説明

制御プログラム更新装置及び制御プログラム更新プログラム

【課題】短時間でオプション装置の制御プログラムの更新処理を実行する。
【解決手段】大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量に基づいて、制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する分割部201と、分割部201により生成された分割制御プログラムを、複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを通信インタフェース部28に送信させる送信制御部203とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続されたオプション装置の制御プログラムを更新する制御プログラム更新装置及び制御プログラム更新プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置においては、様々な顧客ニーズに応えるため、機能拡張を行うオプション装置を接続可能なものも普及している。
【0003】
このようなオプション装置には、例えば、画像形成装置の上流側に設けられ、大容量の給紙可能な大容量給紙装置や、画像形成装置の下流側に設けられ、画像形成装置により印刷されて排出される印刷用紙に対して、ステープル処理やパンチング処理、又は裁断処理等の後処理を行う後処理装置が組み合わされて使用されるマルチ後処理装置等がある。
【0004】
このようなオプション装置が画像形成装置に接続されている場合において、オプション装置の機能拡張や新機能対応(および不具合修正)を行うことがあり、その場合、画像形成装置側からオプション装置に搭載されている制御用プログラムを更新することになる。
【0005】
例えば、特許文献1には、端末装置と、画像形成装置と、画像形成装置に対して縦列的に順次接続された周辺装置(オプション装置)とを備え、制御プログラムを画像形成装置及び周辺装置を接続順に転送して、更新処理を行う情報管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−129333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の情報管理システムでは、周辺装置は、画像形成装置に対して縦列的に順次接続され、周辺装置の接続順に制御プログラムが転送して、更新処理が行われるので、全ての周辺装置の更新処理に相当の時間を有していた。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、短時間でオプション装置の制御プログラムの更新処理を実行する制御プログラム更新装置及び制御プログラム更新プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御プログラム更新装置の第1の特徴は、複数のオプション装置に接続され、前記複数のオプション装置に制御プログラムを更新させる制御プログラム更新装置であって、前記制御プログラムを前記複数のオプション装置へ送信する送信手段と、前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量に基づいて、前記制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する分割手段と、前記分割手段により生成された分割制御プログラムを、前記複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ前記分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを前記送信手段に送信させる送信制御手段と、を備えることにある。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御プログラム更新装置の第2の特徴は、前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ前記制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、前記複数のオプション装置へ前記分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定手段、を更に備え、前記送信制御手段は、前記分割手段により生成された分割制御プログラムを、前記送信順位決定手段により決定された順位で前記送信手段に送信させることにある。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御プログラム更新プログラムの第1の特徴は、複数のオプション装置に接続され、制御プログラムを前記複数のオプション装置へ送信する送信手段を備える制御プログラム更新装置に適用され、前記制御プログラム更新装置が前記複数のオプション装置に前記制御プログラムを更新させるための制御プログラム更新プログラムであって、前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量に基づいて、前記制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する分割ステップと、前記分割ステップにより生成された分割制御プログラムを、前記複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ前記分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを前記送信手段に送信させる送信制御ステップと、を、前記制御プログラム更新装置に実行させることにある。