切換弁、及びこれを備えたマッサージ機
【課題】構成の簡素化が図れるマッサージ機を提供する。
【解決手段】エア供給源と、少なくとも1つがマッサージ用の動作部である複数のエアアクチュエータと、前記複数のエアアクチュエータの内のいずれかへ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁12とを有するマッサージ機である。前記切換弁12は、本体部20と、前記本体部20内に摺動及び回動可能に設けられ、前記エア供給源からのエアを前記エアアクチュエータへ供給させる給気位置と、前記エアアクチュエータへ供給されたエアを前記本体部20外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体21と、前記本体20部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体21を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体21を回動させて前記エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換える駆動機構と、を有している。
【解決手段】エア供給源と、少なくとも1つがマッサージ用の動作部である複数のエアアクチュエータと、前記複数のエアアクチュエータの内のいずれかへ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁12とを有するマッサージ機である。前記切換弁12は、本体部20と、前記本体部20内に摺動及び回動可能に設けられ、前記エア供給源からのエアを前記エアアクチュエータへ供給させる給気位置と、前記エアアクチュエータへ供給されたエアを前記本体部20外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体21と、前記本体20部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体21を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体21を回動させて前記エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換える駆動機構と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切換弁、及びこれを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エア供給源と、エアの給排気によりマッサージ動作を行う複数のエアセル(エアアクチュエータ)と、エア供給源とエアセルとの間に設けられた切換弁とを備えたマッサージ機が知られている。
上記マッサージ機の一例として、切換弁は複数の電磁弁により構成され、1つのエアセル(又は一箇所をマッサージするために対となっているエアセル)に対して少なくとも1つの電磁弁が接続されたマッサージ機が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたマッサージ機は、制御部に電気的に接続された各電磁弁を励磁又は消磁させることにより、各電磁弁の開閉状態を個別に切換えて、エア供給源と連通させるエアセルを切換えている。
上記マッサージ機の他の例として、切換弁はロータリーバルブにより構成され、複数のエアセルが1つのロータリーバルブに接続されたマッサージ機が開示されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に開示されたマッサージ機は、制御部に電気的に接続されたモータを駆動することにより、ロータリーバルブの回転体(弁体)を回転駆動させて、エア供給源と連通させるエアセルを切換えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−87765号公報
【特許文献2】特開平7−184749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示されたマッサージ機は、1つのエアセルに対して少なくとも1つの電磁弁を必要とするため、電磁弁及びこのための配線・配管等を含む周辺機器も増加する。この結果、マッサージ機の構成が複雑化したり、高コスト化してしまう。一方、上記特許文献2に開示されたマッサージ機は、複数のエアセルに対して1つのロータリーバルブのみで済むが、ロータリーバルブの回転体(弁体)を駆動するための駆動源が別途必要となる。この結果、マッサージ機(主に、マッサージ機の制御部)の構成が複雑化したり、高コスト化してしまう。
そこで本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、構成の簡素化が図れるマッサージ機、及びこのマッサージ機に適用される切換弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマッサージ機は、エア供給源と、少なくとも1つがマッサージ用の動作部である複数のエアアクチュエータと、前記複数のエアアクチュエータの内のいずれかへ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁とを有するマッサージ機において、前記切換弁は、本体部と、前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記エア供給源からのエアを前記エアアクチュエータへ供給させる給気位置と、前記エアアクチュエータへ供給されたエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換える駆動機構と、を有していることを特徴とする。
このような構成とすることにより、駆動機構において、本体部の内部圧力と外部圧力(大気圧)との差圧を、弁体を給気位置と排気位置とに切換える駆動源として利用できる。従って、弁体を移動させるために電気制御による駆動源を省略することができる。
【0006】
また、前記駆動機構は、前記本体部内における前記エア供給源からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることが好ましい。
このような構成とすることにより、本体部内におけるエア供給源からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作のみで、複数のエアアクチュエータの内の動作させるエアアクチュエータを切換えることができる。
【0007】
また、前記駆動機構は、前記エア供給源の駆動及び停止からなる切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることが好ましい。
このような構成とすることにより、エア供給源の駆動及び停止の切換え操作のみで、複数のエアアクチュエータの内の動作させるエアアクチュエータを切換えることができる。すなわち、エア供給源が、エアアクチュエータにエアを供給する駆動源としての機能に加えて、弁体を駆動する駆動源としての機能も有する。
【0008】
また、前記駆動機構は、前記エア供給源の前記切換え操作の繰り返しにより、当該エア供給源と連通させる前記各エアアクチュエータを所定順序で順次切換えることが好ましい。
このような構成とすることにより、エア供給源の駆動及び停止の切換え操作を繰り返し行うだけで、エアアクチュエータを所定順序で膨張・収縮させることができる。
【0009】
また、前記駆動機構は、前記本体部内に設けられた空気室と、前記空気室と前記本体部外とを連通させる当該本体部に設けられた排気ポートと、前記弁体の摺動を回動に変換するカム部と、を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、エア供給源からのエアが供給されると、空気室が加圧されて空気室の圧力が本体部の外部圧力(大気圧)より高くなり、エアがエア供給源側から排気ポート側へと流れる。このエアの流れにより、弁体を排気位置から給気位置へと移動させることができる。一方、エア供給源からのエアの供給が停止されると、空気室が減圧されて空気室の圧力が本体部の外部圧力(大気圧)と等しくなり、弁体をその自重により給気位置から排気位置へと移動させることができる。更に、弁体の摺動が回動に変換されて、エア供給源と連通させるエアアクチュエータを切換えることができる。
【0010】
また、前記切換弁は、前記給気位置における前記弁体の回動を規制する位置決め部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、給気位置において、エア供給源とエアアクチュエータの連通状態が、意図しない連通状態に切換わってしまうことを防止できる。
【0011】
本発明の切換弁は、供給ポート、排気ポート、及び複数の吐出ポートを有する本体部と、前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記供給ポートからのエアを前記複数の吐出ポートの内の一部の吐出ポートより吐出させる給気位置と、前記吐出ポートから吐出しているエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記供給ポートと連通させる前記吐出ポートを切換える駆動機構と、を有していることを特徴とする。
このような構成とすることにより、駆動機構において、本体部の内部圧力と外部圧力(大気圧)との差圧を、弁体を給気位置と排気位置とに切換える駆動源として利用できる。従って、弁体を移動させるために電気制御による駆動源を省略することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、本体部内におけるエアの給気状態及び排気状態を切換えるための駆動源の他に、弁体を移動させるための電気制御による駆動源を別途必要とせず、構造を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の回路図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る切換弁のある方向から見た斜視図である。
