説明

分離可能な電子装置を組み込んだ衣料品

電子装置を含む衣料品が開示される。本衣料は、開口部を規定する材料要素で少なくとも部分的に形成される。電子装置は、開口部内に配置可能であり、材料要素に取り外し可能に固定することができる。電子装置は、時計などのタイミング装置、または全地球測位システムであってよい。本衣料は、織物材料または様々な他の種類の衣料のうちの任意のもので形成されたリストバンドであってよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、衣料に関する。本発明は、より詳細には、衣料の残りの部分から取り外し可能であるかまたは分離可能である電子装置を組み込んだ衣料品に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の説明
運動選手は、練習または競技時の補助として様々な電子装置を利用している。たとえば、運動選手は、時間を追跡して表示する、スプリットタイムもしくはラップタイムを記録する、クロノグラフデータを供給する、またはアラームとして機能するタイミング装置を利用することができる。全地球測位システムを利用して距離を計算し、かつ時計もしくは他のタイミング装置と組み合わせて平均速度を計算することもできる。さらに、電子装置は、周囲の空気の温度を測定する、高度もしくは方位を測定する、心拍をモニタする、2人以上の個人間の通信を容易にする、着用者の速度を調節するための可聴信号を供給する、または日付を表示するように機能することができる。したがって、練習または競技時に様々な電子装置を利用して運動選手を補助するかまたは運動選手に利益をもたらすことができる。
【0003】
上述の各電子装置は、手首取り付けユニットに組み込むことができる。一例として、タイミング装置(すなわち、時計)は、電子タイミング要素、ケース、およびバンドを含んでよい。電子タイミング要素は、ケース内に配置され、着用者または他の個人のために時間を追跡して表示するように機能する。ケースは、電子タイミング要素を保護するように機能し、多くの場合、電子タイミング要素上で時間ディスプレイを見るための透明な面を含んでよい。バンドは、ケースの両側から延び、ケースおよび電子タイミング要素を着用者の手首に固定する。
【0004】
大部分の時計は、電子タイミング要素、ケース、およびバンドを含むが、現代的な時計のデザインは、これらの構成要素に対する複数の変形を含む。たとえば、電子タイミング要素は、機械的な動き、または機械的特徴および電気的特徴の組み合わせを有する要素で置き換えることができる。バンドは、時計を手首に固定するクラスプを組み込むことができ、またはバンドは、開放式のブレスレット様の構成を示すことができる。さらに、様々な構成要素を形成する材料は、たとえばポリマーおよび金属の両方を含んでよい。時計を形成する様々な要素の違いを利用して、たとえば、着用者の実用性を向上させ、時計の質量を減らし、または時計の見た目を改善することができる。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は、電子装置を含むリストバンドまたはジャケットなどの衣料品に関する。この衣料は、開口部を規定する材料要素で少なくとも部分的に形成される。電子装置は、開口部内に配置可能であり、材料要素に取り外し可能に固定可能である。電子装置は、時計などのタイミング装置、または全地球測位システムであってよい。
【0006】
前記電子装置は、ケース、回路、および一対の固定要素を含んでよい。回路は、ケース内に位置付けられ、固定要素はケースの周りに延びている。固定要素は、電子装置の外周に少なくとも部分的に延びる周辺部のくぼみを規定するように分離される。電子装置は、開口部内に位置付けることが可能であり、周辺部のくぼみ内に材料要素の縁部を配置することによって材料要素に固定することができる。電子装置は、縁部および周辺部のくぼみを解離させることによってリストバンドから分離することができる。
【0007】
本発明の他の局面は、衣料品を組み立てる方法を含む。該方法は、リストバンドに開口部を設ける段階、および開口部内に電子要素を配置する段階を含む。さらに、該方法は、電子要素の周りおよび材料要素の向かい合った側面に固定要素を位置付けて電子要素を材料要素に固定する段階を含む。電子要素は開口部から取り外すことができる。電子要素を取り外すと、電子要素のない状態でリストバンドに洗浄プロセスを施すことができる。さらに、該電子要素を別の電子要素と交換することができる。
【0008】
本発明を特徴付ける新規性の利点および特徴は、特に添付の特許請求の範囲に指摘されている。しかし、新規性の利点および特徴をよりよく理解するために、本発明に関する様々な態様および概念を説明し図示する以下の説明事項および添付の図面を参照することができる。
【0009】
上記の「発明の概要」ならびに以下の「発明の詳細な説明」は、添付の図面と一緒に読むとよりよく理解されると考えられる。
