切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置
【課題】 より簡易な構成で紙葉類の切れを検出することができる切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 一実施形態に係る切れ検出装置は、搬送される紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、を具備する。
【解決手段】 一実施形態に係る切れ検出装置は、搬送される紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば紙幣などの紙葉類の計数及び判別を行う紙葉類処理装置が実用化されている。紙葉類処理装置は、投入部に投入された紙葉類を1枚ずつ取り込み、紙葉類の検査装置に搬送する。検査装置は、紙葉類に対して種々の処理を行い紙葉類の状態を判別する。紙葉類処理装置は、検査装置の検査結果に基づいて、紙葉類を区分して集積する。
【0003】
紙葉類処理装置は、検査装置の検査結果に基づいて、紙葉類が再流通可能な紙葉類であるか否かを判定する。例えば、紙葉類処理装置は、再流通に適さない紙葉類に対して「損券(unfit sheet)」という判定を行う。また、例えば、紙葉類処理装置は、再流通に適する紙葉類に対して「正券(fit sheet)」という判定を行う。
【0004】
再流通に適さない損券として、例えば、切れ目(切れ)を有する紙葉類がある。紙葉類処理装置は、紙葉類に切れ目が存在するか否かを判定する切れ検出装置を備える。紙葉類処理装置は、切れ目を有する紙葉類を再流通させない為に、切れ目を有する紙葉類を裁断する。
【0005】
例えば、切れ検出装置は、紙葉類が搬送される搬送路上に、紙葉類の搬送面側に飛び出したローラ等の機構を備え、この機構により紙葉類の端面(端部)に存在する切れ目を開かせる。さらに切れ検出装置は、開かれた切れ目を通過する光を検出することにより、紙葉類に存在する切れ目を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−268225号公報
【特許文献2】特開2007−115095号公報
【特許文献3】特開2001−273540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のように、開かれた切れ目を通過する光を検出する場合、紙葉類の切れ目を大きく開かせる必要がある。この為に、紙葉類の搬送路を大きく湾曲させる必要があり、ジャム発生の原因になる可能性がある。紙葉類処理装置は、媒体である紙葉類を高速で搬送させる為、紙葉類の搬送路を大きく湾曲させ、且つ高速で搬送させることが困難であるという課題がある。
【0008】
また、開かれた切れ目を通過する光を検出する為に、照明部と受光部とを搬送方向側に設ける必要がある。この為、切れ検出装置が紙葉類の搬送方向に大きくなるという課題がある。
【0009】
そこで、より簡易な構成で紙葉類の切れを検出することができる切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態に係る切れ検出装置は、搬送される紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図2】図2は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図3】図3は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図4】図4は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図5】図5は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図6】図6は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図7】図7は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図8】図8は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図9】図9は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図10】図10は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図11】図11は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図12】図12は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図13】図13は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図14】図14は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図15】図15は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図16】図16は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図17】図17は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図18】図18は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図19】図19は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図20】図20は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置について詳細に説明する。
【0013】
図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置100の外観を示す。
図1に示すように、紙葉類処理装置100は、装置外部に、投入部112、操作部136、操作表示部137、ドア138、取出口139、及びキーボード140を備えている。
【0014】
投入部112は、例えば紙幣などの紙葉類1を投入するための構成である。投入部112は、重ねられた状態の紙葉類1をまとめて受け入れる。操作部136は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける。操作表示部137は、オペレータに対して各種の操作案内、及び処理結果などを表示する。なお、操作表示部137は、タッチパネルとして構成されていてもよい。この場合、紙葉類処理装置100は、操作表示部137に表示されるボタンと、操作表示部137に対するオペレータによる操作と、に基づいて、各種の操作入力を検知する。
【0015】
ドア138は、投入部112の投入口を開閉する為のドアである。取出口139は、紙葉類処理装置100により再流通不可と判断された紙葉類1がスタックされる集積部から紙葉類1を取り出す為の構成である。キーボード140は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける入力部として機能する。
【0016】
図2は、図1に示された紙葉類処理装置100の構成例を示す。
紙葉類処理装置100は、装置内部に、投入部112、取出部113、吸着ローラ114、搬送路115、検査部116、ゲート120乃至125、排除搬送路126、排除集積部127、集積・結束部128乃至131、裁断部133、及びスタッカ134を備える。また、紙葉類処理装置100は、主制御部151を備える。主制御部151は、紙葉類処理装置100の各部の動作を統合的に制御する。
【0017】
取出部113は、投入部の上部に設けられる。取出部113は、吸着ローラ114を備えている。吸着ローラ114は、投入部112にセットされた紙葉類1を集積方向の上端に接するように設けられている。即ち、吸着ローラ114は、回転することにより、投入部112にセットされた紙葉類1を集積方向の上端から1枚ずつ装置内部に取り込む。吸着ローラ114は、たとえば、1回転するごとに1枚の紙葉類1を取り込むように機能する。これにより、吸着ローラ114は、紙葉類1を一定のピッチで取り込む。吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類1は、搬送路115に導入される。
【0018】
搬送路115は、紙葉類1を紙葉類処理装置100内の各部に搬送する搬送手段である。搬送路115は、図示しない搬送ベルト及び駆動プーリ(搬送ローラ)などを備えている。搬送路115は、図示しない駆動モータ及び駆動プーリにより搬送ベルトを動作させる。搬送路115は、吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類1を搬送ベルトにより一定速度で搬送する。なお、搬送路115における取出部113に近い側を上流側、スタッカ134に近い側を下流側として説明する。
【0019】
取出部113から延びた搬送路115上には、検査部116が設けられている。検査部116は、画像読取装置117、画像読取装置118、切れ検出装置135、及び厚み検査部119を備えている。検査部116は、紙葉類1の光学的特徴情報、機械的特徴、及び磁気的特長情報を検出する。これにより、紙葉類処理装置100は、紙葉類1の種類、汚損度、及び真偽などを検知する。
【0020】
画像読取装置117、及び118は、それぞれ搬送路115を挟んで対面するように設けられている。画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類1の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、それぞれ、Charge Coupled Device(CCD)カメラを備える。紙葉類処理装置100は、画像読取装置117、及び118により撮像した画像に基づいて、紙葉類1の表面及び裏面の模様画像を取得する。
【0021】
画像読取装置117、及び118は、読み取った画像を検査部116内の図示しないメモリに一時的に記憶する。紙葉類処理装置100は、このメモリに記憶されている画像を操作入力に応じて操作表示部137に表示する。
【0022】
切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1に対して光を照射する。さらに切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1の側面から光を検出する。切れ検出装置135は、検出した光に応じて紙葉類1の端部の挙動(behavior)を検出する。これにより、切れ検出装置135は、紙葉類1の端部の切れ目を検出する。
【0023】
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類1の厚みを検査する。例えば、検出した厚みが規定値以上である場合、紙葉類処理装置100は、紙葉類1の2枚取りを検出する。
【0024】
また、検査部116は、図示しない磁気センサなどを備えている。磁気センサは、紙葉類1の磁気的な特徴情報を検出する。
【0025】
