説明

分配管を使用した、パターン化表面への液体含有材料の分配

【解決手段】液体含有材料は、太陽電池を形成するシリコンウェハなどの加工物の表面上で溝内に沈着される。液体は、分配管を通る際の圧力下で溝などの加工物経路に分配することができる。管は溝内を機械的にたどる。管は小型で溝の底部に留まることができ、側壁が拘束する。または、管は大きくして溝の上縁に乗ることができる。突起、非円形断面、成形突起、および丸突出部などのトラッキング機構もトラッキングを捕捉する。管はバネまたは磁気の装荷によって溝に押し付けることができる。引込機構などの整合ガイドは、管を溝内へ誘導することができる。経路に沿った復元機構は、方向が定まらない管を元に戻すことができる。多数の管を使用することができる。多数の加工物を1列に、あるいはドラム上で処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配管を使用した、パターン化表面への液体含有材料の分配に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
Emanuel M.Sachs、Richard L.Wallace、James F.Bredt、およびBenjamin F.Politoの名の下に2009年1月6日に出願された米国仮出願61/204,382号表題「毛細分配管を使用したパターン化表面への液体含有材料の分配」に対する優先権を主張し、同出願は参照により全文が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
ある一定の処理スキームおよびアーキテクチャが、Emanuel M.SachsおよびJames F.Bredtとマサチューセッツ工科大の名の下に、米国を指定して2008年2月15日に出願され、2007年2月15日に出願された米国特許第60/901,511号と2008年1月23日に出願された米国特許第61/011,933号の2つの米国仮出願に対して優先権を主張する特許協力条約出願PCT/US2008/002058号「テクスチャ加工表面を有する太陽電池」に開示されている。このPCT出願および2つの米国仮出願はすべて参照により全文が本明細書に組み込まれている。これらの出願に開示される技術は以降総称して自己整合セル(SAC)技術と呼ぶ。
上記特許出願に記載されるようなテクスチャ加工された加工物上に液体含有材料を正確に処理できることが望ましい。また、様々な処理対象材料を用いて、狭い溝内で、または加工物のテクスチャによって画定される狭い経路に沿って、比較的高速に上記材料を処理できることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】PCT/US2008/002058号国際出願
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
液体、スラリー、ペースト、および他の液体含有材料が、太陽光集光電池を形成するために使用されるシリコンウェハなどの加工物の表面で、溝内に、あるいは他の物理的加工物経路に沿って蒸着される。液体は内側に金属薄被覆フィンガ要素が形成される溝内に分配することができ、微細毛細分配管を通る際の圧力下で、加工物表面の以下のトポグラフィ/表面テクスチャによって機械的に誘導され整合される。毛細分配管は溝内を機械的にたどる。毛細分配管は、溝の底部に留まるのに十分なほど小さくすることができ、溝側壁がトラッキングの拘束を提供する。または、毛細分配管は溝よりも大きくして、溝の上縁に乗り上げながらも機械的整合を達成することができる。突起などのトラッキング機構が分配端に設けられて、溝と係合することができる。楕円、成形突起、および丸突出部などの非円形断面や他のトラッキング機構も溝内のトラッキングを強化することができる。毛細分配管は一般的に可撓性を有する。可撓性は概して加工物経路の伸長寸法に垂直な面とその面に垂直な面の、加工物の両面で発生するトラッキング誤差を吸収するが、この誤差は、加工物上の物理的加工物経路と、完全に平坦で無摩擦の加工物に沿って移動することが可能な場合に管の分配端がたどる非拘束路との間の差異から生じる。誤差は、物理的加工物経路を機械加工する際の誤差、加工物経路の数式的表現に従うように相対移動装置を方向づける際の誤差、軌道のモデルが不正確になるような分配管および他の装置を製造する際の誤差などによる。可撓管を使用せず旋回軸によって支持される管は、加工物の面に垂直な方向と、加工物の面内の方向との両方で旋回する。毛細分配管は一般的に、分配される液体自体の毛細管作用によって溝にさらに保持される。毛細分配管は、バネまたは磁気の装荷などによって溝に押し付けることができる。引込機構などの整合ガイドは、毛細分配管を溝内に誘導することができる。加工物経路の長さに沿った復元機構は、方向が定まらない分配管が溝に戻ることを補助する。複数の毛細分配管を使用することができ、各分配管は個々のフィンガ用として別々の溝内にある。多数のウェハを1列に処理することができる。移動の開始時および終了時の加速および減速に要する時間が低減される。複数のウェハを、平坦部を備えたドラム面上に配置することができ、ドラムは連続的に回転する。毛細分配管は、個々のウェハが横断する際に起伏を提供するように出入りしながらドラム軸に平行に横断させることができる。
【0006】
本明細書に記載されるこれらのおよび他の本発明の目的および態様は、図面を参照することでさらに理解が深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本明細書に記載されるように、金属被覆フィンガを担持する溝を保持するテクスチャ加工された光起電装置の概略図である。
【図2】溝の底面に留まる毛細分配管を示す概略図である。
【図2A】図2の領域Aの拡大図である。
【図3】材料が分配される溝の幅よりも大きな径の円形断面を有する毛細分配管の概略図である。
【図3A】図3の領域Aの拡大図である。
【図4】部分的には分配された液体自体の毛細管作用によって保持された毛細分配管の概略図である。
【図5A】三角引込機構整合ガイドを有する溝に近接する毛細分配管を示す概略図である。
【図5B】溝端で接する2つの角度付き溝から成る引込機構整合ガイドを有する溝を示す概略図である。
【図6】楕円状断面を有する毛細分配管の概略図である。
【図7】はす縁で切断された、円形断面を有する毛細分配管の概略図である。
【図8】それた分配管を所望の経路に戻すことを補助するため、互いに間隔をおいて配置された角度付き整合誘導復元機構を備えた溝を移動する毛細分配管の概略図である。
【図9A】2つのサブパート9A、9Bにおいて、対象とする加工物経路に沿って毛細分配管の誘導を補助する加工物表面の復元機構のパターンを概略的に示し、図9Aは対象とする加工物経路用の溝がなく、図9Bは溝を示す。
【図9B】2つのサブパート9A、9Bにおいて、対象とする加工物経路に沿って毛細分配管の誘導を補助する加工物表面の復元機構のパターンを概略的に示し、図9Aは対象とする加工物経路用の溝がなく、図9Bは溝を示す。
【図10】一緒に移動する複数の毛細分配管を有する分配装置の概略図である。
【図10A】図10のAで示される部分の拡大図である。
【図11】ドラムの周囲に沿って配置される蒸着用の複数の加工物と、加工物の溝に係合する単独の毛細分配管とを有する回転装置の概略図である。
【図11A】図11の部分Aの概略拡大図である。
【図12】単独の毛細分配管を有する蛇行パターンの金属被覆フィンガの概略図である。
【図13】加工物経路溝の端部を超える加工物の縁部が薄材料層によってマスクされて、毛細分配管が縁領域全体を引きずられる場合でも分配された液体が加工物縁に触れることを防止する構造を概略的に示し、また洗浄槽も示す。
【図14】長さに沿って幅が変化する金属被覆フィンガ流路を有する加工物の概略図であり、その流路は本発明に従い分配される材料で処理することができる。
【図15】ピットが6角形に配列された加工物上の溝に液体含有材料を分配する屈曲毛細分配管の概略図である。
【図16】整合およびトラッキングの精度の問題を理解するうえで有用な概念を示すブロック図である。
【図17】ピットが6角形に配列された加工物上の、トラッキング機構を備えた屈曲毛細分配管の概略図である。
【図18】分配端の近傍の1箇所に丸面付きのトラッキング機構を担持する毛細管の概略図である。
【図19】磁性粒子に吸着される金属板によって支持されるピットが6角形に配列された加工物上の、磁性粒子を有するトラッキング機構を備えた屈曲毛細分配管の概略図である。
【図20A】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は図示されるように縦方向に加工物の面に相対的に垂直に保持される。
【図20B】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は図示されるように縦方向に加工物の面に相対的に垂直に保持される。
【図20C】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は図示されるように縦方向に加工物の面に相対的に垂直に保持される。
【図20D】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は図示されるように縦方向に加工物の面に相対的に垂直に保持される。
【図21A】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は1工程から次の工程へと加工物に垂直に回転させられる。
【図21B】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は1工程から次の工程へと加工物に垂直に回転させられる。
【図21C】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は1工程から次の工程へと加工物に垂直に回転させられる。
【図21D】双方向に移動する毛細分配管を概略的に示すシーケンス図であり、その支持端は1工程から次の工程へと加工物に垂直に回転させられる。
【図22】1箇所に、平坦面付きトラッキング機構を担持する毛細管の概略図である。
【図23】1箇所に、管の端部にワイヤを固着させることによって作製されるトラッキング機構を担持する毛細管の概略図である。
【図24】分配管の実質的にその全長に沿って2箇所に、丸面付きトラッキング機構を担持する毛細管の概略図である。
【図25】管の分配端近傍の2箇所に、平坦面付きトラッキング機構を担持する毛細管の概略図である。
【図26】ピットが6角形に配列された加工物上の、溝内に液体含有材料を分配する屈曲毛細分配管の概略図であり、溝は横方向に並んだ3つの溝群で構成されている。
【図27】毛細分配管を通って液体含有材料を分配する装置の概略図であり、3列の3つの分配管が示され、それらの分配管は材料を搬送装置に沿って列を通過する加工物へ処理するように構成される。
【図27A】図27に示される装置の端面図である。
【図27B】図27に示される装置の平面図である。
【図28】玉継ぎ手によって支持される相対的に不撓性の毛細分配管の概略図である。
【図29A】相対的に不撓性の管に可撓性を与えるクリンプを支持端近傍に有する毛細分配管の概略平面図である。
【図29B】図29Aに示されるクリンプ加工された毛細分配管の概略立面図である。
【図30】流体分配要素とは異なる物理的要素である可撓性位置決め要素を有する装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[詳細な説明]
本明細書に開示される発明は、液体、スラリー、ペースト、および他の形態の液体保持材料を、加工物の表面上の溝(または類似の構造)に塗布することに関する。本発明は特に、上記の参照のPCT出願PCT/US2008/002058号に概略的に記載されるフィンガと総称される光起電吸収材上の金属薄被覆要素を形成することに関する。この液体、スラリー、ペーストなどの塗布は、本明細書ならびに上記の参照のPCT出願において概して「処理」と称される。本明細書に開示される発明によると、液体は、微細毛細分配管を通る際の圧力下で潜在的に正確に制御されて分配および計量され、加工物表面の以下のトポグラフィ/表面テクスチャによって機械的に誘導され整合される。一実施形態では、加工物は、金属被覆のために溝を有するシリコンウェハである。
【0009】
上述の参照のPCT出願は加工物処理について論じており、つまり、ユーザが加工物のある一定の区域で行われるように望む、活性の、一般的には反応性の処理ステップと関連する液体塗布、たとえばメッキやエッチングなどを意味する。加工物は、液体のアクセス可能な経路のネットワークから成る区域の一部に液体が塗布されるようにテクスチャ加工される。液体塗布は、少なくとも部分的にはテクスチャによって誘導される。液体は、設計者が処理ステップを実行しないと意図する区域に流れ込まないように遮断される。その遮断は少なくとも部分的には表面テクスチャによって生じる。そのような処理の例が、PV電池面に電極を設けるためのPCT出願に記載されている。本明細書で開示される技術は主に、こうした処理のためのものである。
【0010】
