器14の固体情報は、予め記憶部70によって記憶されているほか、入力部50から制御部60に入力されてもよい。この部品情報取得処理は、新しい分注プレート10に交換されるごとに、交換された分注プレート10における分注器14について行う。分注器14の固体情報としては、リザーバー11、ノズル12、流路13の寸法や形状、流路13の断面形状のばらつき度合い、分注器14表面の濡れ性などがある。回数設定部61は、分注対象である液体22の物性情報を取得する液体情報取得処理を行う(ステップS103)。液体22の物性情報は、予め記憶部70によって記憶されているほか、入力部50から制御部60に入力されてもよい。液体の物性情報としては、液体22の種別、液体22の粘性、液体22の表面張力などがある。
【0038】
つぎに、回数設定部61は、ダミー吐出処理の回数が予め記憶されている記憶部70を参照し(ステップS104)、取得した部品情報および液体情報に応じたダミー吐出回数Nを設定する(ステップS105)。記憶部70は、ダミー吐出処理の回数に関する情報として、たとえば図5に示すテーブルTaを記憶する。図5に示すように、テーブルTaは、分注器14の種別と液体22の種別とに応じたダミー吐出回数を示している。テーブルTaに示すダミー吐出回数の各回数は、予め求めた液体の吐出回数と吐出量との関係をもとに求められたものである。言い換えると、テーブルTaに示すダミー吐出回数の各回数は、分注器14ごとに、種別、粘性および表面張力がそれぞれ異なる各液体を複数回吐出することによって、各分注器14および各液体に応じてそれぞれ求めた吐出回数と吐出量との関係をもとに設定されたものである。このダミー吐出処理の回数は、各分注器14および各液体に応じてそれぞれ求めた吐出回数と吐出量との関係から、吐出を開始してから吐出量が安定するまでの吐出回数をもとに設定されたものである。たとえば、回数設定部61は、分注器14が分注器Cであることを示す部品情報を取得し、さらに液体22が液体bであることを示す液体情報を取得した場合、図5に示すテーブルTaを参照することによって、分注器Cおよび液体bに対応する回数6をダミー吐出回数Nとして設定する。
【0039】
供給部20は、リザーバー11への液体供給を行う(ステップS108)。そして、加圧制御部63は、ダミー吐出処理を終了した回数であるダミー吐出回数nを初期化し(ステップS110)、n=1とする。その後、分注装置1は、吐出対象である吐出対象容器43a,43bに液体を吐出する前にノズル12から液体を吐出させるダミー吐出処理を行う(ステップS111)。具体的には、図6に示すように、搬送制御部64は、テーブル40を移動させて、ノズル12の下方にテーブル40上のダミー吐出用容器42を搬送する。つぎに、加圧制御部63は、プレート10の上面部にカバー31を装着し分注器14に保持された液体上面を加圧してノズル12に保持された液体をダミー吐出用容器42に吐出させる。
【0040】
ダミー吐出処理が終了した後、制御部60は、ダミー吐出回数nに1を加算してn=n+1とする(ステップS112)。そして、制御部60は、ダミー吐出処理を終了した回数であるダミー吐出回数nと回数設定部61によって設定されたダミー吐出回数Nとを比較し、n=Nであるか否かを判断する(ステップS113)。制御部60は、n=Nでないと判断した場合(ステップS113:No)、設定回数であるN回のダミー吐出処理を終了していないため、ステップS111に戻り、ダミー吐出処理を行う。この場合、図6に示すように、ダミー吐出用容器42は、ノズル12の下方に位置したままである。
【0041】
一方、制御部60は、n=Nであると判断した場合(ステップS113:Yes)、回数設定部61によって設定されたN回のダミー吐出処理が終了したため、吐出対象である吐出対象容器43に液体を吐出する吐出処理を行う(ステップS118)。この場合、図7に示すように、搬送制御部64は、テーブル40を移動させて、ノズル12の下方にテーブル40上の吐出対象容器43aを位置する。そして、加圧制御部63は、分注器14に保持された液体上面を加圧してノズル12に保持された液体を吐出対象容器43aに吐出させる。
【0042】
そして、制御部60は、すべての吐出対象に吐出処理を完了したか否かを判断する(ステップS119)。制御部60がすべての吐出対象に吐出処理を完了していないと判断した場合(ステップS119:No)、ステップS118に戻り、吐出処理を行う。たとえば、搬送制御部64は、ノズル12の下方に吐出対象容器43aの次に吐出対象となる吐出対象容器43bを位置させる。そして、加圧制御部63は、分注器14に保持された液体上面を加圧してノズル12に保持された液体を吐出対象容器43bに吐出させる吐出処理を順次行う。制御部60は、すべての吐出対象容器に吐出処理を完了したと判断するまで、搬送制御部64によるテーブル40の移動と加圧制御部63による加圧部30の加圧空気の印加とを行って吐出処理を繰り返し、すべての吐出対象容器に液体22を所定量ずつ吐出する。そして、制御部60がすべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断した場合(ステップS119:Yes)、この液体22における分注処理は終了したと判断し(ステップS120)、分注処理を終了する。
【0043】
このように、本実施の形態1にかかる分注装置1は、分注器14における部品情報および分注対象である液体における液体情報をもとに処理回数を設定したダミー吐出処理を行い、分注器14のノズル12から吐出される液体の吐出量が所定量に安定してから吐出対象である吐出対象容器に対して吐出処理を行っている。
【0044】
従来の分注装置においては、分注プレートを用いて分注処理を行う場合、分注処理を開始した初期の吐出処理において吐出される液体の量にばらつきが発生し、精度の高い分注処理を行うことができないという問題があった。図8は、吐出回数と吐出量との関係を示す図である。図8に示すように、吐出処理を開始した初期の所定回数の間、吐出すべき液体の量Vaに対し吐出量にばらつきが認められ、安定して容量Vaの液体を吐出することができなかった。このため、従来の分注装置においては、吐出処理を開始した初期の吐出処理において吐出量がばらつき、所定量の液体を精度よく分注することができなかった。
