Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
分注装置および自動分析装置
説明

分注装置および自動分析装置

【課題】プローブを交換しても、精度良く分注できる分注装置および自動分析装置を提供すること。
【解決手段】プローブ内に液体を吸引し吐出して、液体を分注する分注装置1において、プローブごとに設定された分注情報であって、所定の指示分注量とこの指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量との関係を示す分注情報を取得する情報コード読取部CR1と、所定の指示分注量で分注指示があった場合、分注情報を参照して、所定の指示分注量に対応する指示量で分注制御を行う制御部34とを備える。自動分析装置は、検体および/または試薬を分注する手段として本発明にかかる分注装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブ内に液体を吸引し、プローブ内の液体を吐出して所定量の液体を分注する分注装置およびこの分注装置を備えた自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、分注シリンジの吸排動作によってプローブ内に液体を吸引し、吐出して所定量の液体を分注する分注装置が使用されている(特許文献1、参照)。また、この分注装置を用いて血液や尿などの検体および試薬を反応容器に分注して、検体と試薬とを反応させて検体の分析を行う自動分析装置が使用されている(特許文献2、参照)。
【0003】
従来の分注装置は、プローブが破損した場合またはメンテナンス等のために、プローブが交換されると分注量が変わってしまう場合がある。これは自動分析装置において、一般にプローブ間差と呼ばれるものである。
【0004】
このプローブ間差の一因として、プローブの形状の誤差が挙げられる。分注装置で使用されるプローブは、金属製の細管を加工して製造されるため、プローブの加工精度には限界がある。このため、プローブの形状の誤差を抑えることは困難である。そこで、プローブの各部分の寸法について一定の範囲を規格として規定し、分注装置ではプローブの各部分の寸法が規格で規定する範囲内であるプローブを用いることによって、分注誤差を許容範囲内に収めていた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−28886号公報
【特許文献2】特開2001−91520号公報
【特許文献3】特開2006−53164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年、自動分析装置では被検者の負担軽減や分析費用削減のため、分析処理に用いられる検体および試薬が微量になり、プローブ間差によって、正しい分析結果が得られない場合が生じるようになった。すなわち、従来の自動分析装置では、プローブを交換した場合に、プローブ間差によって、検体および試薬の分注量が変わる場合があるという問題があった。
【0007】
なお、従来の自動分析装置では、プローブを交換した場合、キャリブレーションを実施し検量線を校正して、分析結果の信頼性を保っていた(特許文献3、参照)。すなわち、従来の自動分析装置は、プローブの交換によって検体または試薬の分注量が変わり、検体と試薬との混合比が変わっても、この混合比に適した検量線を作成して、信頼性の高い分析結果が得られるようにしていた。
【0008】
しかし、キャリブレーションを実施する際には、実際に試薬や標準試料が消費されるため、費用がかかってしまうという問題点がある。また、分析処理に使用される検体および試薬の微量化にともない、検体または試薬の分注誤差が生じると、検体および試薬の混合比がキャリブレーションの範囲外となってしまう場合が生じる。さらに、分析項目によってはキャリブレーションを実施しない場合もある。したがって、自動分析装置においてプローブ交換時に単にキャリブレーションを実施すればよいという問題ではない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プローブを交換しても分注精度の高い分注装置および自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る分注装置は、プローブ内に液体を吸引し前記液体を吐出して、前記液体を分注する分注装置であって、前記プローブごとに設定された分注情報であって、所定の指示分注量と、該指示分注量分の前記液体を分注させる指示量との関係を示す前記分注情報を取得する取得手段と、前記所定の指示分注量の分注指示があった場合、前記分注情報を参照して、前記指示分注量に対応する前記指示量で分注制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記プローブごとに設定された動作情報であって、所定の指示分注量と、前記所定の指示分注量を指示量として分注させた場合の分注量である実分注量との関係を示す前記動作情報をもとに、前記所定の指示分注量分の前記液体を分注させる指示量を算出し、前記分注情報を設定する設定手段を備え、前記取得手段は、前記動作情報を取得し、前記