本明細書に開示される発明は、処理ステップのための活性、一般的には反応性である分配材料、および以後の活性反応ステップを阻止する場合に使用可能な材料に関して使用することができる。このため、それらは概して分配技術と称される。
【0011】
分配される材料は、シリコン太陽電池の製造で使用され、一般的にスクリーン印刷によって適用されるものと同一の全般的組成を有する銀インクであってもよい。特に有利な方法は、加工物の焼成後に薄金属層のみが生じるように小量のインクのみを分配することである。この薄シード層はそれ自体太陽電池によって生成される電流を搬送するには十分ではないが、銀メッキなどのメッキを重ねることで形成できる。メッキ金属は溝に閉じ込められる傾向があり、垂直に重なるが、水平には広がらない。シード層に使用される銀インクは、シード層のみが必要とされるため、従来の銀ペーストよりも固体において希薄にすることができる。
【0012】
図1を参照して概略的に示されるように、太陽電池140はテクスチャ加工表面142を有する。光トラップ用溝126は図示されるように、左から右へ電池面を横断して延びる。バスワイヤ144は溝126と平行に延びる。金属被覆フィンガ146はバスワイヤ144と交差し、テクスチャ加工された溝126と垂直に延びる。本明細書に開示される発明は、上記太陽電池を形成する場合に使用されるテクスチャ加工された加工物の様々な領域への材料の処理に関連する多数の用途にとって有用である。特に、金属被覆フィンガ146を提供するために金属被覆される材料を溝(または類似の構造)に分配する場合に適する。
【0013】
図2は、太陽電池140の一部を成すシリコンウェハなどの加工物240の拡大部を概略的に示す。テクスチャ加工表面242は、上述され、図1に示されるように平行な光トラップ溝ではなく半球状の隣接する重複部分でテクスチャ加工される。加工物は、段、チャック、または他の装置(図示せず)などの任意の支持体によって適切に支持される。金属被覆フィンガ146に使用されるような溝256(光トラップ溝とは異なる)の一部の拡大図を図2Aに示す。
【0014】
毛細分配管260は、液体含有材料が管から分配される際、加工物240の溝256に対して移動させられる。相対移動は概略的に示される任意の適切な相対移動装置241によって提供され、相対移動装置241は、加工物240と毛細分配管260が必要に応じて、全6自由度で相互に移動および回転できるように、加工物支持体を介して毛細分配管260と加工物240の両方に結合される(全6自由度より少ない自由度を使用してもよいが全6自由度が使用され得る)。一般的な構成では、2自由度の毛細分配管と加工物間の相対並進運動と、0または1自由度の相対回転運動となる。一般的に、相対移動装置241は、互いに相対的に移動する2つの部分241aおよび241bを有する(本明細書で使用されるように、移動するという文言は並進運動するおよび/または回転することを意味し、運動という文言は平行移動および/または回転を意味する)。相対移動駆動機構は、固定加工物(地面に対して)とそれに対して相対的に移動する毛細分配管支持装置とで、代替的には、固定毛細分配管支持装置(地面に対して)とそれに対して相対的に移動する加工物とで、あるいは両相対移動の組み合わせで構成することができ、毛細分配管支持装置と加工物は地面に対して移動する。相対移動装置240は通常、互いに相対的に移動する2つの部分を有すると言及されているが、これらの部分241a、241bは各々それ自体非常に複雑であり、互いに相対的に移動する多くの部品から成る場合がある。
【0015】
毛細分配管260の機械的誘導は少なくとも2つの機構によって達成され、両機構とも溝256との相互作用を含み、一般的に作用に寄与する。本実施形態は一般原則を例示するために使用される。
【0016】
ある誘導機構によると、図2および図2Aに示されるように、磁気媒体およびデジタル媒体の出現前に一般的に普及していたオーディオレコードのプレーヤ針と同様、毛細分配管260は溝を機械的にたどる。場合によっては、図2Aに示されるように、毛細分配管260は非常に小さいため、溝の底部258に留まることができ、溝の側壁259は図2Aに示されるようなトラッキングを提供する。溝は、図17に示されるような半円筒形を含む様々な形状を取ることができる。
【0017】
他の場合、図3および図3Aに示されるように、毛細分配管360は処理された溝356の寸法よりも大きいため、溝の上縁361に乗るが、機械的な整合は依然として達成されている。図3は、処理されているウェハの溝356よりも大きな径の円形断面を有する毛細分配管360を示す。
【0018】
よって、これに関して、毛細分配管は、テクスチャ加工された加工物表面によって画定される経路を機械的にたどるような寸法にされる。図2Aに示されるような適切な寸法範囲の一端部では、追加のトラッキング機構(後述する)のない単純なシリンダは溝の幅よりも十分に小さな径を有するため、管自体が溝の幅に嵌合する。よって、そのような管は経路を機械的にたどるような寸法にされる(このように相対的に小さな管は目詰まりの問題を有する場合があるが、目詰まりなく動作する場合もあり、有用である。目詰まりが問題となるか否かは、処理対象の材料の性質に主に依存する。液体含有材料が銀粒子インクなどの粒子も有する場合、小径の毛細管が問題となる場合がある。粒子が存在しない場合、小径の毛細分配管は通常、動作の支障とはならない)。
【0019】
機械的にたどる上記寸法範囲の上端では、管の径は溝の幅よりも数倍大きく(概して、最大約10倍)、これも経路を機械的にたどるうえで適切な寸法とみなされ得る。そのような大径の管は図3Aに示されるような単純なシリンダであってもよい。しかしながら、以下詳述する追加のトラッキング機構を設けることができる。図3Aは一律の縮尺に従って描かれておらず、上記範囲の上端である、処理される溝の幅の約10倍の径を有する管の状態を表すことを目的とする。
【0020】
よって、図2Aおよび図3Aに示される管の両方ともそれらに関連して図示される溝を機械的にたどるような寸法と形状にされ、すべての管は溝の幅と比較して、図2Aに示されるよりも大きく、図3Aに示されるよりも小さな径(溝の幅の約10倍である管を表す)を有する。
【0021】
第2の誘導機構によると、図4および図15を参照して概略的に示されるように、毛細分配管260、1560は、分配端261、1561と加工物240、1540との間を架橋する分配液体264、1564自体の毛細管作用によって溝にさらに保持される。
【0022】
管と加工物間の相対移動は、管が追従するための所望経路である溝の近傍に管の分配端261を維持させるように制御可能であるが、製造上のバラツキと機械的精度が原因となって、非拘束分配管が追従する経路が加工物における溝などの物理的路からそれる。たとえ上述したような完全な整合ではないものの、管の可撓性は、管が溝をたどるように横および縦方向の変位を許容する。
【0023】
このことは、図16を参照してより十分に理解される。設計者は数式的に理想の加工物経路1602を設定し、その経路に沿って液体含有材料を提供するが、たとえば半導体ウェハ上に金属被覆溝を設定することが望ましい。物理的加工物経路1604、たとえば溝は加工物表面に、たとえばエッチング、レーザ加工、または他の以下詳述する技術によって設定される。一般的に、物理的加工物経路1604が理想的な数式的加工物経路1602から逸脱する誤差Δ1が生じる。たとえば、溝作製技術は一般的に、歪み、スケール誤差、および他の位置精度上の制限を有し、物理的相対移動駆動機構上に加工物を配置することに関連する有限公差を同様に有する。
【0024】
相対移動駆動機構241は、図2を参照して概略的に示されるように、数式的相対移動経路1606をたどるようにプログラムされる、あるいは他の方法で構成され制御される。数式的相対移動経路1606は、毛細分配管の幾何学的形状、物理的加工物経路、逆方向に始動される管の回転、両者間の相対移動の速度などを考慮に入れて設計されるため、毛細分配管260の分配端261は数式的加工物経路1602、たとえば溝256の数式的表現と正確に合致する数式的に非拘束な分配端経路1608をたどる。本明細書で使用されるように、非拘束とは、分配端261が接触を許される場合に進み、完全に平坦で無摩擦の加工物に沿って移動する(上述のように予荷重による屈曲を含む)経路を意味する。
【0025】
しかしながら、図16の誤差Δ2によって捕捉されるように、物理的に非拘束な分配端経路1610を数式的に非拘束な分配端経路1608から逸脱させる誤差の原因は多数ある。たとえば、分配管は完全に直線的でない場合があり、相対移動駆動システムはバンド幅やモータ寸法などの制限を有する。
【0026】
誤差Δ1およびΔ2の蓄積効果により、物理的に非拘束な分配端経路1610は、誤差ε分、物理的加工物経路1604から逸脱する。この誤差εは毛細分配管の可撓性によって吸収されて、分配管の分配端261は物理的加工物経路1604を正確にたどり追従することができる。一般的に、誤差εは、非拘束分配端経路1610と物理的加工物経路1604との間の、物理的加工物経路の伸長寸法にほぼ垂直に、誤差が発生するほぼ面内での側方偏差として現れる場合がある。誤差εは、たとえば加工物の厚みの変動により、非拘束分配端経路1610と物理的加工物経路1604との間の垂直偏差として現れることもある。
【0027】
毛細管の長さは、遭遇し得る最大誤差εに従って選択することができる。よって、最大誤差が100ミクロンの場合、毛細管は相対的に短く、数mmにすぎない場合がある。しかしながら、最大誤差が1mmの場合、少なくとも10mmの相対的に長い毛細管がより適切であろう。
【0028】
重要な考慮事項は、分配端での管の角度が高い場合は管が簡単に溝の縁に乗り上げ溝から脱出してしまうため、その角度が溝自体に対して高すぎる値となることを回避することである。このため、最大予想誤差が増加するにつれ、管の長さもそれに比例して増加させるべきである。偏向と溝に対する管の端部の所与の最大角との間の比例は、管または管がそれに沿って乗り、カンチレバーとして屈曲させられる他の構造部材の場合にも当てはまる。比例は、支持体で旋回させることができる直線状の管の場合にも当てはまる。
【0029】
非拘束分配端経路1610と物理的加工物経路1604との間の不整合に対する所望の公差を提供する場合に必要な動作パラメータは、溝内の管の機械的構造を調査することによって推定できる。加工物の溝の側壁は、非常に浅いものから非常に深いものまで幅広く変動させることができる(加工物の面に垂直)。毛細管が溝から分離する前に溝によって毛細管に加わる最大復元力は、管の予荷重によって決定されるように、加工物に対する管の下向きの力にほぼ比例する。溝と毛細管の相対的形状は、予荷重力と最大復元力間の比例定数を変化させる。溝壁が加工物に対して45度の角度を取り、溝と管との間に摩擦がないと仮定することによって、有用な推定が可能となる。この場合、最大復元力は予荷重力にほぼ等しい。なお、このことは、垂直方向と水平方向に同じ剛性を有する管の場合のみに当てはまる。
【0030】
よって、溝内での毛細分配管の機械的トラッキングは、毛細分配管を正の予荷重力で溝に強制的に押し付けることによって支援される。これを実行する適切な方法はいずれも、本明細書に開示される本発明の範囲に入るとみなされる。
【0031】
1つの方法は、溝に対して管にバネ荷重をかけることである。バネ装荷は、毛細分配管260自体の弾性を利用して達成することができる。たとえば、好適な毛細分配管は、内径が65ミクロン、外径が90ミクロン、カンチレバー長が5mmのポリイミド管で作製することができ、ステンレス鋼管の片の内径に固着される。スチール管は支持アセンブリによって固定され支持される。この毛細分配管は、一般的に水平から30度下向きに配置される。毛細分配管が加工物に接触して毛細分配管支持体アセンブリを1mm低下させることによって延長された毛細分配管を屈曲させるまで、バネ予荷重が印加される。図14は、(特に)屈曲毛細分配管1460を概略的に示す。溝は一般的に30〜50ミクロンの幅を有するが、幅がより小さな場合もより大きな場合も可能である。
【0032】
図10は、支持アセンブリ1065に固定されるスチール管1063と、スチール管1063から延在するポリマー分配管1060との代表的な構成を示す(後述する多管実施形態の場合)。ホウケイ酸などのガラス製の毛細分配管を使用することも可能である。ポリマー分配管はガラスの防振性よりも優れた高い防振性を有する。別の好適な候補は、内径が50ミクロン、外径が80ミクロンの石英製毛細管である。ステンレス鋼などの金属を使用することもできる。必要に応じて、ポリマー薄層を被覆することによって、防振性を上記構造に追加することができる。ガラスまたは金属などの高弾性率素材の毛細管の場合、管は同程度の誤差εを許容するためにポリマー管の場合よりも長くしなければならない。また、毛細管は、次第に径が低減されていく大きな断面を有するように絞ることができる。たとえば、ホウケイ酸ガラスは、当該技術によって既知の方法で絞ることができる。管の閉塞を回避するため、毛細分配管に進入直後に分配される材料をフィルタに通過させることが有益である。フィルタは、管の内径の何分の1かより大きい粒子を保持すべきである。たとえば、100ミクロンの内径の管を使用する際、フィルタは10ミクロンより大きい粒子を保持すべきである。
【0033】
