制御装置、制御装置の制御方法及びコンピュータプログラム
【課題】制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことを可能とした制御装置、制御装置の制御方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】液晶ディスプレイ15に対して車両周辺の地図画像を所定の縮尺で表示する(S11)とともに、縮尺変更パッド64を用いたユーザの縮尺変更操作を受け付けた場合に、ユーザ操作の操作量を特定し(S17)、現在の縮尺からユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終縮尺を特定し(S18)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超える場合に、限界値を最終縮尺に決定するとともに(S21)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超えない場合に、仮最終縮尺を最終縮尺に決定する(S20)ように構成する。
【解決手段】液晶ディスプレイ15に対して車両周辺の地図画像を所定の縮尺で表示する(S11)とともに、縮尺変更パッド64を用いたユーザの縮尺変更操作を受け付けた場合に、ユーザ操作の操作量を特定し(S17)、現在の縮尺からユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終縮尺を特定し(S18)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超える場合に、限界値を最終縮尺に決定するとともに(S21)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超えない場合に、仮最終縮尺を最終縮尺に決定する(S20)ように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作に基づいて各種制御値の変更を行う制御装置、制御装置の制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に案内経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、ユーザを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、また、近年は携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。
【0003】
ここで、上記ナビゲーション装置等において、車両周辺に位置する施設や道路形状を把握する為には、表示装置に表示する地図の縮尺(制御値)を適切な縮尺に設定することが重要である。そこで、例えば特開2000−1633031号公報には、表示装置に表示された地図の縮尺を、ユーザ操作に基づいて変更することが記載されている。例えば、タッチパネルにタッチした状態の2本の指を遠ざけることによって表示装置に表示された地図の縮尺を拡大し、タッチパネルにタッチした状態の2本の指を近づけることによって表示装置に表示された地図を縮尺を縮小するように制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−1633031号公報(第6頁、図6〜図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、上記特許文献1のようにユーザ操作に基づいて制御値(特許文献1では表示装置に表示する地図の縮尺)を変更することは、ナビゲーション装置等に限らず、様々な制御装置で行われている。例えば、音楽再生装置の音量の調整、加熱機器の温度調整、照明装置の明るさの調整等である。そして、このような制御装置で制御値の変更を行う場合には、現在の制御値から最終的な制御値へと一度に変位させるのではなく、段階的に変位させるのが通常である。また、その段階的な変位は可能な限り滑らかに行うことが望まれている。しかしながら、従来では、ユーザ操作の操作量によっては、制御値の変位を滑らかに行うことができない場合があった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことを可能とした制御装置、制御装置の制御方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る制御装置(1)は、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定手段(52)と、変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定手段(53)と、制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更手段(54)と、を有し、前記最終制御値決定手段は、前記変更前制御値から前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終制御値を特定し、前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする。
尚、「制御値」は、例えば音楽再生装置では音量、加熱機器では温度、照明装置では明るさ、ナビゲーション装置では地図の縮尺等が該当する。
また、「変更前制御値」は、制御値変更手段による制御値の変更が行われる前の制御値(初期段階の制御値)に相当する。
【0008】
また、請求項2に係る制御装置(1)は、請求項1に記載の制御装置であって、前記制御値範囲には、前記限界値としての下限値と上限値とを含む複数の設定可能制御値があって、前記制御値変更手段(54)は、制御値を複数の前記設定可能制御値のいずれかに変更して設定し、前記変更前制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する制御値数算出手段(55)を備え、制御値を、前記制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る制御装置(1)は、請求項2に記載の制御装置であって、前記制御値変更手段(54)は、現在の制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する現在制御値数算出手段(56)を備え、制御値を、前記現在制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で制御値を変更する処理を繰り返し実行することにより前記最終制御値まで段階的に変更することを特徴とする。
尚、「現在の制御値」は、制御値変更手段により変更前制御値から最終制御値までの段階的な制御値の変更が行われる際において、段階毎の制御値に相当する。
【0010】
また、請求項4に係る経路案内装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の制御装置であって、表示装置(15)の表示領域に配置され、前記ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネル(14)と、前記タッチパネルにおいて前記ユーザがタッチしたタッチ座標を検出するタッチ座標検出手段(57)と、を有し、前記表示領域には、制御値を変更するための制御値変更領域(64)が配置され、前記操作量特定手段(52)は、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る経路案内装置(1)は、請求項4に記載の制御装置であって、前記操作量特定手段(52)は、前記制御値変更領域(64)に前記ユーザがタッチした状態で、前記タッチ座標が制御値を変更する方向に移動した後にタッチオフされた場合に、当該タッチオフされる直前の前記タッチ座標の変位速度に基づいて、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る経路案内装置(1)は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の制御装置であって、設定された縮尺で地図を表示装置(15)に表示する地図表示手段(58)を有し、制御値は、前記地図表示手段により前記表示装置に表示する地図の縮尺であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る制御装置(1)の制御方法は、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定ステップと、変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定ステップと、制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更ステップと、を有し、前記最終制御値決定ステップは、前記変更前制御値から前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定機能と、変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定機能と、制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更機能と、をプロセッサに実行させるコンピュータプログラムであって、前記最終制御値決定機能は、前記変更前制御値から前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前記構成を有する請求項1に記載の制御装置によれば、制御装置に設定される制御値をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことが可能となる。
【0016】
また、請求項2に記載の制御装置によれば、制御値を大きく変更させる場合においても、制御値が一度に大きく変位することなく、段階的に制御値を変位させることによって、滑らかに変位させることが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載の制御装置によれば、制御値を段階的に変位させることが可能となるとともに、その段階毎の制御値の変位量を段階が進むにつれて徐々に小さくして変位させることが可能となる。その結果、制御値の変位をユーザに違和感を覚えさせることなく、且つ滑らかに変位させることが可能となる。
【0018】
また、請求項4に記載の制御装置によれば、タッチパネルの特定領域をタッチしたユーザ操作に基づいて制御値を変更するので、ユーザは変更前の制御値から希望する制御値への変更を単純な操作で容易に行うことが可能となる。従って、制御装置の操作性を向上させることが可能となる。
【0019】
また、請求項5に記載の制御装置によれば、タッチパネルの特定領域をフリック操作した場合に、フリック操作におけるタッチ座標の変位速度に基づいて制御値の変位量が決定されるので、ユーザは変更前の制御値から希望する制御値への変更をフリック操作で容易かつ正確に行うことが可能となる。従って、制御装置の操作性を向上させることが可能となる。
【0020】
また、請求項6に記載の制御装置によれば、制御値を特に表示装置に表示する地図の縮尺に対して適用することができるので、表示装置に表示される地図の縮尺をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、縮尺を滑らかに変位させて最終縮尺までの縮尺の変更を行うことが可能となる。
【0021】
また、請求項7に記載の制御装置の制御方法によれば、制御装置に設定される制御値をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことが可能となる。
【0022】
更に、請求項8に記載のコンピュータプログラムによれば、コンピュータに設定される制御値をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションECUが構成する各種手段を示した図である。
【図3】車両の走行中において液晶ディスプレイに表示される走行案内画面の一例を示した図である。
【図4】走行案内画面に表示される縮尺変更パッドを拡大して示した図である。
【図5】ナビゲーション装置で設定可能な縮尺である設定可能縮尺とスケール表示の一例を示した図である。
【図6】本実施形態に係るタッチ座標取得処理プログラムのフローチャートである。
【図7】タッチ座標履歴キューの模式図を示した図である。
【図8】本実施形態に係る地図画像縮尺変更処理プログラムのフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る地図画像縮尺変更処理プログラムのフローチャートである。
【図10】タッチオン及びタッチオフの検出態様を示した図である。
【図11】縮尺変更パッドにおいて行われるドラッグ操作について説明した図である。
【図12】ステップ18における仮最終縮尺の特定処理について説明した図である。
【図13】ステップ22〜ステップ25における縮尺の変更処理について説明した図である。
