説明

切削加工用成形品形成性組成物

【課題】移送中の気温の変化や、作製地と移送先との気温の違いによる寸法変化に起因する割れや歪みが発生することのない模型、検査治具、簡易射出成形型等に適用できる、寸法変化率の小さい高強度素材を提供する。
【解決手段】反応硬化性樹脂(A)の主剤(Aa)およびフィラー(B)を含有してなる(I)成分と、該(A)の硬化剤(Ab)およびフィラー(B)を含有してなる(II)成分からなり、(I)と(II)の各成分中の(B)の体積含有率がそれぞれ55〜85%で、25×10-6/℃以下の線膨張係数を有する成形品を与えることを特徴とする切削加工用成形品形成性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削加工用成形品形成性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、模型や簡易型、検査治具用素材としては、天然木材や、いわゆる合成木材と呼ばれる切削加工用ポリウレタン樹脂成形品が使用されている。該成形品は、例えばビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物、脂肪族ポリオール、芳香族ポリイソシアネートおよび脱水剤の混合物を、メカニカルフロス法により発泡させて得られることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−329747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年模型や治具が、それらが作製された国内での移送はもとより、世界中に移送されて使用されることが頻繁に行われるようになり、移送中の気温の変化や、作製地と移送先との気温の違いによる寸法変化で割れや歪みが頻発するようになり、これを最小限に抑える必要が生じてきた。また、これまでより過酷な使用、例えば簡易射出成形型などとして使用されるケースも増え始め、より強度に優れた模型用素材が必要になってきている。さらに、検査治具用素材としてもますます寸法変化率の小さい、高強度素材への要求が強まっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、反応硬化性樹脂(A)の主剤(Aa)およびフィラー(B)を含有してなる(I)成分と、該(A)の硬化剤(Ab)およびフィラー(B)を含有してなる(II)成分からなり、(I)と(II)の各成分中の(B)の体積含有率がそれぞれ55〜85%で、25×10-6/℃以下の線膨張係数を有する成形品を与えることを特徴とする切削加工用成形品形成性組成物である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の切削加工用成形品形成性組成物を成形してなる成形品および該組成物を押出成形する該成形品の製造方法は下記の効果を奏する。
(1)該成形品は、線膨張係数が小さく、割れ、歪みが極めて発生しにくい。
(2)該製造方法は、押出された形状、寸法を維持して硬化するため成形モールドを必要とせず、成形設備の簡略化、省力化が図れる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の切削加工用成形品形成性組成物は、反応硬化性樹脂(A)の主剤(Aa)、マイクロバルーン(B)および(B)以外の無機粉(C)を含有してなる(I)成分と、該(A)の硬化剤(Ab)、マイクロバルーン(B)および(B)以外の無機粉(C)を含有してなる(II)成分からなる。
[反応硬化性樹脂(A)とその主剤(Aa)、硬化剤(Ab)]
本発明における反応硬化性樹脂(A)としては、ポリウレタン樹脂(A1)、ポリ尿素樹脂(A2)、エポキシ樹脂(A3)等が挙げられる。
【0007】
ポリウレタン樹脂(A1)は、ポリオール(A1a)とポリイソシアネート(A1b)から形成される。
(A1a)としては、従来からポリウレタンに使用されているものが使用できる。例え
ば特許第2618804号公報および特許第2928918号公報に記載の、ポリエーテルポリオール(A1a−1)、ポリエステルポリオール(A1a−2)、ポリブタジエンポリオール(A1a−3)、ポリアクリルポリオール(A1a−4)、および特開2002−275235号公報に記載されている重合体ポリオール(A1a−5)等が使用できる。
(A1a)のうち、選択できる品種の豊富さ等、工業上の観点から好ましいのはポリエーテルポリオール(A1a−1)、さらに好ましいのは、多価アルコール、多価フェノールまたはアミンの、プロピレンオキシド(以下POと略記)付加物、およびPOとエチレンオキシド(以下EOと略記)との共付加物(付加形式はブロックおよび/またはランダムのいずれでもよい)である。
【0008】
