制御装置、それにおいて実行されるプログラム、およびその制御装置を備えた通信システム
【課題】起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できる制御装置を提供する。
【解決手段】基地局1は、端末装置4から端末装置6宛てのデータパケットを受信すると、基地局3への通信を開始する開始信号を制御装置7へ送信する。制御装置7は、開始信号に応じて、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局2を制御するための制御信号CTL2を生成して基地局2へ送信する。基地局2は、制御信号CTL2に応じてウェイクアップ信号を無線通信によって基地局3へ送信し、基地局3をウェイクアップさせる。基地局1は、基地局3がウェイクアップすると、データパケットを基地局3へ送信する。
【解決手段】基地局1は、端末装置4から端末装置6宛てのデータパケットを受信すると、基地局3への通信を開始する開始信号を制御装置7へ送信する。制御装置7は、開始信号に応じて、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局2を制御するための制御信号CTL2を生成して基地局2へ送信する。基地局2は、制御信号CTL2に応じてウェイクアップ信号を無線通信によって基地局3へ送信し、基地局3をウェイクアップさせる。基地局1は、基地局3がウェイクアップすると、データパケットを基地局3へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御装置、それにおいて実行されるプログラム、およびその制御装置を備えた通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有線インターフェースと無線インターフェースとのうち、使用しないインターフェースへの電源供給を断つことによって省電力化を図る手法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかし、特許文献1においては、インターフェースよりも消費電力が大きいCPU(Central Processing Unit)等をスリープさせることは、考慮されていないため、省電力の余地が残っている。
【0004】
そこで、無線インターフェースおよびCPUをスリープの対象とした場合に、低消費電力で起動し、起動用のパケットを受信することによってスリープしている無線インターフェースおよびCPUをウェイクアップさせる装置が知られている(非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3576150号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】伊藤 哲也ほか,“無駄な消費電力量を削減するRadio-On-Demand Networks 概要”,2011 IEICE
【非特許文献2】吉村 紘一ほか,“省電力APの試作開発”,2011 IEICE
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、非特許文献1,2においては、基地局間に壁が存在すること、および干渉が多く存在すること等によって起動用のウェイクアップ信号が直接届かない場合の対処方法が開示されていない。
【0008】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できる制御装置を提供することである。
【0009】
また、この発明の別の目的は、起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できるように基地局の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
【0010】
更に、この発明の別の目的は、起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できる制御装置を備えた通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の実施の形態によれば、制御装置は、電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局を制御する制御装置であって、記憶部と、経路情報保持部と、受信部と、制御部と、送信部とを備える。記憶部は、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを基地局毎に示す状態情報を記憶する。経路情報保持部は、3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表を保持する。受信部は、3個以上の基地局のうち、第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を第2の基地局から受信する。制御部は、受信部から開始信号を受けると、状態情報および経路表を参照して、第1の基地局を第1のスリープ状態から起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信するように第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する。送信部は、制御部から受けた第1の制御信号を第3の基地局へ送信する。そして、受信部は、更に、第1の基地局が第1のスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す第1の状態信号を第1の基地局から受信すると、その受信した第1の状態信号を制御部へ出力する。制御部は、更に、第1の状態信号を受信部から受けると、第1の基地局と無線通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して送信部へ出力する。送信部は、更に、制御部から受けた第1の通信可能信号を第2の基地局へ送信する。
【0012】
また、この発明の実施の形態によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータは、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを基地局毎に示す状態情報と、3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを記憶する記憶部を備え、プログラムは、受信部が、3個以上の基地局のうち、第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を第2の基地局から受信する第1のステップと、制御部が、受信部から開始信号を受けると、状態情報および経路表を記憶部から読み出し、その読み出した状態情報および経路表を参照して、第1の基地局を第1のスリープ状態から起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信するように第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する第2のステップと、送信部が、制御部から受けた第1の制御信号を第3の基地局へ送信する第3のステップと、受信部が、第1の基地局が第1のスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を第1の基地局から受信すると、その受信した第1の起動信号を制御部へ出力する第4のステップと、制御部が、第1の起動信号を受信部から受けると、第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して送信部へ出力する第5のステップと、送信部が、制御部から受けた第1の通信可能信号を第2の基地局へ送信する第6のステップとをコンピュータに実行させる。
【0013】
更に、この発明の実施の形態によれば、通信システムは、複数の基地局と、制御装置とを備える。複数の基地局は、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれかの状態を取り得る。制御装置は、複数の基地局を制御する。そして、複数の基地局は、第1の基地局と、第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局と、第1の基地局と第2の基地局との間で無線通信を中継する第3の基地局とを含む。制御装置は、第1の基地局が第1のスリープ状態にあるときに第2の基地局が第1の基地局との間で無線通信を開始する開始信号を第2の基地局から受信すると、第1から第3のスリープ状態と起動状態とのいずれの状態にあるかを基地局毎に示す状態情報と、複数の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを参照して、第1の基地局を第1のスリープ状態から起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ届かせることができる基地局として第3の基地局を決定し、第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信するように第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成して第3の基地局へ送信し、第1の基地局が第1のスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を第1の基地局から受信すると、第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して第2の基地局へ送信する。第2の基地局は、第1の端末装置から第1の基地局の通信範囲内に存在する第2の端末装置宛てのデータパケットを受信すると、開始信号を生成して制御装置へ送信し、第1の通信可能信号を制御装置から受信すると、データパケットを有線通信によって第1の基地局へ送信する。第3の基地局は、第1の制御信号を制御装置から受信すると、第1のウェイクアップ信号を生成し、その生成した第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信する。第1の基地局は、第1のウェイクアップ信号を第3の基地局から受信すると、第1のスリープ状態から起動状態へ移行し、第1の起動信号を生成して制御装置へ送信し、データパケットを第2の基地局から受信すると、その受信したデータパケットを無線通信によって第2の端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0014】
この発明の実施の形態においては、第1の基地局がスリープ状態にあるときに、第2の基地局が第1の基地局へデータパケットを送信したい場合、ウェイクアップ信号を第1の基地局に届けることができる第3の基地局がウェイクアップ信号を第1の基地局へ送信し、第1の基地局をウェイクアップさせる。
【0015】
従って、第2の基地局からの電波が第1の基地局へ届かない環境においても、スリープ状態である基地局3を確実にウェイクアップできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1による通信システムの概略図である。
【図2】図1に示す基地局の構成図である。
【図3】図1に示す制御装置の構成図である。
【図4】状態情報の概念図である。
【図5】経路表の概念図である。
【図6】実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。
【図7】状態情報の具体例を示す図である。
【図8】経路表の具体例を示す図である。
【図9】スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【図10】実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる他の方法を説明するための概念図である。
【図11】状態情報の他の具体例を示す図である。
【図12】スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる他の方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【図13】実施の形態2による通信システムの概略図である。
【図14】図13に示す基地局の構成図である。
【図15】図13に示す制御装置の構成図である。
【図16】実施の形態2における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。
【図17】状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【図18】スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態2におけるフローチャートである。
【図19】実施の形態3による通信システムの概略図である。
【図20】図19に示す基地局の構成図である。
【図21】図19に示す制御装置の構成図である。
【図22】実施の形態3における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。
【図23】状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による通信システム10は、基地局1〜3と、端末装置4〜6と、制御装置7とを備える。
【0019】
基地局1〜3は、イーサネット(登録商標)ETHによって制御装置7に接続され、それぞれ、部屋RM1〜RM3内に設置される。そして、基地局1は、基地局2との間で電波を直接送受信でき、基地局2は、基地局3との間で電波を直接送受信できる。また、基地局1は、基地局3との間で電波を直接送受信できない。
【0020】
基地局1〜3の各々は、電源が投入されたとき、または任意の時刻に、自己のアドレスを含むHelloパケットを無線通信によってブロードキャストする。
【0021】
また、基地局1〜3の各々は、他の基地局からHelloパケットを受信すると、その受信したHelloパケットに含まれる送信元のアドレスSrcを検出し、その検出した送信元のアドレスSrcと、自己のアドレス(=Helloパケットを受信した基地局のアドレスDst)とを有線通信(イーサネットETH)によって制御装置7へ送信する。
【0022】
更に、基地局1〜3の各々は、自己の通信範囲内に存在する端末装置を管理するためのビーコンフレームBeacon(=管理フレーム)を定期的に送信するとともに、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態と、無線通信および有線通信の両方が不可能であるスリープ状態とを有する。
【0023】
そして、基地局1〜3の各々は、一定の期間、端末装置と無線通信を行わなかったとき、または自己に帰属する端末装置が存在しないとき(即ち、自己の通信範囲内に端末装置が存在しないとき)、起動状態からスリープ状態へ移行する。この場合、基地局1〜3の各々は、自己が起動状態からスリープ状態へ移行したことを示すスリープ信号SLPをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0024】
また、基地局1〜3の各々は、スリープ状態であるときに、他の基地局から無線通信によって送信されたウェイクアップ信号を受信すると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、基地局1〜3の各々は、起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0025】
更に、基地局1〜3の各々は、自己に帰属する端末装置と2.45GHz帯で無線通信を行う。そして、基地局1〜3の各々は、他の基地局の通信範囲内に存在する端末装置宛てのデータパケットを自己に帰属する端末装置から受信すると、その受信したデータパケットData、または他の基地局へデータパケットDataを送信したいことを示す制御フレームCFMをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。その後、基地局1〜3の各々は、他の基地局が通信可能であることを示す通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して制御装置7から受信すると、データパケットDataをイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0026】
更に、基地局1〜3の各々は、制御装置7からの制御に従ってウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信によって他の基地局へ送信する。
【0027】
更に、基地局1〜3の各々は、イーサネットETHを介してデータパケットDataを他の基地局から受信し、その受信したデータパケットDataを無線通信によって自己に帰属する端末装置へ送信する。
【0028】
更に、基地局1〜3の各々は、無線通信によってデータパケットDataを自己に帰属する端末装置から受信し、その受信したデータパケットDataをイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0029】
端末装置4〜6は、それぞれ、基地局1〜3の通信範囲内に存在し、基地局1〜3との間で無線通信を行う。
【0030】
制御装置7は、Helloパケットの送信元(基地局)のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信した送信元のアドレスSrcと各基地局1〜3のアドレスDstとに基づいて、基地局1〜3が相互に無線通信を行うための経路表を構築し、その構築した経路表を保持する。
【0031】
また、制御装置7は、スリープ信号SLPまたは起動通知DRVをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信したスリープ信号SLPまたは起動通知DRVに基づいて各基地局1〜3の状態を示す状態情報を作成し、その作成した状態情報を保持する。
【0032】
そして、制御装置7は、経路表および状態情報に基づいて、後述する方法によって、スリープ状態にある基地局を起動させるように基地局1〜3を制御する。
【0033】
図2は、図1に示す基地局1の構成図である。図2を参照して、基地局1は、アンテナ11と、切替器12と、ウェイクアップ装置13と、メイン装置14と、電源15とを含む。
【0034】
アンテナ11は、切替器12を介してウェイクアップ装置13またはメイン装置14に接続される。
【0035】
切替器12は、アンテナ11と、ウェイクアップ装置13およびメイン装置14との間に接続される。そして、切替器12は、メイン装置14からの制御信号CTL1に応じて、アンテナ11をウェイクアップ装置13またはメイン装置14に接続する。
【0036】
ウェイクアップ装置13は、例えば、100μWの電力を電源15から受け、その受けた電力によって駆動される。また、ウェイクアップ装置13は、基地局1がスリープ状態にあるとき、切替器12を介してアンテナ11に接続される。そして、ウェイクアップ装置13は、基地局1をスリープ状態から起動状態へ移行させるためのウェイクアップ信号をアンテナ11を介して受信すると、その受信したウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDが基地局1のIDに一致するか否かを判定する。ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14へ出力する。
【0037】
一方、ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致しないとき、ウェイクアップ信号を破棄する。そして、ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップ信号の受信を待つ状態になる。
【0038】
なお、ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップ信号等のパケットを受信する機能のみを有し、パケットを送信する機能を有しない。
【0039】
メイン装置14は、例えば、7Wの電力を電源15から受け、その受けた電力によって駆動される。そして、メイン装置14は、電源15から駆動用の電力を供給されたとき、または任意の時刻に、基地局1のアドレスを含むHelloパケットを生成し、その生成したHelloパケットをアンテナ11を介してブロードキャストする。
【0040】
また、メイン装置14は、アンテナ11を介して他の基地局からHelloパケットを受信すると、その受信したHelloパケットに含まれる送信元のアドレスSrcを検出し、その検出した送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局1のアドレスDstとをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0041】
メイン装置14は、起動状態であるとき、アンテナ11を介して端末装置4と無線通信を行い、イーサネットETHを介して他の基地局2,3および制御装置7と通信を行う。
【0042】
また、メイン装置14は、一定の期間T1、端末装置4と無線通信を行わなかったとき、または基地局1に帰属する端末装置が存在しないとき、起動状態からスリープ状態へ移行する。この場合、メイン装置14は、スリープ信号SLPをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信した後にスリープ状態へ移行する。より具体的には、メイン装置14は、電源15が電力をメイン装置14へ供するのを停止することによってスリープ状態へ移行する。なお、一定の期間T1は、例えば、数十秒に設定される。
【0043】
更に、メイン装置14は、スリープ状態にあるときに、ウェイクアップ装置13から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、メイン装置14は、基地局1が起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0044】
更に、メイン装置14は、ウェイクアップ信号を生成して他の基地局へ送信するための制御信号CTL2をイーサネットETHを介して制御装置7から受信すると、ウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号をアンテナ11を介して他の基地局へ送信する。
【0045】
電源15は、100μWの電力をウェイクアップ装置13へ供給し、7Wの電力をメイン装置14へ供給する。
【0046】
切替器12は、スイッチ121と、端子122,123とを含む。ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップ信号受信器131と、ウェイクアップ判定器132とを含む。メイン装置14は、無線通信モジュール141と、有線通信モジュール142と、ホストシステム143とを含む。
【0047】
スイッチ121は、アンテナ11に接続される。端子122は、ウェイクアップ信号受信器131に接続される。端子123は、無線通信モジュール141に接続される。
【0048】
スイッチ121は、メイン装置14のホストシステム143から制御信号CTL1を受ける。そして、スイッチ121は、その制御信号CTL1によってアンテナ11を端子122または端子123に接続する。
【0049】
この場合、制御信号CTL1は、L(論理ロー)レベルの信号、またはH(論理ハイ)レベルの信号からなる。そして、スイッチ121は、制御信号CTL1がLレベルの信号からなる場合、アンテナ11を端子122に接続し、制御信号CTL1がHレベルの信号からなる場合、アンテナ11を端子123に接続する。
【0050】
ウェイクアップ信号受信器131は、パケットを受信する機能のみを有し、パケットを送信する機能を有しない。
【0051】
