説明

制御装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっていることを検知する。
【解決手段】転写部14は、決められた種類の媒体に画像を転写する。定着部15の電磁誘導部53は、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、画像を媒体に定着させる。定着部15の計測部55は、定着部15の温度を計測する。制御部11は、計測部55により計測された温度が、媒体の種類に応じて設定された目標温度に近づくように、定着部15に供給する電力を指示し、その電力を定着部に供給する。制御部11は、指示した電力が、記憶部12において媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱したことを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置により画像が形成される媒体には様々な種類のものが用いられ、各媒体に画像を定着させるために必要な熱量もその種類ごとに異なる場合がある。そのため、ユーザによって指示された媒体の種類と実際に画像形成に供される媒体の種類とが異なっていると、媒体に形成される画像の定着が不十分になるというトラブルが発生することがある。このようなトラブルを防ぐため、指示した媒体と実際の媒体とが異なっていることを検知する画像形成装置が開発されている。
【0003】
特許文献1には、定着器へ流れる電流検出手段を備え、検出した電流が所定値以上であることと、入力遮断信号や駆動開始信号の入出力によって、入出力手段やスイッチング素子や駆動回路の異常を検知する画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、用紙の厚さを検知する検知手段を備え、検知した用紙厚さに応じて、定着温度の変更を行う画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−295679号公報
【特許文献2】特開2005−37871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっていることを検知することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1に係る制御装置は、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部の温度を計測する計測部と、前記計測部により計測された温度が、前記媒体の種類に応じて設定された目標となる温度である目標温度に近づくように、前記加熱部に供給する電力の大きさを指示する指示部と、前記指示部により指示された大きさの電力を前記加熱部に供給する供給部と、前記指示部により指示された大きさの電力が前記媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱したことを検知する検知部と、前記検知部による検知結果に応じた制御を行う制御部とを具備することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る制御装置は、請求項1に記載の態様において、前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、当該検知結果に応じて前記目標温度を補正して、補正された当該目標温度に近づくように、前記指示部に前記電力の大きさを指示させることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る制御装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、当該検知結果に応じて前記媒体の種類と異なる種類を特定し、前記目標温度を、特定した前記種類に応じて設定された目標温度に補正して、補正された当該目標温度に近づくように、前記指示部に前記電力の大きさを指示させることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置と、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部であって、前記計測部により温度を計測される加熱部と、前記媒体に画像を転写する転写部と、前記媒体を決められた速度で前記転写部または前記加熱部に搬送する搬送部とを具備し、前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、前記決められた速度を当該検知結果に応じた速度に補正して、補正された当該速度で当該媒体を搬送させるを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置と、像保持体と、前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像部と、印加された電圧に応じて、前記現像手段によって現像された画像を前記媒体に転写する転写部と、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部であって、前記計測部により温度を計測される加熱部とを具備し、前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、前記転写部に印加する電圧を当該検知結果に応じた電圧に補正して、補正された当該電圧を印加することにより当該転写部に前記画像を転写させることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置と、像保持体と、前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像部と、指定された量の現像剤を前記現像部に補給する補給部と、前記現像手段によって現像された画像を前記媒体に転写する転写部と、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部であって、前記計測部により温度を計測される加熱部とを具備し、前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、前記現像部に補給する現像剤の量を当該検知結果に応じた量に補正して、補正された当該量を前記補給部に指定して当該量の現像剤を補給させることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項4に記載の態様において、前記検知部は、前記搬送部によって前記媒体が前記転写部または前記加熱部に搬送されてから検知を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、請求項4から7のいずれか1項に記載の態様において、前記媒体の種類に応じた電力の閾値である電力閾値、および当該電力閾値を逸脱した電力が指示され続ける時間の閾値である時間閾値を記憶する記憶部を具備し、前記検知部は、前記記憶部に記憶された前記時間閾値を超えた期間にわたって前記電力閾値を逸脱した大きさの電力が前記指示部により指示され続けたときに、前記電力が前記条件を逸脱したことを検知することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項9に係る画像形成装置は、請求項8に記載の態様において、前記時間閾値は、前記媒体が前記加熱部を通過する時間に応じて定められた閾値であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項10に係るプログラムは、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部と、前記加熱部の温度を計測する計測部とを具備する画像形成装置のコンピュータを、前記計測部により計測された温度が、前記媒体の種類に応じて設定された目標となる温度である目標温度に近づくように、前記加熱部に供給する電力の大きさを指示する指示部と、前記指示部により指示された大きさの電力を前記加熱部に供給する供給部と、前記指示部により指示された大きさの電力が前記媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱したことを検知する検知部と、前記検知部による検知結果に応じた制御を行う制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の制御装置によれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっていることを検知することができる。
請求項2に記載の制御装置によれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっている場合に、実際の媒体に合わせた定着処理を加熱部に行わせることができる。
請求項3に記載の制御装置によれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっている場合に、実際の媒体に合わせて設定されている定着処理を加熱部に行わせることができる。
請求項4に記載の画像形成装置によれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっている場合に、実際の媒体に合わせた速度でその媒体を搬送することができる。
請求項5に記載の画像形成装置によれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっている場合に、実際の媒体に合わせた転写電圧でその媒体に画像を転写することができる。
請求項6に記載の画像形成装置によれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっている場合に、実際の媒体に合わせて、現像器へ補給する現像剤の量を調整することができる。
請求項7に記載の画像形成装置によれば、媒体が搬送される前の電力を除外して検知の精度を向上させることができる。
請求項8に記載の画像形成装置によれば、時間の閾値を記憶しない場合に比べて、指示した媒体と実際の媒体とが異なっていることを検知する精度を向上させることができる。
請求項9に記載の画像形成装置によれば、媒体によって奪われた熱の寄与に基づいて検知を行うことができる。
請求項10に記載のプログラムによれば、加熱部に流れる電流を検出する手段や媒体の厚さを検知する手段がなくても、指示した媒体と実際の媒体とが異なっていることを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の各部が制御部により制御されることを説明するためのブロック図である。
【図3】設定表の一例を示す図である。
【図4】閾値表の一例を示す図である。
【図5】定着部の概要を示す図である。
【図6】本実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図7】電力指示値と閾値表に記載された条件との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.実施形態