(A1a−1)を構成する多価アルコールとしては、2価アルコール[炭素数(以下Cと略記)2〜20またはそれ以上]、および3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール(C3〜40またはそれ以上)が挙げられる。
2価アルコールとしては、脂肪族アルコール[C2〜12、例えば(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1
,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール]、脂環含有アルコール[C6〜10、例えば1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール]、芳香脂肪族アルコール[C8〜20、例えばキシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等が挙げられる。
【0009】
3価〜8価またはそれ以上の多価アルコールとしては、(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[C3〜40、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2 ,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン]、糖類およびその誘導体[C6〜40、例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトースおよびグリコシド(メチルグルコシド等)]等が挙げられる。
【0010】
多価フェノールとしては、2価フェノール(C6〜18)および3価〜8価またはそれ以上の多価フェノール(C6〜60)挙げられる。
2価フェノールとしては、単環2価フェノール(C6〜30、例えばハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール)、縮合多環2価フェノール[C10〜30、例えばジヒドロキシナフタレン(1,5−ジヒドロキシナフタレン等)、ビナフトール]、ビスフェノール化合物(C13〜25、例えばビスフェノールA、−F、−C、−B、−ADおよび−S)、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等が挙げられる。
3価〜8価またはそれ以上の多価フェノールとしては、例えば単環多価フェノール(C6〜12、例えばピロガロール、フロログルシノール)、1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)のアルデヒド(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール等)もしくはケトン(アセトン等)低縮合物(フェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタールアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール等)が挙げられる。
【0011】
アミンとしては、C1〜12の脂肪族、脂環式および芳香(脂肪)族1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、1−および2−プロピルアミン、(イソ)アミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、1−,2−および3−アミノヘプタン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルア
ミン、ドデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン 、ベンジルアミンが挙げられる。
【0012】
ポリエーテルポリオール(A1a−1)のうち、選択できる品種の豊富さ等、工業上の観点からとくに好ましいのは、GR、TMP、PE、SO、ショ糖、ビスフェノールA、トリエタノールアミンの各PO付加物である。
【0013】
ポリエステルポリオール(A1a−2)としては、前記多価アルコールおよび/またはポリオール(A1a−1)と、後述するポリカルボン酸もしくはその無水物、低級アルキル(アルキル基のCは1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(無水マレイン酸、無水フタル酸およびテレフタル酸ジメチル等)との縮合反応物;該縮合反応物のAO(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸としては、C4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸等)、C8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