【図14】フリック操作におけるユーザ操作の操作量の算出方法について説明した図である。
【図15】縮尺変更パッドにおいて行われるフリック操作について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る制御装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0025】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル14と、ユーザに対して車両周辺の地図等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0026】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0027】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0028】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設に関する施設データ34、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0029】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述のタッチ座標取得処理プログラム(図6参照)や地図画像縮尺変更処理プログラム(図8、図9参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、図2に示す処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段51は、出発地から目的地までの案内経路を設定する。操作量特定手段52は、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する。また、最終制御値決定手段53は、変更前の制御値(例えば液晶ディスプレイ15に表示する地図の縮尺)と操作量特定手段52によって特定されたユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する。また、制御値変更手段54は、制御値を、変更前の制御値である変更前制御値から最終制御値まで、変更前制御値と最終制御値の差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する。制御値数算出手段55は、変更前制御値と最終制御値の間に含まれる設定可能制御値の数を算出し、現在制御値数算出手段56は、現在の制御値と最終制御値の間に含まれる設定可能制御値の数を算出する。また、タッチ座標検出手段57は、タッチパネル14においてユーザがタッチしたタッチ座標を検出し、地図表示手段58は、設定された縮尺で地図を表示装置に表示する。
【0030】
タッチパネル14は、液晶ディスプレイ15の表示領域の前面に配置され、地図画像のスクロール表示を行う場合や表示領域に配置されたボタンを選択する場合等に操作される。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置1では、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の縮尺を変更する場合にも操作される。そして、ナビゲーションECU13は、タッチパネル14の操作によりタッチパネル14から出力される検出信号に基づき、タッチパネル14にユーザがタッチしていない状態からタッチした状態へと移行する“タッチオン”や、タッチパネル14にユーザがタッチした状態からタッチしていない状態へと移行する“タッチオフ”を検出する。また、ユーザがタッチした地点の座標であるタッチ座標や、地図画像や交差点拡大図やボタン等の選択対象物の選択を行っている状態でタッチする位置を移動させる操作(即ちドラッグ操作やフリック操作)を受け付けた場合のタッチ座標の変位についても検出する。そして、ナビゲーションECU13は、検出したタッチ操作やタッチ座標等に対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0031】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、液晶ディスプレイ15において地図画像を表示する場合には、液晶ディスプレイ15に表示されている地図の縮尺(制御値)を変更する為の操作手段である縮尺変更パッドが、地図画像の一部領域に重畳して表示される。そして、後述のようにユーザによって縮尺変更パッドで所定の操作が行われた場合には、液晶ディスプレイ15に表示された地図の縮尺が変更される。ここで、図3は車両の走行中において液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60の一例を示した図である。
【0032】
図3に示すように液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60には、車両の現在位置周辺の地図画像61と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク62と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル63と、制御値変更領域としての縮尺変更パッド64と、ナビゲーション装置1で所定機能を実行させる為に選択される為の各種ボタン65〜67とが表示される。尚、図3では1/1万の縮尺で地図を表示した場合の走行案内画面60を示している。そして、ユーザは走行案内画面60を参照することによって、現在の車両周辺の施設や道路形状(案内経路が設定されている場合には案内経路を含む)を把握することが可能となる。また、縮尺変更パッド64においてフリック操作又はドラッグ操作を行うと、後述のように地図の縮尺をより大きい縮尺(例えば1/5000の縮尺)又はより小さい縮尺(例えば1/8万の縮尺)へと段階的に変更することが可能である。また、表示変更ボタン65をタッチオンして選択すると、地図画像61の表示態様(鳥瞰図、平面図、ノーズアップ、ノースアップ等)を変更することが可能である。また、目的地セットボタン66をタッチオンして選択すると、中央カーソル63の示す地点を目的地に設定することが可能である。また、地点登録ボタン67をタッチオンして選択すると、中央カーソル63の示す地点を登録地点としてナビゲーション装置1に登録することが可能である。
【0033】
次に、縮尺変更パッド64について図4を用いてより詳細に説明する。図4は走行案内画面60に表示される縮尺変更パッド64を拡大して示した図である。
図4に示すように縮尺変更パッド64は長尺形状を有し、「0」〜「50」までのメモリ(例えば1メモリ単位は1mmとする)が左右方向に刻まれたメモリ部68が表示される。そして、ユーザは縮尺変更パッド64内で左右方向にフリック操作又はドラッグ操作を行うことによって、地図画像61の縮尺を変更する。また、縮尺変更パッド64内には、大きさの異なる円形形状のマーク69が並べて配置され、左方向が地図画像61の縮尺を拡大、即ち、より詳細な地図へと変更する方向に対応することを示し、右方向が地図画像61の縮尺を縮小、即ち、より広域な地図へと変更する方向に対応することを示す。従って、ユーザは現在表示されている地図画像61の縮尺を大きくしたい場合には、左方向にフリック操作又はドラッグ操作を行う。一方、ユーザは現在表示されている地図画像61の縮尺を小さくしたい場合には、右方向にフリック操作又はドラッグ操作を行う。また、縮尺の変更態様(変更完了後の縮尺や変更完了までの変更段階数)は、後述のようにフリック操作ではタッチオフされる直前のタッチ座標の変位速度に基づいて決定され、ドラッグ操作ではタッチオンしてからタッチオフされるまでのタッチ座標の変位量に基づいて決定される。
【0034】
また、液晶ディスプレイ15に表示される地図画像61の変更可能な縮尺範囲(制御値範囲)は、本実施形態では1/5000〜1/5120万である。また、下限値である1/5120万と上限値である1/5000とを含む50個の設定可能な縮尺(設定可能制御値)がある。ここで、図5は、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺とスケール表示の一例を示した図である。図5に示すように、例えば、最も縮尺の大きい設定可能縮尺である1/5000の縮尺は50mのスケール表示に対応しており、最も縮尺の小さい設定可能縮尺である1/5120万の縮尺は500kmのスケール表示に対応する。そして、ナビゲーション装置1は、液晶ディスプレイ15に表示する地図画像61の縮尺を、図5に示す50個の設定可能縮尺のいずれかの縮尺に設定して表示する。また、ユーザによる縮尺変更の操作を受け付けた場合には、後述のように現在の縮尺とユーザ操作の操作量に基づいて50個の設定可能縮尺のいずれかの縮尺に変更して設定する。尚、設定可能縮尺の数は50個に限られること無く、例えば100個や20個でも良い。
【0035】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、施設検索を行った場合に検索された施設に関する情報を出力する際にも用いられる。
【0036】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0037】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0038】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行するタッチ座標取得処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係るタッチ座標取得処理プログラムのフローチャートである。ここで、タッチ座標取得処理プログラムは、車両のACCがオンされた後に所定間隔(例えば200ms毎)で繰り返し実行され、タッチパネル14にユーザがタッチした状態にある場合に、タッチした地点の座標であるタッチ座標を取得するプログラムである。尚、以下の図6、図8及び図9にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0039】
先ず、タッチ座標取得処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41はタッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、ユーザがタッチパネル14をタッチした地点の座標であるタッチ座標を取得する。例えば、タッチパネル14が抵抗膜方式や静電容量方式である場合には、ユーザがタッチした地点の圧力や静電容量の変化に基づいて流れた電流の位置を検出することによって、タッチ座標を検出する。
【0040】
次に、S2においてCPU41は、前記S1の処理でタッチ座標を取得できたか否か判定する。尚、ユーザがタッチパネル14にタッチしている状態(特に抵抗膜方式では所定値以上の圧力でタッチしている場合)において、前記S1でタッチ座標が取得される。
【0041】
そして、前記S1の処理でタッチ座標を取得できたと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。それに対して、前記S1の処理でタッチ座標を取得できなかったと判定された場合(S2:NO)には、タッチ座標を記憶することなく当該タッチ座標取得処理プログラムを終了する。
【0042】
S3においてCPU41は、前記S1の処理で取得したタッチ座標を、RAM42に設けられたタッチ座標履歴キューに記憶する。尚、タッチ座標履歴キューには、直前の所定回数(例えば4回)分のタッチ座標のデータが記憶されるように構成されている。ここで、図7はタッチ座標履歴キューの模式図を示した図である。図7に示すように直前の4回分のタッチ座標のデータとして、古いデータから順にタッチ座標A、B、C、Dのデータがタッチ座標履歴キューに記憶されている状態において、新たにタッチ座標Eが取得された場合には、最も古いタイミングで取得されたタッチ座標Aのデータが削除され、タッチ座標Eのデータが新たにタッチ座標履歴キューに記憶されることとなる。また、タッチ座標履歴キューは、タッチオフが確定した場合や、タッチオンに基づいて新たな選択対象物が選択された場合には初期化される。その後、当該タッチ座標取得処理プログラムを終了する。
【0043】
そして、CPU41は、S3でタッチ座標履歴キューに記憶されたタッチ座標に基づいて、各種処理を実行する。例えば、液晶ディスプレイ15に表示された各種ボタン65〜67の選択処理、地図画像61のスクロール処理、地図画像61の縮尺を変更する後述の地図縮尺変更処理(図8、図9)等を行う。
【0044】
