説明

利き手の別にあわせた使用が出来る罫線を有する筆記用原紙

【課題】左利きが通常の罫線を有する用紙に文字を書く場合、書いた文字の上を左手部分にて紙面上をこすって動くことになり、書かれた文字を汚す。また、直前に書いた文字と手が重なり、文字が読めなくなることから、文章を構成する上で書いた文字を読むために頻繁に手を外さねばならない。このことから左利きの人が用紙や手を汚すことなく、自然な姿勢で筆記することが出来る筆記用原紙を提供する。
【解決手段】従来の水平罫線に、30度の右下がり罫線を加えた用紙を製作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてノート用原紙等の筆記用原紙や書籍用の原紙等に好適に適用される用紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手書きのメモを用紙に書く場合、用紙には、平行な水平罫線、及び場合によっては正方形 模様等の格子模様を形成するよう垂直な平行罫線が設けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−291564号公報(段落0004〜0006)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】実開平7−35064号公報(段落0013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、左利きがこの平行罫線に対して、左から右方向に文字等を書こうとした場合、書いた文字の上を左手部分にて紙面上をこすって動くことになり、書かれた文字を汚す、手を汚す事が度々あった。また、直前に書いた文字と手が重なり、文字が読めなくなることから、文章を構成する上で書いた文字を読むために頻繁に手を外さねばならなかった。そこで、用紙を斜めに配置する、姿勢を変える等、各人が工夫をしていた。しかしながら特に学校、塾等の机の上では、他の教科書等は平行においてある所に、用紙(ノート)のみ斜めに配置する事等、机上の配置上・スペース上、好ましくはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上のような問題に鑑みて、左利き用・右利き用の用紙・ノート・手帳等を提供するもので、筆記用の罫線を有する筆記用紙に対して平行な水平罫線と、当該水平罫線に対して、略25度から略35度の右下がり罫線を有し、望ましくは30度の右下がり罫線を有したことを特徴とする用紙、及び当該用紙を用いたルーズリーフ・レポート帳・ノート・手帳等を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
ワープロやパソコンが普及したからといって、文字を手書きすることが不要になることはあり得ない。特に学校等での授業の際、生徒・学生にとって、ノートへの筆記は全教科において不可欠である。左利きの生徒・学生にとって、ノート自身・手が綺麗な状態で文字が書ける様になれば、副次的に学習効果が高まる事が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明にかかる水平罫線および右下がり罫線を有する筆記用紙の表面図である。
【図2】図2は本発明の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
すなわち、本発明の用紙は、筆記用の罫線を有する筆記用紙において、用紙に対して平行な水平罫線と、当該水平罫線に対して、略25度から略35度の右下がり罫線を有し、望ましくは略30度の右下がり罫線を有したことを特徴とする用紙であり、右利き用にも左利き用にも対応できるものであり、又、略25度から略35度の右下がり罫線を有し、望ましくは略30度の右下がり罫線のみを有した用紙とすれば、左利き専用の用紙ともなりえる。更に用紙ホルダーに設けられた綴じ金具に着脱自在に綴じられたルーズリーフ用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙であることを特徴としたルーズリーフ用紙としたり、更に複数のレポート用紙を綴じて構成されるレポート帳であって、前記複数のレポート用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙であることを特徴とするレポート帳としたり、更に複数のレポート用紙を綴じて構成されるノートであって、前記複数のレポート用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙であることを特徴とするノートとしても提供する事ができる。
【0010】
右下がり罫線を有する筆記用紙を用い、罫線に沿って左利きが自然な姿勢で筆記を行うと、左手は筆記する文字の下を通って動くことになる。このことにより、書かれた文字を汚す、手を汚す事を防止する。また、ペンと左手の隙間より直前に筆記した文字が見えるため、文章の構成を考えるために左手を外し、文章を読む必要がなくなる。この結果、これまで上記のことを行うために行っていた不自然な姿勢をとる必要がなくなり、首および手首に負担がかからなくなる。
【実施例1】
【0011】
本発明を左利きの被験者2人、右利きの被験者2人に対して、以下のようにして試験を行なった。
【0012】
図2は800文字からなる文章を提示し、30度の右下がり罫線を有するB5サイズの筆記用紙へと書き写す行為を行った結果である。
【0013】
左利き、右利きの被験者とも自然な姿勢で筆記を行い、左利きにおいてはこれまでの筆記に比べ疲労が軽減されたとの回答を得た。右利きにおいては通常の筆記と変わらないとの回答を得た。
【0014】
左利きの被験者は文字が確認できるため、これまでの筆記に比べ連続した作業が行え、作業が行いやすかったとの回答を得た。右利きにおいては通常の筆記と変わらないとの回答を得た。
【符号の説明】
【0015】
1 用紙
2 水平罫線
3 右下がり罫線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記用の罫線を有する筆記用紙において、用紙に対して、略25度から略35度の右下がり罫線を有したことを特徴とする用紙。
【請求項2】
請求項1記載の用紙において、右下がり罫線が用紙に対して、略30度であることを特徴とした用紙。
【請求項3】
請求項1及び2記載の用紙において、用紙に対して平行な水平罫線を有したことを特徴とする用紙。
【請求項4】
用紙ホルダーに設けられた綴じ金具に着脱自在に綴じられたルーズリーフ用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙である事を特徴としたルーズリーフ用紙。
【請求項5】
複数のレポート用紙を綴じて構成されるレポート帳であって、前記複数のレポート用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙であることを特徴とするレポート帳。
【請求項6】
複数のレポート用紙を綴じて構成されるノートであって、前記複数のレポート用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙であることを特徴とするノート。
【請求項7】
複数の用紙を綴じて構成される手帳であって、前記複数の用紙が、請求項1から請求項3記載の用紙であることを特徴とする手帳。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121140(P2012−121140A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270991(P2010−270991)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(710013099)