ウェイクアップ信号受信器131は、無線通信帯域(=2.45GHz帯)と異なる周波数に設定されたチャネルXを有する。そして、ウェイクアップ信号受信器131は、スイッチ121が端子122に接続されたとき、チャネルXでウェイクアップ信号を待ち受ける。
【0052】
ウェイクアップ信号受信器131は、ウェイクアップ信号をアンテナ11を介して受信すると、その受信したウェイクアップ信号を復調し、その復調したウェイクアップ信号をウェイクアップ判定器132へ出力する。
【0053】
ウェイクアップ判定器132は、基地局1のIDを予め保持している。ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップ信号をウェイクアップ信号受信器131から受ける。そして、ウェイクアップ判定器132は、その受けたウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDを抽出する。
【0054】
そうすると、ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致するか否かを判定する。ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14のホストシステム143へ出力する。一方、ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致しないと判定したとき、その抽出したウェイクアップIDを破棄する。
【0055】
無線通信モジュール141は、端末装置4との間のデータ通信に使用されるチャネルZ(=2.45GHz帯の1つの周波数を有する周波数チャネル)が予め設定されている。
【0056】
無線通信モジュール141は、ホストシステム143からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム143からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、無線通信モジュール141が動作を停止した状態である。
【0057】
また、無線通信モジュール141は、アンテナ11を介してビーコンフレームBeaconを定期的に送信し、端末装置4との間で無線通信リンクを確立する。そして、無線通信モジュール141は、端末装置4と無線通信を行う。この場合、無線通信モジュール141は、端末装置4から受信したパケットからデータを取り出してホストシステム143へ出力し、ホストシステム143から受けたデータを含むパケットを生成して端末装置4へ送信する。
【0058】
無線通信モジュール141は、ウェイクアップ信号をホストシステム143から受けると、その受けたウェイクアップ信号をオンオフキーイングの変調方式によって変調し、その変調したウェイクアップ信号をアンテナ11を介してチャネルXで他の基地局へ送信する。
【0059】
このオンオフキーイングの変調方式は、伝送レートが数十kbps〜数百kbpsである変調方式であり、通常の無線LANに用いられる変調方式よりも伝送レートが低い。このように伝送レートが低い変調方式によってウェイクアップ信号を変調するのは、100μWという非常に低い電力で動作するウェイクアップ装置13によってウェイクアップ信号を復調できるようにするためである。
【0060】
有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して他の基地局からデータを受信し、その受信したデータをホストシステム143へ出力する。
【0061】
また、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からデータを受け、その受けたデータをイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0062】
更に、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム143からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、有線通信モジュール142が動作を停止した状態である。
【0063】
ホストシステム143は、一定の期間T1、端末装置4からのパケットを無線通信モジュール141を介して受けないとき、または基地局1の通信範囲内に端末装置が存在しないとき、スリープ信号SLPを生成し、その生成したスリープ信号SLPをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。その後、ホストシステム143は、コマンド信号COM1を生成し、その生成したコマンド信号COM1を無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Lレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。そして、ホストシステム143は、スリープ状態(=停止状態)へ移行する。
【0064】
また、ホストシステム143は、ウェイクアップ判定器132から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、ホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成し、その生成したコマンド信号COM2を無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。その後、ホストシステム143は、基地局1がスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0065】
更に、ホストシステム143は、他の基地局の通信範囲内に存在する端末装置宛てのデータパケットDataを無線通信モジュール141を介して端末装置4から受信すると、その受信したデータパケットData、または他の基地局へデータパケットDataを送信したいことを示す制御フレームCFMを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。その後、ホストシステム143は、他の基地局が通信可能であることを示す通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して制御装置7から受信すると、データパケットDataを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0066】
更に、ホストシステム143は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局1を制御するための制御信号CTL3を制御装置7から有線通信モジュール142を介して受信すると、ESSID、BSSID、およびそれらのハッシュ値のいずれかからなるウェイクアップIDを生成し、その生成したウェイクアップIDを含むウェイクアップ信号を生成する。そして、ホストシステム143は、その生成したウェイクアップ信号を無線通信モジュール141へ出力する。なお、ウェイクアップIDは、基地局1が起動させる他の基地局を示す情報である。
【0067】
更に、ホストシステム143は、無線通信モジュール141からデータを受けると、その受けたデータを有線通信モジュール142へ出力する。
【0068】
更に、ホストシステム143は、有線通信モジュール142からデータを受けると、その受けたデータを無線通信モジュール141へ出力する。
【0069】
更に、ホストシステム143は、基地局1の通信範囲内に存在する端末装置を管理する。
【0070】
なお、図1に示す基地局2,3の各々も、図2に示す基地局1と同じ構成からなる。
【0071】
図3は、図1に示す制御装置7の構成図である。図3を参照して、制御装置7は、受信部71と、送信部72と、制御部73と、記憶部74と、経路情報保持部75とを含む。
【0072】
受信部71および送信部72は、イーサネットETHに接続される。受信部71は、データパケットDataまたは制御フレームCFMをイーサネットETHを介して基地局1〜3のいずれかから受信し、その受信したデータパケットDataまたは制御フレームCFMを制御部73へ出力する。
【0073】
また、受信部71は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信した送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとを制御部73へ出力する。
【0074】
更に、受信部71は、起動通知DRVまたはスリープ信号SLPをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信した起動通知DRVまたはスリープ信号SLPを制御部73へ出力する。
【0075】
送信部72は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局(基地局1〜3のいずれか)を制御するための制御信号CTL2を制御部73から受ける。そして、送信部72は、その受けた制御信号CTL2をイーサネットETHを介して基地局(基地局1〜3のいずれか)へ送信する。
【0076】
また、送信部72は、通信可能信号CMONを制御部73から受け、その受けた通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して基地局(基地局1〜3のいずれか)へ送信する。
【0077】
制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとを受信部71から受けると、その受けた送信元のアドレスSrcと、基地局のアドレスDstとに基づいて、基地局1〜3が相互に無線通信を行うための経路を示す経路表を作成する。この場合、制御部73は、OLSRまたはAODVのプロトコルに従って経路表を作成する。そして、制御部73は、その作成した経路表を経路情報保持部75に格納する。
【0078】
なお、OLSRまたはAODVのプロトコルに従って経路表を作成する方法自体は、公知であるので、その説明を省略するが、無線通信分野の技術者は、「OLSRまたはAODVのプロトコル」という文言に接すれば、送信元のアドレスSrcと、基地局のアドレスDstとに基づいて経路表を作成できる。
【0079】
また、制御部73は、起動通知DRVまたはスリープ信号SLPを受信部71から受けると、その受けた起動通知DRVまたはスリープ信号SLPに基づいて、各基地局1〜3の状態を示す状態情報を作成し、その作成した状態情報を記憶部74に記憶する。
【0080】
更に、制御部73は、データパケットDataまたは制御フレームCFMを受信部71から受けると、状態情報を記憶部74から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、データパケットDataの送信先である基地局がスリープ状態であるか起動状態であるかを判定する。
【0081】
制御部73は、データパケットDataの送信先である基地局が起動状態であると判定したとき、通信可能信号CMONを生成して送信部72へ出力する。
【0082】
一方、制御部73は、データパケットDataの送信先である基地局がスリープ状態であると判定したとき、経路表を経路情報保持部75から読み出し、その読み出した経路表を更に参照して、そのスリープ状態である基地局へ無線通信によってウェイクアップ信号を届かせることができる基地局BS_WUを決定し、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局BS_WUを制御するための制御信号CTL2を生成して送信部72へ出力する。
【0083】
更に、制御部73は、制御信号CTL2を送信部72へ出力した後、起動通知DRVを受信部71から受けると、通信可能信号CMONを生成して送信部72へ出力する。
【0084】
記憶部74は、各基地局1〜3の状態を示す状態情報を記憶する。経路情報保持部75は、基地局1〜3が相互に無線通信を行うための経路を示す経路表を保持する。
【0085】
図4は、状態情報の概念図である。図4を参照して、状態情報IFSTは、基地局1〜3と、基地局1〜3に対応付けられた状態(=スリープ状態または起動状態)とからなる。
【0086】
図5は、経路表の概念図である。図5を参照して、経路表RTは、送信先と、次の基地局と、ホップ数とを含む。送信先、次の基地局およびホップ数は、相互に対応付けられる。
【0087】
送信先は、データパケットの送信先である基地局のアドレスからなる。次の基地局は、各基地局がデータパケットを送信先へ送信するときの次に送信すべき基地局のアドレスからなる。ホップ数は、送信先の基地局までの無線通信の回数からなる。例えば、図1に示す基地局1が基地局3へ無線通信によってデータパケットを送信する場合、ホップ数は、“2”である。
【0088】
図6は、実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。また、図7は、状態情報の具体例を示す図である。更に、図8は、経路表の具体例を示す図である。
【0089】
図6を参照して、基地局1,2は、起動状態であり、基地局3は、スリープ状態である。そして、端末装置4は、端末装置6宛てのデータパケットDataを生成し、その生成したデータパケットDataを無線通信によって基地局1へ送信する。
【0090】
この場合、データパケットDataの宛先は、端末装置6であり、基地局3を経由する必要がある。しかし、基地局1は、基地局3との間で電波を直接送受信できないので、スリープ状態にある基地局3をウェイクアップさせることができない。
【0091】
このような状況において、基地局3を確実にウェイクアップさせる方法について説明する。
【0092】
図6に示す状況において、制御装置7は、図7に示す状態情報IFST−1を記憶部74に記憶しており、図8に示す経路表RT−1を経路情報保持部75に保持している。
【0093】
この場合、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局2のアドレスAdd2と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局1のアドレスAdd1とを基地局1から受信する。また、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局2のアドレスAdd2と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局3のアドレスAdd3とを基地局3から受信する。更に、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局1のアドレスAdd1と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局2のアドレスAdd2とを基地局2から受信する。更に、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局3のアドレスAdd3と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局2のアドレスAdd2とを基地局2から受信する。そして、制御装置7の制御部73は、その受信した送信元のアドレスAdd2と基地局1のアドレスAdd1との組み合わせ、送信元のアドレスAdd2と基地局3のアドレスAdd3との組み合わせ、送信元のアドレスAdd1と基地局2のアドレスAdd2との組み合わせ、および送信元のアドレスAdd3と基地局2のアドレスAdd2との組み合わせに基づいて、図8に示す経路表RT−1を作成する。
【0094】
基地局1のホストシステム143は、データパケットDataを端末装置4から無線通信モジュール141を介して受信すると、データパケットDataまたは制御フレームCRMを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0095】
制御装置7の受信部71は、データパケットDataまたは制御フレームCRMをイーサネットETHを介して基地局1から受信し、その受信したデータパケットDataまたは制御フレームCRMを制御部73へ出力する。
【0096】
制御装置7の制御部73は、データパケットDataまたは制御フレームCRMを受信部71から受けると、記憶部74から状態情報IFST−1を読み出し、その読み出した状態情報IFST−1を参照して、基地局1,2が起動状態であり、基地局3がスリープ状態であることを検出する。
【0097】
また、制御装置7の制御部73は、経路情報保持部75から経路表RT−1を読み出し、その読み出した経路表RT−1を参照して、基地局1と基地局3との間では、電波を直接送受信できないことを検知し(経路表RT−1の3,4行目参照)、基地局2が基地局1と基地局3との間に位置し、基地局2が基地局1,3の両方との間で電波を直接送受信できることを検知する(経路表RT−1の1〜4行目参照)。
【0098】
そうすると、制御装置7の制御部73は、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届かせることができる基地局BS_WUとして基地局2を決定する。そして、制御装置7の制御部73は、ウェイクアップ信号を生成して基地局3へ送信するように基地局2を制御するための制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2を送信部72およびイーサネットETHを介して基地局2へ送信する。
【0099】
基地局2の有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して制御信号CTL2を受信し、その受信した制御信号CTL2をホストシステム143へ出力する。
【0100】
基地局2のホストシステム143は、制御信号CTL2を有線通信モジュール142から受け、その受けた制御信号CTL2に応じて、基地局3を示すウェイクアップIDからなるウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信モジュール141へ出力する。
【0101】
基地局2の無線通信モジュール141は、ホストシステム143からウェイクアップ信号を受けると、その受けたウェイクアップ信号を上述した方法によって変調し、その変調したウェイクアップ信号をチャネルXでアンテナ11を介して基地局3へ送信する。
【0102】
基地局3のウェイクアップ信号受信器131は、アンテナ11を介してウェイクアップ信号をチャネルXで基地局2から受信し、その受信したウェイクアップ信号を復調し、その復調したウェイクアップ信号をウェイクアップ判定器132へ出力する。
【0103】
基地局3のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップ信号をウェイクアップ信号受信器131から受け、その受けたウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDを抽出する。
【0104】
そうすると、基地局3のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局3のIDに一致するか否かを判定する。基地局3のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局3のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14のホストシステム143へ出力する。
【0105】
基地局3のホストシステム143は、ウェイクアップ判定器132からの起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、基地局3のホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。
【0106】
基地局3の無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM2に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行し、スイッチ121は、Hレベルの制御信号CTL1に応じて、端子123に接続される。
【0107】
その後、基地局3のホストシステム143は、基地局3がスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0108】
制御装置7の受信部71は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを基地局3から受信し、その受信した起動通知DRVを制御部73へ出力する。制御装置7の制御部73は、受信部71から受けた起動通知DRVに応じて、状態情報IFST−1の基地局3に対応する状態をスリープ状態から起動状態へ変える。
【0109】
その後、制御装置7の制御部73は、基地局3が通信可能であることを示す通信可能信号CMONを生成し、その生成した通信可能信号CMONを送信部72およびイーサネットETHを介して基地局1へ送信する。
【0110】
基地局1の有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して通信可能信号CMONを制御装置7から受信し、その受信した通信可能信号CMONをホストシステム143へ出力する。
【0111】
そうすると、基地局1のホストシステム143は、有線通信モジュール142からの通信可能信号CMONに応じて、端末装置4から受信したデータパケットDataを有線通信モジュール142へ出力し、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からのデータパケットDataをイーサネットETHを介して基地局3へ送信する。
【0112】
基地局3の有線通信モジュール142は、データパケットDataをイーサネットETHを介して基地局1から受信し、その受信したデータパケットDataをホストシステム143へ出力し、ホストシステム143は、データパケットDataを無線通信モジュール141へ出力し、無線通信モジュール141は、データパケットDataを無線LANの通信方式に従って変調して端末装置6へ送信する。これによって、端末装置6は、端末装置4から送信された自己宛てのデータパケットDataを受信する。
【0113】
図9は、スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【0114】
図9を参照して、基地局3をウェイクアップさせる動作が開始されると、基地局1は、データパケットDataを端末装置4から受信し(ステップS1)、データパケットDataまたは制御フレームCFMをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する(ステップS2)。
【0115】
そして、制御装置7は、イーサネットETHを介してデータパケットDataまたは制御フレームCFMを受信し(ステップS3)、その受信したデータパケットDataまたは制御フレームCFMに基づいて、基地局1が基地局3との通信を要求していることを検知する。
【0116】
そうすると、制御装置7は、状態情報IFST−1を参照して、基地局1,2が起動状態であり、基地局3がスリープ状態であることを検出する。そして、制御装置7は、更に、経路表RT−1を参照して、基地局3へウェイクアップ信号を届けることができる基地局BS_WUとして基地局2を決定する(ステップS4)。
【0117】
その後、制御装置7は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局2を制御するための制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2をイーサネットETHを介して基地局2へ送信する(ステップS5)。
【0118】
基地局2は、イーサネットETHを介して制御信号CTL2受信し(ステップS6)、その受信した制御信号CTL2に応じて、ウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信によって基地局3へ送信する(ステップS7)。
