説明

分解管路の製作方法

【課題】SCR触媒装置に用いられる管路であり、流体インジェクタ取付部及び静的混合器を含む分解管路において、インジェクタ取付部の溶接加工によりコストアップ、加工による管路への脆弱領域の発生を抑制し、また、添加流体による混合器取付部の溶接部への分離不具合を抑制できる分解管路およびその製造方法を提供する。
【解決手段】型材料を分解管路ハウジング型と砂質土コアの間の空洞に挿入することより、分解管路ハウジング100Aを砂質土コアのまわりに形作る。砂質土コアには静的混合器を含み、分解管路ハウジング100Aの成形行為は静的混合器を成形された分解管路ハウジングに取り付ける働きをする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディーゼル排ガス技術および、さらに具体的には、一体化混合器付きで製造される分解管路およびその製造方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、例示的略図は、NOx生成を減少させるために使用される排ガス再循環(EGR)を持つ直列6気筒ディーゼルエンジンを示す。EGRは、エンジン排ガスの一部をエンジンのシリンダーに戻して再循環させることによって機能する。ディーゼルエンジンでは、排ガスが、燃焼前混合物の過剰酸素の一部を置換する。NOxは、主に、窒素と酸素の混合物が高温に曝された時に生成され、NOx生成は高温ではずっと速く進行するので、EGRは燃焼によって生成されるNOxの量を減少させる。しかし、NOx生成は燃焼の生来の部分である。
【0003】
NOx生成は、環境に対して著しく有害な影響をもたらすことが知られている。これらの影響には、酸性雨、スモッグ、および有害な粒子状物質の生成が含まれる。これらの影響を食い止めるために、ディーゼルエンジン製造業者は、ディーゼル燃料燃焼からのNOxを減少させる技術を実施している。これらの技術の一つには、選択接触還元(SCR)によるディーゼル排ガスの下流処理を含む。
【0004】
SCRは、尿素ベースのディーゼル排ガス用流体(DEF)および触媒コンバータを使用して、窒素排ガス(NOx)の酸化物を大きく減少させる。少量のディーゼル排ガス用流体(DEF)を触媒の排気上流に注入すると、ここでDEFが気化・分解してアンモニアと二酸化炭素を生成する。アンモニア(NH3)は望ましい生成物で、SCR触媒と連携して、NOxを無害な窒素(N2)と水(H2O)に変換する。
【0005】
図1は、一般的なSCRの実施を示す。この状況では、ディーゼルエンジン10からの排気は、粒子フィルタ12を通り、分解管14に入る。分解管14では、供給タンク16からのDEF(尿素水溶液と脱イオン水の混合物)が排気の輸送路に注入され、触媒コンバータ18に導入される前に尿素が分解してアンモニアが生成する。触媒コンバータ18内では、アンモニアと排気のNOx成分が触媒の存在下で反応し、水、窒素ガス、および酸素ガスを生成する。水、窒素ガス、および酸素ガスはこの後、排気筒または排気管20を通して大気中に運ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的なSCRの実施の一部として、分解管は、圧延金属シートで円形断面管を形成することによって形成される。その後、管はインジェクタ接続金具を含めるために変更され、これは一般的にはインジェクタ接続金具を圧延管の既存の開口部の上に溶接することによって行なわれる。同様に、混合物が分解管に供給される範囲で、全く別の混合構造が管内に配置され、管の内部に溶接される。インジェクタ接続金具および混合構造を圧延管内に取り付ける追加的ステップは、分解管生産のための全体的製作プロセスにかなりの追加費用と時間をもたらす。同時に、溶接部は時々、圧延管に局部的な脆弱領域を生じさせることがあり、最終的には崩れて管内に意図せぬ開口部を作る。さらに、溶接部と分解管および混合器の間の継ぎ目は、分解管を流れる尿素による攻撃にさらされ、溶接部と分解管および混合器との間の分離を生じる。この分離は、混合器と分解管の間の取り付け不具合につながる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の典型的実施形態には、新規の分解管路およびこれらの新規管路を製造する方法を含む。
【0008】
本開示の第一の態様は、ライン内の静的混合器を持つ分解管路の製造方法を提供し、本方法は、型材料を分解管路ハウジング型と砂質土コアの間の空洞に挿入することによって、分解管路ハウジングを砂質土コアのまわりに形作ることを含み、ここで砂質土コアには静的混合器を含み、分解管路ハウジングの成形行為は静的混合器を成形された分解管路ハウジングに取り付ける働きをする。
