説明

制御された密度と形状を有する発泡ポリマー無機物バインダハイブリッド材料、その製造方法および使用

【課題】本発明の目的は、制御された密度および形態を有する発泡ポリウレタン無機物バインダを含むハイブリッド材料の提供と、その調製方法および使用である。
【課題を解決するための手段】a)発泡ポリマーを含む第1相と;
b)無機物バインダを少なくとも含む第2相と;
c)第3ガス相と;を少なくとも含有するハイブリッド材料であって、
前記ハイブリッド材料の構造は、相の間で途切れず、相互に貫入し相互に連続したミクロ構造からなるハイブリッド材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、制御された密度と形状を有する発泡ポリマー無機物バインダハイブリッド材料を提供することであり、特に、発泡ポリウレタン無機物バインダを有するハイブリッド、その製造方法および使用を提供することである。前記材料は、熱および音の遮蔽と、水蒸気の通気性と、耐火性と、軽量性と、コンクリート、モルタル、およびプラスターに対する良好な接着性と、良好な耐圧縮性の高い特性を持つ。これらの特性は、前記材料を建築分野において非常に有用なものにしている。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォーム(その構造内にガスを取り込んでいるポリマー材料、これより以下は、一般的用語として「発泡ポリウレタン」と呼ぶ)は、建築分野において広く使用されており(特に住宅建築)、これらが音および熱の遮蔽と、良好な弾性(すなわち、大きな変形および/または破損に耐える性能)と、低密度の優れた特徴を有しているからである。しかしながら、前記ポリマー材料の機械的耐久性および剛性特性は、構造型の使用には十分ではない。
【0003】
上述の特性を向上するために、発泡ポリウレタン無機物フィラー内に充填要素が注入/投入されている。これらの添加物の存在は、一方では材料の剛性を高くするが、もう一方では、これらの形状を変化させ、従って生産物の最終的な特性も変化させてしまう。
【0004】
当然ながら、フィラーは補強として作用し、その含有量が増加すると機械的態様は、フィラーマトリクス境界面に対する親和性の乏しさから、一般的に柔軟から壊れやすくなる。フィラーは、複合物を硬くするが、それと同時に構造全体を支持するポリマーマトリクスの連続性を妨げる。
【0005】
異なる無機物フィラーは、ポリマー相との相互作用を向上させる目的で、よく事前に化学処理される。これにより、複合産物の最終構造内における不均等性を作る不可避な分離問題を減少させる。
【0006】
最終的な結果は、ポリウレタンもしくは一般的にポリマーマトリクスとの前記複合物の調製は、複雑で非常に高価なものになる。
【0007】
しかしながら、前記材料は、その構造内において不可避な不均等性の存在、乏しい耐火性、および水との反応によるポリマー相との乏しい可塑性効果と主に関連するいくつもの欠点を常に示す。
【0008】
熱および音の遮蔽性、および良好な衝撃に対する強度を有する上述の材料に代わる材料は、異なる熱伝導性を有するポリマー相および無機物相の組立を通して製造され、機械的結合を介して接合されている。
【0009】
しかしながら、後者の材料は、使用されている材料の熱膨張による不適合、およびそれらの組立工程と関連するいくつかの欠点があり、これらの欠点は、ほとんどの場合、特に複雑で高価になってしまう。
【0010】
したがって、知られている材料に代わる、熱および音の遮蔽と、水蒸気の通気性と、耐火性と、軽量性と、コンクリート、モルタル、およびプラスターに対する良好な接着性と、良好な耐圧縮性の高い特徴を有した材料を提供することが必要とされている。さらに、この材料は、現在建築分野おいて使われている材料に典型的な上記で指摘した欠点を示さないか、もしくは最低限に抑える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述の技術的必要性を解決することである。
【0012】
後述の詳細な説明で明らかになる、これらとその他の目的は、出願人により達成されている。本出願人は、発泡ポリマー(好ましくは発泡ポリウレタン)の調製反応を少なくとも適切な無機物バインダの存在下で行うことで、上記で指摘した問題に答えを提供する特徴を持った発泡ポリマー無機物バインダを有したハイブリッド材料(好ましくは、発泡ポリウレタン無機物バインダを有するハイブリッド材料)を得ることができることを期せずして見出した。
【0013】
したがって、本発明の目的は、発泡ポリマー無機物バインダを有するハイブリッド材料であり、この特徴は、添付の独立請求項に記載されている。
【0014】
本発明のその他の目的は、上記のハイブリッド材料の調製方法であり、その特徴は、添付の独立請求項に記載されている。
【0015】
本発明のその他の目的は、添付の独立請求項に記載のように建築分野における前記ハイブリッド材料の使用である。
【0016】
本発明の好ましい実施形態は添付の従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、以下の説明において詳細に表されている。前記発明は、付属の図1から3により示されている。
【図1】図1は、本発明に係る発泡ポリウレタンコンクリートを有するハイブリッド材料の二つの好ましいタイプの調整方法を図式的に表している(それぞれタイプA1およびA2のハイブリッドで、以下の実施例1で説明されている);
