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切削加工用ポリウレタン樹脂成形品
説明

切削加工用ポリウレタン樹脂成形品

【課題】 本発明の課題は、高い寸法安定性と優れた切削加工性を両立できる治具素材を提供することである。
【解決手段】ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ガラス厚みが0.3〜1.0μmの中空ガラスバルーン(C1)、ガラス厚みが1.1〜1.6μmの中空ガラスバルーン(C2)及びモース硬度が1〜3の無機フィラー(D)を含有してなる切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物を反応硬化させ、成型して切削加工用成型品を得る。(C1)の体積平均粒径は50〜70μmが好ましく、(C2)の体積平均粒径は30〜49μmが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削加工用高精度ポリウレタン樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、治具用素材としては、天然木材や、ビスフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリオール、芳香族ポリイソシアネートおよび脱水剤等の混合物を、メカニカルフロス法により硬化させて得られる発泡ウレタン成型品(いわゆる合成木材と呼ばれる切削加工用高精度ポリウレタン樹脂成型品)等が使用される。(例えば、特許文献1、2参照)
治具作成の工期を短縮するには切削する素材が易切削性である必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−262395
【特許文献2】特開2009−227993
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マスターモデルや検査治具として使用する場合、線膨張係数を小さくするために線膨張係数の小さいフィライトやアルミナなどの充実無機フィラーの含有量を増やすと密度が大きくなるため切削加工が悪くなり、治具作成の工期が延びるという問題があった。
すなわち本発明の課題は、高い寸法安定性と優れた切削加工性を両立できる治具素材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ガラス厚みが0.3〜1.0μmの中空ガラスバルーン(C1)、ガラス厚みが1.1〜1.6μmの中空ガラスバルーン(C2)及びモース硬度が1〜3の無機フィラー(D)を含有してなる切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物;及び該樹脂形成性組成物を反応硬化させ、成型してなる切削加工用成型品;該成型品を切削加工してなる治具である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の切削加工用高精度ポリウレタン組成物を反応硬化させ、成型してなる切削加工用成型品は、下記の効果を奏する。
(1)寸法安定性に優れる。
(2)切削加工性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[ポリオール(A)]
ポリオール(A)には、2価〜8価またはそれ以上の低分子ポリオール(250未満のOH当量を有する)、2価〜8価またはそれ以上の、高分子ポリオール[250以上の水酸基(以下、OHと記載する。)当量(OH価に基づく、OH当たりの分子量)を有する]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。これらの中で低分子ポリオールが好ましい。
低分子ポリオールには、多価アルコール、並びに低分子OH末端ポリマー[ポリエーテルポリオール(以下PTポリオールと略記)、ポリエステルポリオール(以下PSポリオールと略記)等]が含まれる。
【0008】
上記多価アルコールには、以下のものが含まれる。2価アルコール[炭素数(以下Cと略記)2〜20またはそれ以上、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等];C6〜10の脂環含有2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等];C8〜20の芳香環含有2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)];
【0009】
含窒素ポリオール(3級アミノ基含有ポリオールおよび4級アンモニウム基含有ポリオール):含窒素ジオール、例えばC1〜12の脂肪族、脂環式および芳香環含有1級モノアミン[メチルアミン、エチルアミン、1−および2−プロピルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、1−,2−および3−アミノヘプタン、ドデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン等]のビスヒドロキシアルキル(C2〜4)化物[ビス(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等、例えば米国特許第4,271,217号明細書に記載の3級窒素原子含有ポリオール]、およびそれらの4級化物[上記米国特許明細書に記載の4級化剤またはジアルキルカーボネート(C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネート)が含まれる。)