説明

制御端末、電子機器、及び、制御端末における制御方法

【課題】 リモコン制御を行う対象機器を好適に設定する。
【解決手段】 音声信号を出力する電子機器と通信が可能な制御端末において、前記電子機器に確認信号の送信要求コマンドを送信する送信部と、前記電子機器からの、前記音声信号に重畳された前記確認信号を受信する受信部と、前記送信部と前記受信部とを制御する制御部とを備え、前記確認信号は、人間の可聴周波数外の周波数の信号であり、前記制御部は、前記確認信号を受信した場合には、該確認信号を出力した電子機器を、リモコン制御の対象機器に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御端末、電子機器、及び、制御端末における制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受信装置などの電子機器と、それを遠隔制御するリモコンとの通信は赤外線が主であった。しかし、赤外線による通信は、指向性の制約があり、その視野角の中に電子機器を向ける必要があった。この指向性の制約を除くため、電子機器とリモコンの通信を、ネットワークを介して行う方法が提案されている。しかし、ネットワークを使用したリモコンの場合は、複数の電子機器がネットワーク上にある場合、制御の対象とする電子機器を特定する必要がある。その特定方法として、特開2006−345479号公報(特許文献1)がある。この公報には、「リモコンからの特定コマンドに対して、電子機器の表示デバイスからの映像表示、LEDからの光の明滅、スピーカからの音声出力により応答し、対象とする電子機器の特定を行う。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−345479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のシステムにおいては、複数の電子機器があった場合、順番に特定コマンドを送信し、目的とする電子機器が応答することで、所望の機器を特定できたかどうかをユーザが確認する。ここで、電子機器が装置A、装置Bの2台あり、目的とする電子機器が装置Aの場合、最初に装置Bに対して特定コマンドを送信した場合は、装置Bが特定コマンドに応答し、表示デバイスからの映像表示、LEDからの光の明滅、スピーカからの音声出力などが行われる。リモコン操作をしているユーザーは、目的とする装置Aが応答しないため、異なった装置を選択したことを認識できるが、装置Bを使用していたユーザーにとっては、使用中の装置が突然表示デバイスからの映像表示、LEDからの光の明滅、スピーカからの音声出力などの応答をするため、使用の妨げとなるという問題が生じる可能性がある。また、上記の応答をユーザーが確認し損ねた場合には、誤った機器を制御の対象としてしまう可能性もある。
【0005】
本発明の目的は、リモコン制御を行う対象機器を好適に設定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「音声信号を出力する電子機器と通信が可能な制御端末において、前記電子機器に確認信号の送信要求コマンドを送信する送信部と、前記電子機器からの、前記音声信号に重畳された前記確認信号を受信する受信部と、前記送信部と前記受信部とを制御する制御部とを備え、前記確認信号は、人間の可聴周波数外の周波数の信号であり、前記制御部は、前記確認信号を受信した場合には、該確認信号を出力した電子機器を、リモコン制御の対象機器に設定する」ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リモコン制御を行う対象機器を好適に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク制御システム全体の構成例である。
【図2】電子機器の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】制御端末の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】機器情報の管理データの一例である。
【図5】制御端末の表示部に、機器リストを表示した例を示す図である。
【図6】ネットワークシステムの動作原理を示す図である。
【図7】制御端末の動作のフローチャートを示す図である。
【図8】制御対象機器の動作のフローチャートを示す図である。
【図9】制御端末のメニューの表示例である。
【図10】制御端末の動作のフローチャートを示す図である。
【図11】ネットワークシステムの動作原理を示す図である。
【図12】制御対象機器の動作のフローチャートを示す図である。