1−1.構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。同図に示すように、画像形成装置1は、制御部11と、記憶部12と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15と、搬送部16と、操作部17とを備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に大きな差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部13」とする。
【0019】
図2は、画像形成装置1の各部が制御部11により制御されることを説明するためのブロック図である。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROMや記憶部12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより画像形成装置1の各部を制御する。また、制御部11は、プログラムを実行することに寄って指示部111、供給部112、および検知部113として機能する。
【0020】
操作部17は各種の指示を入力するための操作ボタンなどを備えており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部11に供給する。
記憶部12はハードディスクドライブなどの大容量の記憶手段であり、制御部11のCPUに読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部12は、制御部11が上述のプログラムの実行に用いる設定表121と、閾値表122とを記憶する。
【0021】
図3は、設定表121の一例を示す図である。設定表121には、画像形成に用いられる種々のパラメータが用紙の種類ごとに記述されている。例えば、図3に示す設定表121には、制御部11が行うフィードバック制御(後述)において目標値とされる定着部15の温度(目標温度)である定着温度T1,T2,T3,…の設定値と、搬送部16による用紙Pの搬送速度である搬送速度u1,u2,u3,…の設定値と、転写部14による転写電圧V1,V2,V3,…の設定値とが、用紙Pの種類を識別するための記号である紙種ty1,ty2,ty3,…とそれぞれ対応付けられている。なお、図3において各パラメータの単位については省略する。
【0022】
制御部11は、この設定表121に基づいて、用紙の種類ごとに画像形成処理を行う。例えば操作部17を介してユーザから紙種ty1の用紙Pを用いて画像形成処理を行う旨の指示を受けたときに、制御部11は、設定表121を参照し、定着部15の温度が目標温度として紙種ty1に対応付けられている定着温度T1に近づくように定着部15に供給する電力を指示するというフィードバック制御を行う。また、制御部11は、用紙Pが搬送される速度が搬送速度u1になるように搬送部16を制御し、一次転写ロール35または二次転写ロール42と、中間転写ベルト41との電位差が転写電圧V1に等しくなるように現像部13または転写部14を制御する。
【0023】
図4は、閾値表122の一例を示す図である。閾値表122は、ユーザに指示された紙種と実際に搬送される紙種とが異なっているか否かを検知するための条件が記述されている。具体的に閾値表122には、用紙の紙種に対応付けて設定表121で設定されている定着温度を目標値として、定着部15の温度をフィードバック制御した場合に、指示されるはずの電力とその電力が指示され続ける時間との組の上限と下限とが、その紙種ごとにそれぞれ記述されている。なお、図4において各値の単位については省略する。
【0024】
例えば図4に示す閾値表122は、上限の電力Pa1,Pa2,Pa3,…および上限の時間ta1,ta2,ta3,…を、それぞれ紙種ty1,ty2,ty3,…と対応付けている。これは、紙種ty1,ty2,ty3,…の各用紙Pにおいて、定着部15の温度を設定表121に示した定着温度T1,T2,T3,…になるように制御したときに、制御部11により指示されるはずの上限の電力と時間との組を表している。つまり、ユーザが操作部17によって、紙種ty1の用紙Pを用いる旨の指示をしたときに、正しく紙種ty1の用紙Pが用いられた場合、制御部11によって電力Pa1を超える電力が時間ta1を超える時間にわたって指示されることがなく、また、電力Pb1未満の電力が時間tb1を超える時間にわたって指示されることがないことを、この閾値表122は示している。制御部11は、閾値表122を参照し、上述したフィードバック制御により指示する電力の値を、この閾値表122において用紙Pの紙種に対応付けられている上限または下限の各条件に当てはめる。そして、制御部11は、この電力の値がこの条件を逸脱した場合に、これを検知する検知部113として機能する。
【0025】
なお、上述した時間ta1や時間tb1といった時間の閾値は、1枚の用紙Pが定着部15を通過する時間に応じて定められていてもよい。これにより、用紙Pが定着部15を通過していない時間は検知部113の検知の対象から除外される。
【0026】
