制御システム及び信号送信方法
【課題】通信効率に優れた制御システムを提供すること。
【解決手段】複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムであって、前記ユニット制御装置は、前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信する選択指示受信手段と、前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する送信フレーム送信手段とを備えている。
【解決手段】複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムであって、前記ユニット制御装置は、前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信する選択指示受信手段と、前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する送信フレーム送信手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアル回線を介してユニット制御装置と接続された上位制御装置、及び複数センサからの複数センサ信号を受信しシリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムに関する。また、本発明は、この制御システムに適用される信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
制御システムの一例として、紙葉類などの媒体を搬送する媒体搬送装置が知られている。媒体搬送装置は、媒体の分離や移動のための多数のパルスモータやアクチュエータを備えた複数のユニット部(搬送部、取込部、集積部)、及びこれらユニット部内のパスルモータやアクチュエータの動作を制御する制御コマンドを発行する主制御部により構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
主制御部(上位制御装置)とユニット部(ユニット制御装置)との間で行なわれるシリアル通信では、トータルフレーム方式によるサイクリック通信が採用されている。この通信方式により、主制御部からユニット部に送られるコマンド(COMMAND)、ユニット部から主制御部へ送られるこのコマンドの処理結果としてのレスポンス(RESPONSE)、及び主制御部、ユニット部の間で伝送される入出力データ(DATA−INPUT/OUTPUT)などが送受信されている。
【特許文献1】特開2001−202588
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユニット部から主制御部に対して送信される複数センサからの複数センサ信号に対しては固定のサンプリング周期が設定される。当然ながら両者間の通信容量には限界があり、固定のサンプリング周期(例えば極めて短い周期のサンプリング周期)が設定されることにより、センサ数(送信可能なセンサ信号数)が大幅に制限されてしまうことがある。言い換えると、サンプリング周波数が、通信容量により制限されてしまうこともある。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信効率に優れた制御システム及び信号送信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の制御システム及び信号送信方法は、以下のように構成されている。
【0007】
(1)この発明は、複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムであって、
前記ユニット制御装置は、前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信する選択指示受信手段と、前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する送信フレーム送信手段とを備えている。
【0008】
(2)この発明は、複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムに適用される信号送信方法であって、前記ユニット制御装置は、前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信し、前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信効率に優れた制御システム及び信号送信方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
この発明の一例の制御システムは、上位制御装置と下位制御装置(ユニット制御装置)により構成される分散処理型の制御システムでる。
【0012】
図1は、この発明の一例に係る制御システムの概略構成を示す図である。図1に示すように制御システムは、主制御部100A及びユニット部100Bを備えている。主制御部100Aは、コントロール用上位CPU101、及び上位制御装置としての通信マスタ側LSI102(メイン)を備えており、コントロール用上位CPU101は、通信マスタ側LSI102に対して各種指示を出す。一方のユニット部100Bは、下位制御装置としての複数のスレーブ側LSI103(UNIT#1、UNIT#2、UNIT#3、UNIT#4、…)、複数のフォトインタラプタ109、複数のソレノイド110等を備えている。
【0013】
主制御部100Aの通信マスタ側LSI102とユニット部100Bの各スレーブ側LSI103とは、送信ライン105及び受信ライン106を持ったシリアルケーブルにより接続されており、通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103によりシリアル通信が制御される。
【0014】
各LSIにはプロセッサが実装されている。コントロール用上位CPU101は、ユニット部100Bのフォトインタラプタ109、ソレノイド110に対する駆動を統括的に指令する。この指令値に従い、スレーブ側LSI103がフォトインタラプタ109、ソレノイド110の駆動等の詳細な制御を行なう。
【0015】
送信ライン105は、通信マスタ側LSI102から各スレーブ側LSI103に対してコマンド(複数制御信号)や出力データを送信する。受信ライン106は、通信マスタ側LSI102で各スレーブ側LSI103からのレスポンスや入力データ(複数センサ信号)を受信する。
【0016】
図2は、スレーブ側LSI103と送信ライン105とを接続する送信回路の概略構成を示す図であり、図3は、スレーブ側LSI103と受信ライン106とを接続する受信回路の概略構成を示す図である。図2及び図3に示すように、送信回路及び受信回路は、共にノーマルモードノイズ対策のためパルストランス202を備えたフローティング回路となっている。通信マスタ側LSI102からの送信データは、送信ライン105上を伝搬し、送信回路のレシーバ203で受信される。これに対して、受信回路は、トランシーバ205とレシーバ206を備えている。
【0017】
次に、通信方法(信号送信方法)について説明する。図4は、図1に示す制御システムの通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103(UNIT#n)との接続例を示す図である。
【0018】
例えば、通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103(UNIT#n)は、送信ライン105及び受信ライン106を持ったシリアルケーブルで接続され、スレーブ側LSI103(UNIT#n)には10個のフォトインタラプタ109(sen.1〜sen.10)が接続されている。一方、シリアルケーブル上の通信容量は、1msあたりに8bit迄であるとする(送信周期1msで順次送信される送信フレームは8個のスロット(容量8bit)を含むとする)。つまり、全てのフォトインタラプタ109の入力信号(10個のセンサ信号)は、1ms周期では転送できない。
【0019】
ここで、1ms周期でサンプリングが必要なフォトインタラプタ109は、10個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.10)のうち6個(sen.1〜sen.6)であり、残りの4個(sen.7〜sen.10)は2ms周期でのサンプリングでよいと仮定すると、図5に示すようなデータ転送方法が適用できる。
【0020】
つまり、1回目の通信で送る入力信号(センサ信号)は、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット、2回目の通信で送る入力信号は、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10とし、3回目の通信で送る入力信号を1回目の通信で送る入力信号と同じにし、4回目の通信で送る入力信号を2回目の通信で送る入力信号と同じにし、以下、この通信を繰り返す。つまり、1回目の入力信号と2回目の入力信号を交互に送信する。
【0021】
言い換えると、1回目の通信で送信する送信フレームは、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット(8個のスロット)を含み、2回目の通信で送信する送信フレームは、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含む。つまり、1〜6ビット目は常にsen.1〜sen.6を送信し、7ビット目はsen.7とsen.9を交互に送信、8ビット目はsen.8とsen.10を交互に送信する。言い換えると、sen.1〜sen.6の送信周期とsen.7〜sen.10の送信周期を異なる送信周期にする。即ち、sen.1〜sen.6は、送信フレームの送信周期T0のn倍(n=1)の送信周期T1で送信し、sen.7〜sen.10は、送信フレームの送信周期T0のm倍(m=2)の送信周期T2で送信される。
【0022】
これにより、小さい通信容量下において、より多くのセンサ信号を送信することが可能となる。
【0023】
なお、スレーブ側LSI103(UNIT#n)と通信マスタ側LSI102との間の通信周波数を上げて通信容量を増やすことも考えられるが、反面、ノイズの影響を受けやすくなる。本実施形態による通信方法によれば、通信周波数を上げて通信容量を増やすわけではないので、対ノイズ性能を低下させることなく、より多くのセンサ信号を送信することができる。
【0024】
ここで、上記したように異なる送信周期で複数の入力信号を送信する理論について説明する。
【0025】
最小単位周期Tでサンプリングしなければならないセンサの個数をa1、周期2T以下でサンプリングしなければならないセンサの個数をa2、a3、…として、全てのセンサの中でもっとも長いサンプリング周期をNT(周期TをN回分)、周期NTでサンプリングしなければならないセンサの個数をaNとする。また、T時間に転送可能なセンサの信号数をSビットとすると、全てのセンサが規定の周期以内で転送可能となるためには、以下の式(1)が成り立つ必要がある。
【0026】
a1+a2/2+a3/3+…+aN−1/(N−1)+aN/N≦S…(1)
例えばN=2の時、式(1)は、以下の式(2)となる。
【0027】
a1+a2/2≦S…(2)となる。
【0028】
全センサの数をmとすると、以下の式(3)となる。
【0029】
a1+a2=m…(3)である。
【0030】
よって、式(2)、式(3)から、以下の式(4)が導かれる。
【0031】
a1≦2S−m…(4)
つまり、最小単位周期Tあたりに転送可能なセンサの信号数をSビット、全センサの個数をmとすると、最小単位周期Tでサンプリング可能なセンサ数a1は、式(4)を満たさなければならない。
【0032】
続いて、空きビットの利用について説明する。
【0033】
式(1)の等号が満たされる時(つまり図5のような状態)、毎回の送信信号の全てのビットが有効なセンサデータで埋められる(つまり送信フレームに含まれる全ての送信スロットが有効なセンサデータで埋められる)。
【0034】
一方、式(1)の不等号が成立する場合は、通信路に空きが生じることとなる(つまり送信フレームに含まれる送信スロットに余裕が生じる)。そこで、要求されるサンプリング周期が長くてもよいセンサ信号を、要求されるサンプリング周期より短い周期で送信する(つまりセンサ信号を冗長的に送信する)。
【0035】
例えば、N=2の場合を考える。
【0036】
a1+a2/2<S…(5)
式(5)が成立する上で、式(6)が成り立つkがあれば、周期2Tでもよいセンサa2個のうちk個を周期Tでサンプリングすることが可能である。
【0037】
(a1+k)+(a2−k)/2<S、但しkはa2以下の正の整数…(6)
周期2Tでもよいセンサa2個のうちk個を周期Tでサンプリングすれば、それらの信号は2倍の冗長度を持たせることが可能となり、信号のフィルタリング(ノイズ除去、平均化)が可能となる。
【0038】
次に、センサマップについて説明する。通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103との間で、センサ信号を送受信する前に、センサ信号の送信順を決定しておく必要がある。図6は、センサ信号の送信順の管理を説明するためのフローチャートである。
【0039】
通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号(例えばsen.1〜sen.10)に対する複数サンプリング周期(例えばsen.1〜sen.6:1ms周期、sen.7〜sen.10:2ms周期)を設定し、さらにセンサマップを設定する(ST1)。
【0040】
センサマップは、複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示(つまり何番目の送信フレームにどのセンサ信号を含めるかの指示)を含む。具体的には、図5に示すように、センサマップは、1(n)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.7、sen.8を含め、2(n+1)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.9、sen.10を含める指示である。
【0041】
通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、センサマップ設定コマンドを発行する(ST2)。図7は、センサマップ設定コマンドの一例を示す図である。センサマップ設定コマンドは、例えば、コマンドの種別(8bit)、最大センサ周期(8bit)、センサマップ(可変長:最大センサ周期による)を含む。
【0042】
コマンド種別は、コマンドが初期設定コマンドであることを示すコードである。コマンドコードは、例えば0xAである。最大センサ周期は、最もセンサ送信周期の長いセンサの周期を示す。本実施形態では、最大センサ周期=2送信フレームとなる。センサマップは、図5に示すように、センサ信号の送信順序を規定したものである。
【0043】
例えば図8に示すように、最大センサ周期(2送信フレーム)分の各センサ信号に対して番号を対応付ける。つまり、図8に示すように、sen.1→0、sen.2→1、sen.3→2、sen.4→3、sen.5→4、sen.6→5、sen.7→6、sen.8→7、sen.9→8、sen.10→9と対応付ける。図9に示すように、センサマップは、各センサ信号に対応付けた番号を順番に並べ直したものである。
【0044】
続いて、通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、動作開始コマンドを発行する(ST3)。図10に示すように、センサ信号の通信を開始するトリガとなるコマンドを発行する。コマンドコードは、例えば、0xBである。スレーブ側LSI103は、センサマップに基づき、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、通信マスタ側LSI102に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する。つまり、図4に示すように、1回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット(8個のスロット)を含め、2回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、これら送信フレームを順次送信する。