による4級化物]、例えば上記米国特許明細書に記載の4級窒素原子含有ポリオール;および3価〜8価またはそれ以上の含窒素ポリオール、例えばトリアルカノール(C2〜4)アミン(トリエタノールアミン等)およびC2〜12の脂肪族、脂環式、芳香族および複素環ポリアミン[例えばエチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、トリレンジアミン、アミノエチルピペラジン]のポリヒドロキシアルキル(C2〜4)化物〔ポリ(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等[例えばテトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン]〕、およびこれらの上記と同様の4級化物。
【0010】
低分子OH末端ポリマーには、後述のような、PTポリオール、PSポリオールおよびポリウレタン(以下PUと略記)ポリオールで250未満のOH当量を有するものが含まれる。例えば、低重合度のアルキレンオキシド(以下AOと略記)開環重合物および活性水素原子含有多官能化合物の低モルAO付加物[例えば後述のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(以下それぞれPEG、PPG、PTMGと略記)等、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびビスフェノールAのエチレンオキシド(以下EOと略記)2〜4モル付加物]、低縮合度の縮合PSポリオールおよびポリオールの低モルラクトン付加物[ポリカルボン酸と過剰(カルボキシル基1個当り1モル)の多価アルコールとの縮合物(例えばジヒドロキシエチルアジペート)およびEGのカプロラクトン1モル付加物]、並びに低重合度のPUポリオール[後述のポリイソシアネート(以下PIということがある。)と過剰(イソシアネート基1個当り1モル)の多価アルコールとの反応生成物(例えば後述のTDI1モルとEG2モルとの反応生成物)]が挙げられる。
【0011】
AOには、C2〜12またはそれ以上(好ましくはC2〜4)のAO、例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記)、1,3−プロピレンオキシド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO、例えばスチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が含まれる。
【0012】
高分子ポリオールは、通常250〜3,000またはそれ以上のOH当量を有する。該ポリオールは、通常250〜3,000またはそれ以上、好ましくは250〜1,000の数平均分子量(以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]を有し;好ましくは250〜3,000、とくに250〜1,000の重量平均分子量 (以下Mwと略記。測定はGPC法による。)を有する。その例には、OH末端のポリマー[PT、PS、ポリアミド(以下PDと略記)、PU、ビニル系ポリマー(以下VPと略記) およびポリマーポリオール(以下P/Pと略記)]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。OH末端のPTには、AOの開環重合物、少なくとも2個(2個〜8個またはそれ以上)の活性水素原子を有する開始剤に1種または2種以上のAOを付加させた構造を有するPTポリオール(AO付加物)、およびそれら(同一または異なる)の2分子またはそれ以上をカップリング剤でカップリングさせてなるPTポリオールが含まれる。
【0013】
AO付加の開始剤には、例えば多価アルコール(前記)、ヒドロキシルアミン、アミノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸;多価フェノール;並びにポリカルボン酸(後述)が含まれる。
ヒドロキシルアミンには、C2〜10の、(ジ)アルカノールアミン、シクロアルカノールアミンおよびアルキルアルカノールアミン、例えば2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール、ジエタノールアミン、ジ−n−およびi−プロパノールアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、メチルエタノールアミンおよびエチルエタノールアミンが含まれる。好ましいのは、2−アミノエタノールである。
【0014】
アミノカルボン酸には、C2〜12のもの、例えばアミノ酸[グリシン、アラニン、バリン、(イソ)ロイシン、フェニルアラニン等]、ω−アミノアルカン酸(例えばω−アミノカプロン、ω−アミノエナント、ω−アミノカプリル、ω−アミノペルゴン、ω−アミノカプリン、11−アミノウンデカンおよび12−アミノドデカン酸)、および芳香族アミノカルボン酸(例えばo−、m−およびp−アミノ安息香酸)が含まれる。
