説明

利用金額算出装置、方法、プログラム及びシステム

【課題】利用者が利用するタイミングが利用者間で異なる場合でも、利用者が支払うべき金額を公平に算出する。
【解決手段】利用金額算出装置10は、利用者を識別する識別情報と利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部11b、利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部11c、利用者の人数が変化した第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までに発生した金額を算出する第1の金額算出部11d、算出した金額と利用者の人数とから利用者に課せられる金額を算出する第2の金額算出部11eを備え、第2の金額算出部11eは、利用者が支払うべき金額に、利用者に課せられる金額を加算し、利用金額情報記録部11cは、利用者が利用を終了するまで利用金額情報をメモリに記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用金額算出装置、方法、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両を複数の利用者で利用した場合に、車両の走行によって使用されたガソリンの消費量に相当する金額を算出し、算出した金額を、利用者の人数で分割することにより、利用者1人当たりが支払うべきガソリン代を算出する利用金額算出装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、利用者が支払うべき金額を負担する比率を利用者毎に設定し、車両の走行によって使用されたガソリンの消費量に相当する金額と、設定した比率とに基づいて、利用者が支払うべきガソリン代を利用者毎に算出する利用金額算出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−312391号公報
【特許文献2】特開2004−13842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に開示された利用金額算出装置では、利用者が車両を利用するタイミングを考慮しないで利用者が支払うべき金額が算出されている。そのため、利用者が利用するタイミングが利用者間で異なる場合に、利用者が支払うべき金額が公平に算出されていない、という問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、利用者が利用するタイミングが利用者間で異なる場合でも、利用者が支払うべき金額を公平に算出する、利用金額算出装置、方法、プログラム及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る利用金額算出装置は、
乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部と、
前記利用金額情報生成部が生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部と、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出部と、
前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出部と、を備え、
前記第2の金額算出部は、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録部は、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録することを特徴とする。
【0008】
前記第1の金額算出部は、前記識別情報取得部が、前記メモリに記録された前記利用金額情報が有する前記識別情報以外の新たな識別情報を取得した場合に前記乗り物を利用する利用者の人数が変化すると判別しても良い。
【0009】
前記識別情報取得部は、前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付け、前記第1の金額算出部は、前記識別情報取得部が前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付けたときに前記乗り物を利用する利用者の人数が変化すると判別しても良い。
【0010】
前記識別情報取得部が前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付けたときに、前記第2の金額算出部によって更新された前記金額情報と前記識別情報とを含む精算情報を所定の携帯機器に送信する制御を行う精算部を備えても良い。
【0011】
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が乗り物の利用を開始してから終了するまでの履歴を表す履歴情報とを有する利用履歴情報を生成する利用履歴情報生成部と、前記利用履歴情報生成部が生成した前記利用履歴情報をメモリに記録する利用履歴情報記録部と、を備え、前記利用履歴情報記録部は、前記第1の金額算出部によって前記利用者の人数が変化すると判別された場合に、前記メモリに記録された前記利用履歴情報が有する前記履歴情報に、前記利用者の人数が変化した第1の時点から前記利用者の人数が変化すると判別した第2の時点までの間で得られる所定の情報を含ませることで前記履歴情報を更新し、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用履歴情報を前記メモリに記録しても良い。
【0012】
前記識別情報取得部が前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付けたときに、前記利用履歴情報記録部は、受け付けた前記識別情報を有する前記利用履歴情報を前記メモリから読み出し、前記精算部は、前記利用履歴情報記録部が読み出した前記利用履歴情報に含まれる前記履歴情報と、前記第2の金額算出部によって更新された前記金額情報と前記識別情報とを含む精算情報を所定の携帯機器に送信しても良い。
【0013】
前記第2の金額算出部は、前記利用者が支払うべき金額を負担する比率の設定を受け付け、前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、設定された前記比率とに基づいて、前記利用者に課せられる金額を利用者毎に算出しても良い。
【0014】
本発明の第2の観点に係る利用金額算出方法は、
乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成ステップと、