次に、ナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行する地図画像縮尺変更処理プログラムについて図8及び図9に基づき説明する。図8及び図9は本実施形態に係る地図画像縮尺変更処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図画像縮尺変更処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、車両周辺の地図画像を液晶ディスプレイ15に表示するとともに、受け付けたユーザの操作に基づいて、液晶ディスプレイ15に表示されている地図画像の縮尺を現在の縮尺から変更するプログラムである。尚、以下の図8及び図9にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0045】
先ず、地図画像縮尺変更処理プログラムにおけるS11においてCPU41は、液晶ディスプレイ15に対して車両周辺の地図画像61や縮尺変更パッド64を含む走行案内画面60(図3)を表示する。尚、ACCがオンされた時点において液晶ディスプレイ15に表示される地図画像61の縮尺は、初期設定に基づく縮尺(例えば、1/8万)や前回ACCがオフされた時点において設定されていた縮尺に設定される。
【0046】
次に、S12においてCPU41は、タッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、タッチパネル14の縮尺変更パッド64に対応する領域において、ユーザがタッチしていない状態からタッチした状態へと移行する“縮尺変更パッド64のタッチオン”を検出したか否か判定する。具体的には、図10に示すように前述した所定間隔で実行される座標取得処理プログラム(図6)において、タッチパネル14の縮尺変更パッド64に対応する領域で、前回の処理では座標が取得できず、且つ今回の処理で座標が取得できた場合には、縮尺変更パッド64をタッチオンしたと検出する。
【0047】
そして、縮尺変更パッド64のタッチオンを検出したと判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。それに対して、縮尺変更パッド64のタッチオンを検出していないと判定された場合(S12:NO)には、タッチオンを検出するまで待機する。
【0048】
S13においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺(即ち、液晶ディスプレイ15において現在表示されている地図画像61の縮尺)を取得する。尚、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺は、RAM42等に記憶される。
【0049】
その後、S14においてCPU41は、タッチ座標履歴キューに記憶されている直前4回分のタッチ座標を比較することによって、タッチ座標が変位しているか否か判定する。具体的には、直前4回分のタッチ座標が所定の誤差範囲(例えば±5%)内にない場合には、タッチ座標が変位していると判定する。一方、直前4回分のタッチ座標が全て所定の誤差範囲内の場合には、タッチ座標が変位していないと判定する。ここで、タッチ座標が変位する場合としては、ユーザがドラッグ操作やフリック操作を行っている場合等が該当する。
【0050】
そして、タッチ座標が変位していると判定された場合(S14:YES)には、S16へと移行する。それに対して、タッチ座標が変位していないと判定された場合(S14:NO)には、S15へと移行する。
【0051】
S15においてCPU41は、タッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、ユーザがタッチパネル14をタッチした状態からタッチしていない状態へと移行するタッチオフを検出したか否か判定する。具体的には、図10に示すように前述した所定間隔で実行される座標取得処理プログラム(図6)において、前回の処理では座標が取得でき、且つ今回の処理で座標が取得できなかった場合には、タッチオフしたと検出する。
【0052】
そして、タッチオフを検出したと判定された場合(S15:YES)には、当該地図画像縮尺変更処理プログラムを終了する。それに対して、タッチオフを検出していないと判定された場合(S15:NO)には、S14へと戻る。
【0053】
また、前記S14においてタッチ座標が変位していると判定された場合(S14:YES)に実行されるS16においてCPU41は、タッチオフを検出したか否か判定する。
【0054】
そして、タッチオフを検出したと判定された場合(S16:YES)には、縮尺変更パッド64においてフリック操作が行われたと判定し、S31(図9)へと移行する。一方、タッチオフを検出していないと判定された場合(S16:NO)には、縮尺変更パッド64においてドラッグ操作が行われたと判定し、S17へと移行する。
【0055】
S17においてCPU41は、縮尺変更パッド64において行われたドラッグ操作におけるタッチ座標の変位量を、ユーザ操作の操作量として特定する。具体的には、ドラッグ操作を開始した開始点のタッチ座標から現在のタッチ座標までの変位量が、ユーザ操作の操作量となる。また、タッチ座標の変位量は縮尺変更パッド64に表示されたメモリ部68のメモリ数に基づいて特定される。例えば、図11に示すように、X1を開始点としてX2までドラッグ操作した場合には、タッチ座標がメモリ部68の「20」から「40」まで変位するので、前記S17で特定されるタッチ座標の変位量(ユーザ操作の操作量)は「20」と「40」の差分である「20」となる。また、前記S17では、ドラッグ操作におけるタッチ座標の変位方向を、縮尺変更方向として特定する。縮尺変更方向は、「拡大方向」と「縮小方向」のいずれかに特定され、本実施形態ではタッチ座標が左方向に変位する場合には縮尺変更方向は「拡大方向」に特定され、タッチ座標が右方向に変位する場合には縮尺変更方向は「縮小方向」に特定される。
【0056】
次に、S18においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺と前記S17で特定したユーザ操作の操作量及び縮尺変更方向に基づいて、仮最終縮尺を特定する。
具体的には、先ずCPU41は、前記S17で算出されたユーザ操作の操作量に0.5を乗じた値を仮縮尺変位量として算出する。そして、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺を、特定された縮尺変更方向へと、算出した仮縮尺変位量のレベル数だけ変更した後の縮尺を仮最終縮尺として特定する。例えば、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺が1/2048万であって、前記S17で特定されたユーザ操作の操作量が「10」であって、縮尺変更方向が「縮小方向」であった場合には、仮縮尺変位量は「5」となる。従って、図12に示すように現在の縮尺である1/2048万の縮尺から、縮尺を縮小する方向に5レベル変更した縮尺(1/2048万から縮小側に5レベル変更した設定可能縮尺)である1/5120万が仮最終縮尺となる。また、前記S17で特定されたユーザ操作の操作量が「14」であって、縮尺変更方向が「縮小方向」であった場合には、仮縮尺変位量は「7」となる。従って、図12に示すように現在の縮尺である1/2048万の縮尺から、縮尺を縮小する方向に7レベル変更した縮尺である1/7168万が仮最終縮尺となる。但し、1/7168万はナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺の下限値(1/5120万)を下回る縮尺となる。
【0057】
続いて、S19においてCPU41は、前記S17で特定された仮最終縮尺が、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺(図5)の限界値を超えているか否か判定する。尚、本実施形態では設定可能縮尺は、図5に示すように1/5000〜1/5120万であり、それぞれ下限値は1/5120万、上限値は1/5000となる。
【0058】
そして、前記S17で特定された仮最終縮尺が、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺(図5)の限界値を超えていないと判定された場合(S19:NO)には、前記S19で特定された仮最終縮尺を、変更完了後の縮尺(制御値)である最終縮尺に決定する(S20)。一方、前記S17で特定された仮最終縮尺が、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺(図5)の限界値を超えていると判定された場合(S19:YES)には、限界値(上限値を上回っている場合には上限値である1/5000、下限値を下回っている場合には下限値である1/5120万)を最終縮尺に決定する(S21)。その後、S22へと移行する。
【0059】
次に、S22においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている縮尺から前記S20で決定された最終縮尺の間に含まれる設定可能縮尺の数(以下、残変位量という)を算出する。例えば、現在の縮尺が1/2048万の縮尺であって、1/5120万が最終縮尺の場合には、残変位量は「5」となる。
【0060】
その後、S23においてCPU41は、前記S22で算出された残変位量に所定割合を乗じた値を“1段階分の変位量”として算出する。具体的には、残変位量に0.25を乗じた値を小数点いかで四捨五入(但し、1未満は切り上げ)した値を“1段階分の変位量”とする。例えば、現在の縮尺が1/2048万の縮尺であって、1/5120万が最終縮尺の場合には、“1段階分の変位量”は5×0.25≒「1」となる。
【0061】
続いて、S24においてCPU41は、前記S23で算出された“1段階分の変位量”に基づいて、ナビゲーション装置1に設定されている縮尺を変更して設定する。具体的には、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺から“1段階分の変位量”を、前記S17で特定された縮尺変更方向へ変更した縮尺へと変更する。例えば、現在の縮尺が1/2048万の縮尺であって、縮尺変更方向が縮小方向であり、“1段階分の変位量”が「2」の場合には、1/2048万の縮尺より縮小側に2レベル変更した1/3072万へと変更される。
【0062】
その後、S25においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺が最終縮尺となったか否かを判定する。
【0063】
そして、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺が最終縮尺となったと判定された場合(S25:YES)には、当該地図画像縮尺変更処理プログラムを終了する。一方、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺が最終縮尺となっていないと判定された場合(S25:NO)にはS22へと戻る。そして、ナビゲーション装置1に設定された縮尺が最終縮尺となるまで、S22〜S24の処理が繰り返し実行される。
【0064】
例えば、図13では、縮尺変更をする前の縮尺が1/512万に設定されている状態で、ユーザによる縮尺変更の操作を受け付けた場合であって、縮尺変更方向が縮小方向であり、ユーザ操作の操作量に基づいて決定された最終縮尺が1/5120万の場合について説明する。
図13に示すように、最初にS22において算出される残変位量は「15」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は15×0.25≒「4」となり、最初の1段階目の変動では、4レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/512万から1/768万となる。
次にS22において算出される残変位量は「11」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は11×0.25≒「3」となり、2段階目の変動では、3レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/768万から1/1280万となる。
続いてS22において算出される残変位量は「8」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は8×0.25=「2」となり、3段階目の変動では、2レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/1280万から1/1792万となる。
続いてS22において算出される残変位量は「6」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は6×0.25≒「2」となり、4段階目の変動では、2レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/1792万から1/2560万となる。
続いてS22において算出される残変位量は「4」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は4×0.25=「1」となり、5段階目の変動では、1レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/2560万から1/3072万となる。
