説明

制吐薬と経口避妊薬との組み合わせ

【課題】 本発明は、経口避妊製剤の投与に付随する悪心嘔吐の発生率の減少方法ならびに、プロゲスチンおよび/またはエストロゲンと制吐薬とを含む経口避妊製剤の調製方法に関する。
【解決手段】 経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩、またはこれらの誘導体を含む、経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤であり、好ましくは、レボノルゲストレルおよび制吐薬を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロゲスチンおよび/またはエストロゲンと制吐薬とを含む経口避妊製剤の投与に付随する悪心嘔吐の発生率の減少方法に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、レボノルゲストレルとオンダンセトロンまたはメクリジンとを含む経口避妊製剤に関する。
【0003】
本発明は、プロゲスチンおよび/またはエストロゲンと制吐薬とを含む経口避妊製剤の調製方法に関する。
【背景技術】
【0004】
卵巣周期/月経周期は、エストロゲンに富む卵胞期および排卵後のプロゲステロンに富む黄体期に特徴付けられる複雑な事象である。それぞれほぼ14日間継続し、約28日の月経間隔となる。子宮内膜組織はホルモン環境の変化に応答する。
【0005】
月経の開始は、新たな月経周期の始まりであり、1日目として数えられる。前回の卵巣周期/月経周期の間に成長し発達した子宮内膜機能層は約5〜7日の間に剥がれ落ちる。これは、受精していない月経周期での黄体の消滅がプロゲステロン分泌の欠失に関連しているためである。卵胞の成熟は漸進的に起こり、血中エストロゲン濃度が上昇し、これは新たな子宮内膜の増殖をもたらす。
【0006】
優性卵胞は月経中期(一般的に月経周期12日目〜16日目の間)で排卵し、主たるエストロゲン源から主たるプロゲステロン源(黄体)に変換される。血中プロゲステロン濃度の増加によって増殖期子宮内膜が分泌期に移行し、分泌期では組織の増殖は速やかに減少し、子宮内膜腺または器官の形成に至る。排卵された卵母細胞は生存可能に受精してその漸進的な胚分裂が継続すると、分泌期子宮内膜および受胎産物は相互作用して受精後約6〜8日で開始する内植(着床)を起こし得る。
【0007】
継続している妊娠が着床よって確定された場合、胚は分泌期子宮内膜へ付着しそして潜り込み、ヒト絨毛膜性ゴナドトロピン(HCG)の産生を開始する。HCGは次に黄体機能を刺激して延長させ(つまり、高いプロゲステロン産生が維持される)、受精した月経周期では月経が生じない。そして妊娠が確定する。受精していない月経周期では、血中プロゲステロン濃度が減少すると子宮内膜組織が剥がれ落ちる。これにより次の月経周期が始まる。
【0008】
子宮内膜の増殖は、近づく妊娠に対して子宮に準備をさせる役目を果たすので、ホルモンおよび子宮環境を操作すれば避妊させることができる。例えば、エストロゲンはフィードバック抑制により卵胞刺激ホルモンの分泌を減少させることが知られている。
【0009】
プロゲスチンもまた避妊をもたらし得る。エストロゲン後の内因性プロゲステロンは、子宮内膜のプロゲステロンに由来する変化ならびに頚部および膣中の細胞および組織の周期性変化の原因である。プロゲスチンの投与は、頸管粘液を濃厚、粘稠、かつセル状にし、これは精子の運搬を妨げると考えられている。プロゲスチンの投与はまた、ヒトにおける黄体形成ホルモンの分泌を阻害し排卵を阻止する。
【0010】
通常の計画的な性交の場合では、いくつかの器具および医薬組成物が望まない妊娠の防止に利用可能である。例えば、コンドーム、ペッサリー、子宮内避妊具、ならびに様々な単相または多相経口避妊薬がある。経口避妊法の最も普及している形態は、エストロゲンおよび/またはプロゲスチンを組み合わせたピル、いわゆる複合経口避妊薬である。
【0011】
さらに、時には様々な理由で予定外妊娠が起こる。もちろん、予定外妊娠は、双方が避妊具や薬剤を使用しない性交に伴って起こる可能性がある。しかしながら、これは決して予定外妊娠の唯一の理由ではない。コンドームは破れ、ペッサリーは滑ることが知られており、かつ従来の経口避妊薬は、認識されているように、適切に服用されたとしても100パーセントの効果があるわけではない。強姦の後や、経口避妊薬の服薬を遵守しなかった後でのその使用もまた正当化されるかもしれない。したがって、ピル(特により新しく低用量の製品では)は服用し忘れると、妊娠の可能性は相当に増加する。事実、毎年米国だけで約750,000件の妊娠が従来の経口避妊薬レジメンを用いる女性に起こっている。もちろん、このような妊娠のうちのいくらかは、患者が処方された投薬レジメンに完全にはそして独断により従わないために起こっている。
【0012】
緊急避妊(「EC」)ピルは、直近の避妊手段を用いない性的な関係による妊娠を心配する女性にとって利用可能な治療法である。このようなピルは、避妊手段を用いない性交渉後の数日以内、好ましくは数時間以内の投与を意図しており、たいてい比較的高用量の、例えば、プロゲスチンおよび/またはエストロゲンを含有する。科学関係の文献では、緊急の避妊目的にも有効な可能性がある薬剤が報告されている。用量およびプロトコルは、使用される薬剤に応じて異なることになる。しかしながら、いずれの場合でも、「ピル」は妊娠の予防に役立つ、すなわち、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぎ、かつ/または性交のタイミングによっては卵子が精子と受精するのを防ぐ。通常、避妊手段を用いない性交後72時間以内にできるだけ早くレボノルゲストレル0.75mgの錠剤1錠を経口的に服用するのがよい。2錠目は最初の投与の12時間後に服用するのがよい。避妊手段を用いない性交後にできるだけ早く指示通りにレボノルゲストレルを服用した場合はより効果がよい。さらに、緊急避妊薬として一度にレボノルゲストレルを1.5mg投与してもよい。しかし、高用量の避妊ホルモンを含む緊急避妊ピルはいずれも悪心嘔吐の高い発生率と関連している。さらに、錠剤の服用から3時間以内に嘔吐が起きる場合、緊急避妊ピルをすぐにもう1錠服用するべきである。