復元力と下向きの力との関係に関する上述の記載に従うと、管が円形であれば、加工物に垂直な管の面および加工物に平行な面における剛性はほぼ等しい。したがって、管の端部と溝との最大不整合は加工物に対する管の予荷重距離に略等しく、つまり、弛緩した予荷重ゼロの場合と比較した、予荷重状態での加工物と管の分配端との間隔の差を意味する。
【0034】
分配先端に溝をたどらせる撓み性を提供する場合に分配管の固有の可撓性を利用することが簡便であるが、他の手法も可能である。たとえば、図28を参照すると、所望の程度の撓み性を提供して分配管2860に溝2856をたどらせることができるように、1つまたはそれ以上の弾性バネ要素2880と組み合わせて液密式旋回玉継ぎ手2868、2869を使用することができる。この手法によると、撓み性が管の可撓性から生じる場合よりも、分配先端の局所軸と加工物の溝の軸間の角度(平面図)が所与の横方向オフセットの角度分だけ小さくなるという利点を有する。
【0035】
上記効果は、図29Aおよび図29Bに示されるように支持端近傍の管を部分的にクリンプ加工することによって近似させることができる。分配管2960は支持端近傍で塑性的に変形させられて、横方向に局所的に剛性が低減することを特徴とする略楕円状のクリンプ加工領域2969を形成する。これは、支持端近傍の局所領域に屈曲を集中させ、旋回の挙動を近似させるという効果を有する。これは水平方向よりも垂直方向に大きな剛性を有する分配管を作製するという効果をもさらに有し、本明細書の別の箇所で説明するように有益である。
【0036】
後述するトラッキングの確立に関連する理由のため、図18に示されるように、管1860上に機構1890を成形することが有益である場合がある。そのような機構はエポキシまたは他のポリマー接着剤で作製することができ、その形状は、管が配置されるシリコンゴム成形体によって提供される。
【0037】
図19を参照して概略的に示される有用な選択肢は、永久的な磁化を可能とする材料の粒子で鋳造機構1990を満たすことである。たとえば、磁性酸化鉄またはネオジミウム鉄ホウ素の粒子などのレアアース磁性材料であってもよい。成形後、この材料は、南北軸が分配管1960の軸と垂直になるように分極することができる。その後、この小型永久磁石は、低炭素スチール板などの強磁性材料製の板1991を加工物1940下に配置することによって毛細分配管に下向きの力を提供するために使用することができる。このようにして、予荷重管1960にバネ装荷する必要なく管に強い下向きの力を加えることができる。当然ながら、管のトラッキング能力を高めるために磁気予荷重を機械的なバネ予荷重に追加することも可能である。磁気予荷重のみが存在する場合、分配管1960は、図19に示されるものとは反対に加工物1940に向かって凹状に湾曲する可能性が高い。
【0038】
毛細分配管は図2、図4、および図5などの大半の図面では処理対象の表面に対して小さな角度で配置されるように示されているが、管の角度は大幅に変動させることができる。一方では、敢えてこの角度を表面と平行にすることができる。他方では表面に垂直にすることができる。管を表面と垂直に維持することは、管の支持端を加工物に対して回転させる必要なく双方向の分配が実行できるという利点を有する。
【0039】
たとえば、図20A〜図20Dを参照して概略的に示されるように、分配管2060の支持端2063が加工物2040の面に略垂直に維持され、図示されるように垂直な場合、管は(図20Aに示されるように右方に)加工物の縁に対して移動させることができるため、管が加工物2040に接触すると、支持端2063は加工物に垂直なままであるが、分配端2061は垂直から離れるように屈曲させられて、図20Bに示されるように先端に向けて湾曲形状を取る。管の分配端が図20Cに示されるように加工物経路溝2056の全長に沿って横進すると、分配端が加工物2040の端部を超えて移動した後、(図示されるように左方へ)相対移動の方向を逆転させることができる。毛細管2060は(最初に言及した縁とは反対の)縁に接触するまで)加工物に向かって再度移動し、毛細管分配端2061は再度屈曲して、表面に対して同じ湾曲形状を取るが、符号は逆である、すなわち図20Dに示されるような方向を取る。
【0040】
分配管の支持端を加工物表面に垂直に維持するのではなく、図21A−21Dを参照して概略的に示されるように、加工物表面2140に対して第1の角度で毛細分配管2160の支持端2163を傾斜させることができる。その後、管と加工物間の相対移動(図21Bに示されるように右方)の結果、管は加工物2140の表面の全長に沿って移動し、さらには、相対移動の方向が逆転すると、分配管2160の支持端2163は図21Cに示されるように垂直を通過し逆の角度で傾斜することができ、図21Dに示されるような別の方向での移動が開始される。単純な旋回が図示されているが、運動中に分配端が加工物の面より下に変位しないように4棒リンク機構などの別の適切なリンク機構を採用することができる。分配管の支持端2163を傾斜させることが有利かどうかは、管の可撓性、管と移動環境間の摩擦、相対移動装置の複雑度などに依存する。
【0041】
テクスチャ内の溝への毛細分配管の自己整合およびトラッキングの利点の1つは、物理的に非拘束な分配端経路1610が物理的加工物経路1604と完全に整合していなくても、分配管が材料の分配される物理的加工物経路に沿って完全に整合して移動するように、毛細分配管駆動機構を溝と予め整合させる必要がないことである。すなわち、機械視覚や他のシステムが、分配を行う機械において必要とされない。さらに、溝の間隔または真直度のわずかなバラツキを吸収することができる。概して、トラッキングおよび整合公差が緩和される。
【0042】
毛細分配管はいったん物理的加工物経路溝内に入ると、そこに留まり続けるが、最初に溝を発見しなければならない。これを達成する簡便な方法は、図5A、図5Bを参照して概略的に示されるように引込機構を設けることである。これらの機構は個々の溝556の端部から外へ拡散し、加工物表面で凸状シェブロンまたは楔状凹部の形状を取ることができる。これらの機構は、通過路の開始点に毛細分配管を整合させるが、いったん毛細管が溝の直線部分へと移動すると復元力を提供しない。たとえば、図5Aは、加工物540上の三角引込機構566を示す。毛細分配管560は三角引込機構566の1つの壁に沿って乗り、中心へと引っ張られて溝556に入る。そのような引込機構は本明細書で称される整合ガイドの1つの形であり、他の少なくとも1つの形を以下説明する。概して、整合ガイドは、溝内に毛細分配管を確立し、そこに維持する、あるいは毛細管が偏位した場合は溝内に戻すのを補助する。
【0043】
図5Bは、2つの引込溝567aおよび567bから成る、処理対象の溝556へと収束する代替的な形の引込機構567を示す。そのような引込機構は、テクスチャ加工プロセスが図5Aの566のようなエッチング拡張領域に十分適さない場合に有効である場合がある。分配管は溝567aまたは567bのいずれかによって捕捉され、溝556内をたどるように側方に押圧することができる。半曲転移部567rは溝556に一点で接する弧であり、溝556につながるトラック567aまたは567bのいずれかを追従する管がゆっくりと付勢するのを補助して、管が引込機構と溝556との接合部で溝から飛び出す可能性を最小限に留める。明瞭化のため、図5Bには光トラップテクスチャを図示しない。
【0044】
溝内での毛細管のトラッキングを向上させる別の手段は、円形でない毛細分配管を使用することである。毛細分配管の非円形端部から得られるいくつかのトラッキング機構を以下に述べる。たとえば、図6に概略的に示されるように、断面が略楕円状で主軸が垂直に配置された毛細分配管660は、同じ断面積の円形管よりも深く溝656に嵌合することによってトラッキングを向上させる。そのような略楕円状の断面を作製する1つの方法は、クリンプ加工された、あるいは押しつぶされた管を設けることである。たとえば2つのローラ間で押しつぶすことによって管を部分的に平坦化させ、塑性的に変形させることができる。その後、管は平坦化領域内でスライスされることで2つの管部を確立し、各管部は略楕円状断面の端部を有する。
【0045】
図7を参照して概略的に示されるように、円形断面であるが、溝内でのより適切なトラッキングも提供する、斜めに切断された先端757を有する毛細分配管760を設けることも可能である。結果的に生じる形状は、直角に切断されたノズルよりも鋭い先端を有し、鋭い先端はより容易に溝をたどる。さらに、先端は、より正確なトラッキングを提供する鍬状先端を作製するように折り目を付けることができる。
【0046】
底部に突起のある断面を有する毛細分配管を設けることも可能である。突起は、毛細分配管が溝から飛び出すのをさらに阻止することによってトラッキングを向上させるために使用することができる。
【0047】
本明細書で称されるトラッキング機構の1つの種類は突起の形状を取り、毛細分配管を半導体表面へと付勢する正の力の印加と関連して上述された構造を有効に活用して二重に利用することができる。磁性粒子を充填することのできる鋳造突起機構1890、1790が上述され、図18および図17に各々示されている。そのような鋳造機構1790は、上述した斜面または折り目付き先端と同様、溝1756を機械的にたどるような寸法と形状にすることができる。実際、そのような鋳造機構がたとえばエポキシ製の分配管1760、1860の先端に成形される場合、上述のように、溝1756と積極的に係合する場合に適した任意の形状と寸法にすることができる。たとえば、図18は分配管1860の底部(図示されるような)に、丸面1893を有する略円筒形本体1890を示す。図22は、分配管2260上ではあるが平坦面2293を有する同様の形状の機構2290を示す。
【0048】
有効な選択肢は、シリカまたは別のセラミック粒子などの耐摩耗粒子でこの鋳造機構を満たすことである。このようにして、トラッキング機構は長期間の使用でも摩耗しない。
【0049】
図23を参照して示されるように、トラッキング機構は小径ワイヤ2390を分配管2360の端部に接着することによって作製することもできる。ワイヤは金属、セラミック、またはポリマー製のものとすることができる。たとえば、25ミクロン径のステンレス鋼ワイヤを、エポキシを使用して100ミクロンの外径のポリイミド管の態様に接着することができる。ワイヤはトラッキング機構として機能し、加工物に接触しつつ研磨性摩耗に対する高い耐性を有する。
【0050】
トラッキング機構を有する毛細管を作製する別の手段は、適切な断面のプラスチック管を押出加工または引抜き加工することである。引抜き加工は特に有効な方法である。選択されたポリマーのロッドが所望の断面を拡大したバージョンに機械加工される。ロッドの端部は加熱されて、所望の最終寸法まで縮小される。
【0051】
よって、いくつかの妥当なトラッキング機構は、管の分配端の成形隆起または他の形状、断面が楕円の管または管分配端などの断面が真円ではない分配端、斜めに切断した分配先端、鍬状先端および分配端の端部に突起を有する管を含むがそれらに限定されない。管は成形隆起ではなく、機械加工される、あるいは管の端部のクリンピングによって提供される一体型隆起を有することができる。加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状の円形断面管は、上述のように、外部突起などの追加のトラッキング機構がなくても、本明細書で称されるトラッキング機構を構成するとみなされる。
【0052】
トラッキング機構は、図18、図22、および図23に示されるように管の分配端1861、2261、2361に、または2つの平坦面機構の場合図25に示されるように2590、2590に、または2つの丸面機構の場合、管の全長の一部または全部に沿って図24に示されるように2490、2490にのみ存在することができる。また、トラッキング機構は好ましくは、テクスチャ加工された加工物表面に画定された経路を機械的にたどるような寸法と形状にすることができる。よって、トラッキング機構の横方向寸法は好適には、溝が機能することを目的とする溝の横方向寸法と略等しいあるいはそれより小さい。その目的は、毛細管自体が溝よりも極めて大きい場合でも、トラッキング機構を溝に十分に適合させ、トラッキングのための高い復元力を提供することである。
【0053】
双方向処理に関連する理由のため、上述のように図20および図21に関連して、さらに図24および図25に示されるように、トラッキング機構2490、2490を毛細分配管2460の単独の直径Dの対向端d、dに配置することも有益である。図24は、毛細分配管2460の軸と平行で、管の外側の実質長に沿って設けられる、丸面を有するトラッキング機構を示す。図25は、分配端2561の近傍のみに設けられる、平坦面を有するトラッキング機構2590、2590を示す。
【0054】
トラッキング機構は、分配管が加工物に沿った第1の方向の通過路中に溝内を機械的にたどるように補助し、可撓管の分配端は第1の角度α、すなわち第1の符号の曲率を有する湾曲(たとえば、図20Aに示されるように左に凹)をもって加工物に対して傾斜させられ、直径Dの位置dで加工物に接触する。次に、上述のように、相対移動機構は方向を逆転させることができる。可撓管の分配端は湾曲し、第2の角度−αおよび/または第1の符号と逆の符号の第2の曲率(たとえば、図20Dに示されるように右に凹)をもって加工物に対して傾斜させられる。また、接触点は分配管の径dのdの他端dとなる。その後、相対移動装置は最初に横進したのと逆の方向に分配管を引っ張るため、接触点dは次の通過路全体で表面に接触したままである。第2の通過路の終了点、相対移動装置は再び方向を逆転させて、点dが再度接触点となる。