【0009】
第一の態様のより詳細な実施形態では、砂質土コアは静的混合器を挟んだ円筒状砂質土本体を含み、円筒状砂質土本体は分解管路ハウジングのインジェクタアダプタを表す突起を含む。さらに別の詳細な実施形態では、分解管路の成形行為には、分解管路ハウジング型内に少なくとも部分的に砂質土コアを留保することを含む。さらなる詳細な実施形態では、静的混合器は外側円周面を持つ金属バンド内に配された複数のミキサーフィンを含み、分解管路ハウジングの成形行為には、静的混合器の外側円周面に接触させて材料を外側被覆することを含み、ここで材料を外側被覆することは、静的混合器を分解管路ハウジングに結合する働きをする。さらなる詳細な実施形態では、方法は、型から成形された分解ハウジングを取り外す行為も含み、ここで分解ハウジングが型から取り外された時、砂質土コアの少なくとも一部分は成形された分解ハウジング内にとどまる。
【0010】
本開示の第二の態様は、ライン内の静的混合器を持つ分解管路の製造方法を提供し、その方法は以下を含む。(a)静的混合器を作成仕組みこみ、(b)砂質土コアを型に挿入して分解管空洞を作り、(c)型材料を分解管空洞に挿入することによって、分解管路ハウジングを砂質土コアのまわりに形作る。ここで分解管路ハウジングの成形行為は静的混合器を成型された分解管路ハウジングに取り付ける働きをする。
【0011】
第二の態様のより詳細な実施形態では、砂質土コアの作成行為には、静的混合器を挟んだ円筒状砂質土本体を形成することを含み、円筒状砂質土本体は分解管路ハウジングのインジェクタアダプタを表す突起を含む。また別のさらに詳細な実施形態では、砂質土コアの作成行為には、静的混合器を砂質土コア型内に配置することを含み、ここで静的混合器と砂質土コア型は連携して砂質土コア空洞の輪郭を描く。さらなる詳細実施形態では、砂質土コア型には、静的混合器をそこに収めるようにテーパー状になっている砂質土コア型の壁で形成された突起を含む。またさらなる詳細な実施形態では、静的混合器は外側円周面を持つ金属バンド内に配された複数のミキサーフィンを含み、分解管路ハウジングの成形行為には、静的混合器の外側円周面に接触させて材料を外側被覆することを含み、ここで材料を外側被覆することは、静的混合器を分解管路ハウジングに結合する働きをする。さらに詳細な実施形態では、砂質土コアは受口を含み、分解管路ハウジングの成形行為には受口を一体的に形成することを含む。さらに詳細な実施形態では、砂質土コアは複数の受口を含み、分解管路の成形行為には複数の受口を一体的に形成することを含む。別のさらに詳細な実施形態では、砂質土コアは、静的混合器の反対側に形成された1対の円周方向のくぼみを含む。
【0012】
本開示の第三の態様は、入口開口部と出口開口部の間の流路を定義する外部ハウジングを含む分解管路から成る分解構造を提供し、分解管路は流体流路と直列になっている一体静的混合器を含む。
【0013】
第三の態様のさらに詳細な実施形態では、分解管は路90度の屈曲部分と直線部分の少なくとも一つを含む。また別のさらに詳細な実施形態では、分解管路はさらに一体化インジェクタポートを含む。さらなる詳細な実施形態では、分解管路およびインジェクタポートは鋳造金属を含む。またさらなる詳細実施形態では、静的混合器は分解管路のハウジング内に埋め込まれている。さらに詳細な実施形態では、分解管路は少なくとも部分的に砂で満たされている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、燃焼機関からの粒子状物質と窒素酸化物の排出を減少させるための技術を示す概略図である。
【図2】図2は、本開示に従って製造された第一の典型的分解管路の後部からの上方斜視図である。
【図3】図3は、図2の典型的分解管路の縦断面図である。
【図4】図4は、図2の典型的分解管路の前面図である。
【図5】図5は、本開示の典型的分解管路を使用した燃焼機関からの粒子状物質と窒素酸化物の排出を減少させるための技術を示す典型的概略図である。
【図6】図6は、本開示と一致した分解管路を構築するための典型的プロセスフロー図である。
【図7】図7は、本開示に従った砂型の半分の上方斜視図である。
【図8】図8は、図2の典型的分解管路を製造するために使用される典型的砂質土コアの後部からの上方斜視図である。
【図9】図9は、図8の砂質土コア上に形成された成形分解ハウジングの後部からの上方斜視図である。
【図10】図10は、図9の成形分解ハウジングと砂質土コアを示す縦断面の後部からの上方斜視図である。
【図11】図11は、本開示に従って製造された第二の典型的分解管の後方からの上方斜視図である。
【図12】図12は、図11の典型的分解管路の縦断面図である。