前記利用金額情報生成ステップで生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録ステップと、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出ステップと、
前記第1の金額算出ステップで算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出ステップと、を有し、
前記第2の金額算出ステップでは、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録ステップでは、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録することを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部、
前記利用金額情報生成部が生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出部、及び
前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出部、として機能させ、
前記第2の金額算出部は、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録部は、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録することを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の観点に係る利用金額算出システムは、
携帯機器と、
前記携帯機器から送信された乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部、
前記利用金額情報生成部が生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出部、及び
前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出部を備えた利用金額算出装置と、を備え、
前記第2の金額算出部は、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録部は、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者が利用するタイミングが利用者間で異なる場合でも、利用者が支払うべき金額を公平に算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る利用金額算出システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した利用金額算出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る利用金額情報の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る精算情報の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る利用金額算出装置が実行する利用金額算出処理のフローチャートを示す図である。
【図6】図5の利用金額算出処理に含まれる初期設定処理のフローチャートを示す図である。
【図7】図5の利用金額算出処理に含まれる乗車処理のフローチャートを示す図である。
【図8】図5の利用金額算出処理に含まれる降車処理のフローチャートを示す図である。
【図9】図5の利用金額算出処理に含まれる精算情報消去処理のフローチャートを示す図である。
【図10】複数の利用者がそれぞれ異なる位置で乗車及び降車する例を示す図である。
【図11】(a)〜(d)のそれぞれは、利用者の人数が変化するタイミングで更新される金額情報とガソリン消費量とを示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る利用金額算出装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る利用履歴情報の構成を示す図である。
【図14】図13の利用履歴情報に含まれる履歴情報の構成を示す図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る精算情報の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
はじめに、図1を参照して、本実施形態に係る利用金額算出システム1の構成を説明する。利用金額算出システム1は、利用金額算出装置10と、携帯機器である携帯電話20とを備える。
【0021】
利用金額算出装置10は、車両に設置されたカーナビゲーション装置の一部を構成する装置である。また、利用金額算出装置10は、車両を利用した利用者が支払うべき金額を利用者毎に記録する装置である。なお、利用者が支払うべき金額として、以下の説明では、車両の走行によって使用される燃料(ガソリン)の量に相当するガソリン代を例に説明する。
【0022】
一方、携帯電話20は、車両を利用する利用者が所有する電話である。利用者は、利用を開始するときと終了するときに、自身が所有する携帯電話20を操作して利用金額算出装置10との間で近距離通信を行わせて利用金額算出システム1を利用する。なお、近距離通信として、以下の説明では、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)通信を例に説明する。なお、携帯電話20の電話機能については本発明に関与しないので、携帯電話の代わりに他の携帯無線端末を用いることも可能である。
【0023】
つづいて図2を参照して、図1に示した利用金額算出装置10の構成を説明する。利用金額算出装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、操作部14と、表示部15と、移動情報取得部16とを備える。
【0024】
制御部11は、利用金額算出装置10全体を制御する。制御部11は、物理的には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、CPUのメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、タイマ等によって構成される。なお、制御部11は、一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用回路によって構成されてもよい。
【0025】