【0119】
基地局3は、ウェイクアップ信号を基地局2から受信し(ステップS8)、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS9)。そして、基地局3は、起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する(ステップS10)。
【0120】
制御装置7は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを受信し(ステップS11)、その受信した起動通知DRVに応じて、通信可能信号CMONを生成し、その生成した通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して基地局1へ送信する(ステップS12)。
【0121】
基地局1は、イーサネットETHを介して通信可能信号CMONを受信し(ステップS13)、その受信した通信可能信号CMONに応じて、データパケットDataをイーサネットETHを介して基地局3へ送信する(ステップS14)。そして、基地局3は、データパケットDataをイーサネットETHを介して基地局1から受信し、その受信したデータパケットDataを無線通信によって端末装置6へ送信する。これによって、一連の動作が終了する。
【0122】
このように、データパケットDataを受信した基地局1がデータパケットDataの送信先である基地局3を、直接、ウェイクアップさせることができない場合、制御装置7が基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局BS_WUとして基地局2を決定し、その決定した基地局2に基地局3をウェイクアップさせる。つまり、制御装置7は、データパケットDataを送信したい基地局1以外の基地局であり、かつ、スリープ状態にある基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2に基地局3をウェイクアップさせる。
【0123】
従って、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、スリープ状態である基地局3を確実にウェイクアップできる。
【0124】
図10は、実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる他の方法を説明するための概念図である。また、図11は、状態情報の他の具体例を示す図である。
【0125】
図10の(a)を参照して、基地局3をウェイクアップさせるときに、基地局2がスリープ状態である場合、図9に示す方法では、基地局3をウェイクアップさせることができない。
【0126】
制御装置7の制御部73は、状態情報IFST−2を参照して基地局2がスリープ状態であることを検出すると、経路表RT−1を更に参照して、基地局1がウェイクアップ信号を基地局2に届かせることができることを検出する。そして、制御装置7の制御部73は、ウェイクアップ信号を生成して基地局2へ送信するように基地局1を制御するための制御信号CTL3を生成し、その生成した制御信号CTL3を送信部72およびイーサネットETHを介して基地局1へ送信する。
【0127】
基地局1の有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して制御信号CTL3を受信し、その受信した制御信号CTL3をホストシステム143へ出力する。
【0128】
基地局1のホストシステム143は、制御信号CTL3を有線通信モジュール142から受け、その受けた制御信号CTL3に応じて、基地局2を示すウェイクアップIDからなるウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信モジュール141へ出力する。
【0129】
基地局1の無線通信モジュール141は、ホストシステム143からウェイクアップ信号を受けると、その受けたウェイクアップ信号を上述した方法によって変調し、その変調したウェイクアップ信号をチャネルXでアンテナ11を介して基地局2へ送信する。
【0130】
基地局2のウェイクアップ信号受信器131は、アンテナ11を介してウェイクアップ信号をチャネルXで基地局1から受信し、その受信したウェイクアップ信号を復調し、その復調したウェイクアップ信号をウェイクアップ判定器132へ出力する。
【0131】
基地局2のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップ信号をウェイクアップ信号受信器131から受け、その受けたウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDを抽出する。
【0132】
そうすると、基地局2のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局2のIDに一致するか否かを判定する。基地局2のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局2のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14のホストシステム143へ出力する。
【0133】
基地局2のホストシステム143は、ウェイクアップ判定器132からの起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、基地局2のホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。
【0134】
基地局2の無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM2に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行し、スイッチ121は、Hレベルの制御信号CTL1に応じて、端子123に接続される。
【0135】
その後、基地局2のホストシステム143は、基地局2がスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0136】
制御装置7の受信部71は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを基地局2から受信し、その受信した起動通知DRVを制御部73へ出力する。制御装置7の制御部73は、受信部71から受けた起動通知DRVに応じて、状態情報IFST−2(図11参照)の基地局2に対応する状態をスリープ状態から起動状態へ変える。即ち、状態情報IFST−2は、状態情報IFST−1(図7参照)に更新される。
【0137】
図10の(b)を参照して、基地局2が起動状態へ移行すると、上述した図9に示す方法によって基地局3をウェイクアップさせる。
【0138】
この場合、基地局2は、上述した方法によって、制御装置7からの制御信号CTL2に応じてウェイクアップ信号を基地局3へ送信すると、起動状態からスリープ状態へ移行する。
【0139】
より具体的には、基地局2の無線通信モジュール141がウェイクアップ信号をアンテナ11を介して基地局3へ送信すると、ホストシステム143は、スリープ信号SLPを生成し、その生成したスリープ信号SLPを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。そして、基地局2のホストシステム143は、コマンド信号COM1を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ送信するとともに、Lレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力し、その後、スリープ状態へ移行する。また、無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM1に応じてスリープ状態へ移行し、切替器12のスイッチ121は、Lレベルの制御信号CTL1に応じて端子122に接続される。
【0140】
図12は、スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる他の方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【0141】
図12を参照して、一連の動作が開始されると、図9に示すステップS1〜ステップS4と同じステップが順次実行される(ステップS21〜ステップS24)。
【0142】
そして、ステップS24の後、制御装置7は、基地局2がスリープ状態であることを検出し、ウェイクアップ信号を基地局2へ届けることができる基地局BS_WUとして基地局1を決定する(ステップS25)。
【0143】
そうすると、制御装置7は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局1を制御するための制御信号CTL3を生成し、その生成した制御信号CTL3をイーサネットETHを介して基地局1へ送信する(ステップS26)。
【0144】
基地局1は、制御信号CTL3を受信し(ステップS27)、その受信した制御信号CTL3に応じて、ウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信によって基地局2へ送信する(ステップS28)。
【0145】
基地局2は、基地局1から送信されたウェイクアップ信号を受信し(ステップS29)、その受信したウェイクアップ信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS30)。
【0146】
その後、基地局2は、スリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する(ステップS31)。
【0147】
制御装置7は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを基地局2から受信する(ステップS32)。
【0148】
その後、図9に示すステップS5〜ステップS15が順次実行される(ステップS33)。この場合、基地局2は、ステップS7を実行すると、スリープ信号SLPを制御装置7へ送信し、その後、起動状態からスリープ状態へ移行する。
【0149】
このように、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2がスリープ状態である場合、そのスリープ状態である基地局2にウェイクアップ信号を届けることができる基地局1が基地局2をウェイクアップさせ、その後、基地局2が基地局3をウェイクアップさせることによって、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、基地局3を確実にウェイクアップさせることができる。つまり、起動状態にある基地局1からウェイクアップ信号を順次送信し、最終的に、基地局3をウェイクアップさせる。
【0150】
そして、基地局2は、基地局3をウェイクアップさせる機能を果たした後、スリープ状態へ移行する。従って、通信システム10における消費電力を節約できる。
【0151】
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2による通信システムの概略図である。図13を参照して、実施の形態2による通信システム10Aは、図1に示す通信システム10の基地局2を基地局2Aに代え、制御装置7を制御装置7Aに代えたものであり、その他は、通信システム10と同じである。
【0152】
基地局2Aは、基地局1,3と同様にイーサネットETHに接続される。基地局2Aは、スリープ状態であるときに、マジックパケットをイーサネットETHを介して制御装置7Aから受信すると、スリープ状態から起動状態へ移行する。基地局2Aは、その他、基地局2と同じ機能を果たす。
【0153】
制御装置7Aは、制御装置7と同様にイーサネットETHに接続され、イーサネットETHを介して基地局1,2A,3と通信を行う。
【0154】
そして、制御装置7Aは、WOL(Wake On Lan)の機能を備えており、基地局3をウェイクアップさせるときに基地局2Aがスリープ状態である場合、マジックパケットを生成し、その生成したマジックパケットをイーサネットETHを介して基地局2Aへ送信する。この場合、マジックパケットは、IPヘッダに続いて、0xffffffffffff(6バイト)と、WOL対象のコンピュータのネットワーク・アダプタのMACアドレス(6バイト)が16回連続する102バイトのデータを含む。
【0155】
制御装置7Aは、その他、制御装置7と同じ機能を果たす。
【0156】
図14は、図13に示す基地局2Aの構成図である。図14を参照して、基地局2Aは、図2に示す基地局2のメイン装置14をメイン装置14Aに代えたものであり、その他は、基地局2と同じである。
【0157】
メイン装置14Aは、メイン装置14の有線通信モジュール142およびホストシステム143をそれぞれ有線通信モジュール142Aおよびホストシステム143Aに代えたものであり、その他は、メイン装置14と同じである。
【0158】
基地局2Aにおいては、スリープ状態とは、無線通信モジュール141およびホストシステム143Aの動作が停止し、有線通信モジュール142Aが動作している状態を言う。即ち、基地局2Aにおいては、スリープ状態とは、無線通信が不可能であるが、有線通信が可能である状態を言う。従って、基地局2Aにおいては、有線通信モジュール142Aは、動作を停止せず、ホストシステム143Aは、コマンド信号COM1,COM2を有線通信モジュール142Aへ出力しない。
【0159】
そして、ホストシステム143Aは、有線通信モジュール142Aからマジックパケットを受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。即ち、ホストシステム143Aは、ウェイクアップ判定器132からの起動信号によってスリープ状態から起動状態へ移行するとともに、有線通信モジュール142Aからのマジックパケットによってスリープ状態から起動状態へ移行する。
【0160】
有線通信モジュール142Aは、その他、有線通信モジュール142と同じ機能を果たし、ホストシステム143Aは、その他、ホストシステム143と同じ機能を果たす。
【0161】
図15は、図13に示す制御装置7Aの構成図である。図15を参照して、制御装置7Aは、図3に示す制御装置7の制御部73を制御部73Aに代えたものであり、その他は、制御装置7と同じである。
【0162】
制御部73Aは、WOLの機能を備えている。そして、制御部73Aは、記憶部74から読み出した状態情報IFSTを参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることができる基地局2Aがスリープ状態であることを検出すると、マジックパケットを生成し、その生成したマジックパケットを送信部72およびイーサネットETHを介して基地局2Aの有線通信モジュール142Aへ送信する。制御部73Aは、その他、制御部73と同じ機能を果たす。
【0163】
図16は、実施の形態2における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。また、図17は、状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【0164】
図16の(a)を参照して、制御装置7Aの制御部73Aは、経路表RT−1を参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることできる基地局BS_WUとして基地局2Aを決定し、状態情報IFST−3を参照して基地局2Aの有線通信が起動状態であることを検出すると、マジックパケットMgc_PKTを生成する。そして、制御装置7Aの制御部73Aは、その生成したマジックパケットMgc_PKTを送信部72およびイーサネットETHを介して基地局2Aへ送信する。
【0165】
基地局2Aの有線通信モジュール142Aは、イーサネットETHを介してマジックパケットMgc_PKTを制御装置7Aから受信し、その受信したマジックパケットMgc_PKTをホストシステム143Aへ出力する。そうすると、基地局2Aのホストシステム143Aは、スリープ状態から起動状態へ移行し、コマンド信号COM2を無線通信モジュール141へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を切替器12へ出力する。そして、無線通信モジュール141は、コマンド信号COM2に応じてスリープ状態から起動状態へ移行し、切替器12のスイッチ121は、端子123に接続される。
【0166】
図16の(b)を参照して、制御装置7Aの制御部73Aは、マジックパケットMgc_PKTを基地局2Aへ送信した後、制御信号CTL2を生成して基地局2Aへ送信する。その後、実施の形態1において説明した方法によって基地局3をウェイクアップさせる。
【0167】
図18は、スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態2におけるフローチャートである。
【0168】
図18を参照して、一連の動作が開始されると、図9に示すステップS1〜ステップS4と同じステップが順次実行される(ステップS41〜ステップS44)。
【0169】
そして、ステップS44の後、制御装置7Aは、状態情報IFST−3を参照して、基地局2Aの有線通信モジュール142Aが起動状態であることを検出する。そうすると、制御装置7Aは、マジックパケットMgc_PKTを生成し、その生成したマジックパケットMgc_PKTをイーサネットETHを介して基地局2Aへ送信する(ステップS45)。
【0170】
基地局2Aは、マジックパケットMgc_PKTを受信し(ステップS46)、その受信したマジックパケットMgc_PKTに応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS47)。
【0171】
その後、図9に示すステップS5〜ステップS15が順次実行される(ステップS48)。この場合、基地局2Aは、ステップS7を実行すると、スリープ信号SLPを制御装置7Aへ送信し、その後、起動状態からスリープ状態(無線通信が不可能であるが、有線通信が可能である状態)へ移行する。
【0172】
このように、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2Aの無線通信が不可能であるが、基地局2Aの有線通信が可能である場合、マジックパケットMgc_PKTによって基地局2Aを起動状態へ移行させ、その後、基地局2Aが基地局3をウェイクアップさせることによって、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、基地局3を確実にウェイクアップさせることができる。
【0173】
また、制御装置7Aが基地局1に基地局2Aをウェイクアップさせずに有線通信によって基地局2Aを起動状態へ移行させるので、基地局1に基地局2Aをウェイクアップさせる場合よりも、通信システム10A全体として電力を節約できる。
【0174】
[実施の形態3]
図19は、実施の形態3による通信システムの概略図である。図19を参照して、実施の形態3による通信システム10Bは、図1に示す通信システム10の基地局2および制御装置7をそれぞれ基地局2Bおよび制御装置7Bに代え、イーサネットETHをネットワーク20に代えたものであり、その他は、通信システム10と同じである。
【0175】
基地局1,2B,3は、ネットワーク20を介して制御装置7Bと通信を行う。基地局2Bは、スリープ状態であるときに、ネットワーク20を介して制御信号CTL2を制御装置7Bから受信し、その受信した制御信号CTL2に応じて、ウェイクアップ信号を生成して基地局3へ送信する。基地局2Bは、その他、基地局2と同じ機能を果たす。
【0176】
制御装置7Bは、ネットワーク20を介して基地局1,2B,3と通信を行う。そして、制御装置7Bは、基地局3をウェイクアップさせるときに基地局2Bがスリープ状態である場合、制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2をネットワーク20を介して基地局2Bへ送信する。
【0177】
ネットワーク20は、3Gネットワーク、インターネット、ADSLおよび光ネットワーク等からなる。
【0178】
図20は、図19に示す基地局2Bの構成図である。図20を参照して、基地局2Bは、図2に示す基地局2のメイン装置14をメイン装置14Bに代えたものであり、その他は、基地局2と同じである。
【0179】
メイン装置14Bは、メイン装置14の有線通信モジュール142およびホストシステム143をそれぞれ通信モジュール142Bおよびホストシステム143Bに代えたものであり、その他は、メイン装置14と同じである。
【0180】
基地局2Bにおいては、スリープ状態とは、無線通信モジュール141およびホストシステム143Bの動作が停止し、通信モジュール142Bが動作している状態を言う。即ち、基地局2Bにおいては、スリープ状態とは、無線通信が不可能であるが、ネットワーク20を介した通信が可能である状態を言う。従って、基地局2Bにおいては、通信モジュール142Bは、動作を停止せず、ホストシステム143Bは、コマンド信号COM1,COM2を通信モジュール142Bへ出力しない。
【0181】
そして、ホストシステム143Bは、通信モジュール142Bから制御信号CTL2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。即ち、ホストシステム143Bは、ウェイクアップ判定器132からの起動信号によってスリープ状態から起動状態へ移行するとともに、通信モジュール142Bからの制御信号CTL2によってスリープ状態から起動状態へ移行する。
【0182】
通信モジュール142Bは、その他、有線通信モジュール142と同じ機能を果たし、ホストシステム143Bは、その他、ホストシステム143と同じ機能を果たす。
【0183】
基地局1,3の有線通信モジュール142は、実施の形態3においては、ネットワーク20を介して制御装置7Bと通信を行う。
【0184】
図21は、図19に示す制御装置7Bの構成図である。図21を参照して、制御装置7Bは、図3に示す制御装置7の受信部71、送信部72および制御部73をそれぞれ受信部71A、送信部72Aおよび制御部73Aに代えたものであり、その他は、制御装置7と同じである。
【0185】
受信部71Aは、ネットワーク20を介して基地局1,2B,3から起動通知DRV等を受信し、その受信した起動通知DRV等を制御部73Bへ出力する。
【0186】
送信部72Aは、制御部73Bから受けた制御信号CTL2等をネットワーク20を介して基地局2B等へ送信する。
【0187】
制御部73Bは、記憶部74から読み出した状態情報IFSTを参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることができる基地局2Bがスリープ状態であることを検出すると、制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2を送信部72Aおよびネットワーク20を介して基地局2Bの通信モジュール142Bへ送信する。制御部73Bは、その他、制御部73と同じ機能を果たす。
【0188】
図22は、実施の形態3における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。また、図23は、状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【0189】
図22を参照して、制御装置7Bの制御部73Bは、経路表RT−1を参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることできる基地局BS_WUとして基地局2Bを決定し、状態情報IFST−4(図23参照)を参照して基地局2Bのネットワーク通信が起動状態であることを検出すると、制御信号CTL2を生成する。そして、制御装置7Bの制御部73Bは、その生成した制御信号CTL2を送信部72Aおよびネットワーク20を介して基地局2Bへ送信する。