【図13】図13は、図11の典型的分解管路を製造するために使用される典型的砂質土コアの後部からの上方斜視図である。
【図14】図14は、図13の砂質土コアを製造するために使用される型の右側半分の俯瞰図である。
【図15】図15は、図13の砂質土コアを製造するために使用される型の左側半分の俯瞰図である。
【図16】図16は、成形分解ハウジングと砂質土コアを示す縦断面の後部からの上方斜視図である。
【図17】図17は、図16の典型的分解管路ハウジングと砂質土コアの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の典型的実施形態が、分解管および分解管の製造方法を包含するために以下に記述および図示される。当然、以下に考察される典型的実施形態は、単なる例にすぎず、本開示の範囲と精神を逸脱することなく再構成され得ることは、当業者には明らかである。しかし、明確性を正確性のため、以下に考察される典型的実施形態には、本発明の範囲内に含まれるための要件ではないとして当業者が認識できるはずの選択的ステップ、方法および機能を含み得る。
【0016】
図2〜4を参照すると、第一の典型的分解管路100は、90度の屈曲管または管路106を介して出口受口104と連通している入口受口102を含む。受口102、104は屈曲管路106と一体的に形成されており、対応するオスパイプ(非表示)を受け入れるメス接合部分を提供する。流体の流れは、Y方向の入口受口102を通過して、出口受口104を通って出る前に、Y方向にほぼ直交するX方向に再配向されるように構成される(図8参照)。
【0017】
インジェクタ接続金具108は、インジェクタ110を受け入れるために管路106と一体化して形成される(図5参照)。任意の市販のDEFインジェクタを本分解管路100共に使用し得る。この典型的実施形態では、X方向に流れている排気と同軸上にDEF流体を配向するために、インジェクタはインジェクタ接続金具108内で受け入れられ、そこに取り付けられる。
【0018】
例として図5を参照すると、インジェクタ110は、DEF供給タンク114と連通しているDEF供給ライン112に接続されている。こうすると、DEFタンクはDEF流体をインジェクタ110に供給し、ここでDEF流体が注入されて排気と連通する。前述のように、DEF流体は分解してアンモニアを生成し、これは分解管路100から下流にある触媒コンバータ120に到達する前に排気と混合される。しかし、DEF流体と排気が互いに連通することによって本質的に供給される以外の追加的混合が望ましい。
【0019】
再び図2〜4を参照すると、ライン内の静的混合器130は、インジェクタ接続金具108から下流で、出口受口104からすぐ上流にある分解管路100の一部として提供される。静的混合器130は、一体的に形成され管路の内部壁に取り付けられた金属バンドで囲まれた一連の固定された要素(つまりフィン)132を含む。要素132の固定された幾何構造は、流れ分割と放射状混合のパターンを同時に作り出す。結果として、アンモニアと排気がより効率的に混合される。従来的混合器に対する静的混合器130の利点の一つは、運動ストレスおよびそれによる疲労破損が生まれやすい可動部品がないことである。従来の分解管とは異なり、静的混合器130は屈曲管路106およびインジェクタ接続金具108との一体ユニットとして形成されている。
【0020】
図6を参照すると、典型的プロセスフロー200は、分解管路100がどのように製造されるかを詳述している。最初のステップ202として、静的混合器コア130が製造される。当業者であれば、円形壁で囲まれた静的混合器コア130の製造に精通している。静的混合器コア130を製造した後、第二のステップ204は、砂質土コア(図8参照)を形成するために静的混合器コア130を砂型(図7参照)に挿入することである。
【0021】
図7と8を参照すると、混合物の性質、型の望ましい強度および鋳造する金属のタイプにより、さまざまな技術を利用して砂質土コア230を製造する第三のステップ206が実行される。この典型的実施形態では、砂型は、それぞれが正確に半分のサイズの内部空洞242を持つ2つの半分部分240を含み、製造されるべき分解管路100の内部と同じ寸法を含む。それぞれの半分砂型240は、一対の円周突起物246を含むようにテーパー状になっている屈曲形状の壁244を含む。これらの円周突起物246は、静的混合器130を型の中に収めるのを助けるための境界またはブックエンドとして働く。壁244のテーパーは、砂質土コア230の断面を減少させる働きをすることに注意すべきである。以後考察されるように、砂質土コア230の断面の減少は分解型と連携して、分解管路の内部壁と静的混合器130の内部壁の間の移行が滑らかな分解管路を作る。静的混合器コア130が2つの半分型240の内側に配置された後、2つの半分型を一つにして閉じ、その後、静的混合器コアによって占められていない型の内部のすべての空間を満たすために砂を入れる。半分型240は一般的に金属で作られるが、半分型は木、石こうまたは十分な硬さと強度を持つ他の材料でも作ることができる。