【0045】
通信マスタ側LSI102は、センサマップに基づいて選択されたセンサ信号を含む送信フレームを順次受信する。さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップに基づいて送信フレームに含まれるセンサ信号を監視する(ST4)。つまり、どのセンサ信号がどのセンサからの信号なのかを解析する。
【0046】
次に、センサ信号を冗長的に送信するケースについて説明する。
【0047】
図11に示すように、送信フレーム中の送信スロットに空き(余裕)がある場合、故意にセンサ信号のサンプリング周期を短くすることで、センサ信号の信頼性を高めることができる。図11のケースでは、2回目(4回目…)に送信する送信フレームの8ビット目のスロットが空いている。
【0048】
例えば、sen.10については、上記したように、送信フレームの送信周期T0の2倍の送信周期で十分であるが(送信フレームの2回送信につき1回送信する)、図12に示すように、sen.10について送信フレームの送信周期T0と同じ送信周期で冗長的に送信する(毎回の送信フレームで送信する)。なお、sen.10を冗長的に送信することは、センサマップにおいて指示する。
【0049】
つまり、センサマップは、複数センサ信号に含まれる信号であって所定のサンプリング周期TSでサンプリングされる所定のセンサ信号(sen.10)を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1<Ts)で冗長的に送信する冗長指示を含む。
【0050】
これにより、スレーブ側LSI103は、所定のセンサ信号(sen.10)を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1<Ts)で冗長的に送信する。具体的には、図12に示すように送信する。
【0051】
さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップに含まれる冗長指示に基づき、送信フレームに含まれる所定のセンサ信号(sen.10)の冗長性から所定のセンサ信号の真偽をチェックし、センサ信号の信頼性を確保することができる。
【0052】
続いて、センサ信号の冗長的送信による信頼性の向上について説明する。図13は、センサ信号の冗長的送信による信頼性の向上を実現するための主制御部100Aの別例を示す図である。
【0053】
スレーブ側LSI103から送信されたセンサ信号は、通信マスタ側LSI102で受信される。通信マスタ側LSI102は、センサマップに基づき、送信フレームに含まれるセンサ信号を解析し、送信フレームに含まれるセンサ信号を振り分ける。このとき、例えば、冗長的送信の対象となっていないsen.1〜sen.9は、直接、コントロール用上位CPU101に送られる。これに対して、冗長的送信の対象となったsen.10は、ノイズ除去回路NRCに送られる。ノイズ除去回路NRCによりノイズが除去されたsen.10が、コントロール用上位CPU101に送られる。
【0054】
図14は、ノイズ除去回路NRCの概略構成を示す図である。D−FF(D−フリップフロップ)は、1周期前のセンサ信号(sen.10)を保持する。クロック(clock)は、センサ監視周期と等しい周波数のクロック信号とする。XOR回路は、1周期前のセンサ信号(sen.10)と現在のセンサ信号(sen.10)とを比較する。1周期前のセンサ信号(sen.10)と現在のセンサ信号(sen.10)とが同じ信号である場合、LATCH回路のゲートが開き、出力信号が現在のセンサ信号に更新される。1周期前のセンサ信号(sen.10)と現在のセンサ信号(sen.10)とが異なる信号である場合、出力信号は更新されず、以前の出力値がそのまま保持される。つまり、2周期以上連続して信号の値が等しければ、初めて出力信号が更新されることとなり、1周期だけの単パルスを除去することが可能となる。
【0055】
以上では、異なる二つのサンプリング周波数が要求されるセンサ信号(sen.1〜sen.6:1ms周期、sen.7〜sen.10:2ms周期)の送信について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0056】
例えば、次に説明するように、多数の異なるサンプリング周波数が要求されるセンサ信号を効率良く送信することができる。
【0057】
前提条件は、次の通りとする。
【0058】
・送信フレーム:送信スロット8個(8bits)/送信周期1ms、
・sen.1〜sen.7:要求サンプリング周波数2ms
・sen.8〜sen.10:要求サンプリング周波数20ms
・sen.11〜sen.12:要求サンプリング周波数100ms
送信方法は、例えば次の通りとなる。
【0059】
・sen.1〜sen.7:少なくとも偶数番目(又は奇数番目)の送信フレームで送信する。偶数番目及び奇数番目の全ての送信フレームで冗長的に送信するようにしてもよい。
【0060】
・sen.8:1、11、21…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0061】
・sen.9:2、12、22…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0062】
・sen.10:3、13、23…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0063】
・sen.11:4、104、204…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0064】
・sen.12:5、105、205…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0065】
本実施形態により以下の作用効果を得ることができる。
【0066】
通信容量の小さい通信路下においても、各センサのサンプリング周期の最適化を図ることにより、一律一定周期でサンプリングするよりも多くのセンサ信号の通信が可能となる。また、通信周波数を高くして通信容量を増やす訳ではないので、対ノイズ性能を低下させることもない。
【0067】
例えば、紙葉類処理機等の制御装置においては、数百個の入力信号(センサ信号)が送受信されることがある。そして、要求されるセンサのサンプリング周期はまちまちである。例えば、紙葉類の搬送位置を確認するためのセンサ等は、紙葉類の認識位置精度に関わるため高い周波数(例えば、1ms)でのサンプリングが要求される。一方、扉の開閉を認識するためのセンサ等のヒューマンI/F部分に使用されるセンサは低い周波数(数百ms〜数s程度)のサンプリングで十分な場合が多い。
【0068】
このようなケースにおいて、個々のセンサの要求仕様(サンプリング周波数)に合わせてサンプリング周期を最適化することにより、ある通信容量下において、一律一定のサンプリング周期でサンプリングする通信系よりも多くのセンサ信号を通信することが可能となる。
【0069】
また、上記通信方式において通信した場合、通信路に空き時間(余裕)ができる場合がある。そのようなセンサ信号の通信系において、一部のセンサ信号に冗長度を持たせることにより、センサ信号のフィルタリング(ノイズ除去、平滑化)が可能となりセンサ信号の信頼性を向上させることが可能となる。
【0070】
つまり、通信容量の小さいフィールドネットワークシステムにおいて、複数センサ信号に対して個別にサンプリング周期を設定することにより、通信量を削減し全体のパフォーマンスを低下することなく実現することができる。
【0071】
以上は、スレーブ側LSI103から通信マスタ側LSI102へ送信されるセンサ信号の送信について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通信マスタ側LSI102からスレーブ側LSI103へ送信される制御信号の送信についても適用することができる。つまり、複数制御機器を制御するための複数制御信号を全て同一周期で送信するのではなく、異なる周期で効率良く送信することができる。また、上記した冗長的送信を適用し、制御信号の信頼性向上を図ることもできる。
【0072】
即ち、通信マスタ側LSI102は、複数制御機器(ソレノイド110など)に対する複数制御周期を設定する。例えば、あるソレノイド110に対しては制御周期T1で制御信号を送信し、別のソレノイド110に対しては制御周期T2(T2=T1×2)で制御信号を送信するものとする。通信マスタ側LSI102は、複数制御周期(T1、T2)及び送信フレームの送信周期(T0)に基づいて、複数制御信号の中から各送信フレームに含めるための制御信号の選択指示(制御マップ)を決定し、スレーブ側LSI103に対して制御信号の選択指示を送信するとともに、選択指示に基づき選択された制御信号を含む各送信フレームを順次送信する。
【0073】
スレーブ側LSI103は、選択指示を受信するとともに、送信フレームを順次受信し、選択指示に基づき送信フレームに含まれる制御信号を解析し(どの制御信号がどの制御機器に対する信号なのかを解析し)、解析された制御信号に基づき各制御機器を制御する。
【0074】
次に、本発明が適用可能な紙葉類処理装置(郵便物処理装置)の一例について説明する。
【0075】
図15は、郵便物処理装置(郵便物宛名自動読取区分機)の一例を示す図である。ここで、郵便物処理装置の動作について簡単に説明する。供給部1に一括して立位状態にセットされた葉書,封書などの複数の郵便物Pは、取出部2により最前端の郵便物Pから順次1枚ずつ取出し搬送され、取込搬送路3の途中に配置された読取部4によって郵便物Pに付与された宛名情報としての宛名住所が読み取られる。
【0076】
上記読取部4は、郵便物P表面の全面画像を光電変換する光電変換部4aと、この光電変換部4aの出力(白黒画像B/W)に応じて宛名住所の認識を行う住所認識部4b、上記光電変換部4aの出力(赤画像R)に応じて転送先住所の認識を行う転送住所認識部4cとから構成されている。
【0077】
そして、読取部4を通過した郵便物Pは、取込搬送路3を通り、振分けゲート20によって前部の第1の区分部11あるいは後部の第2の区分部21に搬送されるようになっている。なお、振分けゲート20は、図1に示すソレノイド110に対応して振分動作する。
【0078】
上記第1の区分部11に搬送された郵便物Pは、図示しない区分ゲートと搬送機構部とからなるゲート機構部によって鉛直方向に複数段設けられた区分搬送路5a,5b,5c,5dに、上記読取部4での読取結果にもとづいて選択的に振り分けられるようになっている。なお、区分ゲートは、図1に示すソレノイド110に対応して区分動作する。
【0079】
上記区分搬送路5a,5b,5c,5dの下方には、その下面側に沿って、それぞれ複数のポケット(集積箱)6…が複数段(A段、B段、C段、D段)に配設されている。そして、区分搬送路5a,5b,5c,5dに送り込まれた郵便物Pは、住所認識部4bまたは転送住所認識部4cの認識結果にもとづいて所定のポケット6内に区分集積されるようになっている。
【0080】
上記第2の区分部21に搬送された郵便物Pは、図示しない区分ゲートと搬送機構部とからなるゲート機構部によって鉛直方向に複数段設けられた区分搬送路22a,22b,22c,22dに、上記読取部4での読取結果にもとづいて選択的に振り分けられるようになっている。
【0081】
上記区分搬送路22a,22b,22c,22dの下方には、その下面側に沿って、それぞれ複数のポケット(集積箱)23…が複数段(A段、B段、C段、D段)に配設されている。そして、区分搬送路22a,22b,22c,22dに送り込まれた郵便物Pは、住所認識部4bまたは転送住所認識部4cの認識結果にもとづいて所定のポケット23内に区分集積されるようになっている。
【0082】
なお、前記第1の区分部11は、たとえば200個のポケット6を備えて構成されており、前記第2の区分部21は、たとえば150個のポケット23を備えて構成されている。また、上記搬送路3,5a〜5d,22a〜22d上には、その搬送路上の郵便物Pの搬送を検知する搬送検知器群(例えば図1に示すフォトインタラプタ109)が設けられている。
【0083】
さらに、上記供給部1の近傍には、操作パネルとしてのオペレータパネル7が設けられている。このオペレータパネル7には、処理動作の開始を指示するスタートスイッチ、および区分指定を選択する選択スイッチ(いずれも図示しない)などが設けられている。
【0084】
続いて、図16を参照して、取出部2について説明する。
【0085】
取出部2には、郵便物Pを搬送する搬送供給部70が設けられている。この搬送供給部70は、供給台71と、この供給台71上のスリットに移動可能に設けられた2本の供給ベルト73と、この供給台71に立設する側板74と、この側板74の平行スリット75に移動可能に所定間隔ごとに設けられている複数本の供給ピン76とを備えている。郵便物Pは、供給ベルト73と供給ピン76とによって搬送され、後端(下端)が揃えられた状態で集積部77に集積されるようになっている。
【0086】
取出部2は、供給ベルト73の移動方向、つまり供給部70による郵便物Pの搬送方向と直交して配設された取出ベルト78を備えている。取出ベルト78には多数の孔(図示せず)が形成されている。これらの孔は所定間隔ごとに例えば4つずつが形成されている。取出ベルト78は、駆動ローラ80と2つのローラ81c、81dに掛け渡されており、駆動ローラ80が回転されることにより、走行されるようになっている。郵便物Pは取出ベルト78に接触すると上方に向かって搬送される。なお、取出ベルト78の駆動機構は制御部によって可変速されうるようになっている。
【0087】
取出ベルト78の内側には、取出ベルト78の内面に隣接対向した状態で吸引装置94により吸引される主吸引部82が設けられている。また、取出ベルト78の搬送方向に対して取出ベルト78の下流側には、吸引装置94により吸引される補助吸引部83が設けられている。この補助吸引部83は、取出ベルト78によって一度に2枚以上の郵便物Pを取出さないようにするためのものである。
【0088】
補助吸引部83の前面側には吸引用のスリット孔(図示せず)が設けられているとともに、圧力検知レバー83bの先端が供給部70の集積部77に臨むように設けられている。この圧力検知レバー83bは、集積部78に郵便物Pが集積された際、その押圧力により移動することにより、そのレバー83bの後端により補助吸引部83の背後に設けられている透過形の圧力検知器84をオンさせるようになっている。圧力検知器84は、集積部77に郵便物Pが集積された際にレバー83bの後端により、フォトインタラプタ109を構成する発光素子から受光素子へ射出された光が遮断されると、オンするようになっている。
【0089】
また、ピンチローラ81c、81dの間に透過形のベルト孔検知器85(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)が設けられている。このベルト孔検知器85によりベルト孔の通過が検知され、これにより取出ベルト78の搬送位置が検知されるようになっている。このベルト孔検知器85の発光素子からの光がベルト孔を通って受光素子に到達すると、スイッッチがオンするようになっている。
【0090】
また、主吸引部82の前面側部には先端検知器87(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)が設けられている。この先端検知器87は、取出ベルト78によって取出された郵便物Pの先端(上部)の通過を検知する透過型光センサである。後端検知器88(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)が取出ベルト78によって取出された郵便物Pの後端(下部)の通過を検知するように設けられている。この後端検知器88も透過型光センサである。なお、後端検知器88は1箇所のみに限らず複数箇所に設けてもよい。
【0091】
