説明

切削加工用模型素材形成性組成物

【課題】 従来の模型素材では成形時の全体的な放熱が十分ではなく、成形品の内部とそれ以外の部分との間の大きな温度差により内部歪みが生じ、放熱後の成形品を切削加工すると変形するという問題があった。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を形成する反応硬化性成分(A)および10〜600W/mKの熱伝導度を有する熱伝導性フィラー(B)を含有してなることを特徴とする切削加工用模型素材形成性組成物、および該模型素材形成性組成物を切削加工してなる模型。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削加工用模型素材形成性組成物に関する。さらに詳しくは、内部歪みの小さい寸法安定性に優れた模型素材を与える切削加工用模型素材形成性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、模型用素材としては、天然木材や、ビスフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリオール、芳香族ポリイソシアネートおよび脱水剤等の混合物を、メカニカルフロス法により発泡させて得られる発泡ポリウレタン成形品(いわゆる合成木材と呼ばれる切削加工用ポリウレタン樹脂成形品)等が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−329747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の材料では成形時の全体的な放熱が十分ではなく、成形品の内部とそれ以外の部分との間の大きな温度差により内部歪みが生じ、放熱後の成形品を切削加工すると変形するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を形成する反応硬化性成分(A)および10〜600W/mKの熱伝導度を有する熱伝導性フィラー(B)を含有してなることを特徴とする切削加工用模型素材形成性組成物;該組成物を反応硬化させ、成形してなる模型素材;並びに、該模型素材を切削加工してなる模型である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の切削加工用模型素材形成性組成物は下記の効果を奏する。
(1)組成物の成形時、スコーチの発生がない。
(2)該組成物を成形してなる模型素材は寸法安定性に優れる。
(3)模型の形状安定性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[反応硬化性成分(A)]
本発明における反応硬化性成分(A)には、ポリウレタン樹脂形成性成分(A1)またはエポキシ樹脂形成性成分(A2)が含まれる。
【0008】
[ポリウレタン樹脂形成成分(A1)]
ポリウレタン樹脂形成性成分(A1)には、ポリオール(A1a)とポリイソシアネート(A1b)が含まれる。
【0009】
ポリオール(A1a)には、2価〜8価またはそれ以上の、高分子ポリオール[250以上のOH当量(OH価に基づく、OH当たりの分子量)を有する]、低分子ポリオール(250未満のOH当量を有する)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
低分子ポリオールには、多価アルコール、並びに低分子OH末端ポリマー[ポリエーテ
ルポリオール(以下PTポリオールと略記)、ポリエステルポリオール(以下PSポリオールと略記)等]が含まれる。
【0010】
上記多価アルコールには、以下の(1)〜(3)が含まれる。
(1)2価アルコール[炭素数(以下Cと略記)2〜20またはそれ以上)、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等];C6〜10の脂環含有2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等];C8〜20の芳香環含有2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
【0011】
(2)3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)];
【0012】
(3)含窒素ポリオール(3級アミノ基含有ポリオール):含窒素ジオール、例えばC1〜12の脂肪族、脂環式および芳香環含有1級モノアミン[メチルアミン、エチルアミン、1−および2−プロピルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、1−,2−および3−アミノヘプタン、ドデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン等]のビスヒドロキシアルキル(C2〜4)化物;および3価〜8価またはそれ以上の含窒素ポリオール、例えばトリアルカノール(C2〜4)アミン(トリエタノールアミン等)およびC2〜12の脂肪族、脂環式、芳香族および複素環ポリアミン[例えばエチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、トリレンジアミン、アミノエチルピペラジン]のポリヒドロキシアルキル(C2〜4)化物等。
【0013】
低分子OH末端ポリマーには、250未満のOH当量を有するものでポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が含まれる。
