分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュール
【課題】省エネルギー効果の高い分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールを提供する。
【解決手段】分離プロセスモジュール100では、第1分岐路R1及び第2分岐路R2が入力流体を分岐して流す。合流路Wはこれらを合流して流す。分離器Sは、合流路Wを流れる入力流体を、第1出力流体と第2出力流体とに分離する。第1圧縮機C1は、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。第1熱交換器H1は、圧縮された第1出力流体と合流路Wを流れる入力流体との間で熱交換を行う。第2熱交換器H2は、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体と、第1分岐路R1を流れる入力流体との間で熱交換を行う。第3熱交換器H3は、分離器Sから出力された第2出力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体との間で熱交換を行う。
【解決手段】分離プロセスモジュール100では、第1分岐路R1及び第2分岐路R2が入力流体を分岐して流す。合流路Wはこれらを合流して流す。分離器Sは、合流路Wを流れる入力流体を、第1出力流体と第2出力流体とに分離する。第1圧縮機C1は、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。第1熱交換器H1は、圧縮された第1出力流体と合流路Wを流れる入力流体との間で熱交換を行う。第2熱交換器H2は、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体と、第1分岐路R1を流れる入力流体との間で熱交換を行う。第3熱交換器H3は、分離器Sから出力された第2出力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体との間で熱交換を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸留塔の塔頂蒸気を圧縮機で昇圧した後、再び蒸留塔に供給するように構成された蒸留装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。また、蒸留塔に、水を冷媒とするヒートポンプを連結した蒸留装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−33843号公報
【特許文献2】特開2000−246001号公報
【特許文献3】特公平6−9641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記蒸留装置の省エネルギー効果はいずれも不十分である。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、省エネルギー効果の高い分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明の分離プロセスモジュールは、第1成分及び前記第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される入力端と、前記入力端に入力された前記入力流体を分岐して流す第1分岐路及び第2分岐路と、前記第1分岐路を流れる前記入力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体とを合流して流す合流路と、前記合流路を流れる前記入力流体を、気体の前記第1成分を含む第1出力流体と、前記第2成分を含む第2出力流体とに分離する分離器と、前記分離器から出力された前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第1圧縮機と、前記第1圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体と、前記合流路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第1分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第3熱交換器と、前記第2熱交換器を通過した前記第1出力流体を出力する第1出力端と、前記第3熱交換器を通過した前記第2出力流体を出力する第2出力端と、を備える。
【0006】
本発明の分離プロセスモジュールでは、第1熱交換器において、合流路を流れる入力流体が、第1圧縮機によって圧縮された第1出力流体によって昇温される。また、第2熱交換器において、第1分岐路を流れる入力流体が、第1熱交換器を通過した第1出力流体によって昇温される。また、第3熱交換器において、第2分岐路を流れる入力流体が、第2出力流体によって昇温される。
【0007】
この場合、第1圧縮機によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になるが、合流路を流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。一方、第1出力流体を圧縮しない場合、合流路を流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要がある。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。よって、本発明の分離プロセスモジュールでは、省エネルギー効果が高くなる。
【0008】
また、本発明の分離プロセスモジュールでは、第1分岐路を流れる入力流体の流量と第2分岐路を流れる入力流体の流量との比を調整することによって、第2熱交換器における熱交換量と第3熱交換器における熱交換量の割合を調整することができる。
【0009】
また、前記分離器から出力される前記第1出力流体のエンタルピーと、前記分離器から出力される前記第2出力流体のエンタルピーとの和が、前記分離器に入力される前記入力流体のエンタルピーと同じであることが好ましい。これにより、分離プロセスモジュールを標準化されたモジュールとすることができる。
【0010】
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいることが好ましい。
【0011】
この場合、第1熱交換器において、第1圧縮機によって圧縮された第1出力流体が液化する際の潜熱を、合流路を流れる入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0012】
上記分離プロセスモジュールは、前記分離器と前記第1圧縮機との間に配置され、前記分離器から出力された前記第1出力流体を分岐する第1分岐部と、前記第1分岐部から出力され、気体の前記第1成分を含む前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、前記分離器と前記第3熱交換器との間に配置され、前記分離器から出力された前記第2出力流体を分岐する第2分岐部と、前記第2分岐部から出力された前記第2出力流体と、前記第2圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第4熱交換器と、を更に備え、前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第4熱交換器を通過した前記第2出力流体とが、前記分離器に入力されることが好ましい。
【0013】
分離器、第1分岐部、第2圧縮機、第2分岐部及び第4熱交換器を含む分離ユニットを閉じた系とした場合、第1出力流体及び第2出力流体を系外に出力すると共に、分離器から出力された第1出力流体及び第2出力流体を分離器に還流させることができる。その際、第4熱交換器において、第2出力流体が第1出力流体によって昇温される。第2圧縮機によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になるが、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。一方、第1出力流体を圧縮しない場合、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要がある。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0014】
また、分離器から出力された第1出力流体を、第2圧縮機によって圧縮する前に第1分岐部によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第1出力流体を無駄に圧縮する必要がない。よって、第2圧縮機による圧縮に必要なエネルギーを低減することができる。
【0015】
さらに、分離器から出力された第2出力流体を、第4熱交換器において昇温する前に第2分岐部によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第2出力流体を無駄に昇温する必要がない。よって、昇温に必要なエネルギーを低減することができる。
【0016】
前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいることが好ましい。
【0017】
この場合、第4熱交換器において、第2圧縮機によって圧縮された第1出力流体が液化する際の潜熱を、第2出力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0018】
前記分離器は、単段の分離器であってもよい。
【0019】
単段の分離器を用いると、分離器が安定するまでの待機時間が非常に短くなる。そのため、迅速に第1成分と第2成分とを分離することができる。また、1つの分離プロセスモジュールを用いてバッチ処理で種々の分離プロセスを繰り返すことができるので、複数の分離プロセスモジュールを使用する必要がない。
【0020】
本発明の集積分離プロセスモジュールは、本発明の第1分離プロセスモジュールと、本発明の第2分離プロセスモジュールと、本発明の第3分離プロセスモジュールと、を備え、前記第1分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第1分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第2分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される。
【0021】
本発明の集積分離プロセスモジュールは、本発明の分離プロセスモジュールを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、この集積分離プロセスモジュールでは、第1分離プロセスモジュールで分離された流体を、第2分離プロセスモジュール及び第3分離プロセスモジュールの両方で更に分離している。また、第2分離プロセスモジュールから出力された第2出力流体及び第3分離プロセスモジュールから出力された第1出力流体を第1分離プロセスモジュールに戻して再度分離している。よって、この集積分離プロセスモジュールでは、第1成分及び第2成分を高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0022】
本発明の大規模集積分離プロセスモジュールは、本発明の第1集積分離プロセスモジュールと、本発明の第2集積分離プロセスモジュールと、本発明の第3集積分離プロセスモジュールと、を備え、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される。
【0023】
本発明の大規模集積分離プロセスモジュールは、本発明の集積分離プロセスモジュールを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、この大規模集積分離プロセスモジュールでは、第1集積分離プロセスモジュールで分離された流体を、第2集積分離プロセスモジュール及び第3集積分離プロセスモジュールの両方で更に分離している。また、第2集積分離プロセスモジュールから出力された第2出力流体及び第3集積分離プロセスモジュールから出力された第1出力流体を第1集積分離プロセスモジュールに戻して再度分離している。よって、この大規模集積分離プロセスモジュールでは、第1成分及び第2成分を更に高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0024】
なお、上記構成要素を任意に組み合わせてもよいし、本発明の表現を方法、コンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムが記録された記録媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、省エネルギー効果の高い分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0027】
図1は、第1実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図2は、第1実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図1に示される分離プロセスモジュール100は、入力端I、第1分岐路R1、第2分岐路R2、合流路W、分離器S、第1圧縮機C1、第1〜第3熱交換器H1〜H3、第1出力端E1及び第2出力端E2を備える。
【0028】
入力端Iには、第1成分及び第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される。入力流体は、例えば液体の第1成分と液体の第2成分とを含む。第1成分及び第2成分は、気体、液体、気液混合物のいずれであってもよい。第1成分と第2成分とは、例えば沸点が異なる。一実施例において、入力流体は、第1成分としてベンゼン、第2成分としてトルエンを含む混合液である。
【0029】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って分岐部J1に到達する。分岐部J1に到達した入力流体は、配管2を通って第2熱交換器H2に到達すると共に、配管2aを通って第3熱交換器H3に到達する。第2熱交換器H2を通過した入力流体は、配管3を通って合流部J2に到達する。第3熱交換器H3を通過した入力流体は、配管3aを通って合流部J2に到達する。配管2,2aは、第1分岐路R1を構成している。配管3,3aは、第2分岐路R2を構成している。第1分岐路R1及び第2分岐路R2は、入力端Iに入力された入力流体を分岐して流す。
【0030】
分岐部J1は、第1分岐路R1を流れる入力流体の流量と第2分岐路R2を流れる入力流体の流量との比(流量比)を制御可能であってもよい。例えば、第2熱交換器H2を通過した入力流体の温度と、第3熱交換器H3を通過した入力流体の温度とが略同じ(温度差が好ましくは3度以内、より好ましくは1度以内)になるように、分岐部J1が流量比を制御することが好ましい。これにより、第2熱交換器H2及び第3熱交換器H3において、最大限に熱交換することができる。
【0031】
合流部J2に到達した入力流体は、配管4を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1では、例えば入力流体が沸点まで加熱されることにより、液体から気体に相変化する。第1熱交換器H1を通過した入力流体は、配管5を通って分離器Sに到達する。配管4,5は、合流路Wを構成している。合流路Wは、第1分岐路R1を流れる入力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体とを合流して流す。
【0032】