【0010】
発明の詳細な説明
以下の考察および添付の図は、電子装置を組み込んだ様々な衣料品を開示するものである。一般に、衣料品は、開口部を規定する織物またはポリマーシートなどの材料要素で形成される。電子装置は、開口部内に位置付けて材料要素に固定することができる。さらに、電子装置は、材料要素から外し、開口部から取り外すことができる。すなわち、電子装置は、衣料品の残りの部分から分離することができる。この構成は、材料要素を含む衣料品の残りの部分に、電子装置がない状態で洗浄プロセスを施すことを可能にし、それによって、洗浄プロセス中に電子装置が損傷を受ける可能性を低減させる。この構成は、電子装置を、異なる機能を実行する複数の他の電子装置のうちの1つと交換することも可能にする。
【0011】
衣料品10は、図1〜6に、リストバンド20および電子装置30を含むように示されている。一般に、衣料10は、訓練または競技時に運動選手を補助することのできる二重目的装置を形成する。たとえば、リストバンド20を利用して運動選手の顔の近くの領域からの汗またはその他の水分を吸収し除去することができ、電子装置30を利用して時間を追跡して表示する、スプリットタイムもしくはラップタイムを記録する、クロノグラフデータを供給する、または2人以上の個人間の通信を容易にする(すなわち、無線電話または2方向通信装置)ことができる。訓練または競技の後で、電子装置30をリストバンド20から分離し、電子装置30の無い状態でリストバンド20に洗浄プロセスを施すことができる。あるいは、たとえば、電子装置30を別の電子装置と交換することができる。
【0012】
リストバンド20は、たとえば織物材料で少なくとも部分的に形成され、従来のリストバンドの一般的な構成を示す。したがって、リストバンド20を形成する織物材料は、手首の寸法に近い内部寸法を有するループ状または概ね円筒形の構造を形成する。リストバンド20には様々な織物材料が適しているが、例示的な織物材料には片面テリー織または両面テリー織が含まれる。テリー織を形成する糸は、天然材料、合成材料、または天然材料および合成材料の組み合わせを含む繊維およびフィラメントから形成することができる。より詳細には、テリー織を特徴付ける様々なテリー・ループを綿糸で形成し、吸水性および肌触りを向上させることができる。リストバンド20を形成する織物材料の他の部分は弾性繊維を組み込んでもよく、該弾性繊維はリストバンド20の伸縮性および回復特性を高め、それによって、リストバンド20の円周を伸張および密着させて衣料10を手首上に配置するのを助け、かつ様々なサイズの手首に対応させる。適切な弾性繊維は、LYCRA商標の下でE.I. DuPont de Nemours Companyから市販されているエラスタンで形成される。上述の織物材料だけでなく、他の材料要素をリストバンド20に利用することができる。
【0013】
リストバンド20は、ループ状または概ね円筒形の構造を形成する織物材料の1つまたは複数の要素で形成することができる。図1〜4に示されているように、リストバンド20は、リストバンド20の内面を囲む継ぎ目21を形成するように内側に折り畳まれた織物材料の管状構造で形成することができる。あるいは、リストバンド20は非折り畳み構成を有することができ、または継ぎ目21に垂直に延びる継ぎ目を形成する接合端部を有する織物材料の平面状要素でリストバンド20を形成することができる。したがって、上記の考察に基づいて、リストバンド20を様々な方法で形成することができ、かつリストバンド20は本発明の範囲内の様々な構成を示すことができる。
【0014】
従来のリストバンドとは異なり、リストバンド20は、リストバンド20を通って延びる開口部22を規定する。半剛性材料で形成された補強構造23は、開口部22の周りに延び、電子要素30の外部寸法に対応する概ね長方形の構成を有している。補強構造23は、開口部22の形状を保持するだけでなく、リストバンド20の、開口部22に隣接する領域における、織物材料のほつれまたはほころびを制限する。補強構造22は、ポリマーおよび金属を含む様々な材料で形成することができる。したがって、補強構造23に適したポリマーには、ナイロンおよびポリウレタンが含まれ、補強構造23に適した金属には、たとえば、鋼、ステンレススチール、アルミニウム、およびチタンが含まれる。いくつかの態様では、補強構造23を、開口部22を補強するフィラメント、繊維、または糸で形成することもできる。他の態様では、リストバンド20に補強構造が存在しなくてもよい。リストバンド20を形成する織物材料が主としてポリマー材料で形成される他の態様では、織物材料の、開口部22に隣接する領域で補強構造23を形成し、補強構造23を融解して開口部22の周りに延びる半剛性構造を形成させることができる。したがって、上記の考察に基づいて、開口部22および補強構造23は、本発明の範囲内の様々な構成を示すことができる。
【0015】