また、制御部11は、機能的には、識別情報取得部11aと、利用金額情報生成部11bと、利用金額情報記録部11cと、第1の金額算出部11dと、第2の金額算出部11eと、精算部11fとを備える。各部11a〜11fは、制御部11がプログラム記憶部12aに記録された「利用金額算出プログラム」を実行することにより機能する。
【0026】
識別情報取得部11aは、車両の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する。識別情報には、例えば、利用者が所有する携帯電話20に記録されたプロフィール情報の一部である氏名や携帯電話の電話番号等がある。識別情報は、識別情報取得部11aが通信部13を制御することにより、携帯電話20から取得する情報である。また、識別情報取得部11aは、通信部13や操作部14を介して、車両の利用を終了する指示を識別情報とともに受け付け、これによって車両の利用を終了する利用者を特定する。
【0027】
利用金額情報生成部11bは、識別情報取得部11aが取得した識別情報を基に利用金額情報を生成する。
【0028】
利用金額情報記録部11cは、利用金額情報生成部11bが生成した利用金額情報を後述する利用金額情報記憶部12bに記録する。
【0029】
利用金額情報記憶部12bに記録される利用金額情報は、図3に示すように、識別情報と金額情報とを有する。識別情報は、識別情報取得部11aが取得した情報である。一方、金額情報は、車両を利用した利用者が支払うべき金額、例えばガソリン代を表す。金額情報は、識別情報取得部11aが識別情報を取得したときに利用金額情報生成部11bによって生成される。なお、金額情報が生成されたときの金額情報により表される金額は初期値として「0円」が設定される。
【0030】
第1の金額算出部11dは、利用者の人数が変化するタイミングで、利用者の人数が変化した第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までのガソリン代を算出する。利用者の人数が変化するタイミングは、新たな利用者が乗車するときや乗車していた利用者が降車するときである。
【0031】
具体的には、第1の金額算出部11dは、識別情報取得部11aが、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報以外の新たな識別情報を取得した場合に、車両を利用する利用者の人数が増える(変化する)と判別する。また、第1の金額算出部11dは、識別情報取得部11aが、車両の利用を終了する指示を識別情報とともに受け付けたときに、車両を利用する利用者の人数が減る(変化する)と判別する。これらの場合に、第1の金額算出部11dは、利用者の人数が変化した第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までのガソリン代を算出する。
【0032】
ガソリン代は、利用者によって入力される単位容量当たりのガソリン代(例えば100円/L)と、第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までの間で使用されたガソリンの消費量(燃料噴射量)とによって算出される。第1の金額算出部11dは、通信部13または操作部14を介して取得する利用者が入力した単位容量当たりのガソリン代を一時記憶する。また、第1の金額算出部11dは、移動情報取得部16においてカウントされるガソリンの消費量を、ガソリン代を算出する毎に、移動情報取得部16から取得するとともに、このガソリンの消費量を次回のガソリン代の算出のために一時記憶する。
【0033】
第2の金額算出部11eは、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報の数を基に利用者の人数を特定する。第2の金額算出部11eは、第1の金額算出部11dが算出した金額と特定した人数とから、利用者に課せられるガソリン代を利用者毎に算出する。
【0034】
第2の金額算出部11eは、算出した利用者に課せられるガソリン代を、利用金額情報記憶部12bに記録された金額情報により表される利用者が支払うべき金額に加算することで金額情報を更新する。第2の金額算出部11eは、車両を利用する利用者の人数が変化するタイミングで利用金額情報記憶部12bに記録された金額情報を更新する。
【0035】
精算部11fは、識別情報取得部11aが車両の利用を終了する指示を受け付けたときに、その指示とともに受け付けた識別情報を有する利用金額情報を精算情報として精算情報記憶部12cに記録する。精算情報記憶部12cに記録される精算情報は、図4に示すように識別情報と金額情報とを有する。金額情報は、第2の金額算出部11eによって最後に更新されたものであり、利用者が支払うべきガソリン代を表す。つまり、このガソリン代が利用者の精算金額となる。また、精算部11fは、精算情報に含まれる識別情報を基に利用を終了した利用者の携帯電話、予め設定された利用者(例えば会計担当者)の携帯電話に精算情報を送信する。
【0036】
記憶部12は、制御部11が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、制御部11が各種処理を行うことにより生成又は取得した各種データを記憶する。なお、記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成される。
【0037】
また、記憶部12は、プログラム記憶部12aと、利用金額情報記憶部12bと、精算情報記憶部12cとを備える。
【0038】
プログラム記憶部12aには、利用金額算出プログラムを含む各種プログラムが記録されている。
【0039】
利用金額情報記憶部12bは、利用金額情報記録部11cによって記録される利用金額情報を記憶する。
【0040】
精算情報記憶部12cは、精算部11fによって記録される精算情報を記憶する。
【0041】
通信部13は、制御部11(各部11a〜11fを含む)の制御のもと、所定の範囲に存在する携帯電話20とブルートゥース通信を行う。通信部13は、ブルートゥース通信ができる状態の携帯電話20を検索し、検出された携帯電話20から識別情報を受信する。通信部13は、ブルートゥース通信機能を備えた通信装置によって構成される。
【0042】
操作部14は、利用者の各種操作を受け付ける。操作部14は、受け付けた各種操作にそれぞれ対応する操作信号を制御部11に供給する。操作部14は、例えば、複数の操作ボタンを含むユーザインタフェース装置によって構成される。
【0043】
表示部15は、制御部11から供給される各種画像データに基づいて各種画像を画面に表示する。表示部15は、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等によって構成される。