【0014】
ポリブタジエンポリオール(A1a−3)としては、末端に水酸基を有する、ブタジエンと、スチレン、アクリロニトリル等の他のビニルモノマーとの共重合体[(ブタジエン/ビニルモノマー(重量比)=0.1/1〜1/1]およびその水添物が挙げられる。
【0015】
ポリアクリルポリオール(A1a−4)としては、ヒドロキシアルキル(アルキル基のCは2〜4)(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]と他のビニルモノマー[メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン等の芳香族ビニルモノマー等]とを共重合[ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート/ビニルモノマー(重量比)=0.05/1〜0.5/1]させたものが挙げられる
【0016】
重合体ポリオール(A1a−5)としては、上記例示したポリオールの少なくとも1種中で、ラジカル開始剤存在下、アクリロニトリル、スチレン等のビニルモノマーを重合させた重合体粒子を安定分散させたものが挙げられる。
【0017】
ラジカル開始剤としては、アゾ化合物〔2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等〕;有機過酸化物[ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチロシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過コハク酸等];無機過酸化物[過硫酸塩、過ホウ酸塩等]等が挙げられる。
【0018】
(A1a)のOH価は、好ましくは200〜1,000、さらに好ましくは250〜6
00,特に好ましくは300〜500である。この範囲であると、成形品の耐熱性と強度がさらに良好となり、また、成形中の発熱によるスコーチがさらに発生しにくくなる。
(A1a)のOH当量(OH価に基づく、OH当たりの分子量)は成形時の発熱によるスコーチ抑制および成形品の強度、耐熱性、線膨張係数の観点から好ましくは50〜250、さらに好ましくは60〜230である。
【0019】
イソシアネート(A1b)としては、従来からポリウレタンに使用されているものが使用できる。例えば特許第2618804号公報および特許第2928918号公報に記載されている芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち大量の粉体と混合するために液状で低粘度であること、およびウレタン化反応後の樹脂強度の観点から好ましいのは、芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましいのは粗製MDIである。
【0020】
本発明におけるポリウレタン樹脂(A1)において、(A1a)と(A1b)の使用量の割合は種々変えることができるが、イソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基の当量比)×100]は、成形品の強度と切削加工のしやすさの観点から、好ましくは80〜140、さらに好ましくは85〜120、特に好ましくは90〜115である。
【0021】
本発明におけるポリ尿素樹脂(A2)は、主剤の(ポリ)アミン(A2a)と硬化剤のポリイソシアネート(A2b)からなる。このうちポリイソシアネート(A2b)は前記(A1b)で例示したものと同じものが使用できる。
(ポリ)アミン(A2a)としては、C1〜30、例えばアルカノールアミン(C4〜10、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、アルキル(アルキル基はC1〜20)アミン(C1〜20、例えばメチルアミン、エチルアミン)、アルキレン(アルキレン基はC2〜10)ジアミン(C2〜10、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン)、ポリカルビレンポリアミン[例えばカルビレン(アルキレン)基がC2〜6の脂肪族ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンヘプタミン)、カルビレン基がC6〜20の芳香族ポリアミン(例えばトルイレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン)、カルビレン基がC4〜15の脂環式ポリアミン(例えばイソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン)およびカルビレン基がC4〜15の複素環式ポリアミン(例えば、アミノエチルピペラジン)]が使用できる。
【0022】