開口部22は、リストバンド20の大部分を形成する織物材料の縁部から内側に間隔を置いて配置されている。この構成では、リストバンド20を形成する織物材料は、開口部22の周りに全体的にかつ途切れなく延びて、リストバンド20を貫通する穴を実際上規定している。しかし、いくつかの態様では、開口部22は、電子装置30を受け入れるリストバンド20の縁部のくぼみであってよい。
【0016】
電子装置30は、時間を追跡して表示する、スプリットタイムもしくはラップタイムを記録する、またはクロノグラフデータを供給するタイミング装置の機能を実行する。電子装置30の主な構成要素は、ケース31、一対の固定要素32aおよび32b、ならびに回路33である。ケース31は、上面34a、下面34b、および側壁面34cを含む概ね箱形の構造を有している。固定要素32aは、側壁面34cの周りに延び、上面34aに隣接して配置されている。同様に、固定要素32bは、側壁面34cの周りをに延び、下面34bに隣接して配置されている。上述のように位置付けられると、図5〜7に示されているように、固定要素32aおよび32b間に隙間35が形成される。隙間35は、電子装置30の外側の周りに少なくとも部分的に延びる周辺部のくぼみを実際上形成している。
【0017】
ケース31は、回路33用の保護カバーを提供し、汗または水の形態の水分から回路33を保護するように密封することができる。ケース31の上部(すなわち、上面34a)は、個人が回路33に付随するディスプレイを見ることができるように透明である。一対のボタンまたは他の作動可能装置(図示せず)もケース31を通って延びており、これにより個人は電子装置30に関連する様々な機能を作動させるかまたは切り換えることができる。回路33は、たとえば、ディスプレイ(たとえば、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、アナログ形式ディスプレイ)、マイクロプロセッサ、および電池を含んでよく、時間を追跡して表示する、スプリットタイムもしくはラップタイムを記録する、またはクロノグラフデータを供給する、電子装置30の部分を実際上形成している。
【0018】
側壁面34cは、開口部22および補強構造23の内側寸法に実質的に対応する寸法を有する概ね長方形の構成を有している。したがって、ケース31は、補強構造23が側壁面34cの周りに延び、側壁面34cに隣接して位置付けられるように開口部22内に嵌ることができる。ケース31を開口部22内に固定するために、固定要素32aおよび32bはそれぞれ、上面34aおよび下面34bに隣接して補強構造23の向かい合った側面に配置される。すなわち、電子装置30は、図5および6に示されているように、開口部22および補強構造23が隙間35内に位置するように位置付けられる。固定要素32aおよび32bは、ケース31の周りに延び、したがって、ケース31を開口部22内に固定するように機能する。
【0019】
固定要素32aおよび32bは、ケース31の周りに嵌る長方形リングの構造を有している。固定要素32aおよび32bをケース31の周りに固定して位置付けるために、様々な突起またはその他の構造をケース31上に形成することができる。すなわち、電子装置30がリストバンド20に固定されているときに固定要素32aおよび32bが誤ってケース31をすべり落とさないようにするために様々な構造を利用することができる。しかし、個人が電子装置30をリストバンド20から取り外したいときは、固定要素32aおよび32bをケース31から取り外して、ケース31を開口部22から取り外すことができる。したがって、電子装置30をリストバンド20から分離するために電子装置30を部分的に分解することができる(すなわち、固定装置32aおよび32bをケース31から取り外すかまたは分離することができる)。
【0020】
電子装置30は、開口部22内に位置付ける事が可能であり、隙間35によって形成された周辺部のくぼみ内に補強構造23を配置することによって、リストバンド20を形成する材料要素に固定することができる。さらに、電子装置30は、隙間35によって形成された周辺部のくぼみから補強構造23を解離させるかまたはその他の方法で取り外すことによって、リストバンド20を形成する材料要素から分離することができる。これは、たとえば、固定要素32aおよび32bの一方をケース31の周りから取り外し、ケース31を開口部22から取り外すことによって行うことができる。他の態様では、補強構造23または開口部22の縁部は、リストバンド20を隙間35から取り外し、それによってリストバンド20および電子装置30を分離することができるように延ばすことができる。
【0021】
