説明

制御弁、制御弁ユニットおよび給湯システム

【課題】非作動時における作動流体の遮断機能を確保するとともに、作動時には作動流体の流量調整が可能な制御弁を簡易かつ低コストに実現する。
【解決手段】制御弁50は、ボディ70に取り付けられたモータ130と、弁部の開度を調整する弁体106と、弁体106を軸線方向に支持する作動ロッド134と、モータ130と作動ロッド134との間に設けられ、モータ130の回転力を作動ロッド134の軸線方向の並進力に変換し、作動ロッド134を介して弁体106に開閉方向の駆動力を伝達する駆動ユニット102と、弁体106を閉弁方向に付勢するスプリング114と、を備える。駆動ユニット102は、弁体106の開弁時にモータ130への通電が遮断された場合、スプリング114の付勢力を弁体106および作動ロッド134を介して受けることにより、作動ロッド134の閉弁方向への移動を許容する方向に動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御弁に関し、特に給湯システムに好適な制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境にやさしく光熱費も比較的低く抑えられる等の理由から貯湯式給湯装置が普及しつつある。この貯湯式給湯装置は、例えば自然冷媒である二酸化炭素等を使ったヒートポンプシステムによって大気中の熱を汲み上げ、給湯に必要な熱エネルギーとして利用するものであり、熱源としてのヒートポンプユニットと貯湯タンクにて構成される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
貯湯タンクの下部には給水管が接続され、上水道から低温水が供給される。この低温水は、ヒートポンプユニットに送られて熱交換がなされ、高温の湯となって貯湯タンクの上部に戻される。その結果、貯湯タンクには上部に高温の湯水(高温水)、中間部に中間温度の湯水(中温水)、下部に低温の湯水(低温水)が存在する温度成層が形成される。貯湯タンクの高温層には給湯管が接続され、下流側で給水管と合流する。給湯管と給水管との合流部には混合弁が設けられ、給湯管を流れる高温水と給水管を流れる低温水との混合比を調整し、浴槽やカラン等の給水設備へ流す湯水の温度調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−32996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような給湯装置には一般に、作動停止時に貯湯タンクから浴槽へ湯水が供給され続けることを防止するために、混合弁の下流側に常閉型の電磁弁が設けられる。給湯装置の作動停止により通電が絶たれると、電磁弁が閉じることで配管内の通路を遮断するものである。この電磁弁は、例えば停電時等に湯水の流通を遮断するフェイルセーフ機能も発揮する。
【0006】
ところで、このような給湯装置においては、作動が停止されても混合弁と電磁弁との間の空間に湯水が溜められた状態で残存する。このため、例えば入浴中に湯温の低下を感じて足し湯等を行う場合、その空間に溜められた冷めた湯水が最初に浴槽に流れ込むため、入浴者を不快にさせる可能性があった。このため、例えば電磁弁の前後にさらに流量調整用の比例弁を設けることも考えられるが、コスト面から好ましくない。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、非作動時における作動流体の遮断機能を確保するとともに、作動時には作動流体の流量調整が可能な制御弁を簡易かつ低コストに実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の制御弁は、通電により設定開度に制御され、上流側から導入された作動流体の流量を調整して下流側へ導出する制御弁であって、上流側から作動流体を導入する導入ポートと、下流側へ作動流体を導出する導出ポートと、導入ポートと導出ポートとを連通する弁孔とを有するボディと、ボディに取り付けられたモータと、弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、弁体を軸線方向に支持する作動ロッドと、モータと作動ロッドとの間に設けられ、モータの回転力を作動ロッドの軸線方向の並進力に変換し、作動ロッドを介して弁体に開閉方向の駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。駆動力伝達機構は、弁体の開弁時にモータへの通電が遮断された場合、付勢部材の付勢力を弁体および作動ロッドを介して受けることにより、作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作する。
【0009】