【図2】図2は、本発明に係る発泡ポリウレタンコンクリートのミクロメートル以下の閉じられたセル状の構造を図示している;図から、水和していてもしていなくても、コンクリート粒子の間を密接におよび完全に相互に貫入し、さらにガスを含有したポリウレタン泡が明らかにそして明解に分かる;該ミクロ構造は非常に均一で不均等性が全くないものになっている;
【図3】図3は、図2に図示された発泡ポリウレタンコンクリートを有するハイブリッドのミクロ構造の3枚のSEM写真(走査型電子顕微鏡を使って撮影)を横に並べて示している;3枚の写真は、異なる倍率で撮影されそれぞれ以下を示す:−示されている泡の壁を持つ発泡ポリマーのミクロ構造(倍率の低い左の写真);−無機物相で覆われたセルの壁(中間の倍率の真ん中の写真);−水和されたコンクリートの特徴である、トリスルホアルミネートカルシウム水和物結晶およびケイ酸カルシウム水和物の連続的な非結晶相(倍率のより高い右の写真)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
そして、本発明は、有機物マトリクス(好ましくはポリウレタン系の)および無機物バインダが、密接に相互に貫入もしくは相互に接続して、非常に均一でさらに均等な最終構造を提供する発泡ポリマー無機物バインダを有する新しいハイブリッド複合材料と関連する。
【0019】
前記材料の製造方法(以下で詳細に説明する)は、現在のポリマーフィラーおよびコンクリートポリマーを有するハイブリッド材料を調製するための方法と関連する欠点を少なくとも最小限に抑え、好ましくは除外する。
【0020】
これらの後者の材料(フィラーが、不均一もしくは不均等にポリマー中にのみ分散されているため、構成相が貫入していない構造を作る)とは違い、本発明の調製方法に従うと、使用されたバインダ(例えばコンクリート)の無水性および/または水和性粒子は、ポリマー構造の極性成分と強く相互作用する(すなわち、例えば発泡ポリウレタンを調製するのに使用される出発多価アルコール)。従って、ポリマーの膨張に使われる発泡工程(以下に記載)は、無機物バインダ相のその材料自身内において完全に均等に細かく分散され、さらに発泡ポリマーのミクロ粒子の間を密接に貫入している有機物−無機物バインダを得るのを可能にする。
【0021】
従って、得られた構造は、それらの間を密接に貫入した相と、均一且つ均等に分散されていることを特徴とする。前記構造特性は、最適化されている場合、前記材料に、優れた熱および音の遮蔽性を付与し、さらに同時に高い耐火性、水蒸気に対する高い通気性、軽量性、油圧式および/または空気式バインダに基づいている如何なる表面に対する高い適合性、水反応に対する高い抵抗、化学薬品に対する高い抵抗、最適な耐圧縮性および耐衝撃性を保証する。
【0022】
そして、本発明は、
a)発泡ポリマーを含む第一相と;
b)少なくとも無機物バインダを含む第二相と;
c)第三ガス相と、を少なくとも含むハイブリッド材料と関連し、
前記材料の構造は、相互に連続するミクロ構造から成り(「相互に連続する」とは、前記構造を構成する相が、それらの間で密接に相互に貫入する、もしくは相互に接続していることを意図し、それにより非常に一定なミクロ構造を形成し、好ましくはミクロメートル以下の寸法で形成し、さらに一相内における切断が全くない。これらは、付属の図2および3に例示として示されている。)
【0023】
本発明の該ハイブリッド材料は、有機物−無機物ハイブリッド材料である。
【0024】
好ましくは、a)相の発泡ポリマーは、ポリウレタンを基礎にした発泡ポリマーである。さらに好ましくは、前記ポリマーは、発泡ポリウレタンで、出発多価アルコールは、必要であれば予め化学的に変えられていてもよく、例えば、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、硫酸セルロース、トリメチルシリルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースおよび全てのセルロースの誘導体と、例えば1,3−ジモルフォリン−2−プロパノール、N−β−ヒドロキシモルフォリン、N−アミノプロピルモルフォリン、ジプロピルアミン3,3’−ジモルフォリン、および全てのモルフォリン誘導体と、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、および多価アルコールで変えられていてよい。さらに、その他のものに由来する多価アルコール、例えば、デンプン、セルロース、リジン、植物性タンパク質を使用する可能性は除外されているわけではない。
【0025】
b)相の無機物バインダは、好ましくは、コンクリート、石膏、石灰、炭酸カルシウム、セメント材アグロメレートまたはそれらの混合物から選択される。
【0026】
さらに好ましくは、前記バインダはコンクリートである。
【0027】
c)相のガス相は、一般的に二酸化炭素COからなる(通常は、発泡ハイブリッド材の形成反応の過程でつくられる)。
【0028】
しかしながら、その他のガスが除外されるわけではなく、例えば、窒素、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、クロロフルオロカーボンなどの沸点の低い有機化合物、もしくは水が使われてもよい。これらは、重合反応の際に、前記重合反応の発熱により気体の状態になる。
【0029】
本発明に係る発泡ポリマー無機物バインダを有するハイブリッドの相互に連続したミクロ構造の平均寸法は、3から4μm以下で、前記平均寸法は好ましくは3μm以下で、さらに好ましくは2μmもしくは1μmよりも小さい。好ましくは、本発明に係るハイブリッド材料は、さらに少なくとも添加物を含み、さらに好ましくは、添加物の混合物を含む。
【0030】