【図13】制御端末のメニューの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の一実施例によるネットワーク制御システム全体の構成例を図1を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、部屋(A)400、部屋(B)401は、壁などで囲われた部屋である。ここでは、説明を簡略化するために部屋が2つの場合について説明する。ホームネットワーク300は、例えばIEEE802.3イーサネット(登録商標)などで構築されたLAN(Local Area Networks)である。各部屋400、401にはテレビジョン受信装置などの電子機器100が設置されており、それぞれは、LANケーブル301によりホームネットワーク300と接続されている。制御端末200は、可搬性を持ったものであり、各部屋を移動可能となっている。図1は、制御端末200が部屋(B)401にある場合を示している。アクセスポイント(以下、APという)302は、有線LANと無線LANを相互に接続する機能を有するものであり、ここでは部屋(A)400に設置されている例を示している。AP302は、制御端末200とIEEE802.11a/b/nなどの無線LANによる双方向通信を行う。また、AP302は、LANケーブル301にてホームネットワーク300に接続されているので、制御端末200は、AP302、ホームネットワーク300を経由して、電子機器100と双方向の通信が可能となる。制御端末200は、電子機器100をリモコン制御する機能を有し、制御端末200は、ホームネットワーク300を経由して電子機器100に制御コマンドを送信する。電子機器100は、受信した制御コマンドに対応した処理(動作)を行う。また、制御端末200は、基地局500との通信機能を持つ。
【0013】
電子機器100としては、テレビジョン受信装置(以下、TVという)100a、100cや、HDD(Hard disk drive)やBD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などを記録媒体(以下、ストレージという)とした記録再生装置(以下、レコーダという)100b、100eや、ストレージの再生装置(以下、プレーヤという)100dなどがある。ここでは、部屋(A)400に、TV(A)100a、レコーダ(A)100bが設置され、部屋(B)401には、TV(B)100c、プレーヤ(B)100d、レコーダ(B)100eが設置されている例を示している。また、レコーダ(A)100bとTV(A)100aはHDMIケーブルなどの接続ケーブル105にて接続されている。プレーヤ(B)100d、レコーダ(B)100eも同様に、TV(B)100cに接続ケーブル105にて接続されている。
【0014】
図2は、本発明の一実施例による電子機器100の内部構成例を示すブロック図である。ここでは、電子機器100が、テレビジョン受信装置(100a、100c)を例にして説明する。電子機器100は、通信部110、CPU111、メモリ112、ストレージ113、チューナ114、接続部115、操作入力部116、スピーカ117、表示部118、を備え、それぞれはバス120に相互に接続されている。
【0015】
通信部110は、ホームネットワーク300とLANケーブル301で接続され、ホームネットワーク300に接続されている他機器と通信を行うインターフェイスである。また、ホームネットワーク300がインターネット(図示せず)に接続されている場合は、インターネットとも接続可能となる。
【0016】
メモリ112は、フラッシュメモリなどであり、プログラムなどを記憶している。CPU111は、メモリ112に記憶したプログラムを実行することによって、各構成部を制御し、各種の処理を行っている。チューナ114はデジタル放送などの放送信号を受信し、選局及び復調を行う。チューナ114より受信した放送信号に対して、所定の映像処理や音声処理はCPU111にて行われる。表示部118は、液晶ディスプレイパネル(LCD)などであり、映像を表示する。また、音声処理された音声は、スピーカ117から出力される。ストレージ113は、HDDなどであり、受信した放送信号を番組コンテンツとして記録(録画)するものである。また、ストレージ113に記録されたコンテンツを表示部118、スピーカ117より出力(再生)することもできる。なお、ここでは、ストレージ113は電子機器100に内蔵されているが、取り外し可能のリムーバブルタイプや、別体の外付けタイプでもよい。操作入力部116は、ユーザーからの各種操作を受け付けるユーザーインターフェイスであり、例えば電源のON/OFF、チューナ114の選局、音量のUP/DOWNなど操作ボタンである。接続部115は、他の電子機器と接続する例えばHDMIなどの接続インターフェイスである。
