説明

制御放出性ナノ粒子有効薬剤配合物投与剤型品および方法

多孔性粒子上に吸収された有効薬剤含有ナノ粒子に基づく、空洞を画定する壁、膨脹可能層、薬品層を含んでなる制御放出性投与剤型品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬学的薬剤の制御放出およびそのための投与剤型品に関する。具体的には、本発明は、液状有効薬剤配合物の使用環境内への制御送達のための改善された方法、投与剤型品および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、液状有効薬剤配合物の制御放出のためのすでに教示および開示された方法および装置、例えば特許文献1(引用することにより本明細書に編入される)中に記載のものを有する。液状の有効薬剤配合物は、液状有効薬剤配合物の担体として役立つ多孔性粒子内に添加された。液体の有効薬剤製を混合された多孔性粒子は、浸透性押出層投与剤型品内に配合できた。ある種の薬剤に対して、特許文献1内に教示の方法および装置は最適な結果をもたらさずそして、実際に、特に投与物添加の局面において望ましくない限界を示す。
【0003】
過去の実用で、有効薬剤の吸収を促進しそして使用環境に配合物が暴露された後に最短の可能な時間内で意図する使用のために有益な効果を得るために、液状の有効薬剤配合物の投薬は、固体の有効薬剤組成物よりも好まれる場合が多い。液状の有効薬剤組成物を送達するための従来技術の装置の例は、液状有効薬剤組成物を含む軟質ゼラチンカプセルまたはビン詰めされそしてスプーン量などによる定量投与として分配される有効薬剤の液状配合物である。それらの系は、時間継続的な有効薬剤の制御送達には一般的には受け入れられない。有効薬剤が使用環境内に放出されると直ちにその効果を発揮することが望まれるけれども、長期間にわたる有効薬剤の制御放出が望ましい場合も多い。かかる制御放出は、時間継続的な持続性送達、例えば0次、またはパターン送達、例えばパルス状であってもよい。従来技術の系は、かかる送達に一般的には適合しない。
【0004】
時間継続的な環境への有効薬剤の連続的送達のために種々の装置および方法が記載されている。典型的には、かかる従来技術の系は、最初は投薬前には乾燥状態の有効薬剤を送達するために使用された。例えば特許文献2および特許文献3(いずれも引用することにより本明細書に編入される)は、壁により形成された区画から薬品層を押し出す膨脹可能な材料の層を含む区画を画定する半透性壁を含む、使用環境へ有益な薬剤を送達するための分配装置を記載している。装置内の出口開口は、壁により形成された区画の内径と本質的に同一の直径である。
【0005】
特許文献4(引用することにより本明細書に編入される)は、壁により形成された区画から薬品層を押し出す膨脹可能な物質の層を含む半透性壁を含む、使用環境へ有益薬剤を送達するための分配装置を記載している。薬品層は担体内に分散された個別の小さい丸薬を含む。装置内の出口開口は、壁により形成される区画の内径と本質的に同一の直径である。
【0006】
特許文献5(引用することにより本明細書に編入される)は、イオノフォアおよび担体を含む組成物および膨脹可能な親水層がその中に位置する半透性ハウジングと、同時に装置を反芻動物の瘤胃網状嚢に保持するために十分な密度を装置に与える追加の要素を含む、家畜へイオノフォアを送達するために装置を記載している。イオノフォアおよび担体は貯蔵の間は乾燥状態にありそして組成物は液状使用環境と接触した場合に処理可能な液体類似状態に変化する。多数の異なる出口装置が記載され。それには装置の末端の複数の孔および拡散および浸透ポンピングにより単位時間当たりの薬剤放出量を制御するための可変直径の単一出口が含まれる。
【0007】
薬剤区画の内径約50%〜100%の大きい開口が、有効薬剤および生物侵食性もしくは分解性有効薬剤担体を含む分配装置内に設置されるとしばしば好ましい。使用環境に暴露されると、侵食または拡散により薬剤が薬品層から放出される。薬剤が固体状態で存在する従来技術の例において、有益な効果の実現は、薬剤が使用環境の液体内に溶解しそして胃腸管の組織または粘膜環境により吸収されるまで遅延する。胃または腸液内への溶解度が低い薬剤に対して、従来技術にみられるかかる遅延は好ましくない。
【0008】
その中で薬剤組成物が、最初は乾燥しているがしかし使用環境では膨脹可能な層の作用により小さい出口開口からスラリー、懸濁液もしくは溶液として送達される装置は、特許文献6、7、8、9、10、11、12、13、および14中に記載されている。典型的な装置は、半透膜により囲まれた膨脹可能な押出層および薬品層を含む。
【0009】
有効薬剤が不溶性または溶解度が低い場合には、従来技術の系は、胃腸管を通って吸収を促進する吸収の部位において有効薬剤の迅速な送達または濃度勾配をもたらさないであろう。かかる問題を解決するために種々の方法が提出されそれには、水溶性塩、多形形態、粉末化溶液、分子錯体、微小化、共融物、および固溶体の使用が含まれる。粉末化溶液の使用の一つの例は、非特許文献1に記載されている。他の方法の参考文献がその中に引用されている。粉末化溶液の他の例は、特許文献15中に記載されている。該特許は、薬剤溶液が圧縮の間に顆粒状組成物から押し出されること防止するために材料内に最適に収着される液体の量を算出するための方法を記載している。
【0010】
特許文献16(引用することにより本明細書に編入される)は、高い比表面積、良好な圧縮性および低い破砕性を有する鱗片状リン酸水素カルシウム物質から形成された球状化(spheronized)物質を記載している。該特許は、材料が高い液体吸収性を特徴とすると指摘している。しかし、該特許は、使用環境内への液状薬剤組成物の送達のための担体として該材料が使用されることは示唆していない。その代わりに、該特許は、噴霧乾燥により形成されるような乾燥配合物の形成を記載している。該特許は、薬剤を含む球状粒子を形成するための噴霧乾燥造粒プロセスの間での薬剤および結合剤を含む懸濁液の使用を記載している。例えば、鱗片状リン酸水素カルシウムの10%に相当する量のアスコルビン酸を、水中のリン酸水素カルシウム20重量%スラリー中に溶解し、そして得られたスラリーを噴霧乾燥してアスコルビン酸を含む乾燥、球状リン酸水素カルシウムを形成した。次いで該材料を500〜2000kg/cmの負荷下で製錠した。
【特許文献1】米国特許(US)第6,342,249号明細書
【特許文献2】米国特許(US)第4,892,778号明細書
【特許文献3】米国特許(US)第4,940,465号明細書
【特許文献4】米国特許(US)第4,915,949号明細書
【特許文献5】米国特許(US)第5,126,142号明細書
【特許文献6】米国特許(US)第5,660,861号明細書
【特許文献7】米国特許(US)第5,633,011号明細書
【特許文献8】米国特許(US)第5,190,765号明細書
【特許文献9】米国特許(US)第5,252,338号明細書
【特許文献10】米国特許(US)第5,620,705号明細書
【特許文献11】米国特許(US)第4,931,285号明細書
【特許文献12】米国特許(US)第5,006,346号明細書
【特許文献13】米国特許(US)第5,024,842号明細書
【特許文献14】米国特許(US)第5,160,743号明細書
【特許文献15】米国特許(US)第5,800,834号明細書
【特許文献16】米国特許(US)第5,486,365号明細書
【非特許文献1】Sheth,et al.,“Use of PowderedSolutions to Improve the Dissolution Rate of Polythiazide Tablets”,Drug Development and Industrial Pharmacy,16(5),769−777(1990)
【発明の開示】
【0011】
発明の要旨
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の著しい押出しを伴うことなく圧密された薬品層を形成するために十分な圧密力に耐えるように適合されている薬品層を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0012】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、約50〜約150μの範囲の平均粒径を有しそして約20m/g〜約60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦2.0の関係を満足する〕
により表される薬品層を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0013】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、少なくとも1.5ml/gの比体積、少なくとも20m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力を有し、該粒子が40メッシュ以下100%、100メッシュ以下50%〜100%および200メッシュ以下10%〜60%の粒径分布を有するリン酸水素カルシウムである薬品層を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0014】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、1.5ml/g〜5ml/gの嵩比体積、20m/g〜60m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力および少なくとも70μmの平均粒径を有するリン酸水素カルシウムである薬品層を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0015】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の著しい押出しを伴うことなく圧密された薬品層を形成するために十分な圧密力に耐えるように適合されている薬品層を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0016】
一つの局面では、本発明は、複数の多孔性粒子内および/または上に有効薬剤の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を収着し、50〜150μの平均粒径を有する該粒子が、20m/g〜60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦2.0の関係を満足する〕
により表され、そして粒子を生物侵食性担体内に分散させることを含んでなる投与剤型品から活性薬剤の放出を促進する方法に関する。
【0017】
一つの局面では、本発明は、複数の多孔性粒子内および/または上に収着された有効薬剤の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなる組成物であって、50〜150μの平均粒径を有する該粒子が、20m/g〜60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦2.0の関係を満足する〕
により表され、そして生物侵食性担体内に分散させ、該粒子が長時間にわたって使用環境内に放出される組成物に関する。
【0018】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子がアルミノメタケイ酸マグネシウムである薬品層、を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0019】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは0≦n≦10の関係を満足する〕
により表されるアルミノメタケイ酸マグネシウムである薬品層を含んでなる有効薬剤の投
与剤型品に関する。
【0020】
一つの局面では、本発明は、空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中および/または上に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは0≦n≦10の関係を満足する〕により表され、そして約100〜300m/gの比表面積、約1.3〜3.4ml/gの油吸収能力、約1〜2μの平均粒径、約25°〜45°の安息角、約2g/mlの比重および約2.1〜12ml/gの比体積を有するアルミノメタケイ酸マグネシウムである薬品層を含んでなる有効薬剤の投与剤型品に関する。
【0021】
一つの態様では、本発明は、液状担体内に懸濁されそして多孔性粒子担体内に収着された有効薬剤のナノ粒子の組成物に関する。
【0022】
19.1個もしくはそれ以上の多孔性担体内に添加された自己分散性ナノ粒子配合物を含んでなりそしてナノ粒子が2000nm未満の平均粒径を有する投与剤型品。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明は、本明細書中に開示される下記の定義、図面および実施例の開示を参照すると最も良く理解される。
【0024】
定義
本明細書中で互換可能に使用される「有効薬剤」、「薬品」、または「化合物」は、使用環境中にある場合に、いくつかの生理学的、心理学的、生物学的、または薬理学そして多くの場合に有益な効果をもたらす薬剤、薬品、化合物、物質の組成物またはそれらの混合物を意味する。
【0025】
「放出の一定速度」または「一定放出速度」とは、長時間にわたって有効薬剤の放出の平均速度から正もしくは負に30%以上は変動しない投与剤型品からの有効薬剤の放出の速度を意味し、それは米国薬局方タイプ7インターバル放出装置(USP Type7 Interval Release Apparatus)に規定されている。好ましい放出の一定速度は、長時間にわたって測定された放出の平均速度から25%(正もしくは負)未満で変動する。
【0026】
「長時間」または「長期間」とは、4時間またはそれ以上、さらに典型的には6時間またはそれ以上の時間の連続期間を意味する。
【0027】
「投与剤型品」とは、有効な製薬学的薬剤を含んでなる製薬学的組成物もしくは装置を意味し、該組成物もしくは装置は有効な製薬学的薬剤を製造および供給するために使用される不活性成分、例えば製薬学的に許容できる担体、賦形剤、懸濁剤、界面活性剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、滑沢剤、安定剤、抗酸化剤、浸透剤、着色剤、可塑剤などを場合により含む。
【0028】
本明細書中で互換可能に使用される「製薬学的に許容できる酸付加塩」または「製薬学的に許容できる塩」とは、その中でアニオンが塩の毒性もしくは薬理学的活性に著しくは寄与しない塩、例えば、自体がそれらが関連する化合物の基剤の薬理学的等価物であるも
のを意味する。塩形成の目的に有用な製薬学的に許容できる塩の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、マンデル酸、フマル酸、コハク酸、リン酸、硝酸、粘液酸、イセチオン酸、パルミチン酸などが含まれるがそれらに限定はされない。
【0029】
「徐放」とは、長期間にわたる使用環境への有効薬剤の連続的な放出を意味する。
【0030】
「パルス状放出」とは、(i)有効薬剤が放出されない少なくとも1つの区画された期間、または(ii)他の異なる有効物質が放出される少なくとも1つの期間が先行もしくは後に続く1つもしくはそれ以上の区画された期間における使用環境への有効薬剤の放出を意味する。パルス状放出は、投与剤型品の投薬に続く有効薬剤の遅延した放出および有効薬剤の1個もしくはそれ以上のパルスがある期間放出される放出を含むことを意味する。
【0031】
「定常状態」とは、対象者(subject)の血漿内に存在する薬品量が長時間にわたって著しくは変動しない状態を意味する。
【0032】
「放出速度アッセイ」とは、本明細書中に含まれるアッセイの記述と本質的に合致する、米国薬局方タイプ7インターバル放出装置を用いる化合物の測定のための標準化合物アッセイを意味する。等価のグレードの試薬は、一般的に受容される手順に従うアッセイに代用してもよいと理解される。同様に、異なる液体、例えば人造胃液または人造腸液は、異なるpH値を特徴とする環境内の放出特性を評価するために使用してもよい。
【0033】
「液状有効薬剤配合物」とは、有効薬剤が、使用環境の液体内に混合可能もしくは分散できるか、または粒子の細孔から使用環境内に流入もしくは拡散できる組成物内に存在することを意味する。配合物は、純粋で液状の有効薬剤または有効薬剤が存在する溶液、懸濁液、スラリー、乳液、自己乳化性組成物、コロイド性分散液もしくはその他の流動可能な組成物であってもよい。