少なくとも一つの前記添加物(もしくは添加物の混合物)は、ハイブリッドの形成反応を向上させるためと、ハイブリッドの所望の特徴を調整および/または最適化するためのハイブリッド調製の際に通常は使われる。
【0031】
好ましくは、少なくとも一つの前記添加物は、
例えば、第三級アミン、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−2−フェニチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2−ジメチルアミノ−エタノールなどの触媒;
オクタン酸第一錫、硫化アセテート、硫化オクテート、硫化エチルエキソエート、硫化ラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル銅エステルなどの有機金属塩;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンなどの架橋剤;
シリコンオイル、シリコングリコール共重合体、ポリエーテルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレートブロック(1H,1H,2H,2H)パーフルオロエクシルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(1H,1H,2H,2H)パーフルオロオクチルメタクリレートなどのセミフッ化ブロック共重合体、などの表面活性剤;
水、イソペンタン、シクロペンタン、n−ペンタン、クロロフルオロカーボンなどの発泡剤、
アンモニウムポリホスフェート、メラミンおよび誘導体などの防炎剤および静菌剤;
紫外線安定剤;
可塑剤;
相溶剤;
静電防止剤;
ナフタレンスルホネート、硫化メラミン、リグニンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸エステル共重合体、グリコシド重合体などの流動化剤;
二酸化チタン、TiOなどの自浄性光触媒特性を示す添加物;
リン酸などの水蒸気を吸収する性質を変化させる添加物;を含む一群から選択される。
【0032】
本発明に係るハイブリッド材料は、
発泡ポリマーが、該材料の総質量に対して、質量で5%から80%の質量%で存在し;
無機物バインダが、該材料の総質量に対して、質量で20%から90%の質量%で存在し;
添加物が、該材料の総質量に対して、総質量%の0%から100%のうちの残りの分だけ存在する。
【0033】
好ましくは、
発泡ポリマーは、該材料の総質量に対して、質量で10%から70%の質量%存在し;
無機物バインダは、該材料の総質量に対して、質量で30%から80%の質量%で存在し;
添加物は、該材料の総質量に対して、総質量の0%から100%のうちの残りの分だけ存在する。
【0034】
さらに好ましくは、
発泡ポリマーは、該材料の総質量に対して、質量で20%から60%の質量%で存在し;
無機物バインダは、該材料の総質量に対して、質量で40%から70%の質量%で存在し;
添加物は、該材料の総質量に対して、総質量の0%から100%のうちの残りの分だけ存在する。
【0035】
本発明に係るハイブリッド材料の調製のための一般的な方法は、
a)所望の発泡ポリマーを形成するのに必要な出発化合物(前記出発化合物は、前記発泡ポリマーの調製に必要であれば、添加物を添加する)が、物質の緊密な混合を得るために必要な時間だけ所望の無機物バインダの効果的な量を混合する第一工程と;
b)上記の混合物に、ポリマーを形成するのに必要な重合化合物を効果的な量添加する第二工程と;
c)該b)時点の混合物を、十分な時間室温に放置し、この間にポリマー相の処理反応および同時に形成が起きることができ、そして完了する第三工程と、を少なくとも含む。
【0036】
所望のハイブリッド材料の種類によっては、上記のa)およびb)工程の実行を逆にすることも可能である(すなわち、a)工程の混合物をb)工程の重合化合物に加える)。
【0037】
前記a)工程の化合物の混合は、好ましくは適切な機器内で行われる。前記機器は、条件によっては、大量もしくは通常の量のハイブリッド材料の製造に適している(工場またはロコ(loco)の双方において)。
【0038】
所望の前記発泡ポリマーの調製に必要な前記添加物は、例えば、
第三級アミン、例えば、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−2−フェニチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2−ジメチルアミノ−エタノールなどの触媒;
オクタン酸第一錫、硫化アセテート、硫化オクテート、硫化エチルエキソエート、硫化ラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル銅エステルなどの有機金属塩;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンなどの架橋剤;
シリコンオイル、シリコングリコール共重合体、ポリエーテルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、例えばポリメチルメタクリレートブロック(1H,1H,2H,2Hパーフルオロエクシルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(1H,1H,2H,2Hパーフルオロオクチルメタクリレートなどのセミフッ化ブロック共重合体、などの表面活性剤;
水、イソペンタン、シクロペンタン、n−ペンタン、クロロフルオロカーボンなどの発泡剤、