分離器Sは、合流路Wを流れる入力流体を、気体の第1成分を含む第1出力流体と、第2成分を含む第2出力流体とに分離する。第1出力流体は例えば留出蒸気等であり、第2出力流体は例えば缶出液である。分離器Sは、気液分離器であることが好ましく、例えば蒸留塔、膜分離器、吸着分離器、フラッシュドラム等である。また、分離器Sは例えばフラッシュドラム等の単段の分離器であってもよいし、多段の分離器であってもよい。分離器Sから出力される第1出力流体は、例えば気体の第1成分を含み、配管6を通って第1圧縮機C1に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、配管9を通って第3熱交換器H3に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、例えば液体の第2成分を含む。
【0033】
第1圧縮機C1は、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。第1圧縮機C1は、例えばターボ圧縮機である。第1圧縮機C1の圧縮比は1.5〜5であることが好ましい。第1圧縮機C1は、第1出力流体の温度を10〜50℃上昇させることが好ましい。第1圧縮機C1は、第1出力流体を断熱圧縮することができる。第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体は、配管7を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1は、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体と、合流路Wを流れる入力流体との間で熱交換を行う。
【0034】
第1熱交換器H1では、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体の温度と第1熱交換器H1を通過した入力流体との差(温度差A)が、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体の温度と第1熱交換器H1に入力される入力流体の温度との差(温度差B)と略同じであることが好ましい(図2参照)。この場合、第1熱交換器H1において、効率よく熱交換することができる。
【0035】
第1熱交換器H1を通過した第1出力流体は、配管8を通って第2熱交換器H2に到達する。第2熱交換器H2は、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体と、第1分岐路R1を流れる入力流体との間で熱交換を行う。第1熱交換器H1を通過した第1出力流体は、液体の第1成分を含んでいることが好ましい。この場合、第1熱交換器H1において、第1出力流体が気体から液体に相変化する際の潜熱を、合流路Wを流れる入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が高くなる。
【0036】
第3熱交換器H3は、分離器Sから出力された第2出力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体との間で熱交換を行う。
【0037】
第2熱交換器H2を通過した第1出力流体は、配管12を通ってバルブV1に到達する。バルブV1は、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体の圧力を、例えば標準圧力まで低下させる。バルブV1を通過した第1出力流体は、配管13を通って冷却器L1に到達する。第1出力流体は、冷却器L1によって例えば標準温度まで冷却される。冷却器L1によって冷却された第1出力流体は、配管14を通って第1出力端E1に到達する。第1出力端E1は、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体を出力する。
【0038】
第3熱交換器H3を通過した第2出力流体は、配管10を通って冷却器L2に到達する。第2出力流体は、冷却器L2によって例えば標準温度まで冷却される。冷却器L2によって冷却された第2出力流体は、配管11を通って第2出力端E2に到達する。第2出力端E2は、第3熱交換器H3を通過した第2出力流体を出力する。
【0039】
ここで、分離器Sから出力される第1出力流体(配管6中の第1出力流体)のエンタルピーと、分離器Sから出力される第2出力流体(配管9中の第2出力流体)のエンタルピーとの和は、分離器Sに入力される入力流体(配管5中の入力流体)のエンタルピーと同じであることが好ましい。これにより、分離プロセスモジュール100を標準化されたモジュールとすることができる。
【0040】
本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、第1熱交換器H1において、合流路Wを流れる入力流体が、図2に示されるように、熱量Q1を吸収して昇温される。一方、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体は、熱量Q1と同等の熱量Q4を放出して降温される。よって、合流路Wを流れる入力流体は、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体の自己熱によって昇温される。また、第2熱交換器H2において、第1分岐路R1を流れる入力流体が、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体によって昇温される。また、第3熱交換器H3において、第2分岐路R2を流れる入力流体が、第2出力流体によって昇温される。
【0041】
図2に示されるように、第1圧縮機C1によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事Wc1が必要になるが、合流路Wを流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。
【0042】
図10は、第1比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図11は、第1比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図10に示される分離プロセスモジュール100aは、第1圧縮機C1及びバルブV1を備えず、第1熱交換器H1に代えて加熱炉B2を備える点で分離プロセスモジュール100と相違している。したがって、配管4を通った入力流体は加熱炉B2に到達し、加熱炉B2において加熱された入力流体は分離器Sに入力される。また、分離器Sから出力される第1出力流体は、配管6を通って第2熱交換器H2に到達する。
【0043】
分離プロセスモジュール100aでは、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮せず、第2熱交換器H2において、第1分岐路R1を流れる入力流体と熱交換する。また、第3熱交換器H3において、分離器Sから出力された第2出力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体との間で熱交換を行う。しかしながら、図11に示されるように、熱量Q1と熱量Q4との重複部分しか熱交換することができないので、入力流体を十分に昇温することができない。よって、合流路Wを流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉B2で更に加熱する必要がある。加熱炉B2で加熱する際に必要な熱量は、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの仕事Wc1に比べて非常に大きい。
【0044】
したがって、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、分離プロセスモジュール100aに比べて、省エネルギー効果が高くなる。
【0045】
また、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、第1分岐路R1を流れる入力流体の流量と第2分岐路R2を流れる入力流体の流量との比を調整することができる。そのため、第2熱交換器H2における熱交換量と第3熱交換器H3における熱交換量の割合を調整することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100を閉じた系とした場合、分離プロセスモジュール100と種々の分離器とを自由に組み合わせることができる。よって、プロセス設計が容易になる。
【0047】
さらに、分離器Sとして単段の分離器を用いると、分離器Sが安定するまでの待機時間が非常に短くなる。そのため、迅速に第1成分及び第2成分を分離することができる。また、1つの分離プロセスモジュールを用いてバッチ処理で種々の分離プロセスを繰り返すことができるので、複数の分離プロセスモジュールを使用する必要がない。したがって、分離プロセスのプロセス設計が容易になる。このように、分離器Sとして単段の分離器を用いると、少量多品種の製品を簡便に製造することができる。少量多品種の製品としては、例えば、バイオエタノール、エタノール、酒類、蒸留酒、医薬、中間体試薬、食品等が挙げられる。
【0048】
また、マイクロリアクタを単段の分離器Sとして用いると、分離プロセスモジュール100を小型化することができる。分離プロセスモジュール100を小型化すると、第1圧縮機C1による圧力変化が小さくて済む。マイクロマシンやナノテクノロジーを用いて第1分岐路R1、第2分岐路R2、合流路W、分離器S、第1圧縮機C1、第1〜第3熱交換器H1〜H3を製造することができる。
(第2実施形態)
【0049】
図3は、第2実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図4は、第2実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図3に示される分離プロセスモジュール200は、分離器Sに代えて分離ユニットS1を備える点以外は、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の構成を備えている。
【0050】
分離ユニットS1は、分離器S、加熱炉B1及び冷却器L3を備える。分離器Sから出力された第1出力流体は、配管15を通って分岐部J3に到達する。分岐部J3に到達した第1出力流体は、配管6を通って第1圧縮機C1に到達すると共に、配管16を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分離器Sに戻る。分離器Sから出力された第2出力流体は、配管21を通って分岐部J4に到達する。分岐部J4に到達した第2出力流体は、配管9を通って第3熱交換器H3に到達すると共に、配管22を通って加熱炉B1に到達する。加熱炉B1によって加熱された第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻る。
【0051】
分離プロセスモジュール200では、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の作用効果が得られる。さらに、第1出力流体及び第2出力流体を分離器Sに還流させることによって、第1出力流体中の第1成分の純度及び第2出力流体中の第2成分の純度を高くすることができる。図4に示されるように、加熱炉B1では熱量Q2が必要となり、冷却器L3では熱量Q2と同等の熱量Q3が排熱される。
【0052】
図12は、第2比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図13は、第2比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図12に示される分離プロセスモジュール200aは、加熱炉B1,B2、分離器S、冷却器L3〜L5を備えている。入力端Iに入力された入力流体は、配管4を通って加熱炉B2に到達する。加熱炉B2によって加熱された入力流体は、配管5を通って分離器Sに入力される。
【0053】
分離器Sから出力される第1出力流体は、配管6を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分岐部J5に到達する。分岐部J5に到達した第1出力流体は、配管24を通って分離器Sに戻ると共に、配管25を通って冷却器L4に到達する。冷却器L4によって冷却された第1出力流体は、配管26を通って第1出力端E1に到達する。
【0054】
分離器Sから出力される第2出力流体は、配管9を通って加熱炉B1に到達する。加熱炉B1によって加熱された第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻ると共に、配管27を通って冷却器L5に到達する。冷却器L5によって冷却された第2出力流体は、配管28を通って第2出力端E2に到達する。
【0055】
分離プロセスモジュール200aでは、図13に示されるように、加熱炉B1では熱量Q2が必要となり、冷却器L3では熱量Q2と同等の熱量Q3が排熱される。さらに、加熱炉B2では熱量Q1が必要となり、冷却器L4,L5では熱量Q1と同等の熱量Q4が排熱される。
【0056】
したがって、本実施形態に係る分離プロセスモジュール200では、分離プロセスモジュール200aに比べて、省エネルギー効果が高くなる。
【0057】
図14は、第3比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図15は、第3比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図14に示される分離プロセスモジュール200bは、第1圧縮機C1及びバルブV1を備えず、第1熱交換器H1に代えて加熱炉B2を備える点で分離プロセスモジュール200と相違している。
【0058】
分離プロセスモジュール200bでは、配管4を通った入力流体は加熱炉B2に到達し、加熱炉B2を通過した入力流体は分離器Sに入力される。分離器Sから出力される第1出力流体は、配管6を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分岐部J5に到達する。分岐部J5に到達した第1出力流体は、配管24を通って分離器Sに戻ると共に、配管25を通って第2熱交換器H2に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、配管9を通って加熱炉B1に到達する。加熱炉B1によって加熱された第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻ると共に、配管27を通って第3熱交換器H3に到達する。
【0059】
分離プロセスモジュール200bでは、図15に示されるように、加熱炉B1では熱量Q2が必要となり、冷却器L3では熱量Q2と同等の熱量Q3が排熱される。さらに、熱量Q1と熱量Q4との重複部分しか熱交換することができないので、入力流体を十分に昇温することができない。よって、合流路Wを流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉B2で更に加熱する必要がある。加熱炉B2で加熱する際に必要な熱量は、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの仕事Wc1に比べて非常に大きい。
【0060】
したがって、本実施形態に係る分離プロセスモジュール200では、分離プロセスモジュール200bに比べて、省エネルギー効果が高くなる。
(第3実施形態)
【0061】
図5は、第3実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図6は、第3実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図5に示される分離プロセスモジュール300は、分離器Sに代えて分離ユニットS2を備える点以外は、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の構成を備えている。
【0062】
