説明

分注装置および分析システム

【課題】分注ノズルの詰まりを低減しつつ、検体を除去するための洗浄処理を容易に行うことができる分注装置および分析システムを提供すること。
【解決手段】検体を収容する収容部を有する検体容器11aと、分注ノズル15aによって検体を吸引し、反応容器16aへ吐出する検体分注機構15と、検体容器11aを検体分注機構15による分注位置へ搬送する検体供給部11と、分注ノズル15aの外径より大きい幅の開口を基端側に形成した中空先細形状をなし、長手の長さが収容部の深さより短く、外周面の最大径が収容部の開口径未満であり、所定の直径の複数の穴22bが形成された胴部22a、および基端側の開口付近に設けられ、胴部22aの長手方向と直交方向に広がったフランジ部22cを有する分離部材22と、分注位置への搬送途中に設けられ、分離部材22の基端側を上方として分離部材22を検体容器11aへ落下させる落下機構14と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注ノズルによって検体容器内の検体を吸引し、所定の容器へ吐出する分注機構を有する分注装置および分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体容器内の検体を分注ノズルによって吸引し、所定の容器へ吐出する分注機構においては、検体中に混入した異物が分注ノズルを詰まらせてしまう場合がある。例えば、血液であればフィブリンが分注ノズルを詰まらせてしまう。この問題を解消するため、押し込み機構によって検体中に平坦化部材を押し込むことによって、検体中のフィブリンを分注ノズルによる検体の吸引位置より下方に押し込んで分注ノズルの詰まりを防ぐ血清分取補助装置(特許文献1参照)が提案されている。また、分注ノズルの先端にフィルターを取り付け、または分注ノズルの先端に複数の吸入口を設けて分注ノズルの詰まりを防ぐようにした検体吸入用ノズルチップ(特許文献2参照)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2859845号公報
【特許文献2】特開平11−153605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、平坦化部材によってフィブリンを押し込む際、押し込み機構の一部が検体中に侵入するため、検体を分注する毎に押し込み機構を洗浄しなければならないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2では、フィルターが取り付けられた状態で分注ノズルを洗浄したり、複数の吸入口に付着した検体を除去したりしなければならないため、分注ノズルの洗浄が難しくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分注ノズルの詰まりを低減しつつ、検体を除去するための洗浄処理を容易に行うことができる分注装置および分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分注装置は、一端が開口端をなし、検体を収容する収容部を有する検体容器と、前記検体を吸引して吐出する分注ノズルを有し、該分注ノズルによって前記検体容器内の前記検体を吸引し、所定の容器へ吐出する分注機構と、前記検体容器を前記分注機構による分注位置へ搬送する搬送手段と、前記分注ノズルの外径よりも大きい幅の開口を基端側に形成した中空先細形状をなし、長手方向の長さが前記収容部の深さより短く、外周面の最大径が前記収容部の開口径未満であり、少なくとも一部に所定の幅未満の隙間を有する複数の貫通部が形成された胴部、および前記基端側の開口付近に設けられ、前記胴部の長手方向と直交する方向に広がったフランジ部を有する分離部材と、前記搬送手段による前記検体容器の前記分注位置への搬送途中に設けられ、前記分離部材の基端側を上方として前記分離部材を前記検体容器へ落下させる落下機構と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記落下機構によって前記検体容器に落下した前記分離部材の前記フランジ部に上方から接触して前記分離部材を下方に押し込む押し込み機構をさらに有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記分注機構は、前記分注ノズルを支持するアーム部を有し、前記押し込み機構は、前記アーム部の下部に設けられ、上下方向に伸縮自在な弾性部材と、前記弾性部材の下端部に結合し、前記分注位置での前記分注ノズルの下降によって、前記フランジ部と接触するように設けられた押し込み部材と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記押し込み機構は、前記アーム部と前記弾性部材との間に設けられて前記弾性部材を介して伝わる圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記圧力検出手段が検出した圧力に基づいて、前記押し込み部材、あるいは前記分離部材が前記検体容器に接触して下降を停止されたか否かを判断し、前記押し込み部材あるいは、前記分離部材が前記検体容器に接触して下降を停止された場合、前記分注ノズルの下降速度を低下させる速度調整部をさらに有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記貫通部は、所定の直径の穴によって形