説明

制御装置、表示装置、及び制御方法

【課題】複数の放送チャンネルの中から適切な表示チャンネルを選択することができる制御装置、表示装置、および制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置100の視聴者の位置を検出する位置特定部106と、視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶するメモリ108の記憶内容に基づき、複数の放送チャンネルの中から、検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、表示チャンネルとして選択する制御部109とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、表示装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラによる顔識別等によりテレビジョン受像機を視聴しているユーザを認識し、視聴しているユーザに対して番組が視聴可能か否かを判断して視聴制限を行うとともに、視聴しているユーザの好みを学習して自動的にチャンネルを変更するテレビジョン受像機が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、一定時刻毎に、選局されている受信中のチャンネルデータをメモリに書き込む動作を常時繰り返し行うとともに、電源投入時に、現在の曜日時刻に対応するチャンネルデータをメモリから読み出し、当該チャンネルデータに従ったチャンネルを選局する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−175117号公報
【特許文献1】特開平5−75487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置では、例えば表示開始時に、複数の放送チャンネルの中から適切な表示チャンネルを選択して表示することができれば、視聴者の利便性が向上する。
【0006】
そこで、本発明は、複数の放送チャンネルの中から適切な表示チャンネルを選択することができる制御装置、表示装置、及び制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、例えば表示チャンネルの音声など、表示対象情報の音声の音量を適切に調節することができる制御装置、表示装置、及び制御方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る制御装置は、
複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置の視聴者の位置を検出する検出手段と、
視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る制御装置は、
表示対象情報の画像および音声を出力する表示装置の視聴者の位置または位置変化を検出する検出手段と、
前記検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、前記表示装置から出力される前記表示対象情報の音声の特定の周波数範囲の音量を調節する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、
複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置であって、
当該表示装置の視聴者の位置を検出する検出手段と、
視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置は、
表示対象情報の画像および音声を出力する表示装置であって、
当該表示装置の視聴者の位置または位置変化を検出する検出手段と、
前記検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、当該表示装置から出力される前記表示対象情報の音声の特定の周波数範囲の音量を調節する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る制御方法は、
複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置の視聴者の位置を検出するステップと、
視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択するステップと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る制御方法は、
表示対象情報の画像および音声を出力する表示装置の視聴者の位置または位置変化を検出するステップと、
前記検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、前記表示装置から出力される前記表示対象情報の音声の特定の周波数範囲の音量を調節するステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の放送チャンネルの中から適切な表示チャンネルを選択することができる。
また、本発明によれば、表示対象情報の音声の音量を適切に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における位置特定部の動作の一例を説明するための図である。
【図3】実施の形態1における関係情報の記録に関する制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1におけるメモリの記憶内容の一例を示す図である。
【図5】実施の形態1における表示チャンネルの選択に関する制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2におけるイコライザの動作を説明するための図である。