分離ユニットS2は、分離器S、分岐部J3(第1分岐部)、第2圧縮機C2、分岐部J4(第2分岐部)及び第4熱交換器H4を備える。分離器Sから出力された第1出力流体は、例えば気体の第1成分を含み、配管15を通って分岐部J3に到達する。分岐部J3に到達した第1出力流体は、配管6を通って第1圧縮機C1に到達すると共に、配管16を通って第2圧縮機C2に到達する。分岐部J3は、分離器Sと第1圧縮機C1との間に配置され、分離器Sから出力された第1出力流体を分岐する。第2圧縮機C2は、分岐部J3から出力され、気体の第1成分を含む第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。第2圧縮機C2の圧縮比は1.5〜5であることが好ましい。第2圧縮機C2は、第1出力流体の温度を10〜50℃上昇させることが好ましい。第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体は、配管17を通って第4熱交換器H4に到達する。
【0063】
一方、分離器Sから出力された第2出力流体は、配管21を通って分岐部J4に到達する。分岐部J4に到達した第2出力流体は、配管9を通って第3熱交換器H3に到達すると共に、配管32を通って第4熱交換器H4に到達する。分岐部J4は、分離器Sと第3熱交換器H3との間に配置され、分離器Sから出力された第2出力流体を分岐する。第4熱交換器H4は、分岐部J4から出力された第2出力流体と、第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体との間で熱交換を行う。第4熱交換器H4において、加熱装置を用いて第2出力流体を加熱してもよい。第4熱交換器H4を通過した第1出力流体は、例えば液体の第1成分を含む。第4熱交換器H4を通過した第2出力流体は、例えば気体の第1成分を含む。
【0064】
第4熱交換器H4では、第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体の温度と第4熱交換器H4を通過した第2出力流体との差(温度差C)が、第4熱交換器H4を通過した第1出力流体の温度と第4熱交換器H4に入力される第2出力流体の温度との差(温度差D)と略同じであることが好ましい(図6参照)。この場合、第4熱交換器H4において、効率よく熱交換することができる。
【0065】
第4熱交換器H4を通過した第1出力流体は、配管18を通ってバルブV2に到達する。バルブV2は、第4熱交換器H4を通過した第1出力流体の圧力を低下させる。バルブV2を通過した第1出力流体は、配管19を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分離器Sに戻る。一方、第4熱交換器H4を通過した第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻る。
【0066】
分離プロセスモジュール300では、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の作用効果が得られる。さらに、分離ユニットS2を閉じた系とした場合、第1出力流体及び第2出力流体を系外に出力すると共に、第1出力流体及び第2出力流体を分離器Sに還流させることができる。
【0067】
また、図6に示されるように、第4熱交換器H4において熱量Q2と熱量Q3とが熱交換されるので、第2出力流体が第1出力流体によって昇温される。第2圧縮機C2によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事Wc2が必要になるが、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。一方、第1出力流体を圧縮しない場合、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要がある。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0068】
分離器Sから出力された第1出力流体を、第2圧縮機C2によって圧縮する前に分岐部J3によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第1出力流体を無駄に圧縮する必要がない。よって、第2圧縮機C2による圧縮に必要なエネルギーを低減することができる。
【0069】
さらに、分離器Sから出力された第2出力流体を、第4熱交換器H4において昇温する前に分岐部J4によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第2出力流体を無駄に昇温する必要がない。よって、昇温に必要なエネルギーを低減することができる。
【0070】
また、第4熱交換器H4を通過した第1出力流体が、液体の第1成分を含む場合、第4熱交換器H4において、第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体が液化する際の潜熱を、第2出力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0071】
さらに、現状の分離器を分離ユニットS2に置換するだけで高い省エネルギー効果が低コストかつ短時間で得られる。
(集積分離プロセスモジュール)
【0072】
図7は、実施形態に係る集積分離プロセスモジュール(Integrated-ProcessModule)を模式的に示す図である。図7に示される集積分離プロセスモジュール500は、第1〜第3分離プロセスモジュールM1〜M3を備える。第1〜第3分離プロセスモジュールM1〜M3のそれぞれは、第1〜第3実施形態に係る分離プロセスモジュール100,200,300のいずれか一つである。
【0073】
第1分離プロセスモジュールM1は、入力端I10、第1出力端E11及び第2出力端E12を有している。第2分離プロセスモジュールM2は、入力端I20、第1出力端E21及び第2出力端E22を有している。第3分離プロセスモジュールM3は、入力端I30、第1出力端E31及び第2出力端E32を有している。入力端I10,I20,I30は、分離プロセスモジュール100,200,300の入力端Iに相当する。第1出力端E11,E21,E31は、分離プロセスモジュール100,200,300の第1出力端E1に相当する。第2出力端E12,E22,E32は、分離プロセスモジュール100,200,300の第2出力端E2に相当する。
【0074】
集積分離プロセスモジュール500の入力端I500に入力された入力流体は、合流部J501を経由して第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第1出力端E11から出力された第1出力流体は、入力流体として第2分離プロセスモジュールM2の入力端I20に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第2出力端E12から出力された第2出力流体は、入力流体として第3分離プロセスモジュールM3の入力端I30に入力される。第2分離プロセスモジュールM2の第2出力端E22から出力された第2出力流体と、第3分離プロセスモジュールM3の第1出力端E31から出力された第1出力流体とは、合流部J502,J501を経由して、第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。第2分離プロセスモジュールM2の第1出力端E21から出力された第1出力流体は、集積分離プロセスモジュール500の第1出力端E501から出力される。第3分離プロセスモジュールM3の第2出力端E32から出力された第2出力流体は、集積分離プロセスモジュール500の第2出力端E502から出力される。
【0075】
集積分離プロセスモジュール500は、分離プロセスモジュール100,200,300のいずれか一つを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、集積分離プロセスモジュール500では、第1分離プロセスモジュールM1で分離された流体を、第2分離プロセスモジュールM2及び第3分離プロセスモジュールM3の両方で更に分離している。また、第2分離プロセスモジュールM2から出力された第2出力流体及び第3分離プロセスモジュールM3から出力された第1出力流体を第1分離プロセスモジュールM1に戻して再度分離している。よって、集積分離プロセスモジュール500では、第1成分及び第2成分を高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0076】
図8は、実施形態に係る集積分離プロセスモジュールの変形例を模式的に示す図である。図8に示される集積分離プロセスモジュール600は、第1〜第5分離プロセスモジュールM1〜M5を備える。第1〜第5分離プロセスモジュールM1〜M5のそれぞれは、第1〜第3実施形態に係る分離プロセスモジュール100,200,300のいずれか一つである。
【0077】
第4分離プロセスモジュールM4は、入力端I40、第1出力端E41及び第2出力端E42を有している。第5分離プロセスモジュールM5は、入力端I50、第1出力端E51及び第2出力端E52を有している。入力端I40,I50は、分離プロセスモジュール100,200,300の入力端Iに相当する。第1出力端E41,E51は、分離プロセスモジュール100,200,300の第1出力端E1に相当する。第2出力端E42,E52は、分離プロセスモジュール100,200,300の第2出力端E2に相当する。
【0078】
集積分離プロセスモジュール600の入力端I600に入力された入力流体は、合流部J601を経由して第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第1出力端E11から出力された第1出力流体は、合流部J602を経由して、入力流体として第2分離プロセスモジュールM2の入力端I20に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第2出力端E12から出力された第2出力流体は、合流部J603を経由して、入力流体として第3分離プロセスモジュールM3の入力端I30に入力される。第2分離プロセスモジュールM2の第2出力端E22から出力された第2出力流体と、第3分離プロセスモジュールM3の第1出力端E31から出力された第1出力流体とは、合流部J601を経由して、第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。
【0079】
第2分離プロセスモジュールM2の第1出力端E21から出力された第1出力流体は、第4分離プロセスモジュールM4の入力端I40に入力される。第3分離プロセスモジュールM3の第2出力端E32から出力された第2出力流体は、第5分離プロセスモジュールM5の入力端I50に入力される。第4分離プロセスモジュールM4の第2出力端E42から出力された第2出力流体は、合流部J602を経由して、第2分離プロセスモジュールM2の入力端I20に入力される。第5分離プロセスモジュールM5の第1出力端E51から出力された第1出力流体は、合流部J603を経由して、第3分離プロセスモジュールM3の入力端I30に入力される。第4分離プロセスモジュールM4の第1出力端E41から出力された第1出力流体は、集積分離プロセスモジュール600の第1出力端E601から出力される。第5分離プロセスモジュールM5の第2出力端E52から出力された第2出力流体は、集積分離プロセスモジュール600の第2出力端E602から出力される。
【0080】
なお、分離プロセスモジュール100,200,300等の分離プロセスモジュールを組み合わせることによって、自由に集積分離プロセスモジュールを設計することができる。さらに、一つの分離プロセスモジュール100,200,300を繰り返し用いて、集積分離プロセスモジュールを設計してもよい。
(大規模集積分離プロセスモジュール)
【0081】
図9は、実施形態に係る大規模集積分離プロセスモジュール(Large-ScaleIntegrated-Process Module)を模式的に示す図である。図9に示される大規模集積分離プロセスモジュール700は、第1〜第3集積分離プロセスモジュールN1〜N3を備える。第1〜第3集積分離プロセスモジュールN1〜N3のそれぞれは、集積分離プロセスモジュール500,600のいずれか一つである。
【0082】
第1集積分離プロセスモジュールN1は、入力端G10、第1出力端K11及び第2出力端K12を有している。第2集積分離プロセスモジュールN2は、入力端G20、第1出力端K21及び第2出力端K22を有している。第3集積分離プロセスモジュールN3は、入力端G30、第1出力端K31及び第2出力端K32を有している。入力端G10,G20,G30は、集積分離プロセスモジュール500,600の入力端I500,I600に相当する。第1出力端K11,K21,K31は、集積分離プロセスモジュール500,600の第1出力端E501,E601に相当する。第2出力端K12,K22,K32は、集積分離プロセスモジュール500,600の第2出力端E502,E602に相当する。
【0083】
大規模集積分離プロセスモジュール700の入力端I700に入力された入力流体は、合流部J701を経由して第1集積分離プロセスモジュールN1の入力端G10に入力される。第1集積分離プロセスモジュールN1の第1出力端K11から出力された第1出力流体は、入力流体として第2集積分離プロセスモジュールN2の入力端G20に入力される。第1集積分離プロセスモジュールN1の第2出力端K12から出力された第2出力流体は、入力流体として第3集積分離プロセスモジュールN3の入力端G30に入力される。第2集積分離プロセスモジュールN2の第2出力端K22から出力された第2出力流体と、第3集積分離プロセスモジュールN3の第1出力端K31から出力された第1出力流体とは、合流部J702,J701を経由して、第1集積分離プロセスモジュールN1の入力端G10に入力される。第2集積分離プロセスモジュールN2の第1出力端K21から出力された第1出力流体は、大規模集積分離プロセスモジュール700の第1出力端E701から出力される。第3集積分離プロセスモジュールN3の第2出力端K32から出力された第2出力流体は、大規模集積分離プロセスモジュール700の第2出力端E702から出力される。
【0084】
大規模集積分離プロセスモジュール700は、集積分離プロセスモジュール500,600のいずれか一つを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、大規模集積分離プロセスモジュール700では、第1集積分離プロセスモジュールN1で分離された流体を、第2集積分離プロセスモジュールN2及び第3集積分離プロセスモジュールN3の両方で更に分離している。また、第2集積分離プロセスモジュールN2から出力された第2出力流体及び第3集積分離プロセスモジュールN3から出力された第1出力流体を第1集積分離プロセスモジュールN1に戻して再度分離している。よって、大規模集積分離プロセスモジュール700では、第1成分及び第2成分を更に高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0085】
なお、集積分離プロセスモジュール500,600等の集積分離プロセスモジュールを組み合わせることによって、自由に大規模集積分離プロセスモジュールを設計することができる。さらに、一つの集積分離プロセスモジュール500,600を繰り返し用いて、大規模集積分離プロセスモジュールを設計してもよい。
【0086】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0087】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
【0088】
図1に示される分離プロセスモジュール100について、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いてシミュレーションを行った。全ての熱交換器内の最小近接温度差は10度とした。実在気体の状態方程式として、Soave-Redlich-Kwong式を用いた。入力端Iに入力される入力流体として、50mol%ベンゼン、50mol%トルエンの混合液を用いた。
【0089】