以降は、6段階目〜8段階目まで1レベルずつ縮小側の縮尺に変更され、最終縮尺である1/5120万となった時点で縮尺の変更が完了する。
【0065】
以上のように本実施形態では、ユーザによる縮尺変更のドラッグ操作を受け付けた場合に、ナビゲーション装置1に設定される地図の縮尺を、変更前の縮尺から最終縮尺まで、変更前の縮尺と最終縮尺の差分に基づく段階数で、設定可能縮尺範囲内において段階的に変更して設定する。具体的には、現在の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で縮尺を変更する処理を繰り返し実行することにより、最終縮尺まで段階的に変更する。従って、変更前の縮尺と最終縮尺との間に含まれる縮尺の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することとなる。また、本実施形態では、仮最終縮尺が設定可能縮尺の範囲を超える場合に、限界値(上限値を上回っている場合には上限値である1/5000、下限値を下回っている場合には下限値である1/5120万)を最終縮尺に決定する(S21)ので、限界値を超える仮最終縮尺を最終縮尺として縮尺の変更を行う場合と比較して、より多くの段階数で変更処理を行い、滑らかに縮尺の変更を行うことが可能となる。
【0066】
一方、前記S16の処理で、タッチオフを検出したと判定された場合(S16:YES)には、縮尺変更パッド64においてフリック操作が行われたと判定し、S31へと移行する。
【0067】
S31においてCPU41は、縮尺変更パッド64において行われたフリック操作におけるタッチオフされる直前のタッチ座標の変位速度を、ユーザ操作の操作量として特定する。具体的には、図14に示すようにタッチオフを検出する直前に取得されたタッチ座標とその一つ前に検出されたタッチ座標の変位量[mm]が、200ms当たりのタッチ座標の変位量[mm/200ms]となり、タッチオフされる直前のタッチ座標の変位速度として算出される。また、前記S31では、タッチ座標の変位方向に基づいて、縮尺変更方向を「拡大方向」と「縮小方向」のいずれかに特定する。図15に示すように、Y1を開始点として右方向にフリック操作した場合には、フリック操作におけるタッチ座標の変位方向を、縮尺変更方向として特定する。
【0068】
次に、S32においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺と前記S31で特定したユーザ操作の操作量及び縮尺変更方向に基づいて、仮最終縮尺を特定する。
具体的には、先ずCPU41は、前記S32で算出されたユーザ操作の操作量[mm/200m]に5を乗じた値を仮縮尺変位量として算出する。そして、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺を、特定された縮尺変更方向へと、算出した仮縮尺変位量の段階数だけ変更した後の縮尺を仮最終縮尺として特定する。
【0069】
以降のS33〜S39の処理は、前記S19〜S25と同様の処理であるので説明は省略する。そして、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、ユーザによる縮尺変更のフリック操作を受け付けた場合においても、上述したドラッグ操作を受け付けた場合と同様に、ナビゲーション装置1に設定される地図の縮尺を、変更前の縮尺から最終縮尺まで、変更前の縮尺と最終縮尺の差分に基づく段階数で、設定可能縮尺範囲内において段階的に変更して設定する。具体的には、現在の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で縮尺を変更する処理を繰り返し実行することにより、最終縮尺まで段階的に変更する。従って、変更前の縮尺と最終縮尺との間に含まれる縮尺の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することとなる。また、本実施形態では、仮最終縮尺が設定可能縮尺の範囲を超える場合に、限界値(上限値を上回っている場合には上限値である1/5000、下限値を下回っている場合には下限値である1/5120万)を最終縮尺に決定する(S35)ので、限界値を超える仮最終縮尺を最終縮尺に決定して縮尺の変更を行う場合と比較して、より多くの段階数で変更処理を行い、滑らかに縮尺の変更を行うことが可能となる。即ち、限界値を超える仮最終縮尺を最終縮尺に決定することとすると、限界値を超えた最終縮尺を基準にして各段階の縮尺の変位量が決定される。従って、各段階の変位量(特に、初期段階の変位量)が大きくなり、限界値まで僅かな段階数の変更で到達することとなる。
【0070】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1の制御方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、液晶ディスプレイ15に対して車両周辺の地図画像を所定の縮尺で表示する(S11)とともに、縮尺変更パッド64を用いたユーザの縮尺変更操作を受け付けた場合に、ユーザ操作の操作量を特定し(S17、S31)、現在の縮尺からユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終縮尺を特定し(S18、S32)、特定された仮最終縮尺とナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値とを比較し(S19、S33)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超える場合に、限界値を最終縮尺に決定するとともに(S21、S35)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超えない場合に、仮最終縮尺を最終縮尺に決定する(S20、S34)。そして、変更前の縮尺から最終縮尺まで、変更前の縮尺と最終縮尺の差分に基づく段階数で、設定可能縮尺範囲内において段階的に変更して設定する(S22〜S24、S36〜S38)ので、ユーザ操作の操作量によらず、ナビゲーション装置1の縮尺を滑らかに変位させて最終縮尺までの縮尺の変更を行うことが可能となる。
また、ナビゲーション装置1に設定された地図の縮尺を変更する際には、現在の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で縮尺を変更する処理を繰り返し実行することにより、最終縮尺まで段階的に変更する(S22〜S24、S36〜S38)ので、縮尺を段階的に変位させることが可能となるとともに、その段階毎の縮尺の変位量を段階が進むにつれて徐々に小さくして変位させることが可能となる。その結果、縮尺の変位をユーザに違和感を覚えさせることなく、且つ滑らかに変位させることが可能となる。
また、変更前の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することとなるので、縮尺を大きく変更させる場合においても、縮尺が一度に大きく変位することなく、段階的に縮尺を変位させることによって、滑らかに変位させることが可能となる。
また、タッチパネル14の特定領域に設けられた縮尺変更パッド64をタッチしたユーザ操作に基づいて縮尺を変更するので、ユーザは現在の縮尺から希望する縮尺への変更を単純な操作で容易に行うことが可能となる。特に、縮尺変更パッド64をフリック操作した場合には、フリック操作におけるタッチ座標の変位速度に基づいて縮尺の変位量が決定されるので、ユーザは現在の縮尺から希望する縮尺への変更をフリック操作で容易かつ正確に行うことが可能となる。従って、ナビゲーション装置1の操作性を向上させることが可能となる。
【0071】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、S18やS32において仮縮尺変位量を算出する際に乗じる係数や、S23やS37において“1段階分の変位量”を算出する際に乗じる係数は適宜変更することが可能である。
【0072】
また、本実施形態では、表示画面上に設けられた縮尺変更パッド64において受け付けたドラッグ操作やフリック操作に基づいてユーザ操作の操作量を特定する構成としているが、表示画面上とは別の場所(例えば、車両のコンソールボックス上、接続された通信端末)に設けられたパッドにおいて受け付けたドラッグ操作やフリック操作に基づいてユーザ操作の操作量を特定する構成としてもよい。また、他の操作(例えば、ダイヤル操作、数値入力操作)に基づいてユーザ操作の操作量を特定する構成としても良い。
【0073】
また、本実施形態では、本願発明に係る制御値をナビゲーション装置1の液晶ディスプレイ15に表示する地図の縮尺に適用した例について説明したが、ナビゲーション装置1以外の地図を表示する機能を有する装置、例えば携帯電話機等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等に適用することも可能である。更に、制御値を地図の縮尺以外に適用することも可能である。例えば音楽再生装置における音量、加熱機器における温度、照明装置における明るさ等に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61 地図画像
64 縮尺変更パッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作に基づいて各種制御値の変更を行う制御装置、制御装置の制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に案内経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、ユーザを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、また、近年は携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。
【0003】
ここで、上記ナビゲーション装置等において、車両周辺に位置する施設や道路形状を把握する為には、表示装置に表示する地図の縮尺(制御値)を適切な縮尺に設定することが重要である。そこで、例えば特開2000−1633031号公報には、表示装置に表示された地図の縮尺を、ユーザ操作に基づいて変更することが記載されている。例えば、タッチパネルにタッチした状態の2本の指を遠ざけることによって表示装置に表示された地図の縮尺を拡大し、タッチパネルにタッチした状態の2本の指を近づけることによって表示装置に表示された地図を縮尺を縮小するように制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−1633031号公報(第6頁、図6〜図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、上記特許文献1のようにユーザ操作に基づいて制御値(特許文献1では表示装置に表示する地図の縮尺)を変更することは、ナビゲーション装置等に限らず、様々な制御装置で行われている。例えば、音楽再生装置の音量の調整、加熱機器の温度調整、照明装置の明るさの調整等である。そして、このような制御装置で制御値の変更を行う場合には、現在の制御値から最終的な制御値へと一度に変位させるのではなく、段階的に変位させるのが通常である。また、その段階的な変位は可能な限り滑らかに行うことが望まれている。しかしながら、従来では、ユーザ操作の操作量によっては、制御値の変位を滑らかに行うことができない場合があった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことを可能とした制御装置、制御装置の制御方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る制御装置(1)は、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定手段(52)と、変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定手段(53)と、制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更手段(54)と、を有し、前記最終制御値決定手段は、前記変更前制御値から前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終制御値を特定し、前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする。
尚、「制御値」は、例えば音楽再生装置では音量、加熱機器では温度、照明装置では明るさ、ナビゲーション装置では地図の縮尺等が該当する。
また、「変更前制御値」は、制御値変更手段による制御値の変更が行われる前の制御値(初期段階の制御値)に相当する。
【0008】
