説明

切欠構造のなかで長尺状ルテニウム膜上に多段階式銅鍍金を行う方法。

先端の集積回路にみられる切欠構造(206,207,208,209,211,213,264,275a,275b)において、長尺のルテニウム金属膜(214)に多段階で銅鍍金を行う方法である。長尺のルテニウム金属膜 (214)を利用すると、銅金属がトレンチ(266)及びビア(268)のような高アスペクト比の切欠構造(206,207,208,209,264,275a,275b)を充填するあいだ、不要な微細気泡が形成を防ぎ、前記ルテニウム金属膜(214)上に長尺の銅金属層(228)を含むサイズの大きい銅粒(233)が鍍金形成される。銅粒(233)は銅が充填された切欠構造(206,207,208,209,211,213,275a,275b)の電気抵抗を低下させ、集積回路の信頼性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路製造における金属鍍金の分野に関し、さらに詳しくは、ルテニウム(Ru)膜を蒸着利用して銅(Cu)金属で切欠構造を鍍金する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)は様々な半導体機器と、半導体機器に電力を供給してそれら半導体機器に情報を共有および交換をさせる複数の誘電金属経路とを備えている。集積回路の内部では、金属層が金属間層または層間絶縁層と呼ばれる別の層上に積重ねられ、各金属層を隔離している。通常、各金属層は少なくとも1つの付加金属層に対し電気的接続を形成する必要がある。このような電気的接続の形成は、金属層を分離している層間絶縁層をエッチング処理して孔状部(例えばビア)を設け、このビアに金属を充填させて相互接続構造を構成することにより行われている。 層間絶縁層においてエッチング処理された経路部は、一般的に金属層で充填されている。ビアは通常、層間絶縁層において形成された切欠構造の全て、すなわち、孔状構造、線状構造、あるいは他の類似構造といったものを意味している。ビアが層間絶縁層内に形成されると、層間絶縁層の下にある電動層への電気的接続が形成される。なお類似のものとしては、二つ以上のビアを接続する複数の金属層からなる切欠構造があるが、これは通常、トレンチと呼ばれている。
【0003】
集積回路のテクノロジーが持続的な発展を遂げるなか、集積回路面積を縮小化することが長きにわたり追及されてきた。こうした集積回路面積の縮小化は集積回路の占めるスペースを減少させるもので、集積回路の高速性能を実現する上で不可欠である。さらに、集積回路ダイの面積の減少は集積回路の生産量を向上させるものである。これらの利点により、集積回路の小型化が継続的に進められている。装置の性能の向上は、通常、装置面積の縮小や装置の密集状態が高まることに伴って実現される。装置の密集状態が向上するには、より高いアスペクト比(例えば幅に対する深さの比)を含め、相互接続の形成に用いられるビアの小型化が必要である。回路基板(ウエハ)上での最小加工寸法が絶えず減少すると、小型化による結果として様々なことが明らかになってくる。例えば切欠構造が小さくなってゆくにつれ、切欠構造に充填されたバルク金属に、微細気泡が形成されてしまうようになる。金属製配線の幅をより小さいサブミクロンサイズや、さらにはナノメーターサイズに縮小すると、エレクトロマイグレーション破損が生じ、金属製配線がオープンになり電気が送られなくなるといった問題が発生することはよく知られている。また、金属製配線が小型化すると金属製配線の抵抗率が実質的に増し、その結果、回路の性能が損なわれることもある。
【0004】
集積回路を製造する多層メタライゼーション法に銅金属が用いられるようになったのは、ダマスク構造の銅鍍金処理によるが、現在は先端のマイクロプロセッサーや特定用途回路の製造者により広く用いられている。しかしながら、銅金属は絶縁物質に対して粘着度が小さく、シリコンや絶縁物質といった通常用いられる集積回路材料において銅は中間バンドギャップ不純物である。銅金属はそうした材料内へ直ちに拡散してしまうのだが、そのために、絶縁物質と直接接し続けた状態を保つことは難しい。さらに、酸素が含酸素絶縁物質から銅に拡散し、これによって銅金属の電導率が減少してしまう。そこで、拡散バリア物質を絶縁物質や集積回路内の他の物質上に形成して銅金属を囲み込み、これにより銅が集積回路に拡散していくのを妨いでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウエハ基板上に蒸着された薄膜のルテニウム膜は、集積回路製造において銅鍍金に用いられる。しかしながら従来技術において、絶縁物質上もしくは拡散バリア物質へのルテニウムの蒸着には、解決すべき課題があった。化学蒸着(CVD)や原子層蒸着(ALD)による薄膜のルテニウム膜の蒸着では、膜形状の悪化がしばしば見られたのである。さらに、薄膜のルテニウム膜上に直接銅鍍金することもまた、これまで問題点が指摘されてきた。通常のルテニウム膜に直接鍍金された銅は、ルテニウム膜に対する粘着性が低く、また、膜内に含有された不純物が原因と思われるが、ルテニウム膜の成長が非連続となり、さらに/または、ルテニウム膜の形状/表面粗さが悪化することがしばしばあった。したがって、鍍金された銅が基板上で不均一に蒸着してしまい、微細気泡を発生させずに高アスペクト比の構造を充填することは困難であった。さらに、 銅材料全体において銅粉を大きく成長させ、これによって銅物質の電気抵抗を減少させるため、 銅鍍金後にアニーリング処理が慣習的に行われるが、幅が10nm未満(1nm=10−9m)で高アスペクト比の切欠構造を得ることは極めて困難であった。さらに切欠構造が小さくなるにつれ、大きな銅粉でその構造を充填することはより難しくなる。また将来、半導体機器は縮小化が継続し、切欠構造の幅は狭まり続け、深さは増大し続けることが予想される。
【0006】
こうした問題を解決するために、狭く高アスペクト比の切欠構造の銅鍍金と一体化可能で表面粗さの低い高純度の長尺ルテニウム膜の蒸着が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の実施例によれば、本発明の方法は、表面上に形成された少なくとも1つの切欠構造を有する基板を供給する供給工程と、Ru(CO)12前駆体を含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法(TCVD)でルテニウム金属膜を前記切欠構造内に蒸着させる蒸着工程と、前記ルテニウム金属膜を銅鍍金槽と接触させることで、前記ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層を蒸着させ、前記ルテニウム金属膜と前記銅金属層によってともに前記切欠構造の幅、深さ及び体積の100%未満を充填させる接触工程とを備えている。本実施例の方法はさらに、前記銅鍍金槽から前記基板を取出す取出し工程と、前記長尺の銅金属層を非酸化性ガスの中でアニーリングを行うアニーリング工程と、前記接触工程、前記取出し工程、及び、前記アニーリング工程を反復ことにより、少なくとも一部の銅金属が少なくとも1つの切欠構造内を充填し、前記アニーリング済銅金属層と前記アニーリング済付加銅金属より前記ルテニウム金属膜上に形成された銅金属粒を包み込ませる反復工程とを備えている。前記蒸着工程には、一酸化炭素キャリアガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム金属膜を蒸着することが含まれていてもよい。
【0008】
本発明の第2の実施例によれば、本発明の方法は、表面上に形成された少なくとも1つの切欠構造を有する前記基板を供給する供給工程と、Ru(CO)12前駆体と一酸化炭素とを含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム金属膜を前記切欠構造内で蒸着させる蒸着工程と、前記ルテニウム金属膜を第1銅鍍金槽と接触させることで、前記ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層を蒸着させる第1接触工程と、前記第1銅鍍金槽から前記基板を取出す第1取出し工程と、前記長尺の銅金属層を非酸化性ガスの中でアニーリングを行うこと第1アニーリング工程とを備える。前記ルテニウム金属膜と前記銅金属層はともに、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の100%未満である第1幅、第1深さ及び第1体積で前記切欠構造を充填する。本実施例の方法はさらに、前記アニーリング済銅金属層を第2銅鍍金槽と接触させることで、前記切欠構造を少なくとも部分的に充填する付加銅金属層を蒸着させる第2接触工程と、前記第2銅鍍金槽から前記基板を取出す第2取出し工程と、前記付加銅金属層を非酸化条件下においてアニーリングを行う第2アニーリング工程を備えている。本実施例において、第2銅鍍金槽は前記第1銅鍍金槽とは異なった化学物質を含み、前記付加銅金属層がさらに前記切欠構造の幅、深さ及び体積の100%以下である前記第1幅、第1深さ及び第1体積よりも大きい第2幅、第2深さ、第2体積で前記切欠構造を充たし、本実施例の方法により、前記ルテニウム金属膜上において前記アニーリング済銅金属層と前記付加銅金属層から銅金属粒が形成される。
【0009】
本発明の第3の実施例に関し、本発明の方法は部分的に組み立てられた集積回路におけるダマスク構造を充填するためのものである。前記第3の実施例の方法は、Ru(CO)12前駆体と一酸化炭素キャリアガスとを含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム金属膜を、前記部分的に製造された集積回路の少なくとも1つの切欠構造内で拡散隔層上に蒸着させる蒸着工程と、前記基板の温度が100℃以上500℃以下のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記ルテニウム金属膜をアニーリングする第1アニーリング工程とを備えている。本実施例の方法はさらに、前記一部組み立てられた集積回路の少なくとも一部若しくは全体を第1銅鍍金槽内で浸漬させて、前記ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層を蒸着させる第1浸漬工程と、前記一部製造された集積回路を前記第1銅鍍金槽から取出す第1取出し工程と、前記基板の温度が100℃以上500℃以下のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記銅金属層をアニーリングする第2アニーリング工程とを備えている。前記ルテニウム金属膜と前記銅金属層はともに、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の100%未満である第1幅、第1深さ、第1体積で前記少なくとも1つの切欠構造を充填する。本実施例の方法はさらに、前記一部製造された集積回路の少なくとも一部又は全体を第2銅鍍金槽内で浸漬させ、前記切欠構造の幅、深さ、体積以下である第1幅、第1深さ、第1体積よりも大きい第2幅、第2深さ、第2体積で、前記少なくとも一部を充填する付加銅金属を蒸着させる第2浸漬工程と、前記一部製造された集積回路を前記第2銅鍍金槽から取出す第2取出し工程と、前記基板の温度が100℃以上500℃以下のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記付加銅金属をアニーリングし、前記ルテニウム金属膜上において前記アニーリング済銅金属層と前記アニーリング済付加銅金属とから銅金属粒を形成する第3アニーリング工程とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、先端の集積回路に見られる切欠構造内で、長尺のルテニウム金属フィルム上に多段階で銅金属鍍金を行うための方法を提供するものである。高純度のルテニウム金属膜を使用すると、トレンチやビアといった高アスペクト比の切欠構造を銅金属が充填するあいだ、不要な微細気泡の形成を防ぐことができるとともに、ルテニウム金属膜上に鍍金形成された長尺の銅金属層(銅シード層)を含むサイズの大きい銅金属粒の形成が可能になる。