列車内情報表示装置及び列車内情報表示システム
【課題】各種情報を受信して表示させる列車内情報表示装置を備えた複数の列車を連結した場合に、それぞれの列車内で表示される情報が最新のものに更新されるようにする。
【解決手段】連結された一方の列車と他方の列車のそれぞれが列車内情報表示装置を備えた場合に、それぞれの列車の管理部は、連結を検出した際に通信を行い、両列車のコンテンツを比較する。その比較の結果一致しない場合に、古い日時に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車の管理部がコンテンツの取得要求を行い、その取得要求を受信した管理部が、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信させ、古い日時に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車のコンテンツ蓄積部の蓄積コンテンツを更新させる。
【解決手段】連結された一方の列車と他方の列車のそれぞれが列車内情報表示装置を備えた場合に、それぞれの列車の管理部は、連結を検出した際に通信を行い、両列車のコンテンツを比較する。その比較の結果一致しない場合に、古い日時に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車の管理部がコンテンツの取得要求を行い、その取得要求を受信した管理部が、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信させ、古い日時に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車のコンテンツ蓄積部の蓄積コンテンツを更新させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車内で乗客に外部から伝送された情報を表示する列車内情報表示装置及び列車内情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、列車の客室内に設置した表示装置に、外部から伝送された情報を表示する列車内情報表示装置が普及している。従来の列車内情報表示のためのシステムは、地上側無線通信装置と、車両に搭載された車上側無線通信装置との間で無線通信を行って、地上側のコンテンツサーバに蓄積された案内情報を、車両側に無線送信し、車両側無線通信装置が受信した案内情報を、車内の表示装置で表示する構成である。地上側無線通信装置は、例えば駅などに設置されており、車両が駅に停車した際に、無線通信を行って車両に新しい案内情報を送信する。
【0003】
地上からの案内情報を受信した車上側では、車内の管理装置が備えるデータ蓄積部で受信した案内情報を蓄積し、列車内に複数設置された表示装置で、その蓄積した案内情報の表示を行う。従って、車内の表示装置では、列車が車上側無線通信装置を備えた駅に停車して新しい情報が受信できた場合に、表示内容が更新される。新しい案内情報を受信するまでは、過去に受信した案内情報が繰り返し表示される。
この種の表示装置で表示する案内情報としては、列車の運行などに関係した情報の他に、各種宣伝を行う広告情報や、最新のニュースや天気予報などの情報など、様々な情報がある。
【0004】
特許文献1には、特定の駅のプラットフォームに案内情報を無線で送信するセンタを設け、プラットフォームに入線した列車に対して案内情報を送信して蓄積を行う点についての記載がある。また、駅で列車を併結した際に、センタからその併結した列車に対しても案内情報を送信することについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−105787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、列車は、途中駅で別の列車を連結して走行を行う、いわゆる併結走行を行う場合がある。そのような複数の列車の併結時には、それぞれの列車内の表示装置で表示される案内情報は、それぞれの列車が備える車上側無線通信装置が受信した案内情報である。従って、地上側無線通信装置が設置された駅に併結された列車が到着するまでは、併結されたそれぞれの列車内で表示される案内情報が異なる情報となって、いずれかの列車の表示情報が必ずしも最新のものでない可能性があった。
また、併結された複数の列車の内のいずれか一方の列車に搭載された車上側無線通信装置に何らかの受信障害や故障がある場合には、併結された列車であっても、その受信障害がある側の列車では、いつまでも案内情報が更新されない状態が継続してしまう。従って、併結されて走行する車両ごとに案内できる情報が異なることになり、乗客への案内として、好ましくない状況になってしまう。
【0007】
本発明は、複数の列車を併結した場合に、それぞれの列車内で表示される情報が、最新のものに適正に更新される列車内情報表示装置及び列車内情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の列車内情報表示装置は、地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及びコンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部とを備えた列車内情報表示装置である。
そして、管理部として、連結された列車側の管理部と通信を行い、当該列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、連結された列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較する。その比較の結果、両方のコンテンツが一致せず、当該列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの方が古い日に作成されたコンテンツである場合に、列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの取得要求を行って、その取得要求に基づいて他の列車側のコンテンツ蓄積部から得られたコンテンツを、当該列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積させるようにした。
【0009】
また本発明の列車内情報表示システムは、連結された一方の列車と他方の列車のそれぞれが列車内情報表示装置を備えた列車内情報表示システムである。
それぞれの列車の列車内情報表示装置として、地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及び前記コンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部とを備える。
そして、一方の列車の管理部と、他方の列車の管理部は、連結を検出した際に通信を行い、一方の列車のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、他方の列車のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較し、比較の結果、両方のコンテンツが一致しない場合に、古い日に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車の管理部が、コンテンツの取得要求を行う。そして、その取得要求を受信した管理部が、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信し、コンテンツ蓄積部に蓄積された古い日時に作成されたコンテンツを、送信されたコンテンツに更新するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、複数の列車を連結して併結運転を行う際に、それぞれの列車内の情報表示装置の管理部が、連結相手の情報表示装置の管理部と通信を行って、各列車が蓄積するコンテンツを最新のものに保つことができる。また、各列車に搭載された通信装置に障害が発生した際にも、連結された列車から最新コンテンツを効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態例によるシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態例による1つの列車内の情報表示装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態例によるコンテンツリストの説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ取得処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第一の処理例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第二の処理例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第三の処理例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第四の処理例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第五の処理例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態例による管理装置の機能ブロックを示した構成図である。
【図11】本発明の一実施の形態例によるシステム内の機能ブロックを示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.列車内表示装置の構成例]
図1は、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)の列車内情報表示システムの構成例を示した図である。
図1では、第1列車110と第2列車120とを連結した状態を示しており、それぞれの列車110,120に、列車内情報表示装置100が設置している。それぞれの列車110,120の列車内情報表示装置100は同一構成であり、第1列車110と第2列車120とを連結した状態では、ジャンパ連結器などを経由したケーブル109で、それぞれの列車内情報表示装置100が接続される。
図1では、説明を簡単にするために、第1列車110と第2列車120は、それぞれ1両ずつの車両で図示しているが、それぞれの列車110,120は、複数台の車両が連結された列車で構成してもよい。第1列車110と第2列車120は、特定の駅や車両基地などで連結されて、連結された状態で1つの列車として走行する。また、駅などで開放されて、それぞれ個別の列車として走行することもある。
【0013】
本例の列車内情報表示システムは、地上配信システム201から、地上ネットワーク300を介して、無線で各列車の列車内情報表示装置100に各種コンテンツを無線伝送し、各列車の列車内情報表示装置100で受信したコンテンツを蓄積するシステムである。そして、各列車の列車内情報表示装置100で蓄積したコンテンツの表示を行う。表示するコンテンツは、列車の乗客に提供する広告、ニュース、天気予報などの映像又は文字によるコンテンツである。映像の他に音声が含まれるコンテンツであってもよい。地上配信システム201が備える図示しないサーバは、これらの配信を行うコンテンツを作成して、列車側に配信する。
【0014】