取出ベルト78によって取出された郵便物Pは、先端検知器87及び後端検知器88を通過した後に、上方の搬送路48に導かれるようになっている。この搬送路48は、ローラ90a、90bに掛渡されている搬送ベルト91と、ローラ92に掛渡されている搬送ベルト93とで形成されている。
【0092】
続いて、図17を参照して、ポケット(集積箱)6について説明する。
【0093】
ポケット(集積箱)6は、上部開口部分から郵便物Pを受け入れて積層する構成となっている。そして、ポケット6内に設けた郵便物Pの重さの変化により変位する変位板52の位置を満杯検出センサ53(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)で検出するようになっている。
【0094】
続いて、図18を参照して、制御システムについて説明する。
【0095】
例えば第1の区分部11には、コントロール用上位CPU101に相当するMP−CPU40が備えられている。このMP−CPU40は、スレーブ側LSI103(UNIT#1、UNIT#2、UNIT#3、UNIT#4、…)に対応するSP−CPU41a〜41dとの交信用のCPU(以下CM−CPUと称す)42を有している。またSP−CPU41a〜41dは、MP−CPU40のCM−CPU42と交信を行うためのCPU(CM−CPU43a〜43d)を有している。また各SP−CPU41a〜41dは、互いに交信を行い相手の位置情報をチェックするためのCPU(CM−CPU44a〜44d、45a〜45d)を有している。CM−CPU44a〜44dは、自身の下流のMP−CPUと交信を行うものであり、CM−CPU45a〜45dは、自身の上流のMP−CPUと交信を行うものである。
【0096】
つまり、図15に示すベルト孔検知器85、先端検知器87、後端検知器88、搬送検知器群からのセンサ信号、及び図17に示す満杯検出センサ53からのセンサ信号が、SP−CPU41a〜41dからMP−CPU40へ送信される。高速搬送される郵便物Pを適切に検知するために、先端検知器87、後端検知器88、及び搬送検知器群からのセンサ信号に対しては極めて短いサンプリング周期が要求される。これに対して、満杯検出センサ53からのセンサ信号に対しては比較的長いサンプリング周期で十分である。本実施形態によれば、例えば、このような先端検知器87及び後端検知器88からのセンサ信号を短い周期で送信し、満杯検出センサ53からのセンサ信号を長い周期で送信することができ(異なる周期で送信することができ)、所定の通信容量の範囲で信号送信の効率化を図ることができる。また、いくつかのセンサ信号を冗長的に送信することにより、センサ信号の信頼性の向上を図ることもできる。
【0097】
次に、ダイナミックなサンプリング周期の変更について説明する。
【0098】
図19は、図15に示す郵便物処理装置(紙葉類処理装置)の搬送路の分岐例を示す図である。図19に示すように、取込搬送路3は、搬送路31及び32に分岐する。取込搬送路3を搬送される紙葉類(上記した郵便物P)は、検知部Dにより検知される。検知部Dによる検知結果は、ユニット部100Bのスレーブ側LSI103から主制御部100Aへ通知される。主制御部100Aは、この検知結果に基づきゲートGの駆動を制御するためのゲート駆動制御信号を送信する。スレーブ側LSI103は、ゲート駆動制御信号を受信し、ゲートGの駆動を制御する。つまり、検知結果に基づき、搬送路31及び32のうちのどちらか一方の搬送路が選択され、紙葉類は、搬送路31及び32のうちのどちらか一方の搬送路へ振分られる。
【0099】
例えば、10個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.10)のうちの4個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.4)が搬送路31に対応して設置され、また別の4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)が搬送路32に対応して設置されているとする。つまり、4個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.4)が搬送路31を流れる紙葉類を監視し、別の4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)が搬送路32を流れる紙葉類を監視する。
【0100】
例えば、検知結果に基づき、搬送路32が選択されるとする。つまり、紙葉類が搬送路32を流れるとする。搬送路32を監視している4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)は紙葉類を監視するため、高いサンプリング周期を必要とする。これに対して、正常にゲートGが駆動していれば、搬送路31上を紙葉類は流れない。よって、搬送路31を監視している別の4個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.4)は誤搬送される紙葉類を監視すればよく、高いサンプリング周期は必要なく、低いサンプリング周期でよい。
【0101】
そこで、図20に示すように、ダイナミックにサンプリング周期を変更し、より効率よくセンサ信号を収集する。センサマップを使用して、データの送受信を行う際、図7に示すコマンドの中の最大センサ周期(例えば最大センサ周期=2)をカウント値として、センサマップが一周するタイミングをチェックする。例えば、検知部Dからの検知結果に基づく搬送路32の選択に対応して、主制御部100Aの通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、サンプリング周期の変更コマンドを発行する。スレーブ側LSI103は、サンプリング周期の変更コマンドを受信し、変更要求フラグを1にセットし(FLG=1)、変更コマンドに含まれるデータ(複数センサ信号(sen.1〜sen.10)のどのセンサ信号を何番目の送信フレームに含めるかを示す選択指示)をバッファに取り込む。変更要求フラグに1がセットされ(FLG=1)、且つ全てのセンサ信号(sen.1〜sen.10)を含む送信フレーム群(例えば3回目の送信フレームと4回目の送信フレームにより構成される一つの送信フレーム群)の送信完了を示すカウント値が0のとき(count=0)のときに、バッファに取り込んだ変更コマンドに含まれるデータに基づく配列を適用する。
【0102】
上記についてさらに詳細に説明する。最初に、サンプリング周期変更前の初期状態について説明する。例えば、送信周期1msで順次送信される1つの送信フレームが8個のスロット(容量8bit)を含むと仮定し、さらに、1ms周期でサンプリングが必要なフォトインタラプタ109は、10個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.10)のうち6個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.6)であり、残りの4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)は2ms周期でのサンプリングでよいと仮定すると、図20に示す1回目、2回目、3回目、4回目の送信フレームに示すような転送方法が適用できる。全てのセンサ信号は、1回目と2回目の二つの送信フレーム(第1、第2の送信フレーム)、又は3回目と4回目の二つの送信フレーム(第1、第2の送信フレーム)で送信が完了する。これら1回目と2回目の二つの送信フレームをまとめて第1の送信フレーム群と呼ぶ。同様に、3回目と4回目の二つの送信フレームをまとめて第1の送信フレーム群と呼ぶ。
【0103】
即ち、図21に示すように、通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号(例えばsen.1〜sen.10)に対してサンプリング周期(例えばsen.1〜sen.6:1ms周期、sen.7〜sen.10:2ms周期)を設定し、さらにセンサマップ(第1の選択指示)を設定する(ST11)。センサマップ(第1の選択指示)は、複数センサ信号に対して設定されたサンプリング周期及び送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示(つまり何番目の送信フレームにどのセンサ信号を含めるかの指示)を含む。具体的には、図20に示すように、センサマップ(第1の選択指示)は、1(n)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.7、sen.8を含め、2(n+1)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.9、sen.10を含める指示である。通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、センサマップ設定コマンドを発行し(ST12)、続いて、通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、動作開始コマンドを発行する(ST13)。
【0104】
スレーブ側LSI103は、センサマップ(第1の選択指示)に基づき、複数センサ信号の中から各送信フレーム(第1の送信フレーム群)に含めるためのセンサ信号を選択し、通信マスタ側LSI102に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレーム(第1の送信フレーム群)を順次送信する。つまり、1回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット(8個のスロット)を含め、2回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、これら送信フレームを順次送信する。
【0105】
通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第1の選択指示)に基づいて選択されたセンサ信号を含む送信フレーム(第1の送信フレーム群)を順次受信する。さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第1の選択指示)に基づいて送信フレーム(第1の送信フレーム群)に含まれるセンサ信号を監視する(ST14)。つまり、どのセンサ信号がどのセンサからの信号なのかを解析する。
【0106】
上記したように、通信マスタ側LSI102が、第1の送信フレーム群を受信している状況において、通信マスタ側LSI102は、検知部Dによる検知結果に基づき搬送路32への切り替えが必要であると判断すると(ST15、YES)、スレーブ側LSI103に対してゲート駆動制御信号を発行しゲートGを駆動し搬送路32を選択させる(ST16)。さらに通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号の夫々に対して設定されたサンプリング周期を変更する(ST17)。即ち、通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号(例えばsen.1〜sen.10)に対するサンプリング周期を変更し(例えばsen.5〜sen.10:1ms周期、sen.1〜sen.4:2ms周期)、さらにセンサマップ(第2の選択指示)を設定する。具体的には、図20に示すように、センサマップ(第2の選択指示)は、5(n)回目の送信フレームに対してsen.1、sen.3.sen.5〜sen.10を含め、6(n+1)回目の送信フレームに対してsen.2、sen.4.sen.5〜sen.10を含める指示である。通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、サンプリング変更コマンド(第2の選択指示含む)を発行する(ST18)。
【0107】
スレーブ側LSI103は、センサマップ(第2の選択指示)に基づき、複数センサ信号の中から各送信フレーム(第2の送信フレーム群)に含めるためのセンサ信号を選択し、通信マスタ側LSI102に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレーム(第2の送信フレーム群)を順次送信する。つまり、5回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.3,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、6回目の通信で送信する送信フレームには、sen.2,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、これら送信フレームを順次送信する。
【0108】
通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第2の選択指示)に基づいて選択されたセンサ信号を含む送信フレーム(第2の送信フレーム群)を順次受信する。さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第2の選択指示)に基づいて送信フレーム(第2の送信フレーム群)に含まれるセンサ信号を監視する(ST19)。つまり、どのセンサ信号がどのセンサからの信号なのかを解析する。全ての紙葉類が処理されると(ST20、YES)、処理は終了する。
【0109】
上記したサンプリング周期のダイナミックな変更により、動作状況に応じた常に最適なサンプリング周期を採用することができる。
【0110】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】この発明の一例に係る制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】スレーブ側LSI103と送信ライン105とを接続する送信回路の概略構成を示す図である。
【図3】スレーブ側LSI103と受信ライン106とを接続する受信回路の概略構成を示す図である。
【図4】図1に示す制御システムの通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103(UNIT#n)との接続例を示す図である。
【図5】複数のセンサ信号を異なる周期で送信するデータ送信の一例を説明するための図である。
【図6】センサ信号の送信順の管理を説明するためのフローチャートである。
【図7】センサマップ設定コマンドの一例を示す図である。
【図8】各センサ信号に対する番号の割り付けの一例を示す図である。
【図9】センサマップの一例を示す図である。
【図10】動作開始コマンドの一例を示す図である。
【図11】送信フレーム中の送信スロットの空きの一例を説明するための図である。
【図12】送信フレーム中の送信スロットの空きを利用した冗長的な信号送信の一例を説明するための図である。
【図13】センサ信号の冗長的送信による信頼性の向上を実現するための主制御部100Aの別例を示す図である。
【図14】ノイズ除去回路NRCの概略構成を示す図である。
【図15】郵便物処理装置(郵便物宛名自動読取区分機)の一例を示す図である。
【図16】図15に示す郵便物処理装置の取出部2の一例を示す図である。
【図17】図15に示す郵便物処理装置のポケット6の一例を示す図である。
【図18】図15に示す郵便物処理装置に対応する制御システムの一例を示す図である。
【図19】図15に示す郵便物処理装置の搬送路の分岐例を示す図である。
【図20】サンプリング周期のダイナミックな変更例を示す図である。
【図21】サンプリング周期のダイナミックな変更例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
100A…主制御部、100B…ユニット部、101…コントロール用上位CPU、102…通信マスタ側CPU、103…スレーブ側LSI、105…送信ライン、106…受信ライン、109…フォトインタラプタ、110…ソレノイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアル回線を介してユニット制御装置と接続された上位制御装置、及び複数センサからの複数センサ信号を受信しシリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムに関する。また、本発明は、この制御システムに適用される信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
