説明

制御装置、防犯装置、および無線端末装置

【課題】状況に応じて機器の動作を制御すること。
【解決手段】本発明の実施形態の防犯制御システム1000は、ユーザの周囲の音声を無線端末装置1100に取得させることによって、ユーザに注意を促す防犯制御システムである。具体的には、無線端末装置1100において、無線端末装置1100を携帯するユーザの周囲の音声の変化を検出した場合、無線端末装置1100はユーザに注意を促し、それにより、トラブルの発生を未然に抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御技術に関し、特に、機器の動作を制御する制御装置、および、それを用いた防犯装置、無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年通信のブロードバンド化により、ユーザは、無線端末を通じてさまざまなサービスの提供を受けることができる。しかしながら、提供されるサービスの数、種類が増加するにつれて、所望のサービスを指定するための無線端末の操作が複雑となってきた。従来、このような課題に対し、特定の領域内に機器の使用者が存在する場合、その領域に応じて設定されているサービスを提供する技術が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2004−534299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。すなわち、緊急時においては、無線端末を操作する間に、より危険な状況に陥る場合がある。このような場合、緊急事態となる前に、その状況に至ることを予測して、適切な行動をとる必要があるといった課題があった。
【0004】
本発明はこうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、状況に応じて機器の動作を制御する制御装置、および、それを用いた防犯装置、無線端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、制御装置に関する。この制御装置は、音声データを取得する取得部と、取得部において取得された音声データと、音声データの比較対象となるべき基準データとの一致の程度を判定する判定部と、判定部により判定される一致の程度と、所定の機器の制御内容を規定する動作モードとを対応付けたモードテーブルを保持する記憶部と、記憶部により保持されたモードテーブルを参照して、判定部により判定された一致の程度に応じた動作モードを特定し、その動作モードにしたがった制御内容を機器に実行させる制御部と、を備える。
【0006】
ここで、「所定の機器」とは、複数の動作モードを有し、所定の動作モードにしたがって動作を実行する機器を含み、例えば、防犯装置や無線端末装置を含む。
【0007】
本発明の別の態様は、防犯装置に関する。この防犯装置は、複数種類の警告動作を実行可能な実行部と、音声データを取得する取得部と、取得部において取得された音声データと、音声データの比較対象となるべき基準データとの一致の程度を判定する判定部と、判定部により判定される一致の程度と、実行部の警告動作の種類とを対応付けたテーブルを保持する記憶部と、記憶部により保持されたテーブルを参照して、前記判定部により判定された一致の程度に応じて、実行部の警告動作の種類を選択する設定部と、設定部により選択された警告動作の種類に応じて、実行部に警告動作を実行させる制御部と、を備える。
【0008】
ここで、「警告動作の種類」とは、ユーザに警告するための動作や、ユーザの周囲の人に警告するための動作を含み、例えば、音声の出力動作、機器の振動動作、あるいは、所定の通信相手への通報などを含む。また、「警告動作の種類とを対応づけたテーブル」は、警告にかかる音声の出力の音量の大小や、機器の振動動作の大小等を、それぞれ対応づけたテーブルを含む。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、無線端末装置に関する。この無線端末装置は、複数種類の警告動作を実行可能な実行部と、音声データを取得する取得部と、取得部において取得された音声データと、音声データの比較対象となるべき基準データとの一致の程度を判定する判定部と、判定部により判定される一致の程度と、実行部の警告動作の種類とを対応付けたテーブルを保持する記憶部と、記憶部により保持されたテーブルを参照して、前記判定部により判定された一致の程度に応じて、実行部の警告動作の種類を選択する設定部と、設定部により選択された警告動作の種類に応じて、実行部に警告動作を実行させる制御部と、を備える。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記憶媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、状況に応じて機器の動作を制御する制御装置、および、それを用いた防犯装置、無線端末装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を具体的に説明する前に、まず、本発明の第1の実施形態の概要について述べる。本発明の第1の実施形態の防犯制御システムは、ユーザの周囲の状況を無線端末装置に取得させることによって、ユーザに注意を促す防犯制御システムである。具体的には、ユーザに近づいてくる人物がいることを察知した場合、無線端末装置を介してユーザに注意を促し、それにより、トラブルの発生を未然に抑制することとしている。
【0013】
近年、無線端末装置の普及により、ほとんどの人が無線端末装置を所有し、携帯するようになった。したがって、無線端末装置の存在、および、移動状況を確認することによって、人物の存在、および、状況を取得できることとなった。したがって、本発明の第1の実施形態においては、無線端末装置は、センサなどを用いて検知されたユーザの周囲の人の移動速度に応じて警告処理を適宜切替えることによって、ユーザに注意を促す。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる防犯制御システム100の構成例を示す図である。防犯制御システム100は、サーバ装置30と、センサ装置40と、無線端末装置10で代表される第1無線端末装置10a〜第6無線端末装置10fとを含む。以下において、第1無線端末装置10aはユーザが携帯する無線端末であり、そのユーザを対象とした防犯制御について説明する。また、そのユーザは、第1無線端末装置10aとともに、センサ装置40も携帯しているものとする。
【0015】
防犯設定エリア200は、図示するごとく、サーバ装置30を中心としたエリアである。この防犯設定エリア200の内部に存在する無線端末装置10の状態に応じて、第1無線端末装置10aは、ユーザに対し、注意を促すための警告処理を実行する。
【0016】
第1無線端末装置10aは、動作モードを設定し、設定した動作モードに応じて、警告処理を実行する。動作モードとは、警告処理の種類を示し、通常モードと、ユーザに注意を促す警戒モードと、より大きな注意を促す緊急モードとを含む。なお、初期状態においては、通常モードが設定されているものとする。
【0017】
まず、第1無線端末装置10aは、サーバ装置30に対し、防犯設定エリア200内の人数の取得を要求する。サーバ装置30は、防犯設定エリア200内の人数を推定する。また、サーバ装置30は、基地局装置としての機能も有し、無線端末装置10との間で無線通信を実行する。ここで、第1無線端末装置10aから人数の取得要求があった場合、第1無線端末装置10a以外の無線端末装置10から送信された無線端末装置10を識別するための識別情報と、その識別情報の強度をもとに、人数を推定する。なお、サーバ装置30における人数の推定は、他の公知の技術により実現されてもよい。
【0018】
ここで、防犯設定エリア200内における第1無線端末装置10a以外の無線端末装置10は、図示するごとく、第2無線端末装置10bと、第3無線端末装置10cと、第4無線端末装置10dとなる。したがって、防犯設定エリア200内の人数は3人となる。サーバ装置30は、推定した人数を第1無線端末装置10aに通知する。
【0019】
ここで、通知された人数が所定の人数より少ない場合、第1無線端末装置10aは、その動作モードを通常モードから警戒モードに切替える。警戒モードに切替えられた場合、第1無線端末装置10aは、ユーザに対し、注意を促すための警告処理を実行する。注意を促すための警告処理とは、たとえば、ブザーを鳴らしたり、表示画面に警戒を促すメッセージを表示したり、あるいは、表示画面を明るく設定するなどである。
【0020】
一般的に、ユーザの周囲の人数が少ない場合であっても、常に危険が伴うわけではない。しかしながら、前もって、そのような状況をユーザに認識させることが望ましい。これにより、後にトラブルが生じた場合であっても、ユーザは慌てることなくその状況に対処でき、被害があった場合であっても、その被害を最小限にできる。
【0021】
動作モードが警戒モードに設定された場合、第1無線端末装置10aは、防犯設定エリア200内の第2無線端末装置10bと、第3無線端末装置10cと、第4無線端末装置10dのそれぞれの移動速度を取得する。なお、移動速度とは、方向と大きさを有する値である。ここで、方向は、移動速度を取得するべき無線端末装置10から、第1無線端末装置10aの位置へ向かう方向をさす。また、大きさは、第1無線端末装置10aから離れる方向を負の値とし、第1無線端末装置10aに近づく方向を正の値とする。また、第1無線端末装置10aは、自己の移動速度を検出することによって、自己の移動速度に対する相対速度を検出する。これにより、大きい相対速度にかかる無線端末装置10は、第1無線端末装置10aに近づいていると判定できる。
【0022】
相対速度の検出においては、まず、第1無線端末装置10aが、センサ装置40に対し、防犯設定エリア200内の第2無線端末装置10bと、第3無線端末装置10cと、第4無線端末装置10dの移動速度の推定を要求する。センサ装置40は、後述する赤外線センサなどにより構成される。また、第1無線端末装置10aは、自己の移動速度を推定する。さらに、第1無線端末装置10aは、他の無線端末装置10の移動速度から自己の移動速度を減じることによって、相対速度を検出する。
【0023】