ヒドロキシカルボン酸には、上記アミノカルボン酸に相当する(NHがOに置換った)もの(例えばω− ヒドロキシカプロン酸、サリチル酸、p−およびm−ヒドロキシ安息香酸)、並びにグリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸およびベンジル酸が含まれる。好ましいのは12−アミノドデカン酸である。
【0015】
多価フェノールには、C6〜18の2価フェノール、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、F、C、B、ADおよびS、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)、および縮合多環2価フェノール[ジヒドロキシナフタレン(例えば1,5−ジヒドロキシナフタレン)、ビナフトール等];並びに3価〜8価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)のアルデヒドもしくはケトン(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール、アセトン)低縮合物(例えばフェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタールアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール)が含まれる。
【0016】
開始剤へのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒、または触媒(アルカリ触媒、アミン触媒、酸性触媒等)の存在下(とくにAO付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。2種以上のAOは、ランダム付加、ブロック付加、両者の組合せ(例えばランダム付加に次いでブロック付加)のいずれでもよい。AO付加物のカップリング剤には、ポリハライド、例えばC1〜6のアルカンポリハライド(例えばC1〜4のアルキレンジハライド:メチレンジクロラ イド、1,2−ジブロモエタン等);エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等);およびポリエポキシドが含まれる。
【0017】
OH末端のPTの例には、PTジオール、例えばポリアルキレングリコール(以下PAGと略記)[例えばPEG、PPGおよびPTMG、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール]、共重合ポリオキシアルキレンジオール〔EO/PO共重合ジオール、THF/EO共重合ジオール、THF/MTHF共重合ジオール等(重量比、例えば1/9〜9/1)〕、芳香環含有ポリオキシアルキレンジオール[ポリオキシアルキレンビスフェノールA(ビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物等)];および3官能以上のPTポリオール、例えばポリオキシプロピレントリオール(GRのPO付加物等);並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたものが含まれる。
【0018】
OH末端のPSには、縮合PSポリオール、ポリラクトン(以下PLと略記 )ポリオール、ヒマシ油系ポリオール[ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)およびそのポリオール変性物]、およびポリカーボネートポリオールが含まれる。縮合PSポリオールは、ポリオールとポリカルボン酸類(酸もしくはそのエステル形成性誘導体を指す。以下同様。)(および必要によりヒドロキシカルボン酸)との重縮合またはポリオールとポリカルボン酸無水物およびAOとの反応により、PLポリオールはポリオールを開始剤とするラクトンの開環付加(またはポリオールとヒドロキシカルボン酸との重縮合)により、ヒマシ油のポリオール変性物はヒマシ油とポリオールとのエステル交換反応により、そしてポリカーボネートポリオールはポリオールを開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合、ポリオールとジフェニルもしくはジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)、またはポリオールもしくは2価フェノール(前記のもの:ビスフェノールA等)のホスゲン化により、製造することができる。
【0019】
PSの製造に用いるポリオールは、通常1,000以下、好ましくは30〜500のOH当量(OH当たりのMn)を有する。その例には、上記の多価アルコール[ジオール(例えばEG、1,4−BD、NPG、HDおよびDEG)および3価以上のポリオール(GR、TMP、PE等)]、上記PTポリオール(PEG、PPG、PTMG等)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。縮合PSポリオールの製造に好ましいのは、ジオール、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価以上のポリオールとの併用である。
【0020】