例えば、低重合度のアルキレンオキシド(以下AOと略記)開環重合物および活性水素原子含有多官能化合物の低モルAO付加物[例えば後述のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(以下それぞれPEG、PPG、PTMGと略記)等、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびビスフェノールAのエチレンオキシド(以下EOと略記)2〜4モル付加物]、低縮合度の縮合ポリエステルポリオールおよびポリオールの低モルラクトン付加物[ポリカルボン酸と過剰(カルボキシル基1個当り1モル)の多価アルコールとの縮合物(例えばジヒドロキシエチルアジペート)およびEGのカプロラクトン1モル付加物]が挙げられる。
【0014】
AOには、C2〜12またはそれ以上(好ましくはC2〜4)のAO、例えばエチレン
オキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオ
キシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO
、PO、BO、THFおよびMTHFと略記)、1,3−プロピレンオキシド、イソBO
、C5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO、例えばスチレンオキシドおよびエピ
ハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加
および/またはブロック付加)が含まれる。
【0015】
高分子ポリオールは、通常250〜3,000またはそれ以上のOH当量を有する。該
ポリオールは、通常500〜5,000またはそれ以上、好ましくは700〜4,500
の数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G
PC)法による。]を有する。
その例には、OH末端のポリマー[PTポリオール、PSポリオール およびポリマーポリオール(以下P/Pと略記)]、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
OH末端のPTポリオールには、AOの開環重合物、少くとも2個(2個〜8個またはそれ以上)の活性水素原子を有する開始剤[多価アルコール(前記)、ヒドロキシルアミン、多価フェノールおよびポリカルボン酸等]に1種または2種以上のAOを付加させた構造を有するPTポリオール(AO付加物)が含まれる。
【0016】
ヒドロキシルアミンには、C2〜10の、(ジ)アルカノールアミン、シクロアルカノ
ールアミンおよびアルキルアルカノールアミンが含まれる。
【0017】
多価フェノールには、C6〜18の2価フェノール、例えば単環2価フェノール(ハイ
ドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフ
ェノールA、F、C、B、ADおよびS、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニル−2,2−ブタン等)、および縮合多環2価フェノール[ジヒドロキシナ
フタレン(例えば1,5−ジヒドロキシナフタレン)、ビナフトール等];並びに3価〜
8価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロ
ログルシノール、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレ
ノール、レゾルシノール等)のアルデヒドもしくはケトン(ホルムアルデヒド、グルター
ルアルデヒド、グリオキザール、アセトン)低縮合物(例えばフェノールもしくはクレゾ
ールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルター
ルアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトン
の縮合反応によって得られるポリフェノール)が含まれる。
【0018】
OH末端のPTポリオールの例には、ポリエーテルジオール、例えばポリアルキレングリコール(PEG、PPGおよびPTMG等);および3官能以上のポリエーテルポリオール、例えばポリオキシプロピレントリオール(GRのPO付加物等)が含まれる。
【0019】
OH末端のPSポリオールには、縮合ポリエステルポリオール、ポリラクトン(以下PLと略記 )ポリオール、ヒマシ油系ポリオール[ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)およびそのポリオール変性物]、およびポリカーボネートポリオールが含まれる。
【0020】
ポリマーポリオール(P/P)は、ポリオール(前述のOH末端のPTおよび/またはPS、またはこれと前記の多価アルコールとの混合物)中でエチレン性不飽和モノマーをその場で重合させることにより得られる。エチレン性不飽和モノマーには、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等);炭化水素(以下HCと略記)系モノマー、例えば芳香族不飽和HC(スチレン等)および脂肪族不飽和HC(C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィンおよびブタジエン);並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)]が含まれる。P/Pは、例えば5〜80%またはそれ以上、好ましくは30〜70%の重合体含量を有する。