【0044】
なお、操作部14と表示部15とは、タッチパネルによって構成されても良い。タッチパネルは、所定の操作を受け付ける画面を表示すると共に、利用者が画面に接触した位置に対応する操作信号を制御部11に供給する。
【0045】
移動情報取得部16は、制御部11の制御のもと、ガソリンの消費量をカウントする。移動情報取得部16は、エンジン制御装置31からガソリンの噴射量に応じて供給される噴射パルス信号(インジェクタ信号)を基にガソリンの消費量をカウントする。
【0046】
次に、図2に示した利用金額算出装置10が実行する利用金額算出処理を、図5を参照して説明する。カーナビゲーション装置の電源がオンになっているときに表示部15の画面には複数の項目(目的地を設定する項目、現在地を表示する項目、電話番号を検索する項目等)が表示され、その中に「利用金額算出開始」を示す項目が含まれる。利用金額算出プログラムは、操作部14が操作されて「利用金額」を示す項目が選択されたときに、制御部11によって記憶部12から読み出されて実行される。これにより、制御部11は、識別情報取得部11a、利用金額情報生成部11b、利用金額情報記録部11c、第1の金額算出部11d、第2の金額算出部11e、精算部11fとして機能し、各部11a〜11fは、以下の処理を行う。また、利用金額算出プログラムが実行されているときには、表示部15の画面に「利用金額算出終了」を示す項目が表示される。実行中の利用金額算出プログラムは、操作部14が操作されて「利用金額算出終了」を示す項目が選択されたときに、制御部11によって終了される。
【0047】
はじめに、識別情報取得部11aは、初期設定処理を行う(ステップS11)。
【0048】
図6を参照して、図5のステップS11に示した初期設定処理を説明する。識別情報取得部11aは、表示部15の画面に利用金額算出装置10と携帯電話20との通信を促すように、例えば、「ブルートゥース通信の待ち受け状態に設定して下さい」というメッセージを表示する制御を行う(ステップS111)。例えば、図10に示すように、ここでは、最初に車両に乗車した人物が利用者Aのみであったとする。利用者Aが「利用金額」を示す項目を選択したとき、利用者Aは、表示部15の画面に表示されるメッセージを確認した後、自身の携帯電話20をブルートゥース通信の待ち受け状態に設定する。
【0049】
識別情報取得部11aは、通信部13を制御して、所定の距離内にある携帯電話20を通信部13に検索させる。通信部13は、識別情報取得部11aの制御のもと、ブルートゥース通信ができる状態の携帯電話20を検出すると、検出した携帯電話20に、利用者の氏名や携帯電話の電話番号(識別情報)を要求する。その後、利用金額情報生成部11aは、検出した携帯電話20から識別情報を取得するまで待機状態となる(ステップS112;NO)。
【0050】
識別情報取得部11aによって識別情報が要求された携帯電話20は、識別情報を送信する。例えば表示部の画面には、「氏名、携帯電話の電話番号を送信してください」というメッセージが表示される。このメッセージを確認した利用者Aは、携帯電話20に記録された自身のプロフィール情報を読み出し、読み出したプロフィール情報の一部である氏名や携帯電話の電話番号を選択し、選択した氏名や携帯電話の電話番号について送信する操作を行う。この操作にしたがって、携帯電話20は、氏名や携帯電話の電話番号(識別情報)を利用金額算出装置10に送信する。なお、この動作を利用者Aの操作をすることなく自動で行うようにしてもよい。これにより、利用金額算出装置10の通信部13は、携帯電話20から識別情報を受信し、受信した識別情報を識別情報取得部11aに供給する。識別情報取得部11aは、通信部13から識別情報を受け取り、識別情報を取得したと判別する(ステップS112;YES)。
【0051】
利用金額情報生成部11bは、識別情報取得部11aが識別情報を取得したことに従って利用者Aが支払うべきガソリン代を表す金額情報を生成し、識別情報と金額情報とを有する利用金額情報を生成する(ステップS113)。なお、この時点での金額情報により表される利用者Aが支払うべき金額は「0円」である。
【0052】
利用金額情報記録部11cは、利用金額情報生成部11bが生成した利用金額情報を利用金額情報記憶部12bに記録する(ステップS114)。また、識別情報取得部11aは、ステップS112で取得した識別情報の他に識別情報を取得しているか否かを判別する(ステップS115)。つまり、識別情報取得部11aは、利用者が他にいるか否かを判別する。識別情報取得部11aは、識別情報を他に取得していると判別した場合(ステップS115;YES)、ステップS113に戻り、上記と同様の処理を行い、他の利用者の利用金額情報を生成して記録する。一方、識別情報取得部11aは、識別情報を他に取得していないと判別した場合(ステップS115;NO)、ステップS116に進む。なお、ここでは、最初に車両に乗車した人物は利用者Aのみであるため、利用金額情報生成部11aは、他の識別情報を取得していないと判別してステップS116に進む。
【0053】
ステップS116では、第1の金額算出部11dは、単位容量当たりのガソリン代が入力されたか否かを判別する(ステップS116)。利用者は、例えば、表示部15の画面に表示される「単位容量当たりのガソリン代を入力して下さい」というメッセージを確認した後、操作部14または自身の携帯電話20を用いて単位容量当たりのガソリン代(例えば100円/リットル)を入力する操作を行う。第1の金額算出部11dは、単位容量当たりのガソリン代が入力されたと判別し(ステップS116;YES)、入力されたガソリン代を一時記憶する。
【0054】
また、第1の金額算出部11dは、移動情報取得部16を制御し、移動情報取得部16にガソリンの消費量のカウントを開始させる。第1の金額算出部11dは、移動情報取得部16がカウントを開始したときのカウント値(ガソリンの消費量)「0(L)」を一時記憶する。以上により、初期設定処理は終了する。
【0055】
図5に戻り、ステップS11の初期設定処理を行った後、第1の金額算出部11dは、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報以外の新たな識別情報を識別情報取得部11aが取得したか否かを判別する(ステップS12)。第1の金額算出部11dは、識別情報取得部11aが新たな識別情報を取得したと判別した場合は(ステップS12;YES)、乗車処理を行う(ステップS15)。つまり、車両を利用する利用者が新たに乗車して利用者の人数が増える場合に、第1の金額算出部11dは乗車処理を行う。
【0056】