地上ネットワーク300と列車内情報表示装置100との間で無線通信を行う無線通信システムとしては、比較的広域で数十Mbps程度の高速のデータ通信を行うことが可能な無線通信システムが適用される。この無線通信システムとしては、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)と称されるIEEE802.16又はIEEE802.16a規格をベースとした無線通信システムが適用される。あるいは、無線電話用のデータ通信システムや、無線LAN(Local Area Network)の1つアクセスポイントからの通信距離が比較的短い距離に制限されるデータ通信用の無線通信システムを適用することも考えられる。
WiMAXなどの比較的広域でデータ通信を行うシステムを適用した場合には、列車が走行中でも地上配信システム201と無線通信が可能であり、トンネル内などの無線通信エリアから外れる区間を除いて、常時無線通信が可能である。一方、無線LAN用のアクセスポイントを利用した場合には、駅などにアクセスポイントを設置して、そのアクセスポイントが設置された駅に列車が停車中の場合にだけ、無線通信が可能である。
【0015】
第1列車110と第2列車120が備える列車内情報表示装置100は、それぞれ車載通信装置103を備えており、それぞれの列車110,120の車載通信装置103が、個別に地上ネットワーク300を介して、地上配信システム201と通信を行って、コンテンツを取得する。つまり、車載通信装置103がコンテンツ受信部として機能する。
【0016】
それぞれの列車110,120内の列車内情報表示装置100は、車載通信装置103が接続された管理部である管理装置101を備える。また、管理装置101内には、コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部としてのコンテンツデータベース102が設けられており、管理装置101は、このコンテンツデータベース102での受信コンテンツの蓄積を制御するとともに、列車内の表示装置104での表示を制御する。
列車内情報表示装置100が備える表示装置104は、列車内の各車両のドアの近傍や端面などに複数設置してあり、それぞれの表示装置104で管理装置101から伝送される各種コンテンツによる映像や文字などの表示を行う。
なお、図1に示すように複数の列車を連結した状態でも、それぞれの列車内の表示装置104は、各列車の管理装置101内のコンテンツデータベース102が蓄積したコンテンツを表示する。また、複数の列車を連結した状態での、列車内情報表示装置100での表示のオン・オフなどの各種操作は、例えば何れか一方の列車の図示しない操作部を使用して乗務員が一括して行えるようになっている。
【0017】
図2は、列車が複数の車両で構成される場合の、各列車の列車内情報表示装置100の構成例を示した図である。
図2に示した例は、第1列車110の第1車両110aと第2車両110bとを示し、第1車両110aに、管理装置101と車載通信装置103とを設置している。既に説明したように管理装置101はコンテンツデータベース102を備える。管理装置101は、端末装置105を介して第1車両110a内の複数の表示装置104と接続されている。また、第1車両110aと第2車両110bは、端末装置105が設けられているが、各車両に設けられた端末装置105は互いにケーブルで接続されている。第2車両110b以降に別の車両が連結されている場合にも、各車両の端末装置105は順に接続される。さらに、他の列車(図1での第2列車120)とのケーブル109を介した接続についても、通常は端末装置105が介在する。但し、端末装置105を経由させずに、各車両間の管理装置101同士を、ケーブル109を介して接続するようにしてもよい。
【0018】
そして、管理装置101は、コンテンツデータベース102へのコンテンツの蓄積処理と、この蓄積されたコンテンツの表示装置104への送信処理を実行する。表示装置104は、受信したコンテンツを表示する。管理装置101内に設けられる不図示の制御部は、コンテンツデータベース102に蓄積されたコンテンツを、随時各表示装置104に送信し、各表示装置104は、受信したコンテンツを表示する。この場合、各車両に設置してある列車状態通知装置(図示せず)が、端末装置105に列車状態を通知し、端末装置105が表示装置104に通知(転送)する。ここでの列車状態とは、例えば車両が列車内の何号車であるのかの情報、ドアが開く方向の情報、走行速度、走行距離などである。
列車状態を受信した表示装置104は、列車状態をもとに、それぞれのコンテンツを表示する。このように、各車両毎に自立分散式で表示制御が行われる。なお、コンテンツには、走行位置や走行状態などの列車状態に対応して表示されるコンテンツの他に、列車の走行位置とは無関係に周期的に繰り返し表示させるコンテンツもある。
【0019】
それぞれのコンテンツデータベース102に蓄積されるコンテンツについての情報は、管理装置101内のコンテンツリストに記憶される。
図3は、コンテンツリストの一例を示した図である。コンテンツリストでは、蓄積されたそれぞれのコンテンツについて、作成日(又は作成日時)と、コンテンツファイル名などが示される。コンテンツファイル名は、コンテンツの識別コード(ID)と、バージョン情報からなる。さらに、コンテンツファイル名には、コンテンツのデータサイズ(データのバイト数)と、コンテンツの使用開始日と最終使用日のデータが付加されている。
このコンテンツリストは、例えばコンテンツの種類ごとに作成される。具体的には、広告のコンテンツについてのコンテンツリストと、ニュースや天気予報などのコンテンツについてのコンテンツリストを作成する。
【0020】
[2.コンテンツ取得処理例]
次に、図4のフローチャートを参照して、それぞれの列車内情報表示装置100の管理装置101での、コンテンツ取得処理例について説明する。
まず、それぞれの列車内情報表示装置100内の管理装置101は、車載通信装置103を使用した無線通信で、地上配信システム201を検知したか否かを判断する(ステップS101)。この地上配信システム201の検知は、例えば周期的に地上配信システムに対して生存パケットを送信して、その生存パケットの応答の受信結果に基づいて行われる。
このステップS101の判断で、地上配信システム201を検知した場合には、管理装置101を無線通信で地上配信システム201に接続し(ステップS102)、管理装置101内のコンテンツリストが保持しているコンテンツ情報を、地上配信システム201に送信する(ステップS103)。
【0021】
次に、地上配信システム201側が保持している最新のコンテンツリストを、管理装置101が取得する(ステップS104)。そして、その取得したコンテンツリストで示されているコンテンツリストの作成日と、管理装置101内のコンテンツリストの作成日とを管理装置101で比較する(ステップS105)。この比較で、地上配信システム201側が保持しているコンテンツリストと、管理装置101内のコンテンツリストとが、作成日が同じ、又は地上配信システム201側が保持しているコンテンツリストの方が古い日付である場合には、ここでのコンテンツの取得処理を終了して、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0022】
ステップS105での比較で、地上配信システム201側が保持しているコンテンツリストで示されたコンテンツの日付の方が新しい場合には、管理装置101が、取得したコンテンツリストに記載されている全てのコンテンツファイルについて、取得要否が完了したか否かを判定する(ステップS106)。この判定で、全てのコンテンツの取得要否が完了したと判断した場合には、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0023】
ステップS106での比較で、全てのコンテンツの取得要否が完了していないと判定した場合には、リストに記載された1つ毎のコンテンツファイルの取得要否を判定する(ステップS107)。ここでのコンテンツファイルの取得要否の判定は、コンテンツファイルのバージョンと、コンテンツファイルの存在の有無と、コンテンツファイルのサイズに基づいて行われる。
ステップS107で、コンテンツファイルの取得要と判定した場合には、管理装置101は、該当するコンテンツの送信を地上配信システム201に要求し、該当するコンテンツを取得して、管理装置101内のコンテンツデータベース102に蓄積する(ステップS108)。このとき、コンテンツデータベース102に同じコンテンツの古いバージョンの蓄積されていた場合には、古いバージョンのコンテンツは消去して、蓄積コンテンツを更新する。また、同時にコンテンツリストも更新する。
ステップS107で取得否と判定した場合と、ステップS108でコンテンツの取得処理を行った後には、ステップS106の判定に戻る。
【0024】
また、図4のフローチャートのステップS101において、地上配信システムを検知しない場合には、自列車以外の管理装置101を検知するか否かを判定する(ステップS109)。ここでの自列車以外の管理装置101の検知とは、他の列車が連結されているか否かの検知であり、例えば、自列車以外の管理装置宛に生存パケットを送信し、受信結果により他列車と併結しているかを判定する。このステップS109の判定で、他の列車が連結されていないと判断した場合には、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0025】
そして、ステップS109の判定で、他の列車が連結されていると判断した場合には、自列車の管理装置101が、検出した他の列車の管理装置101と通信を行う(ステップS110)。この通信で、自列車の管理装置101が、他の列車の管理装置101に対して、コンテツリストの送信を要求し、その要求を受信した他の列車の管理装置101が、蓄積されたコンテンツリストを送信する。このようにして、自列車の管理装置101が他の列車側のコンテツリストを取得する(ステップS111)。
【0026】
他の列車側のコンテツリストを取得すると、自列車の管理装置101が持つコンテツリストと、他の列車側のコンテツリストとを比較する。ここでは、広告やニュースなどの予め決められた種別のコンテンツについて、その作成日を比較する(ステップS112)。
このコンテンツの比較で、自列車が保持したコンテンツと、他列車が保持したコンテンツとが同じ作成日である場合、あるいは、自列車が保持したコンテンツよりも、他列車が保持したコンテンツの方が古い作成日である場合、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0027】
ステップS112でのコンテンツの比較で、他列車が保持したコンテンツの作成日の方が新しいと判断した場合には、最初に、他列車からのコンテンツ取得処理が完了したか否かを判断する(ステップS113)。このステップS113の判断でコンテンツ取得処理が完了した場合には、ステップS111に戻る。
【0028】
ステップS113の判断で、コンテンツ取得処理が完了していない場合には、コンテンツリスト中の取得のための判断をまだしていない1つのコンテンツについて、そのコンテンツファイルの取得要否の判断を、コンテンツファイルのバージョンと、コンテンツファイルの存在の有無と、コンテンツファイルのサイズとから行う(ステップS114)。このコンテンツファイルの取得要否の判断で、取得否と判断した場合には、ステップS113の判断に戻る。
【0029】
ステップS114の判断で、コンテンツファイルの取得要と判断した場合には、該当するコンテンツファイルの取得処理を行う(ステップS115)。この取得処理としては、自列車の管理装置101から他列車の管理装置101に対して、該当するコンテンツファイルの送信要求を行い、その送信要求を受信した他列車の管理装置101がコンテンツファイルの送信を行い、自列車の管理装置101で、蓄積されたコンテンツファイルを伝送されたコンテンツファイルで更新する。
