説明

列車ダイヤ編集システムおよび列車ダイヤ編集方法

【課題】列車スジを複数ユーザが分担して効率的に作成でき、かつ、一般ユーザが作成した列車スジについて上位ユーザによる編集と担当者変更を可能とする。
【解決手段】ダイヤ管理サーバ1は、ログインユーザとその権限レベルの関係を定義するユーザ情報、列車スジ情報並びに列車スジ情報の編集権限を有する作成担当者とその上位ユーザの関係を定義する権限設定情報をデータベース内に記憶している。ログインユーザが権限設定情報において作成担当者の上位ユーザとして定義されている場合、ダイヤ編集端末3が、ダイヤ管理サーバに対して、作成担当者が作成した列車スジ情報の登録・更新をログインユーザの有する権限レベルに基づいて要求し、ダイヤ管理サーバ1が列車スジ情報の登録・更新を行う。そして、ダイヤ編集端末3が、データベースからログインユーザが編集権限を有する列車スジ情報を取得し、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、列車ダイヤ編集システムおよび列車ダイヤ編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道運行会社は、列車の各駅における発着時刻、隣接駅間の距離程(キロ程)等のデータをワークステーションなどのサーバへ入力し、ダイヤデータを予め作成した後、このダイヤデータを運行ダイヤグラム(以下、「ダイヤ図」という。)として画面上に表示することで、列車の運行を管理している。例えば、ダイヤ図は、始発駅(基準駅)からのキロ程を縦軸、時刻を横軸にとり、駅間距離を考慮して走行駅名を縦軸上に配置したグラフ状で表される。そして、一つの列車の運行はダイヤ図上で一本の線(列車スジ)として表現される。
【0003】
また、運行する列車の本数や発着駅の数などに比例してダイヤデータは膨大な量となるため、複数のユーザによる共同作業で作成される場合が多く、サーバにネットワークを介して複数の編集端末を接続させた列車ダイヤ編集システムを構築して作業の分担が図られている。尚、ネットワークを使用することで、社内にそれぞれ配置された端末上でもダイヤデータを共有することが可能となるが、このような場合にはダイヤデータ全体を一つのものとして排他管理し、整合性の維持が図られている。例えば、列車ダイヤ編集システムでは、(1)作成したダイヤデータを共有できる他のユーザを登録時に指定しておき、作成担当者以外のユーザにもその作業状況を参照可能にする手法、(2)ダイヤデータの一部の編集権限を他のユーザに一時的に貸与して排他管理する手法などが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−62554号公報
【特許文献2】特開2006−27555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ダイヤデータの作成を複数のユーザ(作成担当者)がネットワーク上で分担して行う場合、各担当者が作成したダイヤデータの整合性を維持するためにデータを修正あるいは変更し、全体として一つのダイヤに取り纏める作業が必要となるが、従来のダイヤ編集システムにおいては、このような作業をネットワークを介して端末上で行うことは困難であった。具体的には、従来システムで画面表示される列車スジには、列車番号と運用番号しか付記されておらず、列車スジだけを参照しても部門管理者は作成担当者の所属部門や担当者名を把握出来なかった。また、複数の作成担当者が作成した大量のダイヤデータの中から自身の管理対象となるダイヤデータだけをネットワーク上で抽出し、相互に比較できる仕組みではなかった。特に、近年では会社を跨って(あるいは国を跨って)相互に列車の乗り入れを行うこともあるため、このような場合の共同作業は更に大きな困難を伴う。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、列車スジを複数ユーザが分担して効率的に作成でき、かつ、一般ユーザが作成した列車スジについて上位ユーザによる編集と担当者変更を容易に行えるダイヤ編集システムおよびダイヤ編集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る列車ダイヤ編集システムは、少なくとも列車番号、列車運行日、運行駅、出発時刻および到着時刻を含む列車スジ情報を一元管理するダイヤ管理サーバと、このダイヤ管理サーバにネットワーク接続され、列車スジ情報の編集を行う複数のダイヤ編集端末と、から構成される。
【0008】
ダイヤ管理サーバは、データベース部、データ登録・更新部を備えている。データベース部は、ダイヤ編集端末によるログインユーザとその権限レベルの関係を定義するユーザ情報、列車スジ情報並びに列車スジ情報の編集権限を有する作成担当者とその上位ユーザの関係を定義する権限設定情報を記憶する。データ登録・更新部は、ダイヤ編集端末からの要求に応じてデータベース部に対する登録・更新処理を行う。
【0009】
また、ダイヤ編集端末は、データ編集部、列車スジ取得部、列車スジ表示部を備えている。データ編集部は、ログインユーザが権限設定情報において作成担当者の上位ユーザとして定義されている場合に、上位ユーザの入力情報に基づいて権限設定情報および作成担当者が作成した列車スジ情報を編集し、データ登録・更新部に対して編集後のデータによる登録・更新処理を要求する。列車スジ取得部は、データベース部からログインユーザが編集権限を有する列車スジ情報を取得する。列車スジ表示部は、取得された列車スジ情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1に係る列車ダイヤ編集システムの全体構成例を示す図。
