説明

切粉分別排出装置

【課題】装置の長寿命化を図り、使用上の操作性を向上させ、メンテナンス作業負担を軽減し、装置の稼働率の向上を達成する切粉分別排出装置を提供する。
【解決手段】濾過ドラム150が両端部に排水管を有し、排水管の端部のそれぞれがコンベヤフレーム120の側面に設けられた一対の円形開口部内に位置し、円形開口部の直径よりも大きな外径を有するとともに浄化クーラントをコンベヤフレームの外部に排出する排出口を有するローラ軸受け板180が円形開口部を覆うように螺設され、ローラ軸受け板180の内側に排水管に内接する複数のローラ軸受け182が螺設されていることよって、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械による切削、研削などの金属加工を行う際に、工作機械から排出される鉄やアルミニウムなどの金属の切削屑や研削屑などの切粉を含んだ混濁クーラントをコンベヤフレームの下側水平部に設けられた混濁クーラント貯留槽に投入し、コンベヤフレームに内設されているヒンジベルトによって切粉のみを捕捉して槽外に掬い上げて搬出するとともに、ヒンジベルトが作る無端循環軌道にその一部が内接して回転自在に設置された濾過ドラムによって濾過されて混濁クーラント貯留槽から外部へ排出された浄化クーラントを回収して工作機械で再利用する切粉分別搬出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械で金属材料に対して切削、研削などの加工を行う場合、切削治具、研削治具、被加工材料などの摩擦を抑制するとともに、それらの部材を冷却するために、潤滑剤を溶解した水溶液や、潤滑油などのクーラント(coolant)が使用される。そして、工作機械から排出される切粉などを含んだ使用済みの混濁クーラントは、通常、切粉分別排出装置によって切粉のみを捕捉回収し、再利用可能な程度まで浄化される。
【0003】
図6は、従来より用いられている切粉分別排出装置500を手前側の側面フレーム526を透明状態にして示した概略側面図である。この切粉分別排出装置500は、工作機械Mから排出される切粉を含んだ混濁クーラントDが投入される混濁クーラント貯留槽530と、コンベヤフレーム520内に周回状態で内設された無端状のヒンジベルト540とを備えている。コンベヤフレーム520は、搬送側傾斜フレーム521、排出部フレーム522、戻り側傾斜フレーム523、水平床面フレーム524、テール部フレーム525と連続する金属フレームおよびその両側面を塞ぐ2枚の側面フレーム526により構成されている。
【0004】
混濁クーラント貯留槽530に投入された混濁クーラントDに含まれる切粉Kは、ヒンジベルト540により、仕切板560に沿ってコンベヤフレーム520内の混濁クーラント貯留槽530の外に掬い上げられて、ヒンジベルト540の上方周回端部542の下方に位置する切粉排出口528から、切粉回収箱Bなどに搬出される。ヒンジベルト540の上方周回端部542には、ヒンジベルト540に動力を伝達する駆動スプロケット570が駆動モータ(図示していない)に連結されて配置され、一方、ヒンジベルト540が戻り側水平部543から搬送側水平部541へと周回転向する下方周回端部544には、従動スプロケット572が設けられている。
【0005】
さらに、コンベヤフレーム520の立ち上がり部の根元部分には、混濁クーラント貯留槽530に貯まった混濁クーラントDを濾過した後に外部に排出するための不織布などからなる濾過フィルターが巻回された濾過ドラム550が設けられている。そして、濾過されたクーラント、すなわち浄化クーラントは、コンベヤフレーム520の外部に設けられた浄化クーラント貯留槽590に排水口529を通じて排出され、浄化クーラント貯留槽590に一旦貯留された後にポンプなどで吸い上げられて工作機械Mなどで再利用される。また、コンベヤフレーム520の側面フレーム526には、濾過ドラム550の性状を点検するための点検窓527が設けられている。
【0006】
他方、濾過ドラム550を透過しない残留切粉は、ヒンジベルト540により、再び、掬い上げられ、切粉排出口528から排出される。濾過ドラム550は、次第に濾過フィルターが目詰まりを起こすため、フィルター浄化用の液体噴出手段(図示していない)を設けて、この液体噴出手段から浄化クーラントを噴射し、濾過フィルター表面に付着した切粉Kを吹き飛ばしている。
【0007】