電子装置30は、ケース31を固定要素32aおよび32bに固定するロック構造を組み込んでよい。図3、5、および6を参照すると、ロック突起36および対応するロックくぼみ37がそれぞれ、ケース31および固定要素32bに形成されている。固定要素32bがケース31の周りに延びるとき、ロック突起36はロックくぼみ37に嵌り込んでこれらの要素を固定する。ロック突起36およびロックくぼみ37は、ケース31および固定要素32bに付随するように図示されているが、他の突起およびくぼみを固定要素32aに用いることができる。さらに、ロック突起36およびロックくぼみ37は、本発明の他の態様では、ケース31および固定要素32aの周りを部分的にのみ延びることができる。突起およびくぼみの代わりに他の形態のロック構造を利用することもできる。
【0022】
隙間35は、電子装置30の周りを延び、補強構造23を受け入れる周辺部のくぼみを形成している。各図に示されているように、隙間35は、固定要素32aおよび32bのみで形成されている。すなわち、ケース31または側壁34の各部は隙間35を形成しない。さらに、固定要素32aおよび32bは、電子装置30をリストバンド20に接合する2つの別個の要素である。しかし、本発明のいくつかの態様では、固定要素32aおよび32bの一方を、周辺部のくぼみが固定要素32aおよび32bの他方とケース31が協働して形成されるようなケース31を有する単体(すなわち、一体型)構造で形成することができる。隙間35は固定要素32aおよび32bのみで形成されているが、いくつかの態様では、周辺部のくぼみは部分的に形成されたケース31であってよい。
【0023】
開口部22、電子装置30、および衣料10の様々な他の構成要素は、長方形の構成を有するものとして述べられている。本発明の他の態様では、開口部22、電子装置30、および衣料10の様々な他の構成要素は、電子装置30をリストバンド20に固定し、電子装置30をリストバンド20から分離するのを容易にする任意の適切な対応する形状を有してよい。たとえば、開口部22は、円形、楕円形、三角形、方形、または六角形を有してよく、ケース31は対応する形状を有してよい。
【0024】
固定要素32aおよび32bは、固定要素32aおよび32bを側壁34cに対して滑らせることによってケース31から取り外される。すなわち、固定要素32aおよび32bの少なくとも一方は、上面34aおよび下面34bに対して垂直な方向に滑り、リストバンド20から電子装置30を取り外す。さらに、固定要素32aおよび32bは、逆方向に滑って固定要素32aおよび32bをケース31の周りに配置し、電子装置30をリストバンド20に固定する。固定要素32aおよび32bを滑らせるこの動作は、電子装置30が上述の形状のいずれか、特に非円形形状を示すことを可能にする。たとえば、固定要素32bをケース31から取り外すのに(ねじまたはその他の回転固定機構に起因して)固定要素32bを回転させる必要がある場合、ケース31および固定要素32bが非円形であることでこの動作が妨げられる。したがって、ねじまたは他の回転固定機構を利用する場合、概ね円形の電子装置30を形成することが必要になることがある。しかし、上述のように、固定要素32aおよび32bは側壁34cに対して滑り、これにより、電子装置30が様々な非円形形状を有することが可能となる。
【0025】
電子装置30は、タイミング装置の機能を実行するものとして上記で述べ図示したが、電子装置30は、複数の適切な電子装置のうちのいずれかであってよい。たとえば、電子装置30は、心拍モニタ、万歩計、全地球測位システム(GPS)ユニット、高度計、コンパス、温度計、計算器、または通信装置であってよい。さらに、電子装置30は、上述の例示的な電子装置のうちの2つ以上の電子装置の機能を実行することができる。より詳細には、電子装置30は、タイミング装置およびGPSユニットの組み合わせであってよい。したがって、電子装置30の機能は、本発明の範囲内で著しく変更することができる。
【0026】
図8を参照すると、衣料品10'は、リストバンド20'ならびに一対の電子装置30a'および30b'を有するように図示されている。リストバンド20'は、リストバンド20と実質的に同一の構成を示している。したがって、リストバンド20'は、織物材料で形成され、補強構造(図示せず)を有する開口部も規定している。電子装置30a'はタイミング装置の機能を実行し、電子装置30と実質的に同一であるが、電子装置30b'はGPSユニットの機能を実行する。図8に図示されているように、運動選手の活動時でタイミング装置が最も有効であると考えられる間は、電子装置30a'がリストバンド20'の開口部によって受け入れられるように衣料10'を構成することができる。運動選手の活動時でGPSユニットが最も有効であると考えられる間は、電子装置30b’がリストバンド20’の開口部によって受け入れられるように衣料10’を構成することができる。したがって、衣料10'は、電子装置30a'および30b'の一方をリストバンド20'と組み合わせて利用することができる構成を有し、個人は電子装置30a'および30b'を自由に交換することができる。他の態様では、電子装置30a'および30b'は他の機能を実行することができるか、または追加の電子装置が、個人による使用に利用可能である。しかし、リストバンド20'に洗浄プロセスを施す際、両方の電子装置30a'および30b'をリストバンド20'の開口部から取り外すことができる。