例えば、図10に示すように、利用者Aが車両に乗車してから(利用を開始してから)10km走行後に利用者Bが乗車したものとする(図10の(a)の時点)。識別情報取得部11aは、利用者Bが所有する携帯電話20から利用者Bの氏名や携帯電話の電話番号(識別情報)を取得した場合にステップS15の乗車処理を行う。
【0057】
以下、図7を参照して、図5のステップS15に示した乗車処理を説明する。第1の金額算出部11dは、利用者の人数が変化した第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までのガソリン代(金額)を算出する(ステップS151)。第1の金額算出部11dは、第2の時点(現時点)のガソリンの消費量を表すカウント値(ここでは「1(L)」とする)を移動情報取得部16から取得し、取得したカウント値と一時記憶している第1の時点のカウント値(「0(L)」)との差分を求めることにより、第1の時点から第2の時点までの間で使用されたガソリンの消費量(1(L))を取得する。第1の金額算出部11dは、取得したガソリンの消費量(1(L))に、一時記憶している単位容量当たりのガソリン代(100円/L)を乗じることにより、第1の時点から第2の時点までのガソリン代(100円)を算出する。なお、このとき、第1の金額算出部11dは、移動情報取得部16から取得した第2の時点(現時点)のガソリンの消費量を表すカウント値を、図11(a)に示すように、次回のガソリン代の算出のために一時記憶する。
【0058】
第2の金額算出部11eは、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報の数を基に利用者の人数を特定する(ステップS152)。ここでは、利用者Bを識別する識別情報を取得した時点で、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報の数は「1」であるため、第2の金額算出部11eは、利用者の人数は1人であると特定する。
【0059】
第2の金額算出部11eは、第1の金額算出部11dが算出した金額を特定した利用者の人数で分割することにより、利用者1人当たりに課せられるガソリン代を算出する(ステップS153)。ここでは、特定した利用者の人数が1人であり、第1の金額算出部11dが算出した金額が100円なので、利用者1人当たりに課せられるガソリン代は、100円(100÷1)と算出される。
【0060】
第2の金額算出部11eは、算出した利用者1人当たりに課せられるガソリン代を、金額情報により表される利用者が支払うべき金額に加算することで金額情報を更新する。ここでは、利用金額情報記憶部12bに記録された利用者Aが支払うべきガソリン代が、図11(a)に示すように、第1の時点(初期設定時)の「0円」から「100円」に更新される。
【0061】
その後、利用金額情報生成部11bは、識別情報取得部11aが新たに取得した利用者Bを識別する識別情報を基に利用者Bが支払うべきガソリン代を表す金額情報を生成し、利用者Bに対応する利用金額情報を生成する(ステップS155)。なお、金額情報により表される利用者Bが支払うべき金額は初期値として「0円」が設定される。
【0062】
利用金額情報記録部11cは、利用金額情報生成部11bが生成した利用金額情報を利用金額情報記憶部12bに記録する(ステップ156)。以上により、乗車処理は終了し、その後、図5のステップS12に戻る。
【0063】
なお、図10に示すように、利用者Bが乗車してから10km走行後に利用者Cが乗車した時(図10の(b)の時点)、利用者Cが乗車してから10km走行後に利用者Dが乗車した時(図10の(c)の時点)にも、上記と同様の乗車処理が行われる。そして、乗車処理が行われる毎に、図11(b)及び(c)に示すように金額情報は更新される。また、利用金額情報記憶部12bには、それぞれ乗車した利用者に対応する利用金額情報が記録される。
【0064】
図5に戻り、ステップS12において、第1の金額算出部11dは、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報以外の新たな識別情報を取得していないと判別した場合は(ステップS12;NO)、車両の利用を終了する指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS13)。第1の金額算出部11dは、車両の利用を終了する指示を受け付けたと判別した場合は(ステップS13;YES)、降車処理を行う(ステップS16)。つまり、車両を利用していた利用者の何れかが降車して利用者の人数が減る場合に、第1の金額算出部11dは降車処理を行う。
【0065】
例えば、図10に示すように、利用者Dが車両に乗車してから(利用を開始してから)50km走行後に利用者Dが降車するものとする(図10の(d)の時点)。識別情報取得部11aは、利用者Dが所有する携帯電話20または操作部14から車両の利用を終了する指示とともに利用者Dの氏名や携帯電話の電話番号(識別情報)を取得した(受け付けた)場合にステップS16の降車処理を行う。
【0066】
以下、図8を参照して、図5のステップS16に示した降車処理を説明する。第1の金額算出部11dは、上記乗車処理と同様に、利用者の人数が変化した第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までのガソリン代(金額)を算出する(ステップS161)。ここでは、利用者の人数が変化した第1の時点は、利用者Dが乗車した時点である(図10の(c)の時点)。第1の金額算出部11dは、第2の時点(現時点)のガソリンの消費量を表すカウント値(ここでは「8(L)」とする)を移動情報取得部16から取得し、取得したカウント値と一時記憶している第1の時点のカウント値(ここでは「3(L)」とする)との差分を求めることにより、第1の時点から第2の時点までの間で使用されたガソリンの消費量(5(L))を取得する。第1の金額算出部11dは、取得したガソリンの消費量(5(L))に、一時記憶している単位容量当たりのガソリン代(100円/L)を乗じることにより、第1の時点から第2の時点までのガソリン代(500円)を算出する。なお、このとき、第1の金額算出部11dは、移動情報取得部16から取得した第2の時点(現時点)のガソリンの消費量を表すカウント値を、図11(d)に示すように、次回のガソリン代の算出のために一時記憶する。
【0067】
第2の金額算出部11eは、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報の数を基に利用者の人数を特定する(ステップS162)。ここでは、利用者Dの車両の利用を終了する指示を受け付けた時点で、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報の数は「4」であるため、第2の金額算出部11eは、利用者の人数は4人(利用者A、利用者B、利用者C及び利用者D)であると特定する。