【図4】図3と同じ方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁の分解斜視図である。
【図5】摺動方向と直交する方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁の分解平面図である。
【図6】図4と異なる方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁の分解斜視図である。
【図7】摺動方向一端部側(上流側)から見た弁体の斜視図である。
【図8】弁体が第1排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【図9】弁体が第1給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【図10】弁体が第2排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【図11】弁体が第2給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[マッサージ機の構成]
図1は本発明の一実施形態に係るマッサージ機100の斜視図である。
このマッサージ機100は椅子型であり、使用者の身体を支持可能な身体支持体として、使用者(被施療者)が座る座部1と、座部1の前部にあるフットレスト2と、座部1の後部にある背もたれ部3と、左右一対の肘掛け部4とを備えている。なお、座部1に座った使用者が見て、その前方が「前」であり、後方が「後」であり、左手側が「左」であり、右手側が「右」であり、頭側が「上」であり、腰側が「下」であり、その他の場合は適宜説明するものとする。また、フットレスト2においては、当該フットレスト2が座部1の前端部から下へ降りた状態(図1の状態)で、使用者が見て前方を「前」とし、後方を「後」として、以下説明する。
【0015】
身体支持体として、座部1は使用者の臀部や太股部を支持することができる。背もたれ部3は座部1に着座した使用者の腰部から背中及び頭部を支持することができる。また、背もたれ部3は座部1に回動駆動可能に設けられており、起立状態と後方へ倒れた状態との間をリクライニング可能である。フットレスト2は座部1に着座した使用者の脚のうちの膝から下の部分、すなわち、ふくらはぎから足首を経て足裏を支持することができる。また、フットレスト2は座部1に回動駆動可能に設けられており、座部1から下がった状態と前方へ突出した状態との間を回動可能である。肘掛け部4は使用者の左右腕のそれぞれを支持することができ、座部1に取り付けられている。そして、これら身体支持体の少なくとも1つにマッサージ手段としてエアの給排により膨張・収縮するエアセル(エアアクチュエータ)5〜9を備えている。
【0016】
背もたれ部3において、背中部、腰部に対応する位置のそれぞれに、左右のエアセルを一組として設けている。すなわち、左右のエアセル5L,5Rを一組として背中部用、左右のエアセル6L,6Rを一組として腰部用が設けられている。そして、背もたれ部3においては、モータなどによって動作する施療子(揉み玉)101を備え、背もたれ部3を上下昇降移動できるマッサージ手段が設けられている。また、座部1において、臀部及び大腿部に対応する位置に、左右のエアセル7L,7Rを一組として設けている。また、フットレスト2において、左脚用の左右対のエアセル8Lと右脚用の左右対のエアセル8Rを一組として設けている。また、肘掛け部4において、左腕用と右腕用のエアセル9L,9Rを一組として設けている。なお、この肘掛け部4には腕保持部10がそれぞれ設けられており、左側の腕保持部10にエアセル9Lが設けられ、右側の腕保持部10にエアセル9Rが設けられている。
【0017】
図2は本発明の一実施形態に係るマッサージ機100の回路図である。
図2に示す通り、本発明の一実施形態に係るマッサージ機100は、前記各エアセル5〜9と、これらエアセル5〜9を動作させるためのエア供給源11と、前記各エアセル5〜9とエア供給源11との間に設けられている切換弁12とを有している。エア供給源11はモータMによって動作するポンプPからなる。切換弁12については、背中部用の一組のエアセル5L,5Rと繋がっている切換弁13と、腰部用の一組のエアセル6L,6Rと繋がっている切換弁14と、臀部及び大腿部用の一組のエアセル7L,7Rと繋がっている切換弁15と、左脚用と右脚用とで一組のエアセル8L,8Rと繋がっている切換弁16と、左腕用と右腕用とで一組のエアセル9L,9Rと繋がっている切換弁17とが設けられている。ポンプPには分岐部が繋がっており、この分岐部からの枝線に前記切換弁13〜17のそれぞれ(以下、代表して切換弁12と言う)が開閉切換弁18を介して繋がっている。開閉切換弁18は、このマッサージ機100が備えている制御部19からの指示信号に基づいて開閉切換え動作するものであり、各開閉切換弁18における開閉動作により、ポンプPから各エアセル5〜9へのエアの供給をオンオフできる。更に、制御部19は開閉切換弁18のそれぞれの動作を制御でき、これら開閉切換弁18をすべて開状態としたり閉状態としたり、選択的にいずれか一つ乃至複数を開状態としたりできる。
【0018】
[切換弁の構成]
以下、この切換弁12の構造について説明する。
図3は本発明の一実施形態に係る切換弁12のある方向から見た斜視図であり、図4は図3と同じ方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁12の分解斜視図であり、図5は摺動方向と直交する方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁12の分解平面図であり、図6は図4と異なる方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁12の分解斜視図であり、図7は摺動方向一端部側(上流側)から見た弁体21の斜視図である。
なお、視認性を考慮して、図3では、後述する本体部20内に設けられている弁体21を二点鎖線で示しており、図6では、後述する第2本体20bが有する第2カム28bについて、周壁部24によって隠れた部分は破線で示し、第2本体20bにおける他の内部構造は図示を省略している。
図3に示す通り、切換弁12は、主として、略円筒状の内部に空気室39を有する本体部20と、本体部20内に設けられて本体部20内を筒方向に摺動及び周方向に回動可能である略円筒状の弁体21と、弁体21を移動させて膨張・収縮させるエアセル5〜9を切換える駆動機構とを有している。この駆動機構は、前述した空気室39と、後述する排気ポート27と、後述するカム部28とにより構成されている。なお、本体部20における筒方向は、弁体21が摺動する摺動方向(以下、単に摺動方向という)に一致している。以下、切換弁12の説明として、左右の腕保持部10に設けられた一組のエアセル9L,9Rに繋がっている切換弁17について代表して説明するが、他の切換弁13〜16も同様の構造である。
【0019】
図3〜図6に示す通り、本体部20は、一対の円形平板状の底部23a,23bと、この一対の底部23a,23bの周縁部に沿って周回するように立設された周壁部24とを有し、略円筒状に構成されている。本体部20は、エア供給源11に接続される供給ポート25と、複数のエアセル9L,9Rに接続される複数の吐出ポート26と、本体部20内の空間である空気室39と本体部20外を連通させる貫通孔である排気ポート27とを有している。摺動方向一端部側(上流側)の底部23aは、その略中央部に突設される供給ポート25を有し、摺動方向他端部側(下流側)の底部23bは、その略中央部に設けられる排気ポート27を有し、且つ、この排気ポート27から略等距離の位置に突設される複数の吐出ポート26を有している。本体部20は、上流側である供給ポート25を有する第1本体20aと、下流側である排気ポート27及び吐出ポート26を有する第2本体20bとを有しており、弁体21の交換作業が容易となるよう、第1本体20aと第2本体20bは筒方向(摺動方向)に分離可能に構成されている。そして、この切換弁17は、第1本体20aと第2本体20bを結合した状態で、第1本体20aの周壁部24と第2本体20bの周壁部24とに跨って、本体部20の周壁部24の外周部がシール部材(図示せず)によりシーリングされている。この切換弁17は、摺動方向一端部側(上流側)が鉛直下向きとなるようマッサージ機100に設けられている。
【0020】
なお、吐出ポート26は2つ以上配置したものとすればよいが、本発明の一実施形態では、本体部20は、吐出ポート26を周方向に沿って略等間隔で4つ配置したものとしている。具体的には、第1吐出ポート26aと、排気ポート27を挟んで第1ポート26aと対角に位置する第3吐出ポート26cとは同一系統とされ、左側の腕保持部10が有するエアセル9Lに接続されており、第1吐出ポート26aと周方向において隣接する第2吐出ポート26bと、排気ポート27を挟んで第2吐出ポート26bと対角に位置する第4吐出ポート26dとは同一系統とされ、右側の腕保持部10が有するエアセル9Rに接続されている。以下、例えば、同一系統である第1吐出ポート26aと第3吐出ポート26cを一の吐出ポート、同一系統である第2吐出ポート26bと第4吐出ポート26dを他の吐出ポートと称する。
【0021】
また、本体部20は、その周壁部24の内側部に弁体21の摺動を回動に変換するカム部28を有しており、このカム部28は周壁部24に内側方に向かって突設されている。このカム部28は、第1本体20aに設けられた第1カム28aと、第2本体20bに設けられた第2カム28bとを有している。
【0022】
図4,図5に示す通り、第1カム28aは、周方向に沿って傾斜する第1傾斜面29を有しており、複数の頂部30と当該頂部30と同数の谷部31を有する連続山型状に形成されている。この第1傾斜面29は、筒方向(摺動方向)における下流側を向く面である。また、この複数の頂部30と谷部31は、周方向において交互に設けられており、具体的には、周方向に沿って4つの頂部30a〜30d、周方向に沿って4つの谷部31a〜31dが設けられている(図8〜図11も参照)。この谷部31は、後述する弁体21に設けられた被係合部38が係合されることにより、弁体21の回動を規制する係合部として機能する。この第1本体20aが有する係合部(谷部)31と弁体21が有する被係合部38により、位置決め部(第1位置決め部)が構成されている。