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御プログラム更新プログラムの第2の特徴は、前記制御プログラム更新装置に、前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ前記制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、前記複数のオプション装置へ前記分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定ステップを、更に実行させ、前記送信制御ステップは、前記分割ステップにより生成された分割制御プログラムを、前記送信順位決定ステップにより決定された順位で前記送信手段に送信させることにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る制御プログラム更新装置の第1の特徴によれば、分割手段により生成された分割制御プログラムを、複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを送信手段に送信させるので、短時間でオプション装置の制御プログラムの更新処理を実行することができる。
【0014】
本発明に係る制御プログラム更新装置の第2の特徴によれば、制御プログラムの容量と、複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量と、複数のオプション装置がそれぞれ制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、複数のオプション装置へ分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定手段と、分割手段により生成された分割制御プログラムを、送信順位決定手段により決定された順位で送信手段に送信させる送信制御手段とを備えたので、制御プログラムの更新が早く終了するオプション装置から更新開始が早くなるように自動的に並び替えることでき、これにより、より効率的に制御プログラムの更新を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1である制御プログラム更新システムの外観を示した図である。
【図2】本発明の実施例1に係る制御プログラム更新システムの機能構成を示した機能構成図である。
【図3】本発明の実施例1である制御プログラム更新システムにおける処理手順を示したシーケンス図である。
【図4】本発明の実施例2である制御プログラム更新システムにおける処理手順を示したシーケンス図である。
【図5】本発明の実施例3である制御プログラム更新システムにおける処理手順を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1では、画像形成装置の機能拡張を行う2台のオプション装置と、2台のオプション装置に制御プログラムを更新させる制御プログラム更新装置である画像形成装置とを備える制御プログラム更新システムを例に挙げて説明する。
【0018】
<制御プログラム更新システムの全体構成>
図1は、本発明の実施例1である制御プログラム更新システム1の外観を示した図である。
【0019】
図1に示すように、制御プログラム更新システム1は、制御プログラム更新装置としての機能を有すると共に、印刷ジョブに基づいて画像を形成する画像形成装置2と、画像形成装置2の用紙搬送方向における上流側に設けられ、大容量の印刷用紙を載置した載置台から印刷用紙を画像形成装置2へ給紙する大容量給紙装置3と、画像形成装置2の用紙搬送方向における下流側に設けられ、画像形成装置2により印刷されて排出される印刷用紙に対して、ステープル処理やパンチング処理、又は裁断処理等の後処理を行う後処理装置が組み合わされて使用されるマルチ後処理装置4とを備えている。ここで、大容量給紙装置3や、マルチ後処理装置4を総称してオプション装置という。
【0020】
<制御プログラム更新システムの機能構成>
図2は、本発明の実施例1に係る制御プログラム更新システム1の機能構成を示した機能構成図である。
【0021】
図2に示すように、本発明の実施例1に係る制御プログラム更新システム1は、画像形成装置2と、この画像形成装置2に制御ネットワーク9を介して接続された大容量給紙装置3と、マルチ後処理装置4と、この画像形成装置2にネットワーク8を介して接続された端末5とを備えている。
【0022】
端末5は、インストールされたアプリケーションプログラム(以下、APPという)を実行することにより生成された文字データや図形データ等に基づいて、画像形成装置2に印刷させるための印刷ジョブを生成する。
【0023】