【図2】図1に示すダイヤ管理サーバおよびダイヤ編集端末のハードウェア構成例を示す図。
【図3】図1に示すダイヤ管理サーバおよびダイヤ編集端末の全体構成例を示すブロック図。
【図4】図3に示す列車スジ運行計画テーブルの記憶内容の具体例を示す図。
【図5】図3に示す権限設定情報テーブルの記憶内容の具体例を示す図。
【図6】図3に示すユーザ情報テーブルの記憶内容の具体例を示す図。
【図7】図1に示すダイヤ編集端末に表示される列車スジ登録・更新画面の具体例を示す図。
【図8】図1に示すダイヤ編集端末に表示される列車スジ表示画面の具体例を示す図。
【図9】列車スジの結合処理前後における列車スジ運行計画テーブルのデータ遷移を説明する図。
【図10】列車スジの結合処理前後における権限設定情報テーブルのデータ遷移を説明する図。
【図11】図1に示すダイヤ編集端末に表示される列車スジ表示画面における同一部門での列車スジ結合の具体例を示す図。
【図12】列車運行日単位での列車スジ一括結合処理の前後における列車スジ運行計画テーブルのデータ遷移を説明する図。
【図13】列車運行日単位での列車スジの一括結合処理の前後における権限設定情報テーブルのデータ遷移を説明する図。
【図14】図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジの登録処理の具体例を示すシーケンス図。
【図15】図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジ表示処理の具体例を示すフローチャート。
【図16】図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジの担当者変更処理の具体例を示すシーケンス図。
【図17】図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジ結合処理の具体例を示すシーケンス図。
【図18】図1に示すダイヤ編集システムにおける列車運行日単位での列車スジ一括結合処理の具体例を示すシーケンス図。
【図19】実施形態2に係る列車ダイヤ編集システムにおける権限設定情報テーブルの具体例を示す図。
【図20】実施形態2に係る列車ダイヤ編集システムにおけるユーザ情報テーブルの具体例を示す図。
【図21】列車スジの結合処理前後における列車スジ運行計画テーブルのデータ遷移を説明する図。
【図22】列車スジの結合処理前後における権限設定情報テーブルのデータ遷移を説明する図。
【図23】図1に示すダイヤ編集端末に表示される列車スジ表示画面における異部門間の列車スジ結合の具体例を示す図。
【図24】実施形態3に係る列車ダイヤ編集システムにおける権限設定情報テーブルの記憶内容の具体例を示す図。
【図25】実施形態3に係る列車ダイヤ編集システムにおけるユーザ情報テーブルの記憶内容の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る列車ダイヤ編集システムの全体構成例を示す図である。同図に示されるように、列車ダイヤ編集システムは、少なくとも列車番号、列車運行日、運行駅、出発時刻および到着時刻を含む列車スジ情報を一元管理するダイヤ管理サーバ1、このダイヤ管理サーバ1にネットワーク2を介して接続され、列車スジ情報を新規作成または作成済みの列車スジ情報を編集する複数台のダイヤ編集端末3から構成されており、ダイヤ編集端末3において新規作成あるいは編集された列車スジ情報はダイヤ管理サーバ1のデータベース内に保存され、管理される。
【0012】
図2は、図1に示すダイヤ管理サーバ1およびダイヤ編集端末3のハードウェア構成例を示す図である。同図に示されるように、ダイヤ管理サーバ1およびダイヤ編集端末3に適用されるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インターフェース14、システムバス15、入力装置16、表示装置17、補助記憶装置18および通信装置19から構成される。
【0013】
CPU11は、ROM12やRAM13に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM12は、コンピュータを機能させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM13は、CPU11が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース14は、各種のハードウェアとシステムバス15との接続を仲介する装置およびプログラムである。システムバス15は、CPU11、ROM12、RAM13および入出力インターフェース14で共有される情報伝達路である。
【0014】
また、入出力インターフェース14には、入力装置16、表示装置17、補助記憶装置18、および通信装置19などのハードウェアが接続されている。入力装置16は、ユーザからの入力を処理する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。表示装置17は、ユーザに対して演算結果や作成画面などを表示する装置であり、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。補助記憶装置18は、プログラムやデータを蓄積する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスク装置などである。
【0015】
図3は、図1に示すダイヤ管理サーバ1およびダイヤ編集端末3の全体構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、ダイヤ管理サーバ1は、サーバ側通信部101、データベース部102、ユーザ認証部103、データ抽出部104、データ結合可否判定部105、データ登録・更新部106および担当者変更メッセージ通知部107を備えている。