ポリカルボン酸には、ジカルボン酸および3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸が含まれる。それらの例には、C2〜30またはそれ以上(好ましくはC2〜12)の飽和および不飽和の脂肪族ポリカルボン酸、例えばC2〜15ジカルボン酸(例えばシュウ、コハク、マロン、アジピン、スベリン、アゼライン、セバチン、ドデカンジカルボン、マレイン、フマルおよびイタコン酸)、C6〜20トリカルボン酸(例えばトリカルバリルおよびヘキサントリカルボン酸)];C8〜15の芳香族ポリカルボン酸、例えばジカルボン酸(例えばテレフタル、イソフタルおよびフタル酸)、トリ−およびテトラ−カルボン酸(例えばトリメリットおよびピロメリット酸);C6〜40の脂環式ポリカルボン酸(ダイマー酸等);およびスルホ基含有ポリカルボン酸[上記ポリカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク、スルホマロン、スルホグルタル、スルホアジピンおよびスルホイソフタル酸、およびそれらの塩(アルカリ金属、アルカリ土類金属およびIIB族金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、並びに4級アンモニウム塩等)];並びにカルボキシ末端のポリマーが含まれる。
【0021】
カルボキシ末端のポリマーには、PTポリカルボン酸、例えばポリオール[上記の多価アルコール、PTポリオール等]のカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られる);およびPD、PSおよび/またはPUポリカルボン酸、例えば上記ポリカルボン酸を開始剤としてラクタムもしくはラクトン(前記)を開環重合させてなるポリラクタムポリカルボン酸およびPLポリカルボン酸、上記ポリカルボン酸類の2分子またはそれ以上をポリオール(前記)またはポリアミンもしくはポリイソシアネート(PI、後述)でカップリング(エステル化またはアミド化)させてなる縮合PSポリカルボン酸および縮合PDポリカルボン酸、および上記のポリカルボン酸類およびポリオールとPIを反応(ウレタン化およびエステル化もしくはアミド化)させてなるPUポリカルボン酸が含まれる。
【0022】
ラクタムには、C4〜15(好ましくはC6〜12)のもの、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタム;ラクトンには、上記ラクタムに相当する(NHがOに置換った)もの(例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン)が含まれる。
【0023】
エステル形成性誘導体には、酸無水物、低級アルキル(C1〜4)エステルおよび酸ハライド、例えばコハク、マレイン、イタコンおよびフタル酸無水物 、テレフタル酸ジメチル、並びにマロニルジクロライドが含まれる。縮合PSポリオールの製造に好ましいのは、ジカルボン酸類、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸類との併用である。ラクトンおよびヒドロキシカルボン酸には前掲のものが含まれる。アルキレンカーボネートには、C2〜6のアルキレン基を有するもの、例えばエチレンおよびプロピレンカーボネートが含まれる。ジアルキルカーボネートには、C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネートが含まれる。
【0024】
OH末端のPSの具体例には、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリブチレン/ヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチ レンセバケート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバケート、ポリカプロラクトンジオールおよびポリヘキサメチレンカーボネートジオールが含まれる。
【0025】
OH末端のPDには、ポリカルボン酸類(上記)を、ヒドロキシルアミン(前記)またはポリオール(上記)およびポリアミン(PA)(後述)と重縮合させてなる、ポリ (エステル)アミドポリオールが含まれる。
【0026】
OH末端のPUには、ポリオールをPIで変性してなるOH末端ウレタンプレポリマーが含まれる。ポリオールには、前記の、多価アルコール、高分子ポリオール(上記OH末端のPTおよびPS、並びに後述のOH末端のVPおよびP/P)、並びにこれらの2種以上の併用が含まれる。ポリオールのうち、好ましいのは高分子ポリオール(とくにOH末端のPSおよびとくにPT)およびこれと低分子ポリオール(とくに多価アルコール)との併用である。併用する低分子ポリオールの量は、要求される性能に応じて適宜変えることができるが、一般に、高分子ポリオール1当量に対して、0.01〜0.5当量、さらに0.02〜0.4当量とくに0.1〜0.2当量が好ましい。OH末端ウレタンプレポリマー製造に当り、ポリオールとPIとの当量比(OH/NCO比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに 1.4/1〜2/1である。ポリオールとPIとは、1段で反応させても、多段で反応(例えばポリオールもしくはPIの一部を反応させたのち残部を反応)させてもよい。
【0027】