制御システムの一例として、紙葉類などの媒体を搬送する媒体搬送装置が知られている。媒体搬送装置は、媒体の分離や移動のための多数のパルスモータやアクチュエータを備えた複数のユニット部(搬送部、取込部、集積部)、及びこれらユニット部内のパスルモータやアクチュエータの動作を制御する制御コマンドを発行する主制御部により構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
主制御部(上位制御装置)とユニット部(ユニット制御装置)との間で行なわれるシリアル通信では、トータルフレーム方式によるサイクリック通信が採用されている。この通信方式により、主制御部からユニット部に送られるコマンド(COMMAND)、ユニット部から主制御部へ送られるこのコマンドの処理結果としてのレスポンス(RESPONSE)、及び主制御部、ユニット部の間で伝送される入出力データ(DATA−INPUT/OUTPUT)などが送受信されている。
【特許文献1】特開2001−202588
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユニット部から主制御部に対して送信される複数センサからの複数センサ信号に対しては固定のサンプリング周期が設定される。当然ながら両者間の通信容量には限界があり、固定のサンプリング周期(例えば極めて短い周期のサンプリング周期)が設定されることにより、センサ数(送信可能なセンサ信号数)が大幅に制限されてしまうことがある。言い換えると、サンプリング周波数が、通信容量により制限されてしまうこともある。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信効率に優れた制御システム及び信号送信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の制御システム及び信号送信方法は、以下のように構成されている。
【0007】
(1)この発明は、複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムであって、
前記ユニット制御装置は、前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信する選択指示受信手段と、前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する送信フレーム送信手段とを備えている。
【0008】
(2)この発明は、複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムに適用される信号送信方法であって、前記ユニット制御装置は、前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信し、前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信効率に優れた制御システム及び信号送信方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
この発明の一例の制御システムは、上位制御装置と下位制御装置(ユニット制御装置)により構成される分散処理型の制御システムでる。
【0012】
図1は、この発明の一例に係る制御システムの概略構成を示す図である。図1に示すように制御システムは、主制御部100A及びユニット部100Bを備えている。主制御部100Aは、コントロール用上位CPU101、及び上位制御装置としての通信マスタ側LSI102(メイン)を備えており、コントロール用上位CPU101は、通信マスタ側LSI102に対して各種指示を出す。一方のユニット部100Bは、下位制御装置としての複数のスレーブ側LSI103(UNIT#1、UNIT#2、UNIT#3、UNIT#4、…)、複数のフォトインタラプタ109、複数のソレノイド110等を備えている。
【0013】
主制御部100Aの通信マスタ側LSI102とユニット部100Bの各スレーブ側LSI103とは、送信ライン105及び受信ライン106を持ったシリアルケーブルにより接続されており、通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103によりシリアル通信が制御される。
【0014】
各LSIにはプロセッサが実装されている。コントロール用上位CPU101は、ユニット部100Bのフォトインタラプタ109、ソレノイド110に対する駆動を統括的に指令する。この指令値に従い、スレーブ側LSI103がフォトインタラプタ109、ソレノイド110の駆動等の詳細な制御を行なう。
【0015】
送信ライン105は、通信マスタ側LSI102から各スレーブ側LSI103に対してコマンド(複数制御信号)や出力データを送信する。受信ライン106は、通信マスタ側LSI102で各スレーブ側LSI103からのレスポンスや入力データ(複数センサ信号)を受信する。
【0016】
図2は、スレーブ側LSI103と送信ライン105とを接続する送信回路の概略構成を示す図であり、図3は、スレーブ側LSI103と受信ライン106とを接続する受信回路の概略構成を示す図である。図2及び図3に示すように、送信回路及び受信回路は、共にノーマルモードノイズ対策のためパルストランス202を備えたフローティング回路となっている。通信マスタ側LSI102からの送信データは、送信ライン105上を伝搬し、送信回路のレシーバ203で受信される。これに対して、受信回路は、トランシーバ205とレシーバ206を備えている。
【0017】
次に、通信方法(信号送信方法)について説明する。図4は、図1に示す制御システムの通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103(UNIT#n)との接続例を示す図である。
【0018】
例えば、通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103(UNIT#n)は、送信ライン105及び受信ライン106を持ったシリアルケーブルで接続され、スレーブ側LSI103(UNIT#n)には10個のフォトインタラプタ109(sen.1〜sen.10)が接続されている。一方、シリアルケーブル上の通信容量は、1msあたりに8bit迄であるとする(送信周期1msで順次送信される送信フレームは8個のスロット(容量8bit)を含むとする)。つまり、全てのフォトインタラプタ109の入力信号(10個のセンサ信号)は、1ms周期では転送できない。
【0019】
ここで、1ms周期でサンプリングが必要なフォトインタラプタ109は、10個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.10)のうち6個(sen.1〜sen.6)であり、残りの4個(sen.7〜sen.10)は2ms周期でのサンプリングでよいと仮定すると、図5に示すようなデータ転送方法が適用できる。
【0020】
つまり、1回目の通信で送る入力信号(センサ信号)は、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット、2回目の通信で送る入力信号は、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10とし、3回目の通信で送る入力信号を1回目の通信で送る入力信号と同じにし、4回目の通信で送る入力信号を2回目の通信で送る入力信号と同じにし、以下、この通信を繰り返す。つまり、1回目の入力信号と2回目の入力信号を交互に送信する。
【0021】
言い換えると、1回目の通信で送信する送信フレームは、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット(8個のスロット)を含み、2回目の通信で送信する送信フレームは、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含む。つまり、1〜6ビット目は常にsen.1〜sen.6を送信し、7ビット目はsen.7とsen.9を交互に送信、8ビット目はsen.8とsen.10を交互に送信する。言い換えると、sen.1〜sen.6の送信周期とsen.7〜sen.10の送信周期を異なる送信周期にする。即ち、sen.1〜sen.6は、送信フレームの送信周期T0のn倍(n=1)の送信周期T1で送信し、sen.7〜sen.10は、送信フレームの送信周期T0のm倍(m=2)の送信周期T2で送信される。
【0022】
これにより、小さい通信容量下において、より多くのセンサ信号を送信することが可能となる。
【0023】
なお、スレーブ側LSI103(UNIT#n)と通信マスタ側LSI102との間の通信周波数を上げて通信容量を増やすことも考えられるが、反面、ノイズの影響を受けやすくなる。本実施形態による通信方法によれば、通信周波数を上げて通信容量を増やすわけではないので、対ノイズ性能を低下させることなく、より多くのセンサ信号を送信することができる。
【0024】
ここで、上記したように異なる送信周期で複数の入力信号を送信する理論について説明する。
【0025】
最小単位周期Tでサンプリングしなければならないセンサの個数をa1、周期2T以下でサンプリングしなければならないセンサの個数をa2、a3、…として、全てのセンサの中でもっとも長いサンプリング周期をNT(周期TをN回分)、周期NTでサンプリングしなければならないセンサの個数をaNとする。また、T時間に転送可能なセンサの信号数をSビットとすると、全てのセンサが規定の周期以内で転送可能となるためには、以下の式(1)が成り立つ必要がある。
【0026】
a1+a2/2+a3/3+…+aN−1/(N−1)+aN/N≦S…(1)
例えばN=2の時、式(1)は、以下の式(2)となる。
【0027】
a1+a2/2≦S…(2)となる。
【0028】
全センサの数をmとすると、以下の式(3)となる。
【0029】
a1+a2=m…(3)である。
【0030】
よって、式(2)、式(3)から、以下の式(4)が導かれる。
【0031】
a1≦2S−m…(4)
つまり、最小単位周期Tあたりに転送可能なセンサの信号数をSビット、全センサの個数をmとすると、最小単位周期Tでサンプリング可能なセンサ数a1は、式(4)を満たさなければならない。
【0032】
続いて、空きビットの利用について説明する。
【0033】
式(1)の等号が満たされる時(つまり図5のような状態)、毎回の送信信号の全てのビットが有効なセンサデータで埋められる(つまり送信フレームに含まれる全ての送信スロットが有効なセンサデータで埋められる)。
【0034】
一方、式(1)の不等号が成立する場合は、通信路に空きが生じることとなる(つまり送信フレームに含まれる送信スロットに余裕が生じる)。そこで、要求されるサンプリング周期が長くてもよいセンサ信号を、要求されるサンプリング周期より短い周期で送信する(つまりセンサ信号を冗長的に送信する)。
【0035】
例えば、N=2の場合を考える。
【0036】
a1+a2/2<S…(5)
式(5)が成立する上で、式(6)が成り立つkがあれば、周期2Tでもよいセンサa2個のうちk個を周期Tでサンプリングすることが可能である。
【0037】
(a1+k)+(a2−k)/2<S、但しkはa2以下の正の整数…(6)
周期2Tでもよいセンサa2個のうちk個を周期Tでサンプリングすれば、それらの信号は2倍の冗長度を持たせることが可能となり、信号のフィルタリング(ノイズ除去、平均化)が可能となる。
【0038】
次に、センサマップについて説明する。通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103との間で、センサ信号を送受信する前に、センサ信号の送信順を決定しておく必要がある。図6は、センサ信号の送信順の管理を説明するためのフローチャートである。
【0039】
通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号(例えばsen.1〜sen.10)に対する複数サンプリング周期(例えばsen.1〜sen.6:1ms周期、sen.7〜sen.10:2ms周期)を設定し、さらにセンサマップを設定する(ST1)。
【0040】
センサマップは、複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示(つまり何番目の送信フレームにどのセンサ信号を含めるかの指示)を含む。具体的には、図5に示すように、センサマップは、1(n)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.7、sen.8を含め、2(n+1)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.9、sen.10を含める指示である。
【0041】
通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、センサマップ設定コマンドを発行する(ST2)。図7は、センサマップ設定コマンドの一例を示す図である。センサマップ設定コマンドは、例えば、コマンドの種別(8bit)、最大センサ周期(8bit)、センサマップ(可変長:最大センサ周期による)を含む。
【0042】
コマンド種別は、コマンドが初期設定コマンドであることを示すコードである。コマンドコードは、例えば0xAである。最大センサ周期は、最もセンサ送信周期の長いセンサの周期を示す。本実施形態では、最大センサ周期=2送信フレームとなる。センサマップは、図5に示すように、センサ信号の送信順序を規定したものである。
【0043】
例えば図8に示すように、最大センサ周期(2送信フレーム)分の各センサ信号に対して番号を対応付ける。つまり、図8に示すように、sen.1→0、sen.2→1、sen.3→2、sen.4→3、sen.5→4、sen.6→5、sen.7→6、sen.8→7、sen.9→8、sen.10→9と対応付ける。図9に示すように、センサマップは、各センサ信号に対応付けた番号を順番に並べ直したものである。
【0044】
続いて、通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、動作開始コマンドを発行する(ST3)。図10に示すように、センサ信号の通信を開始するトリガとなるコマンドを発行する。コマンドコードは、例えば、0xBである。スレーブ側LSI103は、センサマップに基づき、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、通信マスタ側LSI102に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する。つまり、図4に示すように、1回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット(8個のスロット)を含め、2回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、これら送信フレームを順次送信する。
【0045】
通信マスタ側LSI102は、センサマップに基づいて選択されたセンサ信号を含む送信フレームを順次受信する。さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップに基づいて送信フレームに含まれるセンサ信号を監視する(ST4)。つまり、どのセンサ信号がどのセンサからの信号なのかを解析する。
【0046】
次に、センサ信号を冗長的に送信するケースについて説明する。
【0047】
図11に示すように、送信フレーム中の送信スロットに空き(余裕)がある場合、故意にセンサ信号のサンプリング周期を短くすることで、センサ信号の信頼性を高めることができる。図11のケースでは、2回目(4回目…)に送信する送信フレームの8ビット目のスロットが空いている。
【0048】
例えば、sen.10については、上記したように、送信フレームの送信周期T0の2倍の送信周期で十分であるが(送信フレームの2回送信につき1回送信する)、図12に示すように、sen.10について送信フレームの送信周期T0と同じ送信周期で冗長的に送信する(毎回の送信フレームで送信する)。なお、sen.10を冗長的に送信することは、センサマップにおいて指示する。