ここで、相対速度が所定のしきい値より大きい場合、第1無線端末装置10aは、その動作モードを警戒モードから緊急モードに切替える。緊急モードに切替えられた場合、第1無線端末装置10aは、ユーザに対し、より注意を促すための警告処理を実行する。より注意を促すための警告処理とは、たとえば、音量をさらに大きくしてブザーを鳴らしたり、所定の通信相手に対する接続処理を実行したり、あるいは、これらを組み合わせた警告処理を実行する。所定の通信相手とは、たとえば、防犯されるべきユーザが子供である場合、その保護者となる。また、所定の通信相手が警察署であってもよく、また、110番通報を受け付ける担当者であってもよい。
【0024】
このような態様により、周囲の人数が少ない場合に、ユーザに近づいてくる人物の存在を把握できる。一般的に、人気のない場所において、ユーザに近づいてくる人物がいたとしても、その人物が危険な人物であるとは一概にはいえない。しかしながら、周囲に人気がないときに危険が生じた場合には、周囲に助けを求める人がいないため、ユーザの被害が増大する恐れがある。したがって、前もって、そのような状況をユーザに認識させることが望ましい。これにより、後にトラブルが生じた場合であっても、ユーザは慌てることなくその状況に対処でき、被害があった場合であっても、その被害を最小限にできる。
【0025】
ここで、動作モードの切り替えについて、具体例を用いて説明する。図2は、図1の無線端末装置10における動作モード300の遷移例を示す遷移図である。図2に示す遷移図において、第1無線端末装置10aの初期状態は、通常モード310とする。
【0026】
まず、第1無線端末装置10aは、定期的に周囲の人数をサーバ装置30から取得する。ここで、取得した人数が所定の人数より多い場合、動作モードは遷移せず、通常モード310のままの状態を継続する(S10)。一方、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合、第1無線端末装置10aは、動作モードを警戒モード320に切替える(S12)。
【0027】
動作モードが警戒モード320に切替えられた場合、第1無線端末装置10aは、周囲の人数に加え、定期的に、周囲に存在する無線端末装置10の相対速度も検出する。ここで、取得した人数が所定の人数よりも多くなった場合、第1無線端末装置10aは、動作モードを警戒モード320から通常モード310に切替える(S14)。一方、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合であって、相対速度が、所定の速度よりも小さい場合、動作モードは遷移せず、警戒モード320のままの状態を継続する(S16)。また、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合であって、相対速度が、所定の速度よりも大きい場合、第1無線端末装置10aは、動作モードを警戒モード320から緊急モード330に切替える(S18)。
【0028】
動作モードが緊急モード330に切替えられた場合であっても、第1無線端末装置10aは、定期的に、周囲の人数と、周囲に存在する無線端末装置10の相対速度も検出する。ここで、取得した人数が所定の人数よりも多くなった場合、第1無線端末装置10aは、動作モードを緊急モード330から通常モード310に切替える(S24)。一方、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合であって、相対速度が、所定の速度よりも大きい場合、動作モードは遷移せず、緊急モード330のままの状態を継続する(S22)。また、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合であって、相対速度が、所定の速度よりも小さい場合、第1無線端末装置10aは、動作モードを緊急モード330から警戒モード320に切替える(S20)。
【0029】
図3(a)〜(c)は、図2の動作モード300の遷移例における第1〜第3の遷移態様を模式的に示す図である。ここで、防犯対象のユーザは、防犯対象ユーザ50とする。防犯対象のユーザとは、第1無線端末装置10aを携帯するユーザであり、第1無線端末装置10aは、そのユーザに対し、警告処理により注意を促す。また、第1被監視ユーザ52〜第5被監視ユーザ60は、監視対象となるユーザを示す。監視対象のユーザとは、第1無線端末装置10aが、動作モード切替の条件とする、周囲の人数や相対速度の測定対象となるユーザである。ここで、第5被監視ユーザ60は、所定の速度よりも早い相対速度を有するユーザと仮定する。また、以下においては、周囲の人数に関するしきい値を3人と仮定する。
【0030】
図3(a)の第1の遷移態様は、図2の動作モード300が通常モード310を継続する場合を示す図である。第1の遷移態様においては、防犯設定エリア200内における防犯対象ユーザ50の周囲には、第1被監視ユーザ52から第5被監視ユーザ60の5人が存在する。このような場合、後に防犯対象ユーザ50が危険な状況に陥ったとしても、防犯対象ユーザ50の周囲には複数の人が存在するため、防犯対象ユーザ50は助けを求めることができ、大きなトラブルに発展する可能性は少ないといえる。したがって、防犯対象ユーザ50の周囲に、周囲の人数に関するしきい値である3人より多い5人の被監視ユーザが存在する場合は、たとえ、第5被監視ユーザ60のように、所定の速度よりも早い相対速度を有するユーザがいる場合であっても、第1無線端末装置10aは、通常モード310の状態を継続することとしている。
【0031】
図3(b)の第2の遷移態様は、図2の動作モード300が通常モード310から警戒モード320に遷移する場合を示す図である。第2の遷移態様においては、防犯対象ユーザ50が第1防犯設定エリア210から第2防犯設定エリア220に移動する場合について想定している。ここで、第1防犯設定エリア210には、図示するごとく、防犯対象ユーザ50の周囲には4人の被監視ユーザが存在する。一方、第2防犯設定エリア220においては、被監視ユーザは存在しない。したがって、防犯対象ユーザ50が第1防犯設定エリア210から第2防犯設定エリア220に移動する場合、防犯対象ユーザ50の周囲の人数は、しきい値より少ない人数となるため、第1無線端末装置10aは、動作モード300が通常モード310から警戒モード320に切替える。なお、ここでは、防犯対象ユーザ50が移動する場合について説明したが、被監視ユーザが、防犯対象ユーザ50から離れるように移動することによって、防犯対象ユーザ50の周囲の人数が減少する場合も、同様に動作モードを切替える。
【0032】
図3(c)の第3の遷移態様は、図2の動作モード300が警戒モード320から緊急モード330に遷移する場合を示す図である。第3の遷移態様においては、動作モード300が警戒モード320の場合に、所定の速度よりも早い相対速度を有する第5被監視ユーザ60が、防犯対象ユーザ50に近づく場合を想定している。
【0033】
まず、第1防犯設定エリア210においては、第5被監視ユーザ60は、防犯対象ユーザ50から遠い位置、少なくとも、防犯対象ユーザ50からrメートル離れた位置に存在する。したがって、第1無線端末装置10aにおいては、動作モード300を切替えない。しかしながら、第2防犯設定エリア220においては、第5被監視ユーザ60は、防犯対象ユーザ50から近い位置、少なくとも、防犯対象ユーザ50からrメートル以内の位置に存在する。したがって、第1無線端末装置10aにおいては、動作モード300を警戒モード320から緊急モード330に切替えることとなる。なお、ここでは、警戒モード320から緊急モード330への動作モード300の切替を、防犯対象ユーザ50からの距離rと、第5被監視ユーザ60の相対速度とを条件とするとして説明した。しかしながらこれにかぎらず、第5被監視ユーザ60の相対速度のみを条件としてもよい。また、半径rは、地域、時間帯に応じて設定されてもよい。たとえば、都会においては、r=30と設定し、過疎地においては、r=100と設定してもよい。
【0034】
図4は、図1の無線端末装置10の構成例を示す図である。無線端末装置10は、人数取得部12と、相対速度取得部14と、速度推定部16と、制御部18と、記憶部20と、警告処理部22と、スピーカ24と、無線通信部26とを含む。
【0035】
人数取得部12は、定期的にサーバ装置30に周囲の人数を要求し、サーバ装置30から送られた周囲の人数を取得する。取得された人数は、制御部18に伝えられる。制御部18は、人数取得部12から伝えられた人数に応じて、記憶部20に記憶されたテーブルを参照しながら、動作モードを選択する。また、制御部18は、選択した動作モードに応じた警告処理を警告処理部22に実行させる。警告処理部22は、前述したように、スピーカ24から設定された音量でブザーを鳴らさせたり、無線通信が可能な無線通信部26に対し、設定された所定の通信相手との通信を実行させる。所定の通信相手の設定は、その通信相手の電話番号やメールアドレスであってもよい。この場合、無線通信部26は、設定された電話番号に対して発呼し、あるいは、設定されたメールアドレスに対して、緊急事態が発生する可能性がある旨を通知してもよい。
【0036】
制御部18は、初期状態において、動作モードを通常モードに設定する。動作モードが通常モードに設定されているときに、人数取得部12によって取得された人数が所定の人数よりも少なくなった場合、制御部18は、動作モードを警戒モード320に設定する。この場合、制御部18は、相対速度取得部14に対し、相対速度の検出を要求する。相対速度取得部14は、制御部18からの指示を契機として、以後定期的に、センサ装置40に対し、人数取得部12によって取得された周囲の人数を伝えるとともに、周囲の人ごとの移動速度を要求する。また、相対速度取得部14は、速度推定部16に対し、当該第1無線端末装置10aの移動速度を推定させる。ここで、相対速度取得部14は、センサ装置40において推定された移動速度と、速度推定部16によって推定された移動速度から、相対速度を検出する。
【0037】
記憶部20は、周囲の人数と、相対速度と、警告動作のそれぞれと、動作モード300とを対応づけたテーブルを記憶する。具体例を用いて説明する。図5(a)〜(d)は、図4の記憶部20の構成例を示す図である。
【0038】