画像形成装置2は、端末5から供給された印刷ジョブに基づいて、例えば、インクジェットヘッドからシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の合計4色のインクを吐出することにより、所定の寸法に切断された印刷用紙Wに対してカラー印刷を行うインクジェット方式のプリンタである。
【0024】
また、画像形成装置2は、制御部21と、操作部22と、記憶部23と、印刷部24と、給紙部25と、外部メモリ接続部26と、通信インタフェース部27,28とを備えている。
【0025】
操作部22は、表示/入力パネル(図示しない)と、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、利用者操作に基づく操作信号を制御部21に供給する。
【0026】
操作部22の表示/入力パネルは、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。利用者は、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、各種操作を行うことができる。
【0027】
記憶部23は、ハードディスクドライブ等で構成されており、オプション装置の制御プログラムなどを記憶している。
【0028】
印刷部24は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の合計4色のインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドからインクを吐出することにより、給紙部25から搬送された印刷媒体に対してカラー印刷を行う。
【0029】
給紙部25は、印刷用紙Wが積層される給紙台を有し、この給紙台から最上位置の印刷用紙Wを順次印刷部24へ給紙する。
【0030】
外部メモリ接続部26は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部メモリを接続するコネクタであり、例えば、外部メモリに記憶された制御プログラムを読み出し、制御部21へ送る。
【0031】
通信インタフェース部27は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、この通信インタフェース部27を介してネットワーク8に接続することによって、端末5から印刷ジョブや制御プログラムを受信することができる。
【0032】
通信インタフェース部28は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、この通信インタフェース部28を介して制御ネットワーク9に接続することによって、制御プログラムをオプション装置へ送信することができる。
【0033】
制御部21は、画像形成装置2の中枢的な制御を行う。また、制御部21は、その機能上、分割部201と、送信制御部203と、印刷制御部205とを備える。なお、送信順位決定部204については、後述する本発明の実施例2に係る制御プログラム更新システムが備える構成であるので、ここでは説明を省略する。
【0034】
分割部201は、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量に基づいて、制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する。
【0035】
送信制御部203は、分割部201により生成された分割制御プログラムを、複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを通信インタフェース部28に送信させる。
【0036】
印刷制御部205は、給紙部25及び印刷部24を制御し、給紙部25から印刷用紙Wを順次印刷部24へ給紙し、給紙された印刷用紙Wを印刷部24に印刷させる。
【0037】
大容量給紙装置3は、制御部31と、記憶部33と、給紙部35と、通信インタフェース部38とを備えている。
【0038】
記憶部33は、ハードディスクドライブ等で構成されており、制御プログラムなどを記憶している。
【0039】
給紙部35は、例えば数千枚単位で印刷用紙W積層する給紙台を有し、この給紙台から最上位置の印刷用紙Wを順次画像形成装置2へ給紙する。
【0040】
通信インタフェース部38は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、この通信インタフェース部38を介して制御ネットワーク9に接続することによって、制御プログラムを画像形成装置2から受信することができる。
【0041】
制御部31は、大容量給紙装置3の中枢的な制御を行う。また、制御部31は、その機能上、更新部301と、給紙制御部303とを備える。
【0042】
更新部301は、現状の大容量給紙装置3にインストールされている制御プログラムを更新する。具体的には、更新部301は、画像形成装置2から送信された分割制御プログラムで更新する。
【0043】
給紙制御部303は、給紙部35による画像形成装置2への給紙を制御する。
【0044】
マルチ後処理装置4は、制御部41と、記憶部43と、仕上げ部45と、通信インタフェース部48とを備えている。
【0045】
記憶部43は、ハードディスクドライブ等で構成されており、制御プログラムなどを記憶している。
【0046】
