説明

分配器

可搬式ティッシュ分配器が提供されている。一実施形態において、ティッシュ分配器は、装置から分配されるティッシュへ洗浄液を噴霧するために使用される。或いは、出口は、分配器の外側の洗浄対象面に対して方向付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く、拭取り繊維又は雑巾(以下、ティッシュ)分配システムに係り、より詳細には、ティッシュ分配システムに関する。ティッシュ分配システムは、消費者がティッシュへ洗剤を任意に塗布し、分配器の外側の洗浄対象面へ塗布し、又は、乾燥したティッシュに液体を塗布することができるティッシュ分配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ティッシュは、洗剤、他の硬面洗浄剤、研磨剤、ワックス、及び他の液体材料によって処理されることができる。例えば、いわゆる「ベビーティッシュ」は、赤ちゃんの肌を洗うために刺激のない洗浄剤又は他の物質によって処理される。このようなティッシュは、一般に、米国特許第5,803,249号に開示されているようなティッシュを分配することができる容器に詰め込まれる。
【0003】
しかしながら、ティッシュに液体を予め浸漬することは、使用前にティッシュが乾燥することを防止する構造を分配容器が有することを必要とする。また、浸漬がある場合、一般に容器内の全てのティッシュも同様に浸漬される。ここで、ユーザはフレキシビリティを求める。例えば、乾燥ティッシュで十分な状況もある。少量の浸漬が最適である他の状況もある。非常に湿潤したティッシュが望まれるまた他の状況もある。
【0004】
分配器が、噴霧される流体とティッシュの両方を分配する様々な製品が開発されている。例えば、米国特許第3,980,203号、4,598,664号、5,439,104号、6,085,899号、6,457,434号、及び7,018,473号を参照されたい。これらのシステムの各々はある点では不具合があった。例えば、一般に、噴霧器は、硬面へ直接噴霧するために使用するには不向きであり、ティッシュを浸漬するにはうまく位置決めできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、可搬式ティッシュ分配器に関して改良が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、内部キャビティを有する筐体と、筐体によって保持される容器(噴霧ボトル、畳込み袋、他の貯水容器)と、キャビティ内に位置決めされたティッシュ材料の供給部と、を含む可搬式ティッシュ分配器を提供する。
【0007】
容器は、出口と、液体を保持するために適切な内部領域と、を有する。噴霧ボトルを使用する場合、好ましくは、出口は、筐体から外側へ延出する噴霧ヘッドに位置決めされ、噴霧ボトル内に液体が格納され、消費者が噴霧ヘッドを動かすと、液体がボトルから放出され、出口から噴出される。好ましくは、噴霧ヘッド及び出口が略垂直な軸を枢転し、噴霧の方向付けに更なるフレキシビリティをもたらすことができる。ボトルはポンプ式噴霧器に連結されてもよい。
【0008】
好ましくは容器が内部キャビティ内のティッシュ材料の供給部上の棚状部上に載置され、好ましくは第1のドアが提供されてキャビティ内の噴霧ボトルを保持する。
【0009】
ティッシュ材料の供給部は好ましくはロール形状であり、ティッシュはキャビティ内に位置決めされ、ティッシュ材料の一部が出口の手前に移動(例えば、ドラッグ)可能となる。第2のドアが筐体に枢動可能に取り付けられ、格納されたティッシュ材料と第1のドアを被覆するように作用することができる。第2のドアはティッシュ材料の手動動作を容易にするための穴を含むこともできる。
【0010】
一実施の形態において、噴霧ボトルは、洗浄液、例えば、(抗菌天板クリーナ、窓拭きクリーナなどの)硬面クリーナを格納して含み、ティッシュ材料は、洗浄対象面を拭き取るために好適に使用される。例えば、ティッシュは、レーヨン、セルロース材料、ポリプロピレン又はポリエステルの繊維、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン又はポリアミド製のマイクロファイバから作ることができる。一方、洗浄液は、Windex(登録商標)(ウィンデックス)製の窓拭きクリーナを使用することができる。
【0011】
他の実施の形態において、ティッシュ材料の少なくとも一部に、噴霧ボトルに格納された洗浄液中に含まれない薬品を浸漬することができる。このように噴霧ボトル洗浄液以外の薬品に浸漬されたティッシュに、噴霧ボトルに格納されている洗浄液を噴霧した場合、化学反応を起こす場合もある。例えば、2パートの(2つに仕切られた)漂白システムの成分がこのように作用するが、成分の一つが長い間格納されているうちに、特定のティッシュ材料と共用できなくなる場合もあった。
【0012】
分配器は、好ましくは、以下のように構成される。噴霧ボトル内に液体が入っているとき、噴霧ボトルは、出口を通過しながら、液体をティッシュ材料の一部に方向付けることができ、又は、ティッシュ材料がその位置に配置されていない場合、分配器の外側の表面に直接液体を方向付けることができる。
【0013】
分配器が小型で可搬式であり、費用の掛からないプラスチック製であることに注目されたい(洗浄液は別)。
