説明

切断装置

【課題】マンホール蓋の高さと傾斜を同時に調整できる調整部材を短時間に正確に調製するための装置を提供する。
【解決手段】切断装置は装置の位置を決定するに当たり、基盤11に3本の先端が伸縮自在の足8を取り付け、この3本の足8を筒状部材の内壁面の任意位置に固定することにより切断面を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール蓋の高さ調整部材を効率よく切断することに関する。
【背景技術】
【0002】
マンホール蓋の高さ調整作業において高さと傾斜の決定について、筒状部材を現場状況に合わせて切断し、設置することを提案してきた。(特許文献1)
しかし、装置が軽量で筒状部材をその延長方向に対して任意の位置と角度で切断可能な筒状部材の切断装置はなかった。
【0003】
【特許文献1】 特許2001−103909
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記の問題を解決するものである。
【問題を解決するための手段】
【0005】
筒状部材を切断し、人孔蓋の高さと傾斜を調整する部材を調製する切断装置であって、平板(11)に3本の先端が伸縮自在の足(8)を、其々の足同士のなす角度が該平板上で120度となるように固定し、該平板と平行な面上を移動し、該平板面と平行な面を切断面とする切断手段を取り付けた切断装置で、3本の該足の先端を伸長し、それぞれ任意の位置で該筒状部材の壁に圧着し、該装置の位置を任意の位置に固定することにより、切断手段の刃を所定の位置に配置し、概筒状部材を延長方向に対して任意の長さと角度で切断することにより解決した。
【発明の効果】
【0006】
構成が簡素であるため軽量な切断装置であり、安価で取り扱い、維持管理が容易な切断装置を提供できる。
足の位置を設定するに当たり、仮設足を使うことにより、他の2本の該足の反力を常に筒状部材の壁に伝えるため該切断装置の脱落を防止することができるため該切断切断位置の決定が容易である。
切断手段の刃が切断のために切断対象物との接触する延長をより短くできるため切断抵抗を小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0007】
本発明は基本的に切断手段、スライド板、回転板、基盤の部分により構成されるが、スライド板、回転板等を回転するアーム等で代替することも出来る。
【0008】
切断手段は、原動機の力を受けてトランスミッションを介して刃を稼動させ筒状部材を切削するものである。
スライド板(5)は該切断手段と緊結して、回転板上のガイド(7)に挿入して回転板より該切断手段と該回転板を移動可能に取り付け、該回転板上を指定方向に移動して該切断手段の刃を該筒状部材に挿入するものである。
回転板は筒状部材の横断面の中心線上近似する基盤の中心部に取り付けられるシャフトにより、該シャフトを基準として該基盤の平板面と平行に回転するように該基盤に連結され、回転して該切断手段の刃を移動させて筒状部材を切断させるものである。
基盤は3本の足(8)を伸長し先端部を筒状部材の壁面に圧着し、本発明の切断装置の位置を決定することにより切断手段の刃を所定の切断位置に配置するためるものである。また、該足(8)の数は伸長し筒状部材の壁面に圧着する時の力のベクトルの総和が0となれば其々のなす角度が120度でなくても良い。
【0009】
いわゆる後付けの工法による下水道のマンホール蓋設置に伴う高さ調整部材の作成(特許文献1)を例に実施例を説明する。
【0010】
外径、内径が調整リングと同じ筒状部材を調整すべき高さと傾斜になる部材を調製するに当たり、本発明の切断装置を該筒状部材の内径に挿入し3本の足(8)を伸長させて位置を固定する。このとき、該足の位置は該蓋を固定するボルトの位置における調整厚に対応した位置、すなわち、該筒状部材の天場からの下がりが切断手段の刃の位置となるようにそれぞれの該足を固定する。
該切断装置を所定の位置に固定後、該切断手段を稼動、移動して刃を該筒状部材の壁に挿入、該壁を貫通したら該回転板を回転させ、切断を完了する。
【0011】
残った該筒状部材を使って高さ調製部材を作成する場合は位置を固定する機能をキャスターのついた仮設足(図6)を該足の後端部に掛け該キャスターを該筒状部材の壁面を滑らせて該仮設足を該足と平行にし、該足の先端部の圧着を解除し、該キャスターにより移動の摩擦抵抗を解除し、それぞれの足を所定の位置に移動して位置を決定し、前記のとおり該切断装置を稼動させればよい。
【0012】