制御手段は、前記設定手段によって設定された前記分注情報を参照して、前記指示分注量に対応する前記指示量で分注制御を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記指示量は、前記指示分注量を前記実分注量で除算した値に前記指示分注量を乗算した値であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記指示量は、前記指示分注量から前記実分注量を減算した値に前記指示分注量を加算した値であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記取得手段は、前記プローブを識別するための情報である識別情報を読み取る読取手段を備え、該読取手段が読み取った前記識別情報を用いて前記分注情報または前記動作情報を取得することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる自動分析装置は、検体と試薬とを反応容器に分注し、該反応容器内で検体および試薬を反応させ、この反応した反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置であって、上記いずれかの発明に記載の分注装置を備え、該分注装置を用いて前記検体および/または前記試薬を分注することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる分注装置または自動分析装置は、取得手段が、プローブごとに設定された分注情報であって、所定の指示分注量と、該指示分注量分の前記液体を分注させる指示量との関係を示す前記分注情報を取得し、制御手段が、前記所定の指示分注量の分注指示があった場合、前記分注情報を参照して、前記所定の指示分注量に対応する前記指示量で分注制御をすることにより、分注装置に装着された個々のプローブに適した分注制御を行うので、プローブを交換しても精度良く分注できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態である分注装置および自動分析装置について、図面を参照して説明する。なお、各実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分又は相当する部分には同一の符号を付している。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る分注装置について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態1に係る分注装置の概略を示す図である。図1において分注装置1は、分注対象の液体Lqを直接吸引または吐出する金属製の細管状のプローブ11と、プローブ11に鉛直方向の昇降動作や水平方向の回転動作を行わせてプローブ11を移送するプローブ移送部12と、プローブ11に圧力を伝達する圧力伝達媒体である洗浄液Waの吸排動作を行うシリンジ13と、プローブ11とシリンジ13とを接続し、洗浄液Waの流路をなす管路14とを備える。ここで、洗浄液Waは、脱気されたイオン交換水や蒸留水等の非圧縮性流体である。また、プローブ11および管路14は連結部15において着脱可能に連結されている。
【0019】
シリンジ13は、シリンダ13aとピストン13bとを有し、ピストン13bはピストン駆動部16によって往復動される。また、シリンジ13は、管路14とは異なる管路17にも接続されている。この管路17の他端は、洗浄液Waの流量を調節する電磁弁18に接続されている。電磁弁18には、別の管路19も接続され、管路19の他端は洗浄液Waの吸排動作を行うポンプ20に接続されている。ポンプ20はさらに別の管路21に接続されており、この管路21の他端は、洗浄液Waを収容する洗浄液タンク22に達している。
【0020】
また、プローブ11には、個々のプローブについての分注情報を所定の情報コード(バーコード、2次元バーコード等)にコード化して記録した情報コード記録媒体24が貼付されている。この情報コードを読み取るため、分注装置1はプローブ11に貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR1を備える。なお、情報コード記録媒体24としてRFIDタグ(無線ICタグ)を用い、情報コード読取部CR1としてRFIDタグのリーダーを用いてもよい。
【0021】
なお、分注情報とは、プローブごとに、所定の指示分注量とこの指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量との関係を記載した情報である。分注情報は、指示分注量と指示量とを記載したテーブルの形で、情報コード記録媒体24にコード化して記録されている。なお、分注情報は、例えば、指示分注量と、指示分注量に対応する指示量との関係を実測することによって、作成される。
【0022】