【0016】
サーバ側通信部101は、後述する端末側通信部301との間でデータ通信を行うインターフェースであり、ダイヤ編集端末3から送信されたデータを受信してユーザ認証部103、データ抽出部104、データ結合可否判定部105、データ登録・更新部106および担当者変更メッセージ通知部107に適宜出力すると共に、各部における処理結果をダイヤ編集端末3へ送信する。
【0017】
データベース部102は、ダイヤ編集端末3を使用するログインユーザとその権限レベルの関係を定義するユーザ情報、列車スジ情報並びに列車スジ情報の編集権限を有する作成担当者とその上位ユーザの関係を定義する権限設定情報を記憶する記憶装置である。ここでは、各情報は列車スジ運行計画テーブル102A、権限設定情報テーブル102Bおよびユーザ情報テーブル102Cの中で保持されている。
【0018】
図4は、図3に示す列車スジ運行計画テーブル102Aの記憶内容の具体例を示す図である。ここでは、列車スジ運行計画テーブル102Aは、列車スジを識別する列車番号、列車運行日、運行順序、通停(通過/停車)、運行駅(発着駅および通過駅)、運行駅で使用する番線、出発時刻および到着時刻をデータ項目に含んでいる。
【0019】
図5は、図3に示す権限設定情報テーブル102Bの記憶内容の具体例を示す図である。ここでは、権限設定情報テーブル102Bは、列車番号、列車運行日、権限レベル、作成担当者および部門管理者をデータ項目に含んでいる。
【0020】
図6は、図3に示すユーザ情報テーブル102Cの記憶内容の具体例を示す図である。ここでは、ユーザ情報テーブル102Cは、ユーザID、権限レベル、部門および部門管理者をデータ項目に含んでいる。
【0021】
尚、ダイヤ管理サーバ1の権限設定情報テーブル102Bおよびユーザ情報テーブル102Cに保持される権限レベルはそれぞれ以下の通りである。
・[権限0]:一般ユーザである作成担当者を表す権限レベルであり、権限設定情報テーブル102Bのユーザ列に自身のユーザIDが設定されている列車スジのみ編集が可能。
【0022】
・[権限3]:部門管理者ユーザを表す権限レベルであり、権限設定情報テーブル102Bの部門管理者列に自身のユーザIDが設定されている列車スジ全ての編集が可能。
【0023】
ユーザ認証部103は、ダイヤ編集端末3を使用するユーザのユーザIDおよび入力パスワードに基づいてユーザ情報テーブル102Cを参照してユーザ認証を行うプログラムである。また、認証時に取得されたログインユーザの権限レベルは、ユーザIDと共にデータ抽出部104へ出力される。
【0024】
データ抽出部104は、ユーザ認証部103から取得されたログインユーザの権限レベルに応じて列車スジ運行計画テーブル102Aからダイヤ編集端末3側で表示対象となる列車スジ情報を抽出し、サーバ側通信部101を介してダイヤ編集端末3へ送信するプログラムである。
【0025】
データ結合可否判定部105は、ダイヤ編集端末3側から結合対象となる同一列車運行日の列車スジ情報が取得された場合に、前列車および後列車に係る列車スジ情報に含まれる運行駅、運行順序、出発時刻および到着時刻を列車スジ運行計画テーブル102Aから取得して列車スジの結合処理の可否を判定するプログラムである。
データ登録・更新部106は、ダイヤ編集端末3からの登録・更新要求に応じて列車スジ情報の登録・更新を行うプログラムである。
【0026】
担当者変更メッセージ通知部107は、データ登録・更新部106における登録・更新処理によって列車スジ運行計画テーブル102Aに記憶されている列車スジ情報中の作成担当者が変更された場合に、変更に係る作成担当者が使用中のダイヤ編集端末3に対して担当者変更メッセージを通知すると共に、新たな列車スジ情報をリアルタイムで出力するプログラムである。
【0027】
また、ダイヤ編集端末3は、端末側通信部301、入力部302、データ編集部303、列車スジ取得部304、列車スジ表示部305、列車スジ結合部306および列車スジ一括結合部307を備えている。
【0028】
端末側通信部301は、サーバ側通信部101との間でデータ通信を行うインターフェースであり、入力部302、データ編集部303、列車スジ取得部304、列車スジ表示部305、列車スジ結合部306および列車スジ一括結合部307より出力されたデータをサーバ側通信部101へ送信すると共に、サーバ側通信部101から受信したデータを各部に適宜出力する。
【0029】
入力部302は、端末使用者が各種の入力画面等においてデータ編集部303、列車スジ取得部304、列車スジ結合部306および列車スジ一括結合部307へ情報を入力するための入力インターフェースである。
【0030】
データ編集部303は、列車スジ登録・更新画面において部門管理者などの上位ユーザより入力された列車番号、列車運行日、運行駅、出発時刻および到着時刻を含む列車スジ情報、部門、権限レベルおよびユーザIDを含む権限設定情報をダイヤ管理サーバ1へ送信し、データベース部102に記憶されている列車スジ情報および権限設定情報の登録・更新要求を行うプログラムである。尚、列車スジ登録・更新画面は、ダイヤ管理サーバ1とダイヤ編集端末3の間でユーザ認証が完了することを条件に表示されるものとする。図7は、図1に示すダイヤ編集端末3に表示される列車スジ登録・更新画面の具体例を示す図である。この画面上で入力された列車の運行駅(発着駅)および時刻情報が列車スジ運行計画テーブル102Aに保持される。列車スジは、列車番号と列車運行日の組合せによって一意判別され、列車スジのそれぞれに対する権限レベル、部門およびユーザIDが権限設定情報テーブル102Bに保持される。また、列車スジ運行計画テーブル102Aおよび権限設定情報テーブル102Bにおける登録情報に対応して、ユーザ情報テーブル102Cにも、ユーザのデフォルト情報として、ユーザIDとその上位ユーザである部門管理者との関係が保持されるため、ダイヤ管理サーバ1側では列車番号をキーとして作成担当者および部門管理者を検索できる。