主制御部151は、画像読取装置117、118、切れ検出装置135、厚み検査部119、及び磁気センサなどによる検出結果に基づいて、各種の判定を行う。例えば、主制御部151は、紙葉類1の種類(category)、及び/又は券種(denomination)を判定する。
【0026】
また、主制御部151は、紙葉類1の真偽(authentication)を判定する。すなわち、主制御部151は、紙葉類1が真券(genuine)であるか、偽券(counterfeit)であるかを判定する。
【0027】
また、主制御部151は、紙葉類1の正損(fitness)を検知する。即ち、主制御部151は、紙葉類1が再流通可能(recirculatable)な正券(fit sheet)であるか、再流通不可能(unrecirculatable)な損券(unfit sheet)であるかを判定する。
【0028】
さらに、主制御部151は、紙葉類1が排除券であるか否か判定する。すなわち、主制御部151は、偽券と判定された紙葉類1、または厚み検査部119により重なりが検知された紙葉類1を、排除券と判定する。すなわち、排除券は、正券及び損券に該当しない紙葉類1である。
【0029】
紙葉類処理装置100は、正券と判定した紙葉類1を集積・結束部128乃至131に搬送する。また、紙葉類処理装置100は、損券と判定した紙葉類1を裁断部133に搬送する。裁断部133は、搬送される損券を裁断する。なお、紙葉類処理装置100は、損券をスタッカ134に搬送し集積してもよい。スタッカ134は、集積した損券が例えば100枚に到達するごとに施封を行う。
【0030】
紙葉類処理装置100は、排除券と判定した紙葉類1を排除集積部127に搬送する。排除券は、例えば、2枚取り券などの搬送異常券、折れまたは破れなどが存在する不良券、及び適用外券種または偽券などの判別不能券を含む。
【0031】
検査部116の下流側の搬送路115上には、ゲート120乃至125が順に配設されている。ゲート120乃至125は、それぞれ、主制御部151により制御される。主制御部151は、検査部116による検査の結果に基づいて各ゲート120乃至125の動作を制御する。これにより、主制御部151は、搬送路115を搬送されている紙葉類1を所定の処理部に搬送するように制御する。
【0032】
検査部116の直後に配設されたゲート120は、搬送路115を排除搬送路126に分岐する。即ち、ゲート120は、検査部116による検査の結果、真券ではないと判定された排除券、または、検査部116による検査を行うことができない検査不能券等を排除搬送路126に搬送するように切り替えられる。
【0033】
排除搬送路126の終端部には、排除集積部(排除部)127が設けられている。排除集積部127は、取出部113にて取出した姿勢のまま、上記したような排除券、及び検査不能券を集積する。排除集積部127に集積された紙葉類1は、取出口139から取り出すことができる。
【0034】
また、ゲート121乃至124により分岐される先には、集積・結束部128乃至131(総じて集積結束部132と称する)がそれぞれ設けられている。集積・結束部132には、再流通可能であると判定された紙葉類1が種類及び表裏毎に区別されて集積される。集積・結束部132は、集積した紙葉類1を所定枚数毎に結束して格納する。
【0035】
ゲート125により分岐される先には、裁断部133が配設されている。裁断部133は、紙葉類1を裁断して収納する。ゲート125には、正規の紙葉類1であり、且つ、再流通が不可能であると判定された紙葉類1(損券)が搬送される。
【0036】
また、ゲート125により分岐される他方の搬送路の先には、スタッカ134が配設されている。主制御部151は、損券裁断モードが選択されている場合、紙葉類1を裁断部133に搬送するようにゲート125を制御する。また、主制御部151は、損券裁断モードが選択されていない場合、紙葉類1をスタッカ134に搬送するようにゲート125を制御する。
【0037】
なお、主制御部151は、集積・結束部132に集積された紙葉類1の枚数、及び、裁断部133により裁断された紙葉類1の枚数及び識別情報を逐次記憶する。
【0038】
図3は、図1及び図2に示された紙葉類処理装置100の制御系の構成例を示す。
【0039】
紙葉類処理装置100は、主制御部151、検査部116、搬送制御部152、集積・結束制御部153、裁断制御部156、操作表示部137、及びキーボード140などを備える。
【0040】
主制御部151は、紙葉類処理装置100の全体的な制御を司る。主制御部151は、操作表示部137により入力される操作、及び検査部116による検査結果に基づき、搬送制御部152及び集積・結束制御部153を制御する。
【0041】
例えば、紙葉類処理装置100を操作する操作員は、操作表示部137またはキーボード140により、処理する紙葉類1に対する各種の判定における閾値、紙葉類1の供給元の名称、及び処理方法などを入力する。
【0042】
検査部116は、画像読取装置117、及び118、厚み検査部119、切れ検出装置135、その他のセンサ類154、及びCPU155を備える。
【0043】
画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類1の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、例えばCCDなどの受光素子と光学系とを備える。画像読取装置117、及び118は、搬送される紙葉類1に対して光を投光し、反射光または透過光を光学系により受光する。画像読取装置117、及び118は、光学系により受光した光をCCDに結像させ、電気信号(画像)を取得する。
【0044】
主制御部151は、紙葉類1の基準となる画像(基準画像)を記憶部151aに予め記憶する。主制御部151は、紙葉類1から取得した画像と、記憶部151aに記憶される基準画像とを比較することにより、紙葉類1に対する各種の判定を行う。
【0045】
切れ検出装置135は、上記したように、搬送される紙葉類1に対して光を照射する。さらに切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1の側面から光を検出し、紙葉類1の端部の切れ目を検出する。
【0046】
また、記憶部151aは、切れ検出装置135の検出結果と比較する閾値を予め記憶する。主制御部151は、切れ検出装置135の検出結果と記憶部151aに記憶されている閾値とに基づいて、紙葉類1に対する各種の判定を行う。
【0047】
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類1の厚みを検査する。その他のセンサ類154は、例えば、磁気センサなどである。磁気センサは、搬送路115を搬送される紙葉類1から磁気的な特徴情報を検出する。
【0048】
CPU155は、画像読取装置117、118、厚み検査部119、切れ検出装置135、及びその他のセンサ類154などの動作の制御を行う。また、CPU155は、主制御部151とデータの伝送を行う。すなわち、CPU155は、検査部116の各部における検知結果を主制御部151に伝送することができる。
【0049】
搬送制御部152は、主制御部151の制御に基づき、取出部113、搬送路115、排除搬送路126、及びゲート120乃至125を制御する。これにより、搬送制御部152は、紙葉類1の取り込み及び搬送を制御する。また、搬送制御部152は、判定した紙葉類1の種類毎に区分する区分処理(sorting)を行う。即ち、搬送制御部152は、区分処理部として機能する。
【0050】
例えば、搬送制御部152は、損券であると判定された紙葉類1を裁断部133、またはスタッカ134に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。また、搬送制御部152は、排除券であると判定された紙葉類1を排除集積部127に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。またさらに、搬送制御部152は、正券であると判定された紙葉類1を集積結束部132に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。
【0051】
集積・結束制御部153は、主制御部151の制御に基づき、排除集積部127及び集積・結束部128乃至131を制御する。これにより、集積・結束制御部153は、紙葉類1の集積、及び結束の制御を行なう。
【0052】
裁断制御部156は、主制御部151の制御に基づき、裁断部133の動作を制御する。これにより、裁断部133は、搬送される紙葉類1の裁断を行う。
【0053】
図4は、一実施形態に係る切れ検出装置135の構成例を示す。また、図5は、切れ検出装置135を図4とは異なる方向から見た図である。また、図6は、切れ検出装置135を図4及び図5とは異なる方向から見た図である。
【0054】
切れ検出装置135は、例えば紙葉類処理装置100の搬送路115の近傍に設置される。図4に示すように、切れ検出装置135は、搬送ローラ2、搬送ベルト3、制御部4、照明部5、受光部6、画像収集部7、端面位置検出部8、及び判定部9を備える。なお、切れ検出装置135の近傍の搬送路115は、搬送ローラ2及び搬送ベルト3により構成される。
【0055】
搬送ローラ2は、所定の回転速度で回転する。搬送ベルト3は、紙葉類1を挟持しつつ、搬送ローラ2の回転により所定の方向に移動する。これにより、紙葉類1が搬送される。紙葉類1は、搬送路115により図4に示す矢印aの方向に搬送される。即ち、紙葉類1は、図4の手前側から奥側に搬送される。なお、紙葉類1が搬送される搬送路上の面を搬送面Pとする。
【0056】
制御部4は、切れ検出装置135の各部の動作を統合的に制御する。制御部4は、CPU、バッファメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備える。CPUは、種々の演算処理を行う。バッファメモリは、CPUにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。制御部4は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。例えば、制御部4は、照明部5及び受光部6の動作のタイミングを制御する。
【0057】
なお、制御部4は、図3に示す主制御部151と通信を行うことができる。制御部4は、主制御部151から入力された制御信号に基づいて、照明部5及び受光部6を動作させる信号を生成する。
【0058】
照明部5は、紙葉類1の端面付近に対して光を照射する。照明部5は、例えば、赤外線(赤外光)、または可視光を出力する。照明部5は、例えば、LED、蛍光灯、または他の照明装置などを備える。
【0059】
なお、図5は、図4に示す照明部5側から切れ検出装置135を見た図である。即ち、図5は、切れ検出装置135を図4における上方向から見た図である。
【0060】
紙葉類1は、例えば矩形状の本体を有する。即ち、紙葉類1は、図5に示すように長手方向と短手方向(幅方向)とを有する。本実施形態では、紙葉類1は、長手方向に搬送される。また、紙葉類1は、図5に示すように、短手方向における端部である側縁部を有する。照明部5は、少なくとも、搬送される紙葉類1の側縁部に光を照射するように構成される。
【0061】