さらに、分注装置1は、分注装置の各処理にかかわる各種プログラムを用いて分注装置1の各部の動作処理の制御を行う制御機構30を有する。制御機構30はコンピュータによって実現され、液体Lqを分注するために必要な分注量等の情報やプローブ交換についての情報を入力するためのキーボート、マウスおよびマイクロフォン等を有する入力部31と、各種情報を出力するためのCRT、液晶、有機EL等のディスプレイ、プリンタ、およびスピーカー等を有する出力部32と、プローブ11の分注情報等を記憶する記憶部33と、当該制御機構30内の各機能または各手段の制御を含め分注装置1の制御を行う制御部34とを備える。
【0023】
記憶部33は、さまざまな情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分注装置1が処理を実行する際にその処理に係るプログラムをハードディスクからロードして電気的に記録するメモリとを有する。また、記憶部33として、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、PCカード、xDピクチャーカード等の記録媒体に記録された情報を読み取ることができる補助記憶装置をさらに備えてもよい。
【0024】
また、制御部34は、制御および演算機能を有するCPU等を有し、記憶部33が記憶するプログラムをメモリから読み出すことにより分注装置1の各種動作の制御および演算を実行する。制御部34は、分注の指示量に応じて予め設定された分注動作を行うように分注装置1の各部を制御する。具体的には、制御部34は、所定の指示分注量の入力があった場合、プローブ11の分注情報を参照して、所定の指示分注量に対応する指示量を取得し、この取得した指示量に従って分注装置1の各部を制御する。
【0025】
次に、分注装置1が液体Lqの分注を行う場合の動作について説明する。まず、分注装置1は、制御部34の制御のもと、ポンプ20によって洗浄液Waを吸引し、電磁弁18を開いて、シリンジ13、管路14、プローブ11の順に洗浄液Waを流入し充填させた後、電磁弁18を閉じてポンプ20の動作を終了する。その後、分注装置1は、制御部34の制御のもと、プローブ移送部12を用いてプローブ11を容器41に移送し、プローブ11に液体Lqを吸引する。次いで、プローブ11を容器42に移送し、液体Lqを吐出する。液体Lqの吸引または吐出の際、分注装置1は、制御部34の制御のもと、ピストン駆動部16を駆動させてピストン13bを移動させることによって、洗浄液Waを介してプローブ11の先端部に適当な吸引圧(負圧)または吐出圧(正圧)を発生させる。ここで、制御部34は、操作者が入力部31を介して入力した指示分注量に対応する指示量に従ってピストン13bの移動量等を制御する。なお、プローブ11の先端部で液体Lqを吸引したとき、液体Lqおよび洗浄液Waの間には空気層が介在するため、液体Lqを吸引または吐出するときに液体Lqは洗浄液Waと混合することはない。
【0026】
次に、図2を参照しつつ、制御部34が分注制御を行う際の処理手順を説明する。まず、他のプローブに換えてプローブ11が分注装置1に装着された場合、制御部34は、操作者から入力部31を介してプローブ交換についての情報の入力を受ける(ステップS101:Yes)。プローブ交換についての情報の入力を受けた制御部34は、プローブ11に貼付された情報コード記録媒体24に記録された分注情報を、情報コード読取部CR1を用いて取得し、記憶部33に記憶する(ステップS102)。また、制御部34は、プローブ交換についての情報の入力がない場合、すなわちプローブが交換されなければ、分注情報の読み取りは行わない(ステップS101:No)。なお、ステップS101の手順に替えて、プローブ交換についての情報の入力があった際ではなく、分注装置1を起動した際に、自動的にプローブ11の分注情報を取得するとしてもよい。
【0027】
次いで、制御部34に分注指示の入力があった場合(ステップS103:Yes)、制御部34は、分注情報を参照し、指示分注量に対応する指示量に従って分注装置1の各部を制御し、指示分注量分の液体Lqを分注する(ステップS104)。制御部34は、分注処理終了指示の入力がなければステップS104に戻り、指示量に従って分注を制御し、指示分注量分の液体Lqを分注する(ステップS105:No)。制御部34は、分注終了指示の入力があった場合、液体Lqの分注処理を終了する(ステップS105:Yes)。
【0028】
このように、実施の形態1では、プローブ11の分注情報を取得し、指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量に従って分注を制御することによって、プローブが交換されても、指示分注量分の液体Lqを精度良く分注できる。
【0029】
(実施の形態2)
また、実施の形態1では、予め設定された分注情報を取得したが、この実施の形態2では、プローブ11の動作情報を取得し、この動作情報を用いて分注情報を設定する。
【0030】
すなわち、図3に示すように、実施の形態2にかかる分注装置2は、実施の形態1にかかる分注装置1の各部に加えて、制御部35に設定部36を備える。設定部36は、動作情報を用いて、指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量を算出し、指示分注量と算出した指示量との関係を示す分注情報を設定する。なお、プローブ11に貼付された情報コード記録媒体25には、プローブ11の動作情報がコード化され記録されており、情報コード読取部CR2は、動作情報を読み取る。