【図8】実施の形態2における制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置100は、表示対象情報を表示画面に表示する装置であり、例えばテレビジョン受像機である。ここで、表示対象情報は、例えばテレビジョン放送画像や番組表などであり、表示対象のコンテンツである。具体的には、表示装置100は、複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示画面に表示する。
【0016】
図1において、表示装置100は、画像受信部101、画像処理部102、表示部103、カメラ画像取得部104、人検出部105、位置特定部106、リモコン受光部107、メモリ108、および制御部109を有する。
【0017】
画像受信部101は、チューナ、復調回路、デマルチプレクサなどから構成され、テレビジョン放送信号等の放送信号を受信してビットストリーム信号を取り出し、当該ビットストリーム信号をビデオビットストリーム信号やオーディオビットストリーム信号、番組情報を含むメタデータなどに分離して出力する。ここで、ビデオビットストリーム信号は画像処理部102に出力され、オーディオビットストリーム信号は不図示の音声処理部に出力され、メタデータは制御部109に出力される。具体的には、画像受信部101は、制御部109の制御により、表示チャンネルの放送信号を受信して、表示チャンネルのビデオビットストリーム信号およびオーディオビットストリーム信号を出力する。
【0018】
画像処理部102は、入力されたビデオビットストリーム信号をデコードして放送画像(具体的には放送画像を表す画像信号または画像データ)に復元し、当該放送画像に対し、表示に適した画像にするための画像処理を行う。この画像処理としては、画像中のノイズの除去や、画像の明るさ、色、または大きさの調節などがある。画像処理部102は、得られた放送画像を表示部103に出力する。
【0019】
表示部103は、表示画面を有し、当該表示画面に画像処理部102からの出力画像を表示する。すなわち、表示部103は、表示チャンネルの画像を表示画面に表示する。表示部103は、例えば液晶パネルを有する液晶表示装置である。ただし、表示部103は、プラズマディスプレイ装置など、他の表示デバイスであってもよい。
【0020】
カメラ画像取得部104は、表示部103の表示画面の前方が撮像された画像(具体的には画像信号または画像データ)を取得する。表示画面の前方に視聴者が存在する場合には、カメラ画像取得部104は、視聴者が撮像された画像を取得する。具体的には、カメラ画像取得部104は、表示画面の前方を撮像して画像を生成する撮像装置により構成される。例えば、カメラ画像取得部104は、機器組み込み用の小型ビデオカメラであり、表示装置100の筐体に取り付けられて、表示画面の前方の視聴者を撮像できるように配置される。ただし、カメラ画像取得部104は、表示装置100の外部の撮像装置により撮像された画像を取得してもよい。画像の撮像は繰り返し行われ、例えば毎秒30回で実施される。カメラ画像取得部104は、取得された画像(以下、「撮像画像」と称す)を人検出部105に出力する。
【0021】
人検出部105は、カメラ画像取得部104により取得された撮像画像から、人物を検出し、当該人物の実空間における位置を表す情報として、当該撮像画像における当該人物の位置および大きさを検出する。具体的には、人検出部105は、撮像画像における人物の位置として、撮像画像の座標系における当該人物の顔の中心座標を検出し、撮像画像における人物の大きさとして、撮像画像の座標系における当該人物の顔の幅(具体的には顔の水平方向の幅)を検出する。ただし、人検出部105は、人物の位置や大きさとして、顔の長さ(具体的には顔の垂直方向の長さ)や、肩幅、両目間の距離、両目それぞれの位置、頭の頂点の座標など、他の情報を検出してもよい。また、人検出部105は、顔の垂直方向に対する角度など、人物の姿勢を検出してもよい。
【0022】
人検出部105は、撮像画像から複数の人物を検出した場合には、検出された複数の人物の各々について、撮像画像における当該人物の位置および大きさを検出する。
人検出部105は、検出された各人物の位置および大きさを示す検出結果を位置特定部106に出力する。
【0023】
位置特定部106は、人検出部105からの検出結果に基づき、表示装置100の視聴者の位置(具体的には表示装置100または表示画面に対する視聴者の位置)を特定する。位置特定部106は、人検出部105の検出結果に基づき、カメラ画像取得部104により取得された撮像画像に複数の人物が含まれる場合には、当該複数の人物の中から主たる視聴者を判定し、当該主たる視聴者の位置を視聴者の位置として特定する。例えば、位置特定部106は、複数の人物のうち、最も大きさが大きい(例えば最も顔の大きさが大きい)人物を主たる視聴者とする。また例えば、位置特定部106は、検出された人物の位置と撮像画像の中心点との距離を評価し、最も中心点に近い人物を主たる視聴者とする。また例えば、位置特定部106は、表示装置100の操作者を主たる視聴者として判定する。例えば、位置特定部106は、表示装置100を操作するためのリモートコントローラ(リモコン)の位置を検出し、検出されたリモコンの位置に最も近い人物(操作者と判定される人物)を主たる視聴者とする。位置特定部106は、撮像画像に1人の人物が含まれる場合には、例えば当該人物の位置を視聴者の位置として特定する。位置特定部106は、特定された視聴者の位置を示す特定結果を制御部109に出力する。
【0024】
なお、上記視聴者の位置の検出は、例えば、撮像画像の撮像の周期と同じ周期で繰り返し行われる。ただし、位置の検出は、他のタイミングで行われてもよく、例えば、N(Nは2以上の整数)個の撮像画像につき1回など、撮像の周期より長い周期で行われてもよい。
【0025】