【0045】
これに対し、図8に示すように、本実施の形態1にかかる分注装置1においては、吐出処理を開始してから吐出量がばらつくN回目までの吐出処理をダミー吐出処理として設定する。そして、分注装置1は、吐出対象容器43a,43bに吐出する前にダミー吐出用容器42に液体を吐出するN回のダミー吐出処理を行う。そして、分注装置1は、ダミー吐出処理が終了した後に、吐出対象容器43a,43bに対する吐出処理を行う。言い換えると、分注装置1は、吐出量が安定しない吐出初期からN回目までの吐出処理において吐出される液体を吐出対象容器43a,43bとは別のダミー吐出用容器42に吐出して、吐出対象容器43a,43bに吐出しないようにしている。そして、分注装置1は、吐出量が安定するN回目以降において吐出対象容器43a,43bに液体を吐出する。このように、分注装置1は、吐出量が安定してから吐出対象容器43a,43bに液体を吐出しているため、吐出すべき所定量の液体を正確に吐出対象容器43a,43bに吐出することができ、精度の高い分注処理を可能とする。
【0046】
なお、実施の形態1にかかる分注装置1の処理動作においては、さらに分注指示があるまで各処理を停止する待機時間を設け、分注指示があった後に各処理を行ってもよい。まず、分注指示があるまでリザーバー11への液体供給を停止する場合について説明する。図9は、図1に示す分注装置1の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。
【0047】
図9に示すように、図4に示すステップS102〜ステップS105と同様に、回数設定部61は、部品情報取得処理(ステップS122)、液体情報取得処理(ステップS123)、記憶部参照処理(ステップS124)を行った後、取得した部品情報および液体情報に応じたダミー吐出回数Nを設定する(ステップS125)。
【0048】
そして、制御部60は、分注指示があるか否かを判断し(ステップS126)、分注指示があると判断するまでステップS126を繰り返す。ダミー吐出用容器42、吐出対象容器43a,43bの設置などが終了し液体の分注処理が開始可能となった後、分注指示が行われる。
【0049】
分注装置1は、制御部60が分注指示があったと判断した場合(ステップS126:Yes)、図4に示すステップS108〜ステップS120と同様に、リザーバーへの液体供給処理(ステップS128)、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS130)、ダミー吐出処理(ステップS131)を行う。そして、分注装置1は、ダミー吐出回数nに1を加算してn=n+1とし(ステップS132)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS133)を行い、n=Nとなるまでダミー吐出処理を繰り返す。そして、分注装置1は、n=Nであると判断した場合(ステップS133:Yes)、吐出処理(ステップS138)を行い、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS139:Yes)。吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS140)。
【0050】
分注装置1は、体積がnL〜μLオーダーと微量である液体を吐出対象容器に吐出する。このため、リザーバー11に液体が供給された後、ダミー吐出処理および吐出処理を行うまでに時間がかかった場合、ノズル12において計量された液体の水分が蒸発し、吐出する液体の濃度および体積が変化するおそれが考えられる。しかし、図9においては、分注装置1は、リザーバー11への液体供給前に分注指示があるまで待機し、分注指示があった後にリザーバー11への液体供給、ダミー吐出処理および吐出処理の一連の処理を行っている。このように、分注装置1は、リザーバー11への液体供給前に分注指示があるか否かを判断する待機時間を設けることによって、液体の水分の蒸発に起因するノズル12内の液体の濃度および体積の変化を防止し、精度の高い分注処理を行うことができる。
【0051】
また、図10に示すように、分注装置1は、リザーバー11への液体供給後に分注指示があるか否かを判断する待機時間を設けてもよい。図10は、図1に示す分注装置1の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。図10に示すように、図4に示すステップS102〜ステップS105と同様に、回数設定部61は、部品情報取得処理(ステップS142)、液体情報取得処理(ステップS143)、記憶部参照処理(ステップS144)を行った後、取得した部品情報および液体情報に応じたダミー吐出回数Nを設定する(ステップS145)。分注装置1は、図4に示すステップS108と同様に、リザーバー11への液体供給を行った後(ステップS148)、図9に示すステップS126と同様に、制御部60は、分注指示があるか否かを判断し(ステップS149)、分注指示があると判断するまでステップS149を繰り返す。分注装置1は、制御部60が分注指示があったと判断した場合(ステップS149:Yes)、図4に示すステップS110〜ステップS120と同様に、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS150)、ダミー吐出処理(ステップS151)、ダミー吐出回数nの加算処理(ステップS152)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS153)、吐出処理(ステップS158)を行い、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS159:Yes)。吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS160)。