【0031】
次に、図4を参照しつつ、制御部35が分注制御を行う際の処理手順を説明する。まず、他のプローブに替えてプローブ11が分注装置2に装着された場合、制御部35は、操作者から入力部31を介してプローブ交換についての情報の入力を受ける(ステップS201:Yes)。プローブ交換についての情報の入力を受けた制御部35は、プローブ11に貼付された情報コード記録媒体25に記録された動作情報を、情報コード読取部CR2を用いて取得する。(ステップS202)。その後、設定部36は、動作情報を用いて分注情報を設定し、記憶部33に記憶する(ステップS203)。なお、制御部35は、プローブ交換についての情報の入力がない場合、すなわちプローブが交換されなければ、動作情報の読み取りおよび分注情報の設定は行わない(ステップS201:No)。なお、ステップS201の処理に替えて、プローブ交換についての情報の入力があった際ではなく、分注装置2を起動した際に、自動的にプローブ11の動作情報を取得するとしてもよい。
【0032】
その後、制御部35に分注指示の入力があった場合(ステップS204:Yes)、制御部35は、分注情報を参照し、指示分注量に対応する指示量に従って分注装置2の各部を制御し、指示分注量分の液体Lqを分注する(ステップS205)。制御部35は、分注処理終了指示の入力がなければステップS205に戻り、指示量に従って分注を制御し、指示分注量分の液体Lqを分注する(ステップS206:No)。制御部35は、分注終了指示の入力があった場合、液体Lqの分注処理を終了する(ステップS206:Yes)。
【0033】
ここで、動作情報とは、所定の指示分注量と実分注量との関係を記載した情報である。実分注量とは、所定の指示分注量を指示量として分注させた場合の分注量である。動作情報は、例えば図5に示すように、指示分注量と実分注量との関係を記載したテーブルである。なお、図5は、プローブ11aおよびプローブ11bの動作情報であり、プローブ11aおよびプローブ11bは、同一の規格のプローブである。図5より、制御部35が同一の指示量で分注制御した場合であっても、プローブごとに実分注量が異なることがわかる。例えば、制御部35が指示分注量である2.00μLを指示量として分注を制御すると、プローブ11aを用いて分注した場合、実分注量は2.03μLとなるが、プローブ11bを用いて分注した場合、実分注量は1.96μLとなる。
【0034】
また、図6は、プローブ11bについて、指示分注量(2.00μL)と実分注量(1.96μL)との関係、および指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量と指示分注量との関係を示す図である。図6に示すように、実分注量は指示分注量に比べて少ないので、指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量は、この不足分を補うように指示分注量に比べて多くなる。
【0035】
次に、指示量の算出方法の一例を説明する。図6に示すように、指示量と分注量とに比例関係が成り立つと仮定すれば、指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量は、指示分注量に対する実分注量の比を用いて算出できる。すなわち、指示量は、指示分注量を実分注量で除算した値に指示分注量を乗算して算出される。以下に、プローブ11bを用いた場合を例に、指示分注量が2.00μLであって実分注量が1.96μLである場合の指示量(XμL)の算出例を示す。
【0036】
2.00:1.96=X:2.00
X=2.00/1.96*2.00=2.04(μL)
【0037】
したがって、分注装置2において、プローブ11bを用いて液体Lqを2.00μL分注させる指示量は、2.04μLである。
【0038】
なお、制御部35に入力する指示量と分注量とに比例関係が成り立たない場合、指示量に対する実分注量の測定結果を用いて指示量と分注量との擬似的な関係式を求め、この関係式と指示分注量とを用いて指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量を算出すればよい。
【0039】
図7は、プローブ11aおよびプローブ11bの分注情報のテーブルである。図7に記載した指示量は、指示分注量に対する実分注量の比を用いて算出した。分注装置2おいて、プローブ11aがプローブ11bに交換された場合、制御部35はプローブ11bの動作情報の取得および指示量の算出を行い、記憶部33に記憶されているプローブ11aの分注情報のテーブルをプローブ11bの分注情報のテーブルに書き換える。
【0040】
このように、本発明の実施の形態2では、プローブの動作情報に基づいて分注情報を設定し、この分注情報を用いて分注制御を行うので、実施の形態1と同様に、プローブを交換しても、指示分注量分の液体Lqを精度良く分注できる。
【0041】