【0031】
また、データ編集部303は、ログインユーザが権限設定情報において作成担当者(一般ユーザ)の部門管理者(上位ユーザ)として定義されている場合に、部門管理者(上位ユーザ)の入力情報に基づいて権限設定情報および作成担当者が作成した列車スジ情報をそれぞれ編集し、データ登録・更新部106に対して編集後のデータによる登録・更新処理を要求する機能を有している。
【0032】
列車スジ取得部304は、ダイヤ管理サーバ1のデータ抽出部104に対してログインユーザが編集権限を持つ全ての列車スジ情報の抽出要求を行い、データベース部102に記憶された列車スジ情報とこれに対応する権限設定情報を取得するプログラムである。列車スジ表示部305は、列車スジ取得部304で取得された列車スジ情報および権限設定情報に基づいて列車スジ表示画面を作成し、表示するプログラムである。具体的には、権限設定情報テーブル102Bにおいて列車番号ごとに作成担当者、ユーザ情報テーブル102CにおいてユーザIDごとに部門が保持されているので、列車番号をキーとして権限設定情報テーブル102Bから取り出したユーザIDをキーとして、ユーザ情報テーブル102Cから部門情報を取り出す。そして、これらのダイヤ管理サーバ1側で抽出された情報は、ダイヤ編集端末3側に送信され、列車スジ表示画面において列車スジ単位で作成担当者のユーザIDおよびその所属部門が表示される。
【0033】
図8は、図1に示すダイヤ編集端末3に表示される列車スジ表示画面の具体例を示す図である。ここでは、縦軸を距離程、横軸を時刻を表し、縦軸上には運行順序に応じて運行駅名が付されている。また、座標内には列車スジ情報が矢印線によって表されており、この列車スジの近傍には列車番号、ユーザIDおよび部門が併記され、どの部門のどのユーザが列車スジの作成担当者であるのかを把握可能となっている。また、同画面においては、ダイヤ管理サーバ1に保持されている権限設定情報も、列車スジ情報と併せてダイヤ編集端末3の画面に表示されている。
【0034】
列車スジ結合部306は、権限レベルがログインユーザのよりも低いユーザが作成した同一の列車運行日に係る二つの列車スジ情報を運行順序、運行駅、出発時刻および到着時刻の比較結果に基づいて新たな列車スジ情報として一つに結合すると共に、新たな列車スジ情報に基づいてデータ登録・更新部106に対してデータベース部102の登録・更新を要求するプログラムである。尚、この結合処理の実行前には、ダイヤ管理サーバ1のデータ結合可否判定部105に対して結合可否の判定要求を行うものとし、データ結合可否判定部105から結合可能通知を受信した場合にのみ実行される。具体的には、部門管理者がログインユーザの場合、ダイヤ編集端末3の画面に表示されている同一部門の列車スジの内、同一駅において到着時刻が出発時刻よりも前の時刻である、二つの自部門作成列車スジは一つの列車スジとして結合できる。
【0035】
図9および図10は、列車スジの結合処理前後における列車スジ運行計画テーブル102Aおよび権限設定情報テーブル102Bのデータ遷移をそれぞれ説明する図である。ここでは、網掛け表示されている二つのレコードを結合した新たな列車スジ情報が登録されている。また、結合前の2レコードは削除されているが、前列車の列車番号111Aは新たな列車スジ情報の列車番号として引き継がれている。
【0036】
尚、新たな列車スジ情報に付される列車番号として後列車の列車番号112Aやユーザが別に指定した列車番号を用いることもできる。例えば、二つの列車スジの作成担当者がそれぞれユーザAとユーザBの場合に、ユーザCを指定することで作業負荷の分散が可能となる。また、部門管理者のユーザIDが作成担当者列に設定されている列車番号を用いれば、結合後の列車スジの編集権限を部門管理者に移し、一般ユーザによる編集を制限することも可能となる。すなわち、列車スジ作成作業は複数の一般ユーザが分担して効率的に進め、最後に部門管理者が一括管理して調整を図ることができる利点がある。
【0037】
また、図11は、図1に示すダイヤ編集端末3に表示される列車スジ表示画面における同一部門での列車スジ結合の具体例を示す図である。ここでは、上記の図9および図10のデータ遷移に対応して画面表示が変化する様子が示されている。
【0038】
列車スジ一括結合部307は、列車スジ表示画面においてログインユーザから列車スジの一括結合が要求された場合に、列車スジ結合部306で実行された結合処理に係る列車番号を持つ他の列車運行日を抽出して候補表示すると共に、ユーザにより選択された列車運行日について列車スジ結合部306で実行された結合処理と同様の結合処理を実行するプログラムである。
【0039】
図12および図13は、列車運行日単位での列車スジ一括結合処理の前後における列車スジ運行計画テーブル102Aおよび権限設定情報テーブル102Bのデータ遷移をそれぞれ説明する図である。ここでは、網掛け表示されている5つのレコードがユーザが指定した列車運行日(2011/07/02)のものであるが、同日付に係る列車番号112Aの列車スジ(2レコード)は列車番号111Aの列車スジと結合され、新たな列車スジ情報として登録されている。すなわち、図9乃至図10で説明した列車運行日付(2011/07/01)における列車スジの結合処理と同一の処理を他の列車運行日(2011/07/02)を指定した場合にも行った場合を示している。