【0030】
このステップS115での1つのコンテンツファイルの蓄積が終了すると、地上配信システムの検知が可能な状況になったかを否か判断し(ステップS116)、地上配信システムの検知が可能な状況になった場合に、ステップS102の処理に移行する。
ステップS116の判断で、地上配信システムの検知ができない状況が続いている場合には、ステップS113の判断に戻る。
このようにして、地上配信システムと通信が行えない状況の管理装置101がある場合には、その管理装置101は、連結された他の列車の管理装置101と随時通信を行って、連結された他の列車の管理装置に新しい作成日やバージョンのコンテンツが蓄積されているとき、そのコンテンツを取得する。従って、複数の列車が連結された状態の場合には、いずれかの列車の通信装置で地上側と通信できない障害があっても、コンテンツデータを最新状態に保つことができる。
【0031】
[3.各列車でのコンテンツの保持状態と取得例]
次に、図5〜図9を参照して、コンテンツ一致化処理が実行される状況の例について説明する。図5〜図9に示すように、第1列車110と第2列車120が連結(併結)された状態で運用中であり、第1列車110の管理装置101aと、第2列車120の管理装置101bとは、ケーブル109で接続されているので、相互に通信できる状態である。なお、図5〜図9においては、各列車が保持したコンテンツをコンテンツB,C,Dとして示すが、このコンテンツB,C,Dの関係としては、コンテンツCはコンテンツBより後に作成されたコンテンツであり、さらに、コンテンツDはコンテンツCより後に作成されたコンテンツである。
【0032】
図5に示す状態を説明すると、図5の状態では、第1列車110の通信装置103aと、第2列車120の通信装置103bの双方が、地上配信システム201と通信できる状態とする。
そして、図5の状態で、地上配信システム201から配信中のコンテンツは、コンテンツCとする。第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツも、同じコンテンツCとする。従って、第1列車110の通信装置103aが地上配信システム201と行った通信T1では、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの一致を検出して、コンテンツの配信処理を行わない。
【0033】
一方、図5の状態で、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBである。このため、第2列車120の通信装置103bが地上配信システム201と行った通信T2では、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの相違を検出し、地上配信システム201が配信中のコンテンツCを第2列車120の管理装置101bが取得して、蓄積コンテンツをコンテンツBからコンテンツCに更新する。
【0034】
図6に示す状態では、第1列車110の通信装置103aは、地上配信システム201と通信T3が行え、第2列車120の通信装置103bには何らかの障害があり、地上配信システム201との通信T4ができない状態である。
この図6の状態で、地上配信システム201から配信中のコンテンツは、コンテンツDとする。第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツは、コンテンツCであり、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBとする。
【0035】
このとき、第1列車110の管理装置101aと第2列車120の管理装置101bとの連結直後の通信で、コンテンツの不一致が検出されて、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツCが、第2列車120の管理装置101bに伝送されて、第2列車120の管理装置101bが蓄積するコンテンツが、コンテンツCに更新される。
【0036】
また、第1列車110の通信装置103aが地上配信システム201と行った通信T3で、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの不一致を検出して、コンテンツDの配信が行われ、第1列車110の管理装置101aが蓄積するコンテンツが、コンテンツDに更新される。
【0037】
その後さらに、図7に示すように、第1列車110の管理装置101aと第2列車120の管理装置101bとの通信で、コンテンツの不一致が検出されて、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツDが、第2列車120の管理装置101bに伝送されて、第2列車120の管理装置101bが蓄積するコンテンツが、コンテンツDに更新される。
この図7に示した状態は、第1列車110の通信装置103aは、地上配信システム201と通信T5が行え、第2列車120の通信装置103bは、依然として障害があり、地上配信システム201との通信T6ができない状態が継続中である。この図7に示すように処理されることで、一方の列車側での障害が継続していても、他方の列車で地上配信システム201との通信で蓄積するコンテンツが更新される毎に、通信障害がある側の列車の蓄積コンテンツも更新され、常に最新のコンテンツによる案内が可能になる。
【0038】
図8の例では、双方の列車の通信装置103a,103bに障害がない状態の例である。この図8の例では、図6の例の最初の状態と同じように、地上配信システム201から配信中のコンテンツは、コンテンツDとする。第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツは、コンテンツCであり、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBとする。
この図8の例の状態の場合には、第1列車110の通信装置103aが地上配信システム201と行った通信T7で、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの不一致を検出して、コンテンツDの配信が行われ、第1列車110の管理装置101aが蓄積するコンテンツが、コンテンツDに更新される。
【0039】
さらに、第2列車120の通信装置103bが地上配信システム201と行った通信T8で、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの不一致を検出して、コンテンツDの配信が行われ、第1列車110の管理装置101aが蓄積するコンテンツについても、コンテンツDに更新される。
【0040】
図9の例では、双方の列車の通信装置103a,103bに障害がある状態で、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツは、コンテンツCであり、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBとする。
この図9の例の状態の場合には、第1列車110の通信装置103aと地上配信システム201との通信T7が成功しないと共に、第2列車120の通信装置103bと地上配信システム201との通信T8が成功しない(図8参照)。
【0041】
このような状態のとき、第1列車110の管理装置101aと第2列車120の管理装置101bとの通信で、コンテンツの不一致が検出される。そして、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツCが、第2列車120の管理装置101bに伝送されて、第2列車120の管理装置101bが蓄積するコンテンツが、コンテンツCに更新される。
このようにして、地上配信システムと全く通信ができない状況でも、連結された列車間では、コンテンツの最新化処理が行われる。
【0042】
[4.列車内表示装置と地上配信システムとの間の処理の具体例]
図10は、列車内表示装置と地上配信システムとの間でのデータ転送処理が行われる構成の具体例を示した図である。図10では、管理装置101内の構成を機能ブロックで示し、以下に説明する各ステップで、各機能ブロック間のデータのやり取りが行われる。
管理装置101は、地上配信システム201との通信のために、対地上通信制御プロセス181と対地上コネクションプロセス182とを備える。対地上通信制御プロセス181は、対地上コネクションプロセス182に対して、周期的に状態通知要求を送信する(ステップS11)。対地上コネクションプロセス182は、状態通知要求を受信すると、共有メモリ183上にあるコンテンツの保有情報を取り出し、状態通知を作成する(ステップS12)。
【0043】
そして、対地上コネクションプロセス182により、地上配信システム201のサーバに状態通知を送信する(ステップS13)。ここで、コネクションタイムアウトが発生した場合は、対地上通信制御プロセス181に対して、状態通知要求応答[異常]を送信する。
状態通知を送信後、対地上コネクションプロセス182は、地上配信システム201側のサーバから、状態通知応答を受信する(ステップS14)。その状態通知応答を受信した対地上コネクションプロセス182は、対地上通信制御プロセス181に対して、状態通知要求応答[正常]を送信する。状態通知応答を受信できずタイムアウトとなった場合には、対地上通信制御プロセス181に対して、状態通知要求応答[異常]を送信する。
【0044】
対地上通信制御プロセス181は、状態通知要求応答[正常]を受信して、広告やニュースなどの種別のコンテンツリストの更新がなく、未放送の放送実績ファイルもない場合、拡張コンテンツ管理ファイル184のコンテンツリストIDとバージョンを比較し、更新されているかをチェックする(ステップS16)。更新がなければ、ステップS11からステップS16までの処理が繰り返される。
【0045】
拡張コンテンツID又はバージョンが異なった場合には、対地上通信制御プロセス181は、ファイル転送プロセス185へ拡張コンテンツ取得要求を送信する(ステップS17)。ファイル転送プロセス185では、その拡張コンテンツ取得要求を受信すると、更新されている拡張コンテンツリストを地上配信システムのサーバ側から取得する(ステップS18)。
この取得した拡張コンテンツリストをファイル転送プロセス185で参照し、指示ファイルである場合、指示ファイル186を取得する(ステップS19)。このとき、ファイルの転送状態を共有メモリ183上に格納する。
【0046】
ファイル転送プロセス185は、指示ファイルの取得が終了すると、対地上通信制御プロセス181へ拡張コンテンツ取得応答[指示ファイル取得]を送信する(ステップS20)。対地上通信制御プロセス181は、拡張コンテンツ取得応答[指示ファイル取得]を受信すると、指示ファイル186の内容をチェックする(ステップS21)。そのチェックで、指示ファイル186の内容が、バージョン情報取得であった場合、コマンド実行プロセス187へ処理実行要求[バージョン情報取得]を送信する(ステップS22)。
【0047】
コマンド実行プロセス187が処理実行要求[バージョン情報取得]を受信すると、バージョン情報ファイル188を作成する(ステップS23)。
また、コマンド実行プロセス187は、処理実行応答を対地上通信制御プロセス181に送信する(ステップS24)。対地上通信制御プロセス181が処理実行応答を受信すると、ファイル転送プロセス185へファイルアップロード要求を送信する(ステップS25)。ファイル転送プロセス185がファイルアップロード要求を受信すると(ステップS26a)、バージョン情報ファイル188を地上配信システム201のサーバ側に転送する(ステップS26b)と共に、ファイルの転送状態を共有メモリ183に格納する(ステップS26c)。