上記(ポリ)アミン(A2a)のうち選択できる種類の豊富さ等、工業上の観点から好ましいのは脂肪族アミン、さらに好ましいのはアルカノールアミンとアルキルアミンである。
【0023】
エポキシ樹脂(A3)は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する主剤のポリエポキシド(A3a)と、ポリアミン硬化剤(A3b1)または酸無水物硬化剤(A3b2)からなる。
ポリエポキシド(A3a)としては、ポリグリシジルエーテル(A3a−1)およびポリグリシジルエステル(A3a−2)等が挙げられる。
ポリグリシジルエーテル(A3a−1)は、エピハロヒドリン(C2〜24、例えば、エピクロルヒドリン)またはジハロヒドリン(C2〜24例えば、グリセリンジクロルヒドリン)と、多価(2価〜6価またはそれ以上)フェノール化合物[C6〜50またはそれ以上、例えば、ビスフェノールAおよび−F、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、レゾルシノール、ハイドロキノンおよびカテコール、並びにこれらの核置換物、ハロゲン化物]、または多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコール〔C2〜100、例えば、アルカンポリオール(EG、PG、BD、TMP、GR、PE等)、数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法に
よる。]3,000以下のポリアルキレン(アルキレン基はC2〜4)グリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール)〕との反応によって得られる。
ポリグリシジルエステル(A3a−2)は、エピハロヒドリン(上記に同じ。)またはジハロヒドリン(上記に同じ。)と、2価〜6価またはそれ以上の、脂肪族もしくは芳香族ポリカルボン酸(C6〜20またはそれ以上、例えばシュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸およびそれらのハロゲン化物)との反応によって得られる。
【0024】
これらのうち、後述する成形品の靱性および強度の観点から好ましいのは多価フェノールのポリグリシジルエーテル、さらに好ましいのはビスフェノールAおよび−F、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのグリシジルエーテルである。
また、ポリエポキシド(A3a)の25℃における粘度は、後述するマイクロバルーン(B)と無機粉(C)との効率的な混合の観点から好ましくは20,000mPa・s以下、さらに好ましくは15,000mPa・s以下であり、(A3a)のエポキシ当量は、成形品の強度と耐熱性の観点から好ましくは150〜250、さらに好ましくは180〜200である。
【0025】
ポリアミン硬化剤(A3b1)としては、脂肪族ポリアミン(C2〜18)、脂環式ポリアミン(C4〜15)、芳香族ポリアミン(C6〜20)、複素環式ポリアミン(C4〜15)、ポリアミドアミン(Mn200〜2,000)等が使用できる。
脂肪族ポリアミンとしては、アルキレンジアミン(C2〜6、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン)、アルキレン基がC2〜6のポリアルキレン(ジアルキレン〜ヘキサアルキレン)ポリアミン[例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン]、これらのアルキル(C1〜4)もしくはヒドロキシアルキル(C2〜4)置換体[例えば、ジアルキル(アルキル基のC1〜4)アミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン]、ジエチレングリコールビスプロピレンジアミン、芳香環含有脂肪族ポリアミン(C8〜15、例えばメタキシレンジアミン)が使用できる。
脂環式ポリアミンとしては、例えばイソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えばメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。
複素環式ポリアミンとしては、例えばN−アミノエチルピペラジンが使用できる。
ポリアミドアミン硬化剤としては、ダイマー酸(C36〜54)[リノール酸やオレイン酸を主成分とする不飽和脂肪酸(C18〜24)を触媒の存在下に加熱重合して製造されるC36の重合脂肪酸を主成分とするもの]と、過剰(酸1モル当たり2モル以上)のポリアミン(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)を反応させて得られるものが挙げられる。
【0026】
