説明

利得制御回路、FM受信機およびコンピュータプログラム

【課題】受信信号中の目的とする信号のノイズ成分の大きさに応じて再生音声の出力を絞ることができるFM受信機の利得制御回路を提供する。
【解決手段】ノイズレベル計測回路6プリアンプ5とで本発明の利得制御回路を構成している。ノイズレベル計測回路6は、FM検波器4から出力された音声信号Sa1中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号Scを出力する。プリアンプ5は、制御信号Scの値に応じて出力を低減する。本発明の利得制御回路を用いれば、受信電界強度が低下して音声信号Sa1中のノイズ成分が増えるに従ってスピーカの音量が小さくなるため、耳障りなノイズによる不快感を軽減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FM受信機で再生される音声の出力をノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路に関し、更には、この利得制御回路を備えたFM受信機、およびこの利得制御回路の機能を実現するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
FM受信機において、FM検波器で復調された音声信号は、アンテナに入力される電波が所定の電界強度以上であれば、パルス性ノイズやフェージング等の影響を受けることが少なく、S/N比の高い良質の音声出力が得られる。
【0003】
しかし、復調信号は受信電界強度に関係なく出力レベルが一定となるので、受信する電波が弱い(すなわち電界強度が小さい)ときには、復調される音声が小さくなる分、音声出力に大きなノイズが現れる。
【0004】
従来、この耳障りなノイズによる不快感を軽減する方法として、主に2つの方法が採用されていた(特許文献1参照)。
【0005】
第1の方法は、スケルチ回路によりスピーカから出力される音声を遮断する方法である(特許文献1の図4とその説明参照)。すなわち、検波された復調信号のノイズ成分だけをスケルチアンプで増幅して整流し、ノイズ成分が多いときには、スケルチスイッチを制御してプリアンプの出力をオフにして、スピーカから出力される音声を遮断して無音状態にする。
【0006】
第2の方法は、FM検波器の出力側に、電界強度検出手段とプリアンプとからなる利得制御回路を配置する方法である(特許文献1の図1とその説明参照)。すなわち、電界強度検出手段によって受信した電波の電界強度に応じた制御信号を生成し、その制御信号の強さに応じてプリアンプの出力を小さくすると、受信した電波の電界強度が小さいときはプリアンプの出力が小さくなり、再生音声のノイズレベルも電界強度に応じて低下していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】:特開平8−18468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の第1の方法を無線通信用のFM受信機に採用した場合、電波の伝播状態が悪かったり、通信する相手方と離れすぎたりして電波が弱いときは、スケルチを開放気味にする。このような場合、スケルチが動作するまでは、猛烈なノイズの中から目的の信号を聞かなければならなくなる弊害がある。
【0009】
また上述の第2の方法を採用した場合、受信信号中の目的とする信号の電界強度が高い場合だけでなく、目的とする信号の電界強度が低くノイズ成分が大きい場合も、ノイズ成分の電力が大きくなる影響で電界強度が高いと判断され、ノイズ成分を多く含む再生音声がスピーカから出力されてしまう。逆に、受信信号中の目的とする信号の電界強度が低い場合、ノイズ成分の大きさに関係なく、再生音声の出力を絞りすぎる弊害がある。
【0010】
本発明は上述したノイズによる不快感の軽減方法のうち利得制御回路を用いる第2の方法の改良に関するもので、目的とする信号のノイズ成分の大きさに応じて再生音声の出力を適切に絞ることができる利得制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本発明にかかる利得制御回路は、FM受信機で再生される音声の出力を、音声信号に含まれるノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路であって、
FM検波器から出力された音声信号中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号を出力するノイズレベル計測回路と、