【0013】
ノルゲストレルおよびレボノルゲストレル(すなわちノルゲストレル[.+−.−17.α.−13−エチル−17−ヒドロキシ−18,19−ジノルプレグナー−4−エン−20−イン−3−オン]のD異性体)は、長い間避妊薬として複合製剤において使用されている。さらに、緊急避妊ピルとしてのレボノルゲストレルの用量範囲は、単回用量または分割用量で1.50mgである。
【0014】
経口避妊薬ならびに緊急避妊ピルに関連する他の共通した問題は、非常に高い割合で患者に起きる悪心の発生である。女性は、避妊薬による大きな副作用として悪心嘔吐を経験する可能性がある。0.75mgのレボノルゲストレルが投与されると、患者の約23.1%が悪心を経験し、5.6%が嘔吐を経験することが確認されている。これは、気持ちが悪くなるというだけでなく、伴って起こる嘔吐によって経口避妊薬が吐き出されることで避妊薬の効果が損なわれる可能性がある。緊急避妊ピルを服用して副作用があった女性は、効果を確実にするための方策(緊急避妊ピルをさらに服用することを含む)を取る可能性は間違いなく低い。ヤツペ法は緊急避妊の最も一般的な手段の一つである。ヤツペ法には、プロゲスチンおよびエストロゲンの両方を大量に使用することが必要である。したがって、この方法は、様々な副作用を引き起こし、その最たるものは悪心(54〜74%)および嘔吐(24〜30%)であり、これは患者が処方された処置を遵守しない原因になる。ヤツペ法の30〜60分前にジメンヒドリナート塩(100mg)を併用すると、上記の副作用が防止または緩和される。しかし、緊急避妊薬の投与前にジメンヒドリナート塩を忘れずに服用することは患者にとっては煩わしく、患者の服薬率を低下させる。
【0015】
中国特許第1485093号は、マクセラン製剤およびアシテリオンの組み合わせを開示している(下記特許文献1参照)。
【0016】
カナダ国特許第2354250号は、ヤツペ法に伴う高用量の女性ホルモンの投与に付随する副作用の防止または緩和のためのジメンヒドリナート塩の使用を開示している(下記特許文献2参照)。この特許出願では、ホルモン治療剤の量を減らすのではなく、そのレジメンにジメンヒドリナートを加えるだけである。しかし、ジメンヒドリナート投与の欠点はその鎮静作用であり、それは4〜6時間の持続期間を有する。
【0017】
したがって、経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率の低下と、その後の患者の服薬率の増加とを示す改良された経口避妊製剤が未だに必要とされている。さらに、従来技術のものに伴う眠気も緩和される。
【0018】
さらに、錠剤の服用の3時間以内に嘔吐が起きる場合、避妊の失敗を防ぐためにすぐに緊急避妊ピルをもう1錠服用することも現在の治療法では推奨されている。したがって、本発明ではまた、吐き出された緊急避妊ピルに代わる2個目のピルを投与する必要がない。これにより避妊の失敗に関する患者の不安を緩和され、また、さらなる用量の経口避妊薬を投与する機会が減る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】中国特許第1485093号
【特許文献2】カナダ国特許第2354250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩およびこれらの誘導体を含む経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤である。
【0021】
本発明のもう一つの目的は、経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤であり、ここで経口避妊薬は遅延放出性の形態であり、制吐薬は即時放出性の形態である。
【0022】
本発明のもう一つの目的は、経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩およびこれらの誘導体を含む経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤の使用である。
【0023】
本発明のさらにもう一つの目的は、経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩およびこれらの誘導体を含む経口避妊ホルモンの投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤の調製方法である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、経口避妊薬に付随する悪心嘔吐の発生率の減少を示す経口避妊製剤を提供する。本発明の経口避妊製剤は、制吐薬および経口避妊薬を含む。本発明に従って使用される経口避妊薬は、プロゲスチンおよび/またはエストロゲンである。
【0025】
「遅延放出性」なる語は、その通常の意味で使用され、投与形態の薬剤を経口投与してから薬剤が放出されるまでの間に時間差がある製剤を指す。「遅延放出性」は、長期間にわたる薬剤の緩やかな放出を伴っても伴わなくてもよく、したがって「徐放放出」であってもなくてもよい。しかしながら、遅延放出性とは、持続放出、計画放出、制御放出、経時的放出、延長放出、徐放放出、および他のかかる剤形と区別なく使用することができる。
【0026】
「薬学的に許容される」なる語により、生物学的またはその他の点で不適当でない物質からなる担体が意味される。
【0027】
本明細書では、「薬学的に許容される塩」とは活性成分の誘導体を指し、ここで活性成分はイオン結合対を形成するために必要とされる酸または塩基との反応により修飾されている。薬学的に許容される塩の例としては、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来型の非毒性の塩または第四級アンモニウム塩が挙げられる。適切な非毒性の塩としては、塩酸、臭酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、および当該技術分野において当業者に公知の他のものなどの無機酸に由来のものが挙げられる。アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、フマル酸、シュウ酸、イセチオン酸、および当該技術分野において当業者に公知の他のものなどの有機酸から調製された塩。