酸無水物硬化剤(A3b2)としては、芳香族酸無水物[C8〜24、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物]、脂肪族酸無水物[C4以上かつ重量平均分子量(以下Mwと略記。測定はGPC法による。)2,000以下、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル基がC8〜12のアルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアジピン酸無水物(Mw750〜850)、ポリアゼライン酸無
水物(Mw1,200〜1,300)、ポリセバシン酸無水物(Mw1,600〜1,700)]が使用できる。
これらの硬化剤のうち、室温(20〜35℃)での一次硬化が可能との観点から好ましいのはポリアミン硬化剤、さらに好ましいのはC2〜18の脂肪族ポリアミンである。
また、後述するフィラー(B)との効率的な混合の観点から25℃における粘度が20,000mPa・s以下、さらに15,000mPa・s以下のものが好ましい。
また、これらの硬化剤の使用量は、ポリエポキシド(A3a)のエポキシ1当量に対して、成形品の強度と耐熱性の観点から硬化剤当量で好ましくは0.25〜2.0、さらに好ましくは0.5〜1.75である。
【0027】
これらの反応硬化性樹脂(A)のうち、成形性と成分選択の自由度の観点から好ましいのはポリウレタン樹脂(A1)およびエポキシ樹脂(A3)である。
【0028】
本発明におけるフィラー(B)には、中空微粒子(以下マイクロバルーンという)(B1)および無機の非中空微粒子(以下無機粉という)(B2)が含まれる。
マイクロバルーン(B1)としては、例えば、合成樹脂[熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等)および熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等)]および無機物(ガラス、アルミナ、シラス、カーボン等)からなる各中空微粒子が挙げられる。
(B1)のうち、合成樹脂の(B1)の市販品の具体例としては、マツモトマイクロスフェアーF−80SDEおよびMFLシリーズ[いずれも松本油脂製薬(株)製]、フェノリックマイクロバルーンBJO−0930[ユニオンカーバイド(株)製]、スコッチライトK−15、K−37[いずれもスコッチライト(株)製]等が挙げられる。
【0029】
これらの(B1)のうち、線膨張係数の観点から好ましいのは無機のもの、さらに好ましいのはガラスバルーンである。
【0030】
(B1)の体積平均粒径は、(A)の形成成分(主剤および硬化剤)と(B1)との混合効率および成形品のきめの細かさの観点から好ましくは0.5〜200μm、さらに好ましくは1〜150μm;(B1)の真比重は、取り扱い性と組成物の流動性、および軽量化の観点から好ましくは0.005〜0.5、さらに好ましくは0.01〜0.4である。
【0031】
無機粉(B2)としては、金属(鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等)粉、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化チタン等)粉、金属水酸化物(水酸化アルミ等)粉、セラミック(窒化珪素、ジルコニア等)粉、ガラス、炭酸カルシウム、タルク、二酸化珪素、ベントナイト、雲母、ミルドファイバー等が挙げられる。
これらの(B2)のうち、得られる成形品の線膨張係数および工業上の観点から好ましいのは線膨張係数が15×10-6/℃以下の無機粉であり、さらに好ましいのは鉄、アルミナ、ガラス、窒化珪素およびジルコニア粉、とくに好ましいのは鉄およびアルミナ粉である。
(B2)の体積平均粒径は、得られる成形品の均一性の観点から好ましくは0.05〜200μm、さらに好ましくは0.1〜150μmである。
【0032】
上記(B)のうち、得られる成形品の線膨張係数および成形性の観点から好ましいのは(B2)である。
【0033】
(I)および(II)の各成分中の、(B)の体積含有率はそれぞれ55〜85%、好ましくは60〜80%、とくに好ましくは65〜75%である。該含有率が55%未満では得られる成形品の線膨張係数が大きくなり、85%を超えると成形性が悪くなる。
また、(I)および(II)の各成分中の、マイクロバルーン(B1)の体積含有率は、得られる成形品の線膨張係数および成形性の観点から好ましくはそれぞれ5〜45%、さらに好ましくは10〜40%、とくに好ましくは15〜35%;無機粉(B2)の体積含有率は、同様の観点から好ましくはそれぞれ10〜80%、さらに好ましくは20〜70%、とくに好ましくは40〜50%である。
【0034】
本発明の切削加工用成形品形成性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要によりその他の添加剤(C)を含有させてもよい。