【0055】
場合によっては、分配管端の断面周囲の1つ、2つ、またはそれ以上、たとえば4つの位置にトラッキング機構を設けることが有効である場合がある。場合によっては、管の分配端は非円形断面を有することができる。そのような場合、径のような形状の断面範囲に言及することは適切でないかもしれない。本明細書で使用されるように、交差範囲または断面範囲はそのような断面領域を横断する距離を意味するものである。
【0056】
図24の2490、2490のようにトラッキング機構が分配管の長さに沿って延びる場合、単独および二重のいずれのトラッキング機構も加工物に垂直な管の面における分配管の剛性が、加工物に平行に押し出される管の剛性よりも高いという利点を備える。このようにして、管の分配端2461と溝との間の最大許容不整合は、所与量の予荷重による押し出しの場合よりも大きくなる。
【0057】
概して、加工物の面の剛性が加工物に垂直な剛性と異なるように様々な剛性と軸を有する分配管を設けることが興味深い場合がある。外部トラッキング機構の追加はこのような効果を発揮するが、トラッキング機構が組み込まれるか否かが望まれる場合もある。先端の形状を変更せずに様々な剛性を提供することが望ましい場合がある。たとえば、毛細分配管は周囲の異なる箇所に異なる材料特性を有するように同時押出しする、あるいは他の方法で製造することができる。代替的には、1本の線に沿うが他の線には沿うことがない壁の厚い部分を設けることができる、あるいはそのような1本の線に沿うが中心軸の逆側では線に沿うことなく接着されるテープまたはいくつかの他の材料の細片を設けることができる。繊維などの補強要素を、管の垂直剛性を高めるために管の上部と下部で毛細管壁内に成形することができる。1本またはそれ以上の線などに沿ってポリマービーズまたはグルーを供給することができる。
【0058】
トラッキング機構が存在する場合、および/または管が水平よりも垂直に頑丈に作製される場合、最大復元力は依然としていかなる予荷重力にも比例する。しかしながら、上述のより単純なケースと比較して、最大復元力はより大きく、予荷重力よりもさらに顕著に大きい。
【0059】
液体と溝表面間のぬれ角は、許容可能な範囲内で制御されねばならない。液体の湿潤性が高すぎる場合、液体は溝の縁に乗り上げて、所望の領域以外の領域を湿らせる。液体の湿潤性がそれほど高くない場合、液体は溝に分配された後、ビーズ状に離散する。しかしながら、広範囲なぬれ角は結果的に満足のいく動作を導く。流体の流動学もプロセスにおいてある役割を果たす。流体は毛細分配管内へと押し込まれるが、いったん溝内に収まると、粘度が向上して分配された場所で留まるように、流体に剪断減粘性を持たせることが望ましいであろう。そこを下回ると流体が全く移動しなくなる降伏応力を流体に持たせることも望ましい場合がある。このことにより、流体が溝内に留まることがさらに保証される。しかしながら、溝内の一部の液体が溢れ出して溝の側壁に接触することも含め溝を満たすことも望ましい。液体溶媒の蒸発によって溝内の流体の運動を阻止することも可能である。この蒸発をさらに促進させるために、分配作業中に高温下でウェハを保持することができる。いったん溝に収まった流体の運動を制限する別の機構は、溝に分配された後の液体を凍結、凝集、ゲル化、あるいは架橋させることである。
【0060】
凝集、ゲル化、および架橋は、分配前に短時間、分配される材料に化学薬品を混合することによって可能となる。代替的には、凝集、ゲル化、または架橋を引き起こす化学薬品は、加工物を取り巻く周囲大気中にあってもよい。たとえば、加工物が二酸化炭素の煙幕中にある場合、分配される水性材料は速やかにpH値が低下する。これは、凝集、ゲル化、または架橋を実現するうえで利用可能な作用である。ダイラタントまたは剪断増粘流体は、管によって分配される流体柱が切り取られ滴を形成する可能性が低いため、有利であり得る。このことは、蒸着される断面が分配管の内径の断面よりも小さい場合に特に重要である。
【0061】
溝近傍の光トラップテクスチャの性質は、金属被覆領域の縁部を定義し、明確な定義の保持を補助することができる。この溝外の加工物が平坦であれば、閉じ込めが可能である。しかしながら、溝の縁が上昇する、あるいは溝外の加工物が低下すれば、閉じ込めはさらに頑強になる。
【0062】
図3Aに示されるように、壁359の最上部にある溝356の縁361は鋭角を成しており、両態様で相対的に急勾配で傾斜している場合、蒸着材料が溝内に留まり、加工物の隣接上面を湿らせないことが分かっている。これはたとえば図3Aに示されるように、縁361の片側の壁359での急勾配によって達成することができ、その急勾配の壁はテクスチャ加工表面342を形成する光トラップテクスチャピット343によって形成される。また、場合によっては、ピットが壁359の最上部の縁部に近接させて間隔をおいて配置されると、上面が湿らないことが分かっている。別の場合、ピットが遠く間隔をおいて配置され、壁359と除去されたピットとの間により大きな波状に切り込まれた縁部の平坦面を残すと、上面が不所望に湿らせられる場合がある。これは、幾分違った状況で図15に示されており、図15では毛細分配管1560が溝1556に沿って移動し、液体を含有する分配材料1564が縮径して溝を満たすが、溝の縁1571を超えてピット1543が6角形配列1542に溢れ出すことはない。図15では、溝1556fは材料で満たされ、溝1556eは空のままである。
【0063】
上面の不所望な湿潤を回避することが分かっている別の形状を図26に概略的に示す。追加の溝2656sが主溝2656の両側に隣接して設けられる。隣接する溝2665sの壁は介在縁部2661から急に降下するため、縁部の両側に急勾配の斜面ができ、蒸着材料2664が縁を超えて湿らせることはない。そのような構造は、2009年4月17日に発明者Andrew M.GaborとRichard L.Wallaceによって出願されたPCT出願PCT/US2009/02422号表題「太陽電池の拡散層をパターン化する方法およびその方法によって作製される太陽電池」の図8A〜図8Dおよび図14に概略的に示されており、同出願の全文は参照により組み込まれている。
【0064】
毛細分配管の材料に対する流体の湿潤は、流体が毛細分配管の外部を湿らせる傾向を低減させるように制御することもできる。
【0065】
毛細分配管を通る流速は好適には制御されるべきである。必要なおよその流速は、充填される溝の断面積を計算し、それに毛細分配管の移動速度を掛けることによって推定することができる。たとえば、30ミクロン幅の半円筒形溝が液体で満たされる場合、断面積は3.5×10−6cmである。この毛細分配管が10cm/秒で移動すると、必要な流速は0.002cc/分である。その流れは液体に圧力を印加することによって調節することができ、毛細分配管内の液体の粘圧低下によっても制御される。たとえば、加圧した材料を毛細分配管の支持端に流体結合させることができる。計量ポンプなどの他の計量方法を使用することもできる。
【0066】
処理が達成される速度は、プロセスの経済性にとって重要である。溝を渡る毛細分配管の速度はかなり速く、確実に2m/秒、およびおそらくは10m/秒にも達する場合がある。この速度を制限する可能性のある要因はいくつかある。たとえば、分配される材料の粘度が高い場合、分配速度が制限され得る。
【0067】
満足すべき軌道制御で加工物および/または毛細分配管を移動させることが重要である。上述のように、溝内の機械的および毛細作用の力がある程度の誤差εを補正するため、物理的に非拘束な分配端経路1610は物理的加工物経路1604からそれる可能性はわずかである。
【0068】
分配管が溝から外れた場合に補助となる別の形の整合ガイドを設けることができる。この形の整合ガイドは本明細書では復元機構または操舵機構と称する。
【0069】
図8に示されるように、分配用の設計溝856に隣接するテクスチャ加工の境界を設けることができる。これらは図5Aを参照して上述した三角引込機構566に類似する斜めの溝867の整合ガイドであり、それて移動する毛細分配管860を操縦し対象とする溝856の経路(図16では物理的加工物経路1604とも称される)に復元させる。それらは本明細書では具体的に復元機構とも称される。毛細分配管860の先端が設計溝856を取り巻く指向性テクスチャ867を超えて移動すると、先端に斜めの力(摩擦力とトポグラフィによる垂直力との組み合わせ)が生成されて、先端を対象とする経路の方に駆動する。この復元力は、表面テクスチャの斜めの姿勢の復元機構要素を渡る先端の移動によって生成される。操舵機構は、分配溝856の両側にミラー化して設けられる。
【0070】
移動する分配管先端に対して斜めの摩擦力を生成する多くのテクスチャは可能な操舵・復元機構を提供する。線形溝はこれら機構の1つの種類にすぎない。
【0071】
よって、テクスチャ加工された半導体本体の表面の引込機構および復元(操舵)機構はいずれも本明細書では総称して整合ガイドと呼ぶ。
【0072】
上述されるような引込機構は、分配用の対象とする物理的加工物経路1604に沿った別個に画定される溝856を有する必要性を省くことができる。その後、対象とする物理的加工物経路1604は、分配用の物理的加工物経路1604をまたぐ2つの反対姿勢のテクスチャ加工材料のセットの間の集束線によって画定される。
【0073】
図9Aは図8のパターンと類似するパターンを示すが、物理的加工物経路1604に溝がない。ポケットパターンが、線に隣接して互いに鏡像を成す。図9Aに示される設計の場合、毛細分配管が概して左下から右上に移動すると、物理的加工物経路は互いに逆角度の半球形ポケット列の集束点に位置し、図示されるようにそこで毛細管が停止する。図示されない代替の設計は、図9Aに示されるものと類似する。パターンは横断する隆条であってもよい。
【0074】
図9Bに示される設計は、物理的加工物経路1604に設けられた溝956上で集束する横断隆条パターンを除き、図9Aに関連して上述した設計と類似する。流体が溝へと分配されている様子が図示されている。
【0075】
上述した純粋に斜めの機構は、斜めに移動する毛細分配管の先端を操舵する唯一の機構ではない。他には、スキップやホップによって導かれる隆条および溝のジグザグパターンを様々な間隔をおいて配置したピットなどがある。
【0076】
図13に示されるものと類似する引込機構などの整合ガイドや図8、図9A、および図9Bに示されるような復元機構を含むウェハのテクスチャ加工表面は、任意の適切な手段によって確立することができる。これらの機構のすべてではないが一部にとって有効な特に魅力的な一般的技術系統は、発明者Benjamin F.Polito、Holly G.Gates、およびEmanuel M.Sachsによって2009年4月17日に出願され、2009年10月22日にWO2009/128946号として公開されたPCT出願PCT/US2009/02423号表題「不規則表面の楔状インプリントパターニング」に記載されており、その全文は参照により本明細書に組み込まれている。これらの機構を利用した他の魅力的な技術はレーザスクライビングによるものである。
【0077】
PCT/US2009/02423のケースは、ウェハなどの加工物を覆うレジスト材料の薄層に可撓スタンプを押印することによって作製される光起電および他の用途のパターン化加工物を開示している。レジストは相を変更する、あるいは流動可能となり、押印位置から流れ出して、成形プロセス、一般的にはエッチングを受けていた加工物を露わにする。スタンプによって露出された部分は除去され、レジストによって保護された部分はそのまま残る。代表的な加工物はシリコンであり、代表的なレジストはワックスである。ここに記載の加工物テクスチャには、延長溝、別々に間隔をおいて配置されるピット、ならびにそれらの組み合わせおよび中間物がある。引込機構および復元力機構に関する本明細書に記載されるような追加のテクスチャも同様に設けることができる。メッキまたは回転パターニング装置を使用することができる。粗い、または不規則な加工物は、延長スタンプ要素によって適合させることができる。レジストは最初に加工物、次にスタンプ、またはほぼ同時に、別々の位置で、またはいずれかの表面全体で塗布することができる。レジストは所望により、加工物の湿気を完全に除去することができる。
【0078】
図10および図10Aに示されるように、速度向上のため、複数の毛細分配管1060a〜1060oを使用することができ、各毛細管は個々のフィンガ1060a〜1060oのための別個の溝1056に材料を分配する。たとえば、ウェハが100個のフィンガ1056を有する場合、1回の通過路で材料がウェハの100個のフィンガに分配されるように100個の毛細分配管1060を使用することができる。100個の毛細分配管を単独の列に配置することができる。または、より少ない数の管Yが概略的に示されている図10(22個)では、10回の通過路で材料が10×Y個のウェハのフィンガに分配されるようにY個の毛細分配管1060aを使用することができ、毛細分配管は通過路間に横方向に増加させられる。