【0068】
第2の金額算出部11eは、第1の金額算出部11dが算出した金額を特定した利用者の人数で分割することにより、利用者1人当たりに課せられるガソリン代を算出する(ステップS163)。ここでは、特定した利用者の人数が4人であり、第1の金額算出部11dが算出した金額が500円なので、利用者1人当たりに課せられるガソリン代は、125円(500÷4)と算出される。
【0069】
第2の金額算出部11eは、算出した利用者1人当たりに課せられるガソリン代を、金額情報により表される利用者が支払うべき金額に加算することで金額情報を更新する(ステップS164)。ここでは、図11(d)に示すように、利用者Aのガソリン代は、第1の時点(図10の(c)の時点)の「184円」から「309円」に更新される。また、利用者Bのガソリン代は、「84円」から「209円」に更新される。また、利用者Cのガソリン代は、「34円」から「159円」に更新される。また、利用者Dのガソリン代は、「0円」から「125円」に更新される。
【0070】
その後、精算部11fは、識別情報取得部11aが利用を終了する指示とともに受け付けた利用者Dを識別する識別情報を基に利用者Dに対応する利用金額情報を精算情報とし、この精算情報を精算情報記憶部12cに記録する(ステップS165)。また、精算部11fは、利用金額情報記憶部12bに記録された利用者Dに対応する利用金額情報を利用金額情報記憶部12bから消去する。つまり、利用を終了する利用者Dに対応する利用金額情報は、以後の利用金額算出処理では用いられない。
【0071】
精算部11fは、精算情報に含まれる識別情報を基に利用を終了した利用者Dの携帯電話20、及び、予め設定された利用者(例えば会計担当者)の携帯電話20に精算情報を送信する制御を行う(ステップS166)。以上により、降車処理は終了し、その後、図5のステップS12に戻る。
【0072】
なお、図10に示すように、利用者Dが降車してから10km走行後に利用者B及びCが降車する時(図10の(e)の時点)、利用者B及びCが降車してから10km走行後に利用者Aが降車する時(図10の(f)の時点)にも、上記と同様の降車処理が行われる。そして、降車処理が行われる毎に金額情報は更新される。また、精算情報記憶部12cには、それぞれ降車する指示を行った(利用を終了する)利用者に対応する精算情報が記録され、その利用者に対応する利用金額情報は、利用金額情報記憶部12bから消去される。
【0073】
図5に戻り、ステップS13において、第1の金額算出部11dが車両の利用を終了する指示を受け付けていないと判別した場合は(ステップS13;NO)、精算部11fは、精算情報を消去する指示がされたか否かを判別する(ステップS14)。例えば、車両の利用を終了した利用者Dは、自身の携帯電話20に送信された精算情報に含まれる金額(125円)を確認し、会計担当者の利用者(ここでは利用者Aとする)に125円を支払う。その後、利用者Aは、自身の携帯電話20または操作部14を操作して、精算情報を消去する指示を行う。
【0074】
精算部11fは、通信部13または操作部14を介して精算情報を消去する指示がされていないと判別した場合は(ステップS14;NO)、ステップS12に戻り、上記と同様の処理を行う。一方、精算部11fは、精算情報を消去する指示がされたと判別した場合(ステップS14;YES)、精算情報消去処理を行う(ステップS17)。
【0075】
以下、図9を参照して、図5のステップS17に示した精算情報消去処理を説明する。精算部11fは、精算情報記憶部12cに記録された精算情報の一覧を表示部15の画面に表示する制御を行い(ステップS171)、精算情報が選択されるまで待機状態となる(ステップS172;NO)。精算部11fは、表示部15の画面に、例えば「消去する精算情報を選択して下さい」というメッセージを表示する制御を行う。このメッセージを確認した利用者Aは、自身の携帯電話20または操作部14を操作して、精算情報の一覧から、精算情報に含まれる識別情報(氏名、携帯電話の電話番号)を基に、金額を支払った利用者Dの精算情報を選択する。
【0076】
この操作に従って、精算部11fは、精算情報の選択がされたと判別し(ステップS172;YES)、精算情報記憶部12cに記録された精算情報のうち、選択がされた精算情報を消去する(ステップS173)。以上により、精算情報消去処理は終了し、その後、図5のステップS12に戻る。
【0077】
このように、利用金額算出処理は、初期設定処理後は、表示部15の画面に表示された「利用金額算出終了」を示す項目が選択されるまで、ステップS12〜S17の処理を繰り返し行う。なお、表示部15の画面に表示された「利用金額算出終了」を示す項目が選択されたとき、制御部11は、実行中の利用金額算出プログラム、及び移動情報取得部16が行っているガソリンの消費量のカウントを終了し、そのカウント値もリセットする。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る利用金額算出装置10によれば、利用者が利用するタイミングが利用者間で異なる場合でも、利用者が支払うべき金額を公平に算出できる。
【0079】
なお、上記実施形態では、第2の金額算出部11eは、第1の金額算出部11dが算出した金額を特定した利用者の人数で均等に分割することにより、利用者1人当たりに課せられるガソリン代を算出したが、利用者毎に割り当てられる比率に基づいて金額を算出しても良い。この場合、第2の金額算出部11eは、利用者が支払うべき金額を負担する比率の設定を受け付け、第1の金額算出部11dが算出した金額と、設定された比率とに基づいて、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する。これにより、例えば、車両を提供した利用者や運転する利用者に割り当てられる比率を他の利用者よりも低く設定する等して、利用者の負担等を考慮して設定される比率に基づく金額を算出できる。
【0080】
また、利用金額算出装置10は、利用者が利用を開始してから終了するまでの履歴を表す履歴情報を利用者毎に記録しても良い。以下、図12を参照して、この利用金額算出装置10の構成を説明する。
【0081】
利用金額算出装置10は、利用履歴情報生成部11g、利用履歴情報記録部11h、及び利用履歴情報記憶部12dを備える。
【0082】
