説明

切断ユニット

【課題】2回切断したり、打抜ダイセットを用いて打ち抜いたりすることなく、バリの発生を防止することができる切断ユニットを提供する。
【解決手段】切断ユニット10は、所定間隔を開けて配設された3組のはさみユニット20と、これらのはさみユニット20を同時に開閉する開閉駆動機構30とを備えており、1回の切断動作で、製袋された3つのスパウト付きパウチ容器SPを同時に切り離すことができるようになっている。各はさみユニット20は、剪断刃を有する刃部22Aに操作部23Aが連設された一対の外刃21A、21Aと、一対の外刃21A、21Aの間に挟み込まれる、剪断刃を有する刃部22Bに操作部23Bが連設された内刃21Bとを備えており、1回の切断作業で、僅かな間隔を開けた2カ所を同時に切断することができ、隣接するスパウト付きパウチ容器SPの境界部分を内刃21Bの厚みである1〜3mm程度の微少幅で切除することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、プラスチックフィルム製のパウチ容器を製袋する製袋装置等に搭載される切断ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルム製のパウチ容器としては、例えば、図9(a)〜(c)及び図10に示すように、両側縁が所定幅でヒートシールされた胴部P1の上端部及び下端部にトップガセット部P2及びボトムガセット部P3がそれぞれ形成されたパウチPのトップガセット部P2にスパウトSが装着されたスパウト付きパウチ容器SPがあり、パウチPは、胴部P1の上端部及び下端部の両側縁同士が相互にヒートシールされておらず、トップガセット部P2を形成するトップガセットシートの周縁部が、外側に折り広げられた胴部P1の上端部の周縁にヒートシールされていると共に、ボトムガセット部P3を形成するボトムガセットシートが、胴部P1の下部側から内側に折り込まれた状態で、その周縁部が胴部P1における下端部の周縁にヒートシールされている。また、ボトムガセットシートの両側縁には、図9(b)に示すように、二つ折りした状態で相互に一致する切欠部cがそれぞれ形成されており、この切欠部cを介して、胴部P1の下端部における両側縁同士が部分的にヒートシールされている。
【0003】
このスパウト付きパウチ容器SPを製袋する製袋装置は、長尺帯状の包材Mを送出しながら、その包材Mにおける幅方向のセンターラインの両側部分をそれぞれ使用してスパウト付きパウチ容器SPを製袋するようになっており、図11に示すように、合成樹脂シートによって形成された長尺帯状の包材Mをロール状に巻回してなる包材ロールRから包材Mを繰り出して送出する包材送出部61と、送出された包材Mに折目線を形成する折目線形成部62と、折目線が形成された包材MにおけるパウチPのトップガセット部P2に相当する部分にスパウト装着穴を形成すると共に、ボトムガセット部P3に相当する部分に切欠部c(図9(b)参照)となる切欠部形成穴を形成する穴形成部63と、包材Mの送出方向がパウチPの幅方向を向くように、包材Mをその幅方向に折り畳む折畳部64と、折り畳まれた包材Mにおけるトップガセット部P2に相当する部分に形成されたスパウト装着穴部分にスパウトSを装着するスパウト装着部65と、パウチPにおけるトップガセット部P2の周縁に相当する部分と、胴部P1の上縁に相当する部分とを所定幅でヒートシールする第1シール部66と、包材Mをその幅方向に分断する第1切断部67と、パウチPにおける胴部P1の側縁に相当する部分同士を所定幅でヒートシールすると共に、ボトムガセット部P3の周縁に相当する部分と胴部P1の下端部周縁に相当する部分とを所定幅でヒートシールする第2シール部68と、パウチPにおける胴部P1の側縁に相当する部分に形成された所定幅のヒートシール部分を切断することで、個別のスパウト付きパウチ容器SPに切り離す第2切断部69とを備えている。
【0004】
