切断機における改良又は切断機に関する改良
【課題】切断機械内で駆動ベルトを駆動させるために駆動トレインを介して駆動モータに接続される切断機械100用の駆動ローラ組立体。
【解決手段】駆動ローラ組立体は分解される必要がなくその全体が容易に取り外されて交換され得るように構成され、第1の端部及び第2の端部を有する駆動シャフトを含む。駆動ベルトが変更されるときは、駆動ローラ組立体も切断機械から取外される。分割リング300が、第1のベアリングとシャフトの第1の端部との間においてシャフトの第1の端部の上に配置され、この分割リングは第1のベアリングを駆動シャフトの第1の端部に固定する円錐表面を有する。第2の端部には、ハウジング内に保持される第2のベアリングが設けられている。ハウジングは機械装置上に着脱自在に装着され、駆動ベルトを交換する必要がある場合、ハウジングが取り外され、駆動ローラ組立体の近傍の任意の別の機構を分解せずに駆動ローラ組立体全体が取り外され得るようになる。
【解決手段】駆動ローラ組立体は分解される必要がなくその全体が容易に取り外されて交換され得るように構成され、第1の端部及び第2の端部を有する駆動シャフトを含む。駆動ベルトが変更されるときは、駆動ローラ組立体も切断機械から取外される。分割リング300が、第1のベアリングとシャフトの第1の端部との間においてシャフトの第1の端部の上に配置され、この分割リングは第1のベアリングを駆動シャフトの第1の端部に固定する円錐表面を有する。第2の端部には、ハウジング内に保持される第2のベアリングが設けられている。ハウジングは機械装置上に着脱自在に装着され、駆動ベルトを交換する必要がある場合、ハウジングが取り外され、駆動ローラ組立体の近傍の任意の別の機構を分解せずに駆動ローラ組立体全体が取り外され得るようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断機における改良又は切断機に関する改良に関し、より詳細には、駆動ベルトを交換するための駆動ローラ組立体の取外しに関する。
【背景技術】
【0002】
BE−A−1000675が、バンドを形成するために、固定式切刃の縁部の垂直面に対してほぼ垂直な方向において繊維が位置合わせされる繊維切断機を開示している。バンドは、固定式切刃及び少なくとも1つの移動式切刃に向かうように段階的に移送されて固定式切刃の近傍で支持され、その結果、その底面及び側面の各々が1つの表面によって支持される。切断される繊維区間の長さに等しい量だけバンドが切刃に向かって前進するとき、接触表面がバンドを把持する。バンドは一時的に停止した状態となり、支持表面の間でクランプされ、その結果、バンドの一部分が移動式切刃と固定式切刃との間を延在することになる。移動式切刃が固定式切刃に向かって移動しそこを通過し、それにより繊維のバンドが分断され、繊維が所定の大きさ又は長さに切断される。繊維が切断されると、バンドは支持表面によって解放され、接触表面が固定式切刃の近傍から離れるように移動し、そこから所定の距離だけ離れたところでバンドを把持し、バンドを固定式切刃に向けて前進させる。支持表面、接触表面及び移動式切刃は、切断段階の際、バンドを移動させ且つ適切な位置でクランプするために同時に動作する。
【0003】
バンドは、駆動ローラ組立体を介してモータによって駆動される駆動ベルトによって切断機を通過するように移送される。駆動ベルトを取り替える必要がある場合、駆動ローラ組立体は切断機から取り外される必要があり、しばしば、駆動ローラ組立体並びにそれに隣接する機構を分解することが必要となる。このような分解により磨耗が増加し、駆動ローラ組立体内の構成要素が損傷する可能性が増大する。
【0004】
GB−A−15398(1909年に付与された英国特許)が、ボール・ベアリング(ボール・ベアリング・レースと呼ばれる場合もある)をシャフトに装着するのに円錐形の分割リングが使用されるようなフリクション・ベアリングの装着を開示している。一実施例では、シャフトがそれ自体に直接に装着される円錐形の分割リングを有しており、円錐形の外側表面を形成する。ボール・ベアリングの内部ケーシングが、形状が円錐形であり円錐形の分割リングの上に装着される内側表面を有する。別の実施例では、円錐形の分割リングは、シャフト上に装着された外側円錐表面とボール・ベアリングの内側リングとの間に挿置される。この実施例では、ボール・ベアリングの内部ケーシングは円筒表面を有する。各実施例において、円錐形の分割リングの一方の端部の外側表面上に並目ねじが形成されている。ナットがこの並目ねじ上で締められると、ボール・ベアリングがさらに押されて、円錐形の分割リング上をシャフト上にくる。これにより、事実上、ボール・ベアリングが円錐形の分割リングに、そしてシャフト上に、堅固に締着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】BE−A−1000675
【特許文献2】GB−A−15398
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、駆動ベルトの取替えを容易にするために駆動ローラ組立体を切断機械内に着脱自在に装着するための構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、フレームと、該フレーム内に装着される駆動ローラ組立体とを有する機械が提供され、上記機械は、上記駆動ローラ組立体を装着するための第1及び第2のベアリングをさらに有し、上記駆動ローラ組立体は第1の端部及び第2の端部を有するシャフトを有し、駆動ローラがシャフト上で第1の端部と第2の端部との間に装着され、シャフトの第1の端部が第1のベアリング内に収容され、シャフトの第2の端部が第2のベアリング内に収容され、駆動ローラ組立体がシャフトの第2に端部に取り付けられる駆動部材をさらに有する、機械において、この機械は、駆動ローラ組立体が、第1のベアリングとシャフトの第1の端部との間においてシャフトの第1の端部上に配置される分割リングをさらに有し、分割リングが第1のベアリングに対してシャフトの第1の端部を位置決めする円錐表面を有し、第2のベアリングが、フレーム上に着脱自在に装着されるハウジング内に装着される、ことを特徴とする。分割リングを使用することにより、第1のベアリングに対してシャフトを正確に位置決めすることが可能となり、第2のベアリングがハウジング内に収容されることにより、機械の内部に接触する必要がなく容易に取り外すことが可能となる。
