説明

切断機

【課題】空気流を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、切断屑を吸引する能力が低下することを抑制した切断機を提供する。
【解決手段】モータMを収容したハウジング10に、モータの駆動で動作して被切断材Wを切断する切断刃20を設けると共に、モータの冷却用ファンFによる冷却用空気を切断刃による被切断材の切断部位に向けて吹き出させる通風路40を形成する一方、ハウジングに、切断部位の近傍に配置した集塵口51となる一端を開口させ、他端の開口に集塵ノズルNが接続可能な集塵路50を形成した切断機1であって、ハウジング内に、通風路の閉塞位置と開放位置との間を移動可能で且つ常態では開放位置に位置し、集塵路への集塵ノズルの接続に連動して閉塞位置へ移動するシャッター部材60を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気流を被切断材の切断部位に向けて吹き出し可能にする一方、切断部位から発生する切断屑を吸引する切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被切断材の切断屑を吸い込むことに加えて吹き飛ばすように構成した切断機が開示されている。特許文献1の切断機は、空気供給路が、モータ等を収容するハウジングに形成されて吸い込み通路の上側に開口し被切断材の切削部位に向けられている。この切断機では、吸い込み通路に接続された吸い込み装置によって切断屑を吸引する働きが妨げられないようにするため、空気供給路内に配置されたフラップが、切断部位に向けられる空気流を遮断することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2839519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のフラップが手動で操作して空気流を遮断するものである場合には、切断屑を吸い込み通路に吸引するときに空気流を遮断する操作を忘れると、切断屑が空気流によって吹き飛ばされて切断屑を吸引する能力が低下するおそれがあった。さらに、切断屑を吸い込み通路に吸引させる動作の度にフラップを手動で操作することは手間のかかる作業であった。
【0005】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、空気流を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、切断屑を吸引する能力が低下することを抑制した切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る切断機は、モータを収容したハウジングに、前記モータの駆動で動作して被切断材を切断する切断刃を設けると共に、前記モータの冷却用ファンによる冷却用空気を前記切断刃による前記被切断材の切断部位に向けて吹き出させる通風路を形成する一方、前記ハウジングに、前記切断部位の近傍に配置した集塵口となる一端を開口させ、他端の開口に集塵ノズルが接続可能な集塵路を形成した切断機であって、前記ハウジング内に、前記通風路の閉塞位置と開放位置との間を移動可能で且つ常態では前記開放位置に位置し、前記集塵路への前記集塵ノズルの接続に連動して前記閉塞位置へ移動するシャッター部材を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記シャッター部材を前記ハウジングの外部から前記閉塞位置へ任意に移動操作可能な操作手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記切断刃を、前記ハウジングから突出して、前記モータの駆動で往復動する直線状のブレードとしたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記切断刃を、前記ハウジングの前方で下向きに突出して、前記モータの駆動で往復動する直線状のブレードとする一方、前記通風路を前記ブレードの後方で下向きに形成して前記ハウジングの下面に開口させて、前記集塵路を、前記通風路の後方において前記ハウジングの下部で前後方向に形成して、後端を前記ハウジングの後面に開口させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係る切断機によれば、集塵ノズルを集塵路に接続することでシャッター部材を通風路の閉塞位置へ移動させて、モータの冷却用空気が前記通風路を通じて被切断材の切断部位に吹き出すことを遮断できる。したがって、前記冷却用空気を遮断するために集塵ノズルを集塵路に接続する以外の操作を必要としない。これに伴って、切断刃で被切断材を切断するときに冷却用空気を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、前記切断部位から発生する切断屑が集塵口から集塵路に吸引され易くなって、切断屑を吸引する能力が低下することを抑制できる。