仕上げ部45は、画像形成装置2により印刷されて排出される印刷用紙Wに対して、ステープル処理やパンチング処理、又は裁断処理等の後処理を行う。
【0047】
通信インタフェース部48は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、この通信インタフェース部38を介して制御ネットワーク9に接続することによって、制御プログラムを画像形成装置2から受信することができる。
【0048】
制御部41は、マルチ後処理装置4の中枢的な制御を行う。また、制御部41は、その機能上、更新部401と、仕上げ制御部403とを備える。
【0049】
更新部401は、現状のマルチ後処理装置4にインストールされている制御プログラムを更新する。具体的には、更新部401は、画像形成装置2から送信された分割制御プログラムで更新する。
【0050】
仕上げ制御部403は、仕上げ部45によるステープル処理やパンチング処理、又は裁断処理等の後処理を制御する。
【0051】
<制御プログラム更新システムの作用>
次に、本発明の実施例1である制御プログラム更新システム1の作用について説明する。
【0052】
図3は、本発明の実施例1である制御プログラム更新システム1における処理手順を示したシーケンス図である。
【0053】
図3に示すように、まず、画像形成装置2は、制御ネットワーク9に接続された全てのオプション装置に制御プログラムの更新の準備を要求する更新要求を送信する(ステップS101)。ここでは、オプション装置は、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4であるので、画像形成装置2は、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4へ更新要求を送信する。
【0054】
オプション装置は、ステップS101において、更新要求を受信すると、画像形成装置2に対して、更新準備完了を通知する(ステップS103)。具体的には、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4は、制御プログラムの更新準備が完了したことを通知すると共に、それぞれ1回で更新することが可能な制御プログラムの容量を画像形成装置2へ送信する。
【0055】
次に、画像形成装置2の分割部201は、記憶部23から、オプション装置に対応する制御プログラムを読み出し、この読み出した制御プログラムを、オプション装置から受信した1回で更新する制御プログラムの容量毎に1以上に分割して、分割制御プログラムを生成する(ステップS105)。例えば、マルチ後処理装置4の制御プログラムが、512(KB)であり、マルチ後処理装置4が1回で更新することが可能な制御プログラムの容量が、256(KB)だとすると、制御プログラムを2つに分割し、2つの分割制御プログラムを生成する。また、大容量給紙装置3の制御プログラムが、64(KB)であり、大容量給紙装置3が1回で更新することが可能な制御プログラムの容量が、128(KB)だとすると、1つの分割制御プログラムを生成する。
【0056】
次に、画像形成装置2の送信制御部203は、予め定めた制御プログラムの更新の順位に従って、オプション装置に分割された分割制御プログラムを送信する(ステップS107)。ここでは、制御プログラムの更新の順位として、マルチ後処理装置4、大容量給紙装置3の順に優先順位が定められている。そのため、送信制御部203は、マルチ後処理装置4に、1パケット目の分割制御プログラムを送信している。なお、制御プログラムの更新の順位は、ユーザが予め定め、その順位が記憶部23に記憶されているものとする。
【0057】
画像形成装置2から送信された分割制御プログラムを受信したマルチ後処理装置4の更新部401は、受信した分割制御プログラムに基づいて、現状のマルチ後処理装置4にインストールされている制御プログラムを更新する(ステップS109)。
【0058】
そして、マルチ後処理装置4の更新部401は、1パケット目の分割制御プログラムの更新が完了すると、画像形成装置2に受信完了の通知を行う(ステップS115)。
【0059】
マルチ後処理装置4は、全ての制御プログラムをマルチ後処理装置4に送信し終えていないので、残りの分割制御プログラム(2パケット目の分割制御プログラム)をマルチ後処理装置4へ送信する(ステップS117)。
【0060】
そして、分割制御プログラムを受信したマルチ後処理装置4の更新部401は、受信した2パケット目の分割制御プログラムに基づいて、現状のマルチ後処理装置4にインストールされている制御プログラムを更新する(ステップS119)。
【0061】
一方、マルチ後処理装置4は、制御プログラムを更新するのに、相応の時間を要するので、画像形成装置2は、マルチ後処理装置4が更新している時間を利用して、即ち、ステップS107において、1パケット目の分割制御プログラムが送信された後、速やかに、次に制御プログラムの更新の順位が高いオプション装置である大容量給紙装置3へ分割制御プログラムを送信する(ステップS111)。
【0062】
画像形成装置2から送信された分割制御プログラムを受信した大容量給紙装置3の更新部301は、受信した分割制御プログラムに基づいて、現状の大容量給紙装置3にインストールされている制御プログラムを更新する(ステップS113)。