入力流体の流量を100kg・mol/時間、温度を標準温度(25℃)、圧力を標準圧力(1atm)とした。第1出力端E1から出力される第1出力流体の流量を50kg・mol/時間、温度を標準温度(25℃)、圧力を標準圧力(1atm)とした。第2出力端E2から出力される第2出力流体の流量を50kg・mol/時間、温度を標準温度(25℃)、圧力を標準圧力(1atm)とした。
【0090】
第1出力端E1から出力される第1出力流体は、60.7mol%ベンゼン、39.3mol%トルエンの混合液とした。第2出力端E2から出力される第2出力流体は、標準状態(25℃、1atm)で、39.3mol%ベンゼン、60.7mol%トルエンの混合液とした。
【0091】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は47.7kg・mol/時間、温度は85.9℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は52.3kg・mol/時間、温度は85.9℃であった。配管4を通る入力流体の温度は85.9℃であった。配管5を通る入力流体の温度は95.9℃であった。配管6を通る第1出力流体の流量は50kg・mol/時間、温度は95.9℃であった。配管7を通る第1出力流体の温度は135.9℃、圧力は2.92atmであった。配管12を通る第1出力流体の温度は38.3℃であった。配管9を通る第2出力流体の流量は50kg・mol/時間、温度は95.9℃であった。
【0092】
また、第1圧縮機C1において必要な仕事は45.1kWであった。なお、第1熱交換器H1における熱交換量は488kWであった。第2熱交換器H2における熱交換量は120kWであった。第3熱交換器H3における熱交換量は131kWであった。
(比較例1)
【0093】
図10に示される分離プロセスモジュール100aについて、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。
【0094】
シミュレーションの結果、加熱炉B2において必要な熱量は488kWであった。
【0095】
実施例1の結果と比較例1の結果とを比較すると、実施例1では比較例1に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例2)
【0096】
図7に示される集積分離プロセスモジュール500について、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、第1出力端E501から出力される第1出力流体を74mol%ベンゼン、26mol%トルエンの混合液としたこと以外は実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。集積分離プロセスモジュール500の分離プロセスモジュールM1,M2,M3として、図1に示される分離プロセスモジュール100を用いた。
【0097】
シミュレーションの結果、分岐部J501から入力端I10に入力される入力流体の流量は324.9kg・mol/時間、温度は25℃、圧力は1atmであった。第1出力端E11から出力される第1出力流体の流量は134.4kg・mol/時間、温度は25℃、圧力は1atmであった。第2出力端E12から出力される第2出力流体の流量は190.4kg・mol/時間、温度は25℃、圧力は1atmであった。
【0098】
また、分離プロセスモジュールM1の第1圧縮機C1において必要な仕事は146.7kWであった。分離プロセスモジュールM2の第1圧縮機C1において必要な仕事は59.2kWであった。分離プロセスモジュールM3の第1圧縮機C1において必要な仕事は89.1kWであった。したがって、全体に必要な合計エネルギーは295.0kWであった。
(比較例2)
【0099】
図14に示される分離プロセスモジュール200bにおいて加熱炉B2を用いず、分岐部J5をコンデンサに置換したものについて、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。分離器Sの段数を3、還流比を1.76とした。
【0100】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は30.2kg・mol/時間、温度は76.1℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は69.8kg・mol/時間、温度は76.1℃であった。配管5を通る入力流体の温度は76.1℃であった。配管25を通る第1出力流体の温度は86.1℃であった。配管27を通る第2出力流体の温度は100.4℃であった。
【0101】
加熱炉B1において必要な熱量は1304.5kWであった。
【0102】
実施例2の結果と比較例2の結果とを比較すると、実施例2では比較例2に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例3)
【0103】
図5に示される分離プロセスモジュール300について、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、第1出力端E1から出力される第1出力流体を73mol%ベンゼン、27mol%トルエンの混合液としたこと以外は実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。分離器Sの段数を3とした。第1圧縮機C1の圧縮比は1.54とした。第2圧縮機C2の圧縮比は8.0とした。
【0104】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は40.0kg・mol/時間、温度は90.2℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は60.0kg・mol/時間、温度は92.4℃であった。配管4を通る入力流体の温度は91.5℃であった。配管5を通る入力流体の温度は95.0℃であった。配管17を通る第1出力流体の温度は178.6℃であった。配管20を通る第1出力流体の流量は85kg・mol/時間、温度は86.3℃であった。配管7を通る第1出力流体の温度は106.6℃であった。配管8を通る第1出力流体の温度は102.4℃であった。配管22を通る第2出力流体の流量は95.5kg・mol/時間であった。配管23を通る第2出力流体の温度は105.0℃であった。配管9を通る第2出力流体の温度は100.2℃であった。
【0105】
また、第1圧縮機C1において必要な仕事は17.9kWであった。第2圧縮機C2において必要な仕事は147.0kWであった。第4熱交換器H4において必要な熱量は74.1kWであった。したがって、全体に必要な合計エネルギーは239.0kWであった。
(比較例3)
【0106】
図14に示される分離プロセスモジュール200bにおいて、分岐部J5をコンデンサに置換したものについて、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。分離器Sの段数を2、還流比を1.7とした。なお、加熱炉B1も1段の分離器として機能するので、分離器S及び加熱炉B1の合計段数は3である。
【0107】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は30.7kg・mol/時間、温度は76.3℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は69.3kg・mol/時間、温度は90.2℃であった。配管4を通る入力流体の温度は83.7℃であった。配管5を通る入力流体の温度は95.0℃であった。配管25を通る第1出力流体の温度は86.3℃であった。配管27を通る第2出力流体の温度は100.2℃であった。加熱炉B1において必要な熱量は888.3kWであった。加熱炉B2において必要な熱量は370.3kWであった。したがって、全体に必要な合計エネルギーは1258.6kWであった。
【0108】
実施例3の結果と比較例3の結果とを比較すると、実施例3では比較例3に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例4)
【0109】
分離機Sの段数を19、第1出力端E1から出力される第1出力流体を95mol%ベンゼン、5mol%トルエンの混合液としたこと以外は実施例3と同様にして、シミュレーションを行った。
【0110】
シミュレーションの結果、全体に必要な合計エネルギーは281.1kWであった。
。
(比較例4)
【0111】
分離機Sの段数を18、第1出力端E1から出力される第1出力流体を95mol%ベンゼン、5mol%トルエンの混合液としたこと以外は比較例3と同様にして、シミュレーションを行った。
【0112】
シミュレーションの結果、全体に必要な合計エネルギーは1214.1kWであった。
【0113】
実施例4の結果と比較例4の結果とを比較すると、実施例4では比較例4に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図2】第1実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図3】第2実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図4】第2実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図5】第3実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図6】第3実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図7】実施形態に係る集積分離プロセスモジュール(Integrated-ProcessModule)を模式的に示す図である。
【図8】実施形態に係る集積分離プロセスモジュールの変形例を模式的に示す図である。
【図9】実施形態に係る大規模集積分離プロセスモジュール(Large-ScaleIntegrated-Process Module)を模式的に示す図である。
【図10】第1比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図11】第1比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図12】第2比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図13】第2比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図14】第3比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図15】第3比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0115】
I…入力端、R1…第1分岐路、R2…第2分岐路、W…合流路、S…分離器、C1…第1圧縮機、H1…第1熱交換器、H2…第2熱交換器、H3…第3熱交換器、E1…第1出力端、E2…第2出力端、100,200,300…分離プロセスモジュール、J3…分岐部(第1分岐部)、C2…第2圧縮機、J4…分岐部(第2分岐部)、H4…第4熱交換器、M1…第1分離プロセスモジュール、M2…第2分離プロセスモジュール、M3…第3分離プロセスモジュール、500,600…集積分離プロセスモジュール、N1…第1集積分離プロセスモジュール、N2…第2集積分離プロセスモジュール、N3…第3集積分離プロセスモジュール、700…大規模集積分離プロセスモジュール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸留塔の塔頂蒸気を圧縮機で昇圧した後、再び蒸留塔に供給するように構成された蒸留装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。また、蒸留塔に、水を冷媒とするヒートポンプを連結した蒸留装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−33843号公報
【特許文献2】特開2000−246001号公報
【特許文献3】特公平6−9641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記蒸留装置の省エネルギー効果はいずれも不十分である。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、省エネルギー効果の高い分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明の分離プロセスモジュールは、第1成分及び前記第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される入力端と、前記入力端に入力された前記入力流体を分岐して流す第1分岐路及び第2分岐路と、前記第1分岐路を流れる前記入力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体とを合流して流す合流路と、前記合流路を流れる前記入力流体を、気体の前記第1成分を含む第1出力流体と、前記第2成分を含む第2出力流体とに分離する分離器と、前記分離器から出力された前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第1圧縮機と、前記第1圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体と、前記合流路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第1分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第3熱交換器と、前記第2熱交換器を通過した前記第1出力流体を出力する第1出力端と、前記第3熱交換器を通過した前記第2出力流体を出力する第2出力端と、を備える。
【0006】
本発明の分離プロセスモジュールでは、第1熱交換器において、合流路を流れる入力流体が、第1圧縮機によって圧縮された第1出力流体によって昇温される。また、第2熱交換器において、第1分岐路を流れる入力流体が、第1熱交換器を通過した第1出力流体によって昇温される。また、第3熱交換器において、第2分岐路を流れる入力流体が、第2出力流体によって昇温される。
【0007】
この場合、第1圧縮機によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になるが、合流路を流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。一方、第1出力流体を圧縮しない場合、合流路を流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要がある。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。よって、本発明の分離プロセスモジュールでは、省エネルギー効果が高くなる。
【0008】
また、本発明の分離プロセスモジュールでは、第1分岐路を流れる入力流体の流量と第2分岐路を流れる入力流体の流量との比を調整することによって、第2熱交換器における熱交換量と第3熱交換器における熱交換量の割合を調整することができる。
【0009】
また、前記分離器から出力される前記第1出力流体のエンタルピーと、前記分離器から出力される前記第2出力流体のエンタルピーとの和が、前記分離器に入力される前記入力流体のエンタルピーと同じであることが好ましい。これにより、分離プロセスモジュールを標準化されたモジュールとすることができる。
【0010】
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいることが好ましい。
【0011】
この場合、第1熱交換器において、第1圧縮機によって圧縮された第1出力流体が液化する際の潜熱を、合流路を流れる入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0012】