リモコン受光部107は、不図示のリモコンから制御信号を受信し、当該制御信号を制御部109に出力する。具体的には、リモコンは、視聴者からの表示装置100に対する操作を受け付け、当該操作を示す光信号等の制御信号を送信し、リモコン受光部107は、当該リモコンからの制御信号を受信する。上記操作としては、表示開始操作(例えば電源オン操作)、表示終了操作(例えば電源オフ操作)、表示チャンネルの選択操作などがある。
【0026】
メモリ108は、制御部109に用いられる情報を記憶する記憶部である。具体的には、メモリ108は、視聴者の位置と時刻と放送チャンネルとの関係を示す情報である関係情報を記憶する。関係情報は、例えば、視聴者の位置と時刻と放送チャンネルとが関連付けられた情報である。本例では、メモリ108は、制御部109の制御により、視聴者の位置を示す位置情報と、時刻を示す時刻情報と、放送チャンネルを示すチャンネル情報とを互いに関連付けて記憶する。
【0027】
制御部109は、表示装置100の動作を制御する。具体的には、制御部109は、視聴者からの表示開始操作を受けると、表示画面への画像の表示を開始させる処理を行う。例えば、制御部109は、リモコン受光部107からの電源オン操作を示す制御信号を受けると、表示装置100の各部への電源供給を開始し、表示画面への画像の表示を開始させる。また、制御部109は、視聴者からの表示チャンネルの選択操作を受けると、画像受信部101を制御して、選択された表示チャンネルの画像を表示画面に表示させる。また、制御部109は、視聴者からの表示終了操作を受けると、表示画面への画像の表示を終了させる処理を行う。例えば、制御部109は、リモコン受光部107からの電源オフ操作を示す制御信号を受けると、リモコン受光部107など電源オン操作を監視する部分を除き、表示装置100の各部への電源供給を停止させ、表示画面への画像の表示を終了させる。
【0028】
本実施の形態では、制御部109は、表示装置100により放送チャンネルの画像が表示された場合に、当該放送チャンネルの画像の表示中に検出された視聴者の位置と、当該放送チャンネルの画像が表示された時刻と、当該放送チャンネルとを関連付けた情報を、上記関係情報としてメモリ108に記録する。具体的には、制御部109は、いずれかの放送チャンネルが視聴されたかどうかを判定し、放送チャンネルが視聴されたと判定した場合、当該放送チャンネルの表示中に位置特定部106により検出された視聴者の位置(すなわち当該放送チャンネルの視聴者の位置)を示す位置情報と、当該放送チャンネルの表示時刻を示す時刻情報と、当該放送チャンネルを示すチャンネル情報とを関連付けてメモリ108に記録する。例えば、制御部109は、同一の放送チャンネルが所定時間(例えば30分間)継続して表示された場合に、当該放送チャンネルが視聴されたと判定し、メモリ108への記録を実行する。
【0029】
また、制御部109は、例えば表示画面への画像の表示開始時に、メモリ108の記憶内容に基づき、複数の放送チャンネルの中から、位置特定部106により検出された視聴者の位置と現在の時刻とに応じた放送チャンネルを、表示チャンネルとして選択する。より具体的には、制御部109は、視聴者からの電源オン操作を受けた場合に、メモリ108に記憶されている関係情報に基づき、位置特定部106からの特定結果により示される現在の視聴者の位置と、現在の時刻とに関連付けられた放送チャンネルを表示チャンネルとして選択する。制御部109は、表示チャンネルを選択した場合、画像受信部101を制御して、選択された表示チャンネルの画像を表示画面に表示させる。
【0030】
なお、図1の例では、検出手段は、画像取得部101、人検出部102、および位置特定部103により実現されており、制御手段は、制御部109により実現されており、制御装置は、画像取得部101、人検出部102、位置特定部103、および制御部109により実現されている。
【0031】
図2は、実施の形態1における位置特定部106の動作の一例を説明するための図である。図2は、カメラ画像取得部104により取得される撮像画像200を示し、撮像画像200は16個の領域に分割されている。位置特定部106は、視聴者の位置を示す特定結果として、撮像画像における視聴者の座標に対応する領域を示す位置情報を制御部109に出力する。例えば、位置特定部106は、視聴者の顔の中心座標が領域「6」に含まれる場合には、当該領域を示す位置情報「6」を制御部109に出力する。なお、撮像画像200の分割数は16に限定されない。
【0032】
図3は、実施の形態1における関係情報の記録に関する制御部109の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図3を参照して、関係情報の記録に関する制御部109の動作を説明する。図3に示される処理は表示装置100の動作中に繰り返し行われる。
【0033】
制御部109は、画像受信部101で受信中の放送信号の現在の放送チャンネル(すなわち現在表示されている放送チャンネル)と、現在の時刻と、現在の視聴者の位置とを一時的に保持する(S11)。具体的には、制御部109は、現在の放送チャンネルを示すチャンネル情報と、現在の時刻を示す時刻情報と、位置特定部106からの現在の視聴者の位置を示す位置情報とを保持する。例えば、視聴者の位置として図2の領域「6」が検出された場合には位置情報「6」が保持され、領域「d」が検出された場合には位置情報「d」が保持される。
【0034】
ついで、制御部109は、視聴者がリモコンを操作して放送チャンネルを変更したか否かを判断する(S12)。具体的には、制御部109は、リモコン受光部107からの制御信号に基づき、現在表示中の放送チャンネルと異なる放送チャンネルを選択する操作を受けたか否かを判断する。
【0035】
チャンネル変更がなされたと判断された場合(S12:YES)、制御部109は、ステップS11に戻り、変更後の放送チャンネルと、現在の時刻と、現在の視聴者の位置とを改めて一時的に保持する。
【0036】