前記制御信号の値に応じて出力を低減するプリアンプと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記ノイズレベル計測回路は、前記FM検波器から出力された音声信号からノイズ成分を取り出すフィルターと、前記フィルターの出力が所定の値を超えたときにパルスを出力するパルス発生器と、前記パルス発生器から出力されたパルス列を積分して前記制御信号を生成する積分器と、で構成されることが好ましい。
【0013】
前記FM検波器、プリアンプおよびノイズレベル計測回路はデジタル・シグナル・プロセッサにより構成され、それぞれの機能は、前記デジタル・シグナル・プロセッサでプログラムに基づいて演算を行うことにより実現されることが好ましい。
【0014】
前記プリアンプは、前記制御信号の値が大きくなるに従ってゲインが低下し、かつ前記制御信号が所定の閾値を超えたのちはゲインが一定になることが好ましい。また前記積分器は、入力端子に直列に接続された抵抗と、並行に接続されたコンデンサとで構成された積分回路と同様の特性を実現することが好ましい。
【0015】
また本発明にかかるFM受信機は、アンテナで受信した高周波信号から周波数変調された音声信号を取り出し、音声として再生するFM受信機であって、
前記アンテナで受信した高周波信号を局部発振信号と混合して中間周波信号に変換するミキサと、
前記ミキサから出力された中間周波信号を検波して音声信号を出力するFM検波器と、
前記FM検波器から出力された音声信号を音声として再生するスピーカと、
前記スピーカから再生される音声の出力を、音声信号に含まれるノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路と、を備え、
前記利得制御回路は、
前記FM検波器から出力された音声信号中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号を出力するノイズレベル計測回路と、
前記制御信号の値に応じて出力を低減するプリアンプと、で構成されることを特徴とする。
【0016】
また本発明にかかるコンピュータプログラムは、コンピュータを、FM受信機で再生される音声の出力を、音声信号に含まれるノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路として機能させるコンピュータプログラムであって、
FM検波器ら出力された音声信号中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号を出力するノイズレベル計測回路、および
前記制御信号の値に応じて出力の値を低減するプリアンプとしての機能を実現することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる利得制御回路では、受信信号中の目的とする信号の電界強度ではなく、復調信号中のノイズ成分の大きさに応じてプリアンプの出力を制御しており、再生音声の出力をノイズ成分の大きさに応じて適切に絞ることができるため、耳障りなノイズによる不快感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態にかかる利得制御回路を備えたFM受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】ノイズレベル計測回路の機能を説明するタイムチャートである。
【図3】積分回路の一例を示す回路図である。
【図4】プリアンプ5のゲイン制御曲線を示すグラフである。
【図5】本発明の利得制御回路を備えたFM受信機の入出力特性(a)および利得制御回路を備えていないFM受信機の入出力特性(b)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態にかかる利得制御回路を備えたFM受信機について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1に、本発明の実施の形態にかかるFM受信機の構成を示す。FM受信機は、アンテナで受信した高周波信号を中間周波信号に変換する前段、中間周波信号を周波数検波して音声信号に変換する中段、音声信号に各種の処理を施した後スピーカで再生する後段の3つのブロックに分けられる。図1には、このうち中段と、後段(音声信号をD/A変換した後スピーカで再生する部分を除く)の構成が示されている。
【0021】
FM受信機1の構成のうち図示しない前段における処理について簡単に説明する。アンテナで受信した高周波信号は局部発振信号と混合されてFM信号を含む中間周波信号に変換された後、デジタル・シグナル・プロセッサでの処理が可能となるようにA/Dコンバータでデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された中間周波信号は、演算を行う際の処理時間を確保するためにダウンサンプラでサンプリングレートが低減された後、図1のバンドパスフィルタ(以降「BPF」という)2に入力される。