図5(a)は、周囲の人数と動作モードとの対応を示すテーブルである。このテーブルは、制御部18において、通常モード310から警戒モード320、もしくは、警戒モード320から通常モード310、または、緊急モード330から通常モード310へ動作モードを切替えるべきか否かを判定するために参照されるテーブルである。図5(a)に図示するごとく、記憶部20は、「人数」を示す人数欄500と、「動作モード」を示す動作モード欄510とから構成される。ここでは、人数欄500において、「A人以上」と「A人未満」の2通りが登録されている。なお、Aとは、正の整数である。また、「A人以上」の場合の動作モードとして、「通常」モードが登録され、「A人未満」の場合の動作モードとして、「警戒/緊急」モードが登録されている。なお、Aは、第1無線端末装置10aを携帯するユーザの現在地や、時刻に応じて変化する値であってもよい。
【0039】
図5(b)は、相対速度と動作モードとの対応を示すテーブルである。このテーブルは、制御部18において、警戒モード320から緊急モード330、または、緊急モード330から警戒モード320へ動作モードを切替えるべきか否かを判定するために参照されるテーブルである。図5(b)に図示するごとく、記憶部20は、「相対速度」を示す相対速度欄520と、「動作モード」を示す動作モード欄510とから構成される。ここでは、相対速度欄520において、「Xkm/h未満」と「Xkm/h以上」の2通りが登録されている。なお、Xとは、整数である。また、「Xkm/h未満」の場合の動作モードとして、「警戒」モードが登録され、「Xkm/h以上」の場合の動作モードとして、「緊急」モードが登録されている。なお、Xkm/hのような速度だけでなく、第1無線端末装置10aを携帯するユーザとの距離も加えた条件によって、それぞれの動作モード300が設定されてもよい。
【0040】
図5(c)は、動作モードと警告動作との対応を示すテーブルである。このテーブルは、制御部18において、警戒モード320もしくは緊急モード330を設定した場合に、警告処理部22に実行させるべき警告動作を決定する際に、参照されるテーブルである。図5(c)に図示するごとく、記憶部20は、「動作モード」を示す動作モード欄510と、「警告動作」を示す警告動作欄530とから構成される。ここでは、動作モード欄510において、「警戒」モードと「緊急」モードの2通りが登録されている。また、「警戒」モードの場合の警告動作として、「ブザー小」が登録され、「緊急」モードの場合の警告動作として、「ブザー大」が登録されている。なお、「ブザー小」とは、警告処理部22において、音量を所定値より小さくしたブザー音を出力することを含む。また、「ブザー大」とは、音量を所定値より大きくしたブザー音を出力することを含む。
【0041】
図5(d)は、図5(c)と同様に、動作モードと警告動作との対応を示すテーブルである。図5(c)に図示するごとく、記憶部20は、「警戒」モードの場合の警告動作として、「ブザー小」が登録され、「緊急」モードの場合の警告動作として、「ブザー大&通報」が登録されている。なお、「ブザー大&通報」とは、警告処理部22において、音量を所定値より大きくしたブザー音を出力するとともに、所定の通信相手に対する通信を実行することを含む。
【0042】
図6は、図1のセンサ装置40の構成例を示す図である。センサ装置40は、通信部42と、速度推定部44と、距離センサ部46と、人感センサ部48とを含む。まず、通信部42は、無線端末装置10からの要求にしたがって、通知された人数、位置を速度推定部44を介して、距離センサ部46と人感センサ部48とに通知する。
【0043】
距離センサ部46は、定期的に、周囲の人との距離を測定し、測定した結果を速度推定部44に通知する。距離センサ部46は、図示しない超音波センサやレーザセンサなどにより構成される。距離センサ部46は、超音波またはレーザを対象物に発信し、対象物からの反射波を受信する。ここで、発信から受信までの時間と、超音波またはレーザの速度とから、対象物までの距離を求める。なお、距離センサ部46による距離測定は、他の公知の技術により実現されてもよい。
【0044】
また、人感センサ部48は、測定対象が人であるか否かを検知し、その結果を速度推定部44に通知する。人感センサ部48は、図示しない赤外線センサなどにより構成される。人感センサ部48は、赤外線センサを用いて、周囲に比べ温度が高い個所を検知し、生体が存在すると判断する。なお、人感センサ部48による生体検知は、他の公知の技術により実現されてもよい。
【0045】
速度推定部44は、距離センサ部46と人感センサ部48とから通知された結果をもとに、移動速度を推定する。具体的には、速度推定部44は、まず、人感センサ部48から通知された情報を元に、測定対象を人に限定する。測定対象を限定した後に、速度推定部44は、距離センサ部46から測定対象との距離を定期的に受信し、距離と受信する頻度とを用いて、速度を計算する。推定された移動速度は、通信部42を介し、第1無線端末装置10aに送信される。
【0046】
上述したこれらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。本明細書における他の機能ブロック図においても同様である。
【0047】
つぎに、図1の第1無線端末装置10aの動作について説明する。図7は、図1の第1無線端末装置10aの動作例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザの指定により開始してもよい。
【0048】
まず、第1無線端末装置10aは、サーバ装置30から周囲の人数を取得する(S30)。取得した人数が所定のしきい値以上である場合(S32のN)、第1無線端末装置10aは、動作モードを通常モードに設定する(S34)。一方、取得した人数が所定のしきい値より少ない場合(S32のY)、第1無線端末装置10aは、サーバ装置30から取得した移動速度をもとに相対速度を検出する(S36)。検出した相対速度が所定のしきい値より遅い場合(S38のY)、第1無線端末装置10aは、動作モードを警戒モードに設定する(S40)。一方、検出した相対速度が所定のしきい値より早い場合(S38のN)、第1無線端末装置10aは、動作モードを緊急モードに設定する(S42)。
【0049】
その後、第1無線端末装置10aは、終了判定を実行する(S44)。終了判定は、ユーザからの終了指示により、終了と判定される(S44のY)。ユーザからの終了指示がなく、終了と判定されなかった場合(S44のN)、S30の処理に戻る。
【0050】
上述の態様によると、取得した人数に応じて、設定された動作モードにしたがった制御内容を機器に実行させることによって、周囲の状況に応じた動作を機器に実行させることができる。また、取得した人数に応じて警告動作の種類を選択することによって、様々な状況に応じて、防犯装置の設定を変更できる。また、選択した警告動作の種類に応じて、実行部に対し、警告動作を実行させることによって、防犯装置を携帯するユーザは、状況に応じて警告された動作に応じて、適切な対応をとらせることができる。また、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合、自己の移動速度に対する相対速度を取得することによって、人気のない場所において、ユーザに近づいてくる人物の存在を把握できる。また、相対速度と実行部の警告動作の種類とを対応づけたテーブルを記憶し、テーブルを参照しながら、警告動作を実行させることによって、ユーザに対し、近づいてくる人物の存在を感得させることができる。これにより、ユーザに注意を喚起することができ、トラブルの発生を抑制できる。以上のように、前もって、危険が近づいていることを示す状況をユーザに認識させることによって、後にトラブルが生じた場合であっても、ユーザは慌てることなくその状況に対処でき、被害があった場合であっても、その被害を最小限にできる。
【0051】
次に、本発明の第1の実施形態の変形例を示す。まず、概要を説明する。本変形例の温度制御システムは、周囲の人数に応じて、空調制御装置が設定すべき設定温度を制御するシステムである。温度制御システムは、電車やバス、あるいは、室内に設置された空調制御装置の設定温度を制御するシステムに好適となる。
【0052】
一般的に、冷暖房装置のような空調制御装置の場合、設定温度が同じ場合であっても、空調制御装置が設置されている空間に存在する人数によって、体感温度が変化することが知られている。そこで、本変形例における温度制御システムにおいては、周囲の人数が多い場合に設定温度を下げ、逆に、人数が少ない場合に設定温度を上げるように制御することとした。これにより、周囲の人数によらずに、体感温度を一定にできる。詳細は後述する。
【0053】
温度制御システムは、図1の防犯制御システム100と同様の構成をとる。ただし、防犯設定エリア200は、空調制御装置の空調性能により定まる領域となる。また、温度制御システムは、図示しない温度制御装置と、温度制御装置により制御される空調制御装置とを含む。また、サーバ装置30は、温度制御装置と一体となって構成されてもよい。なお、センサ装置40は、温度制御システムには、含まれない。
【0054】
図示しない温度制御装置は、図4と同様の構成をとる。ここで、温度制御装置は、警告処理部22が温度調節部に置換えられて構成される。なお、温度制御装置には、相対速度取得部14、速度推定部16は、含まれない。温度調節部は、温度を調節する装置である。また、人数取得部12は、前述の実施形態と同様に、サーバ装置30から、周囲の人数を取得する。制御部18は、記憶部20に記憶された周囲の人数と、設定温度とを対応づけたテーブルを参照しながら、設定すべき設定温度を設定し、温度調節部に対し、温度を調節させる。
【0055】
記憶部20は、周囲の人数と、設定温度とを対応づけたテーブルを記憶する。具体例を用いて説明する。図8は、本発明の第1実施形態の変形例にかかる記憶部20の構成例を示す図である。
【0056】
このテーブルは、制御部18において、図示しない温度制御部に設定させるべき温度を決定するために参照されるテーブルである。図8に図示するごとく、記憶部20は、「人数」を示す人数欄540と、「設定温度」を示す設定温度欄550とから構成される。ここでは、人数欄540において、「人数≧B人」と「A人<人数<B人」と「人数≦A人」の3通りが登録されている。なお、A、Bとは、予め設定された正の整数であり、BはAより大きい値である。また、「人数≧B人」の場合の設定温度として、「T−α」が登録され、「A人<人数<B人」の場合の設定温度として、「T」が登録され、「人数≦A人」の場合の設定温度として、「T+β」が登録されている。なお、T、α、βとは、予め設定された正の整数である。