【0028】
本明細書では、「薬学的に許容される誘導体」とは、任意の修飾された形態である活性成分を意味するが、溶媒和物、水酸化物、鏡像異性体、多形体などに限定されない。
【0029】
「治療有効量」とは、治療されている症状の進行を停止もしくは減少させるか、あるいは通常は症状に対して完全にもしくは部分的に治癒するまたは一時的に作用する活性成分の量を意味する。当業者であれば、通常の実験によりかかる量を容易に決定することができる。
【0030】
「時間差」なる語は、用量(薬剤)の約10%未満(より具体的には実質的にはゼロ)が放出される期間を指す。
【0031】
本発明のプロゲスチンおよびエストロゲンの使用量は、避妊で使用することができる任意の「治療有効量」である。
【0032】
本発明で使用してもよいエストロゲンとしては、例えば、エチニルエストラジオール、17.β.−エストラジオール、17.β.−エストラジオール−3−酢酸塩、メストラノール、結合エストロゲン、USP、およびエストロン、またはこれらの塩が挙げられる。さらに、天然エストロゲン、例えば、エストロン、エストラジオール、またはエストリオール、およびこれらのエステル、とりわけ吉草酸エストラジオールを使用することができる。17.α.−エチニルエストラジオールおよび吉草酸エストラジオールが好ましい。エストロゲンの使用量は、エストロゲン効果においてエチニルエストラジオールの量と「同等な」ものとして本明細書に記載される。あるエストロゲンのエチニルエストラジオールと同等なエストロゲン効果は、当業者により容易に決定され得る。
【0033】
本発明で使用してもよいプロゲストゲンとしては、例えば、プロゲステロンおよびその誘導体(17−ヒドロキシプロゲステロンエステルおよび19−ノル−17−ヒドロキシプロゲステロンエステルなど)、17−α−エチニルテストステロン、17−α−エチニル−19−ノルテストステロン(ノルエチンドロン)、およびこれらの誘導体、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲストレル、ノルゲスチメート、デソゲストレル、レボノルゲストレル、メドロキシプロゲステロン、ジエノゲストが挙げられる。他の典型的なプロゲストゲンとしては、デメゲストン、ドロスピレノン、ジドロゲステロン、ゲストデン、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、およびこれらのエステルが挙げられる。プロゲストゲンの使用量は、プロゲストゲン効果において酢酸ノルエチンドロンの量と「同等な」ものとして本明細書に記載される。あるプロゲストゲンの酢酸ノルエチンドロンと同等なプロゲストゲン効果は、当業者により容易に決定され得る。本発明にとっての最も好ましいプロゲストゲンはレボノルゲストレルであり、好ましい用量は単回または分割投与で1.5mgである。
【0034】
本発明に適した制吐薬としては、制吐作用を有するドーパミン拮抗薬、5HT3受容体拮抗薬、抗コリン作用薬、抗ヒスタミン薬、カンナビノイド、および他の薬剤が挙げられる。ドーパミン拮抗薬としては、メトクロプラミド、ドロペリドール、ドンペリドン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリフルプロマジンなどが挙げられる。5HT3拮抗薬としては、オンダンセトロン、グラニセトロン、ドラセトロン、トロピセトロンなどが挙げられる。制吐薬として使用される抗コリン薬には、ヒヨスチン、スコポラミンなどがある。プロメタジン、メクリジン、ブクリジンなどの抗ヒスタミン薬が制吐薬として使用される。最も好ましい制吐薬はオンダンセトロンまたはメクリジンであり、好ましい用量範囲は1〜50mgである。OTC制吐薬として使用される他の制吐薬も、OTC緊急避妊製剤を調製するためにレボノルゲストレルと組み合わせることができる。
【0035】
本発明の方法によれば、経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の減少方法としては、プロゲスチンと制吐薬との組み合わせ、またはエストロゲンと制吐薬との組み合わせ、またはエストロゲンとプロゲスチンと制吐薬との組み合わせが挙げられる。本発明の好ましい方法は、プロゲスチンと制吐薬との組み合わせである。好ましいプロゲスチンはレボノルゲストレルであり、好ましい制吐薬はオンダンセトロンまたはメクリジンである。本発明の製剤は、即時放出性の制吐薬と即時放出性の経口避妊ホルモンとの組み合わせを含む。本発明はまた、即時もしくは制御放出性の制吐薬と即時もしくは遅延放出性または制御放出性またはパルス放出性の経口避妊ホルモンとを有してもよい。製剤は、任意の標準的な製造手順によって製造されてもよい。
【0036】
したがって、本発明は、即時放出性または制御放出性の制吐薬(好ましくはオンダンセトロンまたはメクリジンまたは任意の他の制吐薬)と、即時または遅延または制御放出性形態のプロゲスチンおよび/またはエストロゲン、好ましくは単回または分割用量で1.5mgの用量で使用されるレボノルゲストレルとを含む緊急避妊ピルまたは任意の他の製剤の投与を可能にする。製剤は、避妊手段を用いない性交後にできるだけ早く投与する必要があるが、レボノルゲストレルの用量が0.75mgである場合は、1回目の用量を服用した12時間後に2回目の用量を服用することになる。
【0037】
本発明のもう一つ別の方法によれば、製剤は、即時または制御放出性の制吐薬、好ましくはオンダンセトロンまたはメクリジンまたは任意の他の制吐薬と、パルス放出性のプロゲスチンおよび/またはエストロゲン(当該経口避妊薬がパルス的に放出されるような様式で)、好ましくは単回または分割用量で1.5mgの用量で使用されるレボノルゲストレルとを含んでもよい。
【0038】
本発明のもう一つ別の方法によれば、製剤は、即時または制御放出性の制吐薬、好ましくはオンダンセトロンまたはメクリジンまたは任意の他の制吐薬と、制御放出性のプロゲスチンおよび/またはエストロゲン、好ましくは単回または分割用量で1.5mgの用量で好ましくは使用されるレボノルゲストレルとを含んでもよい。