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記穴の直径は、前記分注ノズルの吸排口の直径より小さいことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記貫通部は、スリットによって形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記スリットは、前記分注ノズルの吸排口の直径未満の隙間を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記搬送手段による前記落下機構への前記検体容器の搬送途中に設けられ、前記検体容器内の検体に混入する物体を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、検体に異物が混入しているか否かを判断する異物判断部と、前記異物判断部が検体に異物が混入していると判断した場合、前記落下機構によって前記分離部材を前記検体容器に落下させる制御を行う落下制御部と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析システムは、反応容器に収容された前記検体と試薬とを反応させ、該検体と該試薬との反応液の光学的特性を測定して前記検体を分析する分析システムであって、前記分注装置を用いて、前記反応容器に前記検体を分注し、前記反応容器内の前記反応液を分析することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の幅未満の隙間を有する複数の貫通部が胴部に形成された分離部材を介して検体を吸引するので、所定の幅以上の大きさの物体を分注ノズルによって吸引することを低減することができる。しかも、前記分離部材を検体容器内に挿入する際、該分離部材を落下機構によって前記検体容器へ落下させているので、装置の各部位を検体に接触させることがない。このため、分注ノズルの詰まりを低減しつつ、検体を除去するための洗浄処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる分注装置および分析システムの構成を示す摸式図である。
【図2】図2は、図1に示した分注装置が有する分注ノズル、分離部材および検体容器を共に示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した分注装置が有する分注ノズル、分離部材および検体容器を共に示す部分断面図である。
【図4】図4は、図1に示した落下機構の詳細構成を示す図である。
【図5】図5は、図1に示した検体分注機構の詳細構成を示す図である。
【図6】図6は、図1に示した押し込み部材が分離部材を検体容器内に押し込む動作を示す図である。
【図7】図7は、図1に示した分注制御部が実施する検体の分注処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図1に示した押し込み部材の変形例を示した図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2にかかる分注装置および分析システムの構成を示す摸式図である。
【図10】図10は、図9に示した落下機構の詳細構成を示す図である。
【図11】図11は、図9に示した分注制御部が実施する検体の分注処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施の形態1および2に示した分離部材の変形例1を示した図である。
【図13】図13は、実施の形態1および2に示した分離部材の変形例2を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明にかかる分注装置および分析システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
以下、本発明の分注装置および分析システムにかかる実施の形態1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る分注装置および分析システムの構成を示す摸式図である。図2は、図1に示した分注装置が有する分注ノズル、分離部材および検体容器を共に示す斜視図である。分析システム1は、測定部10および制御装置40を有する。測定部10は、分離部材22を挿入された検体容器11a内の検体を分注ノズル15aによって吸引し、反応容器16aに吐出し、反応容器16aで試薬と混合させて生じる反応を光学的に測定する。制御装置40は、分析システム1全体の制御を行うとともに測定部10における測定結果の分析を行う。なお、分注装置30は、分注部31および分注制御部32を有する。
【0021】
測定部10は、検体供給部11、読取装置12、異物検出光学系13、落下機構14、および検体分注機構15を備える分注部31、反応テーブル16、攪拌機構17、分析光学系18、洗浄機構19、試薬テーブル20および試薬分注機構21を有する。
【0022】
検体供給部11は、搬送手段として検体容器11aを検体分注機構15による分注位置へ搬送する。検体供給部11は、検体を収容する検体容器11aが保持された複数の検体ラック11cを搬送路11eに沿って順次搬送する。
【0023】