【0008】
理想的には、分割リングは、その上に第1のベアリングが配置される円筒外側表面を有する。これは、第1のベアリングを修正する必要がないこと及び第1のベアリングけが容易に調達され得ることを意味する。
【0009】
駆動ローラ組立体は、分割リングの表面に係合されることにより、シャフトの第1の端部に対する第1のベアリングの位置決めを行うロック構造体をさらに有することができる。説明する実施例では、分割リングの表面は、分割リングの円錐表面から外向きに延在する肩部を有する。
【0010】
シャフトの第1の端部はねじ部分を含んでいてよく、ロック構造体は、ねじ部分に係合し、分割リングの表面に当接し、分割リングを駆動ローラに向かうように移動させて、第1のベアリングを適所に固定する、ナットを有する。
【0011】
本発明はまた、機械の一構成要素として使用される駆動ローラ組立体に関連する。
【0012】
本発明をより良く理解するために、次に、単なる例としての添付図面を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図1B】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図1C】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図1D】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図2】本発明による駆動ローラを示す斜視図である。
【図3】図2に示される駆動ローラの平面図である。
【図4】図2から図3に示される駆動ローラを示す端部正面図である。
【図5】本発明による円錐形の分割リングを示す斜視図である。
【図6】図5に示される円錐形の分割リングを示す平面図である。
【図7】図6に示される円錐形の分割リングを通る断面VII−VIIを示す図である。
【図8】本発明によるボール・ベアリング・ハウジングを示す斜視図である。
【図9】図8に示されるボール・ベアリング・ハウジングを示す平面図である。
【図10】図9に示されるボール・ベアリング・ハウジングを通る断面X−Xを示す図である。
【図11】本発明による駆動ローラ組立体用のカバーを示す斜視図である。
【図12】図11に示されるカバーを示す平面図である。
【図13】図12に示されるカバーを示す端部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は切断機械のための駆動ローラ組立体を言及して説明されるが、駆動ローラ組立体の近傍にある多くの構成要素を取り外したり分解したりする必要がなく駆動ローラ組立体を取り外したり所定位置に戻したりすることが必須となるような別の用途にも本発明が使用され得ることは容易に理解されよう。
【0015】
図1A、図1B、図1C及び図1Dを最初に参照すると、切断機100が部分的に示されている。図1A及び図1Dは、機械の前方から見ると右側となる一方の側面を示しており、図1Bはもう一方の側面すなわち左側を示している。図1Cは、駆動ローラが配置される場所における、機械を通る垂直方向の断面図を示している。駆動ローラ200が水平方向において切断機械を横断している。駆動ローラ200は、切断機100を通過して切断される移送材料ための駆動ベルト102に係合するローラ部分220がその上に装着される駆動シャフト210を有する。駆動ローラは、例えば駆動チェーン101によってモータ(図示せず)に接続される。好適にはボール・ベアリング110及び140によって形成される第1及び第2のベアリングが、駆動シャフトを装着するために各々の側面に設けられる。
【0016】
図1B及び図2から図4に示されるように、駆動シャフト210は、ねじ部分232と、円錐形の外側表面部分234と、ねじ部分232と円錐形の外側表面部分234との間に配置される溝236とを有する第1の端部230を有する。
【0017】
図1C及び図1D並びに図2から図4に示されるように、駆動シャフトは、ねじ部分242と、直径の異なる2つの円筒部分244、246とを有する第2の端部240を有する。ねじ部分242は溝248によって2つの円筒部分244、246から分離される。
【0018】
機械100は、第1の端部230を受けるようにされた部分を有するフレームを有する。フレーム部分は、ボール・ベアリング110を受けることができるような大きさである凹部104を含む。第1の端部230のねじ部分232は、フレーム部分を通してアクセス可能である。
【0019】
第1の端部230の円錐形の外側表面部分234は、円錐形の分割リング300がその上に接触して装着される表面を形成する。円錐形の分割リング300は図5から図7を参照して後でより詳細に説明され、その動作は図1を参照して後でより詳細に説明される。
【0020】
次に図5から図7を参照すると、円錐形の分割リング300がより詳細に示されている。分割リング300は円筒外側表面310と円錐形の内側表面320とを有する。示されるように、肩部330が円筒外側表面310上に形成されている。分割リング300には単一のスプリット340が設けられる。円錐形の内側表面320は円筒外側表面310と実質的に同一の広がりを有し、肩部330と実質的に同一の広がりを有する内側円筒部分350で終端する。
【0021】
分割リング300には単一のスプリット340が設けられるが、分割リング300が、リングを形成するように配置された複数のセグメントを含むマルチ・セグメント・リングによって形成されてもよいことを理解されたい。
【0022】
次に図1Aから図1Dを再び参照すると、駆動ローラ200の駆動シャフト210の第1の端部230がボール・ベアリング110によって機械100の中に装着されており、ボール・ベアリング110は機械装置のフレーム103内に装着されている。ボール・ベアリング110の内径が円錐形の分割リング300の円筒外側表面310上に着座されるような態様で、分割リング300がボール・ベアリング110の内径と第1の端部230との間に適用される。円錐形の分割リング300の装着は後でより詳細に説明する。サークリップ120が切断機械のフレーム内に配置されており、それによりボール・ベアリング110がフレーム内の所定位置に維持される。止め座金130及び付随するロック・ナット135が第1の端部230のねじ部分232上に装着される。