【0057】
つぎに、本変形例の温度制御システムの動作について説明する。図9は、本発明の第1の実施形態の変形例にかかる温度制御システムの動作例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザの指定により開始してもよい。
【0058】
まず、温度制御装置は、サーバ装置30から周囲の人数を取得する(S50)。取得した人数がA人以下である場合、設定温度を「T+β」に設定する(S54)。また、取得した人数がA人より多く、B人より少ない場合、設定温度を「T」に設定する(S56)。また、取得した人数がB人以上である場合、設定温度を「T−α」に設定する(S58)。その後、温度制御装置は、終了判定を実行する(S60)。終了判定は、ユーザからの終了指示により、終了と判定される(S60のY)。ユーザからの終了指示がなく、終了と判定されなかった場合(S60のN)、S50の処理に戻る。
【0059】
上述の態様をとることによって、取得部において取得した人数に応じて、温度調節部に対し、温度を調節させることによって、人数に応じた最適温度に設定できる。
【0060】
なお、前述の実施形態においては、動作モード300が緊急モード330の場合に、所定の通信相手に対する通信を開始するとして説明した。しかしながらこれらにかぎらず、第1無線端末装置10aを携帯するユーザの状態、たとえば、脈拍の低下や外部から身体に受けた衝撃などを検出した場合に、所定の通信相手に対する通信を開始してもよい。これにより、身体の異常を所定の通信相手に通知できる。
【0061】
また、第1無線端末装置10aは、所定期間内における相対速度の変化量を取得することによって、ユーザに近づくにつれて移動速度が速くなっている人物の存在を把握してもよい。また、第1無線端末装置10aは、相対速度の変化量と、実行部において通信相手となるべき人物とを対応づけたテーブルを記憶し、テーブルを参照しながら、ユーザの状況を通報すべき通信相手、たとえば、保護者や警察などとの間の通信を実行させてもよい。これにより、近づいてくる人物の存在を感得させるとともに、万が一に備え、通報すべき通信相手に、ユーザの状況を通報できる。また、ユーザが通報している状況を、ユーザに近づいてくる人物に知らしめることによって、その人物によるトラブルの行使を未然に抑制できる。
【0062】
以上説明した第1の実施形態に基づき、本発明の態様として以下のような制御装置、防犯装置、および温度制御装置が考えられる。
【0063】
すなわち、本発明のある態様は、制御装置に関する。この制御装置は、周囲の人数を測定し取得する取得部と、周囲の人数と所定の機器の制御内容を規定する動作モードとを対応付けたモードテーブルを保持するための記憶部と、を有し、取得部によって取得した人数に応じた機器の動作モードを、モードテーブルを参照することで決定して設定し、設定された動作モードにしたがった制御内容を機器に実行させる。
【0064】
ここで、「周囲の人数」には、所定の範囲に存在する特定人数の数を含む。特定人物とは、人数を把握させるための機器を所有する人物を含み、例えば、無線通信端末を所有する人物を含む。また、「所定の機器」とは、複数の動作モードを有し、所定の動作モードにしたがって動作を実行する機器を含み、例えば、防犯装置や温度制御装置などを含む。この態様によると、取得した人数に応じて、設定された動作モードにしたがった制御内容を機器に実行させることによって、周囲の状況に応じた動作を機器に実行させることができる。
【0065】
本発明の別の態様は、防犯装置に関する。この防犯装置は、複数種類の警告動作を実行可能な実行部と、周囲の人数を取得する取得部と、周囲の人数と、実行部の警告動作の種類とを対応づけたテーブルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたテーブルを参照しながら、取得部において取得した人数に応じて、実行部の警告動作の種類を選択する設定部と、設定部によって選択した警告動作の種類に応じて、実行部に対し、警告動作を実行させる制御部と、を備える。
【0066】
ここで、「警告動作の種類」とは、ユーザに警告するための動作や、ユーザの周囲の人に警告するための動作を含み、例えば、音声の出力動作、機器の振動動作、あるいは、所定の通信相手への通報などを含む。また、「警告動作の種類とを対応づけたテーブル」は、警告にかかる音声の出力の音量の大小や、機器の振動動作の大小や、通報すべき通信相手により、それぞれ対応づけたテーブルを含む。この態様によると、取得した人数に応じて系奥動作の種類を選択することによって、様々な状況に応じて、防犯装置の設定を変更できる。また、選択した警告動作の種類に応じて、実行部に対し、警告動作を実行させることによって、防犯装置を携帯するユーザは、状況に応じて警告された動作に応じて、適切な対応をとることができる。
【0067】
取得部は、取得した人数が所定の人数よりも少ない場合、周囲の人の移動速度と、自己の移動速度とを検出することによって、自己の移動速度に対する相対速度をさらに取得してもよく、記憶部は、周囲の人数と警告動作の種類とを対応づけたテーブルに加えて、相対速度と実行部の警告動作の種類とを対応づけたテーブルを記憶してもよい。
【0068】
ここで、「自己の移動速度に対する相対速度」とは、周囲の人の移動速度から、防犯装置を携帯するユーザの移動速度を減じることによって得られる速度を含む。この態様によると、相対速度と実行部の警告動作の種類とを対応づけたテーブルを記憶し、テーブルを参照しながら、警告動作を実行させることによって、ユーザに対し、近づいてくる人物の存在を感得させることができる。これにより、ユーザに注意を喚起することができ、トラブルの発生を抑制できる。
【0069】
実行部は、所定の通信相手との間における通信が可能であり、記憶部は、相対速度に対応づけられた警告動作として、通報すべき所定の通信相手を記憶してもよい。
【0070】
この態様によると、相対速度に対応づけられた警告動作として、通報すべき所定の通信相手、たとえば、保護者や警察などとの間の通信を実行させることによって、ユーザに対し、近づいてくる人物の存在を感得させるとともに、万が一に備え、通報すべき通信相手に、ユーザの状況を通報できる。
【0071】
本発明のさらに別の態様もまた、防犯装置に関する。この防犯装置は、複数種類の警告動作を実行可能な実行部と、周囲の人の移動速度と、自己の移動速度とを検出することによって、自己の移動速度に対する相対速度を取得する取得部と、相対速度と、実行部の警告動作の種類とを対応づけたテーブルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたテーブルを参照しながら、取得部において取得した相対速度に応じて、実行部の警告動作の種類を選択する設定部と、設定部によって選択した警告動作の種類に応じて、実行部に対し、警告動作を実行させる制御部と、を備える。
【0072】
本発明のさらに別の態様は、温度制御装置に関する。この温度制御装置は、温度を調節する温度調節部と、周囲の人数を取得する取得部と、周囲の人数と、設定温度とを対応づけたテーブルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたテーブルを参照しながら、取得部において取得した人数に応じて、設定温度を設定する設定部と、設定部によって設定された設定温度にしたがって、温度調節部に対し、温度を調節させる制御部と、を備える。
【0073】
この態様によると、取得部において取得した人数に応じて、温度調節部に対し、温度を調節させることによって、人数に応じた最適温度に設定できる。
【0074】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を具体的に説明する前に、まず、本発明の第2の実施形態の概要について述べる。本発明の第2の実施形態の防犯制御システムは、音声データを無線端末装置に取得させることによって、ユーザに注意を促す防犯制御システムである。具体的には、ユーザの周囲の音声の変化を察知した場合、無線端末装置を介してユーザに注意を促し、それにより、トラブルの発生を未然に抑制する。
【0075】
すなわち、本発明の第2の実施形態においては、無線端末装置は、マイクなどを用いて取得されたユーザの周囲の音声に応じて、警告処理を適宜切り替えることによって、ユーザに注意を促す。
【0076】
図10は、本発明の第2の実施形態にかかる防犯制御システム1000の構成例を示す図である。防犯制御システム1000は、無線端末装置1100と、音源1002で代表される第1の音源1002aと、第2の音源1002bと、第3の音源1002cとを含む。以下において、無線端末装置1100はユーザが携帯する無線端末であり、そのユーザを対象とした防犯制御について説明する。なお、以下の本実施形態の説明において、第1の実施形態と同じものには、第1の実施形態の説明において付与した符号と同じ符号を付与している。以下、同一の符号が付与されたものに関する詳細な説明は省略する。
【0077】
無線端末装置1100は、動作モードを設定し、設定した動作モードに応じて、警告処理を実行する。動作モードとは、警告処理の種類を示し、通常モードと、ユーザに注意を促す警戒モードと、より大きな注意を促す緊急モードとを含む。なお、初期状態においては、通常モードが設定されているものとする。
音源1002は、音声信号を発するものであり、例えば、足音や呼吸音、歩行に伴う衣擦れの音、アクセサリの音等の音源を含む。
【0078】
まず、無線端末装置1100は、周囲の音声を取得する。図10では、例として3つの音源1002が存在するため、3つの音源からの音声が混合された音声信号を音声データとして取得する。ここで、取得した音声データと所定の基準データとの差異が所定の閾値よりも大きい場合、無線端末装置1100は、その動作モードを通常モードから警戒モードに切り替える。警戒モードに切り替えられた場合、無線端末装置1100は、ユーザに対し、注意を促すための警告処理を実行する。注意を促すための警告処理とは、例えば、ブザーを鳴らしたり、表示画面に警戒を促すメッセージを表示したり、あるいは、表示画面を明るく設定するなどである。
【0079】