なお、上述の実施の形態2では、動作情報は指示分注量および実分注量を記載したテーブルとしたが、指示分注量と実分注量との関係が示されれば、動作情報はこれに限定されない。例えば、動作情報は、指示分注量と実分注量との差、すなわち分注誤差を示すテーブルであってもよい。具体的には、図8に示すように、指示分注量と分注誤差とを記載したテーブルを動作情報としてもよい。図8では、分注装置2においてプローブ11bを用いて液体Lqを分注した場合、指示分注量2.00μLに対する実分注量は、指示分注量と比較して0.04μL少ないことがわかり、したがって、実分注量は1.96μLであることがわかる。
【0042】
(変形例1)
また、実施の形態2では、一例として、指示量を指示分注量に対する実分注量の比を用いて算出したが、この変形例1では、指示分注量に指示分注量と実分注量との差を加減算して、指示量を算出する。
【0043】
すなわち、この変形例1にかかる分注装置は、実施の形態2にかかる分注装置と同様の構成を有し、設定部36は、指示分注量と実分注量との差を用いて指示量を算出し、分注情報を設定する。具体的には、設定部36は、指示分注量と比較して実分注量が不足または超過している場合、指示分注量にこの不足分を加算して、または指示分注量からこの超過分を減算して、指示分注量分の液体Lqを分注させる指示量を算出する。例えば、プローブ11bを用いて2.00μL分注する場合、制御部35が指示分注量を指示量として分注制御すると、実分注量は指示分注量と比較して0.04μL少なくなるので、指示分注量に0.04μLを加算した2.04μLを指示量とする。
【0044】
つまり、指示分注量から実分注量を減算した値に、指示分注量を加算することによって、指示量を算出する。図9は、この算出方法を用いて指示量を算出して設定した分注情報のテーブルを示す図である。
【0045】
このように、変形例1では、実施の形態2と同様に、プローブの動作情報に基づいて分注情報を算出し、算出した分注情報を用いて分注制御を行うので、プローブを交換しても、指示分注量分の液体Lqを精度良く分注できる。
【0046】
なお、実施の形態1で用いられる分注情報についても、指示分注量と指示量との関係を実測して設定するのではなく、実施の形態2および変形例1で示すように動作情報を用いて設定してもよい。
【0047】
(実施の形態3)
次に、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1、2では、プローブの交換があった場合、プローブ11に貼付された情報コード記録媒体24、25より、分注情報または動作情報を取得したが、この実施の形態3では、個々のプローブを識別するための情報である識別情報を取得し、この識別情報を用いて分注情報を取得する。
【0048】
すなわち、図10に示すように、実施の形態3にかかる分注装置3において、プローブ51にはプローブ51を識別する識別情報を所定の情報コード(バーコード、2次元バーコード等)にコード化して記録した情報コード記録媒体54が貼付されている。また、この情報コードを読み取るために、分注装置3は情報コード読取部CR3を備える。
【0049】
また、分注装置3の制御機構60は、分注装置1の制御機構30の各部に加えて、制御部64および送受信部65を備える。送受信部65は、ネットワーク70を介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェイスとしての機能を有する。
【0050】
ネットワーク70は、分注装置3と管理装置80との間で識別情報および分注情報を送受信するもので、専用ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネットあるいはインターネット等を有する。
【0051】
管理装置80は、パーソナルコンピュータやワークステーション等が使用され、送受信部81および記憶部82を有する。記憶部82は、複数のプローブの識別情報82aおよびこの識別情報82aに対応した分注情報82bを記憶するもので、例えば磁気ディスクを有する。管理装置80は送受信部81において、分注装置3が送信したプローブ51の識別情報を受信した場合、記憶部82を参照し、識別情報82aおよび分注情報82bのうち、プローブ51の識別情報に対応する分注情報を読み出し、この分注情報を送受信部81を用いて分注装置3に送信する。なお、分注装置3のその他の各部は、分注装置1と同様である。
【0052】
次に、図11を参照しつつ、分注装置3の制御部64が分注を制御するための処理手順を説明する。まず、分注装置3のプローブがプローブ51に交換され、制御部64がプローブ交換の情報の入力を受けた場合(ステップS301:Yes)、制御部64は、プローブ51に貼付された情報コード記録媒体54に記録されたプローブ51の識別情報を、情報コード読取部CR3を用いて取得する(ステップS302)。制御部64は、送受信部65を用いてプローブ51の識別情報を管理装置80に送信し、プローブ51の分注情報を受信、取得する(ステップS303)。なお、制御部64は、プローブ交換についての情報の入力がない場合、すなわちプローブが交換されなければ、識別情報の読み取りおよび分注情報の取得は行わない(ステップS301:No)。なお、ステップS301の処理に替えて、プローブ交換についての情報の入力があった際ではなく、分注装置3を起動した際に、自動的にプローブ51の識別情報を読み取り、前回起動時のプローブの識別情報と読み取った識別情報とを比較し、これらの識別情報が異なっていた場合のみ、識別情報を管理装置80に送信するとしてもよい。