【0022】
型の内部を満たすための一つの典型的な技術には、砂と空気の混合物を型に吹き付けて、型の中に砂(樹脂を含む)を均一に分配することを伴う。その後、振動圧縮および、膨張式空気袋を使用した陽圧の適応または真空を使用した陰圧の適用との組み合わせによって、砂は型の中に詰められる。この後、型を開け、結果得られる砂質土コア230を、ガス流を使って半分型から取り除く。具体的には、半分型は、砂質土コアを半分型から迅速に取り除くために圧縮空気が通過し砂質土コア230を押し上げることを可能にする空気チャネルを含む。次に、型を再使用のために清掃して、別の砂質土コアを作るためにプロセスを再び開始する。結果得られる砂質土コア230は、半分型の接合によって残された特定の接合ラインを取り除くために手作業または機械で仕上げられ、その後熱処理され得る。
【0023】
再び図6を参照すると、第4のステップ208は、砂質土コア230分解型(非表示)内に砂質土コア230を単一部品として挿入することを含む。分解型は、分解管路の内部に加えて、製造されるべき分解管路100と同じ寸法を持つ内部空洞を含む。典型的な形態では、砂土質230は、分解型の中に留保 され、分解型が閉じられる。分解型の中に結果得られる空洞は、製造されるべき分解管路100と同じ寸法を持つ。この後、第五のステップ210では、溶融金属が分解型の内部に導入され、砂質土コアと型の間のすき間を満たす。
【0024】
図9と10を参照すると、第五のステップ210の結果、砂質土コア230の周りに形成された分解管路ハウジング100Aの鋳型が得られる。具体的には、管路の外側円周部分と静的混合器コア130の円形縁の間に継ぎ目または溶接接合部分がないように、金属分解管路ハウジング100Aは静的混合器コア130と一体的に形成される。本書で使用される場合、「一体」という用語は、複数構造を互いに取り付けるために溶接部または他の締結装置を必要としない複数構造から成り得る単一構造を指す。本書で使用される場合、「一体的に形成」という用語は、複数構造が単一部品を成すように製造されるプロセスを指し、ここで複数構造は溶接部または他の締結装置を必要とすることなく互いに取り付けられる。
【0025】
当業者であれば分かるように、静的混合器コア130を分解管路100の外壁に一体化することによって、静的混合器コア130の分解管路からの分離を生じさせる尿素分解の発生率がかなり減少されるか、排除される。
【0026】
第五のステップ210で分解管路ハウジング100Aが形成された後、分解管路ハウジングおよび砂質土コア230は、管路の内部から砂を除去するために処理される。砂の除去の典型的方法には、振動させて砂を落とすこと、砂を除去するために流体を使用して分解管路の中に流すこと、および流体タンクに分解管路を浸すことが含まれる。これらのプロセスの1つ以上の結果、図2〜4に示す分解管が得られる。
【0027】
図11と12を参照すると、第二の典型的分解管路300には、直線管路306を挟んで出口受口304と連通している入口受口302を含む。受口302、304は直線管路306と一体的に形成されており、対応するオスパイプ(非表示)を受け入れるメス接合部分を提供する。流体の流れは、出口受口304を通って出る前に、入口受口302を通過するように構成される。
【0028】
インジェクタ接続金具308は、インジェクタ110を受け入れるために管路306と一体化して形成される(図5参照)。前述のように、インジェクタ110は、DEF供給タンク114と連通しているDEF供給ライン112に接続される。こうすると、DEFタンクはDEF流体をインジェクタ110に供給し、ここでDEF流体が注入されて排気と連通する。
【0029】
再び図11と12を参照すると、静的混合器130は、インジェクタ接続金具308から下流で、出口受口304からすぐ上流にある分解管路300の一部として提供される。従来の分解管路とは異なり、静的混合器130は直線管路306およびインジェクタ接続金具308との一体ユニットとして形成されている。
【0030】
図5、12〜15を参照すると、第一の典型的実施形態100に関して記述されたものと同じまたは類似のプロセスフロー200を使用して、第二の典型的分解管路300を製造し得る。しかし、第一の典型的実施形態にあるような屈曲砂質土コア230を製造する代わりに、第二の典型的実施形態には、正確に同じサイズで、製造されるべき分解管路300の内部と同じ寸法を含む内部空洞を持つ砂型320を使用して比較的真っ直ぐな砂質土コア430を製造することを含む。