一方、チャンネル変更がなされていないと判断された場合(S12:NO)、制御部109は、現在の放送チャンネルの表示開始から所定時間(ここでは30分)が経過したか否かを判断する(S13)。この所定時間は、視聴者が視聴するチャンネルを探す場合などの、いわゆるチャンネルホッピング動作を排除するためのものであり、30分に限定されず、適宜に決められればよい。
【0037】
所定時間が経過していないと判断された場合(S13:NO)、制御部109は、処理をステップS12に戻す。
【0038】
一方、所定時間が経過したと判断された場合(S13:YES)、制御部109は、視聴者が表示中の放送チャンネルを視聴していると判断し、その時の時刻(現在時刻)を所定時間単位で丸める(S14)。ここでは、制御部109は、現在時刻を30分単位で丸め、例えば7時35分の場合には7時30分とする。これは処理を簡略化するためであり、30分単位である必要は無く、例えば10分単位などであってもよい。
【0039】
ついで、制御部109は、ステップS14で得られた時刻を示す時刻情報と、一時的に保持している放送チャンネルを示すチャンネル情報と、一時的に保持している視聴者の位置を示す位置情報とを互いに関連付けてメモリ108に書き込む(S15)。具体的には、制御部109は、図4に示されるように、時刻情報と位置情報とチャンネル情報とを含むレコード(データ)をメモリ108に記録する。図4の例では、メモリ108の記憶内容(関係情報)300は、No.1〜No.4の4つのレコードを含んでいる。なお、ここでは、図3のステップS15において、書き込み対象と同一の時刻情報および位置情報を含むレコードが既にメモリ108に記録されている場合には、制御部109は、当該レコードのチャンネル情報を今回のチャンネル情報に更新する。したがって、メモリ108では、時刻および視聴者の位置の組み合わせと、放送チャンネルとが一対一で関連付けられる。
【0040】
図5は、実施の形態1における表示チャンネルの選択に関する制御部109の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、表示チャンネルの選択に関する制御部109の動作を説明する。図5に示される処理は、表示装置100の表示開始時に実行される。
【0041】
視聴者は、表示装置100での視聴を始めようとする場合など、表示装置100の動作を開始させる場合、リモコンに対して電源オン操作を行う。これに応じて、リモコンは電源オン操作を示す制御信号を送信し、リモコン受光部107はリモコンからの当該制御信号を受信して制御部109に伝達する。制御部109は、当該制御信号を受けると、現在時刻を取得して所定時間単位(ここでは30分単位)で丸め、丸められた現在時刻を一時的に保持する(S21)。例えば、現在時刻が19時28分である場合、制御部109は、現在時刻を19時30分に丸める。
【0042】
ついで、制御部109は、カメラ画像取得部104、人検出部105、および位置特定部106を制御して、現在の視聴者の位置を取得する(S22)。例えば、位置特定部106により検出された視聴者の位置が図3の領域「6」である場合、制御部109は、位置特定部106から位置情報「6」を取得する。
【0043】
次に、制御部109は、メモリ108に記憶されている関係情報から、ステップS21で得られた時刻と、ステップS22で得られた視聴者の位置とに関連付けられた放送チャンネルを検索する(S23)。具体的には、制御部109は、メモリ108の中から、ステップS21で得られた時刻情報と、ステップS22で得られた位置情報とを含むレコードを検索し、当該レコードが見つかった場合に、当該レコードに含まれるチャンネル情報を検索結果として取得する。例えば、丸められた現在の現在時刻が19時30分であり、現在の位置情報が「6」である場合、制御部109は、図4に示される記憶内容300の中から、時刻情報「19時30分」と一致するNo.2およびNo.3の2つのレコードを抽出し、当該2つのレコードの中から、位置情報「6」と一致するNo.2のレコードを抽出し、当該レコードに含まれるチャンネル情報「4」を検索結果として取得する。
【0044】
次に、制御部109は、放送チャンネルが検索されたか否かを判断し(S24)、放送チャンネルが検索された場合には(S24:YES)、処理をステップS25に進め、検索されなかった場合には(S24:NO)、処理をステップS26に進める。
【0045】
ステップS25では、制御部109は、ステップS23で検索された放送チャンネルを表示チャンネルとして選択し、当該放送チャンネルの画像を表示画面に表示させる制御を行う。例えば、ステップS23でチャンネル情報「4」が検索結果として取得された場合には、制御部109は、画像受信部101を制御し、上記チャンネル情報で示される放送チャンネル4にチューニングし、この放送チャンネル4の放送信号を受信して表示する。
【0046】
ステップS26では、制御部109は、例えば最後に表示された放送チャンネル(ラストチャンネル)など、所定の放送チャンネルを表示チャンネルとして選択し、当該放送チャンネルの画像を表示画面に表示させる制御を行う。
【0047】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(6)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、制御装置は、表示装置の視聴者の位置を検出し、視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶部の記憶内容に基づき、複数の放送チャンネルの中から、上記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、表示チャンネルとして選択する。このため、本実施の形態によれば、視聴者の位置に応じて、複数の放送チャンネルの中から適切な表示チャンネルを選択することができる。例えば、表示開始時に上記表示チャンネルの選択を実行することにより、表示開始時のチャンネルを適切に選択することができ、視聴者は所望のチャンネルに自動的にすばやくアクセスすることができる。