搬送部16は、容器と搬送ロールとを有する。容器には、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pが収容される。容器に収容されている用紙Pは、制御部11の指示により搬送ロールによって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部14へと搬送される。なお、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシートなどであってもよい。
【0027】
各現像部13は、感光体ドラム31と、帯電器32と、露光装置33と、現像器34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36とを備えている。感光体ドラム31は電荷発生層や電荷輸送層を有する像保持体であり、図示しない駆動部により図中の矢線D13の方向に回転させられる。帯電器32は感光体ドラム31の表面を帯電させる。露光装置33はレーザ発光源やポリゴンミラー等(いずれも図示せず)を備え、制御部11の制御の下、画像データに応じたレーザ光を、帯電器32により帯電させられた後の感光体ドラム31に向けて照射する。これにより、各感光体ドラム31には潜像が保持される。なお、上記の画像データは、制御部11が図示しない通信部を介して外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば原画像を読み取る読取装置や画像を示すデータを記憶した記憶装置などである。
【0028】
現像器34はY,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する。そして現像器34に形成された磁気ブラシの穂先が感光体ドラム31の表面に接触することで、トナーは感光体ドラム31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着し、感光体ドラム31に画像が形成(現像)される。
【0029】
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が感光体ドラム31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41に画像を転写する。ドラムクリーナ36は、画像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、感光体ドラム31表面を除電する。即ち、ドラムクリーナ36は、次の画像形成に備えて、感光体ドラム31から不要なトナーや電荷を除去するものである。
【0030】
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44とを備えており、現像部13によって形成された画像を、ユーザの操作に応じて決められた紙種の用紙Pに転写する転写手段である。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44はこの中間転写ベルト41を張架する。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト41を図中の矢印D14方向に移動させる。なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に従動して回転する。中間転写ベルト41が図中の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上の画像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
【0031】
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上の画像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14は、画像が転写された用紙Pを定着部15へと搬送する。
【0032】
定着部15は、加熱によって用紙Pに転写された画像を定着させる。図5は、定着部15の概要を示す図である。定着部15は、加熱ベルト51と、加圧ロール52と、電磁誘導部53と、ケーシング54と、計測部55と、押圧パッド56と、ホルダ57とを備えている。ケーシング54は電磁誘導部53を収容する。ホルダ57は、図5に示す矢印の方向、すなわち加圧ロール52が配置された方向に向けて押圧パッド56を支持する。電磁誘導部53は、制御部11の指示に応じて図示しない電源から高周波電力が供給される励磁コイルを備えている。加熱ベルト51は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、この円筒形状に沿った導電層を有している。励磁コイルに電力が供給されるとその周囲に高周波磁界が発生し、これが加熱ベルト51の導電層に作用して導電層内部に渦電流が発生する。そして、渦電流のジュール熱によって加熱ベルト51が発熱することで、加熱ベルト51に接した用紙Pが加熱される。その結果、加熱ベルト51および電磁誘導部53の組(本発明における加熱部に相当)は、供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、媒体に転写された画像をその媒体に定着させる。導電層を構成する材料としては、例えば、Au,Ag,Al,Cu,Zn,Sn,Pb,Bi,Be,Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。
【0033】