【0048】
ファイル転送プロセス185では、バージョン情報ファイルの転送が終了すると、ファイルアップロード応答を対地上通信制御プロセス181に送信する(ステップS27)。対地上通信制御プロセス181は、ファイルアップロード応答を受信すると、対地上コネクションプロセス182に対してログ転送完了送信要求を送信する(ステップS28)。
対地上コネクションプロセス182は、ログ転送完了送信要求を受信した場合、地上配信システム201のサーバ側にログファイル転送完了通知を送信する(ステップS29)。
【0049】
その後、対地上コネクションプロセス182は、地上配信システム201のサーバ側からログファイル受領通知を受信し(ステップS30)、対地上通信制御プロセス181へログ転送完了送信応答[正常]を送信する(ステップS31)。対地上通信制御プロセス181は、ログ転送完了送信応答[正常]を受信すると、転送したバージョン情報ファイル188の削除をコマンド実行プロセス187に指示し(ステップS32)、バージョン情報ファイル188の削除を実行する(ステップS33)。
【0050】
[5.複数の列車した場合の列車内表示装置での処理の具体例]
次に、この図10に示した構成の管理装置101とした場合における、複数の列車の管理装置間での処理状態を、図11に示す。図11において、左側の管理装置101aが、第1列車の管理装置であり、右側の管理装置101bが第2列車の管理装置である。各列車の管理装置101a,101bは、図10に示した各構成の他に、通信故障監視プロセス191と、通信ミドルウェア192と、放送実績ファイル転送プロセス193と、ペアコンテンツ管理プロセス194と、FTPデータ195と、放送実績ファイル部196とを備える。また、表示装置104は、放送実績プロセス197を備える。
【0051】
まず、第2列車の管理装置101bにおいて、対地上通信制御プロセス181は、地上配信システム201への接続が、ある程度の時間(例えば10分間)経過しても成功しない場合、未接続とする。図11の例では、第2列車の管理装置101bで未接続が検出された状態である。
地上配信システム201への接続が成功しない未接続を検知した対地上通信制御プロセス181は、連結された列車の管理装置101aのペアコンテンツ管理プロセス194に対して、コンテンツ確認要求を送信する。その情報として、現在コンテンツ作成日時、コンテンツリストのID及びバージョンを送信する。
【0052】
ペアコンテンツ管理プロセス194では、コンテンツ確認要求を受信した場合に、次の条件に合致する場合に、該当する広告及びニュースのコンテンツリストの転送ディレクトリを削除しないように管理上ロックする。
ここで管理上ロックするための条件は、自らの管理装置の転送ディレクトリにあるコンテンツリストの作成日がコンテンツ確認要求にあるコンテンツ作成日よりも新しい場合である。あるいは、コンテンツのID及びバージョンが同じで、コンテンツリストが取得済みでない場合である。
【0053】
そして、ペアコンテンツ管理プロセス194では、コンテンツ確認要求の応答として、コンテンツ確認応答を送信元の対地上通信制御プロセス181へ送信する。この応答には、取得要のコンテンツ種別、地上装置の接続状態、自らの管理装置の広告コンテンツリストの作成日、ニュースコンテンツリストの作成日、及び各コンテンツリストのIDとバージョンが含まれる。
【0054】
対地上通信制御プロセス181では、コンテンツ確認応答を受信すると、次の処理が行われる。
まず、取得要のコンテンツ有りのときには、ファイル転送プロセス185へペア編成取得要求を行い、該当コンテンツリスト及びコンテンツを取得する。
また、相手の列車が地上装置と接続状態のときには、表示装置104の放送実績プロセス197へ放送実績転送要求を送信し、放送実績ファイルを転送する。
さらに、取得要のコンテンツ無し、又はコンテンツリスト確認要求に対する応答異常があったときには、地上装置に対して状態通知を繰り返す。そして、他の列車との連結状態であり、かつ地上装置と未接続の状態が一定時間(例えば10分)経過した場合に、上述したペアコンテンツ管理プロセス194に対するコンテンツ確認要求繰り返す。
【0055】
そして、ファイル転送プロセスの実行で、ペア編成取得要求を受信すると、ペア編成の転送ディレクトリからFTPプロトコルにて指定されたコンテンツリストと、そのコンテンツリストに記載されたコンテンツそのものを取得する。この処理で全てのコンテンツを取得した場合、対地上通信制御プロセス181に対してペア編成取得応答を送信する。
【0056】
対地上通信制御プロセス181では、ペア編成取得応答を受信すると、接続相手の列車のペアコンテンツ管理プロセス194へコンテンツ収集完了を送信する。相手側のペアコンテンツ管理プロセス194で、このコンテンツ収集完了を受信すると、転送中状態を管理する。
なお、放送実績ファイル転送プロセス193では、接続相手の列車の管理装置に対して、未送信の放送実績ファイルを転送し、放送実績送信管理ファイルの更新を行う。
【0057】
[6.変形例]
ここまで説明した実施の形態例では、各列車に蓄積させて表示を行うコンテンツとして、広告のコンテンツと、ニュースや天気予報などのコンテンツとし、それぞれのコンテンツについての更新処理を行うものとしたが、いずれか一方の種類のコンテンツについてだけ、上述した実施の形態の処理で更新させるようにしてもよい。例えば、広告のコンテンツだけを更新させてもよい。あるいは逆に、ニュースや天気予報などのコンテンツだけを更新させてもよい。さらに、その他のコンテンツを取得して表示させる場合にも適用してもよい。
また、図4に示したフローチャートの処理では、コンテンツの作成日を比較したが、作成日と共に作成時刻まで比較してもよい。
さらに、図4のフローチャートでは、コンテンツの作成日やバージョンなどから最新のものを検出した場合に更新を行う処理構成としたが、図11に示したように車内の表示装置での表示実績(放送実績)が取得できる場合には、他の列車に蓄積されたコンテンツで更新させるようにしてもよい。すなわち、蓄積したコンテンツについて表示実績がある場合には、他の列車に蓄積されたコンテンツで更新し、蓄積したコンテンツの表示実績がない場合には、該当するコンテンツが表示されるまで待機した後、他の列車に蓄積されたコンテンツで更新させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
100…列車内情報表示装置、101,101a,101b…管理装置、102…コンテンツデータベース、103,103a,103b…車載通信装置、104…表示装置、105…端末装置、109…ケーブル、110…第1列車、110a…第1車両、110b…第2車両、120…第2列車、181…対地上通信制御プロセス、182…対地上コネクションプロセス、183…共有メモリ、184…拡張コンテンツ管理部、185…ファイル転送プロセス、186…指示部、187…コマンド実行プロセス、188…バージョン情報、191…通信故障監視プロセス、192…通信ミドルウェア、193…放送実績ファイル転送プロセス、194…ペアコンテンツ管理プロセス、195…FTPデータ、196…放送実績ファイル部、197…放送実績プロセス、201…地上配信システム、300…地上ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車内で乗客に外部から伝送された情報を表示する列車内情報表示装置及び列車内情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、列車の客室内に設置した表示装置に、外部から伝送された情報を表示する列車内情報表示装置が普及している。従来の列車内情報表示のためのシステムは、地上側無線通信装置と、車両に搭載された車上側無線通信装置との間で無線通信を行って、地上側のコンテンツサーバに蓄積された案内情報を、車両側に無線送信し、車両側無線通信装置が受信した案内情報を、車内の表示装置で表示する構成である。地上側無線通信装置は、例えば駅などに設置されており、車両が駅に停車した際に、無線通信を行って車両に新しい案内情報を送信する。
【0003】
地上からの案内情報を受信した車上側では、車内の管理装置が備えるデータ蓄積部で受信した案内情報を蓄積し、列車内に複数設置された表示装置で、その蓄積した案内情報の表示を行う。従って、車内の表示装置では、列車が車上側無線通信装置を備えた駅に停車して新しい情報が受信できた場合に、表示内容が更新される。新しい案内情報を受信するまでは、過去に受信した案内情報が繰り返し表示される。
この種の表示装置で表示する案内情報としては、列車の運行などに関係した情報の他に、各種宣伝を行う広告情報や、最新のニュースや天気予報などの情報など、様々な情報がある。
【0004】
特許文献1には、特定の駅のプラットフォームに案内情報を無線で送信するセンタを設け、プラットフォームに入線した列車に対して案内情報を送信して蓄積を行う点についての記載がある。また、駅で列車を併結した際に、センタからその併結した列車に対しても案内情報を送信することについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−105787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、列車は、途中駅で別の列車を連結して走行を行う、いわゆる併結走行を行う場合がある。そのような複数の列車の併結時には、それぞれの列車内の表示装置で表示される案内情報は、それぞれの列車が備える車上側無線通信装置が受信した案内情報である。従って、地上側無線通信装置が設置された駅に併結された列車が到着するまでは、併結されたそれぞれの列車内で表示される案内情報が異なる情報となって、いずれかの列車の表示情報が必ずしも最新のものでない可能性があった。
また、併結された複数の列車の内のいずれか一方の列車に搭載された車上側無線通信装置に何らかの受信障害や故障がある場合には、併結された列車であっても、その受信障害がある側の列車では、いつまでも案内情報が更新されない状態が継続してしまう。従って、併結されて走行する車両ごとに案内できる情報が異なることになり、乗客への案内として、好ましくない状況になってしまう。
【0007】
本発明は、複数の列車を併結した場合に、それぞれの列車内で表示される情報が、最新のものに適正に更新される列車内情報表示装置及び列車内情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の列車内情報表示装置は、地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及びコンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部とを備えた列車内情報表示装置である。
そして、管理部として、連結された列車側の管理部と通信を行い、当該列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、連結された列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較する。その比較の結果、両方のコンテンツが一致せず、当該列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの方が古い日に作成されたコンテンツである場合に、列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの取得要求を行って、その取得要求に基づいて他の列車側のコンテンツ蓄積部から得られたコンテンツを、当該列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積させるようにした。