上記分離プロセスモジュールは、前記分離器と前記第1圧縮機との間に配置され、前記分離器から出力された前記第1出力流体を分岐する第1分岐部と、前記第1分岐部から出力され、気体の前記第1成分を含む前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、前記分離器と前記第3熱交換器との間に配置され、前記分離器から出力された前記第2出力流体を分岐する第2分岐部と、前記第2分岐部から出力された前記第2出力流体と、前記第2圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第4熱交換器と、を更に備え、前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第4熱交換器を通過した前記第2出力流体とが、前記分離器に入力されることが好ましい。
【0013】
分離器、第1分岐部、第2圧縮機、第2分岐部及び第4熱交換器を含む分離ユニットを閉じた系とした場合、第1出力流体及び第2出力流体を系外に出力すると共に、分離器から出力された第1出力流体及び第2出力流体を分離器に還流させることができる。その際、第4熱交換器において、第2出力流体が第1出力流体によって昇温される。第2圧縮機によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事が必要になるが、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。一方、第1出力流体を圧縮しない場合、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要がある。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0014】
また、分離器から出力された第1出力流体を、第2圧縮機によって圧縮する前に第1分岐部によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第1出力流体を無駄に圧縮する必要がない。よって、第2圧縮機による圧縮に必要なエネルギーを低減することができる。
【0015】
さらに、分離器から出力された第2出力流体を、第4熱交換器において昇温する前に第2分岐部によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第2出力流体を無駄に昇温する必要がない。よって、昇温に必要なエネルギーを低減することができる。
【0016】
前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいることが好ましい。
【0017】
この場合、第4熱交換器において、第2圧縮機によって圧縮された第1出力流体が液化する際の潜熱を、第2出力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0018】
前記分離器は、単段の分離器であってもよい。
【0019】
単段の分離器を用いると、分離器が安定するまでの待機時間が非常に短くなる。そのため、迅速に第1成分と第2成分とを分離することができる。また、1つの分離プロセスモジュールを用いてバッチ処理で種々の分離プロセスを繰り返すことができるので、複数の分離プロセスモジュールを使用する必要がない。
【0020】
本発明の集積分離プロセスモジュールは、本発明の第1分離プロセスモジュールと、本発明の第2分離プロセスモジュールと、本発明の第3分離プロセスモジュールと、を備え、前記第1分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第1分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第2分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される。
【0021】
本発明の集積分離プロセスモジュールは、本発明の分離プロセスモジュールを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、この集積分離プロセスモジュールでは、第1分離プロセスモジュールで分離された流体を、第2分離プロセスモジュール及び第3分離プロセスモジュールの両方で更に分離している。また、第2分離プロセスモジュールから出力された第2出力流体及び第3分離プロセスモジュールから出力された第1出力流体を第1分離プロセスモジュールに戻して再度分離している。よって、この集積分離プロセスモジュールでは、第1成分及び第2成分を高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0022】
本発明の大規模集積分離プロセスモジュールは、本発明の第1集積分離プロセスモジュールと、本発明の第2集積分離プロセスモジュールと、本発明の第3集積分離プロセスモジュールと、を備え、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される。
【0023】
本発明の大規模集積分離プロセスモジュールは、本発明の集積分離プロセスモジュールを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、この大規模集積分離プロセスモジュールでは、第1集積分離プロセスモジュールで分離された流体を、第2集積分離プロセスモジュール及び第3集積分離プロセスモジュールの両方で更に分離している。また、第2集積分離プロセスモジュールから出力された第2出力流体及び第3集積分離プロセスモジュールから出力された第1出力流体を第1集積分離プロセスモジュールに戻して再度分離している。よって、この大規模集積分離プロセスモジュールでは、第1成分及び第2成分を更に高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0024】
なお、上記構成要素を任意に組み合わせてもよいし、本発明の表現を方法、コンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムが記録された記録媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、省エネルギー効果の高い分離プロセスモジュール、集積分離プロセスモジュール、大規模集積分離プロセスモジュールが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0027】
図1は、第1実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図2は、第1実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図1に示される分離プロセスモジュール100は、入力端I、第1分岐路R1、第2分岐路R2、合流路W、分離器S、第1圧縮機C1、第1〜第3熱交換器H1〜H3、第1出力端E1及び第2出力端E2を備える。
【0028】
入力端Iには、第1成分及び第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される。入力流体は、例えば液体の第1成分と液体の第2成分とを含む。第1成分及び第2成分は、気体、液体、気液混合物のいずれであってもよい。第1成分と第2成分とは、例えば沸点が異なる。一実施例において、入力流体は、第1成分としてベンゼン、第2成分としてトルエンを含む混合液である。
【0029】
入力端Iに入力された入力流体は、配管1を通って分岐部J1に到達する。分岐部J1に到達した入力流体は、配管2を通って第2熱交換器H2に到達すると共に、配管2aを通って第3熱交換器H3に到達する。第2熱交換器H2を通過した入力流体は、配管3を通って合流部J2に到達する。第3熱交換器H3を通過した入力流体は、配管3aを通って合流部J2に到達する。配管2,2aは、第1分岐路R1を構成している。配管3,3aは、第2分岐路R2を構成している。第1分岐路R1及び第2分岐路R2は、入力端Iに入力された入力流体を分岐して流す。
【0030】
分岐部J1は、第1分岐路R1を流れる入力流体の流量と第2分岐路R2を流れる入力流体の流量との比(流量比)を制御可能であってもよい。例えば、第2熱交換器H2を通過した入力流体の温度と、第3熱交換器H3を通過した入力流体の温度とが略同じ(温度差が好ましくは3度以内、より好ましくは1度以内)になるように、分岐部J1が流量比を制御することが好ましい。これにより、第2熱交換器H2及び第3熱交換器H3において、最大限に熱交換することができる。
【0031】
合流部J2に到達した入力流体は、配管4を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1では、例えば入力流体が沸点まで加熱されることにより、液体から気体に相変化する。第1熱交換器H1を通過した入力流体は、配管5を通って分離器Sに到達する。配管4,5は、合流路Wを構成している。合流路Wは、第1分岐路R1を流れる入力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体とを合流して流す。
【0032】
分離器Sは、合流路Wを流れる入力流体を、気体の第1成分を含む第1出力流体と、第2成分を含む第2出力流体とに分離する。第1出力流体は例えば留出蒸気等であり、第2出力流体は例えば缶出液である。分離器Sは、気液分離器であることが好ましく、例えば蒸留塔、膜分離器、吸着分離器、フラッシュドラム等である。また、分離器Sは例えばフラッシュドラム等の単段の分離器であってもよいし、多段の分離器であってもよい。分離器Sから出力される第1出力流体は、例えば気体の第1成分を含み、配管6を通って第1圧縮機C1に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、配管9を通って第3熱交換器H3に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、例えば液体の第2成分を含む。
【0033】
第1圧縮機C1は、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。第1圧縮機C1は、例えばターボ圧縮機である。第1圧縮機C1の圧縮比は1.5〜5であることが好ましい。第1圧縮機C1は、第1出力流体の温度を10〜50℃上昇させることが好ましい。第1圧縮機C1は、第1出力流体を断熱圧縮することができる。第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体は、配管7を通って第1熱交換器H1に到達する。第1熱交換器H1は、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体と、合流路Wを流れる入力流体との間で熱交換を行う。
【0034】
第1熱交換器H1では、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体の温度と第1熱交換器H1を通過した入力流体との差(温度差A)が、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体の温度と第1熱交換器H1に入力される入力流体の温度との差(温度差B)と略同じであることが好ましい(図2参照)。この場合、第1熱交換器H1において、効率よく熱交換することができる。
【0035】
第1熱交換器H1を通過した第1出力流体は、配管8を通って第2熱交換器H2に到達する。第2熱交換器H2は、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体と、第1分岐路R1を流れる入力流体との間で熱交換を行う。第1熱交換器H1を通過した第1出力流体は、液体の第1成分を含んでいることが好ましい。この場合、第1熱交換器H1において、第1出力流体が気体から液体に相変化する際の潜熱を、合流路Wを流れる入力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が高くなる。
【0036】
第3熱交換器H3は、分離器Sから出力された第2出力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体との間で熱交換を行う。
【0037】
第2熱交換器H2を通過した第1出力流体は、配管12を通ってバルブV1に到達する。バルブV1は、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体の圧力を、例えば標準圧力まで低下させる。バルブV1を通過した第1出力流体は、配管13を通って冷却器L1に到達する。第1出力流体は、冷却器L1によって例えば標準温度まで冷却される。冷却器L1によって冷却された第1出力流体は、配管14を通って第1出力端E1に到達する。第1出力端E1は、第2熱交換器H2を通過した第1出力流体を出力する。
【0038】
第3熱交換器H3を通過した第2出力流体は、配管10を通って冷却器L2に到達する。第2出力流体は、冷却器L2によって例えば標準温度まで冷却される。冷却器L2によって冷却された第2出力流体は、配管11を通って第2出力端E2に到達する。第2出力端E2は、第3熱交換器H3を通過した第2出力流体を出力する。
【0039】
ここで、分離器Sから出力される第1出力流体(配管6中の第1出力流体)のエンタルピーと、分離器Sから出力される第2出力流体(配管9中の第2出力流体)のエンタルピーとの和は、分離器Sに入力される入力流体(配管5中の入力流体)のエンタルピーと同じであることが好ましい。これにより、分離プロセスモジュール100を標準化されたモジュールとすることができる。
【0040】
本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、第1熱交換器H1において、合流路Wを流れる入力流体が、図2に示されるように、熱量Q1を吸収して昇温される。一方、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体は、熱量Q1と同等の熱量Q4を放出して降温される。よって、合流路Wを流れる入力流体は、第1圧縮機C1によって圧縮された第1出力流体の自己熱によって昇温される。また、第2熱交換器H2において、第1分岐路R1を流れる入力流体が、第1熱交換器H1を通過した第1出力流体によって昇温される。また、第3熱交換器H3において、第2分岐路R2を流れる入力流体が、第2出力流体によって昇温される。
【0041】
図2に示されるように、第1圧縮機C1によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事Wc1が必要になるが、合流路Wを流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。
【0042】
図10は、第1比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図11は、第1比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図10に示される分離プロセスモジュール100aは、第1圧縮機C1及びバルブV1を備えず、第1熱交換器H1に代えて加熱炉B2を備える点で分離プロセスモジュール100と相違している。したがって、配管4を通った入力流体は加熱炉B2に到達し、加熱炉B2において加熱された入力流体は分離器Sに入力される。また、分離器Sから出力される第1出力流体は、配管6を通って第2熱交換器H2に到達する。
【0043】
分離プロセスモジュール100aでは、分離器Sから出力された第1出力流体を圧縮せず、第2熱交換器H2において、第1分岐路R1を流れる入力流体と熱交換する。また、第3熱交換器H3において、分離器Sから出力された第2出力流体と、第2分岐路R2を流れる入力流体との間で熱交換を行う。しかしながら、図11に示されるように、熱量Q1と熱量Q4との重複部分しか熱交換することができないので、入力流体を十分に昇温することができない。よって、合流路Wを流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉B2で更に加熱する必要がある。加熱炉B2で加熱する際に必要な熱量は、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの仕事Wc1に比べて非常に大きい。