ここで、濾過ドラム550の枢設構造について、図6のVII−VII線における断面図である図7を用いて説明する。濾過ドラム550は、複数本のドラム棒551が、一対の環状のドラム側板553に溶接などにより固設された円筒形状をしている。そして、その外周面に不織布などからなる濾過フィルター552が巻回され、その両端部をホースバンド554によって締め付け固定されている。片側のドラム側板553の外側に、スプロケット歯555が固設され、これが前述した無端循環走行しているヒンジベルト540と噛み合い濾過ドラム550を回転させている。また、ドラム側板553の内側に環状のメタルベアリング556がボルトにより固定されている。そして、このメタルベアリング556が、コンベヤフレーム520に固設された排水管580の外周面と摺接することにより、濾過ドラム550が、回転自在に支持されている。さらに、混濁クーラントが、メタルベアリング556と排水管580の隙間に侵入して摺接面を摩耗させたり、混濁クーラントが、濾過フィルター552を通らず、外部に漏れ出すことを防止するため、断面V型のオイルシール582がメタルベアリング556の側面に押し付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−230943号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、前述したような従来の切粉分別排出装置500は、濾過ドラム550を取り出さないとオイルシール582の摩耗状態の確認ができないため、摩耗に気付かないで装置の稼動を続けてしまうことがあった。そのため、オイルシール582の摩耗により切粉を含んだ混濁クーラントがメタルベアリング556と排水管580との間に侵入して摺接面を腐食させたり、摩耗させたりして装置の寿命低下の原因となっていた。
【0009】
また、前述したように濾過ドラム550が、両端に環状のドラム側板553を有し、その内側にメタルベアリング556が取り付けられ、このメタルベアリング556がコンベヤフレーム520に固設された排水管580の外周面と摺接する構造であったため、混濁クーラントの液面が最も下がった場合、すなわち、装置の停止状態においても混濁クーラントの液面が、図6の水平線Lで示した位置までしか下がらず、ヒンジベルト540の搬送側水平部541が混濁クーラントに浸かったままで、装置が稼動しているのか停止しているのか分からず、使用上の操作性が悪いという課題があった。
また、同様の理由により軸受け部材であるメタルベアリング556の一部が常に混濁クーラント中に浸漬しているためメタルベアリング556の劣化が促進されて装置の寿命低下の原因となっていた。
【0010】
さらに、メタルベアリング556およびオイルシール582を交換する際には、濾過ドラム550をコンベヤフレーム520から外す必要があり、メンテナンス作業負担が大きく、装置の稼働率の低下を招いていた。
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、装置の長寿命化を図り、使用上の操作性を向上させ、メンテナンス作業負担を軽減し、装置の稼働率の向上を達成する切粉分別排出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
まず、本請求項1に係る発明は、工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントが投入されるコンベヤフレームの下側水平部に設けられた混濁クーラント貯留槽と、前記混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、前記コンベヤフレーム内を循環走行し前記切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けられた切粉排出口から外部に排出するヒンジベルトとを有する切粉分別排出装置において、前記濾過ドラムが両端部に排水管を有し、該排水管の端部のそれぞれが前記コンベヤフレームの側面に設けられた一対の円形開口部内に位置し、該円形開口部の直径よりも大きな外径を有するとともに前記浄化クーラントをコンベヤフレームの外部に排出するクーラント排出口を有するローラ軸受け板が前記円形開口部を覆うように螺設され、前記ローラ軸受け板の内側に前記排水管に内接する複数のローラ軸受けが螺設されていることによって、前記課題を解決したものである。
【0013】
また、本請求項2に係る発明は、請求項1に係る切粉分別排出装置において、ローラ軸受けが、浄化クーラントの通常時の液面高さより上部に配置されていることによって、前記課題をさらに解決したものである。
ここで、本発明における「浄化クーラントの通常時の液面高さ」とは、装置が正常に動作しているときの浄化クーラントの液面高さ変動の最も高い位置を意味している。
【0014】
なお、本発明における「切粉」とは、切削装置などから排出される鉄やアルミニウムなどの金属の切削屑のみならず、研削盤装置などから排出される研削屑など、工作機械から排出される金属屑の総称を意味している。
【発明の効果】
【0015】