アンモニウムポリホスフェート、メラミンおよび誘導体などの防炎剤および静菌剤;
紫外線安定剤;
可塑剤;
相溶剤;
静電防止剤;
ナフタレンスルホネート、硫化メラミン、リグニンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸エステル共重合体、グリコシド重合体などの流動化剤;
二酸化チタン、TiOなどの自浄性光触媒特性を示す添加物;
リン酸などの水蒸気を吸収する性質を変化させる添加物;を含む上述の一群から選択される。
【0039】
発泡作用のある少なくとも一つの化合物(もしくは発泡試薬の適切な混合物)を効果的な量添加するのは、特に好ましいことが証明されており、例えば:水、イソペンタン、シクロペンタン、n−ペンタン、クロロフルオロカーボン、またはそれらの混合物などである。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態では、発泡ポリマーは、一以上の添加物を含む発泡ポリウレタンで、添加物としては、例えば流動化剤は、ナフタレンスルホネート、硫化メラミン、リグニンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸エステル共重合体、グリコシド重合体、二酸化チタンなどの自浄性光触媒特性を示す添加物、リン酸などの水蒸気を吸収する性質を変化させる添加物である。
【0041】
発泡ポリマーが発泡ポリウレタンである場合、重合される出発化合物は、多価アルコールである。本発明の実施形態では、前記多価アルコールは、例えば、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、硫酸セルロース、トリメチルシリルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースおよび全てのセルロースの誘導体と、例えば1,3−ジモルフォリン−2−プロパノール、N−β−ヒドロキシモルフォリン、N−アミノプロピルモルフォリン、ジプロピルアミン3,3’−ジモルフォリン、および全てのモルフォリン誘導体と、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、および多価アルコールで予め化学的に変化させられる。本発明のその他の実施形態では、前記多価アルコールは、他のものからでもよく、例えば、デンプン、セルロース、リジン、植物性タンパク質などである。
【0042】
好ましくは、多価アルコールは、ポリエーテルおよび/またはポリエステルである。
【0043】
次に、重合化合物は、好ましくは、ジイソシアネート、もしくはジイソシアネートの混合物である。好ましくは、前記ジイソシアネートは、MDI(メチレン−ジイソシアネート)および/またはTDI(トルエン−ジイソシアネート)および/またはその混合物であってもよい。
【0044】
多価アルコール/ジイソシアネートの組み合わせは、所望の最終的な特徴の機能として適切に選択される。例えば、開いたセルの発泡ポリマー(すなわち、ガス相が相互連続している発泡体)を得ようと思う場合、ポリエーテルなどの多価アルコール/TDI、MDIもしくはその混合物の組み合わせを好ましくは使用する。反対に、閉じられた発泡ポリマー(すなわち、ガス相が相互に連続していない発泡体、つまりガスが特に、固体相内のポケット、泡の中に存在する)を得ようと思う場合、ポリエステルなどの多価アルコール/TDI、MDIもしくはその混合物の組み合わせが好ましくは使用される。
【0045】
次に、膨張度を、添加する発泡添加物の量および/または種類の双方と、さらに上記c)工程の処理/発泡時間とを調整して制御する。
【0046】
本発明のための特に好ましい無機物バインダは、コンクリートである。
【0047】
本発明の特に好ましい実施形態では、上述のハイブリッド材料の調製方法は、ハイブリッド材料のバインダ成分を加水工程で処理する。好ましくは、前記加水工程は、発泡ポリマー無機物バインダを有するハイブリッド材料を水に浸し、無機物バインダの所望の加水度が得られるのに必要な時間行われる。
【0048】
所望の特性を得るために、本発明に係るハイブリッド材料の成分は、無機物相の連続性と、さらに特定の用途の機能としての発泡相の最適な形態(孔の大きさの分散および部分的な相互接続)とを促進および保証するように選択される。
【0049】
有利には、試薬の化学的な親水性のために混合工程におけるコンクリートの剥離問題を避けることができる。なぜなら、これらが使用されているポリマー試薬と適合することが証明されているからである(特に、これらの親水性残基と反応する)。
【0050】
以下の実施例において、本発明を特に発泡ポリウレタンコンクリートを基にしたハイブリッド材料に言及し、例示として詳細に説明するが、本発明の広い用途を限定するものでは全くない。
【0051】
発泡ポリマーコンクリートを基にした好ましい前記ハイブリッド材料に言及した記載からの教示は、通常の知識を有する者によって、建築分野で、発泡ポリマー無機物バインダのその他の使用可能な組み合わせの必要なところを変えることで、発泡ポリウレタンコンクリートの将来的な使用のために完全に変化させることができる。
【0052】
特に、好ましい実施形態では、本発明は、付属の図1で模式的に表され、さらに以下の実施例において記載されている発泡ポリウレタンコンクリートの調製方法を含む。前記実施例に記されているパーセンテージは、該材料の出発総質量(すなわち、出発原料の質量の和)を基にした質量割合を表す。
【0053】