上記の高分子ポリオールのうちで好ましいのはPTポリオールである。
【0021】
ポリオール(A1a)のOH価(単位はmgKOH/g。以下においては数値のみを示す。)は、硬化物の耐熱性、機械強度および硬化時の発熱によるスコーチ抑制の観点から好ましくは200〜1,000、さらに好ましくは250〜600、特に好ましくは300〜500である。
【0022】
ポリイソシアネート(以下PIと略記)(A1b)としては、従来からポリウレタンに使用されているものが使用できる。例えば特許第2618804号公報および特許第2928918号公報に記載されている芳香族PI、脂肪族PI、脂環式PI、芳香脂肪族PI、およびこれらのPIの変性体が挙げられる。
【0023】
芳香族PIとしては、炭素数(以下Cと略記)(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20、例えばジイソシアネート(以下DIと略記)[1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンDI];
3官能以上のPI(トリイソシアネート等)[粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネ ート)等]が挙げられる。
【0024】
脂肪族PIとしては、C2〜18、例えばDI[エチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチ ルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート];
3官能以上のPI(トリイソシアネート等)[1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物)、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]が挙げられる。
【0025】
脂環式PIとしては、C4〜15、例えばDI[イソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、 メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI等];
3官能以上のPI(トリイソシアネート等)[ビシクロヘプタントリイソシアネート等]が挙げられる。
【0026】
芳香脂肪族PIとしては、C8〜15、例えばm−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI)が挙げられる。
【0027】
PIの変性体としては、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドンおよび/またはウレトジオン基を有する変性体)、例えばMDI、TDI、HDI、IPDI等のウレタン変性物(前記のポリエーテルポリオール等と過剰のPIとを反応させて得られるNCO末端ウレタンプレポリマー等)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
本発明におけるポリウレタン樹脂形成性成分(A1)において、ポリオール(A1a)とポリイソシアネート(A1b)の使用割合は種々変えることができるが、硬化物の機械強度と切削加工性の観点から好ましくはイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基の当量比)×100]で、80〜140、さらに好ましくは85〜120、特に好ましくは90〜115となる割合である。
【0029】
[エポキシ樹脂成分(A2)]
エポキシ樹脂成分(A2)は、1分子内に2個またはそれ以上のエポキシ基を有するポリエポキシド(A2a)と硬化剤(A2b)[ポリアミン硬化剤(A2b1)もしくは酸無水物硬化剤(A2b2)]からなる。ポリエポキシド(A2a)としては、ポリグリシジルエーテルおよびポリグリシジルエステル等が挙げられる。
【0030】
ポリグリシジルエーテルとしては、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)またはジハロヒドリン(グリセリンジクロルヒドリン等)と、C6〜50またはそれ以上の多価(2価〜6価またはそれ以上)フェノール[例えば、ビスフェノールAおよび−F、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、カテコール、およびこれらの核置換物、ハロゲン化物]、またはC2〜100の多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコール〔例えば、アルカンポリオール[エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンン、グリセリン、ペンタエリスリトール(以下EG、PG、1,4−BD、TMP、GR、PEと略記)、数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]3,000以下のポリアルキレン(アルキレン基はC2〜4)グリコール[例えば、ジエチレングリコール(以下DEGと略記)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール]〕との反応によって得られるもの等が挙げられる。