【0079】
または、図27、図27A(端面図)および図27B(平面図)を参照して概略的に示されるように、毛細分配管2760の列は整列させることができ、各列は他の列に対して互いに横方向にずれているため(図27Aに示す)、加工物2740がアセンブリ全体のすべての列2760a〜2760cを通過した後は、すべての溝が処理されている。列は分配装置の相対移動方向に沿って間隔をおいて配置されるたとえば10、20、または25個の群に分割することができるが、加工物明瞭化のために3つの分配管の3つの列2760a、2760b、および2760cのみを図示する。しかしながら、分配管、上述のように各々が多くの分配管を伴う多くの列を設けることが可能である。
【0080】
図10Aは、スチール管1063から延在するポリマー毛細分配管1060を示す。スチール管1063は支持アセンブリ1065内に固定され、支持アセンブリ1065自体は図示されない相対移動駆動機構に結合されている。
【0081】
単独の毛細分配管であれ複数の毛細分配管であれ、多数のウェハを整列させて処理することによって速度を速めることができる。これは、(分配管が加工物上を往復動する場合)各往復動の移動の開始および終了時に毛細分配管を加速および減速させる場合に要する時間が、総処理時間の数分の1にまで低減されるという利点を備える。
【0082】
図10Aに示されるような複数の毛細分配管装置における課題は、管の径または長のわずかなバラツキ、または間に蓄積する堆積物の可能性にもかかわらず、分配管同士の間で流速を同一に維持することである。特に魅力的な方法は、各毛細管の温度を個々に制御することによって液体の流動学と流速を変更することである。これは、粘度が一般的に温度の上昇に伴って急減するペースト状材料にとって特に有効である。よって、特定管からの流速が低いと分かった場合は、管の温度を上昇させることができる。温度は、管の周囲の小型ヒータを作動させる、あるいは管上の灯を点灯させることによって変更することができる。管に蒸着される導電性被覆材を無線周波数コイルを介して結合させ、加熱することができる。もしくは、管上の薄導電膜を抵抗性ヒータとして使用することができる。そのような導電膜は、ポリマーおよびガラス管材料上に直接蒸着させることができる。絶縁層は金属管上に設けなければならない。流速は熱手段によって、ならびに、たとえば分配管の1領域の局所的熱源と管の下流の後段の温度測定装置との間の運航時間を測定することによって、あるいは既知の熱入力から生じる流体の温度上昇を測定することによって、その場で判定することができる。測定と制御は同じ装置によって実行することができる。
【0083】
代替的には、図11および図11Aを参照して概略的に示されるように、ウェハ1140a〜1140cなどの複数の加工物を、平坦面を有するドラム1170の面上に配置することができ、ドラムは矢印で表されるように1方向に連続的に回転する。その後、毛細分配管1160(図11A)は出たり入ったり(ウェハに近づいたり離れたり)しながらドラムのX軸(ドラムが回転する中心軸)と平行な方向に横進して、個々のウェハが横進する場合に必要な昇降を提供する。スチール管1163は毛細分配管1160を支持し、図11に概略的に示されるようにシリンジ外筒などの大容量本体1167に結合される。
【0084】
速度上昇は、図12に示されるような蛇行パターンの金属被覆フィンガ溝1256を作製して、単独の毛細分配管1260に略一定速度で蛇行溝全体に材料を分配させる(本図には引込機構は示されない)ことによっても達成することができる。
【0085】
反応液がウェハの縁部との接触を回避するという利点がある(主に電気分路を回避するため)。これまでに説明している通り、分配プロセスを実行すると、分配先端がウェハの縁部を超えて引きずられ、縁部を反応性流体に露出させる。代替的には、図13に概略的に示されるように、縁部をマスキング材料1382(たとえば紙テープ)の薄層でマスクして、液体がウェハの縁部に触れることを回避することができる。この層はウェハ表面に接着する必要はないが、接着しても構わない。縁部との整合は必須ではないが、マスクがフィンガ用の溝1356の引込機構1366全体を覆うことができない、あるいはその有効性を失うことになる。マスキング材料は使い捨て可能であっても、洗浄して再利用可能であってもよい。同じく電池の縁部での分配を防止するため、同じマスキングの概念を溝の端部でも採用することができる。電池の長に沿って延びる紙テープマスキング材料は、複数の毛細管を同時にマスクすることができる。もしくは、蛇行経路の実施形態では、1個の入口と1個の出口のみがマスクされる。
【0086】
毛細分配管の先端は、先端近傍の外表面に材料を蓄積させる場合がある。これは、毛細分配管の外表面に戻って湿らせる流体材料が原因となって起こる可能性がある。また、管と管が分配中にたどる溝の縁との間の毛細管作用の結果である可能性もある。分配される材料の縁部を常に十分に画定しておくように、分配管の外表面を周期的に洗浄することが有効である。そのような洗浄は、単独で、あるいは組み合わせていくつかの手段によって達成することができる。1つの方法は、先端に材料のストリップまたはパッドを横切らせることである。たとえば、図13に関連して上述されたマスキング材料1382は、先端を洗浄する機能を果たすこともできる。マスキング材料1382は、毛細管の外側からの材料の除去を補助するため、わずかな表面粗度を有する吸収性材料から作製することができる。その後、除去される材料はマスキング材料に吸収される。たとえば、十分な吸収度を備える紙または不織ポリマー布が機能する。この手法は、分配管が加工物を渡る各通過路前に先端が洗浄されるという利点を備える。代替的には、洗浄ストリップまたはパッドは追加の材料片とすることができ、マスキングストリップに一体化させなくてもよい。
【0087】
先端は、たとえば加工物に隣接して配置される超音波の洗浄槽1386に周期的に浸漬して洗浄することもできる。毛細分配管1360は点線と矢印で示される経路に沿って移動させることができる。また、たとえば相対移動装置241(図2)の垂直運動によって液体槽1386に明確に浸漬させる、あるいは、設計者が分配管1360の可撓性を利用して、毛細分配管が液体タンクにある場合に、先端が液体1386内に沈むように移動経路を構成することができる。毛細分配管がタンクの外縁1388に近接するほど、管は屈折し、その後液体1386に達すると、液体に浸かり、超音波発生装置1390の作用によって洗浄される。管は点線に沿って前進し続け、タンクの内側縁1392に遭遇すると、最終的に液体から出現して加工物に向かうように引っ張られる。そのような超音波洗浄ステーションは加工物の1方または両方の縁に沿って配置することができる。浸漬時間は短時間でもよく、運動が阻害されないように1秒未満でもよい。
【0088】
図14は、断面が変動する金属被覆フィンガ用の溝1446を有するウェハ1440などの加工物を概略的に示す。溝の単位長さ当たりに分配される流体の量は、ウェハに対する分配先端の速度を変更する、あるいは分配圧力を調節することによって正確な制御で変更することができる。金属被覆フィンガによって搬送される電流はバスワイヤ1444(集電点1445)に近接するほど高くなるため、金属被覆フィンガの断面を変更する手段が望ましい。幅広い金属被覆フィンガ1446により、低減される抵抗電力損失とセル領域のシェーディングとの間のトレードオフを最適化するためには、バスワイヤに近いほど断面が大きくなる金属被覆フィンガの形状が有利である。電力損失は電流の自乗に比例してバスワイヤに向かって線形に増加するため、理想的な形状は上から見た場合に放物線状である。
【0089】
分配される流体の流速上昇は、毛細管作用による溝内での流体の保持を確保するためフィンガ幅を増加させることで適応することができる。
【0090】
加工物である別個のウェハ上に太陽電池を作製するという状況で方法を説明してきた。この方法は、より大きなフォーマットの加工物、さらには連続的なロール用途にも適用することができる。また、太陽電池の作製以外の電子用途にも適用することができる。
【0091】
上述の実施形態では、トラッキングのために必須の撓み性を備えた、分配先端の物理的位置決めを提供する可撓性要素と流体保持導管とは1つであり、同一であるが、これは本明細書に開示される発明の必須の特徴ではない。場合によっては、別個の流体担持導管が分配端で装着されるワイヤまたは他の純粋に機械的要素による可撓性の位置決めを提供するのが有利な場合がある。たとえば、いくつかの分配される材料は、必要な可撓性と摩耗特性を有する管と化学的に共存できない場合がある。たとえば、侵襲性材料は、PTFEなどの軟質な不活性管を通じて分配することができ、分配管は金属、石英、またはカーボンファイバなどで構成される固体ロッドなどのより適切な可撓性位置決め機構と分配端で結合することができる。図30を参照すると、トラッキング端3081および支持端3082を有する可撓性位置決め要素3080が流体分配導管3060の分配端3061とトラッキング端で結合されるため、トラッキング端3081は加工物3040の溝3056をたどり、分配端3061は流体を溝3056に分配する。導管3060のソース端は流体タンク3090に流体結合される。
【0092】
多くの場合、分配管は径が小さく、本明細書に記載されるような小規模の機構に対処するために使用される。このため、毛細管という用語が、本開示において広範に使用されている。しかしながら、本発明の実装規模は様々であり、より大きな機構が毛細管ではなく単に管と称され得る大型管によって対処され得ると理解される。
【0093】
本開示は2つ以上の発明を記載し、開示している。本発明は、出願された、ならびに本開示に基づく特許出願の手続き中に開発された請求項および関連文献に記載されている。発明者は、後で判定されるように、従来技術によって認められる限界まで各種発明のすべてを請求することを意図している。本明細書に記載される機構は必ずしも本明細書に開示される各発明にとって必須ではない。よって、発明者は、本明細書に記載されているが、本開示に基づく特許の特定の請求項では請求されていない機構は、そのような請求項のいずれにも組み込まれるべきではない。
【0094】
たとえば、各々の温度を独立して、あるいは少数の群で制御する手段を有する複数の可撓管を使用する発明は、他の任意の発明、特に任意の種類のトラッキング機構または整合ガイドの発明と独立して使用することができる。蛇行溝は、引込機構または復元機構を伴わずに加工物内で使用することができる。
【0095】
本明細書ではいくつかのハードウェアアセンブリまたはステップ群が発明と称されている。しかしながら、これは、一つの特許出願で審査される発明の数、すなわち発明の単一性に関する法および諸規則によって具体的に定められるような必然的に特許可能な明確な発明であることを認めるものではない。発明の実施形態を語る近道とあることを意図するものではない。
【0096】
要約書が本明細書と共に出願されている。この要約は、審査官および他のサーチャーが技術的開示の主題を迅速に確認することができる要約を要求する規則に対応するために提供されていることを強調しておく。要約は、特許庁規則によって定められるように、請求項の範囲または意味を解釈したり制限したりするために使用されないという認識の下で出願されている。
【0097】
上記の説明は例示的なものと理解すべきであって、いかなる意味においても限定的なものとみなすべきではない。本発明は好適な実施形態を参照して具体的に図示され記載されているが、当業者であれば、請求項によって定義される本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であると理解するであろう。
【0098】
下記請求項におけるすべての手段またはステップおよび機能要素の対応する構造、材料、作用、および等価物は、具体的に請求される他の構成要素と組み合わせて機能を実行する任意の構造、材料、または作用を含むことが意図される。
【0099】
[技術思想の概要(SUMMARY)]
異なるレベルの組み合わせの装置および方法を含め、多くの発明を本明細書に開示する。
【0100】
本発明の基本的な実施形態は液体含有材料を半導体加工物のテクスチャ加工表面に分配する装置であって、該装置は支持端および分配端を有する可撓管を備え、分配端は機械的トラッキング機構を備える。
【0101】
関連の実施形態は可撓管よりも可撓性の低い本体をさらに備えることができ、可撓管の支持端は非可撓体に固定され流体結合される。
【0102】
重要な実施形態では、トラッキング機構は管の断面範囲の少なくとも1つの端部に突起を備える。突起は耐摩耗材料および/または磁性吸着材料を備えることができる。
【0103】
突起は可撓管に固着する本体を備えることができる。突起は、可撓管が形成されるものと同じ材料で少なくとも部分的に形成される可撓管と一体になった本体を備えることができる。
【0104】
可撓管は長軸と長軸に略垂直な水平範囲とを有する。トラッキング機構は一般的に、管の水平範囲よりも小さい水平範囲を有する。
【0105】