以下の実施例は、一般的性質として、使用価数(valence)がある。したがって、それらは、異なる成分が、最終生産物の所望の特徴の機能として変化できる好ましい質量パーセント(%)の範囲を指す。
【実施例】
【0054】
一般実施例1−ハイブリッドタイプA1およびA2
ハイブリッド材料の出発総質量(多価アルコールを基に、触媒、シリコン、表面活性剤および架橋剤、防炎剤および精菌剤、紫外線安定剤を総質量で0から10%質量含み;好ましくは1%から8%含み;さらに好ましくは2%から7%含んでいる)を基に、質量で20から80%の間の多価アルコールを計量する。コンクリートを質量で0から60%添加し、発泡剤(前述の)を、あれば質量で0から10%添加し、そして1から10分間、ホバート(HOBART)ミキサーを使って、成分の完全且つ緊密な混合物が得られるまで混ぜた。
【0055】
ジイソシアネートを質量で10%から40%の間で添加し、混合物が完全に均等になるまで混ぜるが、ポリウレタンの早期重合を避けるために十分に短い時間で行われる(約10から120秒、好ましくは20から60秒)。
【0056】
このようにして得られた混合物は、好ましくは適切なアルミニウムもしくはポリプロピレンもしくはポリスチレンなどのプラスチック成形/型で成形し(もしくは、使用箇所に直接移動する)、重合および発泡のために室温に放置する。膨張反応は、重合と新たな構造の架橋と平行して起きる。制御された(所望の)密度を持つ化合物を得るために、発泡反応は、閉じられたもしくは部分的閉じられた成形体の中で起きなくてはならない。同様に、開放された成形体では発泡なしで起きることができる。
【0057】
上述のハイブリッド生産物は、水中もしくは水蒸気に満たされた環境において、異なる時間および温度下で放置し、コンクリートのアルミン酸塩相(アルミン酸カルシウム)およびケイ酸塩相(ケイ酸カルシウム)の部分的もしくは完全な加水ができるようにする。このようにすることで、無機物ネットワークの形成が行われ、セメント性材料の典型的な特性を付与する(剛性、通気性、水との相互作用など)。この材料は、水和されたコンクリート(もしくは適切な代替物)およびポリウレタンを有する発泡ハイブリッドの特徴を有する。二相は、密接に相互に貫入し、最終的な特徴は、構成材料および材料により得られる膨張/発泡度に依存する。
【0058】
簡単にするために、開放されたセルブロー発泡体の(例えばポリエーテル/MDI)典型的な配合を使用して得られたハイブリッド(ハイブリッドファミリー)は、以下のハイブリッドタイプA1として特定した。
【0059】
反対に、閉じられたセルブロー発泡の典型的な配合(例えばポリエステル/TDI)を使用して、簡単にするために以下のハイブリッドタイプA2のハイブリッド(ハイブリッドファミリー)が得られた。
【0060】
実施例2−ハイブリッドタイプB
一般的実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料が調製されたが、コンクリートの加水工程は行われなかった。
【0061】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプBとして特定する。
【0062】
実施例3−ハイブリッドタイプC
一般的実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製したが、多価アルコールを、カルボキシメチルセルロース、もしくは、酢酸セルロース、もしくは、硫化セルロース、もしくは、トリメチルシリルセルロースを使って予め化学的に変化させた。
【0063】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッド(ハイブリッドファミリー)はハイブリッドタイプCとして特定する。
【0064】
実施例4−ハイブリッドタイプD
実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製するが、多価アルコールは、例えばデンプンなどの自然由来のものを使用する。
【0065】
簡単にするために、このように得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプDとして特定する。
【0066】
実施例5−ハイブリッドタイプE
実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製するが、コンクリートは、予め水と流動化剤と共に混練する。
【0067】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプEとして特定する。
【0068】
実施例6−ハイブリッドタイプF
実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製するが、バインダとしてコンクリートの代わりに硫酸カルシウム(石膏)が使われた。
【0069】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプFとして特定する。
【0070】
実施例7−ハイブリッドタイプG
実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製されるが、バインダとして、コンクリートの代わりに石灰を使用する。
【0071】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプGとして特定する。
【0072】
実施例8−ハイブリッドタイプH
実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製するが、二酸化チタン(TiO)をコンクリートに添加する。