【0063】
そして、大容量給紙装置3の更新部301は、分割制御プログラムの更新が完了すると、画像形成装置2に受信完了の通知を行う(ステップS121)。
【0064】
画像形成装置2の送信制御部203は、大容量給紙装置3に対して全ての制御プログラムを送信済みであるので、大容量給紙装置3に全データ送信完了を通知する(ステップS123)。
【0065】
全データ送信完了を受信した大容量給紙装置3は、画像形成装置2に対して、制御プログラムの更新完了を通知する(ステップS125)。これにより、大容量給紙装置3の制御プログラムの更新は終了する。
【0066】
また、ステップS119において、マルチ後処理装置4の更新部401が、受信した2パケット目の分割制御プログラムに基づいて、制御プログラムの更新が完了すると、画像形成装置2に受信完了の通知を行う(ステップS127)。
【0067】
画像形成装置2は、全ての制御プログラムをマルチ後処理装置4に送信し終えたので、マルチ後処理装置4に全データ送信完了を通知する(ステップS129)。
【0068】
全データ送信完了を受信したマルチ後処理装置4は、画像形成装置2に対して、制御プログラムの更新完了を通知する(ステップS131)。これにより、マルチ後処理装置4の制御プログラムの更新は終了する。
【0069】
以上のように、本発明の実施例1である制御プログラム更新システム1によれば、複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量に基づいて、制御プログラムを分割して分割制御プログラムを生成する分割部201と、分割部201により生成された分割制御プログラムを、複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを通信インタフェース部28に送信させる送信制御部203とを備えるので、制御プログラムの更新中に他のオプション装置の制御プログラムを更新でき、短時間でオプション装置の制御プログラムの更新処理を実行することができる。
【実施例2】
【0070】
本発明の実施例1では、複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを送信する制御プログラム更新システムを例に挙げて説明したが、これに限らない。
【0071】
上述したように、オプション装置は、大容量給紙装置3やマルチ後処理装置4等、様々な種類の装置があり、装置種類によって制御プログラムの更新に必要な時間は異なるので、制御プログラムの更新に必要な時間が短いものから順に更新することによって、より効率的に制御プログラムの更新を行うことができる。
【0072】
本発明の実施例2では、複数のオプション装置のうち、制御プログラムの更新に必要な時間が短いものから順に更新するように分割制御プログラムを送信する順位を決定し、この決定された順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを送信する制御プログラム更新システムを例に挙げて説明する。
【0073】
<制御プログラム更新システムの機能構成>
本発明の実施例2に係る制御プログラム更新システムの機能構成を、図2に示した実施例2に係る制御プログラム更新システムの構成図を用いて、説明する。
【0074】
本発明の実施例2に係る制御プログラム更新システム1Aは、図2に示した本発明の実施例2に係る制御プログラム更新システム1と同様に、画像形成装置2と、この画像形成装置2に制御ネットワーク9を介して接続された大容量給紙装置3と、マルチ後処理装置4と、この画像形成装置2にネットワーク8を介して接続された端末5とを備えている。これらの構成のうち、画像形成装置2以外については、本発明の実施例1に係る制御プログラム更新システム1が備えるそれぞれ同一符号が付された構成と同一であるので、説明を省略する。
【0075】
画像形成装置2は、制御部21と、操作部22と、記憶部23と、印刷部24と、給紙部25と、外部メモリ接続部26と、通信インタフェース部27,28とを備えている。これらの構成のうち、制御部21以外については、本発明の実施例1に係る制御プログラム更新システムの画像形成装置2が備えるそれぞれ同一符号が付された構成と同一であるので、説明を省略する。
【0076】
制御部21は、画像形成装置2の中枢的な制御を行う。また、制御部21は、その機能上、分割部201と、送信制御部203と、送信順位決定部204と、印刷制御部205とを備える。
【0077】
分割部201は、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量に基づいて、制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する。
【0078】
送信順位決定部204は、制御プログラムの容量と、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量と、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4がそれぞれ制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4へ分割制御プログラムを送信する順位を決定する。
【0079】