利用履歴情報生成部11gは、利用履歴情報を生成する。利用履歴情報は、図13に示すように、識別情報と履歴情報とを有する。識別情報は、識別情報取得部11aが取得した情報である。一方、履歴情報は、識別情報により特定される利用者が乗り物の利用を開始してから終了するまでの履歴を表す。履歴情報は、識別情報取得部11aが識別情報を取得したときに利用履歴情報生成部11gによって生成される。なお、履歴情報が生成されたときの履歴情報により表される履歴には何も示されていない。
【0083】
履歴情報は、図14に示すように、実施形態の利用金額算出処理において利用者の人数が変化する度に得られる情報である。履歴情報は、利用者の人数が変化する度に取得及び生成された、利用者の人数、ガソリン消費量、利用者1人当たりに課せられるガソリン代等の情報を有する。また、それ以外に、利用金額の算出とは直接的に関係はないが利用者にとって有用な時間帯、走行距離、平均燃費等の情報を有する。
【0084】
例えば、移動情報取得部16は、車速センサ32から供給される車速パルス信号を基に走行距離をカウントする。利用履歴情報記録部11hは、利用者の人数が変化する度に、移動情報取得部16によってカウントされた走行距離のカウント値を取得及び一時記憶し、利用者の人数が変化した第1の時点から次に利用者の人数が変化した第2の時点までの走行距離を算出する。利用履歴情報記録部11hは、算出した走行距離を履歴情報に含ませることにより履歴情報を更新する。
【0085】
また、移動情報取得部16は、算出した走行距離と第1の金額算出部11dが算出したガソリン消費量とから平均燃費を算出する。利用履歴情報記録部11hは、算出した平均燃費を履歴情報に含ませることにより履歴情報を更新する。
【0086】
そして、精算部11fは、利用者の利用を終了する指示を受け付けたとき、その指示とともに受け付けた識別情報を有する履歴情報を利用履歴情報記憶部12dから読み出す。精算部11fは、読み出した履歴情報を有する精算情報を生成し、これを精算情報記憶部12cに記録する。また、上記実施形態と同様に、生成した精算情報を所定の携帯機器に送信する制御を行っても良い。この精算情報を確認する利用者は、利用者が支払うべき金額の内訳や、利用者にとって有用な情報を確認できる。
【0087】
その他、上記実施形態では、利用者が支払うべき金額として、ガソリン代を一例に説明したが、走行距離、走行時間、有料道路の利用によって発生する金額等を算出しても良い。
【0088】
さらに、利用者によって指示がされる任意のタイミングまたは所定のタイミング毎に、利用者が支払うべき現時点での金額を算出し、算出した金額を有する情報を利用者に提供しても良い。例えば、第1の金額算出部11dは、任意のタイミングまたは所定のタイミングで、利用者の人数が変化した第1の時点から現時点(次に利用者の人数が変化した第2の時点)までのガソリン代(金額)を算出し、第2の金額算出部11eは、第1の金額算出部11dが算出した金額を、利用金額情報記憶部12bに記録された識別情報の数を基に特定される利用者の人数で分割することにより、その間の利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する。第2の金額算出部11eは、利用者毎に算出した利用者に課せられる金額を、利用金額情報記憶部12bに記録された金額情報により表される金額に加算することにより、その時点(現時点)で利用者が支払うべき金額を利用者毎に算出する。第2の金額算出部11eは、利用者毎に算出した利用者が支払うべき金額を、例えば、表示部15の画面に表示、または、利用者が所有する携帯電話20に送信する制御を行う。これにより、利用者が利用(乗車)しているときに、利用者は、任意のタイミングまたは所定のタイミングで、現時点で自身が支払うべき金額を確認できる。
【0089】
また、上記実施形態では、近距離通信として、ブルートゥース通信を一例に説明したが、その他の近距離通信として、赤外線通信、UWB(Ultra Wide Band)通信、無線LAN(Local Area Network)通信等を利用しても良い。また、利用金額算出装置10と携帯電話20と間で行う通信は、近距離通信に限定されず、電話回線網やインターネット等の所定の通信回線網を介して行っても良い。
【0090】
なお、本発明に係る利用金額算出装置10は、それぞれ、通常のコンピュータにより実現できる。この場合、上記の実施形態で説明した、利用金額算出プログラムは、コンピュータにより実行される。また、コンピュータは、利用金額算出プログラムに従って、それぞれ、上記の実施形態で説明した動作を行う。また、利用金額算出プログラムは、持ち運び可能な記録媒体等に記録されたものでもよい。持ち運び可能な記録媒体には、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、BD−ROM等がある。また、利用金額算出プログラムは、持ち運び可能な記録媒体から各種読取装置を介して、利用金額算出装置10にインストールされたものでも良い。さらに、利用金額算出プログラムは、インターネット等を介して、利用金額算出装置10にダウンロード及びインストールされたものでもよい。また、利用金額算出プログラムは、利用金額算出装置10と通信可能なサーバ等の記憶装置に格納されたものでも良い。
【0091】
その他、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 利用金額算出システム
10 利用金額算出装置
11 制御部
11a 識別情報取得部
11b 利用金額情報生成部
11c 利用金額情報記録部
11d 第1の金額算出部
11e 第2の金額算出部
11f 精算部
11g 利用履歴情報生成部
11h 利用履歴情報記録部
12 記憶部
12a プログラム記憶部
12b 利用金額情報記憶部
12c 精算情報記憶部
12d 利用履歴情報記憶部
13 通信部
14 操作部
15 表示部
16 移動情報取得部
20 携帯電話(携帯端末)
31 エンジン制御装置
32 車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部と、
前記利用金額情報生成部が生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部と、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出部と、
前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出部と、を備え、
前記第2の金額算出部は、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録部は、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録する、
ことを特徴とする利用金額算出装置。
【請求項2】