【0023】
図5,図6に示す通り、第2カム28bは、周方向に沿って傾斜する第2傾斜面32を有しており、周方向において複数設けられている。この第2傾斜面32は、筒方向(摺動方向)における上流側を向く面である。また、第2本体20bは、その周壁部24の内側部において、隣接する第2カム28b,28b間に設けられる筒方向(摺動方向)の長溝部33が設けられており、具体的には、周方向に沿って4つの長溝部33a〜33dが設けられている。この長溝部33は、後述する弁体21に設けられた被係合部38が係合されることにより、弁体21の回動を規制する係合部として機能する。この第2本体20bが有する係合部(長溝部)33と弁体21が有する被係合部38により、位置決め部(第2位置決め部)が構成されている。
【0024】
図4,図6,図7に示す通り、弁体21は、円形平板状の底部34と、この底部34の周縁部に沿って周回するように立設された周壁部35とを有し、略円筒状に構成されており、摺動方向一端部側(上流側)が開口している。底部34は、供給ポート25から吐出ポート26へとエアを流すことができるように、底部34を貫通する給気孔36を有しており、この給気孔36は、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と接続することができるよう、底部34の面方向において、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と対応する位置に設けられている。なお、本発明の一実施形態では、この給気孔36は、周方向に沿って略等間隔で2つ設けたものとしたが、給気孔36は1つであってもよいし、3つ以上設けたものとしてもよい。
【0025】
また、図4,図7に示す通り、底部34は、弁体21が後述する給気位置にある状態において、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と排気ポート27とを接続する排気孔37を有している。この排気孔37は、底部34の略中央部から半径方向外側に向かって延びて、摺動方向他端部側(下流側)のみ開口する溝である。具体的には、この排気孔37は、底部34の面方向における略中央部が開口し、排気ポート27と接続可能である半径方向内側端部37aと、底部34の面方向における中央部から偏心して開口し、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と接続可能である半径方向外側端部37bとを有している。換言すると、半径方向外側端部37bは、底部34の面方向において、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と対応する位置に位置している。従って、後述する給気位置において、半径方向外側端部37bが接続された吐出ポート26は、半径方向内側端部37aを介して、底部23bの面方向における略中央部に位置する排気ポート27と連通することができる。なお、排気ポート27は、底部23bにおいて摺動方向一端部側(上流側)に向かって突設されており、半径方向外側端部37bは、底部34において摺動方向他端部側(下流側)に向かって突設されているため、第2本体20bの底部23bと弁体21の底部34とにおける高いシール性が要求されない。
【0026】
弁体21は、その周壁部35の外側部に突設される複数の凸部38を有しており、具体的には、周方向に沿って4つの凸部38a〜38dを有している。この凸部38は、第1本体20aに設けられた係合部31、及び第2本体20bに設けられた係合部33に対して係合・離脱可能である被係合部として機能する。
【0027】
弁体21を移動させて膨張・収縮させるエアセル9L,9Rを切換える駆動機構は、前述した空気室39と、排気ポート27と、カム部28とにより構成されている。空気室39は、本体部20が有する一対の底部23a,23bと周壁部24とにより囲まれて構成される空間部である。
【0028】
[切換え操作]
以下、この切換弁17の切換え操作について説明する。
図8は弁体21が第1排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図8では、弁体21を二点鎖線で示している。
図8(a)に示す通り、開閉切換弁18が開状態である排気状態では、本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力と等しいため、弁体21は本体部20内において、弁体21に作用する重力により摺動方向一端部側(上流側)の第1本体20a側である排気位置に位置し、第1位置決め部によって回動位置が位置決めされている。この排気位置においては、本体部20が有する全ての吐出ポート26a〜26dと弁体21が有する給気孔36は、摺動方向において離間した状態であり、空気室39と本体部20外とが連通状態となっている。従って、弁体21が排気位置に位置しているときは、吐出ポート26と接続されるエアセル9L,9Rは全て収縮した状態となっている。例えば、この排気位置を第1排気位置と規定し、この第1排気位置は、図8(b)に示す通り、凸部38aが谷部31aに、凸部38bが谷部31bに、凸部38cが谷部31cに、凸部38dが谷部31dにそれぞれ位置している状態とする。
【0029】
図9は弁体21が第1給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図9では、弁体21を二点鎖線で示している。
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を閉状態として給気状態とすると、空気室39が加圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)より高くなり、エアがエア供給源11側から排気ポート27側へと流れる。すなわち、本体部20内において、エアが摺動方向一端部側(上流側)から摺動方向他端部側(下流側)へと流れる。従って、図8に示す排気位置(第1排気位置)に位置している弁体21は、このエアの流れにより、弁体21に作用する重力に抗して摺動方向他端部側(下流側)に摺動しつつ、カム部28(第2カム28b)の作用により周方向に回動して、図9(a)に示す下流側の第2本体20b側である給気位置に移動する。そして、この給気位置において、第2本体20bが有する係合部33に弁体21が有する被係合部38が係合し、第2位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。具体的には、この給気位置は、図9(b)に示す凸部38aが長溝部33aに、凸部38bが長溝部33bに、凸部38cが長溝部33cに、凸部38dが長溝部33dにそれぞれ位置した状態であり、例えば、この給気位置を第1給気位置と規定する。
【0030】
この第1給気位置においては、複数の吐出ポート26a〜26dの内の一の吐出ポート26a,26cと給気孔36とは接続されて、一の吐出ポート26a,26cとエア供給源11とが連通状態となっており、複数の吐出ポート26a〜26dの内の他の吐出ポート26b,26dと排気孔37とは接続されて、他の吐出ポート26b,26dとエア供給源11とが非連通状態となっており、排気ポート27が弁体21の底部34(具体的には、排気孔37の半径方向内側端部37aが有する溝底面)によって塞がれて、空気室39と本体部20外とが非連通状態となっている。従って、弁体21が第1給気位置に位置しているときは、給気孔36と連通する一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lにエアが供給されて、当該エアセル9Lが膨張する。このとき、他の吐出ポート26b,26dは排気孔37と連通状態にあるため、他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rは収縮した状態のままである。
なお、本体部20は本体部20外(大気)と連通する排気ポート27を有しているため、給気状態においては、本体部20内と本体部20外(大気)との差圧を利用して、本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)よりも高い状態を常時維持することができる。従って、エアセル9L内に当該エアセル9Lの限界容量のエアが供給されて、エアセル9Lの内部圧力と本体部20の内部圧力とが等しくなった状態においても、弁体21が給気位置(第1給気位置)から不所望に移動してしまうことを防止できる。
【0031】
図10は弁体21が第2排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図10では、弁体21を二点鎖線で示している。
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を開状態として排気状態とすると、空気室39が減圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)と等しくなる。従って、図9に示す給気位置(第1給気位置)に位置している弁体21は、当該弁体21に作用する重力により、摺動方向一端部側(上流側)に摺動しつつ、第2本体20bが有する係合部33と弁体21が有する被係合部38が離脱すると、カム部28(第1カム28a)の作用により周方向に回動して、図10(a)に示す上流側の第1本体20a側であって第1排気位置とは周方向において異なる排気位置に移動する。そして、この排気位置において、第1本体20aが有する係合部31に弁体21が有する被係合部38が係合し、第1位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。具体的には、この排気位置は、図10(b)に示す凸部38dが谷部31aに、凸部38aが谷部31bに、凸部38bが谷部31cに、凸部38cが谷部31dにそれぞれ位置した状態であり、第1排気位置とは、周方向において略90度位置ずれしており、例えば、この排気位置を第2排気位置と規定する。