本請求項1に係る発明によれば、工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントが投入されるコンベヤフレームの下側水平部に設けられた混濁クーラント貯留槽と、混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、コンベヤフレーム内を循環走行し切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けられた切粉排出口から外部に排出するヒンジベルトとを有する切粉分別排出装置において、濾過ドラムが両端部に排水管を有し、排水管の端部のそれぞれがコンベヤフレームの側面に設けられた一対の円形開口部内に位置し、円形開口部の直径よりも大きな外径を有するとともに浄化クーラントをコンベヤフレームの外部に排出するクーラント排出口を有するローラ軸受け板が円形開口部を覆うように螺設され、ローラ軸受け板の内側に排水管に内接する複数のローラ軸受けが螺設されていることによって、ローラ軸受けが浄化クーラント側に位置し混濁クーラントと接触しない構造となっているとともに、濾過ドラムを装置から取り出すことなくローラ軸受けを取り外すことができるため、ローラ軸受けの劣化・摩耗が抑制され装置の長寿命化が実現できるとともに、メンテナンス作業負担の軽減・装置の稼働率の向上が実現できる。
【0016】
加えて、コンベアフレームに設けられた排水口の口径と濾過ドラムの口径とをほぼ等しくすることができるため、装置停止時における混濁クーラントの液面をヒンジベルトの搬送側水平部よりも下げることができ、装置の動作状態を目視できるため、使用上の操作性が向上する。
【0017】
さらに、複数のローラ軸受けで濾過ドラムを回転自在に支えることで、従来用いていたような濾過ドラムの全周に亘るメタルベアリングを不要としたため、装置の低コスト化が実現できる。
【0018】
また、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る切粉分別排出装置において、ローラ軸受けが、浄化クーラントの通常時の液面高さより上部に配置されていることにより、ローラ軸受けが長時間、浄化クーラント内に浸漬された状態にさらされることが防止されるため、ローラ軸受けの長寿命化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の切粉分別排出装置は、工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントが投入されるコンベヤフレームの下側水平部に設けられた混濁クーラント貯留槽と、混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、コンベヤフレーム内を循環走行し切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けられた切粉排出口から外部に排出するヒンジベルトとを有し、濾過ドラムが両端部に排水管を有し、排水管の端部のそれぞれがコンベヤフレームの側面に設けられた一対の円形開口部内に位置し、円形開口部の直径よりも大きな外径を有するとともに浄化クーラントをコンベヤフレームの外部に排出するクーラント排出口を有するローラ軸受け板が円形開口部を覆うように螺設され、ローラ軸受け板の内側に排水管に内接する複数のローラ軸受けが螺設されていることによって、ローラ軸受けの劣化・摩耗が抑制され装置の長寿命化を実現し、メンテナンス作業負担の軽減・装置の稼働率の向上を実現し、装置の低コスト化を実現するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0020】
例えば、本発明では、コンベヤフレーム内に周回状態で設けられる無端状のコンベヤとして、ヒンジベルトを採用しているが、混濁クーラントから切粉を効率よく掬い上げることができるものであれば、スクレーパコンベヤなどの他の種類のコンベヤであっても何ら支障はない。
【0021】
以下、本発明の一実施例である切粉分別排出装置100について、図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施例である切粉分別排出装置100のコンベヤフレーム120を透明状態にして示した概略側面図であり、図2は、図1の矢視II−II線で切断した時の断面をヒンジベルト140を省略して示した断面図であり、図3は、図2のIII部の拡大図であり、図4は、図2のIV部の分解立体図であり、図5は、切粉分別排出装置100に装着されている濾過ドラム150の斜視図である。
【0022】
本実施例の切粉分別排出装置100は、図1に示すように、工作機械Mから排出される切粉を含んだ混濁クーラントDが投入される混濁クーラント貯留槽130と、コンベヤフレーム120内に無端循環状態で内設されたヒンジベルト140とを備えている。コンベヤフレーム120は、搬送側傾斜フレーム121、排出部フレーム122、戻り側垂直フレーム123、水平床面フレーム124、テール部フレーム125と連続する金属フレームおよびその両側面を塞ぐ2枚の側面フレーム126により構成されている。
【0023】
混濁クーラント貯留槽130に投入された混濁クーラントDに含まれる切粉は、ヒンジベルト140により、仕切板(図示していない)に沿って混濁クーラント貯留槽130の外に掬い上げられて、ヒンジベルト140の上方周回端部142の下方に位置する切粉排出口128から切粉回収箱(図示していない)などに排出される。ヒンジベルト140の上方周回端部142には、ヒンジベルト140に動力を伝達する駆動スプロケット170が駆動モータ(図示していない)に連結されて配置され、一方、ヒンジベルト140が戻り側水平部143から搬送側水平部141へと周回転向する下方周回端部144には、従動スプロケット172が設けられている。