また、前記銅金属粒により、銅で充填された切欠構造の電気抵抗を低下させ、集積回路の信頼性を増大させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1B】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1C】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1D】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1E】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1F】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1G】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1H】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1I】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1J】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1K】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図1L】本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム金属膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【図2A】本発明の実施例により追加的に用いられる切欠構造の概略断面図である。
【図2B】本発明の実施例により追加的に用いられる切欠構造の概略断面図である。
【図3】本発明の実施例により、切欠構造において長尺ルテニウム金属膜上に銅鍍金する工程図である。
【図4】本発明の実施例により、切欠構造において長尺ルテニウム金属膜上に銅鍍金する工程図である。
【図5A】長尺ルテニウム金属膜上に物理蒸着方(PVD)により蒸着された銅シード層を含む銅充填トレンチを側面側から撮影した、銅充填トレンチの透過型電子顕微鏡写真(TEM)である。
【図5B】長尺ルテニウム金属膜上に物理蒸着方(PVD)により蒸着された銅シード層を含む銅充填トレンチを側面側から撮影した、銅充填トレンチの透過型電子顕微鏡写真(TEM)である。
【図5C】本発明の実施例による長尺ルテニウム金属膜上の銅シード層を含む銅充填トレンチを側面側から撮影した、銅充填トレンチの透過型電子顕微鏡写真(TEMs)である。
【図6】本発明の実施例により、ルテニウム金属膜を蒸着するための熱化学蒸着(TCVD)装置の概略図である。
【図7】本発明の実施例により、ルテニウム金属膜を蒸着するための別の熱化学蒸着(TCVD)装置の概略図である。
【図8】本発明の実施例により、銅鍍金およびアニーリングを行なうための処理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に記載される様々な実施例において、先端の集積回路に見られる切欠構造内で、ルテニウム金属膜上に銅金属を鍍金する方法が開示される。長尺のルテニウム金属膜を利用する場合、トレンチやビアといった高アスペクト比の切欠構造が銅金属により充填されてゆくあいだにおいて、不要な微細気泡の形成が一切なくなるか、あるいは少なくとも実質的に抑制される。切欠構造においてルテニウム金属膜に 薄膜の長尺銅金属膜が鍍金形成され、ルテニウム金属膜は銅金属膜に対し極めて持続性の高い付着力を持つ。この持続性のある付着力により、予期せずして切欠構造に銅粒子が入り込み、前記銅金属膜をも含め切欠構造にあるすべての銅金属からサイズの大きな銅粒が成長する。この銅粒によって切欠構造が充填され、その結果、切欠構造の電気抵抗が低下し、集積回路の信頼性が向上する。
【0013】
本発明の実施形態を、図1−8を用いて以下に記載する。図1および2は集積回路装置に見られる切欠構造を図示してたものであり、実際の集積回路装置の一部を実際の平面図や断面図として示したものではない。実際の集積回路装置では、膜や層は整然としているわけではなく、厚みにはムラがある。あくまでもこれらの図は理想的な表現であり、これらを用いない場合よりも本発明の実施例をより明確かつより十分に説明するために採用されたものである。
【0014】
従ってこれらの図は、本発明の実施例を用いて製造されうる装置の無数のバリエーションの1つであるに過ぎない。本明細書では図1−8を参照して装置製造の工程が記載されるが、それにもかかわらず、本発明の実施例と一致する方法は、ここにおいて詳細に記載されたものと大きく異なった構造、装置、製造工程を用いて実施されることは明確である。ここに記載される実施例は一例であり、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲が制限されることを主張するものではない。
【0015】
本明細書において「1つの実施例」あるいは「ある実施例」が言及されるが、これらは、本実施例と関連づけて記載された特別な特徴、構造、物質あるいは性格が、本発明の少なくとも1つの実施例の中に含まれることを意味するが、それらがどの実施例にも存在することを表しているわけではない。かくして、本明細書の様々なところにある「1つの実施例」や「ある実施例」という表現の意味は、必ずしも本発明の同一の実施例に言及するものではない。
【0016】
図1Aは従来技術において公知である簡易化された切欠構造をの概略図である。
【0017】
図1B−1Lは本発明の実施例による、切欠構造内における長尺ルテニウム膜への銅鍍金プロセスを概略的に示す断面図である。
【0018】
図1Aは製造の途中段階にある集積回路の切欠部205を概略的に示している。切欠部205には、表面203によって切欠構造206を囲みこむ層210がある。層210としては、例えばシリコン基板や絶縁層がある。絶縁層210の含有物としては、例えば フッ化シリコンガラス(FSG)、カーボンドープ酸化ケイ素(例えばCORALTM)、カーボンドープ窒化ケイ素、炭酸化酸化ケイ素(SiCOH)、炭酸化酸化ケイ素含有低誘電率材料などのような低誘電率(low−κ)材料のほか、二酸化ケイ素(SiO)、非多孔質低誘電率物質、多孔質低誘電率物質、CVD低誘電率物質、スピノン絶縁性(SOD)低誘電率物質、あるいは他の適切なすべての絶縁材料がある。絶縁層210はシリコン含有絶縁物質の代わりに、あるいは加えて、例えば SILKTMといった市販の高分子炭素−水素−酸素含有絶縁物質を含んでいてもよい。
【0019】
切欠構造206は、例えば約2:1以上、すなわち、例えば3:1, 4:1,5:1, 6:1, 12:1, 15:1あるいはそれより大きな高アスペクト比のトレンチやビアであってもよい。トレンチやビアの幅は約200nm以下で、例えば150 nm, 100 nm, 65 nm, 45 nm, 32 nm, 22 nmあるいはそれより低くてもよい。しかしながら、本発明の実施例は上記のアスペクト比、及び、トレンチやビアの幅に制限されるものではなく、ほかのアスペクト比、及び、トレンチやビアの幅を用いてもよい。また、図1Aでは明確さのために1つの切欠構造206のみが図示されているが、本技術分野で熟達した者であれば、一般的な集積回路が多数の切欠構造を有しており、本発明の実施例が切欠構造をいくつであっても有している集積回路に対して直ちに応用できることは、すぐに理解できるであろう。なお、切欠構造の追加例が図2Aおよび2Bにおいて示されている。
【0020】
図1Bは、図1Aの切欠構造206内において形成された拡散隔膜212を含む切欠構造207を示している。拡散隔膜212には、例えば、タンタル(Ta)含有膜(例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、炭化タンタル(TaC)、炭窒化タンタル(TaCNを含有))、チタン含有膜(例えばチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)を含有)、タングステン(W)含有膜(例えば、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、炭化タングステン(WC)、炭窒化タングステン(WCN)を含有)、あるいはこれらの組合せが含まれてもよい。組合せとしては、別々の膜、すなわちタンタル膜、窒化タンタル膜、チタン膜、窒化チタン膜、窒化タングステン膜を二つ以上含んでいてもよく、例えば、タンタル膜/窒化タンタル膜、チタン膜/窒化チタン膜、窒化タンタル膜/窒化チタン膜、あるいは窒化タンタル膜/窒化タングステン膜の各組み合わせでもよい。拡散隔膜212の厚みは、たとえば、約1nmから約10nm、約2nmから約5nm、例えば約4nmであってもよい。拡散隔膜212は、物理蒸着法(PVD), イオン化物理蒸着法 (iPVD),熱化学蒸着法, パルス化学蒸着法, プラズマ増強化学蒸着法 (PECVD),原子層堆積法(ALD), プラズマ増強原子層堆積法 (PEALD)、あるいはスパッタ法といった、本技術分野において通常の技術を有する者に知られるさまざまな蒸着方法によって、フィルム蒸着装置のなかで蒸着されてもよいが、蒸着方法はこれらに限定されるものではない。例えば、拡散隔膜212は高アスペクト比の切欠構造207において均等に形成されてもよい。
【0021】
拡散隔膜212の蒸着には、多種多様なタンタル含有前駆体、チタン含有前駆体、及びタングステン含有前駆体が用いられている。タンタル含有前駆体の代表的な例としては、 Ta(NMe (ペンタキス(ジエチルアミド)タンタル、PDMAT)、 Ta(NEtMe) (ペンタキス(エチルメチルアミド)タンタル、PEMAT)、(BuN)Ta(NMe(tert−ブチリミド・トリス(ジメチルアミド)タンタル、TBTDMT)、 (BuN)Ta(NEt (tert−ブチリミド・トリス(ジエチルアミド)タンタル, TBTDET)、 (BuN)Ta(NEtMe) (tert-ブチリミド・トリス(エチルメチルアミド)タンタル、TBTEMT)、 (EtMeCN)Ta(NMe (tert-アミリミド・トリス(ジメチルアミド)タンタル、TAIMATA)、(PrN)Ta(NEt (イソプロピリミド・トリス(ジエチルアミド)タンタル、IPTDET)、Ta(OEt)10 (タンタルペンタエトキシド、TAETO)、(MeNCHCHO)Ta(OEt) (ジメチルアミノエトキシタンタル・テトラエトキシド、TATDMAE)、及び、TaCl (五塩化タンタル)がある。チタン含有前駆体の代表的な例としては、Ti(NEt (テトラキス(ジエチルアミド)チタン、TDEAT)、Ti(NMeEt) (テトラキス(エチルメチルアミド)チタン、TEMAT)、 Ti(NMe (テトラキス(ジメチルアミド)チタン、TDMAT)、Ti(THD)(トリス(2,2,6,6−テトラメチル-3,5−ヘプタンジオナート)チタン)、及び、TiCl (四塩化チタン)がある。タングステン含有前駆体の代表的な例としては、W(CO) (タングステンヘキサカルボニル)、WF (六フッ化タングステン)、及び、(BuN)W(NMe (ビス(tert−ブチリミド)ビス(ジメチルアミド)タングステン、BTBMW)がある。これらの前駆体において、以下の略記が用いられている。 すなわち、Me(メチル)、Et(エチル)、Pr(イソプロピル)、Bu(tert−ブチル)、及び、THD(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)である。実施例よっては、アンモニア(NH3) やヒドラジン(N2H4)といった窒素含有ガスが、拡散隔膜212の蒸着の際に窒素源として利用されていてもよい。また、本発明のいくつかの実施例によれば、拡散隔膜212が省略されてもよい。
【0022】
図1Cは切欠構造208を示している。この切欠構造208は、切欠構造207のオプショナルな拡散隔膜212上に形成されたルテニウム金属膜214を含む。ルテニウム金属膜214の厚みは、例えば、約0.5nmから約10nmのあいだ、約2nmから約5nmのあいだ、あるいは、約3nmから4nmのあいだ、例えば2nmであってもよい。