請求項2の発明によれば、集塵ノズルを集塵路に接続しなくとも、ハウジングの外部から操作手段を操作するだけで、シャッター部材を通風路の閉塞位置へ任意に移動させることができる。
請求項3の発明によれば、往復動する直線状のブレードで被切断材を切断するときに冷却用空気を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、前記切断部位から発生する切断屑が集塵口から集塵路に吸引され易くなって、切断屑を吸引する能力が低下することを抑制できる。
請求項4の発明によれば、前記集塵ノズルを集塵路の後端の開口に接続することでシャッター部材を通風路の閉塞位置へ移動させて、モータの冷却用空気が前記通風路を通じてハウジングの下面から被切断材の切断部位に吹き出すことを遮断できる。したがって、前記冷却用空気を遮断するために集塵ノズルを集塵路の後端に接続する以外の操作を必要としない。これに伴って、往復動する直線状のブレードで被切断材を切断するときに冷却用空気を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、前記切断部位から発生する切断屑が、通風路の後方に形成された集塵路の集塵口から集塵路内に吸引され易くなって、切削屑を吸引する能力が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1のジグソーにおける通風路を開放した状態の説明図である。
【図2】実施形態1のジグソーにおける通風路を閉塞した状態の説明図である。
【図3】実施形態2のジグソーにおける通風路を開放した状態の説明図である。
【図4】実施形態2のジグソーにおける通風路を閉塞した状態の説明図である。
【図5】実施形態3のジグソーにおける通風路を開放した状態の説明図である。
【図6】実施形態3のジグソーにおける通風路を閉塞した状態の説明図である。
【図7】実施形態4のジグソーにおける通風路を開放した状態の説明図である。
【図8】実施形態4のジグソーにおける通風路を閉塞した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1及び図2を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すようにジグソー1は、ハウジング10と、ブレード20と、ベース30と、通風路40と、集塵路50と、シャッター部材60とを備えている。なお、ジグソー1は本発明の切断機の一例である。
【0013】
ハウジング10の上部にはハンドルHが設けられている。ハンドルHには、ジグソー1を作動又は停止させるためのトリガ11を有するスイッチSが収容されている。ハウジング10の後端(図1の左側)にはジグソー1に電力を供給する電源コードCが装着されている。
【0014】
ハウジング10内の中央部には駆動源としてのモータMが収容されて、ハウジング10の前部には往復動機構15が収容されている。モータMの出力軸M1にはモータMの冷却用ファンFが取り付けられている。加えて、出力軸M1には往復動機構15の駆動ギヤ15Aが噛み合わされている。この出力軸M1は、ハウジング10内に取り付けられた軸受け16によって回転可能に支持されている。また、駆動ギヤ15Aは、ハウジング10内に固定された軸部17に軸受けを介して回転可能に支持されている。駆動ギヤ15Aの前面で偏心位置には作動部18が固定されている。作動部18は、駆動ギヤ15Aの回転により軸部17を中心として公転する。さらに、ハウジング10の前部では、ロッドRが作動部18に支持されている。このロッドRは作動部18の公転に伴って上下動する。ロッドRは、作動部18が公転することにより上下に1往復するようにされている。ロッドRの下端部にはブレード取付部19が設けられている。
【0015】
ブレード20は直線状の形状を有し、その基端部がブレード取付部19に挿入される。ブレード取付部19には、ボルトを前記基端部に設けた孔に挿通した状態で該ボルトにナットを螺合させることでブレード20が固定される。これにより、ブレード20は、ブレード取付部19の延長線上で該ブレード取付部19から下向きに突出する。なお、ブレード20は本発明の切断刃の一例である。ベース30は、ベース固定ボルトBをハウジング10の下面に螺着させることで該下面に取り付けられている。ベース30は、被切断材Wの上面に当接させるために用いられる。
【0016】
通風路40は、モータMの冷却用空気を流すものでハウジング10内の下部において冷却用ファンFと連通して下向き(図1、2の下方向)に形成されている。このため、冷却用ファンFが回転することにより前記冷却用空気が通風路40に流れ込む。通風路40の風下側はブレード20よりもハウジング10の後方側(図1、2の左側)でハウジング10の下面に開口する。通風路40の下端には、ブレード20側へ向けてハウジング10の前方側(図1、2の右側)の下方に傾斜させた空気吹き出しノズル41が形成されている。空気吹き出しノズル41の吹き出し口41Aは、ブレード20による被切断材Wの切断部位に向けられている。