【0022】
通常、ダウンサンプラによりサンプリングレートが96kHzから48kHzに低減され、これに合わせて中間周波数が36kHzから12kHzに変換される。
【0023】
<FM受信機の構成と動作>
次に、図1を参照して、FM受信機の中段と後段の構成と動作を説明する。FM受信機1は、BPF2、アンプ3、FM検波器4、プリアンプ5、ノイズレベル計測回路6、ハイパスフィルタ(以降、「HPF」という)7、音声処理回路8、アップサンプラ9(図では「↑U」と表示)、ローパスフィルタ(以降、「LPF」という)10、検波器11およびSメータ12を含む。これらのブロックのうちプリアンプ5とノイズレベル計測回路6とで本発明の利得制御回路を構成している。
【0024】
図1に示すブロックのうち、破線で示したSメータ12を除く各ブロックの機能はデジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processor、以降、「DSP」という)によって実現している。具体的には、デジタル信号に変換された中間周波信号Siは、図示しないFIFO(First-in First-out)バッファに順次取り込まれる。そしてDSPは、取り込んだ中間周波信号Siに対し、予め用意されたプログラムに基づいて演算を行うことにより、各ブロックに表示された機能を実現する。
【0025】
次に、図1に示した各ブロックの機能を説明する。中間周波数が12kHzに変換された中間周波信号SiはBPF2に入力される。BPF2は、後段のFM検波器4における周波数検波が適切に行われるように、中間周波信号Siの高域および低域の周波数をカットして、所定の帯域の成分のみを通過させる。
【0026】
アンプ3はAGC用のアンプであり、検波器11と共に内部AGC回路を構成している。検波器11は、図示しないスピーカから再生される音声のレベルを安定化させるために、FM検波器4から出力される音声信号Sa1を検波して、音声信号のレベルに応じた制御信号を生成し、その制御信号をアンプ3に入力してゲイン(利得)の調整を行っている。
【0027】
FM検波器4は、アンプ3の出力信号を周波数検波して音声信号Sa1を出力する。FM検波器4から出力された音声信号Sa1はプリアンプ5、ノイズレベル計測回路6および検波器11にそれぞれ入力される。
【0028】
なお、DSPに外付けされたSメータ12は受信信号の強度を表示するもので、音声信号Sa1を検波器11で検波した値が液晶ディスプレイ等に表示される。
【0029】
<利得制御回路の構成と動作>
次に、利得制御回路の構成と動作を説明する。前述したように、プリアンプ5とノイズレベル計測回路6とで本発明の利得制御回路を構成している。本発明では、ノイズレベル計測回路6において、FM検波された音声信号Sa1からノイズ成分を取り出し、取り出したノイズ成分の大きさに応じてプリアンプ5の出力を制御している。
【0030】
ノイズレベル計測回路6は、BPF61、パルス発生器62および積分器63で構成されている。図2のタイムチャートを参照し、ノイズレベル計測回路6の機能について具体的に説明する。
【0031】
BPF61は、FM検波器4から出力された音声信号Sa1のうち、主としてノイズ成分が含まれる帯域の信号成分を取り出すものである。本実施の形態では、BPF61として低域遮断周波数4.3kHz、高域遮断周波数8kHzのBPFを用いた。
【0032】
パルス発生器62は、BPF61の出力の絶対値が所定の値を超えたときに所定の時間間隔でパルスを発生するものである。図2(a)にパルス発生器62から出力されるパルス列の一例を示す。
【0033】
受信した電波が弱い(電界強度が小さい)ときには、FM検波器4から出力される音声信号Sa1のノイズレベルが大きくなるため、図2(a)に示すように、パルスが連続的に発生する。パルス発生器62で発生したパルス列は積分器63で積分されて制御信号Scとなり、プリアンプ5に入力される。
【0034】
積分器63として、図3に示した積分回路、すなわち入力端子(IN)に対して抵抗Rが直列に接続され、コンデンサCが並列に接続された積分回路と同様の特性を実現した場合、図2(a)のパルス列に対し図2(b)に示した形状の制御信号Scが得られる。
【0035】
制御信号Scの値すなわち積分器63の出力値は、積分器63の演算の際のパラメータを変えることにより調整できる。パラメータの調整は、FM受信機1の表面パネルに図示しないツマミを設け、そのツマミを回すことにより行う。また、調整モードを設け、調整過程でメインダイアルを回して設定するなどしてもよい。