受光部6は、所定の走査範囲(撮像範囲)を走査し、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、受光部6は、入射する光の光強度を検出値として検出する。受光部6は、例えば、CMOS、フォトダイオード、またはCCDなどの受光素子が線状に配列されたラインイメージセンサと、光を受光するレンズとを備える。また、例えば、照明部5が赤外光を照射する構成である場合、受光部6は、赤外光を除く帯域の光を遮断するフィルタ(波長制限媒体)をさらに有する。なお、受光部6は、所定の帯域の波長を感度領域とするセンサを備える構成であってもよい。
【0062】
レンズは、所定の撮像範囲から光を受光する。レンズは、受光した光をセンサに結像させる。センサは、受光した光を電気信号(画像)に変換する。
【0063】
図6は、切れ検出装置135を図4に示す受光部6側から見た図である。即ち、図6は、図4における左方向から切れ検出装置135を見た図である。
【0064】
図6に示すように、搬送ローラ2は、紙葉類1に所定の曲率を与えるように設置される。搬送ローラ2は、紙葉類1の搬送方向に張力をかけることにより、紙葉類1の切れ目を開く。搬送ローラ2は、紙葉類1にこれにより、紙葉類1は、所定の曲率で曲げられた状態で搬送される。この結果、切れ検出装置135は、紙葉類1の側縁部に切れ目が存在する場合、図7に示すように紙葉類1の切れ目を開くことができる。
【0065】
図6に示すように、受光部6は、少なくとも紙葉類1の側縁部が撮像範囲内に存在するように設置される。さらには、受光部6は、図7に示すように、湾曲されて開かれた紙葉類1の切れ目を撮像することができる範囲に撮像範囲が存在するように設置される。この為に、受光部6は、例えば、紙葉類1の曲率が最大となる位置を紙葉類1の搬送方向と直交する方向から撮像するように設置される。
【0066】
受光部6は、連続的に紙葉類1の側縁部から光を受光し、画像を取得する。これにより、受光部6は、湾曲されて搬送される紙葉類1の側縁部の全体の画像を取得することができる。
【0067】
また、図4に示す画像収集部7は、受光部6により取得された画像を収集し、制御部4により制御されるタイミングで端面位置検出部8に伝送する。例えば、画像収集部7は、紙葉類1枚分の画像を取得するタイミングで画像を端面位置検出部8に伝送する。
【0068】
端面位置検出部8は、画像収集部7から伝送された画像に基づいて、搬送されている紙葉類1の側縁部が写り込んでいる位置を検出する。即ち、端面位置検出部8は、画像収集部7から伝送された画像において、予め設定される閾値以上の輝度(レベル)を有する画素を特定する。端面位置検出部8は、閾値以上のレベルの画素を、紙葉類1の側縁部が写り込んでいる位置として検出する。これにより、端面位置検出部8は、紙葉類1の挙動を検出する。この場合、端面位置検出部8は、挙動検出部として機能する。端面位置検出部8は、検出結果を判定部9に伝送する。
【0069】
判定部9は、端面位置検出部8により検出された紙葉類1の挙動に基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否かを判定する。即ち、判定部9は、予め設定される範囲(標準挙動範囲)内に紙葉類1の側縁部が写り込んでいるか否かに基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否かを判定する。
【0070】
図8乃至図10は、搬送される紙葉類1の例について示す。図8は、切れ目の存在しない紙葉類1の例について示す。図9は、切れ目が存在する紙葉類1の例について示す。図10は、切れ目が存在する紙葉類1の他の例について示す。また、図8乃至図10には、それぞれ、受光部6のラインイメージセンサにより取得された画像(センサ信号)が示されている。また、各センサ信号は、搬送される紙葉類1に重ねられて示されている撮像範囲と位置が対応している。
【0071】
紙葉類1に切れ目が存在しない場合、センサ信号は、図8に示すような波形になる。即ち、センサ信号は、搬送ローラ2に近い位置で高いレベルが検出される。これは、紙葉類1が搬送ローラ2に沿って搬送された結果、紙葉類1の側縁部が搬送ローラ2の近傍に写り込む為である。
【0072】
また、紙葉類1に切れ目が存在する場合、センサ信号は、図9に示すような波形になる。即ち、センサ信号は、搬送ローラ2と離れた位置で高いレベルが検出される。これは、紙葉類1の切れ目が搬送ローラ2により開かれた結果、紙葉類1の側縁部が搬送ローラ2と離れた位置に写り込む為である。
【0073】
また、紙葉類1に紙繊維がほつれた状態の切れ目が存在する場合がある。このような場合、紙葉類1の切れ目は、張力が加えられる向きによっては切れ目が開かずに屈曲する。このような場合、センサ信号は、図10に示すような波形になる。即ち、センサ信号は、搬送ローラ2の内周側の位置で高いレベルが検出される。これは、これは、紙葉類1の切れ目が搬送ローラ2により屈曲された結果、紙葉類1の側縁部が搬送ローラ2の内周側に写り込む為である。
【0074】
受光部6は、図8乃至図10に示すような波形を紙葉類1の全体から連続して取得する。端面位置検出部8は、受光部6により取得された画像に基づいて、受光部6の撮像範囲における紙葉類1の側縁部の位置を検出する。これにより、切れ検出装置135は、受光部6の撮像範囲における紙葉類1の側縁部の軌跡を取得することができる。
【0075】
図11は、紙葉類1の側縁部の軌跡の例について示す。ここでは、複数の紙葉類1の軌跡が示されている。
図11に示すように、紙葉類1の挙動は、切れ目が存在する位置、搬送される紙葉類の先端、及び搬送される紙葉類の後端で大きく変動する。例えば、切れ目を有する紙葉類1の側縁部の軌跡は、途切れる、光を反射する光点が複数箇所に現れる場合などがある。また、紙葉類1に切れ目が存在しない場合、受光部6の撮像範囲における紙葉類1の側縁部の位置は、搬送ローラ2の近傍に収まる。
【0076】
判定部9は、上記したように、予め標準挙動範囲を記憶する。判定部9は、予め記憶される標準挙動範囲と端面位置検出部8により検出される紙葉類1の側縁部の位置とに基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否か判定する。
【0077】
例えば、判定部9は、端面位置検出部8により検出される紙葉類1の側縁部の位置が、予め記憶される標準挙動範囲外である場合、紙葉類1に切れ目が存在すると判定する。
【0078】
また、判定部9は、紙葉類1の側縁部の軌跡の連続性に基づいて紙葉類1に切れ目が存在するか否かを判定する構成であってもよい。この場合、判定部9は、端面位置検出部8により検出される紙葉類1の側縁部の軌跡が途切れている、または軌跡が紙葉類1の同じ位置において複数箇所存在する場合、紙葉類1に切れ目が存在する、または、紙葉類1の側縁部に異常が存在すると判定する。
【0079】
なお、判定部9は、先端及び後端の挙動の影響を抑えるために切れ検出範囲内で判定を行う。上記したように、搬送される紙葉類1の先端及び後端において、側縁部の検出位置は、大きく変動する。しかし、この変動は、紙葉類1の切れ目の影響ではない為、この影響を除外する必要がある。
【0080】
そこで、図11に示すように、判定部9は、紙葉類1の先端及び後端の所定長の範囲が除かれた切れ検出範囲から端面位置検出部8により検出された検出結果に基づいて紙葉類1に切れ目が存在するか否かの判定を行う。
【0081】
上記したように、本実施形態に係る切れ検出装置135は、搬送ローラ2により紙葉類1に曲率を与え、紙葉類1の側縁部に存在する切れ目を開かせた状態で搬送させる。切れ検出装置135は、搬送されている紙葉類1の側縁部を照明部5により照明する。切れ検出装置135は、受光部6により、搬送されている紙葉類1の側縁部から光を受光し、画像を取得する。切れ検出装置135は、受光部6により取得した画像に基づいて端面位置検出部8により紙葉類1の側縁部の位置を検出する。切れ検出装置135は、あらかじめ設定される標準挙動範囲と、端面位置検出部8により検出された紙葉類1の側縁部の位置とに基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否か判定する。
【0082】
この構成によると、受光部6と照明部5とを、紙葉類1の搬送方向側に設ける必要がない。この為、切れ検出装置135の設置位置を抑えることができる。また、紙葉類1の切れ目を大きく開かせる必要がない為、高速で紙葉類1を搬送する紙葉類処理装置100に切れ検出装置135を設置する事ができる。この結果、より簡易な構成で紙葉類の切れを検出することができる切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
【0083】
なお、上記した実施形態では、切れ検出装置135は、搬送ローラ2により紙葉類1に所定の曲率を与える構成を備えるとして説明したが、この構成に限定されない。切れ検出装置135は、搬送ローラ2の代わりに、搬送ベルト3に沿接する曲線部を有する湾曲部材により紙葉類1に所定の曲率を与える構成であってもよい。
【0084】
また、図10において説明したように、紙葉類1に紙繊維がほつれた状態の切れ目が存在する場合、紙葉類1の切れ目は、張力が加えられる向きによっては切れ目が開かずに屈曲する。この切れ目を開かせる為に、搬送ローラ2をさらに追加してもよい。
【0085】
図12は、切れ検出装置135の他の構成について示す。
図12に示す切れ検出装置135は、図4に示す切れ検出装置135に加え、さらに搬送ローラを備える。なお、図4と同様の搬送ローラを21とし、追加された搬送ローラを22とする。また、切れ検出装置135の他の構成についてはここでは図示しない。
【0086】
搬送ローラ22は、搬送ローラ21と搬送面Pを挟んで反対側から紙葉類1に曲率を与えるように設置される。即ち、搬送面Pの上下に搬送ローラ21及び搬送ローラ22が設置される。この場合、搬送ローラ22は、搬送ローラ21により開かなかった紙葉類1の切れ目を開かせることができる。
【0087】
また、この場合、受光部6及び照明部5が搬送ローラ22側に設置される。即ち、照明部5は、搬送ローラ22を通過する紙葉類1の側縁部を照明するように設置される。また、受光部6は、搬送ローラ22により曲率が与えられる紙葉類1の側縁部から光を受光するように設置される。
【0088】
また、上記の実施形態では、照明部5は、搬送ローラ2と搬送面Pを挟んで対向する側から紙葉類1の側縁部を照明するとして説明したが、この構成に限定されない。
【0089】
図13及び図14は、照明部5の他の設置例を示す。
図13は、照明部5が紙葉類1の搬送面に対して搬送ローラ2と同じ側に設置される例を示す。図14は、照明部5が紙葉類1の搬送方向に対して紙葉類1の側縁部側に設置される例を示す。
【0090】
照明部5の設置位置は、少なくとも搬送ローラ2を通過する紙葉類1の側縁部を照明することができる構成であれば如何なる位置であってもよい。これにより、本実施形態の切れ検出装置135を備える紙葉類処理装置100は、各装置をより柔軟にレイアウトすることができる。
【0091】
また、上記の実施形態では、照明部5及び受光部6が紙葉類1の片側の側縁部側に設置される構成について説明したが、この構成に限定されない。
【0092】
図15は、照明部5及び受光部6の他の設置例を示す。
図15に示すように、照明部5及び受光部6は、搬送される紙葉類1の両側に設置される。即ち、照明部5は、搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明するように設置される。また、受光部6は、搬送される紙葉類1の両側の側縁部から光を受光するように設置される。この構成によると、切れ検出装置135は、紙葉類1の両側の側縁部に存在する切れ目を検出することが出来る。
