説明

切断機

【課題】回転刃具の回転を停止させた状態で切断機本体を下限位置に位置させた場合であっても、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを軽減することにある。
【解決手段】第2搬送筒部71だけが、ブレードケース44に固定支持されるように一体化に結合して接続される。これに対し、第1搬送筒部61は切断機本体40とは別でスライダ37に対して固定支持された状態で取り付けられる。ここで、第2搬送筒部71の外径は第1搬送筒部61の外径より短く形成されて、第2搬送筒部71を第1搬送筒部61に挿し込むようになっている。第1搬送筒部61と第2搬送筒部71とは、集塵ボックス50に対するケース側集塵口445の相対位置の変更に応じて、第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対する挿し込み量が変更されることにより、第1搬送筒部61に対する第2搬送筒部71の連結した状態を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断加工により生ずる切断粉を集塵可能とする卓上形の切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スライドマルノコや卓上マルノコ等と称される卓上形の切断機(丸鋸盤)が知られている。この卓上形の切断機は、切断材を載置するテーブルと、このテーブルの背面側に配設される本体支持部と、この本体支持部により上下揺動可能に支持される切断機本体とを備える。また、切断機本体は、電動の駆動モータを駆動源として回転する円形の回転刃具を備える。この回転刃具は、周方向に刃先が設けられている。この回転刃具の外周の上側には、この回転刃具を覆うように形成されたブレードケースが配設されている。
この回転刃具は、切断部位から切断粉(鋸屑)を上方に吹き上げながら、回転することによって切断材を切断する。この際、吹き上げられた切断粉は、切断材の切断部位に堆積してしまうことがある。このように切断粉が堆積してしまうと、切断材に描かれるスミ線や切断部位を見えづらいものにしてしまう。そうすると、作業環境を損なわせたり、作業性に支障をきたしたりしてしまう。このため、この種の切断機にあっては、切断加工に伴って生ずる切断部位付近の切断粉を集塵あるいは除去するために様々な工夫がこらされている。
すなわち、上記した卓上形の切断機にあっては、回転刃具の回転によって生じる風の流れを利用して、ブレードケース内に飛散する切断粉を集塵ボックス等の集塵容器に集塵するものが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このように集塵する機能にあっては、集塵容器に向けて連通するように開口するケース側集塵口がブレードケース側に設けられており、回転刃具の回転によって生じる風は、このケース側集塵口を通じて集塵容器に送るものとなっている。
なお、この種の卓上形の切断機の集塵容器は、ブレードケース側のケース側集塵口に連通状態で連結させることにより支持されているため、切断機本体を上下揺動させた場合には、この上下揺動の影響を受け易いものとなっている。例えば、切断機本体が上限位置に位置している場合には、集塵容器の内部からケース側集塵口までの間は、ほぼ水平方向に並ぶように位置することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−108401
【特許文献2】特許第3445336号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで切断機本体は、切断作業後に切断機を持ち運び等する場合に、下限位置に位置させてロックされる。この場合、集塵容器の内部からケース側集塵口までの間については下向きに傾斜してしまう。このため、このロックされた状態の切断機を持ち運び等する場合には、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまい易い。そうすると、その後の作業環境を損なわせたり、作業性に支障をきたしたりしてしまうこととなりかねない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、切断加工により生ずる切断粉を集塵可能とする卓上形の切断機において、回転刃具の回転を停止させた状態で切断機本体を下限位置に位置させた場合であっても、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するにあたって、本発明に係る切断機は次の手段を採用する。
すなわち、本発明の第1の発明に係る切断機は、切断加工により生ずる切断粉を集塵可能とする卓上形の切断機であって、ベースと、該ベースにて支持され且つ切断材を載置する載置面を具備するテーブルと、該テーブルの該載置面に載置された切断材を切断等の加工をする切断機本体と、該ベースにて支持され且つ該切断機本体を該テーブルに対して上下に揺動可能に支持する本体支持部とを備え、前記切断機本体は、周面を当てて切断材を加工する回転刃具と、該回転刃具の外周部分に該回転刃具の周囲を囲うように配設されるブレードケースとを備え、前記ブレードケースには、該ブレードケース内の切断粉を、前記回転刃具の回転によって生じる風の流れを利用して送り出すケース側集塵口が形成されており、前記ケース側集塵口には、該ケース側集塵口から送り出された切断粉を集塵する集塵容器に向けて該切断粉を搬送するための搬送路構成部材が接続されており、前記搬送路構成部材は、前記集塵容器側に一端が接続される第1搬送路形成部材と、前記ケース側集塵口側に一端が接続される第2搬送路形成部材とを備え、前記第1搬送路形成部材は、前記切断機本体とは別で前記本体支持部に対して固定支持された状態で取り付けられており、前記第2搬送路形成部材は、前記ブレードケースに対して一体的に取付けられており、前記第1搬送路形成部材の他端と前記第2搬送路形成部材の他端とは前記切断機本体の揺動移動に応じて相対変位が許容されて連結されていることを特徴とする。
【0007】
この第1の発明に係る切断機によれば、第1搬送路形成部材と第2搬送路形成部材とは、上下に揺動する切断機本体の位置がいずれの位置に位置する場合であっても、第1搬送路形成部材と第2搬送路形成部材との連結状態を維持することができる。ここで、切断機本体が下限位置に位置する場合には、切断粉を搬送するための搬送路構成部材のうち第2搬送路形成部材だけが、ケース側集塵口に向かって下側に傾斜する部分とすることができる。つまり、第1搬送路形成部材については、本体支持部に対して固定支持されたものとし、切断機本体の揺動位置に関係無く、そのままの位置に維持させたままとすることができる。これによって、回転刃具の回転を停止させてケース側集塵口から集塵容器(例えば集塵ボックス)へと流れる送り風が止まってしまう場合であっても、この搬送路全体のうち第2搬送路形成部材だけが切断粉の自重の影響が受け易くなる搬送路構成部材とすることができる。
もって、例えば切断作業後に切断機を持ち運び等する場合には、回転刃具の回転を停止させた状態で切断機本体を下限位置に位置させてロックするが、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを軽減することができる。
【0008】