以下、上述した製袋装置60によるスパウト付きパウチ容器SPの製袋工程について説明する。包材送出部61から送出された包材Mに、折目線形成部62において、複数の折目線が形成された後、穴形成部63において、スパウト装着穴及び切欠部形成穴が順次形成され、続いて、折畳部64において、パウチPにおける胴部P1、トップガセット部P2及びボトムガセット部P3に相当する部分が形成されるように、各折目線に沿って、包材Mがその幅方向に折り畳まれる。
【0005】
このようにして折り畳まれた包材Mは、スパウト装着部65において、その両側部が起こされ、トップガセット部P2に相当する部分に形成されたスパウト装着穴に、スパウトSの本体部S1が挿入され、フランジ部S2がトップガセット部P2におけるスパウト装着穴の周縁にヒートシールされた後、スパウトSが装着されたトップガセット部P2に相当する部分が包材Mの幅方向の中央部分に折り重ねられる。
【0006】
続いて、第1シール部66において、シール部材66a、66aで挟み込むことで、パウチPにおけるトップガセット部P2の周縁に相当する部分と、胴部P1の上縁に相当する部分とが所定幅で略八角形状にヒートシールされた後、そのヒートシール部分が冷却されると共に、図12(a)、(b)に示すように、トップガセット部P2に相当する部分が略八角形状になるように、不要部分が切除される。なお、図12(a)における網掛け表示部分がヒートシール部分を示している。
【0007】
その後、第1切断部67において、包材Mが、そのセンターラインCLで切断された後、第2シール部68において、図13(a)に示すように、スパウトSが装着されたトップガセット部P2に相当する部分が起立するように折り畳まれ、同図(b)に示すように、その折り畳み部分を含むようにシール部材68a、68aで挟み込むことで、図14に示すように、パウチPにおける胴部P1の側縁に相当する部分同士が所定幅でヒートシールされると共に、ボトムガセット部P3の周縁に相当する部分と胴部P1の下端部周縁に相当する部分とが所定幅でヒートシールされた後、そのヒートシール部分が冷却されると共に、ボトムガセット部P3の下端コーナ部に相当する部分がR状になるように、不要部分が切除される。なお、図14における網掛け表示部分がヒートシール部分を示している。
【0008】
最後に、第2切断部69において、パウチPにおける胴部P1の側縁に相当する部分に形成された所定幅のヒートシール部分を、図14に一点鎖線で示す位置で切断すると、図15に示すように、トップガセット部P2が正面を向くように、パウチPが折り畳まれた状態で、スパウト付きパウチ容器SPが出来上がる。なお、図15における網掛け表示部分がヒートシール部分を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2008/096392号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、第2切断部69において、パウチPにおける胴部P1の側縁に相当する部分に形成された所定幅のヒートシール部分を切断する際、その切断位置が少しでもずれると、図16(a)、(b)に示すように、いずれか一方のパウチPにおけるボトムガセット部P3のR状の下端コーナ部にバリBが発生するといった問題がある。同図(a)において、一点鎖線が正規の切断位置を示しており、二点差線が位置ずれした実際の切断位置を示している。
【0011】
こういったバリの問題を解決するためには、第2切断部69のカッターを包材Mの搬送方向に僅かに移動させるか、包材Mを僅かに移動させて、本来の切断位置の前後2カ所を切断したり、打抜ダイセットを用いて打ち抜くことで、その切断部分を所定幅で切除したりすることが考えられるが、前者の方法では、切断作業を2回行わなければならないので、製袋装置の高速運転化の妨げになると共に、製袋装置自体が複雑になり、コストアップに繋がるといった新たな問題が発生し、後者の方法を採用すると、打抜型や駆動部等が包材MやスパウトS(スパウト付きパウチ容器SP)の走行空間に配設されることになるので、ゴミや油の包材MやスパウトS(スパウト付きパウチ容器SP)への付着、メンテナンス性の低下、型替作業が繁雑になるといった新たな問題が発生すると共に、打抜型の刃が一部でも摩耗したり、欠けたりすると、切除できなくなるといった、打抜ダイセット特有の問題もある。特に、包材MやスパウトS(スパウト付きパウチ容器SP)へのゴミ等の付着については、食品、医療向けの包装やアセプティック充填包装の場合に大きな問題となる。