【0034】
有効薬剤は、懸濁剤、抗酸化剤、乳化剤、保護剤、透過促進剤などを伴ってもよい。投与剤型品中の有効薬剤の量は、一般的に約0.05ng〜5gまたはそれ以上であり、ここで個別の投与剤型品は、例えば有効薬剤25ng、1mg、5mg、10mg、25mg、100mg、250mg、500mg、750mg、1.0g、1.2g等を含んでなる。系は典型的には、製薬学的用途のために一日あたりに一回、二回もしくは三回、または特定の用途に必要な場合にはそれ以上または以下で投与できる。農業用途では、系は典型的にはより長い間隔、例えば毎週、毎月、四季毎などに適用してもよい。
【0035】
「自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物」とは、有効薬剤のナノ粒子を含んでなりそして強力な攪拌を行わなくても水性媒体内に分散できる液状有効薬剤配合物を意味する。自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物内の有効薬剤の一部は、液状有効薬剤配合物中に溶解していてもよい。該配合物は、胃腸環境内に分散するために役立ちそして胃腸環境内にナノ粒子を分散させそして胃腸環境内で有効薬剤の高い溶解を促進する乳剤ビヒクルもしくは乳液本体をもたらすことができる。
【0036】
薬品の「ナノ粒子」とは、2000nm未満、さらに好ましくは30〜1500nm、さらに好ましくは100〜1000nm、さらに好ましくは200〜600nmの平均粒径を有する薬品粒子を意味する。さらに、粒子は、好ましくは1500nm以下さらに好ましくは1000nm未満、そしてさらに好ましくは600nm未満の平均粒径を有する。
【0037】
「多孔性担体」とは、複数の均質または不均一質の組成物の多孔性粒子または多孔性粒子状物質を意味する。
【0038】
「多孔性担体内に添加(load)された配合物」または「多孔性粒子内に添加された配合物」とは、配合物が多孔性粒子担体の多孔性粒子内に、その上にまたはその他の方法で収着もしくはそれと添加されることを意味する。
【0039】
多孔性粒子内および/またはその上に添加された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物中の有効薬剤として薬品ナノ粒子を使用して、種々の有益な効果が得られることを発見した。これは、米国食品医薬局生物薬分類システム(U.S.FDA Biopharmaceutical Classification System)により規定されたクラスIIおよびクラスIV薬品のような胃腸環境内に低い溶解度を示す薬品について特に適合する。本発明以前には、かかる低溶解度薬品のための投与剤型品において高い投与負荷および高い溶解特性を組み合わせて提供することは困難であった。本発明の一つの局面として、自己分散性担体は、薬品剤型が胃腸系内にその内容物を一旦放出すると薬品に著しく増大した溶解度をもたらす。ナノ粒子の特性から直接もたらされる利益が誘導される。その他の利益は、ナノ粒子、多孔性担体および自己分散性担体の組み合わせからもたらされる。
【0040】
本発明のある態様では、自己分散性ナノ粒子配合物は、本明細書中で定義される乳液または自己乳化性組成物の形態である。自己乳化性組成物によりもたらされる薬品の上昇した溶解度により、胃腸管内で溶解した薬品の相対的に高い濃度の創成が達成される。さらに、すでに溶解した薬品物質が身体により吸収されると胃腸環境内で薬品を可溶化すように乳液が働くので、自己乳化性懸濁液は、配合物が溶解薬品の一定量を単に誘導する場合に可能な期間よりも長い期間にわたって胃腸管内に溶解薬品のより高い濃度を維持するように働く。従って、これは薬品の好ましくさらに迅速でさらに大きい吸収に導く。
【0041】
ある好ましい態様では、自己分散性ナノ粒子配合物は、胃腸管内で投与物から放出された場合に、強く攪拌しなくても胃腸管内の水性媒体内に分散でき、あるいは換言すると胃腸管の運動性の効果により胃腸管の水性媒体内に分散できる配合物の一つである。
【0042】
本発明の利益のいくつかは、ナノ粒子自体の特性に起因する。薬品のナノ粒子は、同一薬品のより大きい粒子よりもさらに迅速に溶解する。その一つの理由は、ナノ粒子の幾何学的な同一質量は同一薬品のより大きい粒子の同一質量のものよりも大きい表面積を有するので、薬剤のナノ粒子形態は、より大きい粒径から成る剤型内の薬品の同一重量のものよりも、薬品粒子もしくは結晶からの薬品の溶解のために利用できるさらの大きい表面積を有することにある。さらに、ナノ粒子は、さらに大きくさらに規則的な薬品結晶よりもさらに不規則な表面積および結晶構造を本来有する。ナノ粒子の不規則表面結晶構造からの溶解は規則的結晶表面およびより大きい粒径の粒子の構造からよりもさらに容易に生成するので、ナノ粒子は同一薬品のさらの大きい粒子よりもさらに容易に溶解する。
【0043】
本発明の他の局面を利用しないでナノ粒子が単に薬品剤型に充填された場合には、薬品粒子または結晶は結合または凝集しやすい。生成した薬品剤型より大きい薬品粒子は、薬品の非凝集ナノ粒子よりも胃腸管内でより緩徐に溶解するので望ましくない。
【0044】
薬品ナノ粒子を自己分散性担体中に混合しそして得られた自己分散性ナノ粒子配合物を多孔性粒子担体内に添加することにより、薬品粒子の望ましくない成長もしくは凝集が抑制される。薬品ナノ粒子を自己分散性担体内に混合し、次いで多孔性粒子担体内に混合物を添加しない場合には、ナノ粒子、もしくは少なくとも通常はより大きいナノ粒子はオズワルド熟成の現象により成長するであろうことは典型的である。しかし、かかる混合物が
多孔性粒子担体内に添加された場合には、多数の好ましい態様において、多孔性粒子はナノ粒子間(および、以下に説明するように、液状担体の部分の間)の物理的な分離をもたらす傾向がありそしてナノ粒子の本質的な部分のオズワルド熟成成長を最小化または排除する。多孔性粒子は、毛管およびその他の作用により、液状担体の本体を吸収し、従ってナノ粒子の間の物理的分離をもたらしそしてナノ粒子間の液体的な連絡を実際に排除することが理解されなければならない。これはナノ粒子オズワルド熟成誘導成長を排除または大部分を防止する。これは、ナノ粒子が投与剤型品内に同時に充填され従って凝集の傾向があるシステムよりも明確な利益がある。明らかに、本発明のこれらの局面は、ナノ粒子が懸濁液として提供されるシステム(多孔性担体内に添加しない)に対して有益な利点を示し、この場合にはかかるシステムのナノ粒子は、懸濁液配合物中に貯蔵の間にしばしば成長、凝集または結合する。この成長または凝集は、薬品の溶解度および薬品が混合された薬品剤型の有効度を低下する。さらに、ナノ粒子のかかる懸濁液は、投与剤型品の乾燥成分を加工するために設計された投与剤型品製造装置を用いて処理できず、一方本発明による多孔性粒子担体内に収着された自己分散性ナノ粒子配合物は、かかる装置により加工できる。
【0045】
本発明の種々の局面に従って、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物は、多孔性粒子担体の細孔内に収着され得る。さらに、配合物のナノ粒子は、自己分散性配合物により作用される多孔性粒子の表面の湿潤性等の理由で、多孔性粒子の外側に接着できる。
【0046】
本発明は、高い溶解特性を維持しそれと妥協しない高い薬品添加量という複合した目的を達成する。
【0047】
本発明中に使用されるナノ粒子は、好ましくは2000nm未満の平均粒径を有し、さらに好ましくはそれらは20〜2000nm、さらに好ましくは30〜1500nm、もっとさらに好ましくは100〜1000nm、さらに好ましくは200〜600nmの範囲である。さらに、粒子は、好ましくは1500nm未満,さらに好ましくは1000nm未満、そしてさらに好ましくは600nm未満の平均粒径を有してもよい。
【0048】
図1は、複数の細孔12を画定しそして自己分散性液状担体および有効薬剤ナノ粒子16を含んでなる自己分散性ナノ粒子配合物14を添加された材料本体11を有する多孔性粒子10を示す。細孔12内に、自己分散性配合物14が収着される。ナノ粒子16は、細孔12内に含まれるのみでなく、自己分散性配合物14により作用される多孔性粒子10の表面の潜在的な湿潤性などの因子により多孔性粒子10の外面にも接着できる。細孔14は粒子の外面から延びてその内部に及ぶ。細孔は表面上に開口し、慣用の混合技術、例えば湿式造粒、粒子の流動層上への自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の噴霧などにより自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物が粒子内に収着させることを許容する。さらに、本発明の態様に従って、薬品のある割合が液状担体内に溶解されてもよい。
【0049】
本発明に従う自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の制御された放出のために最も適する装置の一つは、区画を画定する半透性壁、膨脹可能な押出層および区画内の薬品層、および薬品層を分散させるように投与剤型品内に形成される出口開口を有するものである。薬品層内に、自己分散性ナノ粒子有効薬剤がその中に収着されている複数の多孔性粒子が分散されている担体がある。押出層が膨脹すると、薬品層を含んでなる担体が、本質的に乾燥状態で投与剤型品から押し出され、そこでそれは侵食されそして自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含む多孔性粒子を放出する。放出の後、自己分散性成分は、胃腸環境内にナノ粒子を分散させ始める。自己分散性配合物の自己乳化特性は、ナノ粒子を分布させそして胃腸環境内でのそれらの溶解を促進する。有効薬剤配合物参照。
【0050】
かかる投与剤型品を製造する場合に、通常の方法では薬品層と押出層を含んでなる圧縮
錠剤を製造する。典型的には、好都合には顆粒化または粉末化形態にある薬品層組成物は、縦型製錠プレスのダイ・キャビティー内で圧縮される。次いで、好都合には顆粒または粉末化形態である押出層組成物が、ダイ・キャビティー内で薬品層の上に配置され、そして圧縮されて同様に二層錠剤を形成する。薬品層の圧縮または圧密工程の間に、多孔性粒子は、かなりの程度までは破砕または粉砕されずそして多孔性粒子から自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の早期放出がないように圧縮力に十分耐えなければならない。
【0051】
自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を収着するために有用な物質は、圧密工程の間に加えられる圧密力に耐えそして細孔からの自己分散性ナノ粒子自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の押出しを最小化するような高い圧縮性もしくは引張強さ;結合剤を使用しないかまたは最小量の結合剤を使用して多孔性粒子を直接圧密させる粒子流動特性;圧密工程の間に液体の押出し防止もしくは最小化、そして粒子から錠剤凝集、有効薬剤配合を促進するような低い破砕性;および自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の適量を吸収して投与剤型品中に有効薬剤の有効量をもたらすような高い多孔性を特徴とする多孔性粒子状物質である。粒子は、対象者により都合よく嚥下できそして、好ましくは同時に消化するために4個またはそれより少数の錠剤またはカプセルとして提供される大きさである単一投与剤型品で有効薬剤の治療的有効量が供給されてもよいような、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の量を吸収するように適合されていなければならない。粒子の多孔度は、粒子の細孔内に収着されている粒子の重量に基づいて、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の重量基準で少なくとも5%そして70%まで、さらにしばしば20〜70%、好ましくは30%−60%、そしてさらに好ましくは40〜60%であり、一方、粒子が製造操作の間に受ける圧密力により著しくは破砕または粉砕されないように粒子が有効薬剤添加の程度で十分な強度を示す。さらに典型的には、粒子が結晶性、例えばリン酸水素カルシウムの場合に、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物は多孔性粒子の重量の30〜40%を含んでなってもよいが、しかしさらに無定形の物質、例えばアルミノメタケイ酸マグネシウムが使用される場合には割合がさらに高く、例えば60〜70%またはそれ以上まで増加してもよい。結晶性と無定形物質のブレンドを使用してもよい。高い添加率では、リン酸水素カルシウム粒子と無定形アルミノメタケイ酸マグネシウム粉末とのブレンドを使用すると有利であろう。
【0052】
好ましい物質は自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の本質的な押出しがなくて1500kg/cmより高い圧縮力に耐える強さを有するものであり、そして最も好ましくは錠剤硬度平坦化がないものである。
【0053】
特に好適な多孔性粒子は、米国特許第5,486,365号明細書(これは引用することにより本明細書に編入される)中に記載されたリン酸水素カルシウムの特定の形態で例示される。その中の記載のように、リン酸水素カルシウムは、式CaHPO・mHO(式中、mは式0≦m≦0.5を満足する)により表すことができる鱗片状リン酸水素カルシウムを生成するプロセスにより製造される。有用なリン酸水素カルシウム物質は、式CaHPO・mHO(式中、mは式0≦m≦2.0を満足する)のものである。製造された鱗片リン酸水素カルシウムは、本発明中に使用するために特に適合される特性物理性質を有する。該鱗片状物質は、高い比表面積、高い比体積、高い水および油吸収能力、および噴霧乾燥の際に球状に容易に成形される能力を提供する。該球状粒子状物質は、優れた流動特性を有しそして圧密化工程の間に結合剤がなくてもそして粒子の著しい破砕または粉砕がなく錠剤に直接圧密を可能とさせる。
【0054】
鱗片状リン酸水素カルシウム粒子は、一般に少なくとも20m/g、典型的には20m/g〜60m/gのBET比表面積、少なくとも1.5ml/g、典型的には2〜5ml/gまたはそれ以上の比体積、そして少なくとも0.7ml/g、典型的には0.8〜1.5ml/gの油および水吸収能力を有する。球状に成形されると、該球状粒子状物質は、50μまたはそれ以上、通常は約50〜150μ、そして多くの場合に約60〜120μの平均粒径平均粒径を有してもよい。粒径分布は、100%が40メッシュ通過、50〜100%が100メッシュ通過、および20%〜60%が200メッシュ通過であってもよい。嵩密度は約0.4g/ml〜0.6g/mlであってもよい。
【0055】
リン酸水素カルシウム最も好ましい形態は、Fuji Chemical Industries(U.S.A.) Inc.,Robbinsville,New Jerseyにより商標フジカリン(FujiCalin(R))、タイプSGおよびSとして販売されているものである。その物質に対する典型的なパラメーターは、500〜150μの平均粒径、70オングストロームの程度の平均細孔大きさ、約2ml/gの比体積、約30〜40m/gのBET比表面積、および約0.7ml/gの油および水吸収能力を含む。タイプSGは、典型的には約113μの平均粒径、および40メッシュ通過100%、100メッシュ通過60%および200メッシュ通過20の粒径分布を有する。タイプSは、典型的には、約68μの平均粒径、および40メッシュ通過100%、100メッシュ通過90%および200メッシュ通過60%の粒径分布を有する。2種のタイプの混合物が種々の用途に適する物理特性を有する粒子状物質を提供するために好都合に使用され、それは製薬学的配合、製錠および製造の分野の熟練者により決定されるものである。
【0056】
リン酸水素カルシウムは、低い破砕性を有し、3000kg/cm未満の圧縮力を加えられた場合に約130kg/cm以下の引張強さを示す。製錠された物質の硬度は、限界にある圧縮力に対して横ばいとなる傾向はないが、一方微結晶性セルロース(Avicel PH301)、ラクトース、DI−TABおよびKyowa GSのような物質は約700〜1500kg/cmで横ばいとなる傾向がある。好ましい物質の安息角は、典型的には32〜35°の程度である。
【0057】