【0039】
本発明のもう一つ別の方法によれば、製剤は、即時または制御放出性の制吐薬、好ましくはオンダンセトロンまたはメクリジンまたは任意の他の制吐薬と、遅延放出性のプロゲスチンおよび/またはエストロゲン、好ましくは単回または分割用量として1.5mgの用量で好ましくは使用されるレボノルゲストレルとを含んでもよい。制吐薬は、経口避妊ホルモンの放出の前に放出される。
【0040】
本発明のもう一つ別の方法によれば、悪心嘔吐の発生率が減少した経口避妊薬の組み合わせは、即時放出性の製剤としての制吐薬と遅延放出性の製剤としてのプロゲスチンおよび/またはエストロゲンとを含む。制吐薬は経口避妊ホルモンの放出の少なくとも約30分前に放出されることが好ましい。好ましくは、制吐薬の放出は経口避妊ホルモンの放出の約1時間前である。これより経口避妊製剤の投与に付随する悪心嘔吐の発生率が減少され、次いで患者の服薬率ならびに経口避妊製剤および緊急避妊ピルの効果が増加される。
【0041】
本発明で有用な経口医薬製剤は、限定されるものではないが、顆粒剤、分包剤、カプセル剤、マトリクス錠剤、層状錠剤、被覆錠剤などを含む任意の経口的に許容される剤形であってもよい。
【0042】
本発明による製剤の即時放出性の部分は、単一の遅延放出性のコアの表面全体に塗布または沈着された被膜であるか、あるいは2つ以上の層で構成された錠剤の1つの層でありその他の層の1つが遅延放出性の部分であるか、あるいは遅延放出性の顆粒と混合した顆粒の形態であってもよい。さらに、製剤は、他の医薬品賦形剤と共に打錠またはカプセル充填されていてもよい複数の遅延放出性の顆粒と即時放出性の顆粒との形態であってもよい。即時放出性の部分からの薬剤の即時放出は、任意の様々な様式で達成される。一例としては、胃腸液が迅速に浸透できる十分に薄い層または被膜中に薬剤を配置することによるもので、この胃腸液は次いで薬剤を迅速に浸出させる。他の例としては、胃腸液に容易に溶解する支持結合剤または他の不活性物質を含む混合物に薬剤を組み込み、当該物質が溶解すると薬剤が放出されることによる。3つ目の例としては、胃腸液と接触すると微粒子へ迅速に崩壊する支持結合剤または他の不活性物質を使用して、胃腸液に結合剤粒子および薬剤の両方が速やかに分散させる。迅速に崩壊および分散する物質の例としては、ラクトースおよび微結晶性セルロースである。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、懸濁化剤としてかつ結合剤としての両方の役割を果たすことができる成分である。
【0043】
即時放出性の薬剤は、したがって、遅延放出性の薬剤の一体型のコアの表面に懸濁液または溶液として沈着させることができ、この遅延放出性の薬剤は任意に中間層で被覆されていてもよい。沈着は、噴霧、パンコーティングなどの医薬製剤分野で一般に使用される塗布技術により達成することができる。あるいは、即時放出性の薬剤は、結合マトリクスの粒子と組み合わせ、あらかじめ形成した遅延放出性の薬剤の層の表面に打錠して、層状の錠剤を形成させてもよい。いずれの場合も、即時放出性の被膜または層は、摂取後に錠剤の残りの部分から比較的速やかに分離し、残りの部分はそのままに保持される。製剤は、錠剤として打錠されたあるいはカプセル充填された、遅延放出性の顆粒/ペレットと即時放出性の顆粒/ペレットを有してもよい。
【0044】
遅延放出性の部分の剤形は、標準的な製造手順を用いて製造されてもよい。製剤は、顆粒剤として調製されていてもよいし、遅延放出性のポリマーで被覆されていてもよい。遅延放出性の被膜は、コーティングパン、無気噴霧法、流動床塗布装置などを用いて、錠剤、錠剤の一部、ビーズ、顆粒、カプレット、またはカプセルに塗布することができる。塗り厚は、上記のように、経口避妊ホルモンが制吐薬の放出後に確実に放出されるのに十分なものでなければならない。「塗布量」すなわち用量単位当たりの被覆材の相対量は、一般に、摂取から薬剤放出までの間の時間間隔を規定する。特定の被覆材に関する好ましい塗布量は、異なった量の様々な被覆材と共に調製された錠剤、ビーズ、および顆粒の個々の放出特性を評価することにより当業者によって容易に決定され得る。
【0045】
かかる手順は当業者に公知である。本発明の製剤は、当該技術分野において公知の賦形剤を含んでもよい。ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、多糖類、ゴム、重合ゼラチン、酪酸フタル酸セルロース、フタル酸水素セルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ジオキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、および/またはアクリル酸、メタクリル酸から好ましくは形成されたエステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル)、および/または他のビニルモノマーから形成されたポリマーおよびコポリマーなどの親水性および/または疎水性ポリマーが挙げられてもよい。好ましい腸溶ポリマーは、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマーおよびコポリマーであり、特に、オイドラギットRTM.LおよびオイドラギットRTM.Sの商品名で市販されているものであり、ここで遊離カルボキシル基とエステル基との比はそれぞれ約1:1および1:2であり、各コポリマーは135,000Daの分子量(重量平均)を有する。
【0046】
本発明の実施形態のいずれにおいても遅延放出性の用量単位は、例えば、選択された被覆材で薬剤または薬剤含有組成物を被覆することにより調製することができる。薬剤含有組成物は、例えば、カプセルに組み込むための錠剤、「被覆されたコア」という剤形において内側のコアとして使用する錠剤、あるいは錠剤またはカプセルのいずれかに組み込むための複数の薬剤含有ビーズ、粒子、または顆粒であってもよい。好ましい被覆材は、生分解性の、徐々に加水分解する、徐々に水に溶解する、かつ/または酵素分解性のポリマーから成り、好ましい遅延放出性の被膜は腸溶性の被覆材から成る。