(C)としては、ウレタン化触媒〔アミン触媒[トリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等];金属触媒(オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛等)、有機滑剤(ステアリン酸カルシウム、エチレンジアミンステアリルアミド、オレイン酸モノエタノールアミド等)、可塑剤(ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等)、チクソ性付与剤[微粒子状シリカ(体積平均粒径100nm以下)、脱水剤(合成ゼオライト等)水添ヒマシ油、有機ベントナイト等]、有機充填剤(熱硬化性樹脂の粉砕物等)、紫外線吸収剤、老化防止剤、抗酸化剤、着色剤(染料、顔料等)、難燃剤、防黴剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0035】
(C)全体の使用量は、(I)および(II)成分の合計重量に基づいて、通常50%以下、好ましくは0.001〜40%、さらに好ましくは0.005〜30%である。
上記各添加剤(C)の(I)および(II)成分の合計重量に基づく使用量は、ウレタン化触媒は、通常1%以下、組成物の反応性および組成物混合後の作業性の観点から好ましくは0.001〜0.5%、さらに好ましくは0.005〜0.3%、特に好ましくは0.008〜0.2%;有機滑剤は、通常3%以下、成形品の切削性および線膨張係数の観点から好ましくは0.2〜2.5%、さらに好ましくは0.5〜2%、特に好ましくは0.8〜1.8%;可塑剤は、通常3%以下、成形性および稠度の観点から好ましくは0.2〜2.5%、さらに好ましくは0.5〜2%、特に好ましくは0.8〜1.8%;チクソ性付与剤は、通常3%以下、稠度および成形性の観点から好ましくは0.2〜2.5%、さらに好ましくは0.5〜2%、特に好ましくは0.8〜1.8%;その他上記の各(C)は、通常3%以下、添加効果および成形品の線膨張係数の観点から好ましくは0.2〜2.5%、さらに好ましくは0.5〜2%、特に好ましくは0.8〜1.8%である。
【0036】
本発明の組成物は、(I)および(II)の2成分からなり、これらを混合して製造することができる。
該(I)成分は、(Aa)、(B)および必要により(C)を、また、該(II)成分は、(Ab)、(B)および必要により(C)を配合し、プロペラ型・櫂型等の撹拌羽根の付いた混合槽、プラネタリーミキサー、ホーバルトミキサー等(撹拌シェアの高さの観点から好ましいのはプラネタリーミキサー)を用いてそれぞれ均一混合して製造することができる。
【0037】
本発明における稠度は、後述の方法で測定され、成形品形成性組成物と得られる成形品との間の形状保持性の指標となるもので、稠度が低いほど該形状保持性が良好となる。
従って例えば押出成形時には、押出されたままの形状で成形硬化させることができ、成形のためのモールドを改めて必要としない場合があり、生産性向上を図ることが可能となる。
本発明における(I)、(II)各成分の稠度は、成形品形成性組成物の流動性および形状保持性の観点から好ましくは20〜170、さらに好ましくは30〜160である。
【0038】
上記(I)および(II)成分を混合した後の本発明の組成物は、前記触媒の使用により反応速度を早くすれば、室温静置でも充分な物性が発揮されるまで硬化反応が進行する
が、必要により加熱し、後硬化させることで安定した物性を発揮させることができる。
後硬化の条件は、加熱温度は成形品の機械強度および耐熱性の観点から好ましくは40〜180℃、さらに好ましくは50〜160℃、加熱時間は成形品全体への均一な加熱および工業上の観点から好ましくは5〜14時間、さらに好ましくは8〜12時間である。
【0039】
本発明の組成物は、種々の成形方法で成形することができるが、押出成形の場合は、押出された形状、寸法を維持して硬化するため成形モールドを必ずしも必要としないことから、成形設備の簡略化、省力化が図れる。また、押出成形では、押出し後に凹凸等の簡単な形状を付与することも可能である。
押出成形の場合は、たとえば2液(成分)押出成形機(以下において2液吐出機という場合がある)を用いて押出成形することにより、所望の断面形状(例えば模型用素材としての矩形状)の成形品を得ることができる。
【0040】
本発明の切削加工用成形品製造の実施形態の一例として、エポキシ樹脂形成性成分(A3)の2液型吐出機による押出成形作業について、以下に工程手順を示す。
【0041】
(1)プラネタリーミキサーを用いて、ポリエポキシド(A3a)とマイクロバルーン(B1)、無機粉(B2)、ポリアミン硬化剤(A3b)とマイクロバルーン(B1)、無機粉(B2)をそれぞれ、混合し、減圧脱気を行い、気泡を咬み込まないように別々のペール缶等にそれぞれ(I)、(II)成分として充填する。