【0009】
また本発明の列車内情報表示システムは、連結された一方の列車と他方の列車のそれぞれが列車内情報表示装置を備えた列車内情報表示システムである。
それぞれの列車の列車内情報表示装置として、地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及び前記コンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部とを備える。
そして、一方の列車の管理部と、他方の列車の管理部は、連結を検出した際に通信を行い、一方の列車のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、他方の列車のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較し、比較の結果、両方のコンテンツが一致しない場合に、古い日に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車の管理部が、コンテンツの取得要求を行う。そして、その取得要求を受信した管理部が、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信し、コンテンツ蓄積部に蓄積された古い日時に作成されたコンテンツを、送信されたコンテンツに更新するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、複数の列車を連結して併結運転を行う際に、それぞれの列車内の情報表示装置の管理部が、連結相手の情報表示装置の管理部と通信を行って、各列車が蓄積するコンテンツを最新のものに保つことができる。また、各列車に搭載された通信装置に障害が発生した際にも、連結された列車から最新コンテンツを効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態例によるシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態例による1つの列車内の情報表示装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態例によるコンテンツリストの説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ取得処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第一の処理例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第二の処理例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第三の処理例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第四の処理例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態例によるコンテンツ一致化の第五の処理例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態例による管理装置の機能ブロックを示した構成図である。
【図11】本発明の一実施の形態例によるシステム内の機能ブロックを示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.列車内表示装置の構成例]
図1は、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)の列車内情報表示システムの構成例を示した図である。
図1では、第1列車110と第2列車120とを連結した状態を示しており、それぞれの列車110,120に、列車内情報表示装置100が設置している。それぞれの列車110,120の列車内情報表示装置100は同一構成であり、第1列車110と第2列車120とを連結した状態では、ジャンパ連結器などを経由したケーブル109で、それぞれの列車内情報表示装置100が接続される。
図1では、説明を簡単にするために、第1列車110と第2列車120は、それぞれ1両ずつの車両で図示しているが、それぞれの列車110,120は、複数台の車両が連結された列車で構成してもよい。第1列車110と第2列車120は、特定の駅や車両基地などで連結されて、連結された状態で1つの列車として走行する。また、駅などで開放されて、それぞれ個別の列車として走行することもある。
【0013】
本例の列車内情報表示システムは、地上配信システム201から、地上ネットワーク300を介して、無線で各列車の列車内情報表示装置100に各種コンテンツを無線伝送し、各列車の列車内情報表示装置100で受信したコンテンツを蓄積するシステムである。そして、各列車の列車内情報表示装置100で蓄積したコンテンツの表示を行う。表示するコンテンツは、列車の乗客に提供する広告、ニュース、天気予報などの映像又は文字によるコンテンツである。映像の他に音声が含まれるコンテンツであってもよい。地上配信システム201が備える図示しないサーバは、これらの配信を行うコンテンツを作成して、列車側に配信する。
【0014】
地上ネットワーク300と列車内情報表示装置100との間で無線通信を行う無線通信システムとしては、比較的広域で数十Mbps程度の高速のデータ通信を行うことが可能な無線通信システムが適用される。この無線通信システムとしては、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)と称されるIEEE802.16又はIEEE802.16a規格をベースとした無線通信システムが適用される。あるいは、無線電話用のデータ通信システムや、無線LAN(Local Area Network)の1つアクセスポイントからの通信距離が比較的短い距離に制限されるデータ通信用の無線通信システムを適用することも考えられる。
WiMAXなどの比較的広域でデータ通信を行うシステムを適用した場合には、列車が走行中でも地上配信システム201と無線通信が可能であり、トンネル内などの無線通信エリアから外れる区間を除いて、常時無線通信が可能である。一方、無線LAN用のアクセスポイントを利用した場合には、駅などにアクセスポイントを設置して、そのアクセスポイントが設置された駅に列車が停車中の場合にだけ、無線通信が可能である。
【0015】
第1列車110と第2列車120が備える列車内情報表示装置100は、それぞれ車載通信装置103を備えており、それぞれの列車110,120の車載通信装置103が、個別に地上ネットワーク300を介して、地上配信システム201と通信を行って、コンテンツを取得する。つまり、車載通信装置103がコンテンツ受信部として機能する。
【0016】
それぞれの列車110,120内の列車内情報表示装置100は、車載通信装置103が接続された管理部である管理装置101を備える。また、管理装置101内には、コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部としてのコンテンツデータベース102が設けられており、管理装置101は、このコンテンツデータベース102での受信コンテンツの蓄積を制御するとともに、列車内の表示装置104での表示を制御する。
列車内情報表示装置100が備える表示装置104は、列車内の各車両のドアの近傍や端面などに複数設置してあり、それぞれの表示装置104で管理装置101から伝送される各種コンテンツによる映像や文字などの表示を行う。
なお、図1に示すように複数の列車を連結した状態でも、それぞれの列車内の表示装置104は、各列車の管理装置101内のコンテンツデータベース102が蓄積したコンテンツを表示する。また、複数の列車を連結した状態での、列車内情報表示装置100での表示のオン・オフなどの各種操作は、例えば何れか一方の列車の図示しない操作部を使用して乗務員が一括して行えるようになっている。
【0017】
図2は、列車が複数の車両で構成される場合の、各列車の列車内情報表示装置100の構成例を示した図である。
図2に示した例は、第1列車110の第1車両110aと第2車両110bとを示し、第1車両110aに、管理装置101と車載通信装置103とを設置している。既に説明したように管理装置101はコンテンツデータベース102を備える。管理装置101は、端末装置105を介して第1車両110a内の複数の表示装置104と接続されている。また、第1車両110aと第2車両110bは、端末装置105が設けられているが、各車両に設けられた端末装置105は互いにケーブルで接続されている。第2車両110b以降に別の車両が連結されている場合にも、各車両の端末装置105は順に接続される。さらに、他の列車(図1での第2列車120)とのケーブル109を介した接続についても、通常は端末装置105が介在する。但し、端末装置105を経由させずに、各車両間の管理装置101同士を、ケーブル109を介して接続するようにしてもよい。
【0018】
そして、管理装置101は、コンテンツデータベース102へのコンテンツの蓄積処理と、この蓄積されたコンテンツの表示装置104への送信処理を実行する。表示装置104は、受信したコンテンツを表示する。管理装置101内に設けられる不図示の制御部は、コンテンツデータベース102に蓄積されたコンテンツを、随時各表示装置104に送信し、各表示装置104は、受信したコンテンツを表示する。この場合、各車両に設置してある列車状態通知装置(図示せず)が、端末装置105に列車状態を通知し、端末装置105が表示装置104に通知(転送)する。ここでの列車状態とは、例えば車両が列車内の何号車であるのかの情報、ドアが開く方向の情報、走行速度、走行距離などである。
列車状態を受信した表示装置104は、列車状態をもとに、それぞれのコンテンツを表示する。このように、各車両毎に自立分散式で表示制御が行われる。なお、コンテンツには、走行位置や走行状態などの列車状態に対応して表示されるコンテンツの他に、列車の走行位置とは無関係に周期的に繰り返し表示させるコンテンツもある。
【0019】
それぞれのコンテンツデータベース102に蓄積されるコンテンツについての情報は、管理装置101内のコンテンツリストに記憶される。
図3は、コンテンツリストの一例を示した図である。コンテンツリストでは、蓄積されたそれぞれのコンテンツについて、作成日(又は作成日時)と、コンテンツファイル名などが示される。コンテンツファイル名は、コンテンツの識別コード(ID)と、バージョン情報からなる。さらに、コンテンツファイル名には、コンテンツのデータサイズ(データのバイト数)と、コンテンツの使用開始日と最終使用日のデータが付加されている。
このコンテンツリストは、例えばコンテンツの種類ごとに作成される。具体的には、広告のコンテンツについてのコンテンツリストと、ニュースや天気予報などのコンテンツについてのコンテンツリストを作成する。
【0020】
[2.コンテンツ取得処理例]
次に、図4のフローチャートを参照して、それぞれの列車内情報表示装置100の管理装置101での、コンテンツ取得処理例について説明する。
まず、それぞれの列車内情報表示装置100内の管理装置101は、車載通信装置103を使用した無線通信で、地上配信システム201を検知したか否かを判断する(ステップS101)。この地上配信システム201の検知は、例えば周期的に地上配信システムに対して生存パケットを送信して、その生存パケットの応答の受信結果に基づいて行われる。