第2の発明に係る切断機は、前記第1の発明に係る切断機において、前記第1搬送路形成部材には、切断材を加工する場合に発生する切断粉のうち前記ブレードケース内に入らずに該ブレードケース外に飛散する切断粉を受ける飛散用集塵口を具備し、該切断粉を該飛散用集塵口から該第1搬送路形成部材に吸引する第3搬送路形成部材が配設されていることを特徴とする。
この第2の発明に係る切断機によれば、第1搬送路形成部材には切断粉を飛散用集塵口から第1搬送路形成部材に吸引する第3搬送路形成部材が配設されており、この飛散用集塵口は切断材を切断等の加工をする場合に発生する切断粉のうちブレードケース内に入らずにブレードケース外に飛散する切断粉を受けるようになっているので、切断材に板厚の薄いものが選択された場合等においてブレードケース内に入らずにブレードケース外に飛散した切断粉もこの飛散用集塵口を具備する第3搬送路形成部材から第1搬送路形成部材に吸引することができる。これによって、切断材に板厚の薄いものが選択された場合等であっても、切断加工に伴って生ずる切断部位付近の切断粉を好ましく集塵することができ、作業環境を良好に維持することができ、作業性も良好に維持することができる。
【0009】
第3の発明に係る切断機は、前記第1または前記第2の発明に係る切断機において、前記第1搬送路形成部材は、前記切断機本体の位置を移動することにより前記ケース側集塵口の高さ位置が最も高い位置に位置した場合の前記第2搬送路形成部材の延びる方向に比して、水平方向に沿うように延びていることを特徴とする。
この第3の発明に係る切断機によれば、第1搬送路形成部材は、第2搬送路形成部材の延びる方向に比して水平方向に沿うように延びているので、第1搬送路形成部材は、より確実に第2搬送路形成部材に比して切断粉の落ち方向への力の影響を受け難い状態とすることができる。これによって、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを、第2搬送路形成部材の部分に限定することできて、もって切断粉を落としてしまうのを軽減することができる。
【0010】
第4の発明に係る切断機は、前記第3の発明に係る切断機において、前記第1搬送路形成部材は、水平方向に沿って延びていることを特徴とする。
この第4の発明に係る切断機によれば、第1搬送路形成部材は水平方向に沿って延びているので、第1搬送路形成部材における切断粉が自重によりケース側集塵口から落ちてきてしまうのを防止することができる。これによって、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを、第2搬送路形成部材の部分に確実に限定することできて、もって切断粉を落としてしまうのを、より軽減することができる。
【0011】
第5の発明に係る切断機は、前記第1から前記第4のいずれかの発明に係る切断機において、前記第2搬送路形成部材は、前記第1搬送路形成部材に対して嵌り込み構造にて構成されており、前記集塵容器に対する前記ケース側集塵口の相対位置の変更に応じて、前記第2搬送路形成部材の前記第1搬送路形成部材に対する嵌り込み量が変更されることにより、前記第1搬送路形成部材に対する該第2搬送路形成部材の連結した状態を維持することを特徴とする。
この第5の発明に係る切断機によれば、第2搬送路形成部材は集塵容器に対するケース側集塵口の相対位置の変更に応じて、第2搬送路形成部材の第1搬送路形成部材に対する嵌り込み量が変更されるようになっているので、第1搬送路形成部材と第2搬送路形成部材とを構成するにあたっての部品点数を2点とすることができる。これによって、第1搬送路形成部材と第2搬送路形成部材とを構成するにあたっての部品点数を少なくできて、製造コストを安価とすることができる。
【0012】
第6の発明に係る切断機は、前記第5の発明に係る切断機において、前記第2搬送路形成部材の外径は、前記第1搬送路形成部材の外径より短く形成されて、前記第2搬送路形成部材を前記第1搬送路形成部材に挿し込むようになっており、前記集塵容器に対する前記ケース側集塵口の相対位置の変更に応じて、前記第2搬送路形成部材の前記第1搬送路形成部材に対する挿し込み量が変更されることにより、前記第1搬送路形成部材に対する該第2搬送路形成部材の連結した状態を維持することを特徴とする。
この第6の発明に係る切断機によれば、上記した第2搬送路形成部材と第1搬送路形成部材との嵌り込み構造において、第2搬送路形成部材の外径は、第1搬送路形成部材の外径より短く形成されて第2搬送路形成部材を第1搬送路形成部材に挿し込むようにされた構造となっている。このため、第2搬送路形成部材と第1搬送路形成部材との間において生じる挿し込み隙間は、第2搬送路形成部材の外周部分に隣接した位置で、回転刃具の回転によって生じる送り風が流れる方向とは逆方向に向いて形成されることとなる。これによって、第2搬送路形成部材から第1搬送路形成部材へと回転刃具の回転によって生じる送り風が流れるにあたって、この送り風の流れの漏れを少なくすることができ、ひいては切断粉の外部への漏れを少なくすることができる。
【0013】
第7の発明に係る切断機は、前記第4から前記第6のいずれかの発明に係る切断機において、前記切断機本体の位置を移動することにより前記ケース側集塵口の高さ位置が最も高い位置に位置した場合には、前記第2搬送路形成部材は、前記第1搬送路形成部材が延びる方向の延長上に沿って延びるように、前記第1搬送路形成部材に対して位置するように構成されていることを特徴とする。
この第7の発明に係る切断機によれば、ケース側集塵口の高さ位置が最も高い位置に位置した場合には、第2搬送路形成部材は第1搬送路形成部材が延びる方向の延長上に沿って延びるように位置するので、ケース側集塵口の高さ位置が最も高い位置に位置するように切断機本体の位置を移動させた場合には、第2搬送路形成部材は第1搬送路形成部材が延びる方向と連なるように延びる部分に位置することとなる。これによって、搬送路自体の水平方向距離を長くすることができるので、回転刃具の回転を停止させて回転刃具の回転によって生じる送り風が止まっている場合であっても、切断粉の移動量を長くすることができ、搬送路に存する切断粉をケース側集塵口から外部に出難いものにすることができる。
【0014】
第8の発明に係る切断機は、前記第1から前記第7のいずれかの発明に係る切断機において、前記第1搬送路形成部材の内部には、前記第3搬送路形成部材が延びる方向とは反対側に延びる内リブが配設されていることを特徴とする。
この第8の発明に係る切断機によれば、第1搬送路形成部材の内部には第3搬送路形成部材が延びる方向とは反対側に延びる内リブが配設されているので、第1搬送路形成部材を通る切断粉が第3搬送路形成部材を逆へ移動して飛散用集塵口から外部に出てしまいそうであっても、この切断粉の移動を内リブにて塞き止めることができる。これによって、搬送路に存する切断粉を飛散用集塵口から外部に出難くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る切断機によれば、切断加工により生ずる切断粉を集塵可能とする卓上形の切断機において、回転刃具の回転を停止させた状態で切断機本体を下限位置に位置させた場合であっても、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを軽減することができる。
第2の発明に係る切断機によれば、切断材に板厚の薄いものが選択された場合等であっても、切断加工に伴って生ずる切断部位付近の切断粉を好ましく集塵することができ、作業環境を良好に維持することができ、作業性も良好に維持することができる。