使用されてもよい別の物質は、一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは関係式0≦n≦10を満足する〕により表されるアルミノメタケイ酸マグネシウムの形態である。商業的に入手できるアルミノメタケイ酸マグネシウムは、Fuji
Chemical Industries(U.S.A.) Inc.,Robbinsville,New Jerseyにより商標NeusilinとしてりグレードS、SG、UFL、US、FH、FH、FL、FL、S、SG、NFLN、およびNSNとして販売されている。特に好ましいグレードは、S、SG、US、およびUFLであり、なかでもUSが現在最も好ましい。典型的には無定形であるそれらの物質は、約100〜300m/gの比表面積(arca)、約1.3−3.4ml/gの油吸収能力、約1〜2μの平均粒径、約25°〜45°の安息角、約2g/mlの比重および約2.1〜12ml/gの比体積を有する。
【0058】
その他の吸収性物質は、上記で置換されるかまたはそれらと混合されてもよく、例えば商標Avicel(FMC Corporation)およびElcema(Degussa)として販売されている微結晶性セルロースの粉末;Ac−Di−Sol(FMC
Corporation)として販売されている多孔性架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム:商標FI−1 Soy Fiber(Fibred Group)で販売されている多孔性大豆殻繊維;および商標Cab−O−Sil(Cabot)およびAerosil(Degussa)として販売されている多孔性凝集二酸化ケイ素である。
【0059】
自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物は、使用環境内で薬品層が崩壊した場合に多孔性粒子から分配できるようないずれの形態であってもよい。場合により、その他の投与物形成性成分、例えば抗酸化剤、懸濁剤、界面活性剤などが、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合
物中に存在してもよい。自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物は、吸収部位に送達されるとそれが最小の遅延をもって使用環境内に迅速に溶解および吸収されるような状態で送達の部位に有効薬剤をもたらすために最も適する形態で放出される。
【0060】
半透性壁により形成される区画から薬品層の完全な放出を促進する流動促進層また滑沢剤を伴う投与剤型品を提供することが多くの場合に望ましく、それというのも形成された二層錠剤は、投与剤型品から薬品層の放出を妨げそして時には薬品層の不完全な放出をもたらす表面凹凸を伴って形成されることがあるからであろう。
【0061】
本発明の投与剤型品は、長期間にわたって患者に有効薬剤の有効量を放出しそして多くの場合に即時放出組成物のためにしばしば要求されるよりも低い頻度で、一日一回を含み、場合により提供される。本発明の幾つかの態様の投与剤型品は、生物侵食性担体内に分散された多孔性粒子中に含まれる自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含む組成物を含んでなる。
【0062】
有効薬剤には、なかでも食品、栄養補助食品、栄養物質、薬品、制酸剤、ビタミン、微生物弱毒化剤および使用環境内で有益なその他の薬剤を含む。有効薬剤は、温血哺乳動物、ヒトおよび霊長類;家畜または農耕用動物、例えばネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマおよびブタ;実験用動物、例えばマウス、ラットおよびモルモット;動物園および野生動物などを含む動物内において局所的または全身的効果(複数も含む)を生成するいずれの生理学的および薬理学的有効薬剤を含む。送達できる有効薬剤は、限定はされないが、末梢神経、アドレナリン作用性受容体、コリン作用性受容体、骨格筋、心臓血管系、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、神経エフェクター連結部位、内分泌およびホルモン系、免疫系、生殖系、骨格系、オータコイド系、消化および排泄系、ヒスタミン系および中枢神経系に作用する有効薬剤を含む無機および有機化合物を含む。
【0063】
好適な有効薬剤は、例えばタンパク質、酵素、酵素阻害剤、ホルモン、ポリヌクレオチド、核タンパク質、多糖類、糖タンパク質、脂タンパク質、ポリペプチド、ステロイド、催眠薬および鎮静剤、精神賦活剤、精神安定剤、抗痙攣薬、抗うつ薬、筋弛緩剤、抗パーキンソン薬、鎮痛剤、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、筋収縮薬、抗菌剤、抗マラリヤ薬、抗ウイルス薬、抗生物質、抗肥満薬、避妊薬を含むホルモン剤、交感神経作用薬、生理学的効果を誘発できるポリペプチドおよびタンパク質、利尿剤、脂質調節剤、抗アンドロゲン剤、駆虫剤、新生物剤、抗新生物質、抗高血糖薬、低血糖薬、栄養剤および栄養補助食品、成長補助物質、脂肪、眼科薬、抗腸炎薬、電解質および診断用薬剤から選択してもよい。
【0064】
本発明に有用な特定の有効薬剤の例は、エディシル酸プロクロルペラジン、硫酸鉄(II)、アルブテロール、アミノカプロン酸、塩酸メカミラミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸メタンフェタミン、塩酸ベンズフェタミン、硫酸イソプロテレノール、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化スコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンホルミン、塩酸メチルフェニデート、塩化テオフィリン、塩酸セファレキシン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸案プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、マレイン酸トリエチルペラジン、アニシンジオン、ジフェナジオン、四硝酸エリトリチル、ジゴキシン、イソフルロフェート、アセタゾラミド、ニフェジピン、メタゾラミド、ベンゾフルメチアジド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリクラジド、トブタミド、クロルプロアミド、トラザミド、アセトヘキサミド、メトホルミン、トログリタゾン、オルリスタート、ププロピオン、ネファゾドン、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アルミニウムアスピリン、メトトレキセート、アセチルスルファイソオキサゾール、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾンおよびその誘導体、例えばベタメタゾン、トリアムシノロン、メチルテストステロン、17−β−エステロラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール 3−メチルエーテル、プレドニゾロン、酢酸17−β−ヒドロキシプロゲステロン、19−ノル−プロゲステロン、ノルゲストレル、ノルエチンドロン、ノルエチステロン、ノルエチエデロン、プロゲステロン、ノルゲステロン、ノルエチノドレル、テルファンジン、フェキソフェナジン、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、インドプロフェン、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、プロプラノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、セレギリン、クロルプロマジン、メチルドパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、グルコン酸カルシウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、エリトロマイシン、ハロペリドール、ゾメピラク、乳酸鉄(II)、ビンカミン、フェノキシベンズアミン、ジルチアゼム、ミルリノン、カプトロプリル、マンドール、クアンベンズ、ヒドロクロロチアジド、ラニチジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、フルプロフェン、トルメチン、アルクロフェナク、メフェナミク、フルフェナミク、ジフニナル、ニモジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、リドフラジン、チアパミル、ガロパミル、アムロジピン、ミオフラジン、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ラミプリル、エナラプリラート、ファモチジン、ニザチジン、スクラルファート、エチンチジン、テトラトロール、ミノキシジル、クロルジアゼポキシド、ヂアゼパム、アミトリプチリン、およびイミプラミン、およびそれらの有効薬剤の製薬学的塩を含む。さらなる例は、インスリン、コルヒチン、グルカゴン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺および下垂体ホルモン、カルシトニン、レニン、プロラクチン、コルチコトロフィン、甲状腺ホルモン、濾胞刺激ホルモン、絨毛膜刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、オキシトシン、バソプレッシン、プロラクチン、ソマトスタシン、リプレッシン、パンクレオジミン、黄体形成ホルモン、LHRH、インターフェロン、インタ−ロイキン、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモンおよびブタ成長ホルモン、受精阻害剤、例えばプロスタグランジン、受精促進剤、成長因子、およびヒトすい臓ホルモン放出因子を含むがそれらに限定はされないタンパク質およびペプチドである。
【0065】
本発明は、乳液または自己乳化性組成物の形態にある自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の送達において特に有用である。本明細書中に使用される乳液の用語は、一つの相が他の相内に微細に分散している二相系を指す。本発明により使用される乳化剤の用語は、二相系において表面および界面張力を低下および/または除去できる薬剤を指す。本明細書中で使用される乳化薬剤(emulsifier agent)は、乳化薬剤中に親水性および親水性の双方の基を有する薬剤を指す。本明細書中で使用される微細乳液の用語は、薬品の一定量が溶解できる均一な単一相を示す多成分系を指す。典型的には、微細乳液は、微細乳液がさらに安定で通常は本質的に透明である点で認められ、通常の乳液から区別できる。本明細書中で使用される溶液の用語は、二種またはそれ以上の物質の化学的および物理的に均一な混合物を指す。
【0066】
有効薬剤の乳液形成は、一般に界面活性剤の0.5重量%〜99重量%を含んでなる。界面活性剤は、投与剤型品中で、凝集を防止し、成分間の界面張力を低下し、成分の自由流動を促進し、そして成分停留の発生を低下するように機能する。本発明で有用な治療用乳液配合は、酸化エチレン9モルを含んでなるポリオキシエチレン化ひまし油、酸化エチレン15モルを含んでなるポリオキシエチレン化ひまし油、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ひまし油、酸化エチレン25モルを含んでなるポリオキシエチレン化ひまし油、酸化エチレン40モルを含んでなるポリオキシエチレン化ひまし油、酸化エチレン52モルを含んでなるポリオキシエチレン化ひまし油、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノパルミテート、酸化エチレン20モ
ルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノラウレート、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノオレエート、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、酸化エチレン4モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタントリステアレート、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、酸化エチレン20モルを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタントリオレエート、酸化エチレン8モルを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、酸化エチレン40モルを含んでなるポリオキシエチレンステアリン酸、酸化エチレン50モルを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、酸化エチレン2モルを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリルアルコール、酸化エチレン2モルを含んでなるポリオキシエチレン化オレイルアルコールからなる群から選択されたものを含んでなる乳化を与える界面活性剤を含んでなることができる。これらの界面活性剤は、Atlas Chemical Industries,Wilmington, Delaware;Drew Chemical Corp.,Boonton,New JerseyおよびGAF Corp,New York,New Yorkから入手できる。
【0067】
典型的には、本発明で有用な有効薬剤乳化配合物は、最初は油相を含んでなる。乳液の油相は水と混合できない製薬学的に許容できる油を含んでなる。該油は、食用油、例えば1種の飽和脂肪酸の非極性エステル、かかるエステルの誘導体、またはかかるエステルの混合物であることができ、それらは本目的に使用できる。油は起源が植物性、鉱物性、動物性または海洋性であることができる。無毒性油類の例は、ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、アーモンド油、鉱油、ヒマシ油、ココナツ油、ヤシ油、ココアバター、ベニバナ油、炭素原子16〜18個のモノ−およびジ−グリセリドの混合物、不飽和脂肪酸、ココナツ油から誘導された精留トリグリセリド、短鎖10〜15炭素原子の脂肪酸から誘導された精留液状トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、アセチル化トリグリセリド、トリオレイン酸グリセラルとしても知られるオレイン、トリパルミチン酸グリセリルとして知られるパルミチン、トリステアリル酸グリセリルとしても知られるステアリン、ラウリン酸ヘキシルエステル、オレイン酸オレイルエステル、天然油類のグリコール化エトキシル化グリセリド、エチレンオキシドの13分子を有する分枝脂肪酸、およびオレイン酸デシルエステルからなる群から選択されたものを含んでなる。乳液配合物中の油または油誘導体の濃度は、1重量%〜40重量%であり、ここで乳液製剤中のすべての成分の重量%は100重量%に等しい。油類は、Mark Publishing Co.出版のPharmaceutical Sciences Remington著、第17版、403−405ページ(1985)、Van Nostrand Reinhold Co.により出版されたEncyclopedia of Chemistry、第4版、644−645ページ(1986)、およびRanucciに発行された米国特許第4,259,323号明細書中に開示されている。
【0068】
投与剤型品は、投与剤型品、特にはゼラチンカプセルの剤型である場合に存在するいずれかの自己酸化性物質の速度を遅延または効果的に停止するために抗酸化剤を含む。代表的な抗酸化剤は、アスコルビン酸、アルファ−トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、アスコルベート、イソアスコルベート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ノルジヒドログイアレト酸(nordihydroguiaretic acid)、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、食子酸デシル、没食子酸デシルからなる群から選択されるものを含んでなる少なくとも炭素原子3個を含んでなる没食子酸エステル、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ−グイノリン、N−アセチル−2,6−t−ブチル−p−アミノフェノール、ブチルチロシン、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、4−