検体容器11aは、図2に示すように、一端が開口端をなし、検体を収容する収容部11bを有し、収容部11bに検体(血清)を収容する。検体容器11aは、検体容器11a内の検体に関する情報が記録される記録媒体としての図示しないバーコードラベルが付与される。なお、この記録媒体は、バーコードラベルに限らず、検体情報を記録できるものであれば2次元コード等を用いてもよい。検体ラック11cは、図1に示すように、箱型に形成され、内部に複数の検体容器11aを保持する。検体ラック11cは、側部に、開口あるいは光が透過可能な透過部材によって形成される窓部11dを有する。
【0024】
読取装置12は、検体供給部11の搬送路11eに沿って設けられ、検体容器11aに付与されたバーコードラベルを読み取り、読み取り情報を制御装置40に出力する。
【0025】
異物検出光学系13は、落下機構14への検体容器11aの搬送路11eの途中に設けられ、検出手段として検体容器11a内の検体に混入する物体を検出する。異物検出光学系13は、発光素子13aおよび光検出素子13bを有する。
【0026】
発光素子13aは、検体容器11aの搬送路11eに沿って設けられ、光の照射位置に搬送された検体容器11aに光を照射する。光検出素子13bは、搬送路11eを介して発光素子13aと対向する位置に設けられる。光検出素子13bは、発光素子13aから照射され、窓部11dおよび検体容器11aを介して検体を通過した光の強度を検体容器11aの分割した領域ごとに検出し、検出信号を制御装置40に出力する。
【0027】
ここで、図2および図3を参照して分離部材22の詳細について説明する。図3は、図1に示した分注装置が有する分注ノズル15a、分離部材22および検体容器11aを共に示す部分断面図である。
【0028】
分離部材22は、胴部22aおよびフランジ部22cを有する。胴部22aは、分注ノズル15aの外径d1よりも大きい幅の開口22dを基端側に形成した中空円錐形状をなしている。胴部22aは、長手方向の長さL1が収容部11bの深さL2よりも短く、外周面の最大径I1が収容部の開口径I2未満であり、少なくとも一部に所定の幅未満の隙間を有する複数の貫通部として、分注ノズル15aの吸排口15cの直径d2と等しい直径の複数の穴22bが形成されている。フランジ部22cは、基端側の開口付近に設けられ、胴部22aの長手方向と直交する方向に広がった中空円盤状をなしている。
【0029】
図4は、図1に示した落下機構14の詳細構成を示す図である。落下機構14は、検体供給部11による検体容器11aの分注位置への搬送途中に設けられ、分離部材22の基端側を上方として分離部材22を検体容器11aへ落下させる。落下機構14は、図4に示すように、分離部材収容部14aおよび保持機構14bを有する。
【0030】
分離部材収容部14aは、基端側を上方にして積み重ねた複数の分離部材22を収容する。保持機構14bは、分離部材22を挟んで対向する位置に配置された一対の断面L字形状の爪部材14cを二組有する。また、保持機構14bは、対の爪部材14cを同時に鉛直方向及び水平逆方向に移動させる図示しない駆動部を有する。落下機構14は、図示しない駆動部によって爪部材14cを移動させることによって、下から2番目に位置する分離部材22を一対の爪部材14cによって保持した状態で、最も下に位置する分離部材22を残りの一対の爪部材14cによって落下させる。
【0031】
検体分注機構15は、検体を吸引し、吐出する分注ノズル15aを有し、分注ノズル15aによって検体容器11a内の検体を吸引し、反応容器16aへ吐出する。検体分注機構15は、図5に示すように、分注ノズル15aを支持するアーム部15bおよび押し込み機構23を有する。分注ノズル15aは、先端に所定の直径d2の吸排口15cを形成されている。アーム部15bは、図示しない駆動部によって駆動され、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。押し込み機構23は、分離部材22のフランジ部22cに上方から接触して分離部材22を下方に押し込む。押し込み機構23は、圧力センサ23a、バネ部材23bおよび押し込み部材23cを有する。
【0032】
圧力センサ23aは、アーム部15bとバネ部材23bとの間に設けられ、圧力検出手段としてバネ部材23bを介して伝わる圧力を検出する。圧力センサ23aは、圧力の検出信号を制御装置40に出力する。バネ部材23bは、圧力センサ23aの下部に設けられ、上下方向に伸縮自在である。押し込み部材23cは、中空円筒形状である。押し込み部材23cは、バネ部材23bの下端部に結合し、分注位置での分注ノズル15aの下降によって、フランジ部22cと接触するように設けられる。
【0033】
反応テーブル16は、図示しないホイールを有する。ホイールは、複数の反応容器16aを保持し、図示しない駆動機構によって回転して反応容器16aを周方向に移送する。攪拌機構17は、反応容器16aに分注された試薬と検体との混合液の攪拌を行い、反応を促進させる。
【0034】
分析光学系18は、所定の測定位置に移送された反応容器16aに光源18aから測定光を照射し、反応容器16a内の検体と試薬との反応液を透過した光を分光し、受光素子18bによる各波長光の強度測定を行うことによって、分析対象である検体と試薬との反応液に特有の波長の吸光度を測定する。
【0035】
洗浄機構19は、ノズル19aによって、分析光学系18による測定が終了した反応容器16a内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行う。
【0036】