【0032】
この第2排気状態においては、一の吐出ポート26a,26cと給気孔36は、摺動方向において離間されて、一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lに給気されたエアは、排気ポート27から本体部20外(大気)へ排気されて、当該エアセル9Lが収縮する。このとき、他の吐出ポート26b,26dと給気孔36も摺動方向において離間した状態となるため、他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rは収縮した状態のままである。
【0033】
図11は弁体21が第2給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図11では、弁体21を二点鎖線で示している。
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を閉状態として給気状態とすると、空気室39が加圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)より高くなり、エアがエア供給源11側から排気ポート27側へと流れる。すなわち、本体部内において、エアが摺動方向一端部側(上流側)から摺動方向他端部側(下流側)へと流れる。従って、図10に示す排気位置(第2排気位置)に位置している弁体21は、このエアの流れにより、弁体21に作用する重力に抗して摺動方向他端部側(下流側)に摺動しつつ、カム部(第2カム28b)28の作用により周方向に回動して、図11(a)に示す下流側の第2本体20b側であって第1給気位置とは周方向において異なる給気位置に移動する。そして、この給気位置において、第2本体20bが有する係合部33に弁体21が有する被係合部38が係合し、第2位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。具体的には、この第2給気位置は、図11(b)に示す凸部38dが長溝部33aに、凸部38aが長溝部33bに、凸部38bが長溝33cに、凸部38cが長溝部33dにそれぞれ位置した状態であり、第1給気位置とは、周方向において略90度位置ずれしており、例えば、この給気位置を第2給気位置と規定する。
【0034】
この第2給気位置においては、複数の吐出ポート26a〜26dの内の他の吐出ポート26b,26dと給気孔36とは接続されて、他の吐出ポート26b,26dとエア供給源11とが連通状態となっており、複数の吐出ポート26a〜26dの内の一の吐出ポート26a,26cと排気孔37とは接続されて、一の吐出ポート26a,26cとエア供給源11とが非連通状態となっており、排気ポート27が弁体21の底部34(具体的には、排気孔37の半径方向内側端部37aが有する溝底面)によって塞がれて、空気室39と本体部20外とが非連通状態となっている。従って、弁体21が第2給気位置に位置しているときは、給気孔36と連通する他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rにエアが供給されて、当該エアセル9Rが膨張する。このとき、一の吐出ポート26a,26cは排気孔37と接続状態にあるため、一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lは収縮した状態のままである。
【0035】
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を開状態として排気状態とすると、空気室39が減圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)と等しくなる。従って、図11に示す給気位置(第2給気位置)に位置している弁体21は、当該弁体21に作用する重力により、摺動方向一端部側(上流側)に摺動しつつ、第2本体20bが有する係合部33と弁体21が有する被係合部38が離脱すると、カム部28(第1カム28a)の作用により周方向に回動して、図8に示す第1排気位置に移動する。そして、この第1排気位置において、第1本体20aが有する係合部31に弁体21が有する被係合部38が係合し、第1位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。
【0036】
この第1排気状態においては、他の吐出ポート26b,26dと給気孔36は、摺動方向において離間されて、他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rに給気されたエアは、排気ポート27から本体部20外(大気)へ排気されて、当該エアセル9Rが収縮する。このとき、一の吐出ポート26a,26cと給気孔36も摺動方向において離間した状態となるため、一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lは収縮した状態のままである。
【0037】
このように、切換弁12の本体部20内におけるエア供給源11からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換操作のみで、前述した駆動機構によって弁体21を駆動し、膨張・収縮させるエアセル5〜9を切換えることができる。そして、この切換え操作を順次繰り返すことにより、膨張・収縮させるエアセル5〜9を順次切換えることができる。
【0038】
なお、本発明の一実施形態では、開閉切換弁18の開閉状態を切換えることにより、本体部20内におけるエア供給源11からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作としたが、開閉切換弁18を省略し、エア供給源11の駆動と停止を切換える切換え操作としてもよい。この場合、エア供給源11を駆動している(エアを供給している)間は、本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)よりも高くなるため、弁体21は給気位置に位置する。また、エア供給源11の駆動を停止すると、エアセルに加わる使用者側からの圧力(荷重)により、一時的にエアセルの内部圧力が本体部20の内部圧力よりも高くなり、弁体21を排気位置へと移動させるので、排気ポート27より空気室39と本体部20外(大気)とが連通し、本体部20の内部圧力と本体部20の外部圧力(大気圧)とが等しくなるため、エア供給源11の駆動を停止している(エアの供給を停止している)間は、弁体21は排気位置に位置する。
【0039】
また、本発明の一実施形態では、4つの吐出ポート26a〜26dを有し、排気ポート27を挟んで対角に位置する2つの吐出ポートを同一系統として2つのエアセル9L,9Rの膨張・収縮を切換える構造としたが、全ての吐出ポート26a〜26dを独立系統とすれば、4つのエアセルの膨張・収縮を切換えることができる。そして、この吐出ポート26の数を増加させることにより、膨張・収縮を切換えることができるエアセル数を増加させることができる。
【0040】
本発明の一実施形態の切換弁12は、対のエアセルを交互に膨張・収縮させることが好ましい箇所に適用するのが効果的である。例えば、前述したように、左右対の腕用エアセル9L,9Rを交互に膨張させることにより、災害等の緊急事態にも対応することができる。あるいは、左右対の臀部及び大腿部に対応するエアセル7L,7Rを交互に膨張させることにより、使用者の身体を左右に揺らしてリラックス効果を与えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、構成の簡素化が図れるマッサージ機、及びこのマッサージ機に適用される切換弁に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
5〜9 エアセル(エアアクチュエータ)
11 エア供給源
12(13〜17) 切換弁
20 本体部
21 弁体
25 供給ポート
26 吐出ポート
27 排気ポート
28 カム部
39 空気室
100 マッサージ機
【技術分野】
【0001】
本発明は、切換弁、及びこれを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エア供給源と、エアの給排気によりマッサージ動作を行う複数のエアセル(エアアクチュエータ)と、エア供給源とエアセルとの間に設けられた切換弁とを備えたマッサージ機が知られている。
上記マッサージ機の一例として、切換弁は複数の電磁弁により構成され、1つのエアセル(又は一箇所をマッサージするために対となっているエアセル)に対して少なくとも1つの電磁弁が接続されたマッサージ機が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたマッサージ機は、制御部に電気的に接続された各電磁弁を励磁又は消磁させることにより、各電磁弁の開閉状態を個別に切換えて、エア供給源と連通させるエアセルを切換えている。
上記マッサージ機の他の例として、切換弁はロータリーバルブにより構成され、複数のエアセルが1つのロータリーバルブに接続されたマッサージ機が開示されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に開示されたマッサージ機は、制御部に電気的に接続されたモータを駆動することにより、ロータリーバルブの回転体(弁体)を回転駆動させて、エア供給源と連通させるエアセルを切換えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−87765号公報