【0023】
駆動シャフト210の第2の端部240は、複数のねじ150を用いて機械100のフレームにねじ止めされる、ハウジング400内に装着されたボール・ベアリング140によって機械100内で維持される。ねじ150は任意適当な大きさ及び構成であってよいが、本実施例で使用されるねじはDIN912−M8×10で指定される。ボール・ベアリング140は駆動シャフト210の円筒部分246上に装着される。歯車160が駆動シャフト210の円筒部分244上に装着される。歯車160は、モータ(図示せず)から駆動ローラ200まで駆動させる歯車列106の一部分を形成する。図8から図10を参照して後でより詳細に説明するように、サークリップ170が、ボール・ベアリング140をハウジング400内に維持するためにハウジング400内に配置されている。止め座金180及びロック・ナット185が歯車160を駆動シャフト210上の所定位置に維持する。図1A及び図1Dに示されるように、カバー500がねじ190によって機械100に固定されてハウジング400及び歯車160を覆っている。カバー500は図11から図13を参照して後でより詳細に説明される。
【0024】
止め座金130及び180はそれらに付随するロック・ナット135及び185と共に駆動ローラ200のための防振固定を実現し、機械100の動作時にロック・ナットが緩められるのを防止する。ロック・ナット135及び185は、駆動シャフト210のねじ部分232及び242上のねじ山の大きさに適した任意適当な大きさを有していてよい。本明細書では、ねじ部分232及び242は好適には同じねじ山を有することから、ナット135及び185は等しい。任意適当なねじ山及びナットが用意されてよいが、ここではナットはDIN1804−M30×1.5で指定される。止め座金130及び180はM30のねじ山に一致する。
【0025】
ねじ部分232及び242は等しい大きさのねじ山を有するものとして説明されるが、これらのねじ部分が異なる大きさのねじ山を有し、したがってロック・ナット及び付随する止め座金が異なる大きさのねじ山に適合するように選択されることも可能であることを理解されたい。
【0026】
次に図8から図10を参照して、ボール・ベアリング140のためのハウジング400をより詳細に説明する。ハウジング400は、示されるように、2つのフランジ部材420及び430を有するような形状である本体部分410を有する。フランジ部材420、430は複数の装着穴460、462、464、466、468、470を有し、これらの装着穴により、ねじ150(図1A)を用いてハウジング400が機械100のフレームに取り付けられ得る。
【0027】
本体部分410は、ボール・ベアリング140を受けることができる大きさである概略円筒形の中央部分440を有する。環状スロット又は溝450が、サークリップ170(図1C)を受けるために中央部分440の円筒壁内に設けられ、組立時にサークリップ170がボール・ベアリング140を所定位置に保持する。
【0028】
次に図11から図13を参照すると、カバー500が示されている。カバー500は、成形加工された凹部520を含む本体部分510を有する。成形加工された凹部520は、図1Aに示される歯車列106の部品に対応する領域530、540、550を有する。領域530は歯車160(図1A)を覆う領域に対応する。
【0029】
本発明による駆動ローラ組立体は、駆動ローラ200を図1から図13を参照して上で説明した構成要素と組み合わせることによって得られる。
【0030】
駆動ローラを取り外す場合、ボール・ベアリング110は概してフレーム内の所定位置に留まり、そこでサークリップ120によって保持されている。第1の端部230は、駆動ローラ200の装着時には分割リング300に係合され、駆動ローラ200が取り外される時は分割リング300から外される。分割リング300は、その円錐形の内側表面320が駆動シャフト210の円錐形の外側表面部分234の上にくるように係合する。止め座金130及びロック・ナット135がシャフト210の第1の端部230のねじ部分232上に装着され、その第1の端部上の駆動シャフトをフレームに固定する働きをする。
【0031】
ロック・ナット135はねじ部分232上にねじ止めされ、止め座金130が前方に押し込まれて分割リング300の肩部分330に当接される。ロック・ナットがさらにねじ込まれると分割リング300がローラ部分220に向かって押されるが、その間も分割リングはボール・ベアリング110内に係合されていることから、その円筒外側表面310はボール・ベアリングの円筒内側表面に面している。分割リング300がローラ部分220に対して移動すると、その円錐形の内側表面320が駆動シャフト210の円錐形の外側表面234に係合された状態でその上を移動する。これによりスロット340が狭くなり、分割リング300が円錐形の外側表面234を介して駆動シャフト210とボール・ベアリング110との両方を係合させ、駆動シャフト210の第1の端部230とボール・ベアリング110とが互いに対して確実に位置決めされる。
【0032】
駆動ローラ200の第2の端部240では、ボール・ベアリング140が、ハウジング400内において中央の円筒部分440(図10)内に装着され、図10に示されるようにハウジング400の中央の円筒部分440内に形成されたスロット又は溝450に係合されたサークリップ170によって所定位置に保持される。ボール・ベアリング140が所定位置にきて、駆動ローラ200がフレーム内に装着されると、ハウジング400が第2の端部240(図3)の上に配置され、ボール・ベアリング140の円筒内側表面(図示せず)が円筒部分246上に着座される。ハウジング400がねじ150により機械100のフレーム103に取り付けられる。歯車160がハウジング400に隣接して円筒部分244上に装着され、止め座金180及びロック・ナット185によって所定位置に保持される。次いで、カバー500が、ハウジング400及び歯車160を含む第2の端部240全体の上に配置される。カバー500はねじ190を用いて所定位置にねじ止めされ、歯車160がカバー500(図12)の凹部分530内に配置される。ねじ190は任意適当な大きさ及び構成であってよいが、本実施例で使用されるねじはDIN912−M12×40で指定される。このようにして、駆動ローラ200が、駆動ベルト102内に配置されるようになり、モータ(やはり図示せず)からの駆動を歯車列106を介して駆動ベルトに伝達するために駆動ベルトに接触できるようになる。