加圧ロール52は、図示しない駆動部により回転しつつ搬送部16により搬送された用紙Pを加熱ベルト51に押し付けることにより、加熱ベルト51による用紙Pの加熱を補助する。加熱ベルト51は、加圧ロール52からの摩擦力によって加圧ロール52に従動回転する。押圧パッド56は、押圧部材の一例であって、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成され、加圧ロール52と対向する位置にてホルダ57に支持される。押圧パッド56は、加熱ベルト51を介して加圧ロール52から押圧される状態で配置され、加圧ロール52の方向(図5に示す矢印の方向)に向けて加熱ベルト51を内側から押圧する。これにより、加熱ベルト51と加圧ロール52との間にニップ部が形成される。用紙Pは、このニップ部を通過するように搬送される。
【0034】
計測部55は、加熱ベルト51の内側に配置され、加熱ベルト51の温度を計測する。計測部55は、例えば熱電対などを有し、これにより生じる熱起電力の電圧を計測することで、加熱ベルト51の温度を計測する。計測された温度は制御部11に伝えられる。制御部11は、加熱ベルト51の温度が設定された値に近づくように加熱ベルト51の励磁コイルに供給する高周波電力を制御する。すなわち、制御部11は、計測部55により計測された加熱ベルト51の温度が、設定表121において用紙Pの紙種に応じて設定されている目標温度に近づくように、電磁誘導部53に供給する電力を指示する指示部111として機能する。また、制御部11は、指示部111として指示した電力を電磁誘導部53に供給する供給部112として機能する。上述の予め設定された温度に近づくように制御された加熱ベルト51は、中間転写ベルト41を経てニップ部に搬送された用紙Pを加熱する定着処理を行う。定着部15による定着処理を経た用紙Pは、搬送部16により画像形成装置1の上部に設けられた用紙置き場に排出される。
【0035】
1−2.動作
図6は、本実施形態に係る画像形成装置1の動作を示すフロー図である。画像形成装置1の制御部11は、操作部17を介してユーザから画像形成の指示を受けたか否かを判断する(ステップS1)。そして、画像形成の指示を受けていないと判断する間(ステップS1;NO)にわたり、制御部11は、この判断を継続する。画像形成の指示を受けたと判断したとき(ステップS1;YES)、制御部11は、画像形成装置1の各部を制御して画像形成の処理を開始する(ステップS2)。
【0036】
次に、制御部11は、搬送部16により一枚目の用紙Pが定着部15に搬送されたか否かを判断する(ステップS3)。一枚目の用紙Pが未だ定着部15に搬送されていないと判断する間(ステップS3;NO)、制御部は、この判断を継続する。用紙Pが定着部15に搬送されたと判断したとき(ステップS3;YES)、制御部11は、定着部15に供給する高周波電力の指示値(以下、電力指示値という)を監視する(ステップS4)。
【0037】
制御部11は、本発明における検知部113の一例として機能し、監視している電力指示値が閾値表122の上限の条件を逸脱したか否かを判断する(ステップS5)。図7は、電力指示値と閾値表122に記載された条件との関係を説明するための図である。図7(a)の横軸は、一枚目の用紙Pが定着部15に搬送された時点であるt0を起点とした経過時間tであり、縦軸は定着部15の加熱ベルト51の温度である。また、図7(b)〜(d)の横軸は上記の経過時間tであり、縦軸は電力指示値である。
【0038】
PID(Proportional-Integral-Derivative)制御などのフィードバック制御を行う場合、目標値と出力値との偏差、偏差の積分、および偏差の微分などに基づいて入力値が決定される。定着部15の計測部55は、制御の出力値として、定着部15の加熱ベルト51の温度を計測する。例えば、ユーザから紙種ty1の用紙Pを用いて画像形成を行う旨の指示を受けたとき、制御部11は、紙種ty1に対応する定着温度T1を特定しこれをフィードバック制御の目標値とする。図7(a)に示すように、計測された加熱ベルト51の温度T(t)は、時間が経過するにしたがって定着温度T1に近づくように制御される。
【0039】
このとき、制御部11は本発明における指示部111の一例として機能し、計測された温度T(t)と、目標値である定着温度T1との偏差などに基づいて、この偏差が0に近づくように定着部15に供給する電力を入力値として指示する。ここでユーザが指示した紙種ty1の用紙Pが正しく画像形成に供される場合、図7(b)に示すように電力指示値は、閾値表122における上限である電力Pa1と下限である電力Pb1との間に収束する。そのため、電力指示値は、電力Pa1を超えることがあっても、その時間はta1を超えることはなく、また、電力Pb1を超えることがあっても、その時間はtb1を超えることはない。
【0040】
一方、実際に画像形成に供される用紙Pの紙種が、ユーザの指示した紙種ty1ではない場合、紙種ty1であるときに比べて、用紙Pが定着部15から多くの熱を奪う場合がある。例えば、実際の用紙Pの紙種がユーザにより指示された紙種ty1よりも厚いとき、単位面積当たりにこの用紙Pが定着部15から奪う熱量は、紙種ty1の用紙よりも大きい。つまり、この場合、定着部15の熱は用紙Pに奪われ易くなっており、定着部15の温度を定着温度T1に維持するためには、より多くの電力を必要とする。
【0041】