【0044】
したがって、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、分離プロセスモジュール100aに比べて、省エネルギー効果が高くなる。
【0045】
また、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100では、第1分岐路R1を流れる入力流体の流量と第2分岐路R2を流れる入力流体の流量との比を調整することができる。そのため、第2熱交換器H2における熱交換量と第3熱交換器H3における熱交換量の割合を調整することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る分離プロセスモジュール100を閉じた系とした場合、分離プロセスモジュール100と種々の分離器とを自由に組み合わせることができる。よって、プロセス設計が容易になる。
【0047】
さらに、分離器Sとして単段の分離器を用いると、分離器Sが安定するまでの待機時間が非常に短くなる。そのため、迅速に第1成分及び第2成分を分離することができる。また、1つの分離プロセスモジュールを用いてバッチ処理で種々の分離プロセスを繰り返すことができるので、複数の分離プロセスモジュールを使用する必要がない。したがって、分離プロセスのプロセス設計が容易になる。このように、分離器Sとして単段の分離器を用いると、少量多品種の製品を簡便に製造することができる。少量多品種の製品としては、例えば、バイオエタノール、エタノール、酒類、蒸留酒、医薬、中間体試薬、食品等が挙げられる。
【0048】
また、マイクロリアクタを単段の分離器Sとして用いると、分離プロセスモジュール100を小型化することができる。分離プロセスモジュール100を小型化すると、第1圧縮機C1による圧力変化が小さくて済む。マイクロマシンやナノテクノロジーを用いて第1分岐路R1、第2分岐路R2、合流路W、分離器S、第1圧縮機C1、第1〜第3熱交換器H1〜H3を製造することができる。
(第2実施形態)
【0049】
図3は、第2実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図4は、第2実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図3に示される分離プロセスモジュール200は、分離器Sに代えて分離ユニットS1を備える点以外は、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の構成を備えている。
【0050】
分離ユニットS1は、分離器S、加熱炉B1及び冷却器L3を備える。分離器Sから出力された第1出力流体は、配管15を通って分岐部J3に到達する。分岐部J3に到達した第1出力流体は、配管6を通って第1圧縮機C1に到達すると共に、配管16を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分離器Sに戻る。分離器Sから出力された第2出力流体は、配管21を通って分岐部J4に到達する。分岐部J4に到達した第2出力流体は、配管9を通って第3熱交換器H3に到達すると共に、配管22を通って加熱炉B1に到達する。加熱炉B1によって加熱された第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻る。
【0051】
分離プロセスモジュール200では、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の作用効果が得られる。さらに、第1出力流体及び第2出力流体を分離器Sに還流させることによって、第1出力流体中の第1成分の純度及び第2出力流体中の第2成分の純度を高くすることができる。図4に示されるように、加熱炉B1では熱量Q2が必要となり、冷却器L3では熱量Q2と同等の熱量Q3が排熱される。
【0052】
図12は、第2比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図13は、第2比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図12に示される分離プロセスモジュール200aは、加熱炉B1,B2、分離器S、冷却器L3〜L5を備えている。入力端Iに入力された入力流体は、配管4を通って加熱炉B2に到達する。加熱炉B2によって加熱された入力流体は、配管5を通って分離器Sに入力される。
【0053】
分離器Sから出力される第1出力流体は、配管6を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分岐部J5に到達する。分岐部J5に到達した第1出力流体は、配管24を通って分離器Sに戻ると共に、配管25を通って冷却器L4に到達する。冷却器L4によって冷却された第1出力流体は、配管26を通って第1出力端E1に到達する。
【0054】
分離器Sから出力される第2出力流体は、配管9を通って加熱炉B1に到達する。加熱炉B1によって加熱された第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻ると共に、配管27を通って冷却器L5に到達する。冷却器L5によって冷却された第2出力流体は、配管28を通って第2出力端E2に到達する。
【0055】
分離プロセスモジュール200aでは、図13に示されるように、加熱炉B1では熱量Q2が必要となり、冷却器L3では熱量Q2と同等の熱量Q3が排熱される。さらに、加熱炉B2では熱量Q1が必要となり、冷却器L4,L5では熱量Q1と同等の熱量Q4が排熱される。
【0056】
したがって、本実施形態に係る分離プロセスモジュール200では、分離プロセスモジュール200aに比べて、省エネルギー効果が高くなる。
【0057】
図14は、第3比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図15は、第3比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図14に示される分離プロセスモジュール200bは、第1圧縮機C1及びバルブV1を備えず、第1熱交換器H1に代えて加熱炉B2を備える点で分離プロセスモジュール200と相違している。
【0058】
分離プロセスモジュール200bでは、配管4を通った入力流体は加熱炉B2に到達し、加熱炉B2を通過した入力流体は分離器Sに入力される。分離器Sから出力される第1出力流体は、配管6を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分岐部J5に到達する。分岐部J5に到達した第1出力流体は、配管24を通って分離器Sに戻ると共に、配管25を通って第2熱交換器H2に到達する。分離器Sから出力される第2出力流体は、配管9を通って加熱炉B1に到達する。加熱炉B1によって加熱された第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻ると共に、配管27を通って第3熱交換器H3に到達する。
【0059】
分離プロセスモジュール200bでは、図15に示されるように、加熱炉B1では熱量Q2が必要となり、冷却器L3では熱量Q2と同等の熱量Q3が排熱される。さらに、熱量Q1と熱量Q4との重複部分しか熱交換することができないので、入力流体を十分に昇温することができない。よって、合流路Wを流れる入力流体を別途ボイラー等の加熱炉B2で更に加熱する必要がある。加熱炉B2で加熱する際に必要な熱量は、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーの仕事Wc1に比べて非常に大きい。
【0060】
したがって、本実施形態に係る分離プロセスモジュール200では、分離プロセスモジュール200bに比べて、省エネルギー効果が高くなる。
(第3実施形態)
【0061】
図5は、第3実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。図6は、第3実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。図5に示される分離プロセスモジュール300は、分離器Sに代えて分離ユニットS2を備える点以外は、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の構成を備えている。
【0062】
分離ユニットS2は、分離器S、分岐部J3(第1分岐部)、第2圧縮機C2、分岐部J4(第2分岐部)及び第4熱交換器H4を備える。分離器Sから出力された第1出力流体は、例えば気体の第1成分を含み、配管15を通って分岐部J3に到達する。分岐部J3に到達した第1出力流体は、配管6を通って第1圧縮機C1に到達すると共に、配管16を通って第2圧縮機C2に到達する。分岐部J3は、分離器Sと第1圧縮機C1との間に配置され、分離器Sから出力された第1出力流体を分岐する。第2圧縮機C2は、分岐部J3から出力され、気体の第1成分を含む第1出力流体を圧縮することによって昇温させる。第2圧縮機C2の圧縮比は1.5〜5であることが好ましい。第2圧縮機C2は、第1出力流体の温度を10〜50℃上昇させることが好ましい。第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体は、配管17を通って第4熱交換器H4に到達する。
【0063】
一方、分離器Sから出力された第2出力流体は、配管21を通って分岐部J4に到達する。分岐部J4に到達した第2出力流体は、配管9を通って第3熱交換器H3に到達すると共に、配管32を通って第4熱交換器H4に到達する。分岐部J4は、分離器Sと第3熱交換器H3との間に配置され、分離器Sから出力された第2出力流体を分岐する。第4熱交換器H4は、分岐部J4から出力された第2出力流体と、第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体との間で熱交換を行う。第4熱交換器H4において、加熱装置を用いて第2出力流体を加熱してもよい。第4熱交換器H4を通過した第1出力流体は、例えば液体の第1成分を含む。第4熱交換器H4を通過した第2出力流体は、例えば気体の第1成分を含む。
【0064】
第4熱交換器H4では、第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体の温度と第4熱交換器H4を通過した第2出力流体との差(温度差C)が、第4熱交換器H4を通過した第1出力流体の温度と第4熱交換器H4に入力される第2出力流体の温度との差(温度差D)と略同じであることが好ましい(図6参照)。この場合、第4熱交換器H4において、効率よく熱交換することができる。
【0065】
第4熱交換器H4を通過した第1出力流体は、配管18を通ってバルブV2に到達する。バルブV2は、第4熱交換器H4を通過した第1出力流体の圧力を低下させる。バルブV2を通過した第1出力流体は、配管19を通って冷却器L3に到達する。冷却器L3によって冷却された第1出力流体は、配管20を通って分離器Sに戻る。一方、第4熱交換器H4を通過した第2出力流体は、配管23を通って分離器Sに戻る。
【0066】
分離プロセスモジュール300では、図1に示される分離プロセスモジュール100と同様の作用効果が得られる。さらに、分離ユニットS2を閉じた系とした場合、第1出力流体及び第2出力流体を系外に出力すると共に、第1出力流体及び第2出力流体を分離器Sに還流させることができる。
【0067】
また、図6に示されるように、第4熱交換器H4において熱量Q2と熱量Q3とが熱交換されるので、第2出力流体が第1出力流体によって昇温される。第2圧縮機C2によって第1出力流体を圧縮する際に所定エネルギーの仕事Wc2が必要になるが、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要は殆どなくなる。一方、第1出力流体を圧縮しない場合、第2出力流体を別途ボイラー等の加熱炉で加熱する必要がある。別途ボイラー等の加熱炉で加熱する際に必要なエネルギーは、第1出力流体を圧縮する際に必要な所定エネルギーに比べて非常に大きい。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0068】
分離器Sから出力された第1出力流体を、第2圧縮機C2によって圧縮する前に分岐部J3によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第1出力流体を無駄に圧縮する必要がない。よって、第2圧縮機C2による圧縮に必要なエネルギーを低減することができる。
【0069】
さらに、分離器Sから出力された第2出力流体を、第4熱交換器H4において昇温する前に分岐部J4によって分岐して系外に出力することができる。このため、系外に出力される第2出力流体を無駄に昇温する必要がない。よって、昇温に必要なエネルギーを低減することができる。
【0070】
また、第4熱交換器H4を通過した第1出力流体が、液体の第1成分を含む場合、第4熱交換器H4において、第2圧縮機C2によって圧縮された第1出力流体が液化する際の潜熱を、第2出力流体によって回収することができる。よって、省エネルギー効果が更に高くなる。
【0071】
さらに、現状の分離器を分離ユニットS2に置換するだけで高い省エネルギー効果が低コストかつ短時間で得られる。
(集積分離プロセスモジュール)
【0072】
図7は、実施形態に係る集積分離プロセスモジュール(Integrated-ProcessModule)を模式的に示す図である。図7に示される集積分離プロセスモジュール500は、第1〜第3分離プロセスモジュールM1〜M3を備える。第1〜第3分離プロセスモジュールM1〜M3のそれぞれは、第1〜第3実施形態に係る分離プロセスモジュール100,200,300のいずれか一つである。
【0073】
第1分離プロセスモジュールM1は、入力端I10、第1出力端E11及び第2出力端E12を有している。第2分離プロセスモジュールM2は、入力端I20、第1出力端E21及び第2出力端E22を有している。第3分離プロセスモジュールM3は、入力端I30、第1出力端E31及び第2出力端E32を有している。入力端I10,I20,I30は、分離プロセスモジュール100,200,300の入力端Iに相当する。第1出力端E11,E21,E31は、分離プロセスモジュール100,200,300の第1出力端E1に相当する。第2出力端E12,E22,E32は、分離プロセスモジュール100,200,300の第2出力端E2に相当する。
【0074】
集積分離プロセスモジュール500の入力端I500に入力された入力流体は、合流部J501を経由して第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第1出力端E11から出力された第1出力流体は、入力流体として第2分離プロセスモジュールM2の入力端I20に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第2出力端E12から出力された第2出力流体は、入力流体として第3分離プロセスモジュールM3の入力端I30に入力される。第2分離プロセスモジュールM2の第2出力端E22から出力された第2出力流体と、第3分離プロセスモジュールM3の第1出力端E31から出力された第1出力流体とは、合流部J502,J501を経由して、第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。第2分離プロセスモジュールM2の第1出力端E21から出力された第1出力流体は、集積分離プロセスモジュール500の第1出力端E501から出力される。第3分離プロセスモジュールM3の第2出力端E32から出力された第2出力流体は、集積分離プロセスモジュール500の第2出力端E502から出力される。
