説明

列車情報提供システム

【課題】列車運行状況に応じて自動的に情報を画面表示したり、視聴中のテレビジョン番組を特殊再生したり携帯端末に転送することが可能な列車情報提供システムを提供する。
【解決手段】テレビジョン受信機と録画再生機器から構成される列車運行情報提示システムであって、テレビジョン受信機は、列車運行情報を受信する受信部と、お気に入り列車情報を入力する入力部と、列車運行情報とお気に入り列車情報とを比較して運行停止または運行再開を検出した場合に運行停止情報または運行再開情報を表示させる制御部と、を備え、録画再生機器は、録画されたテレビジョン番組の再生を制御する再生制御部と、を備え、制御部は、録画されたテレビジョン番組を表示しているときに運行停止を検出した場合、予想運行再開時刻を算出して再生制御部へ出力し、再生制御部は、予想運行再開時刻に応じて再生中のテレビジョン番組の早送り再生速度を算出する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は列車情報提供システムに関し、更に詳しくは、列車の運行状況に応じて、情報を画面表示したり視聴中のテレビジョン番組を再生可能な列車情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及によってさまざまな情報をリアルタイムに取得できるようになり、私たちの生活はますます便利になってきている。例えば、電車の運行が乱れていないかを案内してくれる列車情報提供装置がある(例えば、特許文献1参照)。この列車情報提供装置では、ユーザがいつも使っている電車の路線を入力すれば、その路線の運行状況を出力するサービスを提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−289248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の列車情報提供装置では、列車情報提供サーバのURLにアクセスして列車に関する情報を取得しなければならず、列車情報提供サーバにユーザが主体的にアクセスしなければ情報を確実に取得できないという問題があった。
【0005】
また、列車の遅れを知った上でテレビジョン番組を視聴していたとしても、どれぐらいの時間、テレビジョン番組を視聴できるか判断がつきにくいという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、列車の運行状況に応じて自動的に情報を画面表示したり、列車の運行状況に合わせて視聴中のテレビジョン番組を特殊再生したり携帯端末に転送することが可能な列車情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の列車情報提供システムは、列車の運行状況に関する情報を、インターネット回線経由またはアンテナからの放送波経由で取得し、テレビジョン受信機の表示画面に表示する。また、テレビジョン受信機のメニュー画面であらかじめいつも使う列車を設定しておくことで、いつも使う列車の運転が止まっていれば、テレビジョン受信機の表示画面に運転停止を示す表示を行う。そのままテレビジョン番組を見続けていれば、列車の運行が再開されたときにテレビジョン受信機の表示画面に運転再開を示す表示を行う。
【0008】
また、録画したテレビジョン番組を視聴中の場合、あらかじめ設定しておいたいつも使う列車に間に合うように、テレビジョン番組の再生スピードを調整することで、確実にテレビジョン番組を最後まで視聴することができるようにする。つまり、テレビジョン番組の再生中にいつも使う列車の運行が止まったときには、運転再開を示す表示がなされるまでなるべく自然にテレビジョン番組を視聴することができるようにテレビジョン番組の再生スピードを調整する。また、いつも使う列車に間に合わないときは、列車の中でテレビジョン番組を視聴することができるように携帯端末にテレビジョン番組を転送する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、列車の運行が止まっていた場合でも時間を最大限に有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る列車情報提供システムの構成を示す図
【図2】同実施の形態に係るテレビジョン受信機100の処理を示すフローチャート
【図3】同実施の形態に係る録画再生機器200の処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の列車情報提供システムの構成を示す図である。列車情報提供システムは、テレビジョン受信機100と、録画再生機器200と携帯端末300から構成され、テレビジョン受信機100は列車運行情報サービスを提供するサーバ(図示せず)から列車運行情報を受信する。
【0013】
テレビジョン受信機100は、列車運行情報受信部101と、列車運行情報記憶部102と、制御部103と、お気に入り列車記憶部104と、お気に入り列車入力部105と、表示部106から構成される。
【0014】
列車運行情報受信部101は、インターネットなどの通信回線経由または放送電波経由でサーバ(図示せず)から提供された列車運行情報を受信する。列車運行情報記憶部102は、列車運行情報受信部101が受信した列車運行情報をメモリ等の記憶手段に記憶する。
【0015】
制御部103は、列車運行情報記憶部102に記憶された列車運行情報、お気に入り列車記憶部104に記憶されたお気に入り列車情報に応じて、運行停止情報または運行再開情報の表示制御、あるいは録画再生機器200で再生中のテレビジョン番組の再生制御を行う。ここで運行再開情報を表示する際には、自宅からお気に入り列車が発車する駅までの所要時間も考慮した時刻情報を表示するようにしても良い。これらの制御については、後ほど図2を用いて詳述する。
【0016】
お気に入り列車記憶部104は、お気に入り列車入力部105で入力された列車に関する情報をお気に入り列車情報として記憶する。お気に入り列車入力部105は、リモコン、キーボード等の入力手段を用いてユーザが入力したお気に入り列車情報をお気に入り列車記憶部104に出力する。入力の際は列車運行情報を表示部106に表示し、その中からお気に入り列車を選択できるようにしてもよい。また、テレビジョン受信機100が置かれている自宅からお気に入り列車が発車する駅までの所要時間も登録することもできるようにしてもよい。
【0017】