試薬テーブル20は、図示しないホイールを有する。ホイールは、複数の試薬容器20aを保持し、図示しない駆動機構によって回転して試薬容器20aを周方向に移送する。
【0037】
試薬分注機構21は、試薬を吸引し、吐出する分注ノズル21aおよび分注ノズル21aが支持するアーム部21bを有する。アーム部21bは、図示しない駆動部によって駆動され鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。試薬分注機構21は、試薬テーブル20上の所定位置に移送された試薬容器20a内の試薬を分注ノズル21aによって吸引し、アーム部21bを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル16上の所定位置に搬送された反応容器16aに、試薬を吐き出して分注を行う。
【0038】
制御装置40は、制御部41、入力部42、表示部43および記憶部44を有する。測定部10および制御装置40内の各部は、制御部41に接続される。制御部41は、CPU等によって実現され、分析システム1の各部の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。また、制御部41は、分析光学系18によって測定された測定結果をもとに、検体内における検出対象物の濃度を求め、検体の成分分析等を行う。
【0039】
また、制御部41は、分注部31の処理および動作の制御を行う分注制御部32を有する。分注制御部32は、異物判断部32a、落下制御部32bおよび速度調整部32cを有する。
【0040】
異物判断部32aは、異物検出光学系13による検出結果に基づいて、検体に異物が混入しているか否かを判断する。異物判断部32aは、検体に異物が混入している場合、検体に異物が混入している旨の異物混入情報を検体情報に付加する。
【0041】
落下制御部32bは、異物判断部32aが検体に異物が混入していると判断した場合、落下機構14によって分離部材22を検体容器11aに落下させる制御を行う。より具体的には、落下制御部32bは、検体情報に異物混入情報が付加されている場合、分離部材22を落下し、検体情報に異物混入情報が付加されていない場合、分離部材22を落下しない制御を行う。
【0042】
速度調整部32cは、圧力センサ23aが検出した圧力に基づいて、押し込み部材23cあるいは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止されたか否かを判断し、押し込み部材23cあるいは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止された場合、分注ノズル15aの下降速度を低下させる。この圧力センサ23aによって検出される圧力は、フランジ部22cの下面が検体容器11aの上端部に接した時、あるいは、押し込み部材23cの下端部が検体容器11aの上端部に接した時に大きく上昇する。このため、速度調整部32cは、圧力センサ23aによって検出される圧力が、所定の圧力以上となった場合、押し込み部材23cあるいは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止されたと判断し、分注ノズル15aの下降速度を低下させる。
【0043】
入力部42は、キーボードやマウス等によって実現され、検体の分析項目等の分析に関する各種情報の入力が可能である。表示部43は、ディスプレイパネルやプリンタ等によって実現され、検体の分析データや警報等の各種情報を出力する。記憶部44は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析システム1が処理を実行する際にこの処理にかかわる各種プログラムをハードディスクから読み出して電気的に記憶するメモリとを有する。記憶部44は、演算処理された吸光度等を含む検体の分析データを記憶する。
【0044】
この分析システム1では、順次搬送される複数の反応容器16aに対して、試薬分注機構21が、試薬容器20aから反応容器16aに試薬を分注し、検体分注機構15が、検体容器11aから反応容器16aに所定量の検体を分注する。続いて、攪拌機構17が、反応容器16a内の試薬と検体とを撹拌して反応させた後、分析光学系18が、試薬と検体との混合液の吸光度測定を行う。そして、制御部41が、測定結果を分析し、検体の成分分析等を自動的に行う。また、洗浄機構が、分析光学系18による測定が終了した反応容器16aの洗浄・乾燥を行い、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0045】
ここで、図6を参照して分注ノズル15aの下降によって押し込み部材23cが分離部材22を検体容器11a内に押し込む動作を説明する。図6は、押し込み部材23cが分離部材22を検体容器11a内に押し込む動作を示す図である。
【0046】
まず、分離部材22が挿入された検体容器11aが分注位置に搬送されると、アーム部15bが下降する(図6(a))。ここで、押し込み部材23cの機能を説明するため、フランジ部22cの下面が検体容器11aの上端部に接触する前、すなわち分離部材22が、検体容器11aへの挿入の途中で下降を停止した状態を示している。
【0047】
その後、さらにアーム部15bが下降することによって、押し込み部材23cの下端部と、フランジ部22cの上面とが接触し、分離部材22が下方に押し下げられる(図6(b))。この押し込み部材23cとフランジ部22cとの接触によって、バネ部材23bは圧縮される。