有用な実施形態では、トラッキング機構が少なくとも1つの断面範囲の対向端において突起している2つのトラッキング機構を備える、または2つの直交断面範囲の対向端に1つずつ計4つの突起を有することができる。トラッキング機構が、管の外側に沿った1、2、または4本の線に沿って、管の外側に沿って可撓管の軸に略平行な延長リブを備えることができる。
【0106】
他の関連の実施形態は、第1の断面範囲に垂直な断面範囲よりも大きい第1の断面範囲を有する断面を備えた分配端を有することができる。大きい方の断面範囲は好都合なことに、加工物の面に略垂直に配置することができる。本実施形態では、可撓管の分配端は、第1の断面範囲の一端に突起を有する断面形状を有する。
【0107】
これらの実施形態の多くでは、分配端は、斜面、突出部を有する主要部、円、楕円、および部分的平坦円から成る群より選択される形状を取ることができる。
【0108】
一般的に、可撓管の可撓性は、分配端のたどる物理的に非拘束な分配端経路と物理的加工物経路との間の誤差にもかかわらず、管の分配端が物理的加工物経路を機械的にたどることができるように選択される。
【0109】
可撓管は、ポリマー、ポリイミド、ガラス、石英、金属、およびステンレス鋼から成る群より選択される材料を備えることができる。可撓管は被覆管であってもよい。
【0110】
一般的に複数の追加の可撓管は、各々が管支持体に固定される。その場合、温度制御装置が複数の管の各々に熱結合され、各温度制御装置は個々に制御可能である。たとえば、各温度制御装置は個々の管上で点灯するように位置決めされる灯を備えることができ、各管は導電性被覆材を備えることができる。各温度制御装置は無線周波数コイルとすることができる。
【0111】
一般的に、可撓管の分配端は、管と加工物間の相対移動の方向と略平行な成分を有する第1の寸法に沿って配置される範囲を有する断面を有し、その範囲は第1の寸法と垂直である分配端の第2の範囲よりも大きい。
【0112】
概して、可撓管の可撓性により、管の分配端は平坦面経路からの物理的加工物経路の逸脱を追従することができる。
【0113】
本発明の重要な関連の実施形態は、液体含有材料を半導体加工物のテクスチャ加工表面に分配する装置である。該装置は、加工物を支持するように構成された加工物支持体と、相対移動装置と、支持端および分配端を有する可撓分配管(上に概略)とを備え、分配端がトラッキング機構を備え、支持体が管支持体を関して相対移動装置に結合される。相対移動装置は、物理的分配端経路に沿って管の分配端を加工物支持体に対して相対移動させるように構成され、管の可撓性は、上記相対移動後、管の分配端が、支持体によって支持される加工物のテクスチャ加工表面上の物理的加工物経路を機械的にたどるように選択される。トラッキング機構は、加工物のテクスチャ加工表面によって画定される物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にすることができる。管はその分配端で非円形断面を有することができる。
【0114】
管は、先行する重要な実施形態に関連して上述した追加の機構のいずれを有することもできる。
【0115】
加工物を支持し、磁性吸着材料に吸着される本体を設けることもできる。突起は永久磁気モーメントを保持する磁性材料を備えることができる。
【0116】
物理的加工物経路は最小固有幅を有し、トラッキング機構は物理的加工物経路の最小固有幅よりも小さい固有幅を有する。管は、物理的加工物経路の固有幅の約10倍未満の径を有効に有することができる。
【0117】
材料送達装置は可撓管に結合し、液体含有材料を可撓管に送達するように構成することができる。材料送達装置は計量ポンプを備えることができる。または、材料送達装置は、分配管の支持端に流体結合される、加圧された量の材料を備えることができる。
【0118】
加工物支持体は、相互に固定される少なくとも2つの加工物を保持し、各々の物理的加工物経路が略同一直線状にある器具を備えることができる。その器具はドラムを備えることができ、加工物はドラム周囲のステーションに配置される。
【0119】
好都合なことに、加工物支持体に隣接して、洗浄液の槽を設けることもできる。
【0120】
本明細書に記載される本発明の非常に重要な実施形態は液体含有材料が蒸着されるパターン化加工物であり、加工物は第1の表面を有する半導体本体と、第1の表面の境界を成す周縁と、第1の表面上に垂直寸法よりも長い寸法を有する少なくとも1つの溝を備える物理的加工物経路と、を備え、加工物は少なくとも1つの整合ガイドをさらに備える。
【0121】
本実施形態では、液体含有材料は分配端を有する分配管によって蒸着される。少なくとも1つの溝は、分配端を機械的にたどり、溝の長手寸法に垂直な方向に分配端を溝から分離させようとする力と対向する復元力を分配管に印加するように選択される寸法と形状を有する。少なくとも1つの溝は複数の略平行溝を備えることができる。または、少なくとも1つの溝は、少なくとも1回方向を逆転させる蛇行溝を備えることができる。蛇行溝の少なくとも1つの端部にマスクを設けることができる。
【0122】
少なくとも1つの溝が2つの端部を有する場合、各上記端部にマスクを設けることができる。
【0123】
概して、少なくとも1つの整合ガイドは溝の少なくとも1つの端部に引込機構を備えることができ、上述のように、少なくとも1つの溝は複数の平行溝を備えることができる。引込機構は、開放三角スペース、シェブロン、楔、物理的加工物経路と一点で接する一対の弧、および一対の角度付き溝から成る群より選択される機構を備えることができる。
【0124】
さらに、(または代替的には)本発明の非常に有益な実施形態では、少なくとも1つの整合ガイドは、物理的加工物経路に沿って隣接する複数の復元機構を含め、物理的加工物経路に隣接する復元機構を備える。復元機構は、加工物経路に対して斜めの溝、および加工物経路に対して斜めの線に沿って配置されるピットから成る群より選択される機構を備えることができる。
【0125】
別の関連の実施形態の場合、発明は、溝のうち少なくとも1つが2つの端部を有し、各端部の幅が2つの端部間の位置での幅よりも小さい加工物である。
【0126】
別の実施形態では、上から見た場合に、少なくとも1つの溝が放物曲線の一部に追従する。
【0127】
本発明の極めて望ましい実施形態は、シリコンなどの、太陽光集光装置として適した半導体本体である。
【0128】
さらに別の発明はパターン化半導体製品であって、該半導体製品は、第1の表面を有する半導体本体と、第1の表面の境界を成す周縁と、第1の表面上に垂直寸法よりも長い寸法を有する少なくとも1つの溝とを備え、加工物は少なくとも1つの整合ガイドをさらに備え、溝は実質的にその全長に沿って金属被覆を有する。少なくとも1つの溝は好都合なことに複数の略平行溝を備えることができ、その各々または多くが金属被覆を有することができる。または、少なくとも1つの溝は少なくとも1回方向を逆転させる蛇行溝を備える。本体は当然ながら太陽光集光装置とすることができる。
【0129】
金属被覆を有する複数の平行溝は金属被覆フィンガを備えることができる。興味深い実施形態では、フィンガよりも幅広いバスワイヤ金属被覆が少なくとも1つのフィンガと交差する。金属被覆フィンガは有利なことに、金属被覆フィンガの少なくとも1つの端部よりも、バスワイヤが交差する箇所で大きな断面積を有することができる。
【0130】
本実施形態では、上述した他の実施形態と同様、少なくとも1つの整合ガイドは、溝の少なくとも1つの端部に引込機構を備えることができる。引込機構は、シェブロン、楔、物理的加工物経路と一点で接する複数対の弧、複数対の角度付き溝、開放三角スペースから成る群より選択される機構を備えることができる。
【0131】
少なくとも1つの整合ガイドは、さらに、または代替的には、少なくとも1つの溝に隣接する復元機構、一般的には溝に沿って隣接する複数の復元機構を備えることができる。
【0132】
さらに別の非常に重要な発明は、半導体加工物のテクスチャ加工表面に液体含有材料を提供する方法である。該方法は、物理的加工物経路を画定するテクスチャ加工表面を有する半導体加工物を設けるステップと、支持端および分配端を有する可撓管を設けるステップであって、分配端が物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされるステップと、可撓管の分配端と物理的加工物経路とを係合させるステップと、分配端とテクスチャ加工表面間に正の接触力を確立するステップと、液体含有材料を可撓管に供給して、液体含有材料を管から加工物のテクスチャ加工表面へと分配させるステップと、液体含有材料が加工物上を物理的加工物経路に沿って分配される間、物理的に非拘束な分配端経路に沿って、加工物経路に対して管の分配端を相対移動させるステップと、を備える。
【0133】
相対移動させるステップは、物理的に非拘束な分配端経路が物理的加工物経路から誤差ε分それて、管の可撓性が誤差εにもかかわらず、管の分配端が物理的加工物経路を機械的にたどるように選択されるように上記運動を起こさせることを備えることができる。
【0134】
正の接触力を確立するステップは、管および加工物が接触した後、可撓管の支持端をテクスチャ加工表面に向けてさらに前進させることによって、可撓管の分配端にテクスチャ加工表面に向かう予荷重を与え、管を屈曲させることを備えることができる。
【0135】
代替的には、あるいは追加的には、正の接触力を確立するステップは、可撓管とテクスチャ加工表面経路とが互いに向かって引き付け合う磁力を確立することを備えることができる。
【0136】
代表的な実施形態では、物理的加工物経路は溝を備える。
【0137】
概して、加工物経路に対応して少なくとも1つの整合ガイドが設けられる。少なくとも1つの整合ガイドは1つまたはそれ以上の復元機構を備えることができる。
【0138】
少なくとも1つの整合ガイドが、シェブロン、楔状凹部、三角凹部、一対の物理的加工物経路と一点で接する一対の弧、および一対の角度付き溝から成る群より選択される一般的な引込機構を備えることができる。
【0139】
本発明の別の重要な形状では、加工物はさらに縁部を備え、それに向かって加工物経路が延在する。縁部に隣接する加工物の部分を少なくともも加工物経路まで覆うマスキング材料を設けることができる。その場合、相対移動させるステップは、加工物経路に沿って、マスキング材料上に管支持体端を移動させることを含むことができ、さらに、液体含有材料を分配するステップは、材料がマスキング材料上に分配されるように分配端がマスキング材料上にある間に実行される。
【0140】
1つの箇所の加工物の相対移動速度を別の箇所と比較して変動させることができる。
【0141】
管の分配端を、1つの加工物経路に沿って通過した後、および別の加工物経路に沿って通過させられる前に、洗浄槽を通過させることが有用であることが多い。
【0142】
液体含有材料の流れを圧力の印加によって好適に調節することができる。
【0143】
もっとも一般的なケースでは、少なくとも2つの加工物が設けられ、各々の物理的加工物経路が同一直線状となるように整列され、相対移動させるステップが、管の支持端と少なくとも2つの加工物の各々との間の相対移動を同時に起こさせることと、可撓管の分配端と、少なくとも2つの加工物のうち最初の加工物の物理的加工物経路とを、次に少なくとも2つの加工物のうち別の加工物の物理的加工物経路とを、最初の加工物に隣接する移動端で分配管を実質上減速させずに、および少なくとも2つの加工物の別の加工物に隣接して分配管を加速させずに係合させることと、を備える。
【0144】
[発明の態様(ASPECTS OF INVENTIONS)]
以下の本発明の態様は本明細書に記載されることを目的とし、このセクションはそれらの態様が言及されることを確保するものである。それらは態様と称され、請求項に類似するように見えるが、請求項ではない。しかしながら、未来のいずれかの時点で、出願人は本願または任意の関連出願においてこれらの態様のいずれかまたは全部を請求する権利を保有する。
【0145】
A1.半導体加工物のテクスチャ加工表面に液体含有材料を分配する装置であって、
a.加工物を支持するように構成された加工物支持体と、
b.相対移動装置と、
c.支持端および分配端を有する可撓分配管であって、分配端がトラッキング機構を備え、支持体が管支持体を通じて相対移動装置に結合される可撓分配管と、
d.物理的に非拘束な分配端経路に沿って加工物支持体に対して管の分配端を相対移動させるように構成された相対移動装置であって、管の可撓性が、トラッキング機構と支持体によって支持される加工物のテクスチャ加工表面の物理的加工物経路との係合、および相対移動装置の始動後に、管の分配端が物理的加工物経路を機械的にたどるように選択される相対移動装置と、
を備える装置。
【0146】
A2.トラッキング機構が、加工物のテクスチャ加工表面によって画定される物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされる態様1の装置。
【0147】
A3.管がその分配端で非円形断面を有する態様1の装置。
【0148】
A4.可撓管よりも可撓性の低い本体をさらに備え、可撓管の支持端が非可撓体に固定され流体結合される態様1の装置。
【0149】
A5.トラッキング機構が、管の断面範囲の少なくとも1つの端部に突起を備える態様1の装置。