また、請求項2に係る制御装置(1)は、請求項1に記載の制御装置であって、前記制御値範囲には、前記限界値としての下限値と上限値とを含む複数の設定可能制御値があって、前記制御値変更手段(54)は、制御値を複数の前記設定可能制御値のいずれかに変更して設定し、前記変更前制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する制御値数算出手段(55)を備え、制御値を、前記制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る制御装置(1)は、請求項2に記載の制御装置であって、前記制御値変更手段(54)は、現在の制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する現在制御値数算出手段(56)を備え、制御値を、前記現在制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で制御値を変更する処理を繰り返し実行することにより前記最終制御値まで段階的に変更することを特徴とする。
尚、「現在の制御値」は、制御値変更手段により変更前制御値から最終制御値までの段階的な制御値の変更が行われる際において、段階毎の制御値に相当する。
【0010】
また、請求項4に係る経路案内装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の制御装置であって、表示装置(15)の表示領域に配置され、前記ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネル(14)と、前記タッチパネルにおいて前記ユーザがタッチしたタッチ座標を検出するタッチ座標検出手段(57)と、を有し、前記表示領域には、制御値を変更するための制御値変更領域(64)が配置され、前記操作量特定手段(52)は、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る経路案内装置(1)は、請求項4に記載の制御装置であって、前記操作量特定手段(52)は、前記制御値変更領域(64)に前記ユーザがタッチした状態で、前記タッチ座標が制御値を変更する方向に移動した後にタッチオフされた場合に、当該タッチオフされる直前の前記タッチ座標の変位速度に基づいて、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る経路案内装置(1)は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の制御装置であって、設定された縮尺で地図を表示装置(15)に表示する地図表示手段(58)を有し、制御値は、前記地図表示手段により前記表示装置に表示する地図の縮尺であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る制御装置(1)の制御方法は、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定ステップと、変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定ステップと、制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更ステップと、を有し、前記最終制御値決定ステップは、前記変更前制御値から前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定機能と、変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定機能と、制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更機能と、をプロセッサに実行させるコンピュータプログラムであって、前記最終制御値決定機能は、前記変更前制御値から前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前記構成を有する請求項1に記載の制御装置によれば、制御装置に設定される制御値をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことが可能となる。
【0016】
また、請求項2に記載の制御装置によれば、制御値を大きく変更させる場合においても、制御値が一度に大きく変位することなく、段階的に制御値を変位させることによって、滑らかに変位させることが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載の制御装置によれば、制御値を段階的に変位させることが可能となるとともに、その段階毎の制御値の変位量を段階が進むにつれて徐々に小さくして変位させることが可能となる。その結果、制御値の変位をユーザに違和感を覚えさせることなく、且つ滑らかに変位させることが可能となる。
【0018】
また、請求項4に記載の制御装置によれば、タッチパネルの特定領域をタッチしたユーザ操作に基づいて制御値を変更するので、ユーザは変更前の制御値から希望する制御値への変更を単純な操作で容易に行うことが可能となる。従って、制御装置の操作性を向上させることが可能となる。
【0019】
また、請求項5に記載の制御装置によれば、タッチパネルの特定領域をフリック操作した場合に、フリック操作におけるタッチ座標の変位速度に基づいて制御値の変位量が決定されるので、ユーザは変更前の制御値から希望する制御値への変更をフリック操作で容易かつ正確に行うことが可能となる。従って、制御装置の操作性を向上させることが可能となる。
【0020】
また、請求項6に記載の制御装置によれば、制御値を特に表示装置に表示する地図の縮尺に対して適用することができるので、表示装置に表示される地図の縮尺をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、縮尺を滑らかに変位させて最終縮尺までの縮尺の変更を行うことが可能となる。
【0021】
また、請求項7に記載の制御装置の制御方法によれば、制御装置に設定される制御値をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行うことが可能となる。
【0022】
更に、請求項8に記載のコンピュータプログラムによれば、コンピュータに設定される制御値をユーザの操作に基づいて変更する場合に、ユーザ操作の操作量によらず、制御値を滑らかに変位させて最終制御値までの制御値の変更を行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションECUが構成する各種手段を示した図である。
【図3】車両の走行中において液晶ディスプレイに表示される走行案内画面の一例を示した図である。
【図4】走行案内画面に表示される縮尺変更パッドを拡大して示した図である。
【図5】ナビゲーション装置で設定可能な縮尺である設定可能縮尺とスケール表示の一例を示した図である。
【図6】本実施形態に係るタッチ座標取得処理プログラムのフローチャートである。
【図7】タッチ座標履歴キューの模式図を示した図である。
【図8】本実施形態に係る地図画像縮尺変更処理プログラムのフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る地図画像縮尺変更処理プログラムのフローチャートである。
【図10】タッチオン及びタッチオフの検出態様を示した図である。
【図11】縮尺変更パッドにおいて行われるドラッグ操作について説明した図である。
【図12】ステップ18における仮最終縮尺の特定処理について説明した図である。
【図13】ステップ22〜ステップ25における縮尺の変更処理について説明した図である。
【図14】フリック操作におけるユーザ操作の操作量の算出方法について説明した図である。
【図15】縮尺変更パッドにおいて行われるフリック操作について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る制御装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0025】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル14と、ユーザに対して車両周辺の地図等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0026】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0027】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0028】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設に関する施設データ34、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0029】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述のタッチ座標取得処理プログラム(図6参照)や地図画像縮尺変更処理プログラム(図8、図9参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、図2に示す処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段51は、出発地から目的地までの案内経路を設定する。操作量特定手段52は、所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する。また、最終制御値決定手段53は、変更前の制御値(例えば液晶ディスプレイ15に表示する地図の縮尺)と操作量特定手段52によって特定されたユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する。また、制御値変更手段54は、制御値を、変更前の制御値である変更前制御値から最終制御値まで、変更前制御値と最終制御値の差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する。制御値数算出手段55は、変更前制御値と最終制御値の間に含まれる設定可能制御値の数を算出し、現在制御値数算出手段56は、現在の制御値と最終制御値の間に含まれる設定可能制御値の数を算出する。また、タッチ座標検出手段57は、タッチパネル14においてユーザがタッチしたタッチ座標を検出し、地図表示手段58は、設定された縮尺で地図を表示装置に表示する。
【0030】
タッチパネル14は、液晶ディスプレイ15の表示領域の前面に配置され、地図画像のスクロール表示を行う場合や表示領域に配置されたボタンを選択する場合等に操作される。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置1では、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の縮尺を変更する場合にも操作される。そして、ナビゲーションECU13は、タッチパネル14の操作によりタッチパネル14から出力される検出信号に基づき、タッチパネル14にユーザがタッチしていない状態からタッチした状態へと移行する“タッチオン”や、タッチパネル14にユーザがタッチした状態からタッチしていない状態へと移行する“タッチオフ”を検出する。また、ユーザがタッチした地点の座標であるタッチ座標や、地図画像や交差点拡大図やボタン等の選択対象物の選択を行っている状態でタッチする位置を移動させる操作(即ちドラッグ操作やフリック操作)を受け付けた場合のタッチ座標の変位についても検出する。そして、ナビゲーションECU13は、検出したタッチ操作やタッチ座標等に対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0031】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、液晶ディスプレイ15において地図画像を表示する場合には、液晶ディスプレイ15に表示されている地図の縮尺(制御値)を変更する為の操作手段である縮尺変更パッドが、地図画像の一部領域に重畳して表示される。そして、後述のようにユーザによって縮尺変更パッドで所定の操作が行われた場合には、液晶ディスプレイ15に表示された地図の縮尺が変更される。ここで、図3は車両の走行中において液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60の一例を示した図である。
【0032】