【0049】
つまり、センサマップは、複数センサ信号に含まれる信号であって所定のサンプリング周期TSでサンプリングされる所定のセンサ信号(sen.10)を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1<Ts)で冗長的に送信する冗長指示を含む。
【0050】
これにより、スレーブ側LSI103は、所定のセンサ信号(sen.10)を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1<Ts)で冗長的に送信する。具体的には、図12に示すように送信する。
【0051】
さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップに含まれる冗長指示に基づき、送信フレームに含まれる所定のセンサ信号(sen.10)の冗長性から所定のセンサ信号の真偽をチェックし、センサ信号の信頼性を確保することができる。
【0052】
続いて、センサ信号の冗長的送信による信頼性の向上について説明する。図13は、センサ信号の冗長的送信による信頼性の向上を実現するための主制御部100Aの別例を示す図である。
【0053】
スレーブ側LSI103から送信されたセンサ信号は、通信マスタ側LSI102で受信される。通信マスタ側LSI102は、センサマップに基づき、送信フレームに含まれるセンサ信号を解析し、送信フレームに含まれるセンサ信号を振り分ける。このとき、例えば、冗長的送信の対象となっていないsen.1〜sen.9は、直接、コントロール用上位CPU101に送られる。これに対して、冗長的送信の対象となったsen.10は、ノイズ除去回路NRCに送られる。ノイズ除去回路NRCによりノイズが除去されたsen.10が、コントロール用上位CPU101に送られる。
【0054】
図14は、ノイズ除去回路NRCの概略構成を示す図である。D−FF(D−フリップフロップ)は、1周期前のセンサ信号(sen.10)を保持する。クロック(clock)は、センサ監視周期と等しい周波数のクロック信号とする。XOR回路は、1周期前のセンサ信号(sen.10)と現在のセンサ信号(sen.10)とを比較する。1周期前のセンサ信号(sen.10)と現在のセンサ信号(sen.10)とが同じ信号である場合、LATCH回路のゲートが開き、出力信号が現在のセンサ信号に更新される。1周期前のセンサ信号(sen.10)と現在のセンサ信号(sen.10)とが異なる信号である場合、出力信号は更新されず、以前の出力値がそのまま保持される。つまり、2周期以上連続して信号の値が等しければ、初めて出力信号が更新されることとなり、1周期だけの単パルスを除去することが可能となる。
【0055】
以上では、異なる二つのサンプリング周波数が要求されるセンサ信号(sen.1〜sen.6:1ms周期、sen.7〜sen.10:2ms周期)の送信について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0056】
例えば、次に説明するように、多数の異なるサンプリング周波数が要求されるセンサ信号を効率良く送信することができる。
【0057】
前提条件は、次の通りとする。
【0058】
・送信フレーム:送信スロット8個(8bits)/送信周期1ms、
・sen.1〜sen.7:要求サンプリング周波数2ms
・sen.8〜sen.10:要求サンプリング周波数20ms
・sen.11〜sen.12:要求サンプリング周波数100ms
送信方法は、例えば次の通りとなる。
【0059】
・sen.1〜sen.7:少なくとも偶数番目(又は奇数番目)の送信フレームで送信する。偶数番目及び奇数番目の全ての送信フレームで冗長的に送信するようにしてもよい。
【0060】
・sen.8:1、11、21…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0061】
・sen.9:2、12、22…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0062】
・sen.10:3、13、23…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0063】
・sen.11:4、104、204…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0064】
・sen.12:5、105、205…番目の送信フレームで送信する。sen.1〜sen.7を冗長的に送信しなければ空きスロットが生じるので、sen.8を冗長的に送信するようにしてもよい。
【0065】
本実施形態により以下の作用効果を得ることができる。
【0066】
通信容量の小さい通信路下においても、各センサのサンプリング周期の最適化を図ることにより、一律一定周期でサンプリングするよりも多くのセンサ信号の通信が可能となる。また、通信周波数を高くして通信容量を増やす訳ではないので、対ノイズ性能を低下させることもない。
【0067】
例えば、紙葉類処理機等の制御装置においては、数百個の入力信号(センサ信号)が送受信されることがある。そして、要求されるセンサのサンプリング周期はまちまちである。例えば、紙葉類の搬送位置を確認するためのセンサ等は、紙葉類の認識位置精度に関わるため高い周波数(例えば、1ms)でのサンプリングが要求される。一方、扉の開閉を認識するためのセンサ等のヒューマンI/F部分に使用されるセンサは低い周波数(数百ms〜数s程度)のサンプリングで十分な場合が多い。
【0068】
このようなケースにおいて、個々のセンサの要求仕様(サンプリング周波数)に合わせてサンプリング周期を最適化することにより、ある通信容量下において、一律一定のサンプリング周期でサンプリングする通信系よりも多くのセンサ信号を通信することが可能となる。
【0069】
また、上記通信方式において通信した場合、通信路に空き時間(余裕)ができる場合がある。そのようなセンサ信号の通信系において、一部のセンサ信号に冗長度を持たせることにより、センサ信号のフィルタリング(ノイズ除去、平滑化)が可能となりセンサ信号の信頼性を向上させることが可能となる。
【0070】
つまり、通信容量の小さいフィールドネットワークシステムにおいて、複数センサ信号に対して個別にサンプリング周期を設定することにより、通信量を削減し全体のパフォーマンスを低下することなく実現することができる。
【0071】
以上は、スレーブ側LSI103から通信マスタ側LSI102へ送信されるセンサ信号の送信について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通信マスタ側LSI102からスレーブ側LSI103へ送信される制御信号の送信についても適用することができる。つまり、複数制御機器を制御するための複数制御信号を全て同一周期で送信するのではなく、異なる周期で効率良く送信することができる。また、上記した冗長的送信を適用し、制御信号の信頼性向上を図ることもできる。
【0072】
即ち、通信マスタ側LSI102は、複数制御機器(ソレノイド110など)に対する複数制御周期を設定する。例えば、あるソレノイド110に対しては制御周期T1で制御信号を送信し、別のソレノイド110に対しては制御周期T2(T2=T1×2)で制御信号を送信するものとする。通信マスタ側LSI102は、複数制御周期(T1、T2)及び送信フレームの送信周期(T0)に基づいて、複数制御信号の中から各送信フレームに含めるための制御信号の選択指示(制御マップ)を決定し、スレーブ側LSI103に対して制御信号の選択指示を送信するとともに、選択指示に基づき選択された制御信号を含む各送信フレームを順次送信する。
【0073】
スレーブ側LSI103は、選択指示を受信するとともに、送信フレームを順次受信し、選択指示に基づき送信フレームに含まれる制御信号を解析し(どの制御信号がどの制御機器に対する信号なのかを解析し)、解析された制御信号に基づき各制御機器を制御する。
【0074】
次に、本発明が適用可能な紙葉類処理装置(郵便物処理装置)の一例について説明する。
【0075】
図15は、郵便物処理装置(郵便物宛名自動読取区分機)の一例を示す図である。ここで、郵便物処理装置の動作について簡単に説明する。供給部1に一括して立位状態にセットされた葉書,封書などの複数の郵便物Pは、取出部2により最前端の郵便物Pから順次1枚ずつ取出し搬送され、取込搬送路3の途中に配置された読取部4によって郵便物Pに付与された宛名情報としての宛名住所が読み取られる。
【0076】
上記読取部4は、郵便物P表面の全面画像を光電変換する光電変換部4aと、この光電変換部4aの出力(白黒画像B/W)に応じて宛名住所の認識を行う住所認識部4b、上記光電変換部4aの出力(赤画像R)に応じて転送先住所の認識を行う転送住所認識部4cとから構成されている。
【0077】
そして、読取部4を通過した郵便物Pは、取込搬送路3を通り、振分けゲート20によって前部の第1の区分部11あるいは後部の第2の区分部21に搬送されるようになっている。なお、振分けゲート20は、図1に示すソレノイド110に対応して振分動作する。
【0078】
上記第1の区分部11に搬送された郵便物Pは、図示しない区分ゲートと搬送機構部とからなるゲート機構部によって鉛直方向に複数段設けられた区分搬送路5a,5b,5c,5dに、上記読取部4での読取結果にもとづいて選択的に振り分けられるようになっている。なお、区分ゲートは、図1に示すソレノイド110に対応して区分動作する。
【0079】
上記区分搬送路5a,5b,5c,5dの下方には、その下面側に沿って、それぞれ複数のポケット(集積箱)6…が複数段(A段、B段、C段、D段)に配設されている。そして、区分搬送路5a,5b,5c,5dに送り込まれた郵便物Pは、住所認識部4bまたは転送住所認識部4cの認識結果にもとづいて所定のポケット6内に区分集積されるようになっている。
【0080】
上記第2の区分部21に搬送された郵便物Pは、図示しない区分ゲートと搬送機構部とからなるゲート機構部によって鉛直方向に複数段設けられた区分搬送路22a,22b,22c,22dに、上記読取部4での読取結果にもとづいて選択的に振り分けられるようになっている。
【0081】
上記区分搬送路22a,22b,22c,22dの下方には、その下面側に沿って、それぞれ複数のポケット(集積箱)23…が複数段(A段、B段、C段、D段)に配設されている。そして、区分搬送路22a,22b,22c,22dに送り込まれた郵便物Pは、住所認識部4bまたは転送住所認識部4cの認識結果にもとづいて所定のポケット23内に区分集積されるようになっている。
【0082】
なお、前記第1の区分部11は、たとえば200個のポケット6を備えて構成されており、前記第2の区分部21は、たとえば150個のポケット23を備えて構成されている。また、上記搬送路3,5a〜5d,22a〜22d上には、その搬送路上の郵便物Pの搬送を検知する搬送検知器群(例えば図1に示すフォトインタラプタ109)が設けられている。
【0083】
さらに、上記供給部1の近傍には、操作パネルとしてのオペレータパネル7が設けられている。このオペレータパネル7には、処理動作の開始を指示するスタートスイッチ、および区分指定を選択する選択スイッチ(いずれも図示しない)などが設けられている。
【0084】
続いて、図16を参照して、取出部2について説明する。
【0085】
取出部2には、郵便物Pを搬送する搬送供給部70が設けられている。この搬送供給部70は、供給台71と、この供給台71上のスリットに移動可能に設けられた2本の供給ベルト73と、この供給台71に立設する側板74と、この側板74の平行スリット75に移動可能に所定間隔ごとに設けられている複数本の供給ピン76とを備えている。郵便物Pは、供給ベルト73と供給ピン76とによって搬送され、後端(下端)が揃えられた状態で集積部77に集積されるようになっている。
【0086】
取出部2は、供給ベルト73の移動方向、つまり供給部70による郵便物Pの搬送方向と直交して配設された取出ベルト78を備えている。取出ベルト78には多数の孔(図示せず)が形成されている。これらの孔は所定間隔ごとに例えば4つずつが形成されている。取出ベルト78は、駆動ローラ80と2つのローラ81c、81dに掛け渡されており、駆動ローラ80が回転されることにより、走行されるようになっている。郵便物Pは取出ベルト78に接触すると上方に向かって搬送される。なお、取出ベルト78の駆動機構は制御部によって可変速されうるようになっている。
【0087】
取出ベルト78の内側には、取出ベルト78の内面に隣接対向した状態で吸引装置94により吸引される主吸引部82が設けられている。また、取出ベルト78の搬送方向に対して取出ベルト78の下流側には、吸引装置94により吸引される補助吸引部83が設けられている。この補助吸引部83は、取出ベルト78によって一度に2枚以上の郵便物Pを取出さないようにするためのものである。
【0088】
補助吸引部83の前面側には吸引用のスリット孔(図示せず)が設けられているとともに、圧力検知レバー83bの先端が供給部70の集積部77に臨むように設けられている。この圧力検知レバー83bは、集積部78に郵便物Pが集積された際、その押圧力により移動することにより、そのレバー83bの後端により補助吸引部83の背後に設けられている透過形の圧力検知器84をオンさせるようになっている。圧力検知器84は、集積部77に郵便物Pが集積された際にレバー83bの後端により、フォトインタラプタ109を構成する発光素子から受光素子へ射出された光が遮断されると、オンするようになっている。
【0089】
また、ピンチローラ81c、81dの間に透過形のベルト孔検知器85(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)が設けられている。このベルト孔検知器85によりベルト孔の通過が検知され、これにより取出ベルト78の搬送位置が検知されるようになっている。このベルト孔検知器85の発光素子からの光がベルト孔を通って受光素子に到達すると、スイッッチがオンするようになっている。
【0090】
また、主吸引部82の前面側部には先端検知器87(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)が設けられている。この先端検知器87は、取出ベルト78によって取出された郵便物Pの先端(上部)の通過を検知する透過型光センサである。後端検知器88(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)が取出ベルト78によって取出された郵便物Pの後端(下部)の通過を検知するように設けられている。この後端検知器88も透過型光センサである。なお、後端検知器88は1箇所のみに限らず複数箇所に設けてもよい。
【0091】
取出ベルト78によって取出された郵便物Pは、先端検知器87及び後端検知器88を通過した後に、上方の搬送路48に導かれるようになっている。この搬送路48は、ローラ90a、90bに掛渡されている搬送ベルト91と、ローラ92に掛渡されている搬送ベルト93とで形成されている。
【0092】
続いて、図17を参照して、ポケット(集積箱)6について説明する。
【0093】
ポケット(集積箱)6は、上部開口部分から郵便物Pを受け入れて積層する構成となっている。そして、ポケット6内に設けた郵便物Pの重さの変化により変位する変位板52の位置を満杯検出センサ53(例えば図1に示すフォトインタラプタ109に相当)で検出するようになっている。
【0094】
続いて、図18を参照して、制御システムについて説明する。
【0095】
例えば第1の区分部11には、コントロール用上位CPU101に相当するMP−CPU40が備えられている。このMP−CPU40は、スレーブ側LSI103(UNIT#1、UNIT#2、UNIT#3、UNIT#4、…)に対応するSP−CPU41a〜41dとの交信用のCPU(以下CM−CPUと称す)42を有している。またSP−CPU41a〜41dは、MP−CPU40のCM−CPU42と交信を行うためのCPU(CM−CPU43a〜43d)を有している。また各SP−CPU41a〜41dは、互いに交信を行い相手の位置情報をチェックするためのCPU(CM−CPU44a〜44d、45a〜45d)を有している。CM−CPU44a〜44dは、自身の下流のMP−CPUと交信を行うものであり、CM−CPU45a〜45dは、自身の上流のMP−CPUと交信を行うものである。
