説明

分離量吸引サンプリング装置

【課題】安全で簡単正確なサンプリング装置を提供する。
【解決手段】分離量吸引サンプリング装置は、吸引管、試料管及び試料容器を備えている。容器は、処理機械内の製品床からサンプリングすべき製品の分離量を決める。試料管は容器とサンプリングすべき製品の入った機械との間に延びている。吸引管を介して吸引が加えられると、容器のドアは閉じられ、それにより試料管内の空気の速度が増大し、床から試料管を上向きに介して容器内へ製品を引き込む。容器が満たされると、吸引は止められ、それにより容器内の製品の重量でドアは押されて開き、分離量の製品試料を排出し、一方、試料管内に残っている製品は機械内の物質の床へ戻される。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
粒状物質は、しばしば、バッチ操作か連続操作で処理される。例えば、粒状物質を乾燥し及び/又は噴霧溶液で粒状物質を被覆するために回転ドラムを用いることができる。処理すべき物質には様々な種類ものがある。例えば、医薬錠剤は、バッチ操作及び連続操作の両方において回転ドラムで被覆される。農産物の種子もまた、回転ドラムにて、農薬、除草剤及び殺菌剤で被覆される。穀物及びスナック食品も風味を付けるために回転ドラムで処理され、風味料は粒子に噴霧されそして乾燥される。これらの処理には、品質を保証するため、製品のサンプリングを必要とすることがある。サンプリング方法には、種々の先行技術が存在する。例えば、製品を取るため、作業者がスコップを用いて機械内に手を伸ばすことも可能である。しかし、このような手動サンプリング方法は、機械のドアを密封した状態に留めることを必要とする空気流条件や温度のような処理パラメータによって禁じられることがある。また、製品の手動サンプリングは汚染問題を引き起こすことがあり、これは避けなければならない。手動サンプリングではまた、安全性の問題、特に、機械構造の危険性や、ある製品又は被覆溶液の生物学的な危険性による問題を引き起こす。
【0002】
手動サンプリングに伴う問題を解決するため、種々の自動サンプリングシステムが開発されてきた。製品を動かしたり、移送したりする吸引輸送は知られているが、これには、製品のサンプリングに用いた場合に1つの大きな欠点がある。一般に、基本の吸引移送システムは、特定の領域から別の場所に製品の全てを動かすのには適しているが、分離試料量は提供できない。吸引を特定の時間間隔に限定すると、吸引される製品の量は制限されるが、システムによって吸引される製品の量を制御するのが困難であるため、様々な試料量となってしまう。このような吸引システムは、医薬品工業のように、バリデーションのために精度や反復性が重要である場合には十分ではない。
【0003】
従って、本発明の主目的は、改良型の粒状物質の分離量サンプリングシステムを提供することにある。
【0004】
本発明の他の目的は、粒状物質の床から粒状物質の分離量をサンプリングする改良型の装置を提供することにある。
【0005】
本発明のさらに他の目的は、粒状物質の床から粒状物質の分離量試料を得る改良型の方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、吸引を用いてサンプリング用の製品の分離量を得る製品サンプリング装置を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、吸引が加えられたときには容器のドアを自動的に閉め、吸引が解除されたときには容器のドアを自動的に開放する製品サンプリング用の吸引システムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、過剰の製品を製品床に排出する製品吸引サンプリングシステムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、簡単で正確な分離量吸引サンプリングシステムを提供することにある。
【0010】
これら及びその他の目的は、以下の本発明の説明から明らかとなる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の分離量吸引サンプリング装置は、粒状物質の床から正確で反復可能な製品量試料を得るのに用いられる。本装置は傾斜した試料管を有し、試料管の下端部は製品床内に延び、上端部は試料容器に接続されている。吸引管は、吸引容器及び吸引源に接続される。容器は、下端部に回動ドアを備え、この回動ドアは、吸引が加えられたときには容器内の負圧によって閉鎖位置に自動的に動き、吸引が解除されたときには容器内の製品の重量によって開放位置に自動的に動く。吸引源の作動時には、床からの粒子は試料管を介して引かれ、容器内に堆積する。吸引源の非作動時には、容器内の粒子はドアを介して排出され、一方、試料管内の粒子は床に排出される。容器の上端部、すなわち、吸引管の下端部のスクリーンは、製品が吸引管内へ引き込まれるのを阻止する。