【0033】
駆動ローラ200と、ハウジング400と、サークリップ170によって維持されるボール・ベアリング140とを含む駆動ローラ組立体は、毎回機械の中に装着される際、機械100の中に挿入される前に構築されていてよいことを理解されたい。駆動ベルトが交換されるときは必ず、駆動ローラ組立体全体が取り外されて単一ユニットとして交換される。
【0034】
例えば駆動ベルト102を交換するために駆動ローラ組立体を取り外す必要がある場合、最初にロック・ナット135及び座金130が駆動ローラ200の第1の端部230上で解放され、駆動ローラの一方の側面が解放される。次いで、ねじ190を外すことによりカバー500が取り外される。これによりロック・ナット185及び座金180がアクセス可能になる。ロック・ナット185を外すことにより歯車160を取り外すことが可能となる。歯車160が取り外されると、ねじ150を外すことによりハウジング400が機械100のフレームから取り外され得るようになる。ボール・ベアリング140がハウジング400内に収容されていることから、ハウジングを取り外すことにより、サークリップ170によって保持されることによりハウジング内に留まっているボール・ベアリング140も取り外されることになる。ハウジング400が取り外されると、駆動ローラ組立体全体を機械100から引き抜くことが可能となり、ボール・ベアリング140は駆動シャフト210の第2の端部240上に装着されたままである。このように、駆動ベルト及び/又は駆動シャフトを交換する際、限定された数の構成要素のみをフレームから取り外せばよい。
【0035】
このように、本発明により、切断機内の駆動ベルトを容易に交換すること並びに駆動ローラを容易に取り外すことが可能となる。これは、分解を繰り返すことによる磨耗を実質的に排除して、駆動ローラを容易且つ正確に位置決め及び再位置決めするのを実現するように綿密に設計されたシステムによって達成される。実際には、ボール・ベアリング110はフレーム内の所定位置に留まり、ボール・ベアリング140はハウジング内に留まることから、これらのボール・ベアリングが誤って位置決めされる可能性が大幅に軽減され、それにより、ボール・ベアリングが誤って位置決めされることによる磨耗が軽減される。また、分割リングを使用することにより、駆動ローラをボール・ベアリング110内で正確に位置決めすることが可能となる。また、ボール・ベアリング140がハウジング400内に収容されることにより、ボール・ベアリング140を容易且つ正確に装着することが可能となる。
【0036】
駆動ローラの一方の端部では、分割リングにより、ベアリングに対して駆動ローラを正確に位置合わせすることが可能となり、分割リングにより、毎回駆動ベルトを取り替えるときにベアリングがフレーム上の所定位置に保持される。駆動ローラのもう一方の端部では、駆動モータからの駆動を駆動ローラに伝達するための歯車が配置される側において、中にボール・ベアリングが配置されるハウジングにより、機械の内部に接触する必要がなく駆動ローラ及びそのベアリングを引き抜くことが可能となる。またこれにより、例えば歯車列に付随する歯車などの隣接する機構を過度に分解する必要がなく駆動ローラ組立体を引き抜くことが可能となる。
【0037】
図9から分かるように、ハウジング400はその両側に孔464及び468を有する。これらの孔により、ハウジングを外すのに力が必要となる場合にハブ・プーラを使用することが可能となる。実際には、ハブ・プーラのアームがこれらの孔を貫通することができ、フレームに力を加えてハウジングをフレームから離れるように押すことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は切断機における改良又は切断機に関する改良に関し、より詳細には、駆動ベルトを交換するための駆動ローラ組立体の取外しに関する。
【背景技術】
【0002】
BE−A−1000675が、バンドを形成するために、固定式切刃の縁部の垂直面に対してほぼ垂直な方向において繊維が位置合わせされる繊維切断機を開示している。バンドは、固定式切刃及び少なくとも1つの移動式切刃に向かうように段階的に移送されて固定式切刃の近傍で支持され、その結果、その底面及び側面の各々が1つの表面によって支持される。切断される繊維区間の長さに等しい量だけバンドが切刃に向かって前進するとき、接触表面がバンドを把持する。バンドは一時的に停止した状態となり、支持表面の間でクランプされ、その結果、バンドの一部分が移動式切刃と固定式切刃との間を延在することになる。移動式切刃が固定式切刃に向かって移動しそこを通過し、それにより繊維のバンドが分断され、繊維が所定の大きさ又は長さに切断される。繊維が切断されると、バンドは支持表面によって解放され、接触表面が固定式切刃の近傍から離れるように移動し、そこから所定の距離だけ離れたところでバンドを把持し、バンドを固定式切刃に向けて前進させる。支持表面、接触表面及び移動式切刃は、切断段階の際、バンドを移動させ且つ適切な位置でクランプするために同時に動作する。
【0003】
バンドは、駆動ローラ組立体を介してモータによって駆動される駆動ベルトによって切断機を通過するように移送される。駆動ベルトを取り替える必要がある場合、駆動ローラ組立体は切断機から取り外される必要があり、しばしば、駆動ローラ組立体並びにそれに隣接する機構を分解することが必要となる。このような分解により磨耗が増加し、駆動ローラ組立体内の構成要素が損傷する可能性が増大する。
【0004】
GB−A−15398(1909年に付与された英国特許)が、ボール・ベアリング(ボール・ベアリング・レースと呼ばれる場合もある)をシャフトに装着するのに円錐形の分割リングが使用されるようなフリクション・ベアリングの装着を開示している。一実施例では、シャフトがそれ自体に直接に装着される円錐形の分割リングを有しており、円錐形の外側表面を形成する。ボール・ベアリングの内部ケーシングが、形状が円錐形であり円錐形の分割リングの上に装着される内側表面を有する。別の実施例では、円錐形の分割リングは、シャフト上に装着された外側円錐表面とボール・ベアリングの内側リングとの間に挿置される。この実施例では、ボール・ベアリングの内部ケーシングは円筒表面を有する。各実施例において、円錐形の分割リングの一方の端部の外側表面上に並目ねじが形成されている。ナットがこの並目ねじ上で締められると、ボール・ベアリングがさらに押されて、円錐形の分割リング上をシャフト上にくる。これにより、事実上、ボール・ベアリングが円錐形の分割リングに、そしてシャフト上に、堅固に締着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】BE−A−1000675