【0012】
そこで、この発明の課題は、上述したように、2回切断したり、打抜ダイセットを用いて打ち抜いたりすることなく、バリの発生を防止することができる切断ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、製袋装置に搭載される切断ユニットであって、剪断刃を有する刃部に操作部が連設された一対の外刃と、一対の前記外刃の間に挟み込まれる、剪断刃を有する刃部に操作部が連設された内刃と、前記刃部及び前記操作部の境界部分で、一対の前記外刃及び前記内刃を回動可能に支持する支持軸とを有するはさみユニットと、前記外刃の前記操作部と前記内刃の前記操作部とを操作することで、前記はさみユニットを開閉する開閉駆動機構とを備えていることを特徴とする切断ユニットを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、請求項1に係る発明の切断ユニットは、一対の外刃と、一対の外刃の間に挟み込まれる内刃とを有するはさみユニットによって切断するので、1回の切断作業で、僅かな間隔(一対の外刃の間隔)を開けた2カ所を同時に切断することができ、製袋装置の高速運転化の妨げになることがなく、搭載する製袋装置自体が複雑になることもない。
【0015】
また、この切断ユニットを製袋装置に搭載する場合、はさみユニットの外刃及び内刃の操作部と、はさみユニットを開閉する開閉駆動機構とを、包材の走行空間外に配置することができるので、ゴミや油が包材に付着しにくく、特に、食品、医療向けの包装やアセプティック充填包装装置に有効である。
【0016】
また、この切断ユニットは、構造が簡単ではさみユニットの専有面積も小さいので、メンテナンス性がよく、支持軸を長くして、外刃及び内刃を支持軸に沿って包材の搬送方向に移動させることができるようにしておけば、切断位置の調整等の型替作業も簡単に行うことができる。
【0017】
さらに、この切断ユニットは、打抜ダイセットとは異なり、はさみユニットを採用しているので、外刃や内刃が一部摩耗したり、欠けたりしても、切断することができ、耐久性に優れているという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)はこの発明にかかる切断ユニットの一実施形態が搭載されたスパウト付きパウチ容器の製袋装置を示す平面図、(b)は同上の製袋装置を示す側面図である。
【図2】同上の切断ユニットを示す右側面図である。
【図3】同上の切断ユニットを示す左側面図である。
【図4】同上の切断ユニットにおけるはさみユニットが開いた状態を示す図2のX−X線に沿った断面図である。
【図5】同上の切断ユニットにおけるはさみユニットが閉じた状態を示す図2のX−X線に沿った断面図である。
【図6】同上のはさみユニットを閉じたときの外刃の剪断ブレードと内刃の剪断刃部分との関係を示す詳細平面図である。
【図7】はさみユニットの変形例を示す剪断刃部分の詳細平面図である。
【図8】はさみユニットの変形例を示す剪断刃部分の詳細平面図である。
【図9】(a)は同上の製袋装置によって製袋されるスパウト付きパウチ容器を示す平面図、(b)は同上のスパウト付きパウチ容器を示す正面図、(c)は(b)のY−Y線に沿った断面図である。
【図10】同上のスパウト付きパウチ容器に内容物を充填した状態を示す斜視図である。
【図11】従来の切断ユニットが搭載されたスパウト付きパウチ容器の製袋装置を示す概略構成図である。
【図12】(a)、(b)は同上の製袋装置によるトップガセット部の不要部の切除工程を説明するための説明図である。
【図13】(a)、(b)は同上の製袋装置による第2シール部のシール工程を説明するための説明図である。
【図14】同上の製袋装置による第2シール部のシール工程を説明するための説明図である。
【図15】同上の製袋装置による製袋直後のスパウト付きパウチ容器を示す正面図である。