このステップS101の判断で、地上配信システム201を検知した場合には、管理装置101を無線通信で地上配信システム201に接続し(ステップS102)、管理装置101内のコンテンツリストが保持しているコンテンツ情報を、地上配信システム201に送信する(ステップS103)。
【0021】
次に、地上配信システム201側が保持している最新のコンテンツリストを、管理装置101が取得する(ステップS104)。そして、その取得したコンテンツリストで示されているコンテンツリストの作成日と、管理装置101内のコンテンツリストの作成日とを管理装置101で比較する(ステップS105)。この比較で、地上配信システム201側が保持しているコンテンツリストと、管理装置101内のコンテンツリストとが、作成日が同じ、又は地上配信システム201側が保持しているコンテンツリストの方が古い日付である場合には、ここでのコンテンツの取得処理を終了して、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0022】
ステップS105での比較で、地上配信システム201側が保持しているコンテンツリストで示されたコンテンツの日付の方が新しい場合には、管理装置101が、取得したコンテンツリストに記載されている全てのコンテンツファイルについて、取得要否が完了したか否かを判定する(ステップS106)。この判定で、全てのコンテンツの取得要否が完了したと判断した場合には、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0023】
ステップS106での比較で、全てのコンテンツの取得要否が完了していないと判定した場合には、リストに記載された1つ毎のコンテンツファイルの取得要否を判定する(ステップS107)。ここでのコンテンツファイルの取得要否の判定は、コンテンツファイルのバージョンと、コンテンツファイルの存在の有無と、コンテンツファイルのサイズに基づいて行われる。
ステップS107で、コンテンツファイルの取得要と判定した場合には、管理装置101は、該当するコンテンツの送信を地上配信システム201に要求し、該当するコンテンツを取得して、管理装置101内のコンテンツデータベース102に蓄積する(ステップS108)。このとき、コンテンツデータベース102に同じコンテンツの古いバージョンの蓄積されていた場合には、古いバージョンのコンテンツは消去して、蓄積コンテンツを更新する。また、同時にコンテンツリストも更新する。
ステップS107で取得否と判定した場合と、ステップS108でコンテンツの取得処理を行った後には、ステップS106の判定に戻る。
【0024】
また、図4のフローチャートのステップS101において、地上配信システムを検知しない場合には、自列車以外の管理装置101を検知するか否かを判定する(ステップS109)。ここでの自列車以外の管理装置101の検知とは、他の列車が連結されているか否かの検知であり、例えば、自列車以外の管理装置宛に生存パケットを送信し、受信結果により他列車と併結しているかを判定する。このステップS109の判定で、他の列車が連結されていないと判断した場合には、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0025】
そして、ステップS109の判定で、他の列車が連結されていると判断した場合には、自列車の管理装置101が、検出した他の列車の管理装置101と通信を行う(ステップS110)。この通信で、自列車の管理装置101が、他の列車の管理装置101に対して、コンテツリストの送信を要求し、その要求を受信した他の列車の管理装置101が、蓄積されたコンテンツリストを送信する。このようにして、自列車の管理装置101が他の列車側のコンテツリストを取得する(ステップS111)。
【0026】
他の列車側のコンテツリストを取得すると、自列車の管理装置101が持つコンテツリストと、他の列車側のコンテツリストとを比較する。ここでは、広告やニュースなどの予め決められた種別のコンテンツについて、その作成日を比較する(ステップS112)。
このコンテンツの比較で、自列車が保持したコンテンツと、他列車が保持したコンテンツとが同じ作成日である場合、あるいは、自列車が保持したコンテンツよりも、他列車が保持したコンテンツの方が古い作成日である場合、ある程度の時間待機した後、ステップS101の判断に戻り、周期的に地上配信システムの検知処理を実行する。
【0027】
ステップS112でのコンテンツの比較で、他列車が保持したコンテンツの作成日の方が新しいと判断した場合には、最初に、他列車からのコンテンツ取得処理が完了したか否かを判断する(ステップS113)。このステップS113の判断でコンテンツ取得処理が完了した場合には、ステップS111に戻る。
【0028】
ステップS113の判断で、コンテンツ取得処理が完了していない場合には、コンテンツリスト中の取得のための判断をまだしていない1つのコンテンツについて、そのコンテンツファイルの取得要否の判断を、コンテンツファイルのバージョンと、コンテンツファイルの存在の有無と、コンテンツファイルのサイズとから行う(ステップS114)。このコンテンツファイルの取得要否の判断で、取得否と判断した場合には、ステップS113の判断に戻る。
【0029】
ステップS114の判断で、コンテンツファイルの取得要と判断した場合には、該当するコンテンツファイルの取得処理を行う(ステップS115)。この取得処理としては、自列車の管理装置101から他列車の管理装置101に対して、該当するコンテンツファイルの送信要求を行い、その送信要求を受信した他列車の管理装置101がコンテンツファイルの送信を行い、自列車の管理装置101で、蓄積されたコンテンツファイルを伝送されたコンテンツファイルで更新する。
【0030】
このステップS115での1つのコンテンツファイルの蓄積が終了すると、地上配信システムの検知が可能な状況になったかを否か判断し(ステップS116)、地上配信システムの検知が可能な状況になった場合に、ステップS102の処理に移行する。
ステップS116の判断で、地上配信システムの検知ができない状況が続いている場合には、ステップS113の判断に戻る。
このようにして、地上配信システムと通信が行えない状況の管理装置101がある場合には、その管理装置101は、連結された他の列車の管理装置101と随時通信を行って、連結された他の列車の管理装置に新しい作成日やバージョンのコンテンツが蓄積されているとき、そのコンテンツを取得する。従って、複数の列車が連結された状態の場合には、いずれかの列車の通信装置で地上側と通信できない障害があっても、コンテンツデータを最新状態に保つことができる。
【0031】
[3.各列車でのコンテンツの保持状態と取得例]
次に、図5〜図9を参照して、コンテンツ一致化処理が実行される状況の例について説明する。図5〜図9に示すように、第1列車110と第2列車120が連結(併結)された状態で運用中であり、第1列車110の管理装置101aと、第2列車120の管理装置101bとは、ケーブル109で接続されているので、相互に通信できる状態である。なお、図5〜図9においては、各列車が保持したコンテンツをコンテンツB,C,Dとして示すが、このコンテンツB,C,Dの関係としては、コンテンツCはコンテンツBより後に作成されたコンテンツであり、さらに、コンテンツDはコンテンツCより後に作成されたコンテンツである。
【0032】
図5に示す状態を説明すると、図5の状態では、第1列車110の通信装置103aと、第2列車120の通信装置103bの双方が、地上配信システム201と通信できる状態とする。
そして、図5の状態で、地上配信システム201から配信中のコンテンツは、コンテンツCとする。第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツも、同じコンテンツCとする。従って、第1列車110の通信装置103aが地上配信システム201と行った通信T1では、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの一致を検出して、コンテンツの配信処理を行わない。
【0033】
一方、図5の状態で、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBである。このため、第2列車120の通信装置103bが地上配信システム201と行った通信T2では、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの相違を検出し、地上配信システム201が配信中のコンテンツCを第2列車120の管理装置101bが取得して、蓄積コンテンツをコンテンツBからコンテンツCに更新する。
【0034】
図6に示す状態では、第1列車110の通信装置103aは、地上配信システム201と通信T3が行え、第2列車120の通信装置103bには何らかの障害があり、地上配信システム201との通信T4ができない状態である。
この図6の状態で、地上配信システム201から配信中のコンテンツは、コンテンツDとする。第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツは、コンテンツCであり、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBとする。
【0035】
このとき、第1列車110の管理装置101aと第2列車120の管理装置101bとの連結直後の通信で、コンテンツの不一致が検出されて、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツCが、第2列車120の管理装置101bに伝送されて、第2列車120の管理装置101bが蓄積するコンテンツが、コンテンツCに更新される。
【0036】
また、第1列車110の通信装置103aが地上配信システム201と行った通信T3で、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの不一致を検出して、コンテンツDの配信が行われ、第1列車110の管理装置101aが蓄積するコンテンツが、コンテンツDに更新される。
【0037】
その後さらに、図7に示すように、第1列車110の管理装置101aと第2列車120の管理装置101bとの通信で、コンテンツの不一致が検出されて、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツDが、第2列車120の管理装置101bに伝送されて、第2列車120の管理装置101bが蓄積するコンテンツが、コンテンツDに更新される。
この図7に示した状態は、第1列車110の通信装置103aは、地上配信システム201と通信T5が行え、第2列車120の通信装置103bは、依然として障害があり、地上配信システム201との通信T6ができない状態が継続中である。この図7に示すように処理されることで、一方の列車側での障害が継続していても、他方の列車で地上配信システム201との通信で蓄積するコンテンツが更新される毎に、通信障害がある側の列車の蓄積コンテンツも更新され、常に最新のコンテンツによる案内が可能になる。
【0038】
図8の例では、双方の列車の通信装置103a,103bに障害がない状態の例である。この図8の例では、図6の例の最初の状態と同じように、地上配信システム201から配信中のコンテンツは、コンテンツDとする。第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツは、コンテンツCであり、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBとする。