この態様によると、モータの駆動により弁部の開度を任意に調整することができる。一方、モータ駆動の制御弁であるため、通電が絶たれるとモータの駆動力も絶たれるところ、付勢部材の付勢力によって駆動力伝達機構が作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作するため、弁部の閉弁動作を確保することができる。つまり、モータ駆動式の制御弁でありながら、非作動時(非通電時)の閉弁確保と作動時(通電時)の弁開度調整の双方を実現することができる。すなわち、この態様によれば、非作動時における作動流体の遮断機能を確保するとともに、作動時には作動流体の流量調整が可能な制御弁を簡易かつ低コストに実現することができる。
【0010】
本発明の別の態様は、制御弁ユニットである。この制御弁ユニットは、一次側から二次側へ流れる作動流体の流れを制御する制御弁ユニットであって、一次側から作動流体を導入する導入ポートと、二次側へ作動流体を導出する導出ポートとをつなぐ流体通路が形成された共用のボディと、流体通路に設けられて通電により設定開度に制御され、一次側から二次側へ流れる作動流体の流量を制御する制御弁と、流体通路における制御弁の下流側に設けられた第1逆止弁と、流体通路における第1逆止弁のさらに下流側に設けられた第2逆止弁と、一次側の圧力低下に応動して流体通路における第1逆止弁と第2逆止弁との間の空間を大気に開放する大気開放弁と、を備える。制御弁は、ボディに取り付けられたモータと、流体通路に設けられた弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、弁体を軸線方向に支持する作動ロッドと、モータと作動ロッドとの間に設けられ、モータの回転力を作動ロッドの軸線方向の並進力に変換し、作動ロッドを介して弁体に開閉方向の駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。駆動力伝達機構は、弁体の開弁時にモータへの通電が遮断された場合、付勢部材の付勢力を弁体および作動ロッドを介して受けることにより、作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作する。
【0011】
この態様によると、制御弁ユニットに含まれるモータ駆動の制御弁により一次側から二次側へ流れる作動流体の流量が調整される。モータ駆動であるため、通電が絶たれるとその駆動力も絶たれるところ、付勢部材の付勢力によって駆動力伝達機構が作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作するため、弁部の閉弁動作を確保することができる。すなわち、この態様によれば、非作動時における作動流体の遮断機能を確保するとともに、作動時には作動流体の流量調整が可能な制御弁を含む制御弁ユニットを簡易かつ低コストに実現することができる。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、給湯システムである。この給湯システムは、給湯装置から給水設備へつながる流体通路に、給湯装置から給水設備へ供給される湯水の流量を調整する制御弁が設けられる給湯システムにおいて、制御弁は、上流側から湯水を導入する導入ポートと、下流側へ湯水を導出する導出ポートと、導入ポートと導出ポートとを連通する弁孔とを有するボディと、ボディに取り付けられたモータと、弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、弁体を軸線方向に支持する作動ロッドと、モータと作動ロッドとの間に設けられ、モータの回転力を作動ロッドの軸線方向の並進力に変換し、作動ロッドを介して弁体に開閉方向の駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。駆動力伝達機構は、弁体の開弁時にモータへの通電が遮断された場合、付勢部材の付勢力を弁体および作動ロッドを介して受けることにより、作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作する。
【0013】
この態様によると、モータ駆動の制御弁により給湯装置から給水設備へ供給される湯水の流量が調整される。一方、その制御弁がモータ駆動であるため、通電が絶たれるとその駆動力も絶たれるところ、付勢部材の付勢力によって駆動力伝達機構が作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作するため、弁部の閉弁動作を確保することができる。すなわち、この態様によれば、給湯装置の非作動時における給水設備への湯水の遮断機能を確保するとともに、給湯装置の作動時には湯水の流量調整が可能となる。このため、例えば給水設備としての浴槽に足し湯等を行う場合、仮に制御弁の上流側に冷めた湯水が溜められていたとしても、その足し湯等の当初において流量を小さくするよう調整することで湯温の急低下を防止でき、入浴者に不快感を与えることを防止または抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、非作動時における作動流体の遮断機能を確保するとともに、作動時には作動流体の流量調整が可能な制御弁を簡易かつ低コストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る貯湯式給湯装置の構成を表すシステム図である。