【0052】
この場合、分注装置1は、リザーバー11への液体供給後であり、ダミー吐出処理前に分注指示があるか否かを判断する待機時間を設けている。分注指示があるまでの待機時間の間に液体の水分の蒸発によってノズル12において計量された液体の濃度および体積が変化した場合であっても、その後のダミー吐出処理において、濃度や体積が変化したノズル12内の液体がダミー吐出用容器42に吐出される。このため、分注装置1は、吐出対象容器43a,43bに濃度や体積が変化した液体を吐出することがないため、精度の高い分注処理を行うことができる。
【0053】
また、ダミー吐出処理後に分注指示があるか否かを判断する待機時間を設ける場合であっても、ノズル12の液体の濃度変化や体積変化が発生するおそれがある場合には、警告処理を行って操作者にノズル12内の液体の濃度変化や体積変化が発生するおそれを報知すればよい。図11は、図1に示す分注装置1の動作処理を説明するフローチャートの他の例であり、ダミー吐出処理後に分注指示があるか否かを判断する待機時間が設けられている。なお、制御部60は、タイマーを備え、ダミー吐出処理が終了してからノズル12の液体の濃度変化や体積変化が発生するおそれがある所定時間をタイムアウト値として設定する。そして、制御部60は、ダミー吐出処理が終了した後にタイマーをスタートさせ、タイマーの計時値がタイムアウト値であるか否かを判断する。
【0054】
図11に示すように、図4に示すステップS102〜ステップS105と同様に、回数設定部61は、部品情報取得処理(ステップS162)、液体情報取得処理(ステップS163)、記憶部参照処理(ステップS164)を行った後、取得した部品情報および液体情報に応じたダミー吐出回数Nを設定する(ステップS165)。そして、分注装置1は、図4に示すステップS108〜ステップS113と同様に、リザーバー11への液体供給処理(ステップS166)、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS167)、ダミー吐出処理(ステップS168)、ダミー吐出回数nの加算処理(ステップS169)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS170)を行い、所定回数のダミー吐出処理を行う。
【0055】
制御部60は、タイマーをスタートし(ステップS171)、ダミー吐出処理終了後の経過時間を計時する。制御部60は、タイマーの計時値がタイムアウト値であるか否かを判断する(ステップS172)。制御部60がタイマーの計時値がタイムアウト値であると判断した場合(ステップS172:Yes)、出力部80は、ノズル12内の液体に濃度変化や体積変化が発生するおそれがある旨を示す警告を出力する警告処理を行う(ステップS173)。その後、分注装置1は、新たな指示が入力されるまで各処理を停止し待機する指示待ち処理を行う(ステップS174)。これに対し、制御部60は、タイマーの計時値がタイムアウト値に達していないと判断した場合(ステップS172:No)、分注指示があるか否かを判断し(ステップS175)、分注指示がないと判断した場合には(ステップS175:No)、ステップS172に進み、タイマーの計時値がタイムアウト値であるか否かを判断する。
【0056】
制御部60は、分注指示があったと判断した場合(ステップS175:Yes)、タイマーをリセットする(ステップS176)。分注装置1は、図4に示すステップS118〜ステップS120と同様に、吐出処理(ステップS177)を行い、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS178:Yes)吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS179)。
【0057】
図11に示すように、分注装置1は、ダミー吐出処理後に待機時間を設ける場合であっても、待機時間の経過に起因してノズル12内の液体に濃度変化や体積変化が発生するおそれがある場合には、警告処理を行ったうえで各処理を停止する指示待ち処理を継続する。このように、分注装置1は、濃度変化や体積変化が発生したノズル12内の液体の吐出を吐出対象容器43a,43bに吐出する前に警告を発するため、警告を認識した操作者は、吐出対象容器43a,43bへの液体の吐出処理停止などの適切な対応を行うことができる。
【0058】
また、分注装置1は、ダミー吐出処理後の待機時間の経過に起因してノズル12の液体の濃度変化や体積変化が発生するおそれがある場合、図11に示す警告処理を行うほか、図12に示すように、ダミー吐出処理を再度行ってもよい。図12は、図1に示す分注装置1の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。図12に示すように、図4に示すステップS102〜ステップS113と同様に、分注装置1は、部品情報取得処理(ステップS182)、液体情報取得処理(ステップS183)、記憶部参照処理(ステップS184)を行った後、取得した部品情報および液体情報に応じたダミー吐出回数Nを設定し(ステップS185)、リザーバー11への液体供給処理(ステップS186)、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS187)、ダミー吐出処理(ステップS188)、ダミー吐出回数nの加算処理(ステップS189)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS190)を行い、所定回数のダミー吐出処理を行う。
【0059】