【0017】
なお、録画再生機能の付いたTVの場合で説明したが、電子機器100はこれに限定されるものではなく、録画再生機能の無いTVの場合は、ストレージ113を搭載しない構成となる。また、レコーダ100b、100eの場合は、スピーカ117、表示部118を搭載しない構成となる。また、プレーヤ100dの場合は、さらにチューナ114、スピーカ117、表示部118を搭載しない構成となる。
【0018】
次に制御端末200の構成について説明する。図3は、本発明の一実施例による制御端末200の内部構成例を示すブロック図である。
【0019】
制御端末200は、通信部210、CPU211、メモリ212、表示部213、操作入力部214、マイク215、スピーカ216、ストレージ217、GPS受信部218、ジャイロセンサ219、加速度センサ220、地磁気センサ221、移動体通信部222を備え、それぞれはバス230に相互に接続されている。
【0020】
通信部210は、IEEE802.11a/b/nなどで、AP302と近距離の無線通信を行う通信インターフェイスである。移動体通信部222は、W−CDMAやGSMなどの基地局500と遠距離の無線通信を行う通信インターフェイスである。メモリ212は、フラッシュメモリなどであり、プログラム、データなどを記憶している。さらに制御端末200はメモリーカードなどのストレージ217を備えており、ストレージ217にもデータなどを保存することができる。メモリ212に記憶されるプログラムは、移動体通信部222が基地局500と無線通信を行い、図示しない外部サーバーなどからダウンロードすることにより、随時更新・追加することが可能である。CPU211は、メモリ212に記憶したプログラムを実行することによって、各構成部を制御し、各種の処理を行っている。表示部213は液晶パネルなど映像を表示するものであり、その表示面にタッチパネルである操作入力部214を有する。操作入力部214は、表示部213の表示画面より、ユーザーが所望の機能を選択し指先などでタッチすることで、各種の操作コマンドを受け付けるものである。マイク215は、外部の音声を入力するものであり、スピーカ216は、外部に対して音声を出力するものである。GPS受信部218は、上空にあるGPS衛星からの信号を受信するものである。これにより、制御端末200の現在位置を検出することができる。ジャイロセンサ219は、制御端末200の角速度を検出するセンサ、加速度センサ220は制御端末200の加速度を検出するセンサである。これらにより、制御端末200の傾き、動きを詳細に検出することができる。地磁気センサ221は制御端末200の向いている方向を検出するセンサである。
【0021】
上記したように、制御端末200は、ホームネットワーク300を経由して、電子機器100をリモコン制御することができる。操作入力部214によって、ユーザーから受け付けた操作コマンドは、CPU211に送られ、CPU211は、操作入力部214が受け付けた操作に対応した制御コマンドを生成する。このとき、各種操作コマンドと制御コマンドの対応テーブルデータは、メモリ212に格納されている。CPU211は、生成した制御コマンドを、通信部210より電子機器100に対して送信する。このようにして、制御端末200は、電子機器100をリモコン制御することができる。
【0022】
図4は、機器情報の管理データの一例である。図4に示すように、管理データは、ID401、ネットワークID402、機器名称403、機器種類404、メーカ405、型番406からなる。これらの管理データは、制御端末200のメモリ212やストレージ217に記憶している。なお、図4は、図1で示した例のネットワークシステムの管理データを示している。
【0023】
制御端末200が、電子機器100をリモコン制御する場合、まず対象とする電子機器100を特定する必要がある。図5は、実施例による制御端末200の表示部213に、機器リストを表示した例を示す図である。この機器リストは、図4の管理データより作成する。図に示すように、機器種類別に表示し、()内の数字は、電子機器の数を示している。すなわち、TVはTV(A)100a、TV(B)100cの2台であるため、「TV(2)」(501)と表示している。同様に、レコーダはレコーダ(A)100b、レコーダ(B)100eの2台であるため、「レコーダ(2)」(502)と表示している。また、プレーヤはプレーヤ(B)100dの1台のため、「プレーヤ(1)」(503)と表示している。
【0024】