【0093】
図16は、図15に示された照明部5の他の構成例について示す。
図16に示されるように、切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明する複数の照明部5の変わりに、ライン照明部10を備える構成であってもよい。ライン照明部10は、例えば、線状に配列された複数のLED、蛍光灯、白熱光源と導光部材との組み合わせ、または線状に照明が可能な他の光源を備える。ライン照明部10は、紙葉類1の片側の側縁部から他方の側縁部まで照明することができる。この構成によっても、切れ検出装置135は、紙葉類1の両側の側縁部に存在する切れ目を検出することが出来る。
【0094】
また、切れ検出装置135は、図15に示された紙葉類1の両側の側縁部から光を受光する構成と、図12に示された紙葉類1に対して複数の方向から曲率を与える構成とが組み合わされた構成を備えていてもよい。
【0095】
図17及び図18は、切れ検出装置135の他の構成例を示す。
図17は、切れ検出装置135を受光部6側から見た図である。また、図18は、切れ検出装置135を図17に示す1つの照明部5側から見た図である。
【0096】
切れ検出装置135は、図17及び図18に示すように、搬送ローラ21、搬送ローラ22、搬送ベルト3、複数の照明部5、及び複数の受光部6を備える。なお、切れ検出装置135の他の構成についてはここでは図示しない。図17及び図18に示される切れ検出装置135は、受光部6を4つ備える構成となっている。
【0097】
図17に示されるように、搬送ローラ21は、搬送される紙葉類1に対してある方向から曲率を与える。さらに、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と異なる方向から曲率を与える。例えば、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と逆方向から曲率を与える。
【0098】
照明部5は、搬送ローラ21及び搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明するように設置される。例えば、照明部5は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、を照明するように設置される。
【0099】
受光部6は、搬送ローラ21及び搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の両側の側縁部から光を受光するように設置される。例えば、複数の受光部6は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部からそれぞれ光を受光するように設置される。また、複数の受光部6は、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部からそれぞれ光を受光するように設置される。
【0100】
この構成によると、切れ検出装置135は、より確実に紙葉類1の切れ目を開かせ、且つ、紙葉類1の両側の側縁部に存在する切れ目を検出することが出来る。
【0101】
なお、図17及び図18に示される切れ検出装置135は、4つの受光部6を備える構成として説明したが、切れ検出装置135は、この構成に限定されない。切れ検出装置135が備える受光部6は2つであってもよい。
【0102】
図19及び図20は、切れ検出装置135のさらに他の構成例を示す。
図19は、切れ検出装置135を受光部6側から見た図である。また、図20は、切れ検出装置135を図19に示す1つの照明部5側から見た図である。
【0103】
切れ検出装置135は、図19及び図20に示すように、搬送ローラ21、搬送ローラ22、搬送ベルト3、複数の照明部5、2つの受光部6、及び反射ミラー11乃至14を備える。なお、切れ検出装置135の他の構成についてはここでは図示しない。
【0104】
図19に示されるように、搬送ローラ21は、搬送される紙葉類1に対してある方向から曲率を与える。さらに、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と異なる方向から曲率を与える。例えば、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と逆方向から曲率を与える。
【0105】
照明部5は、搬送ローラ21及び搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明するように設置される。例えば、照明部5は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、を照明するように設置される。
【0106】
受光部6は、第1の受光領域と第2の受光領域とを備える。第1の受光領域と第2の受光領域とは、図19に示されるように、直線状に配列される複数の受光素子が区切られて形成される。
【0107】
反射ミラー11乃至14は、光を反射する鏡面を有する。反射ミラー11は、搬送ローラ21により搬送される紙葉類1の片側の側縁部から発せられる光を反射するように設置される。また、反射ミラー12は、反射ミラー11により反射された光を反射し、受光部6の第1の受光領域に入射させる。
【0108】
また、反射ミラー13は、搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の片側の側縁部から発せられる光を反射するように設置される。また、反射ミラー14は、反射ミラー13により反射された光を反射し、受光部6の第2の受光領域に入射させる。
【0109】
即ち、受光部6は、反射ミラー11及び反射ミラー12により反射された光が第1の受光領域に入射し、且つ、反射ミラー13及び反射ミラー14により反射された光が第2の受光領域に入射するように設置される。
【0110】
なお、反射ミラー11及び反射ミラー12により反射された光と、反射ミラー13及び反射ミラー14により反射された光とを1つのレンズで受光する場合、両方の光の光路長を等しくなるように各部を設置する必要がある。
【0111】
なお、反射ミラー11及び反射ミラー12は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の側縁部から発せられる光を受光部6の第1の受光領域に入射させるように設置される。また、反射ミラー13及び反射ミラー14は、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の側縁部から発せられる光を受光部6の第2の受光領域に入射させるように設置される。
【0112】
この構成によると、受光部6の数を減らすことが出来る。この結果、切れ検出装置135は、コストを抑え、且つ設置スペースを低減することができる。
【0113】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0114】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…紙葉類、2…搬送ローラ、3…搬送ベルト、4…制御部、5…照明部、6…受光部、7…画像収集部、8…端面位置検出部、9…判定部、10…ライン照明部、11…反射ミラー、12…反射ミラー、13…反射ミラー、14…反射ミラー、21…搬送ローラ、22…搬送ローラ、100…紙葉類処理装置、112…投入部、113…取出部、114…吸着ローラ、115…搬送路、116…検査部、117…画像読取装置、118…画像読取装置、119…厚み検査部、132…集積結束部、133…裁断部、134…スタッカ、135…切れ検出装置、151…主制御部、151a…記憶部、152…搬送制御部、153…集積・結束制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば紙幣などの紙葉類の計数及び判別を行う紙葉類処理装置が実用化されている。紙葉類処理装置は、投入部に投入された紙葉類を1枚ずつ取り込み、紙葉類の検査装置に搬送する。検査装置は、紙葉類に対して種々の処理を行い紙葉類の状態を判別する。紙葉類処理装置は、検査装置の検査結果に基づいて、紙葉類を区分して集積する。
【0003】
紙葉類処理装置は、検査装置の検査結果に基づいて、紙葉類が再流通可能な紙葉類であるか否かを判定する。例えば、紙葉類処理装置は、再流通に適さない紙葉類に対して「損券(unfit sheet)」という判定を行う。また、例えば、紙葉類処理装置は、再流通に適する紙葉類に対して「正券(fit sheet)」という判定を行う。
【0004】
再流通に適さない損券として、例えば、切れ目(切れ)を有する紙葉類がある。紙葉類処理装置は、紙葉類に切れ目が存在するか否かを判定する切れ検出装置を備える。紙葉類処理装置は、切れ目を有する紙葉類を再流通させない為に、切れ目を有する紙葉類を裁断する。
【0005】
例えば、切れ検出装置は、紙葉類が搬送される搬送路上に、紙葉類の搬送面側に飛び出したローラ等の機構を備え、この機構により紙葉類の端面(端部)に存在する切れ目を開かせる。さらに切れ検出装置は、開かれた切れ目を通過する光を検出することにより、紙葉類に存在する切れ目を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−268225号公報
【特許文献2】特開2007−115095号公報
【特許文献3】特開2001−273540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のように、開かれた切れ目を通過する光を検出する場合、紙葉類の切れ目を大きく開かせる必要がある。この為に、紙葉類の搬送路を大きく湾曲させる必要があり、ジャム発生の原因になる可能性がある。紙葉類処理装置は、媒体である紙葉類を高速で搬送させる為、紙葉類の搬送路を大きく湾曲させ、且つ高速で搬送させることが困難であるという課題がある。
【0008】
また、開かれた切れ目を通過する光を検出する為に、照明部と受光部とを搬送方向側に設ける必要がある。この為、切れ検出装置が紙葉類の搬送方向に大きくなるという課題がある。
【0009】
そこで、より簡易な構成で紙葉類の切れを検出することができる切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態に係る切れ検出装置は、搬送される紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図2】図2は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図3】図3は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