前記第1の金額算出部は、前記識別情報取得部が、前記メモリに記録された前記利用金額情報が有する前記識別情報以外の新たな識別情報を取得した場合に前記乗り物を利用する利用者の人数が変化すると判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の利用金額算出装置。
【請求項3】
前記識別情報取得部は、前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付け、
前記第1の金額算出部は、前記識別情報取得部が前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付けたときに前記乗り物を利用する利用者の人数が変化すると判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の利用金額算出装置。
【請求項4】
前記識別情報取得部が前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付けたときに、前記第2の金額算出部によって更新された前記金額情報と前記識別情報とを含む精算情報を所定の携帯機器に送信する制御を行う精算部を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の利用金額算出装置。
【請求項5】
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が乗り物の利用を開始してから終了するまでの履歴を表す履歴情報とを有する利用履歴情報を生成する利用履歴情報生成部と、
前記利用履歴情報生成部が生成した前記利用履歴情報をメモリに記録する利用履歴情報記録部と、を備え、
前記利用履歴情報記録部は、前記第1の金額算出部によって前記利用者の人数が変化すると判別された場合に、前記メモリに記録された前記利用履歴情報が有する前記履歴情報に、前記利用者の人数が変化した第1の時点から前記利用者の人数が変化すると判別した第2の時点までの間で得られる所定の情報を含ませることで前記履歴情報を更新し、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用履歴情報を前記メモリに記録する、
ことを特徴とする請求項4に記載の利用金額算出装置。
【請求項6】
前記識別情報取得部が前記乗り物の利用を終了する指示を前記識別情報とともに受け付けたときに、前記利用履歴情報記録部は、受け付けた前記識別情報を有する前記利用履歴情報を前記メモリから読み出し、
前記精算部は、前記利用履歴情報記録部が読み出した前記利用履歴情報に含まれる前記履歴情報と、前記第2の金額算出部によって更新された前記金額情報と前記識別情報とを含む精算情報を所定の携帯機器に送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の利用金額算出装置。
【請求項7】
前記第2の金額算出部は、前記利用者が支払うべき金額を負担する比率の設定を受け付け、前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、設定された前記比率とに基づいて、前記利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の少なくとも何れか1項に記載の利用金額算出装置。
【請求項8】
乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成ステップと、
前記利用金額情報生成ステップで生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録ステップと、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出ステップと、
前記第1の金額算出ステップで算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出ステップと、を有し、
前記第2の金額算出ステップでは、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録ステップでは、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録する、
ことを特徴とする利用金額算出方法。
【請求項9】
コンピュータを、
乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部、
前記利用金額情報生成部が生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出部、及び
前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出部、として機能させ、
前記第2の金額算出部は、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録部は、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
携帯機器と、
前記携帯機器から送信された乗り物の利用を開始する利用者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と前記利用者が支払うべき金額を表す金額情報とを有する利用金額情報を生成する利用金額情報生成部、
前記利用金額情報生成部が生成した前記利用金額情報をメモリに記録する利用金額情報記録部、
前記利用者の人数が変化した第1の時点から次に前記利用者の人数が変化した第2の時点までの前記乗り物の利用によって発生した金額を算出する第1の金額算出部、及び
前記第1の金額算出部が算出した前記金額と、前記メモリに記録された前記識別情報の数を基に特定される前記利用者の人数とから、利用者に課せられる金額を利用者毎に算出する第2の金額算出部を備えた利用金額算出装置と、を備え、
前記第2の金額算出部は、前記利用金額情報が有する前記金額情報により表される前記利用者が支払うべき金額に、算出した前記利用者に課せられる金額を加算することで前記金額情報を更新し、
前記利用金額情報記録部は、少なくとも前記利用者が乗り物の利用を終了するまで前記利用金額情報を前記メモリに記録する、
ことを特徴とする利用金額算出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−97685(P2013−97685A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241606(P2011−241606)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】