【図2】制御弁ユニットの全体構成を表す断面図である。
【図3】制御弁ユニットの動作を表す説明図である。
【図4】制御弁ユニットの動作を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る貯湯式給湯装置の構成を表すシステム図である。本実施形態の給湯装置は、貯湯ユニット10とヒートポンプユニット12を備える。貯湯ユニット10は、貯湯タンク14のほか、湯水を循環または供給するための配管、湯水の流れを制御する制御弁、湯水の温度や流量を検出するためのセンサ等を備える。給湯装置は、貯湯ユニット10にて適温に調整された湯水を、浴槽13やカラン15等の給水設備に供給する。
【0017】
上水道から供給される低温水は、給水管16によって貯湯ユニット10に供給される。給水管16は、貯湯ユニット10内にて分岐し、その一方である第1給水管18が貯湯タンク14の下部に接続されている。貯湯タンク14とヒートポンプユニット12との間には沸上循環回路が形成されている。すなわち、貯湯タンク14の下部に接続された導出管20がヒートポンプユニット12に接続され、ヒートポンプユニット12に接続された戻り管22が貯湯タンク14の上部に接続されている。なお、カラン15には、給水管16を介して給湯装置とは別系統で低温水が供給される。
【0018】
このような構成により、貯湯タンク14には上部に高温水、中間部に中温水、下部に低温水が存在する温度成層が形成される。貯湯タンク14の下部に溜まった冷温水は、ヒートポンプユニット12にて熱交換されて高温水となって貯湯タンク14に戻される。導出管20には、このような沸上循環回路における湯水の循環を促進するためのポンプ24が設けられている。
【0019】
一方、貯湯タンク14の上部には、高温水を導出する給湯管25が接続されている。給湯管25は、第1給湯管26と第2給湯管27に分岐し、給水管16から分岐した他方である第2給水管28とそれぞれ接続されている。各給湯管を流れる高温水と第2給水管28を流れる低温水とはそれらの配管の接続部(合流部)において混合される。第1給湯管26の高温水と第2給水管28の冷温水との混合によって適温となった湯水は、配管30を介して台所等のカラン15に供給される。第1給湯管26と第2給水管28との接続点には制御弁ユニット32が設けられている。一方、第2給湯管27の高温水と第2給水管28の冷温水との混合によって適温となった湯水は、配管31を介して浴槽13に供給される。第2給湯管27と第2給水管28との接続点には制御弁ユニット33が設けられている。また、制御弁ユニット33の下流側には、配管31における湯水の流れを制御する制御弁ユニット35が設けられている。
【0020】
制御弁ユニット32は、共用のボディに混合弁34、第1逆止弁36および第2逆止弁38を一体に組み付けた複合弁である。混合弁34は、第1給湯管26を介して供給された高温水と、第2給水管28を介して供給された低温水との混合比を調整し、配管30に適温の湯水を導出する。配管30には上流側から温度センサ40、流量センサ42が設けられている。図示しない制御部は、温度センサ40の温度を取得し、使用者が図示しないリモートコントローラにて設定した給湯温度となるよう混合弁34の開度を制御する。一方、第1逆止弁36は、給湯が停止されたときに合流部の湯水が第2給水管28に逆流することを防止する。第2逆止弁38は、給湯が停止されたときに合流部の湯水が第1給湯管26に逆流することを防止する。
【0021】
制御弁ユニット33は、共用のボディに混合弁44、第1逆止弁46および第2逆止弁48を一体に組み付けた複合弁である。混合弁44は、第2給湯管27を介して供給された高温水と、第2給水管28を介して供給された低温水との混合比を調整し、配管31に適温の湯水を導出する。第1逆止弁46は、給湯が停止されたときに合流部の湯水が第2給水管28に逆流することを防止する。第2逆止弁48は、給湯が停止されたときに合流部の湯水が第2給湯管27に逆流することを防止する。
【0022】
制御弁ユニット35は、共用のボディに制御弁50、第1逆止弁52、第2逆止弁54および大気開放弁56を一体に組み付けた複合弁である。制御弁50は、モータ駆動の比例弁であり、配管31の開度を制御することにより浴槽13へ供給される湯水の流量を調整する。制御弁50の下流側に第1逆止弁52、第2逆止弁54が順次設けられ、浴槽13から貯湯タンク14側への湯水の逆流を段階的に防止する。大気開放弁56は、上流側(一次側)の圧力低下に応動して第1逆止弁52と第2逆止弁54との間の空間を大気に開放する。
【0023】
すなわち、例えば浴槽13が貯湯ユニット10よりも高い位置に設置されるような場合、浴槽13の側に配置された第2逆止弁54が異物の噛み込みなどにより水密不良となっていた場合には、浴槽13内の汚水がその水頭圧により第2逆止弁54を介して大気開放弁56まで逆流してくる。このような場合であっても、その汚水は大気開放弁56によって大気に放出されるため、浴槽13内の汚水が貯湯ユニット10ひいては上水道の方まで逆流することを防止することができる。