【0017】
集塵路50は、ハウジング10内の下部に中空の長尺路となるようにハウジング10の前後方向(図1、2の左右方向)へ貫設されている。集塵路50の前端には通風路40よりもハウジング10の後方側で空気吹き出しノズル41に接して集塵口51が開口し、集塵路50の後端に当たるハウジング10の後面には集塵ノズル接続部52が開口する。空気吹き出しノズル41には、通風路40と集塵路50とを連通させるスリット42がハウジング10の前後方向に形成されている。
【0018】
シャッター部材60は、板状に形成されて通風路40を開閉するために用いられる。シャッター部材60は常態では集塵路50内で集塵路50の上面に密接して収容されている。このとき、シャッター部材60の前端部(図1、2の右側)はスリット42に挿入され、シャッター部材60の後端部(図1、2の左側)は集塵ノズル接続部52内に位置する。さらに常態では、シャッター部材60の上面に突設した突起61を、集塵路50の上面に開設したガイド孔53から突出させて、コイルばね62が、突起61に対向して配置されるリブ63との間に挟持されている。図1に示すように、コイルばね62は、突起61をハウジング10の後方側へ押すことでシャッター部材60を通風路40を開放する位置(以下、通風路40の開放位置という。)に配置させる。
【0019】
一方、図2に示すように、集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続した場合には、集塵ノズルNはシャッター部材60の後端部をコイルばね62の付勢力に抗してハウジング10の前方側へ押す。これにより、シャッター部材60の前端部はスリット42を越えて通風路40を閉塞する。したがって、集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続することに連動して、シャッター部材60が通風路40を閉塞する位置(以下、通風路40の閉塞位置という。)に移動する。
【0020】
次にジグソー1の動作を説明する。トリガ11をハンドルH内に向けて押し込むことでスイッチSがオン状態になるとモータMが駆動される。これに伴って駆動ギヤ15Aが回転すると、ロッドRと共にブレード20が上下に往復動して被切断材Wを切断する。加えて、モータMの駆動に伴って冷却ファンFが回転すると、モータMの冷却用空気がハウジング10の吸気口(図示せず。)からハウジング10内に吸気されてモータMを冷却する。その後冷却用空気は、冷却用ファンFから通風路40、空気吹き出しノズル41を順次流通して吹き出し口41Aからブレード20による被切断材Wの切断部位に向けて吹き出される。図1に示すように、通風路40の開放位置では吹き出し口41Aから吹き出される冷却用空気を利用することで、被切断材Wに付着した切断屑を吹き飛ばすことができる。
【0021】
これに対し、切断部位から発生する切断屑を集塵口51から集塵するときは、図2に示すように、集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続してシャッター部材60を通風路40の閉塞位置に移動させる。このとき集塵機(図示せず。)を図示しない集塵ホースを介して集塵ノズルNに接続する。集塵機の運転を開始させることで、切断屑は集塵口51から吸引されて集塵路50内、集塵ノズルN、集塵ホースを順次流通して集塵機のタンク内に集塵される。シャッター部材60を通風路40の閉塞位置に配置させたときは切断屑が冷却用空気によって吹き飛ばされることがないため、切断屑を集塵口51から集塵路50内へ効果的に集塵できる。切断屑の集塵作業が終了した後は、集塵ノズルNを集塵ノズル接続口52から外すことで、コイルばね62がシャッター部材60を通風路40の開放位置に移動させる。
【0022】
<実施形態1の効果>
本実施形態のジグソー1では、集塵ノズルNを集塵路50の集塵ノズル接続部52に接続することでシャッター部材60を通風路40の閉塞位置に移動させて、モータMの冷却用空気が通風路40を通じてハウジング10の下面から被切断材Wの切断部位に吹き出すことを遮断できる。したがって、冷却用空気を遮断するために集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続する以外の操作を必要としない。これに伴って、ブレード20で被切断材Wを切断するときに冷却用空気を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、切断部位から発生する切断屑が、集塵口51から集塵路50内に吸引され易くなって、切断屑を吸引する能力が低下することを抑制できる。