【0031】
ポリグリシジルエステルとしては、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)またはジハロヒドリン(グリセリンジクロルヒドリン等)と、C6〜20またはそれ以上で2価〜6価またはそれ以上の、脂肪族もしくは芳香族ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸およびそれらのハロゲン化物)との反応によって得られるもの等が挙げられる。
【0032】
これらのポリエポキシド(A2a)のうち、反応硬化樹の靱性および強度の観点から好ましいのは多価フェノールのポリグリシジルエーテル、さらに好ましいのはビスフェノールAおよび−F、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのグリシジルエーテルである。
【0033】
ポリアミン硬化剤(A2b1)としては、C2〜18の脂肪族ポリアミン、C4〜15の脂環含有ポリアミン、C6〜20の芳香環含有ポリアミン、C4〜15の複素環含有ポリアミン、Mn200〜2,000のポリアミドポリアミン等が挙げられる。
【0034】
上記脂肪族ポリアミンとしては、C2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン)、C4〜36のポリ(2〜6)アルキレン(アルキレン基はC2〜6)ポリアミン[例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン]、これらのアルキル(アルキル基はC1〜4)もしくはヒドロキシアルキル(ヒドロキシアルキル基はC2〜4)置換体[例えば、ジアルキル(アルキル基はC1〜4)アミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン]、ジエチレングリコールビスプロピレンジアミン、が挙げられる。
【0035】
脂環含有ポリアミンとしては、例えばイソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
【0036】
芳香環含有ポリアミンとしては、例えば芳香族ポリアミン(メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等)、芳香脂肪族ポリアミン(例えば、メタキシレンジアミン)が挙げられる。
【0037】
複素環含有ポリアミンとしては、例えばN−アミノエチルピペラジンが挙げられる。
【0038】
ポリアミドポリアミンとしては、ダイマー酸(C36〜54)[リノール酸やオレイン酸を主成分とする不飽和脂肪酸(C18〜24)を触媒の存在下に加熱重合して製造されるC36の重合脂肪酸を主成分とするもの]と、過剰(酸1モル当たり2モル以上)のポリアミン(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)を反応させて得られるものが挙げられる。
【0039】
酸無水物硬化剤(A2b2)としては、芳香環含有酸無水物[C8〜24、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物]、脂肪族酸無水物[C4以上かつ重量平均分子量(以下Mwと略記。測定はGPC法による。)2,000以下、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、アルケニル基がC8〜12のアルケニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物(Mw750〜850)、ポリアゼライン酸無水物(Mw1,200〜1,300)、ポリセバシン酸無水物(Mw1,600〜1,700)]、脂環含有酸無水物[C8〜20、例えばテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水メチルナジック酸]が挙げられる。
【0040】
これらの硬化剤(A2b)のうち、室温(20〜35℃)での一次硬化が可能との観点から好ましいのはポリアミン硬化剤(A2b1)、が好ましく、さらに好ましいのはC2〜18の脂肪族ポリアミンである。
【0041】
また、ポリエポキシド(A2a)に対するこれらの硬化剤(A2b1)または(A2b2)の使用量は、(A2a)のエポキシ1当量に対して、反応硬化樹脂の機械強度と耐熱性の観点から、好ましくは0.25〜2.0(さらに好ましくは0.5〜1.75)硬化剤当量となる量である。
【0042】
[熱伝導性フィラー(B)]
熱伝導性フィラー(B)は、10〜600(好ましくは50〜500)の熱伝導度(W/mK)を有する。熱伝導度が10未満では成形時の放熱性の悪化でスコーチが発生し易くなり、600を超えるものは工業的に入手困難である。
(B)としては、炭素繊維、炭化物(炭化珪素、炭化ホウ素等)、窒化物(窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等)、金属酸化物(アルミナ等)、金属(銀、銅、アルミニウム等)粉等が挙げられる。
これらのうち組成物成形時の放熱性および工業上の観点から好ましいのは炭素繊維、金属粉、金属酸化物、さらに好ましいのは炭素繊維、銅粉、アルミナである。
【0043】
[切削加工用模型素材形成性組成物]