表示部106は、制御部103から指示された情報を表示する。具体的には、運行停止情報または運行再開情報を視聴中のテレビジョン番組に重畳して表示する。あるいは、録画再生機器200で再生されたテレビジョン番組を表示する。
【0018】
録画再生機器200は、再生制御部201と番組転送部202から構成される。再生制御部201が、コンテンツ記憶部(図示せず)に記憶されたテレビジョン番組を再生して、制御部103を介して表示部106に表示している状態において、制御部103が運行停止と判断した場合、制御部103は、予想運転再開時刻を算出して再生制御部201へ通知する。ここで、予想運転再開時刻は、予め決められた時刻(例えば、30分)を運転停止時刻に足した時刻とする。
【0019】
再生制御部201は、制御部103から通知された予想運転再開時刻及び再生中のテレビジョン番組の残り再生時間に応じて、再生中のテレビジョン番組を最後まで再生できるか否かを判断し、通常の再生速度では最後まで視聴できないと判断した場合は、最後まで再生できる最適な早送り再生速度を計算して、再生中のテレビジョン番組を早送り再生する。
【0020】
このとき、早送り再生速度が早すぎた場合にテレビジョン番組の内容が理解できないことがあるので、早送り差製速度には上限を設けてもよい。
【0021】
一方、最適な早送り再生速度で視聴中のテレビジョン番組を再生したとしても、予想運転再開時刻までに再生が完了できないと判断した場合は、番組転送部202に対して、現在再生中のテレビジョン番組を所定位置から携帯端末300に送信し、携帯端末300にて再生可能とさせる。所定位置は、予想運転再開時刻から所定時間前の時刻であってもよいし、予想運転再開時刻が通知された時刻以降の時刻であってもよい。
【0022】
これにより、ユーザはお気に入り列車が発車するまでの残り時間に応じて最適な再生速度でテレビジョン番組を視聴することができるとともに、お気に入り列車が発車するまでにテレビジョン番組を見ることができなかった場合でも、携帯端末300に送信されたテレビジョン番組を列車の中で視聴することができる。
【0023】
次に、図2を用いてテレビジョン受信機100の処理を詳述する。テレビジョン受信機100において、制御部103は、列車運行情報とお気に入り列車情報とを比較し(ステップS201)、お気に入り列車が運行停止であると判断した場合(ステップS202で「YES」)、運行停止を示す情報である運行停止情報を表示部106に表示させる(ステップS203)。そして、録画再生機器200に録画されたテレビジョン番組を再生中か否かを判断し(ステップS204)、再生中であると判断した場合は(ステップS204で「YES」)、予想運行再開時刻を算出して録画再生機器200へ出力する(ステップS205)。
【0024】
一方、お気に入り列車が運行再開であると判断した場合は(ステップS202で「NO」、ステップS206で「YES」)、運行再開を示す情報である運行再開情報を表示部106に表示させる(ステップS207)。
【0025】
図3に録画再生機器200側の処理を示す。録画再生機器200の再生制御部201は、テレビジョン受信機100の制御部103から予想運行再開時刻が入力された場合(ステップS301で「YES」)、通常の再生速度で再生中のテレビジョン番組の再生を完了できるか否かを判断し(ステップS302)、再生を完了できないと判断した場合は(ステップS302で「NO」)、最適な早送り再生速度を算出する(ステップS303)。そして、算出した最適な早送り再生速度でテレビジョン番組の再生を完了できるか否かを判断し(ステップS304)、再生を完了できないと判断した場合は(ステップS304で「NO」)、番組転送部202に対して再生中のテレビジョン番組を所定位置から転送させる(ステップS305)。
【0026】
なお、本実施の形態では、録画再生機器200から再生されたテレビジョン番組を対象として説明したが、放送受信部(図示せず)で受信した放送中のテレビジョン番組に対しては、制御部103が予想運行再開時刻以内に視聴可能な否かを判断し、視聴可能でないと判断した場合、携帯端末300に対して、視聴中番組の録画を指示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、列車運行情報を受信し、かつテレビジョン番組を再生可能なAV機器に有用である。
【符号の説明】
【0028】
100 テレビジョン受信機
101 列車運行情報受信部
102 列車運行情報記憶部
103 制御部
104 お気に入り列車記憶部
105 お気に入り列車入力部
106 表示部
200 録画再生機器
201 再生制御部
202 番組転送部
300 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車運行情報を受信するテレビジョン受信機と、録画されたテレビジョン番組を再生する録画再生機器から構成される列車情報提供システムシステムであって、
前記テレビジョン受信機は、
テレビジョン番組を表示する表示部と、
お気に入り列車情報を入力する入力部と、
受信された前記列車運行情報と入力された前記お気に入り列車情報とを比較し、お気に入り列車の運行停止または運行再開を検出した場合に、運行停止情報または運行再開情報を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記録画再生機器は、
前記録画されたテレビジョン番組の再生を制御する再生制御部と、を備え、
前記制御部は、前記再生制御部が再生中のテレビジョン番組を前記表示部に表示させている場合において前記運行停止を検出した場合、予想運行再開時刻を算出して前記再生制御部へ出力し、
前記再生制御部は、前記予想運行再開時刻に応じて前記再生中のテレビジョン番組の早送り再生速度を算出する、
ことを特徴とする列車情報提供システム。
【請求項2】
前記録画再生機器は、
前記録画されたテレビジョン番組を携帯端末に転送する番組転送部と、を更に備え、
前記再生制御部は、算出した前記早送り再生速度で前記予想運行再開時刻までに再生が完了しないと判断した場合、前記番組転送部に前記録画されたテレビジョン番組を前記携帯端末に転送させる、ことを特徴とする請求項1に記載の列車情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−23102(P2013−23102A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160579(P2011−160579)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】