図3に示すように液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60には、車両の現在位置周辺の地図画像61と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク62と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル63と、制御値変更領域としての縮尺変更パッド64と、ナビゲーション装置1で所定機能を実行させる為に選択される為の各種ボタン65〜67とが表示される。尚、図3では1/1万の縮尺で地図を表示した場合の走行案内画面60を示している。そして、ユーザは走行案内画面60を参照することによって、現在の車両周辺の施設や道路形状(案内経路が設定されている場合には案内経路を含む)を把握することが可能となる。また、縮尺変更パッド64においてフリック操作又はドラッグ操作を行うと、後述のように地図の縮尺をより大きい縮尺(例えば1/5000の縮尺)又はより小さい縮尺(例えば1/8万の縮尺)へと段階的に変更することが可能である。また、表示変更ボタン65をタッチオンして選択すると、地図画像61の表示態様(鳥瞰図、平面図、ノーズアップ、ノースアップ等)を変更することが可能である。また、目的地セットボタン66をタッチオンして選択すると、中央カーソル63の示す地点を目的地に設定することが可能である。また、地点登録ボタン67をタッチオンして選択すると、中央カーソル63の示す地点を登録地点としてナビゲーション装置1に登録することが可能である。
【0033】
次に、縮尺変更パッド64について図4を用いてより詳細に説明する。図4は走行案内画面60に表示される縮尺変更パッド64を拡大して示した図である。
図4に示すように縮尺変更パッド64は長尺形状を有し、「0」〜「50」までのメモリ(例えば1メモリ単位は1mmとする)が左右方向に刻まれたメモリ部68が表示される。そして、ユーザは縮尺変更パッド64内で左右方向にフリック操作又はドラッグ操作を行うことによって、地図画像61の縮尺を変更する。また、縮尺変更パッド64内には、大きさの異なる円形形状のマーク69が並べて配置され、左方向が地図画像61の縮尺を拡大、即ち、より詳細な地図へと変更する方向に対応することを示し、右方向が地図画像61の縮尺を縮小、即ち、より広域な地図へと変更する方向に対応することを示す。従って、ユーザは現在表示されている地図画像61の縮尺を大きくしたい場合には、左方向にフリック操作又はドラッグ操作を行う。一方、ユーザは現在表示されている地図画像61の縮尺を小さくしたい場合には、右方向にフリック操作又はドラッグ操作を行う。また、縮尺の変更態様(変更完了後の縮尺や変更完了までの変更段階数)は、後述のようにフリック操作ではタッチオフされる直前のタッチ座標の変位速度に基づいて決定され、ドラッグ操作ではタッチオンしてからタッチオフされるまでのタッチ座標の変位量に基づいて決定される。
【0034】
また、液晶ディスプレイ15に表示される地図画像61の変更可能な縮尺範囲(制御値範囲)は、本実施形態では1/5000〜1/5120万である。また、下限値である1/5120万と上限値である1/5000とを含む50個の設定可能な縮尺(設定可能制御値)がある。ここで、図5は、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺とスケール表示の一例を示した図である。図5に示すように、例えば、最も縮尺の大きい設定可能縮尺である1/5000の縮尺は50mのスケール表示に対応しており、最も縮尺の小さい設定可能縮尺である1/5120万の縮尺は500kmのスケール表示に対応する。そして、ナビゲーション装置1は、液晶ディスプレイ15に表示する地図画像61の縮尺を、図5に示す50個の設定可能縮尺のいずれかの縮尺に設定して表示する。また、ユーザによる縮尺変更の操作を受け付けた場合には、後述のように現在の縮尺とユーザ操作の操作量に基づいて50個の設定可能縮尺のいずれかの縮尺に変更して設定する。尚、設定可能縮尺の数は50個に限られること無く、例えば100個や20個でも良い。
【0035】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、施設検索を行った場合に検索された施設に関する情報を出力する際にも用いられる。
【0036】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0037】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0038】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行するタッチ座標取得処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係るタッチ座標取得処理プログラムのフローチャートである。ここで、タッチ座標取得処理プログラムは、車両のACCがオンされた後に所定間隔(例えば200ms毎)で繰り返し実行され、タッチパネル14にユーザがタッチした状態にある場合に、タッチした地点の座標であるタッチ座標を取得するプログラムである。尚、以下の図6、図8及び図9にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0039】
先ず、タッチ座標取得処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41はタッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、ユーザがタッチパネル14をタッチした地点の座標であるタッチ座標を取得する。例えば、タッチパネル14が抵抗膜方式や静電容量方式である場合には、ユーザがタッチした地点の圧力や静電容量の変化に基づいて流れた電流の位置を検出することによって、タッチ座標を検出する。
【0040】
次に、S2においてCPU41は、前記S1の処理でタッチ座標を取得できたか否か判定する。尚、ユーザがタッチパネル14にタッチしている状態(特に抵抗膜方式では所定値以上の圧力でタッチしている場合)において、前記S1でタッチ座標が取得される。
【0041】
そして、前記S1の処理でタッチ座標を取得できたと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。それに対して、前記S1の処理でタッチ座標を取得できなかったと判定された場合(S2:NO)には、タッチ座標を記憶することなく当該タッチ座標取得処理プログラムを終了する。
【0042】
S3においてCPU41は、前記S1の処理で取得したタッチ座標を、RAM42に設けられたタッチ座標履歴キューに記憶する。尚、タッチ座標履歴キューには、直前の所定回数(例えば4回)分のタッチ座標のデータが記憶されるように構成されている。ここで、図7はタッチ座標履歴キューの模式図を示した図である。図7に示すように直前の4回分のタッチ座標のデータとして、古いデータから順にタッチ座標A、B、C、Dのデータがタッチ座標履歴キューに記憶されている状態において、新たにタッチ座標Eが取得された場合には、最も古いタイミングで取得されたタッチ座標Aのデータが削除され、タッチ座標Eのデータが新たにタッチ座標履歴キューに記憶されることとなる。また、タッチ座標履歴キューは、タッチオフが確定した場合や、タッチオンに基づいて新たな選択対象物が選択された場合には初期化される。その後、当該タッチ座標取得処理プログラムを終了する。
【0043】
そして、CPU41は、S3でタッチ座標履歴キューに記憶されたタッチ座標に基づいて、各種処理を実行する。例えば、液晶ディスプレイ15に表示された各種ボタン65〜67の選択処理、地図画像61のスクロール処理、地図画像61の縮尺を変更する後述の地図縮尺変更処理(図8、図9)等を行う。
【0044】
次に、ナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行する地図画像縮尺変更処理プログラムについて図8及び図9に基づき説明する。図8及び図9は本実施形態に係る地図画像縮尺変更処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図画像縮尺変更処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、車両周辺の地図画像を液晶ディスプレイ15に表示するとともに、受け付けたユーザの操作に基づいて、液晶ディスプレイ15に表示されている地図画像の縮尺を現在の縮尺から変更するプログラムである。尚、以下の図8及び図9にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0045】
先ず、地図画像縮尺変更処理プログラムにおけるS11においてCPU41は、液晶ディスプレイ15に対して車両周辺の地図画像61や縮尺変更パッド64を含む走行案内画面60(図3)を表示する。尚、ACCがオンされた時点において液晶ディスプレイ15に表示される地図画像61の縮尺は、初期設定に基づく縮尺(例えば、1/8万)や前回ACCがオフされた時点において設定されていた縮尺に設定される。
【0046】
次に、S12においてCPU41は、タッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、タッチパネル14の縮尺変更パッド64に対応する領域において、ユーザがタッチしていない状態からタッチした状態へと移行する“縮尺変更パッド64のタッチオン”を検出したか否か判定する。具体的には、図10に示すように前述した所定間隔で実行される座標取得処理プログラム(図6)において、タッチパネル14の縮尺変更パッド64に対応する領域で、前回の処理では座標が取得できず、且つ今回の処理で座標が取得できた場合には、縮尺変更パッド64をタッチオンしたと検出する。
【0047】
そして、縮尺変更パッド64のタッチオンを検出したと判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。それに対して、縮尺変更パッド64のタッチオンを検出していないと判定された場合(S12:NO)には、タッチオンを検出するまで待機する。
【0048】
S13においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺(即ち、液晶ディスプレイ15において現在表示されている地図画像61の縮尺)を取得する。尚、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺は、RAM42等に記憶される。
【0049】
その後、S14においてCPU41は、タッチ座標履歴キューに記憶されている直前4回分のタッチ座標を比較することによって、タッチ座標が変位しているか否か判定する。具体的には、直前4回分のタッチ座標が所定の誤差範囲(例えば±5%)内にない場合には、タッチ座標が変位していると判定する。一方、直前4回分のタッチ座標が全て所定の誤差範囲内の場合には、タッチ座標が変位していないと判定する。ここで、タッチ座標が変位する場合としては、ユーザがドラッグ操作やフリック操作を行っている場合等が該当する。
【0050】
そして、タッチ座標が変位していると判定された場合(S14:YES)には、S16へと移行する。それに対して、タッチ座標が変位していないと判定された場合(S14:NO)には、S15へと移行する。
【0051】
S15においてCPU41は、タッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、ユーザがタッチパネル14をタッチした状態からタッチしていない状態へと移行するタッチオフを検出したか否か判定する。具体的には、図10に示すように前述した所定間隔で実行される座標取得処理プログラム(図6)において、前回の処理では座標が取得でき、且つ今回の処理で座標が取得できなかった場合には、タッチオフしたと検出する。
【0052】
そして、タッチオフを検出したと判定された場合(S15:YES)には、当該地図画像縮尺変更処理プログラムを終了する。それに対して、タッチオフを検出していないと判定された場合(S15:NO)には、S14へと戻る。
【0053】
また、前記S14においてタッチ座標が変位していると判定された場合(S14:YES)に実行されるS16においてCPU41は、タッチオフを検出したか否か判定する。
【0054】
そして、タッチオフを検出したと判定された場合(S16:YES)には、縮尺変更パッド64においてフリック操作が行われたと判定し、S31(図9)へと移行する。一方、タッチオフを検出していないと判定された場合(S16:NO)には、縮尺変更パッド64においてドラッグ操作が行われたと判定し、S17へと移行する。
【0055】
S17においてCPU41は、縮尺変更パッド64において行われたドラッグ操作におけるタッチ座標の変位量を、ユーザ操作の操作量として特定する。具体的には、ドラッグ操作を開始した開始点のタッチ座標から現在のタッチ座標までの変位量が、ユーザ操作の操作量となる。また、タッチ座標の変位量は縮尺変更パッド64に表示されたメモリ部68のメモリ数に基づいて特定される。例えば、図11に示すように、X1を開始点としてX2までドラッグ操作した場合には、タッチ座標がメモリ部68の「20」から「40」まで変位するので、前記S17で特定されるタッチ座標の変位量(ユーザ操作の操作量)は「20」と「40」の差分である「20」となる。また、前記S17では、ドラッグ操作におけるタッチ座標の変位方向を、縮尺変更方向として特定する。縮尺変更方向は、「拡大方向」と「縮小方向」のいずれかに特定され、本実施形態ではタッチ座標が左方向に変位する場合には縮尺変更方向は「拡大方向」に特定され、タッチ座標が右方向に変位する場合には縮尺変更方向は「縮小方向」に特定される。
【0056】