【0096】
つまり、図15に示すベルト孔検知器85、先端検知器87、後端検知器88、搬送検知器群からのセンサ信号、及び図17に示す満杯検出センサ53からのセンサ信号が、SP−CPU41a〜41dからMP−CPU40へ送信される。高速搬送される郵便物Pを適切に検知するために、先端検知器87、後端検知器88、及び搬送検知器群からのセンサ信号に対しては極めて短いサンプリング周期が要求される。これに対して、満杯検出センサ53からのセンサ信号に対しては比較的長いサンプリング周期で十分である。本実施形態によれば、例えば、このような先端検知器87及び後端検知器88からのセンサ信号を短い周期で送信し、満杯検出センサ53からのセンサ信号を長い周期で送信することができ(異なる周期で送信することができ)、所定の通信容量の範囲で信号送信の効率化を図ることができる。また、いくつかのセンサ信号を冗長的に送信することにより、センサ信号の信頼性の向上を図ることもできる。
【0097】
次に、ダイナミックなサンプリング周期の変更について説明する。
【0098】
図19は、図15に示す郵便物処理装置(紙葉類処理装置)の搬送路の分岐例を示す図である。図19に示すように、取込搬送路3は、搬送路31及び32に分岐する。取込搬送路3を搬送される紙葉類(上記した郵便物P)は、検知部Dにより検知される。検知部Dによる検知結果は、ユニット部100Bのスレーブ側LSI103から主制御部100Aへ通知される。主制御部100Aは、この検知結果に基づきゲートGの駆動を制御するためのゲート駆動制御信号を送信する。スレーブ側LSI103は、ゲート駆動制御信号を受信し、ゲートGの駆動を制御する。つまり、検知結果に基づき、搬送路31及び32のうちのどちらか一方の搬送路が選択され、紙葉類は、搬送路31及び32のうちのどちらか一方の搬送路へ振分られる。
【0099】
例えば、10個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.10)のうちの4個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.4)が搬送路31に対応して設置され、また別の4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)が搬送路32に対応して設置されているとする。つまり、4個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.4)が搬送路31を流れる紙葉類を監視し、別の4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)が搬送路32を流れる紙葉類を監視する。
【0100】
例えば、検知結果に基づき、搬送路32が選択されるとする。つまり、紙葉類が搬送路32を流れるとする。搬送路32を監視している4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)は紙葉類を監視するため、高いサンプリング周期を必要とする。これに対して、正常にゲートGが駆動していれば、搬送路31上を紙葉類は流れない。よって、搬送路31を監視している別の4個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.4)は誤搬送される紙葉類を監視すればよく、高いサンプリング周期は必要なく、低いサンプリング周期でよい。
【0101】
そこで、図20に示すように、ダイナミックにサンプリング周期を変更し、より効率よくセンサ信号を収集する。センサマップを使用して、データの送受信を行う際、図7に示すコマンドの中の最大センサ周期(例えば最大センサ周期=2)をカウント値として、センサマップが一周するタイミングをチェックする。例えば、検知部Dからの検知結果に基づく搬送路32の選択に対応して、主制御部100Aの通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、サンプリング周期の変更コマンドを発行する。スレーブ側LSI103は、サンプリング周期の変更コマンドを受信し、変更要求フラグを1にセットし(FLG=1)、変更コマンドに含まれるデータ(複数センサ信号(sen.1〜sen.10)のどのセンサ信号を何番目の送信フレームに含めるかを示す選択指示)をバッファに取り込む。変更要求フラグに1がセットされ(FLG=1)、且つ全てのセンサ信号(sen.1〜sen.10)を含む送信フレーム群(例えば3回目の送信フレームと4回目の送信フレームにより構成される一つの送信フレーム群)の送信完了を示すカウント値が0のとき(count=0)のときに、バッファに取り込んだ変更コマンドに含まれるデータに基づく配列を適用する。
【0102】
上記についてさらに詳細に説明する。最初に、サンプリング周期変更前の初期状態について説明する。例えば、送信周期1msで順次送信される1つの送信フレームが8個のスロット(容量8bit)を含むと仮定し、さらに、1ms周期でサンプリングが必要なフォトインタラプタ109は、10個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.10)のうち6個のフォトインタラプタ(sen.1〜sen.6)であり、残りの4個のフォトインタラプタ(sen.7〜sen.10)は2ms周期でのサンプリングでよいと仮定すると、図20に示す1回目、2回目、3回目、4回目の送信フレームに示すような転送方法が適用できる。全てのセンサ信号は、1回目と2回目の二つの送信フレーム(第1、第2の送信フレーム)、又は3回目と4回目の二つの送信フレーム(第1、第2の送信フレーム)で送信が完了する。これら1回目と2回目の二つの送信フレームをまとめて第1の送信フレーム群と呼ぶ。同様に、3回目と4回目の二つの送信フレームをまとめて第1の送信フレーム群と呼ぶ。
【0103】
即ち、図21に示すように、通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号(例えばsen.1〜sen.10)に対してサンプリング周期(例えばsen.1〜sen.6:1ms周期、sen.7〜sen.10:2ms周期)を設定し、さらにセンサマップ(第1の選択指示)を設定する(ST11)。センサマップ(第1の選択指示)は、複数センサ信号に対して設定されたサンプリング周期及び送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示(つまり何番目の送信フレームにどのセンサ信号を含めるかの指示)を含む。具体的には、図20に示すように、センサマップ(第1の選択指示)は、1(n)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.7、sen.8を含め、2(n+1)回目の送信フレームに対してsen.1〜sen.6、sen.9、sen.10を含める指示である。通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、センサマップ設定コマンドを発行し(ST12)、続いて、通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、動作開始コマンドを発行する(ST13)。
【0104】
スレーブ側LSI103は、センサマップ(第1の選択指示)に基づき、複数センサ信号の中から各送信フレーム(第1の送信フレーム群)に含めるためのセンサ信号を選択し、通信マスタ側LSI102に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレーム(第1の送信フレーム群)を順次送信する。つまり、1回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8の8ビット(8個のスロット)を含め、2回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.2,sen.3,sen.4,sen.5,sen.6,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、これら送信フレームを順次送信する。
【0105】
通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第1の選択指示)に基づいて選択されたセンサ信号を含む送信フレーム(第1の送信フレーム群)を順次受信する。さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第1の選択指示)に基づいて送信フレーム(第1の送信フレーム群)に含まれるセンサ信号を監視する(ST14)。つまり、どのセンサ信号がどのセンサからの信号なのかを解析する。
【0106】
上記したように、通信マスタ側LSI102が、第1の送信フレーム群を受信している状況において、通信マスタ側LSI102は、検知部Dによる検知結果に基づき搬送路32への切り替えが必要であると判断すると(ST15、YES)、スレーブ側LSI103に対してゲート駆動制御信号を発行しゲートGを駆動し搬送路32を選択させる(ST16)。さらに通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号の夫々に対して設定されたサンプリング周期を変更する(ST17)。即ち、通信マスタ側LSI102は、複数センサ信号(例えばsen.1〜sen.10)に対するサンプリング周期を変更し(例えばsen.5〜sen.10:1ms周期、sen.1〜sen.4:2ms周期)、さらにセンサマップ(第2の選択指示)を設定する。具体的には、図20に示すように、センサマップ(第2の選択指示)は、5(n)回目の送信フレームに対してsen.1、sen.3.sen.5〜sen.10を含め、6(n+1)回目の送信フレームに対してsen.2、sen.4.sen.5〜sen.10を含める指示である。通信マスタ側LSI102は、スレーブ側LSI103に対して、サンプリング変更コマンド(第2の選択指示含む)を発行する(ST18)。
【0107】
スレーブ側LSI103は、センサマップ(第2の選択指示)に基づき、複数センサ信号の中から各送信フレーム(第2の送信フレーム群)に含めるためのセンサ信号を選択し、通信マスタ側LSI102に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレーム(第2の送信フレーム群)を順次送信する。つまり、5回目の通信で送信する送信フレームには、sen.1,sen.3,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、6回目の通信で送信する送信フレームには、sen.2,sen.4,sen.5,sen.6,sen.7,sen.8,sen.9,sen.10の8ビット(8個のスロット)を含め、これら送信フレームを順次送信する。
【0108】
通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第2の選択指示)に基づいて選択されたセンサ信号を含む送信フレーム(第2の送信フレーム群)を順次受信する。さらに、通信マスタ側LSI102は、センサマップ(第2の選択指示)に基づいて送信フレーム(第2の送信フレーム群)に含まれるセンサ信号を監視する(ST19)。つまり、どのセンサ信号がどのセンサからの信号なのかを解析する。全ての紙葉類が処理されると(ST20、YES)、処理は終了する。
【0109】
上記したサンプリング周期のダイナミックな変更により、動作状況に応じた常に最適なサンプリング周期を採用することができる。
【0110】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】この発明の一例に係る制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】スレーブ側LSI103と送信ライン105とを接続する送信回路の概略構成を示す図である。
【図3】スレーブ側LSI103と受信ライン106とを接続する受信回路の概略構成を示す図である。
【図4】図1に示す制御システムの通信マスタ側LSI102とスレーブ側LSI103(UNIT#n)との接続例を示す図である。
【図5】複数のセンサ信号を異なる周期で送信するデータ送信の一例を説明するための図である。
【図6】センサ信号の送信順の管理を説明するためのフローチャートである。
【図7】センサマップ設定コマンドの一例を示す図である。
【図8】各センサ信号に対する番号の割り付けの一例を示す図である。
【図9】センサマップの一例を示す図である。
【図10】動作開始コマンドの一例を示す図である。
【図11】送信フレーム中の送信スロットの空きの一例を説明するための図である。
【図12】送信フレーム中の送信スロットの空きを利用した冗長的な信号送信の一例を説明するための図である。
【図13】センサ信号の冗長的送信による信頼性の向上を実現するための主制御部100Aの別例を示す図である。
【図14】ノイズ除去回路NRCの概略構成を示す図である。
【図15】郵便物処理装置(郵便物宛名自動読取区分機)の一例を示す図である。
【図16】図15に示す郵便物処理装置の取出部2の一例を示す図である。
【図17】図15に示す郵便物処理装置のポケット6の一例を示す図である。
【図18】図15に示す郵便物処理装置に対応する制御システムの一例を示す図である。
【図19】図15に示す郵便物処理装置の搬送路の分岐例を示す図である。
【図20】サンプリング周期のダイナミックな変更例を示す図である。
【図21】サンプリング周期のダイナミックな変更例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
100A…主制御部、100B…ユニット部、101…コントロール用上位CPU、102…通信マスタ側CPU、103…スレーブ側LSI、105…送信ライン、106…受信ライン、109…フォトインタラプタ、110…ソレノイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムであって、
前記ユニット制御装置は、
前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信する選択指示受信手段と、
前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する送信フレーム送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号に対する前記複数サンプリング周期を設定する設定手段と、
前記複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記選択指示を送信する選択指示送信手段と、
前記選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む前記送信フレームを順次受信する送信フレーム受信手段と、
前記選択指示に基づいて前記送信フレームに含まれるセンサ信号を解析する解析手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる第1のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0のn倍(n:自然数)の送信周期T1で送信し、前記複数センサ信号に含まれる第2のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0のm倍(m:自然数、n≠m)の送信周期T2で送信する指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって第1のサンプリング周期Ts1でサンプリングされる第1のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0≦Ts1)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1≦Ts1)で送信し、前記複数センサ信号に含まれる信号であって前記第1のサンプリング周期Ts1より長い第2のサンプリング周期Ts2でサンプリングされる第2のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts2)のm倍(m:自然数、n<m)の送信周期T2(T2≦Ts2)で送信する指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって所定のサンプリング周期Tsでサンプリングされる所定のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1<Ts)で冗長的に送信する冗長指示を含み、