【0024】
なお、制御弁ユニット35の入口近傍には流量センサ58が設けられ、配管31における制御弁ユニット35の上流側には温度センサ60が設けられている。図示しない制御部は、温度センサ60の温度を取得し、使用者が図示しないリモートコントローラにて設定した給湯温度となるよう混合弁44の開度を制御する。
【0025】
一方、ヒートポンプユニット12は、冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍サイクルを備える。この冷凍サイクルは圧縮機、熱交換器、膨張弁、蒸発器を含む冷媒循環回路を備えるが、それらの構成および動作については公知であるため、その詳細な説明を省略する。上述の沸上循環回路を流れる低温水は、その熱交換器を経る際に沸き上げられて高温水となる。
【0026】
次に、制御弁ユニット35の具体的構成について説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に部材の位置関係を表現することがある。
図2は、制御弁ユニット35の全体構成を表す断面図である。制御弁ユニット35は、樹脂材を成形して得られた共用のボディ70に制御弁50、第1逆止弁52、第2逆止弁54、大気開放弁56および流量センサ58を一体に組み付けて構成される。ボディ70は、円筒状の本体72の一方の側部に連設された導入管部74と、本体72の下方に連設された導出管部76とを有する。本体72の他方の側部には、大気開放弁56のボディ78が一体に設けられている。導入管部74は本体72に対して直角に接続され、導出管部76は、本体72に同軸状に接続されている。導入管部74の開口端部は上流側から湯水を導入する導入ポートとして機能し、導出管部76の開口端部は下流側へ湯水を導出する導出ポートとして機能する。
【0027】
本体72と導出管部76との接続部には、半径方向内向きにやや突出したフランジ部が設けられ、その内周部により弁孔80が形成されている。そして、弁孔80の下流側開口端部に弁座82が形成されている。また、そのフランジ部の上面から本体72の内方に向けて同心状に延出する円ボス部84が設けられ、その内周部により弁孔86が形成されている。そして、弁孔86の上流側開口端部に弁座88が形成されている。円ボス部84の側部が導入管部74の軸線上に位置するため、導入管部74に導入された湯水は、円ボス部84の周囲を回り込むようにして本体72に流入する。本体72の上端開口部は、制御弁50が組み付けられることにより封止されている。
【0028】
導入管部74には流量センサ58が配設されている。流量センサ58は、着磁された複数枚の羽根を有する羽根車90と、この羽根車90に近接して導入管部74に埋設された磁気センサ92と、上流側に配置されて通過する湯水に渦流を生起させる整流器94を含んで構成されるが、このようなセンサ自体は公知であるため、その詳細な説明については省略する。流量センサ58のやや上流側には、異物の流入を抑制するためのストレーナ96が配設されている。
【0029】
制御弁50は、弁本体100と駆動ユニット102とを一体に組み付けて構成されている。弁本体100は、ボディ70の上端開口部を封止するように組み付けられた段付円筒状のボディ104と、ボディ104に支持された弁体106を備える。ボディ104は、その下半部がOリング108を介して本体72に組み付けられ、その内周面が弁体106を摺動可能に支持するガイド孔107を形成する。
【0030】
弁体106は、段付円筒状をなし、その下端部の外周面にはリング状の弾性体(例えばゴム)からなる弁部材109が嵌着されている。その弁部材109が弁座88に接離することにより制御弁50の開度を調整する。また、ボディ104と弁体106を軸線方向に貫通するように長尺状の作動ロッド134が設けられており、その下端部にて弁体106を下方から支持している。弁体106は、その上端部がガイド孔107に摺動可能に支持されている。弁体106の摺動面には、シール部材としてのOリング110が嵌着されている。弁体106の下端部には、弁孔86に摺動しつつ支持される複数の脚部が延設されている。弁体106は、その下端部の複数の脚部が弁孔86に沿って摺動し、上端部がガイド孔107に沿って摺動することにより、軸線方向に安定に動作することができる。
【0031】
ボディ104と弁体106とに囲まれた空間により背圧室112が形成されている。弁体106と作動ロッド134の間に所定のクリアランスが存在するため、弁孔86の下流側圧力がそのクリアランスを介して背圧室112に導入される。本実施形態では、弁孔86の有効径Aとガイド孔107の有効径Bとを等しく設定することにより、弁体106に作用する流体圧力の影響をキャンセルしている。弁体106とボディ104との間には、弁体106を閉弁方向に付勢するスプリング114(「付勢部材」として機能する)が介装されている。