【特許文献2】GB−A−15398
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、駆動ベルトの取替えを容易にするために駆動ローラ組立体を切断機械内に着脱自在に装着するための構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、フレームと、該フレーム内に装着される駆動ローラ組立体とを有する機械が提供され、上記機械は、上記駆動ローラ組立体を装着するための第1及び第2のベアリングをさらに有し、上記駆動ローラ組立体は第1の端部及び第2の端部を有するシャフトを有し、駆動ローラがシャフト上で第1の端部と第2の端部との間に装着され、シャフトの第1の端部が第1のベアリング内に収容され、シャフトの第2の端部が第2のベアリング内に収容され、駆動ローラ組立体がシャフトの第2に端部に取り付けられる駆動部材をさらに有する、機械において、この機械は、駆動ローラ組立体が、第1のベアリングとシャフトの第1の端部との間においてシャフトの第1の端部上に配置される分割リングをさらに有し、分割リングが第1のベアリングに対してシャフトの第1の端部を位置決めする円錐表面を有し、第2のベアリングが、フレーム上に着脱自在に装着されるハウジング内に装着される、ことを特徴とする。分割リングを使用することにより、第1のベアリングに対してシャフトを正確に位置決めすることが可能となり、第2のベアリングがハウジング内に収容されることにより、機械の内部に接触する必要がなく容易に取り外すことが可能となる。
【0008】
理想的には、分割リングは、その上に第1のベアリングが配置される円筒外側表面を有する。これは、第1のベアリングを修正する必要がないこと及び第1のベアリングけが容易に調達され得ることを意味する。
【0009】
駆動ローラ組立体は、分割リングの表面に係合されることにより、シャフトの第1の端部に対する第1のベアリングの位置決めを行うロック構造体をさらに有することができる。説明する実施例では、分割リングの表面は、分割リングの円錐表面から外向きに延在する肩部を有する。
【0010】
シャフトの第1の端部はねじ部分を含んでいてよく、ロック構造体は、ねじ部分に係合し、分割リングの表面に当接し、分割リングを駆動ローラに向かうように移動させて、第1のベアリングを適所に固定する、ナットを有する。
【0011】
本発明はまた、機械の一構成要素として使用される駆動ローラ組立体に関連する。
【0012】
本発明をより良く理解するために、次に、単なる例としての添付図面を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図1B】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図1C】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図1D】切断機の一構成要素としての、本発明による駆動ローラ組立体を示す部分分解図である。
【図2】本発明による駆動ローラを示す斜視図である。
【図3】図2に示される駆動ローラの平面図である。
【図4】図2から図3に示される駆動ローラを示す端部正面図である。
【図5】本発明による円錐形の分割リングを示す斜視図である。
【図6】図5に示される円錐形の分割リングを示す平面図である。
【図7】図6に示される円錐形の分割リングを通る断面VII−VIIを示す図である。
【図8】本発明によるボール・ベアリング・ハウジングを示す斜視図である。
【図9】図8に示されるボール・ベアリング・ハウジングを示す平面図である。
【図10】図9に示されるボール・ベアリング・ハウジングを通る断面X−Xを示す図である。
【図11】本発明による駆動ローラ組立体用のカバーを示す斜視図である。
【図12】図11に示されるカバーを示す平面図である。
【図13】図12に示されるカバーを示す端部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は切断機械のための駆動ローラ組立体を言及して説明されるが、駆動ローラ組立体の近傍にある多くの構成要素を取り外したり分解したりする必要がなく駆動ローラ組立体を取り外したり所定位置に戻したりすることが必須となるような別の用途にも本発明が使用され得ることは容易に理解されよう。
【0015】
図1A、図1B、図1C及び図1Dを最初に参照すると、切断機100が部分的に示されている。図1A及び図1Dは、機械の前方から見ると右側となる一方の側面を示しており、図1Bはもう一方の側面すなわち左側を示している。図1Cは、駆動ローラが配置される場所における、機械を通る垂直方向の断面図を示している。駆動ローラ200が水平方向において切断機械を横断している。駆動ローラ200は、切断機100を通過して切断される移送材料ための駆動ベルト102に係合するローラ部分220がその上に装着される駆動シャフト210を有する。駆動ローラは、例えば駆動チェーン101によってモータ(図示せず)に接続される。好適にはボール・ベアリング110及び140によって形成される第1及び第2のベアリングが、駆動シャフトを装着するために各々の側面に設けられる。
【0016】
図1B及び図2から図4に示されるように、駆動シャフト210は、ねじ部分232と、円錐形の外側表面部分234と、ねじ部分232と円錐形の外側表面部分234との間に配置される溝236とを有する第1の端部230を有する。
【0017】
図1C及び図1D並びに図2から図4に示されるように、駆動シャフトは、ねじ部分242と、直径の異なる2つの円筒部分244、246とを有する第2の端部240を有する。ねじ部分242は溝248によって2つの円筒部分244、246から分離される。
【0018】