前記解析手段は、前記選択指示に含まれる前記冗長指示に基づき、前記送信フレームに含まれる前記所定のセンサ信号の冗長性から前記所定のセンサ信号の真偽をチェックする、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって第1のサンプリング周期Ts1でサンプリングされる第1のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0≦Ts1)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1≦Ts1)で送信する指示を含み、
さらに、前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって前記第1のサンプリング周期Ts1より長い第2のサンプリング周期Ts2でサンプリングされる第2のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts2)のm倍(m:自然数、n<m)の送信周期T2(T2<Ts2)で冗長的に送信する冗長指示を含み、
前記解析手段は、前記選択指示に含まれる前記冗長指示に基づき、前記送信フレームに含まれる前記第2のセンサ信号の冗長性から前記第2のセンサ信号の真偽をチェックする、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
各送信フレームは、前記複数センサ信号の数より少ないa個の送信スロットを含み、
前記選択指示は、前記複数センサ信号の中からa個のセンサ信号を含む第1のセンサ信号群を選択し、選択した前記第1のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第1の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当て、前記複数センサ信号の中からa個のセンサ信号を含む第2のセンサ信号群を選択し、選択した前記第2のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第2の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当てる指示を含むことを特徴とする請求項3、4、又は6に記載の制御システム。
【請求項8】
各送信フレームは、前記複数センサ信号の数より少ないa個の送信スロットを含み、
前記選択指示は、前記複数センサ信号の中から前記第1及び第2のセンサ信号を有するa個のセンサ信号を含む第1のセンサ信号群を選択し、選択した前記第1のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第1の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当て、前記複数センサ信号の中から前記第1のセンサ信号を有し前記第2のセンサ信号を有さないa個のセンサ信号を含む第2のセンサ信号群を選択し、選択した前記第2のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第2の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当てる指示を含むことを特徴とする請求項3、4、又は6に記載の制御システム。
【請求項9】
シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームにより複数制御機器を制御するための複数制御信号をユニット制御装置に対して送信する上位制御装置により構成された制御システムであって、
前記上位制御装置は、
前記複数制御機器に対する複数制御周期を設定する設定手段と、
前記複数制御周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記複数制御信号の中から各送信フレームに含めるための制御信号の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記制御信号の選択指示を送信するとともに、前記選択指示に基づき選択された制御信号を含む各送信フレームを順次送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項10】
前記ユニット制御装置は、
前記選択指示を受信するとともに、前記送信フレームを順次受信する受信手段と、
前記選択指示に基づき前記送信フレームに含まれる制御信号を解析し、解析された制御信号に基づき各制御機器を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムに適用される信号送信方法であって、
前記ユニット制御装置は、
前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信し、
前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、
前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する、
ことを特徴とする信号送信方法。
【請求項12】
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号に対する前記複数サンプリング周期を設定し、
前記複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記選択指示を決定し、
前記ユニット制御装置に対して前記選択指示を送信し、
前記選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む前記送信フレームを順次受信し、
前記選択指示に基づいて前記送信フレームに含まれるセンサ信号を解析する、
ことを特徴とする請求項11に記載の信号送信方法。
【請求項13】
シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームにより複数制御機器を制御するための複数制御信号をユニット制御装置に対して送信する上位制御装置により構成された制御システムに適用される信号送信方法であって、
前記上位制御装置は、
前記複数制御機器に対する複数制御周期を設定し、
前記複数制御周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記複数制御信号の中から各送信フレームに含めるための制御信号の選択指示を決定し、
前記ユニット制御装置に対して前記制御信号の選択指示を送信するとともに、前記選択指示に基づき選択された制御信号を含む各送信フレームを順次送信する、
ことを特徴とする信号送信方法。
【請求項14】
前記ユニット制御装置は、
前記選択指示を受信するとともに、前記送信フレームを順次受信し、
前記選択指示に基づき前記送信フレームに含まれる制御信号を解析し、解析された制御信号に基づき各制御機器を制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の信号送信方法。
【請求項15】
複数センサからの複数センサ信号を受信しシリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置と、前記複数センサ信号を受信しユニット制御装置に対して動作制御信号を送信する上位制御装置とにより構成された制御システムであって、
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号の夫々に対するサンプリング周期を設定する設定手段と、
動作制御状況に応じて前記複数センサ信号の夫々に対して設定されたサンプリング周期を変更する変更手段と、
前記設定手段により設定されたサンプリング周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第1の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示を送信し、又は前記変更手段により変更されたサンプリング周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第2の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示の替わりに適用するための前記第2の選択指示を送信する選択指示送信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第1の送信フレーム群を順次受信し、又は前記第2の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第2の送信フレーム群を順次受信する送信フレーム群受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて前記第1の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析し、又は前記第2の選択指示に基づいて前記第2の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析する解析手段と、
を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項16】
前記ユニット制御装置は、
前記第1の選択指示又は前記第2の選択指示を受信する選択指示受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第1の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第1の送信フレーム群を順次送信し、前記第2の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第2の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第2の送信フレーム群を順次送信する送信フレーム群送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記送信フレーム群送信手段は、前記第1の選択指示の受信後に前記第2の選択指示を受信した場合、前記第1の送信フレーム群の送信完了後に、前記第1の選択指示に基づくセンサ信号の選択処理を前記第2の選択指示に基づくセンサ信号の選択処理へ切り替えて、前記第2の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む前記第2の送信フレーム群を順次送信することを特徴とする請求項16に記載の制御システム。
【請求項18】
搬送路を搬送される紙葉類を検知するための複数センサからの複数センサ信号を受信しシリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信し上位制御装置からのゲート駆動制御信号を受信し紙葉類の搬送先を振り分ける振分ゲートの駆動を制御するユニット制御装置と、前記複数センサ信号を受信しユニット制御装置に対してゲート駆動制御信号を送信する上位制御装置とにより構成された制御システムを用いた紙葉類処理装置であって、
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号の夫々に対するサンプリング周期を設定する設定手段と、
ゲート駆動制御信号による振分ゲートの駆動状況に応じて前記複数センサ信号の夫々に対して設定されたサンプリング周期を変更する変更手段と、
前記設定手段により設定されたサンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第1の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示を送信し、又は前記変更手段により変更されたサンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第2の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示の替わりに適用するための前記第2の選択指示を送信する選択指示送信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第1の送信フレーム群を順次受信し、又は前記第2の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第2の送信フレーム群を順次受信する送信フレーム受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて前記第1の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析し、又は前記第2の選択指示に基づいて前記第2の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析する解析手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項19】
前記ユニット制御装置は、
前記第1の選択指示又は前記第2の選択指示を受信する選択指示受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第1の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第1の送信フレーム群を順次送信し、前記第2の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第2の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第2の送信フレーム群を順次送信する送信フレーム群送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項18に記載の紙葉類処理装置。
【請求項20】
前記変更手段は、ゲート駆動制御信号による振分ゲートの駆動に基づく第1の搬送路及び第2の搬送路のうちの前記第2の搬送路の選択に対応して、前記第1の搬送路を搬送される紙葉類検知のためのいくつかのセンサからのセンサ信号に対して第1のサンプリング周期を適用し、前記第2の搬送路を搬送される紙葉類検知のためのいくつかのセンサからのセンサ信号に対して前記第1のサンプリング周期より短い第2のサンプリング周期を適用することを特徴とする請求項18に記載の紙葉類処理装置。
【請求項1】
複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムであって、
前記ユニット制御装置は、
前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信する選択指示受信手段と、
前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する送信フレーム送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号に対する前記複数サンプリング周期を設定する設定手段と、
前記複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記選択指示を送信する選択指示送信手段と、
前記選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む前記送信フレームを順次受信する送信フレーム受信手段と、