【特許文献2】特開平7−184749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示されたマッサージ機は、1つのエアセルに対して少なくとも1つの電磁弁を必要とするため、電磁弁及びこのための配線・配管等を含む周辺機器も増加する。この結果、マッサージ機の構成が複雑化したり、高コスト化してしまう。一方、上記特許文献2に開示されたマッサージ機は、複数のエアセルに対して1つのロータリーバルブのみで済むが、ロータリーバルブの回転体(弁体)を駆動するための駆動源が別途必要となる。この結果、マッサージ機(主に、マッサージ機の制御部)の構成が複雑化したり、高コスト化してしまう。
そこで本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、構成の簡素化が図れるマッサージ機、及びこのマッサージ機に適用される切換弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマッサージ機は、エア供給源と、少なくとも1つがマッサージ用の動作部である複数のエアアクチュエータと、前記複数のエアアクチュエータの内のいずれかへ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁とを有するマッサージ機において、前記切換弁は、本体部と、前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記エア供給源からのエアを前記エアアクチュエータへ供給させる給気位置と、前記エアアクチュエータへ供給されたエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換える駆動機構と、を有していることを特徴とする。
このような構成とすることにより、駆動機構において、本体部の内部圧力と外部圧力(大気圧)との差圧を、弁体を給気位置と排気位置とに切換える駆動源として利用できる。従って、弁体を移動させるために電気制御による駆動源を省略することができる。
【0006】
また、前記駆動機構は、前記本体部内における前記エア供給源からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることが好ましい。
このような構成とすることにより、本体部内におけるエア供給源からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作のみで、複数のエアアクチュエータの内の動作させるエアアクチュエータを切換えることができる。
【0007】
また、前記駆動機構は、前記エア供給源の駆動及び停止からなる切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることが好ましい。
このような構成とすることにより、エア供給源の駆動及び停止の切換え操作のみで、複数のエアアクチュエータの内の動作させるエアアクチュエータを切換えることができる。すなわち、エア供給源が、エアアクチュエータにエアを供給する駆動源としての機能に加えて、弁体を駆動する駆動源としての機能も有する。
【0008】
また、前記駆動機構は、前記エア供給源の前記切換え操作の繰り返しにより、当該エア供給源と連通させる前記各エアアクチュエータを所定順序で順次切換えることが好ましい。
このような構成とすることにより、エア供給源の駆動及び停止の切換え操作を繰り返し行うだけで、エアアクチュエータを所定順序で膨張・収縮させることができる。
【0009】
また、前記駆動機構は、前記本体部内に設けられた空気室と、前記空気室と前記本体部外とを連通させる当該本体部に設けられた排気ポートと、前記弁体の摺動を回動に変換するカム部と、を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、エア供給源からのエアが供給されると、空気室が加圧されて空気室の圧力が本体部の外部圧力(大気圧)より高くなり、エアがエア供給源側から排気ポート側へと流れる。このエアの流れにより、弁体を排気位置から給気位置へと移動させることができる。一方、エア供給源からのエアの供給が停止されると、空気室が減圧されて空気室の圧力が本体部の外部圧力(大気圧)と等しくなり、弁体をその自重により給気位置から排気位置へと移動させることができる。更に、弁体の摺動が回動に変換されて、エア供給源と連通させるエアアクチュエータを切換えることができる。
【0010】
また、前記切換弁は、前記給気位置における前記弁体の回動を規制する位置決め部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、給気位置において、エア供給源とエアアクチュエータの連通状態が、意図しない連通状態に切換わってしまうことを防止できる。
【0011】
本発明の切換弁は、供給ポート、排気ポート、及び複数の吐出ポートを有する本体部と、前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記供給ポートからのエアを前記複数の吐出ポートの内の一部の吐出ポートより吐出させる給気位置と、前記吐出ポートから吐出しているエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記供給ポートと連通させる前記吐出ポートを切換える駆動機構と、を有していることを特徴とする。
このような構成とすることにより、駆動機構において、本体部の内部圧力と外部圧力(大気圧)との差圧を、弁体を給気位置と排気位置とに切換える駆動源として利用できる。従って、弁体を移動させるために電気制御による駆動源を省略することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、本体部内におけるエアの給気状態及び排気状態を切換えるための駆動源の他に、弁体を移動させるための電気制御による駆動源を別途必要とせず、構造を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の回路図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る切換弁のある方向から見た斜視図である。
【図4】図3と同じ方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁の分解斜視図である。
【図5】摺動方向と直交する方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁の分解平面図である。
【図6】図4と異なる方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁の分解斜視図である。
【図7】摺動方向一端部側(上流側)から見た弁体の斜視図である。
【図8】弁体が第1排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【図9】弁体が第1給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【図10】弁体が第2排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【図11】弁体が第2給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[マッサージ機の構成]
図1は本発明の一実施形態に係るマッサージ機100の斜視図である。
このマッサージ機100は椅子型であり、使用者の身体を支持可能な身体支持体として、使用者(被施療者)が座る座部1と、座部1の前部にあるフットレスト2と、座部1の後部にある背もたれ部3と、左右一対の肘掛け部4とを備えている。なお、座部1に座った使用者が見て、その前方が「前」であり、後方が「後」であり、左手側が「左」であり、右手側が「右」であり、頭側が「上」であり、腰側が「下」であり、その他の場合は適宜説明するものとする。また、フットレスト2においては、当該フットレスト2が座部1の前端部から下へ降りた状態(図1の状態)で、使用者が見て前方を「前」とし、後方を「後」として、以下説明する。
【0015】
身体支持体として、座部1は使用者の臀部や太股部を支持することができる。背もたれ部3は座部1に着座した使用者の腰部から背中及び頭部を支持することができる。また、背もたれ部3は座部1に回動駆動可能に設けられており、起立状態と後方へ倒れた状態との間をリクライニング可能である。フットレスト2は座部1に着座した使用者の脚のうちの膝から下の部分、すなわち、ふくらはぎから足首を経て足裏を支持することができる。また、フットレスト2は座部1に回動駆動可能に設けられており、座部1から下がった状態と前方へ突出した状態との間を回動可能である。肘掛け部4は使用者の左右腕のそれぞれを支持することができ、座部1に取り付けられている。そして、これら身体支持体の少なくとも1つにマッサージ手段としてエアの給排により膨張・収縮するエアセル(エアアクチュエータ)5〜9を備えている。
【0016】
背もたれ部3において、背中部、腰部に対応する位置のそれぞれに、左右のエアセルを一組として設けている。すなわち、左右のエアセル5L,5Rを一組として背中部用、左右のエアセル6L,6Rを一組として腰部用が設けられている。そして、背もたれ部3においては、モータなどによって動作する施療子(揉み玉)101を備え、背もたれ部3を上下昇降移動できるマッサージ手段が設けられている。また、座部1において、臀部及び大腿部に対応する位置に、左右のエアセル7L,7Rを一組として設けている。また、フットレスト2において、左脚用の左右対のエアセル8Lと右脚用の左右対のエアセル8Rを一組として設けている。また、肘掛け部4において、左腕用と右腕用のエアセル9L,9Rを一組として設けている。なお、この肘掛け部4には腕保持部10がそれぞれ設けられており、左側の腕保持部10にエアセル9Lが設けられ、右側の腕保持部10にエアセル9Rが設けられている。
【0017】
図2は本発明の一実施形態に係るマッサージ機100の回路図である。