【好適な実施例の詳細な説明】
【0012】
本発明の装置は図面に番号10にて示す。装置10は、処理する粒状物質製品の床11を保持する任意の形式のベッセル、ドラム又は機械12から製品試料を取り出すのに用いられる。機械12は、粒子を処理するバッチシステム又は連続システムであることができる。例えば、機械12は、ドラムの回転に伴って、ドラム内の粒状物質に被覆溶液を噴霧する1つ以上のノズルを備えた回転可能なドラムでも良い。ドラム12には、粒子上の被覆溶液の乾燥を促進させるために孔が開けられていても良い。粒子は、医薬錠剤、農産物の種子、穀物及びスナック食品のような、機械12において通常処理されるあらゆる広範囲の製品であることができる。機械12はまた、噴霧被覆溶液を用いて又は用いずに製品を乾燥するのに使用され得る。
【0013】
装置10は、試料管14、試料容器16及び吸引管18を備えている。試料管14は傾斜しており、それの下端部20は、機械12内の製品床11内に位置するようにされ、また上端部22は、容器16の上端部24に隣接して接続されている。吸引管18は、容器16の上端部24に接続された下端部26及び上端部28を備えている。一実施形態では、吸引管18の上端部28は、ポート31を備えたエデュケータ30に接続され、ポート31を通して圧搾空気が供給され、吸引管18内に負圧を発生させる。他の実施形態では、吸引管18の上端部28は吸引ポンプ(図示せず)に接続され、管18内に吸引力を発生させる。容器16の上端部24又は吸引管18の下方段部26に、或いは容器16と管18の接合部にスクリーン32が設けられる。
【0014】
ドア34は、容器16の下端部36における軸線35のヒンジのまわりに回動自在に装着される。ドア34は、容器16の開放下端部36上にて、開放位置と閉鎖位置との間で動くようになっている。ドア34は、容器16の下端部36とドア34との間に小さなギャップを開けて、装置10が使用されていないときは通常自由に開く。
【0015】
使用に際し、試料管14の下端部20は、機械12にて処理されるべき粒状物質の床11内に埋め込まれるように、機械12内に位置決めされる。吸引源30が作動されると、それにより容器16及び吸引管18内に負圧が発生する。この負圧によってドア34が引かれ、容器16の下端部36と密封係合して閉じる。加えられた吸引は、粒状物質を床11から試料管14を介して上向きに引き、引き出した製品を容器16内に堆積させる。スクリーン32は、製品が吸引管18内へ吸引されるのを阻止する。吸引の付与は、床11から引き出した製品試料で容器16が満たされるまで続く。容器16が満たされると、試料管14を介しての製品の移送は止まる。その後、吸引源30は非作動状態にされて吸引が止まり、それにより管18内の負圧を解放する。容器16の開放下端部36から容器(図示せず)に製品を排出すべく、容器16内の製品の重量はドア34を押して開放させる。また、充満した容器16に入ることのできない試料管14内の製品は、試料管14を介して機械12内の製品床11へ戻される。
【0016】
吸引源30が作動されると、吸引管18の上流端部において装置10から空気が吸引され、そして、容器16の開放下端部36及び試料管14を介して装置10内に空気を引き込む。最初に、試料管14における空気の速度は、床11から管14内へ製品を引くのには不十分であり得る。しかし、容器16の開放端部36を通る空気の速度が十分であると、ドア34は引かれて閉じられ、そして、試料管14内の速度は、機械12内の床11から容器16内へ製品を引き込む程度まで増大する。好ましくは、ドア34は、閉位置にあるときには容器の下端部36と密封係合する。
【0017】
容器のドア34は、容器16の下端部36とドア34との間に通常最小の隙間が存在するように、バランスウエイト38によって平衡状態にされるが、吸引力がないときには容器16内の製品の重みでドア34を押して開放するようにもなっている。容器16の下端部36とドア34との間の隙間は、吸引源30で発生した空気の流れでドア34を閉位置まで引くことができるように十分に小さい。容器16内の負圧によって発生した力は、吸引が加えられたとき、容器16内の製品の重さに十分打ち勝つ。ドア34が閉じると、試料管14内に生じる空気の速度は、機械12の床11から、管14を介して上向きに容器16内に製品を引き込むのに十分である。
【0018】
機械12の通常の動作では、試料管14は好ましくは製品床から外れている。試料を取り出す必要がある時には、試料管14の下端部20は機械12内の製品床内へ延ばされる。
【0019】
このようにして容器16は分離試料量を作り、任意の通常の容器へ入れることができる。サンプリング装置10は、機械12が機械内で粒状物質製品を処理している間に用いることができる。
【0020】