【0014】
本発明の上記の利点又は他の利点は、以下の説明によってより明確となるであろう。以下の記載を構成する添付図面を参照されたい。図面は例示のみを目的として添付されており、本発明の好ましい実施の形態を限定することを意図しない。このような実施の形態は、必ずしも本発明の全範囲を網羅していない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のティッシュ分配器を左手前からみた斜視図である。
【図2】図1の分配器の正面図であり、第1のドアが筐体から離間されており、第2のドアがティッシュ材料を露出するために枢動可能に開口されている状態を示す図である。
【図3】図1の可搬式ティッシュ分配器の背面及び上面の斜視図である。
【図4】全てがカバーされている状態の図1の可搬式ティッシュ分配器を示す正面図である。
【図5】分配器からティッシュが引き出されている状態を示す、図1と同様の図である。
【図6】図1の線6−6に沿って切断したときの分配器を示す断面図である。
【図7】ティッシュを引き出す前にポンプ式噴霧器が押下げられて流体が噴霧されている状態を示す、図6と同様の図である。
【図8】ティッシュが、噴霧せずに、分配されている状態を示す、図6と同様の図である。
【図9】分配されたティッシュを浸漬するためにポンプ式噴霧器が押下げられた状態を示す、図8と同様の図である。
【図10】様々な方向へ噴霧するために略垂直の軸を枢転する噴霧ヘッドを示す、図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面は、内部キャビティ41を有する筐体12と、内部キャビティ14内に配置された噴霧ボトル16の形態の容器と、また、キャビティ14内に配置されたティッシュ18の供給部(例えば、積層部又はロール)を含むディッシュ分配器10を示す。
【0017】
噴霧ボトル16は、ティッシュ18の供給上に配置された棚状部20上に載置されている。ボトル16は、出口24と、液体を保持するために好適な内部領域と、を有する(図示しない)。
【0018】
出口24は、筐体12の外側に延出された噴霧ヘッド26に位置し、従来のポンプ式アセンブリに連結されている。液体が噴霧ボトル16に格納され、消費者が噴霧ヘッド26を押下げた時、液体が、ボトル16から放出され、出口24から噴霧される。
【0019】
第1のドア22は、キャビティ14内に噴霧ボトル16を保持する。第1のドア22は、噴霧ボトル16周囲に筐体12を着脱可能に係合するように構成された対向するC型開口部25を含む。第1のドア22は、出口24の直下に位置している指型のウェッジ23を含み、消費者が筐体12から第1のドア22を取り出しやすいようにし、これにより、消費者は、噴霧ボトル16の入れ替えや詰め替えができる。噴霧ボトル16は、更なる支持体31によってキャビティ14内の適所に固着されることもでき、支持体31は筐体12の裏面壁32に対して噴霧ボトル16を支持するように作用する。
【0020】
第2のドア28は、筐体12のヒンジ(蝶番)34上に枢動可能に取り付けられ、ティッシュ18と第1のドア22を被覆する。第2のドア28は、消費者のティッシュ18へのアクセスを容易にするために、出口24に最も接近した第2のドア28の縁部に沿って矩形の切抜き29を含む。また、第2のドア28は、引き出される時の一枚一枚のティッシュ18の手動的な動作を容易にするために、穴30を含む。
【0021】
図5に示されるように、個々のティッシュ18は、第1のドアと第2のドア22の間及び出口24を介して移動することによって分配器10から取り出される。消費者は、ティッシュが引き出される前及び/又はティッシュが出口24から引き出されようとしている時に噴霧ヘッド26を押下げるかどうかを決めることができる。このように、消費者は、窓ガラスなどの硬面に噴霧するか、ティッシュ及び硬面の両方に噴霧するか、或いは、ティッシュだけに噴霧するか、各作用に対してどの程の湿潤度が必要かどうかを判断することができる。例えば、ティッシュ18は、分配器10から完全に引き出される前に、複数回、噴霧することができる。
【0022】
図6〜図9を参照するとよく分かるように、ティッシュ材料の供給部は、ロール19の形態を取っており、ティッシュ18のロールは、分配器10のキャビティ14内に配置されたローラ36に巻回される。ロール状のティッシュを使用しているが、ローラ36自体はあまり重要ではないため、省略してもよいことはいうまでもない。いずれにしろ、ロール状のティッシュ18は、キャビティ14内に配置されており、ティッシュ18の一部は出口24の手前まで移動可能となる。
【0023】
出口を通過する前にティッシュを乾燥させておくことが最も好ましい。しかしながら、或いは、ユーザは、重炭酸ナトリウム(重曹)などの材料をティッシュに浸漬させ、次に、その上に、酸性薬品を噴霧することもできる。この酸性薬品を上記ティッシュと組み合わさせと、化学反応が起こり、酸性薬品が発泡性界面活性剤を含む場合は、洗浄効果を高める泡を形成する。
【0024】
或いは、ティッシュに酸性組成物が浸漬されてもよく、噴霧器は、中和力によって放熱される塩基性溶液を噴霧し、この発熱反応によってティッシュを暖められ、洗浄効果が高まる。
【0025】