本発明の切削加工用模型素材形成性組成物は、前記の反応硬化性成分(A)と熱伝導性フィラー(B)を含有してなり、(A)と(B)の重量比は、組成物の成形性および成形時の放熱性の観点から好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30である。
【0044】
本発明の切削加工用模型素材形成性組成物には、必要によりさらに、マイクロバルーン(C1)、可塑剤(C2)、充填剤(C3)、滑剤(C4)、整泡剤(C5)、消泡剤(C6)、脱水剤(C7)および触媒(C8)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含有させてもよい。
【0045】
マイクロバルーン(C1)としては、合成樹脂(熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂)および無機物(シラスバルーン、ガラスバルーン等)素材からなるものが挙げられる。
該熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンからなる群から選ばれる2種以上のエチレン性不飽和モノマーの共重合体;該熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂および尿素樹脂等が挙げられる。
【0046】
熱可塑性樹脂からなる市販の(C1)としては、エクスパンセル551DE40d4および−40d60、エクスパンセル461DE40d60および−20d70、エクスパンセル092DE40d30[いずれもエクスパンセル(株)製]、並びにマツモトマイクロスフェアF−80EDおよびMFLシリーズ[いずれも松本油脂製薬(株)製]等;ガラスからなる市販の(C1)としては、スコッチライトC15およびK37[いずれも住友スリーエム(株)製]、並びにセルスターZ−27およびZ−36[いずれも旭硝子(株)製]等が挙げられる。
【0047】
(C1)の体積平均粒径(μm)は、硬化物の切削面の滑らかさの観点から好ましくは0.5〜120、さらに好ましくは1〜100、とくに好ましくは5〜90である。
(C1)の真比重は、取り扱い性および硬化物の軽量化の観点から好ましくは0.005〜0.5、さらに好ましくは0.01〜0.45、とくに好ましくは0.015〜0.40である。ここにおいて、真比重はピクノメーター[商品名「アキュピック1330」、マイクロメリテックス(株)製]を用いて測定した値である。
【0048】
また、可塑剤(C2)としては、フタル酸エステル(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、アジピン酸エステル(ジオクチルアジペート等)、リン酸トリエステル(トリイソプロピルフェニルホスフェート等);
充填剤(C3)としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、雲母、ミルドファイバー等)および有機充填剤(熱硬化性樹脂の粉砕物等)等;
滑剤(C4)としては、脂肪酸アミド(C6〜60、例えば脂肪酸第1アミド、N−カルビル脂肪酸第1アミド、N,N−ジカルビル脂肪酸第1アミド、N,N’−置換脂肪酸アミド、ポリアミンの脂肪酸アミド)、金属石けん[C22〜34の高級脂肪酸の金属(アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等)塩等]等が挙げられる。
整泡剤(C5)としては、シリコーン整泡剤(オルガノポリシロキサン等)等;
消泡剤(C6)としては、シリコーン消泡剤(オルガノポリシロキサン等)等;
脱水剤(C7)としては、酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム、モレキュラーシーブ等;
触媒(C8)としては、アミン触媒(トリエチレンジアミン等)、金属触媒(ジブチル錫ラウレート等)等が挙げられる。
【0049】
組成物の全重量に基づく使用量は、マイクロバルーン(C1)は通常40%以下、切削加工性および組成物のポンプによる送液定量性の観点から好ましくは0.01〜30%、さらに好ましくは0.05〜20%、とくに好ましくは0.1〜10%;可塑剤(C2)、充填剤(C3)は、それぞれ通常15%以下、好ましくは5〜10%;滑剤(C4)、脱水剤(C7)は、それぞれ通常10%以下、好ましくは2〜8%;整泡剤(C5)は、通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(C6)は、通常3%以下、好ましくは0.5〜2%;(C8)は、通常0.5%以下、好ましくは0.008〜0.2%である。
【0050】
本発明の組成物は、主剤(I)と硬化剤(II)の2液硬化型の形態で用いられる。主剤(I)の成分には、前記ポリウレタン樹脂形成性成分(A1)においては、ポリオール(A1a)、エポキシ樹脂形成性成分(A2)においては、ポリエポキシド(A2a)が含まれる。また、硬化剤(II)の成分には、該(A1)においては、ポリイソシアネート(A1b)、該(A2)においては、硬化剤(A2b)が含まれる。
従って該形態には、(A1a)または(A2a)、および必要により添加剤(C)からなる主剤(I)と、(A1b)または(A2b)、および必要により添加剤(C)からなる硬化剤(II)との組み合わせが含まれ、熱伝導性フィラー(B)は主剤(I)および/または硬化剤(II)のいずれに配合してもよい。
【0051】