【0190】
基地局2Bの通信モジュール142Bは、ネットワーク20を介して制御信号CTL2を制御装置7Bから受信し、その受信した制御信号CTL2をホストシステム143Bへ出力する。そうすると、基地局2Bのホストシステム143Bは、スリープ状態から起動状態へ移行し、コマンド信号COM2を無線通信モジュール141へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を切替器12へ出力する。そして、基地局2Bの無線通信モジュール141は、コマンド信号COM2に応じてスリープ状態から起動状態へ移行し、切替器12のスイッチ121は、端子123に接続される。
【0191】
その後、基地局2Bのホストシステム143Bは、ウェイクアップ信号を生成して無線通信モジュール141へ出力し、実施の形態1において説明した方法によって基地局3をウェイクアップさせる。
【0192】
実施の形態3においては、図9に示すフローチャートに従って、スリープ状態である基地局3をウェイクアップさせる。この場合、基地局2を基地局2Bと読み替え、イーサネットETHをネットワーク20と読み替えればよい。
【0193】
このように、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2Bの無線通信が不可能であるが、基地局2Bのネットワーク通信が可能である場合、ネットワーク通信によって基地局2Bを起動状態へ移行させ、その後、基地局2Bが基地局3をウェイクアップさせることによって、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、基地局3を確実にウェイクアップさせることができる。
【0194】
また、制御装置7Bが基地局1に基地局2Bをウェイクアップさせずにネットワーク通信によって基地局2Bを起動状態へ移行させるので、基地局1に基地局2Bをウェイクアップさせる場合よりも、通信システム10B全体として電力を節約できる。
【0195】
上述した実施の形態1においては、無線通信および有線通信の両方が不可能である状態をスリープ状態と定義し、実施の形態2においては、無線通信が不可能であるが、有線通信が可能である状態をスリープ状態と定義し、実施の形態3においては、無線通信が不可能であるが、ネットワーク通信が可能である状態をスリープ状態と定義した。
【0196】
従って、この発明の実施の形態においては、基地局は、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれかの状態を取り得る。そして、状態情報は、第1〜第3のスリープ状態と、起動状態とのいずれの状態にあるかを各基地局毎に示す。
【0197】
また、上記においては、データパケットを受信した基地局1と、ウェイクアップさせたい基地局3との間に1個の基地局2(または基地局2A,2B)が存在する場合について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在していてもよい。
【0198】
この場合、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てが起動状態であるとき、図9に示すフローチャートに従って、基地局3に最も近い基地局が基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局として決定され、基地局3がウェイクアップされる。
【0199】
一方、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てがスリープ状態(=無線通信および有線通信の両方が不可能)であるとき、基地局1が基地局1に最も近い基地局をウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が隣の基地局をウェイクアップさせることを繰り返し行い、最終的に基地局3をウェイクアップさせる。
【0200】
また、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てがスリープ状態(=無線通信が不可能であるが、有線通信が可能)であるとき、基地局3に最も近い基地局へマジックパケットを送信してウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が基地局3をウェイクアップさせる。
【0201】
更に、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てがスリープ状態(=無線通信が不可能であるが、ネットワーク通信が可能)であるとき、基地局3に最も近い基地局へ制御信号CTL2を送信してウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が基地局3をウェイクアップさせる。
【0202】
更に、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の一部が起動状態であり、残りがスリープ状態(=無線通信および有線通信の両方が不可能)であり、起動状態にある基地局と基地局3との間にスリープ状態である基地局が存在するとき、起動状態にある一部の基地局のうち、基地局3に最も近い基地局がスリープ状態にある基地局をウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が隣の基地局をウェイクアップさせることを繰り返し行い、最終的に、基地局3にウェイクアップ信号を届かせることができる基地局が基地局3をウェイクアップさせる。
【0203】
更に、この発明の実施の形態においては、上述した制御装置7,7A,7Bの機能は、プログラムによって実現されてもよい。この場合、コンピュータは、CPUと、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Accesss Memory)と、通信インターフェースとを備える。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、上述した状態情報IFSTおよび経路表RTを作成してROMに格納する。
【0204】
また、制御装置7の機能を実現するプログラムProg−Aは、図9に示すステップS3〜S5,S11,S12、または図12に示すステップS23〜S26,S3〜S5,S11,S12からなり、制御装置7Aの機能を実現するプログラムProg−Bは、図18に示すステップS43〜S45,S3〜S5,S11,S12からなり、制御装置7Bの機能を実現するプログラムProg−Cは、図9に示すステップS3〜S5,S11,S12、または図12に示すステップS23〜S26,S3〜S5,S11,S12からなる。
【0205】
そして、プログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cは、ROMに格納されており、CPUは、プログラムProg−A,Prog−B,Prog−CのいずれかをROMから読み出し、その読み出したプログラム(プログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cのいずれか)を実行して基地局3がウェイクアップするように、基地局1,2;1,2A;1,2Bを制御する。
【0206】
従って、プログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cを記憶したROMは、コンピュータ(CPU)読み取り可能な記録媒体である。
【0207】
更に、この発明の実施の形態においては、上述したプログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cのみを販売し、従来のルータにプログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cのいずれかをインストールして制御装置7,7A,7Bの機能を実現するようにしてもよい。
【0208】
上記においては、基地局1,2,2A,2B,3は、部屋の中に配置されると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基地局1が基地局2,2A,2Bと電波を直接送受信でき、基地局2,2A,2Bが基地局3と電波を直接送受信できるが、基地局1が基地局3と電波を直接送受信できない環境であれば、基地局1,2,2A,2B,3は、どのような場所に配置されていてもよい。
【0209】
なお、この発明の実施の形態においては、基地局3は、「第1の基地局」を構成し、基地局1は、「第2の基地局」を構成し、基地局2,2A,2Bは、「第3の基地局」を構成する。
【0210】
また、この発明の実施の形態においては、基地局1が制御装置7,7A,7Bへ送信するデータパケットDataまたは制御フレームCFRは、基地局1が基地局3との間で通信を開始する「開始信号」を構成する。
【0211】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0212】
この発明は、制御装置、それにおいて実行されるプログラム、およびその制御装置を備えた通信システムに適用される。
【符号の説明】
【0213】
1〜3,2A,2B 基地局、4〜6 端末装置、7,7A,7B 制御装置、10,10A,10B 通信システム、11 アンテナ、12 切替器、13 ウェイクアップ装置、14,14A,14B メイン装置、15 電源、20 ネットワーク、71 受信部、72 送信部、73,73A 制御部、74 記憶部、75 経路情報保持部、121 スイッチ、122,123 端子、131 ウェイクアップ信号受信器、132 ウェイクアップ判定器、141 無線通信モジュール、142,142A 有線通信モジュール、142B 通信モジュール、143,143A,143B ホストシステム。
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御装置、それにおいて実行されるプログラム、およびその制御装置を備えた通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有線インターフェースと無線インターフェースとのうち、使用しないインターフェースへの電源供給を断つことによって省電力化を図る手法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかし、特許文献1においては、インターフェースよりも消費電力が大きいCPU(Central Processing Unit)等をスリープさせることは、考慮されていないため、省電力の余地が残っている。
【0004】
そこで、無線インターフェースおよびCPUをスリープの対象とした場合に、低消費電力で起動し、起動用のパケットを受信することによってスリープしている無線インターフェースおよびCPUをウェイクアップさせる装置が知られている(非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3576150号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】伊藤 哲也ほか,“無駄な消費電力量を削減するRadio-On-Demand Networks 概要”,2011 IEICE
【非特許文献2】吉村 紘一ほか,“省電力APの試作開発”,2011 IEICE
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、非特許文献1,2においては、基地局間に壁が存在すること、および干渉が多く存在すること等によって起動用のウェイクアップ信号が直接届かない場合の対処方法が開示されていない。
【0008】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できる制御装置を提供することである。
【0009】
また、この発明の別の目的は、起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できるように基地局の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
【0010】
更に、この発明の別の目的は、起動用のウェイクアップ信号が直接届かない環境においても基地局を確実に起動できる制御装置を備えた通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の実施の形態によれば、制御装置は、電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局を制御する制御装置であって、記憶部と、経路情報保持部と、受信部と、制御部と、送信部とを備える。記憶部は、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを基地局毎に示す状態情報を記憶する。経路情報保持部は、3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表を保持する。受信部は、3個以上の基地局のうち、第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を第2の基地局から受信する。制御部は、受信部から開始信号を受けると、状態情報および経路表を参照して、第1の基地局を第1のスリープ状態から起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信するように第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する。送信部は、制御部から受けた第1の制御信号を第3の基地局へ送信する。そして、受信部は、更に、第1の基地局が第1のスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す第1の状態信号を第1の基地局から受信すると、その受信した第1の状態信号を制御部へ出力する。制御部は、更に、第1の状態信号を受信部から受けると、第1の基地局と無線通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して送信部へ出力する。送信部は、更に、制御部から受けた第1の通信可能信号を第2の基地局へ送信する。
【0012】
また、この発明の実施の形態によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータは、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを基地局毎に示す状態情報と、3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを記憶する記憶部を備え、プログラムは、受信部が、3個以上の基地局のうち、第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を第2の基地局から受信する第1のステップと、制御部が、受信部から開始信号を受けると、状態情報および経路表を記憶部から読み出し、その読み出した状態情報および経路表を参照して、第1の基地局を第1のスリープ状態から起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信するように第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する第2のステップと、送信部が、制御部から受けた第1の制御信号を第3の基地局へ送信する第3のステップと、受信部が、第1の基地局が第1のスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を第1の基地局から受信すると、その受信した第1の起動信号を制御部へ出力する第4のステップと、制御部が、第1の起動信号を受信部から受けると、第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して送信部へ出力する第5のステップと、送信部が、制御部から受けた第1の通信可能信号を第2の基地局へ送信する第6のステップとをコンピュータに実行させる。
【0013】
更に、この発明の実施の形態によれば、通信システムは、複数の基地局と、制御装置とを備える。複数の基地局は、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれかの状態を取り得る。制御装置は、複数の基地局を制御する。そして、複数の基地局は、第1の基地局と、第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局と、第1の基地局と第2の基地局との間で無線通信を中継する第3の基地局とを含む。制御装置は、第1の基地局が第1のスリープ状態にあるときに第2の基地局が第1の基地局との間で無線通信を開始する開始信号を第2の基地局から受信すると、第1から第3のスリープ状態と起動状態とのいずれの状態にあるかを基地局毎に示す状態情報と、複数の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを参照して、第1の基地局を第1のスリープ状態から起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ届かせることができる基地局として第3の基地局を決定し、第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信するように第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成して第3の基地局へ送信し、第1の基地局が第1のスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を第1の基地局から受信すると、第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して第2の基地局へ送信する。第2の基地局は、第1の端末装置から第1の基地局の通信範囲内に存在する第2の端末装置宛てのデータパケットを受信すると、開始信号を生成して制御装置へ送信し、第1の通信可能信号を制御装置から受信すると、データパケットを有線通信によって第1の基地局へ送信する。第3の基地局は、第1の制御信号を制御装置から受信すると、第1のウェイクアップ信号を生成し、その生成した第1のウェイクアップ信号を無線通信によって第1の基地局へ送信する。第1の基地局は、第1のウェイクアップ信号を第3の基地局から受信すると、第1のスリープ状態から起動状態へ移行し、第1の起動信号を生成して制御装置へ送信し、データパケットを第2の基地局から受信すると、その受信したデータパケットを無線通信によって第2の端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0014】
この発明の実施の形態においては、第1の基地局がスリープ状態にあるときに、第2の基地局が第1の基地局へデータパケットを送信したい場合、ウェイクアップ信号を第1の基地局に届けることができる第3の基地局がウェイクアップ信号を第1の基地局へ送信し、第1の基地局をウェイクアップさせる。
【0015】
従って、第2の基地局からの電波が第1の基地局へ届かない環境においても、スリープ状態である基地局3を確実にウェイクアップできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1による通信システムの概略図である。
【図2】図1に示す基地局の構成図である。
【図3】図1に示す制御装置の構成図である。
【図4】状態情報の概念図である。
【図5】経路表の概念図である。
【図6】実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。
【図7】状態情報の具体例を示す図である。
【図8】経路表の具体例を示す図である。
【図9】スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【図10】実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる他の方法を説明するための概念図である。
【図11】状態情報の他の具体例を示す図である。
【図12】スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる他の方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【図13】実施の形態2による通信システムの概略図である。
【図14】図13に示す基地局の構成図である。
【図15】図13に示す制御装置の構成図である。
【図16】実施の形態2における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。
【図17】状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【図18】スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態2におけるフローチャートである。
【図19】実施の形態3による通信システムの概略図である。
【図20】図19に示す基地局の構成図である。
【図21】図19に示す制御装置の構成図である。
【図22】実施の形態3における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。
【図23】状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による通信システム10は、基地局1〜3と、端末装置4〜6と、制御装置7とを備える。
【0019】
基地局1〜3は、イーサネット(登録商標)ETHによって制御装置7に接続され、それぞれ、部屋RM1〜RM3内に設置される。そして、基地局1は、基地局2との間で電波を直接送受信でき、基地局2は、基地局3との間で電波を直接送受信できる。また、基地局1は、基地局3との間で電波を直接送受信できない。
【0020】
基地局1〜3の各々は、電源が投入されたとき、または任意の時刻に、自己のアドレスを含むHelloパケットを無線通信によってブロードキャストする。
【0021】
また、基地局1〜3の各々は、他の基地局からHelloパケットを受信すると、その受信したHelloパケットに含まれる送信元のアドレスSrcを検出し、その検出した送信元のアドレスSrcと、自己のアドレス(=Helloパケットを受信した基地局のアドレスDst)とを有線通信(イーサネットETH)によって制御装置7へ送信する。
【0022】
更に、基地局1〜3の各々は、自己の通信範囲内に存在する端末装置を管理するためのビーコンフレームBeacon(=管理フレーム)を定期的に送信するとともに、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態と、無線通信および有線通信の両方が不可能であるスリープ状態とを有する。
【0023】
そして、基地局1〜3の各々は、一定の期間、端末装置と無線通信を行わなかったとき、または自己に帰属する端末装置が存在しないとき(即ち、自己の通信範囲内に端末装置が存在しないとき)、起動状態からスリープ状態へ移行する。この場合、基地局1〜3の各々は、自己が起動状態からスリープ状態へ移行したことを示すスリープ信号SLPをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0024】
また、基地局1〜3の各々は、スリープ状態であるときに、他の基地局から無線通信によって送信されたウェイクアップ信号を受信すると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、基地局1〜3の各々は、起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0025】