【0027】
様々な他の種類の衣料は、リストバンドだけでなく、たとえば、手袋、シャツ、ズボン、帽子、靴下、履物、下着、およびコートを含む、衣料20および20'の特徴を含んでもよい。図9を参照すると、衣料品10"は、ジャケット20"および電子装置30"を有するように図示されている。ジャケット20"は、胴領域21"および一対の腕領域22"を含んでいる。一方の腕領域22"は、電子装置30"を受け入れる開口部を規定している。衣料10および10'と同様に、電子装置30"は、ジャケット22"を洗浄するかまたは電子装置30"を他の電子装置と交換する目的で開口部から取り外し可能である。電子装置30"は、一方の腕領域22"の手首領域に配置されるように図示されているが、本発明の他の態様では、電子装置30"はジャケット20"に付随する任意の場所に位置付けることができる。
【0028】
上記の考察に基づき、任意の衣料品は、電子装置30などの電子装置を含んでよい。衣料は、開口部を規定する材料要素で少なくとも部分的に形成され、電子装置は、開口部内に配置可能であり、かつ材料要素に取り外し可能に固定することができる。電子装置は、たとえば、時計などのタイミング装置、または全地球測位システムユニットであってよい。衣料は、織物材料または様々な他の種類の衣料のうちの任意のもので形成されたリストバンドであってよい。
【0029】
本発明は、様々な態様に関連して上記および添付の図面に開示されている。しかし、この開示によって実現される目的は、本発明に関する様々な特徴および概念の一例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく上述の態様に多数の変形および変更がなされうることを認識すると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の衣料品の斜視図である。
【図2】第1の衣料品の第1の分解斜視図である。
【図3】第1の衣料品の第2の分解斜視図である。
【図4】第1の衣料品の平面図である。
【図5】図4の断面線5-5に沿った、第1の衣料品の第1の断面図である。
【図6】図4の断面線6-6に沿った、第1の衣料品の第2の断面図である。
【図7】第1の衣料品に関連する電子装置の側面図である。
【図8】本発明の第2の衣料品の斜視図である。
【図9】本発明の第3の衣料品の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非円形形状を有する周縁部を含む開口部を規定する織物要素と、
開口部内に位置付けることが可能であり、開口部の周縁部に固定可能であり、開口部から取り外し可能であり、非円形形状を有する、電子装置とを含む衣料品。
【請求項2】
織物要素がリストバンドである、請求項1記載の衣料品。
【請求項3】
織物要素が、少なくとも部分的にテリー織材料で形成される、請求項2記載の衣料品。
【請求項4】
織物要素が、開口部の周りに延びて周縁部を形成する補強構造を含む、請求項1記載の衣料品。
【請求項5】
電子装置がタイミング装置である、請求項1記載の衣料品。
【請求項6】
電子要素が全地球測位システムユニットである、請求項1記載の衣料品。
【請求項7】
電子装置が、ケース、回路、および一対の固定要素を含む、請求項1記載の衣料品。
【請求項8】
回路がケース内に位置付けられ、固定要素がケースの周りに延びる、請求項7記載の衣料品。
【請求項9】
固定要素が、電子装置の外周に少なくとも部分的に延びる、周辺部のくぼみを規定するように分離される、請求項8記載の衣料品。
【請求項10】
電子装置を開口部内に位置付けることが可能であり、かつ開口部の縁部を周辺部のくぼみ内に配置することによって織物要素に固定することができ、かつ該電子装置を、該縁部および周辺部の該くぼみを解離させることによって織物要素から分離することができる、請求項9記載の衣料品。
【請求項11】
織物材料で少なくとも部分的に形成され、非円形形状を有する開口部を規定するリストバンドと、
開口部内に配置可能であり、リストバンドに取り外し可能に固定可能であり、非円形形状を有する、電子装置とを含む衣料品。
【請求項12】
リストバンドが、少なくとも部分的にテリー織材料で形成される、請求項11記載の衣料品。
【請求項13】
電子装置がタイミング装置である、請求項11記載の衣料品。
【請求項14】
電子要素が全地球測位システムユニットである、請求項11記載の衣料品。
【請求項15】
電子装置が、ケース、回路、および一対の固定要素を含む、請求項11記載の衣料品。
【請求項16】
回路がケース内に位置付けられ、固定要素がケースの周りに延びる、請求項15記載の衣料品。