【図16】(a)、(b)は同上の製袋装置(切断ユニット)の問題点を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)、(b)は、本発明の切断ユニットが搭載された、図9(a)〜(c)及び図10に示すスパウト付きパウチ容器SPの製袋装置1を示している。この製袋装置1は、図1(a)、(b)に示すように、合成樹脂シートによって形成された長尺帯状の包材Mをロール状に巻回してなる包材ロールRから包材Mを繰り出して送出する包材送出ユニット2と、包材MにおけるパウチPのトップガセット部P2に相当する部分にスパウト装着穴を形成すると共に、ボトムガセット部P3に相当する部分に切欠部c(図9(b)参照)となる切欠部形成穴を形成する穴形成ユニット3と、送出された包材Mに折目線を形成する折目線形成ユニット4と、包材Mの送出方向がパウチPの幅方向を向くように、包材Mをその幅方向に折り畳む折畳ユニット5と、折り畳まれた包材Mにおけるトップガセット部P2に相当する部分に形成されたスパウト装着穴部分にスパウトSを装着するスパウト装着ユニット6と、パウチPにおけるトップガセット部P2の周縁に相当する部分と、胴部P1の上縁に相当する部分とを所定幅でヒートシールすると共に、ボトムガセット部P3の周縁に相当する部分と胴部P1の下端部周縁に相当する部分とを所定幅でヒートシールするシールユニット7と、スパウトSが装着されたトップガセット部P2に相当する部分が起立するように、胴部P1の上端部に相当する部分を折り畳み、その折り畳み部分を含むようにシールバーで挟み込むことで、シール不良が発生しやすい胴部P1の上縁と側縁との境界部分及び胴部P1の下縁と側縁との境界部分を局部的に再度ヒートシールする局部シールユニット8と、ボトムガセット部P3の下端コーナ部に相当する部分がR状になるように、不要部分を切除するボトム切除ユニット9と、所定幅のヒートシール部分を切断することで、個別のスパウト付きパウチ容器SPに切り離す切断ユニット10とを備えており、スパウト装着ユニット6、シールユニット7、局部シールユニット8、ボトム切除ユニット9及び切断ユニット10では、包材Mの送出方向に隣接する3つのスパウト付きパウチ容器SPに相当する部分を同時に処理するようになっている。
【0020】
また、折畳ユニット5とスパウト装着ユニット6との間には、折り畳まれた包材Mを連続的に送り出す連続送りユニット11が設置されていると共に、局部シールユニット8の下流側には、包材Mを間欠的に送り出す間欠送りユニット12が設けられており、連続送りユニット11とスパウト装着ユニット6との間には、間欠送りユニット12が停止中に、連続送りユニット11から送られてくる折り畳まれた状態の包材を蓄えるアキュームユニット13が設けられている。
【0021】
前記スパウト装着ユニット6は、包材Mにおけるトップガセット部P2に相当する部分に形成されたスパウト装着穴に、スパウトSの本体部S1を挿入すると共にフランジ部S2を包材Mにおけるスパウト装着穴の周縁にヒートシールすることで、スパウトSを包材Mに仮接着するスパウト挿入・接着部6aと、スパウトSのフランジ部S2を包材Mにおけるスパウト装着穴の周縁に再度ヒートシールすることで、スパウトSを包材Mに本接着するスパウト接着部6bと、スパウトSと包材Mとのヒートシール部分を冷却するスパウト冷却部6cとを備えており、スパウト装着ユニット6では、スパウトSのスパウト装着穴への挿入、仮接着、本接着、冷却の各工程が順次実行される。
【0022】
前記シールユニット7は、包材Mにおけるトップガセット部P2の周縁に相当する部分と、胴部P1の上端部周縁に相当する部分とを所定幅でヒートシールすると共に、ボトムガセット部P3の周縁に相当する部分と胴部P1の下端部周縁に相当する部分とを所定幅でヒートシールするトップ・サイド・ボトム接着部7aと、包材Mのヒートシール部分を冷却する冷却部7bと、包材Mにおけるトップガセット部P2に相当する部分が略八角形状になるように、不要部分を切除する切除部7cとを備えており、シールユニット7では、包材Mの接着、冷却、切除の各工程が順次実行される。