【0048】
上記構成は、例えば、一般的な家庭内において、視聴者の座る位置は概ね固定されていることを利用している。例えば家庭内に2人の視聴者V1およびV2が存在する場合、視聴者V1およびV2のそれぞれの位置は概ね決まっており、ランダムに位置を変えることは少ない。従って、本実施の形態のように視聴者の位置に基づいて表示チャンネルを選択することにより、視聴者の目的のチャンネルにすぐに到達できるようになる。
【0049】
(2)制御装置は、表示装置により放送チャンネルの画像が表示された場合に、当該放送チャンネルの画像の表示中に検出された視聴者の位置と、当該放送チャンネルとを関連付けた情報を記憶部に記録する。本態様によれば、視聴者の実際の視聴行動に基づいて表示チャンネルを選択することが可能となる。また、視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶部に設定する操作など、特別な操作が不要であり、視聴者にとって利便性が高い。
【0050】
(3)制御装置は、視聴者の位置と時刻と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶部の記憶内容に基づき、複数の放送チャンネルの中から、検出された視聴者の位置と現在の時刻とに応じた放送チャンネルを、表示チャンネルとして選択する。本態様によれば、現在の視聴者の位置と時刻とに応じて、表示チャンネルをより適切に選択することができる。
【0051】
(4)制御装置は、表示装置により放送チャンネルの画像が表示された場合に、当該放送チャンネルの画像の表示中に検出された視聴者の位置と、当該放送チャンネルの画像が表示された時刻と、当該放送チャンネルとを関連付けた情報を記憶部に記録する。本態様によれば、視聴者の実際の視聴行動に基づいて表示チャンネルを選択することが可能となる。また、視聴者の位置と時刻と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶部に設定する操作など、特別な操作が不要であり、視聴者にとって利便性が高い。
【0052】
(5)制御装置は、表示装置の表示画面の前方が撮像された撮像画像を取得し、当該撮像画像から視聴者の位置を検出する。本態様によれば、視聴者の位置を簡易な構成で検出することができる。
【0053】
(6)制御装置は、上記取得された撮像画像に複数の人物が含まれる場合、当該複数の人物の中から主たる視聴者を判定し、当該主たる視聴者の位置を視聴者の位置として検出する。本態様によれば、撮像画像に複数の人物が含まれる場合であっても、適切に制御を行うことができる。
【0054】
なお、上記の説明では、カメラ画像取得部104として表示装置の筐体に取り付けられたビデオカメラを例示したが、カメラ画像取得部104は、筐体に取り付けられている必要は無く、視聴者を適切に撮影可能である限り、監視用途やビデオ電話などで使用されるビデオカメラであっても構わない。
【0055】
また、上記の説明では、撮像画像から視聴者の位置を検出する場合を例示したが、視聴者の位置は、例えば焦電センサを利用する方法や超音波レーダを利用する方法など、他の方法により検出されてもよく、焦電センサとカメラを併用するなど、複数の手段を同時に用いても良い。
【0056】
また、上記の説明では、位置特定部106は、撮像画像に複数の人物が含まれる場合には、当該複数の人物の中から主たる視聴者を特定し、特定結果を制御部109に出力することとしたが、主たる視聴者を特定する代わりに、複数の人物の位置情報を全て制御部109に出力し、制御部109は、複数の人物の位置情報に応じて表示チャンネルを選択してもよい。例えば、位置特定部106は、複数の人物の位置情報に重み付けを行い、制御部109は、重み付けに応じた順序で、位置情報に対応する放送チャンネルの検索を行ってもよい。例えば、制御部109は、重みが大きい位置情報から順番に当該位置情報に対応する放送チャンネルの検索を行い、放送チャンネルが検索された時点で、当該放送チャンネルを表示チャンネルとして選択してもよい。上記重み付けは、例えば、撮像画像の中心に近いほど重みを大きくする等の所定の規則に従って行われてもよいし、視聴者等によって予め設定された位置毎の重みの設定に従って行われてもよい。
【0057】
また、上記の説明では、図2に示される視聴者の二次元の位置を検出し、視聴者の二次元の位置に応じて表示チャンネルを選択する構成を例示したが、表示装置100は、視聴者の三次元の位置を検出し、検出された三次元の位置に応じて表示チャンネルを選択してもよい。例えば、位置特定部106は、視聴者の位置を示す特定結果として、撮像画像における視聴者の位置を示す情報(例えば図2の領域を示す情報)と、表示画面から視聴者までの距離を表す距離情報とを含む位置情報を制御部109に出力してもよい。この場合、位置特定部106は、撮像画像における視聴者の大きさを示す情報を、距離情報として用いることができる。
【0058】
また、上記の説明では、撮像画像における視聴者の大きさを検出する場合を例示したが、他の方法により、表示画面から視聴者までの距離を表す距離情報を取得してもよい。例えば、複数の撮像装置によりステレオ画像を取得して距離情報を求めてもよいし、距離を計測する機能を有する特殊な撮像装置を利用して距離情報を求めてもよい。
【0059】