【0023】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図3及び図4を参照しつつ説明する。ここでは実施形態1と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。本実施形態のジグソー1Aでは、通風路40の下端に、ブレード20側へ向けて前下がり傾斜させた開閉板44を備えた吹き出し口41Bが形成されている。開閉板44は、通風路40よりも後方側でハウジング10に対して支軸Jによって回転可能に軸支されている。シャッター部材60Aの前端は、常態では開閉板44の後方に位置している。
【0024】
続いてジグソー1Aの動作を説明する。図3に示すように、常態では開閉板44が自重によって集塵口51を閉塞しかつ吹き出し口41Bを開放しているため、冷却ファンFが回転すると、冷却用空気は、吹き出し口41Bからブレード20による被切断材Wの切断部位に向けて吹き出される。これに対して切断部位から発生する切断屑を集塵口51から集塵するときは、図4に示すように、集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続することで、集塵ノズルNはシャッター部材60Aの後端部をコイルばね62の付勢力に抗してハウジング10の前方側へ押して、シャッター部材60Aを通風路40の閉塞位置に移動させる。これにより、シャッター部材60Aの前端部が、開閉板44を支軸Jを回転中心として吹き出し口41Bを閉塞する方向へ回転させて、集塵口51を開放すると共に通風路40を閉塞する。したがって、冷却用空気が通風路40から吹き出し口41Bへ流通せずに吹き出し口41Bから切断部位に向けて吹き出されることがない。
【0025】
<実施形態2の効果>
本実施形態のジグソー1Aにおいても、実施形態1と同様に、ブレード20で被切断材Wを切断するときに冷却用空気を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、切断部位から発生する切断屑を吸引する能力が低下することを抑制できる。
【0026】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図5及び図6を参照しつつ説明する。ここでは実施形態1及び2と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。本実施形態のジグソー1Bでは、シャッター部材60Bの前端部をハウジング10の前方側へ斜め下方に傾斜させた傾斜部65として、この傾斜部65が常態では通風路40の下端で通風路40の後方側に配置されている。通風路40の下端で傾斜部65の前方側には、ブレード20側へ向けて下方に傾斜させた冷却用空気誘導部45が形成されている。常態では冷却用空気誘導部45と傾斜部65とで挟まれた空間が、吹き出しノズルの吹き出し口41Cを形成する。
【0027】
続いてジグソー1Bの動作を説明する。図5に示すように、常態では傾斜部65が集塵路50の下面に当接して集塵口51を閉塞しかつ吹き出し口41Cを開放しているため、冷却ファンFが回転すると、冷却用空気は吹き出し口41Cから被切断材Wの切断部位に向けて吹き出される。これに対して切断部位から発生する切断屑を集塵口51から集塵するときは、図6に示すように、集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続することで、実施形態1、2と同様にシャッター部材60Bを通風路40の閉塞位置に移動させる。これによって、傾斜部65が集塵口51を開放した後に冷却用空気誘導部45に密接して吹き出し口41Cを閉塞することで吹き出し口41Cと連通する通風路40も閉塞される。したがって、冷却用空気が吹き出し口41Cから切断部位に向けて吹き出されることがない。
【0028】
<実施形態3の効果>
本実施形態のジグソー1Bにおいても、実施形態1、2と同様に、ブレード20で被切断材Wを切断するときに冷却用空気を遮断する操作の忘れを防止することやこの操作の手間を省き、切断部位から発生する切断屑を吸引する能力が低下することを抑制できる。
【0029】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図7及び図8を参照しつつ説明する。ここでは実施形態1ないし3と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。本実施形態のシャッター部材60Cの上面には、ロックピンPが左右方向へスライド可能に支持されている。ロックピンPの先端部は、ハウジング10の側面に開口させた前後方向(図8、9の左右方向)に長い長孔(図示せず。)から突出する。また、ハウジング10内には、シャッター部材60Cを通風路40の開放位置に配置したときにロックピンPをハウジング10内へ押し込んで嵌入可能なスリーブ71と、シャッター部材60Cを通風路40の閉塞位置に移動させたときにロックピンPをハウジング10内へ押し込んで嵌入可能なスリーブ72とがそれぞれ取り付けられている。