送信制御部203は、分割部201により生成された分割制御プログラムを、送信順位決定部204により決定された順位で通信インタフェース部28に送信させる。
【0080】
印刷制御部205は、給紙部25及び印刷部24を制御し、給紙部25から印刷用紙Wを順次印刷部24へ給紙し、給紙された印刷用紙Wを印刷部24に印刷させる。
【0081】
<制御プログラム更新システムの作用>
次に、本発明の実施例2である制御プログラム更新システム1Aの作用について説明する。
【0082】
図4は、本発明の実施例2である制御プログラム更新システム1Aにおける処理手順を示したシーケンス図である。なお、図4に示すシーケンス図の処理ステップのうち、図3に示したシーケンス図における処理ステップと同一ステップ番号が付された処理は、それぞれ同一処理であるので、説明を省略する。
【0083】
ステップS101において、オプション装置は、更新要求を受信すると、画像形成装置2に対して、更新準備完了を通知する(ステップS203)。具体的には、大容量給紙装置3及びマルチ後処理装置4は、制御プログラムの更新準備が完了したことを通知すると共に、それぞれ1回で更新することが可能な制御プログラムの容量と、それぞれ制御プログラムの1回の更新に要する時間とを画像形成装置2へ送信する。
【0084】
次に、画像形成装置2の分割部201は、記憶部23から、オプション装置に対応する制御プログラムを読み出し、この読み出した制御プログラムを、オプション装置から受信した1回で更新する制御プログラムの容量毎に分割して、分割制御プログラムを生成する(ステップS205)。例えば、マルチ後処理装置4の制御プログラムが、512(KB)であり、マルチ後処理装置4が1回で更新することが可能な制御プログラムの容量が、256(KB)だとすると、制御プログラムを2つに分割し、2つの分割制御プログラムを生成する。また、大容量給紙装置3の制御プログラムが、256(KB)であり、大容量給紙装置3が1回で更新することが可能な制御プログラムの容量が、64(KB)だとすると、制御プログラムを4つに分割し、4つの分割制御プログラムを生成する。
【0085】
次に、画像形成装置2の送信順位決定部204は、制御プログラムの更新が早く終了するオプション装置から更新開始が早くなるように並び替える(ステップS206)。
【0086】
例えば、大容量給紙装置3における制御プログラムの1回の更新に要する時間が、50(msec)であり、マルチ後処理装置4における制御プログラムの1回の更新に要する時間が、20(msec)であるとする。
【0087】
この場合、大容量給紙装置3において制御プログラムを更新するのに必要な時間は、200(msec)(=50×4)であり、マルチ後処理装置4において制御プログラムを更新するのに必要な時間は、40(msec)(=20×2)である。
【0088】
そこで、送信順位決定部204は、制御プログラムの更新の順位として、マルチ後処理装置4、大容量給紙装置3の順に優先順位が決定する。
【0089】
次に、画像形成装置2の送信制御部203は、送信順位決定部204により決定された制御プログラムの更新の順位に従って、オプション装置に分割された分割制御プログラムを送信する(ステップS207)。ここでは、制御プログラムの更新の順位として、マルチ後処理装置4、大容量給紙装置3の順に優先順位が決定されているので、送信制御部203は、マルチ後処理装置4に、1パケット目の分割制御プログラムを送信している。
【0090】
一方、マルチ後処理装置4は、制御プログラムを更新するのに、相応の時間を要するので、画像形成装置2は、マルチ後処理装置4が更新している時間を利用して、即ち、ステップS207において、1パケット目の分割制御プログラムが送信された後、速やかに、次に制御プログラムの更新の順位が高いオプション装置である大容量給紙装置3へ1パケット目の分割制御プログラムを送信する(ステップS211)。
【0091】
1パケット目の分割制御プログラムを受信した大容量給紙装置3の更新部301は、受信した分割制御プログラムに基づいて、現状の大容量給紙装置3にインストールされている制御プログラムを更新する(ステップS213)。
【0092】
そして、大容量給紙装置3の更新部301は、分割制御プログラムの更新が完了すると、画像形成装置2に受信完了の通知を行う(ステップS221)。
【0093】
次に、受信完了の通知を受信した画像形成装置2は、大容量給紙装置3へ2パケット目の分割制御プログラムを送信し(ステップS213)、4パケット目の分割制御プログラムを送信するまで、即ち、全ての制御プログラムの送信が完了するまで、ステップS211,S213,S221に対応する分割制御プログラムの送信、更新、受信完了の処理を繰り返す。
【0094】
このように、オプション装置は、大容量給紙装置3やマルチ後処理装置4等、様々な種類の装置があり、装置種類によって制御プログラムの更新に必要な時間は異なるので、制御プログラムの更新に必要な時間が短いものから順に更新することによって、より効率的に制御プログラムの更新を行うことができる。
【0095】