【0053】
その後、制御部64は分注指示の入力を受けた場合(ステップS304:Yes)、分注情報を参照し、指示分注量に対応する指示量に従って分注装置3の各部を制御し、指示分注量分の液体Lqを分注する(ステップS305)。制御部64は、分注処理終了指示の入力がない限り(ステップS306:No)、上述のステップS305に戻り、指示量に従って分注制御し、指示分注量分の液体Lqの分注をする。なお、分注情報は、実施の形態1と同様の情報である。
【0054】
このように、実施の形態3では、制御部64はプローブ51に貼付された情報コード記録媒体54に記録されたプローブ51の識別情報を用いてプローブ51の分注情報を取得するので、分注情報の容量が情報コード記録媒体の記録容量に限定されず、制御部64は分注情報として多くの情報を取得できる。
【0055】
なお、上述の実施の形態3では、管理装置80に識別情報82aおよび分注情報82bを記憶させたが、予め記憶部33に複数のプローブの識別情報およびこれに対応する分注情報を記憶させておいてもよい。この場合、ネットワーク70を介さずに分注情報を取得できる。
【0056】
(変形例2)
また、実施の形態3では、制御部64は識別情報を用いて分注情報を取得したが、この変形例2では、制御部64は分注情報に替えて動作情報を取得する。
【0057】
すなわち、この変形例2にかかる分注装置は、実施の形態3にかかる分注装置と同様の構成を有し、制御部64はプローブ51の識別情報を用いて記憶部82に記憶されているプローブ51の動作情報を取得する。制御部64は、取得した動作情報を用いて指示量を算出し、分注情報を設定する。
【0058】
このように、変形例2では、実施の形態3と同様に、動作情報の容量が情報コード記録媒体の記録容量に限定されず、制御部64は動作情報として多くの情報を取得できる。
【0059】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る自動分析装置100について図12を参照して説明する。図12は、自動分析装置100の概要を示す図である。自動分析装置100は、血液や体液等の検体およびその検体の検査項目に応じた試薬を所定の反応容器にそれぞれ分注し、その反応容器内で反応した液体に対して光学的な測定を行う測定機構101と、測定機構101を含む自動分析装置100の制御を行うとともに測定機構101における測定結果の分析を行う制御機構201とを有し、これら2つの機構が連携することによって複数の検体の生化学的な分析を自動的かつ連続的に行う装置である。
【0060】
まず、測定機構101について説明する。測定機構101は、検体が収容された検体容器111を保持する複数のラック112を順次移送する検体移送部110と、一般検体以外の各種検体(検量線作成用のスタンダード検体、精度管理検体、緊急検体、STAT検体、再検査用検体等)を収容する検体容器121を保持する検体容器保持部120と、試薬容器131を保持する試薬容器保持部130と、検体と試薬とを反応させる反応容器141を保持する反応容器保持部140とを備える。検体容器保持部120と試薬容器保持部130と反応容器保持部140とは、検体容器121と試薬容器131と反応容器141とをそれぞれ収容保持するホイールと、このホイールの底面中心に取り付けられ、その中心を通る鉛直線を回転軸としてホイールを回転させる駆動手段とを有する。
【0061】
なお、検体容器111または121には、内部に収容する検体を識別する情報を所定の情報コード(バーコード、2次元バーコード等)にコード化して記録した情報コード記録媒体がそれぞれ貼付されている。同様に、試薬容器131にも内部に収容する試薬を識別する情報を所定の情報コードにコード化して記録した情報コード記録媒体が貼付されている。このため、測定機構101には、検体容器111に貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR4、検体容器121に貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR5、および試薬容器131に貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR6が設けられている。
【0062】
さらに、測定機構101は、検体移送部110上の検体容器111または検体容器保持部120上の検体容器121に収容された検体を反応容器141に分注する検体分注部150と、試薬容器保持部130上の試薬容器131に収容された試薬を反応容器141に分注する試薬分注部160とを有する。なお、検体分注部150および試薬分注部160は、上述の実施の形態3にかかる分注装置3を備える。したがって、検体分注部150および試薬分注部160が有するプローブには、それぞれのプローブを識別する識別情報を所定の情報コードにコード化して記録した情報コード記録媒体が貼付されている。また、測定機構101は、検体分注部150のプローブに貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR7、および試薬分注部160に貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR8を備える。