第3の発明に係る切断機によれば、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを、第2搬送路形成部材の部分に限定することできて、もって切断粉を落としてしまうのを軽減することができる。
第4の発明に係る切断機によれば、切断粉の自重によりケース側集塵口からテーブル上に切断粉を落としてしまうのを、第2搬送路形成部材の部分に確実に限定することできて、もって切断粉を落としてしまうのを、より軽減することができる。
第5の発明に係る切断機によれば、第1搬送路形成部材と第2搬送路形成部材とを構成するにあたっての部品点数を少なくできて、製造コストを安価とすることができる。
第6の発明に係る切断機によれば、第2搬送路形成部材から第1搬送路形成部材へと回転刃具の回転によって生じる送り風が流れるにあたって、この送り風の流れの漏れを少なくすることができ、ひいては切断粉の外部への漏れを少なくすることができる。
第7の発明に係る切断機によれば、切断粉の移動量を長くすることができて、搬送路に存する切断粉をケース側集塵口から外部に出難いものにすることができる。
第8の発明に係る切断機によれば、搬送路に存する切断粉を飛散用集塵口から外部に出難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】切断機としてのスライドマルノコの外観を斜視にて示す斜視図である。
【図2】図1に示すスライドマルノコの外観を側面視にて示す側面図である。
【図3】スライドマルノコの一部断面を側面視にて示す一部断面図である。
【図4】スライドマルノコの一部断面を上面視にて示す一部断面図である。
【図5】非切断時のスライドマルノコの外観を側面視にて示す側面図である。
【図6】図5に示すスライドマルノコの一部断面を側面視にて示す一部断面図である。
【図7】切断時の搬送筒部を拡大して示す拡大断面図である。
【図8】非切断時の搬送筒部を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】第1搬送筒部の外観を拡大して示す拡大斜視図である。
【図10】図9に示す第1搬送筒部をX−X断面矢視にて示す断面図である。
【図11】図9に示す第1搬送筒部の外観を下面視にて示す下面図である。
【図12】第2搬送筒部の外観を拡大して示す拡大斜視図である。
【図13】図12に示す第2搬送筒部の外観を側面視にて示す側面図である。
【図14】図12に示す第2搬送筒部をXIV−XIV断面矢視にて示す断面図である。
【図15】第3搬送筒部の外観を拡大して示す拡大斜視図である。
【図16】図15に示す第3搬送筒部の外観を側面視にて示す側面図である。
【図17】図15に示す第3搬送筒部をXVII−XVII断面矢視にて示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明に係る切断機を実施するための実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、切断機としてのスライドマルノコ10の外観を斜視にて示す斜視図である。図2は、図1に示すスライドマルノコ10の外観を側面視にて示す側面図である。図3は、スライドマルノコ10の一部断面を側面視にて示す一部断面図である。図4は、スライドマルノコ10の一部断面を上面視にて示す一部断面図である。図5は、非切断時のスライドマルノコ10の外観を側面視にて示す側面図である。図6は、図5に示すスライドマルノコ10を一部断面を側面視にて示す一部断面図である。
図1〜図6に示す符号10は、スライドマルノコと称されるものであり、本発明に係る卓上形の切断機に相当する。このスライドマルノコ10は、切断加工により生ずる切断粉(鋸屑)を集塵可能とするものであり、切断粉を集塵する機能を具備する。このスライドマルノコ10は、概略、ベース11と、テーブル20と、スライド機構30と、切断機本体40とを備える。なお、このスライドマルノコ10は、図1に示すように、切断機本体40の操作ハンドル部471が設けられる側が切断機本体40の前面側に設定されており、この反対側が切断機本体40の背面側に設定されており、切断機本体40をスライドさせるにあたってはこの前面側から背面側に移動させることにより行うものとなっている。
ベース11は、支持体として構成されるものであり、適宜方向に延びる複数の脚部12が設けられている。なお、図示符号13は、脚部12を延長させる補助脚部である。このため、ベース11は、後に説明するテーブル20と、スライド機構30と、切断機本体40とを支持することとなる。また、このベース11の脚部12は、作業机等の水平面に載せられ接地される。
【0018】
テーブル20は、上面が切断材W(図2および図3参照)を載置する載置面21として形成されるものであり、全体として略円盤状に形成されてベース11にて相対回転可能に支持されている。また、上記したように脚部12が水平面に載せられて接地されるので、切断材Wを載置するテーブル20の載置面21は、図2および図3に示すように、水平方向に延びる面状に形成されるものとなっている。なお、図示符号22は、載置面21に載置された切断材Wの位置を決めるための切断材位置決め壁である。この切断材位置決め壁22は、ベース11に対して取り付けられている。このため、上記したベース11に対して相対回転するテーブル20は、この切断材位置決め壁22に対しても相対回転することとなる。また、図1等に示す符号23は、テーブル20からテーブル20の径方向に延びるように設けられる鋸刃収容部である。この鋸刃収容部23は、切断材Wを切断するために切断機本体40の回転鋸刃45を切断材Wを通過した位置まで位置させるために、切断時の切断機本体40の回転鋸刃45を切断材W通過位置に位置させることができるように構成されている。このため、図1に示すように、この鋸刃収容部23には、スライドする切断機本体40の回転鋸刃45の一部を入り込ませることができるように鋸刃入り溝24が形成されている。図示符号25は、載置面21を水平方向に延びる状態で維持しつつテーブル20をベース11に対して相対回転させる回転操作レバーである。この回転操作レバー25を操作することにより、テーブル20をベース11に対して相対回転させてテーブル20を位置決めすることができる。
【0019】
スライド機構30は、本発明に係る本体支持部に相当する部分である。このため、スライド機構30は、ベース11にて支持され且つ切断機本体40をテーブル20に対して上下に揺動可能に支持する、本体支持部としての機能を具備する。また、このスライド機構30は、切断機本体40を上記したテーブル20に対して相対的にスライドさせるための機能も具備する。切断機本体40は、スライド機構30によってテーブル20に対して相対的にスライドすることにより、テーブル20の載置面21に載置された切断材Wを切断する。このスライド機構30は、図2等に示すように、概略、ベース側スライドバー(不図示)と、連接支持部33と、本体側スライドバー35と、スライダ37とを備える。
ベース側スライドバーは、テーブル20に隠れて図示されていないが、2本の略棒状にて構成され、上記したベース11にて支持されるテーブル20に固定支持されている。このため、ベース側スライドバーは、ベース11に対するテーブル20の相対回転に応じて、ベース11に対してテーブル20とともに相対回転するものとなっている。なお、このベース側スライドバーは、テーブル20の載置面21に対して平行方向に延びるように配設されているため、テーブル20の載置面21の延在方向と同様に、水平方向に延びるように配設されたものとなっている。