更に、基地局1〜3の各々は、自己に帰属する端末装置と2.45GHz帯で無線通信を行う。そして、基地局1〜3の各々は、他の基地局の通信範囲内に存在する端末装置宛てのデータパケットを自己に帰属する端末装置から受信すると、その受信したデータパケットData、または他の基地局へデータパケットDataを送信したいことを示す制御フレームCFMをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。その後、基地局1〜3の各々は、他の基地局が通信可能であることを示す通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して制御装置7から受信すると、データパケットDataをイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0026】
更に、基地局1〜3の各々は、制御装置7からの制御に従ってウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信によって他の基地局へ送信する。
【0027】
更に、基地局1〜3の各々は、イーサネットETHを介してデータパケットDataを他の基地局から受信し、その受信したデータパケットDataを無線通信によって自己に帰属する端末装置へ送信する。
【0028】
更に、基地局1〜3の各々は、無線通信によってデータパケットDataを自己に帰属する端末装置から受信し、その受信したデータパケットDataをイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0029】
端末装置4〜6は、それぞれ、基地局1〜3の通信範囲内に存在し、基地局1〜3との間で無線通信を行う。
【0030】
制御装置7は、Helloパケットの送信元(基地局)のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信した送信元のアドレスSrcと各基地局1〜3のアドレスDstとに基づいて、基地局1〜3が相互に無線通信を行うための経路表を構築し、その構築した経路表を保持する。
【0031】
また、制御装置7は、スリープ信号SLPまたは起動通知DRVをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信したスリープ信号SLPまたは起動通知DRVに基づいて各基地局1〜3の状態を示す状態情報を作成し、その作成した状態情報を保持する。
【0032】
そして、制御装置7は、経路表および状態情報に基づいて、後述する方法によって、スリープ状態にある基地局を起動させるように基地局1〜3を制御する。
【0033】
図2は、図1に示す基地局1の構成図である。図2を参照して、基地局1は、アンテナ11と、切替器12と、ウェイクアップ装置13と、メイン装置14と、電源15とを含む。
【0034】
アンテナ11は、切替器12を介してウェイクアップ装置13またはメイン装置14に接続される。
【0035】
切替器12は、アンテナ11と、ウェイクアップ装置13およびメイン装置14との間に接続される。そして、切替器12は、メイン装置14からの制御信号CTL1に応じて、アンテナ11をウェイクアップ装置13またはメイン装置14に接続する。
【0036】
ウェイクアップ装置13は、例えば、100μWの電力を電源15から受け、その受けた電力によって駆動される。また、ウェイクアップ装置13は、基地局1がスリープ状態にあるとき、切替器12を介してアンテナ11に接続される。そして、ウェイクアップ装置13は、基地局1をスリープ状態から起動状態へ移行させるためのウェイクアップ信号をアンテナ11を介して受信すると、その受信したウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDが基地局1のIDに一致するか否かを判定する。ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14へ出力する。
【0037】
一方、ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致しないとき、ウェイクアップ信号を破棄する。そして、ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップ信号の受信を待つ状態になる。
【0038】
なお、ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップ信号等のパケットを受信する機能のみを有し、パケットを送信する機能を有しない。
【0039】
メイン装置14は、例えば、7Wの電力を電源15から受け、その受けた電力によって駆動される。そして、メイン装置14は、電源15から駆動用の電力を供給されたとき、または任意の時刻に、基地局1のアドレスを含むHelloパケットを生成し、その生成したHelloパケットをアンテナ11を介してブロードキャストする。
【0040】
また、メイン装置14は、アンテナ11を介して他の基地局からHelloパケットを受信すると、その受信したHelloパケットに含まれる送信元のアドレスSrcを検出し、その検出した送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局1のアドレスDstとをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0041】
メイン装置14は、起動状態であるとき、アンテナ11を介して端末装置4と無線通信を行い、イーサネットETHを介して他の基地局2,3および制御装置7と通信を行う。
【0042】
また、メイン装置14は、一定の期間T1、端末装置4と無線通信を行わなかったとき、または基地局1に帰属する端末装置が存在しないとき、起動状態からスリープ状態へ移行する。この場合、メイン装置14は、スリープ信号SLPをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信した後にスリープ状態へ移行する。より具体的には、メイン装置14は、電源15が電力をメイン装置14へ供するのを停止することによってスリープ状態へ移行する。なお、一定の期間T1は、例えば、数十秒に設定される。
【0043】
更に、メイン装置14は、スリープ状態にあるときに、ウェイクアップ装置13から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、メイン装置14は、基地局1が起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0044】
更に、メイン装置14は、ウェイクアップ信号を生成して他の基地局へ送信するための制御信号CTL2をイーサネットETHを介して制御装置7から受信すると、ウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号をアンテナ11を介して他の基地局へ送信する。
【0045】
電源15は、100μWの電力をウェイクアップ装置13へ供給し、7Wの電力をメイン装置14へ供給する。
【0046】
切替器12は、スイッチ121と、端子122,123とを含む。ウェイクアップ装置13は、ウェイクアップ信号受信器131と、ウェイクアップ判定器132とを含む。メイン装置14は、無線通信モジュール141と、有線通信モジュール142と、ホストシステム143とを含む。
【0047】
スイッチ121は、アンテナ11に接続される。端子122は、ウェイクアップ信号受信器131に接続される。端子123は、無線通信モジュール141に接続される。
【0048】
スイッチ121は、メイン装置14のホストシステム143から制御信号CTL1を受ける。そして、スイッチ121は、その制御信号CTL1によってアンテナ11を端子122または端子123に接続する。
【0049】
この場合、制御信号CTL1は、L(論理ロー)レベルの信号、またはH(論理ハイ)レベルの信号からなる。そして、スイッチ121は、制御信号CTL1がLレベルの信号からなる場合、アンテナ11を端子122に接続し、制御信号CTL1がHレベルの信号からなる場合、アンテナ11を端子123に接続する。
【0050】
ウェイクアップ信号受信器131は、パケットを受信する機能のみを有し、パケットを送信する機能を有しない。
【0051】
ウェイクアップ信号受信器131は、無線通信帯域(=2.45GHz帯)と異なる周波数に設定されたチャネルXを有する。そして、ウェイクアップ信号受信器131は、スイッチ121が端子122に接続されたとき、チャネルXでウェイクアップ信号を待ち受ける。
【0052】
ウェイクアップ信号受信器131は、ウェイクアップ信号をアンテナ11を介して受信すると、その受信したウェイクアップ信号を復調し、その復調したウェイクアップ信号をウェイクアップ判定器132へ出力する。
【0053】
ウェイクアップ判定器132は、基地局1のIDを予め保持している。ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップ信号をウェイクアップ信号受信器131から受ける。そして、ウェイクアップ判定器132は、その受けたウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDを抽出する。
【0054】
そうすると、ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致するか否かを判定する。ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14のホストシステム143へ出力する。一方、ウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局1のIDに一致しないと判定したとき、その抽出したウェイクアップIDを破棄する。
【0055】
無線通信モジュール141は、端末装置4との間のデータ通信に使用されるチャネルZ(=2.45GHz帯の1つの周波数を有する周波数チャネル)が予め設定されている。
【0056】
無線通信モジュール141は、ホストシステム143からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム143からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、無線通信モジュール141が動作を停止した状態である。
【0057】
また、無線通信モジュール141は、アンテナ11を介してビーコンフレームBeaconを定期的に送信し、端末装置4との間で無線通信リンクを確立する。そして、無線通信モジュール141は、端末装置4と無線通信を行う。この場合、無線通信モジュール141は、端末装置4から受信したパケットからデータを取り出してホストシステム143へ出力し、ホストシステム143から受けたデータを含むパケットを生成して端末装置4へ送信する。
【0058】
無線通信モジュール141は、ウェイクアップ信号をホストシステム143から受けると、その受けたウェイクアップ信号をオンオフキーイングの変調方式によって変調し、その変調したウェイクアップ信号をアンテナ11を介してチャネルXで他の基地局へ送信する。
【0059】
このオンオフキーイングの変調方式は、伝送レートが数十kbps〜数百kbpsである変調方式であり、通常の無線LANに用いられる変調方式よりも伝送レートが低い。このように伝送レートが低い変調方式によってウェイクアップ信号を変調するのは、100μWという非常に低い電力で動作するウェイクアップ装置13によってウェイクアップ信号を復調できるようにするためである。
【0060】
有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して他の基地局からデータを受信し、その受信したデータをホストシステム143へ出力する。
【0061】
また、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からデータを受け、その受けたデータをイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0062】
更に、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム143からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、有線通信モジュール142が動作を停止した状態である。
【0063】
ホストシステム143は、一定の期間T1、端末装置4からのパケットを無線通信モジュール141を介して受けないとき、または基地局1の通信範囲内に端末装置が存在しないとき、スリープ信号SLPを生成し、その生成したスリープ信号SLPをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。その後、ホストシステム143は、コマンド信号COM1を生成し、その生成したコマンド信号COM1を無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Lレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。そして、ホストシステム143は、スリープ状態(=停止状態)へ移行する。
【0064】
また、ホストシステム143は、ウェイクアップ判定器132から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、ホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成し、その生成したコマンド信号COM2を無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。その後、ホストシステム143は、基地局1がスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0065】
更に、ホストシステム143は、他の基地局の通信範囲内に存在する端末装置宛てのデータパケットDataを無線通信モジュール141を介して端末装置4から受信すると、その受信したデータパケットData、または他の基地局へデータパケットDataを送信したいことを示す制御フレームCFMを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。その後、ホストシステム143は、他の基地局が通信可能であることを示す通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して制御装置7から受信すると、データパケットDataを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して他の基地局へ送信する。
【0066】
更に、ホストシステム143は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局1を制御するための制御信号CTL3を制御装置7から有線通信モジュール142を介して受信すると、ESSID、BSSID、およびそれらのハッシュ値のいずれかからなるウェイクアップIDを生成し、その生成したウェイクアップIDを含むウェイクアップ信号を生成する。そして、ホストシステム143は、その生成したウェイクアップ信号を無線通信モジュール141へ出力する。なお、ウェイクアップIDは、基地局1が起動させる他の基地局を示す情報である。
【0067】
更に、ホストシステム143は、無線通信モジュール141からデータを受けると、その受けたデータを有線通信モジュール142へ出力する。
【0068】
更に、ホストシステム143は、有線通信モジュール142からデータを受けると、その受けたデータを無線通信モジュール141へ出力する。
【0069】
更に、ホストシステム143は、基地局1の通信範囲内に存在する端末装置を管理する。
【0070】
なお、図1に示す基地局2,3の各々も、図2に示す基地局1と同じ構成からなる。
【0071】
図3は、図1に示す制御装置7の構成図である。図3を参照して、制御装置7は、受信部71と、送信部72と、制御部73と、記憶部74と、経路情報保持部75とを含む。
【0072】
受信部71および送信部72は、イーサネットETHに接続される。受信部71は、データパケットDataまたは制御フレームCFMをイーサネットETHを介して基地局1〜3のいずれかから受信し、その受信したデータパケットDataまたは制御フレームCFMを制御部73へ出力する。
【0073】
また、受信部71は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信した送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとを制御部73へ出力する。
【0074】
更に、受信部71は、起動通知DRVまたはスリープ信号SLPをイーサネットETHを介して基地局1〜3から受信し、その受信した起動通知DRVまたはスリープ信号SLPを制御部73へ出力する。
【0075】
送信部72は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局(基地局1〜3のいずれか)を制御するための制御信号CTL2を制御部73から受ける。そして、送信部72は、その受けた制御信号CTL2をイーサネットETHを介して基地局(基地局1〜3のいずれか)へ送信する。
【0076】
また、送信部72は、通信可能信号CMONを制御部73から受け、その受けた通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して基地局(基地局1〜3のいずれか)へ送信する。
【0077】
制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcと、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとを受信部71から受けると、その受けた送信元のアドレスSrcと、基地局のアドレスDstとに基づいて、基地局1〜3が相互に無線通信を行うための経路を示す経路表を作成する。この場合、制御部73は、OLSRまたはAODVのプロトコルに従って経路表を作成する。そして、制御部73は、その作成した経路表を経路情報保持部75に格納する。
【0078】
なお、OLSRまたはAODVのプロトコルに従って経路表を作成する方法自体は、公知であるので、その説明を省略するが、無線通信分野の技術者は、「OLSRまたはAODVのプロトコル」という文言に接すれば、送信元のアドレスSrcと、基地局のアドレスDstとに基づいて経路表を作成できる。
【0079】
また、制御部73は、起動通知DRVまたはスリープ信号SLPを受信部71から受けると、その受けた起動通知DRVまたはスリープ信号SLPに基づいて、各基地局1〜3の状態を示す状態情報を作成し、その作成した状態情報を記憶部74に記憶する。
【0080】
更に、制御部73は、データパケットDataまたは制御フレームCFMを受信部71から受けると、状態情報を記憶部74から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、データパケットDataの送信先である基地局がスリープ状態であるか起動状態であるかを判定する。
【0081】
制御部73は、データパケットDataの送信先である基地局が起動状態であると判定したとき、通信可能信号CMONを生成して送信部72へ出力する。
【0082】
一方、制御部73は、データパケットDataの送信先である基地局がスリープ状態であると判定したとき、経路表を経路情報保持部75から読み出し、その読み出した経路表を更に参照して、そのスリープ状態である基地局へ無線通信によってウェイクアップ信号を届かせることができる基地局BS_WUを決定し、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局BS_WUを制御するための制御信号CTL2を生成して送信部72へ出力する。
【0083】
更に、制御部73は、制御信号CTL2を送信部72へ出力した後、起動通知DRVを受信部71から受けると、通信可能信号CMONを生成して送信部72へ出力する。
【0084】
記憶部74は、各基地局1〜3の状態を示す状態情報を記憶する。経路情報保持部75は、基地局1〜3が相互に無線通信を行うための経路を示す経路表を保持する。
【0085】
図4は、状態情報の概念図である。図4を参照して、状態情報IFSTは、基地局1〜3と、基地局1〜3に対応付けられた状態(=スリープ状態または起動状態)とからなる。
【0086】
図5は、経路表の概念図である。図5を参照して、経路表RTは、送信先と、次の基地局と、ホップ数とを含む。送信先、次の基地局およびホップ数は、相互に対応付けられる。
【0087】
送信先は、データパケットの送信先である基地局のアドレスからなる。次の基地局は、各基地局がデータパケットを送信先へ送信するときの次に送信すべき基地局のアドレスからなる。ホップ数は、送信先の基地局までの無線通信の回数からなる。例えば、図1に示す基地局1が基地局3へ無線通信によってデータパケットを送信する場合、ホップ数は、“2”である。
【0088】
図6は、実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。また、図7は、状態情報の具体例を示す図である。更に、図8は、経路表の具体例を示す図である。
【0089】
図6を参照して、基地局1,2は、起動状態であり、基地局3は、スリープ状態である。そして、端末装置4は、端末装置6宛てのデータパケットDataを生成し、その生成したデータパケットDataを無線通信によって基地局1へ送信する。
【0090】
この場合、データパケットDataの宛先は、端末装置6であり、基地局3を経由する必要がある。しかし、基地局1は、基地局3との間で電波を直接送受信できないので、スリープ状態にある基地局3をウェイクアップさせることができない。
【0091】
このような状況において、基地局3を確実にウェイクアップさせる方法について説明する。
【0092】
図6に示す状況において、制御装置7は、図7に示す状態情報IFST−1を記憶部74に記憶しており、図8に示す経路表RT−1を経路情報保持部75に保持している。
【0093】
この場合、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局2のアドレスAdd2と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局1のアドレスAdd1とを基地局1から受信する。また、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局2のアドレスAdd2と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局3のアドレスAdd3とを基地局3から受信する。更に、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局1のアドレスAdd1と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局2のアドレスAdd2とを基地局2から受信する。更に、制御装置7の制御部73は、Helloパケットの送信元のアドレスSrcとして基地局3のアドレスAdd3と、Helloパケットを受信した基地局のアドレスDstとして基地局2のアドレスAdd2とを基地局2から受信する。そして、制御装置7の制御部73は、その受信した送信元のアドレスAdd2と基地局1のアドレスAdd1との組み合わせ、送信元のアドレスAdd2と基地局3のアドレスAdd3との組み合わせ、送信元のアドレスAdd1と基地局2のアドレスAdd2との組み合わせ、および送信元のアドレスAdd3と基地局2のアドレスAdd2との組み合わせに基づいて、図8に示す経路表RT−1を作成する。
【0094】
基地局1のホストシステム143は、データパケットDataを端末装置4から無線通信モジュール141を介して受信すると、データパケットDataまたは制御フレームCRMを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0095】