その後、図11に示すステップS171およびステップS172と同様に、制御部60は、タイマーをスタートし(ステップS191)、タイマーの計時値がタイムアウト値であるか否かを判断する(ステップS192)。制御部60がタイマーの計時値がタイムアウト値であると判断した場合(ステップS192:Yes)、出力部80は、ダミー吐出処理から所定時間が経過した旨を示すタイムアウト通知を出力する(ステップS193)。そして、分注装置1は、ステップS187に戻り、再度ダミー吐出処理を行う。一方、制御部60は、タイマーの計時値がタイムアウト値に達していないと判断した場合(ステップS192:No)、図11に示すステップS175と同様に、分注指示があるか否かを判断し(ステップS195)、分注指示がないと判断した場合には(ステップS195:No)、ステップS192に進み、タイマーの計時値がタイムアウト値であるか否かを判断する。分注装置1は、制御部60が分注指示があったと判断した場合(ステップS195:Yes)、図11に示すステップS176と同様に、タイマーをリセットし(ステップS196)、図4に示すステップS118〜ステップS120と同様に、吐出処理(ステップS197)を行い、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS198:Yes)。吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS199)。
【0060】
図12に示すように、分注装置1は、ダミー吐出処理後の待機時間の経過によってノズル12内の液体に濃度変化や体積変化が発生した場合であっても、再度ダミー吐出処理を行いノズル12内の液体をダミー吐出用容器42に吐出する。この結果、分注装置1は、吐出対象容器43には、濃度変化や体積変化が生じていない液体を吐出することができる。
【0061】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2にかかる分注装置は、分注対象である液体の物性を計測する物性計測部を備え、部品情報とともに物性計測部によって計測された液体の物性をもとにダミー処理回数を設定する。
【0062】
図13は、本実施の形態2にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。図13に示すように、実施の形態2にかかる分注装置201は、実施の形態1にかかる分注装置1と比較し、物性計測部290をさらに備えた構成を有する。また、分注装置201は、実施の形態1における制御部60に代えて、回数設定部261を備えた制御部260を備える。制御部260は、制御部60と同様の機能を有する。
【0063】
物性計測部290は、分注対象である液体の物性を計測する。物性計測部290は、粘性を計測し、計測した液体の粘性を制御部260に出力する。物性計測部290は、図14に示すように、プローブ24から液体22を所定のプレート292上に滴下し、滴下した液滴22aの直径dおよび高さhを計測し、計測した液滴22aの直径dおよび高さhをもとに液体22の粘性を計測してもよい。この場合、分注装置201は、各粘性を有する液体ごとに液滴の直径と高さとを予め求め、求めた液滴の直径および高さと液体の粘性との関係を記憶部70に記憶させる。物性計測部290は、この予め求めた液滴の直径および高さと液体の粘性との関係をもとに液体22の粘性を求めてもよい。あるいは、液滴22aとプレート292との間の接触角にもとづき、液体22の表面張力などを求めてもよい。また、物性計測部290は、ノズル12先端にたまった液滴の大きさなどから粘性を算出してもよい。
【0064】
回数設定部261は、記憶部70を参照し、物性計測部290によって計測された液体22の物性に応じてダミー吐出処理の回数を設定する。また、回数設定部261は、回数設定部61と同様に、分注器に応じてダミー吐出処理の回数を設定する。回数設定部261は、分注器14ごとに、物性がそれぞれ異なる各液体を複数回吐出することによって、各分注器14および各液体に応じてそれぞれ求めた吐出回数と吐出量との関係を予め求め、記憶部70に記憶させる。そして、回数設定部261は、各分注器14および各液体に応じてそれぞれ求めた吐出回数と吐出量との関係から、吐出を開始してから吐出量が安定するまでの吐出回数をもとにダミー吐出回数を設定する。回数設定部261は、記憶部70に記憶された情報のうち、たとえば図15における分注器14の種別と液体22の粘性とに応じたダミー吐出回数を示すテーブルTbを参照して、取得した部品情報および物性計測部290が計測した液体の物性に応じたダミー吐出処理の回数を設定する。
【0065】
つぎに、分注装置201の動作処理について説明する。図16は、図13に示す分注装置201の動作処理を説明するフローチャートである。図16に示すように、図4に示すステップS102と同様に、回数設定部261が部品情報取得処理(ステップS202)を行った後、物性計測部290は、液体22の物性を計測する物性計測処理を行い(ステップS203)、計測した液体の物性を制御部260に出力する。そして、回数設定部261は、記憶部70を参照し(ステップS204)、たとえば図15に示すテーブルTbをもとにダミー吐出処理の回数であるダミー吐出回数Nを設定する(ステップS205)。分注装置201は、図4に示すステップS108〜ステップS111と同様に、リザーバーへの液体供給処理(ステップS208)、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS210)、ダミー吐出処理(ステップS211)を行う。そして、分注装置201は、図4に示すステップS112およびステップS113と同様に、ダミー吐出回数nに1を加算してn=n+1とし(ステップS212)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS213)を行い、n=Nとなるまでダミー吐出処理を繰り返す。そして、分注装置201は、n=Nであると判断した場合(ステップS213:Yes)、図4に示すステップS118〜ステップS120と同様に、吐出処理(ステップS218)を行い、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS219:Yes)。吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS220)。