【0023】
前記局部シールユニット8は、シール不良が発生しやすい胴部P1の上縁と側縁との境界部分及び胴部P1の下縁と側縁との境界部分を局部的に再度ヒートシールする局部接着部8aと、そのヒートシール部分を冷却する冷却部8bとを備えており、包材Mの局部接着、冷却の各工程が順次実行される。
【0024】
以下、上述した製袋装置1に搭載された切断ユニット10について詳細に説明する。この切断ユニット10は、図2〜図5に示すように、所定間隔を開けて配設された3組のはさみユニット20と、これらのはさみユニット20を同時に開閉する開閉駆動機構30とを備えており、1回の切断動作で、製袋された3つのスパウト付きパウチ容器SPを同時に切り離すことができるようになっている。
【0025】
各はさみユニット20は、同図に示すように、剪断刃を有する剪断ブレードが取り付けられた刃部22Aに操作部23Aが連設された一対の外刃21A、21Aと、一対の外刃21A、21Aの間に挟み込まれる、剪断刃を有する刃部22Bに操作部23Bが連設された内刃21Bとを備えており、各はさみユニット20を構成している一対の外刃21A、21A及び内刃21Bは、刃部22A、22B及び操作部23A、23Bの境界部分を貫通する共通の支持軸24及びその支持軸24の所定位置に位置決めすると共にコイルバネ等によって一対の外刃21A、21Aを内刃21B側に付勢する位置決め・付勢部材25によって、回動可能に支持されている。
【0026】
前記支持軸24は、包材Mの走行ラインの下方側に配設された基台50の天板51に立設された支持部材26に、その両端部が固定されており、各はさみユニット20を構成している一対の外刃21A、21A及び内刃21Bの操作部23A、23Bは、天板51に形成された開口51aから基台50の内側に入り込んでおり、操作部23A、23Bの下端には、カムフォロア23Aa、23Baがそれぞれ取り付けられている。
【0027】
前記開閉駆動機構30は、同図に示すように、基台50の天板51から垂下した支持部材32を介して、基台50の内部に支持されたベースプレート31と、ベースプレート31の上面に固定された、包材Mの搬送方向に直行する方向に延びる平行な2本のスライドレール33、33と、各スライドレール33に沿って摺動する一対のスライダ34A、34Bと、包材Mの搬送方向に隣り合う、スライダ34A、34A同士及びスライダ34B、34B同士を、その上面側で相互に連結する連結プレート35A、35Bと、各連結プレート35A、35Bの上面に固定された、カムフォロア23Aa、23Baがそれぞれ嵌り込むカム溝を有する凹状部材36A、36Bと、ベースプレート31に支持部材38を介して取り付けられたモータ37と、一端側が、ベースプレート31の下面に取り付けられた軸受40Aを介して、回転可能に支持された、包材Mの搬送方向に直行する方向に延びる、外周面に雄ねじが形成されたねじ軸39Aと、他端側が、ベースプレート31の下面に取り付けられた軸受40Bを介して、回転可能に支持された、包材Mの搬送方向に直行する方向に延びる、外周面に雄ねじが形成されたねじ軸39Bと、ねじ軸39Aの他端とねじ軸39Bの一端とを回り止めした状態で連結する連結部材41と、ねじ軸39Aの一端をモータ37の駆動軸に連結するジョイント部材42と、ねじ軸39A及びねじ軸39Bにそれぞれ螺合しているナット43A、43Bと、ベースプレート31に形成された開口31a、31bを通って連結プレート35A、35Bとナット43A、43Bとをそれぞれ連結する連結部材44A、44Bとを備えており、ねじ軸39Aとねじ軸39Bとは、その外周面に形成された雄ねじの向きが逆になっている。
【0028】
従って、モータ37を正逆転させると、図4及び図5に示すように、ねじ軸39Aとねじ軸39Bがモータ37の駆動軸と同様に回転してナット43A、43Bが逆方向に移動し、これに伴って、スライダ34A及びスライダ34Bがスライドレール33、33に沿って接近離反するので、各はさみユニット20が同時に開閉して、製袋された3つのスパウト付きパウチ容器SPを同時に切り離すことができるようになっている。このとき、一対の外刃21A、21Aは一体的に動き、コイルバネ等で付勢されている一対の外刃21A、21Aと内刃21Bとが順次接触しながら閉じていくことによって、包材Mが切断される。