連接支持部33は、図1等に示すように、不図示のベース側スライドバーに固定支持される第1支持部331と、本体側スライドバー35を挿通支持する第2支持部335とを備える。これら第1支持部331と第2支持部335とは、連結レバー機構34を介して互いに相対回転できるように回動支持されて連結されている。つまり、連結レバー機構34は、第1支持部331と第2支持部335との互いに挿通される回動軸341と、この回動軸341を回動させる回動レバー342とを具備して、第1支持部331と第2支持部335との互いを連結している。また、連結レバー機構34は、回動レバー342を回すことによって、第1支持部331と第2支持部335とが互いに相対回動可能となる状態と、第1支持部331と第2支持部335とが互いに相対回動が規制される状態とに、状態切替え可能に連結されている。なお、回動レバー342を回すことによって、第1支持部331と第2支持部335とが互いに相対回動可能状態となる場合には、第2支持部335は、第1支持部331に対して相対的に傾動させることができる。つまり、切断機本体40は、テーブル20に対して従前の正位置に位置していた状態から、テーブル20に対して傾斜した傾斜位置に位置させることができ、もって切断機本体40は切断材Wを傾斜切りさせることができることとなる。
【0020】
本体側スライドバー35は、図1等に示すように、2本の略棒状にて構成され、背面側が上記した連接支持部33にてスライド可能に挿通支持されている。この本体側スライドバー35は、上記したベース側スライドバーに対して平行方向に延びるように配設されている。このため、連接支持部33にてスライド可能に挿通支持される本体側スライドバー35は、テーブル20の載置面21に平行方向に延びるように配設されているため、テーブル20の載置面21の延在方向と同様に、水平方向に延びるように配設されたものとなっている。
スライダ37は、本体側スライドバー35の前面側の端部に固定されて配設されることにより、ベース11に対して支持装備されるものとなっている。このスライダ37は、本発明に係る本体支持部の一部に相当する部分である。このため、スライダ37は、本体側スライドバー35のスライドにより連接支持部33に対して相対的に接近離間することとなる。つまり、スライダ37は、本体側スライドバー35のスライドに応じて、テーブル20の中空上側を、テーブル20の載置面21に対して平行移動となる平行方向(水平方向)にスライドする。ここで、後に詳述するが、本体側スライドバー35の前面側端部に固定されるスライダ37には、切断機本体40や第1搬送筒部61が固定支持されているため、このスライダ37により固定支持される切断機本体40や第1搬送路形成部材等も、このスライダ37のスライドとともにテーブル20の載置面21に対して平行方向(水平方向)にスライドすることとなる。
【0021】
次に、回転鋸刃45を具備しスライダ37に配設される切断機本体40について説明する。切断機本体40は、図2等に示すようにテーブル20の載置面21に載置された切断材Wを切断するものであり、スライダ37に対して揺動支持軸41を介して揺動可能に軸支連結されて支持される。このため、切断機本体40は、テーブル20の載置面21に対して平行方向(水平方向)にスライドさせることができるとともに、テーブル20の載置面21に対して回転鋸刃45を接近離間させることができるように、スライド機構30のスライダ37に揺動軸支されている。この切断機本体40は、図1等に示すように、概略、支持基体43と、回転鋸刃45と、ハンドル部47と、回転駆動モータ装置48と、照明装置49とを備える。
支持基体43は、この切断機本体40の基幹として構成される部分であり、以下説明する各種の部材を支持する。この支持基体43は、上記したスライダ37にて軸支される揺動支持軸41にて揺動可能に支持されるものである。具体的には、支持基体43の図示背面側部分は、スライダ37にて支持される揺動軸支部431として構成されている。この揺動軸支部431には、揺動支持軸41を挿通するための軸支孔を有して形成されている。このため、この揺動支持軸41が揺動の回動中心軸となって、支持基体43を含む切断機本体40は、スライダ37に対して揺動するようになっている。
【0022】
これに対して、揺動軸支部431とは反対側となる支持基体43の前面側部分は、回転鋸刃45を支持する鋸刃支持部435として構成される。この鋸刃支持部435は、図示においてはブレードケース44により見え難いものとなっているが、回転鋸刃45を回転可能に軸支する。具体的には、鋸刃支持部435は、揺動軸支部431と一体化し前面側に延びるように形成されており、この鋸刃支持部435の上部に一体化して配設されるブレードケース44を備える。この鋸刃支持部435は、上記したように図示においては見え難いが、回転鋸刃45を回転可能に軸支する鋸刃軸支部436を具備して構成される。ブレードケース44は、次に説明する回転鋸刃45の外周部分に回転鋸刃45の周囲を囲うように配設されるものである。このブレードケース44は、図示するように、回転鋸刃45の上側半分を覆う大きさにて形成されている。このため、ブレードケース44の内部では、回転鋸刃45が回転(図2に示す時計方向)した場合に、回転鋸刃45の回転によってテーブル20周辺の空気を巻き込むようにして送り風が生じるようになっている。
なお、後に詳述するが、このブレードケース44のうち背面側に位置する部分には、ブレードケース44内にて巻き上がる切断粉を外部に送り出すためのケース側集塵口445が形成されている。このケース側集塵口445は、後に説明する搬送路となる搬送筒部60へと通じる部分である。つまり、ブレードケース44の内部においては、回転鋸刃45の回転によって生じる送り風の流れを受けるようになっており、この送り風によってブレードケース44内に巻き上げられた切断粉を、ブレードケース44内から搬送筒部60へと、ケース側集塵口445を通じて送り出すものとなっている。また、このブレードケース44には、ケース側集塵口445から背面側に向かうように突出して連通する連通路446が形成されている。この連通路446には、後に説明する第2搬送筒部71の一端が接続されるものとなっている。
【0023】
回転鋸刃45は、本発明に係る回転刃具に相当する部分であり、詳細図示について省略するが円盤形状を有して形成され、周面に切断材Wを切断する鋸刃が形成されている。この回転鋸刃45は、回転することにより周面を切断材Wに当てて切断材Wを加工するものである。このため、回転鋸刃45の回転方向としては、図2に示すように時計方向回りで回転する。つまり、回転鋸刃45は、テーブル20の載置面21に載置された切断材Wに対して下から上に向けて鋸刃が当たるように回転するものとなっている。これによって、上記したように回転鋸刃45の回転を受けて、切断材Wの鋸屑となる切断粉を巻き込みながらブレードケース44の内部に入り込むものとなっている。
また、図示符号46は、回転鋸刃45を覆うように不図示の付勢ばねにて付勢されて配設されるセーフティカバーである。このセーフティカバー46は、常態時においては、回転鋸刃45のうちテーブル20の載置面21と対向する部分を覆うように付勢されて配置されるものとなっており、回転鋸刃45を回転させて周面を切断材Wに当てる場合には、この付勢力に抗して回動して、回転鋸刃45のうちテーブル20の載置面21と対向する部分を露出させるようになっている。