クロロ−2,6−ジ−t−ブチル フェノール、2,6−ジ−t−ブチル p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ポリマー状抗酸化剤、アスコルビン酸、エリトルビン酸(erythrobic acid)、および酢酸アスコルビル、および酢酸アスコルビルの生理学的に容認できるトリヒドロキシブチロ−フェノン塩、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムなどの群から選択されるものを含んでなる。この目的に使用される抗酸化剤の量は、投与剤型品内に存在する組成物の全重量の約0.001%〜25%である。抗酸化剤は、米国特許第2,707,154号、第3,573,936号、第3,637,772号、第4,038,434号、第4,186,465号および第4,559,237号の各明細書中の従来技術に公知である。
【0069】
投与剤型品は、貯蔵または使用のいずれの間でも有効薬剤を保護するためにキレート化剤を含んでもよい。キレート化剤の例は、例えばポリアクリル酸、クエン酸、エデト酸、エデト酸二ナトリウムなどを含む。キレート化剤は、使用環境内で有効薬剤と同時に誘導されてもよくその場で有効薬剤を保存および保護する。保護は、ある種の食品内および胃腸管の液内に天然の背景レベルで存在するであろうカルシウム、マグネシウムまたはアルミニウムのような多価金属陽イオンとのキレート化により不活性化される有効薬剤に備えられる。かかるキレート化剤は、多孔性粒子内の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物と結合するか、またはキレート化剤は多孔性粒子が分散される薬品層内に組み込まれてもよい。
【0070】
本発明の液体配合物は界面活性剤または界面活性剤の混合物を含んでなってもよく、ここで界面活性剤は非イオン、アニオンおよびカチオン界面活性剤からなる群から選択される。組成物を形成するために適合する無毒性の非イオン界面活性剤の例は、トリトン(Triton(R))として知られるアルキル化アリールポリエーテルアルコール;ノニック(Nonic(R))として入手できるポリエチレングリコール−t−デシルトロエーテル(throether)、脂肪およびアミド縮合物すなわちアルロゾル(Alrosol(R));芳香族ポリグリコールエーテル縮合物すなわちニュトロニクス(Neutronyx(R));脂肪酸アルカノールアミンすなわちニノール(Ninol(R))ソルビタンモノラウレートまたはスパン(Span(R));ポリオキシエチレンソルビタンエステルすなわちツイーン(Tween(R));ソルビタンモノラウレートポリオキシエチレンすなわちツイーン20(R);ソルビタンモノオレエートポリオキシエチレンすなわちツイーン80(R);ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンすなわちプルロニク(Pluronic(R));ポリグリコール化グリセリド、例えばラブラオソル(Labraosol)、ポリエチレン化ヒマシ油、例えばクレモフォル(Cremophor)およびポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−8500すなわちプルロニク(R)を含んでなる。例として、アニオン界面活性剤は、スルホン酸およびスルホン酸エステルの塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム、スルホエチルオレイン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、スレート化エステル(slated ester)、硫酸化アミド、硫酸化アルコール、硫酸化エーテル、硫酸化カルボン酸、硫酸化芳香族炭化水素、硫酸化エーテルなどを含んでなる。カチオン界面活性剤は、塩化セチルピリジニウム、臭化メチルトリメチルアンモニウム、塩化ジエチルメチルセチルアンモニウム、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、第一級アルキルアンモニウム塩、第二級アルキルアンモニウム塩、第三級アルキルアンモニウム塩、第四級アルキルアンモニウム塩、アシル化ポリアミン、複素環式アミンの塩、塩化パルミトイルカニチン、ベヘントリアンモニウムメトスルフェートなどを含んでなる。一般に、有効薬剤100部に対して0.01〜1000重量部の界面活性剤を有効薬剤と混合して有効薬剤配合物をもたらす。界面活性剤は従来技術として米国特許第2,805,977号明細書および第4,182,330号明細書中に知られている。
【0071】
液体配合物は、使用環境内で有効薬剤の吸収を促進する浸透促進剤を含んでなってもよい。かかる促進剤は、例えば胃腸間内のいわゆる「緊密な連結」を開くかまたは細胞成分、例えばp−糖タンパク質などの効果を変性するであろう。適当な促進剤ばサリチル酸のアルキル金属塩、例えばサリチル酸ナトリウム、カプリル酸塩またはカプリン酸塩、例えばカプリル酸ナトリウムまたはカプリン酸ナトリウムなどを含む。促進剤は胆汁酸塩、例えばデオキシコール酸ナトリウムを含んでもよい。種々のp−糖タンパク質変性剤が米国特許第5,112,817号明細書および第5,643,909号明細書(いずれも引用することにより本明細書中に編入される)中に記載されている。種々のその他の吸収促進化合物および物質が米国特許第5,824,638号明細書(引用することにより本明細書中に編入される)中に記載されている。促進剤は、単独または他の促進剤と組み合わせて使用されてもよい。
【0072】
投与剤型品の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物は、無機もしくは有機酸または薬品の塩と共に場合により配合されてもよくそれは生物学的液体と接触すると多孔性粒子の溶解および崩壊または膨潤を促進する。該酸は、多孔性粒子の微環境のpHの低下に役立ち、そして低pH環境で溶解性の粒子、例えばリン酸水素カルシウムの迅速な溶解を促進し、従って多孔性粒子中に含まれる自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の迅速な遊離をもたらす。有機酸の例は、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸などを含む。塩のアニオンが酸性である薬品の塩、例えば酢酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩などは、多孔性粒子の即時の崩壊および溶解をもたらすために使用できる。この用途のための酸成分のさらに完全な表は、Journal of Pharmaceutical Sciences,“Pharmaceutical Salts”,Review Articles,一月号,(1977),第66巻,第1号,1−19ページに提供されている。胃液からの水分の存在下で例えばリン酸水素カルシウムの多孔性粒子との酸性成分の相互作用は、胃液単独よりも大きい速度で粒子の溶解を促進し、使用環境内への自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物のさらに迅速かつ完全な放出をもたらす。同様に、塩の陽イオンがアルカリ性、例えば塩素の場合に薬品のアルカリ成分または塩は、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物内に組み込まれて、高いpHで可溶性または膨潤性の多孔性粒子の迅速かつ完全な溶解を促進するであろう。かかる粒子は、例えばポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)1:1から形成され、それはEudragitS100(Rohm America,Sommerset,New Jersey)から商業的に入手できる。
【0073】
図2中には、担体18内に分散された多孔性粒子10を含む組成物が示されている。典型的には、該組成物は投与剤型品の薬品層部分を形成するように錠剤として圧密される。製造の圧密工程の間に、粒子本体11は、粉化または破砕および自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の望ましくない押出しに耐えるように十分に非破砕性であることが望ましい。
【0074】
有効薬剤の連続的で0次の放出を意図する投与剤型品20を図3に例示する。図からわかるように、投与剤型品20は空洞24を画定する壁22を含んでなる。壁22には出口開口26が設けられている。空洞24内そして出口開口26から離れて、押出層28がある。薬品層30は、出口開口26に隣接した空洞24内に位置する。その中に有効薬剤のナノ粒子が収着されている複数の多孔性粒子10は、空洞24内の担体18内に分散されており薬品層30を形成する。機能が以下に記載されそして第二の壁として形成されてもよい任意の流動促進層32は、薬剤層30と壁22の内壁との間にある。開口26は、投与剤型品20の一方の末端に設けられ、押出層28の膨脹により投与剤型品から薬剤層30を絞り出す。
【0075】
壁22は、外部液体、例えば水および生物学的液体の通過に対して透過性であるように
形成され、そしてこれは有効薬剤、浸透剤、浸透性ポリマーなどの通過に対しては本質的に不透過性である。従ってそれは半透性である。壁を形成するために使用される選択的半透性組成物は、本質的に非侵食性でありそしてそれらは投与剤型品の寿命の間は生物学的液体中で不溶性である。壁22は、その全体が半透性である必要はないが、しかし少なくとも壁22の一部分は半透性であって、使用の間に押出層28が液体を吸収するように押出層28と液体とが接触または連絡するように半透性でなければならない。半透壁22の作成のための特定の材料は、当該技術分野では周知でありそしてその代表的な例を本明細書中で以下に記載する。
【0076】
流動促進層また滑沢剤として機能する第二の壁32は、半透壁22の内面および少なくとも層22の反対側にある薬品層の外面と接触する位置にあり、しかし第二の壁32は押出層の外面を取り囲みそして接触するように拡がってもよく、好ましくは拡がる。壁32は典型的には壁22の内面の反対側にある薬品層の外面の少なくともその部分を取り囲む。第二の壁32は、薬品層および押出層を含んでなる圧縮コア上に適用される被覆として形成されてもよい。外部の半透壁22は内側の第二の壁32を取り囲んで収容する。第二の壁32は、好ましくは、少なくとも薬品層30の表面、そして場合により、圧密された薬品層30および押出層28の全外面のサブコートとして形成される。半透壁22が薬品層30、押出層28および第二の壁32から形成される組成物の被覆として形成される場合に、半透壁22と内部被覆との接触が確保される。
【0077】
図4は、投与剤型品20が使用環境内で粒子10の放出を遅延させるために役立つプラセボ層38を含む場合の本発明の別の形式を示す。投与剤型品20の別の成分は、図3で記載のものと本質的に同様であり、そして同様の成分が同じ参照番号で示される。プラセボ層により与えられる遅延の程度は、押出層が液体を吸収して膨脹することにより押出層28により変位されるプラセボ層38の体積に部分的に依存する。プラセボ層は、浸透層のものと同じ組成物を含んでなってもよい。プラセボ層は、所望の薬品放出の遅延に応じて、組成物の0gより僅か大から400gまでから形成されてもよい。プラセボ層の適当な大きさを用いると、1時間以下から8時間以上ならびに特定の短い時間の放出遅延が達成できる。
【0078】
壁22形成するための代表的なポリマーは、半透性ホモポリマー、半透性コポリマーなどを含んでなる。かかる物質はセルロースエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステル−エーテルを含んでなる。セルロース系ポリマーはそれらの無水グルコース単位の置換度(DS)0〜3を有する。置換度(DS)は、置換基により置換されたかまたは他の基に転換された、無水グルコース単位上に当初存在したヒドロキシル基の平均数を意味する。無水グルコース単位は、アシル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボアルキル、アルキルカルバメート、アルキリカーボネート、アルキルスルホネート、アルキルスルファメート、半透性ポリマー形成性基などの基で部分的または完全に置換されることができ、ここで、有機部分は1〜12個の炭素原子、そして好ましくは1〜8個の炭素原子を含む。
【0079】
半透性組成物は、典型的にはアシル化セルロース、ジアシル化セルロース、トリアシル化セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアルカニレート、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアルケニレート、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアロイレートからなる群から選択されたものを含む。例示的なポリマーは、1.8〜2.3のDSおよび32〜39.9%のアセチル含有量を有する酢酸セルロース、1〜2のDSおよび21〜35%のアセチル含有量を有する二酢酸セルロース、2〜3のDSおよび34〜44.8%のアセチル含有量を有する三酢酸セルロースなどを含む。さらに特定のセルロース系ポリマーは、1.8のDSおよび38.5%のプロピオニル含有量を有するプロピオン酸セルロース、1.5〜7%のアセチル含有量および39〜42%のアセチル含有量を有する酢酸プロピオン酸セルロース、2.5〜3%のアセチル含有量および39.2〜45%の平均プロピオニル含有量および2.8〜5.4%のヒドロキシル含有量を有する酢酸プロピオン酸セルロース、1.8のDS、13〜15のアセチル含有量、および34〜39%のブチリル含有量を有する酢酸酪酸セルロース、2〜29のアセチル含有量、17〜35%のブチリル含有量、および0.5〜4.7%のヒドロキシル含有量を有する酢酸酪酸セルロース、2.6〜3のDSを有するトリアシル化セルロース、例えば三吉草酸セルロース、トリレーム酸(trilamate)セルロース、トリパルミチン酸セルロース、トリオクタン酸セルロースおよびトリプロピオン酸セルロース、2.2〜2.6のDSを有するセルロースジエステル、例えば二コハク酸セルロース、ジパルミチン酸セルロース、ジオクタン酸セルロース、ジカプリル酸セルロース;および混合セルロースエステル、例えば酢酸吉草酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、プロピオン酸コハク酸セルロース、酢酸オクタン酸セルロース、吉草酸パルミチン酸セルロース、酢酸ヘプタン酸セルロースなどを含む。半透性ポリマーは、米国特許第4,077,407号明細書中で公知であり、そしてそれらはEncyclopedia of Polymer Science and Technology,第3巻,325−354ページ(1964)、Interscience Publishers,New York,NY中に記載により合成できる。
【0080】
外壁22を形成するためのその他の半透性ポリマーは、アセトアルデヒドジメチル酢酸セルロース、酢酸エチルカルバミン酸セルロース、酢酸メチルカルバミン酸セルロース、ジメチルアミノ酢酸セルロース、半透性ポリアミド、半透性ポリウレタン、半透性スルホン化ポリスチレン、米国特許第3,173,876号明細書、米国特許第3,276,586号明細書、米国特許第3,541,005号明細書、米国特許第3,541,006号明細書および米国特許第3,546,142号明細書中に記載のアニオンとカチオンの同時沈降により形成される架橋選択的半透性ポリマー、米国特許第3,133,132号明細書中にLoebらにより開示された半透性ポリマー、半透性ポリスチレン誘導体、半透性ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、半透性ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウム・クロリド)、および大気圧に対する半透性壁を横断する静圧または浸透圧差で表して10−5〜10−2(cm.mil/気圧・時間)の液体透過度を示す半透性ポリマーを含んでなる。ポリマーは、米国特許第3,845,770号明細書、米国特許第3,916,899号明細書および米国特許第4,160,020号明細書およびHandbook of Common Polymers,Scott and Roff(1971)CRC Press,Cleveland,OH中で当該技術分野では公知である。