この図8の例の状態の場合には、第1列車110の通信装置103aが地上配信システム201と行った通信T7で、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの不一致を検出して、コンテンツDの配信が行われ、第1列車110の管理装置101aが蓄積するコンテンツが、コンテンツDに更新される。
【0039】
さらに、第2列車120の通信装置103bが地上配信システム201と行った通信T8で、蓄積コンテンツと配信コンテンツとの不一致を検出して、コンテンツDの配信が行われ、第1列車110の管理装置101aが蓄積するコンテンツについても、コンテンツDに更新される。
【0040】
図9の例では、双方の列車の通信装置103a,103bに障害がある状態で、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツは、コンテンツCであり、第2列車120の管理装置101bが蓄積したコンテンツは、コンテンツBとする。
この図9の例の状態の場合には、第1列車110の通信装置103aと地上配信システム201との通信T7が成功しないと共に、第2列車120の通信装置103bと地上配信システム201との通信T8が成功しない(図8参照)。
【0041】
このような状態のとき、第1列車110の管理装置101aと第2列車120の管理装置101bとの通信で、コンテンツの不一致が検出される。そして、第1列車110の管理装置101aが蓄積したコンテンツCが、第2列車120の管理装置101bに伝送されて、第2列車120の管理装置101bが蓄積するコンテンツが、コンテンツCに更新される。
このようにして、地上配信システムと全く通信ができない状況でも、連結された列車間では、コンテンツの最新化処理が行われる。
【0042】
[4.列車内表示装置と地上配信システムとの間の処理の具体例]
図10は、列車内表示装置と地上配信システムとの間でのデータ転送処理が行われる構成の具体例を示した図である。図10では、管理装置101内の構成を機能ブロックで示し、以下に説明する各ステップで、各機能ブロック間のデータのやり取りが行われる。
管理装置101は、地上配信システム201との通信のために、対地上通信制御プロセス181と対地上コネクションプロセス182とを備える。対地上通信制御プロセス181は、対地上コネクションプロセス182に対して、周期的に状態通知要求を送信する(ステップS11)。対地上コネクションプロセス182は、状態通知要求を受信すると、共有メモリ183上にあるコンテンツの保有情報を取り出し、状態通知を作成する(ステップS12)。
【0043】
そして、対地上コネクションプロセス182により、地上配信システム201のサーバに状態通知を送信する(ステップS13)。ここで、コネクションタイムアウトが発生した場合は、対地上通信制御プロセス181に対して、状態通知要求応答[異常]を送信する。
状態通知を送信後、対地上コネクションプロセス182は、地上配信システム201側のサーバから、状態通知応答を受信する(ステップS14)。その状態通知応答を受信した対地上コネクションプロセス182は、対地上通信制御プロセス181に対して、状態通知要求応答[正常]を送信する。状態通知応答を受信できずタイムアウトとなった場合には、対地上通信制御プロセス181に対して、状態通知要求応答[異常]を送信する。
【0044】
対地上通信制御プロセス181は、状態通知要求応答[正常]を受信して、広告やニュースなどの種別のコンテンツリストの更新がなく、未放送の放送実績ファイルもない場合、拡張コンテンツ管理ファイル184のコンテンツリストIDとバージョンを比較し、更新されているかをチェックする(ステップS16)。更新がなければ、ステップS11からステップS16までの処理が繰り返される。
【0045】
拡張コンテンツID又はバージョンが異なった場合には、対地上通信制御プロセス181は、ファイル転送プロセス185へ拡張コンテンツ取得要求を送信する(ステップS17)。ファイル転送プロセス185では、その拡張コンテンツ取得要求を受信すると、更新されている拡張コンテンツリストを地上配信システムのサーバ側から取得する(ステップS18)。
この取得した拡張コンテンツリストをファイル転送プロセス185で参照し、指示ファイルである場合、指示ファイル186を取得する(ステップS19)。このとき、ファイルの転送状態を共有メモリ183上に格納する。
【0046】
ファイル転送プロセス185は、指示ファイルの取得が終了すると、対地上通信制御プロセス181へ拡張コンテンツ取得応答[指示ファイル取得]を送信する(ステップS20)。対地上通信制御プロセス181は、拡張コンテンツ取得応答[指示ファイル取得]を受信すると、指示ファイル186の内容をチェックする(ステップS21)。そのチェックで、指示ファイル186の内容が、バージョン情報取得であった場合、コマンド実行プロセス187へ処理実行要求[バージョン情報取得]を送信する(ステップS22)。
【0047】
コマンド実行プロセス187が処理実行要求[バージョン情報取得]を受信すると、バージョン情報ファイル188を作成する(ステップS23)。
また、コマンド実行プロセス187は、処理実行応答を対地上通信制御プロセス181に送信する(ステップS24)。対地上通信制御プロセス181が処理実行応答を受信すると、ファイル転送プロセス185へファイルアップロード要求を送信する(ステップS25)。ファイル転送プロセス185がファイルアップロード要求を受信すると(ステップS26a)、バージョン情報ファイル188を地上配信システム201のサーバ側に転送する(ステップS26b)と共に、ファイルの転送状態を共有メモリ183に格納する(ステップS26c)。
【0048】
ファイル転送プロセス185では、バージョン情報ファイルの転送が終了すると、ファイルアップロード応答を対地上通信制御プロセス181に送信する(ステップS27)。対地上通信制御プロセス181は、ファイルアップロード応答を受信すると、対地上コネクションプロセス182に対してログ転送完了送信要求を送信する(ステップS28)。
対地上コネクションプロセス182は、ログ転送完了送信要求を受信した場合、地上配信システム201のサーバ側にログファイル転送完了通知を送信する(ステップS29)。
【0049】
その後、対地上コネクションプロセス182は、地上配信システム201のサーバ側からログファイル受領通知を受信し(ステップS30)、対地上通信制御プロセス181へログ転送完了送信応答[正常]を送信する(ステップS31)。対地上通信制御プロセス181は、ログ転送完了送信応答[正常]を受信すると、転送したバージョン情報ファイル188の削除をコマンド実行プロセス187に指示し(ステップS32)、バージョン情報ファイル188の削除を実行する(ステップS33)。
【0050】
[5.複数の列車した場合の列車内表示装置での処理の具体例]
次に、この図10に示した構成の管理装置101とした場合における、複数の列車の管理装置間での処理状態を、図11に示す。図11において、左側の管理装置101aが、第1列車の管理装置であり、右側の管理装置101bが第2列車の管理装置である。各列車の管理装置101a,101bは、図10に示した各構成の他に、通信故障監視プロセス191と、通信ミドルウェア192と、放送実績ファイル転送プロセス193と、ペアコンテンツ管理プロセス194と、FTPデータ195と、放送実績ファイル部196とを備える。また、表示装置104は、放送実績プロセス197を備える。
【0051】
まず、第2列車の管理装置101bにおいて、対地上通信制御プロセス181は、地上配信システム201への接続が、ある程度の時間(例えば10分間)経過しても成功しない場合、未接続とする。図11の例では、第2列車の管理装置101bで未接続が検出された状態である。
地上配信システム201への接続が成功しない未接続を検知した対地上通信制御プロセス181は、連結された列車の管理装置101aのペアコンテンツ管理プロセス194に対して、コンテンツ確認要求を送信する。その情報として、現在コンテンツ作成日時、コンテンツリストのID及びバージョンを送信する。
【0052】
ペアコンテンツ管理プロセス194では、コンテンツ確認要求を受信した場合に、次の条件に合致する場合に、該当する広告及びニュースのコンテンツリストの転送ディレクトリを削除しないように管理上ロックする。
ここで管理上ロックするための条件は、自らの管理装置の転送ディレクトリにあるコンテンツリストの作成日がコンテンツ確認要求にあるコンテンツ作成日よりも新しい場合である。あるいは、コンテンツのID及びバージョンが同じで、コンテンツリストが取得済みでない場合である。
【0053】
そして、ペアコンテンツ管理プロセス194では、コンテンツ確認要求の応答として、コンテンツ確認応答を送信元の対地上通信制御プロセス181へ送信する。この応答には、取得要のコンテンツ種別、地上装置の接続状態、自らの管理装置の広告コンテンツリストの作成日、ニュースコンテンツリストの作成日、及び各コンテンツリストのIDとバージョンが含まれる。
【0054】
対地上通信制御プロセス181では、コンテンツ確認応答を受信すると、次の処理が行われる。
まず、取得要のコンテンツ有りのときには、ファイル転送プロセス185へペア編成取得要求を行い、該当コンテンツリスト及びコンテンツを取得する。
また、相手の列車が地上装置と接続状態のときには、表示装置104の放送実績プロセス197へ放送実績転送要求を送信し、放送実績ファイルを転送する。
さらに、取得要のコンテンツ無し、又はコンテンツリスト確認要求に対する応答異常があったときには、地上装置に対して状態通知を繰り返す。そして、他の列車との連結状態であり、かつ地上装置と未接続の状態が一定時間(例えば10分)経過した場合に、上述したペアコンテンツ管理プロセス194に対するコンテンツ確認要求繰り返す。
【0055】
そして、ファイル転送プロセスの実行で、ペア編成取得要求を受信すると、ペア編成の転送ディレクトリからFTPプロトコルにて指定されたコンテンツリストと、そのコンテンツリストに記載されたコンテンツそのものを取得する。この処理で全てのコンテンツを取得した場合、対地上通信制御プロセス181に対してペア編成取得応答を送信する。
【0056】
対地上通信制御プロセス181では、ペア編成取得応答を受信すると、接続相手の列車のペアコンテンツ管理プロセス194へコンテンツ収集完了を送信する。相手側のペアコンテンツ管理プロセス194で、このコンテンツ収集完了を受信すると、転送中状態を管理する。
なお、放送実績ファイル転送プロセス193では、接続相手の列車の管理装置に対して、未送信の放送実績ファイルを転送し、放送実績送信管理ファイルの更新を行う。
【0057】
[6.変形例]
ここまで説明した実施の形態例では、各列車に蓄積させて表示を行うコンテンツとして、広告のコンテンツと、ニュースや天気予報などのコンテンツとし、それぞれのコンテンツについての更新処理を行うものとしたが、いずれか一方の種類のコンテンツについてだけ、上述した実施の形態の処理で更新させるようにしてもよい。例えば、広告のコンテンツだけを更新させてもよい。あるいは逆に、ニュースや天気予報などのコンテンツだけを更新させてもよい。さらに、その他のコンテンツを取得して表示させる場合にも適用してもよい。
また、図4に示したフローチャートの処理では、コンテンツの作成日を比較したが、作成日と共に作成時刻まで比較してもよい。
さらに、図4のフローチャートでは、コンテンツの作成日やバージョンなどから最新のものを検出した場合に更新を行う処理構成としたが、図11に示したように車内の表示装置での表示実績(放送実績)が取得できる場合には、他の列車に蓄積されたコンテンツで更新させるようにしてもよい。すなわち、蓄積したコンテンツについて表示実績がある場合には、他の列車に蓄積されたコンテンツで更新し、蓄積したコンテンツの表示実績がない場合には、該当するコンテンツが表示されるまで待機した後、他の列車に蓄積されたコンテンツで更新させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