ユーザーが制御端末200によってリモコン制御を行おうとするとする機器(これを制御対象機器という)は、現在使用中もしくは、これから使用しようとする機器である。すなわち、ユーザーは制御対象機器である電子機器100の近傍にいて、制御端末200を操作することになる。図1のように、部屋(B)401にて、制御端末200でリモコン制御しようとする制御対象機器は、TV(B)100c、プレーヤ(B)100d、レコーダ(B)100eのいずれかとなる。ここで、TV(B)100cをリモコン制御する場合、TVとしては、TV(A)100aとTV(B)100cの2台が登録されているので、間違えてTV(A)100aに例えばチャンネル切り替えなどの制御コマンドを送信すると、TV(A)100aのチャンネルが切り替わってしまう。部屋(A)400では、別のユーザーがTV(A)100aを視聴していた場合、そのユーザーにとっては意図しないタイミングで突然チャンネルが切り替わってしまうことになる。
【0025】
そこで、目的の電子機器100を選択するため、本発明の実施例によるネットワークシステムにおいては、下記のように動作する。
【0026】
図6は、本実施例によるネットワークシステムの動作原理を示す図である。ユーザーがリモコン制御したい制御対象機器がTV(B)100cの場合は、制御対象機器の種類はTVであるため、機器リスト(図5)より「TV(2)」(501)を選択する(S601)。制御端末200は、1台目のTVであるTV(A)100aに対して、通信部210を介して所定の制御コマンド(以下これを、送信要求コマンドという)を送信する(S602)。TV(A)100aは、通信部110を介して送信要求コマンドを受信すると、スピーカ117にて出力中の音声出力に重畳して、人間の可聴周波外の周波数の信号(例えば、人間の視聴特性の可聴周波数の上限よりも高い(例えば十数kHz程度)の信号)(以下これを、確認信号という)を出力する(S603)。このとき、TV(A)100aは部屋(A)400に、制御端末200は部屋(B)401にあるため、TV(A)100aが出力する確認信号は間の壁に遮られ、制御端末200は確認信号を受信することができない。制御端末200は、図示しないタイマなどに基づいて所定時間たっても確認信号を受信しない場合は、TV(A)100aへの送信要求コマンドの送信を停止し、2台目のTVであるTV(B)100cに送信要求コマンドを送信する(S604)。TV(B)100cは、送信要求コマンドを受信すると、スピーカ117にて出力中の音声出力に重畳して、確認信号を出力する(S605)。TV(B)100cと制御端末200は、同じ部屋(B)401にあるため、TV(B)100cが出力する確認信号を、マイク215にて受信することができる。制御端末200は、確認信号を受信したことを確認すると、リモコン制御の制御対象機器をTV(B)100cに設定する(S606)。
【0027】
なお、ここでは、人間の可聴周波数外の周波数の信号を確認信号として出力する例を説明したが、たとえば音声電子透かし信号を用いても良い。
【0028】
また、本実施例では、送信要求コマンドをTV(A)100a、TV(B)100cに順に送信する例を説明したが、複数の電子機器100に一斉に送信しても良い。
【0029】
次に、制御端末200、電子機器100それぞれの詳細な動作についての一例を説明する。
【0030】
図7は、本実施例による制御端末200の動作のフローチャートを示す図である。本処理は、図5に示す機器リスト表示より「TV(2)」(図5の501)を選択したときに開始する。最初に、1台目のTVであるTV(A)100aに対して、送信要求コマンドを送信する(S701)。TV(A)100aと制御端末200が同室にある場合は、S702にてマイク215がTV(A)100aが出力する確認信号を受信する。確認信号は、制御端末200の周囲の環境音と一緒に受信されるが、マイク215が受信した音声信号に確認信号の周波数が含まれているかを確認すればよい。確認信号が受信できた場合は、制御端末200の制御対象機器をTV(A)100aに設定する(S703)。次に、TV(A)100a用のメニューを表示部213に表示し(S704)、処理を終了する。
【0031】
TV(A)100aと制御端末200が同室に無い場合は、S702にてマイク215はTV(A)100aが出力する確認信号を受信できないため、2台目のTVであるTV(B)100cに対して、送信要求コマンドを送信する(S705)。TV(B)100cと制御端末200が同室にある場合は、S706にてマイク215がTV(B)100cが出力する確認信号を受信し、制御端末200の制御対象機器をTV(B)100cに設定する(S707)。次に、TV(B)100c用のメニューを表示部213に表示し(S708)、処理を終了する。