本発明の組成物は、例えば主剤(I)または硬化剤(II)の各成分を、プロペラ型、櫂型等の1軸自転型撹拌羽根を備えた混合槽、および2軸自公転型プラネタリーミキサー[井上製作所(株)製、PLGM−400型、以下同じ。]等を用いて混合することにより製造される。とくにマイクロバルーン(C1)の配合割合が多い場合は、撹拌シェアが高くなるため、プラネタリーミキサーを用いることが好ましい。
【0052】
[模型素材]
本発明の模型素材は、前記組成物を反応硬化させ、成形して製造される。すなわち、主剤(I)液と硬化剤(II)液を2液混合吐出機を用い、型内に混合吐出して成形することで、所望の形状の模型素材が得られる。ここにおいて、(I)液と(II)液の混合割合(重量比)は、混合効率の観点から好ましくは0.5/1〜1/0.3である。
【0053】
本発明の組成物を用いた模型素材の製造工程例を以下に示す。
(1)主剤(I)、硬化剤(II)の各液を送液できる2液混合吐出機に、(I)、(II)液がそれぞれ充填された容器をセットする。これらの(I)、(II)液は、プランジャーポンプ[例えばTooling−Mix PH200fix型、タイヨーテクノ(株)製]またはスネークポンプ[ペール缶用ディスチャージャー2NTL20型、兵神装備(株)製]等を用いて送液することができる。
(2)(I)、(II)液が所定割合になるようにそれぞれのポンプ送液量を設定する。
(3)吐出口までのライン中にスタティックミキサー[商品名「スタティックミキサー」1・1/2−N30−131−F型、(株)ノリタケカンパニーリミテッド製]を設置し、2液を型内に吐出させ成形する。
(4)室温(20〜35℃)で1次硬化させた後、50〜70℃で8〜12時間硬化させて所望の形状の模型素材を得る。
【0054】
本発明の模型素材は、熱伝導性に優れるフィラー(B)を含有することから、成形品の内部とそれ以外の部分との間の温度差が小さく、内部歪みが少ないという特徴を有する。 本発明の模型素材の線膨張係数(×10-6/℃)は、模型の歪みや変形抑制の観点から好ましくは40以下、さらに好ましくは25以下、とくに好ましくは10以下である。 該線膨張係数は、フィラー(B)の種類の選択、およびその使用量を増加させることにより低減することができる。ここにおいて線膨張係数は、JIS K7197に準じ後述の方法で測定されるものである。
【0055】
本発明の模型(工業用モデル等)は、上記模型素材をNCマシン等で切削加工することにより製造することができる。
【実施例】
【0056】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」は重量部を表す。
【0057】
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
ポリオール(A1a−1):グリセリンPO付加物、OH価400のポリエーテルポリオ
ール[商品名「サンニックスGP400」「三洋化成工業(株)製」]
ポリイソシアネート(A1b−1):粗製MDI[商品名「ミリオネートMR−200」 、日本ポリウレタン工業(株)製]
ポリエポキシド(A2a−1):ビスフェノールA型ポリエポキシド[商品名「エピコー
ト828」、ジャパンエポキシレジン(株)製]
ポリエポキシド(A2a−2):1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル[商品名「
エポジール750」、エアープロダクツジャパン(株)製]
ポリアミン (A2b−1):ジエチレングリコールジアミノプロピルエーテル[商品
名「アンカミン1922」、エアープロダクツジャパン(株)製]
熱伝導性フィラー(B−1):炭素繊維[商品名「XNG−90」、熱伝導度500W/
mK、平均繊維長3.6mm、日本グラファイトファイバー(株)製]
熱伝導性フィラー(B−2):銅粉[商品名「MA−CH−S」、熱伝導度398W/m
K 、体積平均粒径10μm、密度5.2g/cm3、三井金属(株)製]
熱伝導性フィラー(B−3):アルミナ[商品名「AKP−20」、熱伝導度25W/m
K、体積平均粒径0.5μm、密度1.3g/cm3、住友化学(株)製

マイクロバルーン(C1−1):アクリルマイクロバルーン[商品名「マツモトマイクロ
スフェア MFL−80GCA」、体積平均粒径20μm、密度0.24
g/cm3、松本油脂製薬(株)製]
充填剤(C3−1):炭酸カルシウム[商品名「ホワイトンSB」、熱伝導度0.6W/
mK、白石カルシウム(株)製]
消泡剤(C6−1):シリコン消泡剤[商品名「SAG−47」、日本ユニカー(株)製

脱水剤(C7−1):合成ゼオライト[商品名「PURMOL3」、CU Chemie
Uetikon AG製]
触媒(C8−1):ジ−n−ブチル錫ジラウレート[商品名「Stann BL」、三共
有機合成(株)製]
【0058】
実施例1[ポリウレタン樹脂模型素材]
表1の配合組成に従って、主剤(I−1)の各成分をプラネタリーミキサーに投入し、130rpmで10分間撹拌後、30mmHg以下の減圧下で5分間撹拌、脱泡して主剤(I−1)(ポリオール成分)を得た。
一方、硬化剤(II−1)の各成分を別の配合容器にて配合し、130rpmで撹拌後、30mmHg以下の減圧下で5分間撹拌、脱泡して硬化剤(II−1)(イソシアネート成分)を得た。次に、(I−1)と(II−1)が所定の配合比率になるように(II−1)をプラネタリーミキサーに投入し、30mmHg以下の減圧下、130rpmで5分間撹混合し、それをタテ×ヨコ×高さ=200×50×50mmの金型に流し込み、80℃で2時間加熱硬化させた。その後金型ごと常温(25℃)で8時間静置し、脱型して模型素材(1)を得た。得られた模型素材(1)について、後述の試験で性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