【0066】
このように、本実施の形態2にかかる分注装置201は、物性計測部290をさらに備え、物性計測部290によって検出された液体の物性値を用いてダミー吐出処理の回数を設定している。このため、分注装置201は、実施の形態1にかかる分注装置1と比較し、分注対象である液体の物性に対応して適切にダミー吐出処理の回数を設定することができ、さらに精度の高い分注処理を行うことができる。
【0067】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3にかかる分注装置は、ダミー吐出処理終了後にノズルから吐出される液体の量を計測する吐出量計測部を備え、吐出される液体の量が所望の量であるか否かを確認する。
【0068】
図17は、本実施の形態3にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。図17に示すように、実施の形態3にかかる分注装置301は、実施の形態1にかかる分注装置1と比較し、吐出量計測部390をさらに備えた構成を有する。また、分注装置301は、実施の形態1における制御部60に代えて、回数設定部61および補正部369を備えた制御部360を備える。制御部360は、制御部60と同様の機能を有する。
【0069】
吐出量計測部390は、分注器14におけるノズル12から吐出された液体の量を計測する。吐出量計測部390は、計測した液体の量を制御部361に出力する。吐出量計測部390は、ダミー吐出用容器42へのダミー吐出処理が終了した後、計量用容器342に吐出される液体の量を計測する。吐出量計測部390は、撮像部と撮像部が撮像した画像処理部を備える。撮像部は、液体が吐出された計量用容器342の画像を撮像し、画像処理部は、撮像部によって撮像された画像を処理して吐出された液体の液面の位置を求め、求めた液面の位置に対応する量を算出してもよい。あるいは、ダミー吐出用容器42の底面の上方または下方から液滴の直径や、側面から撮像した半球状の液滴の形状から、吐出された液体の体積を求めてもよい。また、吐出量計測部390は、光電センサを備え、光電センサの検出結果をもとに吐出された液体の量を計測してもよい。なお、テーブル40は、ダミー吐出用容器42、吐出対象容器43a,43bとともに計量用容器342を搬送する。テーブル40は、ダミー吐出処理の間、ダミー吐出用容器42を分注器14のノズル12の下方に位置させた後、吐出量計測部390による吐出量計測処理の間、計量用容器342をノズル12の下方に位置させるように各容器を搬送する。テーブル40は、吐出量計測部390の吐出量の計測によって、制御部360が吐出すべき液体の量がノズル12から吐出されていることを確認した後、吐出対象容器43aがノズル12の下方に位置するように各容器を搬送する。
【0070】
補正部369は、吐出量計測部390によって計測されたノズルから吐出される液体の量が所望の量であるか否かを判断する。補正部369は、吐出量計測部390によって計測されたノズルから吐出される液体の量が所望の量でないと判断した場合、ノズルから吐出される液体の量を所望の量となるように所定の補正処理を行う。補正部369は、補正処理として、吐出量計測部390によって計測された液体の量に応じてダミー吐出処理の回数を設定し、設定した回数のダミー吐出処理を再度行うよう指示する。補正部369は、吐出量計測部390によって計測された液体の量と所望の量との差に応じた回数のダミー吐出処理を指示してもよい。たとえば、補正部369は、吐出量計測部390によって計測された液体の量が所望の量に対し10%以内の差である場合には、2回のダミー吐出処理を指示する。また、補正部369は、回数設定部61が設定した回数のダミー吐出処理を再度指示してもよい。なお、分注装置301は、補正部369による補正処理の後に吐出量計測部390による吐出量の計測処理を再度行って、ノズル12から吐出される液体の量が所望の量であるか否かを判断し、判断結果に応じて補正処理を再度行ってもよい。
【0071】
つぎに、分注装置301の動作処理について説明する。図18は、図17に示す分注装置301の動作処理を説明するフローチャートである。図18に示すように、分注装置301は、図4に示すステップS102〜ステップS105と同様に、部品情報取得処理(ステップS302)、液体情報取得処理(ステップS303)、記憶部参照処理(ステップS304)を行った後、取得した部品情報および液体情報に応じたダミー吐出回数Nを設定する(ステップS305)。そして、分注装置301は、図4に示すステップS108〜ステップS113と同様に、リザーバー11への液体供給処理(ステップS308)、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS310)、ダミー吐出処理(ステップS311)、ダミー吐出回数nの加算処理(ステップS312)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS313)を行う。
【0072】
そして、分注装置301は、吐出量計測部390による吐出量の計測のために、計量用容器342に液体を吐出する計測用吐出処理を行う(ステップS314)。この計測用吐出処理では、まず、テーブル40が計量用容器342をノズル12の下方に位置するように各容器を搬送する。そして、加圧部30および加圧制御部63は、再び液体で満たされたノズル12に加圧空気の印加を行い、計量用容器342内にノズル12が計量した液体を吐出させる。吐出量計測部390は、計量用容器342内に吐出された液体の量を計測する吐出量計測処理を行い(ステップS315)、計測した液体の量を制御部360に出力する。補正部369は、吐出量計測部390によって計測結果をもとに所定の補正処理を行う(ステップS316)。補正部369は、吐出量計測部390によって計測された液体の量が所望の量であるか否かを判断し、吐出量計測部390によって計測された液体の量が所望の量でないと判断した場合には、ノズルから吐出される液体の量を所望の量となるように所定の補正処理を行う。なお、分注装置301は、補正部369が吐出量計測部390によって計測されたノズルから吐出される液体の量が所望の量であると判断した場合には、所望の量が吐出されていることが確認できたため、次のステップ318に進む。そして、分注装置301は、図4に示すステップS118〜ステップS120と同様に、吐出処理を行い(ステップS318)、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS319:Yes)。吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS320)。