【0032】
TV(B)100cと制御端末200が同室に無い場合は、S706にてマイク215はTV(B)100cが出力する確認信号を受信できないため、表示部213に「対象機器がありません」などのエラー表示をし(S709)、処理を終了する。なお、制御端末200と同室であるにもかかわらず、周囲の環境音によっては、確認信号を受信できない場合もある。よって、S706にて確認信号を受信できなかった場合は、S701に戻り、本処理を複数回繰り返すようにし、所定回数繰り返しても確認信号を受信できなかったときにS709のエラー表示を行うようにするとよい。
【0033】
図1に示すように、制御端末200が部屋(B)401にある場合は、TV(A)100aが出力する確認信号は受信せず、TV(B)100cが出力する確認信号を受信するため、S701、S702、S705、S706、S707、S708と進み、対象機器はTV(B)100cに設定される。
【0034】
図8は、電子機器100の動作のフローチャートを示す図である。制御端末200より送信要求コマンドを受信した場合(S801)は、スピーカ117からの音声出力に重畳して、確認信号を出力する(S802)。なお、送信要求コマンドを受信せず制御コマンドを受信した場合(S803)は、この制御コマンドに対応する動作を行う(S804)。制御コマンドを受信しない場合は処理を終了する。
【0035】
以上により、ユーザーは、制御対象機器の種類(TVなど)を選択するだけで、その種類の電子機器100が複数あった場合においても、確実に目的の電子機器100を選択することができる。また、確認信号として、人間の可聴周波数外の周波数の信号を用いるので、別の部屋で別のユーザーが使用している場合においても、そのユーザーにとって妨げるような問題はない。
【0036】
図9は、図7のS704やS708における制御端末200のメニューの表示例を示す。図7の処理において、制御対象機器として設定された電子機器の名称(901)を表示することで、どの機器が設定されたかをユーザーに知らせることができる。また、制御端末200とTV(B)100cはホームネットワーク300により双方向通信が可能であるので、TV(B)100cの状態を制御端末200に送信することで、制御対象機器として設定されたTV(B)100cが表示しているチャンネル、番組名など(902)を表示することも可能である。操作コマンド部903は、制御対象機器に設定された電子機器(ここではTV(B)100c)に対応した表示を行う。ユーザーは、ここから音量調整、チャンネル選局などを選択し、その位置を指先などでタッチする。CPU211は、表示部213の表示内容と、操作入力部214のタッチ位置から、ユーザーが選択した機能(これを操作コマンドという)を識別する。CPU211は、その操作コマンドに対応した制御コマンドを生成し、通信部210からホームネットワーク300を介して、制御対象機器に設定された電子機器100(ここではTV(B)100c)に送信する。これにより、制御対象機器に設定された電子機器100のリモコン制御を行うことが可能となる。
【0037】
図10は、制御対象機器を設定後、操作入力部214に操作コマンドが入力されたときの、制御端末200の動作のフローチャートの一例を示す図である。操作入力部214に、操作コマンドが入力された場合(S1001)は、制御対象機器に設定した電子機器100に送信要求コマンドを送信する(S1002)。ここでの電子機器100は、図7にて設定した機器のTV(B)100cであるものとする。送信要求コマンドを受信したTV(B)100cは、確認信号を出力する。TV(B)100cが出力した確認信号をマイク215で受信した場合(S1003)は、S1001で受け付けた操作コマンドに対応する制御コマンドをCPU211が作成し、制御対象機器のTV(B)100cに送信し、処理を終了する。S1003にて確認信号を受信できなかった場合は、制御コマンドを送信せずに処理を終了する。これは、操作入力部214に、TV(B)100cに対する操作コマンドが入力されたが、ユーザーが確認信号の受信範囲外(例えば別の部屋など)に移動していた場合である。すなわち操作コマンドを入力したユーザーは、TV(B)100cを視聴していないことになる。よって、TV(B)100cには制御コマンドを送信しない。
【0038】
上記したように、制御コマンドを送信する前に確認信号の入力を確認することとすれば、意図しない機器に制御コマンドを送信することは無くなる。なお、当該処理を行わず、操作コマンドが入力された際には制御コマンドを送信する構成とすることも可能である。
【0039】