このとき、図7(c)に示すように、電力指示値は正しい紙種の用紙が画像形成に供される場合(図7(b)参照)に比べて高くなり、しばしば上限である電力Pa1を超える。経過時間t1のときに電力指示値が電力Pa1を超え、さらにその状態のまま時間ta1以上が経過したとき、この電力指示値が閾値表122の上限の条件を逸脱したと判断する(ステップS5;YES)。すなわち、制御部11は、検知部113として機能し、指示部111により指示された大きさの電力が媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱したことを検知する。この検知は、例えば電力指示値が電力Pa1以下に戻る経過時間t2までに行われてもよい({t2−t1}>ta1)。このとき、制御部11は次に示す補正処理(以下、第1補正処理という)を行う(ステップS6)。一方、電力指示値が閾値表122の上限の条件を逸脱していないと判断した場合(ステップS5;NO)、制御部11は、監視している電力指示値が閾値表122の下限の条件を逸脱したか否かを判断する(ステップS7)。電力指示値が下限の条件を逸脱していないと判断する場合(ステップS7;NO)、制御部11は処理をステップS9に進める。
【0042】
第1補正処理は、実際に搬送された用紙の方が、ユーザの指示した紙種の用紙よりも多くの熱を奪うため、電力指示値が上限を超える場合に行う補正処理である。この補正処理は、例えばユーザの指示した紙種ty1が普通紙である場合、制御部11が設定表121から読み出してRAMに記憶させた各パラメータを、普通紙よりも熱を奪い易い厚紙の設定に補正する、といったものである。
【0043】
また、実際に画像形成に供される用紙Pの紙種が、ユーザの指示した紙種ty1ではない場合、紙種ty1であるときに比べて、用紙Pが定着部15から奪う熱が少なくなる場合がある。例えば、実際の用紙Pの紙種がユーザにより指示された紙種ty1よりも薄いとき、単位面積当たりにこの用紙Pが定着部15から奪う熱量は、紙種ty1の用紙よりも小さい。つまり、この場合、定着部15の熱は用紙Pに奪われ難くなっている。すなわち、紙種ty1の用紙を用いた場合に比べて、用紙Pの温度は容易に上昇するようになっているので、定着部15の温度を定着温度T1に維持するためには、消費される電力を抑制する必要がある。
【0044】
このとき、図7(d)に示すように、電力指示値は正しい紙種の用紙が画像形成に供される場合(図7(b)参照)に比べて低くなり、しばしば下限である電力Pb1を下回る。経過時間t3のときに電力指示値が電力Pb1を下回り、さらにその状態のまま時間tb1が経過したとき、この電力指示値が閾値表122の下限の条件を逸脱したと判断する(ステップS7;YES)。この判断は、例えば電力指示値が電力Pb1以上に戻る経過時間t4までに行われてもよい({t4−t3}>tb1)。このとき、制御部11は次に示す補正処理(以下、第2補正処理という)を行う(ステップS8)。
【0045】
第2補正処理は、実際に搬送された用紙の方が、ユーザの指示した紙種の用紙よりも熱を奪わないため、電力指示値が下限を下回る場合に行う補正処理である。この補正処理は、例えばユーザの指示した紙種ty1が厚紙である場合、制御部11が設定表121から読み出してRAMに記憶させた各パラメータを、厚紙よりも熱を奪わない普通紙の設定に補正する、といったものである。制御部11は、この補正された設定に基づいてフィードバック制御を行い、電力指示値を決定する。そして制御部11は本発明における供給部112の一例として機能し、電力指示値に示された電力を定着部15の電磁誘導部53に供給する。
【0046】
そして、制御部11は、最後の用紙が定着部から排出されたか否かを判断し(ステップS9)、排出されたと判断した場合には(ステップS9;YES)、この処理を終了する。一方、未だ最後の用紙が定着部から排出されていないと判断した場合(ステップS9;NO)、制御部11は、制御をステップS4に戻す。
【0047】
以上の動作により、ユーザが指示した紙種とは異なる紙種の用紙が画像形成に供された場合であっても、画像形成装置1は、この異常を検知してこれに応じた補正処理を行うので、この構成を用いない場合に比べて、熱量が不足して画像の定着が不十分な用紙や、逆に熱量が過剰になり画像が変質した用紙が減少する。
【0048】
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0049】
2−1.補正処理
上述した実施形態で、画像形成装置1の制御部11は、電力指示値が閾値表122の上限を逸脱したと判断した場合に第1補正処理行い、下限を逸脱したと判断した場合に第2補正処理行っていたが、第1補正処理および第2補正処理は、実施形態で示したものに限られない。すなわち、電力指示値が上限を超える場合に行う第1補正処理の場合、制御部11が設定表121から読み出してRAMに記憶させた各パラメータを、指示された紙種よりも熱を奪い易い紙種の設定に補正されていたが、例えば、搬送速度のみを補正し、搬送部16によって用紙Pが搬送される速度を遅くして、用紙Pから熱を奪い易くするようにしてもよい。また、電力指示値が下限を下回る場合に行う第2補正処理の場合、搬送部16が用紙Pを搬送する速度を速くして、用紙Pから熱を奪い難くするようにしてもよい。
【0050】
また、制御部11は、電力指示値が閾値表122の上限を逸脱したと判断した場合に第1補正処理として転写部14における転写電圧を上げてもよい。この場合、加熱量が過剰であるので、転写電圧を上げることでこの熱量に見合うように用紙Pに転写されるトナー量を増加させればよい。
【0051】