【0024】
さらに、コンベヤフレーム120の立ち上がり部の根元部分には、混濁クーラント貯留槽130に貯まった混濁クーラントを濾過した後に外部に排出するための不織布などからなる濾過フィルターが巻回された円筒型の濾過ドラム150(図5参照)が設けられている。そして、濾過されたクーラント、すなわち、浄化クーラントは、コンベヤフレーム120の外部に設けられた浄化クーラント貯留槽190に排水口129を通じて排出され、浄化クーラント貯留槽190に一旦貯留された後にポンプなどで吸い上げられて工作機械Mなどで再利用される。また、コンベヤフレーム120の側面フレーム126には、濾過ドラム150の性状を点検するための点検窓127が設けられている。
【0025】
他方、濾過ドラム150を透過しない残留切粉は、ヒンジベルト140により、再び、掬い上げられ、切粉排出口128から排出される。このような濾過ドラム150は、次第に濾過フィルターが目詰まりを起こすため、フィルター浄化用の液体噴出手段(図示していない)を設け、この液体噴出手段から浄化クーラントを噴射し、濾過フィルター表面に付着した切粉を吹き飛ばしている。
【0026】
次に本発明の主要部である濾過ドラム150の構造およびコンベヤフレーム120への取り付け構造について図2ないし図5に基づき説明する。円筒型の濾過ドラム150は、図5に示すように、その開口部の両端部に排水管156を有しており、この排水管156間に複数のドラム棒151が固設されている。そして、外周面に不織布などからなる濾過フィルター152が巻回されて、大口径のホースバンド154によって、排水管156に締め付け固定されている(図2参照)。さらに、一方の排水管156に、ヒンジベルト140の無端循環軌道の一部に内接して濾過ドラム150を回転させるためのスプロケット歯155が突設されている。
【0027】
この濾過ドラム150は、排水管156の端部のそれぞれがコンベヤフレーム120の側面フレーム126に設けられた一対の円形開口部内に位置している。そして、この円形開口部の直径よりも大きな外径を有するとともに、浄化クーラントをコンベヤフレーム120の外部に排出するクーラント排出口180a(図4参照)を有するローラ軸受け板180が、スペーサ181を介して円形開口部を覆うように螺設されている。このローラ軸受け板180を強固にコンベヤフレーム120の側面フレーム126に螺設するために、側面フレーム126の内側に円形開口部の直径と略等しい内径を有する半環状のフレーム補強板189が配設されている。そして、ローラ軸受け板180の内側に排水管154に内接する複数のローラ軸受け182が、スペーサ183を介してボルト186とナット185により螺設されている。また、ナット185とローラ軸受け182との間には、ローラ軸受け182の回転を良くするために2枚のワッシャ184が介挿されている。
【0028】
本実施例においては、ローラ軸受け182は、図1に示すように4つ設けられている。そして、これらのローラ軸受け182は、浄化クーラントの通常時の液面高さより上部に配置されており、ローラ軸受け182が長期に亘って浄化クーラント中に浸漬しないようにしている。その結果、ローラ軸受け182の腐食が防止されるとともに、ローラ軸受け182を取り替えるときの作業性を向上させている。なお、ローラ軸受け182の数は、4つに限定されることはなく、濾過ドラム150を安定して支持できるとともに、浄化クーラントの通常時の液面高さより上部に配置することができれば、3つであっても構わないし、5つ以上であっても構わない。
【0029】
さらに、図3に示すように、排水管156とローラ軸受け板180との間から混濁クーラントが漏れ出すことを防止するため、樹脂製のグランドパッキング188を排水管156の端部に覆設している。そして、このグランドパッキング188に切粉が当たって摩耗することを防止するため、切粉侵入防止部材157、158が設けられている。
【0030】
また、ローラ軸受け板180の外側には、クーラント排水口180aの形状を規制する外カバー187がボルトで固定されている。この外カバー187は、ローラ軸受け182の固定用のボルト186と干渉しないような形状を有している(図4参照)。
【0031】
以上のように、本発明の実施例である切粉分別排出装置100は、ローラ軸受け182が浄化クーラント側に位置し混濁クーラントと接触しない構造となっているとともに、外カバー187を外すだけで、濾過ドラム150を装置から取り出すことなくローラ軸受け182を取り外すことができるため、ローラ軸受け182の劣化・摩耗が抑制され装置の長寿命化が実現できるとともに、メンテナンス作業負担の軽減・装置の稼働率の向上が実現できる。
【0032】
また、排水口129の口径と濾過ドラム150の口径とをほぼ等しくすることができるため、装置停止時における混濁クーラントの液面をヒンジベルト140の搬送側水平部141よりも下げることができ、装置の動作状態を目視できるため、使用上の操作性が向上する。
【0033】