【0081】
壁22は、フラックス調節剤を含んでなることができる。フラックス調節剤は、壁22を通る液体透過度すなわちフラックスの調節の支援するために加えられる化合物である。該フラックス調節剤は、フラックス増強剤または減少剤であることができる。該薬剤は、液体フラックスを増加または減少させるためにあらかじめ選択できる。水のような液体に対して透過度の顕著な増加をもたらす薬剤は、しばしば本質的には親水性であるが、一方水のような液体に対して顕著な減少をもたらすものは本質的に疎水性である。壁内に組み込まれ場合の壁内の調節剤の量は、一般に約0.01重量%〜20重量%またはそれ以上である。フラックスを増加する環境内のフラックス調節剤は、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンジオール、アルキレングリコールのポリエステルなどを含む。典型的なフラックス増強剤は、ポリエチレングリコール300、400、600、1500、4000、6000など、低分子グリコール、例えばポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびポリアミレングリコール、ポリアルキレンジオール、例えばポリ(1,3−プロパンジオール)、ポリ(1,4−ブタンジオール)、ポリ(1,6−ヘプタンジオール)など、脂肪族ジオール、例えば1,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタメチレングリール、1,4−ヘキサメチレングリコールなど、アルキレントリオール、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,3,6−ヘキサントリオールなど、エステル、例えばジプロピオン酸エチレングリコール、酪酸エチレングリコール、ジプロピオン酸ブチレングリコール、グリセロールアセテートエステルなどを含む。代表的なフラックス減少剤は、アルキルもしくはアルコキシで、またはアルキルおよびアルコキシの両者で置換されたフタレート、例えばフタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル、フタル酸ジメチル、および〔ジ(2−エチルヘキシル)フタレート〕、フタル酸アリール、例えばフタル酸トリフェニル、およびフタル酸ブチルベンジル、不溶解性塩、例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムなど;不溶解性酸化物、例えば酸化チタン;粉末、顆粒などの形態のポリマー、例えばポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、およびポリスルホン;エステル、例えば長鎖アルキル基を用いてエステル化されたクエン酸エステル;不活性および本質的に水不透過性充填剤;セルロースを基とする壁形成物質と相容性の樹脂などを含む。
【0082】
壁22に脆性を低下または無くしそして引き裂き抵抗性を与えるために、壁にたわみ性および伸び性を与えるように壁22を形成するために使用できるその他の物質は、フタル酸系可塑剤、例えばフタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、6〜11個の炭素の直鎖フタル酸エステル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルなどを含む。可塑剤は、非フタル酸系、例えばトリアセチン、アゼライン酸ジオクチル、エポキシド化トール酸(tallate)、トリメリト酸トリイソオクチル、トリメリト酸トリイソノニル、酢酸イソ酪酸スクロース、エポキド化タイズ油、などを含む。壁内に組み込んだ場合の壁内の可塑剤の量は、約0.01重量%〜20重量%またはそれ以上である。
【0083】
薬品層30は、多孔性粒子内に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物および担体18から形成される組成物を含んでなり、粒子の好ましい特性は本明細書の別の箇所に記載されている。所望の放出特性に応じて、担体は結合剤であってもよく、それは親水性ポリマーであってもよい。親水性ポリマーは、長期間にわたって投与剤型品から自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含む多孔性粒子の放出速度を制御することにより、有効薬剤の均一な放出速度および制御された送達パターンに寄与できるように薬品層内の親水性ポリマー組成物を提供する。それらのポリマーの代表的な例は、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(メチレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)およびポリ(ヘキシレンオキシド)を含む100,000〜750,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド);およびポリ(アルカリ金属カルボキシメチルセルロース)、ポリ(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリ(カルボキシメチルセルロースカリウム)、ポリ(カルボキシメチルセルロースリチウム)に代表される40,000〜400,000の数平均分子量のポリ(カルボキシメチルセルロース)である。薬品組成物は、投与剤型品の送達性質を上昇するために9,200〜125,000の数平均分子量のヒドロキシプロピルアルキルセルロース、その代表はヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロースおよびヒドロキシプロピルペンチルセルロース;および投与剤型品の流動特性を上昇させるための7,000〜36,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)を含んでなることができる。それらのポリマーのなかで好ましいものは、100,000〜300,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)である。胃内環境で侵食される、すなわち生物侵食性担体が、特に好ましい。
【0084】
界面活性剤および崩壊剤は担体内に同様に使用されてもよい。界面活性剤の例は、約10〜25のHLB値を有するものであり、例えばポリエチレングリコール400・モノステアレート、ポリオキシエチレン−4−ソルビタン・モノラウレート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタン・モノオレエート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタン・モノパルミテート、ポリオキシエチレン−20−モノラウレート、ポリオキシエチレン−40−ステアレート、オレイン酸ナトリウムなどである。崩壊剤は、デンプン、粘土、セルロース、アルギンおよびゴム類および架橋したデンプン、セルロースおよびポリマーから選択されてもよい。代表的な崩壊剤は、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、クロスカルメロース(croscarmelose)、クロスポビドン(crospovidone)、グリコール酸デンプンナトリウム、ビーガム(Veegum)HV、メチルセルロース、カンテン、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、グアールガムなどを含む。
【0085】
薬品の迅速な放出が望まれる場合には、薬品層内の担体は、除かれるかまたはただ少量のみが存在してもよく、そして結合剤および/または崩壊剤を含んでなってもよい。薬品層30は、自己分散性ナノ粒子有効薬剤および担体を添加された多孔性粒子を含む混合物として形成されてもよい。薬品層の担体部分は、薬品層の作成に使用された担体粒子の所望の大きさを生成する微粉砕により粒子から形成されてもよい。担体粒子を生産する手段は、意図するミクロン粒径を生産するための造粒、噴霧乾燥、ふるい分け、冷凍乾燥、破砕、粉砕、ジェット磨砕、微粒化および切り取りを含む。プロセスは、微粒化装置、例えばミクロ粉砕ミル、流体エネルギー粉砕ミル、粉砕ミル、ローラーミル、ハンマーミル、アトリションミル、チェーザミル、ボールミル、振動ボールミル、インパクト粉砕ミル、遠心破砕機、粗破砕機、および微粉砕機により実施できる。粒径はグリズリー(grizzly)ふるい、振動ふるい、回転ふるい、振とうふるい、振動ふるいおよび往復動ふるいを含むふるい分けにより確認される。薬品および担体粒子を生産するためのプロセスおよび方法は、Pharmaceutical Sciences,Remington,第17版、1585−1594ページ(1985)、Chemical Engineers Handbook,Perry,第6版,21−13〜21−19ページ(1984)、Journal of Pharmaceutical Sciences,Parrot,第61巻、第6号、813−829ページ(1974)、およびChemical Engineer,Hixon,94−103ページ(1990)中に開示されている。
【0086】
活性化合物は、投与剤型品あたりに1μg〜5000mgの量で液状有効薬剤配合物として提供され、それは送達期間、すなわち投与剤型品の連続投薬の時間の間は維持されなければならない所要の投与レベルに依存する。さらに典型的には、投与剤型品中の化合物の添加は、一日あたりに1μg〜2500mg、さらに通常は一日あたりに1mg〜2500mgの範囲での対象者への化合物の投与量をもたらす。薬品層は、多孔性粒子が自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物をその中に含むという理解の下で、典型的には担体と多孔性粒子の圧縮により形成される本質的に乾燥した組成物である。押出層が使用環境から液体を吸収すると、押出層が薬品層を出口開口から押し出し、そして暴露された薬品層は侵食されて使用環境内に多孔性粒子を放出する。これは図3を参照すると明らかである。
【0087】
押出層28は、薬品層30と直接または間接的に接触する層状の配置物である押出変位組成物を有する膨脹可能な層である。間接接触する層状配置物の場合に、不活性要素(図示されていない)、例えばスペーサー層またはディスクが、薬品層と押出層との間に配置される。単一の押出層から有効薬剤の数回のパルスを供給しなければならない場合には、同様の不活性層を薬剤層の分離した部分の間に介在させる。不活性層(単数または複数)は、有効薬剤のパルスの間に適当時間遅延(単数または複数)を与えるような大きさとし、そしてそれぞれの分離した薬品層の体積が、有効薬剤のパルスが送達される期間を制御する。不活性層は、押出層28を形成するために使用される物質から形成するか、または所望の場合には使用環境中で容易に圧密されるが膨潤はしない物質から形成されてもよい。
【0088】
押出層28は、水性または生物学的液体を吸収しそして装置の出口手段を通って薬品組成物を押し出すように膨潤するポリマーを含んでなる。液状吸収変位ポリマーの代表は、1,000,000〜15,000,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド)から選択されるものを含んでなり、500,000〜3,500,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)およびアルカリ金属がナトリウム、カリウムまたはリチウムであるポリ(カルボキシメチルセルロースアルカリ金属)により代表される。押出変位組成物の配合物の他のポリマーの例は、ヒドロゲルを形成するポリマー、例えばカルボポル(Carbopol(R))酸性カルボキシポリマー、カルボキシポリメチレンとしても知られるポリアリルスクロースを用いて架橋したアクリル系ポリマー、および250,000〜4,000,000の分子量を有するカルボキシビニルポリマー;シアナマー(Cyanamar(R))ポリアクリルアミド;架橋、水膨潤可能のインデン無水マレイン酸ポリマー;80,000〜200,000の分子量を有するグッド−ライト(Good−rite(R))ポリアクリル酸;縮合グルコース単位、例えばジエステエル架橋ポリグルラン(polygluran)からなるアクア−キープス(Aqua−Keeps(R))アクリレートポリマー多糖類;などを含んでなる浸透性ポリマー(osmopolymer)を含んでなる。ヒドロゲルを形成する代表的なポリマーは、Hartopに発行された米国特許第3,865,108号明細書、Manningに発行された米国特許第4,002,173号明細書、Michaelisに発行された米国特許第4,207,893号明細書、およびHandbook of Common Polymers,Scott and Roff,Chemical Rubber Co.Cleveland,OH中の従来技術として公知である。
【0089】
浸透性溶剤および浸透性有効薬剤としても知られる浸透剤(osmagent)は、外壁とサブコートとを横切って浸透圧勾配を示し、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、酸性リン酸カリウム、マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、酒石酸ラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、ソルビトール、無機塩、有機塩および炭水化物からなる群から選択されたものを含んでなる。
【0090】
内壁またはサブコート32の使用は、任意ではあるが現在のところ好ましい。内部サブコート32は、典型的には厚さ0.01〜5mm、さらに典型的には厚さ0.025〜0.25mmであり、さらに厚いサブコート、例えば厚さ0.5〜5mmが一部の用途に使用されてもよい。内部サブコート32は、ヒドロゲル、ゼラチン、例えば分子量100,000未満の低分子量ポリエチレンオキシド、ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、およびヒドロキシフェニルセルロース、およびヒドロキシアルキル アルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピル メチルセルロース、およびそれらの混合物から選択されるものを含んでなる。ヒドロキシアルキルセルロースは、数平均分子量9,500〜1,250,000を有するポリマーを含んでなる。例えば80,000〜850,000の数平均分子量を有するヒドロキシプロピルセルロースが有用である。流動促進層は、水性溶剤または不活性有機溶剤中の上記物質の慣用の溶液または懸濁液から調製されてもよい。サブコートまたは流動促進層のために好ましい物質は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルジメチルセルロース、ポビドン〔ポリ(ビニルピロリドン)〕、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物を含む。さらに好ましくは、有機溶剤、殊には有機極性溶剤、例えば炭素原子1〜8個を有する低級アルカノール、好ましくはエタノール中で調製されたヒドロキシプロピルセルロースとポビドンとの混合物、水性溶剤中で調製されたヒドロキシエチルセルロースとヒドロキシプロピル メチルセルロースとの混合物、および水性溶剤中で調製されたヒドロキシエチルセルロースとポリエチレングリコールとの混合物である。さらに好ましくは、サブコートはエタノール中で調製されたヒドロキシプロピルセルロースとポピドンとの混合物からなる。好都合には、二層コアに適用されるサブコートの重量は、サブコートの厚さおよび本明細書中に記載する放出速度アッセイ中の投与剤型品内に残る残留薬剤と関連するであろう。製造操作の間に、サブコートの厚さは、被覆操作の間に取り上げられるサブコートの重量を制御して制御してもよい。壁32がゲル形成性物質から作成される場合には、使用環境内での水との接触が促進される粘度を有するゲルまたはゲル状内部コートの形成を促進しそして外壁22と薬品層30との間の滑りを増加する。
【0091】