【0023】
ルテニウム金属膜214は、 ドデカカルボニル三ルテニウム前駆体(以下、Ru(CO)12前駆体)や一酸化炭素キャリアガスを用いた化学蒸着処理や熱化学蒸着処理によって蒸着されてもよい。一酸化炭素キャリアガスは、金属前駆体気化装置から基板上へのルテニウム金属膜の蒸着のために設置された処理室まで、 Ru(CO)12前駆体気化ガスを効率的に送るために用いられる。一酸化炭素キャリアガスを使用すると、金属前駆体気化装置において、及び、金属先駆体気化装置からルテニウム金属蒸着室までのガスラインにおいて、前駆体の早期蒸着を防いだり抑えることにより、半導体製造において求められる搬送効率での気化 Ru(CO)12前駆体の搬送が可能になる。Ru(CO)12前駆体と一酸化炭素キャリアガスを用いる典型的なルテニウム熱化学蒸着処理は、米国特許No.7,270,848及びNo.7,279,421に記載されており、これらに記載されたすべての内容が援用される。
【0024】
ルテニウム金属膜214を蒸着する処理条件としては、基板温度が約100℃から約400℃のあいだ、あるいは、約150℃から約250℃のあいだであり、蒸着チャンバ内の圧力が約0.1mTorrから約200mTorrのあいだ、約5mTorrから約200mTorrのあいだ、あるいは、約50mTorrから約150mTorrのあいだである。金属前駆体気化装置において気化される固体のRu(CO)12前駆体は、温度が約40℃から約150℃のあいだに、あるいは、約60℃から約90℃のあいだに保たれる。例えば、ルテニウム金属蒸着条件が、固体であるRu(CO)12前駆体の温度を約80℃未満に保つこと、蒸着チャンバの圧力が約100mTorrに保つこと、かつ、基板温度を約200℃に保つことを含んでいてもよい。
【0025】
熱化学蒸着処理においてRu(CO)12前駆体を用いると、半導体の製造によく適する実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム膜を蒸着することができるようになる。ある例では、 2nmの厚みを持つルテニウム金属膜が窒化タンタル膜上に蒸着されていた。二次イオン質量分析法(SIMS)により測定したところ、ルテニウム金属膜において酸素及び炭素不純物レベルが約0.1%であり、X線解析で測定したところルテニウム粒の大きさは約1.9nmであり、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、二次平均平方根(RMS)表面粗さは約0.63nmであった。
【0026】
本発明の実施例によれば、蒸着されたルテニウム金属膜214は任意で非酸化ガスのなかでアニーリングされてもよく、アニーリングをおこなえば酸素不純物や炭素不純物が減少し、ルテニウム金属膜214の材料特性が改善される。図1Dにおいて、矢印216はルテニウム金属膜214のアニーリングを表している。非酸化ガスは不活性ガス、水素(H)ガス、あるいはこれらの組合せであってもよい。例えば、ルテニウム金属膜214が 水素ガス、または 水素と不活性ガスの組合せからなるH含有ガス内でアニーリングされてもよい。不活性ガスは窒素(N)及び希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン)から選ばれてもよい。さらに、水素含有ガスはプラズマ励起状態にあるものであっても、プラズマ励起状態にないものであってもよい。水素と不活性ガスの組合せは、例えば水素の含有率が90%以下、例えば80%、60%、20%、10%、5%もしくはそれ未満でもよく、残りは不活性ガスである。水素含有ガスはフォーミングガスを含んでいてもよく、あるいはまた、フォーミングガスからなるものでもよい。フォーミングガスは通常水素の含有率が約10%よりも低く、残りは窒素ガスである。典型的なアニーリング条件としては、さらに、ガス圧力が約1Torrから約1000Torrのあいだ、あるいは、約10Torrから100Torrのあいだであり、基板温度が約100℃から約500℃のあいだ、あるいは、約200℃から約400℃のあいだであり、アニーリング時間が約1分から約30分のあいだである。しかしながら、本発明の実施例はこれらの条件に限定されず、ほかのアニーリング条件が用いられてもよい。本発明のある実施例では、気圧が約0.1Torrから約100Torrのあいだ、あるいは、約0.5Torrから約10Torr のあいだであってもよい。ある例では、2nmの厚みをもつルテニウム金属膜がフォーミングガス内において約10分間にわたり1.5Torrと400℃でアニーリングされ、これにより、酸素不純物や炭素不純物のレベルが0.1%未満までさらに減少した。なお、ルテニウム金属粒の平均サイズは2.4nmに増加し、二次平均平方根表面粗さは0.5nmに減少した。
【0027】
図1Eでは長尺の銅金属層228を含む切欠構造209が示されている。この銅金属層228は、本発明の実施例により、図1Dまたは1Cの切欠構造208のルテニウム金属膜214上において鍍金処理により形成されたものである。銅金属層228は、銅鍍金およびアニーリングのために設けられた処理装置内の銅鍍金槽と、ルテニウム金属膜214を接触させることによって形成される。この銅鍍金過程は 電気化学的銅鍍金処理過程と非電気的銅鍍金処理過程であってもよい。銅金属層228の厚みは約1nmから約50nmのあいだ、約2nmから約20nmのあいだ、あるいは、約2nmから約10nmのあいだであってもよい。いくつかの例では、銅金属層228の厚みが約2.5nmまたは4nmであってもよい。本発明の実施例に拠れば、図1Eで示すように、銅金属層228は切欠構造228の一部を銅金属で充填しているに過ぎない。銅金属層228が終わるとそれに続き、切欠部205は第1銅鍍金槽から取除かれる。
【0028】
本発明の実施例に拠れば、ルテニウム金属膜214の厚み、及び/若しくは、銅金属層228の厚みは、切欠構造の幅に比べて小さくてもよい。これによれば、一回若しくはそれよりも多く順次行われる銅鍍金工程において、気泡が生じることなく切欠構造209の充填を行うことができる。例えば、ルテニウム金属膜214の厚みが2nmから5nmであり、銅金属層228の厚みが約2nmから約10nmであり、ルテニウム金属膜214と銅金属層228とを合わせた厚みの合計が約4nmから約15nmである。このとき、切欠構造206の幅が45nmであれば、切欠構造209におけるルテニウム金属膜214と銅金属層228を合わせたものが、切欠構造206の幅の約18%から約67%を占める。ルテニウム金属膜214の厚みが約2nmから約5nmであり、銅金属層228の厚みが約2.5nmから約4nmのあいだであれば、切欠構造209のルテニウム金属膜214と銅金属層228を合わせたものが、切欠構造206の幅の約20%から約40%を占める。切欠構造206の幅が他の値、例えば32nm、22nmであっても同様の計算が行われてもよい。本発明の実施例によれば、ルテニウム金属膜214と銅金属層228とを合わせた厚みは、切欠構造206の約50%未満、約40%未満、さらには約20%未満を占めてもよい。同様に、切欠構造206の深さと体積に関しては、ルテニウム金属膜214と銅金属層228を合わせえたものが、切欠構造206の深さと体積の100%未満を占め、例えば約50%未満、約40%未満、さらには約20%未満である。
【0029】
本発明の実施例によれば、長尺の銅金属膜228の蒸着に続き、不純物の減少や銅粒サイズの向上といった銅金属層228の材料特性の向上を目的として、切欠部205は任意で非酸化ガスのなかでアニーリングされてもよい。図1Fにおいて、矢印236は銅金属層228のアニーリングを表している。例えば、銅金属層228は、水素ガス、または水素と不活性ガスの組合せからなる水素含有ガス内でアニーリングされてもよい。不活性ガスは窒素(N)及び希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン)から選ばれてもよい。さらに、水素含有ガスはプラズマ励起状態にあるものであっても、プラズマ励起状態にないものであってもよい。水素と不活性ガスの組合せは、例えば水素の含有率が90%以下、例えば80%、60%、20%、10%、5%もしくはそれ未満でもよく、残りは不活性ガスである。水素含有ガスはフォーミングガスを含んでいてもよく、あるいはまた、フォーミングガスからなるものでもよい。フォーミングガスは通常水素の含有率が約10%よりも低く、残りは窒素ガスである。典型的なアニーリング条件としては、さらに、ガス圧力が約1Torrから約1000Torrのあいだ、あるいは、約10Torrから約100Torrのあいだであり、基板温度が約100℃から約500℃のあいだ、あるいは、約200℃から約400℃のあいだであり、アニーリング時間が約1分から約30分のあいだである。しかしながら、本発明の実施例はこれらの条件に限定されず、ほかのアニーリング条件が用いられてもよい。本発明のいくつかの実施例では、ガス圧力が約0.1Torrから約100Torrのあいだ、あるいは、約0.5Torrから約10Torrのあいだであってもよい。
【0030】
本発明の実施例によれば、銅金属層228を含む切欠部205のアニーリングに続き、 第2銅鍍金槽内において付加銅金属層230がアニーリング済銅金属層248上に鍍金形成されてもよい。図1Gの実施例では、付加銅金属層230が切欠構造209を充填し、切欠構造内の下方付加銅金属部235と切欠構造上端より上側の上方付加銅金属部240とを備えている。上方付加銅金属部240の厚みは、100nmから2000nmのあいだ、あるいは、250nmから750nmのあいだであってもよい。
【0031】
本発明の実施例に拠れば、第1および第2の鍍金槽は同じであってもよい。他の実施例によれば、第1および第2の鍍金槽は異なる化学成分を含んでいてもよい。化学成分は例えば、還元剤濃度、界面活性剤濃度、銅イオンのソースおよび濃度において1つ以上異なっていてもよい。本発明の実施例によれば、第2銅鍍金槽では第1銅鍍金槽よりも銅イオン濃度が高く設定され、第1銅鍍金槽よりも切欠構造内での銅金属鍍金を迅速に行えるようになっていてもよい。
【0032】
付加銅金属層230の蒸着に続き、付加銅金属層230の材料特性をさらに向上させるため、切欠部205は任意で非酸化ガスのなかでアニーリングされてもよい。アニーリングにより、付加銅金属層230においてサイズの大きい銅粒が形成される。図1Hにおいて、矢印246は付加銅金属層230のアニーリング、すなわち熱処理を表している。非酸化ガスが不活性ガス、水素ガス、あるいは両者の組合せに含まれていてもよい。例えば、付加銅金属層230は、水素ガス、または水素と不活性ガスとの組合せからなる水素含有ガス内でアニーリングされてもよい。不活性ガスは窒素(N)及び希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン)から選ばれてもよい。さらに、水素含有ガスはプラズマ励起状態にあるものであっても、プラズマ励起状態にないものであってもよい。水素と不活性ガスとの組合せは、例えば水素の含有率が90%以下、例えば80%、60%、20%、10%、5%もしくはそれ未満でもよく、残りは不活性ガスである。水素含有ガスはフォーミングガスを含んでいてもよく、あるいはまた、フォーミングガスからなるものでもよい。典型的なアニーリング条件としては、さらに、ガス圧力が約1Torrから約1000Torrのあいだ、あるいは、約10Torrから100Torrのあいだであり、基板温度が約100℃から約500℃のあいだ、あるいは、約200℃から約400℃のあいだであり、アニーリング時間が約1分から約30分のあいだである。しかしながら、本発明の実施例はこれらの条件に限定されず、ほかのアニーリング条件が用いられてもよい。本発明のある実施例では、気圧が約0.1Torrから約100Torrのあいだ、あるいは、約0.5Torrから約10Torr のあいだであってもよい。
【0033】