100…列車内情報表示装置、101,101a,101b…管理装置、102…コンテンツデータベース、103,103a,103b…車載通信装置、104…表示装置、105…端末装置、109…ケーブル、110…第1列車、110a…第1車両、110b…第2車両、120…第2列車、181…対地上通信制御プロセス、182…対地上コネクションプロセス、183…共有メモリ、184…拡張コンテンツ管理部、185…ファイル転送プロセス、186…指示部、187…コマンド実行プロセス、188…バージョン情報、191…通信故障監視プロセス、192…通信ミドルウェア、193…放送実績ファイル転送プロセス、194…ペアコンテンツ管理プロセス、195…FTPデータ、196…放送実績ファイル部、197…放送実績プロセス、201…地上配信システム、300…地上ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及び前記コンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部と、を備えた列車内情報表示装置において、
前記管理部は、
連結された他の列車の管理部と通信を行い、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較し、
この比較の結果、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが一致せずに、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの方が古い日時に作成されたコンテンツである場合に、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの取得要求を行って、その取得要求に基づいて他の列車側のコンテンツ蓄積部から得られたコンテンツを、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積させるようにした列車内情報表示装置。
【請求項2】
前記比較の結果、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが一致せずに、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの方が古い日時に作成されたコンテンツであり、前記地上配信システムから配信されるコンテンツの受信ができない障害発生時に、前記連結された他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの取得要求を行う
請求項1記載の列車内情報表示装置。
【請求項3】
前記管理部でのコンテンツの比較は、コンテンツの作成日又はコンテンツのバージョン情報で行う
請求項2記載の列車内情報表示装置。
【請求項4】
前記管理部でのコンテンツの比較は、他の列車が連結された際に行う
請求項2記載の列車内情報表示装置。
【請求項5】
前記管理部によるコンテンツの取得要求は、広告表示用のコンテンツ及び運行状況案内表示用のコンテンツについてのみ行い、その他のコンテンツについては前記コンテンツ受信部でコンテンツの受信ができない障害が無くなってから、前記地上配信システムから取得する
請求項4記載の列車内情報表示装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記他の列車側の管理部から、コンテンツの要求を受信した場合に、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを、前記連結された他の列車側に送出させる制御を行う
請求項1記載の列車内情報表示装置。
【請求項7】
連結された一方の列車と他方の列車のそれぞれが列車内情報表示装置を備えた列車内情報表示システムにおいて、
前記それぞれの列車の列車内情報表示装置として、
地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及び前記コンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部と、を備え、
前記一方の列車の管理部と、前記他方の列車の管理部は、連結を検出した際に通信を行い、一方の列車の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、他方の列車のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較し、比較の結果、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが一致しない場合に、古い日時に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車の管理部がコンテンツの取得要求を行い、その取得要求を受信した管理部が、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信させ、前記コンテンツ蓄積部に蓄積された古い日時に作成されたコンテンツを、送信されたコンテンツに更新させるようにした
列車内情報表示システム。
【請求項8】
前記管理部は、前記比較の結果一致せず、いずれかの前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが古い日時に作成されたコンテンツである場合に、その古い日時に作成されたコンテンツを蓄積した列車側の制御部は、前記コンテンツ受信部で前記地上配信システムから配信されるコンテンツの受信を試み、前記地上配信システムから配信されるコンテンツの受信ができない障害発生時に、前記取得要求を行う
請求項7記載の列車内情報表示システム。
【請求項1】
地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及び前記コンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部と、を備えた列車内情報表示装置において、
前記管理部は、
連結された他の列車の管理部と通信を行い、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較し、
この比較の結果、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが一致せずに、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの方が古い日時に作成されたコンテンツである場合に、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの取得要求を行って、その取得要求に基づいて他の列車側のコンテンツ蓄積部から得られたコンテンツを、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積させるようにした列車内情報表示装置。
【請求項2】
前記比較の結果、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが一致せずに、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの方が古い日時に作成されたコンテンツであり、前記地上配信システムから配信されるコンテンツの受信ができない障害発生時に、前記連結された他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの取得要求を行う
請求項1記載の列車内情報表示装置。
【請求項3】
前記管理部でのコンテンツの比較は、コンテンツの作成日又はコンテンツのバージョン情報で行う
請求項2記載の列車内情報表示装置。
【請求項4】
前記管理部でのコンテンツの比較は、他の列車が連結された際に行う
請求項2記載の列車内情報表示装置。
【請求項5】
前記管理部によるコンテンツの取得要求は、広告表示用のコンテンツ及び運行状況案内表示用のコンテンツについてのみ行い、その他のコンテンツについては前記コンテンツ受信部でコンテンツの受信ができない障害が無くなってから、前記地上配信システムから取得する
請求項4記載の列車内情報表示装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記他の列車側の管理部から、コンテンツの要求を受信した場合に、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを、前記連結された他の列車側に送出させる制御を行う
請求項1記載の列車内情報表示装置。
【請求項7】
連結された一方の列車と他方の列車のそれぞれが列車内情報表示装置を備えた列車内情報表示システムにおいて、
前記それぞれの列車の列車内情報表示装置として、
地上配信システムから無線で配信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ受信部で受信したコンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツの表示部での表示及び前記コンテンツ蓄積部でのコンテンツの蓄積を制御する管理部と、を備え、
前記一方の列車の管理部と、前記他方の列車の管理部は、連結を検出した際に通信を行い、一方の列車の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、他方の列車のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツとを比較し、比較の結果、当該列車側の前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツと、前記他の列車側のコンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが一致しない場合に、古い日時に作成されたコンテンツが蓄積された側の列車の管理部がコンテンツの取得要求を行い、その取得要求を受信した管理部が、コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信させ、前記コンテンツ蓄積部に蓄積された古い日時に作成されたコンテンツを、送信されたコンテンツに更新させるようにした
列車内情報表示システム。
【請求項8】
前記管理部は、前記比較の結果一致せず、いずれかの前記コンテンツ蓄積部に蓄積されたコンテンツが古い日時に作成されたコンテンツである場合に、その古い日時に作成されたコンテンツを蓄積した列車側の制御部は、前記コンテンツ受信部で前記地上配信システムから配信されるコンテンツの受信を試み、前記地上配信システムから配信されるコンテンツの受信ができない障害発生時に、前記取得要求を行う
請求項7記載の列車内情報表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−46108(P2013−46108A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180806(P2011−180806)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】
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