【0036】
積分器63として、図3に示した積分回路と同様の特性を実現した場合、ツマミにより可変コンデンサCの容量を変える場合と同様の感覚で制御信号の調整を行うことができるため、DSPを用いて調整を行う場合の違和感を取り除くことができる。
【0037】
図4にプリアンプ5のゲイン制御曲線を示す。横軸にノイズレベル計測回路6で計測されたノイズレベル(相対値)を示し、縦軸にプリアンプ5のゲイン倍率を示す。プリアンプ5のゲイン制御曲線は、ノイズレベルが大きくなるに従ってゲイン倍率が小さくなるように設定されている。従って、音声信号中のノイズ成分が増えるに従ってスピーカの音量が小さくなるため、耳障りなノイズが気にならなくなる。
【0038】
図4に示したプリアンプ5のゲイン制御曲線では、ノイズレベルが閾値である0.4を超えると、プリアンプ5のゲイン倍率は一定に保たれている。破線に示すように、ノイズレベルが大きくなるに従ってプリアンプ5のゲイン倍率を小さくすると、ノイズレベルが大きくなった場合、スピーカの音量が小さくなって無音状態となる。この場合、FM受信機の使用者は、無音状態の原因が、FM受信機が故障したためであるか、ノイズ成分が増えたためであるか判断がつかず、混乱が生じる可能性がある。
【0039】
これに対し、図4のゲイン制御曲線に示すように、ノイズレベルが所定の値を超えた場合にアンプのゲイン倍率を一定にすれば、音量は小さくても、常にスピーカから音声がでているため、FM受信機が故障した場合と区別できる。
【0040】
図5に、利得制御回路を備えた本実施の形態のFM受信機1の入出力特性(a)と、利得制御回路を備えていないFM受信機の入出力特性(b)とを比較して示す。各図中、横軸はBPF2へ入力される中間周波信号Siのレベル、すなわち受信電界強度に対応した値を示し、縦軸はプリアンプ5から出力される音声信号Sa2の強さ(相対値)を示す。
【0041】
図5(b)に示すように、利得制御回路を備えていないFM受信機では、目的とする信号の入力レベルが低下(すなわち受信電界強度が低下)するにしたがって音声信号の出力が大きくなっているが、これは出力信号中に含まれるノイズが増えるためである。よって、ノイズが強調された非常に耳障りな音声がスピーカから再生されることになる。
【0042】
これに対し、図5(a)に示すように、本実施の形態のFM受信機1では、入力レベルが低下(すなわち受信電界強度が低下)して、受信信号中の目的とする信号のノイズレベルが上がると、音声信号の出力が小さくなる理想的な曲線を描いている。すなわち、受信電界強度が低下して音声信号中のノイズ成分が増えるに従ってスピーカの音量が小さくなるため、耳障りなノイズによる不快感を軽減できる。
【0043】
なお、ノイズレベル計測回路6の構成は図1に示したものに限定されない。FM検波器4から出力された音声信号Sa1中のノイズレベルを計測してプリアンプ5の制御信号を生成できるものであれば、どのような構成を採用してもよい。
【0044】
<FM受信機(後段)の構成と動作>
図1の説明に戻って、FM受信機1の後段のブロックの構成と動作を説明する。プリアンプ5でノイズ成分に応じて出力が調整された音声信号Sa2は、HPF7に入力する。HPF7は、音声信号とはみなされない低域の成分を減衰させるもので、本実施の形態では、低域遮断周波数が200HzのHPFを用いた。
【0045】
HPF7により低域成分が取り除かれた音声信号Sa2は音声処理回路8に入力して、音声を再生するために必要となる各種の処理が施される。
【0046】
音声処理回路8から出力された音声信号Sa2は、アップサンプラ9に入力してサンプリングレートが48kHzから96kHzに変換され、音声信号Sa3となる。音声信号Sa3は、その後、図示しないD/Aコンバータでアナログ信号に変換されるが、D/Aコンバータはサンプリングレートが96kHzで設計されているため、アップサンプラ9で当初のサンプリングレートに戻される。
【0047】
アップサンプラ9から出力された音声信号Sa3は、滑らかな音声を再生するため、LPF10で高域成分がカットされる。本実施の形態ではLPF10の高域遮断周波数は3.5kHzに設定されている。
【0048】
LPF10から出力された音声信号Sa3は、D/Aコンバータ(図示せず)でアナログ信号に変換され、メインアンプ(同)で増幅された後、スピーカ(同)から音声として再生される。
【0049】