基準データとは、周囲の音声データと比較対象となるものである。基準データは、通常の市街地の音、通常の住宅街の音、通常の電車の音、などの複数の基準データを予め作成しておき、固定的に無線端末装置1100が保持していてもよい。この場合、無線端末装置1100を携帯するユーザは、自身の状況に応じて、基準データを切り替えてもよい。また、GPS(Global Positioning System)を利用して測定された位置や、加速度センサや風速センサ、明度センサ等の各種センサの出力情報をもとに、無線端末装置1100がユーザの周囲の状況を推定し、複数の基準データの中から適切と考えられる基準データを自動で設定してもよい。また、基準データとして、前回の比較のときに取得した音声データが使用されてもよい。
【0080】
一般的に、ユーザの周囲の音声が変化した場合であっても、常に危険が伴うわけではない。しかしながら、前もって、そのような状況をユーザに認識させることが望ましい。これにより、後にトラブルが生じた場合であっても、ユーザは慌てることなくその状況に対処でき、被害があった場合であっても、その被害を最小限にできる。
【0081】
図11は、図10の無線端末装置1100の構成例を示す機能ブロック図である。無線端末装置1100は、記憶部1010と、制御部1020と、音声差異取得部1030と、警告処理部22と、スピーカ24と、無線通信部26とを含む。警告処理部22と、スピーカ24と、無線通信部26については、第1の実施形態と同じものであるため、説明を省略する。
【0082】
記憶部1010は、第1の実施形態の記憶部20に対応するものであり、周囲の音声データと所定の基準データとの一致の程度と、動作モードと、警告動作のそれぞれとを対応づけたテーブルを記憶する。なお、本実施の形態の説明においては、記憶部1010はさらに基準データについても格納することとする。次に、記憶部1010が記憶するテーブルについて具体例を用いて説明する。図12(a)および(b)は、図11の記憶部1010の構成例を示す図である。
【0083】
図12(a)は、音声の差異と動作モードとの対応を示すテーブルである。このテーブルは、後述する制御部1020において、通常モード310から警戒モード320、もしくは、警戒モード320から通常モード310へ動作モードを切り替えるべきか否かを判定するために参照されるテーブルである。図12(a)に図示するごとく、このテーブルは、音声の一致の程度を示す音声差異欄1500と、動作モードを示す動作モード欄510とから構成される。ここでは、音声差異欄1500において、「音声の差異が小さい」と「音声の差異が大きい」の2通りが登録されている。また、動作モード欄510には、「音声の差異が小さい」場合の動作モードとして、「通常」モードが登録され、「音声の差異が大きい」場合の動作モードとして、「警戒」モードが登録されている。なお、音声差異欄1500には、「音声の差異が小さい」または「音声の差異が大きい」と判定するための閾値、例えば、周波数差異の閾値や音量差異の閾値が、直接格納されてもよい。
【0084】
図12(b)は、動作モードと警告動作との対応を示すテーブルである。このテーブルは、後述する制御部18において、通常モード310もしくは警戒モード320を設定した場合に、警告処理部22に実行させるべき警告動作を決定する際に、参照されるテーブルである。図12(b)に図示するごとく、このテーブルは、「動作モード」を示す動作モード欄510と、「警告動作」を示す警告動作欄530とから構成される。ここでは、動作モード欄510において、「通常」モードと「警戒」モードの2通りが登録されている。また、警告動作欄530には、「通常」モードの場合の警告動作として「なし」が、「警戒」モードの場合の警告動作として「ブザー小」が登録されている。「ブザー小」については第1の実施形態で説明したとおりである。
【0085】
なお、音声差異欄1500は、例えば、「音声の差異が小さい」、「音声の差異がやや大きい」、「音声の差異が大きい」のように、音声の一致の程度によってさらに細かく分類されてもよい。またこの場合も、音声差異欄1500には、それぞれの分類における周波数差異の閾値や音量差異の閾値等が、直接格納されてもよい。また、動作モード欄510には、第1の実施形態で説明した緊急モード330に対応する「緊急」が含まれてもよい。例えば、音声差異欄1500が「音声の差異が大きい」の場合には、動作モード欄510は、緊急モード330を示す「緊急」となってもよい。また、警告動作欄530には、緊急モード330に対応する警告動作が含まれてもよい。例えば、第1の実施形態で説明したように、動作モード欄510が「緊急」の場合には、警告動作欄530は、図5の(d)で示すように「ブザー大&通報」となってもよい。図11に戻る。
【0086】
制御部1020は、第1の実施形態の制御部18に対応するものであり、初期状態において、動作モードを通常モードに設定する。動作モードが通常モードに設定されているときに、後述する音声差異取得部1030から音声に差異があるという通知を受けた場合、制御部1020は、記憶部1010を参照して、動作モードを警戒モード320に設定する。
【0087】
音声差異取得部1030は、周囲の音声データを取得し、その音声データと基準データとの一致の程度を取得する機能ブロックである。音声差異取得部1030は、取得部1032と、判定部1034とを含む。取得部1032は、定期的に周囲の音声データを取得する。具体的には、マイクで周囲の音声信号を取得して、アナログの電気信号に変換し、その電気信号をアナログ−デジタル変換によりデジタルの音声データに変換する。
【0088】
判定部1034は、取得部1032により取得された音声データと、記憶部1010から取得した基準データとの一致の程度を判定する。一致の程度は、音声データの周波数の差異、および/または、音量の差異に基づき判定されてもよいし、その他の公知の音声比較技術に基づき判定されてもよい。
【0089】
ここで、周波数の差異を検出する例を示す。この場合、予め基準データとして、基準となる音声データをフーリエ変換することにより導出したスペクトルのピークとなる周波数fが事前に決定され記憶部1010に保持されている。まず、判定部1034は、取得部1032から音声データを取得する。次に、判定部1034は、取得した音声データをフーリエ変換することによりスペクトルを導出し、そのスペクトルのピークとなる周波数fを特定する。判定部1034は、fとfとを比較し、差異α(Hz:ヘルツ)を検出する。
【0090】
また、音量の差異を検出する例を示す。この場合、予め基準データとして、基準となる音声データに基づいて、その音量vが事前に決定され、記憶部1010に保持されている。まず、判定部1034は、取得部1032から音声データを取得する。次に、判定部1034は、取得した音声データに基づいて、その音量vを導出する。判定部1034は、vとvとを比較し、差異β(dB:デシベル)を検出する。なお、音量は、音声データの電力をもとに、決定または導出されてもよい。
【0091】
音声データと基準データとが完全に一致することは少ないため、判定にはある程度の幅を持たせることが望ましい。例えば、周波数で比較する場合には、差異が大きいか小さいかを判定する特定の閾値、例えばX(Hz:ヘルツ)を事前に決定しておく。また、音量で比較する場合には、差異が大きいか小さいかを判定する特定の閾値、例えばY(dB:デシベル)を事前に決定しておく。この場合、周波数の差異αがX以下であれば、音声データと基準データとは差異が小さいと判定され、差異αがXより大きい場合には、音声データと基準データとは差異が大きいと判定される。音量の差異βと閾値Yによる判定についても同様である。
【0092】
ここで、判定部1034により判定された音声データと基準データとの差異に基づく、動作モードの切り替えについて、具体例を用いて説明する。図13は、図10の無線端末装置1100における動作モード1300の遷移例を示す遷移図である。図13に示す遷移図において、無線端末装置1100の初期状態は、通常モード310とする。
【0093】
まず、前述したように、取得部1032は、定期的に周囲の音声データを取得し、判定部1034は、取得した音声データと基準データとの一致の程度を判定することで、音声の差異の大きさを検出する。ここで、音声の差異が所定の閾値以下の場合、動作モードは遷移せず、通常モード310のままの状態を継続する(S70)。一方、音声の差異が所定の閾値よりも大きい場合、制御部1020は、動作モードを警戒モード320に切り替える(S72)。
【0094】
動作モードが警戒モード320の状態で、判定部1034による次の判定で得られた音声の差異が、所定の閾値以下となった場合、制御部1020は、動作モードを警戒モード320から通常モード310に切り替える(S74)。一方、音声の差異が、継続して、所定の閾値よりも大きくなった場合、動作モードは遷移せず、警戒モード320のままの状態を継続する(S76)。
【0095】
図14は、図10の無線端末装置1100の動作例を示すフローチャートである。以下、図12で示した無線端末装置1100の、各機能ブロックによる処理の流れを、本フローチャートを用いて説明する。なお、この処理は、ユーザの指定により開始してもよい。
【0096】
まず、取得部1032は、周囲の音声信号を受信して音声データとして取得する(S80)。判定部1034は、取得された音声データを受け取り、また、記憶部1010から基準データを取得する(S82)。次に判定部1034は、音声データと基準データとを比較する(S84)。ここでは、両データの周波数と音量の両方に基づき比較することとする。周波数の差異が閾値以下である場合(S86のN)、判定部1034は、音声データと基準データとが一致したと判定し、判定結果を制御部1020に通知する。一致したとの判定結果が通知された制御部1020は、記憶部1010を参照して、無線端末装置1100を通常モード310に設定する(S90)。
【0097】
周波数の差異が閾値より大きい場合(S86のY)、判定部1034は、音量の差異について判定する(S88)。音量の差異が閾値以下である場合(S88のN)、判定部1034は、音声データと基準データとが一致したと判定し、前述したS86のNでの処理と同様の処理となる。音量の差異が閾値より大きい場合(S88のY)、判定部1034は、音声データと基準データとが異なると判定し、判定結果を制御部1020に通知する。異なるとの判定結果が通知された制御部1020は、記憶部1010を参照して、無線端末装置1100を警戒モード320に設定する(S92)。
【0098】