また、現像器34は、二成分現像剤を収容する収容空間と、消費されたトナーをこの収容空間に補給する補給機と、この収容空間においてこれら二成分の現像剤を攪拌する攪拌機を有する。そして、現像器34の収容空間には、例えば透磁率を利用してトナー濃度を検知するトナー濃度センサが設けられ、このトナー濃度センサによって検知された収容空間におけるトナー濃度が目標のトナー濃度になるようにトナーの補給量が制御部11によって調整されている。そこで、制御部11は、電力指示値が閾値表122の上限を逸脱したと判断した場合に第1補正処理として上述したトナー濃度の目標値を上げることにより、現像器34の収容空間に補給するトナーの量を増加させてもよい。
【0052】
また、制御部11は、電力指示値が閾値表122の下限を逸脱したと判断した場合に第2補正処理として転写部14における転写電圧を下げてもよい。この場合、加熱量が不足するので、用紙P上に転写されるトナーの量が多いと定着に十分な熱が行き渡らず定着不良となり易い。したがって、この場合には、転写電圧を下げて用紙Pに転写されるトナー量を減らし、少ない加熱量でもトナーが用紙Pに定着されるようにすればよい。
【0053】
また、制御部11は、電力指示値が閾値表122の下限を逸脱したと判断した場合に第2補正処理として上述したトナー濃度の目標値を下げることにより、現像器34の収容空間に補給するトナーの量を減少させてもよい。
【0054】
要するに、制御部11は、ユーザが指示した紙種とは異なる紙種の用紙が画像形成に供されたことを検知した場合に、その検知結果に応じて、例えば、設定表121により設定されていた定着温度(目標温度)を補正したり、搬送部16により用紙Pが搬送される速度を補正したり、転写部14における転写電圧を補正したりすればよい。
【0055】
また、制御部11は、上述の補正処理を行わなくてもよい。この場合、制御部11は、電力指示値が閾値表122に記述された上限または下限を逸脱したことを検知したときに、その検知結果に応じた制御を行えばよい。例えば、制御部11は、画面を備えた表示部や音声を出力する放音部などの報知装置を用いて電力指示値が閾値表122に記述された条件を逸脱したことをユーザに報知すればよい。このことを報知されたユーザは、実際に搬送される用紙Pの紙種を特定し、特定したその紙種に応じて画像形成の指示を修正すればよい。また、制御部11は、指示された電力指示値の電力が前記条件を逸脱したことを検知した場合に、その検知結果に応じた制御として、画像形成処理を停止してもよい。要するに、画像形成装置1の制御部11は、指示した電力が媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱した場合にそのことを検知し、検知結果に応じた制御を行えばよい。
【0056】
2−2.閾値表
上述した実施形態で、閾値表122には、制御部11により指示されるはずの電力とその電力が指示され続ける時間との組の上限と下限とが紙種ごとにそれぞれ記述されていたが、閾値表122に記述される条件はこれに限られない。例えば、閾値表122には、上限と下限のいずれか一方を記述されていてもよい。閾値表122において上限、下限およびそれらの両方のいずれが記述されているかは、紙種ごとに異なっていてもよい。
【0057】
また、閾値表122には、制御部11によって指示された電力指示値を予め決められた期間にわたって平均した値の上限または下限が記述されていてもよい。この場合、制御部11は、指示した電力指示値を上記の期間にわたって積分して、その積分値をその期間で除算することで電力指示値の平均値を算出する。そして、制御部11は、算出した平均値と閾値表122に記述された上限または下限とを比較して、この電力指示値が閾値表122に示される条件を逸脱したか否かを判断すればよい。
【0058】
また、閾値表122には、計測部55によって計測される温度の上限または下限が記述されていてもよい。この場合、制御部11は、計測部55によって計測された温度と閾値表122に記述された上限または下限とを比較して、この温度が閾値表122に示される条件を逸脱したか否かを判断すればよい。
【0059】
2−3.プログラム
画像形成装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。なお、上記の制御部11によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサなどが用いられる。
【符号の説明】
【0060】
1…画像形成装置、11…制御部、111…指示部、112…供給部、113…検知部、12…記憶部、121…設定表、122…閾値表、13…現像部、14…転写部、15…定着部、16…搬送部、17…操作部、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…露光装置、34…現像器、35…一次転写ロール、36…ドラムクリーナ、41…中間転写ベルト、42…二次転写ロール、43…ベルト搬送ロール、44…バックアップロール、49…ベルトクリーナ、51…加熱ベルト、52…加圧ロール、53…電磁誘導部、54…ケーシング、55…計測部、56…押圧パッド、57…ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部の温度を計測する計測部と、
前記計測部により計測された温度が、前記媒体の種類に応じて設定された目標となる温度である目標温度に近づくように、前記加熱部に供給する電力の大きさを指示する指示部と、
前記指示部により指示された大きさの電力を前記加熱部に供給する供給部と、