本発明の投与剤型品に使用されるそれぞれの壁、層、被覆およびサブコーティングの製造に適する例示的な溶剤は、投与剤型品の作成に使用する物質を不利な害を与えない水性および不活性有機溶剤を含んでなる。溶剤は、水性溶剤、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化溶剤、脂環式化合物、芳香族、複素環状化合物溶剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるものを広く含む。典型的な溶剤は、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エリレングリコールノエチルアセテート、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、四塩化炭素、ニトロエタン、ニトロプロパン テトラクロロエタン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタン、ベンゼン、トルエン、ナフサ、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム、水、無機塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどを含む水性溶剤、およびそれらの混合物、例えばアセトンと水、アセトンとメタノール、アセトンとエチルアルコール、二塩化メチレンとメタノール、および二塩化エチレンとメタノールを含む。
【0092】
パン被覆法は、出口開口を除いて、完全な投与剤型品を提供するために便利に利用できるであろう。パン被覆系では、回転パン中でタンブリングしながら、薬品層および押出層を含んでなる二層コア上にそれぞれの組成物を順次噴霧して壁形成組成物上にサブコートが被覆される。パン被覆機は、商業規模で入手できるので使用される。その他の技術が、薬品コアを被覆するために使用できる。最後に、壁または被覆された投与剤型品が強制空気式オーブン、または温度および湿度を制御されたオーブン中で乾燥されて投与剤型品から溶剤を除去する。乾燥条件は、好都合には利用できる装置、周辺条件、溶剤、被覆、被覆厚さなどに基づいて選定される。
【0093】
その他の被覆技術も利用できる。例えば、投与剤型品の半透壁およびサブコートは、空気流動法(air−suspension)を用いる技術で形成できる。この方法は、二層コアを空気、内部サブコート組成物および外部半透性壁形成組成物の流れ中に流動および回転させ、いずれかの操作によりサブコートおよび外壁被覆が二層コア被覆されるまで行われる。空気流動法は、投与剤型品の壁の独立した形成に良く適合する。空気流動法は、米国特許第2,799,241号明細書、J.Am.Pharm.Assoc.第48巻、451−459ページ(1959)および同誌、第49巻、82−84ページ(1960)中に記載されている。投与剤型品は、例えば共溶剤として二塩化メチレンメタノールを用いるWurster(R)空気流動被覆機を用いてでも被覆できる。Aeromatic(R)空気流動被覆機は、共溶媒を用いて使用できる。
【0094】
本発明の投与剤型品は、標準的な方法で製造してもよい。例えば、投与剤型品は、湿式造粒法で製造してもよい。湿式造粒技術では、流体中の有効薬剤の多孔性粒子の溶液、懸濁液または分散液を多孔性粒子と混合して自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を多孔性粒子の細孔内に収着させる。次いで、造粒流体として有機溶剤、例えば変性無水エタノールを用いて担体を多孔性粒子と混合する。湿式混合物が製造された後、湿潤混合物を所定のふるいを通してトレイ上に強制的に送る。所望の湿分レベルが得られるまで混合物を周辺
条件下で乾燥する。しかし、乾燥条件は、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の液体がかなりの範囲まで蒸発させるというほど厳格ではない。次いで、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたは凝集二酸化ケイ素(Cab−O−Sil)を混合物に加え、次いでそれをミリングジャー(milling jar)に入れそして数分間ジャーミルで混合する。組成物を例えばManesty(R)プレスで層状にプレスする。第一圧縮層は典型的には薬品層であり、次いで押出層を薬品層を形成する組成物に対して圧着してもよく、次いで二層錠剤をKilian(R)ドライ被覆機に送りそして薬品を含まない被覆、次いで外壁溶剤被覆で包む。プラセボ層を有するパルス状放出のための三層投与剤型品を製造する場合には、プラセボ層を通常は最初に形成し、次いで薬品層をプラセボ層上にプレスして二層組成物を形成し、次いで押出層を二層コア上に圧着して三層組成物を形成する。次いで、三層錠剤は、任意のサブコートおよび速度制御膜のための膜被覆を備えてもよい。しかし、それぞれの層が圧着される順序は異なるが、しかし上記が好ましいとは明らかである。
【0095】
別の製法では、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物よび薬剤層を含んでなるその他の成分を含む多孔性粒子を混合しそして固体層にプレスする。該層は、投与剤型品中で層が占めるべき領域の内面寸法に相当する寸法を有し、そしてそれは第二層と接触する組成物を形成するための第二層に相当する寸法も有する。薬品層成分は、慣用の方法、例えばボールミル法、カレンダー法、攪拌またはロールミル法、により溶剤と混合されそして固体または半固体形態に混合され、次いで所定の形状にプレスされることもできる。次いで、膨脹可能層、例えば浸透性ポリマー組成物の層が、同様の様式で薬品の層と接触して配置される。薬品配合物および浸透性ポリマー層の層配置は、慣用の二層プレス技術により作成できる。二つの接触した層は、最初に流動促進サブコート、次いで外部半透性壁で被覆される。空気流動および空気回転法は、遅延形成組成物を含む空気流れ中に圧縮され接触している第一および第二層を流動および混合させることを含んでなり、そして第一および第二層が壁組成物で包囲されるまで行う。
【0096】
本発明の投与剤型品は、少なくとも一個の出口開口を備えている。出口開口は、投与剤型品からの薬品の均等な放出のために薬品コアを協力する。出口開口は、投与剤型品の製造の間または液体使用環境内の投与剤型品による薬剤送達の間にもたらすことができる。本発明の目的のために使用される場合の「出口開口」の表現は、通路、穴、開口、および穿孔からなる群から選択されたものを含む。該表現は、外部被覆もしくは壁もしくは内部被覆から侵食、溶解または浸出されて出口開口を形成する物質またはポリマーから形成される開口も含む。該物質またはポリマーは、外部および内部被覆中の侵食可能なポリ(グリコール)酸またはポリ(乳)酸、ゼラチン化フィラメント、水除去が可能なポリ(ビニルアルコール)、浸出性化合物、例えば無機および有機塩、酸化物および炭水化物からなる群から選択される流体除去が可能な細孔形成物を含んでもよい。均一な放出寸法の細孔出口開口を得るために、出口(単数または複数)は、ソルビトール、ラクトース、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびマンニトールからなる群から選択されるものを浸出して形成できる。出口開口は、投与剤型品からの薬品の均一な定量投与量放出のために、あらゆる形状、例えば円形、三角形、四角形、楕円形などを取ることができる。投与剤型品は、間隔を開けた相互関係または投与剤型品の1枚もしくはそれ以上の表面に1個もしくはそれ以上の出口を構築できる。出口開口は、外部被覆、内部被覆または両者を貫通する機械的またはレーザー穿孔を含む穿孔により行うことができる。出口および出口形成のための装置は、TheeuwesおよびHigutiによる米国特許第3,845,770号明細書および第3,916,899号明細書、Saundersらによる米国特許第4,063,064号明細書およびTheeuwesらによる米国特許第4,088,864号明細書中に開示されている。出口開口は、壁22により形成される区画の内径の10%〜100%、好ましくは30%〜100%、そして最も好ましくは50%〜100%であ
ってもよい。
【0097】
本連続放出投与剤型品は、長期間、典型的には、投薬時間のほぼ0時間から約4時間ないし20時間までまたはそれ以上、多くの場合に4〜16時間まで、そしてさらに通常は4時間〜10時間までの期間にわたり化合物の放出の一定速度を提供する。長期間の一定放出の終に、投与剤型品からの薬品の放出の速度は、ある期間、例えば数時間にわたっていくらか低下するであろう。本投与剤型品は、広範囲の用途および個別の対象者の要求に対して薬品の治療的に有効な量を提供する。
【0098】
本投与剤型品は、パルス状プロフィールでの有効薬剤提供もできる。プラセボ層の体積もしくは重量および/または半透膜の重量を変化させて、有効薬剤が投与剤型品から放出されるまでの最初の期間を制御できる。パルス配合物のために、使用環境中への薬品粒子および自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の迅速な放出をさせるように、薬品層内の担体が除かれるかまたは最小量で存在する迅速放出層として薬品層が形成されてもよい。多孔性粒子の崩壊を促進するために崩壊剤またはその他の薬剤の使用が利用される。徐放性配合物のために、有効薬剤の送達の開始以前の遅れに所望の期間を与えるように押出層、プラセボ層および半透膜のパラメーターの選択をめぐる一般的な考慮事項は、パルス配合物の場合と同様である。しかし、本明細書中に記載のように、生物侵食性親水性ポリマーなどのような担体は、一般に、時間経過に対して多孔性粒子および有効薬剤の連続放出を提供するためより多い量が使用されてもよい。
【0099】
0次放出の場合に、最初の投薬の際に、投与剤型品は、最初の期間、典型的には数時間またはそれ以下にわたって増加し、次いで長時間、典型的には4時間〜24時間にわたって血漿内で比較的一定の薬品の濃度となるような対象者の血漿中の薬品濃度を与えてもよい。本発明の投与剤型品の放出プロフィールは、徐放性投与剤型品を投薬した後、対象者の血漿中の薬品の定常状態濃度が24時間にわたって治療的に有効なレベルに維持されるように、一日一回の投薬に相当する全24時間の間の薬品の放出を提供する。薬品の定常状態血漿レベルは、典型的には24時間後、またはある場合には数日、例えば2〜5日後に、大部分の対象者中で到達される。
【0100】
本発明の連続または持続性放出投与剤型品は、本明細書中に記載の標準放出速度アッセイで決定して長期間にわたって均一な放出速度で薬剤を放出する。対象者に投薬されると、本発明の投与剤型品は、即時放出投与剤型品で得られるものよりも長期間にわたって変動が少ない対象者内の薬品の血漿レベルを与える。本発明の投与剤型品が一日一回の基準で規則的に投与される場合には、本発明の投与剤型品は、本発明の投与剤型品からもたらされると同一の24時間内の薬物の同一量を放出する意図での即時放出製品の投薬から得られるものよりも、24時間の期間でのCmaxとCminとの間の差が本質的に減少するような、薬品の定常状態血漿レベルをもたらす。
【0101】
本発明の投与剤型品は、長期間、好ましくは4〜6時間またはそれ以上にわたって放出速度の一定速度で有効薬剤を放出するように適合されることができる。放出速度の測定は、典型的には、特定の生物学的場所の条件への模擬を与えるように、酸性化水、模擬胃液または模擬腸液内でイン・ビトロで行われ、そして瞬間放出速度に近似するように有限の増分期間で行われる。特定の投与剤型品に対するかかるイン・ビトロ放出速度の情報は、所望のイン・ビボ結果を提供するであろう投与剤型品の選択を支援するために使用されてもよい。かかる結果は、本方法、例えば、利用可能な即時放出投与剤型品を処方する移植体により利用される血漿アッセイおよび臨床観察により決定されてもよい。
【0102】
本明細書中に記載する0次放出速度プロフィールを有する本発明の投与剤型品は、長期間にわたる投与剤型品の投薬の後、本質的に一定の血漿濃度および有効薬剤の持続的治療
効果を患者に与えるであろう。本発明の徐放性投与剤型品は、特性的に対象者への当薬の直後または僅か後に薬品濃度に著しいピークを生じる即時放出投与物のものよりも24時間の間に薬品血漿濃度の変動が少ないことが示されている。
【0103】
本発明の投与剤型品は、前期のプラセボ層を用いて投与剤型品内に直接組み込まれる作用の遅延開始を有してもよい。特定の用途には、胃腸管内の単一位置に、プラセボ層またはその他の薬品層設計を用いるか否かにかかわらず複数の投与剤型品を送達することが望ましいことがある。これは、本発明の投与剤型品を、関連技術、例えばAlza Corpornation,Palo Alto Californiaのクロンセット(Chronset(R))薬品送達系と組み合わせて行うと好都合である。かかる系は、指定の時間にそして標的とする吸収部位に投与剤型品を放出するようにプログラムできる。その技術は、米国特許第5,110,597号、第5,223,265号、第5,312,390号、第5,443,459号、第5,417,682号、第5,498,255号、第5,531,736号、および第5,800,422号の各明細書(これらは引用することにより本明細書に編入される)中に記載されている。複合送達液は、クロンセット・システム内に本明細書中に記載の浸透性投与剤型品を添加して製造され、そして各種の形態で制御された有効薬剤を提供できる。
【0104】
本発明の投与剤型品の製造のすべての例示的な方法は、下記の「調製」に記載される。百分率は、別途断らないかぎり重量百分率である。方法の変更および物質の置換を行ってもよくそしてこれまでの記載から明らかであろう。かかる物質の当量または比例量は下記の「調製」内に使用されるものと置き換えてもよい。さらに特定の説明は、「実施例」中に提供されそして代替物質および手順はその中に説明される。
【0105】
調製
薬品層の調製
結合剤溶液は、水にヒドロキシプロピルセルロース(Klucel MF、Aqualon Company)「HPC」を加えて調製され、水0.995gにHPC 5mgを含む溶液を形成する。ヒドロキシプロピルセルロースが溶解するまでこの溶液を混合する。特定のバッチの大きさに対して、所望量の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物およびこれに相当する量の多孔性粒子、例えばフジカリン(FujiCalin)の商標で市販されているリン酸水素カルシウムを流動層造粒機(「FBG〕)ボウルに充填する。液体が粒子により吸収された後、ポリエチレンオキシド(分子量200,000)(Polyox(R)N−80、Union Carbide)(20.3%)、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel MF)(5%)、ポリオキシ40ステアレート(3%)およびクロスポビドン(2%)を混合物と混合する。ボウル内で半乾燥物質を混合した後、上記で調製した結合剤溶液を加える。次いで顆粒を磨砕に適するパン生地程度の粘稠度までFBG内で乾燥し、次いで顆粒を7または10メッシュふるいを通して磨砕する。
【0106】
顆粒をトート(tote)ブレンダーまたはV−ブレンダーに送る。所要量の抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)(0.01%)、および滑沢剤、ステアリン酸(1%)を40メッシュふるいを通して分級し、そしてトートまたはVブレンダーを用いて均一に分散するまで両者を顆粒中に混入する(ステアリン酸に対して約1分間の混合そしてBHTに対して約10分間の混合)。
【0107】
浸透性押出層顆粒の調製
結合剤溶液は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(「GPMC〕)を水1gに対してHPMC 5mgの比率で水に加えて調製される。HPMCが溶解するまで溶液を混合する。塩化ナトリウム粉末(30g)および赤色酸化第二鉄(1.0%)を磨砕しそしてふるい分けする。流動造粒機({FBG」)ボウルに所要量のポリエチレンオキ
シド(分子量7,000,000)(Polyox(R)303)(63.7%)、HPMC(5.0%)、塩化ナトリウムおよび赤色酸化第二鉄を充填する。ボウル内で乾燥物質を混合した後、上記で調製した結合剤溶液を加える。目標含水率(<1重量%)に達するまでFBG内で顆粒を乾燥する。7メッシュふるいを通して顆粒を磨砕しそしてトートブレンダーまたはV−ブレンダーに送る。所要量の抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(0.08%)を60メッシュふるいを通して分級する。所要量の滑沢剤、ステアリン酸(0.25%)を40メッシュふるいを通して分級しそし両方の物質が均等に分散するまでトートまたはV−ブレンダーを用いて顆粒中に混入する(ステアリン酸に対して約1分間、BHTに対して約10分間)。