実施例2〜7、比較例1〜3[ポリウレタン樹脂模型素材]
表1に記載の配合組成で、実施例1と同様にして、実施例2〜7の模型素材(2)〜(7)、および比較例1〜3の模型素材(比1)〜(比3)を得た後、これらについて同様に性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
実施例8[エポキシ樹脂模型素材]
表2に記載の配合組成で、実施例1と同様にして主剤(I−8)(ポリエポキシド成分)と硬化剤(II−8)(ポリアミン成分)を得た。次に、(I−8)と(II−8)が所定の配合比率になるように、プラネタリーミキサー中の(I−8)に(II−8)を投入し、実施例1と同様に混合して金型に流し込み、20〜25℃で16時間一次硬化させた。その後金型ごと50〜55℃で10時間静置して二次硬化させた後、さらに室温(25℃)で8時間静置し、脱型して模型素材(8)を得た。得られた模型素材(8)について、実施例1と同様に性能評価を行った。結果を表2に示す。
【0062】
実施例9〜14、比較例4〜6[エポキシ樹脂模型素材]
表2に記載の配合組成で、実施例8と同様にして、実施例9〜14の模型素材(9)〜(14)、および比較例4〜6の模型素材(比4)〜(比6)を得た後、これらについて同様に性能評価を行った。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】

【0064】
<模型素材の性能評価試験>
(1)密度 (単位:g/cm3
前記脱型した模型素材を、25℃、55%RHで12時間状態調節した後、試験片の重量を測定し、試験片の体積で除した値を模型素材の密度とした。
(2)スコーチ
模型素材(タテ×ヨコ×高さ=200×50×50mm、以下同じ。)を中央部で切断し、断面を観察してスコーチ(反応熱による樹脂の焼け現象。樹脂の褐色変化の有無で確認できる)の発生有無、およびその程度を下記の基準で評価した。
<評価基準>
○ スコーチ発生なし (樹脂変色なし)
△ スコーチ発生少しあり(褐色変化少しあり)
× スコーチ発生大 (濃褐色変化大)
【0065】
(3)線膨張係数(単位:/℃)[寸法安定性の評価]
直方体形状の模型素材の片端部と中央部から、それぞれタテ×ヨコ×厚さ=10×5×5mmで切り出した試験片を各3個ずつ、25℃、55%RHで12時間状態調節した後、線膨張係数測定機[型名「TMA/SS6100」、SII(株)製]を用いて、JIS K7197に準じて測定した。25〜80℃の寸法変化を測定し、30〜60℃における1℃当たりの平均寸法変化率を各試験片ごとに測定し、さらに端部3個、中央部3個の各数平均値を求めこれをそれぞれの部分の線膨張係数とした。
(4)歪み(単位:mm)[形状安定性の評価]
模型素材からタテ×ヨコ×厚さ=200×25×25mmで切り出した試験片を、50℃、55%RHで12時間状態調節した後、25℃、55%RHの雰囲気下、切り出し面を下にして定盤上に静置した。5分後に中央部が弓状に盛り上がった試験片と定盤との隙間の最大値を隙間ゲージにて0.1mm単位で読みとり、得られた値を歪みとした。
【0066】
表1、2の結果から、本発明の切削加工用模型素材形成性組成物は、成形時にスコーチの発生がなく、該組成物を成形してなる模型素材は比較のものに比べて寸法安定性(線膨張係数)に優れ、該模型素材を切削加工してなる模型は形状安定性(歪み)に優れることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の切削加工用模型素材形成性組成物を反応硬化させて成形してなる模型素材は、寸法安定性に優れ、該模型素材を切削加工してなる模型は歪みが少ないことから、デザインモデル、マスターモデル等の模型、簡易射出成形型、検査治具等の切削加工材料等として幅広く用いることができ極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を形成する反応硬化性成分(A)および10〜600W/mKの熱伝導度を有する熱伝導性フィラー(B)を含有してなることを特徴とする切削加工用模型素材形成性組成物。
【請求項2】
(A)と(B)の重量比が、20/80〜80/20である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
さらに、マイクロバルーン、可塑剤、充填剤、滑剤、整泡剤、消泡剤および脱水剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を加えてなる請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の組成物を反応硬化させ、成形してなる模型素材。
【請求項5】
40×10-6/℃以下の線膨張係数を有する請求項4記載の模型素材。
【請求項6】
請求項4または5記載の模型素材を切削加工してなる模型。

【公開番号】特開2010−155942(P2010−155942A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335625(P2008−335625)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】