また、図4に示すように、鋸刃支持部435に隣接する図示上側位置には、ハンドル部47と、回転駆動モータ装置48と、照明装置49とが配設されている。具体的には、図5等に示すように、鋸刃支持部435の隣接部分(図示上側部分)には、鋸刃支持部435と一体化されるハンドル部47が配設されている。このハンドル部47は、操作者により手握りされる部分である。このハンドル部47は、切断機本体40の前面側に配置される操作ハンドル部471と、切断機本体40の背面側に配置される補助ハンドル部475とを備えて構成される。これらの操作ハンドル部471および補助ハンドル部475は、上記したように切断機本体40をテーブル20の載置面21に対してスライドさせるとともに回転鋸刃45を接近離間させることができるように、操作者の握り手が考慮されて配設されている。ここで、操作ハンドル部471には、回転鋸刃45を回転駆動させるための操作を行う操作トリガ472と、この操作トリガ472を操作する際の操作規制解除ボタン473が配設されている。
また、このハンドル部47に隣接する図示上側位置には、回転駆動モータ装置48が配設されている。この回転駆動モータ装置48は、上記した操作トリガ472の操作に応じて回転鋸刃45を回転駆動させるための動力を発生する。このため、内部構造について図示省略するが、この回転駆動モータ装置48は、操作トリガ472の操作に応じて回転駆動力を発生させる適宜の駆動モータおよび減速ユニットが内蔵されている。ここで、駆動モータにより発生した回転駆動力は、減速ユニットを介して不図示の回転鋸刃45の回転軸を回転駆動させる。また、上記したように配設される回転駆動モータ装置48の前面側には、照明装置49が配設されている。この照明装置49は、テーブル20の載置面21に載置される切断材Wを照らし出すためのものである。
【0024】
次に、ケース側集塵口445から送り出された切断粉を集塵する集塵ボックス50について説明する。集塵ボックス50は、本発明に係る集塵容器に相当するものであり、サイクロン方式を利用して集塵するように複数の集塵収容室が形成されたボックス状に形成されている。
この集塵ボックス50は、広く利用されるサイクロン方式の集塵ボックスである。このためこの集塵ボックス50は、例えば「特開2006−159777」にて開示される「集塵ボックス21」の構造を有して構成されている。すなわち、集塵ボックス50は、図2や図4に示すように、ケース側集塵口445から送り出された切断粉が入るボックス接続部材51と、このボックス接続部材51が連通状態で接続される第1収容室52と、この第1収容室52が連通状態で接続される第2収容室53と、この第2収容室53が連通状態で接続される第3収容室55(図4参照)とを備える。なお、この第2収容室53には、ボックス接続部材51から入って、第1収容室52、第2収容室53へと順次通過した空気を排気するための排気口54が設けられている。なお、この集塵ボックス50は、このようにボックス接続部材51、第1収容室52、第2収容室53への順路で通過するのに応じて、第1収容室52と第3収容室55とに切断粉が集塵されるものとなっている。このよう構成された集塵ボックス50は、スライド機構30の上側に隣接配置されるものとなっており、ボックス接続部材51に第1搬送筒部61(搬送筒部60)が接続されることにより、スライダ37(スライド機構30)に対して固定支持されるものとなっている。
【0025】
次に、本発明に係る搬送路構成部材としての搬送筒部60について説明する。この搬送筒部60は、図3等に示すように、ブレードケース44内にて巻き上がる切断粉を外部に送り出すために、上記したケース側集塵口445から集塵ボックス50に搬送するための搬送路として構成されるものである。このため、搬送筒部60は、ケース側集塵口445から集塵ボックス50と間に配置されるようになっており、これらケース側集塵口445および集塵ボックス50に対して接続されるものとなっている。図7は、図3に対応し切断時の搬送筒部60を拡大して示す拡大断面図である。図8は、図6に対応し非切断時の搬送筒部60を拡大して示す拡大断面図である。
搬送路構成部材としての搬送筒部60は、図7および図8に示すように、集塵ボックス50側に一端が接続される第1搬送筒部(第1搬送路形成部材)61と、ケース側集塵口445側に一端が接続される第2搬送筒部(第2搬送路形成部材)71とを備える。ここで、第1搬送筒部61は、本発明に係る第1搬送路形成部材として構成されるものである。これに対して第2搬送筒部71は、本発明に係る第2搬送路形成部材として構成されるものである。
この第1搬送筒部61について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、第1搬送筒部61の外観を拡大して示す拡大斜視図である。図10は、図9に示す第1搬送筒部61をX−X断面矢視にて示す断面図である。図11は、図9に示す第1搬送筒部61の外観を下面視にて示す下面図である。
第1搬送筒部61は、図7および図8に示すように、一端側が集塵ボックス50を構成するボックス接続部材51に接続されることにより、集塵ボックス50側に一端が接続されるものとなっている。このため、この第1搬送筒部61の一端側には、図9〜図11に示すように、ボックス側接続口621が配設されている。このボックス側接続口621は、第1搬送筒部61内部の一部を構成する基幹搬送路62に対して連通する部分であり、ボックス接続部材51に対して連通状態で接続される部分である。これに対して、この第1搬送筒部61の他端側は、この基幹搬送路62から二股に分岐されるようにに二つの搬送路が形成されている。すなわち、基幹搬送路62から分岐される二つの搬送路のうち一の搬送路は、第2搬送筒部71に向けて接続される第1搬送路63として構成されており、この二つの搬送路のうち他の搬送路は、第3搬送筒部81に向けて接続される第2搬送路64として構成される。
上記した基幹搬送路62に沿って延びる第1搬送路63と連通状態とする第1搬送路63の他端側は、次に説明する第2搬送筒部71が挿し込まれる挿し受け口631として形成されている。なお、この第1搬送路63の他端側となる挿し受け口631は、第1搬送筒部61の他端側と一致する部分である。ここで、この第1搬送路63と連通状態となる挿し受け口631は、図9等に示すように、上側開口端縁の位置が下側開口端縁の位置に比して背面方向に変位して形成されている。また、この挿し受け口631の下側開口端縁近くは、上側を凸とする円弧を描きながら前面方向に向かうにしたがって下側に垂れ下がように傾斜した形状にて形成されている。このため、この挿し受け口631は、後に説明する第2搬送筒部71を挿し受け口631に挿し込むに際し、挿し受け口631と第2搬送筒部71との間に形成される隙間を少なくすることができつつ、例えば図7から図8に移っていくような第2搬送筒部71の回動を許容することができるように構成される。ここで、この第1搬送筒部61のうち、基幹搬送路62と、この基幹搬送路62に沿って延びる第1搬送路63とは、水平方向に沿うように延びるように配設されている。
【0026】
これに対して、上記した基幹搬送路62の交差方向に沿って延びる第2搬送路64と連通状態とする第2搬送路64の他端側は、次に説明する第3搬送筒部81が挿し込まれる接続口641として形成されている。この接続口641が形成される第2搬送路64は、後にも詳述するが、下側に向かうにしたがって前面側に向かって傾斜するように形成されている。なお、この第2搬送路64の接続口641は、適宜の螺子結合にて後に説明する第3搬送筒部81の図示上端側が内部連通した状態で接続する。