【0048】
その後、さらにアーム部15bが下降することによって、フランジ部22cの下面が検体容器11aの上端部に接触すると、分離部材22が下降を停止されるため、フランジ部22cに接触する押し込み部材23cが下降を停止される。(図6(c))。このフランジ部22cの下面と検体容器11aの上端部との接触によって、バネ部材23bはさらに圧縮される。
【0049】
その後、押し込み部材23cが下降を停止されたまま、アーム部15bの下降に伴って分注ノズル15aが検体を吸引する位置まで下降する(図6(d))。この押し込み部材23cが下降を停止されたままでのアーム部15bの下降によって、バネ部材23bはさらに圧縮される。このようにして、押し込み部材23cが分注ノズル15aの下降に伴って下降することによって、分離部材22を検体容器11a内に押し込んでいる。
【0050】
次に、図7に示すフローチャートを参照して、分注制御部32が実施する検体分注処理の手順を説明する。図7は、分注制御部32が実施する検体の分注処理の手順を示したフローチャートである。
【0051】
まず、読取装置12は、検体容器11aに付与されたバーコードラベルを読み取る(ステップS101)。このバーコードラベルの読み取りは、検体ラック11cに保持されて順次搬送される検体が読取装置12を通過する際に行われる。その後、検体供給部11は、検体容器11aを異物検出光学系13による光の照射位置に搬送する(ステップS102)。その後、異物判断部32aは、検体に異物が混入しているか否かを判断する(ステップS103)。この判断は、異物検出光学系13による検出結果に基づいて行われる。検体に異物が混入している場合(ステップS103,Yes)、異物判断部32aは、検体に異物が混入している旨の異物混入情報を検体情報に付加する(ステップS104)。その後、異物判断部32aは、検体ラック11c内の全検体について、異物の混入ある/なしの判断を行ったか否かを判断する(ステップS105)。
【0052】
検体ラック11c内の全検体について異物の検出ある/なしの判断を行った場合(ステップS105,Yes)、検体供給部11は、検体を分離部材22の落下位置に搬送する(ステップS106)。その後、落下制御部32bは、分離部材22の落下位置に搬送された検体容器11aに分離部材22を落下する否かを判断する(ステップS107)。この判断は、検体情報に異物混入情報が付加されているか否かによってされる。
【0053】
検体容器11aに分離部材22を落下する場合(ステップS107,Yes)、落下制御部32bは、落下機構14によって検体容器11aへ分離部材22を落下させる(ステップS108)。その後、落下制御部32bは、検体ラック11c内の全検体容器について、分離部材22を落下する/しないの判断を行った否かを判断する(ステップS109)。
【0054】
検体ラック11c内の全検体容器11aについて、分離部材22を落下する/しないの判断を行った場合(ステップS109,Yes)、検体供給部11は、検体容器11aを分注位置に搬送する(ステップ110)。その後、検体分注機構15は、分注ノズル15aを下降させる(ステップS111)。その後、速度調整部32cは、押し込み部材23cまたは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止されたか否かを判断する(ステップS112)。この判断は、圧力センサ23aから出力された圧力の検出信号に基づいて行われる。
【0055】
押し込み部材23cまたは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止された場合(ステップS112,Yes)、速度調整部32cは、分注ノズル15aの下降速度を低下させる(ステップS113)。このため、例えば、分注ノズル15aに取り付けられ、静電容量の変化によって液面を検出する液面センサによる液面の検出を、分注ノズル15aの下降速度を低下させて行うことができる。その後、検体分注機構15は、分注ノズル15aを検体の吸引深さまで下降させ(ステップS114)、分注ノズル15aによって検体を吸引させる(ステップS115)。その後、検体分注機構15は、分注ノズル15aを検体吐出位置に移動させて、検体を反応容器16aに吐出す(ステップS116)。その後、分注制御部32は、検体ラック11c内の全検体の分注処理を行ったか否かを判断する(ステップS117)。
【0056】
検体ラック11c内の全検体の分注処理を行った場合(ステップS117,Yes)、分注制御部32は、分析処理を登録された全検体の分注処理が完了したか否かを判断する(ステップS118)。分析処理を登録された全検体の分注処理が完了した場合(ステップS118,Yes)、分注制御部32は、本処理を終了する。
【0057】
検体に異物が混入していない場合(ステップS103,No)、異物判断部32aは、処理をステップS105に移行する。また、検体ラック11c内の全検体について異物の混入ある/なしの判断を行っていない場合(ステップS105,No)、異物判断部32aは、処理をステップS102に移行し、上述した処理を繰り返す。また、検体容器11aに分離部材22を落下しない場合(ステップS107,No)、落下制御部32bは、処理をステップS109に移行する。
【0058】