図1lはアニーリング直後のアニーリング済付加銅金属層232の概略図である。アニーリング済付加銅金属層232は、切欠構造内においてアニーリングされた下方銅金属部237を備え、かつ、切欠構造209上端の上方においてアニーリングされた上方銅金属部242を備えている。アニーリング済付加銅金属層232にはサイズの大きい銅粒233が形成されており、この銅粒233は、銅金属層228のアニーリングにより得られた銅材料を含んでいる。言い換えれば、銅粒233が成長したのは、付加銅金属層228からではなく長尺の銅金属層228からであり、銅粒233は切欠構造209全体においてルテニウム金属膜214上に形成する。切欠構造209全体においてアニーリングにより銅粒233の形成が可能になるのは、銅金属層228の存在のみならず、この銅金属層228がルテニウム金属膜214に対し極めて高い粘着力を維持することによる。一般的には、上方銅金属部242の厚みが大きくなるほど、切欠構造内における銅粒233のサイズが大きくなる。
【0034】
図1Jは、切欠部205が平坦表面250を備えている。切欠部205において上方銅金属部242と、アニーリングされた後の拡散隔膜212及びルテニウム金属膜214の一部とが、通常は化学機械研磨によって取除かれると、平坦表面250が形成される。
【0035】
図1E、1F、1Kで図示されるように、本発明の他の実施例によれば、銅金属層228のアニーリングに続いて、付加銅金属の鍍金によって切欠構造209が一部のみ充填されるだけであってもよい。図1Kで図示される一部充填の切欠構造211は、銅鍍金工程が終わると付加銅金属層230aを備えている。本発明の実施例によれば、図1Kにおける切欠構造211は付加銅金属を鍍金することにより銅金属で充填されており、充填率は、切欠構造211の深さ及び/若しくは体積に関し、50%未満、約40%未満、約20%未満、さらには10%未満であってもよい。付加銅金属層230aの銅鍍金は、切欠構造211をさらに充填させるために複数回繰り返されてもよい。各鍍金工程に引き続き、非酸化ガスを用いたアニーリング工程が毎回行われてもよい。
【0036】
図1E、1F,1Lに関し、本発明の他の実施例によれば、銅金属層288のアニーリング工程に続き、付加銅金属の鍍金工程を実施して切欠構造209を実質的に充填してもよい。図1Lで図示される実質的に充填された切欠構造213は、銅鍍金工程の後では付加銅金属層230bを備えている。本発明の実施例によれば、図1Lにおける切欠構造213は付加銅金属を鍍金することにより銅金属で充填されており、充填率は、切欠構造213の深さ及び/若しくは体積に関し、例えば約50%よりも大きくても、約60%よりも大きく、約70%よりも大きくても、約80%よりも大きく、さらには約90%よりも大きくてもよい。付加銅金属層230bの銅鍍金は、切欠構造213をさらに充填させるために複数回繰り返されてもよい。各鍍金工程に引き続き、非酸化ガスを用いたアニーリング工程が毎回行われてもよい。
【0037】
このように、すべての実施例において、鍍金工程により形成された付加銅金属層230,230a,230bは、ルテニウム金属膜214及び銅金属層228が切欠構造を充填する第1幅、第1深さ、第1体積よりも大きい第2幅、第2深さ、第2体積で、切欠構造を充填している。さらに、切欠構造が充填されている第2幅、第2深さ、第2体積は、切欠構造の幅、深さ、体積の100%以下であってもよい。さらにまた、第2幅、第2深さ、第2体積は切欠構造の幅、深さ、体積の100%未満であってもよく、付加銅金属の鍍金とアニーリングは、切欠構造が第3幅、第3深さ、第3体積で十分に充填されるまで、一回以上必要なだけ反復されてもよい。このとき第3幅、第3深さ、第3体積は、例えば、切欠構造の幅、深さ、体積の約90%から100%のあいだである。ある実施例において、第1幅、第1深さ、第1体積は切欠構造の幅、深さ、体積の約20%未満であり、第2幅、第2深さ、第2体積は切欠構造の幅、深さ、体積の約20%よりも大きく約50%未満であり、第3幅、第3深さ、第3体積は切欠構造の幅、深さ、体積の約100%である。
【0038】
図1Aにおいては簡略化された切欠構造が図示されているが、本発明の実施例は、集積回路のデザインに見られる全てのタイプの切欠構造に適用される。図2A及び2Bは本発明の実施例が実施される技術分野で公知の他の切欠構造の概略断面図である。図2A及び2Bで示されるパターン構造体を形成する処理方法は、本技術分野において熟達した者に知られている。本発明の実施例は、本技術分野において通常の知識を有する者には高い価値を持つため、図2A及び2Bで図示される切欠構造に直ちに応用することができる。
【0039】
図2Aは二重ダマスク相互接続構造体の断面図である。二重ダマスク相互接続構造体は、集積回路製造の技術分野にける通常の技術者によってよく知られている。図2Aに図示された二重ダマスク相互接続構造体は、誘電性の相互接続構造体262の上方に形成された二重ダマスク相互接続切欠構造(以下、相互接続切欠構造)264を有している。相互接続切欠構造264は側壁268a及び底面268bを有するビア268と、絶縁層258に形成されたトレンチ266とを備えている。トレンチ266は側壁266a及び底面266bとを備えている。トレンチ266は上方誘電性相互接続構造体に用いられてもよく、また、ビア268はトレンチ266を相互接続構造体262に接続させる。相互接続構造体は、さらに絶縁層252,254と、相互接続構造体262を取囲む隔膜(バリアフィルム)260と、エッチストップ層256に接している。ある実施例によれば、相互接続切欠構造264におけるバリア膜(図示せず)の蒸着に続き、本発明の方法に従って相互接続切欠構造264内にルテニウム金属膜(図示せず)を蒸着する前に、バリア膜の少なくとも一部がプラズマエッチングにより底面268bから取除かれてもよい。プラズマエッチングはルテニウム金属膜を相互接続構造体262に直接接続するために行われるものである。他の実施例によれば、バリア膜とルテニウム金属膜の少なくとも一部がプラズマエッチングにより底面268bから取除かれ、これによって相互接続切欠構造264において相互接続構造体262に銅金属層を直接接続させてもよい。
【0040】
図2Bは、本発明の実施例が実施される集積回路設計技術の分野で公知であるもう1つのパターン構造体の概略断面図である。このパターン構造体は絶縁層272に形成された切欠構造275aと、切欠構造275aの底にあるゲート電極276上に形成された誘電層273aとを備えている。ゲート電極276はゲート絶縁膜277とともに、ゲート構造体(図示せず)の一部を構成している。ゲート絶縁膜277は、二酸化ケイ素、SiO,SiN、あるいは、二酸化ケイ素(κ≒3.9)よりも誘電率の高い高誘電率(High−κ)材料、あるいはまたこれらの組合せを含んでいてもよい。高誘電率材料は、金属酸化物、金属酸窒化物、およびそれらのケイ酸塩が挙げられ、例えば、五酸化タンタル、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、HfO, HfSiO, HfSiO, 酸化ハフニウム、二酸化ジルコニウム、ZrSiO,ZrO,ZrSiO,TaSiO,SrO,SrSiO,LaO,LaSiO,YO,YSiO、酸化バリウム、或はまた、これらのうち2つ以上の組合せである。
【0041】
さらに、図2Bにおけるパターン構造体は、絶縁層272の間に形成された切欠構造275bと、基板270上のドープ基板領域271(例えば、ドレーン領域若しくはソース領域)上において切欠構造275bの底となるように形成された誘電層273bとを備えている。基板270は、例えば200mmのシリコンウエハ、300mmのシリコンウエハ、あるいはさらに大きなシリコンウエハであってもよい。絶縁層272は二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、あるいは、二酸化窒素(κ≒3.9)よりも誘電率の低い低誘電率(Low−κ)材料を含んでいてもよい。一般的な低誘電性材料は、ケイ素、酸素、窒素、炭素、水素、及び/又はハロゲンの単純化合物もしくは複合化合物を含んでいてもよく、高密度物質でも多孔物質でもよい。本発明の実施例によれば、切欠構造275a、275bは2:1以上のアスペクト比(深さ/幅)のビアであってもよく、アスペクト比は、例えば3:1、4:1、5:1、6:1、12:1、15:1、或はさらに大きくてもよい。ビアの幅は約200nm以下であってもよく、例えば150nm、100nm、65nm、45nm、32nm、20nm、或はさらに小さくてもよい。例えば、切欠構造275a、275bは約7のアスペクト比を有する45nmサイズのビアであってもよい。しかしながら、本発明の実施例はこれらのアスペクト比もしくはビアの幅に限定されるものではなく、他のアスペクト比もしくはビアの幅のものが用いられてもよい。誘電層273a,273bは安定した薄膜の電気接続を行うケイ化物誘電層であってもよく、例えば コバルトシリサイド、白金シリサイド、鉛シリサイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、タンタルシリサイド、またはこれらの二種類以上の組合せを含有していてもよい。例えば白金添加ニッケルシリサイドを含む組合せは、ニッケルシリサイドよりも高い処理温度で用いることができる。このように、本発明の実施例は、本技術分野における通常の技術者には高い価値を持つため、図2A及び2Bで図示される切欠構造に直ちに応用することができる。
【0042】
図3は本発明の実施例により、切欠構造内で長尺ルテニウム膜上に銅を鍍金する工程図である。なお、本出願において工程という言葉が用いられるが、二つの工程がまったく同時に、あるいは一部の時間並行して行われることを排除するものではない。図3において、工程フロー300は、表面上に切欠構造を有する基盤を提供する工程302を含んでいる。切欠構造は、例えばビア、トレンチ、あるいは両者を組み合わせたものであってもよく、シリコン基板や絶縁膜上に形成されてもよい。基板表面には拡散隔膜が露出しており、拡散隔膜はタンタル、窒化タンタル、炭化タンタル、炭窒化タンタル、チタン、窒化チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、炭化タングステン、炭窒化タングステン、もしくはこれらの組合せを含んでいてもよい。
【0043】
工程304において、Ru(CO)12前駆体を含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム金属膜が切欠構造内で蒸着される。ここで、プロセスガスはさらに一酸化炭素キャリアガスを含んでいても良い。また、ルテニウム金属膜の厚みは、約1nm以上かつ約20nm以下であってもよい。
【0044】
オプショナルな工程306において、ルテニウム金属膜が非酸化ガス内でアニーリングされても良い。非酸化ガスは不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの組合せであっても良い。
【0045】
工程308において、銅鍍金およびアニーリングを行うために設けられた処理装置において、ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層が鍍金形成される。本工程308における銅鍍金処理は電気化学的銅鍍金処理でもよく、あるいは、非電気的銅鍍金処理でも良い。ルテニウム金属膜はしばらく銅鍍金槽との接触が行われ、銅金属層が蒸着されると、それに続き銅鍍金槽から取除かれる。
【0046】
工程310において、銅金属層は非酸化ガス内においてアニーリングが行われる。非酸化ガスは不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの組合せを含んでいても良い。
【0047】
矢印312によって示されるように、鍍金工程308およびアニーリング工程310は、ルテニウム金属膜上に形成されたサイズの大きい銅金属粒によって切欠構造が少なくとも一部充填されるまで、何回も反復されてもよい。なお、銅金属粒は、最初に蒸着されアニーリングされた長尺の銅金属層と、その後に蒸着されアニーリングされた付加銅金属層とから形成されたものである。
【0048】