(2)ペール缶等から直接、吸引、送液できるポンプ部を2台持つ2液吐出機の各ポンプ部に(I)成分と(II)成分をセットする。
ポンプの形式は、通常、プランジャーポンプまたはモーノポンプ、好ましくはマイクロバルーン(B)の破壊が比較的少ないモーノポンプである。
(3)ポリエポキシド(A3a)の1当量に対しポリアミン硬化剤(A3b)の当量が0.25〜2になる割合でそれぞれのポンプ送液量を設定する。
(4)吐出口に所望の断面形状、例えば長方形のノズルを取り付ける。
(5)吐出口までのライン中にスタティックミキサーを設置し、2液を吐出させる。スタティックミキサーで混合された(I)と(II)の混合物を、あらかじめ離型剤を塗布または離型紙を敷いた金属製、プラスチック製等の型、平板、ベルトコンベア等の面上に吐出させる。吐出物を吐出口で裁断することにより、所望の長さの成形品未硬化物を得る。
(6)室温で1次硬化させた後、40〜180℃で8〜12時間後硬化させて、所望の形状の切削加工用エポキシ樹脂成形品を得る。
【0042】
本発明の成形品の線膨張係数は、25×10-6/℃以下、好ましくは23×10-6/℃以下、さらに好ましくは20×10-6/℃以下である。該線膨張係数が25×10-6/℃を超えると温度変化による成形品の割れ、歪みが発生しやすくなる。
該線膨張係数は、(I)と(II)の各成分中の(B)の体積含有率を前記範囲内で増やしたり、(B)として(B1)や無機粉(B2)の割合を増すことにより低減することができる。
該成形品は、さらにNCマシン等で切削加工され、模型、型、検査治具が得られる。該模型、型、検査治具は、線膨張係数が小さく、割れや歪みが極めて発生しにくい。
【実施例】
【0043】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を表す。実施例、比較例において使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
ポリエポキシド(A3a−1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂[商品名「エピコート
828」、ジャパンエポキシレジン(株)製]
ポリエポキシド(A3a−2):1,4−BDジグリシジルエーテル[商品名「エポジー
ル750」、エアープロダクツジャパン(株)製]
ポリアミン (A3b−1):ジエチレングリコールジアミノプロピルエーテル[商
品名「アンカミン1922」、エアープロダクツジャパン(株)製]
ポリオール (A1a−1):ポリエーテルポリオール(GRのPO付加物、OH価4
00)
ポリイソシアネート(A1b−1):ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート[
商品名「ミリオネートMR−200」、日本ポリウレタン工業(株)製]
マイクロバルーン(B1−1):体積平均粒径30μm、真比重0.15のガラスマイク
ロバルーン[商品名「スコッチライトK15」、スコッチライト(株)製

鉄粉 (B2−1):体積平均粒径70μm、真比重7.9の鉄粉[商品名「K
IP K−100T」、川崎製鉄(株)製]
アルミナ (B2−2):体積平均粒径0.5μm、真比重1.3のアルミナ[商品
名「AKP−20」、住友化学(株)製]
触媒 (C−1):ジ−n−ブチル錫ジラウレート[商品名「Stann BL
」、三共有機合成(株)製]
脱水剤 (C−2):合成ゼオライト[商品名「PURMOL 3」、CU
Chemie Uetikon AG製]
【0044】
(I)、(II)の各成分の稠度は下記の手順、方法で測定した。
(1)JIS K 2207「石油アスファルト」に規定された針入度計にJIS K
2220「グリース」に規定されたオプション円錐を取り付け、稠度計とする。
(2)内径100mm、深さ65mmの平底円筒容器に試料を隙間のできないように容器
の上に盛り上がるまで充填し、上面をへらまたはナイフで水平にする。
(3)該試料を25℃に温度調整する。
(4)円錐の先端が試料容器の内壁から25〜40mmの範囲内になるように試料容器を
針入度計の台上に置き、台の上下位置を円錐の先端が試料の表面に接触するように
調整する。
(5)目盛板のピニオンとかみ合っているラックを黄銅管の上端に静かに押し当て指針を
零点に合わせてから、留金を圧して黄銅管を5±0.5秒間解放し、円錐を試料中 に侵入させ、再びラックを静かに黄銅管上端に押し当てて、目盛板の指度を読む。
(6)(3)〜(4)をすばやく6回行う。(1個の容器につき3回、2個の容器につい
て行う。)
(7)円錐の侵入した深さを0.1mm迄読みとり、0.1mmを稠度1に換算する。
(8)6回の測定値を平均し、得られた整数値を稠度とする。
【0045】
<吐出物の形状安定性評価法>