【0030】
続いてジグソー1Cの動作を説明する。ここでは、ジグソー1Cが被切断材Wとしての鉄材を切断する例を説明する。図7に示すように、常態ではシャッター部材60Cが通風路40の開放位置に配置されており、ここからロックピンPをハウジング10内に押し込むと、ロックピンPの後端側がスリーブ71に嵌入されることでスリーブ71に係合する。これに伴って、シャッター部材60を通風路40の開放位置に固定できる。
【0031】
これに対し、鉄材の切断部位に油や油剤を塗布して切断部位から発生する鉄粉等を集塵口51から集塵するときは、ロックピンPをハウジング10の外側へ引っ張ってスリーブ71と係合させた状態を解除する。次にそのままロックピンPをハウジング10の前方側へスライドさせることで、図8に示すように、シャッター部材60Cを通風路40の閉塞位置に移動させる。その後、ロックピンPをスリーブ71に係合させる場合と同様にしてスリーブ72に係合させる。これに伴って、シャッター部材60Cを通風路40の閉塞位置に固定できる。したがって、冷却用空気が切断部位に吹き付けられることがないため切断部位に塗布された油や油剤が吹き飛ばされることがない。鉄粉等の集塵作業が終了した後は、ロックピンPとスリーブ72との係合を解除することで、コイルばね62がシャッター部材60Cを通風路40の開放位置に移動させる。なお、ロックピンPは本発明の操作手段の一例である。
【0032】
<実施形態4の効果>
本実施形態のジグソー1Cでは、集塵ノズルNを集塵ノズル接続部52に接続しなくても、ハウジング10の外部からロックピンPをハウジング10の前方側へスライドさせるだけで、シャッター部材60Cを通風路40の閉塞位置へ任意に移動させることができる。
【0033】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば上述した実施形態とは異なり、実施形態4のロックピンの外周面に雄ネジ部、スリーブの凹部に雌ネジ部を形成して、雄ネジ部を雌ネジ部に螺合させることで、シャッター部材60を通風路40の開放位置や閉塞位置に固定してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1(1A〜1C)・・ジグソー、10・・ハウジング、20・・ブレード、40・・通風路、50・・集塵路、51・・集塵口、60・・シャッター部材、F・・冷却用ファン、M・・モータ、N・・集塵ノズル、P・・ロックピン、W・・被切断材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを収容したハウジングに、前記モータの駆動で動作して被切断材を切断する切断刃を設けると共に、前記モータの冷却用ファンによる冷却用空気を前記切断刃による前記被切断材の切断部位に向けて吹き出させる通風路を形成する一方、前記ハウジングに、前記切断部位の近傍に配置した集塵口となる一端を開口させ、他端の開口に集塵ノズルが接続可能な集塵路を形成した切断機であって、
前記ハウジング内に、前記通風路の閉塞位置と開放位置との間を移動可能で且つ常態では前記開放位置に位置し、前記集塵路への前記集塵ノズルの接続に連動して前記閉塞位置へ移動するシャッター部材を設けたことを特徴とする切断機。
【請求項2】
前記シャッター部材を前記ハウジングの外部から前記閉塞位置へ任意に移動操作可能な操作手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項3】
前記切断刃を、前記ハウジングから突出して、前記モータの駆動で往復動する直線状のブレードとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の切断機。
【請求項4】
前記切断刃を、前記ハウジングの前方で下向きに突出して、前記モータの駆動で往復動する直線状のブレードとする一方、前記通風路を前記ブレードの後方で下向きに形成して前記ハウジングの下面に開口させて、前記集塵路を、前記通風路の後方において前記ハウジングの下部で前後方向に形成して、後端を前記ハウジングの後面に開口させたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の切断機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−110977(P2012−110977A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259408(P2010−259408)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】