【0031】
図13〜15を参照すると、混合物の性質、型の望ましい強度および鋳造する金属のタイプにより、さまざまな技術を利用して砂質土コア430を製造する第三のステップ206が実行される。この典型的実施形態では、砂型320は、正確に同じサイズで、製造されるべき分解管路300の内部と同じ寸法を含む内部空洞322を持つ。砂型320は、一対の円周突起物326を含むようにテーパー状になっている壁324を含む。これらの円周突起物226は、静的混合器130を型の中に収めるのを助けるための境界またはブックエンドとして働く。壁324のテーパーは、砂質土コア430の断面を減少させる働きをすることに注意すべきである。以後考察されるように、砂質土コア430の断面の減少は分解型と連携して、分解管路の内部壁と静的混合器130の内部壁の間の移行が滑らかな分解管路を作る。静的混合器コア130が型320の内側に配置された後、型を一閉じ、その後、静的混合器コアによって占められていない型の内部のすべての空間を満たすために砂を入れ、砂質土コアを作成する。半分型320は一般的に金属で作られるが、半分型は木、石こうまたは十分な硬さと強度を持つ他の材料でも作ることができる。
【0032】
その後、直線砂質土コア430は分解型内に単一部品として挿入される(非表示)。分解型は、分解管路の内部に加えて、製造されるべき分解管路300と同じ寸法を持つ内部空洞を含む。典型的な形態では、砂土質430は分解型の中に留保され、分解型が閉じられる。分解型の中に結果得られる空洞は、製造されるべき分解管路300と同じ寸法を持つ。この後、溶融金属が分解型の内部に導入され、砂質土コアと型の間のすき間を満たす。
【0033】
図16と17を参照すると、鋳造ステップの結果、砂質土コア430の周りに形成された分解管路ハウジング300Aが得られる。具体的には、管路の外側円周部分と静的混合器コア430の円形縁の間に継ぎ目または溶接接合部分がないように、金属分解管路ハウジング300Aは静的混合器コア130と一体的に形成される。
【0034】
当業者であれば分かるように、静的混合器コア130を分解管路300の外壁に一体化することによって、静的混合器コア130の分解管路からの分離を生じさせる尿素分解の発生率がかなり減少されるか、排除される。
【0035】
分解管路ハウジング300Aが形成された後、分解管路ハウジングおよび砂質土コア430は、管路の内部から砂を除去するために処理される。砂の除去の典型的方法には、振動させて砂を落とすこと、砂を除去するために流体を使用して分解管路の中に流すこと、および流体タンクに分解流体を浸すことが含まれる。これらのプロセスの1つ以上の結果、図10と11に示す分解管路300が得られる。
【0036】
上記の説明および発明の要約に従うと、本書に記述された方法および装置は本発明の典型的な実施形態を構成するが、本書に含まれる発明はこの精密な実施形態に限定されるものではなく、また請求項で定義される本発明の範囲を逸脱することなくこのような実施形態に変更を加え得ることが、当業者には明らかである。さらに当然ながら、本発明は請求項によって定義され、制限または要素が明記されていない限り、本書に記載されている典型的実施形態を説明している制限または要素は、いかなる請求項の要素の解釈に組み込まれることも意図されていない。同様に、当然ながら、本発明は請求項によって定義されること、また本書では明示的に考察されていないとしても、本発明の内在および/または予期しない利益が存在する可能性があることから、請求項の範囲に含まれるようにするために、本書に開示の発明の特定利益または目的のいずれかまたはすべてを満たす必要はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン内静的混合器を有する分解管路を製造する方法であって、
分解管路ハウジング型と砂質土コアの間の空洞に成形材料を挿入することにより、前記砂質土コアの周りに分解管路ハウジングを成形することを備え、
前記砂質土コアは静的混合器を含み、
前記分解管路ハウジングの成形行為は、前記静的混合器を前記成形された分解管路ハウジングに取り付ける働きをすること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記砂質土コアは前記静的混合器を挟んだ円筒状砂質土本体を含み、前記円筒状砂質土本体は前記分解管路ハウジングのインジェクタアダプタを表す突起を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記分解管路ハウジングの成形行為は、前記分解管路ハウジング型内に少なくとも部分的に前記砂質土コアを留保することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記静的混合器は、外側円周面を持つ金属バンド内に配された複数のミキサーフィンを含み、