制御装置7の受信部71は、データパケットDataまたは制御フレームCRMをイーサネットETHを介して基地局1から受信し、その受信したデータパケットDataまたは制御フレームCRMを制御部73へ出力する。
【0096】
制御装置7の制御部73は、データパケットDataまたは制御フレームCRMを受信部71から受けると、記憶部74から状態情報IFST−1を読み出し、その読み出した状態情報IFST−1を参照して、基地局1,2が起動状態であり、基地局3がスリープ状態であることを検出する。
【0097】
また、制御装置7の制御部73は、経路情報保持部75から経路表RT−1を読み出し、その読み出した経路表RT−1を参照して、基地局1と基地局3との間では、電波を直接送受信できないことを検知し(経路表RT−1の3,4行目参照)、基地局2が基地局1と基地局3との間に位置し、基地局2が基地局1,3の両方との間で電波を直接送受信できることを検知する(経路表RT−1の1〜4行目参照)。
【0098】
そうすると、制御装置7の制御部73は、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届かせることができる基地局BS_WUとして基地局2を決定する。そして、制御装置7の制御部73は、ウェイクアップ信号を生成して基地局3へ送信するように基地局2を制御するための制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2を送信部72およびイーサネットETHを介して基地局2へ送信する。
【0099】
基地局2の有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して制御信号CTL2を受信し、その受信した制御信号CTL2をホストシステム143へ出力する。
【0100】
基地局2のホストシステム143は、制御信号CTL2を有線通信モジュール142から受け、その受けた制御信号CTL2に応じて、基地局3を示すウェイクアップIDからなるウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信モジュール141へ出力する。
【0101】
基地局2の無線通信モジュール141は、ホストシステム143からウェイクアップ信号を受けると、その受けたウェイクアップ信号を上述した方法によって変調し、その変調したウェイクアップ信号をチャネルXでアンテナ11を介して基地局3へ送信する。
【0102】
基地局3のウェイクアップ信号受信器131は、アンテナ11を介してウェイクアップ信号をチャネルXで基地局2から受信し、その受信したウェイクアップ信号を復調し、その復調したウェイクアップ信号をウェイクアップ判定器132へ出力する。
【0103】
基地局3のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップ信号をウェイクアップ信号受信器131から受け、その受けたウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDを抽出する。
【0104】
そうすると、基地局3のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局3のIDに一致するか否かを判定する。基地局3のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局3のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14のホストシステム143へ出力する。
【0105】
基地局3のホストシステム143は、ウェイクアップ判定器132からの起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、基地局3のホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。
【0106】
基地局3の無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM2に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行し、スイッチ121は、Hレベルの制御信号CTL1に応じて、端子123に接続される。
【0107】
その後、基地局3のホストシステム143は、基地局3がスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0108】
制御装置7の受信部71は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを基地局3から受信し、その受信した起動通知DRVを制御部73へ出力する。制御装置7の制御部73は、受信部71から受けた起動通知DRVに応じて、状態情報IFST−1の基地局3に対応する状態をスリープ状態から起動状態へ変える。
【0109】
その後、制御装置7の制御部73は、基地局3が通信可能であることを示す通信可能信号CMONを生成し、その生成した通信可能信号CMONを送信部72およびイーサネットETHを介して基地局1へ送信する。
【0110】
基地局1の有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して通信可能信号CMONを制御装置7から受信し、その受信した通信可能信号CMONをホストシステム143へ出力する。
【0111】
そうすると、基地局1のホストシステム143は、有線通信モジュール142からの通信可能信号CMONに応じて、端末装置4から受信したデータパケットDataを有線通信モジュール142へ出力し、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からのデータパケットDataをイーサネットETHを介して基地局3へ送信する。
【0112】
基地局3の有線通信モジュール142は、データパケットDataをイーサネットETHを介して基地局1から受信し、その受信したデータパケットDataをホストシステム143へ出力し、ホストシステム143は、データパケットDataを無線通信モジュール141へ出力し、無線通信モジュール141は、データパケットDataを無線LANの通信方式に従って変調して端末装置6へ送信する。これによって、端末装置6は、端末装置4から送信された自己宛てのデータパケットDataを受信する。
【0113】
図9は、スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【0114】
図9を参照して、基地局3をウェイクアップさせる動作が開始されると、基地局1は、データパケットDataを端末装置4から受信し(ステップS1)、データパケットDataまたは制御フレームCFMをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する(ステップS2)。
【0115】
そして、制御装置7は、イーサネットETHを介してデータパケットDataまたは制御フレームCFMを受信し(ステップS3)、その受信したデータパケットDataまたは制御フレームCFMに基づいて、基地局1が基地局3との通信を要求していることを検知する。
【0116】
そうすると、制御装置7は、状態情報IFST−1を参照して、基地局1,2が起動状態であり、基地局3がスリープ状態であることを検出する。そして、制御装置7は、更に、経路表RT−1を参照して、基地局3へウェイクアップ信号を届けることができる基地局BS_WUとして基地局2を決定する(ステップS4)。
【0117】
その後、制御装置7は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局2を制御するための制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2をイーサネットETHを介して基地局2へ送信する(ステップS5)。
【0118】
基地局2は、イーサネットETHを介して制御信号CTL2受信し(ステップS6)、その受信した制御信号CTL2に応じて、ウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信によって基地局3へ送信する(ステップS7)。
【0119】
基地局3は、ウェイクアップ信号を基地局2から受信し(ステップS8)、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS9)。そして、基地局3は、起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する(ステップS10)。
【0120】
制御装置7は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを受信し(ステップS11)、その受信した起動通知DRVに応じて、通信可能信号CMONを生成し、その生成した通信可能信号CMONをイーサネットETHを介して基地局1へ送信する(ステップS12)。
【0121】
基地局1は、イーサネットETHを介して通信可能信号CMONを受信し(ステップS13)、その受信した通信可能信号CMONに応じて、データパケットDataをイーサネットETHを介して基地局3へ送信する(ステップS14)。そして、基地局3は、データパケットDataをイーサネットETHを介して基地局1から受信し、その受信したデータパケットDataを無線通信によって端末装置6へ送信する。これによって、一連の動作が終了する。
【0122】
このように、データパケットDataを受信した基地局1がデータパケットDataの送信先である基地局3を、直接、ウェイクアップさせることができない場合、制御装置7が基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局BS_WUとして基地局2を決定し、その決定した基地局2に基地局3をウェイクアップさせる。つまり、制御装置7は、データパケットDataを送信したい基地局1以外の基地局であり、かつ、スリープ状態にある基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2に基地局3をウェイクアップさせる。
【0123】
従って、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、スリープ状態である基地局3を確実にウェイクアップできる。
【0124】
図10は、実施の形態1における基地局をウェイクアップさせる他の方法を説明するための概念図である。また、図11は、状態情報の他の具体例を示す図である。
【0125】
図10の(a)を参照して、基地局3をウェイクアップさせるときに、基地局2がスリープ状態である場合、図9に示す方法では、基地局3をウェイクアップさせることができない。
【0126】
制御装置7の制御部73は、状態情報IFST−2を参照して基地局2がスリープ状態であることを検出すると、経路表RT−1を更に参照して、基地局1がウェイクアップ信号を基地局2に届かせることができることを検出する。そして、制御装置7の制御部73は、ウェイクアップ信号を生成して基地局2へ送信するように基地局1を制御するための制御信号CTL3を生成し、その生成した制御信号CTL3を送信部72およびイーサネットETHを介して基地局1へ送信する。
【0127】
基地局1の有線通信モジュール142は、イーサネットETHを介して制御信号CTL3を受信し、その受信した制御信号CTL3をホストシステム143へ出力する。
【0128】
基地局1のホストシステム143は、制御信号CTL3を有線通信モジュール142から受け、その受けた制御信号CTL3に応じて、基地局2を示すウェイクアップIDからなるウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信モジュール141へ出力する。
【0129】
基地局1の無線通信モジュール141は、ホストシステム143からウェイクアップ信号を受けると、その受けたウェイクアップ信号を上述した方法によって変調し、その変調したウェイクアップ信号をチャネルXでアンテナ11を介して基地局2へ送信する。
【0130】
基地局2のウェイクアップ信号受信器131は、アンテナ11を介してウェイクアップ信号をチャネルXで基地局1から受信し、その受信したウェイクアップ信号を復調し、その復調したウェイクアップ信号をウェイクアップ判定器132へ出力する。
【0131】
基地局2のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップ信号をウェイクアップ信号受信器131から受け、その受けたウェイクアップ信号に含まれるウェイクアップIDを抽出する。
【0132】
そうすると、基地局2のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局2のIDに一致するか否かを判定する。基地局2のウェイクアップ判定器132は、ウェイクアップIDが基地局2のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14のホストシステム143へ出力する。
【0133】
基地局2のホストシステム143は、ウェイクアップ判定器132からの起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、基地局2のホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力する。
【0134】
基地局2の無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM2に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行し、スイッチ121は、Hレベルの制御信号CTL1に応じて、端子123に接続される。
【0135】
その後、基地局2のホストシステム143は、基地局2がスリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。
【0136】
制御装置7の受信部71は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを基地局2から受信し、その受信した起動通知DRVを制御部73へ出力する。制御装置7の制御部73は、受信部71から受けた起動通知DRVに応じて、状態情報IFST−2(図11参照)の基地局2に対応する状態をスリープ状態から起動状態へ変える。即ち、状態情報IFST−2は、状態情報IFST−1(図7参照)に更新される。
【0137】
図10の(b)を参照して、基地局2が起動状態へ移行すると、上述した図9に示す方法によって基地局3をウェイクアップさせる。
【0138】
この場合、基地局2は、上述した方法によって、制御装置7からの制御信号CTL2に応じてウェイクアップ信号を基地局3へ送信すると、起動状態からスリープ状態へ移行する。
【0139】
より具体的には、基地局2の無線通信モジュール141がウェイクアップ信号をアンテナ11を介して基地局3へ送信すると、ホストシステム143は、スリープ信号SLPを生成し、その生成したスリープ信号SLPを有線通信モジュール142およびイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する。そして、基地局2のホストシステム143は、コマンド信号COM1を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ送信するとともに、Lレベルの制御信号CTL1を生成して切替器12へ出力し、その後、スリープ状態へ移行する。また、無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM1に応じてスリープ状態へ移行し、切替器12のスイッチ121は、Lレベルの制御信号CTL1に応じて端子122に接続される。
【0140】
図12は、スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる他の方法を示す実施の形態1におけるフローチャートである。
【0141】
図12を参照して、一連の動作が開始されると、図9に示すステップS1〜ステップS4と同じステップが順次実行される(ステップS21〜ステップS24)。
【0142】
そして、ステップS24の後、制御装置7は、基地局2がスリープ状態であることを検出し、ウェイクアップ信号を基地局2へ届けることができる基地局BS_WUとして基地局1を決定する(ステップS25)。
【0143】
そうすると、制御装置7は、ウェイクアップ信号を生成して送信するように基地局1を制御するための制御信号CTL3を生成し、その生成した制御信号CTL3をイーサネットETHを介して基地局1へ送信する(ステップS26)。
【0144】
基地局1は、制御信号CTL3を受信し(ステップS27)、その受信した制御信号CTL3に応じて、ウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を無線通信によって基地局2へ送信する(ステップS28)。
【0145】
基地局2は、基地局1から送信されたウェイクアップ信号を受信し(ステップS29)、その受信したウェイクアップ信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS30)。
【0146】
その後、基地局2は、スリープ状態から起動状態へ移行したことを示す起動通知DRVを生成し、その生成した起動通知DRVをイーサネットETHを介して制御装置7へ送信する(ステップS31)。
【0147】
制御装置7は、イーサネットETHを介して起動通知DRVを基地局2から受信する(ステップS32)。
【0148】
その後、図9に示すステップS5〜ステップS15が順次実行される(ステップS33)。この場合、基地局2は、ステップS7を実行すると、スリープ信号SLPを制御装置7へ送信し、その後、起動状態からスリープ状態へ移行する。
【0149】
このように、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2がスリープ状態である場合、そのスリープ状態である基地局2にウェイクアップ信号を届けることができる基地局1が基地局2をウェイクアップさせ、その後、基地局2が基地局3をウェイクアップさせることによって、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、基地局3を確実にウェイクアップさせることができる。つまり、起動状態にある基地局1からウェイクアップ信号を順次送信し、最終的に、基地局3をウェイクアップさせる。
【0150】
そして、基地局2は、基地局3をウェイクアップさせる機能を果たした後、スリープ状態へ移行する。従って、通信システム10における消費電力を節約できる。
【0151】
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2による通信システムの概略図である。図13を参照して、実施の形態2による通信システム10Aは、図1に示す通信システム10の基地局2を基地局2Aに代え、制御装置7を制御装置7Aに代えたものであり、その他は、通信システム10と同じである。
【0152】
基地局2Aは、基地局1,3と同様にイーサネットETHに接続される。基地局2Aは、スリープ状態であるときに、マジックパケットをイーサネットETHを介して制御装置7Aから受信すると、スリープ状態から起動状態へ移行する。基地局2Aは、その他、基地局2と同じ機能を果たす。
【0153】
制御装置7Aは、制御装置7と同様にイーサネットETHに接続され、イーサネットETHを介して基地局1,2A,3と通信を行う。
【0154】
そして、制御装置7Aは、WOL(Wake On Lan)の機能を備えており、基地局3をウェイクアップさせるときに基地局2Aがスリープ状態である場合、マジックパケットを生成し、その生成したマジックパケットをイーサネットETHを介して基地局2Aへ送信する。この場合、マジックパケットは、IPヘッダに続いて、0xffffffffffff(6バイト)と、WOL対象のコンピュータのネットワーク・アダプタのMACアドレス(6バイト)が16回連続する102バイトのデータを含む。
【0155】
制御装置7Aは、その他、制御装置7と同じ機能を果たす。
【0156】
図14は、図13に示す基地局2Aの構成図である。図14を参照して、基地局2Aは、図2に示す基地局2のメイン装置14をメイン装置14Aに代えたものであり、その他は、基地局2と同じである。
【0157】
メイン装置14Aは、メイン装置14の有線通信モジュール142およびホストシステム143をそれぞれ有線通信モジュール142Aおよびホストシステム143Aに代えたものであり、その他は、メイン装置14と同じである。
【0158】
基地局2Aにおいては、スリープ状態とは、無線通信モジュール141およびホストシステム143Aの動作が停止し、有線通信モジュール142Aが動作している状態を言う。即ち、基地局2Aにおいては、スリープ状態とは、無線通信が不可能であるが、有線通信が可能である状態を言う。従って、基地局2Aにおいては、有線通信モジュール142Aは、動作を停止せず、ホストシステム143Aは、コマンド信号COM1,COM2を有線通信モジュール142Aへ出力しない。
【0159】
そして、ホストシステム143Aは、有線通信モジュール142Aからマジックパケットを受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。即ち、ホストシステム143Aは、ウェイクアップ判定器132からの起動信号によってスリープ状態から起動状態へ移行するとともに、有線通信モジュール142Aからのマジックパケットによってスリープ状態から起動状態へ移行する。
【0160】
有線通信モジュール142Aは、その他、有線通信モジュール142と同じ機能を果たし、ホストシステム143Aは、その他、ホストシステム143と同じ機能を果たす。
【0161】
図15は、図13に示す制御装置7Aの構成図である。図15を参照して、制御装置7Aは、図3に示す制御装置7の制御部73を制御部73Aに代えたものであり、その他は、制御装置7と同じである。
【0162】
制御部73Aは、WOLの機能を備えている。そして、制御部73Aは、記憶部74から読み出した状態情報IFSTを参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることができる基地局2Aがスリープ状態であることを検出すると、マジックパケットを生成し、その生成したマジックパケットを送信部72およびイーサネットETHを介して基地局2Aの有線通信モジュール142Aへ送信する。制御部73Aは、その他、制御部73と同じ機能を果たす。
【0163】
図16は、実施の形態2における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。また、図17は、状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【0164】
図16の(a)を参照して、制御装置7Aの制御部73Aは、経路表RT−1を参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることできる基地局BS_WUとして基地局2Aを決定し、状態情報IFST−3を参照して基地局2Aの有線通信が起動状態であることを検出すると、マジックパケットMgc_PKTを生成する。そして、制御装置7Aの制御部73Aは、その生成したマジックパケットMgc_PKTを送信部72およびイーサネットETHを介して基地局2Aへ送信する。
【0165】
基地局2Aの有線通信モジュール142Aは、イーサネットETHを介してマジックパケットMgc_PKTを制御装置7Aから受信し、その受信したマジックパケットMgc_PKTをホストシステム143Aへ出力する。そうすると、基地局2Aのホストシステム143Aは、スリープ状態から起動状態へ移行し、コマンド信号COM2を無線通信モジュール141へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を切替器12へ出力する。そして、無線通信モジュール141は、コマンド信号COM2に応じてスリープ状態から起動状態へ移行し、切替器12のスイッチ121は、端子123に接続される。