【0063】
さらに、測定機構101は、反応容器保持部140上の反応容器141の内部に収容された液体を攪拌する攪拌部170と、光源から照射されて反応容器141内を通過した光を受光して所定の波長成分の強度等を測定する測光部180と、洗浄液を用いて反応容器141の洗浄を行う反応容器洗浄部190とを備える。
【0064】
次に、制御機構201について説明する。制御機構201はコンピュータによって実現され、検体の分析に必要な情報や自動分析装置100の動作指示信号などを含む情報等を入力するためのキーボード、マウスおよびマイクロフォン等を有する入力部211と、検体の分析に関する情報等を表示出力するためのディスプレイ、プリンタおよびスピーカー等を有する出力部212と、検体の分析に関する各種情報および分注情報等を記憶するためのハードディスク、メモリ等を有する記憶部213と、自動分析装置100が有する各機能または各手段の制御を行うためにCPU等を有する制御部214と、ネットワーク300を介して所定の形式に従った情報の送受信を行うためのインターフェイスとしての機能を有する送受信部216とを備える。
【0065】
制御部214は、測定機構101の測定結果に基づいた分析演算を行い、検体の分析データを生成する演算部215を有する。演算部215は、具体的な分析演算として記憶部213で記憶する検量線を用いて測光部180で測定した吸光度を濃度に変換する演算を行う。
【0066】
なお、制御機構201の入力部211、出力部212、記憶部213、制御部214、送受信部216は、分注装置3の制御機構60の入力部31、出力部32、記憶部33、制御部64、送受信部65の各部の機能をそれぞれ兼備している。
【0067】
また、自動分析装置100はネットワーク300を介して管理装置400に接続する。管理装置400は、識別情報や分注情報等の情報を送受信するための送受信部401と、プローブの識別情報402aと識別情報402aに対応する分注情報402bとを記憶する記憶部402とを備える。なお、ネットワーク300および管理装置400は、分注装置3に接続するネットワーク70および管理装置80と同様の機能を有する。
【0068】
この実施の形態4にかかる自動分析装置100は、検体分注部150および試薬分注部160として上述した実施の形態3にかかる分注装置3を備えるため、プローブが交換されても検体および試薬を精度良く分注できるので、信頼性の高い分析結果が得られる。
【0069】
さらに、この実施の形態4にかかる自動分析装置100は、検体分注部150のプローブまたは試薬分注部160のプローブを交換しても、常に指示分注量分の検体または試薬を分注できるので、従来、プローブ交換時に必要であったキャリブレーションが不要になる。このため、キャリブレーションにかかる時間を短縮でき、また、キャリブレーションに使用していた試薬および標準検体等が不要となるので、これらにかかる費用を抑えられる。
【0070】
なお、この実施の形態4では、実施の形態3にかかる分注装置3を用いて検体および試薬の分注を行うこととしたが、分注装置3を用いて検体または試薬のいずれか一方を分注するとしてもよい。特に、検体の分注にのみ分注装置3を用いても、従来の自動分析装置に比べて信頼性の高い分析結果を得ることができる。検体量は分析結果に最も影響を与えるので、検体を正確に分注できれば、従来の自動分析装置に比べて分析結果の信頼性は向上させることができる。
【0071】
また、実施の形態3および4では、分注装置および自動分析装置がネットワークを介して管理装置に接続しているので、分注情報以外にも、識別情報を用いてさまざまな情報を送受信できる。例えば、プローブの製造ロットに不良が生じた場合、不良のある製造ロットのプローブの識別番号を管理装置から各分注装置または自動分析装置に送信し、不良のある製造ロットのプローブを使用している分注装置または自動分析装置の操作者に対してプローブの交換を依頼できる。
【0072】
なお、実施の形態4にかかる自動分析装置100は、検体分注部150および試薬分注部160として、実施の形態3にかかる分注装置3を備えたが、分注装置1または分注装置2を備えてもよい。
【0073】
また、本発明にかかる実施の形態1〜4では、情報コード記録媒体に記録された識別情報等の情報を取得するとしたが、これに換えて操作者が入力部を介して、プローブの識別情報等を入力してもよい。
【0074】
なお、分注情報は絶対的なものではなく、分注情報は分注装置の分注機構等によって変わる。したがって、分注情報はプローブが使用される分注装置と同じ分注機構を有する分注装置、すなわち同じ機種の分注装置を用いて測定しておく必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる分注装置の概要を示す図である。
【図2】図1に示す分注装置における分注制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる分注装置の概要を示す図である。