上記したように、第1搬送筒部61には第1搬送路63と第2搬送路64とが形成されるようになっているため、第1搬送路63と第2搬送路64との間には第1搬送路63と第2搬送路64とを形成しつつ互いに分岐するための分岐壁65が形成されている。この分岐壁65は、第1搬送筒部61自身の軽量化を図るために、適宜に肉抜きされた形状を有して形成されている。ここで、分岐壁65にて形成される第1搬送路63の壁部651は、背面側に向かうにしたがって上側に傾斜した形状を有して形成されている。この壁部651は、接続される第3搬送筒部81が延びる方向(第2搬送路64が延びる方向と一致)とは、反対側に延びる内リブとして形成されている。
このように形成された第1搬送筒部61は、上記した切断機本体40とは別でスライダ37に対して固定支持された状態で取り付けられる。具体的には、第1搬送筒部61の分岐壁65がスライダ37に対して固定支持されるように、この分岐壁65がスライダ37に対して結合されている。これにより、第1搬送筒部61は、上記した切断機本体40の揺動に連動することなく、スライダ37に固定支持されたままの初期に設定される位置にて位置したままとなる。
【0027】
次に、第2搬送筒部71について、図12〜図14を参照しながら説明する。図12は、第2搬送筒部71の外観を拡大して示す拡大斜視図である。図13は、図12に示す第2搬送筒部71の外観を側面視にて示す側面図である。図14は、図12に示す第2搬送筒部71をXIV−XIV断面矢視にて示す断面図である。
この第2搬送筒部71は、図7および図8に示すように、上記したようにケース側集塵口445側に一端(連通側接続口72)が接続されるものであり、詳しくは上記したようにケース側集塵口445と連通する連通路446に対して一端(連通側接続口72)が接続されるものとなっている。
この第2搬送筒部71は、図12等に示すように、上側が円弧曲面形状にて形成されており、下側が適宜切り欠かれた形状にて形成される。この第2搬送筒部71は、一端側に連通側接続口72が配設されており、他端側に挿し込み口73が配設されている。連通側接続口72は、開口形状が円形状にて形成される。これに対して、挿し込み口73は、連通側接続口72の開口方向とは交差方向に開口するように形成されている。この連通側接続口72は、連通路446に対して連通状態でブレードケース44に固定支持されるように一体化に結合して接続されるものである。このため、この第2搬送筒部71は、図7および図8に示すように、切断機本体40の揺動に応じて一体化して揺動するものとなっており、もって上記した第1搬送筒部61に対して相対的に揺動することとなる。ここで、挿し込み口73は、上記したように上側が円弧曲面形状に且つ下側が適宜切り欠かれるように形成されているので、挿し受け口631と第2搬送筒部71との間に形成される隙間を少なくすることができつつ、図7から図8に移るような第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対する相対的な揺動に応じた第2搬送筒部71の回動を許容しつつ、挿し受け口631に対して挿し入って配置させることができるようになっている。つまり、第1搬送筒部61の他端となる挿し受け口631と、第2搬送筒部71の他端となる挿し込み口73とは、切断機本体40の揺動の移動に応じて相対変位が許容されて連結されたものなっている。つまり、第2搬送筒部71は、第1搬送筒部61に対して嵌り込み構造にて構成されており、集塵ボックス50に対するケース側集塵口445の相対位置の変更に応じて、第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対する嵌り込み量が変更されることにより、第1搬送筒部61に対する第2搬送筒部71の連結した状態を維持するようになっている。より詳しく言えば、第2搬送筒部71の外径は、第1搬送筒部61の外径より短く形成されて、第2搬送筒部71を第1搬送筒部61に挿し込むようになっている。このため、第1搬送筒部61と第2搬送筒部71とは、集塵ボックス50に対するケース側集塵口445の相対位置の変更に応じて、第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対する挿し込み量が変更されることにより、第1搬送筒部61に対する第2搬送筒部71の連結した状態を維持することができるようになっている。また、図7および図8に示すように、第1搬送筒部61は、切断機本体40の位置を揺動することによりケース側集塵口445の高さ位置が最も高い位置に位置した場合には、この第2搬送筒部71の延びる方向は、基幹搬送路62と、この基幹搬送路62に沿って延びる第1搬送路63と同様、第2搬送筒部71は、第1搬送筒部61が延びる方向の延長上に沿って延びるように、第1搬送筒部61に対して位置するように構成されている。
【0028】
次に、第3搬送筒部81について、図15〜図17を参照しながら説明する。図15は、第3搬送筒部81の外観を拡大して示す拡大斜視図である。図16は、図15に示す第3搬送筒部81の外観を側面視にて示す側面図である。図17は、図15に示す第3搬送筒部81をXVII−XVII断面矢視にて示す断面図である。
この第3搬送筒部81は、図2および図3に示すように、切断材Wを切断する際に発生する切断粉のうち、ブレードケース44内に入らずにブレードケース44外に飛散する切断粉を吸引するために、上記した第1搬送筒部61に対して配設されるものとなっている。このため、この第3搬送筒部81は、ブレードケース44外に飛散する切断粉を吸引するために開口された飛散用集塵口87を形成しながら、上記した第1搬送筒部61の第2搬送路64に対して連通状態で配設されるものとなっている。具体的には、この第3搬送筒部81は、傾斜しながら略鉛直方向に延びる背面側壁82と、この背面側壁82の両側縁から背面側壁82の延在交差方向(前面側)に延びる右側壁83および左側壁84とを備えて構成される。ここで、背面側壁82は、図示上側から図示下側に向かうにしたがって前面側に向かって傾斜するように形成されている。また、右側壁83および左側壁84についても、図示上側から図示下側に向かうにしたがって裾が幅広に拡がるように形成されている。このため、この第3搬送筒部81は、図15等に示すように、上面視コ字状となるように、図示上面、図示下面、前面側面の3面が開口された形状を有して形成されている。ここで、第3搬送筒部81の図示上面部分は、第3搬送筒部81が第2搬送路64と連通状態となるように、第1搬送筒部61の接続口641に挿し込まれるようになっている。これに対して第3搬送筒部81の図示下面部分および前面側面部分は、ブレードケース44外に飛散する切断粉を吸引するために開口された飛散用集塵口87として構成される。また、飛散用集塵口87と内面となる背面側壁82との間は、飛散用搬送路85として構成される。なお、飛散用集塵口87は、例え切断材Wの板厚が非常に薄い場合であっても、切断材Wから飛散される切断粉が適切に吸引できるように、切断粉の飛散範囲に対応した位置、切断粉の飛散範囲に対応した大きさ、切断粉の飛散範囲に対応した範囲にて設定されるものとなっている。なお、この第3搬送筒部81内の空気は、上記したようにケース側集塵口445を通じてブレードケース44内から搬送筒部60へと流れる送り風に巻き込まれることにより、図7に示す矢印方向へと流れ作用するものとなっている。これにより、飛散用集塵口87から切断粉が吸引していくように作用するものとなっている。