【0166】
図16の(b)を参照して、制御装置7Aの制御部73Aは、マジックパケットMgc_PKTを基地局2Aへ送信した後、制御信号CTL2を生成して基地局2Aへ送信する。その後、実施の形態1において説明した方法によって基地局3をウェイクアップさせる。
【0167】
図18は、スリープ状態である基地局をウェイクアップさせる方法を示す実施の形態2におけるフローチャートである。
【0168】
図18を参照して、一連の動作が開始されると、図9に示すステップS1〜ステップS4と同じステップが順次実行される(ステップS41〜ステップS44)。
【0169】
そして、ステップS44の後、制御装置7Aは、状態情報IFST−3を参照して、基地局2Aの有線通信モジュール142Aが起動状態であることを検出する。そうすると、制御装置7Aは、マジックパケットMgc_PKTを生成し、その生成したマジックパケットMgc_PKTをイーサネットETHを介して基地局2Aへ送信する(ステップS45)。
【0170】
基地局2Aは、マジックパケットMgc_PKTを受信し(ステップS46)、その受信したマジックパケットMgc_PKTに応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS47)。
【0171】
その後、図9に示すステップS5〜ステップS15が順次実行される(ステップS48)。この場合、基地局2Aは、ステップS7を実行すると、スリープ信号SLPを制御装置7Aへ送信し、その後、起動状態からスリープ状態(無線通信が不可能であるが、有線通信が可能である状態)へ移行する。
【0172】
このように、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2Aの無線通信が不可能であるが、基地局2Aの有線通信が可能である場合、マジックパケットMgc_PKTによって基地局2Aを起動状態へ移行させ、その後、基地局2Aが基地局3をウェイクアップさせることによって、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、基地局3を確実にウェイクアップさせることができる。
【0173】
また、制御装置7Aが基地局1に基地局2Aをウェイクアップさせずに有線通信によって基地局2Aを起動状態へ移行させるので、基地局1に基地局2Aをウェイクアップさせる場合よりも、通信システム10A全体として電力を節約できる。
【0174】
[実施の形態3]
図19は、実施の形態3による通信システムの概略図である。図19を参照して、実施の形態3による通信システム10Bは、図1に示す通信システム10の基地局2および制御装置7をそれぞれ基地局2Bおよび制御装置7Bに代え、イーサネットETHをネットワーク20に代えたものであり、その他は、通信システム10と同じである。
【0175】
基地局1,2B,3は、ネットワーク20を介して制御装置7Bと通信を行う。基地局2Bは、スリープ状態であるときに、ネットワーク20を介して制御信号CTL2を制御装置7Bから受信し、その受信した制御信号CTL2に応じて、ウェイクアップ信号を生成して基地局3へ送信する。基地局2Bは、その他、基地局2と同じ機能を果たす。
【0176】
制御装置7Bは、ネットワーク20を介して基地局1,2B,3と通信を行う。そして、制御装置7Bは、基地局3をウェイクアップさせるときに基地局2Bがスリープ状態である場合、制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2をネットワーク20を介して基地局2Bへ送信する。
【0177】
ネットワーク20は、3Gネットワーク、インターネット、ADSLおよび光ネットワーク等からなる。
【0178】
図20は、図19に示す基地局2Bの構成図である。図20を参照して、基地局2Bは、図2に示す基地局2のメイン装置14をメイン装置14Bに代えたものであり、その他は、基地局2と同じである。
【0179】
メイン装置14Bは、メイン装置14の有線通信モジュール142およびホストシステム143をそれぞれ通信モジュール142Bおよびホストシステム143Bに代えたものであり、その他は、メイン装置14と同じである。
【0180】
基地局2Bにおいては、スリープ状態とは、無線通信モジュール141およびホストシステム143Bの動作が停止し、通信モジュール142Bが動作している状態を言う。即ち、基地局2Bにおいては、スリープ状態とは、無線通信が不可能であるが、ネットワーク20を介した通信が可能である状態を言う。従って、基地局2Bにおいては、通信モジュール142Bは、動作を停止せず、ホストシステム143Bは、コマンド信号COM1,COM2を通信モジュール142Bへ出力しない。
【0181】
そして、ホストシステム143Bは、通信モジュール142Bから制御信号CTL2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。即ち、ホストシステム143Bは、ウェイクアップ判定器132からの起動信号によってスリープ状態から起動状態へ移行するとともに、通信モジュール142Bからの制御信号CTL2によってスリープ状態から起動状態へ移行する。
【0182】
通信モジュール142Bは、その他、有線通信モジュール142と同じ機能を果たし、ホストシステム143Bは、その他、ホストシステム143と同じ機能を果たす。
【0183】
基地局1,3の有線通信モジュール142は、実施の形態3においては、ネットワーク20を介して制御装置7Bと通信を行う。
【0184】
図21は、図19に示す制御装置7Bの構成図である。図21を参照して、制御装置7Bは、図3に示す制御装置7の受信部71、送信部72および制御部73をそれぞれ受信部71A、送信部72Aおよび制御部73Aに代えたものであり、その他は、制御装置7と同じである。
【0185】
受信部71Aは、ネットワーク20を介して基地局1,2B,3から起動通知DRV等を受信し、その受信した起動通知DRV等を制御部73Bへ出力する。
【0186】
送信部72Aは、制御部73Bから受けた制御信号CTL2等をネットワーク20を介して基地局2B等へ送信する。
【0187】
制御部73Bは、記憶部74から読み出した状態情報IFSTを参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることができる基地局2Bがスリープ状態であることを検出すると、制御信号CTL2を生成し、その生成した制御信号CTL2を送信部72Aおよびネットワーク20を介して基地局2Bの通信モジュール142Bへ送信する。制御部73Bは、その他、制御部73と同じ機能を果たす。
【0188】
図22は、実施の形態3における基地局をウェイクアップさせる方法を説明するための概念図である。また、図23は、状態情報の更に他の具体例を示す図である。
【0189】
図22を参照して、制御装置7Bの制御部73Bは、経路表RT−1を参照して、ウェイクアップ信号を基地局3に届けることできる基地局BS_WUとして基地局2Bを決定し、状態情報IFST−4(図23参照)を参照して基地局2Bのネットワーク通信が起動状態であることを検出すると、制御信号CTL2を生成する。そして、制御装置7Bの制御部73Bは、その生成した制御信号CTL2を送信部72Aおよびネットワーク20を介して基地局2Bへ送信する。
【0190】
基地局2Bの通信モジュール142Bは、ネットワーク20を介して制御信号CTL2を制御装置7Bから受信し、その受信した制御信号CTL2をホストシステム143Bへ出力する。そうすると、基地局2Bのホストシステム143Bは、スリープ状態から起動状態へ移行し、コマンド信号COM2を無線通信モジュール141へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTL1を切替器12へ出力する。そして、基地局2Bの無線通信モジュール141は、コマンド信号COM2に応じてスリープ状態から起動状態へ移行し、切替器12のスイッチ121は、端子123に接続される。
【0191】
その後、基地局2Bのホストシステム143Bは、ウェイクアップ信号を生成して無線通信モジュール141へ出力し、実施の形態1において説明した方法によって基地局3をウェイクアップさせる。
【0192】
実施の形態3においては、図9に示すフローチャートに従って、スリープ状態である基地局3をウェイクアップさせる。この場合、基地局2を基地局2Bと読み替え、イーサネットETHをネットワーク20と読み替えればよい。
【0193】
このように、スリープ状態である基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局2Bの無線通信が不可能であるが、基地局2Bのネットワーク通信が可能である場合、ネットワーク通信によって基地局2Bを起動状態へ移行させ、その後、基地局2Bが基地局3をウェイクアップさせることによって、基地局1からの電波が基地局3へ届かない環境においても、基地局3を確実にウェイクアップさせることができる。
【0194】
また、制御装置7Bが基地局1に基地局2Bをウェイクアップさせずにネットワーク通信によって基地局2Bを起動状態へ移行させるので、基地局1に基地局2Bをウェイクアップさせる場合よりも、通信システム10B全体として電力を節約できる。
【0195】
上述した実施の形態1においては、無線通信および有線通信の両方が不可能である状態をスリープ状態と定義し、実施の形態2においては、無線通信が不可能であるが、有線通信が可能である状態をスリープ状態と定義し、実施の形態3においては、無線通信が不可能であるが、ネットワーク通信が可能である状態をスリープ状態と定義した。
【0196】
従って、この発明の実施の形態においては、基地局は、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、有線通信が可能である第2のスリープ状態と、無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、無線通信および有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれかの状態を取り得る。そして、状態情報は、第1〜第3のスリープ状態と、起動状態とのいずれの状態にあるかを各基地局毎に示す。
【0197】
また、上記においては、データパケットを受信した基地局1と、ウェイクアップさせたい基地局3との間に1個の基地局2(または基地局2A,2B)が存在する場合について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在していてもよい。
【0198】
この場合、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てが起動状態であるとき、図9に示すフローチャートに従って、基地局3に最も近い基地局が基地局3にウェイクアップ信号を届けることができる基地局として決定され、基地局3がウェイクアップされる。
【0199】
一方、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てがスリープ状態(=無線通信および有線通信の両方が不可能)であるとき、基地局1が基地局1に最も近い基地局をウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が隣の基地局をウェイクアップさせることを繰り返し行い、最終的に基地局3をウェイクアップさせる。
【0200】
また、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てがスリープ状態(=無線通信が不可能であるが、有線通信が可能)であるとき、基地局3に最も近い基地局へマジックパケットを送信してウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が基地局3をウェイクアップさせる。
【0201】
更に、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の全てがスリープ状態(=無線通信が不可能であるが、ネットワーク通信が可能)であるとき、基地局3に最も近い基地局へ制御信号CTL2を送信してウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が基地局3をウェイクアップさせる。
【0202】
更に、基地局1と基地局3との間に複数の基地局が存在し、その複数の基地局の一部が起動状態であり、残りがスリープ状態(=無線通信および有線通信の両方が不可能)であり、起動状態にある基地局と基地局3との間にスリープ状態である基地局が存在するとき、起動状態にある一部の基地局のうち、基地局3に最も近い基地局がスリープ状態にある基地局をウェイクアップさせ、そのウェイクアップした基地局が隣の基地局をウェイクアップさせることを繰り返し行い、最終的に、基地局3にウェイクアップ信号を届かせることができる基地局が基地局3をウェイクアップさせる。
【0203】
更に、この発明の実施の形態においては、上述した制御装置7,7A,7Bの機能は、プログラムによって実現されてもよい。この場合、コンピュータは、CPUと、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Accesss Memory)と、通信インターフェースとを備える。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、上述した状態情報IFSTおよび経路表RTを作成してROMに格納する。
【0204】
また、制御装置7の機能を実現するプログラムProg−Aは、図9に示すステップS3〜S5,S11,S12、または図12に示すステップS23〜S26,S3〜S5,S11,S12からなり、制御装置7Aの機能を実現するプログラムProg−Bは、図18に示すステップS43〜S45,S3〜S5,S11,S12からなり、制御装置7Bの機能を実現するプログラムProg−Cは、図9に示すステップS3〜S5,S11,S12、または図12に示すステップS23〜S26,S3〜S5,S11,S12からなる。
【0205】
そして、プログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cは、ROMに格納されており、CPUは、プログラムProg−A,Prog−B,Prog−CのいずれかをROMから読み出し、その読み出したプログラム(プログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cのいずれか)を実行して基地局3がウェイクアップするように、基地局1,2;1,2A;1,2Bを制御する。
【0206】
従って、プログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cを記憶したROMは、コンピュータ(CPU)読み取り可能な記録媒体である。
【0207】
更に、この発明の実施の形態においては、上述したプログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cのみを販売し、従来のルータにプログラムProg−A,Prog−B,Prog−Cのいずれかをインストールして制御装置7,7A,7Bの機能を実現するようにしてもよい。
【0208】
上記においては、基地局1,2,2A,2B,3は、部屋の中に配置されると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基地局1が基地局2,2A,2Bと電波を直接送受信でき、基地局2,2A,2Bが基地局3と電波を直接送受信できるが、基地局1が基地局3と電波を直接送受信できない環境であれば、基地局1,2,2A,2B,3は、どのような場所に配置されていてもよい。
【0209】
なお、この発明の実施の形態においては、基地局3は、「第1の基地局」を構成し、基地局1は、「第2の基地局」を構成し、基地局2,2A,2Bは、「第3の基地局」を構成する。
【0210】
また、この発明の実施の形態においては、基地局1が制御装置7,7A,7Bへ送信するデータパケットDataまたは制御フレームCFRは、基地局1が基地局3との間で通信を開始する「開始信号」を構成する。
【0211】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0212】
この発明は、制御装置、それにおいて実行されるプログラム、およびその制御装置を備えた通信システムに適用される。
【符号の説明】
【0213】
1〜3,2A,2B 基地局、4〜6 端末装置、7,7A,7B 制御装置、10,10A,10B 通信システム、11 アンテナ、12 切替器、13 ウェイクアップ装置、14,14A,14B メイン装置、15 電源、20 ネットワーク、71 受信部、72 送信部、73,73A 制御部、74 記憶部、75 経路情報保持部、121 スイッチ、122,123 端子、131 ウェイクアップ信号受信器、132 ウェイクアップ判定器、141 無線通信モジュール、142,142A 有線通信モジュール、142B 通信モジュール、143,143A,143B ホストシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局を制御する制御装置であって、
無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、前記有線通信が可能である第2のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、前記無線通信および前記有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを前記基地局毎に示す状態情報を記憶する記憶部と、
前記3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表を保持する経路情報保持部と、
前記3個以上の基地局のうち、前記第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が前記第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を前記第2の基地局から受信する受信部と、
前記受信部から前記開始信号を受けると、前記状態情報および前記経路表を参照して、前記第1の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、前記第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信するように前記第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する制御部と、
前記制御部から受けた前記第1の制御信号を前記第3の基地局へ送信する送信部とを備え、
前記受信部は、更に、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第1の状態信号を前記第1の基地局から受信すると、その受信した第1の状態信号を前記制御部へ出力し、
前記制御部は、更に、前記第1の状態信号を前記受信部から受けると、前記第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記送信部は、更に、前記制御部から受けた前記第1の通信可能信号を前記第2の基地局へ送信する、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、更に、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信するように前記第2の基地局を制御するための第2の制御信号を生成し、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第2の起動信号を前記受信部から受けると、前記第1の制御信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記受信部は、更に、前記第2の起動信号を前記第3の基地局から受信すると、その受信した第2の起動信号を前記制御部へ出力し、
前記送信部は、更に、前記第2の制御信号を前記制御部から受けると、その受けた第2の制御信号を前記第2の基地局へ送信する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第2のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるためのマジックパケットを生成して前記送信部へ出力し、その後、前記第1の制御信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記送信部は、前記制御部から前記マジックパケットを受けると、その受けたマジックパケットを有線通信によって前記第3の基地局へ送信し、前記制御部から前記第1の制御信号を受けると、その受けた第1の制御信号を前記第3の基地局へ送信する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第3のスリープ状態であることを検出したとき、前記第1の制御信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記送信部は、前記制御部から前記第1の制御信号を受けると、その受けた第1の制御信号を前記ネットワークを介して前記第3の基地局へ送信する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、前記有線通信が可能である第2のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、前記無線通信および前記有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを前記基地局毎に示す状態情報と、前記3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを記憶する記憶部を備え、
前記プログラムは、
受信部が、前記3個以上の基地局のうち、前記第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が前記第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を前記第2の基地局から受信する第1のステップと、
制御部が、前記受信部から前記開始信号を受けると、前記状態情報および前記経路表を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報および経路表を参照して、前記第1の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、前記第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信するように前記第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する第2のステップと、
送信部が、前記制御部から受けた前記第1の制御信号を前記第3の基地局へ送信する第3のステップと、
前記受信部が、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を前記第1の基地局から受信すると、その受信した第1の起動信号を前記制御部へ出力する第4のステップと、
前記制御部が、前記第1の起動信号を前記受信部から受けると、前記第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して前記送信部へ出力する第5のステップと、
前記送信部が、前記制御部から受けた前記第1の通信可能信号を前記第2の基地局へ送信する第6のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