図4は、本発明の第2の実施例により、切欠構造において長尺ルテニウム膜上に銅を鍍金する工程図である。図4における工程フロー400は、図3および上記の工程フロー300に類似している。工程402において、表面に切欠構造を有する回路基板が供給されている。切欠構造は、例えば、ビア、トレンチ、或はこれらを組み合わせたものを含んでいても良く、シリコン基板若しくは絶縁膜内において形成されたものであってもよい。回路基板は拡散隔層を有していても良い。拡散隔膜は、例えば、タンタル、窒化タンタル、炭化タンタル、炭窒化タンタル、チタン、窒化チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、炭化タングステン、炭窒化タングステン、またはこれらの混合物であっても良い。
【0049】
工程404において、Ru(CO)12前駆体を含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム膜が切欠構造内で蒸着される。ここで、プロセスガスはさらに一酸化炭素キャリアガスを含んでいても良い。また、ルテニウム金属膜の厚みは、約1nm以上かつ約20nm以下である。
【0050】
工程406はオプショナル工程である。工程406において、ルテニウム金属膜が非酸化ガス内でアニーリングされても良い。非酸化ガスは不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの組合せであっても良い。
【0051】
工程408において、銅鍍金およびアニーリングを行うために設けられた処理装置において、ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層が鍍金形成される。本工程408における銅鍍金処理は電気化学的銅鍍金処理であっても、非電気的銅鍍金処理であっても良い。ルテニウム金属膜はしばらく第1銅鍍金槽との接触が行われ、銅金属層の蒸着が行われ、それに続き第1銅鍍金槽から取除かれる。
【0052】
工程410において、銅金属層は非酸化ガス内においてアニーリングが行われる。非酸化ガスは不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの組合せを含んでいても良い。
【0053】
工程412において、第2銅鍍金槽において付加銅金属層が鍍金形成される。 本工程412における銅鍍金処理は電気化学的銅鍍金処理でもよく、あるいは、非電気的銅鍍金処理でも良い。銅金属層はしばらく第2銅鍍金槽との接触が行われ、付加銅金属層が蒸着されると、それに続き第2銅鍍金槽から取除かれる。
【0054】
工程414において、付加銅金属層は非酸化ガス内においてアニーリングが行われる。非酸化ガスは不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの混合物を含んでいても良い。
【0055】
矢印416によって示されるように、鍍金工程412およびアニーリング工程414は、長尺のアニーリング済銅金属層とアニーリング済付加銅金属層とからルテニウム金属膜上に形成されるサイズの大きい銅金属粒によって、切欠構造が少なくとも一部充填されるまで、何回も反復されてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施例に拠れば、第1及び第2の銅鍍金槽は同じであっても良い。他の実施例に拠れば、第1及び第2の銅鍍金槽は異なる化学成分を含んでいても良い。化学成分とは、例えば、還元剤濃度、界面活性剤濃度、銅イオンのソースおよび濃度において1つ以上異なっていてもよい。本発明の実施例によれば、第2銅鍍金槽では第1銅鍍金槽よりも銅イオン濃度が高く設定され、第1銅鍍金槽よりも切欠構造内での銅金属鍍金を迅速に行えるようになっていてもよい。
【0057】
図5A及びBは、長尺ルテニウム金属膜上へ物理蒸着法(PVD)により蒸着された一般的な銅シード層を備える銅過多充填トレンチを側面から撮影した、透過型電子顕微鏡写真(TEM)である。トレンチの幅は40nmであった。図5Aにおける電子顕微鏡写真は明視モードで撮影されたものであり、図5Bにおける遠視顕微鏡写真は暗視モードで撮影されたものである。図5A及び5Bでは、先端の集積回路において見られる細い切欠構造の銅鍍金処理において直面している様々な問題が表れている。鍍金及びアニーリングされた銅金属中には、図5Aにおいて確認されるようにトレンチ内に微細気泡が形成され、銅金属のアニーリングと結晶化の過程において形成されるサイズの大きい銅金属粒は、トレンチの底部まで成長することができない。だがその代わり、図5Bにおいて明確に確認できるように、トレンチの底部に存在するのはサイズの小さな銅粒子のみである。言い換えれば、従来の物理蒸着法によって銅シード層がトレンチに蒸着され、銅金属が鍍金されてトレンチを充填する場合には、サイズの大きい銅粒がトレンチ全体の中に形成されることはない。今後、半導体のさらなる縮小化が進められると考えられるが、そのために、サイズの大きな銅粒によって微細気泡のないように充填することで低い抵抗と高い信頼度を持たせるという課題は、さらなる重要性を持つことになるであろう。
【0058】
図5Cは、本発明の方法により銅金属で充填されたトレンチを側面から撮影した透過型電子顕微鏡写真である。この電子顕微鏡写真は、長尺のルテニウム金属膜上に銅金属層を鍍金形成させ、この銅金属層を非酸化ガス内でアニーリングし、アニーリング済銅金属層上に付加銅金属層を鍍金形成し、この付加銅金属層を非酸化ガス中でアニーリングをした後に、明視モードで撮影されたものである。図5Cに示される鍍金及びアニーリングされた銅金属は全体的に、少なくとも実質的に微細気泡のないサイズの大きな銅粒を、ルテニウム金属膜上のトレンチ全体に含んでいる。このようにして、5A及び5Bに示される銅金属の充填とは異なり、図5Cに見られるようなサイズの大きな銅粒は長尺のアニーリング済銅シード層を含んでいる。図5Cで図示された結果は、この工程順序によって、銅粒子がトレンチ内部への侵入と、トレンチ全体を含んだサイズの大きな銅粒の成長とが予期せずして行わたことを示すものであり、信頼性の高い銅メタライゼーション処理を提供するものである。この銅粒の形成は、銅で充填された切欠構造の電気抵抗を低下させ、集積回路の信頼性を高める効果を持っている。
【0059】
図6は、 本発明の実施例により、Ru(CO)12前駆体ガスと一酸化炭素ガスからルテニウム金属膜を蒸着形成するための、熱化学蒸着(TCVD)装置の概略図である。蒸着装置1は処理室10を備えている。処理室10は、ルテニウム金属膜が形成されるパターン基板5を支持するために設けられた基板ホルダ20を有する。処理室10は、気化前駆体配送装置40を介して金属前駆体気化装置50と連結されている。
【0060】
処理室10はさらに、ダクト36を介して真空ポンプ装置38と連結されており、真空ポンプ装置38は処理室10、気化前駆体配送装置40、及び金属前駆体気化装置50から排気を行うために設けられており、ルテニウム金属フィルムをパターン基板25上に形成し、金属前駆体気化装置50内のRu(CO)12前駆体52を気化するのに適した気圧まで減圧が行われる。
【0061】
図6においてさらに、金属前駆体気化装置50はRu(CO)12前駆体52を貯蔵し、Ru(CO)12前駆体52が気化するのに十分な温度になるまでRu(CO)12前駆体52を加熱し、Ru(CO)12前駆体気化ガスを気化前駆体配送装置40に導く。Ru(CO)12前駆体52は金属前駆体気化装置50内においては、選択された加熱条件下において固体である。固体のRu(CO)12前駆体52を昇華させるのに必要な温度にするために、金属前駆体気化装置50は気化温度を調節するために設けられた気化温度調節装置54に接続されている。
【0062】
例えば、Ru(CO)12前駆体52の温度が約40℃から約150℃のあいだになるように温度上昇を行ってもよい。また、気化温度が約60℃から約90度のあいだで維持されても良い。Ru(CO)12前駆体52が昇華のために加熱されると、一酸化炭素含有ガスがRu(CO)12前駆体52の上方もしくはその中を通過して、気化したばかりのRu(CO)12前駆体気化ガスを捕らえる。一酸化炭素含有ガスは一酸化炭素及び、オプションで窒素ガスや希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)といった不活性ガス、若しくはその組合せを含んでいる。一酸化炭素ガスの存在下でRu(CO)12前駆体を気化させることにより、パターン基板へのRu(CO)12前駆体気化ガスの配送が律速されるという問題を抑えることができる。一酸化炭素ガスを 気化したばかりのRu(CO)12前駆体気化ガスに加えることで、気化温度が上昇することがわかっている。温度の上昇によって、Ru(CO)12前駆体の気化圧力が上昇し、その結果、処理室に配送されるRu(CO)12前駆体が増加し、パターン基板上25へのルテニウム金属フィルムの蒸着率が上昇する。
【0063】
例えば、金属前駆体気化装置50は、Ru(CO)12前駆体を効率的に気化及び輸送するために備えられたマルチトレイ気化装置であってもよい。マルチトレイ気化装置としては、例えば、2004年11月29日に出願された米国特許出願10/998,420(タイトル:『マルチトレイ膜前駆体蒸発装置、及び薄膜蒸着装置を内蔵したマルチトレイ膜前駆体蒸発装置』)に記載されている。
【0064】
例えば、金属前駆体気化装置50にガス供給装置60が連結されている。このガス供給装置60は、フィードライン61を介してRu(CO)12前駆体52の下方に、あるいはまた、フィードライン62を介してRu(CO)12前駆体 の上方に、例えば一酸化炭素、キャリアガス、あるいはこれらの組合せを供給するために設けられている。さらに、ガス供給装置60は金属前駆体気化装置50の下流側にある気化前駆体配送装置40に連結されており、フィードライン63を介して、気化前駆体配送装置40に入ったばかりの、もしくは入った後のガスを、Ru(CO)12前駆体52の気化ガスに向けて供給している。さらにまた、フィードライン63は一酸化炭素ガスを含む前処理ガスでパターン基板25を前処理するのに用いられ、パターン基板25をRu(CO)12前駆体気化ガス及び一酸化炭素ガスに露出する前に、パターン基板25の露出表面を吸着一酸化炭素で飽和させても良い。
【0065】
図示はされないが、ガス供給装置60はキャリアガス源、一酸化炭素ガス源、1つ以上のコントロールバルブ、1つ以上のフィルタ、そして質量流量コントローラを備えていてもよい。たとえば、キャリアガスの流速は、約0.1立方センチメートル毎分(sccm)と約1000立方センチメートル毎分とのあいだであってもよい。あるいは、キャリアガスの流速は、約10立方センチメートル毎分と約500立方センチメートル毎分とのあいだであってもよい。さらにまた、一酸化炭素含有ガスの流速は、約50立方センチメートル毎分と約200立方センチメートル毎分とのあいだであってもよい。本発明の実施例に拠れば、一酸化炭素含有ガスの流速は、約0.1立方センチメートル毎分以上かつ約1000立方センチメートル毎分以下であってもよい。また、一酸化炭素含有ガスの流速は、約1立方センチメートル毎分と約500立方センチメートル毎分とのあいだであってもよい。
【0066】
金属前駆体気化装置50の下流には、Ru(CO)12前駆体気化ガス及び一酸化炭素ガスを含んだ気化ガスが、気化前駆体配送装置40を介し、さらに気化ガス分配装置30を通って処理室10に入る。気化前駆体配送装置40は、気化ガスライン温度を調節してRu(CO)12前駆体の分解とRu(CO)12前駆体気化ガスの濃縮を防ぐ気化ガスライン温度調節装置42に連結されていてもよい。気化前駆体配送装置40の温度は、例えば、50℃と100℃とのあいだに維持されていてもよい。
【0067】
さらに図6に関しては、気化ガス分配装置30は処理室10の一部を構成するもので処理室10と一体化されており、気化ガス分配プレナム32を有している。この気化ガス分配プレナム32の内部では気化ガスが分散される。分散された気化ガスは、気化ガス分配板34を通過してパターン基板25の上方にある処理ゾーン33に入る。さらに、気化ガス分配板34は、気化ガス分配板34の温度を制御するために設けられた分配板温度調節装置35に連結されている。
【0068】