このように構成された第3搬送筒部81は、図7および図8に示すように、適宜の螺子結合にて、第1搬送筒部61の第2搬送路64と連通状態とする第2搬送路64の他端側に配設される接続口641に対して互いに連通される状態で接続されるものとなっている。この際、第3搬送筒部81は、螺子結合にて第1搬送筒部61に対して固定されるとともに、第1搬送筒部61と同様に上記した切断機本体40とは別でスライダ37に対しても固定支持された状態で取り付けられるものとなっている。これにより、第3搬送筒部81は、上記した第1搬送筒部61と同様、上記した切断機本体40の揺動に連動することなく、スライダ37に固定されて初期設定位置で位置したままとなる。
【0029】
上記したように構成されたスライドマルノコ10によれば、次のような作用効果を奏することができる。
すなわち、上記したスライドマルノコ10によれば、第1搬送筒部61と第2搬送筒部71とは、上下に揺動する切断機本体40の位置がいずれの位置に位置する場合であっても、第1搬送筒部61と第2搬送筒部71との連結状態を維持することができる。ここで、切断機本体40が下限位置に位置する場合には、切断粉を搬送するための第1搬送筒部61および第2搬送筒部71のうち第2搬送筒部71だけが、ケース側集塵口445に向かって下側に傾斜する部分とすることができる。つまり、第1搬送筒部61については、スライド機構30(本体支持部)のスライダ37に対して固定支持されたものとし、切断機本体40の揺動位置に関係無く、そのままの位置に維持させたままとすることができる。これによって、回転鋸刃45の回転を停止させてケース側集塵口445から集塵ボックス50へと流れる送り風が止まってしまう場合であっても、この第1搬送筒部61および第2搬送筒部71全体のうち第2搬送筒部71だけが切断粉の自重の影響が受け易くなる搬送路構成部材とすることができる。もって、例えば切断作業後にスライドマルノコ10を持ち運び等する場合には、回転鋸刃45の回転を停止させた状態で切断機本体40を下限位置に位置させてロックするが、切断粉の自重によりケース側集塵口445からテーブル20上に切断粉を落としてしまうのを軽減することができる。
また、上記したスライドマルノコ10によれば、第1搬送筒部61には切断粉を飛散用集塵口87から第1搬送筒部61に吸引する第3搬送筒部81が配設されており、この飛散用集塵口87は切断材Wを切断をする場合に発生する切断粉のうちブレードケース44内に入らずにブレードケース44外に飛散する切断粉を受けるようになっているので、切断材Wに板厚の薄いものが選択された場合等においてブレードケース44内に入らずにブレードケース44外に飛散した切断粉もこの飛散用集塵口87を具備する第3搬送筒部81から第1搬送筒部61に吸引することができる。これによって、切断材Wに板厚の薄いものが選択された場合等であっても、切断加工に伴って生ずる切断部位付近の切断粉を好ましく集塵することができ、作業環境を良好に維持することができ、作業性も良好に維持することができる。
【0030】
また、上記したスライドマルノコ10によれば、第1搬送筒部61は、第2搬送筒部71の延びる方向に比して水平方向に沿うように延びているので、第1搬送筒部61は、より確実に第2搬送筒部71に比して切断粉の落ち方向への力の影響を受け難い状態とすることができる。これによって、切断粉の自重によりケース側集塵口445からテーブル20上に切断粉を落としてしまうのを、第2搬送筒部71の部分に限定することできて、もって切断粉を落としてしまうのを軽減することができる。
また、上記したスライドマルノコ10によれば、第1搬送筒部61は水平方向に沿って延びているので、第1搬送筒部61における切断粉が自重によりケース側集塵口445から落ちてきてしまうのを防止することができる。これによって、切断粉の自重によりケース側集塵口445からテーブル20上に切断粉を落としてしまうのを、第2搬送筒部71の部分に確実に限定することできて、もって切断粉を落としてしまうのを、より軽減することができる。
また、上記したスライドマルノコ10によれば、第2搬送筒部71は集塵ボックス50に対するケース側集塵口445の相対位置の変更に応じて、第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対する嵌り込み量が変更されるようになっているので、第1搬送筒部61と第2搬送筒部71とを構成するにあたっての部品点数を2点とすることができる。これによって、第1搬送筒部61と第2搬送筒部71とを構成するにあたっての部品点数を少なくできて、製造コストを安価とすることができる。
【0031】
また、上記したスライドマルノコ10によれば、上記した第2搬送筒部71と第1搬送筒部61との嵌り込み構造において、第2搬送筒部71の外径は、第1搬送筒部61の外径より短く形成されて第2搬送筒部71を第1搬送筒部61に挿し込むようにされた構造となっている。このため、第2搬送筒部71と第1搬送筒部61との間において生じる挿し込み隙間は、第2搬送筒部71の外周部分に隣接した位置で、回転鋸刃45の回転によって生じる送り風が流れる方向とは逆方向に向いて形成されることとなる。これによって、第2搬送筒部71から第1搬送筒部61へと回転鋸刃45の回転によって生じる送り風が流れるにあたって、この送り風の流れの漏れを少なくすることができ、ひいては切断粉の外部への漏れを少なくすることができる。
また、上記したスライドマルノコ10によれば、ケース側集塵口445の高さ位置が最も高い位置に位置した場合には、第2搬送筒部71は第1搬送筒部61が延びる方向の延長上に沿って延びるように位置するので、ケース側集塵口445の高さ位置が最も高い位置に位置するように切断機本体40の位置を移動させた場合には、第2搬送筒部71は第1搬送筒部61が延びる方向と連なるように延びる部分に位置することとなる。これによって、第1搬送筒部61および第2搬送筒部71自体の水平方向距離を長くすることができるので、回転鋸刃45を回転停止させて送り風が止まっている場合であっても、切断粉の移動量を長くすることができ、第1搬送筒部61および第2搬送筒部71に存する切断粉をケース側集塵口445から外部に出難いものにすることができる。
また、上記したスライドマルノコ10によれば、第1搬送筒部61の内部には第3搬送筒部81が延びる方向とは反対側に延びる内リブとして壁部651(分岐壁65)が配設されているので、第1搬送筒部61を通る切断粉が第3搬送筒部81を逆へ移動して飛散用集塵口87から外部に出てしまいそうであっても、この切断粉の移動を内リブにて塞き止めることができる。これによって、第1搬送筒部61に存する切断粉を飛散用集塵口87から外部に出難くすることができる。
【0032】
なお、本発明に係る切断機にあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、次のように適宜個所を変更して構成するようにしてもよい。
すなわち、上記した実施の形態においては、卓上形の切断機の一例としてスライドマルノコ10について説明するものであった。しかしながら、本発明に係る切断機としては、これに限定されることなく、卓上マルノコと称される卓上形の切断機で構成されるものであってもよい。この場合には、上記したスライド機構30の機能は、本発明に係る本体支持部としての機能となる、ベースにて支持され且つ切断機本体をテーブルに対して上下に揺動可能に支持する機能のみが、具備されて構成されるものであればよい。