【0108】
二層コア圧縮
縦型製錠プレス(Korchプレス)を円形で深い凹状パンチおよびダイスを備えて設定する。2個の供給ホッパーをプレスに設置する。上記のように調製した薬品層を一方のホッパーの内に置き、一方上記のように調製した浸透性押出層を残ったホッパー内に置く。
【0109】
製錠パラメーター(薬品層)の最初の調製は、均等な目標錠剤薬品層重量を有するコアを生産するために行われる。製錠パラメーターの第二層調整(浸透性押出層)は、浸透性層に薬品層を結合して均等な最終コア重量、厚さ、硬度、および破砕性を有するコアを生産するために行われる。上記のパラメーターは、充填容積および/または力の設定を変更して調整できる。薬品の目標量を含む典型的な錠剤は、長さ約0.465インチそして直径約0.188インチである。
【0110】
サブコート溶液およびサブコート系の調製
サブコート溶液は、覆いがあるステンレス鋼容器内で調製される。適量のポビドン(K29−32)(2.4%)およびヒドロキシプロピルセルロース(分子量80,000)(Klucel EF,Aqualon Company)(5.6%)を、無水エチルアルコール(92%)中に入れて得られた溶液が透明となるまで混合する。上記で調製された二層コアを回転多孔パン被覆装置内に置く。被覆機を始動しそして28〜36℃の被覆温度に達した後、上記で調製したサブコーティング溶液を回転錠剤床に均等に適用する。所望のサブコート重量増加が得られるために十分な量の溶液が適用されると、サブコート工程を停止する。所望のサブコート重量は、24時間の放出速度アッセイで決定された通りに投与剤型品内に残留する薬品の受容できる残留量を与えるように選択される。一般に、本明細書中に記載の標準放出速度アッセイで試験して24時間後の残留薬品が、最初の薬品添加量に対して10%未満、さらに好ましくは5%未満、そして最も好ましくは3%未満であることが望ましい。これは、標準放出速度アッセイにおいて、同一の二層コアは有するがしかし異なるサブコート重量を有する多数の投与剤型品について、サブコート重量と残留薬品の間の相関から決定されてもよい。
【0111】
速度制御膜および膜被覆系の調製
上記のように調製されたサブコートした二層コアを回転多孔式パン被覆装置内に配置する。被覆機を始動し、そして被覆温度(28〜38℃)に達した後、下記のA,BもしくはCで説明する被覆溶液を所望の膜重量増加が得られるまで回転錠剤床に均等に適用する。被覆工程の間に規則的な間隔で重量増加を測定しそして試料の膜被覆単位を晶出速度アッセイで試験して被覆した単位に対するT90を決定する。重量増加は、放出速度アッセイにおいて種々の厚さの膜に対するT90を相関されてもよい。好都合には所望のT90に対する所望の膜重量増加の達成により決定して、十分な量の溶液量が適用されると、膜被覆工程を停止する。
【0112】
速度制御膜組成物の例
被覆溶液は覆いがあるステンレス鋼容器内で調製される。適量のアセトン(5650g)および水(297g)をポロキサマー188(16g)および酢酸セルロース(297g)と共に固体が完全に溶解するまで攪拌する。被覆溶液は適用の際には固体約5%を含む。
【0113】
アセトン(5054g)を酢酸セルロース(277.2g)と酢酸セルロースが完全に溶解するまで混合する。ポリエチレングリコール3350(2.8g)および水(266g)を別の容器内で混合する。2種の溶液を得られた溶液が透明になるまで一緒に混合する。該被覆溶液は、適用の際に約5%の固体を含む。
【0114】
アセトン(7762g)を酢酸セルロース(425,7g)と酢酸セルロースが完全に溶解するまで混合する。ポリエチレングリコール3350(4.3g)及び水(409g)を別の容器内で混合する。2種の溶液を得られた溶液が透明になるまで一緒に混合する。該被覆溶液は、適用の際に約5%の固体を含む。
【0115】
膜被覆系の穿孔
膜被覆系の薬品層末端内に一個の出口開口を穿孔する。穿孔工程の間に、開口の大きさ、位置、および出口開口の数について試料を規則的な間隔で検査する。
【0116】
穿孔した被覆系の乾燥
上記のようにして作成した穿孔被覆系を、一定相対湿度オーブン内に(43〜45%相対湿度)40℃の棚上の多孔オーブントレイ上に配置しそして乾燥して被覆層から残留溶剤を除去する。
【0117】
着色および透明上塗
任意の着色および透明被覆溶液を覆いがあるステンレス鋼容器内で調製する。着色被覆に対しては、純水88部をOpadryII(色素は重要ではない)12部と溶液が均質になるまで混合する。透明被覆に対しては、純水90部をOpadry Clear10部と溶液が均質になるまで混合する。上記のようにして調製した乾燥コアを回転多孔式パン被覆機内に配置する。被覆機を始動しそして被覆温度(35〜45℃)に達した後、着色被覆溶液を回転錠剤床に均等に適用する。好都合には所望の着色上塗重量増加に到達した時間を測定して、十分な量の分散液が適用されると、着色被覆工程を停止する。次いで、透明被覆溶液を回転錠剤床に均等に適用する。十分な量の溶液が適用されるか、または所望の透明被覆重量増加に到達すると、透明被覆工程を停止する。流動剤(例えばCar−nu−boワックス)を透明被覆適用の後に錠剤床に適用する。
【0118】
上記手順の変更は、当該技術分野の熟練者には明らかであろう。本実施例は、類似の方法で調製される本発明の代表的投与剤型品を例示するために提示される。
【0119】
アッセイ
本発明の投与剤型品を含む装置からの薬品の放出速度は、下記のような標準化アッセイで決定されてもよい。該方法は、放出液状媒体、例えば酸性化水(pH3)、人造胃液または人造腸液中で系を放出させる。試料放出速度溶液のアリコートをクロマトグラフィー系に注入して、指定した試験期間の間に放出された薬品の量を定量する。薬品をC18カラムで分割しそして試験する薬品に適切な波長のUV光吸収により検出する。定量は、少なくとも5個の標準点を含む標準曲線からのピーク面積の線型回帰分析により行われる。
【0120】
試料は、USP7型インターバル放出装置を使用して調製される。試験される各系(本発明の装置)を重量測定する。次いで、各系を鋭利な端部を有するプラスティックロッドに糊付けし、そして各ロッドを放出速度ディッパー・アームに装着する。各放出速度ディ
ッパー・アームは、振幅約3cmおよびサイクルあたり2秒〜4秒で作動する上下往復動シェーカー(USP7型インターバル放出装置)に固定する。系を固定したロッド末端を、37℃±0.5℃に制御した定温水浴中で平衡させた放出媒体50mlを入れた50ml補正済試験管内に連続して浸漬する。指定の各時間間隔、典型的には1または2時間の終に、新しい放出媒体を入れた試験管の次の列に系を移動させる。この手順は、放出が完全となるまで、所望の間隔数を反復する。次いで、放出された薬品を含む溶液管を取り出し、室温で冷却させる。冷却の後、各試験管の50mlの印まで充填し、各溶液を十分に攪拌し、次いで高圧液体クロマトグラフィー(「HPLC」)により分析するために試料バイアルに移す。標準濃度曲線は、線型回帰分析を用いて構築する。放出試験で得られた試料をHPLCにより分析して薬品の濃度を線型回帰分析により決定する。各放出間隔で放出された薬品の量を算出する。あるいは、薬品の濃度をUV試験により決定してもよい。
【0121】
下記の実施例1および実施例2は、上昇した溶解特性を有する薬品の薬品剤型における有効薬剤のナノ粒子の使用により可能なより高い薬品添加を説明する。各実施例において、同一の有効薬剤が使用されそして液状担体を添加された多孔性粒子担体は微細な乾燥顆粒として挙動しそしてそのように取り扱える。実施例1において、有効薬剤は、液状担体内にその最高の溶解濃度まで溶解される。実施例2では、有効薬剤のナノ粒子が生成され、液状担体内に浮遊されそして多孔性担体内に添加される。
【実施例1】
【0122】
500mgの全薬品層重量を有する図3に示す投与剤型品は、液状担体内に溶解している有効薬剤、液状担体、多孔性担体および下記の物質からのその他の投与物を含んでなって成形される。この仮想的な実施例において、有効薬剤は液状担体のgあたりに薬品20mgの液状担体の中での有効薬剤の最高濃度である。
【0123】
有効薬剤(液状担体内に溶解) 4.4mg
液状担体 222.8mg
多孔性担体 222.8mg
その他の物質 50mg
合計 500mg
【実施例2】
【0124】
全重量500mgを有する図3の投与剤型品は、液状担体内に分散している有効薬剤、液状担体、多孔性担体および下記の物質からのその他の投与物(押出層を含む)を含んでなって成形される。有効薬剤はナノ粒子の形であり、液状担体内に懸濁され、次いで多孔性担体中に添加される。
【0125】
有効薬剤(液状担体内に溶解) 3.6mg
有効薬剤(ナノ粒子形) 84.4mg
液状担体 181.0mg
多孔性担体 181.0mg
その他の物質 50.0mg
合計 500mg
【0126】
実施例2から分かるように、液状担体中のナノ粒子として投与剤型品内に有効薬剤を含ませると、実施例1の投与剤型品に対して、投与剤型品内の薬品添加品の24倍の増加が得られる。重要なことは、自己分散性液状担体の効果およびナノ粒径粒子の溶解特性により、実施例2の投与剤型品も、まだ高い溶解特性を維持していることである。
【0127】
追加して、本発明に従う多孔性担体内に添加された自己分散性ナノ粒子配合物を用いて、自己分散性ナノ粒子配合物が投与剤型品の調製の際に微細乾燥粒子として取り扱えることである。添加された多孔性担体は、固体状投与剤型品そして、実際に、高い薬品添加、高い溶解特性および高い薬品生物利用性を有する固体状投与剤型品を調製するために使用できる。
【実施例3】
【0128】
酢酸メゲストロール(megestrol acetate)のナノ粒子を、2%プルロニック(Pluronic)F108内の酢酸メゲストロールの水性懸濁液を製造して調製した。該懸濁液をダイノミル(Dynomill)で4時間磨砕し、0.3μの平均粒径を得た。磨砕した薬品を安定化させるために、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC E5)のポリマー溶液を、プルロニック108:HPMC E5の1:2の比率まで加えた。次いで最終的に磨砕した懸濁液を冷凍乾燥しそして得られたナノ粒子は71.2%酢酸メゲストロールの濃度を有していた。
【0129】
酢酸メゲストロールの冷凍乾燥したナノ粒子134mgを自己乳化性液状担体(カプリン酸/クレモホル(Cremophor)EL、50/50の480g内に分散させそして良く混合してナノ粒子の懸濁液を得た。懸濁液を固体形態に転換するために、ノイシリン(Neusilin)顆粒888mgを懸濁液に順次加えそして良く混合した。最終のノイシリン/懸濁液ブレンドは微細で乾燥した顆粒を生成した。その他の賦形剤、ステアリン酸マグネシウム16mg、クロス・カメロース・ナトリウム(Cross Camellose Sodium)(Ac−di−sil)24mgを顆粒に加えそして良く混合した。次いで、顆粒を40メッシュふるいを通しそしてさらに混合するために30分間タンブリングした。最後に、粉末をケイバー(Caver)プレスを用いて1/4インチの標準凹型金具で製錠した。最終の20mg酢酸メゲストロール錠剤は309mgでありそして表1に示す最終組成を有していた。
【0130】
【表1】

【実施例4】
【0131】
下記の投与剤型品を調製するために実施例3を反復した。
【0132】
投与剤型品、添加する各成分の量は、アクジソル(Acdisol)の量が実施例3の1/3であった以外は、実施例3と同一であった。最終の20mg酢酸メゲストロール錠
剤は重量305mgであった。
【実施例5】
【0133】
下記の投与剤型品を調製するために実施例3を反復した。
【0134】
投与剤型品、添加する各成分の量は、アセジソルの量が実施例3の2/3であった以外は、実施例3と同一であった。最終の20mg酢酸メゲストロール錠剤は重量307mgであった。
【実施例6】
【0135】
下記の投与剤型品を調製するために実施例3を反復した。
【0136】
投与剤型品、添加する各成分の量は、アセジソルの量が実施例3の2倍であった以外は、実施例3と同一であった。最終の20mg酢酸メゲストロール錠剤は重量313mgであった。
【実施例7】
【0137】
下記の投与剤型品を調製するために実施例3を反復した。
【0138】
投与剤型品、添加する各成分の量は、アセジソルの量が実施例3の3倍であった以外は、実施例3と同一であった。最終の20mg酢酸メゲストロール錠剤は重量318mgであった。
【0139】
本発明の態様に従う使用のための薬品のナノ粒子は、所望の大きさの範囲内で粒子を提供するいずれのプロセスを用いてでも調製できる。例えば、薬品は湿式ミル法または超臨界液体法、例えばRESSまたはGAS法を用いて加工されてもよい。さらに、ナノ粒子製造のための方法は、米国特許第6,267,989号、第5,510,118号、第5,494,683号および第5,145,684号の各明細書中に開示されている。ナノ粒子は、薬品粒子の形成のために本明細書中の他の場所に記載されている方法に従って形成されてもよい。
【0140】
一部の本発明の態様に従うナノ粒子の使用において、粒子凝集または凝塊形成を最小化するために1種もしくはそれ以上の被覆剤を用いて薬品または薬品のナノ粒子を処理することは有益である。例示的な被覆剤には、脂質、親水性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)およびポリビニルピロリドン(「PVP」)ポリマーおよび固体または液体界面活性剤が含まれる。ナノ粒子形成法に使用される被覆剤は、薬剤の混合物、例えば二種の異なる界面活性剤の混合物を含んでもよい。被覆剤として使用される場合に、親水性ポリマーをナノ粒状物質の形成を促進しそして長期間にわたって再晶出に対して得られたナノ粒子安定化する双方の効果がある。本発明の自己乳化性ナノ懸濁液内に有用なナノ粒子の創成に於ける被覆剤として有用な界面活性剤は、非イオン界面活性剤、例えばプルロニックF68、F108、またはF127を含む。本明細書中にすでに記述した非イオン界面活性剤もナノ粒子形成法中の被覆剤としても有用であろう。
【0141】
実施例3の固体投与剤型品を用いてイン・ビトロおよびイン・ビボ試験を行った。実施例8は薬品放出プロフィールを決定するイン・ビトロ試験を記載しそして実施例9は薬品生物利用能を決定するイン・ビボ試験を記載する。
【実施例8】
【0142】
人造腸液(「AIF」)中での実施例3からの固体投与物からの酢酸メゲストロールの
放出プロフィールは、USP装置IIで行った。放出媒体は、2%プルロニックF108を含むAIF500mlであった。パドル攪拌速度は100rpmであった。酢酸メゲストロールの濃度は、波長290nmでNV−分光分析計を用いて評価した。
【0143】
図5は、実施例8で測定した酢酸メゲストロールの放出プロフィール(AIF中の投与剤型品の浸漬から測定した時間の関数としての薬品の累積放出量)を示した。
【実施例9】
【0144】
3匹の絶食した雑種犬を用いて2アームPK試験を行った。二つのアームは、それぞれ即時放出(IR)メゲース(Magace(R))錠剤(20mg)および本明細書中の実施例3により調製された錠剤である。薬品投与量は、双方のアームに対して20mgであった。メゲース錠剤の血漿試料はIR投与剤型品の投与の後1、2、4、6、8および10時間に採取した。実施例3に従って調製された投与剤型品の血漿試料は、投与後0、1、2、4、6、8、10、12および24時間に採取した。血漿試料は1ng/mlで最小検出限界のLC/MS法を用いて測定した。
【0145】
図6は実施例9で決定された酢酸メゲストロールの生物学的利用能を示す。ng/mlで表した酢酸メゲストロールの血漿濃度を時間に対してプロットする。エラーバーは、n=3の標準偏差を示す。
【0146】
表2は、実施例9の結果の分析を示し、図6内に示されたデータに関する。表2に示されたデータに関して、AUCinfはAUCとAUCt−infを加えて算出され、ここでAUCは最終試料採取点(t)までの台形積分により推定されそしてAUCt−infはtから無限までの積分により推定された。BA%は、メゲース錠剤のものに関する。酢酸メゲストロール血漿レベルは、LC/MS法を用いて測定された。
【0147】
表2に示すように、実施例11からの投与からの酢酸メゲストロールの生物学的利用能は、MegaceIR錠剤のそれの3.9倍であった。
【0148】
【表2】

【0149】