【0047】
被膜は、胃液が浸透できる細孔および割れ目の形成を防ぐために可塑剤を含んでもよい。適切な可塑剤としては、限定されるものではないが、クエン酸トリエチル(Citroflex2)、トリアセチン(三酢酸グリセリン)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、カーボワックス400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、およびフタル酸ジブチルが挙げられる。被膜はまた、被覆材を溶解または分散させるためかつ被覆性能および被覆された製品を改善するために、脱粘着剤、消泡剤、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、および安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、酸、および塩基)などの他の被膜用賦形剤を含んでもよい。
【0048】
あるいは、遅延放出性の用量単位は、遅延性の被覆材または他の遅延放出性のポリマー材料など適切な物質のマトリクス内に活性物質を分散させることにより調製されてもよい。
【0049】
他の添加剤が製剤に組み込まれてもよく、例えば、希釈剤、結合剤、滑沢剤、酸化防止剤、着色剤、甘味料、調味料および酸味料、湿潤剤、親水化剤(ソルビトールおよびシクロデキストリンなど)、浸透物質もしくは気孔生成剤(マンニトールなど)、pH補正剤、安定化剤(トレハロースおよびマンニトールなど)、吸着剤、キレート化および金属イオン封鎖剤、ならびにアセチルフタル酸セルロースおよびポリメタクリレートを含む種類の胃耐性膜被覆用賦形剤がある。
【0050】
例としては、次の希釈剤あるいはその組み合わせの任意の1種が選ばれてもよい。炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ショ糖、デキストリン、デキストロース、リン酸二カルシウム二水和物、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、セルロース、微結晶性セルロース、ソルビトール、デンプン、アルファ澱粉、タルク、リン酸三カルシウム、およびラクトース。
【0051】
結合剤としては、次のものに言及できる。アラビアゴム、トラガカントゴム、グアーガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、液状ブドウ糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、ポビドン、アルファ澱粉、デンプン、およびゼイン。
【0052】
滑沢剤は、流動促進剤(無水コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、セルロース、デンプン、タルク、またはリン酸三カルシウムなど)、あるいは減摩接着剤(ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、硬化植物油、パラフィン、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸、ステアリン酸またはステアリン酸亜鉛、およびタルクなど)である。
【0053】
酸化防止剤の例としては、当業者であれば次の化合物のうちのいずれかを選択し得る。アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、フマル酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウム、α−トコフェロール、リンゴ酸、BHA、およびBTH。
【0054】
好ましい湿潤剤は次のとおりである。アニオン性界面活性剤であるドクサートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム;カチオン性界面活性剤である塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、およびセトリミド;ノニオン性界面活性剤であるモノオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリ(ビニルアルコール)、およびソルビタン。
【0055】
pH調節剤としては、クエン酸、塩酸、乳酸、酒石酸を含む種類の酸性化剤、ならびにモノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン、クエン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物を含む種類のアルカリ化剤がある。
【0056】
吸着剤の例としては、ベントナイト、無水コロイダルシリカ、カオリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、微結晶性セルロース、およびセルロースがある。
【0057】
キレート化および金属イオン封鎖剤としては、クエン酸一水和物、エデト酸、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸、およびクエン酸ナトリウム二水和物が使用されてもよい。
【0058】
これら添加剤の量は、当該技術分野で通常使用されるものである。
【0059】
本発明の製剤は、湿式造粒法、溶融造粒法、直接打錠、または乾式圧縮固化および/もしくはスラッギングなどの当業者に周知の従来の技術により調製されてもよい。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、避妊の失敗に関する患者の不安が緩和され、また、さらなる用量の経口避妊薬を投与する機会が減る。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明を次の実施例により説明するが、これらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0062】
【表1】