以上説明したように本発明の利得制御回路では、受信信号中の目的とする信号の電界強度ではなく、復調された音声信号中のノイズ成分の大きさに応じてプリアンプの出力を制御しているため、再生音声の出力をノイズの大きさに応じて適切に絞ることができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、利得制御回路の機能を、DSPでプログラムに基づいて演算を行うことにより実現したが、コンピュータ上でプログラムを実行することにより、これらの機能を実現してもよい。更には、個別のアンプやBPF、積分器等を組み合わせた回路で実現してもよいことは云うまでもない。
【0051】
また、本実施の形態の利得制御回路の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録媒体(例えばDVD−ROM)に記録して配布したり、ネットワークで配信したりしてもよい。このコンピュータプログラムは、コンピュータの記録媒体に記録されインストールされる。
【符号の説明】
【0052】
1 FM受信機
2、61 BPF
3 アンプ
4 FM検波器
5 プリアンプ
6 ノイズレベル計測回路
7 HPF
8 音声処理回路
9 アップサンプラ
10 LPF
11 検波器
12 Sメータ
62 パルス発生器
63 積分器
R 抵抗
C コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FM受信機で再生される音声の出力を、音声信号に含まれるノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路であって、
FM検波器から出力された音声信号中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号を出力するノイズレベル計測回路と、
前記制御信号の値に応じて出力を低減するプリアンプと、を備えたことを特徴とする利得制御回路。
【請求項2】
前記ノイズレベル計測回路は、
前記FM検波器から出力された音声信号からノイズ成分を取り出すフィルターと、
前記フィルターの出力が所定の値を超えたときにパルスを出力するパルス発生器と、
前記パルス発生器から出力されたパルス列を積分して前記制御信号を生成する積分器と、で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の利得制御回路。
【請求項3】
前記FM検波器、プリアンプおよびノイズレベル計測回路はデジタル・シグナル・プロセッサにより構成され、それぞれの機能は、前記デジタル・シグナル・プロセッサでプログラムに基づいて演算を行うことにより実現されることを特徴とする、請求項1または2に記載の利得制御回路。
【請求項4】
前記プリアンプは、前記制御信号の値が大きくなるに従ってゲインが低下し、かつ前記制御信号が所定の閾値を超えたのちはゲインが一定になることを特徴とする、請求項3に記載の利得制御回路。
【請求項5】
前記積分器は、入力端子に直列に接続された抵抗と、並行に接続されたコンデンサとで構成された積分回路と同様の特性を実現することを特徴とする、請求項3に記載の利得制御回路。
【請求項6】
アンテナで受信した高周波信号から周波数変調された音声信号を取り出し、音声として再生するFM受信機であって、
前記アンテナで受信した高周波信号を局部発振信号と混合して中間周波信号に変換するミキサと、
前記ミキサから出力された中間周波信号を検波して音声信号を出力するFM検波器と、
前記FM検波器から出力された音声信号を音声として再生するスピーカと、
前記スピーカから再生される音声の出力を、音声信号に含まれるノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路と、を備え、
前記利得制御回路は、
前記FM検波器から出力された音声信号中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号を出力するノイズレベル計測回路と、
前記制御信号の値に応じて出力を低減するプリアンプと、で構成されることを特徴とするFM受信機。
【請求項7】
コンピュータを、FM受信機で再生される音声の出力を、音声信号に含まれるノイズ成分の大きさに応じて制御する利得制御回路として機能させるコンピュータプログラムであって、
FM検波器ら出力された音声信号中のノイズレベルを計測し、そのノイズレベルに対応した制御信号を出力するノイズレベル計測回路、および
前記制御信号の値に応じて出力の値を低減するプリアンプとしての機能を実現することを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−74554(P2013−74554A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213639(P2011−213639)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】