【0150】
A6.突起が耐摩耗材料を備える態様5の装置。
【0151】
A7.突起が磁性吸着材料を備える態様5の装置。
【0152】
A8.磁性吸着材料に吸着され、磁性吸着材料を支持体に引き付けるように配置される本体をさらに備える態様7の装置。
【0153】
A9.突起が永久磁気モーメントを保持する磁性材料を備える態様5の装置。
【0154】
A10.突起が可撓管に固着する本体を備える態様5の装置。
【0155】
A11.突起が、可撓管が形成されるものと同じ材料で少なくとも部分的に形成される可撓管と一体の本体を備える態様5の装置。
【0156】
A12.可撓管が長軸と長軸に略垂直な水平範囲とを有し、トラッキング機構が管の水平範囲よりも小さい水平範囲を有する態様5の装置。
【0157】
A13.物理的加工物経路が最小固有幅を有し、トラッキング機構が物理的加工物経路の最小固有幅よりも小さい固有幅を有する態様5の装置。
【0158】
A14.物理的加工物経路が固有幅を有し、管が物理的加工物経路の固有幅の約10倍未満の径を有する態様5の装置。
【0159】
A15.トラッキング機構が2つのトラッキング機構を備え、各トラッキング機構が少なくとも1つの断面範囲の対向端の突起である態様5の装置。
【0160】
A16.トラッキング機構が、2つの直交断面範囲の対向端に1つずつ計4つの突起を有する態様15の装置。
【0161】
A17.トラッキング機構が管の外側に沿って可撓管の軸に略平行な延長リブを備える態様1の装置。
【0162】
A18.トラッキング機構が管の対向面に沿った延長リブを備える態様17の装置。
【0163】
A19.分配端が、第1の断面範囲を有し、その第1の断面範囲が第1の断面範囲に垂直な断面範囲よりも大きい断面を有する態様1の装置。
【0164】
A20.大きい方の断面範囲が加工物の面に略垂直に配置される態様19の装置。
【0165】
A21.可撓管分配端が、第1の断面範囲の一端に突起を有する断面形状を有する態様19の装置。
【0166】
A22.分配端が、斜面、突出部を有する主要部、円、楕円、および部分的平坦円から成る群より選択される形状を有する態様1の装置。
【0167】
A23.可撓管の可撓性が、物理的加工物経路と物理的に非拘束な分配端経路との間の誤差にもかかわらず、管の分配端が物理的加工物経路を機械的にたどることができるように選択される請求項1に記載の装置。
【0168】
A24.可撓管が、ポリマー、ポリイミド、ガラス、石英、金属、およびステンレス鋼から成る群より選択される材料を備える態様1の装置。
【0169】
A25.可撓管が被覆管を備える態様1の装置。
【0170】
A26.各々が管支持体に固定される複数の追加の可撓管をさらに備える態様1の装置。
【0171】
A27.複数の管の各々に熱結合される温度制御装置をさらに備える態様26の装置。
【0172】
A28.各温度制御装置が独立して制御可能な制御装置を備える態様27の装置。
【0173】
A29.各温度制御装置がヒータを備える態様27の装置。
【0174】
A30.各温度制御装置が個々の管上で点灯するように位置決めされる灯を備える態様28の装置。
【0175】
A31.各管が導電性被覆材を備える態様27の装置。
【0176】
A32.温度制御装置が無線周波数コイルを備える態様27の装置。
【0177】
A33.可撓管がポリイミド材料を備える態様1の装置。
【0178】
A34.可撓管が石英材料を備える態様1の装置。
【0179】
A35.可撓管の分配端が、管と加工物との間の相対移動の方向に略水平な成分を有する第1の寸法に沿って配置される範囲を有する断面を備え、その範囲が第1の寸法と垂直である分配端の第2の範囲よりも大きい態様1の装置。
【0180】
A36.可撓管の可撓性により、管の分配端が平坦面経路からの物理的加工物経路の逸脱を追従することができる態様1の装置。
【0181】
A37.可撓管に結合され、液体含有材料を可撓管に送達するように構成された材料送達装置をさらに備える態様1の装置。
【0182】
A38.材料送達装置が計量ポンプを備える態様37の装置。
【0183】
A39.材料送達装置が分配管の支持端に流体結合される、加圧された量の材料を備える態様37の装置。
【0184】
A40.加工物支持体が、相互に固定される少なくとも2つの加工物を保持し、各々の物理的加工物経路が略同一直線状にある器具を備える態様37の装置。
【0185】
A41.器具がドラムを備え、加工物がドラム周囲のステーションに配置される態様40の装置。
【0186】
A42.加工物支持体に隣接して、洗浄液の槽をさらに備える態様A1の装置。
【0187】
A43.液体含有材料を半導体加工物のテクスチャ加工表面に分配する装置であって、支持端および分配端を有する可撓管を備え、分配端が機械的トラッキング機構を備える装置。
【0188】
A44.トラッキング機構が、テクスチャ加工された加工物表面によって画定される物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされる態様43の装置。
【0189】
A45.管がその分配端で非円形断面を有する態様43の装置。
【0190】
A46.可撓管よりも可撓性の低い本体をさらに備え、可撓管の支持端が非可撓体に固定され流体結合される態様43の装置。
【0191】
A47.トラッキング機構が管の断面範囲の少なくとも1つの端部に突起を備える態様43の装置。
【0192】
A48.突起が耐摩耗材料を備える態様47の装置。
【0193】
A49.突起が磁性吸着材料を備える態様47の装置。
【0194】
A50.突起が磁性材料を備える態様47の装置。
【0195】
A51.突起が可撓管に固着する本体を備える態様47の装置。
【0196】
A52.突起が可撓管と一体の本体を備え、管を形成する材料から少なくとも部分的に形成される態様47の装置。
【0197】
A53.可撓管が長軸と長軸に略垂直な水平範囲とを有し、トラッキング機構が管の水平範囲よりも小さな水平範囲を有する態様47の装置。
【0198】
A54.路が最小固有幅を有し、トラッキング機構が物理的加工物経路の最小固有幅より小さい固有幅を有する態様47の装置。
【0199】
A55.物理的加工物経路が固有幅を有し、管が物理的加工物経路の固有幅の約10倍未満の径を有する態様47の装置。
【0200】
A56.トラッキング機構が2つのトラッキング機構を備え、各トラッキング機構が少なくとも1つの断面範囲の対向端の突起である態様47の装置。
【0201】
A57.トラッキング機構が、2つの直交断面範囲の対向端に1つずつ計4つの突起を有する態様56の装置。
【0202】
A58.トラッキング機構が、管の外側に沿って可撓管の軸に略平行な延長リブを備える態様43の装置。
【0203】
A59.トラッキング機構が管の対向面に沿った延長リブを備える態様58の装置。
【0204】
A60.分配端が、第1の断面範囲を有し、その第1の断面範囲が第1の断面範囲に垂直な断面範囲よりも大きい断面を有する態様43の装置。
【0205】
A61.可撓管の分配端が、第1の断面範囲の一端に突起を有する断面形状を有する態様60の装置。
【0206】
A62.分配端が、斜面、突出部、円、楕円、部分的平坦円、および1面に突起を有する形状から成る群より選択される形状を有する態様60の装置。
【0207】
A63.可撓管の可撓性が、分配端が追従する物理的に非拘束な分配端経路と物理的加工物経路との間の誤差にもかかわらず、管の分配端が物理的加工物経路を機械的にたどることができるように選択される態様43の装置。
【0208】
A64.可撓管が、ポリマー、ポリイミド、ガラス、石英、金属、ステンレス鋼から成る群より選択される材料を備える態様43の装置。
【0209】
A65.可撓管が被覆管を備える態様43の装置。
【0210】
A66.a.分配アセンブリと、
b.各々が分配アセンブリに固定される態様43に記載の複数の追加の装置と、
をさらに備える態様43の装置。
【0211】
A67.態様101に記載の複数の装置の各々に熱結合される温度制御装置をさらに備える態様66の装置。
【0212】
A68.各温度制御装置が独立して制御可能な制御装置を備える態様67の装置。
【0213】
A69.各温度制御装置がヒータを備える態様67の装置。
【0214】
A70.各温度制御装置が、個々の管上で点灯するように位置決めすることのできる灯を備える態様68の加工物。
【0215】
A71.各管が導電性被覆材を備える態様67の装置。
【0216】
A72.温度制御装置が無線周波数コイルを備える態様67の装置。
【0217】
A73.液体含有材料が蒸着されるパターン化加工物であって、
a.第1の表面を有する半導体本体と、
b.第1の表面の境界を成す周縁と、
c.第1の表面に垂直寸法よりも長い寸法を有する少なくとも1つの溝を備える物理的加工物経路と、
を備え、少なくとも1つの整合ガイドをさらに備える加工物。
【0218】
A74.液体含有材料が分配端を有する分配管によって蒸着され、少なくとも1つの溝が、分配端を機械的にたどり、溝の長手寸法に垂直な方向に分配端を溝から分離させようとする任意の力と対向する復元力を分配管に印加するように選択される寸法と形状を有する態様73の加工物。
【0219】
A75.少なくとも1つの溝が複数の略平行溝を備える態様73の加工物。
【0220】
A76.少なくとも1つの溝が、少なくとも1回方向を逆転させる蛇行溝を備える態様73の加工物。
【0221】
A77.蛇行溝の少なくとも1つの端部にマスクをさらに備える態様76の加工物。
【0222】
A78.少なくとも1つの整合ガイドが溝の少なくとも1つの端部に引込機構を備える態様73の加工物。
【0223】
A79.少なくとも1つの溝が複数の平行溝を備える態様78の加工物。
【0224】
A80.引込機構が、開放三角スペース、シェブロン、楔、物理的加工物経路と一点で接する弧、および一対の角度付き溝Δから成る群より選択される機構を備える態様78の加工物。
【0225】
A81.少なくとも1つの整合ガイドが物理的加工物経路に隣接する復元機構を備える態様73の加工物。
【0226】
A82.少なくとも1つの整合ガイドが、物理的加工物経路に沿って隣接する複数の復元機構を備える態様81の加工物。
【0227】
A83.復元機構が、加工物経路に対して斜めの溝、および加工物経路に対して斜めの線に沿って配置されるピットから成る群より選択される機構を備える態様81の加工物。
【0228】
A84.少なくとも1つの溝が各々2つの端部を有し、各上記端部にマスクをさらに備える態様73の加工物。
【0229】
A85.溝のうち少なくとも1つが2つの端部を有し、各端部の幅が2つの端部間の位置での幅よりも小さい態様73の加工物。
【0230】
A86.少なくとも1つの溝が上から見た場合に放物曲線の一部を追従する態様73の加工物。
【0231】
A87.半導体本体が太陽光集光装置として適した半導体を備える態様73の加工物。
【0232】
A88.半導体がシリコンを備える態様73の加工物。
【0233】
A89.パターン化半導体製品であって、
a.第1の表面を有する半導体本体と、
b.第1の表面の境界を成す周縁と、
c.第1の表面に垂直寸法よりも相対的に長い寸法を有する少なくとも1つの溝と、
を備え、加工物が少なくとも1つの整合ガイドをさらに備え、溝が実質的にその全長に沿って金属被覆を有するパターン化半導体製品。
【0234】
A90.少なくとも1つの溝が複数の略平行溝を備える態様89の半導体製品。
【0235】
A91.少なくとも1つの溝が、少なくとも1回方向を逆転させる蛇行溝を備える態様89の半導体製品。
【0236】
A92.少なくとも1つの整合ガイドが溝の少なくとも1つの端部に引込機構を備える態様89の半導体製品。
【0237】
A93.引込機構が、シェブロン、楔、物理的加工物経路と一点で接する弧、および複数対の角度付き溝から成る群より選択される機構を備える態様92の半導体製品。
【0238】
A94.少なくとも1つの整合ガイドが、少なくとも1つの溝に隣接する復元機構を備える態様89の半導体製品。
【0239】
A95.少なくとも1つの整合ガイドが、溝に沿って隣接する複数の復元機構を備える態様94の半導体製品。
【0240】
A96.金属被覆を有する複数の平行溝が金属被覆フィンガを備え、少なくとも1つのフィンガと交差する、フィンガよりも幅広いバスワイヤ金属被覆をさらに備える態様90の半導体製品。
【0241】
A97.金属被覆フィンガが、金属被覆フィンガの少なくとも1つの端部よりも、バスワイヤが交差する箇所でより大きな断面積を有する態様96の半導体製品。
【0242】
A98.本体が太陽光集光装置を備える態様89の半導体本体。
【0243】
A99.液体含有材料を半導体加工物のテクスチャ加工表面に提供する方法であって、
a.物理的加工物経路を画定するテクスチャ加工表面を有する半導体加工物を設けるステップと、
b.支持端および分配端を有する可撓管を設けるステップであって、分配端が物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされるステップと、
c.可撓管の分配端と物理的加工物経路とを係合させるステップと、
d.分配端とテクスチャ加工表面間に正の接触力を確立するステップと、