その後、無線端末装置1100は、終了判定を実行する(S94)。終了判定は、ユーザからの終了指示により、終了と判定される(S94のY)。ユーザからの終了指示がなく、終了と判定されなかった場合(S94のN)、S80の処理に戻る。なお、図14においては、周波数に差異があり、かつ、音量にも差異がある場合に、判定部1034は、音声データと基準データとが異なると判定しているが、どちらか一方の条件を満たせば、音声データと基準データとが異なると判定してもよい。
【0099】
本実施の形態によると、取得した音声データと基準データとの一致の程度に基づき、設定された動作モードにしたがった制御内容を機器に実行させることによって、周囲の状況に応じた動作を無線端末装置に実行させることができる。また、無線端末装置に限定されず、汎用的な防犯装置および制御装置にも本技術は適用可能である。また、両データの一致の程度に応じて警告動作の種類を細かく選択することによって、様々な状況に応じて、無線端末装置の設定を適切に変更できる。また、選択した警告動作の種類に応じて、実行部に対し、警告動作を実行させることによって、無線端末装置または防犯装置を携帯するユーザは、状況に応じて警告された動作に応じて、適切な対応をとることができる。さらにまた、音声は障害物があっても回折して伝わるため、例えば、障害物を隔ててユーザに危害を及ぼす可能性のある物体が接近している場合、また、障害物の陰でその物体が待ち伏せている場合においても、物体が発する音声をもとにその状況を検知し、ユーザに注意喚起をすることができる。以上のように、前もって、危険が近づいていることを示す状況をユーザに認識させることによって、後にトラブルが生じた場合であっても、ユーザは慌てることなくその状況に対処でき、被害があった場合であっても、その被害を最小限にできる。
【0100】
次に変形例として、基準データを自動的に決定する方法について説明する。前述したように、基準データとして、前回の比較のときに取得した音声データを使用することにより自動的に決定することはできる。しかし、通常は、無線端末装置1100を携帯するユーザの周囲の音声が連続して変化することは少ないため、次の比較時には音声データと基準データとが一致すると判断される可能性が高い。したがって、無線端末装置1100が警戒モード320になり、そのユーザに注意喚起できるのは、ある時点での比較と、次の時点での比較との間だけということになる。一方で、ユーザの危険を察知するためには、ある程度短い間隔で、音声データと基準データとは比較されることが望ましいため、結果的に注意喚起の時間が短くなり、ユーザが警告動作に気づかない可能性もある。
【0101】
また、携帯可能な無線端末装置や防犯装置での課題として、ハードウェアの制約、例えば、使用できるメモリ量の制約がある。したがって、基準データとして必要とされるだけのデータ量が保持されることが望ましい。
【0102】
この課題を解決するために、この変形例にかかる無線端末装置1100は、基準データを決定する機能を、音声データと基準データとを比較する機能とは独立して備える。また、基準データを決定する機能には、基準データのもととなる音声データの周期を検出し、1周期分の音声データを基準データとして生成する。
【0103】
図15は、この変形例にかかる無線端末装置1100が備える音声差異取得部1030の構成例を示す機能ブロック図である。音声差異取得部1030は、基準データを決定する基準データ決定部1040をさらに有する。基準データ決定部1040は、抽出部1042と、生成部1044とを含む。
【0104】
抽出部1042は、取得部1032において取得された音声データを、所定の単位時間(以下、「Δt」と呼ぶ。)の音声データに分割する。そして、分割された音声データ間の一致の程度を判定する。ここでは前述した音声データと基準データとの比較と同様に、周波数の差異および音量の差異に基づき判定することとする。また同様に、差異が大きいか小さいかを判定する周波数の差異の閾値と、音量の差異の閾値とを予め決めておき、その閾値と比較することにより判定することとする。
【0105】
生成部1044は、抽出部1042により判定された一致の程度が所定の閾値以上となる場合に、分割された音声データをもとに基準データを生成する。ここで、基準データの生成においては、分割された音声データをそのまま用いてもよいし、統計処理を行って、分割された音声データを編集して基準データとしてもよい。例えば、分割された複数の音声データの平均となる周波数特性や音量をもつ音声データを生成して、基準データとしてもよく、これにより、分割された複数の音声データの特徴を反映した音声データを基準データとすることができる。また、分割された複数の音声データのうちで、時系列的に後半の音声データに重み付けするように加重平均して基準データを作成してもよく、これにより、時間の経過に伴う音声データの変化傾向にも追随しやすくなる。最後に、生成部1044は、生成した基準データを記憶部1010に保存する。以上説明した基準データ決定部1040の動作と並行して、前述した判定部1034は、記憶部1010により保持された基準データを取得して、取得部1032において取得された音声データと比較する。
【0106】
図16は、抽出部1042と生成部1044の動作例を示すフローチャートである。フローチャートにおいて、tは時間を示す。また、nは自然数であり1から増分1で増加するものとする。
【0107】
まず、抽出部1042は、取得部1032において取得された音声データから、Δtの音声データを抽出する(S100)。ここで、時間tが2の倍数であるかを確認する(S102)。2の倍数でなかった場合(S102のN)、抽出部1042は、再びS100の処理に戻って、Δtの音声データを抽出し、前に抽出しておいたΔtの音声データと結合させる。時間tが2の倍数であった場合(S102のY)、抽出部1042は、そこまでの音声データを2分割し、前半の音声データと後半の音声データとを比較する(S104)。
【0108】
この比較において、抽出部1042は、まず周波数の差異を確認し(S106)、周波数の差異が閾値より大きかった場合(S106のY)、前半の音声データと後半の音声データとは異なるため、抽出部1042は、再び、S100の処理に戻る。周波数の差異が閾値以下であった場合(S106のN)、次に音量の差異を確認する(S108)。音量の差異が閾値より大きかった場合(S108のY)、前半の音声データと後半の音声データとは異なるため、抽出部1042は、再び、S100の処理に戻る。音量の差異が閾値以下であった場合(S108のN)、抽出部1042は、前半の音声データと後半の音声データとは一致したとみなし、その結果を生成部1044に通知する。生成部1044は、t/2を周期、前半の音声データを基準データとして、記憶部1010に保存する(S110)。
【0109】
図16では、tが2の倍数となるのを条件に、2分割して比較を行うことで、基準データを抽出したが、tがx(xは3以上の自然数)となるのを条件に、x分割して比較を行うことで、基準データを抽出してもよい。比較対象を増やすことで、ノイズを取り除きやすくなり、より好ましい基準データを抽出しやすくなる。また、図16では、2分割した場合に、前半の音声データを基準データとしたが、前半と後半の音声データの平均を基準データとしてもよい。さらにx分割した場合には、x個の音声データの平均値を基準データとしてもよい。2分割の場合、前半と後半の音声データの平均とすることで、両方の音声データの特徴をより反映した基準データとすることができる。
【0110】
本変形例で示した、基準データの更新のタイミングはユーザにより与えられてもよい。また、判定部1034が音声データと基準データとが異なると判定したことを条件に、所定の時間経過後に基準データを更新してもよい。特に後者の場合、ある程度の警告動作の時間を確保しつつ、その後、現在の周囲の音声に基づき基準データを生成して、ユーザの環境に追随できるという効果がある。
【0111】
本変形例で示した、基準データを決定する基準データ決定部1040は、音声データと基準データとを比較する機能とは独立して動作できる。したがって、例えば、基準データ決定部1040において基準データを決定する間隔を、音声データと基準データとを比較する間隔よりも長くすることにより、基準データが周囲の音声の変化に追随するまでにタイムラグをもうけることができる。これにより、警告動作を行わせる時間を適切な長さに調整しやすくなる。また、基準データを保持する記憶部1010は、取得した音声データの全てを保持する必要はなく、基準データとして生成された1周期分の音声データであるため、メモリの使用量も低減できる。
【0112】
本変形例のΔtは、予め固定値として決定されてもよいが、無線端末装置1100を携帯するユーザの近傍の周期的な音声を発する音源の音声データ(以下、「特定近傍音声データ」と呼ぶ。)の周期に基づいて定められてもよい。この音源は、例えば、ユーザの呼吸音、足音、衣擦れの音、アクセサリの音等である。周囲から取得する音声データの周期は、通常、特定近傍音声データの周期の倍数となる。そのため、一旦特定近傍音声データの周期を導出することで、周囲の音声データの周期算出時には、Δtの大きさを少なくとも特定近傍音声データの周期の大きさ以上にすることができるため、周期算出のための比較回数を低減させることができる。
【0113】
特定近傍音声データの取得には、特定の方向に強い感度を持つ指向性マイクが使われてもよい。例えば、足もとに感度を調整された指向性マイクを使うことで、足音の音声データを取得することができる。
【0114】
ここで、周期算出のための比較回数について考察する。周囲の音声データの周期を64、特定近傍音声データの周期を8、所与のΔtの値を1とし、図16と同じアルゴリズムで周囲の音声データの周期を算出する。まず、所与のΔtの値のみで、周囲の音声データの周期を算出した場合、64回の比較が必要になる。
一方で、所与のΔtでまず特定近傍音声データの周期を算出した後に、その周期をΔtとして周囲の音声データの周期を算出する。まず、特定近傍音声データを対象として図16の処理をすると、8回の比較で特定近傍音声データの周期8が導出できる。次に、周囲の音声データを対象として、Δtを8として、図16の処理をする。次の9回目の比較では周期8の音声データでの比較、10回目の比較では周期16の音声データでの比較となり、最終的に、16回目の比較で周期64の音声データでの比較となる。したがって、16回の比較で周囲の音声データの周期が導出でき、周期算出のための比較回数が低減された。