OH末端のVPには、ポリブタジエン系ポリオール、例えばOH末端のブタジエンホモポリマーおよびコポリマー(スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー等)[1,2−ビニル構造を有するもの、1,4−トランス構造を有するもの、1,4−シス構造を有するもの、およびこれらの2種以上を有するもの(1,2−ビニル/1,4−トランス/1,4−シスのモル比100〜0/100〜0/100〜0、好ましくは10〜30/50〜70/10〜30]、並びにこれらの水素添加物(水素添加率:例えば20〜100%);アクリルポリオール、例えばアクリル共重合体[アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート、またはこれらと他のモノマー(スチレン、アクリル酸等)との共重合体]にヒドロキシル基を導入したもの[ヒドロキシル基の導入は主としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレートによる];および部分鹸化エチレン/酢酸ビニル共重合体が含まれる。
【0028】
P/Pは、ポリオール(前述のOH末端のPTおよび/またはPS、またはこれと前記の多価アルコールとの混合物)中でエチレン性不飽和モノマーをその場で重合させることにより得られる。エチレン性不飽和モノマーには、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等);炭化水素(以下HCと略記)系モノマー、例えば芳香族不飽和HC(スチレン等)および脂肪族不飽和HC(C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィンおよびブタジエン);並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)]が含まれる。P/Pは、例えば5〜80%またはそれ以上、好ましくは30〜70%の重合体含量を有する。上記の高分子ポリオールのうちで好ましいのはPTポリオールおよびPSポリオールである。
【0029】
[ポリイソシアネート(B)]
本発明におけるポリイソシアネート(B)には、2〜6個またはそれ以上(好ましくは2〜3個とくに2個)のイソシアネート基を有する、下記のポリイソシアネート(PI)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。(1)C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族PI:
ジイソシアネート(以下DIと略記)、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチ ルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;
3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
【0030】
(2)C4〜15の脂環式PI:DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、 メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;(3)C8〜15の芳香脂肪族PI:m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI);(4)C6〜20の芳香族PI:DI、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);
【0031】
(5)PIの変性体:
上記PIの変性体、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドンおよび/またはウレトジオン基を有する変性体)、例えばMDI、TDI、HDI、IPDI等のウレタン変性物(ポリオールと過剰のPIとを反応させて得られるNCO末端ウレタンプレポリマー)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、およびこれらの混合物。ウレタン変性に用いるポリオールには、前記の多価アルコール、PTポリオールおよび/またはPSポリオールが含まれる。好ましいのは、500以下とくに30〜200のOH当量を有するポリオール、例えばグリコール(EG、PG、DEG、DPG等)、トリオール(TMP、GR等)、4官能以上の高官能ポリオール(PE、SO等)およびこれらのAO(EOおよび/またはPO)(1〜40モル)付加物、とくにグリコールおよびトリオールである。ウレタン変性におけるPIとポリオールとの当量比(NCO/OH比)は、通常1.1/1〜10/1、好ましくは1.4/1〜4/1とくに1.4/1〜2/1である。上記変性PIの遊離イソシアネート基含量は通常8〜33%、好ましくは1 0〜30%、とくに好ましくは12〜29%である。
【0032】
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)からポリウレタン樹脂を形成させるに際して、(A)と(B)の割合をイソシアネート指数[(NCO基/OH基の当量比)×100]で表した場合、該指数は種々変えることができるが、樹脂強度およびポリウレタン樹脂の切削加工のしやすさの観点から、好ましくは80〜140、さらに好ましくは85〜120、とくに好ましくは90〜115である。
また(A)と(B)の反応方法としては、ワンショット法であっても、予め(A)の一部と(B)を反応させてNCO末端プレポリマーを形成させた後、残りの(A)と反応させるか、あるいは予め(A)と、(B)の一部を反応させてOH末端プレポリマーを形成させた後、残りの(B)と反応させるプレポリマー法であってもよい。