また、上記の説明では、メモリ108の関係情報において、時刻および視聴者の位置の組み合わせと、放送チャンネルとが一対一で関連付けられる場合を例示したが、時刻および視聴者の位置の1つの組み合わせに対して、複数の放送チャンネルが関連付けされ得る構成であってもよい。例えば、図3のステップS15において、制御部109は、書き込み対象と同一の時刻情報および位置情報を含むレコードが既にメモリ108に記録されているか否かに関わらず、書き込み対象の時刻情報と位置情報とチャンネル情報とを含む新規レコードをメモリ108に記録してもよい。すなわち、制御部109は、視聴時刻と視聴チャンネルとを含む視聴履歴と、検出された視聴者の位置とを関連付けてメモリ108に記録してもよい。この場合、制御部109は、表示チャンネルの選択の際、現在の時刻および現在の視聴者の位置に対応する複数のレコードが検索されたときには、例えば、最新のレコードに含まれるチャンネル情報を検索結果として取得してもよいし、当該複数のレコードに含まれるチャンネル情報のうち最多のチャンネル情報を検索結果として取得してもよい。すなわち、制御部109は、現在と同じ時刻および視聴者の位置の条件において、最近視聴された放送チャンネルを表示チャンネルとして選択してもよいし、最も視聴頻度が高い放送チャンネルを表示チャンネルとして選択してもよい。
【0060】
また、上記の説明では、実際の視聴に基づいて制御部109が関係情報を記録する構成を例示したが、関係情報は、別の方法で作成されてもよく、視聴者等の設定操作によりメモリ108に設定されてもよい。
【0061】
また、上記の説明では、表示開始時に表示チャンネルの選択を行う構成を例示したが、表示チャンネルの選択は他のタイミングで実行されてもよい。例えば、表示装置100の表示中において、人検出部105により人物が検出されない状態から、人物が検出される状態になったとき、すなわち表示画面の前に人が来たときに実行されてもよい。また例えば、予め設定された時刻に実行されてもよい。
【0062】
また、上記の説明では、視聴者の位置および時刻に応じて表示チャンネルを選択する構成を例示したが、制御部109は、時刻によらず視聴者の位置に応じて表示チャンネルを選択してもよく、メモリ108の関係情報のうち時刻情報は省略されてもよい。この場合、制御部109は、例えば、現在の視聴者の位置で最後に表示された放送チャンネルを表示チャンネルとして選択するように構成されてもよいし、現在の視聴者の位置で視聴頻度が最も高いまたは視聴時間が最も長い放送チャンネルを表示チャンネルとして選択するように構成されてもよい。
【0063】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2における表示装置400の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置400は、実施の形態1のものと多くの部分で同様であるので、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0064】
本実施の形態では、表示装置400は、実施の形態1の表示装置100の構成に加えて、位置変化検出部110、音声処理部111、イコライザ112、およびスピーカ113をさらに有する。また、制御部114は、実施の形態1で説明された機能のほかに、以下の機能をさらに有する。
【0065】
画像受信部101は、本実施の形態では、表示チャンネルのオーディオビットストリーム信号を音声処理部111に出力する。
【0066】
音声処理部111は、入力されたオーディオビットストリーム信号をデコードして放送画像に付帯する放送音声(具体的には音声信号または音声データ)に復元し、当該放送音声に対し、再生に適した音声にするための音声処理を行う。この音声処理としては、音声中のノイズの除去や、音声のトーン、または音量の大きさの調節などがある。音声処理部111は、得られた放送音声をイコライザ112に出力する。
【0067】
イコライザ112は、放送音声の周波数特性を調節するものであり、放送音声のうち特定の周波数帯の音声信号を増強したり減衰させたりする。ここでは、イコライザ112は、人の声の周波数帯の音声信号を増強したり減衰させたりする。具体的には、イコライザ112は、電話線の帯域である0.3KHzから3.4KHzの帯域の音声信号を制御部114の制御により増強したり減衰させたりする。イコライザ112の出力は音声出力部であるスピーカ113に出力され、スピーカ113により放送音声として再生出力される。なお、本例では人の声の周波数帯として電話線の帯域を用いたが、これに限定するものではない。また、人の声の周波数帯を複数の帯域に分割し、複数のイコライザで各帯域の音声信号を調節するようにしてもよい。
【0068】
位置変化検出部110は、位置特定部106からの特定結果に基づき、視聴者の位置変化を検出する。具体的には、位置変化検出部110は、視聴者の位置変化として、撮像画像における視聴者の位置および大きさの変化を検出する。より具体的には、位置変化検出部110は、現在の撮像画像と前回(例えば1/30秒前)の撮像画像とを逐次比較し、撮像画像における視聴者の位置の差分および撮像画像における視聴者の大きさの差分を検出する。位置変化の検出においては、視聴者の微小な移動やノイズの影響を抑えて安定した結果を得る観点より、位置変化検出部110は、位置および大きさの複数回の平均値を用いて差分を求めてもよい。位置変化検出部110は、検出された視聴者の位置変化を示す検出結果を制御部114に出力する。位置変化検出部110は、当該検出結果とともに、位置特定部106の特定結果を制御部114に出力してもよい。
【0069】
制御部114は、位置特定部106により検出された視聴者の位置、または位置変化検出部110により検出された視聴者の位置変化に応じて、表示装置400から出力される表示対象情報の音声(ここでは表示チャンネルの音声)の特定の周波数範囲の音量を調節する機能を有する。本例では、上記特定の周波数範囲は人の声の周波数帯に相当する範囲であり、制御部114は、イコライザ112を制御して、表示チャンネルの音声の電話線の帯域の音量を調節する。また、制御部114は、視聴者が表示装置400(または表示画面あるいはスピーカ113)から遠ざかる方向に移動した場合、上記特定の周波数範囲の音量を大きくする。制御部114は、視聴者が表示装置400に近づく方向に移動した場合、上記特定の周波数範囲の音量を小さくしてもよい。
【0070】