【図4】図2に示す分注装置における分注制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2の動作情報のテーブルを例示する図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる指示分注量、分注量の関係を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態2の分注情報のテーブルを例示する図である。
【図8】本発明の実施の形態2の動作情報のテーブルを例示する図である。
【図9】変形例1の分注情報のテーブルを例示する図である。
【図10】本発明の実施の形態3にかかる分注装置の概要を示す図である。
【図11】図10に示す分注装置における分注制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態4にかかる自動分析装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1、2、3 分注装置
11、51 プローブ
12 プローブ移送部
13 シリンジ
13a シリンダ
13b ピストン
14、17、19、21 管路
15 連結部
16 ピストン駆動部
18 電磁弁
20 ポンプ
22 洗浄液タンク
24、25、54 情報コード記録媒体
30、37、60、201 制御機構
31、211 入力部
32、212 出力部
33、82、213、402 記憶部
34、35、64、214 制御部
36 設定部
41、42 容器
65、81、216、401 送受信部
70、300 ネットワーク
80、400 管理装置
82a,402a 識別情報
82b、402b 分注情報
100 自動分析装置
101 測定機構
110 検体移送部
111、121 検体容器
112 ラック
120 検体容器保持部
130 試薬容器保持部
131 試薬容器
140 反応容器保持部
141 反応容器
150 検体分注部
160 試薬分注部
170 攪拌部
180 測光部
190 反応容器洗浄部
215 演算部
CR1、CR2、CR3、CR4、CR5、CR6、CR7、CR8 情報コード読取部
Lq 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ内に液体を吸引し前記液体を吐出して、前記液体を分注する分注装置であって、
前記プローブごとに設定された分注情報であって、所定の指示分注量と、該指示分注量分の前記液体を分注させる指示量との関係を示す前記分注情報を取得する取得手段と、
所定の前記指示分注量の分注指示があった場合、前記分注情報を参照して、前記指示分注量に対応する前記指示量で分注制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記プローブごとに設定された動作情報であって、所定の指示分注量と、前記所定の指示分注量を指示量として分注させた場合の分注量である実分注量との関係を示す前記動作情報をもとに、前記所定の指示分注量分の前記液体を分注させる指示量を算出し、前記分注情報を設定する設定手段を備え、
前記取得手段は、前記動作情報を取得し、
前記制御手段は、前記設定手段によって設定された前記分注情報を参照して、前記指示分注量に対応する前記指示量で分注制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記指示量は、前記指示分注量を前記実分注量で除算した値に前記指示分注量を乗算した値であることを特徴とする請求項1または2に記載の分注装置。
【請求項4】
前記指示量は、前記指示分注量から前記実分注量を減算した値に前記指示分注量を加算した値であることを特徴とする請求項1または2に記載の分注装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記プローブを識別するための情報である識別情報を読み取る読取手段を備え、該読取手段が読み取った前記識別情報を用いて前記分注情報または前記動作情報を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項6】
検体と試薬とを反応容器に分注し、該反応容器内で検体および試薬を反応させ、この反応した反応液の特性を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置であって、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の分注装置を備え、
該分注装置を用いて前記検体および/または前記試薬を分注することを特徴とする自動分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−14410(P2009−14410A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174521(P2007−174521)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】