【0029】
以上のように、この切断ユニット10は、一対の外刃21A、21Aと、一対の外刃21A、21Aの間に挟み込まれる内刃21Bとを有するはさみユニット20によって包材Mを切断するようになっているので、隣接するスパウト付きパウチ容器SPの境界部分が、内刃21Bの厚みである1〜3mm程度の微少幅で切除されることになる。従って、包材Mからスパウト付きパウチ容器SPを切り離す際、その切断位置が僅かにずれたとしても、隣接するスパウト付きパウチ容器SPの境界が、一対の外刃21A、21Aの間に位置している限り、切り離したスパウト付きパウチ容器SPにおけるボトムガセット部P3のR状の下端コーナ部にバリBが発生することがない。
【0030】
また、この切断ユニット10は、図5に示すように、はさみユニット20を閉じると、図6に示すように、内刃21Bにおける剪断刃22Ba、22Baが形成された刃部22Bの前端部が、一対の外刃21A、21Aの刃部22A、22Aに取り付けられた、前端側に剪断刃22Aaを有する剪断ブレードBL、BLの後方側に突出するようになっており、しかも、剪断ブレードBL、BLの後端面の内側エッジを尖らせているので、包材Mの切除かすが剪断ブレードBL、BLの間に貯まり難くなっている。
【0031】
また、この切断ユニット10では、1回の切断作業で、僅かな間隔(一対の外刃21A、21Aの間隔、即ち、内刃21Bの厚み)を開けた2カ所を同時に切断することができるので、切断作業を2回行う必要がなく、製袋装置1の高速運転化の妨げになることがないと共に、製袋装置1自体が複雑になることもない。
【0032】
また、この切断ユニット10では、はさみユニット20の外刃21A、21A及び内刃21Bの操作部23A、23Bと、はさみユニット20を開閉する開閉駆動機構30とを、包材Mの走行空間外である基台50の内部空間に配置することができるので、ゴミや油が包材Mに付着しにくく、特に、食品、医療向けの包装やアセプティック充填包装装置に有効である。
【0033】
また、この切断ユニット10は、構造が簡単で、各はさみユニット20の専有面積も小さいので、メンテナンス性がよく、しかも、位置決め・付勢部材25によって、外刃21A、21A及び内刃21Bを支持軸24の任意の位置に位置決めすることができるので、切断位置の調整等も簡単に行うことができる。特に、製袋しようとするパウチを幅の異なるパウチに変更する場合、打抜ダイセットでは、面倒で手間のかかる型交換作業を行わなければならないが、この切断ユニット10では、各はさみユニット20の位置調整を行うだけでよいので、型替作業を簡単に行うことができる。
【0034】
さらに、この切断ユニット10は、打抜ダイセットとは異なり、はさみユニット20を採用しているので、外刃21A、21Aや内刃21Bが一部摩耗したり、欠けたりしても、切断することができ、耐久性に優れているという利点もある。
【0035】
なお、上述した実施形態では、包材Mの切除かすを外刃21A、21Aの剪断ブレードBL、BLの間に貯まりにくくするために、はさみユニット20を閉じると、内刃21Bにおける剪断刃22Ba、22Baが形成された刃部22Bの前端部が、一対の外刃21A、21Aの剪断ブレードBL、BLの後方側に突出するようになっているが、図7に示すように、剪断ブレードBL、BLの後端面に、内刃21Bの刃部22Bの通路側に張り出す、合成樹脂やゴム等によって形成された可撓性を有するシャッタ片27、27をそれぞれ固着しておくと、シャッタ片27、27を押し広げて、外刃21A、21Aの剪断ブレードBL、BLの後方側に突出した内刃21Bの刃部22Bの前端部が初期位置に復帰する際、内刃21Bの刃部22Bの前端面に付着した切除かすが、シャッタ片27、27によって、刃部22Bから確実に剥離されるので、包材Mの切除かすが外刃21A、21Aの剪断ブレードBL、BLの間に貯まるのを確実に防止することができる。
【0036】