【0115】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態にかかる防犯制御システムは、周囲の人数および他者の相対速度で防犯制御をする第1の実施形態にかかる防犯制御システム100の特徴と、周囲の音声で防犯制御をする第2の実施形態にかかる防犯制御システム1000の特徴と、の両方を備えたものである。
【0116】
図17は、本発明の第3の実施形態にかかる防犯制御システム2000の構成例を示す図である。防犯制御システム2000は、サーバ装置30と、センサ装置40と、第1無線端末装置2100と、無線端末装置10で代表される第2無線端末装置10b〜第6無線端末装置10fと、音源1002で代表される第1の音源1002a〜第3の音源1002cとを含む。以下において、第1無線端末装置2100はユーザが携帯する無線端末であり、そのユーザを対象とした防犯制御について説明する。また、そのユーザは、第1無線端末装置2100とともに、センサ装置40も携帯しているものとする。図17において、第1無線端末装置2100以外については、先の2つの実施形態にて説明済みであるため、以下、第1無線端末装置2100について説明する。
【0117】
図18は、図17の第1無線端末装置2100の構成例を示す機能ブロック図である。第1無線端末装置2100は、記憶部2010と、制御部2020と、人数取得部12と、相対速度取得部14と、速度推定部16と、音声差異取得部1030と、警告処理部22と、スピーカ24と、無線通信部26とを備える。以下、記憶部2010と、制御部2020について説明する。他の機能ブロックは、先の2つの実施形態と同様である。
【0118】
記憶部2010は、第1の実施形態の記憶部20および第2の実施形態の記憶部1010に対応するものである。記憶部2010は、周囲の人数と、相対速度と、周囲の音声データと所定の基準データとの一致の程度と、動作モードと、警告動作のそれぞれとを対応づけたテーブルを記憶する。なお、本実施形態の説明においても、記憶部2010はさらに基準データについても格納することとする。次に、記憶部2010が記憶するテーブルについて具体例を用いて説明する。図19(a)〜(d)は、図18の記憶部2010の構成例を示す図である。以下、図19(a)は図5(a)と同様であり、図19(b)は図5(b)と同様である。また、図19(d)も、図5(d)に、図12(b)で説明した動作モード欄510が「通常」のレコードを加えたものであるため、説明を省略する。
【0119】
図19(c)は、音声の差異と動作モードとの対応を示すテーブルである。このテーブルは、後述する制御部2020において、警戒モード320から緊急モード330、もしくは、緊急モード330から警戒モード320へ動作モードを切り替えるべきか否かを判定するために参照されるテーブルである。図19(c)に図示するごとく、このテーブルは、音声の一致の程度を示す音声差異欄1500と、動作モードを示す動作モード欄510とから構成される。ここでは、音声差異欄1500において、「音声の差異が小さい」と「音声の差異が大きい」の2通りが登録されている。また、動作モード欄510において、「音声の差異が小さい」の場合の動作モードとして、「警戒」モードが登録され、「音声の差異が大きい」の場合の動作モードとして、「緊急」モードが登録されている。なお、音声差異欄1500には、「音声の差異が小さい」または「音声の差異が大きい」と判定するための閾値、例えば、周波数差異の閾値や音量差異の閾値が、直接格納されてもよい。
【0120】
制御部2020は、第1の実施形態の制御部18および第2の実施形態の制御部1020に対応するものであり、初期状態において、動作モードを通常モードに設定する。動作モードが通常モードに設定されているときに、人数取得部12によって取得された人数が所定の人数よりも少なくなった場合、制御部2020は、動作モードを警戒モード320に設定する。この場合、制御部2020は、相対速度取得部14に対し、相対速度の検出を要求するとともに、音声差異取得部1030に対し、周囲の音声の変化の検出を要求する。
【0121】
ここで、人数取得部12により取得された周囲の人数、相対速度取得部14により取得された他者の相対速度、および音声差異取得部1030により判定された音声データと基準データとの差異に基づく、動作モードの切り替えについて具体例を用いて説明する。図20は、図17の第1無線端末装置2100における動作モード2300の遷移例を示す遷移図である。図20に示す遷移図において、第1無線端末装置2100の初期状態は、通常モード310とする。以下、図2の遷移図との違いを説明する。
【0122】
動作モードを警戒モード320に切り替えると、制御部2020は、人数取得部12に周囲の人数を取得させることに加え、相対速度取得部14に相対速度を取得させるとともに、音声差異取得部1030に音声の差異を取得させる。動作モードが警戒モード320の状態で、相対速度取得部14により取得された他者の相対速度が小さく、かつ、音声差異取得部1030により判定された音声の差異が小さい場合、制御部2020は、動作モードを遷移させず、警戒モード320のままの状態を継続する(S130)。動作モードが警戒モード320の状態で、相対速度取得部14により取得された他者の相対速度が大きく、または、音声差異取得部1030により判定された音声の差異が大きい場合、制御部2020は、動作モードを警戒モード320から緊急モード330に切り替える(S132)。
【0123】
動作モードを緊急モード330に切り替えた場合であっても、制御部2020は、人数取得部12に周囲の人数を取得させ、相対速度取得部14に相対速度を取得させ、音声差異取得部1030に音声の差異を取得させる。動作モードが緊急モード330の状態で、相対速度取得部14により取得された他者の相対速度が小さく、かつ、音声差異取得部1030により判定された音声の差異が小さい場合、制御部2020は、動作モードを緊急モード330から警戒モード320に遷移させる(S134)。動作モードが緊急モード330の状態で、相対速度取得部14により取得された他者の相対速度が大きく、または、音声差異取得部1030により判定された音声の差異が大きい場合、制御部2020は、動作モードを遷移させず、緊急モード330のままの状態を継続する(S136)。
【0124】
図20で示した遷移図の各遷移条件の設定について説明する。まずそもそも、ユーザの周辺に人が多ければ、ユーザの危険は少ないといえるため、周囲の人数が多ければ通常モードとなるように設定されている。また、周囲の人数は、無線端末装置10とサーバ装置30との通信により推定されるため、比較的誤差は少ないといえる。そのため、通常モード310と、警戒モード320または緊急モード330との区別には適しているといえる。しかし、警戒モード320と、緊急モード330との判定は、周囲の人数だけでは困難であり、例えば、ユーザに向かってくる物体の速度や、周囲の音声という判定基準を設けることで、ユーザの危険を精度よく察知できる。さらに、警戒モード320にあっては、相対速度または周囲の音声で危険を察知すれば緊急モード330に遷移することになり、緊急モード330からは相対速度および音声の両方で危険を察知しないときに限り警戒モード320に遷移することになる。このように、図20の遷移図では、人数・相対速度・音声のそれぞれでの判定の特徴を活かし、精度よく危険を察知し、ユーザの安全を確保しやすい遷移条件が設定されている。
【0125】
次に、図17の第1無線端末装置2100の動作について説明する。図21は、図17の第1無線端末装置2100の動作例を示すフローチャートであり、図7のフローチャートに相当する。この処理は、ユーザの指定により開始してもよい。S140、S142、S144、S146、S148、S154、S156、S158の処理は、それぞれ、図7のS30、S32、S34、S36、S38、S40、S42、S44と同様であるため、説明を省略し、S150およびS152について説明する。
【0126】
検出した相対速度が所定の閾値より遅い場合(S148のY)、第1無線端末装置2100は、音声データと基準データを取得する(S150)。両データを比較し(S152)、両データの差異が閾値の範囲を超える場合(S152のN)、第1無線端末装置2100は、動作モードを緊急モードに設定する(S156)。両データの差異が閾値の範囲内である場合(S152のY)、第1無線端末装置2100は、動作モードを警戒モードに設定する(S154)。
【0127】
本実施の形態にかかる防犯制御システムによれば、第1の実施形態にかかる防犯制御システムでの効果、および第2の実施形態にかかる防犯制御システムでの効果を得られるだけではない。つまり、前述の動作モード2300の遷移条件で説明したように、周囲の人数・相対速度・音声という危険検知の要素を最適に組み合わせることで、危険検知の精度をさらに高め、ユーザの安全性を高めることができる。
【0128】
なお、本実施形態にかかる第1無線端末装置2100における動作モード2300の遷移条件の変形例として、周囲の人数と相対速度の2つの要素で動作モードを一旦特定しておき、その動作モードを音声の差異により修正してもよい。この場合、事前に、図2の遷移図で示したように、周囲の人数と相対速度で動作モード2300が特定されている。ここで、動作モード2300が、警戒モード320もしくは緊急モード330と特定されると、第1無線端末装置2100は、周囲の音声を取得し、基準音声との差異に基づき動作モードを修正する。本変形例の場合も、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0129】
図22は、図17の第1無線端末装置2100における動作モード2300の遷移例を示す遷移図である。以下、同図を用いて、本変形例における動作モードの遷移を説明する。周囲の人数と相対速度とで特定された動作モードが警戒モード320の場合、判定部1034による判定で得られた音声の差異が、所定の閾値以下であれば、制御部2020は動作モードを修正せず、警戒モード320のままの状態を継続する(S160)。一方、音声の差異が所定の閾値よりも大きければ、制御部2020は、動作モードを修正し、緊急モード330に切り替える(S162)。周囲の人数と相対速度とで特定された動作モードが緊急モード330の場合、判定部1034による判定で得られた音声の差異が、所定の閾値以下であれば、制御部2020は動作モードを修正し、警戒モード320に切り替える(S164)。一方、音声の差異が所定の閾値よりも大きい場合、制御部2020は、動作モードを修正せず、緊急モード330のままの状態を継続する(S166)。