また、検体ラック11c内の全検体容器11aについて、分離部材22を落下する/しないの判断を行っていない場合(ステップS109,No)、落下制御部32bは、処理をステップS106に移行し、上述した処理を繰り返す。また、押し込み部材23cまたは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止されていない場合(ステップS112,No)、速度調整部32cは、処理をステップS111に移行して上述した処理を繰り返す。また、検体ラック11c内の全検体の分注処理を行っていない場合(ステップS117,No)、分注制御部32は、処理をステップS110に移行して上述した処理を繰り返す。また、分析処理を登録された全検体の分注処理が完了していない場合(ステップS118,No)、分注制御部32は、処理をステップS101に移行して上述した処理を繰り返す。
【0059】
この実施の形態1では、分注ノズル15aの吸排口15cの直径d2と等しい直径の穴22bを胴部22aに形成された分離部材22を介して検体を吸引するので、吸排口15cより大きい物体を分注ノズル15aによって吸引することを防ぐことができる。しかも、分離部材22を検体容器11a内に挿入する際、分離部材22を落下機構14によって検体容器11aへ落下させているので、装置の各部位を検体に接触させることがない。従って、分注ノズル15aの詰まりを低減しつつ、検体を除去するための洗浄処理を容易に行うことができる。
【0060】
また、この実施の形態1では、検体容器11aへ落下させた分離部材22を、押し込み機構23によって押し込むようにしているため、分離部材22を検体容器11a内に確実に挿入することができる。
【0061】
また、この実施の形態1では、アーム部15bの下降によって押し込み機構23を下降させるようにしているので、押し込み機構23を下降させるための駆動部を設ける必要がなく、結果として、簡易な装置構成とすることができる。
【0062】
また、この実施の形態1では、検体に異物が混入している場合に、検体容器11aに分離部材22を落下させるようにしているので、分離部材22の消費を低減させることができる。
【0063】
また、この実施の形態1では、押し込み部材23cあるいは、分離部材22が検体容器11aに接触して下降を停止された場合、分注ノズル15aの下降速度を低下させるようにしているので、分注ノズル15aの下降速度を低下させて検体の液面を検出することができ、結果として、高い精度で検体の液面を検出することができる。
【0064】
なお、実施の形態1では、押し込み部材23cは、中空円筒形状であるものを例示したが、これに限らず、フランジ部22cの上面に接触して分離部材22を下方に押し込むことができればよい。例えば、図8に示すように、押し込み部材28が、複数の棒状部材28aを有し、複数の棒状部材28aが、フランジ部22cの上面に接触するようにしてもよい。
【0065】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図9は、本発明の実施の形態2にかかる分注装置50および分析システム2の構成を示す模式図である。実施の形態1の分注装置30は、押し込み機構23を検体分注機構15に設けていたが、実施の形態2の分注装置50は、押し込み機構60aを落下機構60に設けている。分注装置50は、分注部51および分注制御部52を有する。
【0066】
分注部51は、落下機構14に代わって、落下機構60を有し、検体分注機構15に代わって、検体分注機構70を有する。落下機構60は、押し込み機構60aを有する。押し込み機構60aは、図10に示すように、フランジ部22cと接触するように設けられる一対の断面L字形状の爪部材60bと、一対の爪部材60bを同時に鉛直方向に移動させる図示しない駆動部を有する。落下機構60は、図示しない駆動部によって一対の爪部材60bを下降させることによって、分離部材22を検体容器11aに押し込む。なお、検体分注機構70は、検体分注機構15から押し込み機構23を除いたものである。
【0067】
分注制御部52は、異物判断部32aおよび落下制御部52aを有する。落下制御部52aは、検体情報に異物混入情報が付加されている場合、分離部材22を落下した後、押し込み機構60aによって分離部材22を検体容器11aに押し込み、検体情報に異物混入情報が付加されていない場合、分離部材22を落下しない判断を行う。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0068】
次に、図11に示すフローチャートを参照して、分注制御部52が実施する検体の分注処理の手順を説明する。図11は、図9に示した分注制御部52が実施する検体の分注処理の手順を示したフローチャートである。ステップS201〜ステップS206の処理は、上記実施の形態1に係る分注制御部32が実施する検体の分注処理の手順で説明したステップS101〜ステップS106と同様である。
【0069】
ステップS207において、落下制御部52aは、分離部材22の落下位置に搬送された検体容器11aに分離部材22を落下する否かを判断する(ステップS207)。この判断は、検体情報に異物混入情報が付加されているか否かによってされる。
【0070】
検体容器11aに分離部材22を落下する場合(ステップS207,Yes)、落下制御部52aは、落下機構14によって検体容器11aへ分離部材22を落下させ(ステップS208)、押し込み機構60aによって検体容器11aに分離部材22を押し込む(ステップS209)。その後、落下制御部52aは、検体ラック11c内の全検体容器について、分離部材22を落下する/しないの判断を行った否かを判断する(ステップS210)。