【0073】
このように、本実施の形態3にかかる分注装置301は、吐出量計測部390をさらに備え、ノズル12から吐出される液体の量が所望の量になるまで補正処理を行うことによって、実施の形態1にかかる分注装置1と比較し、さらに精度の高い分注処理を行うことができる。
【0074】
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4について説明する。図19は、本実施の形態4にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。実施の形態4にかかる分注装置401は、実施の形態1にかかる分注装置1と比較し、実施の形態2における物性計測部290と実施の形態3における吐出量計測部390とをさらに備えた構成を有する。また、分注装置401は、実施の形態1における制御部60に代えて、実施の形態2における回数設定部261と実施の形態3における補正部369を備えた制御部460を備える。制御部460は、制御部60と同様の機能を有する。
【0075】
つぎに、分注装置401の動作処理について説明する。図20は、図19に示す分注装置401の動作処理を説明するフローチャートである。図20に示すように、分注装置401は、図4に示すステップS102と同様に、回数設定部261が部品情報取得処理(ステップS402)を行う。そして、図16に示すステップS203〜ステップS205と同様に、物性計測部290は、物性計測処理を行い(ステップS403)、回数設定部261は、記憶部参照処理(ステップS404)を行って、取得した部品情報および計測した液体の物性値に応じたダミー吐出回数Nを設定する(ステップS405)。そして、分注装置401は、図4に示すステップS108〜ステップS113と同様に、リザーバー11への液体供給処理(ステップS408)、ダミー吐出回数nの初期化処理(ステップS410)、ダミー吐出処理(ステップS411)、ダミー吐出回数nの加算処理(ステップS412)、n=Nであるか否かの判断処理(ステップS413)を行う。
【0076】
そして、分注装置401は、図18に示すステップS314〜ステップS316と同様に、計測用吐出処理(ステップS414)、吐出量計測処理(ステップS415)、補正処理(ステップS416)を行う。分注装置301は、補正処理において、補正部369が吐出量計測部390によって計測されたノズルから吐出される液体の量が所望の量であると判断した後、ステップ418に進み、図4に示すステップS118と同様に吐出処理を行う(ステップS418)。そして、分注装置は、図4に示すステップS119およびステップS120と同様に、すべての吐出対象に吐出処理を完了したと判断するまで(ステップS419:Yes)吐出処理を繰り返した後、分注処理を終了する(ステップS420)。
【0077】
このように、本実施の形態4にかかる分注装置401は、物性計測部290によって検出された液体の物性値を用いてダミー吐出処理の回数を設定するとともに、ノズル12から吐出される液体の量が所望の量になるまで補正処理を行うことによって、実施の形態1にかかる分注装置1と比較し、さらに精度の高い分注処理を行うことができる。
【0078】
なお、分注装置201,301,401においても、図9および図10に示す待機時間を設けて、分注指示があるまでの待機時間の間に液体の水分の蒸発によってノズル12内の液体の濃度および体積が変化することを防止してもよい。また、分注装置201,301,401においても、図11に示す警告処理および指示待ち処理を行うことによって、ダミー吐出処理後に待機時間を設ける場合であっても、ノズル12の液体の濃度変化や体積変化が発生するおそれがある場合には警告処理を行ってもよい。また、分注装置201,301,401においても、図12に示す処理手順と同様に、ダミー吐出処理後に待機時間を設ける場合であっても、所定時間を経過した場合にはダミー吐出処理を再度行ってもよい。
【0079】
本実施の形態1〜4にかかる分注装置1,201,301,401においては、分注プレート10には、単数の分注器14が形成されてもよく、また、複数の分注器14が形成されてもよい。たとえば、図21に示すように、分注装置1,201,301,401は、分注器14A,14B,14Cを有する分注プレート100を用いてもよい。
【0080】
また、分注装置1,201,301,401において複数の分注器14が形成された分注プレートを使用する場合、設定部61,261は、各分注器14ごとにダミー吐出回数を求め、求めた各ダミー吐出回数の平均に該当する値をダミー吐出回数として設定してもよい。また、設定部61,261は、各分注器14ごとにダミー吐出回数を求め、求めたダミー吐出回数の最小公倍数に該当する値をダミー吐出回数として設定してもよい。
【0081】
また、複数の分注器14にそれぞれ加圧空気を印加できる構造を有する場合には、回数設定部61,261は、各分注器に応じたダミー吐出処理の回数をそれぞれ設定し、分注装置1,201,301,401は、各分注器ごとに回数設定部61,261によって設定した回数のダミー吐出処理を行ってもよい。たとえば、図22に示すように、ダミー吐出処理の対象である分注器14B以外の分注器14A,14Cの上部を密閉するように覆う保護カバー110を分注プレート100上に装着し、加圧空気を印加して分注器14Bにおけるダミー吐出処理を行ってもよい。分注装置1,201,301,401は、矢印Yaに示すように保護カバー110を移動して、ダミー吐出処理対象である分注器以外の分注器の上部を覆えばよい。