【0063】
手順:‐
A部:‐レボノルゲストレル錠剤
1.ラクトース、クロスポビドン、アエロジルをふるいにかけた。
2.ポビドンおよびレボノルゲストレルをDCMに溶解した。
3.工程2を用いて工程1を顆粒化し、乾燥させた。
4.最後に、工程3をステアリン酸Mgで滑沢した。
5.最後に、適切な打錠機を用いて混合物を打錠した。
6.上記錠剤をオイドラギット被覆液で被覆した。
【0064】
B部:メクリジン顆粒剤
1.塩酸メクリジン、リン酸二カルシウム、デンプンをふるいにかけた。
2.ポビドンを水に溶解した。
3.工程2を用いて工程1を顆粒化した。
4.最後に、工程3をステアリン酸Mgで滑沢した。
【0065】
上記錠剤および顆粒剤を適切な大きさのカプセルに充填した。
【実施例2】
【0066】
【表2】

【0067】
手順:‐
A部:‐レボノルゲストレル錠剤
1.ラクトース一水和物、クロスポビドン、およびアエロジルを適切なふるいを用いてふるいにかけた。
2.ポビドンおよびレボノルゲストレルをDCMに溶解した。
3.工程2を用いて工程1を顆粒化し、乾燥させた。
4.最後に、工程3をステアリン酸Mgで滑沢した。
5.最後に、適切な打錠機を用いて混合物を打錠した。
6.上記錠剤をエチルセルロース被覆液で被覆した。
【0068】
B部:メクリジン顆粒剤
1.塩酸メクリジン、リン酸二カルシウム、デンプンを40メッシュのふるいにかけた。
2.ポビドンを水に溶解した。
3.工程2を用いて工程1を顆粒化した。
4.最後に、工程3をステアリン酸Mgで滑沢した。
【0069】
上記錠剤および顆粒剤を適切な大きさのカプセルに充填した。
【実施例3】
【0070】
【表3】