【0071】
検体ラック11c内の全検体容器11aについて、分離部材22を落下する/しないの判断を行った場合(ステップS210,Yes)、検体供給部11は、検体容器11aを分注位置に搬送する(ステップ211)。その後、検体分注機構70は、分注ノズル15aを検体の吸引深さまで下降させる(ステップS212)。その後のステップS212〜ステップS216の処理は、上記実施の形態1に係る分注制御部32が実施する検体の分注処理の手順で説明したステップS114〜ステップS118と同様である。
【0072】
また、検体容器11aに分離部材22を落下しない場合(ステップS207,No)、落下制御部52aは、処理をステップS210に移行する。また、検体ラック11c内の全検体容器11aについて、分離部材22を落下する/しないの判断を行っていない場合(ステップS210,No)、落下制御部52aは、処理をステップS206に移行し、上述した処理を繰り返す。
【0073】
この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、分注ノズル15aの吸排口15cの直径d2と等しい穴22bを胴部22aに形成された分離部材22を介して検体を吸引するので、吸排口15cより大きい物体を分注ノズル15aによって吸引することを防ぐことができる。しかも、分離部材22を検体容器11a内に挿入する際、分離部材22を落下機構60によって検体容器11aへ落下させているので、装置の各部位を検体に接触させることがない。従って、分注ノズル15aの詰まりを低減しつつ、検体を除去するための洗浄処理を容易に行うことができる。
【0074】
また、この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、検体容器11aへ落下させた分離部材22を、押し込み機構60aによって押し込むようにしているため、分離部材22を検体容器11a内に確実に挿入することができる。
【0075】
なお、この実施の形態1および2では、検体容器11aに収容された検体が血清であるものを例示したが、これに限らず、尿、あるいは血液を遠心分離させた状態の検体、すなわち血清、分離部材および血餅の3層に分離した状態の検体であってもよい。この場合、分離部材22が、血清と分離剤との境界の位置より上方にして検体容器11aに挿入されるような胴部22aの長さであることが好ましい。
【0076】
また、この実施の形態1および2では、分離部材22は、胴部22aが円錐形状のものを例示したが、これに限らず、先細形状であればよい。例えば、胴部22aが角錐形状であってもよい。
【0077】
また、この実施の形態1および2では、押し込み機構23,60aによって分離部材22を収容部11b内に押し込むものを例示したが、これに限らず、分離部材22が、検体容器11aへ落下するだけで収容部11b内に挿入されれば、押し込み機構23,60aによって分離部材22を押し込まなくてもよい。この場合、押し込み機構23,60aを設けないため、簡易な装置構成とすることができる。
【0078】
また、この実施の形態1および2では、フランジ部22cが中空円盤状をなしているものを例示したが、これに限らず、フランジ部22cが、基端側の開口付近に設けられ、胴部22aの長手方向と直交する方向に広がっていればよい。
【0079】
また、この実施の形態1および2では、分離部材22は、分注ノズル15aの吸排口15cの直径d2と等しい直径を有する複数の穴22bが胴部22aに形成されるものを例示したが、これに限らず、少なくとも一部に所定の幅未満の隙間を有する複数の貫通部が胴部22aに形成されればよい。例えば、穴22bの直径は、分注ノズル15aの吸排口15cの直径d2よりも小さくしてもよい。あるいは、例えば、図12に示すように、分離部材24の貫通部24aは、スリット形状とし、少なくとも検体に侵入する部分に所定の幅t未満の隙間を有するようにしてもよい。あるいは、図13に示すように、分離部材25の貫通部25aは、所定の幅t未満の隙間を有する網目形状としてもよい。
【0080】
また、この実施の形態1および2では、異物検出光学系13は、発光素子13aおよび光検出素子13bを有するものを例示したが、これに限らず、検体容器11a内の検体に混入する物体を検出することができればよい。例えば、CCDカメラを備え、このCCDカメラによって撮像した画像を解析することによって検体に混入する物体を検出するようにしてもよい。
【0081】
また、この実施の形態1および2では、検体に異物が混入しているか否かを判断し、異物が混入していると判断した検体のみ、検体容器11aへ分離部材22を落下させるものを例示したが、これに限らず、検体に異物が混入しているか否かに関わらず、全ての検体容器11aへ分離部材22を落下させるようにしてもよい。この場合、読取装置12および異物検出光学系13を設けないので、簡易な装置構成とすることができる。
【0082】
また、この実施の形態1および2では、落下機構14,60が爪部材14cを移動させることによって、積み重ねられた分離部材22の最も下に位置する分離部材22を検体容器11aに落下させるものを例示したが、これに限らず、分離部材22を検体容器11aに落下させることができればよい。例えば、基端側を上方にして保持した状態で分離部材22を1つずつ落下位置まで移送した後に、分離部材22の保持を解除して検体容器11aに落下させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,2 分析システム