【0032】
駆動ユニット102は、モータ130およびウォームギヤ132を備える。ウォームギヤ132は、モータ130の出力軸に設けられたウォーム136と、そのウォーム136と噛合するウォームホイール138から構成される。作動ロッド134は、その上端部がウォームホイール138に固定されてその回転軸をなしている。ボディ104と作動ロッド134との間には、シール用の一対のOリング140が介装されている。また、ボディ104の上半部を覆うようにハウジング142が取り付けられている。モータ130およびウォームギヤ132は、ハウジング142とボディ104とに囲まれる空間に収容されている。
【0033】
ウォームホイール138は、その上端面に上部ストッパ143が突設され、下端面には、下部ストッパ(図には現れていない)が形成されている。ウォームホイール138の上部ストッパ143は、ハウジング142の内側に突設されたストッパ145と協働して、ウォームホイール138が回動できる可動範囲の一方、つまり弁体106のリフト上限を規制する。ウォームホイール138の下部ストッパは、ボディ104の内側に突設されたストッパ144と協働して、ウォームホイール138が回動できる可動範囲の他方、つまり弁体106のリフト下限を規制する。
【0034】
ウォームホイール138の下半部には小径の雄ねじ部146が形成されており、ボディ104に突設された雌ねじ部148と螺合している。ウォームホイール138の回転運動は、これら雄ねじ部146と雌ねじ部148によるねじ機構により並進運動に変換される。すなわち、モータ130の駆動によりウォームホイール138が回動すると、そのウォームホイール138とともに作動ロッド134が軸線方向に並進する。
【0035】
弁体106は、作動ロッド134の下端部に設けられたストッパ150にて下方から支持される一方、スプリング114によって下方に付勢されている。一方、作動ロッド134の上端部にもストッパ152が設けられており、そのストッパ152がウォームホイール138の上面に係止されることで、作動ロッド134の下方への変位が規制される。このため、弁体106が弁座88から離間した開弁状態においては、弁体106と作動ロッド134とが突っ張った状態で一体変位するが、弁体106が弁座88に着座した閉弁状態になると、弁体106と作動ロッド134とは相対変位可能となる。
【0036】
第1逆止弁52および第2逆止弁54は、導出管部76に組み込まれる逆止弁ユニットとして構成されている。すなわち、この逆止弁ユニットは、段付円筒状のボディ200に第1弁体202及び第2弁体204を同軸状に組み付けて構成されている。ボディ200は、導出管部76にOリング206を介して圧入されている。ボディ200の上流側開口端部と下流側開口端部には、円ボス状の軸受部208,210が設けられている。第1弁体202は、軸受部208に摺動可能に支持され、弁座82に下流側から着脱して第1逆止弁52を開閉する。第1弁体202と軸受部208との間には、第1弁体202を閉弁方向に付勢するスプリング212が介装されている。軸受部208には、その上流側と下流側とを連通させる連通孔214が設けられている。
【0037】
第2弁体204は、第1弁体202と同様の構成を有する。ボディ200の上半部は縮径されており、その内周部により弁孔216が形成されている。そして、弁孔216の下流側開口端部により弁座218が形成されている。第2弁体204は、軸受部210に摺動可能に支持され、弁座218に下流側から着脱して第2逆止弁54を開閉する。第2弁体204と軸受部210との間には、第2弁体204を閉弁方向に付勢するスプリング220が介装されている。軸受部210には、その上流側と下流側とを連通させる連通孔222が設けられている。なお、通常の流量制御時における不要な圧力損失を抑制するために、各スプリング212,220のばね荷重は比較的小さく設定されている。
【0038】
大気開放弁56は、ボディ70の導入管部74とは反対側に設けられている。大気開放弁56のボディ78は、ボディ70と一体成形された本体154と、本体154を側方から封止するハウジング156とをOリング158およびダイヤフラム160を介して組み付けることにより構成される。ボディ78は、ダイヤフラム160により感圧室162と開放室164に区画されている。感圧室162は、検圧通路166および小孔168を介して本体72に連通し、導入管部74から導入される湯水の一次圧を導入する。
【0039】
開放室164は、一方でやや小径の接続通路170を介して導出管部76に連通し、他方で排出通路172を介して大気に開放されている。接続通路170は、導出管部76における弁孔80よりも下流側であり、かつ弁孔216よりも上流側の位置に連通している。開放室164と接続通路170との間の段部には、弁座174が形成されている。
【0040】