【図4】図4は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図5】図5は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図6】図6は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図7】図7は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図8】図8は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図9】図9は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図10】図10は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図11】図11は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図12】図12は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図13】図13は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図14】図14は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図15】図15は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図16】図16は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図17】図17は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図18】図18は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図19】図19は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【図20】図20は、一実施形態に係る切れ検出装置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置について詳細に説明する。
【0013】
図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置100の外観を示す。
図1に示すように、紙葉類処理装置100は、装置外部に、投入部112、操作部136、操作表示部137、ドア138、取出口139、及びキーボード140を備えている。
【0014】
投入部112は、例えば紙幣などの紙葉類1を投入するための構成である。投入部112は、重ねられた状態の紙葉類1をまとめて受け入れる。操作部136は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける。操作表示部137は、オペレータに対して各種の操作案内、及び処理結果などを表示する。なお、操作表示部137は、タッチパネルとして構成されていてもよい。この場合、紙葉類処理装置100は、操作表示部137に表示されるボタンと、操作表示部137に対するオペレータによる操作と、に基づいて、各種の操作入力を検知する。
【0015】
ドア138は、投入部112の投入口を開閉する為のドアである。取出口139は、紙葉類処理装置100により再流通不可と判断された紙葉類1がスタックされる集積部から紙葉類1を取り出す為の構成である。キーボード140は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける入力部として機能する。
【0016】
図2は、図1に示された紙葉類処理装置100の構成例を示す。
紙葉類処理装置100は、装置内部に、投入部112、取出部113、吸着ローラ114、搬送路115、検査部116、ゲート120乃至125、排除搬送路126、排除集積部127、集積・結束部128乃至131、裁断部133、及びスタッカ134を備える。また、紙葉類処理装置100は、主制御部151を備える。主制御部151は、紙葉類処理装置100の各部の動作を統合的に制御する。
【0017】
取出部113は、投入部の上部に設けられる。取出部113は、吸着ローラ114を備えている。吸着ローラ114は、投入部112にセットされた紙葉類1を集積方向の上端に接するように設けられている。即ち、吸着ローラ114は、回転することにより、投入部112にセットされた紙葉類1を集積方向の上端から1枚ずつ装置内部に取り込む。吸着ローラ114は、たとえば、1回転するごとに1枚の紙葉類1を取り込むように機能する。これにより、吸着ローラ114は、紙葉類1を一定のピッチで取り込む。吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類1は、搬送路115に導入される。
【0018】
搬送路115は、紙葉類1を紙葉類処理装置100内の各部に搬送する搬送手段である。搬送路115は、図示しない搬送ベルト及び駆動プーリ(搬送ローラ)などを備えている。搬送路115は、図示しない駆動モータ及び駆動プーリにより搬送ベルトを動作させる。搬送路115は、吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類1を搬送ベルトにより一定速度で搬送する。なお、搬送路115における取出部113に近い側を上流側、スタッカ134に近い側を下流側として説明する。
【0019】
取出部113から延びた搬送路115上には、検査部116が設けられている。検査部116は、画像読取装置117、画像読取装置118、切れ検出装置135、及び厚み検査部119を備えている。検査部116は、紙葉類1の光学的特徴情報、機械的特徴、及び磁気的特長情報を検出する。これにより、紙葉類処理装置100は、紙葉類1の種類、汚損度、及び真偽などを検知する。
【0020】
画像読取装置117、及び118は、それぞれ搬送路115を挟んで対面するように設けられている。画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類1の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、それぞれ、Charge Coupled Device(CCD)カメラを備える。紙葉類処理装置100は、画像読取装置117、及び118により撮像した画像に基づいて、紙葉類1の表面及び裏面の模様画像を取得する。
【0021】
画像読取装置117、及び118は、読み取った画像を検査部116内の図示しないメモリに一時的に記憶する。紙葉類処理装置100は、このメモリに記憶されている画像を操作入力に応じて操作表示部137に表示する。
【0022】
切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1に対して光を照射する。さらに切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1の側面から光を検出する。切れ検出装置135は、検出した光に応じて紙葉類1の端部の挙動(behavior)を検出する。これにより、切れ検出装置135は、紙葉類1の端部の切れ目を検出する。
【0023】
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類1の厚みを検査する。例えば、検出した厚みが規定値以上である場合、紙葉類処理装置100は、紙葉類1の2枚取りを検出する。
【0024】
また、検査部116は、図示しない磁気センサなどを備えている。磁気センサは、紙葉類1の磁気的な特徴情報を検出する。
【0025】
主制御部151は、画像読取装置117、118、切れ検出装置135、厚み検査部119、及び磁気センサなどによる検出結果に基づいて、各種の判定を行う。例えば、主制御部151は、紙葉類1の種類(category)、及び/又は券種(denomination)を判定する。
【0026】
また、主制御部151は、紙葉類1の真偽(authentication)を判定する。すなわち、主制御部151は、紙葉類1が真券(genuine)であるか、偽券(counterfeit)であるかを判定する。
【0027】
また、主制御部151は、紙葉類1の正損(fitness)を検知する。即ち、主制御部151は、紙葉類1が再流通可能(recirculatable)な正券(fit sheet)であるか、再流通不可能(unrecirculatable)な損券(unfit sheet)であるかを判定する。
【0028】
さらに、主制御部151は、紙葉類1が排除券であるか否か判定する。すなわち、主制御部151は、偽券と判定された紙葉類1、または厚み検査部119により重なりが検知された紙葉類1を、排除券と判定する。すなわち、排除券は、正券及び損券に該当しない紙葉類1である。
【0029】
紙葉類処理装置100は、正券と判定した紙葉類1を集積・結束部128乃至131に搬送する。また、紙葉類処理装置100は、損券と判定した紙葉類1を裁断部133に搬送する。裁断部133は、搬送される損券を裁断する。なお、紙葉類処理装置100は、損券をスタッカ134に搬送し集積してもよい。スタッカ134は、集積した損券が例えば100枚に到達するごとに施封を行う。
【0030】
紙葉類処理装置100は、排除券と判定した紙葉類1を排除集積部127に搬送する。排除券は、例えば、2枚取り券などの搬送異常券、折れまたは破れなどが存在する不良券、及び適用外券種または偽券などの判別不能券を含む。
【0031】
検査部116の下流側の搬送路115上には、ゲート120乃至125が順に配設されている。ゲート120乃至125は、それぞれ、主制御部151により制御される。主制御部151は、検査部116による検査の結果に基づいて各ゲート120乃至125の動作を制御する。これにより、主制御部151は、搬送路115を搬送されている紙葉類1を所定の処理部に搬送するように制御する。
【0032】
検査部116の直後に配設されたゲート120は、搬送路115を排除搬送路126に分岐する。即ち、ゲート120は、検査部116による検査の結果、真券ではないと判定された排除券、または、検査部116による検査を行うことができない検査不能券等を排除搬送路126に搬送するように切り替えられる。
【0033】
排除搬送路126の終端部には、排除集積部(排除部)127が設けられている。排除集積部127は、取出部113にて取出した姿勢のまま、上記したような排除券、及び検査不能券を集積する。排除集積部127に集積された紙葉類1は、取出口139から取り出すことができる。
【0034】
また、ゲート121乃至124により分岐される先には、集積・結束部128乃至131(総じて集積結束部132と称する)がそれぞれ設けられている。集積・結束部132には、再流通可能であると判定された紙葉類1が種類及び表裏毎に区別されて集積される。集積・結束部132は、集積した紙葉類1を所定枚数毎に結束して格納する。
【0035】
ゲート125により分岐される先には、裁断部133が配設されている。裁断部133は、紙葉類1を裁断して収納する。ゲート125には、正規の紙葉類1であり、且つ、再流通が不可能であると判定された紙葉類1(損券)が搬送される。
【0036】
また、ゲート125により分岐される他方の搬送路の先には、スタッカ134が配設されている。主制御部151は、損券裁断モードが選択されている場合、紙葉類1を裁断部133に搬送するようにゲート125を制御する。また、主制御部151は、損券裁断モードが選択されていない場合、紙葉類1をスタッカ134に搬送するようにゲート125を制御する。
【0037】
なお、主制御部151は、集積・結束部132に集積された紙葉類1の枚数、及び、裁断部133により裁断された紙葉類1の枚数及び識別情報を逐次記憶する。
【0038】
図3は、図1及び図2に示された紙葉類処理装置100の制御系の構成例を示す。
【0039】