また、上記した実施の形態におけるスライドマルノコ10にあっては、周面を当てて切断材を加工する回転刃具として、回転鋸刃45を例示するものであった。しかしながら、本発明に係る回転刃具としては、これに限定されるものではなく、例えば回転研磨具のような回転刃具で構成されるものであってもよい。
また、上記した実施の形態におけるスライドマルノコ10にあっては、第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対しての嵌り込み構造は、第2搬送筒部71の外径が第1搬送筒部61の外径より短く形成されて、第2搬送筒部71を第1搬送筒部61に挿し込むことにより構成されるものであった。しかしながら、本発明に係る第2搬送路形成部材の第1搬送路形成部材に対しての嵌り込み構造としては、適宜の嵌り構造で構成されるものあってよい。また、第2搬送筒部71の第1搬送筒部61に対しての連結にあっては、嵌り込み構造に限定されるものではなく、第1搬送路形成部材に対しての第2搬送路形成部材の相対変位が許容される構造であれば、例えば伸縮接続構造等によるものであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 スライドマルノコ(切断機)
11 ベース
12 脚部
20 テーブル
21 載置面
22 切断材位置決め壁
23 鋸刃収容部
24 鋸刃入り溝
25 回転操作レバー
30 スライド機構(本体支持部)
33 連接支持部
331 第1支持部
335 第2支持部
34 連結レバー機構
341 回動軸
342 回動レバー
35 本体側スライドバー
37 スライダ
40 切断機本体
41 揺動支持軸
43 支持基体
431 揺動軸支部
435 鋸刃支持部
436 鋸刃軸支部
44 ブレードケース
445 ケース側集塵口
446 連通路
45 回転鋸刃(回転刃具)
46 セーフティカバー
47 ハンドル部
471 操作ハンドル部
472 操作トリガ
473 操作規制解除ボタン
475 補助ハンドル部
48 回転駆動モータ装置
49 照明装置
50 集塵ボックス(集塵容器)
51 ボックス接続部材
52 第1収容室
53 第2収容室
54 排気口
55 第3収容室
60 搬送筒部(搬送路構成部材(切断粉の搬送路))
61 第1搬送筒部(第1搬送路形成部材)
62 基幹搬送路
621 ボックス側接続口
63 第1搬送路
631 挿し受け口
64 第2搬送路
641 接続口
65 分岐壁
651 壁部
71 第2搬送筒部(第2搬送路形成部材)
72 連通側接続口
73 挿し込み口
81 第3搬送筒部(第3搬送路形成部材)
82 背面側壁
83 右側壁
84 左側壁
85 飛散用搬送路
87 飛散用集塵口
W 切断材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断加工により生ずる切断粉を集塵可能とする卓上形の切断機であって、
ベースと、該ベースにて支持され且つ切断材を載置する載置面を具備するテーブルと、該テーブルの該載置面に載置された切断材を切断等の加工をする切断機本体と、該ベースにて支持され且つ該切断機本体を該テーブルに対して上下に揺動可能に支持する本体支持部とを備え、
前記切断機本体は、周面を当てて切断材を加工する回転刃具と、該回転刃具の外周部分に該回転刃具の周囲を囲うように配設されるブレードケースとを備え、
前記ブレードケースには、該ブレードケース内の切断粉を、前記回転刃具の回転によって生じる風の流れを利用して送り出すケース側集塵口が形成されており、
前記ケース側集塵口には、該ケース側集塵口から送り出された切断粉を集塵する集塵容器に向けて該切断粉を搬送するための搬送路構成部材が接続されており、
前記搬送路構成部材は、前記集塵容器側に一端が接続される第1搬送路形成部材と、前記ケース側集塵口側に一端が接続される第2搬送路形成部材とを備え、
前記第1搬送路形成部材は、前記切断機本体とは別で前記本体支持部に対して固定支持された状態で取り付けられており、
前記第2搬送路形成部材は、前記ブレードケースに対して一体的に取付けられており、
前記第1搬送路形成部材の他端と前記第2搬送路形成部材の他端とは前記切断機本体の揺動移動に応じて相対変位が許容されて連結されていることを特徴とする切断機。
【請求項2】
請求項1に記載の切断機において、
前記第1搬送路形成部材には、切断材を加工する場合に発生する切断粉のうち前記ブレードケース内に入らずに該ブレードケース外に飛散する切断粉を受ける飛散用集塵口を具備し、該切断粉を該飛散用集塵口から該第1搬送路形成部材に吸引する第3搬送路形成部材が配設されていることを特徴とする切断機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の切断機において、
前記第1搬送路形成部材は、前記切断機本体の位置を移動することにより前記ケース側集塵口の高さ位置が最も高い位置に位置した場合の前記第2搬送路形成部材の延びる方向に比して、水平方向に沿うように延びていることを特徴とする切断機。
【請求項4】
請求項3に記載の切断機において、
前記第1搬送路形成部材は、水平方向に沿って延びていることを特徴とする切断機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の切断機において、
前記第2搬送路形成部材は、前記第1搬送路形成部材に対して嵌り込み構造にて構成されており、前記集塵容器に対する前記ケース側集塵口の相対位置の変更に応じて、前記第2搬送路形成部材の前記第1搬送路形成部材に対する嵌り込み量が変更されることにより、前記第1搬送路形成部材に対する該第2搬送路形成部材の連結した状態を維持することを特徴とする切断機。
【請求項6】
請求項5に記載の切断機において、
前記第2搬送路形成部材の外径は、前記第1搬送路形成部材の外径より短く形成されて、前記第2搬送路形成部材を前記第1搬送路形成部材に挿し込むようになっており、
前記集塵容器に対する前記ケース側集塵口の相対位置の変更に応じて、前記第2搬送路形成部材の前記第1搬送路形成部材に対する挿し込み量が変更されることにより、前記第1搬送路形成部材に対する該第2搬送路形成部材の連結した状態を維持することを特徴とする切断機。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれかに記載の切断機において、
前記切断機本体の位置を移動することにより前記ケース側集塵口の高さ位置が最も高い位置に位置した場合には、前記第2搬送路形成部材は、前記第1搬送路形成部材が延びる方向の延長上に沿って延びるように、前記第1搬送路形成部材に対して位置するように構成されていることを特徴とする切断機。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の切断機において、
前記第1搬送路形成部材の内部には、前記第3搬送路形成部材が延びる方向とは反対側に延びる内リブが配設されていることを特徴とする切断機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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