なお、該筒状部材の形状が角パイプ等の場合は該足の数を適宜追加することもできる。該足の力のベクトルの総和は0とならなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明によればマンホール蓋の高さ調整部材が短時間で正確に調製できるため作業時間の削減、路面の平坦性の改善等により、設置経費の削減、工事に伴う通行規制時間の短縮、車両通行に伴う騒音振動等周辺の環境負荷を軽減できる。
また、高密度ポリエチレン管の切断面同士を溶融接合し、管路を曲げる場合等の様に、長さ、角度を正確に切断する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の切断装置の構成図
【図2】基盤取り付け平面図
【図3】足の構成図
【図4】回転板の平面図
【図5】回転版のA−A側面図
【図6】キャスターのついた仮設足
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図において、(1)はトランスミッションで、原動機よりの回転力を(3)で受け適当なトルクと回転数にして刃に伝える。同時に(5)のスライド板の移動と(6)の回転板の回転力についても分配する。
【0017】
本発明の切断装置は基盤、回転盤、スライド板、切断手段で構成された装置である。
上記の構成要素は現場で組み立ててもよいがあらかじめセットされていてもよい。
作業手順について説明する。
該基盤の設置は基盤の足が構成する平面とその平面と平行な刃の平面との距離を考慮し、切断面に該刃を挿入できる位置に該足の位置を固定する。
該基盤の平板および足は十分な強度と圧縮力を持つスプリングにより該足の先端部を筒状部材の壁に圧着されるため装置を十分安定に保つ。
該切断装置を所定の位置にセット後、原動機の回転力を受け、トランスミッションを介して刃を起動する。同時にラックアンドオピニオン等によりスライド板の移動を開始し、該刃を筒状部材の壁に挿入する。
該壁を貫通したらスライド板の移動を停止し、回転盤の回転を止めていたストッパーを解除する。同時に回転盤を回転させて該壁を切断する。該回転板が1周回転し、切断が完了したら装置のストップスイッチが作動し切断が完了する。
【符号の説明】
1はトランスミッション、2は刃、3はフレキシブルシャフトを接続する接続器、4はフレキシブルシャフト、5はスライド板、6は回転板、7はスライド板の移動を規定するガイド、8は基盤の位置を規定する足、9は回転板のキャスター、10は筒状部材の内壁面、11は基盤の平板,12は回転板と基盤を連結し、回転板の回転軸となるシャフトを固定する穴、13は17を受ける足後端部、14は15を壁面に押し付けるためのスプリング,15は足の先端部、16は仮設足のキャスター、17は13に掛ける突起。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部材を切断し、人孔蓋の高さと傾斜を調整する部材を調製する切断装置であって、平板(11)に3本の先端が伸縮自在の足(8)を、其々の足同士のなす角度が該平板上で120度となるように固定し、該平板と平行な面上を移動し、該平板面と平行な面を切断面とする切断手段を取り付けた切断装置で、3本の該足の先端を伸長し、それぞれ任意の位置で該筒状部材の壁に圧着し、該装置の位置を任意の位置に固定することにより、切断手段の刃を所定の位置に配置し、概筒状部材を延長方向に対して任意の長さと角度で切断することを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記基盤に取り付けたそれぞれの該足の移動について、先端にキャスター(16)を取り付け、該足よりも少し長い仮設足(図6)の後端部の突起(17)を該足の後端部の突起(13)に掛け、キャスターを筒状部材の壁面を滑らせて該仮設足を該足と平行にし、該足の先端部の圧着を解除し、該キャスターにより移動の摩擦抵抗を解除し、所定の位置まで該足を移動させた後、該仮設足を撤去して該足を所定の位置に固定することを特徴とする請求項1の切断装置。
【請求項3】
切断手段の刃(2)が円盤状の刃で、その回転により切断する場合で、該筒状部材が円筒形であり、その内円部より該刃を挿入して切断する場合、該刃の中心は該筒状部材の延長方向の中心線中心を通らない該筒状部材の横断線上を移動して刃を筒状部材に挿入し、その肉厚を貫通後、円周方向に移動させて切断することを特徴とする請求項1の切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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