以上のように、本発明の実施例2に係る制御プログラム更新システム1Aによれば、制御プログラムの容量と、複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量と、複数のオプション装置がそれぞれ制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、複数のオプション装置へ分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定部204と、分割部201により生成された分割制御プログラムを、送信順位決定手段により決定された順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを通信インタフェース部28に送信させる送信制御部203とを備えるので、制御プログラムの更新が早く終了するオプション装置から更新開始が早くなるように自動的に並び替えることでき、これにより、より効率的に制御プログラムの更新を行うことができ、短時間でオプション装置の制御プログラムの更新処理を実行することができる。
【実施例3】
【0096】
本発明の実施例2では、複数のオプション装置のうち、制御プログラムの更新に必要な時間が短いものから順に更新するように分割制御プログラムを送信する順位を決定し、この決定された順位で、かつ分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを送信する制御プログラム更新システムを例に挙げて説明したがこれに限らない。
【0097】
本発明の実施例3では、複数のオプション装置のうち、制御プログラムの更新に必要な時間が短いものから順に更新するように分割制御プログラムを送信する順位を決定し、この決定された順位で、オプション装置へ分割制御プログラムを送信する制御プログラム更新システム1Bを例に挙げて説明する。
【0098】
なお、本発明の実施例3に係る制御プログラム更新システム1Bの全体装置構成、及び機能構成については、それぞれ図1に示した全体構成、及び図2に示した機能構成と同一であるので、説明を省略する。
【0099】
次に、本発明の実施例3である制御プログラム更新システム1Bの作用について説明する。
【0100】
図5は、本発明の実施例3である制御プログラム更新システム1Bにおける処理手順を示したシーケンス図である。なお、図5に示すシーケンス図の処理ステップのうち、図4に示したシーケンス図における処理ステップと同一ステップ番号が付された処理は、それぞれ同一処理であるので、説明を省略する。
【0101】
本発明の実施例3である制御プログラム更新システム1Bでは、分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを送信することなく、オプション装置への制御プログラムの更新完了の後、次の順位のオプション装置の制御プログラムの更新を行う。
【0102】
具体的には、図5に示したステップS311において、マルチ後処理装置4が、画像形成装置2に対して、制御プログラムの更新完了を通知する(ステップS131)と、画像形成装置2は、次に制御プログラムの更新の順位が高いオプション装置である大容量給紙装置3へ1パケット目の分割制御プログラムを送信する(ステップS311)。
【0103】
1パケット目の分割制御プログラムを受信した大容量給紙装置3の更新部301は、受信した分割制御プログラムに基づいて、現状の大容量給紙装置3にインストールされている制御プログラムを更新する(ステップS213)。
【0104】
そして、大容量給紙装置3の更新部301は、分割制御プログラムの更新が完了すると、画像形成装置2に受信完了の通知を行う(ステップS221)。
【0105】
次に、受信完了の通知を受信した画像形成装置2は、大容量給紙装置3へ2パケット目の分割制御プログラムを送信し(ステップS213)、4パケット目の分割制御プログラムを送信するまで、即ち、全ての制御プログラムの送信が完了するまで、ステップS211,S213,S221に対応する分割制御プログラムの送信、更新、受信完了の処理を繰り返す。
【0106】
以上のように、本発明の実施例2に係る制御プログラム更新システム1Bによれば、制御プログラムの容量と、複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する制御プログラムの容量と、複数のオプション装置がそれぞれ制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、複数のオプション装置へ分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定部204と、分割部201により生成された分割制御プログラムを、送信順位決定手段により決定された順位で、オプション装置へ分割制御プログラムを通信インタフェース部28に送信させる送信制御部203とを備えるので、制御プログラムの更新が早く終了するオプション装置から更新開始が早くなるように自動的に並び替えることでき、これにより、より効率的に制御プログラムの更新を行うことができ、簡易的に、短時間でオプション装置の制御プログラムの更新処理を実行することができる。
【0107】
また、本発明の実施例1〜3では、インクジェット方式の画像形成装置2を備える制御プログラム更新システムを例に挙げて説明したが、これに限らず、レーザ方式、又は孔版印刷方式等様々な方式の画像形成装置を含む構成としてもよい。
【0108】