【0033】
[中空ガラスバルーン(C)]
本発明における中空ガラスバルーン(C)はガラス厚みの異なる2種対の中空ガラスバルーン(C1)および(C2)からなる。
(C1)のガラス厚みは0.3〜1.0μmであり、0.3μm未満では寸法安定性が悪くなる。1.0μmを超えると寸法安定性は良いが、切削性が悪くなる。好ましくは0.5〜0.9μm、さらに好ましくは0.6〜0.8μmである。
(C2)のガラス厚みは1.1〜1.6μmであり、1.1μm未満では切削性は良いが、寸法安定性が悪くなる。1.6μmを超えると切削性が悪くなるのに加え、刃物の摩耗が多くなる。好ましくは1.1〜1.4μm、さらに好ましくは1.1〜1.3である。
上記(C1)と(C2)を組み合わせることにより、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を反応硬化させ、成型してなる切削加工用成型品が、高い寸法安定性と優れた切削加工性を両立できるようになった。
【0034】
中空ガラスバルーンのガラス厚みは以下の計算式に基づいて算出した。
中空ガラスバルーンの真密度:d
中空ガラスバルーンの半径:R
ガラスの真密度:2.5
中空ガラスバルーンのガラス厚み:T
T=R(1−(1−2.5d)1/3
【0035】
(C1)の体積平均粒径は、治具用素材の切削加工性の観点から50〜70μmが好ましく、55〜65μmがさらに好ましい。
(C2)の体積平均粒径は、治具用素材の寸法安定性の観点から30〜49μmが好ましく、35〜45μmがさらに好ましい。
体積平均粒径の測定方法は中空ガラスバルーンを1%分散させたポリオールを調整し、コールターカウンター「ベックマン・コールター(株)製」により測定した。
【0036】
成型品の切削加工性と寸法安定性の両立の観点から(C1)と(C2)の重量比は10/90〜50/50であり、好ましくは20/80〜40/60であり、さらに好ましくは25/75〜35/65である。重量比が10/90以上では刃物摩耗量と切削抵抗が小さく好ましい。50/50以下では線膨張係数が小さくなるため寸法安定性と切削加工性の両立が可能である。
【0037】
市場から入手できる(C1)の具体例としては、スコッチライトK−1、K−15[いずれも住友スリーエム(株)製]等が挙げられる。(C2)の具体例としては、K−37、K−46[いずれも住友スリーエム(株)製]等が挙げられる。
(C1)と(C2)の使用量の合計は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)の合計重量に基づいて、通常30%以下、組成物の成形性の観点から好ましくは3〜25%、さらに好ましくは5〜20%である。
【0038】
[無機フィラー(D)]
本発明における無機フィラー(D)は刃物摩耗量の観点からモース硬度が1〜3のものである。モース硬度が1〜3の無機フィラーには、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、石膏などがある。これらの中で成形性の観点から高充填が可能でかつ増粘効果の小さい炭酸カルシウムが好ましい。
使用するのに好ましい性状は粉状であり、粒径は特に制限されない。
また(D)の使用量は、寸法安定性と切削加工性、および成型品の成形性の観点から(C1)と(C2)の合計重量と(D)の重量比が20/80〜30/70であることが好ましく、23/77〜27/73がさらに好ましい。
【0039】
[切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物の製造方法]
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)からなり、両成分を例えば以下の方法で混合して、本発明の切削加工用成型品を製造することが好ましい。
ポリオール成分(I)
連続して送液できるポンプ付きの2つの耐圧反応槽に、ポリオール(A)に中空ガラスバルーン(C1)と中空ガラスバルーン(C2)、次いで無機フィラー(D)の順番で投入する。反応槽を減圧にし、さらに窒素置換した後、25〜30℃に調整し、微加圧の条件下で30〜60分程度撹拌し、ポリオール成分(I)を得る。そのときの撹拌速度は1〜3m/s程度である。
イソシアネート成分(II)
同様にポリイソシアネート(B)にも中空ガラスバルーン(C1)と中空ガラスバルーン(C2)、次いで無機フィラー(D)の順番で配合槽に投入し、前述の条件で撹拌し、イソシアネート成分(II)を得る。
【0040】
調製した上記ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)の2液は以下のメカニカルフロス発泡工程にて不活性ガスと共に連続的に混合し、当該成型品を吐出する。
メカニカルフロス発泡法とは、内面に多数の歯の付いた円筒状のステーターと、ステーター内部に同じく多数の歯の付いたローターからなるメカニカルフロス発泡機のローターが回転中に、発泡させたい材料と不活性ガスを同時に連続的に当該発泡機に注入することにより、当該発泡機の吐出口から発泡材料を連続的に吐出させる方法(特許第3083751号公報の選択図3参照)である。
【0041】
ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)との送液比[NCO/OH当量比]は、好ましくは1.9/1〜1.5〜1さらに好ましくは1.8/1〜1.6/1となるような比率とし、送液速度はウレタン化の反応速度およびミキサー部での混合性の観点から好ましくは10〜20kg/分、さらに好ましくは12〜18kg/分で行う。
ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受ける。受けた混合液は、硬化炉にて、好ましくは90〜130℃、さらに好ましくは100〜120℃で、0.5〜10時間硬化させることにより成型品が得られる。
【0042】
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂成型品を硬化させてなる硬質ポリウレタン樹脂は、吸湿による寸法増加が極めて小さいことから、デザインモデル、マスターモデル等の模型や検査治具等の切削加工材料等として幅広く用いられ極めて有用である。
【0043】
本発明における切削加工用ポリウレタン樹脂組成物は、NCマシンと呼ばれるコンピュータ制御の工作機械のうち、通常、NCフライス盤やマシニングセンタによって切削加工(機械加工)されたり、のこぎり、のみ、かんな等を使用して切削加工(手加工)され、最後に仕上がり面をサンドペーパーで平滑にされて治具となる。機械加工において使用される刃物は、ボールエンドミルやフラットエンドミルであり一般にハイス、超硬と呼ばれる材質のものが使用される。機械加工は主として3段階の切削工程からなり、初期が粗加工、中期が中加工、最後が仕上げ加工と呼ばれる。本発明における硬質ポリウレタン樹脂は、粗加工では好ましくは刃物の直径が20〜30mm、刃物送り速度1,000〜3,000mm/分、刃物回転数200〜5,000rpmで切削される。次に、中加工では好ましくは刃物直径10〜20mm、送り速度1,000〜2,000mm/分、回転数1,000〜3,000rpm、仕上げ加工では刃物直径5〜10mm、送り速度500〜1,500mm/分、回転数1,000〜2,000rpmで切削される。得られた治具は自動車内装用検具、外装用検具、その他単品検具、手持ち検具、ASSY検具等に使用される。
【0044】
本発明の成型品の線膨張係数は好ましくは25×10−6〜35×10−6/℃、より好ましくは25×10−6〜33×10−6/℃以下、さらに好ましくは25×10−6〜30×10−6/℃以下である。該線膨張係数が35×10―6/℃を超えると温度変化による成形品の歪みが発生しやすくなる。
該線膨張係数は、(I)と(II)の各成分中の中空ガラスビーズ(C1)と(C2)の重量比を前記範囲内で変更したり、ガラスビーズ(C)と無機フィラー(D)の重量比の変更により低減することができる。
該成形品は、さらにNCマシン等で切削加工され、模型、型、検査治具が得られる。該模型、型、検査治具は、線膨張係数が小さく、割れや歪みが極めて発生しにくい。
【0045】
切削加工時、本発明の成型品の切削抵抗は好ましくは120〜180Nである。
切削抵抗が120〜180Nの範囲では寸法安定性に優れ、切削性が良い。
本発明において、切削抵抗とは、材料をNCマシンで切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5000rpm、送り速度:2000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計で測定した値を指す。
【実施例】
【0046】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を表す。
【0047】
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
ポリオール(A):グリセリンのPO付加物、OH当量83.3のポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP250」、三洋化成工業(株)製]
ポリイソシアネート(B):ポリフェニレンポリイソシアネート[商品名「MDI−100Be」、日本ポリウレタン工業(株)製]
中空ガラスバルーン(C1):中空ガラスビーズ[商品名「スコッチライトK15」、ガラス厚み0.61μm、体積平均粒径60μm、住友スリーエム(株)製]
中空ガラスバルーン(C2):中空ガラスビーズ[商品名「スコッチライトK37」、ガラス厚み1.17μm、体積平均粒径45μm、住友スリーエム(株)製]
充填剤(D):炭酸カルシウム[商品名「ホワイトンSB赤」、白石カルシウム(株)製]モース硬度3
【0048】
切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物および切削加工用成型品の製造方法
実施例1〜5、比較例1〜3
本発明の切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、表1に示したポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)を以下の混合比で混合して、以下のようにメカニカルフロス発泡工程にて切削加工用成型品を製造した。
ポリオール成分(I)
連続して送液できるポンプ付きの2つの耐圧反応槽に、ポリオール(A)に中空ガラスバルーン(C1)と中空ガラスバルーン(C2)、次いで無機フィラー(D)の順番で投入した。反応槽を減圧にし、さらに窒素置換した後、25℃に調整し、微加圧の条件下で45分撹拌し、ポリオール成分(I)を得た。そのときの撹拌速度は3m/sとした。
【0049】
【表1】

【0050】
イソシアネート成分(II)