図2に示す通り、本発明の一実施形態に係るマッサージ機100は、前記各エアセル5〜9と、これらエアセル5〜9を動作させるためのエア供給源11と、前記各エアセル5〜9とエア供給源11との間に設けられている切換弁12とを有している。エア供給源11はモータMによって動作するポンプPからなる。切換弁12については、背中部用の一組のエアセル5L,5Rと繋がっている切換弁13と、腰部用の一組のエアセル6L,6Rと繋がっている切換弁14と、臀部及び大腿部用の一組のエアセル7L,7Rと繋がっている切換弁15と、左脚用と右脚用とで一組のエアセル8L,8Rと繋がっている切換弁16と、左腕用と右腕用とで一組のエアセル9L,9Rと繋がっている切換弁17とが設けられている。ポンプPには分岐部が繋がっており、この分岐部からの枝線に前記切換弁13〜17のそれぞれ(以下、代表して切換弁12と言う)が開閉切換弁18を介して繋がっている。開閉切換弁18は、このマッサージ機100が備えている制御部19からの指示信号に基づいて開閉切換え動作するものであり、各開閉切換弁18における開閉動作により、ポンプPから各エアセル5〜9へのエアの供給をオンオフできる。更に、制御部19は開閉切換弁18のそれぞれの動作を制御でき、これら開閉切換弁18をすべて開状態としたり閉状態としたり、選択的にいずれか一つ乃至複数を開状態としたりできる。
【0018】
[切換弁の構成]
以下、この切換弁12の構造について説明する。
図3は本発明の一実施形態に係る切換弁12のある方向から見た斜視図であり、図4は図3と同じ方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁12の分解斜視図であり、図5は摺動方向と直交する方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁12の分解平面図であり、図6は図4と異なる方向から見た本発明の一実施形態に係る切換弁12の分解斜視図であり、図7は摺動方向一端部側(上流側)から見た弁体21の斜視図である。
なお、視認性を考慮して、図3では、後述する本体部20内に設けられている弁体21を二点鎖線で示しており、図6では、後述する第2本体20bが有する第2カム28bについて、周壁部24によって隠れた部分は破線で示し、第2本体20bにおける他の内部構造は図示を省略している。
図3に示す通り、切換弁12は、主として、略円筒状の内部に空気室39を有する本体部20と、本体部20内に設けられて本体部20内を筒方向に摺動及び周方向に回動可能である略円筒状の弁体21と、弁体21を移動させて膨張・収縮させるエアセル5〜9を切換える駆動機構とを有している。この駆動機構は、前述した空気室39と、後述する排気ポート27と、後述するカム部28とにより構成されている。なお、本体部20における筒方向は、弁体21が摺動する摺動方向(以下、単に摺動方向という)に一致している。以下、切換弁12の説明として、左右の腕保持部10に設けられた一組のエアセル9L,9Rに繋がっている切換弁17について代表して説明するが、他の切換弁13〜16も同様の構造である。
【0019】
図3〜図6に示す通り、本体部20は、一対の円形平板状の底部23a,23bと、この一対の底部23a,23bの周縁部に沿って周回するように立設された周壁部24とを有し、略円筒状に構成されている。本体部20は、エア供給源11に接続される供給ポート25と、複数のエアセル9L,9Rに接続される複数の吐出ポート26と、本体部20内の空間である空気室39と本体部20外を連通させる貫通孔である排気ポート27とを有している。摺動方向一端部側(上流側)の底部23aは、その略中央部に突設される供給ポート25を有し、摺動方向他端部側(下流側)の底部23bは、その略中央部に設けられる排気ポート27を有し、且つ、この排気ポート27から略等距離の位置に突設される複数の吐出ポート26を有している。本体部20は、上流側である供給ポート25を有する第1本体20aと、下流側である排気ポート27及び吐出ポート26を有する第2本体20bとを有しており、弁体21の交換作業が容易となるよう、第1本体20aと第2本体20bは筒方向(摺動方向)に分離可能に構成されている。そして、この切換弁17は、第1本体20aと第2本体20bを結合した状態で、第1本体20aの周壁部24と第2本体20bの周壁部24とに跨って、本体部20の周壁部24の外周部がシール部材(図示せず)によりシーリングされている。この切換弁17は、摺動方向一端部側(上流側)が鉛直下向きとなるようマッサージ機100に設けられている。
【0020】
なお、吐出ポート26は2つ以上配置したものとすればよいが、本発明の一実施形態では、本体部20は、吐出ポート26を周方向に沿って略等間隔で4つ配置したものとしている。具体的には、第1吐出ポート26aと、排気ポート27を挟んで第1ポート26aと対角に位置する第3吐出ポート26cとは同一系統とされ、左側の腕保持部10が有するエアセル9Lに接続されており、第1吐出ポート26aと周方向において隣接する第2吐出ポート26bと、排気ポート27を挟んで第2吐出ポート26bと対角に位置する第4吐出ポート26dとは同一系統とされ、右側の腕保持部10が有するエアセル9Rに接続されている。以下、例えば、同一系統である第1吐出ポート26aと第3吐出ポート26cを一の吐出ポート、同一系統である第2吐出ポート26bと第4吐出ポート26dを他の吐出ポートと称する。
【0021】
また、本体部20は、その周壁部24の内側部に弁体21の摺動を回動に変換するカム部28を有しており、このカム部28は周壁部24に内側方に向かって突設されている。このカム部28は、第1本体20aに設けられた第1カム28aと、第2本体20bに設けられた第2カム28bとを有している。
【0022】
図4,図5に示す通り、第1カム28aは、周方向に沿って傾斜する第1傾斜面29を有しており、複数の頂部30と当該頂部30と同数の谷部31を有する連続山型状に形成されている。この第1傾斜面29は、筒方向(摺動方向)における下流側を向く面である。また、この複数の頂部30と谷部31は、周方向において交互に設けられており、具体的には、周方向に沿って4つの頂部30a〜30d、周方向に沿って4つの谷部31a〜31dが設けられている(図8〜図11も参照)。この谷部31は、後述する弁体21に設けられた被係合部38が係合されることにより、弁体21の回動を規制する係合部として機能する。この第1本体20aが有する係合部(谷部)31と弁体21が有する被係合部38により、位置決め部(第1位置決め部)が構成されている。
【0023】
図5,図6に示す通り、第2カム28bは、周方向に沿って傾斜する第2傾斜面32を有しており、周方向において複数設けられている。この第2傾斜面32は、筒方向(摺動方向)における上流側を向く面である。また、第2本体20bは、その周壁部24の内側部において、隣接する第2カム28b,28b間に設けられる筒方向(摺動方向)の長溝部33が設けられており、具体的には、周方向に沿って4つの長溝部33a〜33dが設けられている。この長溝部33は、後述する弁体21に設けられた被係合部38が係合されることにより、弁体21の回動を規制する係合部として機能する。この第2本体20bが有する係合部(長溝部)33と弁体21が有する被係合部38により、位置決め部(第2位置決め部)が構成されている。
【0024】
図4,図6,図7に示す通り、弁体21は、円形平板状の底部34と、この底部34の周縁部に沿って周回するように立設された周壁部35とを有し、略円筒状に構成されており、摺動方向一端部側(上流側)が開口している。底部34は、供給ポート25から吐出ポート26へとエアを流すことができるように、底部34を貫通する給気孔36を有しており、この給気孔36は、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と接続することができるよう、底部34の面方向において、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と対応する位置に設けられている。なお、本発明の一実施形態では、この給気孔36は、周方向に沿って略等間隔で2つ設けたものとしたが、給気孔36は1つであってもよいし、3つ以上設けたものとしてもよい。
【0025】
また、図4,図7に示す通り、底部34は、弁体21が後述する給気位置にある状態において、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と排気ポート27とを接続する排気孔37を有している。この排気孔37は、底部34の略中央部から半径方向外側に向かって延びて、摺動方向他端部側(下流側)のみ開口する溝である。具体的には、この排気孔37は、底部34の面方向における略中央部が開口し、排気ポート27と接続可能である半径方向内側端部37aと、底部34の面方向における中央部から偏心して開口し、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と接続可能である半径方向外側端部37bとを有している。換言すると、半径方向外側端部37bは、底部34の面方向において、複数の吐出ポート26a〜26dの内のいずれか1つ又は複数と対応する位置に位置している。従って、後述する給気位置において、半径方向外側端部37bが接続された吐出ポート26は、半径方向内側端部37aを介して、底部23bの面方向における略中央部に位置する排気ポート27と連通することができる。なお、排気ポート27は、底部23bにおいて摺動方向一端部側(上流側)に向かって突設されており、半径方向外側端部37bは、底部34において摺動方向他端部側(下流側)に向かって突設されているため、第2本体20bの底部23bと弁体21の底部34とにおける高いシール性が要求されない。
【0026】
弁体21は、その周壁部35の外側部に突設される複数の凸部38を有しており、具体的には、周方向に沿って4つの凸部38a〜38dを有している。この凸部38は、第1本体20aに設けられた係合部31、及び第2本体20bに設けられた係合部33に対して係合・離脱可能である被係合部として機能する。
【0027】
弁体21を移動させて膨張・収縮させるエアセル9L,9Rを切換える駆動機構は、前述した空気室39と、排気ポート27と、カム部28とにより構成されている。空気室39は、本体部20が有する一対の底部23a,23bと周壁部24とにより囲まれて構成される空間部である。
【0028】
[切換え操作]
以下、この切換弁17の切換え操作について説明する。