さらに、本発明の実施例1〜3では、制御プログラム更新装置として、画像形成装置を備えた制御プログラム更新システムを例に挙げて説明したが、これに限らず、AV(Audio Visual)機器や、家電製品など制御プログラムを更新することが必要な機器であればよい。
【0109】
また、上述した実施例を、コンピュータにインストールした制御プログラム更新プログラムを実行させることにより実現することもできる。すなわち、この制御プログラム更新プログラムは、例えば、制御プログラム更新プログラムが記憶された記録媒体から読み出され、制御部で実行されることにより制御プログラム更新装置を構成するようにしてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてインストールされ、制御部で実行されることにより制御プログラム更新装置を構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1,1A,1B…制御プログラム更新システム
2…画像形成装置
3…大容量給紙装置
4…マルチ後処理装置
5…端末
8…ネットワーク
9…制御ネットワーク
21,21A…制御部
22…操作部
23…記憶部
24…印刷部
25…給紙部
26…外部メモリ接続部
27,28…通信インタフェース部
31…制御部
33…記憶部
35…給紙部
38…通信インタフェース部
41…制御部
43…記憶部
45…仕上げ部
48…通信インタフェース部
201…分割部
203…送信制御部
204…送信順位決定部
205…印刷制御部
301…更新部
303…給紙制御部
401…更新部
403…仕上げ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオプション装置に接続され、前記複数のオプション装置に制御プログラムを更新させる制御プログラム更新装置であって、
前記制御プログラムを前記複数のオプション装置へ送信する送信手段と、
前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量に基づいて、前記制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する分割手段と、
前記分割手段により生成された分割制御プログラムを、前記複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ前記分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを前記送信手段に送信させる送信制御手段と、
を備える制御プログラム更新装置。
【請求項2】
前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ前記制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、前記複数のオプション装置へ前記分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定手段、を更に備え、
前記送信制御手段は、
前記分割手段により生成された分割制御プログラムを、前記送信順位決定手段により決定された順位で前記送信手段に送信させる
ことを特徴とする請求項1記載の制御プログラム更新装置。
【請求項3】
複数のオプション装置に接続され、制御プログラムを前記複数のオプション装置へ送信する送信手段を備える制御プログラム更新装置に適用され、前記制御プログラム更新装置が前記複数のオプション装置に前記制御プログラムを更新させるための制御プログラム更新プログラムであって、
前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量に基づいて、前記制御プログラムを1以上に分割して分割制御プログラムを生成する分割ステップと、
前記分割ステップにより生成された分割制御プログラムを、前記複数のオプション装置へ所定の順位で、かつ前記分割制御プログラムの更新中に次の順位のオプション装置へ分割制御プログラムを前記送信手段に送信させる送信制御ステップと、を、
前記制御プログラム更新装置に実行させるための制御プログラム更新プログラム。
【請求項4】
前記制御プログラム更新装置に、
前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ1回で更新する前記制御プログラムの容量と、前記複数のオプション装置がそれぞれ前記制御プログラムの1回の更新に要する時間とに基づいて、前記複数のオプション装置へ前記分割制御プログラムを送信する順位を決定する送信順位決定ステップを、更に実行させ、
前記送信制御ステップは、
前記分割ステップにより生成された分割制御プログラムを、前記送信順位決定ステップにより決定された順位で前記送信手段に送信させる
ことを特徴とする請求項3記載の制御プログラム更新プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−105241(P2013−105241A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247350(P2011−247350)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】