【請求項17】
固定要素が、電子装置の外周に少なくとも部分的に延びる、周辺部のくぼみを規定するように分離される、請求項16記載の衣料品。
【請求項18】
リストバンドが、開口部の周りに延びる補強構造を含む、請求項17記載の衣料品。
【請求項19】
電子装置を開口部内に位置付けることが可能であり、かつ補強構造を周辺部のくぼみ内に配置することによってリストバンドに固定することができ、かつ該電子装置を、該補強構造および周辺部の該くぼみを解離させることによって、リストバンドから分離することができる、請求項18記載の衣料品。
【請求項20】
開口部を規定する織物要素と、
開口部内に配置され、開口部の周縁部を形成するように織物要素に固定され、織物要素より剛性の高い材料で形成される補強構造と、
電子装置の外周に少なくとも部分的に延びる周辺部のくぼみを有し、回路を含むケースを有し、周辺部のくぼみを規定する2部分からなる固定構造を有する、電子装置とを含み、
該電子装置を開口部内に位置付けることが可能であり、かつ補強構造を周辺部のくぼみ内に配置することによって織物要素に固定することができ、かつ該電子装置を、補強構造および周辺部のくぼみを解離させることによって織物要素から分離することができる衣料品。
【請求項21】
織物要素がリストバンドである、請求項20記載の衣料品。
【請求項22】
織物要素が、少なくとも部分的にテリー織材料で形成される、請求項21記載の衣料品。
【請求項23】
電子装置がタイミング装置である、請求項20記載の衣料品。
【請求項24】
電子要素が全地球測位システムユニットである、請求項20記載の衣料品。
【請求項25】
2部分からなる固定構造が、ケースの側壁面の周りに延びる、請求項20記載の衣料品。
【請求項26】
2部分からなる固定構造が、該2部分からなる固定構造をケースから取り外すために側壁面に対して並べられる、請求項25記載の衣料品。
【請求項27】
織物要素がシャツおよびジャケットの一方である、請求項20記載の衣料品。
【請求項28】
周縁部を有し、材料要素の縁部から内側に間隔を置いて配置された開口部を規定する材料要素と、
周縁部に固定され、材料要素よりも剛性の高い材料で形成される補強構造と、
ケース、ケース内に位置付けられる回路、および該ケースの周りに延び、電子装置の外周に少なくとも部分的に延びる周辺部のくぼみを規定する一対の固定要素を有する、電子装置とを含み、
該電子装置を開口部内に位置付けることが可能であり、かつ補強構造を周辺部のくぼみ内に配置することによって材料要素に固定することができ、かつ該電子装置を、補強構造および周辺部のくぼみを解離させることによって材料要素から分離することができる衣料品。
【請求項29】
材料要素がリストバンドである、請求項28記載の衣料品。
【請求項30】
材料要素が、少なくとも部分的にテリー織材料で形成される、請求項29記載の衣料品。
【請求項31】
電子装置がタイミング装置である、請求項28記載の衣料品。
【請求項32】
電子要素が全地球測位システムユニットである、請求項28記載の衣料品。
【請求項33】
織物要素が、シャツおよびジャケットの一方である、請求項28記載の衣料品。
【請求項34】
ケースおよび少なくとも一方の固定要素が突起および対応するくぼみを規定し、該突起が該くぼみ内に嵌って該少なくとも一方の固定要素をケースに固定する、請求項28記載の衣料品。
【請求項35】
衣料品を組み立てる方法であって、以下の段階を含む方法:
リストバンドに開口部を設ける段階;
開口部内に電子要素を配置する段階;
電子要素の周りおよび材料要素の向かい合った側面に電子要素から分離された固定要素を位置付けて、該電子要素を該材料要素に固定する段階。
【請求項36】
電子要素を開口部から取り外す段階をさらに含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
電子要素の無い状態でリストバンドに洗浄プロセスを施す段階をさらに含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記電子要素を他の電子要素と交換する段階をさらに含む、請求項36記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−520841(P2008−520841A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541188(P2007−541188)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/036666
【国際公開番号】WO2006/055125
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.万歩計
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】