前記分解管路ハウジングの成形行為は、前記静的混合器の前記外側円周面に接触させて材料を外側被覆することを含み、
前記材料を外側被覆することは、前記静的混合器を前記分解管路ハウジングに結合する働きをする、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記型から前記成形された分解ハウジングを取り外す行為をさらに含み、
前記分解ハウジングが前記型から取り外された時に、前記砂質土コアの少なくとも一部分は前記成形された分解ハウジング内にとどまる、方法。
【請求項7】
ライン内静的混合器を持つ分解管路を製造する方法であって、
静的混合器を組み入れて前記砂質土コアを作ることと、
前記砂質土コアを型に挿入して分解管路空洞を作ることと、
前記分解管路空洞に成形材料を挿入することにより、前記砂質土コアの周りに分解管路ハウジングを成形することと、
を備え、
前記分解管路ハウジングの成形行為は、前記静的混合器を前記成形分解管路ハウジングに取り付ける働きをする、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記砂質土コアを作る行為は、前記静的混合器を挟んだ円筒状砂質土本体を形成することを含み、前記円筒状砂質土本体が前記分解管路ハウジングのインジェクタ接続金具を表す突起を含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記砂質土コアの作成行為は、前記静的混合器を砂質土コア型内に配置することを含み、前記静的混合器と前記砂質土コア型は連携して砂質土コア空洞の輪郭を描く、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記砂質土コア型は、前記静的混合器をそこに収めるようにテーパー状になっている前記砂質土コア型の壁で形成された突起を含む、方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法であって、
前記静的混合器は、外側円周面を持つ金属バンド内に配された複数のミキサーフィンを含み、
前記分解管路ハウジングの成形行為は、前記静的混合器の前記外側円周面に接触させて材料を外側被覆することを含み、
前記材料を外側被覆することは、前記静的混合器を前記分解管路ハウジングに結合する働きをする、方法。
【請求項12】
請求項7に記載の方法であって、
前記砂質土コアは受口を含み、
前記分解管路ハウジングの成形行為は、受口を一体的に形成することを含む、方法。
【請求項13】
請求項7に記載の方法であって、
前記砂質土コアは複数の受口を含み、
前記分解管路ハウジングの成形行為は、複数の受口を一体的に形成することを含む、方法。
【請求項14】
請求項7に記載の方法であって、前記砂質土コアは、前記静的混合器の反対側に形成された一対の円周方向のくぼみを含む、方法。
【請求項15】
入口開口部と出口開口部との間の流路を定義する外部ハウジングを含む分解管路を備え、
前記分解管路は流体流路と直列になっている一体静的混合器を含む、
分解構造。
【請求項16】
請求項15に記載の分解構造であって、前記分解管路が90度の屈曲部分と直線部分とのうち少なくとも一つを含む、分解構造。
【請求項17】
請求項15に記載の分解構造であって、前記分解管路が一体化インジェクタポートをさらに含む、分解構造。
【請求項18】
請求項17に記載の分解構造であって、前記分解管路と前記インジェクタポートとが鋳造金属を含む、分解構造。
【請求項19】
請求項15に記載の分解構造であって、前記静的混合器が前記分解管路の前記外部ハウジング内に埋め込まれている、分解構造。
【請求項20】
請求項15に記載の分解構造であって、前記分解管路が少なくとも部分的に砂で満たされている、分解構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−172678(P2012−172678A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−18857(P2012−18857)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(301027579)ディア・アンド・カンパニー (6)
【Fターム(参考)】