図8は弁体21が第1排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図8では、弁体21を二点鎖線で示している。
図8(a)に示す通り、開閉切換弁18が開状態である排気状態では、本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力と等しいため、弁体21は本体部20内において、弁体21に作用する重力により摺動方向一端部側(上流側)の第1本体20a側である排気位置に位置し、第1位置決め部によって回動位置が位置決めされている。この排気位置においては、本体部20が有する全ての吐出ポート26a〜26dと弁体21が有する給気孔36は、摺動方向において離間した状態であり、空気室39と本体部20外とが連通状態となっている。従って、弁体21が排気位置に位置しているときは、吐出ポート26と接続されるエアセル9L,9Rは全て収縮した状態となっている。例えば、この排気位置を第1排気位置と規定し、この第1排気位置は、図8(b)に示す通り、凸部38aが谷部31aに、凸部38bが谷部31bに、凸部38cが谷部31cに、凸部38dが谷部31dにそれぞれ位置している状態とする。
【0029】
図9は弁体21が第1給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図9では、弁体21を二点鎖線で示している。
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を閉状態として給気状態とすると、空気室39が加圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)より高くなり、エアがエア供給源11側から排気ポート27側へと流れる。すなわち、本体部20内において、エアが摺動方向一端部側(上流側)から摺動方向他端部側(下流側)へと流れる。従って、図8に示す排気位置(第1排気位置)に位置している弁体21は、このエアの流れにより、弁体21に作用する重力に抗して摺動方向他端部側(下流側)に摺動しつつ、カム部28(第2カム28b)の作用により周方向に回動して、図9(a)に示す下流側の第2本体20b側である給気位置に移動する。そして、この給気位置において、第2本体20bが有する係合部33に弁体21が有する被係合部38が係合し、第2位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。具体的には、この給気位置は、図9(b)に示す凸部38aが長溝部33aに、凸部38bが長溝部33bに、凸部38cが長溝部33cに、凸部38dが長溝部33dにそれぞれ位置した状態であり、例えば、この給気位置を第1給気位置と規定する。
【0030】
この第1給気位置においては、複数の吐出ポート26a〜26dの内の一の吐出ポート26a,26cと給気孔36とは接続されて、一の吐出ポート26a,26cとエア供給源11とが連通状態となっており、複数の吐出ポート26a〜26dの内の他の吐出ポート26b,26dと排気孔37とは接続されて、他の吐出ポート26b,26dとエア供給源11とが非連通状態となっており、排気ポート27が弁体21の底部34(具体的には、排気孔37の半径方向内側端部37aが有する溝底面)によって塞がれて、空気室39と本体部20外とが非連通状態となっている。従って、弁体21が第1給気位置に位置しているときは、給気孔36と連通する一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lにエアが供給されて、当該エアセル9Lが膨張する。このとき、他の吐出ポート26b,26dは排気孔37と連通状態にあるため、他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rは収縮した状態のままである。
なお、本体部20は本体部20外(大気)と連通する排気ポート27を有しているため、給気状態においては、本体部20内と本体部20外(大気)との差圧を利用して、本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)よりも高い状態を常時維持することができる。従って、エアセル9L内に当該エアセル9Lの限界容量のエアが供給されて、エアセル9Lの内部圧力と本体部20の内部圧力とが等しくなった状態においても、弁体21が給気位置(第1給気位置)から不所望に移動してしまうことを防止できる。
【0031】
図10は弁体21が第2排気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図10では、弁体21を二点鎖線で示している。
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を開状態として排気状態とすると、空気室39が減圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)と等しくなる。従って、図9に示す給気位置(第1給気位置)に位置している弁体21は、当該弁体21に作用する重力により、摺動方向一端部側(上流側)に摺動しつつ、第2本体20bが有する係合部33と弁体21が有する被係合部38が離脱すると、カム部28(第1カム28a)の作用により周方向に回動して、図10(a)に示す上流側の第1本体20a側であって第1排気位置とは周方向において異なる排気位置に移動する。そして、この排気位置において、第1本体20aが有する係合部31に弁体21が有する被係合部38が係合し、第1位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。具体的には、この排気位置は、図10(b)に示す凸部38dが谷部31aに、凸部38aが谷部31bに、凸部38bが谷部31cに、凸部38cが谷部31dにそれぞれ位置した状態であり、第1排気位置とは、周方向において略90度位置ずれしており、例えば、この排気位置を第2排気位置と規定する。
【0032】
この第2排気状態においては、一の吐出ポート26a,26cと給気孔36は、摺動方向において離間されて、一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lに給気されたエアは、排気ポート27から本体部20外(大気)へ排気されて、当該エアセル9Lが収縮する。このとき、他の吐出ポート26b,26dと給気孔36も摺動方向において離間した状態となるため、他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rは収縮した状態のままである。
【0033】
図11は弁体21が第2給気位置に位置している状態を説明する図であり、(a)は摺動方向と直交する方向から見た切換弁17(12)の平面図であり、(b)は摺動方向一端部側(上流側)から見た切換弁17(12)の平面図である。なお、視認性を考慮して、図11では、弁体21を二点鎖線で示している。
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を閉状態として給気状態とすると、空気室39が加圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)より高くなり、エアがエア供給源11側から排気ポート27側へと流れる。すなわち、本体部内において、エアが摺動方向一端部側(上流側)から摺動方向他端部側(下流側)へと流れる。従って、図10に示す排気位置(第2排気位置)に位置している弁体21は、このエアの流れにより、弁体21に作用する重力に抗して摺動方向他端部側(下流側)に摺動しつつ、カム部(第2カム28b)28の作用により周方向に回動して、図11(a)に示す下流側の第2本体20b側であって第1給気位置とは周方向において異なる給気位置に移動する。そして、この給気位置において、第2本体20bが有する係合部33に弁体21が有する被係合部38が係合し、第2位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。具体的には、この第2給気位置は、図11(b)に示す凸部38dが長溝部33aに、凸部38aが長溝部33bに、凸部38bが長溝33cに、凸部38cが長溝部33dにそれぞれ位置した状態であり、第1給気位置とは、周方向において略90度位置ずれしており、例えば、この給気位置を第2給気位置と規定する。
【0034】
この第2給気位置においては、複数の吐出ポート26a〜26dの内の他の吐出ポート26b,26dと給気孔36とは接続されて、他の吐出ポート26b,26dとエア供給源11とが連通状態となっており、複数の吐出ポート26a〜26dの内の一の吐出ポート26a,26cと排気孔37とは接続されて、一の吐出ポート26a,26cとエア供給源11とが非連通状態となっており、排気ポート27が弁体21の底部34(具体的には、排気孔37の半径方向内側端部37aが有する溝底面)によって塞がれて、空気室39と本体部20外とが非連通状態となっている。従って、弁体21が第2給気位置に位置しているときは、給気孔36と連通する他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rにエアが供給されて、当該エアセル9Rが膨張する。このとき、一の吐出ポート26a,26cは排気孔37と接続状態にあるため、一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lは収縮した状態のままである。
【0035】
次に、制御部19が開閉切換弁18を制御することにより、開閉切換弁18を開状態として排気状態とすると、空気室39が減圧されて本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)と等しくなる。従って、図11に示す給気位置(第2給気位置)に位置している弁体21は、当該弁体21に作用する重力により、摺動方向一端部側(上流側)に摺動しつつ、第2本体20bが有する係合部33と弁体21が有する被係合部38が離脱すると、カム部28(第1カム28a)の作用により周方向に回動して、図8に示す第1排気位置に移動する。そして、この第1排気位置において、第1本体20aが有する係合部31に弁体21が有する被係合部38が係合し、第1位置決め部によって弁体21の周方向への回動が規制されて弁体21が位置決めされる。