Ru(CO)12前駆体気化ガス及び一酸化炭素ガスを含むプロセスガスが処理室10の処理ゾーン33に入ると、Ru(CO)12前駆体気化ガスはパターン基板25の温度上昇によって基板表面に吸着するとすぐに熱分解し、ルテニウム金属フィルムがパターン基板25上に形成される。基板ホルダ20は基板温度調節装置22に連結されて設けられており、これによってパターン基板25の温度上昇が可能になる。たとえば、基板温度調節装置22の設置によって、パターン基板の温度を約500℃まで上昇させることができる。さらに処理室10は、処理室10の壁温度を調節するために設けられた処理室温度調節装置12に直結している。
【0069】
さらに図6に関しては、蒸着装置1はさらに、蒸着装置1を作動制御するために設けられた制御装置80を備えていても良い。制御装置80は処理室10、基板ホルダ20、基板温度調節装置22、処理室温度調節装置12、気化ガス分配装置30、気化前駆体配送装置40、金属前駆体気化装置50、及びガス供給装置60に連結されている。
【0070】
図7は、本発明の実施例により、Ru(CO)12前駆体気化ガス及び一酸化炭素ガスからルテニウム金属膜の蒸着を行うための、もう1つの熱化学蒸着(TCVD)装置の概略図である。蒸着装置100は処理室110を備えている。この処理室110は、ルテニウム金属膜が表面に形成されるパターン基板125を支持するために設けられた基板ホルダ120を有する。処理室110は前駆体供給装置105に連結されており、この前駆体供給装置105は、Ru(CO)12前駆体152を貯蔵し気化するために設けられた金属前駆体気化装置150と、Ru(CO)12前駆体152の気化ガスを処理室110へ搬送するために設けられた気化前駆体配送装置140とを備えている。
【0071】
処理室110は上方部111、下方部112、及び排出室113を備えている。下方部112の内部には開口114が形成されており、この開口114を介して下方部112が排出室113に連結されている。
【0072】
さらに図7によれば、基板ホルダ120は、処理が行われるパターン基板(またはウエハ)125を支持するための平面を備えている。基板ホルダ120は、排出室113の下方から上方に伸びる円筒の支持部材122によって支持されていてもよい。さらに基板ホルダ120は、基板ホルダ温度調節装置128に連結されたヒータ126を備えている。ヒータ126は、例えば抵抗性の発熱体を1つ以上備えていても良い。あるいはヒータ126は、例えばタングステン・ハロゲンランプといった放射性発熱装置を備えていても良い。基板ホルダ温度調節装置128は、1つ以上の発熱体に電流を供給する電源と、基板温度若しくは基板ホルダ温度を測定する1つ以上の温度センサ、またはこれら両方、さらに、パターン基板125または基板ホルダ120の温度をモニタリング、調整、調節の少なくとも1つを行うために設けられたコントローラを備えている。
【0073】
処理をおこなっているあいだ、加熱されたパターン基板125がRu(CO)12前駆体気化ガスを熱分解し、パターン基板125上へのルテニウム金属膜の蒸着を可能にしても良い。基板ホルダ120を加熱することで、パターン基板125上にルテニウム金属フィルムを蒸着形成するのに適する所定の温度までパターン基板125の温度が上昇する。さらに、室温制御装置121に連結されたヒータ(図示せず)が処理室110の壁に組み込まれており、あらかじめ決められた温度まで壁を加熱するようにしてもよい。ヒータにより、処理室110の壁の温度が約40℃以上かつ約150℃以下に、あるいは、約40℃以上かつ約80℃以下に維持されても良い。処理室内圧力を測定するために、圧力計(図示せず)が用いられている。本発明の実施例によれば、処理室内圧力は、約1mTorrから約500mTorrのあいだであってもよい。あるいはまた、処理室内圧力は、約10mTorrと約100mTorrとのあいだであってもよい。
【0074】
図7において示されるように、気化ガス分配装置130が処理室110の上方部111に接続されている。気化ガス分配装置130は気化ガス分配板131を有している。この気化ガス分配板131は、気化ガス分配プレナム132から1つ或はさらに多くのオリフィス134を通してパターン基板125の上方の処理ゾーン133に、前駆体気化ガスを送るために設けられている。
【0075】
さらに上方部111には、Ru(CO)12前駆体気化ガスと一酸化炭素ガスを含むプロセスガスを、気化前駆体配送装置140から気化ガス分配プレナム132へ送るため、開口135が設けられている。また、気化ガス分配装置130の温度を調節するために、冷却や加温された液体物を流す同心円状液路のような温度調節体136が設けられており、これにより気化ガス分配装置130内において、Ru(CO)12前駆体気化ガスの分解や凝縮を抑制することができる。例えば、水のような液体物が気化ガス分配温度調節装置138から伸びる液路に供給されても良い。気化ガス分配温度調節装置138は液源、熱交換器、及び、液温または気化ガス分配板温度の少なくとも一方を測定するための1つ以上の温度センサを備えている。気化ガス分配温度調節装置138は、さらに、気化ガス分配板の温度を約20℃から約150℃までのあいだに調節するコントローラを備えている。Ru(CO)12前駆体においては、気化ガス分配板131上で前駆体の凝縮を抑えるために、気化ガス分配板131の温度が約65℃以上に維持されていても良い。
【0076】
図7において示されているように、Ru(CO)12前駆体152を貯蔵し、Ru(CO)12前駆体を加熱して蒸発(または昇華)させるために、金属前駆体気化装置150が設けられている。「気化」「昇華」「蒸発」といった用語は、ここでは特に区別をしないで用いられるが、固体や液体の前駆体が一般的に気化ガスになることを意味するものであり、例えば、固体から液体さらに気体へ、固体から気体へ、液体から気体へという状態変化を細かく意味するものではない。Ru(CO)12前駆体152を加熱し、Ru(CO)12前駆体152の圧力が適切な値になるように温度を維持するために、前駆体ヒータ154が設けられている。前駆体ヒータ154は、Ru(CO)12前駆体152の温度を調節するために設けられた気化温度調節装置156に連結されている。例えば、前駆体ヒータ154はRu(CO)12前駆体152の温度を約40℃以上かつ約150℃以下に、若しくは、約60℃以上かつ約90℃以下に調節するために設けられていても良い。
【0077】
Ru(CO)12前駆体152が加熱されて蒸発(または昇華)すると、一酸化炭素含有ガスがRu(CO)12前駆体152の上方または内部を通過し、発生したばかりのRu(CO)12前駆体気化ガスを捕らえるようにしてもよい。一酸化炭素含有ガスは、一酸化炭素のほかに、オプションで窒素や希ガス(例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)といった不活性キャリアガスを含んでいても良い。例えば、金属前駆体気化装置150にはガス供給装置160が連結されており、例えば、前駆体152の上方あるいはその中を一酸化炭素ガスが送られる。図7において示されてはいないが、ガス供給装置160を気化前駆体配送装置140に連結し、気化前駆体配送装置140に流入した時点の又は後のRu(CO)12前駆体152の気化ガスに、一酸化炭素ガスを供給するようにしてもよい。すなわち例えば、Ru(CO)12前駆体気化ガスと一酸化炭素ガスとを含むプロセスガスにパターン基板125を露出する前に、一酸化炭素ガスを含む前処理ガスでパターン基板125を前処理して、パターン基板125の露出表面を吸着性一酸化炭素で飽和させても良い。
【0078】
ガス供給装置160は、不活性キャリアガス、一酸化炭素ガス、若しくはそれらの混合物を含むガス源161と、1つ以上の調節バルブ162と、1つ以上のフィルタ164と、質量流量コントローラ165とを備えている。たとえば、一酸化炭素含有ガスの質量流量率は約0.1sccm以上約1000sccm以下のあいだであってもよい。
【0079】
また、センサ166が金属前駆体気化装置150からの全ガス流量を測定するために設けられている。センサ166は、例えば質量流量コントローラを備えていてもよく、処理室110に配送されたRu(CO)12前駆体気化ガスの量は、センサ166および質量流量コントローラ165とを用いて測定しても良い。また、センサ166は、処理室110へのガス流においてRu(CO)12前駆体 の濃度を測定するための光吸収センサを備えていても良い。
【0080】
バイパスライン167がセンサ166の下流側に位置していてもよく、このバイパスライン166が気化前駆体配送装置140を排出ライン116に接続しても良い。バイパスライン167は気化前駆体配送装置140から排気するために設けられているもので、処理室110へのRu(CO)12前駆体気化ガスと一酸化炭素ガスの供給を安定化させる。また、バイパスバルブ168が気化前駆体配送装置140の分枝の下流側に位置し、バイパスライン167上に設けられている。
【0081】
さらに図7によれば、気化前駆体配送装置140は、第1及び第2のバルブ141,142をそれぞれ有する高濃度気化ガスラインを備えている。また、気化前駆体配送装置140は、ヒータ(図示せず)で気化前駆体配送装置140を加熱する気化ガスライン温度調節装置143を備えている。気化ガスラインの温度は、気化ガスライン中でのRu(CO)12前駆体の凝縮を防ぐために調節されていてもよい。気化ガスラインの温度は、約20℃以上約100℃以下、または、約40℃以上約90℃以下であってもよい。
【0082】
さらに、ガス供給装置190から一酸化炭素ガスが供給されても良い。たとえば、ガス供給装置190は気化前駆体配送装置140に連結されており、パターン基板125を例えば前処理するために設けられている。前処理は、気化前駆体配送装置140の中、例えばバルブ141の下流側において、一酸化炭素ガスや、あるいは、Ru(CO)12前駆体気化ガスを含んだ付加一酸化炭素ガスを含有する前処理ガスを用いて行われる。ガス供給装置190は一酸化炭素ガス源191、1つ以上の調節バルブ192、1つ以上のフィルタ194、体積流量コントローラ195を備えている。例えば、一酸化炭素ガスの体積流量は約0.1sccm以上約1000sccm以下である。
【0083】
質量流量コントローラ165,195及びバルブ162,192,168,141,142はコントローラ196によって制御され、不活性ガス、一酸化炭素ガス、Ru(CO)12前駆体気化ガスの供給、遮断、流量の調節を行う。センサ166はコントローラ196にも連結されており、センサ166の出力に基づき、コントローラ196は体積流量コントローラ165を介してキャリアガス流量を調節し、処理室110へRu(CO)12前駆体を所定の流量で送る。
【0084】
図7に図示されているように、 排出室113は排出ライン116によって真空ポンプ装置118に連結されている。真空ポンプ119は処理室110が所定の真空度になるまで内部の空気を抜き、処理をおこなっているあいだ処理室110から気体類を排気する。自動圧力コントローラ(APC)115及びトラップ117が真空ポンプ119と直列に用いられても良い。真空ポンプ119は、一秒間に500リットル(以上)のスピードで気体を取除くことができるターボ分子ポンプ(TMP)を備えていてもよい。また、真空ポンプ119はドライ粗引きポンプを備えていても良い。処理をおこなっているあいだ、処理ガスが処理室110に送られてもよく、処理室内圧力が自動圧力コントローラ115によって調整されてもよい。自動圧力コントローラ115は、電源不要のバルブまたはゲートバルブを備えていても良い。トラップ117は未反応Ru(CO)12前駆体物質と生成物を処理室から収集してもよい。
【0085】
処理室110内の基板ホルダ120によれば、図7に示すとおり、3つの基板リフトピン127(2つのみを図示)が設けられており、パターン基板125の支持、持ち上げ、引き下げに用いられる。基板リフトピン127はプレート123に連結されており、基板ホルダ120の上面よりも下方に引き下げられていてもよい。例えば空気シリンダを用いる駆動機構129は、プレート123の持ち上げと引き下げをおこなう手段を提供する。パターン基板125は、ロボット搬送装置(図示せず)を用いゲートバルブ200と搬送路202を介して、処理室110の内外に搬送され、基板リフトピン127によって受け取られる。パターン基板125は、搬送装置から受け取られると基板リフトピン127を引き下げることにより、基板ホルダ120の上面より下方に引き下げられてもよい。