【0040】
以下、上記のように構成された列車ダイヤ編集システムの動作を図面に基づいて詳細に説明する。
図14は、図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジの登録処理の具体例を示すシーケンス図である。
S1401において、ダイヤ編集端末3は、自担当分の列車スジ情報を作成する。
S1402において、ダイヤ編集端末3は、S1401で作成した列車スジ情報をダイヤ管理サーバ1へ送信する。
S1403において、ダイヤ管理サーバ1は、列車スジの作成担当者(一般ユーザ)が使用するダイヤ編集端末3でそれぞれ作成された列車スジ情報を受信する。
【0041】
S1404において、ダイヤ管理サーバ1は、S1403で受信した列車スジ情報の中から権限設定情報を取り出し、権限設定情報テーブル102Bに格納する。
S1405において、ダイヤ管理サーバ1は、S1403で受信した列車スジ情報を列車スジ運行計画テーブル102Aに格納する。
【0042】
図15は、図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジ表示処理の具体例を示すシフローチャートである。
S1501において、ダイヤ管理サーバ1は、認証処理時におけるログインユーザの権限レベルを取得する。
【0043】
S1502において、ダイヤ管理サーバ1は、ログインユーザの権限レベルが部門管理者の権限レベルか否かを判定する。ここで、部門管理者と判定された場合は、S1503へ進む。これに対し、部門管理者ではないと判定された場合は、S1504へ進む。
S1503において、ダイヤ管理サーバ1は、部門管理者の権限レベルに基づいてデータベース部102(列車スジ運行計画テーブル102A)から自部門の列車スジを全て取得する。
【0044】
S1504において、ダイヤ管理サーバ1は、ログインユーザの権限レベルが一般ユーザの権限レベルか否かを判定する。ここで、一般ユーザと判定された場合は、S1505へ進む。これに対し、一般ユーザではないと判定された場合は、S1507へ進む。
【0045】
S1505において、ダイヤ管理サーバ1は、一般ユーザの権限レベルに基づいてデータベース部102から自担当分の列車スジ情報を取得する。
【0046】
S1506において、ダイヤ管理サーバ1は、S1503またはS1505で取得した列車スジ情報をダイヤ編集端末3へ送信し、ダイヤ編集端末3はこれを受信して画面表示し、処理を終了する。
S1507において、ダイヤ管理サーバ1は、ログインエラーメッセージをダイヤ編集端末3へ送信し、ダイヤ編集端末3はこれを受信して画面表示し、処理を終了する。
【0047】
図16は、図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジの担当者変更処理の具体例を示すシーケンス図である。
S1601において、部門管理者が使用するダイヤ編集端末3は、自部門における列車スジの作成担当者を画面上で変更する。
S1602において、ダイヤ編集端末3は、画面上で変更された担当者情報に基づいてダイヤ管理サーバ1へ担当者変更要求を送信する。
【0048】
S1603において、ダイヤ管理サーバ1は、受信した担当者変更要求に基づいて該当する列車スジの作成担当者を変更する。
S1604において、ダイヤ管理サーバ1は、ダイヤ編集端末3を使用してログイン中のユーザのユーザ情報をユーザ情報テーブル102Cから取得し、ユーザリストを作成する。
【0049】
S1605において、ダイヤ管理サーバ1は、S1604で作成したユーザリストとS1603での変更に係る列車スジの作成担当者を照合し、通知対象者を検出する。
S1606において、ダイヤ管理サーバ1は、通知対象者の使用するダイヤ編集端末3に対して担当者変更メッセージを送信する。
S1607において、通知対象者の使用するダイヤ編集端末3は、受信した担当者変更メッセージを画面表示する。
【0050】
このように、部門管理者によって列車スジの作成担当者が変更されたときは、ダイヤ管理サーバ1がその変更を、当該変更に係る列車スジの作成担当者が使用しているダイヤ編集端末3に対してリアルタイムで通知し、ダイヤ編集端末3にその情報を画面表示することで情報共有が図られる。
【0051】
図17は、図1に示すダイヤ編集システムにおける列車スジ結合処理の具体例を示すシーケンス図である。
S1701において、ダイヤ編集端末3は、列車スジ結合モード時に、ログインユーザによる画面上でのマウス操作等に基づいて結合したい2以上の列車スジを任意に選択する。
【0052】
S1702において、ダイヤ編集端末3は、画面上で選択された結合前の前列車および後列車についての列車番号と列車運行日をダイヤ管理サーバ1へ送信する。
S1703において、ダイヤ管理サーバ1は、受信した情報に基づいて列車スジ運行計画テーブル102Aから前列車の運行駅情報の内、運行順序が最大のものを取得する。
【0053】
S1704において、ダイヤ管理サーバ1は、受信した情報に基づいて列車スジ運行計画テーブル102Aから後列車の運行駅情報の内、運行順序が最小のものを取得する。
【0054】
S1705において、ダイヤ管理サーバ1は、S1703およびS1704で取得された運行駅情報を比較して列車スジの結合が可能か否かを判定する。ここで、列車スジの結合が可能と判定された場合は、S1708へ進む。これに対し、列車スジの結合不可と判定された場合には、S1706へ進む。
【0055】
S1706において、ダイヤ管理サーバ1は、部門管理者が使用するダイヤ編集端末3へ結合不可通知を送信する。
S1707において、部門管理者が使用するダイヤ編集端末3は、結合不可通知を受信するとこれを画面上にポップアップで表示し、部門管理者に対して列車スジの再選択を促してS1701へ戻る。