【0036】
この第1排気状態においては、他の吐出ポート26b,26dと給気孔36は、摺動方向において離間されて、他の吐出ポート26b,26dに接続された右側の腕保持部10が有するエアセル9Rに給気されたエアは、排気ポート27から本体部20外(大気)へ排気されて、当該エアセル9Rが収縮する。このとき、一の吐出ポート26a,26cと給気孔36も摺動方向において離間した状態となるため、一の吐出ポート26a,26cに接続された左側の腕保持部10が有するエアセル9Lは収縮した状態のままである。
【0037】
このように、切換弁12の本体部20内におけるエア供給源11からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換操作のみで、前述した駆動機構によって弁体21を駆動し、膨張・収縮させるエアセル5〜9を切換えることができる。そして、この切換え操作を順次繰り返すことにより、膨張・収縮させるエアセル5〜9を順次切換えることができる。
【0038】
なお、本発明の一実施形態では、開閉切換弁18の開閉状態を切換えることにより、本体部20内におけるエア供給源11からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作としたが、開閉切換弁18を省略し、エア供給源11の駆動と停止を切換える切換え操作としてもよい。この場合、エア供給源11を駆動している(エアを供給している)間は、本体部20の内部圧力が本体部20の外部圧力(大気圧)よりも高くなるため、弁体21は給気位置に位置する。また、エア供給源11の駆動を停止すると、エアセルに加わる使用者側からの圧力(荷重)により、一時的にエアセルの内部圧力が本体部20の内部圧力よりも高くなり、弁体21を排気位置へと移動させるので、排気ポート27より空気室39と本体部20外(大気)とが連通し、本体部20の内部圧力と本体部20の外部圧力(大気圧)とが等しくなるため、エア供給源11の駆動を停止している(エアの供給を停止している)間は、弁体21は排気位置に位置する。
【0039】
また、本発明の一実施形態では、4つの吐出ポート26a〜26dを有し、排気ポート27を挟んで対角に位置する2つの吐出ポートを同一系統として2つのエアセル9L,9Rの膨張・収縮を切換える構造としたが、全ての吐出ポート26a〜26dを独立系統とすれば、4つのエアセルの膨張・収縮を切換えることができる。そして、この吐出ポート26の数を増加させることにより、膨張・収縮を切換えることができるエアセル数を増加させることができる。
【0040】
本発明の一実施形態の切換弁12は、対のエアセルを交互に膨張・収縮させることが好ましい箇所に適用するのが効果的である。例えば、前述したように、左右対の腕用エアセル9L,9Rを交互に膨張させることにより、災害等の緊急事態にも対応することができる。あるいは、左右対の臀部及び大腿部に対応するエアセル7L,7Rを交互に膨張させることにより、使用者の身体を左右に揺らしてリラックス効果を与えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、構成の簡素化が図れるマッサージ機、及びこのマッサージ機に適用される切換弁に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
5〜9 エアセル(エアアクチュエータ)
11 エア供給源
12(13〜17) 切換弁
20 本体部
21 弁体
25 供給ポート
26 吐出ポート
27 排気ポート
28 カム部
39 空気室
100 マッサージ機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア供給源と、少なくとも1つがマッサージ用の動作部である複数のエアアクチュエータと、前記複数のエアアクチュエータの内のいずれかへ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁とを有するマッサージ機において、
前記切換弁は、
本体部と、
前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記エア供給源からのエアを前記エアアクチュエータへ供給させる給気位置と、前記エアアクチュエータへ供給されたエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、
前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換える駆動機構と、
を有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記本体部内における前記エア供給源からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記エア供給源の駆動及び停止からなる切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記エア供給源の前記切換え操作の繰り返しにより、当該エア供給源と連通させる前記各エアアクチュエータを所定順序で順次切換えることを特徴とする請求項2又は3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記駆動機構は、
前記本体部内に設けられた空気室と、
前記空気室と前記本体部外とを連通させる当該本体部に設けられた排気ポートと、
前記弁体の摺動を回動に変換するカム部と、
を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記切換弁は、前記給気位置における前記弁体の回動を規制する位置決め部を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
供給ポート、排気ポート、及び複数の吐出ポートを有する本体部と、
前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記供給ポートからのエアを前記複数の吐出ポートの内の一部の吐出ポートより吐出させる給気位置と、前記吐出ポートから吐出しているエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、
前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記供給ポートと連通させる前記吐出ポートを切換える駆動機構と、
を有していることを特徴とする切換弁。
【請求項1】
エア供給源と、少なくとも1つがマッサージ用の動作部である複数のエアアクチュエータと、前記複数のエアアクチュエータの内のいずれかへ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁とを有するマッサージ機において、
前記切換弁は、
本体部と、
前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記エア供給源からのエアを前記エアアクチュエータへ供給させる給気位置と、前記エアアクチュエータへ供給されたエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、
前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換える駆動機構と、
を有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記本体部内における前記エア供給源からのエアの給気状態と排気状態を切換える切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記エア供給源の駆動及び停止からなる切換え操作により、当該エア供給源と連通させる前記エアアクチュエータを切換えることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記エア供給源の前記切換え操作の繰り返しにより、当該エア供給源と連通させる前記各エアアクチュエータを所定順序で順次切換えることを特徴とする請求項2又は3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記駆動機構は、
前記本体部内に設けられた空気室と、
前記空気室と前記本体部外とを連通させる当該本体部に設けられた排気ポートと、
前記弁体の摺動を回動に変換するカム部と、
を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記切換弁は、前記給気位置における前記弁体の回動を規制する位置決め部を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
供給ポート、排気ポート、及び複数の吐出ポートを有する本体部と、
前記本体部内に摺動及び回動可能に設けられ、前記供給ポートからのエアを前記複数の吐出ポートの内の一部の吐出ポートより吐出させる給気位置と、前記吐出ポートから吐出しているエアを前記本体部外へ排気させる排気位置との間を移動自在の弁体と、
前記本体部の内部圧力と外部圧力との差圧を利用して、前記弁体を摺動させて前記給気位置と前記排気位置とに切換え、且つ、前記弁体を回動させて前記供給ポートと連通させる前記吐出ポートを切換える駆動機構と、
を有していることを特徴とする切換弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−87822(P2011−87822A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244809(P2009−244809)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
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