【0071】
手順:
1)所要量の薬剤を所要量の塩化メチレンに溶解する。透明な溶液が得られるまで撹拌し、次いでポビドンを加えた後、透明な溶液が形成されるまで撹拌する。
2)デンプンおよびラクトースをふるいにかけ、上記結合剤溶液を用いて顆粒化し、乾燥させ、滑沢した。次いで、滑沢した混合物を2個の錠剤に打錠した。
【0072】
被覆
最後に、錠剤を下記の被覆液で被覆した。
【0073】
【表4】

【0074】
手順:
1)水にタルクおよびTECを分散させる。
2)工程1にオイドラギットを加え、15分間撹拌する。
3)レボノルゲストレル錠剤を工程2の分散液を用いて被覆する。
【0075】
【表5】

【0076】
手順:
1)塩酸メクリジン、DCP、ショ糖、PEGを適切なふるいを用いてふるいにかけた。
2)デンプンを所要量の水に溶解してそのスラリーを調製し、次いで撹拌下の沸騰水に加えて、ペーストを調製し、次いで室温で冷却した。
3)次いで工程1でふるいにかけた材料を上記デンプンペーストを用いて顆粒化した。顆粒剤を乾燥させた後、顆粒剤を滑沢した。
【0077】
C部:‐カプセル充填
レボノルゲストレル錠剤2個と塩酸メクリジン顆粒剤とを適切な大きさのカプセルに充填した。
【実施例4】
【0078】
【表6】

【0079】
手順:
1)所要量の薬剤を所要量のDCMに溶解する。透明な溶液が得られるまで撹拌し、次いでポビドンを加える。透明な溶液が形成されるまで撹拌する。
2)デンプンおよびラクトースをふるいにかけ、上記結合剤溶液を用いて顆粒化した後、乾燥し、滑沢する。
3)次いで滑沢した混合物を適切な打錠機を用いて打錠する。
【0080】
【表7】

【0081】
手順:‐
所要量のオパドライをIPAとDCMとの混合物に溶解し、透明な溶液が形成されるまで撹拌し、次いで所要量の塩酸メクリジンを加えて透明な溶液を形成させる。
【0082】
C部:−レボノルゲストレル錠剤への塩酸メクリジンの塗布
次いでレボノルゲストレル錠剤を上記塩酸メクリジン溶液で被覆する。
【実施例5】
【0083】
【表8】

【0084】
手順:
結合剤の調製
薬剤をDCMに溶解し、透明な溶液が得られるまで撹拌した後、撹拌しながらポビドンを加えて透明な溶液を得た。
【0085】
顆粒化
デンプンおよびラクトースを適切なふるいを用いてふるいにかけ、上記結合剤溶液で顆粒化した後、顆粒剤を乾燥させふるいにかけた。
【0086】
滑沢
次いでふるいにかけた顆粒剤をステアリン酸Mgで滑沢した。
【0087】
【表9】

【0088】
手順:
1)塩酸メクリジン、DCP、ショ糖、PEGを適切なふるいを用いてふるいにかけた。
2)デンプンペーストを調製し、次いで室温で冷却した。
3)次いでふるいにかけた工程1の材料を上記のデンプンペーストで顆粒化した後、顆粒剤を乾燥させふるいにかけた。さらに、ふるいにかけた顆粒剤をステアリン酸マグネシウムを用いて滑沢した。
【0089】
C部:‐打錠
適切な打錠機を用いた打錠によりA部およびB部の顆粒剤を用いてレボノルゲストレルとメクリジンとのタブレット−イン−タブレット型製剤を調製した。
【実施例6】
【0090】
【表10】

【0091】
手順:
1)薬剤をDCMに溶解し、透明な溶液が得られるまで撹拌した後、撹拌しながらポビドンを加えて透明な溶液を得た。
2)デンプン、ラクトース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースをふるいにかけ、上記結合剤溶液を用いて顆粒化した後、乾燥して、ふるいにかけた。
3)次いでふるいにかけた顆粒剤をステアリン酸Mgで滑沢した。
【0092】
【表11】

【0093】
1)塩酸メクリジン、DCP、ショ糖、およびPEGを適切なふるいを用いてふるいにかけた。
2)デンプンペーストを調製する。
3)次いでふるいにかけた工程1の材料を上記のデンプンペーストで顆粒化した後、乾燥させふるいにかけた。
4)次いでふるいにかけ乾燥させた顆粒剤をステアリン酸Mgで滑沢した。
【0094】
C部:‐打錠
適切な打錠機を用いた打錠によりA部およびB部の顆粒剤を用いてレボノルゲストレルと塩酸メクリジンとの二層錠剤製剤を調製した。
【実施例7】
【0095】
【表12】