さらに、複数のローラ軸受け182で濾過ドラム150を回転自在に支えることで、従来用いていたような濾過ドラムの全周に亘るメタルベアリングを不要としたため、装置の低コスト化が実現できる。
【0034】
加えて、ローラ軸受け182が、浄化クーラントの通常時の液面高さより上部に配置されていることにより、ローラ軸受け182が長時間、浄化クーラント内に浸漬された状態にさらされることが防止されるため、ローラ軸受け182の長寿命化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施例の切粉分別排出装置の概略側面図。
【図2】図1の矢視II−II線における断面図。
【図3】図2のIII部の拡大図。
【図4】図2のIV部の分解立体図。
【図5】本実施例の切粉分別排出装置の濾過ドラムの斜視図。
【図6】従来の切粉分別排出装置の概略側面図。
【図7】図6の矢視VII−VII線における断面図。
【符号の説明】
【0036】
100、500 ・・・ 切粉分別排出装置
120、520 ・・・ コンベヤフレーム
121、521 ・・・ (コンベヤフレームの)搬送側傾斜フレーム
122、522 ・・・ (コンベヤフレームの)排出部フレーム
123 ・・・ (コンベヤフレームの)戻り側垂直フレーム
124、524 ・・・ (コンベヤフレームの)水平床面フレーム
125、525 ・・・ (コンベヤフレームの)テール部フレーム
126、526 ・・・ (コンベヤフレームの)側面フレーム
127、527 ・・・ (コンベヤフレームの)点検窓
128、528 ・・・ (コンベヤフレームの)切粉排出口
129、529 ・・・ (コンベヤフレームの)排水口
130、530 ・・・ 混濁クーラント貯留槽
140、540 ・・・ ヒンジベルト
141、541 ・・・ (ヒンジベルトの)搬送側水平部
142、542 ・・・ (ヒンジベルトの)上方周回端部
143、543 ・・・ (ヒンジベルトの)戻り側水平部
144、544 ・・・ (ヒンジベルトの)下方周回端部
150、550 ・・・ 濾過ドラム
151、551 ・・・ (濾過ドラムの)ドラム棒
152、552 ・・・ (濾過ドラムの)濾過フィルター
154、554 ・・・ (濾過ドラムの)ホースバンド
155、555 ・・・ (濾過ドラムの)スプロケット歯
156 ・・・ (濾過ドラムの)排水管
157、158 ・・・ (濾過ドラムの)切粉侵入防止部材
170、570 ・・・ 駆動スプロケット
172、572 ・・・ 従動スプロケット
180 ・・・ ローラ軸受け板
180a・・・ (ローラ軸受け板の)クーラント排出口
182 ・・・ ローラ軸受け
183 ・・・ スペーサ
184 ・・・ ワッシャ
185 ・・・ ナット
186 ・・・ ボルト
187 ・・・ 外カバー
188 ・・・ グランドパッキング
189 ・・・ フレーム補強板
190、590 ・・・ 浄化クーラント貯留槽
523 ・・・ (コンベヤフレームの)戻り側傾斜フレーム
553 ・・・ (濾過ドラムの)ドラム側板
556 ・・・ メタルベアリング
560 ・・・ 仕切板
580 ・・・ 排水管
582 ・・・ オイルシール
B ・・・ 切粉回収箱
K ・・・ 切粉
L ・・・ (装置停止時の混濁クーラント液面の)水平線
M ・・・ 工作機械

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントが投入されるコンベヤフレームの下側水平部に設けられた混濁クーラント貯留槽と、前記混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、前記コンベヤフレーム内を循環走行し前記切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けられた切粉排出口から外部に排出するヒンジベルトとを有する切粉分別排出装置において、
前記濾過ドラムが両端部に排水管を有し、該排水管の端部のそれぞれが前記コンベヤフレームの側面に設けられた一対の円形開口部内に位置し、該円形開口部の直径よりも大きな外径を有するとともに前記浄化クーラントをコンベヤフレームの外部に排出するクーラント排出口を有するローラ軸受け板が前記円形開口部を覆うように螺設され、前記ローラ軸受け板の内側に前記排水管に内接する複数のローラ軸受けが螺設されていることを特徴とする切粉分別排出装置。
【請求項2】
前記ローラ軸受けが、前記浄化クーラントの通常時の液面高さより上部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の切粉分別排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−274178(P2009−274178A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128183(P2008−128183)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000215523)椿本メイフラン株式会社 (10)
【Fターム(参考)】