前記指示部により指示された大きさの電力が前記媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱したことを検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に応じた制御を行う制御部と
を具備することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、当該検知結果に応じて前記目標温度を補正して、補正された当該目標温度に近づくように、前記指示部に前記電力の大きさを指示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、当該検知結果に応じて前記媒体の種類と異なる種類を特定し、前記目標温度を、特定した前記種類に応じて設定された目標温度に補正して、補正された当該目標温度に近づくように、前記指示部に前記電力の大きさを指示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置と、
供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部であって、前記計測部により温度を計測される加熱部と、
前記媒体に画像を転写する転写部と、
前記媒体を決められた速度で前記転写部または前記加熱部に搬送する搬送部と
を具備し、
前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、前記決められた速度を当該検知結果に応じた速度に補正して、補正された当該速度で当該媒体を前記搬送部に搬送させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置と、
像保持体と、
前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像部と、
印加された電圧に応じて、前記現像手段によって現像された画像を前記媒体に転写する転写部と、
供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部であって、前記計測部により温度を計測される加熱部と
を具備し、
前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、前記転写部に印加する電圧を当該検知結果に応じた電圧に補正して、補正された当該電圧を印加することにより当該転写部に前記画像を転写させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置と、
像保持体と、
前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像部と、
指定された量の現像剤を前記現像部に補給する補給部と、
前記現像手段によって現像された画像を前記媒体に転写する転写部と、
供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部であって、前記計測部により温度を計測される加熱部と
を具備し、
前記制御部は、前記指示部により指示された大きさの電力が前記条件を逸脱したことを前記検知部が検知した場合に、前記現像部に補給する現像剤の量を当該検知結果に応じた量に補正して、補正された当該量を前記補給部に指定して当該量の現像剤を補給させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記検知部は、前記搬送部によって前記媒体が前記転写部または前記加熱部に搬送されてから検知を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記媒体の種類に応じた電力の閾値である電力閾値、および当該電力閾値を逸脱した電力が指示され続ける時間の閾値である時間閾値を記憶する記憶部
を具備し、
前記検知部は、前記記憶部に記憶された前記時間閾値を超えた期間にわたって前記電力閾値を逸脱した大きさの電力が前記指示部により指示され続けたときに、前記電力が前記条件を逸脱したことを検知する
ことを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記時間閾値は、前記媒体が前記加熱部を通過する時間に応じて定められた閾値である
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
供給される電力に応じた熱量により媒体を加熱し、当該媒体に転写された画像を定着させる加熱部と、
前記加熱部の温度を計測する計測部と
を具備する画像形成装置のコンピュータを、
前記計測部により計測された温度が、前記媒体の種類に応じて設定された目標となる温度である目標温度に近づくように、前記加熱部に供給する電力の大きさを指示する指示部と、
前記指示部により指示された大きさの電力を前記加熱部に供給する供給部と、
前記指示部により指示された大きさの電力が前記媒体の種類に応じて予め記憶された条件を逸脱したことを検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に応じた制御を行う制御部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114214(P2013−114214A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262663(P2011−262663)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】