次に、S18においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺と前記S17で特定したユーザ操作の操作量及び縮尺変更方向に基づいて、仮最終縮尺を特定する。
具体的には、先ずCPU41は、前記S17で算出されたユーザ操作の操作量に0.5を乗じた値を仮縮尺変位量として算出する。そして、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺を、特定された縮尺変更方向へと、算出した仮縮尺変位量のレベル数だけ変更した後の縮尺を仮最終縮尺として特定する。例えば、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺が1/2048万であって、前記S17で特定されたユーザ操作の操作量が「10」であって、縮尺変更方向が「縮小方向」であった場合には、仮縮尺変位量は「5」となる。従って、図12に示すように現在の縮尺である1/2048万の縮尺から、縮尺を縮小する方向に5レベル変更した縮尺(1/2048万から縮小側に5レベル変更した設定可能縮尺)である1/5120万が仮最終縮尺となる。また、前記S17で特定されたユーザ操作の操作量が「14」であって、縮尺変更方向が「縮小方向」であった場合には、仮縮尺変位量は「7」となる。従って、図12に示すように現在の縮尺である1/2048万の縮尺から、縮尺を縮小する方向に7レベル変更した縮尺である1/7168万が仮最終縮尺となる。但し、1/7168万はナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺の下限値(1/5120万)を下回る縮尺となる。
【0057】
続いて、S19においてCPU41は、前記S17で特定された仮最終縮尺が、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺(図5)の限界値を超えているか否か判定する。尚、本実施形態では設定可能縮尺は、図5に示すように1/5000〜1/5120万であり、それぞれ下限値は1/5120万、上限値は1/5000となる。
【0058】
そして、前記S17で特定された仮最終縮尺が、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺(図5)の限界値を超えていないと判定された場合(S19:NO)には、前記S19で特定された仮最終縮尺を、変更完了後の縮尺(制御値)である最終縮尺に決定する(S20)。一方、前記S17で特定された仮最終縮尺が、ナビゲーション装置1で設定可能な縮尺である設定可能縮尺(図5)の限界値を超えていると判定された場合(S19:YES)には、限界値(上限値を上回っている場合には上限値である1/5000、下限値を下回っている場合には下限値である1/5120万)を最終縮尺に決定する(S21)。その後、S22へと移行する。
【0059】
次に、S22においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている縮尺から前記S20で決定された最終縮尺の間に含まれる設定可能縮尺の数(以下、残変位量という)を算出する。例えば、現在の縮尺が1/2048万の縮尺であって、1/5120万が最終縮尺の場合には、残変位量は「5」となる。
【0060】
その後、S23においてCPU41は、前記S22で算出された残変位量に所定割合を乗じた値を“1段階分の変位量”として算出する。具体的には、残変位量に0.25を乗じた値を小数点いかで四捨五入(但し、1未満は切り上げ)した値を“1段階分の変位量”とする。例えば、現在の縮尺が1/2048万の縮尺であって、1/5120万が最終縮尺の場合には、“1段階分の変位量”は5×0.25≒「1」となる。
【0061】
続いて、S24においてCPU41は、前記S23で算出された“1段階分の変位量”に基づいて、ナビゲーション装置1に設定されている縮尺を変更して設定する。具体的には、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺から“1段階分の変位量”を、前記S17で特定された縮尺変更方向へ変更した縮尺へと変更する。例えば、現在の縮尺が1/2048万の縮尺であって、縮尺変更方向が縮小方向であり、“1段階分の変位量”が「2」の場合には、1/2048万の縮尺より縮小側に2レベル変更した1/3072万へと変更される。
【0062】
その後、S25においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺が最終縮尺となったか否かを判定する。
【0063】
そして、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺が最終縮尺となったと判定された場合(S25:YES)には、当該地図画像縮尺変更処理プログラムを終了する。一方、現在ナビゲーション装置1に設定されている縮尺が最終縮尺となっていないと判定された場合(S25:NO)にはS22へと戻る。そして、ナビゲーション装置1に設定された縮尺が最終縮尺となるまで、S22〜S24の処理が繰り返し実行される。
【0064】
例えば、図13では、縮尺変更をする前の縮尺が1/512万に設定されている状態で、ユーザによる縮尺変更の操作を受け付けた場合であって、縮尺変更方向が縮小方向であり、ユーザ操作の操作量に基づいて決定された最終縮尺が1/5120万の場合について説明する。
図13に示すように、最初にS22において算出される残変位量は「15」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は15×0.25≒「4」となり、最初の1段階目の変動では、4レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/512万から1/768万となる。
次にS22において算出される残変位量は「11」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は11×0.25≒「3」となり、2段階目の変動では、3レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/768万から1/1280万となる。
続いてS22において算出される残変位量は「8」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は8×0.25=「2」となり、3段階目の変動では、2レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/1280万から1/1792万となる。
続いてS22において算出される残変位量は「6」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は6×0.25≒「2」となり、4段階目の変動では、2レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/1792万から1/2560万となる。
続いてS22において算出される残変位量は「4」となる。したがって、前記S23で算出される“1段階分の変位量”は4×0.25=「1」となり、5段階目の変動では、1レベル縮小側の設定可能縮尺へと縮尺を変更し、その結果1/2560万から1/3072万となる。
以降は、6段階目〜8段階目まで1レベルずつ縮小側の縮尺に変更され、最終縮尺である1/5120万となった時点で縮尺の変更が完了する。
【0065】
以上のように本実施形態では、ユーザによる縮尺変更のドラッグ操作を受け付けた場合に、ナビゲーション装置1に設定される地図の縮尺を、変更前の縮尺から最終縮尺まで、変更前の縮尺と最終縮尺の差分に基づく段階数で、設定可能縮尺範囲内において段階的に変更して設定する。具体的には、現在の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で縮尺を変更する処理を繰り返し実行することにより、最終縮尺まで段階的に変更する。従って、変更前の縮尺と最終縮尺との間に含まれる縮尺の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することとなる。また、本実施形態では、仮最終縮尺が設定可能縮尺の範囲を超える場合に、限界値(上限値を上回っている場合には上限値である1/5000、下限値を下回っている場合には下限値である1/5120万)を最終縮尺に決定する(S21)ので、限界値を超える仮最終縮尺を最終縮尺として縮尺の変更を行う場合と比較して、より多くの段階数で変更処理を行い、滑らかに縮尺の変更を行うことが可能となる。
【0066】
一方、前記S16の処理で、タッチオフを検出したと判定された場合(S16:YES)には、縮尺変更パッド64においてフリック操作が行われたと判定し、S31へと移行する。
【0067】
S31においてCPU41は、縮尺変更パッド64において行われたフリック操作におけるタッチオフされる直前のタッチ座標の変位速度を、ユーザ操作の操作量として特定する。具体的には、図14に示すようにタッチオフを検出する直前に取得されたタッチ座標とその一つ前に検出されたタッチ座標の変位量[mm]が、200ms当たりのタッチ座標の変位量[mm/200ms]となり、タッチオフされる直前のタッチ座標の変位速度として算出される。また、前記S31では、タッチ座標の変位方向に基づいて、縮尺変更方向を「拡大方向」と「縮小方向」のいずれかに特定する。図15に示すように、Y1を開始点として右方向にフリック操作した場合には、フリック操作におけるタッチ座標の変位方向を、縮尺変更方向として特定する。
【0068】
次に、S32においてCPU41は、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺と前記S31で特定したユーザ操作の操作量及び縮尺変更方向に基づいて、仮最終縮尺を特定する。
具体的には、先ずCPU41は、前記S32で算出されたユーザ操作の操作量[mm/200m]に5を乗じた値を仮縮尺変位量として算出する。そして、現在ナビゲーション装置1で設定されている地図の縮尺を、特定された縮尺変更方向へと、算出した仮縮尺変位量の段階数だけ変更した後の縮尺を仮最終縮尺として特定する。
【0069】
以降のS33〜S39の処理は、前記S19〜S25と同様の処理であるので説明は省略する。そして、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、ユーザによる縮尺変更のフリック操作を受け付けた場合においても、上述したドラッグ操作を受け付けた場合と同様に、ナビゲーション装置1に設定される地図の縮尺を、変更前の縮尺から最終縮尺まで、変更前の縮尺と最終縮尺の差分に基づく段階数で、設定可能縮尺範囲内において段階的に変更して設定する。具体的には、現在の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で縮尺を変更する処理を繰り返し実行することにより、最終縮尺まで段階的に変更する。従って、変更前の縮尺と最終縮尺との間に含まれる縮尺の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することとなる。また、本実施形態では、仮最終縮尺が設定可能縮尺の範囲を超える場合に、限界値(上限値を上回っている場合には上限値である1/5000、下限値を下回っている場合には下限値である1/5120万)を最終縮尺に決定する(S35)ので、限界値を超える仮最終縮尺を最終縮尺に決定して縮尺の変更を行う場合と比較して、より多くの段階数で変更処理を行い、滑らかに縮尺の変更を行うことが可能となる。即ち、限界値を超える仮最終縮尺を最終縮尺に決定することとすると、限界値を超えた最終縮尺を基準にして各段階の縮尺の変位量が決定される。従って、各段階の変位量(特に、初期段階の変位量)が大きくなり、限界値まで僅かな段階数の変更で到達することとなる。
【0070】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1の制御方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、液晶ディスプレイ15に対して車両周辺の地図画像を所定の縮尺で表示する(S11)とともに、縮尺変更パッド64を用いたユーザの縮尺変更操作を受け付けた場合に、ユーザ操作の操作量を特定し(S17、S31)、現在の縮尺からユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終縮尺を特定し(S18、S32)、特定された仮最終縮尺とナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値とを比較し(S19、S33)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超える場合に、限界値を最終縮尺に決定するとともに(S21、S35)、仮最終縮尺がナビゲーション装置1で設定可能な縮尺範囲の限界値を超えない場合に、仮最終縮尺を最終縮尺に決定する(S20、S34)。そして、変更前の縮尺から最終縮尺まで、変更前の縮尺と最終縮尺の差分に基づく段階数で、設定可能縮尺範囲内において段階的に変更して設定する(S22〜S24、S36〜S38)ので、ユーザ操作の操作量によらず、ナビゲーション装置1の縮尺を滑らかに変位させて最終縮尺までの縮尺の変更を行うことが可能となる。