10,90 測定部
11 検体供給部
11a 検体容器
11b 収容部
11c 検体ラック
11d 窓部
11e 搬送路
12 読取装置
13 異物検出光学系
13a 発光素子
13b 光検出素子
14,60 落下機構
14a 分離部材収容部
14b 保持機構
14c,60b 爪部材
15,70 検体分注機構
15a 分注ノズル
15b,21b アーム部
15c 吸排口
16 反応テーブル
16a 反応容器
17 攪拌機構
18 分析光学系
18a 光源
18b 受光素子
19 洗浄機構
19a ノズル
20 試薬テーブル
20a 試薬容器
21 試薬分注機構
21a 分注ノズル
22,24,25 分離部材
22a 胴部
22b 穴
22c フランジ部
22d 開口
23,60a 押し込み機構
23a 圧力センサ
23b バネ部材
23c,28 押し込み部材
28a 棒状部材
30,50 分注装置
31,51 分注部
32,52 分注制御部
32a 異物判断部
32b,52a 落下制御部
32c 速度調整部
40,80 制御装置
41,81 制御部
42 入力部
43 表示部
44 記憶部
F フィブリン
S 検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口端をなし、検体を収容する収容部を有する検体容器と、
前記検体を吸引して吐出する分注ノズルを有し、該分注ノズルによって前記検体容器内の前記検体を吸引し、所定の容器へ吐出する分注機構と、
前記検体容器を前記分注機構による分注位置へ搬送する搬送手段と、
前記分注ノズルの外径よりも大きい幅の開口を基端側に形成した中空先細形状をなし、長手方向の長さが前記収容部の深さより短く、外周面の最大径が前記収容部の開口径未満であり、少なくとも一部に所定の幅未満の隙間を有する複数の貫通部が形成された胴部、および前記基端側の開口付近に設けられ、前記胴部の長手方向と直交する方向に広がったフランジ部を有する分離部材と、
前記搬送手段による前記検体容器の前記分注位置への搬送途中に設けられ、前記分離部材の基端側を上方として前記分離部材を前記検体容器へ落下させる落下機構と、
を有することを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記落下機構によって前記検体容器に落下した前記分離部材の前記フランジ部に上方から接触して前記分離部材を下方に押し込む押し込み機構をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記分注機構は、前記分注ノズルを支持するアーム部を有し、
前記押し込み機構は、
前記アーム部の下部に設けられ、上下方向に伸縮自在な弾性部材と、
前記弾性部材の下端部に結合し、前記分注位置での前記分注ノズルの下降によって、前記フランジ部と接触するように設けられた押し込み部材と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の分注装置。
【請求項4】
前記押し込み機構は、前記アーム部と前記弾性部材との間に設けられて前記弾性部材を介して伝わる圧力を検出する圧力検出手段を有し、
前記圧力検出手段が検出した圧力に基づいて、前記押し込み部材、あるいは前記分離部材が前記検体容器に接触して下降を停止されたか否かを判断し、
前記押し込み部材あるいは、前記分離部材が前記検体容器に接触して下降を停止された場合、前記分注ノズルの下降速度を低下させる速度調整部をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項5】
前記貫通部は、所定の直径の穴によって形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項6】
前記穴の直径は、前記分注ノズルの吸排口の直径より小さいことを特徴とする請求項5に記載の分注装置。
【請求項7】
前記貫通部は、スリットによって形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項8】
前記スリットは、前記分注ノズルの吸排口の直径未満の隙間を有することを特徴とする請求項7に記載の分注装置。
【請求項9】
前記搬送手段による前記落下機構への前記検体容器の搬送途中に設けられ、前記検体容器内の検体に混入する物体を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、検体に異物が混入しているか否かを判断する異物判断部と、
前記異物判断部が検体に異物が混入していると判断した場合、前記落下機構によって前記分離部材を前記検体容器に落下させる制御を行う落下制御部と、
を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項10】
反応容器に収容された前記検体と試薬とを反応させ、該検体と該試薬との反応液の光学的特性を測定して前記検体を分析する分析システムであって、請求項1〜9のいずれか一つに記載の分注装置を用いて、前記反応容器に前記検体を分注し、前記反応容器内の前記反応液を分析することを特徴とする分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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