前記選択指示に基づいて前記送信フレームに含まれるセンサ信号を解析する解析手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる第1のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0のn倍(n:自然数)の送信周期T1で送信し、前記複数センサ信号に含まれる第2のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0のm倍(m:自然数、n≠m)の送信周期T2で送信する指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって第1のサンプリング周期Ts1でサンプリングされる第1のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0≦Ts1)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1≦Ts1)で送信し、前記複数センサ信号に含まれる信号であって前記第1のサンプリング周期Ts1より長い第2のサンプリング周期Ts2でサンプリングされる第2のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts2)のm倍(m:自然数、n<m)の送信周期T2(T2≦Ts2)で送信する指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって所定のサンプリング周期Tsでサンプリングされる所定のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1<Ts)で冗長的に送信する冗長指示を含み、
前記解析手段は、前記選択指示に含まれる前記冗長指示に基づき、前記送信フレームに含まれる前記所定のセンサ信号の冗長性から前記所定のセンサ信号の真偽をチェックする、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって第1のサンプリング周期Ts1でサンプリングされる第1のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0≦Ts1)のn倍(n:自然数)の送信周期T1(T1≦Ts1)で送信する指示を含み、
さらに、前記選択指示は、前記複数センサ信号に含まれる信号であって前記第1のサンプリング周期Ts1より長い第2のサンプリング周期Ts2でサンプリングされる第2のセンサ信号を送信フレームの送信周期T0(T0<Ts2)のm倍(m:自然数、n<m)の送信周期T2(T2<Ts2)で冗長的に送信する冗長指示を含み、
前記解析手段は、前記選択指示に含まれる前記冗長指示に基づき、前記送信フレームに含まれる前記第2のセンサ信号の冗長性から前記第2のセンサ信号の真偽をチェックする、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
各送信フレームは、前記複数センサ信号の数より少ないa個の送信スロットを含み、
前記選択指示は、前記複数センサ信号の中からa個のセンサ信号を含む第1のセンサ信号群を選択し、選択した前記第1のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第1の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当て、前記複数センサ信号の中からa個のセンサ信号を含む第2のセンサ信号群を選択し、選択した前記第2のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第2の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当てる指示を含むことを特徴とする請求項3、4、又は6に記載の制御システム。
【請求項8】
各送信フレームは、前記複数センサ信号の数より少ないa個の送信スロットを含み、
前記選択指示は、前記複数センサ信号の中から前記第1及び第2のセンサ信号を有するa個のセンサ信号を含む第1のセンサ信号群を選択し、選択した前記第1のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第1の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当て、前記複数センサ信号の中から前記第1のセンサ信号を有し前記第2のセンサ信号を有さないa個のセンサ信号を含む第2のセンサ信号群を選択し、選択した前記第2のセンサ信号群に含まれるa個のセンサ信号を第2の送信フレーム中のa個の送信スロットに割り当てる指示を含むことを特徴とする請求項3、4、又は6に記載の制御システム。
【請求項9】
シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームにより複数制御機器を制御するための複数制御信号をユニット制御装置に対して送信する上位制御装置により構成された制御システムであって、
前記上位制御装置は、
前記複数制御機器に対する複数制御周期を設定する設定手段と、
前記複数制御周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記複数制御信号の中から各送信フレームに含めるための制御信号の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記制御信号の選択指示を送信するとともに、前記選択指示に基づき選択された制御信号を含む各送信フレームを順次送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項10】
前記ユニット制御装置は、
前記選択指示を受信するとともに、前記送信フレームを順次受信する受信手段と、
前記選択指示に基づき前記送信フレームに含まれる制御信号を解析し、解析された制御信号に基づき各制御機器を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
複数センサからの複数センサ信号を受信し、シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置により構成された制御システムに適用される信号送信方法であって、
前記ユニット制御装置は、
前記複数センサ信号に対して設定された複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて決定された指示であって、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号の選択指示を受信し、
前記選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるためのセンサ信号を選択し、
前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む各送信フレームを順次送信する、
ことを特徴とする信号送信方法。
【請求項12】
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号に対する前記複数サンプリング周期を設定し、
前記複数サンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記選択指示を決定し、
前記ユニット制御装置に対して前記選択指示を送信し、
前記選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む前記送信フレームを順次受信し、
前記選択指示に基づいて前記送信フレームに含まれるセンサ信号を解析する、
ことを特徴とする請求項11に記載の信号送信方法。
【請求項13】
シリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームにより複数制御機器を制御するための複数制御信号をユニット制御装置に対して送信する上位制御装置により構成された制御システムに適用される信号送信方法であって、
前記上位制御装置は、
前記複数制御機器に対する複数制御周期を設定し、
前記複数制御周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて前記複数制御信号の中から各送信フレームに含めるための制御信号の選択指示を決定し、
前記ユニット制御装置に対して前記制御信号の選択指示を送信するとともに、前記選択指示に基づき選択された制御信号を含む各送信フレームを順次送信する、
ことを特徴とする信号送信方法。
【請求項14】
前記ユニット制御装置は、
前記選択指示を受信するとともに、前記送信フレームを順次受信し、
前記選択指示に基づき前記送信フレームに含まれる制御信号を解析し、解析された制御信号に基づき各制御機器を制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の信号送信方法。
【請求項15】
複数センサからの複数センサ信号を受信しシリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信するユニット制御装置と、前記複数センサ信号を受信しユニット制御装置に対して動作制御信号を送信する上位制御装置とにより構成された制御システムであって、
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号の夫々に対するサンプリング周期を設定する設定手段と、
動作制御状況に応じて前記複数センサ信号の夫々に対して設定されたサンプリング周期を変更する変更手段と、
前記設定手段により設定されたサンプリング周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第1の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示を送信し、又は前記変更手段により変更されたサンプリング周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第2の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示の替わりに適用するための前記第2の選択指示を送信する選択指示送信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第1の送信フレーム群を順次受信し、又は前記第2の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第2の送信フレーム群を順次受信する送信フレーム群受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて前記第1の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析し、又は前記第2の選択指示に基づいて前記第2の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析する解析手段と、
を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項16】
前記ユニット制御装置は、
前記第1の選択指示又は前記第2の選択指示を受信する選択指示受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第1の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第1の送信フレーム群を順次送信し、前記第2の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第2の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第2の送信フレーム群を順次送信する送信フレーム群送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記送信フレーム群送信手段は、前記第1の選択指示の受信後に前記第2の選択指示を受信した場合、前記第1の送信フレーム群の送信完了後に、前記第1の選択指示に基づくセンサ信号の選択処理を前記第2の選択指示に基づくセンサ信号の選択処理へ切り替えて、前記第2の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む前記第2の送信フレーム群を順次送信することを特徴とする請求項16に記載の制御システム。
【請求項18】
搬送路を搬送される紙葉類を検知するための複数センサからの複数センサ信号を受信しシリアル回線経由で所定の送信周期で送信される送信フレームによりこれら複数センサ信号を上位制御装置に対して送信し上位制御装置からのゲート駆動制御信号を受信し紙葉類の搬送先を振り分ける振分ゲートの駆動を制御するユニット制御装置と、前記複数センサ信号を受信しユニット制御装置に対してゲート駆動制御信号を送信する上位制御装置とにより構成された制御システムを用いた紙葉類処理装置であって、
前記上位制御装置は、
前記複数センサ信号の夫々に対するサンプリング周期を設定する設定手段と、
ゲート駆動制御信号による振分ゲートの駆動状況に応じて前記複数センサ信号の夫々に対して設定されたサンプリング周期を変更する変更手段と、
前記設定手段により設定されたサンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第1の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示を送信し、又は前記変更手段により変更されたサンプリング周期及び前記送信フレームの送信周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための第2の選択指示を決定し、前記ユニット制御装置に対して前記第1の選択指示の替わりに適用するための前記第2の選択指示を送信する選択指示送信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第1の送信フレーム群を順次受信し、又は前記第2の選択指示に基づいて選択されたセンサ信号を含む第2の送信フレーム群を順次受信する送信フレーム受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて前記第1の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析し、又は前記第2の選択指示に基づいて前記第2の送信フレーム群に含まれるセンサ信号を解析する解析手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項19】
前記ユニット制御装置は、
前記第1の選択指示又は前記第2の選択指示を受信する選択指示受信手段と、
前記第1の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第1の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第1の送信フレーム群を順次送信し、前記第2の選択指示に基づいて、前記複数センサ信号の中から前記第2の送信フレーム群に含めるためのセンサ信号を選択し、前記上位制御装置に対して、選択されたセンサ信号を含む前記第2の送信フレーム群を順次送信する送信フレーム群送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項18に記載の紙葉類処理装置。
【請求項20】
前記変更手段は、ゲート駆動制御信号による振分ゲートの駆動に基づく第1の搬送路及び第2の搬送路のうちの前記第2の搬送路の選択に対応して、前記第1の搬送路を搬送される紙葉類検知のためのいくつかのセンサからのセンサ信号に対して第1のサンプリング周期を適用し、前記第2の搬送路を搬送される紙葉類検知のためのいくつかのセンサからのセンサ信号に対して前記第1のサンプリング周期より短い第2のサンプリング周期を適用することを特徴とする請求項18に記載の紙葉類処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−226222(P2008−226222A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233144(P2007−233144)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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