紙葉類処理装置100は、主制御部151、検査部116、搬送制御部152、集積・結束制御部153、裁断制御部156、操作表示部137、及びキーボード140などを備える。
【0040】
主制御部151は、紙葉類処理装置100の全体的な制御を司る。主制御部151は、操作表示部137により入力される操作、及び検査部116による検査結果に基づき、搬送制御部152及び集積・結束制御部153を制御する。
【0041】
例えば、紙葉類処理装置100を操作する操作員は、操作表示部137またはキーボード140により、処理する紙葉類1に対する各種の判定における閾値、紙葉類1の供給元の名称、及び処理方法などを入力する。
【0042】
検査部116は、画像読取装置117、及び118、厚み検査部119、切れ検出装置135、その他のセンサ類154、及びCPU155を備える。
【0043】
画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類1の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、例えばCCDなどの受光素子と光学系とを備える。画像読取装置117、及び118は、搬送される紙葉類1に対して光を投光し、反射光または透過光を光学系により受光する。画像読取装置117、及び118は、光学系により受光した光をCCDに結像させ、電気信号(画像)を取得する。
【0044】
主制御部151は、紙葉類1の基準となる画像(基準画像)を記憶部151aに予め記憶する。主制御部151は、紙葉類1から取得した画像と、記憶部151aに記憶される基準画像とを比較することにより、紙葉類1に対する各種の判定を行う。
【0045】
切れ検出装置135は、上記したように、搬送される紙葉類1に対して光を照射する。さらに切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1の側面から光を検出し、紙葉類1の端部の切れ目を検出する。
【0046】
また、記憶部151aは、切れ検出装置135の検出結果と比較する閾値を予め記憶する。主制御部151は、切れ検出装置135の検出結果と記憶部151aに記憶されている閾値とに基づいて、紙葉類1に対する各種の判定を行う。
【0047】
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類1の厚みを検査する。その他のセンサ類154は、例えば、磁気センサなどである。磁気センサは、搬送路115を搬送される紙葉類1から磁気的な特徴情報を検出する。
【0048】
CPU155は、画像読取装置117、118、厚み検査部119、切れ検出装置135、及びその他のセンサ類154などの動作の制御を行う。また、CPU155は、主制御部151とデータの伝送を行う。すなわち、CPU155は、検査部116の各部における検知結果を主制御部151に伝送することができる。
【0049】
搬送制御部152は、主制御部151の制御に基づき、取出部113、搬送路115、排除搬送路126、及びゲート120乃至125を制御する。これにより、搬送制御部152は、紙葉類1の取り込み及び搬送を制御する。また、搬送制御部152は、判定した紙葉類1の種類毎に区分する区分処理(sorting)を行う。即ち、搬送制御部152は、区分処理部として機能する。
【0050】
例えば、搬送制御部152は、損券であると判定された紙葉類1を裁断部133、またはスタッカ134に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。また、搬送制御部152は、排除券であると判定された紙葉類1を排除集積部127に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。またさらに、搬送制御部152は、正券であると判定された紙葉類1を集積結束部132に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。
【0051】
集積・結束制御部153は、主制御部151の制御に基づき、排除集積部127及び集積・結束部128乃至131を制御する。これにより、集積・結束制御部153は、紙葉類1の集積、及び結束の制御を行なう。
【0052】
裁断制御部156は、主制御部151の制御に基づき、裁断部133の動作を制御する。これにより、裁断部133は、搬送される紙葉類1の裁断を行う。
【0053】
図4は、一実施形態に係る切れ検出装置135の構成例を示す。また、図5は、切れ検出装置135を図4とは異なる方向から見た図である。また、図6は、切れ検出装置135を図4及び図5とは異なる方向から見た図である。
【0054】
切れ検出装置135は、例えば紙葉類処理装置100の搬送路115の近傍に設置される。図4に示すように、切れ検出装置135は、搬送ローラ2、搬送ベルト3、制御部4、照明部5、受光部6、画像収集部7、端面位置検出部8、及び判定部9を備える。なお、切れ検出装置135の近傍の搬送路115は、搬送ローラ2及び搬送ベルト3により構成される。
【0055】
搬送ローラ2は、所定の回転速度で回転する。搬送ベルト3は、紙葉類1を挟持しつつ、搬送ローラ2の回転により所定の方向に移動する。これにより、紙葉類1が搬送される。紙葉類1は、搬送路115により図4に示す矢印aの方向に搬送される。即ち、紙葉類1は、図4の手前側から奥側に搬送される。なお、紙葉類1が搬送される搬送路上の面を搬送面Pとする。
【0056】
制御部4は、切れ検出装置135の各部の動作を統合的に制御する。制御部4は、CPU、バッファメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備える。CPUは、種々の演算処理を行う。バッファメモリは、CPUにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。制御部4は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。例えば、制御部4は、照明部5及び受光部6の動作のタイミングを制御する。
【0057】
なお、制御部4は、図3に示す主制御部151と通信を行うことができる。制御部4は、主制御部151から入力された制御信号に基づいて、照明部5及び受光部6を動作させる信号を生成する。
【0058】
照明部5は、紙葉類1の端面付近に対して光を照射する。照明部5は、例えば、赤外線(赤外光)、または可視光を出力する。照明部5は、例えば、LED、蛍光灯、または他の照明装置などを備える。
【0059】
なお、図5は、図4に示す照明部5側から切れ検出装置135を見た図である。即ち、図5は、切れ検出装置135を図4における上方向から見た図である。
【0060】
紙葉類1は、例えば矩形状の本体を有する。即ち、紙葉類1は、図5に示すように長手方向と短手方向(幅方向)とを有する。本実施形態では、紙葉類1は、長手方向に搬送される。また、紙葉類1は、図5に示すように、短手方向における端部である側縁部を有する。照明部5は、少なくとも、搬送される紙葉類1の側縁部に光を照射するように構成される。
【0061】
受光部6は、所定の走査範囲(撮像範囲)を走査し、画像または光強度に応じた電気信号を取得する。すなわち、受光部6は、入射する光の光強度を検出値として検出する。受光部6は、例えば、CMOS、フォトダイオード、またはCCDなどの受光素子が線状に配列されたラインイメージセンサと、光を受光するレンズとを備える。また、例えば、照明部5が赤外光を照射する構成である場合、受光部6は、赤外光を除く帯域の光を遮断するフィルタ(波長制限媒体)をさらに有する。なお、受光部6は、所定の帯域の波長を感度領域とするセンサを備える構成であってもよい。
【0062】
レンズは、所定の撮像範囲から光を受光する。レンズは、受光した光をセンサに結像させる。センサは、受光した光を電気信号(画像)に変換する。
【0063】
図6は、切れ検出装置135を図4に示す受光部6側から見た図である。即ち、図6は、図4における左方向から切れ検出装置135を見た図である。
【0064】
図6に示すように、搬送ローラ2は、紙葉類1に所定の曲率を与えるように設置される。搬送ローラ2は、紙葉類1の搬送方向に張力をかけることにより、紙葉類1の切れ目を開く。搬送ローラ2は、紙葉類1にこれにより、紙葉類1は、所定の曲率で曲げられた状態で搬送される。この結果、切れ検出装置135は、紙葉類1の側縁部に切れ目が存在する場合、図7に示すように紙葉類1の切れ目を開くことができる。
【0065】
図6に示すように、受光部6は、少なくとも紙葉類1の側縁部が撮像範囲内に存在するように設置される。さらには、受光部6は、図7に示すように、湾曲されて開かれた紙葉類1の切れ目を撮像することができる範囲に撮像範囲が存在するように設置される。この為に、受光部6は、例えば、紙葉類1の曲率が最大となる位置を紙葉類1の搬送方向と直交する方向から撮像するように設置される。
【0066】
受光部6は、連続的に紙葉類1の側縁部から光を受光し、画像を取得する。これにより、受光部6は、湾曲されて搬送される紙葉類1の側縁部の全体の画像を取得することができる。
【0067】
また、図4に示す画像収集部7は、受光部6により取得された画像を収集し、制御部4により制御されるタイミングで端面位置検出部8に伝送する。例えば、画像収集部7は、紙葉類1枚分の画像を取得するタイミングで画像を端面位置検出部8に伝送する。
【0068】
端面位置検出部8は、画像収集部7から伝送された画像に基づいて、搬送されている紙葉類1の側縁部が写り込んでいる位置を検出する。即ち、端面位置検出部8は、画像収集部7から伝送された画像において、予め設定される閾値以上の輝度(レベル)を有する画素を特定する。端面位置検出部8は、閾値以上のレベルの画素を、紙葉類1の側縁部が写り込んでいる位置として検出する。これにより、端面位置検出部8は、紙葉類1の挙動を検出する。この場合、端面位置検出部8は、挙動検出部として機能する。端面位置検出部8は、検出結果を判定部9に伝送する。
【0069】
判定部9は、端面位置検出部8により検出された紙葉類1の挙動に基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否かを判定する。即ち、判定部9は、予め設定される範囲(標準挙動範囲)内に紙葉類1の側縁部が写り込んでいるか否かに基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否かを判定する。
【0070】
図8乃至図10は、搬送される紙葉類1の例について示す。図8は、切れ目の存在しない紙葉類1の例について示す。図9は、切れ目が存在する紙葉類1の例について示す。図10は、切れ目が存在する紙葉類1の他の例について示す。また、図8乃至図10には、それぞれ、受光部6のラインイメージセンサにより取得された画像(センサ信号)が示されている。また、各センサ信号は、搬送される紙葉類1に重ねられて示されている撮像範囲と位置が対応している。
【0071】
紙葉類1に切れ目が存在しない場合、センサ信号は、図8に示すような波形になる。即ち、センサ信号は、搬送ローラ2に近い位置で高いレベルが検出される。これは、紙葉類1が搬送ローラ2に沿って搬送された結果、紙葉類1の側縁部が搬送ローラ2の近傍に写り込む為である。
【0072】
また、紙葉類1に切れ目が存在する場合、センサ信号は、図9に示すような波形になる。即ち、センサ信号は、搬送ローラ2と離れた位置で高いレベルが検出される。これは、紙葉類1の切れ目が搬送ローラ2により開かれた結果、紙葉類1の側縁部が搬送ローラ2と離れた位置に写り込む為である。