開放室164には、ダイヤフラム160の片側面に支持されるように弁体176が配設されている。すなわち、ダイヤフラム160の内側の中央部は、弁体176の対向端面に形成された凸部と嵌合するよう凹設され、弁体176を開放室164の中央に位置決めしている。弁体176の弁座174との対向面にはリング状の弾性体(例えばゴム)からなる弁部材178が嵌着されており、その弁部材178が弁座174に着脱して大気開放弁56を開閉する。弁体176とボディ78との間には、弁体176を開弁方向に付勢するスプリング180(「付勢部材」として機能する)が介装されている。
【0041】
以上の構成において、ウォームギヤ132(ウォーム136およびウォームホイール138)と、ねじ機構(雄ねじ部146および雌ねじ部148)は、モータ130の非作動時にそれぞれセルフロックをしないようリード角が設定されている。すなわち、仮にモータ130の駆動が停止されたときに弁体106が開弁状態にあったとしても、スプリング114の付勢力により弁体106が自律的に閉弁方向に動作して制御弁50の閉弁を確保できるよう、ウォームギヤ132およびねじ機構のリード角が大きく設定されている。
【0042】
すなわち、一般に、ウォームギヤにはセルフロックと呼ばれる現象が生じる。このセルフロックは、ウォームホイール側からウォームを回転させることができない状態を意味し、ウォームホイールとウォームとの噛合部の各歯面に作用する力の大きさに応じて発生する。例えば、モータの停止時にウォームギヤの駆動対象の停止位置を保持する場合などにこの現象が利用されたりする。この歯面に作用する力の大きさは、リード角に応じて変化することが知られている。セルフロックを生じさせるためには、リード角を小さくするのがよいとされている。ねじ機構についても同様である。
【0043】
本実施形態では、この技術を逆に利用し、ウォームギヤ132のリード角およびねじ機構のリード各を大きくすることで各機構の噛合効率を向上させている。なお、本実施形態ではさらに、ウォームギヤ132として多条ウォームギヤを用い、ねじ機構に多条ねじを用いることでそれらの噛合効率をさらに向上させている。それにより、弁体106の開弁時にモータ130への通電が遮断された場合、ウォームギヤ132とねじ機構による駆動力伝達機構が、スプリング114の付勢力を弁体106および作動ロッド134を介して逆に受け、作動ロッド134の閉弁方向への移動を許容するよう自律的に動作するようにされている。すなわち、モータ130への通電が停止されたときに、スプリング114の付勢力により弁体106が自律的に閉弁方向に動作して制御弁50の閉弁を確保できるようにしている。
【0044】
次に、図2〜図4に基づいて制御弁ユニット35の動作について説明する。図3および図4は、制御弁ユニット35の動作を表す説明図である。
給湯装置の作動時においてはモータ130への通電がなされ、図3に示すように、制御弁50が全開状態に維持される。すなわち、モータ130が一方向に回転駆動されると、その回転駆動力がウォームギヤ132およびねじ機構により並進力に変換され、作動ロッド134ひいては弁体106に伝達される。
【0045】
このとき、ウォームホイール138が回転し、作動ロッド134とともに弁体106が引き上げられ、制御弁50が開弁する。ウォームホイール138がその上死点まで上昇して上部ストッパ143がハウジング142のストッパ145に当接すると、ウォームホイール138の回転が強制的に停止され、作動ロッド134ひいては弁体106の上昇が停止される。ただし、本実施形態においては上述のように、モータ130への通電を停止すると、弁体106が自律的に閉弁方向に動作してしまうことになる。このため、給湯装置の作動中は制御弁50の全開状態を維持するために必要な保持電流を常にモータ130に供給する。なお、この保持電流は、弁体106を開弁方向に引き上げる際に供給する駆動電流よりも小さい値であってもよい。
【0046】
このとき、上流側から導入管部74に湯水が導入され、その水圧により第1逆止弁52および第2逆止弁54が開弁状態となる。一方、このような通水時においては、導入管部74から導入される一次圧のほうが導出管部76から導出される二次圧よりも高くなるため、大気開放弁56は閉弁状態を維持する。
【0047】
一方、給湯装置の作動を停止させる際には、図示の状態からモータ130が逆転駆動される。それにより、ウォームホイール138が逆回転し、作動ロッド134が降下する。このとき、スプリング114の付勢力により弁体106が作動ロッド134とともに降下して弁座88に着座し、制御弁50が閉弁状態となる。ただし、その着座と同時に作動ロッド134と弁体106とが相対変位可能となるため、作動ロッド134はさらに降下する。そして、ウォームホイール138の下部ストッパがストッパ144に当接することにより作動ロッド134の降下が停止される。このように、作動ロッド134と弁体106とを相対変位可能としたことで、弁体106と弁座88との間に過大な面圧が作用しないようにされている。
【0048】