同様にポリイソシアネート(B)にも中空ガラスバルーン(C1)と中空ガラスバルーン(C2)、次いで無機フィラー(D)の順番で配合槽に投入し、前述の条件で撹拌し、イソシアネート成分(II)を得た。
切削加工用成型品の製造は以下の方法で行った。
調製した上記ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)の2液はメカニカルフロス発泡工程にて当該成型品の密度が0.90g/cmになるように窒素と共に連続的に混合し、混合物を吐出した。
ポリオール成分(I)とイソシアネート成分(II)との送液比[NCO/OH当量比]は、1.7/1とし、送液速度は13kg/分で行った。
ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受け。受けた混合液は、硬化炉にて、110℃にて10時間硬化させることにより当該成型品を得た。成型品の組成内容を表2に示した。
【0051】
上記により得た切削加工用成型品の線膨張係数、熱変形温度、切削抵抗テスト及び刃物摩耗テストは以下の測定方法により行った。
線膨張係数
直方体形状の成型品の片端部と中央部から、それぞれタテ×ヨコ×厚さ=10×4×4mmで切り出した試験片を各3ずつ、25℃、55%RHで12時間状態調節した後、線膨張係数測定機[型名「TMA/SS6100」、SII(株)製]を用いて、JIS K7197に準じて測定した。25〜80℃の寸法変化を測定し、30〜60℃における1℃あたりの平均寸法変化率を各試験片ごとに測定し、さらに端部3個、中央部3個の各数平均値を求めこれをそれぞれの部分の線膨張係数とした。
【0052】
切削抵抗テスト
作製した成型品を100mm×25mm×10mmに切断して試験片とし、NCマシン[型番M800(株)岩間工業所製]で切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5000rpm、送り速度:2000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計(KISTLER製「9272型」、増幅器:KISTLER製「チャージアンプ5011型」、記録計:グラフテック製「WR7700」)で測定した。
【0053】
刃物摩耗テスト
実施例、比較例で作成した成型品を127mm×25mm×20mmに切断して試験片とし、NCマシン[型番M800(株)岩間工業所製]で切削(切削刃:CPM2 刃直刃成形用 ハイススクエア エンドミル(CPM−STDN 10) オーエスジー(株)、ハイス2枚刃、10mmφ、回転数:10,000rpm、送り速度:2000mm/分、切り込み深さ:3mm 30往復)したときの、刃物の摩耗量を光学顕微鏡にて倍率50倍で観察した。
【0054】
実施例1〜5、比較例1〜3の評価結果を表2に示した。
【0055】
【表2】

【0056】
表2の結果から、本発明の切削加工用成型品は比較のものに比べ、刃物摩耗量が小さく切削加工性が良好で、高い寸法安定性を両立しているため、優れた成型品であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
切削加工性が良好で、寸法安定性に優れるため、得られた治具は自動車内装用検具、外装用検具、その他単品検具、手持ち検具、ASSY検具等の用途に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ガラス厚みが0.3〜1.0μmの中空ガラスバルーン(C1)、ガラス厚みが1.1〜1.6μmの中空ガラスバルーン(C2)及びモース硬度が1〜3の無機フィラー(D)を含有してなる切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【請求項2】
中空ガラスバルーン(C1)の体積平均粒径が50〜70μmであり、中空ガラスバルーン(C2)の体積平均粒径が30〜49μmである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
中空ガラスバルーン(C1)と中空ガラスバルーン(C2)の重量比が10/90〜50/50である請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
中空ガラスバルーン(C1)と中空ガラスバルーン(C2)の合計重量と無機フィラー(D)の重量比が20/80〜30/70である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
無機フィラー(D)が炭酸カルシウムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を反応硬化させ、成型してなる切削加工用成型品。
【請求項7】
線膨張係数が25×10−6〜35×10−6/℃である請求項6に記載の切削加工用成型品。
【請求項8】
切削抵抗が120〜180Nである請求項6又は7に記載の切削加工用成型品。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の成型品を切削加工してなる治具。

【公開番号】特開2012−41420(P2012−41420A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182786(P2010−182786)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】