【0075】
集積分離プロセスモジュール500は、分離プロセスモジュール100,200,300のいずれか一つを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、集積分離プロセスモジュール500では、第1分離プロセスモジュールM1で分離された流体を、第2分離プロセスモジュールM2及び第3分離プロセスモジュールM3の両方で更に分離している。また、第2分離プロセスモジュールM2から出力された第2出力流体及び第3分離プロセスモジュールM3から出力された第1出力流体を第1分離プロセスモジュールM1に戻して再度分離している。よって、集積分離プロセスモジュール500では、第1成分及び第2成分を高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0076】
図8は、実施形態に係る集積分離プロセスモジュールの変形例を模式的に示す図である。図8に示される集積分離プロセスモジュール600は、第1〜第5分離プロセスモジュールM1〜M5を備える。第1〜第5分離プロセスモジュールM1〜M5のそれぞれは、第1〜第3実施形態に係る分離プロセスモジュール100,200,300のいずれか一つである。
【0077】
第4分離プロセスモジュールM4は、入力端I40、第1出力端E41及び第2出力端E42を有している。第5分離プロセスモジュールM5は、入力端I50、第1出力端E51及び第2出力端E52を有している。入力端I40,I50は、分離プロセスモジュール100,200,300の入力端Iに相当する。第1出力端E41,E51は、分離プロセスモジュール100,200,300の第1出力端E1に相当する。第2出力端E42,E52は、分離プロセスモジュール100,200,300の第2出力端E2に相当する。
【0078】
集積分離プロセスモジュール600の入力端I600に入力された入力流体は、合流部J601を経由して第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第1出力端E11から出力された第1出力流体は、合流部J602を経由して、入力流体として第2分離プロセスモジュールM2の入力端I20に入力される。第1分離プロセスモジュールM1の第2出力端E12から出力された第2出力流体は、合流部J603を経由して、入力流体として第3分離プロセスモジュールM3の入力端I30に入力される。第2分離プロセスモジュールM2の第2出力端E22から出力された第2出力流体と、第3分離プロセスモジュールM3の第1出力端E31から出力された第1出力流体とは、合流部J601を経由して、第1分離プロセスモジュールM1の入力端I10に入力される。
【0079】
第2分離プロセスモジュールM2の第1出力端E21から出力された第1出力流体は、第4分離プロセスモジュールM4の入力端I40に入力される。第3分離プロセスモジュールM3の第2出力端E32から出力された第2出力流体は、第5分離プロセスモジュールM5の入力端I50に入力される。第4分離プロセスモジュールM4の第2出力端E42から出力された第2出力流体は、合流部J602を経由して、第2分離プロセスモジュールM2の入力端I20に入力される。第5分離プロセスモジュールM5の第1出力端E51から出力された第1出力流体は、合流部J603を経由して、第3分離プロセスモジュールM3の入力端I30に入力される。第4分離プロセスモジュールM4の第1出力端E41から出力された第1出力流体は、集積分離プロセスモジュール600の第1出力端E601から出力される。第5分離プロセスモジュールM5の第2出力端E52から出力された第2出力流体は、集積分離プロセスモジュール600の第2出力端E602から出力される。
【0080】
なお、分離プロセスモジュール100,200,300等の分離プロセスモジュールを組み合わせることによって、自由に集積分離プロセスモジュールを設計することができる。さらに、一つの分離プロセスモジュール100,200,300を繰り返し用いて、集積分離プロセスモジュールを設計してもよい。
(大規模集積分離プロセスモジュール)
【0081】
図9は、実施形態に係る大規模集積分離プロセスモジュール(Large-ScaleIntegrated-Process Module)を模式的に示す図である。図9に示される大規模集積分離プロセスモジュール700は、第1〜第3集積分離プロセスモジュールN1〜N3を備える。第1〜第3集積分離プロセスモジュールN1〜N3のそれぞれは、集積分離プロセスモジュール500,600のいずれか一つである。
【0082】
第1集積分離プロセスモジュールN1は、入力端G10、第1出力端K11及び第2出力端K12を有している。第2集積分離プロセスモジュールN2は、入力端G20、第1出力端K21及び第2出力端K22を有している。第3集積分離プロセスモジュールN3は、入力端G30、第1出力端K31及び第2出力端K32を有している。入力端G10,G20,G30は、集積分離プロセスモジュール500,600の入力端I500,I600に相当する。第1出力端K11,K21,K31は、集積分離プロセスモジュール500,600の第1出力端E501,E601に相当する。第2出力端K12,K22,K32は、集積分離プロセスモジュール500,600の第2出力端E502,E602に相当する。
【0083】
大規模集積分離プロセスモジュール700の入力端I700に入力された入力流体は、合流部J701を経由して第1集積分離プロセスモジュールN1の入力端G10に入力される。第1集積分離プロセスモジュールN1の第1出力端K11から出力された第1出力流体は、入力流体として第2集積分離プロセスモジュールN2の入力端G20に入力される。第1集積分離プロセスモジュールN1の第2出力端K12から出力された第2出力流体は、入力流体として第3集積分離プロセスモジュールN3の入力端G30に入力される。第2集積分離プロセスモジュールN2の第2出力端K22から出力された第2出力流体と、第3集積分離プロセスモジュールN3の第1出力端K31から出力された第1出力流体とは、合流部J702,J701を経由して、第1集積分離プロセスモジュールN1の入力端G10に入力される。第2集積分離プロセスモジュールN2の第1出力端K21から出力された第1出力流体は、大規模集積分離プロセスモジュール700の第1出力端E701から出力される。第3集積分離プロセスモジュールN3の第2出力端K32から出力された第2出力流体は、大規模集積分離プロセスモジュール700の第2出力端E702から出力される。
【0084】
大規模集積分離プロセスモジュール700は、集積分離プロセスモジュール500,600のいずれか一つを備えているので、省エネルギー効果が高い。また、大規模集積分離プロセスモジュール700では、第1集積分離プロセスモジュールN1で分離された流体を、第2集積分離プロセスモジュールN2及び第3集積分離プロセスモジュールN3の両方で更に分離している。また、第2集積分離プロセスモジュールN2から出力された第2出力流体及び第3集積分離プロセスモジュールN3から出力された第1出力流体を第1集積分離プロセスモジュールN1に戻して再度分離している。よって、大規模集積分離プロセスモジュール700では、第1成分及び第2成分を更に高純度で分離することができ、第1成分と第2成分の分離比を自由に決定することができる。
【0085】
なお、集積分離プロセスモジュール500,600等の集積分離プロセスモジュールを組み合わせることによって、自由に大規模集積分離プロセスモジュールを設計することができる。さらに、一つの集積分離プロセスモジュール500,600を繰り返し用いて、大規模集積分離プロセスモジュールを設計してもよい。
【0086】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0087】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
【0088】
図1に示される分離プロセスモジュール100について、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いてシミュレーションを行った。全ての熱交換器内の最小近接温度差は10度とした。実在気体の状態方程式として、Soave-Redlich-Kwong式を用いた。入力端Iに入力される入力流体として、50mol%ベンゼン、50mol%トルエンの混合液を用いた。
【0089】
入力流体の流量を100kg・mol/時間、温度を標準温度(25℃)、圧力を標準圧力(1atm)とした。第1出力端E1から出力される第1出力流体の流量を50kg・mol/時間、温度を標準温度(25℃)、圧力を標準圧力(1atm)とした。第2出力端E2から出力される第2出力流体の流量を50kg・mol/時間、温度を標準温度(25℃)、圧力を標準圧力(1atm)とした。
【0090】
第1出力端E1から出力される第1出力流体は、60.7mol%ベンゼン、39.3mol%トルエンの混合液とした。第2出力端E2から出力される第2出力流体は、標準状態(25℃、1atm)で、39.3mol%ベンゼン、60.7mol%トルエンの混合液とした。
【0091】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は47.7kg・mol/時間、温度は85.9℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は52.3kg・mol/時間、温度は85.9℃であった。配管4を通る入力流体の温度は85.9℃であった。配管5を通る入力流体の温度は95.9℃であった。配管6を通る第1出力流体の流量は50kg・mol/時間、温度は95.9℃であった。配管7を通る第1出力流体の温度は135.9℃、圧力は2.92atmであった。配管12を通る第1出力流体の温度は38.3℃であった。配管9を通る第2出力流体の流量は50kg・mol/時間、温度は95.9℃であった。
【0092】
また、第1圧縮機C1において必要な仕事は45.1kWであった。なお、第1熱交換器H1における熱交換量は488kWであった。第2熱交換器H2における熱交換量は120kWであった。第3熱交換器H3における熱交換量は131kWであった。
(比較例1)
【0093】
図10に示される分離プロセスモジュール100aについて、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。
【0094】
シミュレーションの結果、加熱炉B2において必要な熱量は488kWであった。
【0095】
実施例1の結果と比較例1の結果とを比較すると、実施例1では比較例1に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例2)
【0096】
図7に示される集積分離プロセスモジュール500について、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、第1出力端E501から出力される第1出力流体を74mol%ベンゼン、26mol%トルエンの混合液としたこと以外は実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。集積分離プロセスモジュール500の分離プロセスモジュールM1,M2,M3として、図1に示される分離プロセスモジュール100を用いた。
【0097】
シミュレーションの結果、分岐部J501から入力端I10に入力される入力流体の流量は324.9kg・mol/時間、温度は25℃、圧力は1atmであった。第1出力端E11から出力される第1出力流体の流量は134.4kg・mol/時間、温度は25℃、圧力は1atmであった。第2出力端E12から出力される第2出力流体の流量は190.4kg・mol/時間、温度は25℃、圧力は1atmであった。
【0098】
また、分離プロセスモジュールM1の第1圧縮機C1において必要な仕事は146.7kWであった。分離プロセスモジュールM2の第1圧縮機C1において必要な仕事は59.2kWであった。分離プロセスモジュールM3の第1圧縮機C1において必要な仕事は89.1kWであった。したがって、全体に必要な合計エネルギーは295.0kWであった。
(比較例2)
【0099】
図14に示される分離プロセスモジュール200bにおいて加熱炉B2を用いず、分岐部J5をコンデンサに置換したものについて、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。分離器Sの段数を3、還流比を1.76とした。
【0100】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は30.2kg・mol/時間、温度は76.1℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は69.8kg・mol/時間、温度は76.1℃であった。配管5を通る入力流体の温度は76.1℃であった。配管25を通る第1出力流体の温度は86.1℃であった。配管27を通る第2出力流体の温度は100.4℃であった。
【0101】
加熱炉B1において必要な熱量は1304.5kWであった。
【0102】
実施例2の結果と比較例2の結果とを比較すると、実施例2では比較例2に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例3)
【0103】
図5に示される分離プロセスモジュール300について、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、第1出力端E1から出力される第1出力流体を73mol%ベンゼン、27mol%トルエンの混合液としたこと以外は実施例1と同様にして、シミュレーションを行った。分離器Sの段数を3とした。第1圧縮機C1の圧縮比は1.54とした。第2圧縮機C2の圧縮比は8.0とした。
【0104】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は40.0kg・mol/時間、温度は90.2℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は60.0kg・mol/時間、温度は92.4℃であった。配管4を通る入力流体の温度は91.5℃であった。配管5を通る入力流体の温度は95.0℃であった。配管17を通る第1出力流体の温度は178.6℃であった。配管20を通る第1出力流体の流量は85kg・mol/時間、温度は86.3℃であった。配管7を通る第1出力流体の温度は106.6℃であった。配管8を通る第1出力流体の温度は102.4℃であった。配管22を通る第2出力流体の流量は95.5kg・mol/時間であった。配管23を通る第2出力流体の温度は105.0℃であった。配管9を通る第2出力流体の温度は100.2℃であった。
【0105】
また、第1圧縮機C1において必要な仕事は17.9kWであった。第2圧縮機C2において必要な仕事は147.0kWであった。第4熱交換器H4において必要な熱量は74.1kWであった。したがって、全体に必要な合計エネルギーは239.0kWであった。
(比較例3)
【0106】
図14に示される分離プロセスモジュール200bにおいて、分岐部J5をコンデンサに置換したものについて、プロセスシミュレータ(PRO/IITM)を用いて、実施例1と同様にシミュレーションを行った。分離器Sの段数を2、還流比を1.7とした。なお、加熱炉B1も1段の分離器として機能するので、分離器S及び加熱炉B1の合計段数は3である。
【0107】
シミュレーションの結果、配管3を通る入力流体の流量は30.7kg・mol/時間、温度は76.3℃であった。配管3aを通る入力流体の流量は69.3kg・mol/時間、温度は90.2℃であった。配管4を通る入力流体の温度は83.7℃であった。配管5を通る入力流体の温度は95.0℃であった。配管25を通る第1出力流体の温度は86.3℃であった。配管27を通る第2出力流体の温度は100.2℃であった。加熱炉B1において必要な熱量は888.3kWであった。加熱炉B2において必要な熱量は370.3kWであった。したがって、全体に必要な合計エネルギーは1258.6kWであった。