【0073】
また、紙葉類1に紙繊維がほつれた状態の切れ目が存在する場合がある。このような場合、紙葉類1の切れ目は、張力が加えられる向きによっては切れ目が開かずに屈曲する。このような場合、センサ信号は、図10に示すような波形になる。即ち、センサ信号は、搬送ローラ2の内周側の位置で高いレベルが検出される。これは、これは、紙葉類1の切れ目が搬送ローラ2により屈曲された結果、紙葉類1の側縁部が搬送ローラ2の内周側に写り込む為である。
【0074】
受光部6は、図8乃至図10に示すような波形を紙葉類1の全体から連続して取得する。端面位置検出部8は、受光部6により取得された画像に基づいて、受光部6の撮像範囲における紙葉類1の側縁部の位置を検出する。これにより、切れ検出装置135は、受光部6の撮像範囲における紙葉類1の側縁部の軌跡を取得することができる。
【0075】
図11は、紙葉類1の側縁部の軌跡の例について示す。ここでは、複数の紙葉類1の軌跡が示されている。
図11に示すように、紙葉類1の挙動は、切れ目が存在する位置、搬送される紙葉類の先端、及び搬送される紙葉類の後端で大きく変動する。例えば、切れ目を有する紙葉類1の側縁部の軌跡は、途切れる、光を反射する光点が複数箇所に現れる場合などがある。また、紙葉類1に切れ目が存在しない場合、受光部6の撮像範囲における紙葉類1の側縁部の位置は、搬送ローラ2の近傍に収まる。
【0076】
判定部9は、上記したように、予め標準挙動範囲を記憶する。判定部9は、予め記憶される標準挙動範囲と端面位置検出部8により検出される紙葉類1の側縁部の位置とに基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否か判定する。
【0077】
例えば、判定部9は、端面位置検出部8により検出される紙葉類1の側縁部の位置が、予め記憶される標準挙動範囲外である場合、紙葉類1に切れ目が存在すると判定する。
【0078】
また、判定部9は、紙葉類1の側縁部の軌跡の連続性に基づいて紙葉類1に切れ目が存在するか否かを判定する構成であってもよい。この場合、判定部9は、端面位置検出部8により検出される紙葉類1の側縁部の軌跡が途切れている、または軌跡が紙葉類1の同じ位置において複数箇所存在する場合、紙葉類1に切れ目が存在する、または、紙葉類1の側縁部に異常が存在すると判定する。
【0079】
なお、判定部9は、先端及び後端の挙動の影響を抑えるために切れ検出範囲内で判定を行う。上記したように、搬送される紙葉類1の先端及び後端において、側縁部の検出位置は、大きく変動する。しかし、この変動は、紙葉類1の切れ目の影響ではない為、この影響を除外する必要がある。
【0080】
そこで、図11に示すように、判定部9は、紙葉類1の先端及び後端の所定長の範囲が除かれた切れ検出範囲から端面位置検出部8により検出された検出結果に基づいて紙葉類1に切れ目が存在するか否かの判定を行う。
【0081】
上記したように、本実施形態に係る切れ検出装置135は、搬送ローラ2により紙葉類1に曲率を与え、紙葉類1の側縁部に存在する切れ目を開かせた状態で搬送させる。切れ検出装置135は、搬送されている紙葉類1の側縁部を照明部5により照明する。切れ検出装置135は、受光部6により、搬送されている紙葉類1の側縁部から光を受光し、画像を取得する。切れ検出装置135は、受光部6により取得した画像に基づいて端面位置検出部8により紙葉類1の側縁部の位置を検出する。切れ検出装置135は、あらかじめ設定される標準挙動範囲と、端面位置検出部8により検出された紙葉類1の側縁部の位置とに基づいて、紙葉類1に切れ目が存在するか否か判定する。
【0082】
この構成によると、受光部6と照明部5とを、紙葉類1の搬送方向側に設ける必要がない。この為、切れ検出装置135の設置位置を抑えることができる。また、紙葉類1の切れ目を大きく開かせる必要がない為、高速で紙葉類1を搬送する紙葉類処理装置100に切れ検出装置135を設置する事ができる。この結果、より簡易な構成で紙葉類の切れを検出することができる切れ検出装置、及び切れ検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
【0083】
なお、上記した実施形態では、切れ検出装置135は、搬送ローラ2により紙葉類1に所定の曲率を与える構成を備えるとして説明したが、この構成に限定されない。切れ検出装置135は、搬送ローラ2の代わりに、搬送ベルト3に沿接する曲線部を有する湾曲部材により紙葉類1に所定の曲率を与える構成であってもよい。
【0084】
また、図10において説明したように、紙葉類1に紙繊維がほつれた状態の切れ目が存在する場合、紙葉類1の切れ目は、張力が加えられる向きによっては切れ目が開かずに屈曲する。この切れ目を開かせる為に、搬送ローラ2をさらに追加してもよい。
【0085】
図12は、切れ検出装置135の他の構成について示す。
図12に示す切れ検出装置135は、図4に示す切れ検出装置135に加え、さらに搬送ローラを備える。なお、図4と同様の搬送ローラを21とし、追加された搬送ローラを22とする。また、切れ検出装置135の他の構成についてはここでは図示しない。
【0086】
搬送ローラ22は、搬送ローラ21と搬送面Pを挟んで反対側から紙葉類1に曲率を与えるように設置される。即ち、搬送面Pの上下に搬送ローラ21及び搬送ローラ22が設置される。この場合、搬送ローラ22は、搬送ローラ21により開かなかった紙葉類1の切れ目を開かせることができる。
【0087】
また、この場合、受光部6及び照明部5が搬送ローラ22側に設置される。即ち、照明部5は、搬送ローラ22を通過する紙葉類1の側縁部を照明するように設置される。また、受光部6は、搬送ローラ22により曲率が与えられる紙葉類1の側縁部から光を受光するように設置される。
【0088】
また、上記の実施形態では、照明部5は、搬送ローラ2と搬送面Pを挟んで対向する側から紙葉類1の側縁部を照明するとして説明したが、この構成に限定されない。
【0089】
図13及び図14は、照明部5の他の設置例を示す。
図13は、照明部5が紙葉類1の搬送面に対して搬送ローラ2と同じ側に設置される例を示す。図14は、照明部5が紙葉類1の搬送方向に対して紙葉類1の側縁部側に設置される例を示す。
【0090】
照明部5の設置位置は、少なくとも搬送ローラ2を通過する紙葉類1の側縁部を照明することができる構成であれば如何なる位置であってもよい。これにより、本実施形態の切れ検出装置135を備える紙葉類処理装置100は、各装置をより柔軟にレイアウトすることができる。
【0091】
また、上記の実施形態では、照明部5及び受光部6が紙葉類1の片側の側縁部側に設置される構成について説明したが、この構成に限定されない。
【0092】
図15は、照明部5及び受光部6の他の設置例を示す。
図15に示すように、照明部5及び受光部6は、搬送される紙葉類1の両側に設置される。即ち、照明部5は、搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明するように設置される。また、受光部6は、搬送される紙葉類1の両側の側縁部から光を受光するように設置される。この構成によると、切れ検出装置135は、紙葉類1の両側の側縁部に存在する切れ目を検出することが出来る。
【0093】
図16は、図15に示された照明部5の他の構成例について示す。
図16に示されるように、切れ検出装置135は、搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明する複数の照明部5の変わりに、ライン照明部10を備える構成であってもよい。ライン照明部10は、例えば、線状に配列された複数のLED、蛍光灯、白熱光源と導光部材との組み合わせ、または線状に照明が可能な他の光源を備える。ライン照明部10は、紙葉類1の片側の側縁部から他方の側縁部まで照明することができる。この構成によっても、切れ検出装置135は、紙葉類1の両側の側縁部に存在する切れ目を検出することが出来る。
【0094】
また、切れ検出装置135は、図15に示された紙葉類1の両側の側縁部から光を受光する構成と、図12に示された紙葉類1に対して複数の方向から曲率を与える構成とが組み合わされた構成を備えていてもよい。
【0095】
図17及び図18は、切れ検出装置135の他の構成例を示す。
図17は、切れ検出装置135を受光部6側から見た図である。また、図18は、切れ検出装置135を図17に示す1つの照明部5側から見た図である。
【0096】
切れ検出装置135は、図17及び図18に示すように、搬送ローラ21、搬送ローラ22、搬送ベルト3、複数の照明部5、及び複数の受光部6を備える。なお、切れ検出装置135の他の構成についてはここでは図示しない。図17及び図18に示される切れ検出装置135は、受光部6を4つ備える構成となっている。
【0097】
図17に示されるように、搬送ローラ21は、搬送される紙葉類1に対してある方向から曲率を与える。さらに、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と異なる方向から曲率を与える。例えば、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と逆方向から曲率を与える。
【0098】
照明部5は、搬送ローラ21及び搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明するように設置される。例えば、照明部5は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、を照明するように設置される。
【0099】
受光部6は、搬送ローラ21及び搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の両側の側縁部から光を受光するように設置される。例えば、複数の受光部6は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部からそれぞれ光を受光するように設置される。また、複数の受光部6は、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部からそれぞれ光を受光するように設置される。
【0100】
この構成によると、切れ検出装置135は、より確実に紙葉類1の切れ目を開かせ、且つ、紙葉類1の両側の側縁部に存在する切れ目を検出することが出来る。
【0101】
なお、図17及び図18に示される切れ検出装置135は、4つの受光部6を備える構成として説明したが、切れ検出装置135は、この構成に限定されない。切れ検出装置135が備える受光部6は2つであってもよい。
【0102】
図19及び図20は、切れ検出装置135のさらに他の構成例を示す。
図19は、切れ検出装置135を受光部6側から見た図である。また、図20は、切れ検出装置135を図19に示す1つの照明部5側から見た図である。
【0103】
切れ検出装置135は、図19及び図20に示すように、搬送ローラ21、搬送ローラ22、搬送ベルト3、複数の照明部5、2つの受光部6、及び反射ミラー11乃至14を備える。なお、切れ検出装置135の他の構成についてはここでは図示しない。
【0104】