【0056】
S1708において、ダイヤ管理サーバ1は、部門管理者が使用するダイヤ編集端末3へ結合可能通知を送信する。
S1709において、ダイヤ編集端末3は、結合後の新たな列車スジ情報およびこの列車スジ情報に対して指定された列車番号をダイヤ管理サーバ1へ送信する。
【0057】
S1710において、ダイヤ管理サーバ1は、列車スジ情報を受信し、指定された列車番号をキーとする新たな列車スジ情報を列車スジ運行計画テーブル102Aに格納する。尚、新たな列車スジ情報の基礎となった列車スジ情報はデータ重複を避けるために列車スジ運行計画テーブル102Aから削除されるものとする。
【0058】
S1711において、ダイヤ管理サーバ1は、ログインユーザの中から通知対象者を検出し、通知対象者の使用するダイヤ編集端末3へ担当者変更メッセージを送信する。通知対象者としては、結合前の各列車スジの作成担当者、結合後の列車スジの作成担当者などが挙げられるが、通知対象者は任意に設定可能である。
【0059】
S1712において、ダイヤ管理サーバ1は、部門管理者および通知対象者の使用するダイヤ編集端末3へ変更後の列車スジ情報をそれぞれ送信する。
S1713において、部門管理者が使用するダイヤ編集端末3は、受信した列車スジ情報を画面表示する。
S1714において、通知対象者(一般ユーザ)が使用するダイヤ編集端末3は、受信した担当者変更メッセージおよび変更後の列車スジ情報を画面表示する。
【0060】
このように、部門管理者ログイン時においては、部門管理者が統括する部門に係る全ての列車スジをダイヤ管理サーバ1からダイヤ編集端末3へ送信した後、ダイヤ編集端末3において指定された二つの列車スジをダイヤ管理サーバ1で受信し、サーバ側で結合処理の可否をチェックした後に結合処理を行うことで、二つの列車スジを一つに結合することができる。
【0061】
図18は、図1に示すダイヤ編集システムにおける列車運行日単位での列車スジ一括結合処理の具体例を示すシーケンス図である。
S1801において、ダイヤ管理サーバ1は、直前に実行された結合処理における結合前の前列車と後列車に係る列車スジ情報を取得する。尚、結合前の列車スジ情報はダイヤ管理サーバ1またはダイヤ編集端末3の記憶領域に一時的に保存しておくが、いずれに保存しても良いものとする。
【0062】
S1802において、ダイヤ管理サーバ1は、列車スジ運行計画テーブル102Aを参照し、S1801で取得した列車スジ情報を持つ別の列車運行日を取得する。
S1803において、ダイヤ管理サーバ1は、S1802で取得した別の列車運行日をダイヤ編集端末3へ送信する。
S1804において、ダイヤ編集端末3は、別の列車運行日情報を画面表示する。
【0063】
S1805において、ダイヤ編集端末3は、部門管理者が画面表示された列車運行日の一覧の中からマウス操作などによって指定された別の列車運行日をダイヤ管理サーバ1へ送信する。
S1806において、ダイヤ管理サーバ1は、受信した列車運行日に対して直前に実行された列車番号での一括結合処理を実行する。
【0064】
このように、ダイヤ管理サーバ1で図17に示した結合処理を実施した後に、当該結合処理を別の列車運行日の同一列車番号の列車に対して一括で行うことでダイヤ編集の作業負担を更に軽減することが可能となる。
【0065】
したがって、本実施形態に係る列車ダイヤ編集システムによれば、以下のような効果が奏される。
(1)権限設定情報テーブル102Bにおいて、権限レベル、作成担当者(列車スジ作成ユーザ名)、列車スジ作成の部門管理者(上位ユーザ)を保持することにより、ユーザおよび部門単位での編集権限の管理を行うことができる。
(2)列車スジ作成の部門管理者は、権限設定情報テーブル102Bに保持されている列車スジの作成担当者(一般ユーザ)のユーザIDを確認し、上位ユーザとして作成担当者を適宜変更できる。
(3)変更された列車スジの作成担当者はダイヤ編集端末3上で担当者変更メッセージをリアルタイムで受けることにより、担当変更された列車スジの編集作業を迅速に引き継ぐことができる。
(4)権限設定情報テーブル102Bに保持されている権限レベル、作成担当者を画面に表示することにより、部門管理者は自部門の列車スジを容易に選別し、確認ができる。
(5)ダイヤ管理サーバ1へログインしたユーザのユーザIDとその権限レベルに基づいて初期表示する列車スジを絞込むことにより、作成担当者(一般ユーザ)は自身が担当する列車スジをダイヤ編集端末3上で容易に確認し、編集できる。尚、自身の担当分以外の列車スジもついても参照表示可能としてもよく、この場合には他のユーザの作成した列車スジに合わせた編集作業が可能となる。
(6)部門管理者が、自部門の列車スジを結合できるため、複数に分かれていた列車スジを新たな列車スジとして一つに纏めることができる。
(7)(6)で行われた結合処理を所定の条件下で他の列車運行日にも反映できるため、複数の日付を指定可能とすれば、複数の列車運行日に対して列車スジの一括結合処理を連続で行うこともできる。
【0066】
<実施形態2>
本実施形態に係るダイヤ管理システムは、実施形態1に係るダイヤ管理システムとはダイヤ管理サーバ1のデータベース部102の構成のみが異なっており、ダイヤ管理サーバ1およびダイヤ編集端末3における処理は同様である。したがって、以下では実施形態1と異なる箇所について詳細に説明する。
【0067】
図19および図20は、実施形態2に係る列車ダイヤ編集システムにおける権限設定情報テーブル102Bおよびユーザ情報テーブル102Cの記憶内容の具体例をそれぞれ示す図である。ここでは、図5に示した権限設定情報テーブル102Bおよび図6に示したユーザ情報テーブル102Cに対して、部門管理者の上位ユーザに当たる事業者管理者([権限6]を持つユーザ)のデータ項目がそれぞれ追加されている。尚、[権限6]とは、事業者管理者を表す権限レベルであり、この権限レベルを有するユーザは権限設定情報テーブル102Bの事業者管理者列に自身のユーザIDが設定されている列車スジの全てを編集できる。