【0108】
実施例3の結果と比較例3の結果とを比較すると、実施例3では比較例3に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
(実施例4)
【0109】
分離機Sの段数を19、第1出力端E1から出力される第1出力流体を95mol%ベンゼン、5mol%トルエンの混合液としたこと以外は実施例3と同様にして、シミュレーションを行った。
【0110】
シミュレーションの結果、全体に必要な合計エネルギーは281.1kWであった。
。
(比較例4)
【0111】
分離機Sの段数を18、第1出力端E1から出力される第1出力流体を95mol%ベンゼン、5mol%トルエンの混合液としたこと以外は比較例3と同様にして、シミュレーションを行った。
【0112】
シミュレーションの結果、全体に必要な合計エネルギーは1214.1kWであった。
【0113】
実施例4の結果と比較例4の結果とを比較すると、実施例4では比較例4に比べて大幅な省エネルギーが実現されていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図2】第1実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図3】第2実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図4】第2実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図5】第3実施形態に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図6】第3実施形態に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図7】実施形態に係る集積分離プロセスモジュール(Integrated-ProcessModule)を模式的に示す図である。
【図8】実施形態に係る集積分離プロセスモジュールの変形例を模式的に示す図である。
【図9】実施形態に係る大規模集積分離プロセスモジュール(Large-ScaleIntegrated-Process Module)を模式的に示す図である。
【図10】第1比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図11】第1比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図12】第2比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図13】第2比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【図14】第3比較例に係る分離プロセスモジュールを模式的に示す図である。
【図15】第3比較例に係る分離プロセスモジュールにおける熱量Qと温度Tとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0115】
I…入力端、R1…第1分岐路、R2…第2分岐路、W…合流路、S…分離器、C1…第1圧縮機、H1…第1熱交換器、H2…第2熱交換器、H3…第3熱交換器、E1…第1出力端、E2…第2出力端、100,200,300…分離プロセスモジュール、J3…分岐部(第1分岐部)、C2…第2圧縮機、J4…分岐部(第2分岐部)、H4…第4熱交換器、M1…第1分離プロセスモジュール、M2…第2分離プロセスモジュール、M3…第3分離プロセスモジュール、500,600…集積分離プロセスモジュール、N1…第1集積分離プロセスモジュール、N2…第2集積分離プロセスモジュール、N3…第3集積分離プロセスモジュール、700…大規模集積分離プロセスモジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分及び前記第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される入力端と、
前記入力端に入力された前記入力流体を分岐して流す第1分岐路及び第2分岐路と、
前記第1分岐路を流れる前記入力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体とを合流して流す合流路と、
前記合流路を流れる前記入力流体を、気体の前記第1成分を含む第1出力流体と、前記第2成分を含む第2出力流体とに分離する分離器と、
前記分離器から出力された前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第1圧縮機と、
前記第1圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体と、前記合流路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第1分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、
前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第3熱交換器と、
前記第2熱交換器を通過した前記第1出力流体を出力する第1出力端と、
前記第3熱交換器を通過した前記第2出力流体を出力する第2出力端と、
を備える、分離プロセスモジュール。
【請求項2】
前記分離器から出力される前記第1出力流体のエンタルピーと、前記分離器から出力される前記第2出力流体のエンタルピーとの和が、前記分離器に入力される前記入力流体のエンタルピーと同じである、請求項1に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項3】
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいる、請求項1又は2に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項4】
前記分離器と前記第1圧縮機との間に配置され、前記分離器から出力された前記第1出力流体を分岐する第1分岐部と、
前記第1分岐部から出力され、気体の前記第1成分を含む前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、
前記分離器と前記第3熱交換器との間に配置され、前記分離器から出力された前記第2出力流体を分岐する第2分岐部と、
前記第2分岐部から出力された前記第2出力流体と、前記第2圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第4熱交換器と、
を更に備え、
前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第4熱交換器を通過した前記第2出力流体とが、前記分離器に入力される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項5】
前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいる、請求項4に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項6】
前記分離器は、単段の分離器である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の第1分離プロセスモジュールと、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の第2分離プロセスモジュールと、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の第3分離プロセスモジュールと、
を備え、
前記第1分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第1分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第2分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される、集積分離プロセスモジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の第1集積分離プロセスモジュールと、
請求項7に記載の第2集積分離プロセスモジュールと、
請求項7に記載の第3集積分離プロセスモジュールと、
を備え、
前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される、大規模集積分離プロセスモジュール。
【請求項1】
第1成分及び前記第1成分とは異なる第2成分を含む入力流体が入力される入力端と、
前記入力端に入力された前記入力流体を分岐して流す第1分岐路及び第2分岐路と、
前記第1分岐路を流れる前記入力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体とを合流して流す合流路と、
前記合流路を流れる前記入力流体を、気体の前記第1成分を含む第1出力流体と、前記第2成分を含む第2出力流体とに分離する分離器と、
前記分離器から出力された前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第1圧縮機と、
前記第1圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体と、前記合流路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第1熱交換器と、
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第1分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第2熱交換器と、
前記分離器から出力された前記第2出力流体と、前記第2分岐路を流れる前記入力流体との間で熱交換を行う第3熱交換器と、
前記第2熱交換器を通過した前記第1出力流体を出力する第1出力端と、
前記第3熱交換器を通過した前記第2出力流体を出力する第2出力端と、
を備える、分離プロセスモジュール。
【請求項2】
前記分離器から出力される前記第1出力流体のエンタルピーと、前記分離器から出力される前記第2出力流体のエンタルピーとの和が、前記分離器に入力される前記入力流体のエンタルピーと同じである、請求項1に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項3】
前記第1熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいる、請求項1又は2に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項4】
前記分離器と前記第1圧縮機との間に配置され、前記分離器から出力された前記第1出力流体を分岐する第1分岐部と、
前記第1分岐部から出力され、気体の前記第1成分を含む前記第1出力流体を圧縮することによって昇温させる第2圧縮機と、
前記分離器と前記第3熱交換器との間に配置され、前記分離器から出力された前記第2出力流体を分岐する第2分岐部と、
前記第2分岐部から出力された前記第2出力流体と、前記第2圧縮機によって圧縮された前記第1出力流体との間で熱交換を行う第4熱交換器と、
を更に備え、
前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体と、前記第4熱交換器を通過した前記第2出力流体とが、前記分離器に入力される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項5】
前記第4熱交換器を通過した前記第1出力流体は、液体の前記第1成分を含んでいる、請求項4に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項6】
前記分離器は、単段の分離器である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分離プロセスモジュール。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の第1分離プロセスモジュールと、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の第2分離プロセスモジュールと、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の第3分離プロセスモジュールと、
を備え、
前記第1分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第1分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第2分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される、集積分離プロセスモジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の第1集積分離プロセスモジュールと、
請求項7に記載の第2集積分離プロセスモジュールと、
請求項7に記載の第3集積分離プロセスモジュールと、
を備え、
前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体は、前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体は、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力され、
前記第2集積分離プロセスモジュールにおける前記第3分離プロセスモジュールの前記第2出力端から出力された前記第2出力流体と、前記第3集積分離プロセスモジュールにおける前記第2分離プロセスモジュールの前記第1出力端から出力された前記第1出力流体とは、前記第1集積分離プロセスモジュールにおける前記第1分離プロセスモジュールの前記入力端に入力される、大規模集積分離プロセスモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−36057(P2010−36057A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198357(P2008−198357)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 エネルギー・資源学会 刊行物名 第27回エネルギー・資源学会 研究発表会講演論文要旨集 発行日 平成20年6月5日 発行者名 エネルギー・資源学会 刊行物名 第27回エネルギー・資源学会 研究発表会講演論文要旨集のCD−ROM 発行日 平成20年6月5日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー使用合理化技術実用化開発/コプロダクション設計手法開発と設計支援ツールの研究開発」に係る共同研究業務及び委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 エネルギー・資源学会 刊行物名 第27回エネルギー・資源学会 研究発表会講演論文要旨集 発行日 平成20年6月5日 発行者名 エネルギー・資源学会 刊行物名 第27回エネルギー・資源学会 研究発表会講演論文要旨集のCD−ROM 発行日 平成20年6月5日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー使用合理化技術実用化開発/コプロダクション設計手法開発と設計支援ツールの研究開発」に係る共同研究業務及び委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】
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