以上説明した本実施例によれば、他のユーザーの使用を害することなく、所望の電子機器をリモコン制御する対象機器に設定できる。また、制御端末に近い場所にある機器を確実に対象機器に設定できる。また、ユーザーが制御対象機器の種類を選択するだけで、使用中の電子機器を自動的に特定し、リモコン制御することができる。さらには、制御対象機器を設定後、制御コマンド送信前に確認信号の受信を確認すれば、ユーザーが移動して制御対象機器から離れているときは、制御コマンドが送信されないため、他のユーザーが使用中の機器を誤って操作するような問題が生じない。
【0040】
なお、上記では、制御端末200において、プログラム、管理データなどをメモリ212に記憶していたが、ストレージ217に記憶させても同様の制御ができる。
【実施例2】
【0041】
本実施例では、例えばプレーヤやレコーダなど音声出力機能であるスピーカを持たない電子機器の例を説明する。ここでは、部屋(B)401に配置されているレコーダ(B)100eの場合について説明する。
【0042】
図11は、実施例2におけるネットワークシステムの動作原理を示す図である。ユーザーがリモコン制御したい制御対象機器がレコーダ(B)100eの場合は、制御対象機器の種類はレコーダであるため、図5の機器リストより「レコーダ(2)」(502)を選択する(S1101)。制御端末200は、1台目のレコーダであるレコーダ(A)100b対して、送信要求コマンドを送信する(S1102)。レコーダ(A)100bは、送信要求コマンドを受信すると、接続ケーブル105を介してTV(A)100aに送信コマンドを送信する(S1103)。TV(A)100aは、送信要求コマンドを受信すると、図8にて説明したように、スピーカ117にて出力中の音声出力に重畳して、人間の視聴特性の可聴周波数の上限よりも高い(例えば十数kHz程度)の信号(確認信号)を出力する(S1104)。このとき、TV(A)100aは部屋(A)400に、制御端末200は部屋(B)401にあるため、TV(A)100aが出力する確認信号は間の壁に遮られ、制御端末200は確認信号を受信することができない。制御端末200は、所定時間たっても確認信号を受信しない場合は、レコーダ(A)100bへの送信要求コマンドの送信を停止する。これに伴い、レコーダ(A)100bも、TV(A)100aへの送信要求コマンドの送信を停止する。
【0043】
次に、2台目のレコーダであるレコーダ(B)100eに送信要求コマンドを送信する(S1105)。レコーダ(B)100eは、送信要求コマンドを受信すると、接続ケーブル105を介してTV(B)100cに送信要求コマンドを送信する(S1106)。TV(B)100cは、送信要求コマンドを受信すると、スピーカ117にて出力中の音声出力に重畳して、確認信号を出力する(S1107)。TV(B)100cと制御端末200は、同じ部屋(B)401にあるため、TV(B)100cが出力する確認信号を、マイク215にて受信することができる。制御端末200は、確認信号を受信したことを確認すると、制御対象機器をレコーダ(B)100eに設定する(S1108)。
【0044】
制御端末200の動作は、選択された種類の電子機器に対して、順に送信要求コマンドを送信し、確認信号を受信した場合は、その電子機器を制御対象機器に設定するという、実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、送信要求コマンドは複数の電子機器100に一斉に送信しても良い。
【0045】
図12は、制御対象機器100の動作のフローチャートを示す図である。制御端末200より送信要求コマンドを受信した場合(S1201)は、接続ケーブル105を介して、接続されている電子機器(この場合はTV)に送信要求コマンドを送信する(S1202)。送信要求コマンドを受信せず制御コマンドを受信した場合(S1203)は、この制御コマンドに対応する動作を行う(S1204)。制御コマンドを受信しない場合は処理を終了する。
【0046】
TV(A)100a、TV(B)100cの動作は、送信要求コマンドを受信した場合に、確認信号を出力するものである。実施例1においては、通信部110より送信要求コマンドを受信していたが、実施例2においては、接続部115より送信要求コマンドを受信する。送信要求コマンドを受信する部分が異なるが、他の動作は実施例1と同様であるため、詳細説明は省略する。
【0047】