【0086】
さらに図7によれば、蒸着装置コントローラ180はマイクロプロセッサ、メモリ、デジタルI/Oポートを備えており、デジタルI/Oポートは蒸着装置100のモニタ出力とともに、蒸着装置100のインプットを伝達しアクティブにするのに十分なコントロール電圧を発生することができる。さらに、コントローラ180は処理室110と連結して互いに情報を交換しているほか、コントローラ196と気体ガスライン温度調節装置143と気化温度調節装置156とを備える前駆体配送装置105、気化ガス分配温度調節装置138、真空ポンプ装置118、及び、基板ホルダ温度調節装置128とも連結して互いに情報を交換している。真空ポンプ装置118において、コントローラ180は、処理室110内の圧力を調節する自動圧力コントローラ115と連結しており、互いに情報を交換する。メモリに保存されたプログラムは、保存された処理方針に従って前述の蒸着装置の各要素を調節するために用いられる。
【0087】
コントローラ180は、メモリに記憶された1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサに応じて、マイクロプロセッサをベースとした本発明の工程の一部若しくは全てを実行する多目的用コンピュータとして実施されてもよい。こうした命令は、ハードディスクや取外しタイプのメディアドライブといった、他のコンピュータ読出し媒体からコントローラメモリに読み込まれてもよい。マルチプロセッシングアレンジメントにおける1つ以上のプロセッサは、メインメモリに記録された命令のシーケンスを実行するためのマイクロプロセッサ制御装置として使用されても良い。他の実施例では、配線で接続された電気回路がソフトウエア命令の代わりに、あるいはそれと組合せて利用されても良い。このようにして、実施例はハードウェア回路とソフトウエアのいかなる組合せにも限定されることはない。
【0088】
コントローラ180は少なくとも1つのコンピュータリーダブル媒体、若しくは、コントローラメモリのようなメモリを備えている。これらの読取媒体およびメモリは、本発明の内容に関してプログラミングされた命令が記憶され、データ構造、表、記録、若しくは本発明を実行する上で必要とされると思われる他のデータが保存されている。コンピュータリーダブル媒体の例としては、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、磁気光学ディスク、PROM(EPROM、EEPROM,フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM,SDRAM、または他のあらゆる磁気媒体、コンパクトディスク(例えばCD−ROM)、または他のあらゆる光学媒体、パンチカード、紙テープ、または、ホールパターンを備える他の物理媒体、キャリアウェーブ(以下に記載する)、あるいは、コンピュータにより読出しが可能な他の全ゆる媒体である。
【0089】
本発明は、コンピュータリーダブル媒体のいずれか1つ、あるいはいくつかを組合せたものに保存されるので、コントローラ180をコントロールするためのソフトウェアを備えている。すなわち、これらのソフトウェアは、本発明を実施するための1つまたは複数の装置を起動し、そして/または、コントローラが使用者とやり取りできるようにするものである。こうしたソフトウエアは、デバイスドライバ、オペレーティング装置、開発ツール、アプリケーションソフトウエアを備えていても良いが、本発明はこれらに制限されるものではない。こうしたコンピュータリーダブル媒体は、本発明を実施するうえで実行される処理の全て若しくは(もしも処理が分散されていれば)一部を実行するため、本発明のコンピュータプログラム製品をさらに備えている。
【0090】
本発明のコンピュータコード装置は、正しい判断と実行が可能な如何なるコードメカニズムでもよい。このコードメカニズムとは、正しい判断が可能なプログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Javaのクラス、及び完全に実行可能なプログラムを備えたものであるが、本発明はこの記載に限定されるものではない。さらに、本発明の処理の一部は、さらに実行性、信頼度、および/あるいはコスト削減を高めるために、分散されていても良い。
【0091】
ここで用いられている「コンピュータリーダブル媒体」という言葉は、コントローラ180のプロセッサに命令を与え実行させることに関与する全ての媒体を意味している。コンピュータ読出し媒体は数多くの形態を有しており、不揮発性記憶媒体、揮発性記憶媒体、伝送媒体を含んでいるが、本発明はこれに限定されるものではない。不揮発性記憶媒体は、例えば、ハードディスクやリムーバブルメディアドライブといった、光学ディスク、磁気ディスク、磁気光学ディスクを備えている。揮発性記憶媒体は、メインメモリのようなダイナミックメモリを備えている。さらにまた、コントローラのプロセッサに1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するときに、コンピュータリーダブル媒体が関与していてもよい。たとえば、命令が初めて実行されるときには、リモートコンピュータの磁気ディスク上で行われても良い。リモートコンピュータは離れた場所から、本発明の全て若しくは一部を実行するための命令をダイナミックメモリに読込ませ、コントローラ180に対しネットワークを利用して命令を送信する。
【0092】
コントローラ180は蒸着装置100と関係付けられていれば、そのすぐ近くに位置していようが、あるいはまた、離れたところに位置していていようが、どちらでもよい。例えば、コントローラ180は、直接的な接続やイントラネット、インターネット、ワイヤレス接続の少なくともどれか1つを利用して蒸着装置100とデータを交換してもよい。コントローラ180は、例えば顧客サイト(例えば装置製造者等)とイントラネットで結ばれていてもよく、あるいはまた、例えば業者サイト(例えば設備製造者)とイントラネットで結ばれていてもよい。また、例えば、コントローラ180はインターネットと結ばれていてもよい。さらにまた、別のコンピュータ(例えばコントローラ、サーバ等)が、例えばコントローラ180にアクセスして、直接的な接続、イントラネット、およびインターネットの少なくとも1つによりデータを交換しても良い。コントローラ180がワイヤレス接続を通じて蒸着装置100とデータを交換してもよいが、これはこの技術分野において熟達した者なら想定できる実施例であろう。
【0093】
図8は、本発明の実施例により、銅鍍金およびアニーリングを行なうための処理装置の概略図である。処理装置700は、基板を載せたり取除くためのロードモジュール701,702と、銅鍍金モジュール711−716と、アニーリングモジュール720,721とを備えている、銅鍍金モジュール711−716は、電気化学的銅鍍金または非電気的銅鍍金を行うために設けられていてもよく、異なった化学成分を含んでいても良い。化学成分は例えば、還元剤濃度、界面活性剤濃度、銅イオンのソースおよび濃度において1つ以上異なっていてもよい。アニーリングモジュール720,721は、1回もしくは複数回行われる銅鍍金の後、間、若しくは銅鍍金に引き続き、非酸化ガス中で基板とその上の膜をアニーリングするために設けられていても良い。
【0094】
先端の集積回路において見られる切欠構造において、長尺のルテニウム金属膜上に銅鍍金を行うための複数の実施例は、上記の様々な実施例において開示されてきた。実質的に酸素及び炭素を含まない長尺ルテニウム金属膜を用いることで、トレンチやビアといった高アスペクト比の切欠構造を銅金属で充填をおこなうあいだ、不要な微細気泡の形成が抑制されるのを助長し、長尺ルテニウム金属膜上に鍍金形成された長尺のアニーリング済銅金属層と、このアニーリング済銅金属層に鍍金形成された付加銅金属とを含むサイズの大きい銅金属粒の形成が可能になる。サイズの大きい銅粒により、銅で充填された切欠構造の電気抵抗が低下し、集積回路の信頼度が向上する。
【0095】
上記における本発明の実施例の記載は、図示と記載を目的としてなされたものである。強調すべきことは、開示された詳細な記載に本発明が完全に一致したり限定されるものではないことである。これまでの記載と以下に記載される特許請求の範囲において含まれる言葉は、もっぱら記載上の目的のために用いられるものであり、かつ、限定を目的として採用されたものではない。たとえば、(特許請求の範囲を含む)本記載において用いられる「〜上の」という言葉は、パターン基板「上の」膜が基板上に直接かつ間に何も挟まず接触していることを意味するのではなく、基板と膜の間に第2の幕や他の構造があっても良いことを意味している。
【0096】
関連のある技術分野において熟達した者であるならば、上記の記述を考慮して改良と変更が数多く可能であると思われる。本技術分野において熟達した者であれば、図面で示される様々な構成要素について、同等の組合せと置換を数多く考えることができるであろう。従って、本発明の範囲はこの詳細な記載によって限定されるのではなく、むしろ、以下に付記される特許請求の範囲によって限定されることを強調しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面上の構造を充填する方法において、
前記表面上に形成され、幅、深さ及び体積をもつ少なくとも1つの切欠構造を有する前記基板を供給する供給工程、
Ru(CO)12前駆体を含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、長尺のルテニウム金属膜を少なくとも1つの切欠構造内に蒸着させる蒸着工程、
前記ルテニウム金属膜を銅鍍金槽と接触させることで、前記ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層を蒸着させ、前記ルテニウム金属膜と前記銅金属層がともに前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の100%未満を充填させる接触工程、
前記銅鍍金槽から前記基板を取出す取出し工程、
前記長尺の銅金属層を非酸化性ガスの中でアニーリングを行うことで、アニーリング済銅金属層を形成するアニーリング工程、及び
前記接触工程、前記取出し工程、及び、前記アニーリング工程を反復することにより、前記少なくとも1つの切欠構造内にアニーリング済付加銅金属を形成し、少なくとも一部の銅金属が少なくとも1つの切欠構造内を充たし、前記アニーリング済銅金属層と前記アニーリング済付加銅金属より前記ルテニウム金属膜上に形成された銅金属粒を包み込む反復工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記蒸着工程は、Ru(CO)12前駆体及び一酸化炭素キャリアガスを含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まないルテニウム金属膜を蒸着することを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板の前記表面は露出した拡散隔層を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記拡散隔層がタンタル、窒化タンタル、炭化タンタル、炭窒化タンタル、チタン、窒化チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、タングステン、 窒化タングステン、炭化タングステン、炭窒化タングステン、もしくはこれらの組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ルテニウム金属膜の厚みが約1nm以上約20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記銅金属層のアニーリング工程において、前記銅金属層を約100℃以上約500℃以下のアラゴンガス、窒素ガス、水素ガス、もしくはこれらの組合せに露出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの切欠構造は部分的に製造された回路基板上にビア、トレンチ、もしくはビアとトレンチの両方を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記接触工程が電気化学的銅鍍金処理または非電気的銅鍍金処理を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板の温度が約100℃から約500℃のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記ルテニウム金属膜をアニーリングする第2アニーリング工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