図7は、実施の形態2におけるイコライザ112の動作を説明するための図である。また、図8は、実施の形態2における制御部114の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図7および図8を参照して、制御部114の動作を説明する。なお、以下の説明では、表示部103の表示画面には放送画像が表示されているものとする。
【0071】
制御部114は、位置変化検出部110から視聴者の位置および位置変化の検出結果を取得する(S31)。具体的には、制御部114は、撮像画像における視聴者の位置および大きさを示す情報と、撮像画像における視聴者の位置の差分および大きさの差分を示す情報とを取得する。
【0072】
ついで、制御部114は、視聴者の位置変化の検出結果に基づき、視聴者が表示画面に近づくか遠ざかる方向に移動したか否かを判断する(S32)。
【0073】
視聴者が表示画面に近づくか遠ざかる方向に移動したと判断されるまで、制御部114は、位置変化検出部110の検出結果の取得を繰り返し行う(S32:NO)。
【0074】
視聴者が表示画面に近づくか遠ざかる方向に移動したと判断された場合(S32:YES)、制御部114は、処理をステップS33に進める。
【0075】
ステップS33では、制御部114は、視聴者が近づく方向に移動したか否かを判断し、近づく方向に移動したと判断された場合(S33:YES)、処理をステップS34に進める。一方、遠ざかる方向に移動したと判断された場合(S33:NO)、制御部114は、処理をステップS35に進める。
【0076】
ステップS35では、制御部114は、イコライザ112を操作して人の声の周波数帯のゲインを上げる。具体的には、制御部114は、図7に示されるように、電話線の帯域である0.3KHzから3.4KHzの帯域のゲインを上げる。これにより、スピーカ113から出力される放送音声のうち、人の声の周波数域の音声部分が大きく再現される。ステップS35の後、処理はステップS31に戻り、上記の処理が繰り返される。なお、図7において、破線はゲイン調節前の特性を示し、実線はゲイン調節後の特性を示す。
【0077】
ステップS34では、制御部114は、現在の視聴者の位置が最初の位置(例えば電源オン時の位置)より前方であるか否かを判定し、最初の位置より前方であると判断された場合(S34:YES)、ゲインの変更を行わずに処理をステップS31に戻す。一方、最初の位置より前方でないと判断された場合(S34:NO)、処理はステップS36に進む。
【0078】
ステップS36では、制御部114は、イコライザ112を操作して人の声の周波数帯のゲインを下げる。これにより、スピーカ113から出力される放送音声のうち、人の声の周波数域の音声部分が小さく再現される。ステップS36の後、処理はステップS31に戻り、上記の処理が繰り返される。
【0079】
以上説明した本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果の他に、下記(7)〜(9)の効果が得られ得る。
【0080】
(7)本実施の形態では、制御装置は、検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、表示装置から出力される表示対象情報(例えば表示チャンネルの音声情報)の音声の特定の周波数範囲の音量を調節する。このため、本実施の形態によれば、視聴者の位置または位置変化に応じて、表示対象情報の音声の音量を適切に調節することができ、例えば自動的に良好な音声を得ることができる。また、特定の周波数範囲の音量を調節するので、音声全体の音量を調節する場合に比べて、全体の音量が大きくなり過ぎることがなく、周囲の環境への影響を抑制しながら視聴状況を改善することができる。
【0081】
(8)上記特定の周波数範囲は、人の声の周波数帯に相当する範囲である。本態様によれば、視聴者の位置または位置変化に応じて、表示対象情報の音声のうち、人の声の周波数帯の音量を適切に調節することができる。
【0082】
(9)制御装置は、視聴者が表示装置から遠ざかる方向に移動した場合、特定の周波数範囲の音量を大きくする。本態様によれば、視聴者の位置が遠くなった場合に音量が大きくなるので、視聴者の位置が遠くなった場合に音声が小さくなって聞き取りにくくなることを回避または軽減することができる。例えば、視聴者の位置が遠くなった場合に、人の声の周波数帯の音量を大きくすることにより、人の話す内容が聞き取りにくくなることを回避または軽減することができる。
【0083】
なお、上記の説明では、主に視聴者の位置変化に応じて音量を調節する構成を例示したが、制御部114は、検出された視聴者の位置に応じて音量を調節してもよい。例えば、制御部114は、視聴者の位置と調節値とが関連付けられた情報に基づき、検出された視聴者の位置から調節値を決定し、当該調節値により特定の周波数範囲の音量を調節してもよい。上記調節値は、例えば、イコライザ112のゲインを変更するための制御値であり、視聴者の位置が表示装置から遠いほどゲインが大きくなるように設定される。
【0084】
また、上記の説明では、特定の周波数範囲として人の声の周波数帯に相当する範囲を例示したが、特定の周波数範囲は、それ以外の範囲でもよく、例えば視聴者により設定されてもよい。
【0085】
以上説明した実施の形態1,2において、制御装置の機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよいし、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、制御装置の機能は、例えば制御プログラムがコンピュータにより実行されることによって実現される。より具体的には、制御装置の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録された制御プログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。制御プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよい。