図13は、制御端末200のメニューの表示例を示す。制御対象機器に設定された電子機器の名称(1301)を表示することで、どの機器が設定されたかをユーザーに知らせることができる。また、制御端末200とレコーダ(B)100eはホームネットワーク300により双方向通信が可能であるので、レコーダ(B)100eの状態を制御端末200に送信することで、制御対象機器として設定されたレコーダ(B)100eの状態を表示することができる。例えばレコーダ(B)100eが再生中の場合は、「再生中」および再生中の番組名など(1302)を表示することで、ユーザーの使い勝手が良くなる。操作コマンド部1303は、制御対象機器に設定された電子機器(ここではレコーダ(B)100e)に対応した表示を行う。ユーザーは、ここから番組一覧、番組表の表示、録画、再生などを選択し、その位置を指先などでタッチすることで、操作コマンドを識別し、その操作コマンドに対応した制御コマンドを制御対象機器に設定された電子機器100(ここではレコーダ(B)100e)に送信する。これにより、制御対象機器に設定した電子機器100のリモコン制御を行うことが可能となる。
【0048】
以上説明した本実施例によれば、音声出力機能を持たないレコーダやプレーヤなどの電子機器においても、実施例1と同様の効果を得ることができ、使用中の電子機器をリモコン制御することができる。
【0049】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0050】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0051】
100 電子機器
200 制御端末
300 ホームネットワーク
302 アクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号を出力する電子機器と通信が可能な制御端末であって、
前記電子機器に確認信号の送信要求コマンドを送信する送信部と、
前記電子機器からの、前記音声信号に重畳された前記確認信号を受信する受信部と、
前記送信部と前記受信部とを制御する制御部とを備え、
前記確認信号は、人間の可聴周波数外の周波数の信号であり、
前記制御部は、前記確認信号を受信した場合には、該確認信号を出力した電子機器を、リモコン制御の対象機器に設定する
ことを特徴とする制御端末。
【請求項2】
請求項1に記載の制御端末であって、
前記制御部は、前記電子機器が出力する前記確認信号を所定時間内に受信できなかった場合には、前記電子機器とは別の電子機器に前記送信要求コマンドを送信する制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の制御端末。
【請求項3】
請求項2に記載の制御端末であって、
前記制御部は、リモコン制御の対象機器に設定した前記電子機器に、前記送信部を介して制御コマンドを送信する制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の制御端末。
【請求項4】
請求項3に記載の制御端末であって、
前記制御部は、前記電子機器から出力された確認信号を受信できない場合には、前記電子機器に前記制御コマンドを送信しない制御を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の制御端末。
【請求項5】
制御端末と通信が可能な電子機器であって、
前記制御端末から送信要求コマンドを受信する受信部と、
前記制御端末に対する確認信号を出力する出力部と、
前記受信部と前記出力部とを制御する制御部とを備え、
前記確認信号は、人間の可聴周波数外の周波数の信号であり、
制御部は、前記制御端末から前記送信要求コマンドを受信した場合には、前記確認信号を音声信号に重畳して出力する制御を行う
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
音声信号を出力する電子機器と通信が可能な制御端末における制御方法において、
前記電子機器に確認信号の送信要求コマンドを送信する送信ステップと、
前記電子機器から、前記音声信号に重畳された前記確認信号を受信する受信ステップと、
前記確認信号を受信した場合には、該確認信号を出力した電子機器を、リモコン制御の対象機器に設定する設定ステップとを有する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の制御方法であって、
前記確認信号は、人間の可聴周波数外の周波数の信号であることを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−93742(P2013−93742A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234582(P2011−234582)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】