機械100は、第1の端部230を受けるようにされた部分を有するフレームを有する。フレーム部分は、ボール・ベアリング110を受けることができるような大きさである凹部104を含む。第1の端部230のねじ部分232は、フレーム部分を通してアクセス可能である。
【0019】
第1の端部230の円錐形の外側表面部分234は、円錐形の分割リング300がその上に接触して装着される表面を形成する。円錐形の分割リング300は図5から図7を参照して後でより詳細に説明され、その動作は図1を参照して後でより詳細に説明される。
【0020】
次に図5から図7を参照すると、円錐形の分割リング300がより詳細に示されている。分割リング300は円筒外側表面310と円錐形の内側表面320とを有する。示されるように、肩部330が円筒外側表面310上に形成されている。分割リング300には単一のスプリット340が設けられる。円錐形の内側表面320は円筒外側表面310と実質的に同一の広がりを有し、肩部330と実質的に同一の広がりを有する内側円筒部分350で終端する。
【0021】
分割リング300には単一のスプリット340が設けられるが、分割リング300が、リングを形成するように配置された複数のセグメントを含むマルチ・セグメント・リングによって形成されてもよいことを理解されたい。
【0022】
次に図1Aから図1Dを再び参照すると、駆動ローラ200の駆動シャフト210の第1の端部230がボール・ベアリング110によって機械100の中に装着されており、ボール・ベアリング110は機械装置のフレーム103内に装着されている。ボール・ベアリング110の内径が円錐形の分割リング300の円筒外側表面310上に着座されるような態様で、分割リング300がボール・ベアリング110の内径と第1の端部230との間に適用される。円錐形の分割リング300の装着は後でより詳細に説明する。サークリップ120が切断機械のフレーム内に配置されており、それによりボール・ベアリング110がフレーム内の所定位置に維持される。止め座金130及び付随するロック・ナット135が第1の端部230のねじ部分232上に装着される。
【0023】
駆動シャフト210の第2の端部240は、複数のねじ150を用いて機械100のフレームにねじ止めされる、ハウジング400内に装着されたボール・ベアリング140によって機械100内で維持される。ねじ150は任意適当な大きさ及び構成であってよいが、本実施例で使用されるねじはDIN912−M8×10で指定される。ボール・ベアリング140は駆動シャフト210の円筒部分246上に装着される。歯車160が駆動シャフト210の円筒部分244上に装着される。歯車160は、モータ(図示せず)から駆動ローラ200まで駆動させる歯車列106の一部分を形成する。図8から図10を参照して後でより詳細に説明するように、サークリップ170が、ボール・ベアリング140をハウジング400内に維持するためにハウジング400内に配置されている。止め座金180及びロック・ナット185が歯車160を駆動シャフト210上の所定位置に維持する。図1A及び図1Dに示されるように、カバー500がねじ190によって機械100に固定されてハウジング400及び歯車160を覆っている。カバー500は図11から図13を参照して後でより詳細に説明される。
【0024】
止め座金130及び180はそれらに付随するロック・ナット135及び185と共に駆動ローラ200のための防振固定を実現し、機械100の動作時にロック・ナットが緩められるのを防止する。ロック・ナット135及び185は、駆動シャフト210のねじ部分232及び242上のねじ山の大きさに適した任意適当な大きさを有していてよい。本明細書では、ねじ部分232及び242は好適には同じねじ山を有することから、ナット135及び185は等しい。任意適当なねじ山及びナットが用意されてよいが、ここではナットはDIN1804−M30×1.5で指定される。止め座金130及び180はM30のねじ山に一致する。
【0025】
ねじ部分232及び242は等しい大きさのねじ山を有するものとして説明されるが、これらのねじ部分が異なる大きさのねじ山を有し、したがってロック・ナット及び付随する止め座金が異なる大きさのねじ山に適合するように選択されることも可能であることを理解されたい。
【0026】
次に図8から図10を参照して、ボール・ベアリング140のためのハウジング400をより詳細に説明する。ハウジング400は、示されるように、2つのフランジ部材420及び430を有するような形状である本体部分410を有する。フランジ部材420、430は複数の装着穴460、462、464、466、468、470を有し、これらの装着穴により、ねじ150(図1A)を用いてハウジング400が機械100のフレームに取り付けられ得る。
【0027】
本体部分410は、ボール・ベアリング140を受けることができる大きさである概略円筒形の中央部分440を有する。環状スロット又は溝450が、サークリップ170(図1C)を受けるために中央部分440の円筒壁内に設けられ、組立時にサークリップ170がボール・ベアリング140を所定位置に保持する。
【0028】
次に図11から図13を参照すると、カバー500が示されている。カバー500は、成形加工された凹部520を含む本体部分510を有する。成形加工された凹部520は、図1Aに示される歯車列106の部品に対応する領域530、540、550を有する。領域530は歯車160(図1A)を覆う領域に対応する。
【0029】
本発明による駆動ローラ組立体は、駆動ローラ200を図1から図13を参照して上で説明した構成要素と組み合わせることによって得られる。
【0030】
駆動ローラを取り外す場合、ボール・ベアリング110は概してフレーム内の所定位置に留まり、そこでサークリップ120によって保持されている。第1の端部230は、駆動ローラ200の装着時には分割リング300に係合され、駆動ローラ200が取り外される時は分割リング300から外される。分割リング300は、その円錐形の内側表面320が駆動シャフト210の円錐形の外側表面部分234の上にくるように係合する。止め座金130及びロック・ナット135がシャフト210の第1の端部230のねじ部分232上に装着され、その第1の端部上の駆動シャフトをフレームに固定する働きをする。
【0031】