このとき、制御弁50により湯水の導入が遮断されるため、図2に示したように、第1逆止弁52および第2逆止弁54はスプリング212,220の付勢力により閉弁状態となる。一方、導入管部74から導入される一次圧のほうが導出管部76から導出される二次圧よりも高くなるため、大気開放弁56は閉弁状態を維持する。
【0049】
このようにして浴槽13に湯が供給された状態において、大気開放弁56の感圧室162には、検圧通路166を介して制御弁50の上流側の一次圧が導入されている。この一次圧は通常、制御弁50の下流側の二次圧より大きいため、大気開放弁56は閉弁状態を保持する。しかし、例えば停電によりポンプが停止したり、断水が発生するなどして給水管16や給湯管25に負圧が発生すると、大気開放弁56がその一次圧の低下を感知して開弁し、第1逆止弁52と第2逆止弁54との間の空間にある水を大気に放出する。このとき、仮に第2逆止弁54が異物の噛み込み等、何らかの要因で水密不良となっていた場合、浴槽13の汚水がその水頭圧により第2逆止弁54を介して大気開放弁56まで逆流する。しかし、その汚水は大気開放弁56により大気に放出されるため、給水管16や給湯管25まで逆流することはない。
【0050】
また、給湯装置の作動中に停電が発生すると、制御弁50への通電が絶たれるため、モータ130の駆動力によって弁体106を閉弁方向に駆動することができない。しかしながら、上述のように、モータ130への通電が停止されたときには、スプリング114の付勢力により弁体106が自律的に閉弁方向に動作するため、制御弁50の閉弁を確保することができる。それにより、例えば停電後も上流側の湯水が浴槽13へ供給され続けるといった問題を生じさせることもない。
【0051】
以上に説明したように、本実施形態においては、モータ駆動の制御弁50により貯湯ユニット10から浴槽13へ供給される湯水の流量が調整される。一方、その制御弁50がモータ駆動であるため、通電が絶たれるとその駆動力も絶たれるところ、スプリング114の付勢力によってウォームギヤ132およびねじ機構が自律的に回転して作動ロッド134が閉弁方向に動作するように構成されているため、閉弁動作を確保することができる。すなわち、給湯装置の非作動時における浴槽13への湯水の遮断機能を確保するとともに、給湯装置の作動時には湯水の流量調整が可能となる。
【0052】
このため、例えば浴槽13に足し湯等を行う場合、制御弁50の上流側に冷めた湯水が溜められていたとしても、その足し湯等の当初において流量を小さくするよう調整することで湯温の急変を防止でき、入浴者に不快感を与えることを防止または抑制することができる。また、制御弁50をモータ駆動式の電動弁として構成したため、例えば電磁弁の場合のようにその開弁時や閉弁時の作動音を抑えることができる。すなわち、給湯装置を構成する器具の性能向上により湯水の供給圧力が高圧化したとしても、制御弁の作動音によりユーザを不快にするといった事態を回避または抑制することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0054】
上記実施形態においては、本発明の制御弁として制御弁ユニット(複合弁)の一部を構成する態様を例示したが、逆止弁や大気開放弁とは別の単体の制御弁(比例弁)として構成してもよい。
【0055】
上記実施形態においては、本発明の制御弁を作動流体として湯水の流量を調整する比例弁として構成し、貯湯式給湯装置に適用する例を示したが、即時式給湯装置の必要箇所に適用してもよい。また、湯水以外を作動流体とし、その作動流体の流量の調整や遮断が必要となる流体循環装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 貯湯ユニット、 12 ヒートポンプユニット、 13 浴槽、 14 貯湯タンク、 15 カラン、 16 給水管、 25 給湯管、 32,33 制御弁ユニット、 34 混合弁、 35 制御弁ユニット、 50 制御弁、 52 第1逆止弁、 54 第2逆止弁、 56 大気開放弁、 70 ボディ、 74 導入管部、 76 導出管部、 80 弁孔、 82 弁座、 86 弁孔、 88 弁座、 100 弁本体、 102 駆動ユニット、 106 弁体、 130 モータ、 132 ウォームギヤ、 134 作動ロッド、 136 ウォーム、 138 ウォームホイール、 146 雄ねじ部、 148 雌ねじ部、 170 接続通路、 172 排出通路、 174 弁座、 176 弁体、 216 弁孔、 218 弁座。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により設定開度に制御され、上流側から導入された作動流体の流量を調整して下流側へ導出する制御弁であって、
上流側から作動流体を導入する導入ポートと、下流側へ作動流体を導出する導出ポートと、前記導入ポートと前記導出ポートとを連通する弁孔とを有するボディと、
前記ボディに取り付けられたモータと、
前記弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、
前記弁体を軸線方向に支持する作動ロッドと、