【0068】
図21および図22は、列車スジの結合処理前後における列車スジ運行計画テーブル102Aおよび権限設定情報テーブル102Bのデータ遷移をそれぞれ説明する図である。図21の列車スジ運行計画テーブル102Aに記憶されているレコードより取得される列車番号111Aをキーとして図22の権限設定情報テーブル102Bを参照すると、その列車スジの作成担当者のユーザIDはユーザAであり、その部門管理者のユーザIDはユーザAA、事業管理者のユーザIDはユーザAAAであることが分かる。したがって、ユーザAAAの事業管理者は権限レベルが一般ユーザである自社内の全てのユーザAおよびユーザAAなどが作成した列車スジを部門に関わらず編集できる。図21では、網掛け表示されている3つのレコードを事業管理者が指定した場合には、実施形態1と同様の処理によって順次結合され、同一の列車番号の2レコードに更新されることが示されている。また、図23は、図1に示すダイヤ編集端末3に表示される列車スジ表示画面における異部門間の列車スジ結合の具体例を示す図である。ここでは、上記の図21および図22のデータ遷移に対応して画面表示が変化する様子が示されており、新たな列車スジには列車番号として事業管理者が指定した番号(111A)が付され、作成担当者もユーザAだけに変更されている。
【0069】
このように、本実施形態に係る列車ダイヤ編集システムは、部門管理者の上位ユーザとして事業者管理者をデータベース部102内に定義することにより、実施形態1の効果に加えて以下のような効果が奏される。
(1)ログインユーザが事業者管理者の場合には、同一社内の異なる部門に跨って列車スジを一括管理することができる。
(2)(1)の場合、部門管理者不在時でも事業者管理者が自社作成分の列車スジの編集および作成担当者の変更を任意に行うことができる。
【0070】
<実施形態3>
本実施形態に係るダイヤ管理システムは、実施形態1に係るダイヤ管理システムとダイヤ管理サーバ1のデータベース部102の構成のみが異なっており、ダイヤ管理サーバ1およびダイヤ編集端末3における処理は同様である。したがって、以下では実施形態1と異なる箇所について詳細に説明する。
【0071】
図24および図25は、実施形態3に係る列車ダイヤ編集システムにおける権限設定情報テーブル102Bおよびユーザ情報テーブル102Cの記憶内容の具体例をそれぞれ示す図である。ここでは、図19に示した権限設定情報テーブル102Bおよび図20に示したユーザ情報テーブル102Cに対して、スーパーバイザ([権限9]を持つユーザ)のデータ項目がそれぞれ追加されている。尚、[権限9]とは、最上位ユーザを表す権限レベルであり、この権限レベルを有するユーザは権限設定情報テーブル102Bのスーパーバイザ列に自身のユーザIDが設定されている列車スジの全てを編集することができるものとする。
【0072】
ここで、スーパーバイザとしてどのようなユーザを想定しているのかを欧州の鉄道事情を例として詳述する。欧州では、鉄道輸送が自由化されており、鉄道運行会社が鉄道基盤上で自由に列車を運行することができる。特にヨーロッパの国境を跨ぐ国際列車のような列車スジでは、複数の国家の鉄道事業者の間で調整が必要となるが、各事業者が列車スジをそれぞれ自由に作成した場合、運行上の問題が発生する可能性が高くなる。例えば、A国とB国間を走行する列車スジは、A国側はA国の鉄道事業者が、B国側はB国の鉄道事業者が作成し、列車として結合してスジを作成するが、このようにして作成されたダイヤスジは列車間の調整が十分に行われないケースがあり、線路が交差する箇所では待ちが発生し、大きな列車遅延が発生する場合もありうる。そこで、複数の会社によって作成された、国を跨いだ複数の列車スジを一元管理するために新たに設置するユーザが本実施形態のスーパーバイザである。
【0073】
このように、本実施形態に係る列車ダイヤ編集システムは、スーパーバイザをデータベース部102内に定義することにより、実施形態1の効果に加えて以下のような効果が奏される。
(1)スーパーバイザに対して複数の事業者で個々に作成された列車スジを編集する権限を持たせているため、異なる事業者の路線間での乗り入れを効率的に行うことができる。
(2)上記の例のように、一つの列車がA国からB国に入国する場合、A国側のダイヤとB国側のダイヤを纏めて管理することができる。また、線路交差を跨ぐ列車においても、計画上同一時刻に交差を通過する計画を、ダイヤ編集端末3を通してスーパーバイザが検出、修正できる。
(3)スーパーバイザに複数事業者によって作成された列車スジを編集する権限を持たせているため、上記の例の場合、スーパーバイザはA国側事業者の列車スジの修正およびB国側事業者の列車スジの修正を共に行うことができる。更に、スーパーバイザによる列車スジの修正が行われ、A国から列車が到着する時刻が、B国側を発車する時刻よりも前になるなど、所定の結合条件が整った場合には、列車ダイヤ編集システムは、実施形態1および実施形態2の場合と同様にスーパーバイザの権限レベルに基づいて列車スジの結合処理を実行できる。
(4)ダイヤ管理サーバ1の権限設定情報テーブル102Bおよびユーザ情報テーブル102Cの中に、事業者を跨いで列車スジを一括管理するスーパーバイザの情報を保持することにより、事業者管理者の不在時でもスーパーバイザによって列車スジの編集および作成担当者の変更ができる。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…ダイヤ管理サーバ