【0073】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプHとして特定する。
【0074】
実施例9−ハイブリッドタイプI
実施例1の記載と同じようにハイブリッド材料を調製するが、リン酸をコンクリートに添加する。
【0075】
簡単にするために、このようにして得られたハイブリッドは、ハイブリッドタイプIとして特定する。
【0076】
本発明に係るハイブリッド材料の典型的な特徴と利点を指摘するために、ハイブリッドタイプA1およびA2を、一般に建築分野において使われる公知の発泡材料の開放セルと閉じられたセルの両方と比較した。
【0077】
ハイブリッドタイプA1およびA2で示される主な利点は以下の通りである。
【0078】
ハイブリッドタイプA1
無機物フィラーで充填された公知の開放セル発泡体と比較して、ハイブリッドタイプA1は、
−より優れた機械的耐久度と;
−より優れた音吸収力と;
−より優れたセメント性マトリクスに対する接着特性と、を示す。
【0079】
ハイブリッドタイプA1
発泡ポリスチレンなどのポリマー材料を有する従来の不活性な材料(砕いた石や砂)の(部分的)代替物から得られる軽量化したコンクリートと比較して、ハイブリッドタイプA1は、
−より優れた音吸収性と;
−より低い密度と;
−より簡単な設置とを示す。
【0080】
無機物フィラーで充填された閉じられたセル発泡体と比較して、ハイブリッドタイプA2は、
−より優れた機械的耐久度と;
−加水されたセメント相に起因してより優れた水蒸気に対する通気性と;
−より優れたセメント材料に対する接着性と;
−耐火性とを示す。
【0081】
ハイブリッドタイプA2
発泡ポリスチレンなどのポリマー材料を有する従来の不活性な材料(砕いた石や砂)の(部分的)代替物から得られる軽量化したコンクリートと比較して、ハイブリッドタイプA2は、
−より優れた熱遮蔽性と;
−より優れた音遮蔽性と;
−より低い密度と;
−特定の機械的特性と;
−より簡単な設置とを示す。
【0082】
上述のハイブリッド材料とは別のタイプ(BからI)として、以下の特徴が指摘される。
【0083】
ハイブリッドタイプBは、建築分野において使われる相互に連続していない構造(開放されているセルと閉じられているセルの双方)を有する従来のポリスチレンシステムと比較して、
−より優れたセメント性材料に対する接着特性と;
−より優れた機械的耐久度と;
−より優れた耐火性とを示す。
【0084】
ハイブリッドタイプCは、優れた親水度があり、これはハイブリッドタイプAと比較して、より簡単でより早いコンクリート加水工程を提供する。
【0085】
ハイブリッドタイプDは、優れた親水度があり、これはハイブリッドタイプAおよびBと比較して、より簡単でより早いコンクリート加水工程を提供する。この生産物は、さらにコストがより安い。
【0086】
ハイブリッドタイプEでは、加水工程が簡単且つ早くなっている。
【0087】
ハイブリッドタイプFでは、コンクリートのセッティングと架橋工程(硫酸塩の内因的な特徴)が加速され、さらには、水蒸気の吸収特性が増加している。
【0088】
ハイブリッドタイプGは、エアバインダの典型的な特徴を示す(すなわち、空気の存在下で架橋するシステム、二酸化炭素からの炭酸化)。
【0089】
ハイブリッドタイプHは、大気中の有機物および無機物の汚染を、日光により開始される同汚染の分解反応を利用してかなり減らせる光触媒「自浄」特性を示す。
【0090】
ハイブリッドタイプIは、水蒸気の吸収特性を増加させる。密接に相互に貫入し、均一に相互に連続する本発明に係るハイブリッド材料を有する発泡ポリウレタン無機物バインダは、上述の熱遮蔽性と、音遮蔽性と、水蒸気の通気性と、耐火性と、軽量性と、コンクリート、モルタル、およびプラスターに対する接着性と、耐圧縮性の特徴のおかげで、建築分野においてその使用が特に有利であることが証明されている。
【0091】
前述の調製方法で得られたハイブリッド材料は、その材料の多用性と、水蒸気の搬送と、熱および音の遮蔽と、耐火性と、接着性と軽量性の異なる物理的現象に介在し密接に相互に貫入する3相(ポリマー、無機物バインダ、ガス)の貢献によりいくつもの利点を示す。特に、相互に連続する(そして、従来使われてきた材料のように単純で連続しないフィラーではなく)加水されたコンクリートは、通気性、機械的強度、耐火性そしてコンクリート、プラスターおよびモルタルとの化学的適合性を付与する。さらには、ポリウレタン相は、発泡をサポートし、ガス相と共に最終生産物を軽量化し、そして熱および音の遮蔽特性を付与する。熱と音の遮蔽特性は、形態および孔の相互連続を調節して最適化される。
【0092】
本発明に係るハイブリッド材料は、セッティングおよび加工性が簡単である。革新的材料の多用性(セルの組成および形態を調製して得る)は、最終用途の機能としての最適化されたシステムを可能にする。
【0093】
したがって、本発明は、主に一般住宅の分野で、セルコンクリート(通気性、軽量性、適度な圧力に対する機械的抵抗力、耐火性、モルタル、プラスターに対する良好な適合性)と、発泡ポリマー(音および熱の遮蔽性、セッティングと加工性の簡便さ)の双方の特性を同時に有する材料の作成および使用に関する。セッティングの簡便さは、建物の構内で連続的に取り付けるためのパネルや工場での中間物を製造するのに反映され、もしくは建物の構内で直接該材料を製造し、この後者の場合は、非平面な幾何学構造の孔を直接埋めるか、現場で混合物をスプレーするか、もしくは該材料を金型で成形する。さらには、この材料は、注入することでインフラストラクチャや土壌の強化に使用されてもよい。これらの全ての用途において、発泡ポリウレタンなどと比較して、この材料は化学的見地から見て、より非活性である特徴を有している、なぜならセメント性無機物相があるからであるため、時間が経ってもより優れた安定性およびより優れた土壌およびインフラストラクチャとの適合性が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)発泡ポリマーを含む第1相と;