図19に示されるように、搬送ローラ21は、搬送される紙葉類1に対してある方向から曲率を与える。さらに、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と異なる方向から曲率を与える。例えば、搬送ローラ22は、搬送される紙葉類1に対して搬送ローラ21と逆方向から曲率を与える。
【0105】
照明部5は、搬送ローラ21及び搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の両側の側縁部を照明するように設置される。例えば、照明部5は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の両側の側縁部と、を照明するように設置される。
【0106】
受光部6は、第1の受光領域と第2の受光領域とを備える。第1の受光領域と第2の受光領域とは、図19に示されるように、直線状に配列される複数の受光素子が区切られて形成される。
【0107】
反射ミラー11乃至14は、光を反射する鏡面を有する。反射ミラー11は、搬送ローラ21により搬送される紙葉類1の片側の側縁部から発せられる光を反射するように設置される。また、反射ミラー12は、反射ミラー11により反射された光を反射し、受光部6の第1の受光領域に入射させる。
【0108】
また、反射ミラー13は、搬送ローラ22により搬送される紙葉類1の片側の側縁部から発せられる光を反射するように設置される。また、反射ミラー14は、反射ミラー13により反射された光を反射し、受光部6の第2の受光領域に入射させる。
【0109】
即ち、受光部6は、反射ミラー11及び反射ミラー12により反射された光が第1の受光領域に入射し、且つ、反射ミラー13及び反射ミラー14により反射された光が第2の受光領域に入射するように設置される。
【0110】
なお、反射ミラー11及び反射ミラー12により反射された光と、反射ミラー13及び反射ミラー14により反射された光とを1つのレンズで受光する場合、両方の光の光路長を等しくなるように各部を設置する必要がある。
【0111】
なお、反射ミラー11及び反射ミラー12は、搬送ローラ21により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の側縁部から発せられる光を受光部6の第1の受光領域に入射させるように設置される。また、反射ミラー13及び反射ミラー14は、搬送ローラ22により最も大きな曲率が与えられた紙葉類1の側縁部から発せられる光を受光部6の第2の受光領域に入射させるように設置される。
【0112】
この構成によると、受光部6の数を減らすことが出来る。この結果、切れ検出装置135は、コストを抑え、且つ設置スペースを低減することができる。
【0113】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0114】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…紙葉類、2…搬送ローラ、3…搬送ベルト、4…制御部、5…照明部、6…受光部、7…画像収集部、8…端面位置検出部、9…判定部、10…ライン照明部、11…反射ミラー、12…反射ミラー、13…反射ミラー、14…反射ミラー、21…搬送ローラ、22…搬送ローラ、100…紙葉類処理装置、112…投入部、113…取出部、114…吸着ローラ、115…搬送路、116…検査部、117…画像読取装置、118…画像読取装置、119…厚み検査部、132…集積結束部、133…裁断部、134…スタッカ、135…切れ検出装置、151…主制御部、151a…記憶部、152…搬送制御部、153…集積・結束制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、
前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、
前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、
前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、
を具備する切れ検出装置。
【請求項2】
前記画像取得部は、前記紙葉類が搬送される搬送方向と直交する方向で、前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項3】
前記挙動検出部は、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の側縁部が画像中に写り込んでいる位置を検出し、
前記判定部は、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の側縁部が画像中に写り込んでいる位置が、前記標準挙動範囲外である場合、前記紙葉類に切れ目が存在すると判定する、
請求項2に記載の切れ検出装置。
【請求項4】
前記挙動検出部は、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の側縁部の軌跡を検出し、
前記判定部は、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の側縁部の軌跡が途切れている、または軌跡が前記紙葉類の同じ位置において複数箇所存在する場合、前記紙葉類に切れ目が存在すると判定する、
請求項2に記載の切れ検出装置。
【請求項5】
前記画像取得部は、前記紙葉類の側縁部の前記湾曲部材により最も大きな曲率が与えられた位置を含む範囲から光を受光し、画像を取得する、請求項2に記載の切れ検出装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記搬送される紙葉類の先端及び後端の所定範囲を除く切れ検出範囲内で前記判定を行う、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項7】
前記照明部は、前記紙葉類が搬送される位置に対して前記湾曲部材と対向する位置に設けられる、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項8】
前記照明部は、前記紙葉類が搬送される位置に対して前記湾曲部材と同じ側に設けられる、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項9】
前記照明部は、前記紙葉類の搬送方向に対して前記紙葉類の側縁部側に設置される、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項10】
紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された前記紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、
前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、
前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、
前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記紙葉類を区分する区分処理部と、
を具備する紙葉類処理装置。
【請求項1】
搬送される紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、
前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、
前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、
前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、
を具備する切れ検出装置。
【請求項2】
前記画像取得部は、前記紙葉類が搬送される搬送方向と直交する方向で、前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項3】
前記挙動検出部は、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の側縁部が画像中に写り込んでいる位置を検出し、
前記判定部は、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の側縁部が画像中に写り込んでいる位置が、前記標準挙動範囲外である場合、前記紙葉類に切れ目が存在すると判定する、
請求項2に記載の切れ検出装置。
【請求項4】
前記挙動検出部は、前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の側縁部の軌跡を検出し、
前記判定部は、前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の側縁部の軌跡が途切れている、または軌跡が前記紙葉類の同じ位置において複数箇所存在する場合、前記紙葉類に切れ目が存在すると判定する、
請求項2に記載の切れ検出装置。
【請求項5】
前記画像取得部は、前記紙葉類の側縁部の前記湾曲部材により最も大きな曲率が与えられた位置を含む範囲から光を受光し、画像を取得する、請求項2に記載の切れ検出装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記搬送される紙葉類の先端及び後端の所定範囲を除く切れ検出範囲内で前記判定を行う、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項7】
前記照明部は、前記紙葉類が搬送される位置に対して前記湾曲部材と対向する位置に設けられる、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項8】
前記照明部は、前記紙葉類が搬送される位置に対して前記湾曲部材と同じ側に設けられる、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項9】
前記照明部は、前記紙葉類の搬送方向に対して前記紙葉類の側縁部側に設置される、請求項1に記載の切れ検出装置。
【請求項10】
紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された前記紙葉類に対して曲率を与える湾曲部材と、
前記湾曲部材により曲率が与えられた前記紙葉類の側縁部を照明する照明部と、
前記照明部により照明された前記紙葉類の側縁部から光を受光し、画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像に基づいて、前記紙葉類の挙動を検出する挙動検出部と、
前記挙動検出部により検出された前記紙葉類の挙動と、あらかじめ設定される標準挙動範囲とに基づいて、前記紙葉類に切れ目が存在するか否か判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記紙葉類を区分する区分処理部と、
を具備する紙葉類処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−168864(P2012−168864A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30847(P2011−30847)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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