e.液体含有材料を可撓管に供給して、液体含有材料を管から加工物のテクスチャ加工表面へと分配させるステップと、
f.液体含有材料が加工物上を物理的加工物経路に沿って分配される間、分配端が物理的加工物経路を機械的にたどるように加工物経路に対して管の分配端を相対移動させるステップと、
を備える方法。
【0244】
A100.相対移動させるステップが、分配端に、物理的加工物経路から誤差分だけそれる物理的に非拘束な分配端経路を追従させ、誤差にかかわらず、管の分配端が物理的加工物経路を機械的にたどるように管の可撓性が選択されることを備える態様99の方法。
【0245】
A101.正の接触力を確立するステップが、管および加工物が接触した後、可撓管の支持端をテクスチャ加工表面にさらに向けて前進させることによって、可撓管の分配端にテクスチャ加工表面に向かう予荷重を与え、管を屈曲させることを備える態様99の方法。
【0246】
A102.正の接触力を確立するステップが、可撓管とテクスチャ加工表面経路とが互いに向かって引き付け合う磁力を確立することを備える態様99の方法。
【0247】
A103.物理的加工物経路が溝を備える態様99の方法。
【0248】
A104.加工物経路に関連した少なくとも1つの整合ガイドをさらに備える態様99の方法。
【0249】
A105.少なくとも1つの整合ガイドが引込機構を備える態様104の方法。
【0250】
A106.少なくとも1つの整合ガイドが復元機構を備える態様104の方法。
【0251】
A107.引込機構が、凸状シェブロン、楔状凹部、三角凹部、物理的加工物経路と一点で接する弧、および接触する一対の角度付き溝から成る群より選択される態様105の方法。
【0252】
A108.加工物が、
a.加工物経路が向かって延在する縁部と、
b.縁部に隣接する加工物の部分を少なくとも加工物経路まで覆うマスキング材料と、
をさらに備える態様99の方法。
【0253】
A109.1つの箇所の加工物の相対移動速度を別の箇所と比較して変動させるステップをさらに備える態様99の方法。
【0254】
A110.相対移動させるステップが、加工物経路に沿って、マスキング材料上に管支持体端を移動させることを含むことを備え、液体含有材料を分配するステップが、分配端がマスキング材料上にある間に、材料がマスキング材料上に分配されるように実行される態様108の方法。
【0255】
A111.管の分配端を、ある1つの加工物経路に沿って通過した後、および別の加工物経路に沿って通過させられる前に、洗浄槽を通過させるステップをさらに備える態様108の方法。
【0256】
A112.圧力の印加によって液体含有材料の流れを調節することをさらに備える態様99の方法。
【0257】
A113.少なくとも2つの加工物を設け、各々の物理的加工物経路が略同一直線状となるように整合させるステップをさらに備え、相対移動させるステップが、管の支持端と少なくとも2つの加工物の各々との間の相対移動を同時に起こさせることと、可撓管の分配端と、少なくとも2つの加工物のうち最初の加工物の物理的加工物経路とを、次に少なくとも2つの加工物のうち別の加工物の物理的加工物経路とを、最初の加工物に隣接する移動端で分配管を大幅には減速させず、かつ少なくとも2つの加工物の別の加工物に隣接して分配管を加速させずに係合させることと、を備える態様99の方法。
【0258】
A114.
加工物経路が蛇行経路を備え、相対移動させるステップが、略一定の速度分布を有する相対移動を起こさせることを備える態様99の方法。
【0259】
本明細書に開示される発明について説明したが、請求の範囲は以下の通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体加工物のテクスチャ加工表面に液体含有材料を分配する装置であって、
a.加工物を支持するように構成された加工物支持体と、
b.相対移動装置と、
c.支持端および分配端を有する可撓分配管であって、前記分配端がトラッキング機構を備え、前記支持端が管支持体を介して前記相対移動装置に結合される可撓分配管と、
d.物理的に非拘束な分配端経路に沿って前記加工物支持体に対して前記管の前記分配端を相対移動させるように構成された前記相対移動装置であって、
前記トラッキング機構と、前記支持体によって支持される加工物のテクスチャ加工表面の物理的加工物経路との係合、および前記相対移動装置の始動後に、前記管の分配端が前記物理的加工物経路を機械的にたどるように、前記管の可撓性が選択される前記相対移動装置と、
を備える装置。
【請求項2】
前記トラッキング機構が、前記加工物の前記テクスチャ加工表面によって画定される前記物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記トラッキング機構が、前記管の断面範囲の少なくとも1つの端部に突起を備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記物理的加工物経路が最小固有幅を有し、前記トラッキング機構が前記物理的加工物経路の最小固有幅よりも小さい固有幅を有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記物理的加工物経路が固有幅を有し、前記管が前記物理的加工物経路の固有幅の約10倍未満の最大断面範囲を有する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記物理的加工物経路と前記物理的に非拘束な分配端経路との間の誤差にもかかわらず、前記管の分配端が前記物理的加工物経路を機械的にたどるように前記可撓管の可撓性が選択されている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
各々が前記管支持体に固定される複数の追加の可撓管を更に備えてなる請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記加工物支持体が、相互に固定される少なくとも2つの加工物を保持して各々の物理的加工物経路が略同一直線状にあるようにする器具を備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
液体含有材料を半導体加工物のテクスチャ加工表面に分配する装置であって、
支持端および分配端を有する可撓管を備え、前記分配端が機械的トラッキング機構を備える装置。
【請求項10】
前記トラッキング機構が、テクスチャ加工された加工物表面によって画定される物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされている請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記管がその分配端に非円形断面を有する請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記トラッキング機構が、前記管の断面範囲の少なくとも1つの端部に突起を備える請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記突起が耐摩耗材料を備える請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記突起が磁性吸着材料を備える請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記可撓管が長軸と該長軸に略垂直な水平範囲とを有し、前記トラッキング機構が前記管の水平範囲よりも小さな水平範囲を有する請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記トラッキング機構が2つのトラッキング機構を有し、各トラッキング機構が少なくとも1つの断面範囲の対向端の突起である請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記トラッキング機構が前記管の外側に沿って前記可撓管の軸に略平行な延長リブを備える請求項9に記載の装置。
【請求項18】
前記可撓管が、ポリマー、ポリイミド、ガラス、石英、金属、およびステンレス鋼から成る群より選択される材料を備える請求項9に記載の装置。
【請求項19】
液体含有材料が沈着されるパターン化加工物であって、
a.第1の表面を有する半導体本体と、
b.前記第1の表面において、垂直寸法よりも長い寸法を有する少なくとも1つの溝を具備する物理的加工物経路と、
を備え、
少なくとも1つの整合ガイドを更に備えてなる加工物。
【請求項20】
前記少なくとも1つの溝が複数の略平行溝を備える請求項19に記載の加工物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの整合ガイドが前記溝の少なくとも1つの端部に引込機構を備える請求項19に記載の加工物。
【請求項22】
前記少なくとも1つの溝が複数の略平行溝を備える請求項21に記載の加工物。
【請求項23】
前記引込機構が、開放三角スペース、シェブロン、楔、物理的加工物経路と一点で接する弧、および一対の角度付き溝から成る群より選択される機構を備える請求項21に記載の加工物。
【請求項24】
前記少なくとも1つの整合ガイドが物理的加工物経路に隣接する復元機構を備える請求項19に記載の加工物。
【請求項25】
前記少なくとも1つの溝が各々2つの端部を有し、前記少なくとも1つの上記端部においてマスクを更に備える請求項19の加工物。
【請求項26】
パターン化半導体製品であって、
a.第1の表面を有する半導体本体と、
b.前記第1の表面において、垂直寸法よりも長い寸法を有する少なくとも1つの溝と、
を備え、
前記加工物が少なくとも1つの整合ガイドをさらに備え、溝がその全長に沿って金属被覆を有する、パターン化半導体製品。
【請求項27】
前記少なくとも1つの溝が複数の略平行溝を備える請求項26に記載の半導体製品。
【請求項28】
前記少なくとも1つの整合ガイドが、前記溝の少なくとも1つの端部において引込機構を備える請求項26に記載の半導体製品。
【請求項29】
前記引込機構が、開放三角スペース、シェブロン、楔、物理的加工物経路と一点で接する弧、および一対の角度付き溝から成る群より選択される機構を備える請求項28に記載の半導体製品。
【請求項30】
前記少なくとも1つの整合ガイドが、前記少なくとも1つの溝に隣接する復元機構を備える請求項26に記載の半導体製品。
【請求項31】
液体含有材料を半導体加工物のテクスチャ加工表面に提供する方法であって、
a.物理的加工物経路を画定するテクスチャ加工表面を有する半導体加工物を提供するステップと、
b.支持端および分配端を有する可撓管を提供するステップであって、前記分配端が前記物理的加工物経路を機械的にたどるような寸法と形状にされている、ステップと、
c.前記可撓管の前記分配端と前記物理的加工物経路とを係合させるステップと、
d.前記分配端と前記テクスチャ加工表面との間に正の接触力を確立するステップと、
e.液体含有材料を前記可撓管に供給して、前記液体含有材料を前記管から前記加工物のテクスチャ加工表面へと分配させるステップと、
f.前記液体含有材料が前記加工物上を前記物理的加工物経路に沿って分配される間、前記分配端が前記物理的加工物経路を機械的にたどるように前記加工物経路に対して前記管の前記分配端を相対移動させるステップと、
を備える方法。
【請求項32】
前記相対移動させるステップが、前記分配端に、前記物理的加工物経路から誤差分だけそれる物理的に非拘束な分配端経路を追従させ、前記誤差にかかわらず、前記管の分配端が前記物理的加工物経路を機械的にたどるように管の可撓性が選択されること、を備える請求項31に記載の方法。
【請求項33】
正の接触力を確立するステップが、前記管および前記加工物が接触した後、前記可撓管の支持端を前記テクスチャ加工表面に向けてさらに前進させることによって、前記可撓管の分配端に前記テクスチャ加工表面に向かう予荷重を与え、前記管を屈曲させること、を備える請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記物理的加工物経路が溝を備える請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記管の分配端に、ある1つの加工物経路に沿って通過した後、および別の加工物経路に沿って通過させられる前に、洗浄槽を通過させるステップを更に備える請求項31に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30】
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【公表番号】特表2012−514532(P2012−514532A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544673(P2011−544673)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/020245
【国際公開番号】WO2010/080822
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510276685)1366 テクノロジーズ インク. (5)
【Fターム(参考)】