【0096】
手順:‐
1.薬剤を塩化メチレンに溶解し、透明な溶液が得られるまで撹拌した後、撹拌しながらポビドンを加えて透明な溶液を得た。
2.デンプンおよびラクトースをふるいにかけ、工程1の結合剤溶液を用いて顆粒化した。
32.工程1の湿塊を押出機に通し、次いで球状化機に通してペレットを調製した。
4.最後に、乾燥させたペレットを下記の被覆液で被覆した。
【0097】
【表13】

【0098】
手順
TECを撹拌下のエタノールに溶解した後、エチルセルロースを加えて透明な溶液を得た。
【0099】
【表14】

【0100】
手順:‐
1.塩酸メクリジン、DCP、および微結晶性セルロースをふるいにかけ、ショ糖およびポリエチレングリコールを含むポビドン結合剤溶液で顆粒化した。
2.次いで湿塊を押出機に通し、次いで球状化機に通してペレットを調製した。
3.最後に、ペレットを乾燥させた。
【0101】
A部およびB部のペレットをカプセルに充填した。
【実施例8】
【0102】
【表15】

【0103】
手順:
1)所要量の薬剤を所要量の塩化メチレンに溶解する。透明な溶液が得られるまで撹拌し、次いでポビドンを加えた後、透明な溶液が形成されるまで撹拌する。
2)デンプンおよびラクトースをふるいにかけ、上記結合剤溶液を用いて顆粒化し、乾燥させ、滑沢した。次いで、滑沢した混合物を2個の錠剤に打錠した。
【0104】
被覆
最後に、錠剤を下記の被覆液で被覆した。
【0105】
【表16】

【0106】
手順:
1)タルクおよびTECを水に分散させる。
2)工程1にオイドラギットを加え、15分間撹拌する。
3)レボノルゲストレル錠剤を工程2の分散液を用いて被覆する。
【0107】
【表17】

【0108】
手順:
1)オンダンセトロン、微結晶性セルロース、およびクロスポピドンを適切なふるいを用いてふるいにかけ、均一に混合した。
2)ステアリン酸マグネシウムを適切なふるいを用いてふるいにかけ、工程1を滑沢して、滑沢された粉体混合物を得た。
【0109】
C部:‐カプセル充填
レボノルゲストレルの錠剤2個とオンダンセトロン混合物とを適切な大きさのカプセルに充填した。
【0110】
溶出
本発明の溶出は、USP装置I(バスケット法)を用いて100RPMで行われる。本発明の溶出は、最初の2時間は0.1N HCl中で行いその後は0.1%SLSを用いた6.8リン酸緩衝液中で行われる。錠剤製剤を装置に配置し、溶出を定期的に測定する。実施例3の体外溶出調査は下記の通りである。
【0111】
【表18】

【0112】
【表19】

【0113】
本発明に関して、制吐薬の即時放出および経口避妊薬の遅延放出を達成するために、当業者に公知の他の技術を使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩、またはこれらの誘導体を含む、経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤。
【請求項2】
前記経口避妊薬がプロゲスチンまたはエストロゲンまたはこれらの組み合わせから選ばれる、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記プロゲスチンが、17−α−エチニル−19−ノルテストステロン(ノルエチンドロン)およびその誘導体、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲストレル、ノルゲスチメート、デソゲストレル、レボノルゲストレル、メドロキシプロゲステロン、ジエノゲスト、デメゲストン、ドロスピレノン、ジドロゲステロン、ゲストデン、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、ならびにこれらのエステルからなる群から選ばれる、請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記エストロゲンが、エチニルエストラジオール、17.βエストラジオール、17βエストラジオール−3−酢酸塩、メストラノール、結合エストロゲン、およびエストロン、またはこれらの塩、または天然エストロゲンからなる群から選ばれる、請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項5】
経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤であって、前記経口避妊薬は遅延放出性の形態であり、制吐薬は即時放出性の形態である、医薬製剤。
【請求項6】
制吐薬が経口避妊薬の放出前に放出される、請求項5に記載の医薬製剤。
【請求項7】
経口避妊薬の放出が少なくとも約30分遅延された、請求項5に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記経口避妊薬がレボノルゲストレルであり、前記制吐薬がメクリジンである、請求項5に記載の医薬製剤。
【請求項9】
経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩またはこれらの誘導体を含む経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤の調製方法。
【請求項10】
経口避妊薬および制吐薬またはこれらの薬学的に許容される塩、またはこれらの誘導体を含む経口避妊薬の投与に付随する悪心嘔吐の発生率を減少させる医薬製剤の使用。

【公表番号】特表2011−500793(P2011−500793A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530634(P2010−530634)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/IN2008/000704
【国際公開番号】WO2009/054007
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(502425916)ルピン・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LUPIN LIMITED
【Fターム(参考)】