前記制御部が、前記状態情報を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信するように前記第2の基地局を制御するための第2の制御信号を生成する第7のステップと、
前記受信部が、前記第2の起動信号を前記第3の基地局から受信すると、その受信した第2の起動信号を前記制御部へ出力する第8のステップと、
前記送信部が、前記第2の制御信号を前記制御部から受けると、その受けた第2の制御信号を前記第2の基地局へ送信する第9のステップとを更にコンピュータに実行させ、
前記制御部は、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第2の起動信号を前記受信部から受けると、前記第2のステップを実行する、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
前記制御部が、前記状態情報を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第2のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるためのマジックパケットを生成して前記送信部へ出力する第7のステップと、
前記送信部が、前記制御部から前記マジックパケットを受けると、その受けたマジックパケットを有線通信によって前記第3の基地局へ送信する第8のステップとを更にコンピュータに実行させ、
前記第3のステップは、前記第7のステップの後に実行され、
前記第4から第6のステップは、前記第8のステップの後に実行される、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2のステップにおいて、前記状態情報を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第3のスリープ状態であることを検出したとき、前記第1の制御信号を生成し、
前記送信部は、前記第3のステップにおいて、前記制御部から前記第1の制御信号を受けると、その受けた第1の制御信号を前記ネットワークを介して前記第3の基地局へ送信する、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、前記有線通信が可能である第2のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、前記無線通信および前記有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれかの状態を取り得る複数の基地局と、
前記複数の基地局を制御する制御装置とを備え、
前記複数の基地局は、
第1の基地局と、
前記第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局と、
前記第1の基地局と前記第2の基地局との間で無線通信を中継する第3の基地局とを含み、
前記制御装置は、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態にあるときに前記第2の基地局が前記第1の基地局との間で無線通信を開始する開始信号を前記第2の基地局から受信すると、前記第1から第3のスリープ状態と前記起動状態とのいずれの状態にあるかを前記基地局毎に示す状態情報と、前記複数の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを参照して、前記第1の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ届かせることができる基地局として前記第3の基地局を決定し、前記第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信するように前記第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成して前記第3の基地局へ送信し、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を前記第1の基地局から受信すると、前記第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して前記第2の基地局へ送信し、
前記第2の基地局は、第1の端末装置から前記第1の基地局の通信範囲内に存在する第2の端末装置宛てのデータパケットを受信すると、前記開始信号を生成して前記制御装置へ送信し、前記第1の通信可能信号を前記制御装置から受信すると、前記データパケットを有線通信によって前記第1の基地局へ送信し、
前記第3の基地局は、前記第1の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第1のウェイクアップ信号を生成し、その生成した第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信し、
前記第1の基地局は、前記第1のウェイクアップ信号を前記第3の基地局から受信すると、前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行し、前記第1の起動信号を生成して前記制御装置へ送信し、前記データパケットを前記第2の基地局から受信すると、その受信したデータパケットを無線通信によって前記第2の端末装置へ送信する、通信システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信するように前記第2の基地局を制御するための第2の制御信号を生成して前記第2の基地局へ送信し、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第2の起動信号を前記第3の基地局から受信すると、前記第1の制御信号を生成して前記第3の基地局へ送信し、
前記第2の基地局は、更に、前記第2の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第2のウェイクアップ信号を生成し、その生成した第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信し、
前記第3の基地局は、更に、前記第2のウェイクアップ信号を前記第2の基地局から受信すると、前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行し、前記第2の起動信号を生成して前記制御装置へ送信し、前記第1の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第1のウェイクアップ信号を生成して前記第1の基地局へ送信し、前記起動状態から前記第1のスリープ状態へ移行する、請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第2のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるためのマジックパケットを生成して前記第3の基地局へ送信し、その後、前記第1の制御信号を生成して前記第3の基地局へ送信し、
前記第3の基地局は、更に、前記マジックパケットを前記制御装置から受信すると、前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行し、前記第1の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第1のウェイクアップ信号を生成して前記第1の基地局へ送信し、前記起動状態から前記第2のスリープ状態へ移行する、請求項10に記載の通信システム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第3のスリープ状態であることを検出したとき、前記第1の制御信号を生成し、その生成した第1の制御信号を前記ネットワークを介して前記第3の基地局へ送信する、請求項10に記載の通信システム。
【請求項1】
電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局を制御する制御装置であって、
無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、前記有線通信が可能である第2のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、前記無線通信および前記有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを前記基地局毎に示す状態情報を記憶する記憶部と、
前記3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表を保持する経路情報保持部と、
前記3個以上の基地局のうち、前記第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が前記第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を前記第2の基地局から受信する受信部と、
前記受信部から前記開始信号を受けると、前記状態情報および前記経路表を参照して、前記第1の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、前記第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信するように前記第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する制御部と、
前記制御部から受けた前記第1の制御信号を前記第3の基地局へ送信する送信部とを備え、
前記受信部は、更に、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第1の状態信号を前記第1の基地局から受信すると、その受信した第1の状態信号を前記制御部へ出力し、
前記制御部は、更に、前記第1の状態信号を前記受信部から受けると、前記第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記送信部は、更に、前記制御部から受けた前記第1の通信可能信号を前記第2の基地局へ送信する、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、更に、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信するように前記第2の基地局を制御するための第2の制御信号を生成し、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第2の起動信号を前記受信部から受けると、前記第1の制御信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記受信部は、更に、前記第2の起動信号を前記第3の基地局から受信すると、その受信した第2の起動信号を前記制御部へ出力し、
前記送信部は、更に、前記第2の制御信号を前記制御部から受けると、その受けた第2の制御信号を前記第2の基地局へ送信する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第2のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるためのマジックパケットを生成して前記送信部へ出力し、その後、前記第1の制御信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記送信部は、前記制御部から前記マジックパケットを受けると、その受けたマジックパケットを有線通信によって前記第3の基地局へ送信し、前記制御部から前記第1の制御信号を受けると、その受けた第1の制御信号を前記第3の基地局へ送信する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第3のスリープ状態であることを検出したとき、前記第1の制御信号を生成して前記送信部へ出力し、
前記送信部は、前記制御部から前記第1の制御信号を受けると、その受けた第1の制御信号を前記ネットワークを介して前記第3の基地局へ送信する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
電波を相互に直接送受信できない2つの基地局を含む3個以上の基地局の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、前記有線通信が可能である第2のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、前記無線通信および前記有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれの状態にあるかを前記基地局毎に示す状態情報と、前記3個以上の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを記憶する記憶部を備え、
前記プログラムは、
受信部が、前記3個以上の基地局のうち、前記第1のスリープ状態である第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局が前記第1の基地局との間で通信を開始する開始信号を前記第2の基地局から受信する第1のステップと、
制御部が、前記受信部から前記開始信号を受けると、前記状態情報および前記経路表を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報および経路表を参照して、前記第1の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ届かせることができる第3の基地局を決定し、前記第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信するように前記第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成する第2のステップと、
送信部が、前記制御部から受けた前記第1の制御信号を前記第3の基地局へ送信する第3のステップと、
前記受信部が、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を前記第1の基地局から受信すると、その受信した第1の起動信号を前記制御部へ出力する第4のステップと、
前記制御部が、前記第1の起動信号を前記受信部から受けると、前記第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して前記送信部へ出力する第5のステップと、
前記送信部が、前記制御部から受けた前記第1の通信可能信号を前記第2の基地局へ送信する第6のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
前記制御部が、前記状態情報を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信するように前記第2の基地局を制御するための第2の制御信号を生成する第7のステップと、
前記受信部が、前記第2の起動信号を前記第3の基地局から受信すると、その受信した第2の起動信号を前記制御部へ出力する第8のステップと、
前記送信部が、前記第2の制御信号を前記制御部から受けると、その受けた第2の制御信号を前記第2の基地局へ送信する第9のステップとを更にコンピュータに実行させ、
前記制御部は、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第2の起動信号を前記受信部から受けると、前記第2のステップを実行する、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
前記制御部が、前記状態情報を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第2のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるためのマジックパケットを生成して前記送信部へ出力する第7のステップと、
前記送信部が、前記制御部から前記マジックパケットを受けると、その受けたマジックパケットを有線通信によって前記第3の基地局へ送信する第8のステップとを更にコンピュータに実行させ、
前記第3のステップは、前記第7のステップの後に実行され、
前記第4から第6のステップは、前記第8のステップの後に実行される、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2のステップにおいて、前記状態情報を前記記憶部から読み出し、その読み出した状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第3のスリープ状態であることを検出したとき、前記第1の制御信号を生成し、
前記送信部は、前記第3のステップにおいて、前記制御部から前記第1の制御信号を受けると、その受けた第1の制御信号を前記ネットワークを介して前記第3の基地局へ送信する、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
無線通信および有線通信の両方が不可能である第1のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、前記有線通信が可能である第2のスリープ状態と、前記無線通信が不可能であり、かつ、ネットワークを介した通信が可能である第3のスリープ状態と、前記無線通信および前記有線通信の両方が可能である起動状態とのいずれかの状態を取り得る複数の基地局と、
前記複数の基地局を制御する制御装置とを備え、
前記複数の基地局は、
第1の基地局と、
前記第1の基地局との間で電波を直接送受信できない第2の基地局と、
前記第1の基地局と前記第2の基地局との間で無線通信を中継する第3の基地局とを含み、
前記制御装置は、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態にあるときに前記第2の基地局が前記第1の基地局との間で無線通信を開始する開始信号を前記第2の基地局から受信すると、前記第1から第3のスリープ状態と前記起動状態とのいずれの状態にあるかを前記基地局毎に示す状態情報と、前記複数の基地局が相互に無線通信を行なうための経路を示す経路表とを参照して、前記第1の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ届かせることができる基地局として前記第3の基地局を決定し、前記第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信するように前記第3の基地局を制御するための第1の制御信号を生成して前記第3の基地局へ送信し、前記第1の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第1の起動信号を前記第1の基地局から受信すると、前記第1の基地局と通信を開始できることを示す第1の通信可能信号を生成して前記第2の基地局へ送信し、
前記第2の基地局は、第1の端末装置から前記第1の基地局の通信範囲内に存在する第2の端末装置宛てのデータパケットを受信すると、前記開始信号を生成して前記制御装置へ送信し、前記第1の通信可能信号を前記制御装置から受信すると、前記データパケットを有線通信によって前記第1の基地局へ送信し、
前記第3の基地局は、前記第1の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第1のウェイクアップ信号を生成し、その生成した第1のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第1の基地局へ送信し、
前記第1の基地局は、前記第1のウェイクアップ信号を前記第3の基地局から受信すると、前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行し、前記第1の起動信号を生成して前記制御装置へ送信し、前記データパケットを前記第2の基地局から受信すると、その受信したデータパケットを無線通信によって前記第2の端末装置へ送信する、通信システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるための第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信するように前記第2の基地局を制御するための第2の制御信号を生成して前記第2の基地局へ送信し、前記第3の基地局が前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行したことを示す第2の起動信号を前記第3の基地局から受信すると、前記第1の制御信号を生成して前記第3の基地局へ送信し、
前記第2の基地局は、更に、前記第2の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第2のウェイクアップ信号を生成し、その生成した第2のウェイクアップ信号を無線通信によって前記第3の基地局へ送信し、
前記第3の基地局は、更に、前記第2のウェイクアップ信号を前記第2の基地局から受信すると、前記第1のスリープ状態から前記起動状態へ移行し、前記第2の起動信号を生成して前記制御装置へ送信し、前記第1の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第1のウェイクアップ信号を生成して前記第1の基地局へ送信し、前記起動状態から前記第1のスリープ状態へ移行する、請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第2のスリープ状態であることを検出したとき、前記第3の基地局を前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行させるためのマジックパケットを生成して前記第3の基地局へ送信し、その後、前記第1の制御信号を生成して前記第3の基地局へ送信し、
前記第3の基地局は、更に、前記マジックパケットを前記制御装置から受信すると、前記第2のスリープ状態から前記起動状態へ移行し、前記第1の制御信号を前記制御装置から受信すると、前記第1のウェイクアップ信号を生成して前記第1の基地局へ送信し、前記起動状態から前記第2のスリープ状態へ移行する、請求項10に記載の通信システム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記状態情報を参照して、前記第3の基地局が前記第3のスリープ状態であることを検出したとき、前記第1の制御信号を生成し、その生成した第1の制御信号を前記ネットワークを介して前記第3の基地局へ送信する、請求項10に記載の通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
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【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−205035(P2012−205035A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67086(P2011−67086)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「無駄な消費電力量を削減するRadio On Demand Networksの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「無駄な消費電力量を削減するRadio On Demand Networksの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
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