b)無機物バインダを少なくとも含む第2相と;
c)第3ガス相と;を少なくとも含有するハイブリッド材料であって、
前記ハイブリッド材料の構造は、相の間で途切れず、相互に貫入し相互に連続したミクロ構造からなるハイブリッド材料。
【請求項2】
前記材料は、有機物―無機物ハイブリッドである請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記発泡ポリマーは、ポリウレタンを基にしたポリマーであって、好ましくは前記発泡ポリマーは発泡ポリウレタンである請求項1もしくは2に記載の材料。
【請求項4】
少なくとも一つの前記無機物バインダは、コンクリート、石膏、石灰、炭酸カルシウム、ポゾラン、セメント凝集物、もしくはそれらの混合物を含む一群から選択される請求項1から3のいずれかに記載の材料。
【請求項5】
前記無機物バインダが、コンクリートである請求項4に記載の材料。
【請求項6】
前記ガス相が、COからなる前記請求項1から5のいずれかに記載の材料。
【請求項7】
前記材料の相互に連続したミクロ構造の寸法が、3μ以下で、好ましくは前記寸法は、3μより小さく、さらに好ましくは2μもしくは1μ以下である請求項1から6のいずれかに記載の材料。
【請求項8】
少なくとも一つの添加物をさらに含む請求項1から7のいずれかに記載の材料。
【請求項9】
添加物の混合物を含む請求項8に記載の材料。
【請求項10】
第三級アミン、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−2−フェニチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2−ジメチルアミノ−エタノールなどの触媒;
オクタン酸第一錫、硫化アセテート、硫化オクテート、硫化エチルエキソエート、硫化ラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル銅エステルなどの有機金属塩;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンなどの架橋剤;
シリコンオイル、シリコングリコール共重合体、ポリエーテルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレートブロック(1H,1H,2H,2H)パーフルオロエクシルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート(1H,1H,2H,2H)パーフルオロオクチルメタクリレートなどのセミフッ化ブロック共重合体、などの表面活性剤;
水、イソペンタン、シクロペンタン、n−ペンタン、クロロフルオロカーボンなどの発泡剤;
アンモニウムポリホスフェート、メラミンおよびそれらの誘導体などの防炎剤および静菌剤;
紫外線安定剤;
可塑剤;
相溶剤;
静電防止剤;
ナフタレンスルホネート、硫化メラミン、リグニンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸エステル共重合体、グリコシド重合体などの流動化剤;
二酸化チタン、TiOなどの自浄性光触媒特性を示す添加物;
リン酸などの水蒸気を吸収する性質を変化させる添加物;を含む一群から前記添加物を選択する請求項8もしくは9に記載の材料。
【請求項11】
前記発泡ポリマーが、該材料の総質量に対して、質量で5%から80%の質量%で存在し;
前記バインダが、該材料の総質量に対して、質量で20%から90%の質量%で存在し;
前記添加物が、該材料の総質量に対して、総質量%の0%から100%のうちの残りの分で存在する請求項1から10のいずれかに記載の材料。
【請求項12】
前記発泡ポリマーが、該材料の総質量に対して、質量で10%から70%の質量%存在し;
前記バインダが、該材料の総質量に対して、質量で30%から80%の質量%で存在し;
前記添加物が、該材料の総質量に対して、総質量の0%から100%のうちの残りの分で存在する請求項11に記載の材料。
【請求項13】
前記発泡ポリマーが、該材料の総質量に対して、質量で20%から60%の質量%で存在し;
前記バインダが、該材料の総質量に対して、質量で40%から70%の質量%で存在し;
前記添加物が、該材料の総質量に対して、総質量の0%から100%のうちの残りの分で存在する請求項11もしくは12に記載の材料。
【請求項14】
前記発泡ポリマーが発泡ポリウレタンであり;
前記無機物バインダがコンクリートである請求項1から13のいずれかに記載の材料。
【請求項15】
ハイブリッドタイプA1、ハイブリッドタイプA2、ハイブリッドタイプB、ハイブリッドタイプC、ハイブリッドタイプD、ハイブリッドタイプE、ハイブリッドタイプF、ハイブリッドタイプG、ハイブリッドタイプH、ハイブリッドタイプIからなる一群から選択される請求項1から14のいずれかに記載の材料。
【請求項16】
a)所望の前記ポリマーを形成するのに必要な出発化合物と効果的な量の無機物バインダとを、物質の緊密な混合を得るのに必要な時間だけ混合する第1工程と;