成形機から吐出された直方体形状の角部分の吐出30分後の状態を下記の基準で評価した。
○ 角度90度の形状を維持している
△ 角部分が垂れて丸みを帯びている。
× 吐出物全体の形状が維持できない。
【0046】
<成形品の性能評価試験>
(1)密度 (単位:cm3
実施例と比較例で得られた成形品から縦40mm、横100mm、厚さ20mmの成形品を切りだし試験片とした。これを、20〜25℃、55%RHで12時間以上状態調節した後、測定した試験片の重量を、試験片の3辺の長さの積より算出した体積で除して密度とした。
(2)線膨張係数(単位:/℃)
長さ18mm、幅2mm、厚さ0.2 mmに裁断した成形品試験片を25℃、55%RHで12時間状態調節し測定試験片とした。線膨張係数測定機[型名「TMA/SS6100」、SII(株)製]を使用して、JIS K 7197に準じて測定を行った。25〜80℃の寸法変化を測定し、30〜60℃の1℃当たりの平均寸法変化率を線膨張係数とした。
(3)歪み(単位:mm)実施例と比較例で得られた成形品から50mm×50mm×1
,000mmの試験片を得た。この試験片を50℃、55%RHで12時間状態調節した後、25℃、55%RHの室内にある定盤上に置いた。5分後に上に凸に弓状に反った試験片と定盤との隙間の最大値を隙間ゲージにて0.1mm単位で読みとった値を歪みとした。
【0047】
実施例1〜5
表1に記載の配合組成で、各配合成分をプラネタリーミキサーに投入し、公転14rpm、自転44rpmで10分間混合して均一にした後、自転21rpm、公転66rpm、−0.9MPa以下で30分間撹拌脱気して、(I)と(II)の2成分からなる成形品形成性組成物とした。得られた各成分はそれぞれ20Lペール缶に18L充填した。次に、(I)および(II)を合計で2L/分の速度で、スネークポンプで送液し、Y字管で送液ラインを1本にまとめた後、スタティックミキサー(30エレメント)で混合し、出口寸法が幅500mm、高さ50mmである長方形の吐出口金からペースト状の混合物を定盤上に敷いた離型紙上に1,000mm長さになるよう押出成形した。25℃で16時間静置した後、50℃で10時間、加熱硬化させた。これを8時間静置して板状の成形品を得た。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
比較例1〜2
表2に記載の配合組成で、実施例1〜5と同様にして成形品を得た。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
上記結果から、本発明の切削加工用成形品形成性組成物から得られる成形品は、比較の組成物から得られる成形品に比べて、線膨張係数が極めて小さいことがわかる。
本発明の切削加工用成形品形成性組成物を押出成形する場合は、押出された形状を維持して硬化するため、成形モールドを必要とせず、成形設備の簡略化、省力化を図ることができ、また、押出成形直後の組成物に加工を加えることにより、最終的な成形品に凹凸等の簡単な形状を付与することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の切削加工用成形品形成性組成物は、優れた機械強度や低寸法変化率が求められる模型、検査治具、簡易射出成形型等の種々の用途に用いることができることから、極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応硬化性樹脂(A)の主剤(Aa)およびフィラー(B)を含有してなる(I)成分と、該(A)の硬化剤(Ab)およびフィラー(B)を含有してなる(II)成分からなり、(I)と(II)の各成分中の(B)の体積含有率がそれぞれ55〜85%で、25×10-6/℃以下の線膨張係数を有する成形品を与えることを特徴とする切削加工用成形品形成性組成物。
【請求項2】
(I)成分および(II)成分が、いずれも20〜170の稠度を有する請求項1または2記載の組成物。
【請求項3】
請求項1または2記載の組成物を成形してなる切削加工用成形品。
【請求項4】
請求項3記載の成形品を切削加工してなる模型。
【請求項5】
反応硬化性樹脂(A)の主剤(Aa)およびフィラー(B)を含有してなる(I)成分と、該(A)の硬化剤(Ab)およびフィラー(B)を含有してなる(II)成分からなり、(I)と(II)の各成分中の(B)の体積含有率がそれぞれ55〜85%である組成物を押出成形して、25×10-6/℃以下の線膨張係数を有する成形品を与えることを特徴とする切削加工用押出成形品の製造方法。

【公開番号】特開2009−227993(P2009−227993A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46773(P2009−46773)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】