【0082】
また、実施の形態1〜4にかかる分注装置1,201,301,401は、たとえば容器に分注された液体を分析する分析装置において、分析対象の血液や尿等の検体を反応容器に分注するために使用される。ここで、実施の形態1〜4にかかる分注装置1,201,301,401のうち、たとえば分注装置1を分析装置に使用した場合について、図23を参照して説明する。図23は、実施の形態1に示す分注装置を備えた分析装置の要部構成を示す模式図である。図23に示すように、実施の形態1に示す分注装置を備えた分析装置501は、分析対象である検体および試薬を吐出対象容器43にそれぞれ分注し、分注した吐出対象容器内で生じる反応を光学的に測定する測定機構510と、測定機構510を含む分析装置501全体の制御と測定機構510における測定結果の分析を行う制御分析機構520を備える。分析装置501は、これらの機構を連携させることによって複数の液体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う。
【0083】
測定機構510は、大別して液体移送部21b、分注器14を備えた分注プレート10、カバー31、テーブル40、試薬テーブル91、アーム93、測光部94および洗浄部97を備える。また、制御分析機構520は、入力部550、制御部560、供給制御部62、加圧制御部63、搬送制御部64、記憶部570、出力部580、分析制御部590および分析処理部595を備える。測定機構510および制御分析機構520が備えるこれらの各部は、制御部560に電気的に接続されている。
【0084】
液体移送部21bは、分注対象である液体を収容した複数の容器21が設置された液体ラック21aを図中の矢印方向に順次移送する。液体移送部21b上の所定位置に移送された容器21内の液体は、アーム23の先端に設けられたプローブ24によって各容器21から分注器14に注入され、分注器14に装着されたカバー31を介して加圧空気を印加されることによって、反応テーブル41上のダミー吐出用容器42にダミー吐出された後、吐出対象容器43に分注される。ダミー吐出用容器42、各吐出対象容器43は、テーブル40の回転によって、時計回りに移動する。
【0085】
そして、液体21が吐出された各吐出対象容器43には、たとえば吐出対象容器43mに示すように、アーム93の先端部に取り付けられたプローブによって吸引された試薬テーブル91上の試薬容器92内の試薬が順次注入される。試薬が注入された吐出対象容器43は、たとえば吐出対象容器43nに示すように、テーブル40の回転によって、測光部94の発光部95から発せられた光が透過される位置に移動する。測光部94の受光部96は、吐出対象容器43内の液体を透過した光を受光して分光強度測定を行い、測定結果を制御分析機構520における分析処理部595に出力する。測光部94による測定が終了した吐出対象容器43およびダミー吐出用容器42は、洗浄部97によって洗浄される。
【0086】
分析制御部520は、分析装置501の各構成部の処理および動作を制御するとともに、ダミー吐出処理の回数を設定する回数設定部61を備える。分析処理部595は、測光部94における受光部96から取得した測定結果に基づいて吸光度等を演算し、容器21内の液体の成分分析等を行う。また、入力部550は、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報を入力し、制御部560は、検体の分析結果等を含む諸情報を出力部580に出力するとともに、記憶部570に記録する。
【0087】
このように構成された分析装置501では、実施の形態1にかかる分注装置1を用いて吐出用容器43に容器21内の液体を分注する分注処理を行っているため、吐出用容器43に精度よく液体を分注することができる。このため、分析装置501は、吐出用容器43に所定の量の液体をばらつきなく正確に分注できるため、測光部94においても正確な測定を行うことができる。
【0088】
なお、本発明においては、ダミー吐出用容器42を使用しダミー吐出処理を行って吐出される液体を回収する場合について説明したが、これに限らず、分析などに使用しない吐出対象容器にダミー吐出処理を行って吐出される液体を回収してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】実施の形態1にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。
【図2−1】分注プレートに形成された分注器の構造を示す斜視図である。
【図2−2】分注プレートに形成された分注器の構造を示す断面図である。
【図3−1】分注プレートによる分注手順を説明する図である。
【図3−2】分注プレートによる分注手順を説明する図である。
【図3−3】分注プレートによる分注手順を説明する図である。
【図3−4】分注プレートによる分注手順を説明する図である。
【図3−5】分注プレートによる分注手順を説明する図である。
【図3−6】分注プレートによる分注手順を説明する図である。
【図4】図1に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートである。
【図5】記憶部に記憶されるテーブルを例示する図である。
【図6】図4に示すダミー吐出処理を説明する図である。
【図7】図4に示す吐出処理を説明する図である。
【図8】図1に示す分注器のノズルにおける吐出回数と吐出量との関係を例示する図である。
【図9】図1に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。
【図10】図1に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。