基板の表面上の構造を充填する方法において、
基板の表面上に形成され、幅、深さ及び体積をもつ少なくとも1つの切欠構造を有する基板を供給する供給工程、
Ru(CO)12前駆体と一酸化炭素キャリアガスとを含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まない長尺のルテニウム金属膜を前記少なくとも1つの切欠構造内で蒸着させる蒸着工程、
前記ルテニウム金属膜を第1銅鍍金槽と接触させることで、前記ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層を蒸着させ、前記ルテニウム金属膜と前記銅金属層がともに前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の100%未満である第1幅、第1深さ及び第1体積で前記少なくとも1つの切欠構造を充填する第1接触工程、
前記第1銅鍍金槽から前記基板を取出す第1取出し工程、
前記銅金属層を非酸化性ガスの中でアニーリングを行うことで、アニーリング済銅金属層を形成する第1アニーリング工程、
前記アニーリング済銅金属層を前記第1銅鍍金槽とは異なった化学物質を含む第2銅鍍金槽と接触させることで、前記少なくとも1つの切欠構造を少なくとも部分的に充填する付加銅金属層を蒸着させ、前記付加銅金属層がさらに前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の100%以下である第1幅、第1深さ及び第1体積よりも大きな第2幅、第2深さ、第2体積で、前記少なくとも1つの切欠構造を充填する第2接触工程、
前記第2銅鍍金槽から前記基板を取出す第2取出し工程、及び
前記付加銅金属層を非酸化条件下においてアニーリングを行うことで、前記アニーリング済銅金属層と前記付加銅金属層から前記ルテニウム金属膜上に銅金属粒を形成する第2アニーリング工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第2幅、第2深さ及び第2体積が前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の100%未満であり、かつ、前記第2接触工程と前記第2取出し工程と前記第2アニーリング工程とを必要な回数繰り返すことで、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の約90%から100%である第3幅、第3深さ及び第3体積で前記少なくとも1つの切欠構造をさらに充填することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2幅、第2深さ、第2体積が前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の約50%未満であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2幅、第2深さ、第2体積が前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の約50%より大きいことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2銅鍍金槽は、前記第1銅鍍金槽よりも高濃度の銅イオンを含んでいることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記基板の前記表面は露出した拡散隔層を備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記拡散隔層がタンタル、窒化タンタル、炭化タンタル、炭窒化タンタル、チタン、窒化チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、炭化タングステン、炭窒化タングステン、もしくはこれらの組合せであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ルテニウム金属膜の厚みが約1nmから約20nmであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記銅金属層の第1アニーリング工程および前記付加銅金属層の第2アニーリング工程において、前記銅金属層を約100℃から500℃の不活性ガス、水素ガス、もしくはこれらの組合せに露出することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記基板の温度が約100℃から約500℃のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記ルテニウム金属膜をアニーリングする第3アニーリング工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの切欠構造がビア、トレンチ、もしくはビアとトレンチの両方を部分的に製造された回路基板上に備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記接触工程が電気化学的銅鍍金処理または非電気的銅鍍金処理を備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の銅鍍金槽はそれぞれ異なった化学物質を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項23】
前記第1接触工程および前記第2接触工程において、前記少なくとも1つの切欠構造の上方でさらに蒸着を行い、前記少なくとも1つの切欠構造を過多充満させることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項24】
一部組み立てられた集積回路においてダマスク構造を充填する方法において、
Ru(CO)12前駆体と一酸化炭素キャリアガスとを含むプロセスガスを用いた熱化学蒸着法により、実質的に酸素及び炭素を含まず厚みが約1nmから約20nmである長尺のルテニウム金属膜を、前記部分的に製造された集積回路の少なくとも1つの切欠構造内で拡散隔層上に蒸着させる蒸着工程、
前記基板の温度が約100℃から500℃のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記ルテニウム金属膜をアニーリングする第1アニーリング工程、
前記一部組み立てられた集積回路の少なくとも一部を第1銅鍍金槽に浸して前記ルテニウム金属膜上に長尺の銅金属層を蒸着させ、前記ルテニウム金属膜と前記銅金属層とがともに前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の100%未満である第1幅、第1深さ、第1体積で前記少なくとも1つの切欠構造を充填する第1浸漬工程、
前記一部製造された集積回路を前記第1銅鍍金槽から取出す第1取出し工程、
前記基板の温度が約100℃から約500℃のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で、前記銅金属層をアニーリングする第2アニーリング工程、
前記一部製造された集積回路の少なくとも一部を第2銅鍍金槽に浸し、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の100%以下である第1幅、第1深さ、第1体積よりも大きい第2幅、第2深さ、第2体積で、前記少なくとも1つの切欠構造の少なくとも一部充填する付加銅金属を蒸着させる第2浸漬工程、
前記一部製造された集積回路を前記第2銅鍍金槽から取出す第2取出し工程、及び
前記基板の温度が約100℃から約500℃のときに、不活性ガス、水素ガス、もしくは両者の組合せを含む非酸化性ガス内で前記付加銅金属をアニーリングし、前記ルテニウム金属膜上において前記アニーリング済銅金属層と前記アニーリング付加銅金属とから銅金属粒を形成する第3アニーリング工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記第2浸漬工程において、前記第2幅、第2深さ、第2体積は前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、面積の100%未満であり、かつ、前記第2浸漬工程と前記第2取出し工程と前記第3アニーリング工程とを必要な回数繰り返すことで、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ及び体積の約90%から100%である第3幅、第3深さ及び第3体積で前記少なくとも1つの切欠構造をさらに充填することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2浸漬工程において、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の約50%未満となるように、前記1つの切欠構造が充填されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第2浸漬工程において、前記少なくとも1つの切欠構造の幅、深さ、体積の約50%よりも大きくなるように、前記1つの切欠構造が充填されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第1及び第2の銅鍍金槽はそれぞれ異なった化学物質を含んでいることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記拡散隔層がタンタル、窒化タンタル、炭化タンタル、炭窒化タンタル、チタン、窒化チタン、炭化チタン、炭窒化チタン、タングステン、 窒化タングステン、炭化タングステン、炭窒化タングステン、もしくはこれらの組合せを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第2浸漬工程において、前記少なくとも1つの切欠構造の上方で蒸着をさらに行い、前記少なくとも1つの切欠構造を過多充満させることを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図1K】
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【図1L】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2013−507008(P2013−507008A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532310(P2012−532310)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050878
【国際公開番号】WO2011/041522
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(501012908)ノベラス・システムズ・インコーポレーテッド (2)
【住所又は居所原語表記】4000North First Street,San Jose,California95134−1568,U.S.A.
【Fターム(参考)】