b)効果的な量の重合化合物を上記の混合物に、ポリマーを形成するのに必要なだけ添加する第2工程と;
c)前記工程b)時点での混合物を、前記ポリマー相の架橋反応および同時に起きる発泡の開始と完了に必要な十分な時間で放置する第3工程と、を少なくとも含む請求項1から13のいずれかに記載の材料を調製する方法。
【請求項17】
前記第3工程c)が室温で行われる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記工程a)の出発化合物が多価アルコールで、好ましくは前記多価アルコールがポリエーテルおよび/またはポリエステルである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記多価アルコールは、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、硫酸セルロース、トリメチルシリルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、1,3−ジモルフォリン−2−プロパノール、N−β−ヒドロキシモルフォリン、N−アミノプロピルモルフォリン、ジプロピルアミン3,3’−ジモルフォリン、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン多価アルコールで化学的に変化させられている請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記a)工程の前記出発化合物に、前記発泡ポリマーを調製するのに必要な少なくとも一つの添加物をさらに添加する請求項16から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
第三級アミン、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−2−フェニチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2−ジメチルアミノ−エタノールなどの触媒;
オクタン酸第一錫、硫化アセテート、硫化オクテート、硫化エチルエキソエート、硫化ラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル銅エステルなどの有機金属塩;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンなどの架橋剤;
シリコンオイル、シリコングリコール共重合体、ポリエーテルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレートブロック(1H,1H,2H,2Hパーフルオロエクシルメタクリレート)、ポリメチルメタクリレート(1H,1H,2H,2Hパーフルオロオクチルメタクリレート)などのセミフッ化ブロック共重合体、などの表面活性剤;
水、イソペンタン、シクロペンタン、n−ペンタン、クロロフルオロカーボンなどの発泡剤;
アンモニウムポリホスフェート、メラミンおよびそれらの誘導体などの防炎剤および静菌剤;
紫外線安定剤;
可塑剤;
相溶剤;
静電防止剤;
ナフタレンスルホネート、硫化メラミン、リグニンスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸エステル共重合体、グリコシド重合体などの流動化剤;
二酸化チタン、TiOなどの自浄性光触媒特性を示す添加物;
リン酸などの水蒸気を吸収する性質を変化させる添加物;を含む一群から少なくとも一つの前記添加物を選択する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記添加物が発泡試薬であって、好ましくは前記発泡試薬は、水、イソペンタン、シクロペンタン、n−ペンタン、クロロフルオロカーボンおよび/またはそれらの混合物から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記重合化合物が、ジイソシアネートであり、好ましくは、前記ジイソシアネートは、メチレン−ジイソシアネートおよび/またはトルエン−ジイソシアネートおよび/またはその混合物である請求項16から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
建築分野における、請求項1から15のいずれかに記載のハイブリッド材料の使用。
【請求項25】
熱および音の遮蔽特性を持つ生産物の調製のための請求項24に係る使用。
【請求項26】
前記生産物は、水蒸気の通気性と、耐火性と、軽量性と、コンクリート、モルタル、およびプラスターへの接着性と、耐圧縮性の特性をさらに持つ請求項25に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−542835(P2009−542835A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517473(P2009−517473)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/IB2007/001842
【国際公開番号】WO2008/007187
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(509007263)
【氏名又は名称原語表記】CONSIGLIO NAZIONALE DELLE RICERCHE(CNR)
【住所又は居所原語表記】Piazzale Aldo Moro,7,I−00185 Roma(IT)
【Fターム(参考)】