ロック・ナット135はねじ部分232上にねじ止めされ、止め座金130が前方に押し込まれて分割リング300の肩部分330に当接される。ロック・ナットがさらにねじ込まれると分割リング300がローラ部分220に向かって押されるが、その間も分割リングはボール・ベアリング110内に係合されていることから、その円筒外側表面310はボール・ベアリングの円筒内側表面に面している。分割リング300がローラ部分220に対して移動すると、その円錐形の内側表面320が駆動シャフト210の円錐形の外側表面234に係合された状態でその上を移動する。これによりスロット340が狭くなり、分割リング300が円錐形の外側表面234を介して駆動シャフト210とボール・ベアリング110との両方を係合させ、駆動シャフト210の第1の端部230とボール・ベアリング110とが互いに対して確実に位置決めされる。
【0032】
駆動ローラ200の第2の端部240では、ボール・ベアリング140が、ハウジング400内において中央の円筒部分440(図10)内に装着され、図10に示されるようにハウジング400の中央の円筒部分440内に形成されたスロット又は溝450に係合されたサークリップ170によって所定位置に保持される。ボール・ベアリング140が所定位置にきて、駆動ローラ200がフレーム内に装着されると、ハウジング400が第2の端部240(図3)の上に配置され、ボール・ベアリング140の円筒内側表面(図示せず)が円筒部分246上に着座される。ハウジング400がねじ150により機械100のフレーム103に取り付けられる。歯車160がハウジング400に隣接して円筒部分244上に装着され、止め座金180及びロック・ナット185によって所定位置に保持される。次いで、カバー500が、ハウジング400及び歯車160を含む第2の端部240全体の上に配置される。カバー500はねじ190を用いて所定位置にねじ止めされ、歯車160がカバー500(図12)の凹部分530内に配置される。ねじ190は任意適当な大きさ及び構成であってよいが、本実施例で使用されるねじはDIN912−M12×40で指定される。このようにして、駆動ローラ200が、駆動ベルト102内に配置されるようになり、モータ(やはり図示せず)からの駆動を歯車列106を介して駆動ベルトに伝達するために駆動ベルトに接触できるようになる。
【0033】
駆動ローラ200と、ハウジング400と、サークリップ170によって維持されるボール・ベアリング140とを含む駆動ローラ組立体は、毎回機械の中に装着される際、機械100の中に挿入される前に構築されていてよいことを理解されたい。駆動ベルトが交換されるときは必ず、駆動ローラ組立体全体が取り外されて単一ユニットとして交換される。
【0034】
例えば駆動ベルト102を交換するために駆動ローラ組立体を取り外す必要がある場合、最初にロック・ナット135及び座金130が駆動ローラ200の第1の端部230上で解放され、駆動ローラの一方の側面が解放される。次いで、ねじ190を外すことによりカバー500が取り外される。これによりロック・ナット185及び座金180がアクセス可能になる。ロック・ナット185を外すことにより歯車160を取り外すことが可能となる。歯車160が取り外されると、ねじ150を外すことによりハウジング400が機械100のフレームから取り外され得るようになる。ボール・ベアリング140がハウジング400内に収容されていることから、ハウジングを取り外すことにより、サークリップ170によって保持されることによりハウジング内に留まっているボール・ベアリング140も取り外されることになる。ハウジング400が取り外されると、駆動ローラ組立体全体を機械100から引き抜くことが可能となり、ボール・ベアリング140は駆動シャフト210の第2の端部240上に装着されたままである。このように、駆動ベルト及び/又は駆動シャフトを交換する際、限定された数の構成要素のみをフレームから取り外せばよい。
【0035】
このように、本発明により、切断機内の駆動ベルトを容易に交換すること並びに駆動ローラを容易に取り外すことが可能となる。これは、分解を繰り返すことによる磨耗を実質的に排除して、駆動ローラを容易且つ正確に位置決め及び再位置決めするのを実現するように綿密に設計されたシステムによって達成される。実際には、ボール・ベアリング110はフレーム内の所定位置に留まり、ボール・ベアリング140はハウジング内に留まることから、これらのボール・ベアリングが誤って位置決めされる可能性が大幅に軽減され、それにより、ボール・ベアリングが誤って位置決めされることによる磨耗が軽減される。また、分割リングを使用することにより、駆動ローラをボール・ベアリング110内で正確に位置決めすることが可能となる。また、ボール・ベアリング140がハウジング400内に収容されることにより、ボール・ベアリング140を容易且つ正確に装着することが可能となる。
【0036】
駆動ローラの一方の端部では、分割リングにより、ベアリングに対して駆動ローラを正確に位置合わせすることが可能となり、分割リングにより、毎回駆動ベルトを取り替えるときにベアリングがフレーム上の所定位置に保持される。駆動ローラのもう一方の端部では、駆動モータからの駆動を駆動ローラに伝達するための歯車が配置される側において、中にボール・ベアリングが配置されるハウジングにより、機械の内部に接触する必要がなく駆動ローラ及びそのベアリングを引き抜くことが可能となる。またこれにより、例えば歯車列に付随する歯車などの隣接する機構を過度に分解する必要がなく駆動ローラ組立体を引き抜くことが可能となる。
【0037】
図9から分かるように、ハウジング400はその両側に孔464及び468を有する。これらの孔により、ハウジングを外すのに力が必要となる場合にハブ・プーラを使用することが可能となる。実際には、ハブ・プーラのアームがこれらの孔を貫通することができ、フレームに力を加えてハウジングをフレームから離れるように押すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、前記フレーム内に装着される駆動ローラ組立体とを有する機械であって、前記機械が、前記駆動ローラ組立体を装着するための第1及び第2のベアリングをさらに有し、前記駆動ローラ組立体が第1の端部及び第2の端部を有するシャフトを有し、駆動ローラが前記シャフト上で前記第1の端部と前記第2の端部との間に装着され、前記シャフトの前記第1の端部が前記第1のベアリング内に収容され、前記シャフトの前記第2の端部が前記第2のベアリング内に収容され、前記駆動ローラ組立体が前記シャフトの前記第2の端部に取り付けられる駆動部材をさらに有する、機械において、