【0086】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0087】
100,400 表示装置、 101 画像受信部、 102 画像処理部、 103 表示部、 104 カメラ画像取得部、 105 人検出部、 106 位置特定部、 107 リモコン受光部、 108 メモリ、 109,114 制御部、 110 位置変化検出部、 111 音声処理部、 112 イコライザ、 113 スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置の視聴者の位置を検出する検出手段と、
視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択する制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示装置により放送チャンネルの画像が表示された場合に、当該放送チャンネルの画像の表示中に検出された視聴者の位置と、当該放送チャンネルとを関連付けた情報を前記記憶手段に記録する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、視聴者の位置と時刻と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶し、
前記制御手段は、前記記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置と現在の時刻とに応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記表示装置により放送チャンネルの画像が表示された場合に、当該放送チャンネルの画像の表示中に検出された視聴者の位置と、当該放送チャンネルの画像が表示された時刻と、当該放送チャンネルとを関連付けた情報を前記記憶手段に記録する機能を有することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記表示装置の表示画面の前方が撮像された撮像画像を取得し、当該撮像画像から前記視聴者の位置を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記取得された撮像画像に複数の人物が含まれる場合、当該複数の人物の中から主たる視聴者を判定し、当該主たる視聴者の位置を前記視聴者の位置として検出することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記検出手段により検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、前記表示装置から出力される前記表示チャンネルの音声の特定の周波数範囲の音量を調節する機能を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
表示対象情報の画像および音声を出力する表示装置の視聴者の位置または位置変化を検出する検出手段と、
前記検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、前記表示装置から出力される前記表示対象情報の音声の特定の周波数範囲の音量を調節する制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項9】
前記特定の周波数範囲は、人の声の周波数帯に相当する範囲であることを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記視聴者が前記表示装置から遠ざかる方向に移動した場合、前記特定の周波数範囲の音量を大きくすることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置であって、
当該表示装置の視聴者の位置を検出する検出手段と、
視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択する制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
表示対象情報の画像および音声を出力する表示装置であって、
当該表示装置の視聴者の位置または位置変化を検出する検出手段と、
前記検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、当該表示装置から出力される前記表示対象情報の音声の特定の周波数範囲の音量を調節する制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
複数の放送チャンネルのうち選択された表示チャンネルの画像を表示する表示装置の視聴者の位置を検出するステップと、
視聴者の位置と放送チャンネルとの関係を示す情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づき、前記複数の放送チャンネルの中から、前記検出された視聴者の位置に応じた放送チャンネルを、前記表示チャンネルとして選択するステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項14】
表示対象情報の画像および音声を出力する表示装置の視聴者の位置または位置変化を検出するステップと、
前記検出された視聴者の位置または位置変化に応じて、前記表示装置から出力される前記表示対象情報の音声の特定の周波数範囲の音量を調節するステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−38702(P2013−38702A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175096(P2011−175096)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】