本発明は、好ましい実施形態について図示し説明してきたが、本発明の意図した精神及び範囲内で多くの変更、代替及び付加を行うことができることは理解される。上記の説明から、本発明は上記で述べた目的の少なくとも全てを達成することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の分離量吸引サンプリング装置の好ましい実施例の斜視図である。
【図2】図1に示す装置の正面図である。
【図3】図1に示す装置の平面図である。
【図4】装置の側面図である。
【図5】ドアが閉位置にある、図3の線5−5に沿った断面図である。
【図6】図2の線6−6に沿った断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質層から粒状物質の分離量をサンプリングする装置であって、上端部及び下端部を備え、下端部が物質層内に位置決めされるように調整された試料管と、試料管の上端部に接続された試料容器と、試料容器に接続された吸引管と、開放位置と閉鎖位置との間で自動的に動くように試料容器に回動自在に装着されたドアと、吸引管に接続された吸引源とを有し、吸引源の作動時に、物質層からの粒子が試料管を介して引かれて試料容器内に堆積され、また、吸引源の非作動時には、試料容器内の粒子がドアを介して排出され、試料管内の粒子が物質層内に戻されることを特徴とする装置。
【請求項2】
試料容器と吸引管との接合部に隣接し、吸引管に物質が引き込まれるのを阻止するスクリーンをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
試料管が傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ドアが試料容器への吸引の付与に応じて閉鎖位置に動くことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
吸引がないときにはドアが開くことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
吸引源が試料容器及び試料管から上流にあることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
物質層から粒状物質の分離量の試料をサンプリングする方法であって、物質層内に延びる試料管に対し吸引管を介して吸引を加え物質を試料管に引き込むこと、容器が満たされるまで試料管内の物質をその容器内に堆積せること、吸引を止めること、容器内の物質を排出すること、及び試料管内の物質を物質層に戻すこと、を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
容器に吸引を加えることによって、容器のドアを閉じることをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
吸引が加えられたときにドアが自動的に閉じ、また、吸引が止められたときにドアが自動的に開くことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
試料管内の物質が吸引管に入るのを阻止することをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
物質が重力によって容器から排出されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
物質が重力によって試料管から排出されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
サンプリングすべき製品の分離量を決める容器と、該容器とサンプリングすべき製品を収容するベッセルとの間に延びるサンプリング管と、ベッセルからサンプリング管を介して容器内へ製品を取り出すようにサンプリング管に吸引を加える吸引管と、容器に設けられ、容器内に製品を保持するように吸引が加えられたときに閉鎖位置に自動的に動くことができ、また、容器から分離量の製品を排出するように吸引が解除されたときには開放位置に自動的に動くことのできるドアとを有することを特徴とする製品サンプリング装置。
【請求項14】
吸引が解除されたときにサンプリング管内の製品がベッセル内に排出するように、サンプリング管が容器から下方に角度を為していることを特徴とする請求項13に記載の製品サンプリング装置。
【請求項15】
粒子が吸引管内へ入るのを阻止するスクリーンをさらに有することを特徴とする請求項13に記載の製品サンプリング装置。
【請求項16】
吸引管に接続された吸引源をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の製品サンプリング装置。
【請求項17】
サンプリング管は、容器の上端部に隣接して接続される上端部を有することを特徴とする請求項13に記載の製品サンプリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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