また、上述したように、剪断ブレードBL、BLの後端面にシャッタ片27、27を取り付ける代わりに、内刃21Bの刃部22Bの前端面からエアを吹き出させることによって、刃部22Bの前端面に付着した切除かすを剥離することも可能である。
【0037】
また、上述した実施形態では、一対の外刃21A、21Aの刃部22A、22Aの同一位置に剪断刃22Aa、22Aaがくるように、剪断ブレードBL、BLを取り付けているが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、それぞれの剪断刃22Aa、22Aaが相互に位置ずれするように、一方の剪断ブレードBLと他方の剪断ブレードBLとを、それぞれの刃部22A、22Aに取り付けておくと、最も切断抵抗が大きい切断初期に一対の剪断刃22Aa、22Aaが同時に包材Mを切断することがなく、切断の初期抵抗を小さくすることができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、1回の切断動作で、製袋された3つのスパウト付きパウチ容器SPを同時に切り離すことができるように、同時に開閉する3組のはさみユニット20を設けているが、はさみユニット20の設置数は特に限定されるものではない。
【0039】
また、本発明の切断ユニットを搭載する製袋装置は、上述したようなトップガセット部P2及びボトムガセット部P3を有するパウチのトップガセット部にスパウトSが装着されたスパウト付きパウチ容器SPの製袋装置1に限定されるものではなく、サイドガセットタイプのスパウト付きパウチ容器、ボトムガセットタイプのスパウト付きパウチ容器、スパウトのないサイドガセットタイプのパウチ容器、ボトムガセットタイプのパウチ容器及び平袋タイプのパウチ容器の製袋装置に搭載することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
長尺帯状の包材を送出しながら製袋し、製袋されたパウチ容器を順次切り離していく製袋装置の切断ユニットとして利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 製袋装置
2 包材送出ユニット
3 穴形成ユニット
4 折目線形成ユニット
5 折畳ユニット
6 スパウト装着ユニット
7 シールユニット
8 局部シールユニット
9 ボトム切除ユニット
10 切断ユニット
11 連続送りユニット
12 間欠送りユニット
13 アキュームユニット
20 はさみユニット
21A 外刃
21B 内刃
22A、22B 刃部
22Aa、22Ba 剪断刃
23A、23B 操作部
23Aa、23Ba カムフォロア
24 支持軸
25 位置決め・付勢部材
26 支持部材
27 シャッタ片
30 開閉駆動機構
31 ベースプレート
31a、31b 開口
32 支持部材
33 スライドレール
34A、34B スライダ
35A、35B 連結プレート
36A、36B 凹状部材
37 モータ
38 支持部材
39A、39B ねじ軸
40A、40B 軸受
41 連結部材
42 ジョイント部材
43A、43B ナット
44A、44B 連結部材
50 基台
51 天板
51a 開口
BL 剪断ブレード
M 包材
SP スパウト付きパウチ容器
S スパウト
P パウチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋装置に搭載される切断ユニットであって、
剪断刃を有する刃部に操作部が連設された一対の外刃と、
一対の前記外刃の間に挟み込まれる、剪断刃を有する刃部に操作部が連設された内刃と、
前記刃部及び前記操作部の境界部分で、一対の前記外刃及び前記内刃を回動可能に支持する支持軸とを有するはさみユニットと、
前記外刃の前記操作部と前記内刃の前記操作部とを操作することで、前記はさみユニットを開閉する開閉駆動機構とを備えていることを特徴とする切断ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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