また、ナビゲーション装置1に設定された地図の縮尺を変更する際には、現在の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で縮尺を変更する処理を繰り返し実行することにより、最終縮尺まで段階的に変更する(S22〜S24、S36〜S38)ので、縮尺を段階的に変位させることが可能となるとともに、その段階毎の縮尺の変位量を段階が進むにつれて徐々に小さくして変位させることが可能となる。その結果、縮尺の変位をユーザに違和感を覚えさせることなく、且つ滑らかに変位させることが可能となる。
また、変更前の縮尺と最終縮尺との間に含まれる設定可能縮尺の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することとなるので、縮尺を大きく変更させる場合においても、縮尺が一度に大きく変位することなく、段階的に縮尺を変位させることによって、滑らかに変位させることが可能となる。
また、タッチパネル14の特定領域に設けられた縮尺変更パッド64をタッチしたユーザ操作に基づいて縮尺を変更するので、ユーザは現在の縮尺から希望する縮尺への変更を単純な操作で容易に行うことが可能となる。特に、縮尺変更パッド64をフリック操作した場合には、フリック操作におけるタッチ座標の変位速度に基づいて縮尺の変位量が決定されるので、ユーザは現在の縮尺から希望する縮尺への変更をフリック操作で容易かつ正確に行うことが可能となる。従って、ナビゲーション装置1の操作性を向上させることが可能となる。
【0071】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、S18やS32において仮縮尺変位量を算出する際に乗じる係数や、S23やS37において“1段階分の変位量”を算出する際に乗じる係数は適宜変更することが可能である。
【0072】
また、本実施形態では、表示画面上に設けられた縮尺変更パッド64において受け付けたドラッグ操作やフリック操作に基づいてユーザ操作の操作量を特定する構成としているが、表示画面上とは別の場所(例えば、車両のコンソールボックス上、接続された通信端末)に設けられたパッドにおいて受け付けたドラッグ操作やフリック操作に基づいてユーザ操作の操作量を特定する構成としてもよい。また、他の操作(例えば、ダイヤル操作、数値入力操作)に基づいてユーザ操作の操作量を特定する構成としても良い。
【0073】
また、本実施形態では、本願発明に係る制御値をナビゲーション装置1の液晶ディスプレイ15に表示する地図の縮尺に適用した例について説明したが、ナビゲーション装置1以外の地図を表示する機能を有する装置、例えば携帯電話機等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等に適用することも可能である。更に、制御値を地図の縮尺以外に適用することも可能である。例えば音楽再生装置における音量、加熱機器における温度、照明装置における明るさ等に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61 地図画像
64 縮尺変更パッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定手段と、
変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定手段と、
制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更手段と、を有し、
前記最終制御値決定手段は、
前記変更前制御値から前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終制御値を特定し、
前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御値範囲には、前記限界値としての下限値と上限値とを含む複数の設定可能制御値があって、
前記制御値変更手段は、
制御値を複数の前記設定可能制御値のいずれかに変更して設定し、
前記変更前制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する制御値数算出手段を備え、
制御値を、前記制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御値変更手段は、
現在の制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する現在制御値数算出手段を備え、
制御値を、前記現在制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で制御値を変更する処理を繰り返し実行することにより前記最終制御値まで段階的に変更することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
表示装置の表示領域に配置され、前記ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルにおいて前記ユーザがタッチしたタッチ座標を検出するタッチ座標検出手段と、を有し、
前記表示領域には、制御値を変更するための制御値変更領域が配置され、
前記操作量特定手段は、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記操作量特定手段は、前記制御値変更領域に前記ユーザがタッチした状態で、前記タッチ座標が制御値を変更する方向に移動した後にタッチオフされた場合に、当該タッチオフされる直前の前記タッチ座標の変位速度に基づいて、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
設定された縮尺で地図を表示装置に表示する地図表示手段を有し、
制御値は、前記地図表示手段により前記表示装置に表示する地図の縮尺であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定ステップと、
変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定ステップと、
制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更ステップと、を有し、
前記最終制御値決定ステップは、
前記変更前制御値から前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、
前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに搭載され、
所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定機能と、
変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定機能と、
制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更機能と、をプロセッサに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記最終制御値決定機能は、
前記変更前制御値から前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、
前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定手段と、
変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定手段と、
制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更手段と、を有し、
前記最終制御値決定手段は、
前記変更前制御値から前記操作量特定手段によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく変位量を変位させた仮最終制御値を特定し、
前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御値範囲には、前記限界値としての下限値と上限値とを含む複数の設定可能制御値があって、
前記制御値変更手段は、
制御値を複数の前記設定可能制御値のいずれかに変更して設定し、
前記変更前制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する制御値数算出手段を備え、
制御値を、前記制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数が多い程、より多くの段階数で段階的に変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御値変更手段は、
現在の制御値と前記最終制御値の間に含まれる前記設定可能制御値の数を算出する現在制御値数算出手段を備え、
制御値を、前記現在制御値数算出手段により算出された前記設定可能制御値の数に所定割合を乗じた数に応じた変位量で制御値を変更する処理を繰り返し実行することにより前記最終制御値まで段階的に変更することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
表示装置の表示領域に配置され、前記ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルにおいて前記ユーザがタッチしたタッチ座標を検出するタッチ座標検出手段と、を有し、
前記表示領域には、制御値を変更するための制御値変更領域が配置され、
前記操作量特定手段は、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記操作量特定手段は、前記制御値変更領域に前記ユーザがタッチした状態で、前記タッチ座標が制御値を変更する方向に移動した後にタッチオフされた場合に、当該タッチオフされる直前の前記タッチ座標の変位速度に基づいて、前記制御値変更領域に対するユーザ操作の操作量を特定することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
設定された縮尺で地図を表示装置に表示する地図表示手段を有し、
制御値は、前記地図表示手段により前記表示装置に表示する地図の縮尺であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定ステップと、
変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定ステップと、
制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更ステップと、を有し、
前記最終制御値決定ステップは、
前記変更前制御値から前記操作量特定ステップによって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、
前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに搭載され、
所定の制御値に対するユーザ操作の操作量を特定する操作量特定機能と、
変更前の制御値である変更前制御値と前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量とに基づいて、変更完了後の制御値である最終制御値を決定する最終制御値決定機能と、
制御値を、前記変更前制御値から前記最終制御値まで、前記変更前制御値と前記最終制御値との差分に基づく段階数で所定の制御値範囲内において段階的に変更して設定する制御値変更機能と、をプロセッサに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記最終制御値決定機能は、
前記変更前制御値から前記操作量特定機能によって特定された前記ユーザ操作の操作量に基づく値を変更した仮最終制御値を特定し、
前記仮最終制御値と前記制御値範囲の限界値とを比較し、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超える場合に、前記限界値を前記最終制御値に決定するとともに、
前記仮最終制御値が前記制御値範囲の限界値を超えない場合に、前記仮最終制御値を前記最終制御値に決定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−113070(P2012−113070A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260707(P2010−260707)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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