図10に示されるように、噴霧ヘッド26と従って出口24は略垂直の軸を枢転することができる。このように、分配器10は、噴霧ボトル16に液体が含まれている場合、噴霧ボトル16が液体をティッシュ18の一部に方向付けることができるように、構成されている。或いは、出口24は、分配器10の外側にある洗浄対象面に方向付けることができる(図示しない)。また或いは、ティッシュの引き出しが開始されると、ドア28は、ティッシュから離間されて下方へ摺動されるため、連続噴射が可能となる。このように、消費者は、ティッシュ18の最良の使用法を選択して噴霧することができる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、他の実施の形態も適用可能である。例えば、ティッシュが塩基性溶液で処理され、噴霧器が過酸化溶液をティッシュに噴射した場合、過酸化溶液のpHがニュートラルから9以上に上昇する。これによって、安定性を損なうpHでの過酸化物の長期格納を必要とせずに、洗浄能力が最適化される。
【0027】
他の実施例によれば、噴射ボトルに代えて、消費者がポンプ式噴霧器浸漬管の先端によって袋を破裂させる固定具に連結された畳込み袋を用いることができる。破裂箇所には適当なシールを設けることができる。
【0028】
また、筐体12の裏面にはフックや鳩目が設けられ、非使用時には装置を釘などに簡単に吊るすことができる。また、用紙のロールに代えて、連結積層式の紙を用いることもできる。更に、噴霧ボトル16は、筐体から離脱可能であり、小スペースには独立して使用することができる。
【0029】
従って、提示されている請求の範囲は、本発明に開示されている好ましい実施の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、消費者が調整できる方法で、ティッシュ及び/又は噴霧を分配するための装置を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部キャビティを有する筐体と、
前記筐体によって保持され、出口と、液体を保持するために好適な内部領域と、を有する容器と、
前記ティッシュ材料の一部が前記出口の手前に移動可能であるように、前記キャビティ内に保持されるティッシュ材料の供給部と、
を含む分配器であって、
前記分配器が、前記容器内に液体が格納されている時、前記ティッシュ材料が第1の位置にある場合は前記容器が前記液体を前記ティッシュ材料の一部に対して方向付け、前記ティッシュ材料が第2の位置にある場合は前記容器が前記液体を前記分配器の外側の面に直接方向付けることができるように、構成されている、
分配器。
【請求項2】
前記容器が噴射ボトルの貯水部分である、請求項1に記載の分配器。
【請求項3】
前記容器が前記内部キャビティ内のティッシュ材料の供給部上の棚状部に取り付けられている、請求項1に記載の分配器。
【請求項4】
ティッシュ材料の前記供給部がロール状に形成されている、請求項3に記載の分配器。
【請求項5】
前記出口が、前記容器に連結され前記筐体の外側に延出する噴射ヘッド内に位置決めされ、液体が前記容器に格納され、消費者が前記噴射ヘッドを押下げた時、前記容器から前記液体が放出され、前記出口から噴霧される、請求項1に記載の分配器。
【請求項6】
前記噴射ヘッド及び前記出口が、略垂直な軸を枢転することができる、請求項5に記載の分配器。
【請求項7】
前記容器内に格納される洗浄液が提供される、請求項1に記載の分配器。
【請求項8】
前記ティッシュ材料の少なくとも一部は、前記容器内に格納された洗浄液ン中に含まれない薬品が浸漬される、請求項7に記載の分配器。
【請求項9】
浸漬されたティッシュに前記容器内の洗浄液を噴霧した場合、化学反応が起こる、請求項8に記載の分配器。
【請求項10】
前記容器がポンプ式噴霧器に連結されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項11】
前記筐体が、前記筐体のその他の部分に枢動可能に取り付けられたドアを有し、前記ドアが、前記ティッシュ材料が前記出口方向へ移動する際に前記ティッシュ材料の動作を案内する、請求項1に記載の分配器。
【請求項12】
前記キャビティ内に前記容器を保持するための第1のドアと、前記筐体上に枢動可能に取り付けられ、前記格納されたディッシュ材料を被覆し、更に前記第1のドアを被覆する第2のドアが提供されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項13】
前記ティッシュ材料の手動的動作を容易にするために前記第2のドアを貫通した穴を形成した、請求項12に記載の分配器。
【請求項14】
前記容器が硬面洗浄薬品を格納し、硬面を拭き取るために前記ティッシュ材料を好適に用いることができる、請求項13に記載の分配器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−537773(P2010−537773A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524033(P2010−524033)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/010400
【国際公開番号】WO2009/032296
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)