本発明は、下記の技術的特徴および/または特性の1個もしくはそれ以上を、単独または他の特徴および特性の1個もしくはそれ以上と組み合わせて記述されそして特性化される;空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡関係にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的な接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の著しい押出しを伴うことなく圧密された薬品層を形成するために十分な圧密力に耐えるように適合されている薬品層、を含んでなる有効
薬剤の投与剤型品であって、該投与剤型品は場合により出口開口と薬品層との間にプラセボ層を有する;壁の内面と空洞内に位置する薬品層の少なくとも外面との間に挟まれる流動促進層を含んでなる投与剤型品;空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡関係にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的な接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、約50〜約150μの範囲の平均粒径を有し、約20m/g〜約60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒子径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦0.5もしくはmは0≦m≦2.0の関係を満足する〕により表される薬品層、を含んでなる有効薬剤の投与剤型品であって、該投与剤型品は場合により出口開口と薬品層との間にプラセボ層を有する;空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡関係にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的な接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、少なくとも1.5ml/gの比体積、少なくとも20m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力を有するリン酸水素カルシウムである薬品層、を含んでなる有効薬剤の投与剤型品であって、該投与剤型品は場合により出口開口と薬品層との間にプラセボ層を有する;空洞を分画する壁を含んでなり、該壁がその中に形成もしくは形成可能である出口開口を有し、そして壁の少なくとも一部分は半透性である投与剤型品;出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡関係にある膨脹可能な層;出口開口に近接して空洞内に位置しそして膨脹可能層と直接または間接的に接触関係を有する薬品層;多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなる該薬品層であって、該多孔性粒子が、少なくとも1.5ml/gの比体積、少なくとも20m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力を有し、該粒子は40メッシュ以下100%、100メッシュ以下50%〜100%および200メッシュ以下10%〜60%の粒径分布を有するリン酸水素カルシウムである薬品層であって、該投与剤型品は場合により出口開口と薬品層との間にプラセボ層を有する;空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡関係にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、1.5ml/g〜5ml/gの嵩比体積、20m/g〜60m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力および少なくとも50μmの平均粒径を有するリン酸水素カルシウムである薬品層、を含んでなる有効薬剤の投与剤型品であって、該投与剤型品は場合により出口開口と薬品層との間にプラセボ層を有する;空洞を画定する壁であって、該壁が壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有し、出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡関係にある膨脹可能な層、出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層であって、該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の著しい押出しを伴うことなく圧密された薬品層を形成するために十分な圧密力に耐えるように適合され、該多孔性粒子がリン酸水素カルシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、微結晶性セルロースおよび二酸化ケイ素から選択される物質から形成される薬品層、を含んでなる有効薬剤の投与剤型品;少なくとも1個の不活性層により分離された少なくとも2個の薬品層を含んでなる投与剤型品;少なくとも2種の有効薬剤を含んでなり、該薬品層それぞれが異なる有効薬剤を含む投与剤型品;複数の多孔性粒子内に有効薬剤の液状配合物を収着し、5〜150μの平均粒径を有する該粒子は、20m/g〜60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒子径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦0.5もしくはmは0≦m≦2.0の関係を満足する〕により表され、そして粒子を生物侵食性担体内に分散させることを含んでなる投与剤型品から活性薬剤の放出を促進する方法;複数の多孔性粒子内に収着された有効薬剤の液体配合物を含んでなる組成物であって、該粒子が、20m/g〜60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒子径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦0.5もしくはmは0≦m≦2.0の関係を満足する〕により表され、そして生物侵食性担体内に分散させ、該粒子は長時間にわたって使用環境内に放出される組成物;自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物が自己乳化性配合物を含んでなる投与剤型品;有効薬剤が低い水溶性を有する投与剤型品;自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物が吸収促進剤を含んでなる投与剤型品;自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物が少なくとも30重量%の薬品層を含んでなる投与剤型品;多孔性粒子が一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは関係式0≦n≦10を満足する〕により表されるアルミノメタケイ酸マグネシウムを含んでなる投与剤型品;多孔性粒子が一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは関係式0≦n≦10を満足する〕により表されるアルミノメタケイ酸マグネシウムを含んでなり、そして約100〜300m/gの比表面積、約1.3〜3.4ml/gの油吸収能力、約1〜2μの平均粒径、約25°〜45°の安息角、約2g/mlの比重および約2.1〜12ml/gの比体積を有する投与剤型品。薬品層と出口開口との間に位置するプラセボ層を有する投与剤型品;有機酸、無機酸および塩基から選択されるpH調節剤を含んでなる投与剤型品;キレート化剤を含んでなる投与剤型品。
【0150】
上記の例示的な態様は、すべての観点から本発明の制限ではなく、例示とみなされる。従って、本発明は当該技術分野の熟練者により本明細書中の記述から誘導できる多数の変種および変更を含んで実施できる。すべてのかかる変種および変更は本明細書中に記載される本発明の範囲および精神の内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明に従う自己分散性有効薬剤配合物を含む多孔性粒子を示す。
【図2】担体内に分散されそして本発明の投与剤型品中に使用するために適する図1に示す自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含む複数の粒子を含んでなる組成物を示す。
【図3】有効薬剤の0次放出に適する本発明の投与剤型品を示す。
【図4】有効薬剤の遅延パルスを送達するために適する本発明の投与剤型品を示す。
【図5】実施例8に記載した本発明の代表的な投与剤型品からの有効薬剤酢酸メゲストロール投与の放出プロフィール(時間の関数としての累積放出量)を示す。
【図6】実施例9に記載のような本発明の代表的な投与剤型品からの酢酸メゲストロールの生物学的利用能、および市販製品のメゲース(R)(B/M)の生物学的利用能との比較を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の著しい押出しを伴うことなく圧密された薬品層を形成するために十分な圧密力に耐えるように適合されている、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項2】
流動促進層が壁の内面と空洞内に位置する薬品層の少なくとも外面との間に挟まれる、請求項1の投与剤型品。
【請求項3】
場合により有効薬剤の送達の開始を遅延させるプラセボ層が薬品層と出口開口との間に配置される、請求項1の投与剤型品。
【請求項4】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、約50〜約150μの範囲の平均粒径を有しそして約20m/g〜約60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒径および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦2.0の関係を満足する〕
により表される、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項5】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、少なくとも1.5ml/gの比体積、少なくとも20m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力を有するリン酸水素カルシウムである、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項6】
多孔性粒子が0.4〜0.6g/mlの嵩密度、30〜50m/gのBET表面積、2ml/gを越える比体積、および少なくとも50オングストロームの平均細孔径を有す
る、請求項5の投与剤型品。
【請求項7】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、少なくとも1.5ml/gの比体積、少なくとも20m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力を有し、該粒子が40メッシュ以下100%、100メッシュ以下50%〜100%および200メッシュ以下10%〜60%の粒径分布を有するリン酸水素カルシウムである、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項8】
粒子が、100%が40メッシュ以下であり、60%〜90%が100メッシュ以下でありそして20%〜60%が200メッシュ以下である粒径分布を有する、請求項7の投与剤型品。
【請求項9】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、1.5ml/g〜5ml/gの嵩比体積、20m/g〜60m/gのBET比表面積、および少なくとも0.7ml/gの水吸収能力および少なくとも70μmの平均粒径を有するリン酸水素カルシウムである、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項10】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物の著しい押出しを伴うことなく圧密された薬品層を形成するために十分な圧密力に耐えるように適合された、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項11】
投与剤型品が出口開口と薬品層との間にプラセボ層を含んでなる、請求項10の投与剤型品。
【請求項12】
流動促進層が壁の内面と空洞内に位置する薬品層の少なくとも一つの外面との間に挟まれる、請求項10の投与剤型品。
【請求項13】
複数の多孔性粒子内および/または上に有効薬剤の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を収着し、50〜150μの平均粒径を有する該粒子が、20m/g〜60m/gの
比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦2.0の関係を満足する〕
により表され、そして
粒子を生物侵食性担体内に分散させること
を含んでなる投与剤型品から活性薬剤の放出を促進する方法。
【請求項14】
複数の多孔性粒子内および/または上に収着された有効薬剤の自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなる組成物であって、50〜150μの平均粒径を有する該粒子が、20m/g〜60m/gの比表面積、1.5ml/gまたはそれ以上の見かけ比体積、0.7ml/gまたはそれ以上の油吸収能力、0.1μ〜5μの一次粒径、および一次粒子の凝集物である二次粒子で2μ〜10μの平均粒径を有する鱗片状リン酸水素カルシウムを噴霧乾燥して形成され、該鱗片状リン酸水素カルシウムが下記の一般式
CaHPO・mH
〔式中、mは0≦m≦2.0の関係を満足する〕
により表され、そして生物侵食性担体内に分散させ、該粒子が長時間にわたって使用環境内に放出される
組成物。
【請求項15】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子がアルミノメタケイ酸マグネシウムである、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項16】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは0≦n≦10の関係を満足する〕
により表されるアルミノメタケイ酸マグネシウムである、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項17】
壁の中に形成されるかまたは形成可能な出口開口および半透性の壁の少なくとも1部分を有する、空洞を画定する壁、
出口開口から離れた空洞内に位置しそして壁の半透性部分と液体連絡状態にある膨脹可能な層、および
出口開口に隣接して空洞内に位置しそして膨脹可能な層と直接もしくは間接的に接触関係
にある薬品層を含んでなり、かつ、
該薬品層が多孔性粒子中および/または上に吸収された自己分散性ナノ粒子有効薬剤配合物を含んでなり、該多孔性粒子が、一般式
AlMgO・2SiO・nH
〔式中、nは0≦n≦10の関係を満足する〕
により表され、そして
約100〜300m/gの比表面積、約1.3〜3.4ml/gの油吸収能力、約1〜2μの平均粒径、約25°〜45°の安息角、約2g/mlの比重および約2.1〜12ml/gの比体積を有するアルミノメタケイ酸マグネシウムである、
有効薬剤の投与剤型品。
【請求項18】
液状担体内に懸濁されそして多孔性粒子担体内に収着された有効薬剤のナノ粒子の組成物。
【請求項19】
1個もしくはそれ以上の多孔性担体内に添加された自己分散性ナノ粒子配合物を含んでなり、そしてナノ粒子が2000nm未満の平均粒径を有する投与剤型品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−510000(P2008−510000A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527855(P2007−527855)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/027734
【国際公開番号】WO2006/023286
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】