【0130】
いずれの実施形態の無線端末装置においても、実施する装置として携帯電話端末は非常に好適である。現在の多くの携帯電話端末には、無線通信部26に相当する機能はもちろんのこと、GPSを利用した位置特定機能や、センサ装置40として使用できる赤外線センサや、取得部1032として使用できるマイクや、スピーカ24として使用できるスピーカなど、実施形態にかかる無線端末装置を実現する機能の多くを標準的に備えている。そのため、携帯電話端末を用いることで、多額の費用を投じることなく、本発明を実施できる。
【0131】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0132】
前述した実施形態では、無線端末装置を例にとり説明した。他の例として、本発明は、同様の機能ブロックを備える汎用的な制御装置として実施されてもよく、その制御装置は様々な機器に組み込まれることが可能である。例えば、携帯音楽プレーヤーに組み込まれてもよい。この制御装置を備えた携帯音楽プレーヤーは、周囲の人数・相対速度・音声等の変化に応じて、前述したように、ユーザに対し、音や振動等で注意喚起ができる。これにより、例えば、大音量で音楽を聴いているため周囲の音声が把握できない、移動中のユーザに対し、交差点で出会い頭に衝突の危険性のある、自動車の存在を注意喚起することができ、トラブルの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる防犯制御システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の無線端末装置における動作モードの遷移例を示す遷移図である。
【図3】図2の動作モードの遷移例における第1〜第3の遷移態様を模式的に示す図である。
【図4】図1の無線端末装置の構成例を示す図である。
【図5】図4の記憶部の構成例を示す図である。
【図6】図1のセンサ装置の構成例を示す図である。
【図7】図1の無線端末装置の動作例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の変形例にかかる記憶部の構成例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の変形例にかかる温度制御システムの動作例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかる防犯制御システムの構成例を示す図である。
【図11】図10の無線端末装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図12】図11の記憶部の構成例を示す図である。
【図13】図10の無線端末装置における動作モードの遷移例を示す遷移図である。
【図14】図10の無線端末装置の動作例を示すフローチャートである。
【図15】変形例にかかる無線端末装置が備える音声差異取得部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図16】抽出部と生成部の動作例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施形態にかかる防犯制御システムの構成例を示す図である。
【図18】図17の第1無線端末装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図19】図18の記憶部の構成例を示す図である。
【図20】図17の第1無線端末装置における動作モードの遷移例を示す遷移図である。
【図21】図17の第1無線端末装置の動作例を示すフローチャートである。
【図22】図17の第1無線端末装置における動作モードの遷移例を示す遷移図である。
【符号の説明】
【0134】
1 無線端末装置、 10a 第1無線端末装置、 12 人数取得部、 14 相対速度取得部、 16 速度推定部、 18 制御部、 20 記憶部、 22 警告処理部、 24 スピーカ、 26 無線通信部、 30 サーバ装置、 40 センサ装置、 42 通信部、 44 速度推定部、 46 距離センサ部、 48 人感センサ部、 50 防犯対象ユーザ、 100 防犯制御システム、 200 防犯設定エリア、 300 動作モード、 310 通常モード、 320 警戒モード、 330 緊急モード、 500 人数欄、 510 動作モード欄、 520 相対速度欄、 530 警告動作欄、 540 人数欄、 550 設定温度欄、1000 防犯制御システム、1002 音源、1010 記憶部、1020 制御部、1030 音声差異取得部、1032 取得部、1034 判定部、1040 基準データ決定部、1042 抽出部、1044 生成部、1100 無線端末装置、1300 動作モード、1500 音声差異欄、2000 防犯制御システム、2010 記憶部、2020 制御部、2100 第1無線端末装置、2300 動作モード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データを取得する取得部と、
前記取得部において取得された音声データと、音声データの比較対象となるべき基準データとの一致の程度を判定する判定部と、
前記判定部により判定される一致の程度と、所定の機器の制御内容を規定する動作モードとを対応付けたモードテーブルを保持する記憶部と、
前記記憶部により保持されたモードテーブルを参照して、前記判定部により判定された一致の程度に応じた動作モードを特定し、その動作モードにしたがった制御内容を前記機器に実行させる制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記基準データを決定する基準データ決定部をさらに備え、
前記基準データ決定部は、
前記取得部において取得された音声データを所定の期間毎に分割し、分割された音声データ間の一致の程度を判定する抽出部と、
前記抽出部により判定された一致の程度が所定の閾値以上となる場合に、分割された音声データをもとに基準データを生成し、前記記憶部に記憶させる生成部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、周囲の人数も測定して取得し、
前記記憶部により保持されるモードテーブルには、所定の機器の制御内容を規定する動作モードと前記取得部により取得される周囲の人数とを対応付ける情報も含まれ、
前記制御部は、前記記憶部により保持されたモードテーブルを参照して、前記取得部により取得された周囲の人数と、前記判定部により判定された一致の程度とに応じた動作モードを特定し、その動作モードにしたがった制御内容を前記機器に実行させることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、周囲の人の移動速度と、自己の移動速度とを検出することによって、自己の移動速度に対する相対速度も取得し、
前記記憶部により保持されるモードテーブルには、所定の機器の制御内容を規定する動作モードと前記取得部により取得される相対速度とを対応付ける情報も含まれ、
前記制御部は、前記記憶部により保持されたモードテーブルを参照して、前記取得部により取得された周囲の人数と、相対速度と、前記判定部により判定された一致の程度とに応じた動作モードを特定し、その動作モードにしたがった制御内容を前記機器に実行させることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、周囲の人の移動速度と、自己の移動速度とを検出することによって、自己の移動速度に対する相対速度も取得し、
前記記憶部により保持されるモードテーブルには、所定の機器の制御内容を規定する動作モードと前記取得部により取得される相対速度とを対応付ける情報も含まれ、
前記制御部は、前記記憶部により保持されたモードテーブルを参照して、前記取得部により取得された周囲の人数と、相対速度とに応じた動作モードを特定し、前記判定部により判定された一致の程度に応じ、前記特定した動作モードを修正して、修正した動作モードにしたがった制御内容を前記機器に実行させることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
複数種類の警告動作を実行可能な実行部と、
音声データを取得する取得部と、
前記取得部において取得された音声データと、音声データの比較対象となるべき基準データとの一致の程度を判定する判定部と、
前記判定部により判定される一致の程度と、前記実行部の警告動作の種類とを対応付けたテーブルを保持する記憶部と、
前記記憶部により保持されたテーブルを参照して、前記判定部により判定された一致の程度に応じて、前記実行部の警告動作の種類を選択する設定部と、
前記設定部により選択された警告動作の種類に応じて、前記実行部に警告動作を実行させる制御部と、
を備えることを特徴とする防犯装置。
【請求項7】
前記取得部は、周囲の人数も測定して取得し、
前記記憶部により保持されるテーブルには、前記取得部により取得される周囲の人数と実行部の警告動作の種類とを対応付ける情報も含まれ、
前記設定部は、前記記憶部により保持されたテーブルを参照して、前記取得部により取得された周囲の人数と、前記判定部により判定された一致の程度とに応じて、前記実行部の警告動作の種類を選択することを特徴とする請求項6に記載の防犯装置。
【請求項8】
複数種類の警告動作を実行可能な実行部と、
音声データを取得する取得部と、
前記取得部において取得された音声データと、音声データの比較対象となるべき基準データとの一致の程度を判定する判定部と、
前記判定部により判定される一致の程度と、前記実行部の警告動作の種類とを対応付けたテーブルを保持する記憶部と、
前記記憶部により保持されたテーブルを参照して、前記判定部により判定された一致の程度に応じて、前記実行部の警告動作の種類を選択する設定部と、
前記設定部により選択された警告動作の種類に応じて、前記実行部に警告動作を実行させる制御部と、
を備えることを特徴とする無線端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−282281(P2008−282281A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127263(P2007−127263)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】