前記モータと前記作動ロッドとの間に設けられ、前記モータの回転力を前記作動ロッドの軸線方向の並進力に変換し、前記作動ロッドを介して前記弁体に開閉方向の駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記駆動力伝達機構は、前記弁体の開弁時に前記モータへの通電が遮断された場合、前記付勢部材の付勢力を前記弁体および前記作動ロッドを介して受けることにより、前記作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作することを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記駆動力伝達機構は、前記モータの回転運動を前記作動ロッドの並進運動に変換するねじ機構を含み、
前記ねじ機構は、セルフロックをしないようリード角が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記駆動力伝達機構は、前記モータと前記ねじ機構との間に設けられ、前記モータの回転力を前記ねじ機構に伝達するウォームギヤをさらに含み、
前記ウォームギヤは、セルフロックをしないようリード角が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
【請求項4】
貯湯式給湯装置の貯湯タンクと給水設備とをつなぐ流体通路に設けられ、前記貯湯タンクから前記給水設備へ供給される湯水の流量を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御弁。
【請求項5】
一次側から二次側へ流れる作動流体の流れを制御する制御弁ユニットであって、
一次側から作動流体を導入する導入ポートと、二次側へ作動流体を導出する導出ポートとをつなぐ流体通路が形成された共用のボディと、
前記流体通路に設けられて通電により設定開度に制御され、一次側から二次側へ流れる作動流体の流量を制御する制御弁と、
前記流体通路における前記制御弁の下流側に設けられた第1逆止弁と、
前記流体通路における前記第1逆止弁のさらに下流側に設けられた第2逆止弁と、
一次側の圧力低下に応動して前記流体通路における前記第1逆止弁と前記第2逆止弁との間の空間を大気に開放する大気開放弁と、
を備え、
前記制御弁は、
前記ボディに取り付けられたモータと、
前記流体通路に設けられた弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、
前記弁体を軸線方向に支持する作動ロッドと、
前記モータと前記作動ロッドとの間に設けられ、前記モータの回転力を前記作動ロッドの軸線方向の並進力に変換し、前記作動ロッドを介して前記弁体に開閉方向の駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記駆動力伝達機構は、前記弁体の開弁時に前記モータへの通電が遮断された場合、前記付勢部材の付勢力を前記弁体および前記作動ロッドを介して受けることにより、前記作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作することを特徴とする制御弁ユニット。
【請求項6】
給湯管から浴槽への配管の途中に設けられ、前記給湯管から前記浴槽へ流す湯水の流量を制御することを特徴とする請求項5に記載の制御弁ユニット。
【請求項7】
給湯装置から給水設備へつながる流体通路に、前記給湯装置から前記給水設備へ供給される湯水の流量を調整する制御弁が設けられる給湯システムにおいて、
前記制御弁は、
上流側から湯水を導入する導入ポートと、下流側へ湯水を導出する導出ポートと、前記導入ポートと前記導出ポートとを連通する弁孔とを有するボディと、
前記ボディに取り付けられたモータと、
前記弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、
前記弁体を軸線方向に支持する作動ロッドと、
前記モータと前記作動ロッドとの間に設けられ、前記モータの回転力を前記作動ロッドの軸線方向の並進力に変換し、前記作動ロッドを介して前記弁体に開閉方向の駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記駆動力伝達機構は、前記弁体の開弁時に前記モータへの通電が遮断された場合、前記付勢部材の付勢力を前記弁体および前記作動ロッドを介して受けることにより、前記作動ロッドの閉弁方向への移動を許容する方向に動作することを特徴とする給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−104468(P2013−104468A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247843(P2011−247843)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000133652)株式会社テージーケー (280)
【Fターム(参考)】