前記駆動ローラ組立体が、前記第1のベアリングと前記シャフトの前記第1の端部との間において前記シャフトの前記第1の端部上に配置される分割リングをさらに有し、前記分割リングが前記第1のベアリングに対して前記シャフトの前記第1の端部を位置決めする円錐表面を有し、前記第2のベアリングが、前記フレーム上に着脱自在に装着されるハウジング内に装着される、ことを特徴とする機械。
【請求項2】
前記分割リングの前記円錐表面がその内側表面であり、前記シャフトの前記第1の端部が、前記分割リングの前記円錐形の内側表面に係合される円錐形の外側表面部分を有する、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記分割リングが、前記第1のベアリングが配置される円筒外側表面を有する、請求項1又は2に記載の機械。
【請求項4】
前記駆動ローラ組立体が、前記フレームに対して前記第1のベアリングを固定するように作用するロック構造体をさらに有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
前記駆動ローラ組立体が、前記第2のベアリングを前記ハウジング内に固定するように作用する別のロック構造体をさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
前記分割リングの表面が、前記分割リングの前記円錐表面から外向きに延在する肩部を有する、請求項2又は3に記載の機械。
【請求項7】
前記シャフトの前記第1の端部がねじ部分を含み、前記ロック構造体が、前記分割リングを前記駆動ローラに向かうように移動させて前記第1のベアリングを所定位置に固定するために前記ねじ部分に係合して前記分割リングの前記表面に当接するナットを有する、請求項4又は5に記載の機械。
【請求項8】
前記ハウジングの外側において前記第2の端部上に装着される歯車が設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項9】
前記ハウジングを覆うように装着されるカバーが設けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の機械の一部分としての駆動ローラ組立体。
【請求項1】
フレームと、前記フレーム内に装着される駆動ローラ組立体とを有する機械であって、前記機械が、前記駆動ローラ組立体を装着するための第1及び第2のベアリングをさらに有し、前記駆動ローラ組立体が第1の端部及び第2の端部を有するシャフトを有し、駆動ローラが前記シャフト上で前記第1の端部と前記第2の端部との間に装着され、前記シャフトの前記第1の端部が前記第1のベアリング内に収容され、前記シャフトの前記第2の端部が前記第2のベアリング内に収容され、前記駆動ローラ組立体が前記シャフトの前記第2の端部に取り付けられる駆動部材をさらに有する、機械において、
前記駆動ローラ組立体が、前記第1のベアリングと前記シャフトの前記第1の端部との間において前記シャフトの前記第1の端部上に配置される分割リングをさらに有し、前記分割リングが前記第1のベアリングに対して前記シャフトの前記第1の端部を位置決めする円錐表面を有し、前記第2のベアリングが、前記フレーム上に着脱自在に装着されるハウジング内に装着される、ことを特徴とする機械。
【請求項2】
前記分割リングの前記円錐表面がその内側表面であり、前記シャフトの前記第1の端部が、前記分割リングの前記円錐形の内側表面に係合される円錐形の外側表面部分を有する、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記分割リングが、前記第1のベアリングが配置される円筒外側表面を有する、請求項1又は2に記載の機械。
【請求項4】
前記駆動ローラ組立体が、前記フレームに対して前記第1のベアリングを固定するように作用するロック構造体をさらに有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
前記駆動ローラ組立体が、前記第2のベアリングを前記ハウジング内に固定するように作用する別のロック構造体をさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
前記分割リングの表面が、前記分割リングの前記円錐表面から外向きに延在する肩部を有する、請求項2又は3に記載の機械。
【請求項7】
前記シャフトの前記第1の端部がねじ部分を含み、前記ロック構造体が、前記分割リングを前記駆動ローラに向かうように移動させて前記第1のベアリングを所定位置に固定するために前記ねじ部分に係合して前記分割リングの前記表面に当接するナットを有する、請求項4又は5に記載の機械。
【請求項8】
前記ハウジングの外側において前記第2の端部上に装着される歯車が設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項9】
前記ハウジングを覆うように装着されるカバーが設けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の機械の一部分としての駆動ローラ組立体。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−26072(P2012−26072A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−160407(P2011−160407)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(509203234)
【出願人】(509203223)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160407(P2011−160407)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(509203234)
【出願人】(509203223)
【Fターム(参考)】
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