2…ネットワーク
3…ダイヤ編集端末
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…入出力インターフェース
15…システムバス
16…入力装置
17…表示装置
18…補助記憶装置
19…通信装置
101…サーバ側通信部
102…データベース部
102A…列車スジ運行計画テーブル
102B…権限設定情報テーブル
102C…ユーザ情報テーブル
103…ユーザ認証部
104…データ抽出部
105…データ結合可否判定部
106…データ登録・更新部
107…担当者変更メッセージ通知部
301…端末側通信部
302…入力部
303…データ編集部
304…列車スジ取得部
305…列車スジ表示部
306…列車スジ結合部
307…列車スジ一括結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも列車番号、列車運行日、運行駅、出発時刻および到着時刻を含む列車スジ情報を一元管理するダイヤ管理サーバと、
このダイヤ管理サーバにネットワーク接続され、前記列車スジ情報の編集を行う複数のダイヤ編集端末と、
からなり、
前記ダイヤ管理サーバは、
前記ダイヤ編集端末によるログインユーザとその権限レベルの関係を定義するユーザ情報、前記列車スジ情報並びに前記列車スジ情報の編集権限を有する作成担当者とその上位ユーザの関係を定義する権限設定情報を記憶するデータベース部と、
前記ダイヤ編集端末からの要求に応じて前記データベース部に対する登録・更新処理を行うデータ登録・更新部と、
を備え、
前記ダイヤ編集端末は、
前記ログインユーザが前記権限設定情報において前記作成担当者の前記上位ユーザとして定義されている場合に、前記上位ユーザの入力情報に基づいて前記権限設定情報および前記作成担当者が作成した前記列車スジ情報を編集し、前記データ登録・更新部に対して前記編集後のデータによる前記登録・更新処理を要求するデータ編集部と、
前記データベース部から前記ログインユーザが前記編集権限を有する前記列車スジ情報を取得する列車スジ取得部と、
前記取得された前記列車スジ情報を表示する列車スジ表示部と、
を備えることを特徴とする列車ダイヤ編集システム。
【請求項2】
前記ダイヤ編集端末は、前記権限レベルが前記ログインユーザのよりも低いユーザが作成した同一の前記列車運行日に係る二つの前記列車スジ情報を前記運行順序、前記運行駅、前記出発時刻および前記到着時刻の比較結果に基づいて新たな列車スジ情報として一つに結合すると共に、前記新たな列車スジ情報に基づいて前記データ登録・更新部に対して前記データベース部の登録・更新を要求する列車スジ結合部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の列車ダイヤ編集システム。
【請求項3】
前記ダイヤ管理サーバは、前記データ登録・更新部における前記登録・更新処理によって前記列車スジ情報中の前記作成担当者が変更された場合に、前記変更に係る前記作成担当者が使用中の前記ダイヤ編集端末に対して担当者変更メッセージを通知すると共に、前記新たな列車スジ情報をリアルタイムで出力する担当者変更メッセージ通知部を更に備えることを特徴とする請求項2記載の列車ダイヤ編集システム。
【請求項4】
少なくとも列車番号、列車運行日、運行駅、出発時刻および到着時刻を含む列車スジ情報を一元管理するダイヤ管理サーバと、このダイヤ管理サーバにネットワーク接続され、前記列車スジ情報の編集を行う複数のダイヤ編集端末と、からなるコンピュータシステムにおいて、
前記ダイヤ管理サーバが、前記ダイヤ編集端末によるログインユーザとその権限レベルの関係を定義するユーザ情報、前記列車スジ情報並びに前記列車スジ情報の編集権限を有する作成担当者とその上位ユーザの関係を定義する権限設定情報をデータベース内に記憶する記憶ステップと、
前記ログインユーザが前記権限設定情報において前記作成担当者の前記上位ユーザとして定義されている場合に、前記ダイヤ編集端末が、前記上位ユーザの入力情報に基づいて前記権限設定情報および前記作成担当者により作成された前記列車スジ情報を編集し、前記ダイヤ管理サーバに対して前記編集後のデータによる前記データベースの登録・更新処理を要求するデータ編集ステップと、
前記ダイヤ管理サーバが、前記ダイヤ編集端末からの要求に応じて前記データベースに対する前記登録・更新処理を行うデータ登録・更新ステップと、
前記ダイヤ編集端末が、前記データベースから前記ログインユーザが前記編集権限を有する前記列車スジ情報を取得する列車スジ取得ステップと、
前記ダイヤ編集端末が、前記取得された前記列車スジ情報を表示する列車スジ表示ステップと、
を有することを特徴とする列車ダイヤ編集方法。
【請求項5】
前記ダイヤ編集端末は、前記権限レベルが前記ログインユーザのよりも低いユーザが作成した同一の前記列車運行日に係る二つの前記列車スジ情報を前記運行順序、前記運行駅、前記出発時刻および前記到着時刻の比較結果に基づいて新たな列車スジ情報として一つに結合すると共に、前記新たな列車スジ情報に基づいて前記ダイヤ管理サーバに対して前記データベースの登録・更新を要求する列車スジ結合ステップを更に有することを特徴とする請求項4記載の列車ダイヤ編集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−86682(P2013−86682A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229904(P2011−229904)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】