【図11】図1に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。
【図12】図1に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートの他の例である。
【図13】実施の形態2にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示す物性計測部について説明する図である。
【図15】記憶部に記憶されるテーブルを例示する図である。
【図16】図13に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートである。
【図17】実施の形態3にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートである。
【図19】実施の形態4にかかる分注装置の構成を示すブロック図である。
【図20】図19に示す分注装置の動作処理を説明するフローチャートである。
【図21】図1に示す分注プレートの他の例を示す平面図である。
【図22】図21に示す分注プレートに用いられる保護カバーを説明する図である。
【図23】実施の形態1に示す分注装置を備えた分析装置の要部構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0090】
1,201,301,401 分注装置
10,100 分注プレート
11,11A,11B,11C リザーバー
12,12A,12B,12C ノズル
13,13A,13B,13C 流路
14,14A,14B,14C 分注器
20 供給部
21 容器
21a 液体ラック
21b 液体移送部
22 液体
22a 液滴
23 アーム
24 プローブ
30 加圧部
31 カバー
32 空気源
33 パイプ
34 バルブ
40 テーブル
42 ダミー吐出用容器
43a,43b,43c,43m,43n 吐出対象容器
50,550 入力部
60,260,360,460,560 制御部
61,261 回数設定部
62 供給制御部
63 加圧制御部
64 搬送制御部
70,570 記憶部
80,580 出力部
91 試薬テーブル
92 試薬容器
93 アーム
94 測光部
95 発光部
96 受光部
97 洗浄部
110 保護カバー
290 物性計測部
292 プレート
342 計測用容器
369 補正部
390 吐出量計測部
501 分析装置
510 測定機構
520 制御分析機構
590 制御分析機構
595 分析処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を保持する液体保持部と前記液体保持部と接続された流路を介して毛細管力によって前記液体保持部から搬送された前記液体を所定量計量し保持する計量部とを有する分注手段を備え、吐出対象に所定量の液体を吐出する分注装置において、
前記計量部が保持する液体を吐出させる吐出手段と、
前記吐出対象に前記液体が吐出される前に前記計量部から前記液体を吐出させるダミー吐出処理を前記吐出手段に行わせる吐出制御手段と、
を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記ダミー吐出処理の回数を予め記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
予め求めた前記液体の吐出回数と吐出量との関係をもとに前記ダミー吐出処理の回数を設定する回数設定手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記予め求めた前記液体の吐出回数と吐出量との関係を記憶することを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項4】
前記回数設定手段は、前記分注手段に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項5】
前記回数設定手段は、前記液体の物性に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項6】
前記液体の物性を計測する物性計測手段をさらに備え、
前記回数設定手段は、前記物性計測手段によって計測された前記液体の物性に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項7】
前記計量部から吐出された前記液体の量を計測する吐出量計測手段をさらに備え、
前記回数設定手段は、前記吐出量計測手段によって計測された前記液体の量に応じて前記ダミー吐出処理の回数を設定することを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項8】
前記吐出手段は、少なくとも前記計量部に加圧して前記計量部が保持する液体を吐出させることを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項9】
吐出対象である容器に分注された液体を分析する分析装置であって、
請求項1〜8のいずれか一つに記載の分注装置と、
複数の前記容器を所定の搬送経路で搬送する搬送手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項10】
液体を保持する液体保持部と前記液体保持部と接続された流路を介して毛細管力によって前記液体保持部から搬送された前記液体を所定量計量し保持する計量部を有する分注手段を使用して、吐出対象に所定量の液体を吐出する分注方法において、
前記吐出対象に前記計量部が保持する液体を吐出する吐出ステップと、
前記吐出対象に前記液体を吐出する前に前記計量部から前記吐出対象とは異なる対象へ前記液体を吐出するダミー吐出ステップと、
を含むことを特徴とする分注方法。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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